情報端末装置及び育成管理システム並びにプログラム
【課題】育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更できるようにする。
【解決手段】携帯電話機1は、育成環境を検出する環境センサ(温度センサ、水分センサなど)を備えたセンサ装置2から受信取得した検出環境と、サーバ装置5から受信取得したその植物の季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定季節に該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定する。
【解決手段】携帯電話機1は、育成環境を検出する環境センサ(温度センサ、水分センサなど)を備えたセンサ装置2から受信取得した検出環境と、サーバ装置5から受信取得したその植物の季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定季節に該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置及び育成管理システム並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物を育成・栽培する場合に、植物の種類やその育成環境により植物に与える水の量や日光の当て方、肥料の与え方、温度の条件などがそれぞれ異なるために、従来では、植物の育成に関する情報をユーザに提供するようにした技術が存在している。例えば、植物が置かれている育成環境をセンサにより観測(検出)して蓄積管理しておき、その検出した育成環境(検出環境)とその植物の最適な育成環境とを比較することにより、育成に関するガイド表示を行うようにした技術(植物育成ガイドシステム)が存在している(特許文献1参照)。また、環境センサにより検出された検出環境と、サーバ装置に登録されている育成情報とを基に育成に最適な条件を算出して出力するようにした技術が存在している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−250950号公報
【特許文献2】特開2003−310054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2の技術にあっては、植物を育てる際の支援となるが、植物の育成の仕方は、植物の種類毎、季節、環境によって様々であって、季節や環境の変化に応じて植物を常に適切に管理できるとは限らなかった。
ところで、植物の種類毎に季節に応じた育成方法で植物を管理しょうとしても、植物の育成に失敗することが多いが、その原因の一つとして、水やりを例に挙げる。
【0005】
例えば、冬の気温が低い時期では土壌が乾いていても水を与えない方が良い場合があるが、同じ冬でも暖かい屋内で育成している観葉植物には水を与えるべきであり、また、夏の気温が高い時期には水を頻繁に与えた方が良いが、同じ夏でも涼しい屋内で育成している観葉植物には頻繁に水を与えない方が良い場合がある。このような場合に、暦の季節に応じた育成方法で植物を一律に管理しょうとすると、水を与えすぎて枯らしてしまったり、不足すぎて枯らしてしまったりするおそれがあった。このことは、水やりに限らず、日光の当て方、肥料の与え方などにおいても同様であり、更に屋内育成に限らず、屋外育成であっても同様であり、例えば、異常気象などの影響によって育成環境が激変した場合でも同様の問題が起きる。
【0006】
本発明の課題は、育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置であって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする情報端末装置である。
【0008】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する機能と、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【0009】
また、上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置に通信接続され、前記育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する育成管理システムであって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
前記特定手段により出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に対して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする育成管理システムである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
前記出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更することができ、例え、屋内育成であってもその屋内環境にマッチした育成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】情報端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信システム(育成管理システム)を示した図。
【図2】センサ装置2の構成を説明するための概略縦断面図。
【図3】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図4】植物用育成データベース6の内容を説明するための図。
【図5】季節を判定する際の季節判定ルールを説明するための図。
【図6】携帯電話機1の全体動作のうち、第1実施形態での特徴部分の動作概要を示したフローチャート。
【図7】育成アドバイス生成処理(図6のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図8】図7の動作に続くフローチャート。
【図9】(1)は、育成情報(育成アドバイス)を付加しないキャラクタ表示を例示した図、(2)、(3)は、育成情報を付加したキャラクタ表示を例示した図。
【図10】第2実施形態におけるサーバ装置5の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図11】携帯電話機1の全体動作のうち、第2実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャート。
【図12】第2実施形態において、サーバ装置5側の動作概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図9を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、情報端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信システム(育成管理システム)を示した図である。
この育成管理システムは、育成対象物(例えば、植物)の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報(育成アドバイス)を出力する情報端末装置(携帯電話機)1、植物の育成環境を検出するセンサ装置2、無線通信網3、インターネット4、植物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する管理装置(サーバ装置)5を有する構成となっている。
【0014】
ここで、上述した“植物の育成環境”、“季節別育成基本情報”の詳細については、後述するが、本実施形態では、“植物の育成環境”は、環境センサで検出された植物付近の外気温度、その土壌の水分量を示している。“季節別育成基本情報”は、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件を示す情報と、季節別に育成アドバイスを生成するための条件を示す情報からなる。携帯電話機1は、植物の育成環境を検出する環境センサ(温度センサ、水分センサなど)を備えたセンサ装置2から受信取得した育成環境(検出環境)と、サーバ装置5から受信取得したその植物の季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定季節に該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定して端末画面に表示するようにしている。
【0015】
携帯電話機1は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、近距離通信機能などが備えられたもので、最寄りの基地局(図示省略)を介して無線通信網3に接続されると、この無線通信網3を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話や電子メールの送受信が可能な状態となり、また、無線通信網3を介してインターネット4に接続されると、電子メールの送受信やWebページの閲覧が可能となる。また、携帯電話機1は、植物付近(例えば、植木鉢内)に設置されているセンサ装置2を、近距離通信(例えば、通信距離10メートル)を介して毎日定期的(例えば、毎日朝の7時00分あるいは夕方6時00分)にアクセスすることによりセンサ装置2からデータの送信を要求するようにしている。なお、携帯電話機1側からセンサ装置2へのデータ送信の要求は、毎日朝の8時00分あるいは夕方6時00分に限らず、その要求回数や要求タイミングは任意であり、ユーザ操作により自由に設定可能としている。
【0016】
センサ装置2は、植物の育成環境として、例えば、1時間毎あるいは日中5回のように定期的に植物の育成環境を測定(検出)して順次記憶保持するもので、例えば、日中5回の検出を行う場合には、例えば、日中の朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に植物の育成環境を検出して順次記憶保持するようにしている。そして、携帯電話機1からのデータ送信の要求に応じて、記憶保持している各検出結果を現時点までの植物の育成環境として、その植物名と共にその要求元の携帯電話機1に対して送信するようにしている。なお、センサ装置2側での検出は、朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に限らず、その検出回数や検出タイミングも任意であり、ユーザ操作により自由に設定可能としている。
【0017】
携帯電話機1は、センサ装置2から植物の育成環境(検出環境)とその植物名を受信取得すると、無線通信網3、インターネット4を介してサーバ装置5に対してその植物の季節別育成基本情報の送信を要求する。サーバ装置5は、携帯電話機1からの送信要求に応じて、植物の種類に応じた季節別育成基本情報を記憶する植物用育成データベース6をアクセスし、要求された植物の季節別育成基本情報を読み出して、要求元の携帯電話機1に送信するようにしている。携帯電話機1は、センサ装置2から受信した植物の育成環境(検出環境)と、サーバ装置5から受信した季節別育成基本情報に基づいて、暦の季節に関わらず、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定した季節に該当する育成情報(例えば、水やりを薦めるアドバイス情報)を出力対象として特定する。そして、携帯電話機1は、特定した育成情報と共に、その季節を表現する情報として、例えば、季節感をイメージさせるような図形、季節名を端末画面に表示するようにしている。
【0018】
図2は、センサ装置2の構成を説明するための概略縦断面図である。
センサ装置2は、植木や草花などの植物の育成環境を観測するための環境センサと通信機能を備えた小型電子機器であり、その筺体全体は、細長状の中空の棒体を成している。センサ装置2の中空棒体の全体は、先細り状に形成され、このセンサ装置2の下部(例えば、下半分)を鉢などの土壌内に埋め込む構成となっている。センサ装置2の下部側の表面には、通気・通水用として複数個の細孔2aが形成されている。また、センサ装置2の上端部分の一側部には、弧状の取手2bが突出形成(一体成型)されており、センサ装置2の下部を鉢などの土壌内に抜き刺しする場合に、その上端面を親指の腹部分で押圧しながら、取手2bの下側に人差し指を掛けて行うことにより、センサ装置2の抜き刺しをスムーズに行うことが可能な構成となっている。
