説明

情報端末装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

【課題】IP系情報及び非IP系情報を併用して効率的に処理を行うことが可能な情報端末装置を提供する。
【解決手段】情報端末装置は、路側器から専用狭域通信により受信された情報に基づいて処理を行うために好適に利用される。IP系情報受信手段は、IP系の通信方式に従ったIP系情報を路側器から受信し、非IP系情報受信手段は、IP系の通信方式に依らない非IP系情報を路側器から受信する。処理手段は、IP系情報に対応するIP系画面及び非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、IP系情報及び非IP系情報を併用して処理を行う。これにより、IP系情報及び非IP系情報の利点を活かして、効率的に処理を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、専用狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)を用いて、路側器と車両に搭載された車載器との間で無線通信を行う路車間通信システムが普及しつつある。例えば、特許文献1には、インターネットプロトコル(IP)に従ったIP系の通信と、このようなインターネットプロトコルに依らない非IP系の通信とを利用する路車間通信システムが提案されている。具体的には、この路車間通信システムでは、非IP系情報に対応する画面が表示されている際に、IP系情報が受信された場合、つまりIP系情報が割り込んだ場合、当該IP系情報に対応する画面を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−241258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非IP系情報は、ユーザの簡単な操作で処理可能な情報に利用することが検討されている。具体的には、非IP系情報は、ユーザに肯定(はい)及び否定(いいえ)のいずれかを選択させる場合に利用することが考えられる。一例としては、有料施設の使用や商品の購入の際の決済等が挙げられる。また、非IP系情報は、車両が走行中に受信する交通情報やETC(有料道路自動料金授受システム)での情報としても用いられ、短期間で送受信が可能な情報が想定されている。一方、IP系情報は、ブラウザによってユーザに多くの情報を提供する場合に利用することが検討されている。具体的には、IP系情報は、複数の画像や選択肢を提供することで、複数の選択肢の中からユーザに自由に選択を行わせる場合に利用することが考えられる。ただし、IP系情報は、多くの情報を提供するため、非IP系情報よりも情報を表示するまでに時間がかかる傾向にある。以上のことから、非IP系情報は操作が簡単であるといった利点を有していると言え、IP系情報は選択性が高いといった利点を有していると言える。
【0005】
なお、上記した特許文献1に記載された技術では、このようなIP系情報及び非IP系情報の利点を活かして、IP系情報及び非IP系情報を併用して適切に処理を行うことはできなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、IP系情報及び非IP系情報を併用して効率的に処理を行うことが可能な情報端末装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明では、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う情報端末装置は、IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信手段と、前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信手段と、前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理手段と、を備える。
【0008】
請求項12に記載の発明では、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う装置によって実行される情報処理方法は、IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信工程と、前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信工程と、前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理工程と、を備える。
【0009】
請求項13に記載の発明では、コンピュータを備え、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う装置によって実行される情報処理プログラムは、前記コンピュータを、IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信手段、前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信手段、前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例に係るナビゲーション装置の概略構成を示す。
【図2】実施例に係る通信システムの概略構成を示す。
【図3】非IP系画面及びIP系画面の一例を示す。
【図4】本実施例に係る表示制御方法による表示画面の一例を示す。
【図5】分割表示から全画面表示への切り替えを説明するための図を示す。
