説明

情報端末システム

【課題】構造の複雑化やコストアップを招かず、セキュリティレベルを保ったまま複数の情報端末の間で簡単な操作によりデータのコピー、ペーストができる情報端末システムを提供する。
【解決手段】第1の情報端末装置は、第2の情報端末装置と無線で通信を行う無線通信手段を有し、第2の情報端末装置は、無線通信手段が発信した無線信号のレベルを測定する無線信号レベル測定手段と、無線信号レベル測定手段の測定結果に基づいて第1の情報端末装置を特定する端末特定手段と、を有することを特徴とする情報端末システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータや電子ブック、PDA(Personal Digital Assistant)などの複数の情報端末の間でデータをやりとりする場合は、データを記憶媒体にコピーして相手側の情報端末に渡したり、電子メールに添付して送信するなどの手段がとられていた。
【0003】
このような方法は手順が多く時間がかかるため、直感的で簡単な操作で複数の情報端末の間でデータをやりとりする方法が望まれている。例えば、複数の通信端末の入力装置として使用する電子ペンを共通化し、電子ペンに記憶されているペン識別情報を予め通信端末で読み取り、同一のペン識別情報を読みとった通信端末間でカット操作を行った通信端末のデータをペーストする方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、指示ペンを用いてタブレットの上に置かれたデータパンフレットの所定位置を指示した後、モニタ画面に触れると対応するデータを読み出してモニタ画面上に表示するデータ表示装置が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−52104号公報
【特許文献2】特開平11−45149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、データをやりとりする前に電子ペンに記憶されているペン識別情報を予め通信端末で読み取らせて通信端末をグループ化しておく必要があり、操作が面倒であった。また、電子ペンにペン識別情報を記憶するメモリや通信手段を内蔵させる必要があり、通信端末にはペン識別情報を読みとる読み取り手段が必要になるため構成が複雑になりコスト高になっていた。
【0006】
特許文献2に開示されている方法は、データ表示装置に接続されたタブレットとモニタ間のデータ送受信に適用されるものであり、複数の情報端末間でデータをやりとりする場合に必要なデータを送受信する情報端末を特定する方法は開示されていない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、構造の複雑化やコストアップを招かず、セキュリティレベルを保ったまま複数の情報端末の間で簡単な操作によりデータのコピー、ペーストができる情報端末システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.
第1の表示画面と該第1の表示画面に表示された情報上の位置または範囲を指定する第1の入力手段とを備える第1の情報端末装置と、
第2の表示画面と該第2の表示画面に表示された情報上の位置または範囲を指定する第2の入力手段とを備える第2の情報端末装置と、
を有する情報端末システムにおいて、
前記第1の情報端末装置は、
前記第2の情報端末装置と無線で通信を行う無線通信手段を有し、
前記第2の情報端末装置は、
前記無線通信手段が発信した無線信号のレベルを測定する無線信号レベル測定手段と、
前記無線信号レベル測定手段の測定結果に基づいて前記第1の情報端末装置を特定する端末特定手段と、
を有することを特徴とする情報端末システム。
【0009】
2.
前記第2の情報端末装置は、
前記第2の入力手段により指定された範囲のコピーデータを記憶する第2クリップバッファと、
前記第2クリップバッファに記憶された前記コピーデータを、前記端末特定手段が特定した前記第1の情報端末装置に送信する第2のデータ送信手段と、
を有し、
前記第1の情報端末装置は、
前記コピーデータを受信する第1のデータ受信手段と、
前記第1のデータ受信手段が受信した前記コピーデータを前記第1の入力手段により指定された位置にペーストする第1のペースト手段と、
を有することを特徴とする1に記載の情報端末システム。
3.
