説明

情報端末及びシステム

【課題】
クライアント・サーバ型システムにおいて、サーバとの通信が不能となった場合でも適切な障害対応を可能とする、障害対応情報端末及びシステムを提供する。
【解決手段】
ネットワーク接続されたサーバと通信を行う情報端末であって、緊急事態の発生または解消を通知する緊急情報を受信する緊急情報受信部と、前記サーバとの通信状況を監視する通信状況監視部と、緊急時用の情報を用いて緊急連絡通信を行う緊急連絡通信部と、前記緊急情報受信部、前記通信状況監視部、および前記緊急連絡通信部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記緊急情報および前記通信状況をもとに、前記緊急連絡通信部に緊急連絡通信を行わせることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク環境やネットワーク対応機器の普及に伴い、クライアントが、ネットワーク接続されたサーバと通信して処理を行う、クライアント・サーバ型システムが提案されている。
【0003】
一例として、情報をサーバに保存しておき、利用者はクライアントを操作してサーバと通信させ、クライアントは、サーバから情報を得るかサーバに情報を処理させて応答を得て、利用者に出力する方法がある。この場合、クライアントは情報を保存しないため、クライアントが故障、紛失、盗難などで使えなくなった場合でも、情報を失うことがない。また、利用者は任意のクライアントを用いて同じ情報を得たり処理させたりすることができる。また、サーバが情報を一括管理するため、情報の同期、バックアップ、復元などが容易となる。
【0004】
しかし上記の例の場合、ネットワーク環境の不具合やサーバの故障などでサーバとの通信が不能となった場合、クライアントで情報を見たり処理したりすることができなくなってしまう。
【0005】
これを解決するために、一つの方法として、特許文献1に挙げられる方法がある。
【0006】
特許文献1には、「ネットワークが切断された場合でもサーバ装置の情報を閲覧できる方法を提供する」と記載されている(段落0011参照)。特許文献1には、クライアント装置に画面データを保存するためのRAMを搭載し、クライアント装置とサーバ装置間のネットワークが良好なときに、サーバ装置からクライアント装
置へ送られた画面データを保存する。ネットワークを切断した状態においても、クライアント装置に保存された画面データを閲覧することが可能である。RAMに保存することで、クライアント装置の電源オフ、またはオペレーションシステムのシャットダウンにより画面データが消去されるため、セキュリティも確保することが可能である。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−122879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、サーバから提供された過去の画面データをクライアントが表示すること以外は考慮されていない。例えば、地震災害などでクライアントとサーバが通信不能となった場合には、画面データ表示以外にも、緊急連絡や情報収集などの新たな処理を、クライアントがサーバなしで実行できる必要がある。
【0009】
一方、緊急連絡先などの緊急情報、および、緊急連絡や緊急時の情報収集用の通信回線は、プライバシー保護、私的利用防止、または、いたずら防止などの観点から、通常時は閲覧および利用ができないようにアクセス制限をかけておく必要がある。また、悪意のある利用者が通信機能を故意に停止させてしまう場合があることも考慮する必要があるため、サーバと通信不能であることのみをもって緊急時であると判断するわけにはいかない。
【0010】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、サーバとの通信が不能となった場合でも適切な障害対応を可能とする、情報端末及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クライアント・サーバ型システムにおいて、サーバとの通信が不能となった場合でも適切な障害対応を可能とする、情報端末及びシステムを提供できる。
【0013】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】障害対応システムの構成例を示す図である。
【図2】実施例1の学習者用端末1の構成例を示す図である。
【図3】実施例1の管理者用端末2の構成例を示す図である。
【図4】実施例1の学習者用端末1または管理者用端末2における、全体処理の例を示す流れ図である。
【図5】実施例1のモード移行部111における、通常時モードでのモード移行判定処理の例を示す流れ図である。
【図6】実施例1のモード移行部111における、緊急時モードでのモード移行判定処理の例を示す流れ図である。
【図7】実施例1の緊急情報受信部109が管理する、緊急情報の例である。
【図8】実施例1の通信状況監視部110が管理する、通信状況の例である。
【図9】実施例1の緊急連絡通信部112における、緊急連絡通信処理の例を示す流れ図である。
【図10】実施例1の緊急連絡通信部112が管理する、緊急連絡情報の例である。
【図11(a)】実施例1の学習者用端末1における、学習者選択画面の例である。
【図11(b)】実施例1の学習者用端末1における、学習者選択画面の他の例である。
【図12(a)】実施例1の学習者用端末1における、緊急連絡先画面の例である。
【図12(b)】実施例1の学習者用端末1における、緊急連絡先画面の他の例である。
【図13】実施例1の学習者用端末1における、緊急連絡開始操作拒否画面の例である。
【図14】実施例1の緊急情報配信部213における、緊急情報配信処理の例を示す流れ図である。
【図15】実施例1の緊急情報配信部213が管理する、緊急情報配信情報の例である。