【図6】本実施例における表示制御フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の1つの観点では、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う情報端末装置は、IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信手段と、前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信手段と、前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理手段と、を備える。
【0012】
上記の情報端末装置は、路側器から専用狭域通信(DSRC)により受信された情報に基づいて処理を行うために好適に利用される。IP系情報受信手段は、IP系の通信方式に従ったIP系情報を路側器から受信し、非IP系情報受信手段は、IP系の通信方式に依らない非IP系情報を路側器から受信する。ここで、「IP系情報」とは、TCP/IP上で定義されるプロトコルに従った情報である。これに対し、「非IP系情報」とは、例えばDSRC Application Sub−Layer仕様書で規定されるローカルポート制御プロトコルに従った情報である。
【0013】
処理手段は、IP系情報に対応するIP系画面及び非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、IP系情報及び非IP系情報を併用して処理を行う。具体的には、処理手段は、IP系情報及び非IP系情報を併用して、ユーザが表示画面を操作して入力した情報に基づいて処理を行う。これにより、IP系情報及び非IP系情報の利点を活かして、効率的に処理を行うことが可能となる。
【0014】
上記の情報端末装置の一態様では、前記処理手段は、ユーザに操作させる情報の内容に応じて、前記IP系画面及び前記非IP系画面のうちのいずれか一方又は両方を表示させる制御を行う表示制御手段を備える。この態様によれば、ユーザに適切な操作を行わせることが可能な画面を表示することができる。
【0015】
上記の情報端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記情報の内容が、ユーザの操作性を優先すべき内容である場合には、少なくとも前記非IP系画面を表示させ、前記情報の内容が、情報の選択性を優先すべき内容である場合には、少なくとも前記IP系画面を表示させる。
【0016】
この態様によれば、非IP系情報が有する簡単な操作性といった利点、及びIP系情報が有する高い選択性といった利点の両方を適切に活かすことで、ユーザに効率的に処理を行わせることができる。具体的には、単純な判断をユーザに求めるような場合には、非IP系画面を用いて情報を分かりやすく表示することで、ユーザに迅速な操作を行わせることができる。これに対して、ユーザが複雑な選択を行うような場合には、IP系画面を用いて詳細な情報を表示することで、ユーザに適切な選択を行わせることができる。
【0017】
上記の情報端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、表示画面を分割して、前記IP系画面及び前記非IP系画面の両方を同時に表示させる。これにより、IP系画面と非IP系画面とを画面分割により自由に表示させることができる。よって、例えばIP系情報及び非IP系情報が同時に受信された場合でも、IP系画面及び非IP系画面の両方を適切に表示することが可能となる。
【0018】
上記の情報端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記IP系画面の表示領域及び前記非IP系画面の表示領域のサイズを変更する制御を行う。これにより、ユーザにとって見易い画面を、適切に表示させることができる。
【0019】
上記の情報端末装置において好適には、前記表示制御手段は、前記IP系画面のみが表示されている際に前記非IP系情報が受信された場合、前記IP系画面の表示領域のサイズを小さくして、当該IP系画面以外の表示領域に、前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示させ、前記非IP系画面のみが表示されている際に前記IP系情報が受信された場合、前記非IP系画面の表示領域のサイズを小さくして、当該非IP系画面以外の表示領域に、前記IP系情報に対応するIP系画面を表示させる。
【0020】
上記の情報端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記IP系画面と前記非IP系画面との間で表示画面を切り替える制御を行う。これにより、例えばユーザが利用する情報が非IP系情報とIP系情報との間で切り替わった場合に、IP系画面と非IP系画面との間で適切に表示画面を切り替えることができる。
【0021】
上記の情報端末装置の他の一態様では、前記IP系情報と前記非IP系情報とは、同一のサービスに対応する情報であり、前記処理手段は、ユーザが前記IP系画面を操作することで入力した情報、及びユーザが前記非IP系画面を操作することで入力した情報を組み合わせて用いることで、前記サービスについての処理を行う。
【0022】
この態様では、処理手段は、IP系画面及び/又は非IP系画面を順次表示することで、ユーザが表示画面を操作して入力した情報を取得していき、取得された情報を順次用いることによって1つのサービスに関する処理を完了させる。これにより、1つのサービスに関する処理を効率的に行うことが可能となる。
【0023】
好適には、前記IP系画面は、ユーザにより選択可能な3以上の選択肢に対応する情報が表示された画面であり、前記非IP系画面は、ユーザに肯定及び否定のいずれかを選択させるための情報が表示された画面である。
【0024】
