説明

情報端末装置及び情報表示方法とそのプログラム

【課題】操作者の入力操作や情報閲覧操作を大きく妨げることなく、周囲の不特定者による不正な閲覧から表示情報を保護する。
【解決手段】ブラインド・ウィンドウ表示制御プログラム131の実行により、アプリケーション・プログラムにより生成される表示データに重畳させて当該表示データを視覚的に隠蔽するためのブラインドパターン41を表示デバイス4に表示させると共に、マウスポインタ42とその周辺の限定された領域を上記ブラインドパターン41から露出させるための円形のウィンドウパターン43を生成して表示させ、かつマウスポインタ42の移動に追従して上記ウィンドウパターン43の表示位置を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーソナル・コンピュータや携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等のように情報表示機能を備えた情報端末装置と、この情報端末装置において使用される情報表示方法及び情報表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータや携帯電話機、PDA等の情報端末装置では、表示デバイスに情報を表示させながら入力操作や情報閲覧操作を行うことが一般的である。この種の操作を行う場合に注意しなければならないことは、表示デバイスに表示された個人情報等の表示情報が、操作者以外の不特定者により不正に閲覧されないようにすることである。
【0003】
このような不正な閲覧を防ぐために、従来では例えば視野角を制限するための特殊なフィルム又はシートを表示画面に貼付したり、スクリーンセーバ機能を使用して非操作時に表示情報を表示しないようにする対策が採られている。このうち、スクリーンセーバ機能を利用した手法としては、例えば操作者が表示画面の前から離れたときにこれを赤外線センサにより感知して表示デバイスにおける情報の表示を非表示とし、操作者が表示画面の前に戻ったときにこれを赤外線センサにより感知して情報表示動作を再開させる手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、スクリーンセーバ機能にセキュリティ機能を追加し、セーブ状態を解除する際にパスワードを入力する代わりに電子署名照合により本人確認行ったのちセーブ状態を解除する手法も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−292870号公報
【0005】
【特許文献2】特許第3863981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、表示画面に特殊なフィルム又はシートを貼付するものは、操作者が表示画面を常にほぼ正面から見なければならず、またフィルム又はシートの透明度によっては操作者自身の視認性も低下させると云う問題点を有している。一方、スクリーンセーバ機能を利用する手法は、操作者が離席しているときの表示情報を保護するものであり、操作者が在籍するときの表示情報の盗み見を防ぐことはできない。また、スクリーンセーバ機能により情報を非表示にしている状態では、操作者は入力操作や情報閲覧操作を行うことができない。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、操作者の入力操作や情報閲覧操作を大きく妨げることなく、周囲の不特定者による不正な閲覧から表示情報を保護することができる情報端末装置及び情報表示方法とそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の一つの観点は、表示デバイスに情報を表示させる際に、アプリケーション・プログラムの実行中にその実行により生成される表示情報を上記表示デバイスに表示させ、情報の入力位置を表すポインタ又はカーソルを上記表示情報に重畳して上記表示デバイスに表示させ、上記表示情報の視認性を制限するためのブラインドパターンを生成して、このブラインドパターンを上記表示情報に重畳して上記表示デバイスに表示させ、上記ポインタ又はカーソルとその周辺の限られた作業領域内の表示情報を露出させるためのウィンドウパターンを生成して、このウィンドウパターンを上記ブラインドパターンに挿入して上記表示デバイスに表示させるようにしたものである。
【0009】
したがって、表示デバイスの表示画面では、表示情報のうちポインタ又はカーソルとその周辺の限定された領域の表示情報のみがウィンドウパターンにより露出して表示され、その他の表示情報はブラインドパターンにより隠される。このため、情報入力操作又は情報閲覧操作の対象となる領域の表示情報についてはその視認性が充分に確保され、その上でその他の表示情報については不特定者から視認できないように隠蔽される。