【図16】実施例1の管理者用端末2における、配信内容設定画面の例である。
【図17(a)】実施例1の管理者用端末2における、配信結果画面の例である。
【図17(b)】実施例1の管理者用端末2における、配信結果画面の他の例である。
【図18】実施例1の管理者用端末2における、配信開始操作拒否画面の例である。
【図19】実施例2の学習者用端末1の構成例を示す図である。
【図20】実施例2の管理者用端末2の構成例を示す図である。
【図21】実施例2の学習者用端末1および管理者用端末2における、全体処理の例を示す流れ図である。
【図22】学習者用端末1の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例について図面を用いて説明する。なお、図面において、同一符号は、同一または相当部分を示す。また、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
本発明に係る実施例1を、図1〜18を用いて説明する。
【0017】
本実施例では、クライアントが、ネットワーク接続されたサーバと通信して処理を行う、クライアント・サーバ型システムであって、サーバとの通信が不能となった場合でも適切な障害対応を可能とする、障害対応情報端末及びシステムについて説明する。
【0018】
図1は、本実施例に係る障害対応システムの構成例を示す図である。ここでは、本実施例に係る障害対応システムを教育支援システムに適用した場合を例に説明する。教育支援システムとは、デジタル化された教材の利用、教師間の指導案の共有、成績や学習履歴の管理などにより教育の質を高め、また、学校運営に関わる事務作業を支援し教師の雑務にかかる負担を軽減するものである。児童、生徒、または教師がクライアントを操作し、ネットワーク接続された学校サーバからデータを得たり、学校サーバに処理を依頼したりする。
【0019】
本実施例に係る教育支援システムは、学習者用端末1、管理者用端末2、校内ネットワーク3、学校サーバ4、携帯電話ネットワーク5、携帯電話通信サーバ6、外部ネットワーク7、外部サーバ8、緊急連絡先端末9を含む。障害対応情報端末の例として、学習者用端末1、および管理者用端末2を用いて説明する。
【0020】
学習者用端末1は児童、生徒など学習者の使用を想定した端末である。平常時は学校サーバ4や管理者用端末2と連携して学習者の学習を支援する端末として動作し、緊急時は単独で緊急連絡を行う端末として動作する。
【0021】
管理者用端末2は教師などの管理者の使用を想定した端末である。平常時は学校サーバ4と連携して管理者による学習者の管理を支援する端末として動作し、緊急時は学習者用端末1の制御や学習者の緊急連絡を支援する端末として動作する。
【0022】
校内ネットワーク3は、接続可能な端末を制限したローカルネットワークである。学習者用端末1、管理者用端末2は、校内ネットワーク3に接続可能なように事前に登録されており、登録情報は学校サーバ4に記録されている。正常時は、学習者用端末1と管理者用端末2は、校内ネットワーク3を介して通信が可能である。しかし、これらは、停電時、機器故障時、またはネットワーク異常時などは、校内ネットワーク3との接続が断たれるため、校内ネットワーク3を介した通信ができない。そのような場合に備え、学習者用端末1および管理者用端末2は、各端末の通信方式の設定を、校内ネットワーク3を介さずに、携帯電話ネットワーク5を介した通信を行うように切り替え、緊急連絡などをするのための通信手段を備える。
【0023】
学校サーバ4は、校内ネットワーク3へ接続できる端末の登録を行うなど、校内ネットワーク3の管理情報や、教育支援システムに関わる情報、外部ネットワーク7へアクセスできる端末の登録など、外部ネットワーク7に関する管理情報などを保持する。学校サーバ4への接続は校内ネットワーク3への接続が許可された端末にのみ許される。また、端末毎に、情報に応じて、アクセス権限が異なる。例えば、管理者用端末2は端末利用者全員の成績情報を書き換えることが可能だが、学習者用端末1は端末利用者自身の成績情報を閲覧する以外のアクセスは不可、などと設定することができる。
【0024】
携帯電話ネットワーク5は、校内ネットワーク3とは別の、携帯電話通信用のネットワークである。学習者用端末1、管理者用端末2は、携帯電話ネットワーク5に接続可能なように事前に登録されており、登録情報は携帯電話通信サーバ6に記録されている。音声電話用の通信の他、映像情報やテキスト情報などのデータ通信もこの回線を通じて行う。
【0025】
携帯電話通信サーバ6は、携帯電話ネットワーク5へ接続できる端末の登録を行うなど、携帯電話ネットワーク5の管理情報、および、外部ネットワーク7へアクセスできる端末の登録など、外部ネットワーク7に関する管理情報などを保持する。
【0026】
なお、本実施例では、携帯電話ネットワーク5、および携帯電話通信サーバ6を用いて説明しているが、校内ネットワーク3および学校サーバ4以外のものであれば、携帯電話通信に限らず、他の通信用のネットワークおよびサーバであっても良い。例えば、無線LAN(Local Area Network)を用いたデータ通信専用のネットワークおよびサーバなどであっても良い。
【0027】
外部ネットワーク7は、インターネットなどの広域ネットワークである。学習者用端末1と管理者用端末2は、学校サーバ4または携帯電話通信サーバ6を経由して、外部ネットワーク7に接続する。
【0028】
外部サーバ8は、気象庁が配信する緊急地震速報や津波警報などの緊急警報を端末に配信するサーバである。学習者用端末1および管理者用端末2に直接、または、学校サーバ4および携帯電話通信サーバ6に転送されて、各種緊急情報は端末に届けられる。
【0029】