【0019】
センサ装置2の上端部側の天板部には、各種の電子部品として、植物周辺の明るさを検出する照度(日照)センサ2cと、植物周辺の気温を検出する外気温度センサ2dと、近距離通信部用のアンテナ2eと、それらの動作を制御する制御部と、各種センサの検出結果を順次記憶する記憶部(図示省略)とが内蔵され、また、その天板部の下方には、電源電池2fが内蔵されている。センサ装置2の中央仕切板部には、土壌の水分量(湿度)を検出する水分センサ2gが内蔵されている。なお、センサ装置2の中空部において、細孔2aの形成部分には、土壌の侵入を防ぐための弁部材2hが複数形成されている。
【0020】
図3は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、二次電池(図示省略)を備えた電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部13には、図6〜図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域が設けられている。過去データ保存部13Aは、センサ装置2側から受信した植物の育成環境(検出環境)を一時記憶するワーク領域で、少なくとも後述するM時間(例えば、M=72時間)分のデータを記憶保持可能としている。
【0021】
無線通信部14は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能時に使用される広域通信部である。撮像部15は、被写体を高精細に撮影可能なカメラ部を構成するもので、図示しないが、光学レンズ、撮像素子のほか、光学系駆動部、照明用のストロボ、アナログ処理回路、信号処理回路などが備えられている。表示部16は、例えば、高精細液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ(電子ペーパ)などを使用したもので、文字情報、待受画像などの表示情報を表示するほか、カメラ機能の使用時には撮影画像としてライブビュー画像(モニタ画像)を表示するファインダ画面となる。この表示部16の表面には、指の接触を検出する接触操作部(透明な接触センサ)を積層配設することによってタッチスクリーン(タッチ画面)が構成されている。
【0022】
操作部17は、図示省略したが、電源オン/オフボタン、カメラモニタモードなどに切り替えるボタンなどを有し、CPU11は、操作ボタンに応じた処理を行う。近距離通信部18は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)・モジュールを構成し、観測装置2との間で交信を行うもので、その通信可能エリアは、例えば、10mの範囲内となっているが、通信可能距離はこれに限らない。なお、携帯端末装置1からはセンサ装置2を探索する探索信号(サーチ信号)が発信され、それに対してセンサ装置2から応答があれば、携帯端末装置1とセンサ装置2との通信リンクが確立されて相互でデータ通信が可能な状態となる。
【0023】
図4は、植物用育成データベース6の内容を説明するための図である。
植物用育成データベース6は、植物の種類に応じた季節別育成基本情報を記憶するもので、この季節別育成基本情報は、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件を示す情報と、季節別に育成アドバイスを生成するための条件を示す情報からなり、「植物名」、「水やり」、「耐暑温度」、「耐寒温度」、「季節判定温度」の各項目を有している。「植物名」は、育成対象の植物の種類を示し、図示の例では、“サンセベリア”、“テーブルヤシ”、…が記憶されている。「水やり」は、季節別に水やりを勧める育成アドバイスを生成するための生成条件で、植物の種類、季節、植物を生育している土壌の乾き具合に基づいて、その植物への水やりをユーザに対して要求(育成アドバイス)するか否かを決定するため条件パラメータA、B、C、Dが記憶されている。図示の例では、「植物名」が“サンセベリア”の場合に、「春」、「夏」に対応して条件パラメータBが記憶され、「秋」に対応して条件パラメータCが記憶され、「冬」に対応して条件パラメータDが記憶されている。
【0024】
なお、図示したように、条件パラメータAは、“乾燥したら直ちに水やりを要求する”ことを意味し、条件パラメータBは、“過去N時間のセンサ検出結果(検出環境)が全て乾燥なら水やりを要求する”ことを意味している。また、条件パラメータCは、“過去M時間のセンサ検出結果(検出環境)が全て乾燥なら水やりを要求する”ことを意味し、条件パラメータDは、“過去のセンサ検出結果(検出環境)に関わらず、水やりを要求しない”ことを意味している。なお、上述の“N”、“M”は、N<Mの関係にあり、例えば、N=24時間、M=72時間が設定されている。なお、“N”、“M”の値は、ユーザ操作により任意に設定可能となっている。「耐暑温度」、「耐寒温度」は、対応する植物にとって気温に関する特性を示し、図示の例では、「植物名」が“サンセベリア”の場合に、「耐暑温度」は、“40℃”で暑さに強いことを示し、「耐寒温度」は、“15℃”で寒さには弱いことを示している。
【0025】
「季節判定温度」は、暦の季節に関わらず、植物にとってどのような季節に相当しているかを判定する際に使用されるもので、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件であり、植物の種類毎に異なる値が記憶されている。すなわち、一般に、気温が高く植物の育成が活発な環境下では水やり頻度が多くても良いが、気温が低く植物が休眠しているような環境下では水やりを控えるようにしている。例えば、サンセベリア”は、寒さに弱く、例えば、日中の気温が15℃以下になるような時期には水やりを控えることが望ましいのに対し、“ヘデラ”は寒さに強く水やりを控えるのは気温が氷点下になるような時期でも良いというような違いがあるために植物の種類毎に異なる値が記憶されている。
【0026】
ここで、「季節判定温度」には、“Tspl”、“Tsph”、“Tsul”、“Tal”、“Twl”の項目を有している。“Tspl”は、春の日中最低気温を示し、“Tsph”は、春の日中最高気温を示している。“Tsul”は、夏の日中最低気温を示し、“Tal”は、秋の日中最低気温を示し、“Twl”は、冬の日中最低気温を示している。図示の例では、寒さに弱い植物の“サンセベリア”にあっては、“Tspl”には“10℃”が記憶され、“Tsph”には“15℃”が記憶され、“Tsul”には“20℃”、“Tal”には“20℃”、“Twl”には“10℃”が記憶されている。携帯端末装置1は、センサ装置2から受信した植物の育成環境(検出環境)と、「季節判定温度」とに基づいて、図5の季節判定ルールにしたがって季節の判定を行う。
【0027】
図5は、季節を判定する際の季節判定ルールを説明するための図である。
季節判定ルールは、「共通ルール」と「個別ルール」を有し、「共通ルール」には、“連続するα日のうち、γ日以上が下記の条件(個別ルール)を満たすこと”が定められている。「個別ルール」には、春夏秋冬に対応して4つのルールが定められている。すなわち、第1のルールとして“日中最高気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTsul値以上で、日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTspl値以下の場合”が定められている。
【0028】
また、第2のルールとして“日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTsul値以上の場合”が定められ、第3のルールとして“日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTal値以下の場合”が定められ、第4のルールとして“日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTWl値以上の場合”が定められている。そして、第1のルールを満たす場合には、“春に相当すると判定”し、第2のルールを満たす場合には、“夏に相当すると判定”する。また、第3のルールを満たす場合には、“秋に相当すると判定”し、第4のルールを満たす場合には、“冬に相当すると判定”する。
【0029】
次に、第1実施形態における携帯電話機の動作概念を図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0030】
図6は、携帯電話機1の全体動作のうち、第1実施形態における特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、一定時間(例えば、1分)毎の割り込みにより実行開始される。なお、この図6のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
先ず、CPU11は、予め設定されている所定時刻(例えば、毎朝8時00分)に達したか、つまり、センサ装置2への要求タイミングに達したかを調べ(ステップA1)、その要求タイミングでなければ(ステップA1でNO)、図6のフローから抜けるが、要求タイミングであれば(ステップA1でYES)、センサ装置2に対してデータ送信を要求する要求コマンドを自己の端末IDと共に送信する(ステップA2)。
【0031】
センサ装置2側では、1時間毎あるいは日中5回のように定期的に植物の育成環境を測定(検出)してその検出結果を順次記憶保持しており、携帯電話機1からデータ送信の要求コマンドを受信すると、記憶保持している各検出結果を現時点までの植物の育成環境として、その植物名と共に、要求元の携帯電話機1に送信する。携帯電話機1は、センサ装置2側から植物の育成環境(検出環境)を受信すると(ステップA3)、受信した植物名と検出環境を過去データ保存部13Aに追加格納する(ステップA4)。そして、携帯電話機1は、センサ装置2から受信した植物名と共にデータ送信の要求コマンドをサーバ装置5に対して送信する(ステップA5)。
【0032】
サーバ装置5側では、携帯電話機1から植物名と共にデータの送信要求コマンドを受信すると、その植物名に基づいて植物用育成データベース6を検索し、その植物名に該当する季節別育成基本情報を読み出して、要求元の携帯電話機1に対して送信する。携帯電話機1は、サーバ装置5からの季節別育成基本情報を受信すると(ステップA6)、季節判定処理の実行に移る(ステップA7)。この季節判定処理は、サーバ装置5から受信した季節別育成基本情報のうち、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件である「季節判定温度」と、センサ装置2側から受信した植物の育成環境(検出環境)のうち、外気温度センサ2dにより検出された温度とを参照して、季節の判定を行うが、その際、図5に示した季節判定ルール(共通ルール及び個別ルール)にしたがって判定を行う。
【0033】
すなわち、携帯電話機1は、先ず、センサ装置2側から受信した植物の検出環境の中、例えば、日中の朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に測定(検出)された各検出環境の中から日中最高気温、日中最低気温を決定し、その最高気温、最低気温が季節判定ルールのうち、どのルールに該当しているかに基づいて季節の判定を行うようにしている。例えば、植物名が“テーブルヤシ”の場合において、暦状の季節が秋であっても、連続するα日のうち、日中最低気温20℃以上がγ日以上であれば、夏に相当すると判定し、また、最低気温5℃以下がγ日以上であれば、冬に相当すると判定する。このようにして植物の生育環境に応じて季節を判定した後は、育成アドバイス生成処理に移る(ステップA8)。
【0034】
図7及び図8は、育成アドバイス生成処理(図6のステップA8)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、携帯電話機1は、図6のステップA7で判定した季節の判定結果に基づいて(ステップB1)、サーバ装置5から受信した季節別育成基本情報のうち、季節別に育成アドバイスを生成するための条件である「水やり」から該当する条件パラメータを取り出す(ステップB2〜B5)。すなわち、季節の判定結果が春であれば、春の条件パラメータを取り出し(ステップB2)、夏であれば、夏の条件パラメータを取り出し(ステップB3)、秋であれば、秋の条件パラメータを取り出し(ステップB4)、冬であれば、冬の条件パラメータを取り出す(ステップB5)。