【0010】
また、この発明の一つの観点は次のような各種手段又は処理過程を備えることを特徴とする。
第1の手段又は処理過程は、ウィンドウパターンを表示させる際に、ポインタ又はカーソルの表示位置の移動に追従して上記ウィンドウパターンの表示位置を移動させるものである。
このようにすると、操作者がマウスやキーボード等の入力デバイスを操作してポインタ又はカーソルの表示位置を移動させると、それに追従してウィンドウパターンが表示画面上で移動する。このため、操作者はポインタ又はカーソルを移動させながら、入力操作又は情報閲覧操作の対象となる領域の表示情報を常時視認することが可能となる。
【0011】
第2の手段又は処理過程は、ウィンドウパターンの形状とサイズのうちの少なくとも1つを表すウィンドウ属性設定データの入力を受け付けて、この受け付けたウィンドウ属性設定データを記憶する。そして、ウィンドウパターンを表示させる際には、上記記憶されたウィンドウ属性の設定データに基づいて上記ウィンドウパターンの形状と表示サイズのうちの少なくとも1つを可変設定するようにしたものである。
したがって、操作者はウィンドウパターンの形状とその大きさの少なくとも一方を任意に設定し、表示させることが可能なる。
【0012】
第3の手段又は処理過程は、ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを表すブラインド属性設定データの入力を受け付けて、このブラインド属性設定データを記憶する。そして、ブラインドパターンを表示する際には、上記記憶されたブラインド属性設定データに基づいて、上記ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを可変設定するようにしたものである。
したがって、操作者は、ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを任意に設定し、表示させることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
すなわち、この発明の一観点によれば、操作者の入力操作や情報閲覧操作を大きく妨げることなく、周囲の不特定者による不正な閲覧から表示情報を保護することが可能な情報端末装置及び情報表示方法とそのプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる情報端末装置の構成をその周辺デバイスと共に示すブロック図である。
情報端末装置1は例えばパーソナル・コンピュータからなり、マイクロプロセッサを使用した中央処理ユニット(CPU)11を備えている。このCPU11には、バス12を介してプログラムメモリ13、アプリケーション・メモリ14及びデータメモリ15がそれぞれ接続され、さらに入力インタフェース16及び出力インタフェース17が接続されている。
【0015】
アプリケーション・メモリ14は、例えば記録媒体としてハードディスクを用いた内部記憶装置からなり、このメモリ14には文書作成、表作成、画像処理、ブラウジング等のための複数のアプリケーション・プログラム141と、ディジタルカメラ等により撮像された画像ファイル142等が記憶される。
【0016】
データメモリ15はRAMからなり、ウィンドウ属性記憶領域151と、ブラインド属性記憶領域152を備えている。ウィンドウ属性記憶領域151にはウィンドウ属性の設定データが記憶される。ブラインド属性記憶領域152にはブラインド属性の設定データが記憶される。
【0017】
プログラムメモリ13はROMからなり、このメモリ13には通常の表示制御プログラム等に加え、この発明を実現するための新たなプログラムとして、ブラインド・ウィンドウ表示制御プログラム131と、ブラインド・ウィンドウ属性設定制御プログラム132が格納されている。
【0018】
ブラインド・ウィンドウ表示制御プログラム131は、アプリケーション・プログラムの起動中に、キーボード2又はマウス3の操作によりブラインド・ウィンドウ表示モードが指定入力された場合に、上記データメモリ15からブラインド属性の設定データ及びウィンドウ属性の設定データを読み出し、この読み出した各設定データに従い表示デバイス4にブラインドパターン及びウィンドウを表示させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0019】
ブラインド・ウィンドウ属性設定制御プログラム132は、キーボード2又はマウス3の操作によりブラインド・ウィンドウ属性設定モードが指定入力された場合に、ブラインド・ウィンドウ属性の設定メニュー画面を表示デバイス4に表示させ、この状態でキーボード2又はマウス3の操作により入力されたブラインド属性の設定データ及びウィンドウ属性の設定データを上記データメモリ15に記憶させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0020】