緊急連絡先端末9は、学習者用端末1の利用者が緊急時に連絡する相手側の端末である。例えば、保護者の所有する携帯電話端末や、自宅の電話端末などがある。本実施例では、携帯電話ネットワーク5に接続している例を用いて説明しているが、緊急連絡先端末9は、携帯電話ネットワーク5以外の別のネットワークに接続していても良い。例えば、緊急連絡先端末9は、固定電話用ネットワークに接続しており、固定電話用ネットワークと接続された携帯電話通信サーバ6を介して、携帯電話ネットワーク5に接続しても良い。
【0030】
一の学習者用端末1と他の学習者用端末1とを区別する必要がある場合には、一方を学習者用端末1aとし、他方を学習者用端末1bとして表記する場合がある。これと同様に、管理者用端末2と他の管理者用端末2とを区別するときには、一方を管理者用端末2aとし、他方を管理者用端末2bとして表記する場合がある。なお、学習者用端末1と管理者用端末2とは、それぞれ3台以上であってもよい。
【0031】
図2は、学習者用端末1の構成例を示す図である。学習者用端末1は、バス100、表示部101、入力部102、電源供給部103、記憶部104、制御部105、通信部106、認証部107、発電部108、緊急情報受信部109、通信状況監視部110、モード移行部111、および緊急連絡通信部112を備える。
【0032】
バス100は、各部が相互に信号を伝送するための伝送路である。
【0033】
表示部101は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、及び電子ペーパー等のパネル並びにドライバ回路等から構成され、制御部105の制御下にて任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。なお、表示部101は、それぞれ異なる情報を表示可能な複数のパネルを有していても良い。
【0034】
入力部102は、ボタン、スイッチ、キー、ダイアル、スティック、マウス、リモートコントローラ等の一または複数を備え、利用者の操作を受け付け、当該操作に基づいた入力信号を制御部105に入力する。なお、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によって入力信号を生成し、制御部105に入力するようにしても良い。なお、タッチパネルのように、表示部101と入力部102とが一体となった構成であっても良い。
【0035】
電源供給部103は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、学習者用端末1の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。電源供給部103への電源供給源は家庭用電源、または、発電部115が発電した電力である。また、学習者用端末1がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
【0036】
記憶部104は、学習者用端末1に内蔵された、または取り外し可能な、半導体や磁気ディスクや光ディスクなどの記録媒体から構成され、各種の情報を記憶する。例えば、制御部105が実行する動作制御用プログラム、緊急連絡通信用のデータベースを記憶する。
【0037】
制御部105は、CPU(Central Processiong Unit)、MPU(Micro Processiong Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、学習者用端末1全体の動作を制御する。
【0038】
通信部106は、無線または有線の通信機能を備え、各種の情報を送受信する。通信部106の通信手段または通信方式の例としては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、HSPA(High Speed Packet Access)、EV−DO(Evolution Data Only)、WiMAX、Ethernet(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)、GSM(Global System for mobile Communications)、PDC(Personal Digital Cellular)、CDMA(Code Division Multiple Access)等がある。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。
【0039】
通信部106は、情報の送受信の際、ネットワークを介して行うネットワーク通信と、ネットワークを介さずに各機器間で直接通信を行う直接通信を適宜切り替えて使用できる。また、通信部106は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
【0040】
認証部107は、所定の認証方式により、正規の利用者か否かを認証する。認証方式の例としては、パスワード認証、指紋認証、指静脈認証、掌紋認証、筆跡認証、顔認証、声紋認証、虹彩認証、USBトークンなどの特定デバイス認証等がある。認証部107は、認証方式に応じて、利用者が認証用に入力した情報(パスワード、指紋データ、指静脈データ、掌紋データ、筆跡データ、顔画像データ、声紋データ、虹彩データ等)を取り込んだり、USBデバイスに電子情報を渡して演算処理結果を受け取る機能などを備える。認証方式によっては、入力部102、通信部106から認証情報を入力できるようにしても良い。また、認証部107は、正規利用者の認証情報を事前に記憶しておくために、記憶部104とは別に、耐タンパ性の高い記憶領域を持っても良い。
【0041】
発電部108は、発電を行い、電源供給部103に発電電力を伝える。発電手段の例としては、太陽電池、手回し型の整流子発電機などがある。なお、学習者用端末1は、太陽電池あるいは手回し発電機のどちらか一方のみを備えても良いし、両方を備えても良い。太陽電池のみを備える場合、学習者用端末1が小型化できる利点があり、手回し発電機のみを備える場合、曇天下でも発電が可能という利点がある。
【0042】