【0035】
そして、取り出した条件パラメータは、A〜Dのいずれであるかを調べ(ステップB6)、その条件パラメータA〜Dに応じて図8の処理に分岐する。この場合、センサ装置2側から受信した植物の育成環境(検出環境)のうち、水分センサ2gの検出結果を参照して土壌の乾燥具合を調べ、その乾燥具合に応じて育成(水やり)アドバイスを生成する。すなわち、条件パラメータAであれば、ステップB7に移り、センサ装置2側において、例えば、日中の朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に測定(検出)された水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されているかを調べる。いま、いずれかで乾燥が検出されていれば(ステップB7でYES)、水やりアドバイスを生成すべきことを示すアドバイス有りフラグ(図示省略)を“オン”する(ステップB8)。また、水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれでも乾燥が検出されなければ(ステップB7でNO)、水やりアドバイスを生成しないことを示すためにアドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB9)。
【0036】
また、条件パラメータBであれば、ステップB10に移り、水分センサ2gによる各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されているかを調べる。いま、いずれでも乾燥が検出されなければ(ステップB10でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB14)。また、水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されていれば(ステップB10でYES)、過去データ保存部13Aから水分センサ2gの各検出結果を読み出して(ステップB11)、過去のN時間(例えば、24時間)分の検出結果は全て乾燥であるかを調べる(ステップB12)。その結果、N時間分以上、乾燥していれば(ステップB12でYES)、アドバイス有りフラグを“オン”するが(ステップB13)、N時間分未満の乾燥であれば(ステップB12でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB14)。
【0037】
同様に、条件パラメータCであれば、ステップB15に移り、水分センサ2gによる各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されているかを調べる。いま、いずれでも乾燥が検出されなければ(ステップB15でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB19)。また、水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されていれば(ステップB15でYES)、過去データ保存部13Aから水分センサ2gの各検出結果を読み出して(ステップB16)、過去のM時間(例えば、72時間分)分の検出結果は全て乾燥であるかを調べる(ステップB17)。その結果、M時間分以上、乾燥していれば(ステップB17でYES)、アドバイス有りフラグを“オン”するが(ステップB18)、M時間分未満の乾燥であれば(ステップB17でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB19)。また、条件パラメータDであれば、ステップB20に移り、水分センサ2gによる検出結果に関わらず、アドバイス有りフラグを“オフ”する。
【0038】
これによって育成アドバイス生成処理(図6のステップA8)が終わると、アドバイス有りフラグは“オフ”されているかを調べ(ステップA9)、アドバイス有りフラグが“オフ”されていれば(ステップA9でYES)、育成アドバイスを付加しない表示として、植物名、判定季節、植物を表した所定の絵図(キャラクタ)を表示部16(端末画面)に表示させる(ステップA10)。図9(1)は、育成情報(育成アドバイス)を付加しない場合のキャラクタ表示例を示し、植物名が“サンセベリア”で、判定季節が“春”の場合であり、判定季節を文字のほかに季節感を持った図形(桜)で表現するようにしている。
【0039】
また、アドバイス有りフラグが“オン”されていれば(ステップA9でNO)、育成アドバイスを付加した表示として、植物名、判定季節、アドバイス付きキャラクタを表示部16(端末画面)に表示させる(ステップA11)。図9(2)、(3)は、育成アドバイスを付加した場合のキャラクタ表示を示し、図9(2)は、植物名が“サンセベリア”で、判定季節が“夏”の場合で、キャラクタを現在の植物の育成環境(水分不足や土壌の乾燥具合)に応じて萎れた状態に変形加工したり、そのキャラクタに他の図形(日傘)を付加したり、更に判定季節を文字のほかに季節感を持った図形(太陽)で表現するようにしている。図9(3)は、植物名が“サンセベリア”で、判定季節が“春”の場合で、キャラクタを現在の植物の育成環境(水分不足や土壌の乾燥具合)に応じて萎れた状態に変形加工したり、満開の桜の花が散る様子で育成の異常を表現したり、更に判定季節を文字のほかに季節感を持った図形(桜)で表現するようにしている。
【0040】
以上のように、第1実施形態において携帯電話機1は、育成環境を検出する環境センサ(温度センサ、水分センサなど)を備えたセンサ装置2から受信取得した検出環境と、サーバ装置5から受信取得したその植物の季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定季節に該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定するようにしたので、植物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更することができ、例え、屋内育成であってもその屋内環境にマッチした育成が可能となり、かつ異常気象などにも対応することが可能となるなど、実用性に富んだものとなる。
【0041】
携帯電話機1は、季節に該当する育成情報を出力対象として特定した場合に、その育成情報に対応付けてその季節を表現する情報を出力するようにしたので、ユーザにあっては現在の育成環境がどのような季節に相当しているかを知ることができる。
【0042】
携帯電話機1は、育成アドバイスとして育成の仕方を表現した絵図(例えば、キャラクタ)を表示すると共に、季節を表現する情報として季節感をイメージさせる図形を表示するようにしたので、視覚的に理解し易く変化に富んだ表示が可能となる。
【0043】
携帯電話機1は、植物周辺の気温を検出する温度センサ2dにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶しているセンサ装置2から気温に関する複数の検出環境を時系列な気温の変化として受信すると共に、受信した時系列な気温の変化からその最低気温あるいは最高気温を決定し、この最低気温あるいは最高気温と、サーバ装置5から受信取得したその植物の気温に関する季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定するようにしたので、暦によらず、気温から季節を判定することができ、屋内育成の場合でもその屋内温度にマッチした育成が可能となる。
【0044】
携帯電話機1は、植物が植えられている土壌の乾き具合を検出する水分センサ2gにより定期的に検出された水分に関する複数の検出環境を順次記憶しているセンサ装置2からその複数の検出環境を時系列な土壌の乾き具合として受信すると共に、受信した時系列な土壌の乾き具合に基づいて、育成情報として水やりに関する情報を出力対象として特定するようにしたので、現在に限らず、過去の乾燥具合に基づいて水やりの有無を決定することができ、適切な育成アドバイスが可能となる。したがって、気温が低く植物が休眠しているような環境下でも常時、空調による管理下にある環境では水やりを与える方が良いために、水やりをアドバイスすることができる。
【0045】
なお、上述した第1実施形態においては、サーバ装置5側に植物用育成データベース6を備えるようにしたが、携帯電話機1側に植物用育成データベース6を備えるようにしてもよい。このように植物用育成データベース6を携帯電話機1側に備えることにより携帯電話機1は、サーバ装置5を介さずに季節別育成基本情報を得ることが可能となる。ここで、植物用育成データベース6を携帯電話機1内に記憶しておく場合に限らず、SDカードなどの記録メディアを介して外部供給するようにしてもよい。
【0046】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図10〜図12を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態は、携帯電話機1側において季節を判定して該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定するようにしたが、この第2実施形態においては、サーバ装置5側において季節を判定して該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0047】
図10は、第2実施形態におけるサーバ装置5の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU21は、電源部22からの電力供給によって動作し、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこのサーバ装置5の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部23には、図12に示した動作手順に応じて第2実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されている。CPU21にはその周辺デバイスとして通信部24。表示部25、操作部26が接続されている。そして、この第2実施形態におけるサーバ装置5は、センサ装置2で検出された植物の検出環境を携帯電話機1、無線通信網3、インターネット4を介して受信取得すると共に、植物用育成データベース6を検索してその植物に応じた季節別育成基本情報を取得する。そして、センサ装置2で検出された検出環境と植物用育成データベース6から取得した季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、この判定季節に該当する育成情報を出力対象として特定して、携帯電話機1に送信するようにしている。
【0048】
図11は、携帯電話機1の全体動作のうち、第2実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、図6と同様に一定時間(例えば、1分)毎の割り込みにより実行開始される。なお、この図11のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
先ず、CPU11は、予め設定されている所定時刻(例えば、朝の8時00分)に達したか、つまり、センサ装置2への要求タイミングに達したかを調べ(ステップA21)、その要求タイミングでなければ(ステップA21でNO)、図11のフローから抜けるが、要求タイミングであれば(ステップA21でYES)、センサ装置2に対してデータ送信の要求コマンドを自己の端末IDと共に送信する(ステップA22)。そして、センサ装置2側から植物の育成環境(検出環境)を受信すると(ステップA23)、受信した検出環境を自己の端末IDと共に、サーバ装置5に送信した後(ステップA24)、サーバ装置5からの応答待ち状態となる(ステップA25)。
【0049】