前記第1の情報端末装置は、
前記第1の入力手段により指定された範囲のコピーデータを記憶する第1クリップバッファと、
送信要求信号を受信する送信要求信号受信手段と、
前記送信要求信号受信手段が前記送信要求信号を受信すると前記第1クリップバッファに記憶された前記コピーデータを送信する第1のデータ送信手段と、
を有し、
前記第2の情報端末装置は、
前記端末特定手段が特定した前記第1の情報端末装置に前記送信要求信号を送信する送信要求信号送信手段と、
前記第1のデータ送信手段が送信した前記コピーデータを受信する第2のデータ受信手段と、
前記第2のデータ受信手段が受信した前記コピーデータを前記第2の入力手段により指定された位置にペーストする第2のペースト手段と、
を有することを特徴とする1に記載の情報端末システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の情報端末装置間でデータのコピーまたはペーストの入力操作をする場合、データの送受信を行う通信部の発信する無線信号のレベルを測定した測定結果に基づいてデータの送受信を行う情報端末装置を設定する。したがって、構造の複雑化やコストアップを招かず、セキュリティレベルを保ったまま複数の情報端末の間で簡単な操作によりデータのコピー、ペーストができる情報端末システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0012】
まず、本発明の第1の実施形態について、図1を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る情報端末システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
本発明の情報端末システムは例えば、第1の情報端末装置1と第2の情報端末装置2などから構成されている。図1は、2台の第1の情報端末装置1と1台の第2の情報端末装置2から構成される情報端末システムの例であるが、第1の情報端末装置1、第2の情報端末装置2の数は特に制約はなく1台以上であれば良い。本実施形態では必要に応じて2台の第1の情報端末装置1をa、bを付けて区別する。
【0015】
第1の情報端末装置1は、例えばPDAや電子ブック、ノート型パーソナルコンピュータであり、例えばIEEE 802.11b/g等で規格化されている無線LANやUWB(Ultra Wide Band)などを用いて無線通信を行う図1には図示せぬ通信手段を有している。
【0016】
第1の情報端末装置1は表示部19を有し、画像や文字などのデータを表示する。表示部19には例えば液晶が用いられるが、メモリ性を有する例えばカイマルネマチック液晶等を用いると消費電力を低減することができるので、長時間の表示が可能になる。
【0017】
また、表示部19の上層はタッチパネルから成る入力部18になっている。ユーザは、入力部18への入力操作により、画面上の位置または領域を指定し、画像や文字などを含む文書データの入力や描画データの入力、コピーする文書データの指定やペーストする位置の指定を行う。また、データの送受信、表示されている文書のページ送りなどの操作を行う。
【0018】
入力部18への入力操作はスタイラスペン30を用いても良いし、直接指などで入力部18を操作しても良い。表示部19には、コピーボタン34、ペーストボタン35が表示され、コピーボタン34、ペーストボタン35にそれぞれ相当する位置の入力部18に触れることにより入力操作を行う。表示部19は本発明の第1の表示画面、入力部18は、本発明の第1の入力手段である。なお、入力部18はタッチパネルに限定されるものではなく、操作ボタンとキーにより入力操作を行う操作部32や、図示せぬマウスやトラックボールを用いて入力操作を行っても良い。
【0019】
第1の情報端末装置1については、後に詳しく説明する。
【0020】
第2の情報端末装置2は、例えば電子ホワイトボードやパーソナルコンピュータであり、IEEE 802.11b/g等で規格化されている無線LANや、UWBなどを用いて第1の情報端末装置1と無線通信を行う通信手段を有している。電子ホワイトボードは、コンピュータからの映像を大型の画面で表示させ、しかも、画面に指などで触れることによってコンピュータを操作することのできる情報端末装置である。
【0021】
図1では、第1の情報端末装置1と第2の情報端末装置2が無線で通信を行う例を示している。
【0022】
第2の情報端末装置2は、液晶パネルなどから成る表示部219を有し、画像や文字などのデータを表示する。また、表示部219の表面はタッチパネルから成る入力部218になっている。ユーザは、入力部218への入力操作により、画面上の位置または領域を指定し、画像や文字などを含む文書データの入力や手書きによるストロークデータの入力、コピーする文書データの指定やペーストする位置の指定を行う。また、データの送受信、表示されている文書のページ送りなどの操作を行う。
【0023】
入力部218への入力操作はスタイラスペン230を用いても良いし、直接指などで入力部218を操作しても良い。表示部219には、コピーボタン234、ペーストボタン235が表示され、コピーボタン234、ペーストボタン235にそれぞれ相当する位置の入力部218をタップすることにより入力操作を行う。表示部219は本発明の第2の表示画面、入力部218は、本発明の第2の入力手段である。なお、入力部218はタッチパネルに限定されるものではなく、図示せぬマウスやトラックボールを用いて入力操作を行っても良い。
