説明

情報端末、表示画面切り替えのための方法、及びそのプログラム

【課題】機能起動時の入力デバイスによる操作に適した表示画面に切り替える。
【解決手段】情報端末は、所定の機能の起動が割り当てられたオブジェクトに対する複数のユーザジェスチャを受け付ける操作部と、前記複数のユーザジェスチャに対応して、前記機能の表示画面の仕様を切り替える制御部と、前記表示画面を出力する表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入力デバイスを有する情報端末、表示画面切り替えのための方法、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている技術では、タッチパネルと十字キーとの複数の入力デバイスを備えるが、該当機能選択時に起動する機能はその入力デバイスにかかわらず同一となる。
【0003】
また、特許文献2に開示されている技術では、該当機能選択を行う入力デバイスを切り替えキーにより切り替えるため、たとえ複数の入力デバイスを備えていても、動作する入力デバイスが常に1種類となる。
【0004】
また、特許文献3に開示されている技術では、起動時には必ずタッチ入力のインターフェースを起動して、タイムアウト後には、キー入力のインターフェースに切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−032346号公報
【特許文献2】特開2007−233931号公報
【特許文献3】特開2009−003628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、前述した従来技術では、ある機能を起動する場合には、入力デバイスにかかわらず、その機能を表示する表示部の画面仕様は1、又は2種類であるが、前述した従来技術では、機能起動時の入力デバイスによる操作に応じた表示部の画面仕様に切り替えることができない。
【0007】
本発明の目的は、機能起動時の入力デバイスに対する操作に適した表示画面に切り替えることができる情報端末、表示画面切り替えのための方法、及びそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報端末は、所定の機能の起動が割り当てられたオブジェクトに対する複数のユーザジェスチャを受け付ける操作部と、前記複数のユーザジェスチャに対応して、前記機能の表示画面の仕様を切り替える制御部と、前記表示画面を出力する表示部と、を備える。
【0009】
上記情報端末は、更に、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶部を備え、前記制御部は、前記複数のジェスチャのうちの一のジェスチャとして、前記操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、前記一のジェスチャの速度に応じた前記表示画面の仕様に切り替え、前記表示部は、前記制御部が切り替えた表示画面を出力する。
【0010】
上記情報端末は、更に、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶部を備え、前記制御部は、前記複数のジェスチャのうちの一のジェスチャとして、前記操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、前記一のジェスチャの方向と同じ表示画面の方向を有する前記表示画面の仕様に切り替え、前記表示部は、前記制御部が切り替えた表示画面を出力する。
【0011】
上記情報端末では、前記操作部は、キーを有する第1操作部と、前記表示部と一体に設けられたタッチパネルからなる第2操作部と、を有し、前記表示部は、第1のジェスチャとして前記第2操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、第2のジェスチャとして前記第1操作部により当該オブジェクトを選択した場合に出力される表示画面の仕様とは異なる仕様で、前記機能の表示画面を出力する。
【0012】
上記情報端末では、更に、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶部を備え、前記制御部は、前記第1のジェスチャとして前記第2操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、前記第1操作部よりも前記第2操作部により操作し易い、前記表示画面の仕様に切り替え、第2のジェスチャとして前記第1操作部により当該オブジェクトを選択した場合には、前記第2操作部よりも前記第1操作部により操作し易い、前記表示画面の仕様に切り替え、前記表示部は、前記制御部が切り替えた表示画面を出力する。
【0013】