次に、以上のように構成された装置による情報表示制御動作を説明する。図2はその制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
文書作成又は表作成等のアプリケーション・プログラムの起動指示が入力されると、CPU11はステップS21により該当するアプリケーション・プログラムを起動してステップS22に移行し、上記起動されたアプリケーション・プログラムの初期画面を表す表示データを表示デバイス4に表示させる。
【0021】
さて、この状態で操作者がキーボード2又はマウス3を操作してブラインド・ウィンドウ表示モードを指定入力したとする。そうするとCPU11は、ステップS23からステップS25に移行し、ここで表示モードとしてブラインド・ウィンドウ表示モードを設定する。
【0022】
なお、表示モードのデフォルトは通常表示モードに設定されており、操作者が上記ブラインド・ウィンドウ表示モードを指定入力しなければ、CPU11はステップS24に移行する。そして、ここで通常の表示処理を実行し、以後上記アプリケーション・プログラムの実行の過程で、又は実行の結果生成された表示データをそのまま表示デバイス4に表示させる。
【0023】
上記ブラインド・ウィンドウ表示モードが設定されると、CPU11は以後ブラインド・ウィンドウ表示処理を実行する。図4はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、CPU11は先ずステップS41及びステップS42によりデータメモリ15からそれぞれブラインド属性設定データ及びウィンドウ属性設定データを読み出す。そして、ステップS43において上記読み出されたブラインド属性設定データに従いブラインドパターンを生成し、このブラインドパターンを上記アプリケーション・プログラムの実行により生成される表示データに重畳して表示デバイス4に表示させる。例えば図6に示すように、表示デバイス4の表示画面全面に、アプリケーション・プログラムによる表示データを覆うようにダークグレイ等の比較的濃い色のブラインドパターン41を表示させる。
【0024】
次にCPU11は、ステップS44において上記読み出されたウィンドウ属性設定データに従い、マウスポインタとその周辺の限定された領域を上記ブラインドパターンから露出させるためのウィンドウパターンを生成する。そして、この生成されたウィンドウパターンをマウスポインタの表示位置に対応付けて表示デバイス4に表示させる。例えば図6に示すように、マウスポインタ42とその周辺の限定された領域を含む円形のウィンドウパターン43を生成し、このウィンドウパターン43を上記ブラインドパターン41に挿入して表示デバイス4表示させる。
【0025】
したがって、上記ウィンドウパターン43により囲まれた円形範囲内のマウスポインタ42及び表示データのみが露出して表示され、操作者はこのマウスポインタ42及び表示データを視認することが可能となる。一方、表示装置4の上記ウィンドウパターン43以外の表示領域においては、上記ブラインドパターン41により隠されて表示データが表示されない。このため、不特定者が操作者の背後又は斜め後方から表示装置4の画面を見ても、上記ウィンドウパターン43以外の表示領域の表示データを盗み見ることは不可能となり、セキュリティが維持される。
【0026】
また、上記ブラインドパターン41及びウィンドウパターン43が表示された状態で、操作者がマウス3を操作してマウスポインタ42を移動させたとする。そうするとCPU11はステップS45からステップS46に移行し、ここで上記マウスポインタ42の移動に追従して、例えば図7に示すようにマウスポインタ42が常に円のほぼ中央に位置する状態を保ったまま、ウィンドウパターン43の表示位置をP1からP2へ移動させる。したがって、操作者はマウスポインタ42を移動させながら、常に当該マウスポインタ42とその周辺の作業範囲内の表示データを視認し続けることが可能となる。
以上説明したブラインド・ウィンドウ表示処理は、操作者がブラインド・ウィンドウ表示モードを終了するまで実行される。
【0027】
ところで、上記ブラインドパターン及びウィンドウパターンの属性は、操作者が任意に設定することが可能である。この属性を設定する場合、操作者はキーボード2又はマウス3を操作してブラインド・ウィンドウ属性設定モードを指定入力する。CPU11は、当該ブラインド・ウィンドウ属性設定モードの指定入力を受け取ると、図2に示すようにステップS26からステップS27に移行して、以後ブラインド・ウィンドウ設定処理を実行する。図3はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0028】