緊急情報受信部109は、管理者用端末2、学校サーバ4、携帯電話通信サーバ6、または外部サーバ8から伝達される緊急情報を受信し、管理する。緊急情報は緊急事態を通知する情報であり、緊急情報の例としては、地震情報、津波情報、火災情報、洪水情報、暴風情報、降雨情報、降雪情報、台風情報など、災害や天候に関する情報、および、事故や犯罪など安全に関する情報などがある。また、緊急情報として、緊急時であることのみが伝えられる場合もある。なお、緊急情報受信部109は、携帯電話通信機能を用いて携帯電話通信会社により配信される緊急情報を受信し、管理しても良い。また、緊急情報受信部109は、デジタルテレビ放送受信装置などであっても良い。この場合は、デジタルテレビ放送の電波に含まれる緊急情報を抽出し、管理する。
【0043】
通信状況監視部110は、通信部106と学校サーバ4との通信状況を監視する処理部である。監視方法としては、通信状況監視部110が定期的に通信部106に通信状況を確認させても良いし、通信部106から通信発生毎に送られてくる通信結果を通信状況監視部110が受け取っても良い。
【0044】
モード移行部111は、緊急情報受信部109が管理する緊急情報、および通信状況監視部110が管理する通信状況をもとに、端末の動作モードの移行判定処理を行い、必要ならば動作モードを切り替える。動作モードには、通常時モードと緊急時モードがある。
【0045】
緊急連絡通信部112は、連絡先情報を暗号化するなどして秘匿管理しておき、緊急時にこの連絡先情報を用いて緊急連絡先端末9と緊急連絡通信を行う処理部である。連絡先情報の例としては、緊急連絡先端末9の電話番号、緊急連絡先端末9が取得できるメールのアドレスなどがある。連絡先情報は、端末が通信を行うための情報に加え、人が緊急連絡を行い際に必要となる、緊急連絡相手の氏名および続柄、緊急連絡先の内線番号なども含む。緊急連絡通信部112は、緊急時にのみ利用者の緊急連絡通信を許可し、通常時は許可しない。また、緊急連絡先端末9の連絡先を保持しておくために、記憶部104とは別に、耐タンパ性の高い記憶領域を持っても良い。
【0046】
また、緊急連絡通信部112は、暗号化された連絡先情報を緊急時に復号し、テキストデータなどで表示部101に出力しても良いし、出力しなくても良い。出力する場合は、利用者以外の人が緊急連絡を行う際に必要な情報を得ることができるし、緊急連絡通信手段が利用不可であった場合に、他の端末でも対応可能となる。一方、出力しない場合は、連絡先情報を他人に晒すことなく利用者が緊急連絡を行うことができる。
【0047】
図3は、管理者用端末2の構成例を示す図である。管理者用端末2の機能構成は、学習者用端末1とほぼ同様である。
【0048】
管理者用端末2は、バス100、表示部101、入力部102、電源供給部103、記憶部104、制御部105、通信部106、認証部107、発電部108、緊急情報受信部109、通信状況監視部110、モード移行部111、緊急連絡通信部112、および緊急情報配信部213を備える。学習者用端末1と異なる点は、緊急情報配信部213を備える点である。
【0049】
緊急情報配信部213は、緊急情報受信部109で受信した緊急情報を学習者用端末1に転送したり、管理者の操作により緊急時であることを学習者用端末1に伝達したりする処理部である。
【0050】
学習者用端末1において、認証部107が利用者の認証処理を行い管理者として認めた場合は、管理者用端末として動作しても良い。以降では、管理者用端末2に固有の処理以外は、学習者用端末1の処理として説明する場合がある。
【0051】
図4は、学習者用端末1または管理者用端末2における、全体処理の例を示す流れ図である。
【0052】
入力部102において利用者の操作を検知するか、または通信部106において他機器からの通信を検知すると、制御部105は検知内容をイベントとして受け付ける(ステップ1001)。次に、制御部105は、受け付けたイベントの種別を判定する(ステップ1002)。
【0053】
ステップ1002で判定したイベント種別が「緊急情報の受信」である場合、制御部105は、通信部106が受信した緊急情報を、緊急情報受信部109に記憶部104へ保存させる(ステップ1003)。ステップ1002で判定したイベント種別が「通信状況の受信」である場合、制御部105は、通信部106から通知された通信状況を、通信状況監視部110に記憶部104へ保存させる(ステップ1004)。
【0054】
ステップ1003またはステップ1004の後、制御部105は、モード移行部111にモード移行判定処理を実行させる(ステップ1005)。
【0055】
ステップ1002で判定したイベント種別が「緊急連絡操作の受入」である場合、制御部105は、緊急連絡通信部112に緊急連絡通信処理を実行させる(ステップ1006)。
【0056】
ステップ1002で判定したイベント種別が「その他イベント」である場合、制御部105は、教育端末としての処理を実行する(ステップ1007)。
【0057】
図4では、ステップ1005、ステップ1006、ステップ1007の後で処理を終了する場合の例を示しているが、ステップ1001のイベント受付に戻って、処理を繰り返すように制御しても良い。
【0058】
図5は、モード移行部111における、通常時モードでのモード移行判定処理の例を示す流れ図である。
【0059】
図5では、モード移行部111が、図4のステップ1005でモード移行判定処理を行う際に、通常時モードで処理を開始する。モード移行部111は、まず、緊急情報受信部109に緊急情報の有無を問い合わせる(ステップ2001)。
【0060】
ステップ2001で緊急情報があった場合(ステップ2001のYes)、モード移行部111は、緊急情報受信部109に緊急情報のモード移行条件の有無を問い合わせる(ステップ2002)。
【0061】
ステップ2002でモード移行条件があった場合(ステップ2002のYes)、モード移行部111は、通信状況監視部110にサーバ通信の可否を問い合わせる(ステップ2003)。
