説明

情報端末装置

【課題】複数のタッチパネルを持つ情報端末装置において、アプリケーション毎によるタッチパネルの使い分けについて言及されておらず、常に複数のタッチパネルを動作させる構成であり、特に2つのタッチパネルそれぞれの入力を検知する際の誤入力防止方法について考慮されていなかった。
【解決手段】複数のタッチパネルの動作モードを、情報端末装置の設定あるいは動作しているアプリケーションの種類や動作状態により、個別モード、結合モードのように動作モードを自動的に切替える構成とした。さらに、ユーザー操作を誤操作かどうか判定する誤操作判定手段を設ける構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力指示を行うためのタッチパネルを複数備えた情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA、カーナビゲーション機器など情報端末装置において、入力デバイスとしてポインティングデバイスやタッチパネルを備えたものが増えてきている。タッチパネルを備えた情報端末装置において、ユーザーは表示装置に表示された操作パネルやアイコンを、タッチパネルを介して触れることによって機器を操作することができる。
【0003】
また、情報端末装置の高機能化への対応や操作性の改善などを目的として複数のタッチパネルを備えた情報端末装置も提案されている。特許文献1には、複数のタッチパネルを備えた情報端末装置において、個々のタッチパネルをそれぞれ個別に操作する方法に加えて、複数のタッチパネルを1枚のタッチパネルのように操作できる方法が開示されている。
【0004】
図15は、特許文献1における情報端末装置を示す図である。情報端末装置31は、入力手段として2つのタブレット32およびタブレット33を有する折りたたみ式の情報端末装置であり、2つのタブレットの間に不連続領域34があって、タブレット32あるいはタブレット33のいずれかに、不連続領域34に接するようにペン33が接触状態であるか、非接触状態であるかを検出する検出手段35、36を有する構成である。
【0005】
ここで、ペン33を点Aから点Bへ動かした場合、検出手段35の検出出力に基づいて、ペン33がタブレット32に接触した状態の後に、非接触となり、検出手段36によりタブレット33に接触したことを検出することで非接触状態の時間を算出する。そして、非接触状態の時間が予め決めていた時間以内であり、かつ、ペン33が検出手段35、36の検出領域を通過済みであると判断された時は、ペン33からの入力信号を連続したものとみなすことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−311757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の情報端末装置は、複数のタブレットやタッチパネルなどの入力手段に対する、アプリケーションの種類に応じた使い分けについて言及されておらず、常に複数の入力手段を動作させる構成である。特に複数の入力手段それぞれの入力を検知する際の誤入力防止方法について考慮されておらず、ユーザーの操作性に課題があった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ユーザーが使用するアプリケーションに応じた最適なタッチパネル入力手段を提供し、誤操作なしに高機能な操作を行うことができる複数のタッチパネルを備えた情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、表示装置上に複数のタッチパネルを備えた情報端末装置であって、動作しているアプリケーションを管理するアプリケーション管理部と、動作しているアプリケーションに対応したタッチパネル動作モードを保存するタッチパネル動作モード保存部と、動作しているアプリケーションに対応した前記タッチパネル動作モードに従って前記複数のタッチパネルに対応した複数の信号検出部からの入力信号を処理する制御部と、からなる構成を有する。
【0010】
この構成により、ユーザーは、使用するアプリケーションの種類に応じてタッチパネルの動作を変更することができ、複雑で高度な操作をすることができる。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するため、表示装置上に複数のタッチパネルを備えた情報端末装置であって、動作しているアプリケーションを管理するアプリケーション管理部と、動作しているアプリケーションの数に対応したタッチパネル動作モードを保存するタッチパネル動作モード保存部と、動作しているアプリケーションの数に対応した前記タッチパネル動作モードに従って前記複数のタッチパネルに対応した複数の信号検出部からの入力信号を処理する制御部と、からなる構成を有する。
【0012】
この構成により、ユーザーは、動作しているアプリケーションの数に応じてタッチパネルの動作を変更することができ、複雑で高度な操作をすることができる。
【0013】
本発明は、前記タッチパネル動作モードが第1のモードの場合、前記複数のタッチパネルをまたがる操作に対して、前記複数の信号検出部からの入力信号を連続した信号として処理を行い、前記タッチパネル動作モードが第2のモードの場合、前記複数の信号検出部からの入力信号を個別に処理するという構成を有する。
【0014】