また、本発明は、所定の機能の起動が割り当てられたオブジェクトに対する複数のユーザジェスチャを受け付ける受付ステップと、前記複数のユーザジェスチャに対応して、前記機能の表示画面の仕様を切り替える切替ステップと、前記表示画面を出力する出力ステップと、を備えた表示画面切り替えのための方法を提供する。
【0014】
上記表示画面切替のための方法では、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶ステップを備え、前記切替ステップでは、前記複数のジェスチャのうちの一のジェスチャとして、前記オブジェクトを前記受付ステップで選択した場合には、前記一のジェスチャの速度に応じた前記表示画面の仕様に切り替える。
【0015】
上記表示画面切替のための方法では、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶ステップを備え、前記切替ステップでは、前記複数のジェスチャのうちの一のジェスチャとして、前記オブジェクトを前記受付ステップで選択した場合には、前記一のジェスチャの方向と同じ表示画面の方向を有する前記表示画面の仕様に切り替える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る情報端末、表示画面切り替えのための方法、及びそのプログラムによれば、機能起動時の入力デバイスによる操作に適した表示画面に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】携帯電話機1の正面図
【図2】携帯電話機1の概略構成を示すブロック図
【図3】表示部101の画面仕様切り替えに係る機能ブロック図
【図4】画面仕様切り替えの判別基準を示す図
【図5】(a)〜(c)は表示部101の画面仕様の切り替えの具体例(1)を説明するための図
【図6】(a)〜(c)は表示部101の画面仕様の切り替えの具体例(2)を説明するための図
【図7】表示部101の表示画面の切り替え制御のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る携帯電話機1について説明する。
【0020】
図1は、情報端末として用いられる携帯電話機1の正面図である。携帯電話機1は、スライド式であり、矩形の板状の2つの筐体10、11で構成される。
【0021】
筐体10の外面には、表示部101が一体に設けられたタッチパネル102(第2操作部)と、音声を出力するスピーカ33と、が設けられている。筐体11の外面には、音声を集音するマイクロフォン34が設けられる。筐体11の外面と筐体10の下部とには、キー入力部104(第1操作部)が設けられている。
【0022】
タッチパネル102、スピーカ33、およびマイクロフォン34は、外部に露出されており、ユーザは表示部101の画面を視認しながら、携帯電話機1を用いて通話を行うことができる。
【0023】
図2は、携帯電話機1の概略構成を示すブロック図である。携帯電話機1では、主制御部30、電源回路部31、表示制御部103、音声制御部35、通信制御部36、第1記憶部37、及び情報記録媒体38がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0024】
電源回路部31は、電力供給源(バッテリ等)を備え、表示部101上に表示された操作キーを介した入力に基づいて、携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替える。電源がON状態の場合、電源回路部31は、電力供給源から各部に電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0025】
表示制御部103は、主制御部30の制御に基づいて、各種の機能を実行するアプリケーション等の画面を表示部101に表示する。なお、アプリケーション自体も機能のひとつである。
【0026】
また、表示制御部103は、タッチパネル102が物体の接触を検知すると、その接触があった位置座標を取得して主制御部30に伝送する。例えば、ユーザの指がタッチパネル102に接触したまま任意の方向へなぞると、表示制御部103は、なぞった始点と終点の接触位置座標を取得し主制御部30に伝送する。
【0027】
また、表示制御部103は、タッチパネル102に接触していた物体が離れると、接触時に取得した位置座標を消去する。
【0028】
タッチパネル102の接触入力が行われた場合に、表示部101にデータを表示する時、または通信が行われる時に、表示制御部103はタッチパネル102の照明を点灯させる。また、タッチパネル102からの入力が無く、通信も行われずに、所定時間を経過すると、表示制御部103は表示部101の照明を消灯し、タッチパネル102からの入力操作を無効にし、次に入力操作があるまで携帯電話機1の機能をスリープさせる。
【0029】