図12は、第2実施形態において、サーバ装置5側の動作概要を示したフローチャートで、携帯電話機1からデータを受信する毎に実行開始される。
先ず、サーバ装置5は、携帯電話機1から植物名、検出環境、端末IDを受信すると、受信した植物名に基づいて植物用育成データベース6を検索し(ステップC1)、その植物に該当する季節別育成基本情報を読み出す(ステップC2)。そして、サーバ装置5は、センサ装置2から携帯電話機1を介して受信した検出環境と、植物用育成データベース6から読み出した季節別育成基本情報に基づいて、上述した第1実施形態と同様の季節判定処理を実行する(ステップC3)。
【0050】
そして、この季節判定処理の実行後は、育成アドバイス生成処理に移る(ステップC4)。この育成アドバイス生成処理は、第1実施形態と同様、図7及び図8のフローにしたがって実行される。このような育成アドバイス生成処理が終わると、アドバイス有りフラグは“オフ”されているかを調べ(ステップC5)、アドバイス有りフラグが“オフ”されていれば(ステップC5でYES)、育成情報(育成アドバイス)を付加しないキャラクタとして、例えば、図9(1)に示すように、植物名、判定季節、植物を表したキャラクタを携帯電話機1に送信する(ステップC6)。また、アドバイス有りフラグが“オン”されていれば(ステップC5でNO)、育成情報(育成アドバイス)を付加したキャラクタとして、例えば、図9(2)あるいは(3)に示すように、植物名、判定季節、育成アドバイス付きのキャラクタを携帯電話機1に送信する(ステップC7)。
【0051】
携帯電話機1は、サーバ装置5からのキャラクタを受信すると(図11のステップA25でYES)、そのキャラクタを表示部16(端末画面)に表示させる(ステップA26)。この場合、育成アドバイス付きでなければ、図9(1)に示すような端末画面が表示され、育成アドバイス付きであれば、図9(2)あるいは(3)に示すような端末画面が表示される。
【0052】
以上のように、第2実施形態においてサーバ装置5は、センサ装置2で検出された植物の検出環境と植物用育成データベース6から取得した季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、この判定季節に該当する育成情報を出力対象として特定して、携帯電話機1に送信するようにしたので、携帯電話機1は、センサ装置2で検出された検出環境をサーバ装置5に転送するだけでよく、サーバ装置5側で季節判定処理及び育成アドバイス生成処理が実行されるため、携帯電話機1の負担を大幅に軽減することができる。この第2実施形態においても第1実施形態と同様に、植物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、その季節を暦によらず、植物の育成環境に応じて変更することができ、例え、屋内育成であってもその屋内環境にマッチした育成が可能となり、かつ異常気象などにも対応することが可能となる。
【0053】
なお、上述した各実施形態においては、気温に基づいて季節を判定するようにしたが、気温のほかに湿度などを考慮して季節を判定するようにしてもよい。また、上述した各実施形態においては、季節に応じた育成情報(育成アドバイス)として、水やりを例に挙げたが、季節毎に肥料を施す場合や手入れする場合であっても同様に適用可能である。また、キャラクタ表示に限らず、アイコンなど、表現力が豊かなその他の絵図を表示するようにしてもよい。
【0054】
また、上述した各実施形態においては、カメラ機能に拡張現実技術(AR)を組み合わせることで体感的、体験的方法を用い、ユーザにアドバイスするようにしてもよい。すなわち、撮像部15により育成対象の植物を撮影すると、その植物付近のセンサ装置2から検出環境を受信取得して、上述の季節判定処理、育成アドバイス生成処理を行い、その結果、育成アドバイスを付加したキャラクタを撮影画像内に表示させるようにしてもよい。この場合、ARキャラクタによる擬人化された助言提示形態により、意思表示のできない植物に、あたかも意思や人格が存在するかのように感じられるようにしてもよい。これによってキャラクタを介し植物の感情を疑似体験する情緒的価値と、植物管理育成の困難さが軽減される現実的価値をユーザに提供することができるようになる。
【0055】
また、上述した各実施形態においては、育成対象として植物を示したが、鑑賞魚、インコや文鳥などの鳥類、犬、猫などであってもよい。この場合、ペットの飼育部屋の環境や水槽環境などを測定するようにしてもよく、更に犬や猫などの首輪部分にセンサ装置2を備えたり、水槽内にセンサ装置2を備えたりすればよいが、それに限らないことは勿論である。
【0056】
また、上述した各実施形態においては、携帯電話機に適用した場合を示したが、情報端末装置としては、PDA(個人向け携帯型情報通信機器)、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、PC(パーソナルコンピュータ)などであってもよい。
【0057】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0058】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置であって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報端末装置において、
前記特定手段により季節に該当する育成情報を出力対象として特定された場合に、その育成情報に対応付けてその季節を表現する情報を出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報端末装置において、
前記出力手段は、前記育成情報として育成の仕方を表現した絵図を表示すると共に、前記季節を表現する情報として季節感をイメージさせる図形を表示する、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報端末装置において、
前記育成対象物は、植物であり、
前記受信手段は、植物周辺の気温を検出する温度センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置から気温に関する複数の検出環境を時系列な気温の変化として受信し、
前記判定手段は、前記受信手段により受信した時系列な気温の変化からその最低気温あるいは最高気温を決定し、この最低気温あるいは最高気温と前記取得手段により取得した気温に関する季節別育成基本情報に基づいて、当該植物にとってどのような季節に相当しているかを判定する、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報端末装置において、
前記受信手段は、更に植物が植えられている土壌の乾き具合を検出する水分センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置からその複数の検出環境を時系列な土壌の乾き具合として受信し、
前記特定手段は、前記判定手段により判定された季節と前記受信手段により受信された時系列な土壌の乾き具合に基づいて、前記育成情報として水やりに関する情報を出力対象として特定する、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置に通信接続され、前記育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する育成管理システムであって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
前記特定手段により出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に対して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする育成管理システムである。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、
コンピュータに対して、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する機能と、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、
コンピュータに対して、
育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
前記出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0059】
1 携帯電話機
2 センサ装置
2d 外気温度センサ
2g 水分センサ
2e 近距離通信部用のアンテナ
3 無線通信網
4 インターネット
5 管理装置(サーバ装置)
6 植物用育成データベース
11、21 CPU
13、23 記憶部
13A 過去データ保存部
14 無線通信部
16 表示部
17 操作部
18 近距離通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置及び育成管理システム並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物を育成・栽培する場合に、植物の種類やその育成環境により植物に与える水の量や日光の当て方、肥料の与え方、温度の条件などがそれぞれ異なるために、従来では、植物の育成に関する情報をユーザに提供するようにした技術が存在している。例えば、植物が置かれている育成環境をセンサにより観測(検出)して蓄積管理しておき、その検出した育成環境(検出環境)とその植物の最適な育成環境とを比較することにより、育成に関するガイド表示を行うようにした技術(植物育成ガイドシステム)が存在している(特許文献1参照)。また、環境センサにより検出された検出環境と、サーバ装置に登録されている育成情報とを基に育成に最適な条件を算出して出力するようにした技術が存在している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−250950号公報
【特許文献2】特開2003−310054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2の技術にあっては、植物を育てる際の支援となるが、植物の育成の仕方は、植物の種類毎、季節、環境によって様々であって、季節や環境の変化に応じて植物を常に適切に管理できるとは限らなかった。
ところで、植物の種類毎に季節に応じた育成方法で植物を管理しょうとしても、植物の育成に失敗することが多いが、その原因の一つとして、水やりを例に挙げる。
【0005】
例えば、冬の気温が低い時期では土壌が乾いていても水を与えない方が良い場合があるが、同じ冬でも暖かい屋内で育成している観葉植物には水を与えるべきであり、また、夏の気温が高い時期には水を頻繁に与えた方が良いが、同じ夏でも涼しい屋内で育成している観葉植物には頻繁に水を与えない方が良い場合がある。このような場合に、暦の季節に応じた育成方法で植物を一律に管理しょうとすると、水を与えすぎて枯らしてしまったり、不足すぎて枯らしてしまったりするおそれがあった。このことは、水やりに限らず、日光の当て方、肥料の与え方などにおいても同様であり、更に屋内育成に限らず、屋外育成であっても同様であり、例えば、異常気象などの影響によって育成環境が激変した場合でも同様の問題が起きる。
【0006】
本発明の課題は、育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置であって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする情報端末装置である。
【0008】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する機能と、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【0009】
また、上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置に通信接続され、前記育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する育成管理システムであって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