すなわち、CPU11は先ずステップS31により設定メニュー画面を表示デバイス4に表示させる。そして、この状態で操作者がマウス3又はキーボード2を操作してブラインド属性及びウィンドウ属性を入力すると、ステップS32からステップS33に移行して上記入力された各属性データを保持する。そして、操作者が入力終了操作を行うと、ステップS34からステップS35に移行して、ここで上記保持された各属性データをデータメモリ15のブラインド属性記憶領域152及びウィンドウ属性記憶領域151に記憶させる。
【0029】
例えば、設定メニュー画面は図5に示すように構成される。すなわち、先ずウィンドウ属性については、ウィンドウパターンの形状とそのサイズの設定メニューが用意されている。このうちウィンドウパターンの形状については円形と矩形の選択ボタンが用意され、操作者がこれらの選択ボタンのいずれかを指定することによりウィンドウパターンの形状が設定される。またサイズについては、円形サイズ及び矩形サイズの設定入力窓が設けられており、これらの設定入力窓において操作者が数値を入力することで、ウィンドウパターンのサイズが設定される。
【0030】
一方、ブラインド属性については、ブラインドパターンの透明度、色、画像取り込み用の選択ボタンが用意されている。このうち透明度については0%〜100%の範囲で任意の値を設定可能となっており、スライダボタンを左右に移動させることにより任意の透明度が設定される。色については選択ボタンを押下すると色パケットが表示され、操作者がマウス3の操作によりこの色パケット中から任意の色を選択することでブラインドパターンの色が設定される。また画像取り込み用の選択ボタンを押下すると、アプリケーション・メモリ14から画像ファイルのリストが読み出されて表示され、操作者がマウス3の操作によりこの画像ファイルのリストの中から任意の画像ファイルを選択すると、ブラインドパターンとして使用される画像ファイルが設定される。画像ファイルとしては、パーソナル・コンピュータに壁紙として予め用意された画像ファイルやウエブサイトからダウンロードした画像ファイル、操作者がディジタルカメラ等により撮像した画像ファイル等が利用可能である。
【0031】
なお、上記ブラインドパターンの透明度を表示画面上で実現する手法としては、例えばアプリケーション・プログラムによる表示データ上にブラインドパターンを重畳する際に、ブラインドパターンの画素の間引き率を上記設定された透明度に応じて可変することにより実現できる。このようにブラインドパターンを半透明にすると、不特定者に対してはブラインド領域に対する視認の困難性を維持しつつ、操作者に対しては同領域の表示データを視認可能にすることができる。
【0032】
上記ブラインド属性及びウィンドウ属性の各設定データの登録処理が終了すると、CPU11はステップS28によりアプリケーション・プログラムの終了を監視する。そして、アプリケーション・プログラムの起動中はステップS22に戻って以上述べた表示制御を繰り返し実行し、アプリケーション・プログラムの終了操作を検出すると表示制御を終了する。
【0033】
以上述べたようにこの実施形態では、アプリケーション・プログラムにより生成される表示データに重畳させて当該表示データを視覚的に隠蔽するためのブラインドパターン41を表示させると共に、マウスポインタ42とその周辺の限定された領域を上記ブラインドパターン41から露出させるための円形のウィンドウパターン43を生成して表示させ、かつマウスポインタ42の移動に追従して上記ウィンドウパターン43の表示位置を移動させるようにしている。
【0034】
したがって、ウィンドウパターン43により囲まれた円形範囲内のマウスポインタ42及び表示データのみが露出して表示され、操作者はこのマウスポインタ42及び表示データを視認することができる。一方、表示装置4の上記ウィンドウパターン43以外の表示領域については、上記ブラインドパターン41により隠されて表示データが表示されないため、不特定者が操作者の背後又は斜め後方から表示装置4の画面を眺めても、上記ウィンドウパターン43以外の表示領域の表示データを盗み見ることが不可能となり、セキュリティを維持することができる。
【0035】
また、マウスポインタ42の移動に追従して上記ウィンドウパターン43の表示位置があたかもスポットライトのように移動するので、操作者はマウスを操作しながら常にマウスポインタ42とその周辺の作業範囲内の表示データを視認することが可能となる。
【0036】
さらに、ブラインド属性設定データ及びウィンドウ属性設定データの登録受け付け機能を備えたことにより、ブラインドパターンの色や画像ファイルを操作者が任意に設定することができ、さらにウィンドウパターンの形状とそのサイズを操作者が任意に設定することができる。またブラインドパターンの透明度を設定できるようにしたことで、不特定者に対する表示データの視認の困難性を維持しつつ、操作者によるブラインド領域の表示データに対する視認性を確保することができる。