【0024】
第2の情報端末装置2についても後に詳しく説明する。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る第1の情報端末装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
第1の情報端末装置1は、全体を制御するCPU11、ユーザが入力と操作を行う入力部18、無線LANなどで通信を行う送信部24と受信部25を備えた無線通信部10などから構成されている。また、第1の情報端末装置1は、画像や文字を表示する表示部19、および図示せぬRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される記憶部13を備えている。無線通信部10は本発明の無線通信手段である。
【0027】
記憶部13は、例えばOS(オペレーティングシステム)、制御用プログラム、文書作成アプリケーション等のプログラムを記憶しており、CPU11がこれらのプログラムを実行する。記憶部13は、コピー&ペーストをする際に入力部18により指定された領域の文書、画像、ストロークデータなどの各種データを記憶するクリップバッファ15を備えている。このクリップバッファ15は、プログラムの実行により記憶部13に設定されるものである。このようなクリップバッファは、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標)XPオペレーションシステムや同社のOffice(登録商標)パッケージなどで実用化されているので、その構成を採用することが可能である。
【0028】
CPU11は、送信要求信号受信部50、データ送信部51、送信要求信号送信部52、データ受信部53、ペースト部54、操作検知部55としての機能を実現する。なお、これらの機能ブロックはCPU11によるプログラムの実行によって実現されるものである。
【0029】
クリップバッファ15は本発明の第1クリップバッファ、送信要求信号受信部50は本発明の送信要求信号受信手段、データ送信部51は本発明の第1のデータ送信手段である。
【0030】
送信要求信号受信部50は、クリップバッファ15に記憶されたコピーデータの送信を要求する送信要求信号を受信部25を介して受信する。データ送信部51は、クリップバッファ215のデータを送信部24から送信する。送信要求信号送信部52は、ペーストするデータの送信を要求する送信要求信号を送信部24から送信する。
【0031】
データ受信部53は、受信部25を介してデータを受信する。操作検知部55は、入力部18の出力する信号からユーザの各種操作を検知する。ペースト部54は、データ受信部53が受信したデータを操作検知部255の検知した入力操作に基づいて指定された個所にペーストする。このようなペースト部は、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標)XPオペレーションシステムや同社のOffice(登録商標)パッケージなどで実用化されているので、その構成を採用することが可能である。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る第2の情報端末装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
第2の情報端末装置2は、全体を制御するCPU211、ユーザが入力と操作を行う入力部218、無線LANなどで通信を行う送信部224と受信部225を備えた通信部210などから構成されている。また、第2の情報端末装置2は、画像や文字を表示する表示部219、および図示せぬRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される記憶部213を備えている。
【0034】
記憶部213は、例えばOS(オペレーティングシステム)、制御用プログラム、文書作成アプリケーション等のプログラムを記憶しており、CPU211がこれらのプログラムを実行する。また、記憶部213は、コピー&ペーストをする際に入力部218により指定された領域の文書、画像などの各種データやストロークデータなどを記憶するクリップバッファ215を備えている。クリップバッファ215は第1の情報端末装置1毎に設けられており、図3の例では情報端末装置1a、情報端末装置1bに対応するクリップバッファ215a、クリップバッファ215bの2つが設けられている。このクリップバッファ215は、プログラムの実行により記憶部213に設定されるものである。
【0035】
さらに、記憶部213は、第1の情報端末装置1が固有に備える識別情報とIPアドレスなどのデータの送信先を設定するためのデータを関連づけた端末データベース217を備えている。クリップバッファ215は本発明の第2クリップバッファである。
【0036】
通信部210の送信部224と受信部225は、無線LANやUWB(Ultra Wide Band)などで第1の情報端末装置1と無線通信を行う。無線信号レベル測定部280は、受信部225が受信した電波強度を測定する。無線信号レベル測定部280は本発明の無線信号レベル測定手段である。
【0037】
CPU211は、送信要求信号受信部250、データ送信部251、送信要求信号送信部252、データ受信部253、ペースト部254、操作検知部255、端末特定部256としての機能を実現する。なお、これらの機能ブロックはCPU11によるプログラムの実行によって実現されるものである。