音声制御部35は、主制御部30の制御に基づいて、マイクロフォン34で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また、音声制御部35は、主制御部30の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ33が音声として出力する。
【0030】
通信制御部36は、主制御部30の制御に基づいて、基地局からアンテナ36Aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復号化する。このデータは、主制御部30の指示により、音声制御部35に伝送されてスピーカ33から出力されたり、表示制御部103に伝送されて表示部101に表示されたり、または第1記憶部37に記録されたりする。
【0031】
また通信制御部36は、主制御部30の制御に基づいて、マイクロフォン34で集音された音声データや、タッチパネル102を介して入力されたデータや第1記憶部37に記録されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ36Aを介して送信する。
【0032】
第1記憶部37は、主制御部30や通信制御部36などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(Random Access Memory)などにより実現できる。
【0033】
情報記録媒体38は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、ハードディスク、或いはメモリ(ROM:Read Only Memory)などにより実現できる。情報記録媒体38は、本実施の形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)、及び複数のアプリケーション等を記憶する。
【0034】
主制御部30は、CPU(Central Processing Unit)を具備する。主制御部30は、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、その他の様々な演算処理や制御処理などを行う。主制御部30の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、又はASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。主制御部30は、情報記録媒体38に格納されたプログラム(データ)に基づいて本実施の形態の種々の処理を行う。
【0035】
主制御部30が、情報記録媒体38に格納されている任意のアプリケーションを起動した際、主制御部30は、タッチパネル102への接触により表示制御部103から伝送される所定の処理操作を行うようアプリケーションを動作させる。
【0036】
図3、4を参照して、携帯電話機1における表示部101の画面仕様に切り替えについて説明する。図3は表示部101の画面仕様切り替えに係る機能ブロック図である。
なお、本実施の形態では、携帯電話機1における表示部101の画面仕様に切り替えを例にとって説明するが、携帯電話機1に限らず、少なくとも複数の入力デバイスを備える電子機器であれば適用可能である。
【0037】
キー入力部104は、表示部101に表示された所定のオブジェクトに対するユーザからの入力動作(ユーザジェスチャ)を受け付けて、その入力動作に係る操作情報を表示制御部103に出力する。キー入力部104は、第1操作部として機能する。
【0038】
タッチパネル102は、内蔵するセンサによって、表示部101に表示された所定のオブジェクトに対するユーザからの入力動作(ユーザジェスチャ)を受け付け、その入力動作に係る操作情報を表示制御部103に出力する。例えば、タッチパネル102上の指の接触を感知し、その検出結果を表示制御部103に出力する。タッチパネル102は、第2操作部として機能する。
【0039】
なお、タッチパネル102は、容量性、抵抗性、赤外線、及び弾性表面波技術、並びにその他の近接センサアレイ、又は、タッチパネル102と接触点を決定するための複数のタッチセンシティビティ技術を用いて、タッチパネル102上の接触及び接触による任意の動き又はその動きの中断を検出することができる。
【0040】
表示部101は、タッチパネル102に一体的に備えられており、出力インタフェースとして、視覚的な出力をユーザに表示する。この視覚的な出力は、テキスト、グラフィック、ビデオ、及びこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0041】
表示制御部103は、第1操作部として機能するキー入力部104又は第2操作部として機能するタッチパネル102から入力される操作情報に基づき、起動される機能の表示画面を、記憶部105に保持された画面仕様に変更して、表示部101に表示する。
【0042】