この場合、好適な例では、前記IP系画面は、ユーザに商品を選択させる場合に表示され、前記非IP系画面は、ユーザに決済を行わせる場合に表示される。
【0025】
上記の情報端末装置は、当該情報端末装置に対して、IP系情報及び非IP系情報を送信する路側器を備えた通信システムに好適に適用することができる。
【0026】
本発明の他の観点では、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う装置によって実行される情報処理方法は、IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信工程と、前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信工程と、前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理工程と、を備える。
【0027】
本発明の更に他の観点では、コンピュータを備え、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う装置によって実行される情報処理プログラムは、前記コンピュータを、IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信手段、前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信手段、前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理手段、として機能させる。
【0028】
上記の情報処理方法及び情報処理プログラムによっても、IP系情報及び非IP系情報の利点を活かして、効率的に処理を行うことが可能となる。
【実施例】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用のナビゲーション装置に適用した例を示す。
【0030】
[ナビゲーション装置]
図1に、ナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50、及び入力装置60を備える。
【0031】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備え、自立測位センサとして機能する。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0032】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0033】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0034】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0035】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0036】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0037】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。
【0038】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センタなどから配信される情報を取得する。
【0039】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0040】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、又はBD−ROM、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0041】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0042】
[通信システム]
次に、図2を参照して、上記したナビゲーション装置1を適用した通信システム100について説明する。図2は、ナビゲーション装置1が適用された通信システム100の概略構成を示す。
【0043】
通信システム100は、主に、DSRC路側器91と、DSRC車載器92と、ナビゲーション装置1とを備える。なお、図2では、ナビゲーション装置1について、路車間通信を行う場合の最小限の構成要素のみを図示している。
【0044】
通信システム100は、DSRC路側器91とDSRC車載器92との間で専用狭域通信(DSRC)を行う路車間通信システムである。DSRC路側器91は、道路や駐車場やファストフード店等に設置され、IP系の通信及び非IP系の通信を行うことが可能に構成されている。IP系の通信を行う場合、DSRC路側器91は、例えばインターネット接続によりwwwサーバ(不図示)にアクセスする。DSRC路側器91は、取得したIP系情報及び非IP系情報をDSRC車載器92へ送信する。
【0045】
DSRC車載器92は、車両に搭載され、DSRC路側器91から送信されたIP系情報及び非IP系情報を受信する。また、DSRC車載器92は、個人情報の認証などを行うためのICカードを有する。DSRC車載器92は、受信したIP系情報及び非IP系情報をナビゲーション装置1へ送信する。このように、DSRC車載器92は、IP系情報受信手段及び非IP系情報受信手段として機能する。
【0046】
ナビゲーション装置1は、主に、システムコントローラ20と、通信装置38と、表示ユニット40と、を備える。通信装置38は、DSRC車載器92から送信されたIP系情報及び非IP系情報を受信し、IP系情報及び非IP系情報をシステムコントローラ20に出力する。
【0047】