この構成により、動作しているアプリケーションの数、あるいは使用するアプリケーションの種類や画面に応じて複数のタッチパネルの動作を最適にすることができるため、複数のアプリケーションを同時に動作させながらタッチパネルの操作をアプリケーション毎に個別に行うなど、ユーザーが使用するアプリケーションに応じた最適なタッチパネル入力手段を提供することができる。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するため、前記タッチパネル動作モードに基づいて、前記複数のタッチパネルをまたがる操作が誤操作であるか否かを判定する誤操作判定部をさらに有するという構成を有する。
【0016】
この構成により、ユーザーが使用するアプリケーションに応じて、誤操作なしに高機能な操作を行うことができるタッチパネル入力手段を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の情報端末装置によれば、ユーザーが使用するアプリケーションに応じて、誤操作なしに高機能な操作を行うことができる最適なタッチパネル入力手段を持つ情報端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における情報端末装置100の外観を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における情報端末装置100の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における情報端末装置100の動作を説明するフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における情報端末装置100においてタッチパネル動作モード保存部2に保存されている情報を示す図
【図5】本発明の実施の形態1においてアプリケーションAが動作している場合の情報端末装置100の表示および操作例を示す図
【図6】本発明の実施の形態1においてアプリケーションBが動作している場合の情報端末装置100の表示および操作例を示す図
【図7】本発明の実施の形態1において個別モードで動作するアプリケーションBの操作を説明する図
【図8】本発明の実施の形態2における情報端末装置200の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態2における情報端末装置200の動作を説明するフローチャート
【図10】本発明の実施の形態2における情報端末装置200におけるアプリケーションの例を示す図
【図11】本発明の実施の形態2における情報端末装置200の誤操作判定部9における誤操作判定のフローチャート
【図12】本発明の実施の形態3における情報端末装置300におけるアプリケーションの例を示す図
【図13】本発明の実施の形態3における情報端末装置300においてタッチパネル動作モード保存部2に保存されている情報を示す図
【図14】本発明の実施の形態3における情報端末装置300において複数のアプリケーションが動作している場合の誤操作を示す図
【図15】従来の情報端末装置の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の構成要素には同一符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における情報端末装置100の外観を示す図であり、図1(a)は情報端末装置100の側面図、図1(b)は情報端末装置100の上面図である。また、図2は、本発明の実施の形態1における情報端末装置100の構成を示すブロック図である。
【0021】
情報端末装置100は、例えばPDAや携帯電話等であり、アプリケーション管理部1と、タッチパネル動作モード保存部2と、タッチパネル3a、タッチパネル3bと、タッチパネル3aからの信号を検出する検出部4aと、タッチパネル3bからの信号を検出する検出部4bと、制御部5と、表示画面作成部6と、表示装置7と、保護板8とから構成されている。
【0022】
アプリケーション管理部1は、情報端末装置100にて動作する、例えばメール、ブラウザ、テレビ、ゲーム、写真ビューワ等のアプリケーションのうち、現在、どのアプリケーションが動作しているかを管理する。
【0023】
タッチパネル動作モード保存部2は、アプリケーション管理部1からの情報により決定されたタッチパネルの動作モードを保存する。
【0024】
タッチパネル3aおよびタッチパネル3bは、ユーザー操作を検知して、画面座標情報やジェスチャー情報として検出部4a及び検出部4bへ通知する。例えば、静電式のタッチパネルの場合には、一定時間毎にタッチパネルの静電容量の変化を検出しており、ユーザーの指がタッチパネルに触れることによる静電容量の変化を検知して、タッチパネルのどの部分に触れられているかを座標情報として通知する。
【0025】
検出部4aおよび検出部4bは、タッチパネル3aおよびタッチパネル3bからの画面座標情報やジェスチャー情報をそれぞれ検出して、制御部5に通知する。
【0026】
制御部5は、アプリケーション管理部1から動作しているアプリケーションを特定し、タッチパネル動作モード保存部2に保存された動作しているアプリケーションに対応したタッチパネル動作モードに基づいて、検出部4aおよび検出部4bから入力された検出信号に対する処理を行う。
【0027】
表示画面作成部6は、制御部5からの情報に基づいて表示装置7に表示する画面を作成する。
【0028】