前記特定手段により出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に対して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする育成管理システムである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
前記出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更することができ、例え、屋内育成であってもその屋内環境にマッチした育成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】情報端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信システム(育成管理システム)を示した図。
【図2】センサ装置2の構成を説明するための概略縦断面図。
【図3】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図4】植物用育成データベース6の内容を説明するための図。
【図5】季節を判定する際の季節判定ルールを説明するための図。
【図6】携帯電話機1の全体動作のうち、第1実施形態での特徴部分の動作概要を示したフローチャート。
【図7】育成アドバイス生成処理(図6のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図8】図7の動作に続くフローチャート。
【図9】(1)は、育成情報(育成アドバイス)を付加しないキャラクタ表示を例示した図、(2)、(3)は、育成情報を付加したキャラクタ表示を例示した図。
【図10】第2実施形態におけるサーバ装置5の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図11】携帯電話機1の全体動作のうち、第2実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャート。
【図12】第2実施形態において、サーバ装置5側の動作概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図9を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、情報端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信システム(育成管理システム)を示した図である。
この育成管理システムは、育成対象物(例えば、植物)の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報(育成アドバイス)を出力する情報端末装置(携帯電話機)1、植物の育成環境を検出するセンサ装置2、無線通信網3、インターネット4、植物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する管理装置(サーバ装置)5を有する構成となっている。
【0014】
ここで、上述した“植物の育成環境”、“季節別育成基本情報”の詳細については、後述するが、本実施形態では、“植物の育成環境”は、環境センサで検出された植物付近の外気温度、その土壌の水分量を示している。“季節別育成基本情報”は、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件を示す情報と、季節別に育成アドバイスを生成するための条件を示す情報からなる。携帯電話機1は、植物の育成環境を検出する環境センサ(温度センサ、水分センサなど)を備えたセンサ装置2から受信取得した育成環境(検出環境)と、サーバ装置5から受信取得したその植物の季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定季節に該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定して端末画面に表示するようにしている。
【0015】
携帯電話機1は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、近距離通信機能などが備えられたもので、最寄りの基地局(図示省略)を介して無線通信網3に接続されると、この無線通信網3を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話や電子メールの送受信が可能な状態となり、また、無線通信網3を介してインターネット4に接続されると、電子メールの送受信やWebページの閲覧が可能となる。また、携帯電話機1は、植物付近(例えば、植木鉢内)に設置されているセンサ装置2を、近距離通信(例えば、通信距離10メートル)を介して毎日定期的(例えば、毎日朝の7時00分あるいは夕方6時00分)にアクセスすることによりセンサ装置2からデータの送信を要求するようにしている。なお、携帯電話機1側からセンサ装置2へのデータ送信の要求は、毎日朝の8時00分あるいは夕方6時00分に限らず、その要求回数や要求タイミングは任意であり、ユーザ操作により自由に設定可能としている。
【0016】
センサ装置2は、植物の育成環境として、例えば、1時間毎あるいは日中5回のように定期的に植物の育成環境を測定(検出)して順次記憶保持するもので、例えば、日中5回の検出を行う場合には、例えば、日中の朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に植物の育成環境を検出して順次記憶保持するようにしている。そして、携帯電話機1からのデータ送信の要求に応じて、記憶保持している各検出結果を現時点までの植物の育成環境として、その植物名と共にその要求元の携帯電話機1に対して送信するようにしている。なお、センサ装置2側での検出は、朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に限らず、その検出回数や検出タイミングも任意であり、ユーザ操作により自由に設定可能としている。
【0017】
携帯電話機1は、センサ装置2から植物の育成環境(検出環境)とその植物名を受信取得すると、無線通信網3、インターネット4を介してサーバ装置5に対してその植物の季節別育成基本情報の送信を要求する。サーバ装置5は、携帯電話機1からの送信要求に応じて、植物の種類に応じた季節別育成基本情報を記憶する植物用育成データベース6をアクセスし、要求された植物の季節別育成基本情報を読み出して、要求元の携帯電話機1に送信するようにしている。携帯電話機1は、センサ装置2から受信した植物の育成環境(検出環境)と、サーバ装置5から受信した季節別育成基本情報に基づいて、暦の季節に関わらず、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定した季節に該当する育成情報(例えば、水やりを薦めるアドバイス情報)を出力対象として特定する。そして、携帯電話機1は、特定した育成情報と共に、その季節を表現する情報として、例えば、季節感をイメージさせるような図形、季節名を端末画面に表示するようにしている。
【0018】
図2は、センサ装置2の構成を説明するための概略縦断面図である。
センサ装置2は、植木や草花などの植物の育成環境を観測するための環境センサと通信機能を備えた小型電子機器であり、その筺体全体は、細長状の中空の棒体を成している。センサ装置2の中空棒体の全体は、先細り状に形成され、このセンサ装置2の下部(例えば、下半分)を鉢などの土壌内に埋め込む構成となっている。センサ装置2の下部側の表面には、通気・通水用として複数個の細孔2aが形成されている。また、センサ装置2の上端部分の一側部には、弧状の取手2bが突出形成(一体成型)されており、センサ装置2の下部を鉢などの土壌内に抜き刺しする場合に、その上端面を親指の腹部分で押圧しながら、取手2bの下側に人差し指を掛けて行うことにより、センサ装置2の抜き刺しをスムーズに行うことが可能な構成となっている。
【0019】
センサ装置2の上端部側の天板部には、各種の電子部品として、植物周辺の明るさを検出する照度(日照)センサ2cと、植物周辺の気温を検出する外気温度センサ2dと、近距離通信部用のアンテナ2eと、それらの動作を制御する制御部と、各種センサの検出結果を順次記憶する記憶部(図示省略)とが内蔵され、また、その天板部の下方には、電源電池2fが内蔵されている。センサ装置2の中央仕切板部には、土壌の水分量(湿度)を検出する水分センサ2gが内蔵されている。なお、センサ装置2の中空部において、細孔2aの形成部分には、土壌の侵入を防ぐための弁部材2hが複数形成されている。
【0020】
図3は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、二次電池(図示省略)を備えた電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部13には、図6〜図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域が設けられている。過去データ保存部13Aは、センサ装置2側から受信した植物の育成環境(検出環境)を一時記憶するワーク領域で、少なくとも後述するM時間(例えば、M=72時間)分のデータを記憶保持可能としている。
【0021】
無線通信部14は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能時に使用される広域通信部である。撮像部15は、被写体を高精細に撮影可能なカメラ部を構成するもので、図示しないが、光学レンズ、撮像素子のほか、光学系駆動部、照明用のストロボ、アナログ処理回路、信号処理回路などが備えられている。表示部16は、例えば、高精細液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ(電子ペーパ)などを使用したもので、文字情報、待受画像などの表示情報を表示するほか、カメラ機能の使用時には撮影画像としてライブビュー画像(モニタ画像)を表示するファインダ画面となる。この表示部16の表面には、指の接触を検出する接触操作部(透明な接触センサ)を積層配設することによってタッチスクリーン(タッチ画面)が構成されている。
【0022】
操作部17は、図示省略したが、電源オン/オフボタン、カメラモニタモードなどに切り替えるボタンなどを有し、CPU11は、操作ボタンに応じた処理を行う。近距離通信部18は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)・モジュールを構成し、観測装置2との間で交信を行うもので、その通信可能エリアは、例えば、10mの範囲内となっているが、通信可能距離はこれに限らない。なお、携帯端末装置1からはセンサ装置2を探索する探索信号(サーチ信号)が発信され、それに対してセンサ装置2から応答があれば、携帯端末装置1とセンサ装置2との通信リンクが確立されて相互でデータ通信が可能な状態となる。
【0023】
図4は、植物用育成データベース6の内容を説明するための図である。
植物用育成データベース6は、植物の種類に応じた季節別育成基本情報を記憶するもので、この季節別育成基本情報は、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件を示す情報と、季節別に育成アドバイスを生成するための条件を示す情報からなり、「植物名」、「水やり」、「耐暑温度」、「耐寒温度」、「季節判定温度」の各項目を有している。「植物名」は、育成対象の植物の種類を示し、図示の例では、“サンセベリア”、“テーブルヤシ”、…が記憶されている。「水やり」は、季節別に水やりを勧める育成アドバイスを生成するための生成条件で、植物の種類、季節、植物を生育している土壌の乾き具合に基づいて、その植物への水やりをユーザに対して要求(育成アドバイス)するか否かを決定するため条件パラメータA、B、C、Dが記憶されている。図示の例では、「植物名」が“サンセベリア”の場合に、「春」、「夏」に対応して条件パラメータBが記憶され、「秋」に対応して条件パラメータCが記憶され、「冬」に対応して条件パラメータDが記憶されている。
【0024】