【0062】
ステップ2002でモード移行条件がなかった場合(ステップ2002のNo)、または、ステップ2003でサーバ通信が不可だった場合(ステップ2003のYes)、モード移行部111は、緊急時モードへ移行し(ステップ2004)、モード移行判定処理を終了する。
【0063】
ステップ2001で緊急情報がなかった場合(ステップ2001のNo)、または、ステップ2003でサーバ通信が可だった場合(ステップ2003のNo)、モード移行部111は、モード移行は行わず、モード移行判定処理を終了する。
【0064】
図6は、モード移行部111における、緊急時モードでのモード移行判定処理の例を示す流れ図である。
【0065】
図6では、モード移行部111が、図4のステップ1005でモード移行判定処理を行う際に、緊急時モードで処理を開始する。モード移行部111は、まず、緊急情報受信部109に緊急解除情報の有無を問い合わせる(ステップ3001)。
【0066】
ステップ3001で緊急解除情報があった場合(ステップ3001のYes)、モード移行部111は、緊急情報受信部109に緊急解除情報のモード移行条件の有無を問い合わせる(ステップ3002)。
【0067】
ステップ3002でモード移行条件があった場合(ステップ3002のYes)、モード移行部111は、通信状況監視部110にサーバ通信の可否を問い合わせる(ステップ3003)。
【0068】
ステップ3002でモード移行条件がなかった場合(ステップ3002のNo)、または、ステップ3003でサーバ通信が可だった場合(ステップ3003のYes)、モード移行部111は、通常時モードへ移行し(ステップ3004)、モード移行判定処理を終了する。
【0069】
ステップ3001で緊急情報がなかった場合(ステップ3001のNo)、または、ステップ3003でサーバ通信が不可だった場合(ステップ3003のNo)、モード移行部111は、モード移行は行わず、モード移行判定処理を終了する。
【0070】
図7は、緊急情報受信部109が管理する、緊急情報の例である。
【0071】
緊急情報は、「受信日時」、「配信元」、「種別」、および「モード移行条件」などの情報を含む。「受信日時」、「配信元」、「種別」、および「モード移行条件」は、管理者用端末2、学校サーバ4、携帯電話通信サーバ6、または外部サーバ8から緊急情報を受信した際に、緊急情報受信部109が情報を取得し更新する。
【0072】
「受信日時」は、緊急情報を受信した日付と時間を表す。「配信元」は、緊急情報の配信元機器を表す。「種別」は、緊急情報の種別を表す。「モード移行条件」は、モード移行判定時に必要な条件を表す。図7の例では、サーバ通信が可または不可であることを条件とするか、無条件か、を表している。
【0073】
図8は、通信状況監視部110が管理する、通信状況の例である。
【0074】
通信状況は、「確認日時」、および「サーバ通信状況」などの情報を含む。「確認日時」、および「サーバ通信状況」は、学校サーバ4との通信処理を実行した際に、通信状況監視部110が情報を取得し更新する。
【0075】
「確認日時」は、通信状況を確認した日付と時間を表す。「サーバ通信状況」は、学校サーバ4との通信が可能であったか、不可能であったかの区別を表す。
【0076】
図9は、緊急連絡通信部112における、緊急連絡通信処理の例を示す流れ図である。
【0077】
入力部102において利用者の操作(緊急連絡開始)を検知すると、制御部105は検知内容をイベントとして受け付ける(ステップ4001)。
【0078】
次に、緊急連絡通信部112は、モード移行部111に緊急時モードか否かを問い合わせる(ステップ4002)。
【0079】
ステップ4002で緊急時モードであった場合(ステップ4002のYes)、緊急連絡通信部112は、表示部101に学習者選択画面を表示させる(ステップ4003)。
【0080】
次に、入力部102において利用者の操作(学習者選択)を検知すると、制御部105は検知内容をイベントとして受け付ける(ステップ4004)。
【0081】
次に、緊急連絡通信部112は、ステップ4004で選択された学習者について、表示部101に緊急連絡先画面を表示させ(ステップ4005)、その後、必要ならば緊急連絡通信を行い(ステップ4006)、緊急連絡通信処理を終了する。
【0082】
ステップ4002で緊急時モードでなかった場合(ステップ4002のNo)、緊急連絡通信部112は、表示部101に緊急連絡開始操作拒否画面を表示させ(ステップ4007)、緊急連絡通信処理を終了する。
【0083】
図10は、緊急連絡通信部112が管理する、緊急連絡情報の例である。
【0084】
緊急連絡情報は、「ID」、「氏名」、「連絡手段」、「連絡先」、「連絡先氏名」、「続柄」、および「追加表示」などの情報を含む。「ID」、「氏名」、「連絡手段」、「連絡先」、「連絡先氏名」、「続柄」、および「追加表示」は、予め学校サーバ4にて保存され管理されている情報を、通常時に通信部106が受信し、緊急連絡通信部112が取得して記憶部104へ保存し更新する。
【0085】
「ID」は、学習者の識別番号を表す。「氏名」は、学習者の氏名を表す。「連絡手段」は、学習者の緊急連絡に用いる通信手段を表す。「連絡先」は、学習者の緊急連絡先の通信情報を表す。図10では、電話番号やメールアドレスが表されている。「連絡先氏名」は、学習者の緊急連絡先の氏名を表す。「続柄」は、学習者の緊急連絡先の、学習者との続柄を表す。「追加表示」は、学習者の緊急連絡先として追加で表示すべき事柄を表す。図10では、電話連絡先「045−1234−5678」での「内線番号が1234」であることを表している。
【0086】
図11は、学習者用端末1における、学習者選択画面の例である。学習者選択画面は、図9のステップ4003で、緊急連絡通信部112が表示部101に表示させる画面である。
【0087】