表示装置7は、LCDや有機EL等の表示デバイスであり、表示画面作成部6で作成された画面を表示する。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態1における情報端末装置100の動作を説明するフローチャートである。図4は、タッチパネル動作モード保存部2に保存されている情報を示す図である。
【0030】
まず、制御部5は、検出部4aおよび検出部4bから入力された検出信号があるかどうかを判断する(ステップS101)。
【0031】
ここで、検出部4aおよび検出部4bのいずれかから検出信号が入力された場合(ステップS101、Yes)、制御部5は、現在実行中のアプリケーションの情報をアプリケーション管理部1から取得する(ステップS102)。
【0032】
一方、検出部4aまたは検出部4bのいずれかからも検出信号が入力されていない場合(ステップS101、No)、制御部5は、検出信号の有無の判断を繰り返す。
【0033】
次に、制御部5は、タッチパネル動作モード保存部2から実行中のアプリケーションに対応したタッチパネル動作モードを決定する(ステップS103)。
【0034】
次に、制御部5は、タッチパネル動作モードが個別モードであるか否かを判断する(ステップS104)。
【0035】
タッチパネル動作モードが個別モードである場合(ステップS104、Yes)、制御部5は、検出部4aおよび検出部4bからの情報を取得し(ステップS105)、取得した座標情報、ジェスチャー情報などを個別に処理し、アプリケーションに通知する(ステップS106)。つまり、制御部5は、検出部4aからの情報に基づく処理と検出4bからの情報に基づく処理とを独立して処理するため、表示装置7上で個別の座標情報として、あるいは各々異なるジェスチャー情報として検知することができる。
【0036】
一方、タッチパネル動作モードが個別モードでない場合、つまり、結合モードである場合(ステップS104、No)、制御部5は、検出部4aおよび検出部4bからの情報を取得し(ステップS107)、検出部4aおよび検出部4bの両方から検出情報があるかどうかを判断する(ステップS108)。
【0037】
ここで、検出部4aおよび検出部4bの両方から検出信号がない場合(ステップS108、No)、制御部5は、検出信号があった片方のタッチパネルからの情報として処理を行う(ステップS111)。
【0038】
一方、検出部4aおよび検出部4bの両方から検出信号がある場合(ステップS108、Yes)、制御部5は、その情報を連続した座標情報あるいは、連続したジェスチャー情報であるかどうかの判断を行う(ステップS109)。
【0039】
ここで、制御部5は、取得した情報を連続した情報であると判断した場合(ステップS109、Yes)、その座標情報、ジェスチャー情報をアプリケーションに通知するなどの処理を行う(ステップS110)。つまり、制御部5は、タッチパネル3a及びタッチパネル3bを1つのタッチパネルを操作しているものとして扱い、2つのタッチパネルにまたがる操作を、1つの操作として処理を行い、アプリケーションへ通知する。
【0040】
一方、制御部5は、取得した情報を連続した情報でないと判断した場合(ステップS109、No)、意味のない情報であると判断し、取得した情報を破棄する(ステップS112)。
【0041】
ステップS106(取得した情報を個別に処理する)、ステップS110(取得した情報を統合して処理する)、ステップS111(一方の入力情報として処理する)のいずれかの後、制御部5は、上記処理の結果として、画面表示情報を作成し(ステップS113)、表示画面7に表示させる(ステップS114)。
【0042】
本実施の形態では、図4に示すように、タッチパネル動作モード保存部2には、アプリケーションAはタッチパネルを結合モードで使用し、アプリケーションBは個別モードで使用するという情報が保存されている。
【0043】
アプリケーションAが起動された場合には、制御部5はタッチパネル動作モード保存部2に保存されている情報からアプリケーションAのタッチパネル動作モードを結合モードであると決定し、アプリケーションBが起動された場合には、個別モードであると決定する。
【0044】
図5は、アプリケーションAが動作している場合の情報端末装置100の表示及び操作例を示す図である。また、図6はアプリケーションBが動作している場合の情報端末装置100の表示及び操作例を示す図である。
【0045】
図5において、タッチパネル3aおよびタッチパネル3bは、結合モードで動作しており、ユーザーがタッチパネル3aおよびタッチパネル3bをまたぐ動作をしても、制御部5は検出部4aおよび検出部4bで検出された座標情報を連続した座標として処理を行う。
【0046】
例えば、写真ビューワのようなアプリケーションにおいて、タッチパネル上を指で弾くような動作をして前後の写真を表示するジェスチャー動作を行うとき、ユーザーは、2枚のタッチパネルがあることを全く意識することなく、タッチパネル上のどの位置を触って操作を行なっても構わない。つまり、ユーザーは片側のタッチパネルのみでの操作、両方のタッチパネルにまたがった操作を意識することなく、タッチパネルを用いた操作をすることができる。
【0047】
一方、図6において、タッチパネル3aおよびタッチパネル3bは個別モードで動作しており、制御部5は検出部4aおよび検出部4bで検出された座標情報をそれぞれ個別に処理を行う。例えば、3Dバーチャル空間上を移動するようなゲームを操作する場合、図7に示すように、2つのタッチパネルのジャスチャー操作をアバターの動作に割り当てることで、アバターの操作を簡便に行うことが可能となる。