なお、図示したように、条件パラメータAは、“乾燥したら直ちに水やりを要求する”ことを意味し、条件パラメータBは、“過去N時間のセンサ検出結果(検出環境)が全て乾燥なら水やりを要求する”ことを意味している。また、条件パラメータCは、“過去M時間のセンサ検出結果(検出環境)が全て乾燥なら水やりを要求する”ことを意味し、条件パラメータDは、“過去のセンサ検出結果(検出環境)に関わらず、水やりを要求しない”ことを意味している。なお、上述の“N”、“M”は、N<Mの関係にあり、例えば、N=24時間、M=72時間が設定されている。なお、“N”、“M”の値は、ユーザ操作により任意に設定可能となっている。「耐暑温度」、「耐寒温度」は、対応する植物にとって気温に関する特性を示し、図示の例では、「植物名」が“サンセベリア”の場合に、「耐暑温度」は、“40℃”で暑さに強いことを示し、「耐寒温度」は、“15℃”で寒さには弱いことを示している。
【0025】
「季節判定温度」は、暦の季節に関わらず、植物にとってどのような季節に相当しているかを判定する際に使用されるもので、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件であり、植物の種類毎に異なる値が記憶されている。すなわち、一般に、気温が高く植物の育成が活発な環境下では水やり頻度が多くても良いが、気温が低く植物が休眠しているような環境下では水やりを控えるようにしている。例えば、サンセベリア”は、寒さに弱く、例えば、日中の気温が15℃以下になるような時期には水やりを控えることが望ましいのに対し、“ヘデラ”は寒さに強く水やりを控えるのは気温が氷点下になるような時期でも良いというような違いがあるために植物の種類毎に異なる値が記憶されている。
【0026】
ここで、「季節判定温度」には、“Tspl”、“Tsph”、“Tsul”、“Tal”、“Twl”の項目を有している。“Tspl”は、春の日中最低気温を示し、“Tsph”は、春の日中最高気温を示している。“Tsul”は、夏の日中最低気温を示し、“Tal”は、秋の日中最低気温を示し、“Twl”は、冬の日中最低気温を示している。図示の例では、寒さに弱い植物の“サンセベリア”にあっては、“Tspl”には“10℃”が記憶され、“Tsph”には“15℃”が記憶され、“Tsul”には“20℃”、“Tal”には“20℃”、“Twl”には“10℃”が記憶されている。携帯端末装置1は、センサ装置2から受信した植物の育成環境(検出環境)と、「季節判定温度」とに基づいて、図5の季節判定ルールにしたがって季節の判定を行う。
【0027】
図5は、季節を判定する際の季節判定ルールを説明するための図である。
季節判定ルールは、「共通ルール」と「個別ルール」を有し、「共通ルール」には、“連続するα日のうち、γ日以上が下記の条件(個別ルール)を満たすこと”が定められている。「個別ルール」には、春夏秋冬に対応して4つのルールが定められている。すなわち、第1のルールとして“日中最高気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTsul値以上で、日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTspl値以下の場合”が定められている。
【0028】
また、第2のルールとして“日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTsul値以上の場合”が定められ、第3のルールとして“日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTal値以下の場合”が定められ、第4のルールとして“日中最低気温が季節別育成基本情報(季節判定温度)のTWl値以上の場合”が定められている。そして、第1のルールを満たす場合には、“春に相当すると判定”し、第2のルールを満たす場合には、“夏に相当すると判定”する。また、第3のルールを満たす場合には、“秋に相当すると判定”し、第4のルールを満たす場合には、“冬に相当すると判定”する。
【0029】
次に、第1実施形態における携帯電話機の動作概念を図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0030】
図6は、携帯電話機1の全体動作のうち、第1実施形態における特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、一定時間(例えば、1分)毎の割り込みにより実行開始される。なお、この図6のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
先ず、CPU11は、予め設定されている所定時刻(例えば、毎朝8時00分)に達したか、つまり、センサ装置2への要求タイミングに達したかを調べ(ステップA1)、その要求タイミングでなければ(ステップA1でNO)、図6のフローから抜けるが、要求タイミングであれば(ステップA1でYES)、センサ装置2に対してデータ送信を要求する要求コマンドを自己の端末IDと共に送信する(ステップA2)。
【0031】
センサ装置2側では、1時間毎あるいは日中5回のように定期的に植物の育成環境を測定(検出)してその検出結果を順次記憶保持しており、携帯電話機1からデータ送信の要求コマンドを受信すると、記憶保持している各検出結果を現時点までの植物の育成環境として、その植物名と共に、要求元の携帯電話機1に送信する。携帯電話機1は、センサ装置2側から植物の育成環境(検出環境)を受信すると(ステップA3)、受信した植物名と検出環境を過去データ保存部13Aに追加格納する(ステップA4)。そして、携帯電話機1は、センサ装置2から受信した植物名と共にデータ送信の要求コマンドをサーバ装置5に対して送信する(ステップA5)。
【0032】
サーバ装置5側では、携帯電話機1から植物名と共にデータの送信要求コマンドを受信すると、その植物名に基づいて植物用育成データベース6を検索し、その植物名に該当する季節別育成基本情報を読み出して、要求元の携帯電話機1に対して送信する。携帯電話機1は、サーバ装置5からの季節別育成基本情報を受信すると(ステップA6)、季節判定処理の実行に移る(ステップA7)。この季節判定処理は、サーバ装置5から受信した季節別育成基本情報のうち、植物の耐寒温度や耐暑温度に応じて決定される季節判定用の条件である「季節判定温度」と、センサ装置2側から受信した植物の育成環境(検出環境)のうち、外気温度センサ2dにより検出された温度とを参照して、季節の判定を行うが、その際、図5に示した季節判定ルール(共通ルール及び個別ルール)にしたがって判定を行う。
【0033】
すなわち、携帯電話機1は、先ず、センサ装置2側から受信した植物の検出環境の中、例えば、日中の朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に測定(検出)された各検出環境の中から日中最高気温、日中最低気温を決定し、その最高気温、最低気温が季節判定ルールのうち、どのルールに該当しているかに基づいて季節の判定を行うようにしている。例えば、植物名が“テーブルヤシ”の場合において、暦状の季節が秋であっても、連続するα日のうち、日中最低気温20℃以上がγ日以上であれば、夏に相当すると判定し、また、最低気温5℃以下がγ日以上であれば、冬に相当すると判定する。このようにして植物の生育環境に応じて季節を判定した後は、育成アドバイス生成処理に移る(ステップA8)。
【0034】
図7及び図8は、育成アドバイス生成処理(図6のステップA8)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、携帯電話機1は、図6のステップA7で判定した季節の判定結果に基づいて(ステップB1)、サーバ装置5から受信した季節別育成基本情報のうち、季節別に育成アドバイスを生成するための条件である「水やり」から該当する条件パラメータを取り出す(ステップB2〜B5)。すなわち、季節の判定結果が春であれば、春の条件パラメータを取り出し(ステップB2)、夏であれば、夏の条件パラメータを取り出し(ステップB3)、秋であれば、秋の条件パラメータを取り出し(ステップB4)、冬であれば、冬の条件パラメータを取り出す(ステップB5)。
【0035】
そして、取り出した条件パラメータは、A〜Dのいずれであるかを調べ(ステップB6)、その条件パラメータA〜Dに応じて図8の処理に分岐する。この場合、センサ装置2側から受信した植物の育成環境(検出環境)のうち、水分センサ2gの検出結果を参照して土壌の乾燥具合を調べ、その乾燥具合に応じて育成(水やり)アドバイスを生成する。すなわち、条件パラメータAであれば、ステップB7に移り、センサ装置2側において、例えば、日中の朝9時00分〜夕方5時00分の間で2時間毎に測定(検出)された水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されているかを調べる。いま、いずれかで乾燥が検出されていれば(ステップB7でYES)、水やりアドバイスを生成すべきことを示すアドバイス有りフラグ(図示省略)を“オン”する(ステップB8)。また、水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれでも乾燥が検出されなければ(ステップB7でNO)、水やりアドバイスを生成しないことを示すためにアドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB9)。
【0036】
また、条件パラメータBであれば、ステップB10に移り、水分センサ2gによる各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されているかを調べる。いま、いずれでも乾燥が検出されなければ(ステップB10でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB14)。また、水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されていれば(ステップB10でYES)、過去データ保存部13Aから水分センサ2gの各検出結果を読み出して(ステップB11)、過去のN時間(例えば、24時間)分の検出結果は全て乾燥であるかを調べる(ステップB12)。その結果、N時間分以上、乾燥していれば(ステップB12でYES)、アドバイス有りフラグを“オン”するが(ステップB13)、N時間分未満の乾燥であれば(ステップB12でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB14)。
【0037】
同様に、条件パラメータCであれば、ステップB15に移り、水分センサ2gによる各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されているかを調べる。いま、いずれでも乾燥が検出されなければ(ステップB15でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB19)。また、水分センサ2gの各検出結果のうち、そのいずれかで乾燥が検出されていれば(ステップB15でYES)、過去データ保存部13Aから水分センサ2gの各検出結果を読み出して(ステップB16)、過去のM時間(例えば、72時間分)分の検出結果は全て乾燥であるかを調べる(ステップB17)。その結果、M時間分以上、乾燥していれば(ステップB17でYES)、アドバイス有りフラグを“オン”するが(ステップB18)、M時間分未満の乾燥であれば(ステップB17でNO)、アドバイス有りフラグを“オフ”する(ステップB19)。また、条件パラメータDであれば、ステップB20に移り、水分センサ2gによる検出結果に関わらず、アドバイス有りフラグを“オフ”する。
【0038】
これによって育成アドバイス生成処理(図6のステップA8)が終わると、アドバイス有りフラグは“オフ”されているかを調べ(ステップA9)、アドバイス有りフラグが“オフ”されていれば(ステップA9でYES)、育成アドバイスを付加しない表示として、植物名、判定季節、植物を表した所定の絵図(キャラクタ)を表示部16(端末画面)に表示させる(ステップA10)。図9(1)は、育成情報(育成アドバイス)を付加しない場合のキャラクタ表示例を示し、植物名が“サンセベリア”で、判定季節が“春”の場合であり、判定季節を文字のほかに季節感を持った図形(桜)で表現するようにしている。