【0037】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態ではマウスポインタ42とその周辺の限定された領域をブラインドパターン41から露出させるようにウィンドウパターン43を表示したが、カーソルとその周辺の限定された領域をブラインドパターン41から露出させるようにウィンドウパターン43を表示するようにしてもよい。
【0038】
また、前記実施形態ではブラインド・ウィンドウ表示制御及びブラインド・ウィンドウ属性設定制御を、プログラムメモリ13に格納されたブラインド・ウィンドウ表示制御プログラム131及びブラインド・ウィンドウ属性設定制御プログラム132により実現するようにした。しかし、それに限らずに、上記ブラインド・ウィンドウ表示制御プログラム131及びブラインド・ウィンドウ属性設定制御プログラム132を、パーソナル・コンピュータ購入後にアプリケーション・プログラムとして任意にアプリケーション・メモリ14にインストールし、このプログラムを実行させることにより同機能を実現するようにしてもよい。
【0039】
さらに、表示デバイスの表示画面に光沢処理を施し、ブラインドパターンの色を黒や濃紺、濃緑等の濃い色に設定するとよい。このようにすると、表示画面のブラインドパターン表示領域にバックミラーとしての機能を持たせることができ、このバックミラーにより操作者が自身の背後の様子を確認することが可能となる。
【0040】
さらに前記実施形態ではパーソナル・コンピュータを例にとって説明したが、携帯電話機やPDA、電子手帳などの情報端末装置にも適用可能である。その他、情報端末装置の構成やブラインド・ウィンドウ表示制御の手順及び内容、ウィンドウパターンの形状、ウィンドウパターン内におけるマウスポインタの配置位置などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0041】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の一実施形態に係わる情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した情報端末装置による情報表示制御の手順と制御内容を示すフローチャートである。
【図3】図2に示した情報表示制御手順のうちのブラインド・ウィンドウ設定処理の手順と内容を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した情報表示制御手順のうちのブラインド・ウィンドウ表示処理の手順と内容を示すフローチャートである。
【図5】図3に示したブラインド・ウィンドウ設定処理において表示される設定メニュー画面の一例を示す図である。
【図6】図4に示したブラインド・ウィンドウ表示処理によるブラインド及びウィンドウの表示例を示す図である。
【図7】図4に示したブラインド・ウィンドウ表示処理によるブラインド及びウィンドウの移動後の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1点情報端末装置、2…キーボード、3…マウス、4…表示デバイス、11…中央処理ユニット(CPU)、12…バス、13…プログラムメモリ、14…アプリケーション・メモリ、15…データメモリ、16…入力インタフェース、17…出力インタフェース、41…ブラインド部、42…マウスポインタ、43…ウィンドウ部、131…画面表示制御プログラム、132…ウィンドウ表示位置移動制御プログラム、141…アプリケーション・プログラム、142…画像ファイル、151…ウィンドウ設定データ記憶領域、152…ブラインド設定データ記憶領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示するために使用する表示デバイス及び情報を入力するために使用する入力デバイスがそれぞれ接続される情報端末装置であって、
アプリケーション・プログラムの実行中に、その実行により生成される表示情報を前記表示デバイスに表示させる手段と、
前記入力デバイスによる情報の入力位置を表すポインタ又はカーソルを前記表示情報に重畳して前記表示デバイスに表示させる手段と、
前記表示情報の視認性を制限するためのブラインドパターンを生成して、このブラインドパターンを前記表示情報に重畳して前記表示デバイスに表示させるブラインド表示制御手段と、
前記ポインタ又はカーソルとその周辺の限られた領域内の表示情報を露出させるためのウィンドウパターンを生成して、このウィンドウパターンを前記ブラインドパターンに挿入して前記表示デバイスに表示させるウィンドウ表示制御手段と