図11(a)では、学習者の「氏名」として「日立一郎」、「茨城次郎」、「戸塚花子」、「横浜太郎」の4名が挙げられており、現在「日立一郎」が選択されている状態を表している。この状態で利用者が「選択完了」を選択すると、学習者の選択として「日立一郎」が決定される。この例では、学習用端末1の利用者が、任意の学習者の緊急連絡を行える。
【0088】
図11(b)は、学習者の選択はなく、学習者用端末1の利用者に緊急連絡を行う場合の例である。学習者用端末1の利用者は、例えば、学習者用端末1の操作を開始する際のログイン情報などから得ることができる。図11(b)は、学習者用端末1を利用中の学習者が「日立一郎」であることを示し、利用者に緊急連絡を行うか否かの判断を求めている状態を表している。この状態で利用者が「はい」を選択すると、「日立一郎」の緊急連絡先へ緊急連絡が行われる。
【0089】
図12は、学習者用端末1における、緊急連絡先画面の例である。緊急連絡先画面は、図9のステップ4005で、緊急連絡通信部112が表示部101に表示させる画面である。
【0090】
図12(a)では、「日立一郎」の緊急連絡情報について、連絡先が「090−1234−5678」であり、連絡先氏名が「日立三郎」であり、続柄が「父」であることを示し、利用者に緊急連絡を行うか否かの判断を求めている状態を表している。この状態で利用者が「はい」を選択すると、「日立一郎」の緊急連絡先へ緊急連絡が行われる。
【0091】
図12(b)は、緊急連絡情報の表示がないまま緊急連絡を行う場合の例である。「日立一郎」の緊急連絡先へ緊急連絡を行っている途中であることを、利用者に示している。
【0092】
図13は、学習者用端末1における、緊急連絡開始操作拒否画面の例である。緊急連絡開始操作拒否画面は、図9のステップ4007で、緊急連絡通信部112が表示部101に表示させる画面である。緊急時モードでなければ、電話やメールなどの緊急連絡は行えない旨を、利用者に示している。
【0093】
図14は、緊急情報配信部213における、緊急情報配信処理の例を示す流れ図である。
【0094】
入力部102において利用者の操作(緊急情報配信開始)を検知すると、制御部105は検知内容をイベントとして受け付ける(ステップ5001)。
【0095】
次に、緊急情報配信部213は、認証部107に利用者の認証を行わせ、認証結果を問い合わせる(ステップ5002)。
【0096】
ステップ5002で認証成功であった場合(ステップ5002のYes)、緊急情報配信部213は、表示部101に配信内容設定画面を表示させる(ステップ5003)。
【0097】
次に、入力部102において利用者の操作(配信内容設定)を検知すると、制御部105は検知内容をイベントとして受け付ける(ステップ5004)。
【0098】
次に、緊急情報配信部213は、ステップ5004で設定された配信内容を記憶部104へ保存し(ステップ5005)、通信部106に、学習者用端末1に対して、保存された配信内容通りに緊急情報を配信させる(ステップ5006)。その後、表示部101に配信結果画面を表示させ(ステップ5007)、緊急情報配信処理を終了する。
【0099】
ステップ5002で認証失敗であった場合(ステップ5002のNo)、緊急情報配信部213は、表示部101に配信開始操作拒否画面を表示させ(ステップ5008)、緊急連絡通信処理を終了する。
【0100】
このように、管理者用端末2は、利用者の認証に成功したことを条件に、他の端末である学習者用端末1に対して緊急情報を配信することが決定されるので、いたずらなどにより、不必要または不適当に緊急情報が拡散してしまうのを防止することができる。
【0101】
図15は、緊急情報配信部213が管理する、緊急情報配信情報の例である。
【0102】
緊急情報配信情報は、「学習者ID」、「学習者氏名」、「端末ID」、「連絡手段」、「許可操作」、および「配信状況」などの情報を含む。「利用者ID」、「学習者氏名」、「端末ID」、連絡手段」、「許可操作」、および「配信状況」は、予め学校サーバ4にて保存され管理されている情報を、通常時に通信部106が受信し、緊急情報配信部213が取得して記憶部104へ保存し更新する。
【0103】
「学習者ID」は、学習者の識別番号を表す。「学習者氏名」は、学習者の氏名を表す。「端末ID」は、学習者が利用中の学習者端末1の識別番号を表す。「連絡手段」は、学習者の緊急連絡に用いる通信手段を表す。「許可操作」は、学習者の緊急連絡先について、許可される操作を表す。図15の学習者ID「1」では、「電話番号の表示と電話の通話」が許可されており、学習者ID「2」では、「メールアドレスの表示は不可で、メール送信のみ」が許可されており、学習者ID「3」と学習者ID「4」では、許可操作が未設定である旨を表している。「配信状況」は、緊急情報が配信済みであるか、未配信であるか、配信が不要であるかを表す。
【0104】
図16は、管理者用端末2における、配信内容設定画面の例である。配信内容設定画面は、図14のステップ5003で、緊急情報配信部213が表示部101に表示させる画面である。
【0105】
図16の「学習者氏名」、「連絡手段」、および「許可操作」は、図15の説明と同様である。「配信有無」は、緊急情報配信を行うか否かを表している。「学習者氏名」および「連絡手段」は、緊急情報配信部213が管理する、緊急情報配信情報の内容が表示されており、「配信有無」および「許可操作」は、管理者用端末2の利用者が入力し設定する欄である。
【0106】
図16の状態で利用者が「設定完了」を選択すると、緊急情報配信情報が図15の状態になる。
【0107】
図17は、管理者用端末2における、配信結果画面の例である。配信結果画面は、図14のステップ5007で、緊急情報配信部213が表示部101に表示させる画面である。
【0108】
図17の「学習者氏名」、「連絡手段」、および「許可操作」は、図15の説明と同様であり、緊急情報配信部213が管理する、緊急情報配信情報の内容が表示されている。「配信結果」は、緊急情報の配信が成功したか、失敗または未配信か、を表す欄である。