【0039】
また、アドバイス有りフラグが“オン”されていれば(ステップA9でNO)、育成アドバイスを付加した表示として、植物名、判定季節、アドバイス付きキャラクタを表示部16(端末画面)に表示させる(ステップA11)。図9(2)、(3)は、育成アドバイスを付加した場合のキャラクタ表示を示し、図9(2)は、植物名が“サンセベリア”で、判定季節が“夏”の場合で、キャラクタを現在の植物の育成環境(水分不足や土壌の乾燥具合)に応じて萎れた状態に変形加工したり、そのキャラクタに他の図形(日傘)を付加したり、更に判定季節を文字のほかに季節感を持った図形(太陽)で表現するようにしている。図9(3)は、植物名が“サンセベリア”で、判定季節が“春”の場合で、キャラクタを現在の植物の育成環境(水分不足や土壌の乾燥具合)に応じて萎れた状態に変形加工したり、満開の桜の花が散る様子で育成の異常を表現したり、更に判定季節を文字のほかに季節感を持った図形(桜)で表現するようにしている。
【0040】
以上のように、第1実施形態において携帯電話機1は、育成環境を検出する環境センサ(温度センサ、水分センサなど)を備えたセンサ装置2から受信取得した検出環境と、サーバ装置5から受信取得したその植物の季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、その判定季節に該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定するようにしたので、植物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、暦上の季節によらず、植物の育成環境に応じて育成情報を変更することができ、例え、屋内育成であってもその屋内環境にマッチした育成が可能となり、かつ異常気象などにも対応することが可能となるなど、実用性に富んだものとなる。
【0041】
携帯電話機1は、季節に該当する育成情報を出力対象として特定した場合に、その育成情報に対応付けてその季節を表現する情報を出力するようにしたので、ユーザにあっては現在の育成環境がどのような季節に相当しているかを知ることができる。
【0042】
携帯電話機1は、育成アドバイスとして育成の仕方を表現した絵図(例えば、キャラクタ)を表示すると共に、季節を表現する情報として季節感をイメージさせる図形を表示するようにしたので、視覚的に理解し易く変化に富んだ表示が可能となる。
【0043】
携帯電話機1は、植物周辺の気温を検出する温度センサ2dにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶しているセンサ装置2から気温に関する複数の検出環境を時系列な気温の変化として受信すると共に、受信した時系列な気温の変化からその最低気温あるいは最高気温を決定し、この最低気温あるいは最高気温と、サーバ装置5から受信取得したその植物の気温に関する季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定するようにしたので、暦によらず、気温から季節を判定することができ、屋内育成の場合でもその屋内温度にマッチした育成が可能となる。
【0044】
携帯電話機1は、植物が植えられている土壌の乾き具合を検出する水分センサ2gにより定期的に検出された水分に関する複数の検出環境を順次記憶しているセンサ装置2からその複数の検出環境を時系列な土壌の乾き具合として受信すると共に、受信した時系列な土壌の乾き具合に基づいて、育成情報として水やりに関する情報を出力対象として特定するようにしたので、現在に限らず、過去の乾燥具合に基づいて水やりの有無を決定することができ、適切な育成アドバイスが可能となる。したがって、気温が低く植物が休眠しているような環境下でも常時、空調による管理下にある環境では水やりを与える方が良いために、水やりをアドバイスすることができる。
【0045】
なお、上述した第1実施形態においては、サーバ装置5側に植物用育成データベース6を備えるようにしたが、携帯電話機1側に植物用育成データベース6を備えるようにしてもよい。このように植物用育成データベース6を携帯電話機1側に備えることにより携帯電話機1は、サーバ装置5を介さずに季節別育成基本情報を得ることが可能となる。ここで、植物用育成データベース6を携帯電話機1内に記憶しておく場合に限らず、SDカードなどの記録メディアを介して外部供給するようにしてもよい。
【0046】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図10〜図12を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態は、携帯電話機1側において季節を判定して該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定するようにしたが、この第2実施形態においては、サーバ装置5側において季節を判定して該当する育成情報(育成アドバイス)を出力対象として特定するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0047】
図10は、第2実施形態におけるサーバ装置5の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU21は、電源部22からの電力供給によって動作し、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこのサーバ装置5の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部23には、図12に示した動作手順に応じて第2実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されている。CPU21にはその周辺デバイスとして通信部24。表示部25、操作部26が接続されている。そして、この第2実施形態におけるサーバ装置5は、センサ装置2で検出された植物の検出環境を携帯電話機1、無線通信網3、インターネット4を介して受信取得すると共に、植物用育成データベース6を検索してその植物に応じた季節別育成基本情報を取得する。そして、センサ装置2で検出された検出環境と植物用育成データベース6から取得した季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、この判定季節に該当する育成情報を出力対象として特定して、携帯電話機1に送信するようにしている。
【0048】
図11は、携帯電話機1の全体動作のうち、第2実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、図6と同様に一定時間(例えば、1分)毎の割り込みにより実行開始される。なお、この図11のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
先ず、CPU11は、予め設定されている所定時刻(例えば、朝の8時00分)に達したか、つまり、センサ装置2への要求タイミングに達したかを調べ(ステップA21)、その要求タイミングでなければ(ステップA21でNO)、図11のフローから抜けるが、要求タイミングであれば(ステップA21でYES)、センサ装置2に対してデータ送信の要求コマンドを自己の端末IDと共に送信する(ステップA22)。そして、センサ装置2側から植物の育成環境(検出環境)を受信すると(ステップA23)、受信した検出環境を自己の端末IDと共に、サーバ装置5に送信した後(ステップA24)、サーバ装置5からの応答待ち状態となる(ステップA25)。
【0049】
図12は、第2実施形態において、サーバ装置5側の動作概要を示したフローチャートで、携帯電話機1からデータを受信する毎に実行開始される。
先ず、サーバ装置5は、携帯電話機1から植物名、検出環境、端末IDを受信すると、受信した植物名に基づいて植物用育成データベース6を検索し(ステップC1)、その植物に該当する季節別育成基本情報を読み出す(ステップC2)。そして、サーバ装置5は、センサ装置2から携帯電話機1を介して受信した検出環境と、植物用育成データベース6から読み出した季節別育成基本情報に基づいて、上述した第1実施形態と同様の季節判定処理を実行する(ステップC3)。
【0050】
そして、この季節判定処理の実行後は、育成アドバイス生成処理に移る(ステップC4)。この育成アドバイス生成処理は、第1実施形態と同様、図7及び図8のフローにしたがって実行される。このような育成アドバイス生成処理が終わると、アドバイス有りフラグは“オフ”されているかを調べ(ステップC5)、アドバイス有りフラグが“オフ”されていれば(ステップC5でYES)、育成情報(育成アドバイス)を付加しないキャラクタとして、例えば、図9(1)に示すように、植物名、判定季節、植物を表したキャラクタを携帯電話機1に送信する(ステップC6)。また、アドバイス有りフラグが“オン”されていれば(ステップC5でNO)、育成情報(育成アドバイス)を付加したキャラクタとして、例えば、図9(2)あるいは(3)に示すように、植物名、判定季節、育成アドバイス付きのキャラクタを携帯電話機1に送信する(ステップC7)。
【0051】
携帯電話機1は、サーバ装置5からのキャラクタを受信すると(図11のステップA25でYES)、そのキャラクタを表示部16(端末画面)に表示させる(ステップA26)。この場合、育成アドバイス付きでなければ、図9(1)に示すような端末画面が表示され、育成アドバイス付きであれば、図9(2)あるいは(3)に示すような端末画面が表示される。
【0052】
以上のように、第2実施形態においてサーバ装置5は、センサ装置2で検出された植物の検出環境と植物用育成データベース6から取得した季節別育成基本情報に基づいて、その植物にとってどのような季節に相当しているかを判定し、この判定季節に該当する育成情報を出力対象として特定して、携帯電話機1に送信するようにしたので、携帯電話機1は、センサ装置2で検出された検出環境をサーバ装置5に転送するだけでよく、サーバ装置5側で季節判定処理及び育成アドバイス生成処理が実行されるため、携帯電話機1の負担を大幅に軽減することができる。この第2実施形態においても第1実施形態と同様に、植物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する場合に、その季節を暦によらず、植物の育成環境に応じて変更することができ、例え、屋内育成であってもその屋内環境にマッチした育成が可能となり、かつ異常気象などにも対応することが可能となる。
【0053】
なお、上述した各実施形態においては、気温に基づいて季節を判定するようにしたが、気温のほかに湿度などを考慮して季節を判定するようにしてもよい。また、上述した各実施形態においては、季節に応じた育成情報(育成アドバイス)として、水やりを例に挙げたが、季節毎に肥料を施す場合や手入れする場合であっても同様に適用可能である。また、キャラクタ表示に限らず、アイコンなど、表現力が豊かなその他の絵図を表示するようにしてもよい。
【0054】
また、上述した各実施形態においては、カメラ機能に拡張現実技術(AR)を組み合わせることで体感的、体験的方法を用い、ユーザにアドバイスするようにしてもよい。すなわち、撮像部15により育成対象の植物を撮影すると、その植物付近のセンサ装置2から検出環境を受信取得して、上述の季節判定処理、育成アドバイス生成処理を行い、その結果、育成アドバイスを付加したキャラクタを撮影画像内に表示させるようにしてもよい。この場合、ARキャラクタによる擬人化された助言提示形態により、意思表示のできない植物に、あたかも意思や人格が存在するかのように感じられるようにしてもよい。これによってキャラクタを介し植物の感情を疑似体験する情緒的価値と、植物管理育成の困難さが軽減される現実的価値をユーザに提供することができるようになる。
【0055】
また、上述した各実施形態においては、育成対象として植物を示したが、鑑賞魚、インコや文鳥などの鳥類、犬、猫などであってもよい。この場合、ペットの飼育部屋の環境や水槽環境などを測定するようにしてもよく、更に犬や猫などの首輪部分にセンサ装置2を備えたり、水槽内にセンサ装置2を備えたりすればよいが、それに限らないことは勿論である。
【0056】