システムコントローラ20は、IP系制御部20aと、非IP系制御部20bと、ブラウザ20cと、ナビ用UI(User Interface)20dとを備える。IP系制御部20aは、IP系情報に対する制御を行う。ブラウザ20cは、IP系制御部20aによる制御後のIP系情報を用いて、当該IP系情報を表示するための処理を行う。非IP系制御部20bは、通常のナビゲーション画面に関する制御を行うと共に、非IP系情報に対する制御を行う。ナビ用UI20dは、通常のナビゲーション画面を表示するための処理を行うと共に、非IP系制御部20bによる制御後の非IP系情報を用いて、当該非IP系情報を表示するための処理を行う。
【0048】
表示ユニット40は、ブラウザ20cによる処理後のIP系情報に基づいて当該IP系情報に対応するIP系画面を表示すると共に、ナビ用UI20dによる処理後の非IP系情報に基づいて当該非IP系情報に対応する非IP系画面を表示する。また、表示ユニット40は、ディスプレイ44がタッチパネル方式で構成されており、ユーザがディスプレイ44を操作することで入力した情報を取得する。
【0049】
本実施例では、表示ユニット40は、システムコントローラ20によって、IP系画面及び非IP系画面の両方を同時に表示させる制御、若しくは、IP系画面と非IP系画面との間で表示画面を切り替える制御が行われる。
【0050】
[IP系情報及び非IP系情報]
次に、非IP系情報及びIP系情報について具体的に説明する。
【0051】
非IP系情報は、ユーザの簡単な操作で処理可能な情報に利用することが検討されている。具体的には、非IP系情報は、ユーザに肯定(はい)及び否定(いいえ)のいずれかを選択させる場合に利用することが考えられる。この場合、非IP系画面には、プッシュ型情報として画像や文字などが表示されると共に、指示情報として金額や時間などが表示される。また、ユーザの確認に用いるために、「はい」及び「いいえ」のボタンが表示される。例えば、非IP系情報の利用シーンとしては、駐車場決済など決まったサービスや決済が挙げられる。このようなことから、非IP系情報は、少ない情報量で視認性が高いといった利点や、仕組み上選択が2者択一で操作が簡単であるといった利点を有していると言える。但し、非IP系情報は、基本的には、複数の選択肢の中からユーザに自由に選択を行わせることはできない。
【0052】
一方、IP系情報は、ブラウザを用いて、サービス側がユーザに対して多くの情報を提供する場合に利用することが検討されている。具体的には、IP系情報は、複数の画像や選択肢を提供することで、複数の選択肢の中からユーザに自由に選択を行わせる場合に利用することが考えられる。例えば、IP系情報の利用シーンとしては、多くの商品を比較するショッピングサイトが挙げられる。このようなことから、IP系情報は、情報についての選択性が高いといった利点を有していると言える。但し、IP系情報は、スクロール等の操作に手間がかかってしまったり、htmlや画像の処理に時間がかかってしまったりする傾向にある。
【0053】
ここで、図3を参照して、非IP系画面及びIP系画面の一例について説明する。図3(a)は、非IP系画面の一例を示している。この非IP系画面には、商品が示された画像A1と、当該商品の金額が示された画像A2と、ユーザの確認に用いられる画像A3とが表示される。画像A1はプッシュ型情報に相当する画像であり、画像A2は指示情報に相当する画像である。また、画像A3には、肯定を選択するための「はい」が示されたボタンA3aと、否定を選択するための「いいえ」が示されたボタンA3bとが表示される。なお、非IP系画面は、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20内の非IP系制御部20b及びナビ用UI20dによって作成される。
【0054】
図3(b)は、IP系画面の一例を示している。このIP系画面は、ブラウザによって生成された画面A5(以下、適宜「ブラウザ画面」と表記する。)で構成される。ブラウザ画面A5には、複数の画像や選択肢などが表示される。なお、IP系画面は、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20内のIP系制御部20a及びブラウザ20cによって作成される。
【0055】
[表示制御方法]
次に、本実施例においてシステムコントローラ20が実行する表示制御方法について説明する。
【0056】
本実施例では、システムコントローラ20は、1つのサービスに関して、IP系情報及び非IP系情報を併用して処理を行う。具体的には、システムコントローラ20は、IP系画面及び非IP系画面のうちのいずれか一方又は両方を表示させる制御を行って、ユーザに当該表示画面を操作させることによって、ユーザから情報を得る。そして、システムコントローラ20は、ユーザがIP系画面を操作することで入力した情報及び非IP系画面を操作することで入力した情報を組み合わせて用いることで、1つのサービスに関する処理を行う。つまり、システムコントローラ20は、IP系画面及び/又は非IP系画面を順次表示することで、ユーザが表示画面を操作して入力した情報を取得していき、取得された情報を順次用いることによって1つのサービスに関する処理を完了させる。
【0057】
詳しくは、本実施例では、システムコントローラ20は、前述したようなIP系情報及び非IP系情報の利点を考慮して、ユーザに操作させる情報の内容に応じて、IP系画面及び非IP系画面のうちのいずれか一方又は両方を表示させる制御を行う。この場合、システムコントローラ20は、ユーザの操作性を優先させるべき状況では、少なくとも非IP系画面を表示させ、これに対し、情報の選択性を優先させるべき状況では、少なくともIP系画面を表示させる。例えば、システムコントローラ20は、ユーザに商品を選択させる場合にはIP系画面を表示させ、ユーザに決済を行わせる場合には非IP系画面を表示させる。