【0109】
図17(a)は、配信途中であり、「日立一郎」が利用中の学習者端末1aへ緊急情報の配信が成功し、「茨城太郎」が利用中の学習者端末1bへ緊急情報の配信が未完了である状態を表している。
【0110】
図17(b)は、設定された配信が完了し、「日立一郎」が利用中の学習者端末1aと、「茨城太郎」が利用中の学習者端末1bへの緊急情報の配信が、両方とも成功した状態を表している。
【0111】
図18は、管理者用端末2における、配信開始操作拒否画面の例である。配信開始操作拒否画面は、図14のステップ5008で、緊急情報配信部213が表示部101に表示させる画面である。管理者用端末2の利用者が、管理者として認証されなければ、緊急情報の配信は行えない旨を、利用者に示している。
【0112】
以上のように、本実施例によれば、クライアント・サーバ型システムにおいて、サーバとの通信が不能となった場合でも適切な障害対応を可能とする、障害対応情報端末及びシステムを提供できる。
【0113】
例えば、クライアントが、ネットワーク接続されたサーバと通信して処理を行う、クライアント・サーバ型の教育支援システムに適用すれば、通常時は、緊急連絡先情報や緊急連絡用通信機能について、プライバシー保護、私的利用防止、または、いたずら防止が可能となり、かつ、悪意のある利用者が通信機器を故意に停止させても適切に対応でき、さらに緊急時には、緊急連絡先の表示および緊急連絡用通信機能の利用が可能となる。
【0114】
また、例えば地震により停電が発生し、校内用無線LANルータや学校サーバが動作しなくなり、端末と学校サーバ4との通信が不能となった場合でも、電池が端末に電源供給を行うことで、電池が搭載された携帯電話用の通信経路端末を介して緊急連絡通信を行うことができる。
【0115】
また、管理者用端末2を学習者用端末1として利用可能にすることで、例えば災害などにより管理者用端末2が故障した場合でも、正常に動作している学習者用端末1で管理者が所定の認証を行い、管理者用端末2として動作させることができる。よって、より確実な障害対応が期待できる。
【0116】
なお、本実施例では、教育支援システムに適用した場合を例に説明したが、例えば、企業における営業担当者支援システムなど、他のシステムであってもよい。
【実施例2】
【0117】
本発明に係る実施形態2を、図19〜図21を用いて説明する。
【0118】
本実施例では、管理者用端末2が学習者用端末1の動作モードを決定し、管理者用端末2が動作モードを移行するよう学習者用端末1に指示し、学習者用端末1がモード移行指示に従って動作モードを移行する場合について説明する。
【0119】
図19は、学習者用端末1の構成例を示す図である。実施例1の図2との違いは、緊急情報受信部109と通信状況監視部110がないことである。
【0120】
また、実施例2のモード移行部111は、端末の動作モードの移行判定処理は行わず、管理者用端末2から受信した動作モードの通知に従い、動作モードを切り替える。
【0121】
図20は、管理者用端末2の構成例を示す図である。実施例1の図3との違いは、モード移行部111と緊急連絡通信部112と緊急情報配信部213がなく、モード決定部214を備える点である。
【0122】
モード決定部214は、緊急情報受信部109が管理する緊急情報、および通信状況監視部110が管理する通信状況をもとに、学習者用端末1の動作モードの決定処理を行い、通信部106に、学習者用端末1に対して決定した動作モードを通知させる。
【0123】
図21は、学習者用端末1および管理者用端末2における、全体処理の例を示す流れ図である。
【0124】
まず、管理者用端末2において、通信部106において他機器からの通信を検知すると、制御部105は検知内容をイベントとして受け付ける(ステップ6001)。次に、制御部105は、受け付けたイベントの種別を判定する(ステップ6002)。
【0125】
ステップ6002で判定したイベント種別が「緊急情報の受信」である場合、制御部105は、通信部106が受信した緊急情報を、緊急情報受信部109に記憶部104へ保存させる(ステップ6003)。ステップ6002で判定したイベント種別が「通信状況の受信」である場合、制御部105は、通信部106から通知された通信状況を、通信状況監視部110に記憶部104へ保存させる(ステップ6004)。
【0126】
ステップ6003またはステップ6004の後、制御部105は、モード決定部214にモード決定処理を実行させ(ステップ6005)。
【0127】
管理者用端末2におけるステップ6005のモード決定処理は、図4のステップ1005で説明したモード移行判定処理と同様であり、図5のステップ2001からステップ2004と、図6のステップ3001からステップ3004で説明した処理と同様である。
【0128】
次に、管理者用端末2において、モード決定部214は、通信部106に、学習者用端末1に対して決定した動作モードを通知させる(ステップ6006)。
【0129】
次に、学習者用端末1において、通信部106が管理者用端末2からの動作モード通知を受信すると(ステップ6007)、制御部105は、受信した動作モードの通知に従ってモード移行部111にモード移行処理を実行させる(ステップ6008)。
【0130】
次に、学習者用端末1の制御部105は、緊急連絡通信部112に緊急連絡通信処理を実行させる(ステップ6009)。ステップ6009の緊急連絡通信処理は、図9のステップ4001からステップ4007と同様であり、動作モードに応じて処理される。
【0131】
以上のように、本実施例によれば、例えば、学習者用端末1と管理者用端末2の両方の端末において緊急情報受信部109および通信状況監視部110を備えなくとも、一方の端末である管理者用端末2にのみ緊急情報受信部および通信状況監視部を備える場合であっても、サーバとの通信が不能となった場合に適切な障害対応が可能となる。