【0038】
ペースト部254は本発明の第2のペースト手段、端末特定部256は本発明の端末特定手段、データ送信部251は本発明の第2のデータ送信手段である。
【0039】
送信要求信号受信部250は、クリップバッファ215のデータの送信を要求する送信要求信号を受信する。データ送信部251は、クリップバッファ215のデータを送信する。送信要求信号送信部252は、ペーストするデータの送信を要求する送信要求信号を送信部224から送信する。
【0040】
データ受信部253は、受信部225を介してペーストするデータを受信する。操作検知部255は、入力部218の出力する信号からユーザの各種操作を検知する。ペースト部254は、データ受信部253が受信したデータを操作検知部255の検知した入力操作に基づいて指定された個所にペーストする。
【0041】
端末特定部256は、端末データベース217を参照し、無線信号レベル測定部280が測定した電波強度と受信部225が受信した信号から最も電波強度が高い第1の情報端末1を特定する。
【0042】
図4は本発明の第1の実施形態において、第1の情報端末装置1の画面上の指定した領域のデータをコピーし、第2の情報端末装置2にデータを送信するコピールーチンの手順を説明するフローチャートである。
【0043】
S101:コピー範囲を指定するステップである。
【0044】
ユーザは、表示部19に表示されている画面のコピーする範囲を、入力部18を操作することにより指定する。コピーするデータが手書きによるストロークデータの場合は、入力部18を操作することにより手書きする期間を指定し、その間のストロークデータをコピー範囲とする。
【0045】
S102:コピーボタン34をONにする操作を待つステップである。
【0046】
ユーザは、入力部18を操作して表示部19に表示されているコピーボタン34をタップする。
【0047】
操作検知部55は、コピーボタン34がタップされたことを検知した場合(ステップS102;Yes)、ステップS103に進む。
【0048】
操作検知部55は、コピーボタン34がタップされたことを検知しない場合(ステップS102;No)、ステップS102に戻る。なお、タイムアウトの時間を経過した場合は、タイムアウトと判定し、表示部19に警告を表示して終了する。
【0049】
S103:ステップ101で指定したデータをクリップバッファ15にコピーするステップである。
【0050】
操作検知部55は、ステップ101で指定したデータをクリップバッファ15にコピーし、コピーデータとする。クリップバッファ15には、選択された範囲のデータの形態に従って、文字列や画像やベクトル描画データなどの形式のデータが保存される。
【0051】
S104:送信要求信号受信部50が送信要求信号を受信するまで待機するステップである。
【0052】
送信要求信号受信部50が送信要求信号を受信した場合(ステップS104;Yes)、ステップS105に進む。
【0053】
送信要求信号受信部50が送信要求信号を受信しない場合(ステップS104;No)、ステップS104に戻る。なお、タイムアウトの時間を経過した場合は、タイムアウトと判定し、表示部19に警告を表示して終了する。
【0054】
S105:クリップバッファ15にコピーしたデータを送信するステップである。
【0055】
データ送信部51は、クリップバッファ15にコピーしたコピーデータを、送信要求信号を送信した第2の情報端末装置2に送信する。
【0056】
以上で、第1の実施形態のコピールーチンの説明は終了である。
【0057】
次に、本発明の第1の実施形態において第1の情報端末装置1の画面上でコピーしたデータを、第2の情報端末装置2の画面上の指定した位置にペーストする手順を説明する。
【0058】
図5は本発明の第1の実施形態において、第1の情報端末装置1の画面上でコピーしたコピーデータを、第2の情報端末装置2の画面上の指定した位置にペーストするペーストルーチンの手順を説明するフローチャートである。
【0059】
S201:ペースト位置を指定するステップである。
【0060】
ユーザは、入力部218をタップするなどの操作を行って、第1の情報端末装置1でコピーしたデータをペーストする位置を指定する。
【0061】
S202:ペーストボタン235をONにする操作を待つステップである。
【0062】
ユーザは、表示部219に表示されているペーストボタン235に相当する位置の入力部218をタップする。
【0063】
操作検知部255は、ペーストボタン235がタップされたことを検知した場合(ステップS202;Yes)、ステップS603に進む。
【0064】
操作検知部255は、ペーストボタン235がタップされたことを検知しない場合(ステップS202;No)、ステップS202に戻る。なお、タイムアウトの時間を経過した場合は、タイムアウトと判定し、表示部219に警告を表示して終了する。
【0065】
S603:電波強度を測定するステップである。
【0066】
無線信号レベル測定部280は、受信部225が受信している電波強度を測定する。
【0067】
S604:データを送信する送信先を設定するステップである。
【0068】
端末特定部256は、端末データベース217を参照し、無線信号レベル測定部280が測定した電波強度と受信部225が受信した信号から最も電波強度が高い第1の情報端末装置1を特定する。データ送信部251は、端末特定部256が特定した第1の情報端末装置1の情報、例えばIPアドレスなどを送信先の情報として設定する。