【0058】
更に、本実施例では、システムコントローラ20は、受信されたサービスの内容やユーザの操作などに応じて、表示画面を分割してIP系画面及び非IP系画面の両方を同時に表示させたり(以下、適宜「分割表示」と呼ぶ。)、IP系画面と非IP系画面との間で表示画面を切り替えたりする。システムコントローラ20は、例えばユーザが利用する情報が非IP系情報とIP系情報との間で切り替わった場合に、このような分割表示や表示画面の切り替えを行う。また、システムコントローラ20は、例えば非IP系情報及びIP系情報が同時に受信された場合に、分割表示を行う。このように、システムコントローラ20は、処理手段及び表示制御手段として機能する。
【0059】
以上説明した表示制御方法によれば、IP系情報及び非IP系情報を併用することで、効率的に処理を行うことが可能となる。具体的には、非IP系情報が有する簡単な操作性といった利点、及びIP系情報が有する高い選択性といった利点の両方を適切に活かすことで、ユーザに効率的に処理を行わせることができる。つまり、単純な判断をユーザに求めるような場合には、非IP系画面を用いて情報を分かりやすく表示することで、ユーザに迅速な操作を行わせることができる。これに対して、ユーザが複雑な選択を行うような場合には、IP系画面を用いて詳細な情報を表示することで、ユーザに適切な選択を行わせることができる。
【0060】
(表示画面例)
次に、図4を参照して、前述した表示制御方法による表示画面の一例について説明する。以下で説明する表示画面は、例えば、ファストフード店のドライブスルーで商品を購入する場合に表示される。なお、表示画面は、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20によって生成され、表示ユニット40のディスプレイ44に表示される。
【0061】
図4(a)は、DSRC車載器92若しくはナビゲーション装置1がDSRCの情報を検知した際に表示される画面B1を示している。画面B1は、非IP系画面であり、Webを用いて商品を選ぶか否かをユーザに選択させるために用いられる。このような状況では、ユーザに2者択一を行わせるため、ユーザの操作性の観点から、非IP系画面を用いている。
【0062】
具体的には、画面B1には、Webを用いて商品を選ぶか否かをユーザに選択させるためのメッセージが示された画像B1aと、ユーザの確認に用いられる画像B1bとが表示される。画像B1bには、肯定を選択するための「はい」が示されたボタンB1b1と、否定を選択するための「いいえ」が示されたボタンB1b2とが表示される。なお、ナビゲーション装置1がWebを使用できないような場合には、Webを用いて商品を選ぶことはできない。
【0063】
図4(b)は、ユーザが画面B1を用いてWebで商品を選ぶとの選択を行った後に表示される画面B2を示している。画面B2は、分割表示された画面に相当する。具体的には、画面B2は、図4(a)で示した画面B1(非IP系画面)が画面の横方向に半分のサイズに縮小されて表示された画面B2aと(矢印C1参照)、当該画面B2a以外の表示領域に新たに表示された画面B2bとから構成されている。新たに表示された画面B2bは、IP系画面であり、インターネット情報が受信されたことを通知するために表示される。このように、画面B2は、1つの画面が分割されて、非IP系画面である画面B2aとIP系画面である画面B2bとが同時に表示されている。この画面B2は、ユーザがナビゲーション装置1の表示設定を分割表示に設定した場合に表示される。なお、ユーザがWebで商品を選ぶとの選択を行っているため、基本的には、ユーザは非IP系画面である画面B2aを操作することはできない。即ち、画面B2aはアクティブではない。
【0064】
IP系画面である画面B2bには、インターネット情報が受信されたことを通知するため及びブラウザを開くか否かをユーザに選択させるためのメッセージが示された画像B2b1が表示される。また、画面B2bには、当該選択に対して肯定を選択するための「はい」が示されたボタンB2b2と、当該選択に対して否定を選択するための「いいえ」が示されたボタンB2b3とが表示される。なお、インターネット情報が受信されたことの通知は、所定の設定を設けて自動起動としても良い。
【0065】
なお、システムコントローラ20は、図4(a)で示したような非IP系画面が表示されている際に、IP系情報を前もって受信しておき、当該IP系情報についての処理を裏で行うことができる。これにより、IP系情報についての処理を迅速に行うことが可能となる。
【0066】
図4(c)は、ユーザが画面B2bを用いてブラウザを開くとの選択を行った後において、Webで商品を選ぶ際に表示される画面B3を示している。画面B3も、画面B2と同様に、分割表示された画面に相当する。具体的には、画面B3は、1つの画面が分割されており、非IP系画面である画面B3aとIP系画面である画面B3bとが同時に表示されている。上記のようにユーザがWebで商品を選ぶとの選択を行っているため、基本的には、ユーザは非IP系画面を操作して商品を選ぶことはできない。そのため、非IP系画面である画面B3aには、ユーザにブラウザ画面の操作を促すためのメッセージが示された画像B3a1が表示される。なお、ユーザがWebで商品を選ぶとの選択を行った後に表示される画面B2についても、図4(b)に示した画面B2aの代わりに、このようなメッセージが示された画像B3aを表示しても良い。
【0067】