【0048】
このように、本発明の実施の形態1によれば、ユーザーはアプリケーションの種類に応じて最適な入力方法によりタッチパネルの動作を行うことができ、アプリケーションの高機能化に応じた、複雑で高度な操作をすることができる。
【0049】
なお、本発明の実施の形態では、動作しているアプリケーションに応じてタッチパネルの動作モードを変更する例を示したが、1つのアプリケーション内でも表示している画面に応じてタッチパネルの動作モードを変更することも可能である。
【0050】
また、タッチパネル動作モード保存部2へ保存するアプリケーション毎のタッチパネル動作モードは、ユーザーが設定することも可能である。
【0051】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における情報端末装置200の構成を示すブロック図である。
【0052】
本実施の形態2における情報端末装置200は、本実施の形態1で説明した情報端末装置100に対して、誤操作判定部9を設けたことを特徴としている。
【0053】
誤操作判定部9は、アプリケーションが動作している際のタッチパネル動作モードにより検出部4aおよび検出部4bから検出された信号を誤操作であるかどうかを判定する。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態2における情報端末装置200の動作を説明するフローチャートである。本発明の実施の形態2で追加された処理は、ステップS121とステップS122である。
【0055】
タッチパネル動作モードが個別モードである場合、検出部4aおよび検出部4bから取得された情報を動作しているアプリケーションに基づき、制御部5は、誤操作であるかどうかを判定し(ステップS121)、誤操作であると判定された場合(ステップS121、Yes)には情報を破棄する(ステップS122)。誤操作でない場合(ステップS121、No)には、実施の形態1と同様の処理となる。
【0056】
これにより、動作しているアプリケーションのタッチパネル動作モードが個別モードの場合に、制御部5は、自動的にユーザー操作が誤操作であるかどうかを判断して検出部からの情報を処理することができる。
【0057】
図10は、本発明の実施の形態2における情報端末装置200におけるアプリケーションの例を示す図である。本実施の形態2では、動作しているアプリケーションとして対戦型のゲームの例を示している。また、図11は、本発明の実施の形態2における情報端末装置200の誤操作判定部9における誤操作判定のフローチャートである。
【0058】
図10に示すアプリケーションでは、各々のユーザーが操作するのはそれぞれ片側のタッチパネルのため、複数のタッチパネルをまたぐ動作を誤操作と判定すれば良く、例えば、タッチパネル3aとタッチパネル3bとをまたぐ動作21をした場合、タッチパネル3b側の入力信号は誤った入力信号である。このとき、検出部4a、検出部4bで検出された情報を、誤操作判定部9は、図11に示すフローチャートの処理に従って誤操作かどうかを判定する。
【0059】
まず、制御部5は、検出部4a、検出部4bにより入力情報を取得する(ステップS201)。
【0060】
次に、制御部5は、保存された座標情報がn個を超えているかどうかを判断する(ステップS202)
ここで、制御部5は、保存された座標情報がn個を超えていると判断した場合(ステップS202、Yes)、一番古い座標情報と取得した座標情報とを入れ替える(ステップS203)。
【0061】
一方、制御部5は、保存された座標情報がn個を超えていないと判断した場合(ステップS202、No)、n個になるまで追加保存する(ステップS204)。
【0062】
次に、制御部5は、最大n個の座標情報からn個目の座標情報が同一タッチパネル上にあるかどうかを判断する(ステップS205)。
【0063】
ここで、制御部5は、最大n個の座標情報からn個目の座標情報が同一タッチパネル上にあると判断した場合(ステップS206、Yes)、入力情報を有効なものとして処理する(ステップS207)。
【0064】
一方、制御部5は、最大n個の座標情報からn個目の座標情報が同一タッチパネル上にないと判断した場合(ステップS206、No)、情報を破棄する(ステップS208)。
【0065】
なお、n個の座標情報を用いたのは、入力された座標情報のばらつきを考慮したものであり、使用するタッチパネルの種類や設計に依存してnの値を決めることができる。
【0066】
上記処理により、操作しているタッチパネルの座標情報は有効に処理し、別のタッチパネルの座標情報は破棄することができる。
【0067】
このように、本発明の実施の形態2によれば、アプリケーションの高機能化に伴い、複雑になるユーザー動作をアプリケーションの動作に応じて誤操作判定を自動的に行うことにより、快適なユーザー操作を提供することが可能となる。
【0068】
なお、本実施の形態では、表示装置上に複数枚のタッチパネルを備えた情報端末装置として説明を行ったが、タッチパネルの代わりにタッチパッドなど別の入力装置を用い、表示装置と入力装置とを分離した構成にしても、本発明が有効であることは明らかである。
【0069】
(実施の形態3)