【0132】
以上、本発明の実施例について説明した。
【0133】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0134】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD、BD等の記録媒体に置くことができる。なお、図22に示すように、各機能を実現するプログラム等をサーバ等に複製し、学習者用端末1、および管理者用端末2その他の端末、装置、機器等に有線または無線の通信回線等を介して提供するようにしても良い。この場合、ユーザは、端末等を操作して、サーバ等から必要なプログラム等をダウンロードし、端末等の記憶部にインストールさせることができる。
【0135】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0136】
1 学習者用端末
2 管理者用端末
3 校内ネットワーク
4 学校サーバ
5 携帯電話ネットワーク
6 携帯電話通信サーバ
7 外部ネットワーク
8 外部サーバ
9 緊急連絡先端末
101 表示部
102 入力部
103 電源供給部
104 記憶部
105 制御部
106 通信部
107 認証部
108 発電部
109 緊急情報受信部
110 通信状況監視部
111 モード移行部
112 緊急連絡通信部
213 緊急情報配信部
214 モード決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続されたサーバと通信を行う情報端末であって、
緊急事態の発生または解消を通知する緊急情報を受信する緊急情報受信部と、
前記サーバとの通信状況を監視する通信状況監視部と、
緊急時用の情報を用いて緊急連絡通信を行う緊急連絡通信部と、
前記緊急情報受信部、前記通信状況監視部、および前記緊急連絡通信部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記緊急情報および前記通信状況をもとに、前記緊急連絡通信部に緊急連絡通信を行わせるか否かを決定する
ことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記緊急連絡通信部に緊急連絡通信を行わせることを許可しない通常モードと前記緊急連絡通信部に緊急連絡通信を行わせることを許可する緊急モードとを有し、前記受信した緊急情報が緊急事態の発生を通知するものであり、かつ、前記監視した前記サーバとの通信状況が通信不能である場合に、前記通常モードから前記緊急モードに移行することを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記受信した緊急情報が緊急事態の解消を通知するものであり、かつ、前記監視した前記サーバとの通信状況が通信可能である場合、前記緊急モードから前記通常モードに移行させることを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
所定の認証方式により正規の利用者か否かを認証する認証部と、
前記緊急情報を他の情報端末に配信する緊急情報配信部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記緊急情報受信部、前記通信状況監視部、前記緊急連絡通信部、前記認証部、および前記緊急情報配信部の動作を制御し、
前記認証部による認証結果をもとに、前記緊急情報配信部に前記配信を行わせるか否かを決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項5】
ネットワーク接続されたサーバと通信を行う、第1の情報端末と第2の情報端末とを含むシステムであって、
前記第1の情報端末は、
前記第2の情報端末と通信を行う通信部と、
前記通信部が前記第2の情報端末から受信した動作モードの通知に従って、前記第1の情報端末の動作モードの移行処理を行うモード移行部と、
緊急時用の情報を管理し、前記緊急時用の情報を用いて緊急連絡通信を行う緊急連絡通信部と、
前記通信部、前記モード移行部、および前記緊急連絡通信部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1の情報端末の動作モードとして少なくとも通常モードと緊急モードとを備え、
前記通常モード中は、前記緊急連絡通信部に緊急連絡通信を行わせず、
前記緊急モード中は、前記緊急連絡通信部に緊急連絡通信を行わせ、
前記第2の情報端末は、
前記第1の情報端末と通信を行う通信部と、
緊急事態の発生または解消を通知する緊急情報を受信する緊急情報受信部と、
前記サーバとの通信状況を監視する通信状況監視部と、
前記緊急情報および前記通信状況をもとに、前記第1の情報端末の動作モードの決定を行うモード決定部と、
前記通信部、前記緊急情報受信部、前記通信状況監視部、および前記モード決定部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記モード決定部で決定された前記第1の情報端末の動作モードを、前記第1の情報端末へ、前記通信部に通知させる
ことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17(a)】
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【図17(b)】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−92913(P2013−92913A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234580(P2011−234580)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】