IP系画面である画面B3bには、ブラウザ画面B3b1が表示される。ブラウザ画面B3b1には、商品のリスト(不図示)や、ユーザが注文する商品の金額や個数や、これらの商品の合計金額などが表示される。また、ブラウザ画面B3b1には、ユーザによる商品の注文内容を確認するため、肯定を選択するための「はい」が示されたボタンB3b2と、否定を選択するための「いいえ」が示されたボタンB3b3とが表示される。ユーザが「はい」が示されたボタンB3b2を押下した場合、ブラウザ画面B3b1に示された商品の注文内容がDSRC車載器92を介してDSRC路側器91に送信される。
【0068】
図4(d)は、ユーザがブラウザ画面B3b1を操作することで商品の注文内容が送信された後に表示される画面B4を示している。画面B4は、非IP系画面であり、商品の注文内容が送信された際にブラウザ画面B3b1が自動消去されることで表示される。即ち、商品の注文内容が送信された際に、IP系画面から非IP系画面への表示画面の切り替えが行われる。具体的には、画面B4は、DSRCによって決済するか否かをユーザに選択させるために用いられる。このような状況では、ユーザに2者択一を行わせるため、ユーザの操作性の観点から、非IP系画面を用いている。
【0069】
画面B4には、DSRCによって決済するか否かをユーザに選択させるためのメッセージが示された画像B4aと、注文した商品の合計金額が示された画像B4bと、ユーザの確認に用いられる画像B4cとが表示される。画像B4cには、肯定を選択するための「はい」が示されたボタンB4c1と、否定を選択するための「いいえ」が示されたボタンB4c2とが表示される。なお、メッセージが示された画像B4aに、ユーザが注文した商品の明細などを表示しても良い。
【0070】
ユーザが、「はい」が示されたボタンB4c1を押下した場合、つまりDSRCによって決済することを選択した場合、カードで決済することとなる。これに対して、ユーザが、「いいえ」が示されたボタンB4c2を押下した場合、つまりDSRCによって決済しないことを選択した場合、現金で支払いを行うこととなる。
【0071】
以上説明したような表示画面を用いることで、ユーザは、IP系画面及び非IP系画面をシームレスに操作することで、1つのサービスに関する処理を効率的に行うことができる。具体的には、IP系画面を用いることで、ユーザは、多くの選択肢についての選択を視覚的に行うことができ、適切な選択を行うことが可能となる。また、非IP系画面を用いることで、ユーザは、簡単な操作で決済を行うことができ、決済を迅速に行うことが可能となる。
【0072】
なお、上記では、非IP系画面が表示されている場合に、当該非IP系画面を半分のサイズに縮小することで非IP系画面とIP系画面とを同時に表示(分割表示)する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、IP系画面が表示されている場合に、当該IP系画面を半分のサイズに縮小することでIP系画面と非IP系画面とを同時に表示(分割表示)しても良い。また、上記では、IP系画面から非IP系画面へ表示画面を切り替える例を示したが、非IP系画面からIP系画面へ表示画面を切り替えることも可能である。
【0073】
更に、上記では、ユーザがWebで商品を選ぶとの選択を行った場合、つまりIP系画面を操作することを選択した場合、基本的には、ユーザは非IP系画面を操作することはできないと説明した。しかしながら、ユーザがIP系画面を操作することを選択した場合であっても、ユーザの意思により、IP系画面の操作から非IP系画面の操作に変更することも可能である。この場合には、IP系画面を用いて操作された内容はキャンセルされることとなる。逆に、ユーザが非IP系画面を操作することを選択した場合であっても、ユーザの意思により、非IP系画面の操作からIP系画面の操作に変更することも可能である。この場合には、非IP系画面を用いて操作された内容はキャンセルされることとなる。
【0074】
次に、図5を参照して、分割表示から全画面表示への切り替えについて説明する。本実施例では、システムコントローラ20は、分割表示されている非IP系画面及びIP系画面のいずれかの画面をユーザが操作した場合に、ユーザが操作した当該画面を全画面表示する。例えば、システムコントローラ20は、分割表示された画面をユーザがタッチした場合に全画面表示する。更に、システムコントローラ20は、このように全画面表示された画面をユーザが操作した場合に、元の分割表示の画面に戻す。
【0075】
図5は、全画面表示を具体的に説明するための図を示す。図5(a)は、図4(b)と同様の画面B2を示している。つまり、画面B2は、非IP系画面である画面B2aとIP系画面である画面B2bとが分割表示された画面である。図5(b)は、ユーザがIP系画面である画面B2bをタッチすることで、当該IP系画面が全画面表示された画面D1を示している。画面D1には、全画面表示から元の分割表示に戻すためのボタンD1aが表示されている。図5(c)は、ユーザが非IP系画面である画面B2aをタッチすることで、当該非IP系画面が全画面表示された画面D2を示している。画面D2には、全画面表示から元の分割表示に戻すためのボタンD2aが表示されている。
【0076】
以上のように分割表示から全画面表示への切り替えを行うことにより、ユーザにとって見易い画面を、適切に表示させることができる。
【0077】
なお、上記では、IP系画面及び非IP系画面を分割表示する場合に、非IP系画面及びIP系画面のそれぞれを表示画面の半分のサイズに表示する例を示したが、これに限定はされず、分割表示する際のIP系画面及び非IP系画面のサイズは自由に設定することができる。例えば、ユーザが利用する情報が非IP系情報とIP系情報との間で切り替わった場合に、IP系画面及び非IP系画面のうち新たに表示するほうの画面のサイズを、元から表示している画面のサイズよりも大きくして、このような分割表示を行うことができる。一例としては、新たに表示するほうの画面を表示画面の3/4のサイズで表示し、元から表示している画面を表示画面の1/4のサイズで表示することができる。