【0069】
S205:送信要求信号を送信するステップである。
【0070】
送信要求信号送信部252は、ステップS604で設定した送信先に送信要求信号を送信部224から送信する。
【0071】
S206:データを受信するステップである。
【0072】
データ受信部253は、送信要求信号を送信した第1の情報端末装置1からコピーデータを受信しクリップバッファ215に一時記憶する。
【0073】
S207:受信したデータをペーストするステップである。
【0074】
ペースト部254は、クリップバッファ215に一時記憶したコピーデータをステップS201で指定されたペースト位置にペーストする。
【0075】
以上で、第1の実施形態のペーストルーチンの説明は終了である。
【0076】
次に、第2の情報端末装置2の指定した範囲のデータをコピーし第1の情報端末装置1にコピーデータを送信する第2の実施形態の手順について説明する。
【0077】
図6は第2の実施形態において、第2の情報端末装置2の指定した範囲のデータをコピーし第1の情報端末装置1にコピーデータを送信するコピールーチンの手順を説明するフローチャートである。
【0078】
S301:コピー範囲を指定するステップである。
【0079】
ユーザは、表示部219に表示されている画面のコピーする範囲を、入力部218を操作することにより指定する。コピーするデータが手書きによるストロークデータの場合は、入力部218を操作することにより手書きする期間を指定し、その間のストロークデータをコピー範囲とする。
【0080】
S302:コピーボタン234をONにする操作を待つステップである。
【0081】
ユーザは、入力部218を操作して表示部219に表示されているコピーボタン234をタップする。
【0082】
操作検知部255は、コピーボタン234がタップされたことを検知した場合(ステップS302;Yes)、ステップS603に進む。
【0083】
操作検知部255は、コピーボタン234がタップされたことを検知しない場合(ステップS302;No)、ステップS302に戻る。なお、タイムアウトの時間を経過した場合は、タイムアウトと判定し、表示部219に警告を表示して終了する。
【0084】
S603:電波強度を測定するステップである。
【0085】
無線信号レベル測定部280は、受信部225が受信している電波強度を測定する。
【0086】
S604:データを送信する送信先を設定するステップである。
【0087】
端末特定部256は、端末データベース217を参照し、無線信号レベル測定部280が測定した電波強度と受信部225が受信した信号から最も電波強度が高い第1の情報端末装置1を特定する。データ送信部251は、端末特定部256が特定した第1の情報端末装置1の情報、例えばIPアドレスなどを送信先の情報として設定する。
【0088】
S305:クリップバッファ215にステップ301で指定したデータをコピーするステップである。
【0089】
CPU211は、ステップS604で送信先に設定した第1の情報端末装置1に対応するクリップバッファ215、例えばクリップバッファ215aにステップ301で指定したデータをコピーし、コピーデータとする。
【0090】
S306:クリップバッファ215にコピーしたデータを送信するステップである。
【0091】
データ送信部251は、クリップバッファ215にコピーしたコピーデータを第1の情報端末装置1に送信する。
【0092】
第1の情報端末装置1のデータ受信の準備ができていない場合は、タイムアウト時間までの間、第1の情報端末装置1がデータ受信できるまで繰り返し送信する。
【0093】
以上で、第2の実施形態のコピールーチンの説明は終了である。
【0094】
図9は第2の実施形態において、第2の情報端末装置2の画面上でコピーしたコピーデータを、第1の情報端末装置1の画面上の指定した位置にペーストするペーストルーチンの手順を説明するフローチャートである。
【0095】
S401:ペースト位置を指定するステップである。
【0096】
ユーザは、入力部18をタップするなどの操作を行って、第2の情報端末装置2でコピーしたコピーデータをペーストする位置を指定する。
【0097】
S402:データを受信するステップである。
【0098】
データ受信部53は、第2の情報端末装置2からコピーデータを受信する。なお、S401とS402の順番はどちらが先であっても構わない。
【0099】
S403:ペーストボタン35をONにするステップである。
【0100】
ユーザは、表示部19に表示されているペーストボタン35に相当する位置の入力部18をタップする。
【0101】
操作検知部55は、ペーストボタン35がタップされたことを検知した場合(ステップS403;Yes)、ステップS403に進む。
【0102】
操作検知部55は、ペーストボタン35がタップされたことを検知しない場合(ステップS403;No)、ステップS402に戻る。なお、タイムアウトの時間を経過した場合は、タイムアウトと判定し、表示部19に警告を表示して終了する。
【0103】
S404:受信したコピーデータをペーストするステップである。
【0104】
ペースト部54は、ステップS402で受信したコピーデータをステップS401で指定されたペースト位置にペーストする。
【0105】
以上で、第2の実施形態のペーストルーチンの説明は終了である。
【0106】