本実施の形態では、表示制御部103が表示画面を変更して起動する機能とは、アプリケーションに限らず、タッチパネル102と一体に設けられた表示部101の表示画面の表示仕様(輝度、コントラスト、配置、配色)自体の変更、メール、ブラウザなどの各種アプリケーションの表示画面の表示仕様などの変更や、表示画面内の各種オブジェクトの表示仕様の変更なども含まれるとする。更には、これらの変更の組み合わせも表示制御部103が表示画面を変更して起動する機能に含まれるとする。
【0043】
記憶部105が保持する表示部101の複数の画面仕様は、後述するように各種機能を実行するアプリケーション(例えば、メール、ブラウザ、音楽プレイヤー)と、そのアプリケーションを実行した操作情報に基づいた複数の画面の設定情報である。なお、アプリケーション自体も機能のひとつである。
【0044】
また、記憶部105には、上述のように、タッチパネル102と一体に設けられた表示部101の表示画面の表示仕様(輝度、コントラスト、配置、配色)自体の変更、メール、ブラウザなどの各種アプリケーションの表示画面の表示仕様などの変更や、表示画面内の各種オブジェクトの表示仕様の変更などの各種画面の設定情報も含まれる。
【0045】
表示制御部103は、表示部101の画面仕様を表示部101に表示する際には、図4に示す判別基準を参照して、記憶部105に保持されている表示部101の複数の画面仕様を用いて、表示部101の画面仕様を切り替える。図4は画面仕様切り替えの判別基準を示す図である。なお、図4に示す機能X,Yは同一の機能であっても良いし、異なる機能であっても良い。
【0046】
また、表示制御部103は、表示部101の画面仕様を表示部101に表示する際には、内蔵するタイマ等により、タッチパネル102での機能起動時のタッチパネル入力操作の速度を参照することができる。また、表示制御部103は、表示部101の画面仕様を表示部101に表示する際には、タッチパネル102からの操作情報により、タッチパネル102の入力操作の操作方向、タッチパネル102の入力操作の操作回数を参照することができる。
【0047】
同様に、表示制御部103は、キー入力部104からの操作情報により、表示部101の画面仕様を表示部101に表示する際には、機能起動時のキー入力操作の速度キー入力操作の操作方向、及びキー入力操作の操作回数などを参照することができる。
【0048】
起動する機能の切り替え基準1は、機能起動時の入力デバイスの種別であり、起動する機能の分類は画面レイアウトである。このとき起動され得る機能Xには、小さいオブジェクトを用いたレイアウトを画面仕様に用い、機能Yには大きいオブジェクトを用いたレイアウトを画面仕様に用いる。例えば、ある機能(機能X,Yが同一の場合)をタッチパネル操作で起動した場合に、大きいオブジェクトを用いたレイアウトを画面仕様に用いれば、機能起動後も、起動時と同じ入力デバイス(タッチパネル102)で操作がしやすい画面仕様になる。つまり、起動時の入力デバイスと同一の入力デバイスで、起動後も機能を実行することができる。
【0049】
起動する機能の切り替え基準2は、機能起動時の入力デバイスの操作速度(1)であり、起動する機能の分類はフォントサイズである。このとき起動され得る機能Xには、小さいフォントを用いた画面仕様を用い、機能Yには大きいフォントを用いた画面仕様を用いる。例えば、ある機能(機能X,Yが同一の場合)を遅いタッチパネル操作で起動した場合には、大きいフォントを用いた画面仕様を用いれば、高齢者など通常のフォントサイズでは見えにくいユーザでも、起動後の入力デバイスの操作をし易くなる。
【0050】
起動する機能の切り替え基準3は、機能起動時の入力デバイスの操作速度(2)であり、起動する機能の分類はメニュー体系である。このとき起動され得る機能Xには、通常メニューを用いたレイアウトを画面仕様に用い、機能Yには簡易メニューを用いたレイアウトを画面仕様に用いる。例えば、ある機能(機能X,Yが同一の場合)を遅いタッチパネル操作で起動した場合には、簡易メニューを用いたレイアウトを画面仕様に用いれば、初心者にも使いやすいユーザインターフェースを提供することができる。
【0051】
起動する機能の切り替え基準4は、機能起動時の入力デバイスの操作速度(3)であり、起動する機能の分類は配色である。このとき起動され得る機能Xには、配色に制約のない画面仕様に用い、機能Yにはコントラストの高い配色の画面仕様に用いる。例えば、ある機能(機能X,Yが同一の場合)を遅いタッチパネル操作で起動した場合には、コントラストの高い配色を画面仕様に用いれば、高齢者など通常のコントラストの画面が見にくいユーザでも、起動後の入力デバイスの操作をし易くなる。
【0052】
起動する機能の切り替え基準5は、機能起動時の入力デバイスの操作速度(4)であり、起動する機能の分類は輝度である。このとき起動され得る機能Xには、通常の輝度による画面仕様に用い、機能Yには、通常の輝度よりも高い輝度による画面仕様に用いる。
【0053】