【0078】
また、IP系画面及び非IP系画面を分割表示する場合に、表示画面を横方向に分割することに限定はされず、表示画面を縦方向に分割しても良い。
【0079】
更に、上記では、分割表示されている非IP系画面及びIP系画面のいずれかの画面をユーザが操作した場合に、ユーザが操作した当該画面を全画面表示する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、このような全画面表示を行う代わりに、ユーザが操作した一方の画面のサイズを、ユーザが操作しなかった他方の画面のサイズよりも大きくして表示することができる。
【0080】
(表示制御フロー)
次に、図6を参照して、本実施例における表示制御フローについて説明する。このフローは、システムコントローラ20によって繰り返し実行される。
【0081】
まず、ステップS101では、システムコントローラ20は、IP系情報又は非IP系情報が割り込んだか否かを判定する。IP系情報又は非IP系情報が割り込んだ場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、IP系情報又は非IP系情報が割り込まなかった場合(ステップS101;No)、処理はステップS101に戻る。
【0082】
ステップS102では、システムコントローラ20は、IP系情報又は非IP系情報に対応する画面を既に表示しているか否かを判定する。以下、このような表示を「既存表示」と呼ぶ。これに対して、割り込んだIP系情報又は非IP系情報を用いた表示を「割り込み表示」と呼ぶ。
【0083】
既存表示が有る場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS104に進む。これに対して、既存表示が無い場合(ステップS102;No)、処理はステップS103に進む。ステップS103では、システムコントローラ20は、ステップS101で割り込んだIP系情報又は非IP系情報に対応する画面を表示する。つまり、システムコントローラ20は、IP系画面及び非IP系画面のいずれか一方を単独で表示する。そして、処理は終了する。
【0084】
ステップS104では、システムコントローラ20は、既存表示と割り込み表示との種類が異なるか否かを判定する。具体的には、システムコントローラ20は、既存表示及び割り込み表示のそれぞれについて用いている情報(IP系情報及び非IP系情報のいずれかの情報)の種類が異なるか否かを判定する。既存表示と割り込み表示との種類が異なる場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS105に進む。これに対して、既存表示と割り込み表示との種類が同じ場合(ステップS104;No)、処理はステップS107に進む。ステップS107では、システムコントローラ20は、ステップS101で割り込んだIP系情報又は非IP系情報によって、既存表示に係る情報を上書きした画面を表示する。この場合には、IP系画面及び非IP系画面のいずれか一方が表示される。そして、処理は終了する。
【0085】
ステップS105では、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の表示設定が分割表示に設定されているか否かを判定する。分割表示設定状態である場合(ステップS105;Yes)、処理はステップS106に進む。ステップS106では、システムコントローラ20は、ステップS101で割り込んだIP系情報又は非IP系情報を用いた割り込み表示と、既存表示とによって分割表示を行う(ステップS106)。つまり、システムコントローラ20は、IP系画面と非IP系画面とによって分割表示を行う。そして、処理は終了する。
【0086】
これに対して、分割表示設定状態でない場合(ステップS105;No)、処理はステップS107に進む。ステップS107では、システムコントローラ20は、ステップS101で割り込んだIP系情報又は非IP系情報によって、既存表示に係る情報を上書きした画面を表示する。この場合には、IP系画面と非IP系画面との間で表示画面が切り替わる。そして、処理は終了する。
【0087】
以上説明した処理によれば、既存表示と割り込み表示との種類を比較することで、適切な表示を行うことができる。具体的には、既存表示と割り込み表示との種類が異なる場合、つまり既存表示に用いている情報と異なる情報が割り込んだ場合にも、割り込み表示及び既存表示の両方を分割表示によって同時に適切に表示させることができる。
【0088】
[変形例]
本発明の適用は、ナビゲーション装置に限定されない。また、本発明の適用は、車載器に限定されない。本発明は、例えば携帯電話などの端末装置にも適用することができる。
【0089】
上記では、車側の装置として、車載器及びナビゲーション装置を備えた構成を示したが、本発明の適用はこれに限定はされない。本発明は、車載器とナビゲーション装置とが一体化された構成にも適用することができる。
【0090】
上記では、タッチパネル方式で構成された表示ユニット40をユーザが操作することで情報を入力する構成を示したが、本発明の適用はこれに限定はされない。本発明は、キーや、スイッチや、ボタンや、リモコンや、音声などを用いてユーザが情報を入力する構成にも適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 ナビゲーション装置
20 システムコントローラ
20a IP系制御部
20b 非IP系制御部
20c ブラウザ
20d ナビ用UI
38 通信装置
40 表示ユニット
91 DSRC路側器
92 DSRC車載器