このように第1の情報端末装置1と第2の情報端末装置2は無線で通信し、通信に用いる無線信号の電波強度を測定することによりデータを送受信する第1の情報端末装置1を特定している。したがって、簡単な操作でセキュリティレベルを保ったままデータのコピー、ペーストができる。
【0107】
以上このように、本発明によれば、構造の複雑化やコストアップを招かず、セキュリティレベルを保ったまま複数の情報端末の間で簡単な操作によりデータのコピー、ペーストができる情報端末システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施形態に係る情報端末システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る第1の情報端末装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る第2の情報端末装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態において、第1の情報端末装置1の画面上の指定した領域のデータをコピーし、第2の情報端末装置2にデータを送信するコピールーチンの手順を説明するフローチャートである。
【図5】第1の実施形態において、第1の情報端末装置1の画面上でコピーしたデータを、第2の情報端末装置2の画面上の指定した位置にペーストするペーストルーチンの手順を説明するフローチャートである。
【図6】第2の実施形態において、第2の情報端末装置2の画面上の指定した領域のデータをコピーし第1の情報端末装置1にデータを送信するコピールーチンの手順を説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施形態において、第2の情報端末装置2の画面上でコピーしたデータを、第1の情報端末装置1の画面上の指定した位置にペーストするペーストルーチンの手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0109】
1 第1の情報端末装置
2 第2の情報端末装置
10 無線通信部
13 記憶部
15 クリップバッファ
18 入力部
19 表示部
50 送信要求信号受信部
51 データ送信部
52 送信要求信号送信部
53 データ受信部
54 ペースト部
55 操作検知部
210 通信部
213 記憶部
215 クリップバッファ
217 端末データベース
218 入力部
219 表示部
222 端末情報取得部
235 ペーストボタン
250 送信要求信号受信部
251 データ送信部
252 送信要求信号送信部
253 データ受信部
254 ペースト部
255 操作検知部
280 無線信号レベル測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示画面と該第1の表示画面に表示された情報上の位置または範囲を指定する第1の入力手段とを備える第1の情報端末装置と、
第2の表示画面と該第2の表示画面に表示された情報上の位置または範囲を指定する第2の入力手段とを備える第2の情報端末装置と、
を有する情報端末システムにおいて、
前記第1の情報端末装置は、
前記第2の情報端末装置と無線で通信を行う無線通信手段を有し、
前記第2の情報端末装置は、
前記無線通信手段が発信した無線信号のレベルを測定する無線信号レベル測定手段と、
前記無線信号レベル測定手段の測定結果に基づいて前記第1の情報端末装置を特定する端末特定手段と、
を有することを特徴とする情報端末システム。
【請求項2】
前記第2の情報端末装置は、
前記第2の入力手段により指定された範囲のコピーデータを記憶する第2クリップバッファと、
前記第2クリップバッファに記憶された前記コピーデータを、前記端末特定手段が特定した前記第1の情報端末装置に送信する第2のデータ送信手段と、
を有し、
前記第1の情報端末装置は、
前記コピーデータを受信する第1のデータ受信手段と、
前記第1のデータ受信手段が受信した前記コピーデータを前記第1の入力手段により指定された位置にペーストする第1のペースト手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の情報端末システム。
【請求項3】
前記第1の情報端末装置は、
前記第1の入力手段により指定された範囲のコピーデータを記憶する第1クリップバッファと、
送信要求信号を受信する送信要求信号受信手段と、
前記送信要求信号受信手段が前記送信要求信号を受信すると前記第1クリップバッファに記憶された前記コピーデータを送信する第1のデータ送信手段と、
を有し、
前記第2の情報端末装置は、
前記端末特定手段が特定した前記第1の情報端末装置に前記送信要求信号を送信する送信要求信号送信手段と、
前記第1のデータ送信手段が送信した前記コピーデータを受信する第2のデータ受信手段と、
前記第2のデータ受信手段が受信した前記コピーデータを前記第2の入力手段により指定された位置にペーストする第2のペースト手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の情報端末システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−230496(P2009−230496A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75534(P2008−75534)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】