起動する機能の切り替え基準6は、機能起動時の入力デバイスの操作回数であり、起動する機能の分類は機能である。例えば、機能起動時の入力デバイスの操作回数が、1回のタッチパネル102のタッチ操作であれば、機能Xを実行し、機能起動時の入力デバイスの操作回数が、2回のタッチパネル102のタッチ操作であれば、機能Yを実行する。
【0054】
起動する機能の切り替え基準7は、機能起動時の入力デバイスの操作方向(1)であり、起動する機能の分類は機能である。例えば、機能起動時の入力デバイスの操作方向が上方向であれば、機能Xを実行し、機能起動時の入力デバイスの操作方向が下方向であれば、機能Yを実行する。なお、機能X,Yには、起動時の入力デバイスの操作方向からユーザが類推しやすい機能をあらかじめ割り当てる。例えば、機能起動時の入力デバイスの操作方向が上方向ならば、起動する機能Xとしてアップロードする機能を割り当て、機能起動時の入力デバイスの操作方向が下方向ならば、起動する機能Yとしてダウロードする機能を割り当てる。
【0055】
起動する機能の切り替え基準8は、機能起動時の入力デバイスの操作方向(2)であり、起動する機能の分類は画面レイアウトである。例えば、機能起動時の入力デバイスの操作方向が上下方向であれば、機能Xを実行して縦長の画面レイアウトを画面仕様に用い、機能起動時の入力デバイスの操作方向が左右方向であれば、機能Yを実行して横長の画面レイアウトを用いる。このようにすれば、起動時の入力デバイスの操作方向と、起動後の画面レイアウトの方向が一致するので、起動後のタッチパネル操作がし易くなる。
【0056】
(入力デバイスの種別による画面仕様の切り替え)
図5(a)〜(c)を参照して、入力デバイスの種別による表示部101の画面仕様の切り替えの具体例について説明する。図5(a)〜(c)は表示部101の画面仕様の切り替えの具体例を説明するための図である。なお、各図では説明のため携帯電話機1のタッチパネル102とキー入力部104の一部を模式的に示す。
【0057】
図5(a)に示す表示画面では、表示部101に表示された選択ボタンAの位置をタッチするタッチパネル操作、又はキー入力部104のナビゲーションボタンBを押下するキー操作により、音楽再生アプリケーションを示すタッチパネル102上の音楽メニュー(斜線部)を選択して、携帯電話機1は、音楽再生機能を実行する。
【0058】
図5(b)に示す表示画面は、図5(a)に示す表示画面のときに、キー入力部104のナビゲーションボタンBを押下するキー操作により、携帯電話機1が音楽再生機能を実行した画面である。図5(b)に示すように、表示画面が図5(a)のときに、音楽再生機能を実行した入力デバイスの種別と同じ入力デバイスであるキー入力部104のキー操作に適した画面が表示される。すなわち、図5(b)に示す表示画面は、ユーザがキー入力部104を用いる時に操作しやすい画面である。
【0059】
図5(c)に示す表示画面は、図5(a)に示す表示画面のときに、表示部101に表示された選択ボタンAの位置又は音楽再生アプリケーションを示すタッチパネル102上の音楽メニューの位置をタッチするタッチパネル操作により、携帯電話機1が音楽再生機能を実行した画面である。図5(c)に示すように、表示画面が図5(a)のときに、音楽再生機能を実行した入力デバイスの種別と同じ入力デバイスであるタッチパネル102のタッチパネル操作に適した画面が表示される。すなわち、図5(c)に示す表示画面は、ユーザがタッチパネル102を用いる時に操作しやすい画面である。
図5(c)に示すように、例えば、タッチパネル102上の、一時停止ボタンD、巻き戻しボタンC、早送りボタンEのオブジェクト、又はトップメニュー、曲リスト、BGMの選択エリアを図5(b)に示す画面よりも大きく表示し、曲再生画面を小さく表示する。
【0060】
図5(a)〜(c)を参照して説明したように、本実施の形態に係る携帯電話機1は、機能を実行した入力デバイスの種別に適した機能実行画面の形態に切り替え制御することができる。
【0061】
なお、図5(a)〜(c)では、音楽再生アプリケーションを機能として説明しているが、「画面レイアウト」という分類に対して、タッチパネル102上において大きいボタンオブジェクト(一時停止ボタンD、巻き戻しボタンC、早送りボタンE)を用いたレイアウト自体を一つの機能と見做すことができる。
【0062】
なお、本実施の形態では入力デバイスをキー入力部104のキーと、タッチパネル102を例にとって説明したが、入力デバイスはこれに限らない。電子ペンなどのタッチパネル操作可能なデバイスを入力デバイスのひとつにしても良い。
【0063】
(入力デバイスの操作速度による画面仕様の切り替え)
図6(a)〜(c)を参照して、タッチパネル102の入力操作に応じた表示部101の画面仕様の切り替えの具体例(2)について説明する。図6(a)〜(c)は表示部101の画面仕様の切り替えの具体例(2)を説明するための図である。なお、各図では説明のため、携帯電話機1のタッチパネル102を模式的に示す。