100 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う情報端末装置であって、
IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信手段と、
前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信手段と、
前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記処理手段は、ユーザに操作させる情報の内容に応じて、前記IP系画面及び前記非IP系画面のうちのいずれか一方又は両方を表示させる制御を行う表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記情報の内容が、ユーザの操作性を優先すべき内容である場合には、少なくとも前記非IP系画面を表示させ、
前記情報の内容が、情報の選択性を優先すべき内容である場合には、少なくとも前記IP系画面を表示させることを特徴とする請求項2に記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、表示画面を分割して、前記IP系画面及び前記非IP系画面の両方を同時に表示させることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報端末装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記IP系画面の表示領域及び前記非IP系画面の表示領域のサイズを変更する制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の情報端末装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記IP系画面のみが表示されている際に前記非IP系情報が受信された場合、前記IP系画面の表示領域のサイズを小さくして、当該IP系画面以外の表示領域に、前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示させ、
前記非IP系画面のみが表示されている際に前記IP系情報が受信された場合、前記非IP系画面の表示領域のサイズを小さくして、当該非IP系画面以外の表示領域に、前記IP系情報に対応するIP系画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報端末装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記IP系画面と前記非IP系画面との間で表示画面を切り替える制御を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報端末装置。
【請求項8】
前記IP系情報と前記非IP系情報とは、同一のサービスに対応する情報であり、
前記処理手段は、ユーザが前記IP系画面を操作することで入力した情報、及びユーザが前記非IP系画面を操作することで入力した情報を組み合わせて用いることで、前記サービスについての処理を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報端末装置。
【請求項9】
前記IP系画面は、ユーザにより選択可能な3以上の選択肢に対応する情報が表示された画面であり、
前記非IP系画面は、ユーザに肯定及び否定のいずれかを選択させるための情報が表示された画面であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報端末装置。
【請求項10】
前記IP系画面は、ユーザに商品を選択させる場合に表示され、
前記非IP系画面は、ユーザに決済を行わせる場合に表示されることを特徴とする請求項9に記載の情報端末装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報端末装置と、
前記情報端末装置に対して、前記IP系情報及び前記非IP系情報を送信する路側器と、を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項12】
専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う装置によって実行される情報処理方法であって、
IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信工程と、
前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信工程と、
前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを備え、専用狭域通信を用いて路側器との間で通信を行う装置によって実行される情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
IP系の通信方式に従ったIP系情報を、前記路側器から受信するIP系情報受信手段、
前記IP系の通信方式に依らない非IP系情報を、前記路側器から受信する非IP系情報受信手段、
前記IP系情報に対応するIP系画面及び前記非IP系情報に対応する非IP系画面を表示することで、前記IP系情報及び前記非IP系情報を併用して処理を行う処理手段、として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−95991(P2011−95991A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249053(P2009−249053)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】