を具備することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記ウィンドウ表示制御手段は、前記ポインタ又はカーソルの表示位置の移動に追従して、前記ウィンドウパターンの表示位置を移動させる手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記ウィンドウパターンの形状とサイズのうちの少なくとも1つを表すウィンドウ属性設定データの入力を受け付けてこのウィンドウ属性設定データを記憶する手段を、さらに具備し、
前記ウィンドウ表示制御手段は、前記記憶されたウィンドウ属性の設定データに基づいて、前記ウィンドウパターンの形状と表示サイズのうちの少なくとも1つを可変設定することを特徴とする請求項1又は2記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを表すブラインド属性設定データの入力を受け付けてこのブラインド属性設定データを記憶する手段を、さらに具備し、
前記ブラインド表示制御手段は、前記記憶されたブラインド属性設定データに基づいて、前記ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを可変設定することを特徴とする請求項1又は2記載の情報端末装置。
【請求項5】
表示デバイスに情報を表示させる際に、
アプリケーション・プログラムの実行中に、その実行により生成される表示情報を前記表示デバイスに表示させ、
情報の入力位置を表すポインタ又はカーソルを前記表示情報に重畳して前記表示デバイスに表示させ、
前記表示情報の視認性を制限するためのブラインドパターンを生成して、このブラインドパターンを前記表示情報に重畳して前記表示デバイスに表示させ、
前記ポインタ又はカーソルとその周辺の限られた作業領域内の表示情報を露出させるためのウィンドウパターンを生成して、このウィンドウパターンを前記ブラインドパターンに挿入して前記表示デバイスに表示させることを特徴とする情報表示方法。
【請求項6】
前記ウィンドウパターンを表示させる際に、前記ポインタ又はカーソルの表示位置の移動に追従して、前記ウィンドウパターンの表示位置を移動させることを特徴とする請求項5記載の情報表示方法。
【請求項7】
前記ウィンドウパターンの形状とサイズのうちの少なくとも1つを表すウィンドウ属性設定データの入力を受け付けて、この受け付けたウィンドウ属性設定データを記憶する過程をさらに備え、
前記ウィンドウパターンを表示させる際に、前記記憶されたウィンドウ属性の設定データに基づいて、前記ウィンドウパターンの形状と表示サイズのうちの少なくとも1つを可変設定することを特徴とする請求項5又は6記載の情報表示方法。
【請求項8】
前記ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを表すブラインド属性設定データの入力を受け付けて、このブラインド属性設定データを記憶する過程をさらに備え、
前記ブラインドパターンを表示する際に、前記記憶されたブラインド属性設定データに基づいて、前記ブラインドパターンの透過度、色及び画像パターンのうちの少なくとも1つを可変設定することを特徴とする請求項5又は6記載の情報表示方法。
【請求項9】
情報を表示するために使用する表示デバイス及び情報を入力するために使用する入力デバイスがそれぞれ接続されかつコンピュータを備えた情報端末装置で使用される情報表示制御プログラムであって、
アプリケーション・プログラムの実行中に、その実行により生成される表示情報を前記表示デバイスに表示させる処理と、
前記入力デバイスによる情報の入力位置を表すポインタ又はカーソルを前記表示情報に重畳して前記表示デバイスに表示させる処理と、
前記表示情報の視認性を制限するためのブラインドパターンを生成して、このブラインドパターンを前記表示情報に重畳して前記表示デバイスに表示させる処理と、
前記ポインタ又はカーソルとその周辺の限られた領域内の表示情報を露出させるためのウィンドウパターンを生成して、このウィンドウパターンを前記ブラインドパターンに挿入して前記表示デバイスに表示させる処理と、
前記ポインタ又はカーソルの表示位置の移動に追従して、前記ウィンドウパターンの表示位置を移動させる処理と
を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする情報表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−293191(P2008−293191A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136739(P2007−136739)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】