【0064】
本図では、アプリケーション選択画面選択時のタッチパネル操作の速度に応じて、次画面(アプリケーション選択画面)のレイアウトを切り替えている。ここで、アプリケーション選択画面選択時のタッチパネル操作の速度とは、アプリケーションを選択するタッチパネル102上のボタンを指でタッチした時点から、その指をタッチパネル102上のボタンからリリースするまでの操作を完了するまでのタッチパネル操作の速度を指す。
具体的には、アプリケーション選択画面選択時のタッチパネル操作が遅い場合には、初心者や高齢者向けに簡易アプリケーション選択画面を表示する。また、アプリケーション選択画面選択時のタッチパネル操作が速い場合には、通常アプリケーション選択画面を表示する。
【0065】
図6(a)に示す表示画面では、表示部101に表示されたアプリケーション選択画面へ(斜線部)の位置を指でタッチ&リリースするタッチパネル操作により、タッチパネル102上の「アプリケーション選択画面へ(斜線部)」を選択して、携帯電話機1は、アプリケーション選択画面への切り替えを実行する。
【0066】
図6(b)に示す表示画面は、表示部101に表示されたアプリケーション選択画面へ(斜線部)の位置を指でゆっくりタッチ&リリースするタッチパネル操作により、アプリケーション選択画面への切り替えを実行した画面である。図6(b)に示すように、表示部101は、初心者や高齢者向けの簡易なアプリケーション選択画面を表示する。簡易アプリケーション選択画面は、オブジェクトである各アプリケーションボタンF1〜F3を通常よりも大きく表示し、各アプリケーションボタンF1〜F3内のオブジェクトである文字を通常よりも大きく表示する。
【0067】
図6(c)に示す表示画面は、図6(a)に示す表示画面において、表示部101に表示されたアプリケーション選択画面へ(斜線部)の位置を指で早くタッチ&リリースするタッチパネル操作により、アプリケーション選択画面への切り替えを実行した画面である。図6(c)に示すように、表示部101は、通常のアプリケーション選択画面を表示する。通常のアプリケーション選択画面は、オブジェクトである各アプリケーションボタンF1〜F3を図6(b)に示す表示画面よりも小さく表示し、各アプリケーションボタンF1〜F3内のオブジェクトである文字も図6(b)に示す表示画面よりも小さく表示する。
【0068】
図6(a)〜(c)を参照して説明したように、本実施の形態に係る携帯電話機1は、機能を実行するための入力デバイス(本図では、タッチパネル102)の操作速度に応じて、画面仕様を適切に切り替えることができる。そのため、本実施の形態に係る携帯電話機1は、ユーザの操作速度の習熟度やユーザの年齢に適した画面仕様に切り替えることができる。
【0069】
なお、特に、高齢者向けの表示画面(図6(b)参照)に切り替える場合には、表示画面内のオブジェクトの大きさを変更する以外に、たとえば、表示画面内のオブジェクトの配色を、通常の表示画面(図6(c)参照)よりもコントラストのある配色に変更しても良い。また、表示画面内のオブジェクトの輝度を、通常の表示画面(図6(c)参照)よりも高い輝度に変更しても良い。
【0070】
さらに、大きいオブジェクトの表示変更、コントラスの高い配色での表示変更、および輝度の高い表示への変更を同時に組みわせて、高齢者向けの表示画面(図6(b)参照)として表示しても良い。
【0071】
なお、入力操作の速度に応じて、画面仕様を切り替える例を説明したが、入力速度以外にも、機能実行時の入力デバイス(タッチパネル102)の入力操作回数(シングルタップ又はダブルタップ)、機能実行時の入力デバイスの入力操作方向(上下方向、左右方向)に応じて、画面仕様を切り替えても良い。
【0072】
また、機能実行時の入力デバイスの入力操作方向に応じて、画面仕様を切り替える場合には、この入力操作方向からユーザが類推しやすい機能を容易に想起できるように、あらかじめ割り当てても良い。例えば、機能起動時の入力デバイスの操作方向が上方向ならば、起動する機能Xとしてアップロードする機能を割り当て、機能起動時の入力デバイスの操作方向が下方向ならば、起動する機能Yとしてダウロードする機能を割り当てる。また、機能実行時の入力デバイスの入力操作方向に応じて、画面仕様を切り替える場合には、この入力操作方向からユーザが表示画面の長手方向を容易に想起できるように、表示画面の表示方向に切り替えても良い。例えば、機能実行時のタッチパネルの入力操作が上下方向の場合には、表示制御部103により表示画面が縦長方向に切り替えられ、機能実行時のタッチパネルの入力操作が左右方向の場合には、表示制御部103により表示画面が横長方向に切り替えられる。
【0073】
図7を参照して、本実施の形態に係る表示部101の表示画面の切り替え制御のフロー図を示す。
タッチパネル102又はキー入力部104は、ユーザからの入力動作(ユーザジェスチャ)を受け付け(ステップST701)、その入力動作に係る操作情報を表示制御部103に出力する(ステップST703)。
表示制御部103は、操作情報に基づき、判別基準及び機能起動時の入力操作を参照して、表示部101の画面仕様を決定する(ステップST705)。そして、表示制御部103は、決定した表示部101の画面仕様を表示部101に出力する(ステップST707)。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る情報端末、表示画面切り替えのための方法、及びそのプログラムは、機能起動時の入力デバイスによる操作に適した表示画面に切り替えることができるという効果を有し、携帯電話機等として有用である。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯電話機
10、11 筐体
30 主制御部
31 電源回路部
35 音声制御部
36 通信制御部
37 第1記憶部
38 情報記録媒体
101 表示部
102 タッチパネル(第2操作部)
103 表示制御部
104 キー入力部(第1操作部)
105 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能の起動が割り当てられたオブジェクトに対する複数のユーザジェスチャを受け付ける操作部と、
前記複数のユーザジェスチャに対応して、前記機能の表示画面の仕様を切り替える制御部と、
前記表示画面を出力する表示部と、
を備えた情報端末。
【請求項2】
前記操作部は、
キーを有する第1操作部と、前記表示部と一体に設けられたタッチパネルからなる第2操作部と、を有し、
前記表示部は、
第1のジェスチャとして前記第2操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、
第2のジェスチャとして前記第1操作部により当該オブジェクトを選択した場合に出力される表示画面の仕様とは異なる仕様で、前記機能の表示画面を出力する、
請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
更に、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記第1のジェスチャとして前記第2操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、前記第1操作部よりも前記第2操作部により操作し易い、前記表示画面の仕様に切り替え、
第2のジェスチャとして前記第1操作部により当該オブジェクトを選択した場合には、前記第2操作部よりも前記第1操作部により操作し易い、前記表示画面の仕様に切り替え、
前記表示部は、
前記制御部が切り替えた表示画面を出力する、
請求項1に記載の情報端末。
【請求項4】
更に、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記複数のジェスチャのうちの一のジェスチャとして、前記第2操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、前記一のジェスチャの速度に応じた前記表示画面の仕様に切り替え、
前記表示部は、
前記制御部が切り替えた表示画面を出力する、
請求項2又は請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
更に、前記機能の表示画面の仕様を複数保持する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記複数のジェスチャのうちの一のジェスチャとして、前記第2操作部により前記オブジェクトを選択した場合には、前記一のジェスチャの方向と同じ表示画面の方向を有する前記表示画面の仕様に切り替え、
前記表示部は、
前記制御部が切り替えた表示画面を出力する、
請求項2又は請求項3に記載の情報端末。
【請求項6】
所定の機能の起動が割り当てられたオブジェクトに対する複数のユーザジェスチャを受け付ける受付ステップと、
前記複数のユーザジェスチャに対応して、前記機能の表示画面の仕様を切り替える切替ステップと、
前記表示画面を出力する出力ステップと、
を備えた、
表示画面切り替えのための方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項6に記載の各ステップを実行させるための表示画面切り替えのためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−198626(P2012−198626A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60942(P2011−60942)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】