また、上述した各実施形態においては、携帯電話機に適用した場合を示したが、情報端末装置としては、PDA(個人向け携帯型情報通信機器)、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、PC(パーソナルコンピュータ)などであってもよい。
【0057】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0058】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置であって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報端末装置において、
前記特定手段により季節に該当する育成情報を出力対象として特定された場合に、その育成情報に対応付けてその季節を表現する情報を出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報端末装置において、
前記出力手段は、前記育成情報として育成の仕方を表現した絵図を表示すると共に、前記季節を表現する情報として季節感をイメージさせる図形を表示する、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報端末装置において、
前記育成対象物は、植物であり、
前記受信手段は、植物周辺の気温を検出する温度センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置から気温に関する複数の検出環境を時系列な気温の変化として受信し、
前記判定手段は、前記受信手段により受信した時系列な気温の変化からその最低気温あるいは最高気温を決定し、この最低気温あるいは最高気温と前記取得手段により取得した気温に関する季節別育成基本情報に基づいて、当該植物にとってどのような季節に相当しているかを判定する、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報端末装置において、
前記受信手段は、更に植物が植えられている土壌の乾き具合を検出する水分センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置からその複数の検出環境を時系列な土壌の乾き具合として受信し、
前記特定手段は、前記判定手段により判定された季節と前記受信手段により受信された時系列な土壌の乾き具合に基づいて、前記育成情報として水やりに関する情報を出力対象として特定する、
ようにしたことを特徴とする情報端末装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置に通信接続され、前記育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する育成管理システムであって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
前記特定手段により出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に対して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする育成管理システムである。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、
コンピュータに対して、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する機能と、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、
コンピュータに対して、
育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
前記出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0059】
1 携帯電話機
2 センサ装置
2d 外気温度センサ
2g 水分センサ
2e 近距離通信部用のアンテナ
3 無線通信網
4 インターネット
5 管理装置(サーバ装置)
6 植物用育成データベース
11、21 CPU
13、23 記憶部
13A 過去データ保存部
14 無線通信部
16 表示部
17 操作部
18 近距離通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置であって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記特定手段により季節に該当する育成情報を出力対象として特定された場合に、その育成情報に対応付けてその季節を表現する情報を出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記育成情報として育成の仕方を表現した絵図を表示すると共に、前記季節を表現する情報として季節感をイメージさせる図形を表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項2に記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記育成対象物は、植物であり、
前記受信手段は、植物周辺の気温を検出する温度センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置から気温に関する複数の検出環境を時系列な気温の変化として受信し、
前記判定手段は、前記受信手段により受信した時系列な気温の変化からその最低気温あるいは最高気温を決定し、この最低気温あるいは最高気温と前記取得手段により取得した気温に関する季節別育成基本情報に基づいて、当該植物にとってどのような季節に相当しているかを判定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報端末装置。
【請求項5】
前記受信手段は、更に植物が植えられている土壌の乾き具合を検出する水分センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置からその複数の検出環境を時系列な土壌の乾き具合として受信し、
前記特定手段は、前記判定手段により判定された季節と前記受信手段により受信された時系列な土壌の乾き具合に基づいて、前記育成情報として水やりに関する情報を出力対象として特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の情報端末装置。
【請求項6】
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置に通信接続され、前記育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する育成管理システムであって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
前記特定手段により出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に対して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする育成管理システム。
【請求項7】
コンピュータに対して、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する機能と、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータに対して、
育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
前記出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置であって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記特定手段により季節に該当する育成情報を出力対象として特定された場合に、その育成情報に対応付けてその季節を表現する情報を出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記育成情報として育成の仕方を表現した絵図を表示すると共に、前記季節を表現する情報として季節感をイメージさせる図形を表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項2に記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記育成対象物は、植物であり、
前記受信手段は、植物周辺の気温を検出する温度センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置から気温に関する複数の検出環境を時系列な気温の変化として受信し、
前記判定手段は、前記受信手段により受信した時系列な気温の変化からその最低気温あるいは最高気温を決定し、この最低気温あるいは最高気温と前記取得手段により取得した気温に関する季節別育成基本情報に基づいて、当該植物にとってどのような季節に相当しているかを判定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報端末装置。
【請求項5】
前記受信手段は、更に植物が植えられている土壌の乾き具合を検出する水分センサにより定期的に検出された複数の検出環境を順次記憶している前記センサ装置からその複数の検出環境を時系列な土壌の乾き具合として受信し、
前記特定手段は、前記判定手段により判定された季節と前記受信手段により受信された時系列な土壌の乾き具合に基づいて、前記育成情報として水やりに関する情報を出力対象として特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の情報端末装置。
【請求項6】
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する情報端末装置に通信接続され、前記育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を管理する育成管理システムであって、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する取得手段と、
前記受信手段により受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する特定手段と、
前記特定手段により出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に対して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする育成管理システム。
【請求項7】
コンピュータに対して、
育成対象物の種類と季節との相関関係に応じてその育成情報を出力する機能と、
前記育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータに対して、
育成対象物の育成環境を検出する環境センサを備えたセンサ装置からその環境センサで検出された検出環境を取得する情報端末装置から当該検出環境をネットワークを介して受信する機能と、
前記育成対象物の検出環境を受信した場合に、その育成対象物の種類に応じた季節別育成基本情報を取得する機能と、
前記受信した育成対象物の検出環境と前記取得手段により取得した育成対象物の季節別育成基本情報に基づいて、当該育成対象物にとってどのような季節に相当しているかを判定する機能と、
前記判定された季節に該当する前記育成情報を出力対象として特定する機能と、
前記出力対象として特定された育成情報を前記情報端末装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−51926(P2013−51926A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192696(P2011−192696)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
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