図12に、本発明の実施の形態3における情報端末装置300に係わるアプリケーションの例を示す図である。本実施の形態3における情報端末装置300は、本実施の形態2で説明した情報端末装置200と同じ構成であり、説明を省略する。
【0070】
本実施の形態3では、タッチパネル動作モード保存部の保存情報として、アプリケーション毎の設定と別に、情報端末装置自体の動作モードを設定している点が異なる。例えば、同時に表示しながら動作しているアプリケーションが複数あれば、情報端末装置自体の動作モードとして個別モードが設定され、動作しているアプリケーションが1つであれば、アプリケーション毎の設定に従うように設定されている。なお、この情報端末装置自体の動作モードの設定は、アプリケーションを同時に複数起動する際に自動的に設定される。
【0071】
図12では、テレビとメールとの2つのアプリケーションが表示されており、タッチパネルの動作モードは個別モードに設定されている。この場合、タッチパネル動作モード保存部2に保存されている情報は、図13に示されるようにアプリケーション毎の設定の他に、最優先設定として装置動作モードとして個別モードが設定されている。この場合には、動作しているアプリケーションに依存しているのではなく、情報端末装置の表示方法に依存して動作することになる。
【0072】
本発明により、このように2つのアプリケーションが同時に動作している場合に、それぞれのアプリケーションを個別に操作することが可能となる。
【0073】
また、この場合の誤操作判定としては、本実施の形態2で示したフローチャートによって判断することが可能である。
【0074】
さらに、図14に示すように、例えば、タッチパネル3aに対応して動作しているテレビアプリケーションのボリュームを操作している際に、タッチパネル3bに接触してしまい、その後、タッチパネル3aを再度操作するというように、タッチパネル3aとタッチパネル3bを連続して接触しながら複数回またぐ動作をした場合、接触し始めたタッチパネル3aの操作のみを有効とするのではなく、再度接触されたタッチパネル3aの操作も有効と判定し、タッチパネル3bでの操作を誤操作と判定することで、操作の継続性を確保することも可能である。
【0075】
このように、本発明の携帯情報端末は、アプリケーションの高機能化に伴い、複雑になるユーザー動作を、同時に動作しているアプリケーションの数に対応した装置動作モードやアプリケーション自体の動作に応じて誤操作判定を自動的に行うことにより、快適なユーザー操作を提供することが可能となる。
【0076】
なお、情報端末装置自体の動作モードの設定は、複数アプリケーションを同時起動時のユーザー設定情報として、ユーザーが設定することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の情報端末装置によれば、ユーザーが使用するアプリケーションに応じて、誤操作なしに高機能な操作を行うことができる最適なタッチパネル入力手段を提供することができ、複数のタッチパネルを備えたPDAや携帯電話等の電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0078】
1 アプリケーション管理部
2 タッチパネル動作モード保存部
3a、3b タッチパネル
4a、4b 検出部
5 制御部
6 表示画面作成部
7 表示装置
8 保護板
9 誤操作判定部
100、200、300 情報端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置上に複数のタッチパネルを備えた情報端末装置であって、
動作しているアプリケーションを管理するアプリケーション管理部と、
動作しているアプリケーションに対応したタッチパネル動作モードを保存するタッチパネル動作モード保存部と、
動作しているアプリケーションに対応した前記タッチパネル動作モードに従って、前記複数のタッチパネルに対応した複数の信号検出部からの入力信号を処理する制御部と、
を有することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
表示装置上に複数のタッチパネルを備えた情報端末装置であって、
動作しているアプリケーションを管理するアプリケーション管理部と、
動作しているアプリケーションの数に対応したタッチパネル動作モードを保存するタッチパネル動作モード保存部と、
動作しているアプリケーションの数に対応した前記タッチパネル動作モードに従って、前記複数のタッチパネルに対応した複数の信号検出部からの入力信号を処理する制御部と、
を有することを特徴とする情報端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タッチパネル動作モードが第1のモードの場合、前記複数のタッチパネルをまたがる操作に対して、前記複数の信号検出部からの入力信号を連続した信号として処理を行い、前記タッチパネル動作モードが第2のモードの場合、前記複数の信号検出部からの入力信号を個別に処理することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記タッチパネル動作モードに基づいて、前記複数のタッチパネルをまたがる操作が誤操作であるか否かを判定する誤操作判定部をさらに有することを特徴とする請求項3記載の情報端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate