説明

情報端末

【課題】状況に応じたサービスを情報端末が提供できるようにする。
【解決手段】 自端末に近接する少なくとも一つ以上の情報端末の位置情報を含む状況情報を取得する状況情報取得部と、前記状況情報に基づいて、前記自端末が通信する情報端末を選択する判断部と、前記判断部において選択された情報端末と通信で接続するための情報を含むサービス情報を取得するサービス情報取得部と、前記判断部において選択された情報端末と前記サービス情報を使用して通信を実行する実行部とを備えた情報端末である。上記構成により、正しく選択された情報端末の間でサービスを行うための通信を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状況に応じてサービスを提供する電子機器、或いは情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、コンテンツやライセンスをインターネット等を通じて販売するビジネス形態が出現し、今後、益々増加する傾向を示している。
【0003】
コンテンツとは文字、音声、映像、地図などを電子化したデータや、ゲームやソフトウェアなど、およびこれらの組み合わせである。コンテンツの再生とは、例えば文字や映像であればディスプレイに表示したり、音声であればスピーカーから音を出したり、ゲームやソフトウェアであればそれを実行することである。
【0004】
ライセンスとは、なんらかの許可を行うための情報であり、コンテンツの再生やダウンロード、蓄積の許可を行うための情報であったり、電子チケットのように特定の場所に入場することの許可を行ったり、電子クーポンのように割引価格での商品・役務の購入の許可を行うための情報である。
【0005】
また、従来、例えば、携帯電話の現在位置という状況を検出して、その位置の周辺の地図を表示するなどのサービスがある。また、携帯電話が通信状況を考慮して、フルレートからハーフレートへ帯域を落とすことが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような従来の携帯電話に対するサービスにおいては、携帯電話は基地局から送られてくる情報をそのまま表示することを行い、その情報が携帯電話の置かれている状況に構うことなく表示が行われていた。また、表示ができない情報を表示しようとしても、表示ができない旨のメッセージが出るだけであり、なぜ表示がされないのか、また、表示が行われるようになるためには、どのようにすればよいのかが携帯電話の利用者に指示されることがなかった。
【0007】
また、携帯電話などの携帯機器に音楽配信を行うことが行われているが、携帯機器において音楽を再生するためのライセンスは、料金を支払ったかどうかのみに着目しており、例えば、特定のアーティストのコンサートに入場した人間にのみライセンスを与えるなどのことができず、コンサートの付加価値を増大することができなかった。
【0008】
また、携帯機器を持った人間が移動するに従って、聴取する放送局の選択を手動で行わなければいけなかった。
【0009】
また、従来においては、携帯機器の近くにいる別の携帯機器の情報を受け取ることができず、例えば、人で混雑している場所で待ち合わせを行う場合に、待ち合わせの相手がどこにいるかを容易に知ることができなかった。
【0010】
このように、従来の電子機器、特に情報端末、及びそれを用いたサービスにおいて、現在の位置に応じた適切な指示や特定条件満足者に対する付加価値の付与など、様々な状況に応じて、その状況により適切なサービスを提供するようなことは行われていなかった。
【0011】
本発明は上記従来の不具合に鑑みてなされもので、その第1の目的は、それぞれの状況に応じてサービスを提供することのできる情報端末などの電子機器を提供することである。
【0012】
本発明の第2の目的は、情報端末などの電子機器へ送信された情報のうち、当該電子機器の状況に応じた情報を選別して表示し、利用者に、どのようにすればサービスの実行が可能になるかを知らしめ得るようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために本発明は、第一に、自端末に近接する少なくとも一つ以上の情報端末の位置情報を含む状況情報を取得する状況情報取得部と、前記状況情報に基づいて、前記自端末が通信する情報端末を選択する判断部と、前記判断部において選択された情報端末と通信で接続するための情報を含むサービス情報を取得するサービス情報取得部と、前記判断部において選択された情報端末と前記サービス情報を使用して通信を実行する実行部と、を備えた情報端末を提供する。
【0014】
上記構成により、正しく選択された情報端末の間でサービスを行うための通信を行うことが可能となる。
【0015】
第二に、前記サービス情報には、他の関連サービス情報の取得を推奨する推奨情報が含まれているようにした。
【0016】
これにより、後に配信するライセンスの入手するための宣伝効果を高めることが可能となる。
【0017】
第三に、前記サービス情報には、電子情報の取得もしくは供与のために必要な情報が含まれている、或いは前記選択された情報端末のIPアドレスが含まれているようにした。
【0018】
電子情報の取得とは、機器間で電子情報の受け渡しを行うかどうかの判断を受け取る側の機器が行ってから電子情報の受け渡しを行うことであり、また電子情報の供与とは、機器間で電子情報の受け渡しを行うかどうかの判断を渡す側の機器が行ってから電子情報の受け渡しを行うことである。電子情報の受け渡しを行うかどうかの判断を行うため、端末間の通信がより確実になる。また、サービス情報にIPアドレスを含むことにより、電子機器の近隣に存在する端末と通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、自端末に近接する少なくとも一つ以上の情報端末の位置情報を含む状況情報を取得する状況情報取得部と、前記状況情報に基づいて、前記自端末が通信する情報端末を選択する判断部と、前記判断部において選択された情報端末と通信で接続するための情報を含むサービス情報を取得するサービス情報取得部と、前記判断部において選択された情報端末と前記サービス情報を使用して通信を実行する実行部と、を備えた情報端末を提供する。これにより、正しく選択された情報端末の間でサービスを行うための通信を行うことが可能となる。
【0020】
また、前記サービス情報には、他の関連サービス情報の取得を推奨する推奨情報が含まれているようにしたため、後に配信するライセンスの入手するための宣伝効果を高めることが可能となる。
【0021】
また、前記サービス情報には、電子情報の取得もしくは供与のために必要な情報が含まれている、或いは前記選択された情報端末のIPアドレスが含まれているようにした。電子情報の取得もしくは供与のために必要な情報により電子情報の受け渡しを行うかどうかの判断を行うため、端末間の通信がより確実になる。また、サービス情報にIPアドレスを含むことにより、電子機器の近隣に存在する端末と通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1における電子機器の機能ブロック図
【図2】実施の形態1における電子機器の動作を説明するフローチャート
【図3】電子機器を実現する計算機の機能ブロック図
【図4】他の電子機器の状況情報を取得する電子機器の一例図
【図5】実施の形態1における電子機器の機能を複数の電子機器で実現する場合の一例の機能ブロック図
【図6】実施の形態2における電子機器の機能ブロック図
【図7】7 実施の形態2における電子機器の別の構成による機能ブロック図
【図8】実施の形態2における電子機器の動作を説明するフローチャート
【図9】実施の形態2における電子機器の別の構成による機能ブロック図
【図10】図9の構成による電子機器の動作を説明するフローチャート
【図11】実施の形態3における電子機器の機能ブロック図
【図12】実施の形態3におけるコンテンツの構成内容図
【図13】実施の形態3におけるライセンスの構成内容図
【図14】実施の形態3におけるイベント会場位置の記述の一例図
【図15】実施の形態3におけるイベント会場位置の記述の一例図
【図16】実施の形態3における電子機器の動作を説明するフローチャート
【図17】実施の形態3における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図18】実施の形態3における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図19】実施の形態3における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図20】実施の形態3における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図21】実施の形態3において状況情報正確性判断を行うための構成を示す部分ブロック図
【図22】実施の形態3における電子機器の機能ブロック図
【図23】実施の形態3においてライセンスの取り消しを行う際のライセンスの構成内容を示す図
【図24】実施の形態3においてライセンスの更新を行う際のライセンスの構成内容を示す図
【図25】実施の形態4におけるコンテンツの構成内容図
【図26】実施の形態4におけるライセンスの構成内容図
【図27】実施の形態4における電子機器の動作を説明するフローチャート
【図28】実施の形態4における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図29】実施の形態4における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図30】実施の形態4における電子機器の動作を説明するシーケンス図
【図31】通信伝送路より状況情報を取得する場合を説明する図
【図32】通信伝送路以外より状況情報を取得する場合を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図32を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電子機器の機能ブロック図を示す。図1において、100が電子機器の全体であり、101が状況情報取得部、102が判断部、103がサービス情報取得部、104が実行部である。
【0025】
状況情報取得部101は、動的な情報である状況情報を取得する。「動的」とは、取得時毎に情報の内容が変化する可能性があるか、あるいは、取得するまで情報の内容が確定しないことを意味する。また、「動的」な特殊な場合として、情報源が決まれば取得時毎に内容が変化しない場合もある同じ情報が得られるが、どの情報源から情報を得るのかが前もって決定されていない状態も含まれる。「状況情報」とは、電子機器の内部の状況や電子機器の外部の状況について情報である。したがって、例えば動的な情報である状況情報としては、電子機器の占有者が誰であるか、あるいは、周囲の温度、湿度、気圧などの情報が挙げられ、また、電子機器が通信伝送路に接続されている場合には、通信伝送路から得られる情報が挙げられる。また、情報源が決まれば取得時毎に同じ情報が得られるが、どの情報源から情報を得るのかが前もって決定されていないものの例としては、接続される通信伝送路の運営主体などが挙げられる。特に、通信伝送路によって提供される帯域や、通信伝送路を用いて通信を行った場合に、通信が切断された場合の状況である切断情報が一例として挙げられる。また、通信伝送路の運営主体から得られる通信料金も一例として挙げられる。また、電子機器の位置を示す位置情報や、移動の状況を示す移動情報がある。また、位置情報や移動情報には、過去にどのような経路を通過したか、また、どのような速度で通過したか、同じ地点を何回通過したかの履歴の情報によって例示される過去の状態を示す履歴情報も含まれる。更に、状況情報取得部101で取得される状況情報には、電子機器自身の状況情報に限らず、通信している他の機器の状態を示す動的な情報である状況情報が含まれる。特に、電子機器100が通信伝送路によって接続されている場合には、通信相手を識別する通信相手識別情報であってもよい。
【0026】
なお、位置情報や移動情報を得る手段としては、通信伝送路から基地局情報を得ること、GPS(全地球測位システム)衛星を用いて得ること、電子機器に搭載された速度センサーや加速度センサー等を用いて得ること、固定された機器である埋め込みタグとの間で近接通信を行って得ること、などがその例として挙げられる。
【0027】
判断部102は、状況情報取得部101にて取得された状況情報に基づいてサービスが実行可能か判断する。「サービス」とは、電子機器の特定の動作あるいは電子機器を用いて享受できる役務を意味し、例えば、電子機器の存在する周辺の地図を表示する動作、音楽をダウンロードし媒体に記録する動作、媒体に記録された音楽を再生する動作、あるいは、電子機器が表示するクーポンによる商品代金の割引の享受などが例として挙げられる。判断部102は、サービスが実行可能であるかを状況情報取得部101にて取得された状況情報に基づいて判断する。
【0028】
サービス情報取得部103は、サービスの実行のための情報であるサービス情報を取得する。すなわち、電子機器が特定の動作を実行するために必要な情報を取得する。例えば、特定の動作が地図を表示することであれば、地図データのURLを取得することや、音楽を蓄積するサーバのアドレスを取得するなどの動作を実行するために必要な情報を取得する。サービス情報は、電子機器100の内部に蓄えられている場合と、電子機器100の外部から取得する場合がある。電子機器100の外部から取得する場合としては、電子機器100の占有者が入力するアドレスをサービス情報として取得する場合や、電子機器100がサーバに問い合わせてサービス情報を取得する場合が例として挙げられる。
【0029】
サービスの実行のための情報であるサービス情報は、より具体的には、電子情報の取得または供与するための情報、或は電子情報を利用可能とするための情報である。
【0030】
電子情報とは、ライセンスの中でも電子マネー、電子チケット、電子クーポン等の電子バリューや、コンテンツ等の電子的に取り扱いうる情報を広く意味する。
【0031】
電子情報の取得とは、機器間で電子情報の受け渡しを行うかどうかの判断を受け取る側の機器が行ってから電子情報の受け渡しを行うことである。例えば携帯端末等の電子情報を利用したい利用者端末に状況情報取得部、判断部、サービス情報取得部、実行部、条件情報取得部があり、利用者端末自身でそれらの処理を行う。状況情報取得部で取得するのは利用者端末自身の状況情報である場合が多い。
【0032】
電子情報の供与とは、機器間で電子情報の受け渡しを行うかどうかの判断を渡す側の機器が行ってから電子情報の受け渡しを行うことである。例えば利用者端末と通信し、利用者端末に電子情報を供与するサーバに状況情報取得部、判断部、サービス情報取得部、実行部、条件情報取得部があり、サーバ側でこれらの処理を行う。状況情報取得部で取得するのは利用者端末の状況情報である場合が多い。
【0033】
電子情報の利用とは、文字や映像をディスプレイに表示、音声をスピーカーから出す、ゲームやソフトウェアの実行等のコンテンツの再生や、電子マネー、電子チケット、電子クーポン等の電子バリューを利用して消費することである。
【0034】
電子情報を利用可能とするためには、状況情報取得部で取得された状況情報が、ライセンス内に含まれる適合状況情報に適合すると判断部が判断する必要があり、そのための処理を行うことである。例えば暗号化やガードが掛けられた状態で配信された電子情報について、判断部にて適合すると判断された場合のみ、ライセンスに含まれる復号鍵を用いてコンテンツを復号化するなどの処理によりコンテンツが再生したり使用したりできるようになる。
【0035】
実行部104は、サービス情報を実行する。すなわち、特定の動作を実行するのに必要な情報を実行し、その特定の動作を電子機器に行わせることを行う。例えば、地図データの表示の場合には、地図データのURLから実際に地図データを取得することを行う。また、音楽を蓄積するサーバのアドレスから、そのアドレスへアクセスを行い、音楽をダウンロードする。
【0036】
図2は、本発明の電子機器100の動作を説明するフローチャートである。まず、ステップS201において、状況情報取得部101を用いて状況情報を取得する。次にステップS202において、判断部102を用いて状況情報取得部101で取得された状況情報に基づいてサービスが実行可能かどうかを判断する。もし実行可能でないと判断されれば処理を終了し、実行可能であると判断された場合には、ステップS203へ移行し、サービス情報取得部103を用いてサービス情報を取得する。そしてステップ204において、実行部104を用いて、取得されたサービス情報を実行する。
【0037】
このような電子機器100は、例えば、図3に示す計算機300を用いて実現することができる。計算機300は、CPU301、RAM302、ROM303、入出力部304からなり、これらが相互にバス305によって接続されている。
【0038】
ROM303には、図2に示したフローチャートの各ステップをCPU301に実行させるプログラムが格納され、RAM302にロードされCPU301によって処理がなされる。入出力部304は、状況情報を取得する状況情報取得部101を実現し、また、サービスの実行に伴う入出力を行う。
【0039】
図4は、他の電子機器400の状況情報に基づきサービス情報を実行する電子機器100を図示している。電子機器400が電子機器100と通信網通信伝送路401を介して接続されている。電子機器100においては、電子通信網通信伝送路401から得られる電子機器400の状況情報が状況情報取得部101によって取得され、サービスが実行可能であるかどうかが判断部102で判断され、サービス情報がサービス情報取得部103で取得され、実行部104でサービス情報が実行され、その結果が通信網通信伝送路401へ送信される状況が図示されている。
【0040】
通信網通信伝送路401から、例えば、電子機器400が通信を行っている基地局の情報により、電子機器400の位置情報が状況情報として得られる場合、状況情報取得部101は、位置情報を取得し、判断部でサービスが可能かどうかを、その位置情報に基づき判断することになる。例えば、サービスの内容が、特定の場所に電子機器400が存在すれば、あるライセンスを供与することであれば、電子機器400がその特定の場所に存在するかどうかを判断することになり、サービス情報取得部103では、例えば、電子機器400へライセンスを送信するための通信のIPアドレスとポート番号を得ることを行い、実行部104は、そのIPアドレスとポート番号とで識別される通信先へライセンスを供与することを行う。
【0041】
また、図1と図4とにおいては、一つの電子機器の内部に、処理部として、状況情報取得部101と、判断部102と、サービス情報取得部103と、実行部104とが配置されていたが、これらの処理部を複数の電子機器に分散或は分割して配置することも可能である。図5は、複数の電子機器にこれらの処理部を分割して配置した例を示す機能ブロック図であり、電子機器100に状況情報取得部101と判断部102とが配置され、電子機器100となんらかの通信路によって接続された電子機器500にサービス情報取得部103と実行部104とが配置されている。判断部102で判断された結果が、なんらかの通信路を通して電子機器100から電子機器500へ送信され、電子機器500の内部のサービス情報取得部103が、その判断結果に基づきサービス情報を取得することを行うようにもできる。なお、図5に示すように2つの電子機器に各部を配置したのは、あくまでも一例であり、3つ以上の電子機器に配置することも可能である。
【0042】
このような発明の実施の形態により、電子機器によって得られる状況情報に応じたサービスの実行が可能となり、例えば、電子機器へ送信された情報をそのまま表示することなく、電子機器の状況に応じた情報を選別して表示することが可能となる。
【0043】
(実施の形態2)
図6は、本発明における実施の形態2での電子機器100の機能ブロック図を示す。実施の形態1との違いは、条件取得部601が付加されている点である。従って、状況情報が通信伝送路から得られるものであることや、移動情報であること、あるいは、位置情報や、通信相手識別情報である点などや、状況情報が履歴情報であることや、自電子機器の状況であることや、通信している他の機器の状態を示すものであることは同様である。また、計算機300によって実現できる点も同じである。
【0044】
条件取得部601は、状況情報取得部101で取得された状況情報に応じてサービスを選択実行するための条件を取得する。すなわち、サービスが一つまたは複数ある状況において、その中からサービスを選択実行するための条件を取得することを行う。(サービスが複数ある状況における「実行」のことを「選択」と表記する場合がある)。例えば、サービスAに「電子機器が東京都品川区に存在すること」という条件が関連付けられている場合には、「電子機器が東京都品川区に在住すること」という条件を取得する。このような条件は、電子機器100の内部に蓄積され、その蓄積されているものを取得する場合と、サービスを特定するサービス識別子と関連付けて電子機器100の外部から送信され、その送信されたものから取得する場合がある。また、判断部102において、条件取得部601で取得された条件によってサービスが実行可能かどうかの判断の一材料とすることもできる。
【0045】
このように、条件取得部601を電子機器100が備えることにより、前もって定められたサービスではなく、提供できるサービスの内容を時々刻々に変化させることができ、状況情報によってサービスが実行可能かどうかを判断することが可能となる。
【0046】
また、図7に示すように、電子機器100は、要求取得部701を備えてもよい。要求取得部701は、状況情報に基づいて提供されるサービスの要求を取得する。「提供される」とは、実行可能かどうかが判断部102で判断され、サービス情報がサービス情報取得部103で取得され、実行部104で取得されたサービス情報を実行することである。また、「サービスの要求」とは、サービスの提供に対する要求であり、通常は、電子機器100の占有者が電子機器100を操作することにより発せられるが、他の電子機器より発せられる場合や、あらかじめ定義された条件が成立すれば電子機器より自動的に発せられる場合もある。
【0047】
このように電子機器100が条件取得部601や要求取得部701を備える場合の動作は、図8に示されるフローチャートに従う。ステップS201において、状況情報取得部101により状況情報を取得する。次にステップS801において、条件取得部601によりサービスを実行、あるいは、選択するための条件を取得する。このステップにより取得された条件が成立するかどうかにより、条件に関連付けられたサービスを絞り込むことができ、絞り込んだサービスの名前を電子機器100の占有者に提示することにより、不要なサービスが実行、あるいは、選択されることが無くなる。また、この条件は判断部102においてサービスが実行可能であるか判断するためにも用いることができる。また、占有者が要求取得部701を通してどのサービスが提供されたいかを検出することが可能となる。以下の処理は図2と同じである。なお、図8のフローチャートでは、ステップS201の後にステップS801を実行するとしたが、ステップS201とステップS801とには依存関係が無いので、ステップS801を実行してからステップS201を実行してもよく、また、ステップS201とステップS801とを並列実行してもよい。
【0048】
また、図9に示すように、電子機器100が要求取得部701を備える場合、条件情報取得部901を備えてもよい。条件情報取得部901は、判断部にてサービスの実行が不可と判断された場合に、サービスが可能となるための状況情報を取得する。ここでいう「状況情報」とは、状況情報取得部101で取得する状況情報や、判断部102で判断に用いられる状況情報とは意味が異なり、サービスが可能となるために成立することが必要な条件のことである。例えば、東京都品川区東品川4丁目に電子機器100が存在しなければ実行できないサービスが東京都港区で要求された場合には、判断部102によってサービスの実行が不可と判断されるが、このような状況において、「東京都品川区東品川4丁目に電子機器が存在すること」という条件が条件情報取得部901で取得される状況情報である。
【0049】
図10は、電子機器100が要求取得部701を備える場合の処理を説明するフローチャートである。基本的には、図8のフローチャートと同じであり、ステップS202においてサービスが実行可能でないと判断された場合に、ステップS1001とステップS1002とが実行される点が異なる。
【0050】
ステップS1001においては、サービスが可能となる状況情報を条件情報取得部901によって取得する。この取得の方法としては、判断部102でサービスの実行が不可と判断された状況を用いる方法がある。例えば、電子機器100が、東京都品川区東品川4丁目にあればサービスが実行可能である場合に、電子機器100が東京都港区に存在するため実行不可と判断された場合には、「東京都品川区東品川4丁目にあること」という条件が取得される。次のステップS1002において、取得された条件情報を表示する。あるいは、音声で電子機器100の占有者に知らせてもよく、占有者には、「東京都品川区東品川4丁目にあること」が、サービスが実行可能となる条件であることが知らされる。なお、通常は、電子機器100が東京都品川区東品川4丁目に存在するかどうかは、座標位置の比較によって行われるので、東京都品川区東品川4丁目という人間が理解できる文字列は条件の中には含まれない。そこで、「東京都品川区東品川4丁目に存在する」という条件を座標位置で表したものと「東京都品川区東品川4丁目に存在する」という文字列とを関連付けて電子機器100の中に蓄積し、座標位置で表した条件が不成立であれば、関連付けられた文字列を取得することになる。
【0051】
以下、ライセンスの取得または供与を行う本発明の実施形態について説明する。
【0052】
ここで、ライセンスの取得とは、機器間でライセンスの受け渡しを行うかどうかの判断を受け取る側の機器が行ってからライセンスの受け渡しを行うことである。例えば携帯端末等のライセンスを利用したい利用者端末に、状況情報取得部、判断部、サービス情報取得部、実行部、条件情報取得部があり、利用者端末自身でそれらの処理を行う。状況情報取得部で取得するのは利用者端末自身の状況情報である場合が多い。
【0053】
また、ライセンスの供与とは、機器間でライセンスの受け渡しを行うかどうかの判断を渡す側の機器が行ってからライセンスの受け渡しを行うことである。例えば利用者端末と通信し、利用者端末にライセンスを供与するサーバに、状況情報取得部、判断部、サービス情報取得部、実行部、条件情報取得部があり、サーバ側でこれらの処理を行う。状況情報取得部で取得するのは利用者端末の状況情報である場合が多い。
【0054】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における電子機器の機能ブロック図を示す。本形態はイベント会場限定のライセンスに関するものであり、前もって利用者は、所持する端末である電子機器により、あるアーティストの楽曲コンテンツを入手し、その後そのアーティストのイベント会場に移動してライセンスを入手して楽曲コンテンツが再生可能の状態となるものである。このライセンスはイベント会場内の端末にのみ配信される。図11において、1100は楽曲コンテンツを配信するコンテンツサーバである電子機器、1200はライセンスを供与するライセンスサーバである電子機器,1300は利用者がもつ利用者端末である電子機器である。コンテンツサーバ1100と利用者端末1300間、およびライセンスサーバ1200と利用者端末1300間は通信伝送路401を経由して通信を行う。コンテンツサーバ1100において、701が要求取得部、1101がコンテンツ配信部であり、1102がコンテンツデータベースである。ライセンスサーバ1200において101が状況情報取得部、102が判断部、103がサービス情報取得部、104が実行部、601が条件取得部、701が要求取得部であり、1201がサービス選択情報データベース、1202がサービス情報データベースである。利用者端末1300において、101が状況情報取得部、104が実行部、1301が暗号化情報状況出力部、1302がコンテンツ取得部、1303が蓄積メディアである。さらに1400はロケーションサーバ、1500は課金サーバ、1600はGPS衛星である。
【0055】
コンテンツサーバ1100は要求に応じて楽曲コンテンツの配信を行う。要求取得部701は楽曲コンテンツの取得の要求を受け、その要求に応じてコンテンツ配信部1101がコンテンツデータベース1102から楽曲コンテンツを読み出して配送する。コンテンツデータベース1102から読み出した楽曲コンテンツをコンテンツ配信部1101にて加工して配送する場合もある。本実施の形態では楽曲コンテンツの配信を行うコンテンツサーバ1100と楽曲コンテンツの保持を行うコンテンツデータベース1102を分離しているが、コンテンツサーバ1100内にコンテンツデータベース1102があっても良い。
【0056】
図12は楽曲コンテンツの内容を例示している。この例では、楽曲コンテンツはコンテンツID、コンテンツ本体、ライセンス情報、イベント情報、関連情報から構成される。コンテンツIDはコンテンツ毎に付番されたIDである。コンテンツ本体は例えばC2やDES等の方式で暗号化された楽曲データである。ライセンス情報は楽曲コンテンツに対応するライセンスに関する情報であり、例えば、ライセンスを販売しているホームページのURL等を含む。イベント情報は楽曲コンテンツのアーティストのイベントに関する情報であり、イベントの期間、場所等を含む。このイベントの場所とは住所等の利用者が読むことで理解する情報の他に、経度・緯度等のナビゲーションシステムに対して目的地の入力として与えることが可能な位置情報を含んでも良い。また、その他、楽曲コンテンツに関連する情報を保持している。
【0057】
ライセンスサーバ1200は、通信相手である利用者端末1300からライセンスの取得の要求を受けたとき、利用者端末1300がイベント会場内にいるならばライセンスの供与を行う。本実施例では「ライセンスの取得」とは、楽曲コンテンツの再生の許可を行う情報を取得することである。要求取得部701はライセンスの取得の要求を受け取る。ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101は利用者端末1300の位置情報の一つとしてGPS情報を受け取り、また、通信伝送路401から利用者端末1300の別の位置情報として基地局情報を受け取る。さらに利用者端末1300から受信したGPS情報はロケーションサーバへ送られ、そこで位置検出計算が行われ、利用者端末1300の位置情報を受け取る。条件取得部601はサービス選択情報データベース1201からライセンスを供与するための情報を取得する。本実施例ではライセンスを供与するための情報は、「利用者端末がアーティストのイベント期間中にイベント会場内に存在すること」というライセンスを供与するための条件とそれに関連する情報としてイベント期間とイベント会場の位置の情報である。判断部102は、状況情報取得部101にて取得された状況情報に基づいてライセンスの供与が実行可能か判断する。サービス情報取得部103はライセンスを供与するためにライセンスそのものをサービス情報データベース1202から取得する。実行部104は通信伝送路401を経由して利用者端末1300へライセンスを供与し、ライセンスの販売に関する課金処理を課金サーバ1500とともに行う。
【0058】
図13は供与されるライセンスの内容を例示している。ライセンスはライセンスID,コンテンツID,コンテンツ復号鍵、ライセンス配信条件から構成される。ライセンスIDはライセンス毎に付番されたIDである。コンテンツIDは対応するコンテンツのIDであり、一つのライセンスが複数のコンテンツに対応する場合もある。コンテンツ復号鍵は対応するコンテンツを暗号化された状態から復号するために使用する鍵である。ライセンス配信条件はライセンスの配信、販売、購入に関する条件であり、販売期間、決済方法、適合する状況情報(以下、「適合状況情報」という)等を含む。適合状況情報とはライセンスを供与するための条件とそれに関連する情報であり、ライセンスを供与するための条件は「ライセンスを要求する電子機器(利用者端末)がイベント期間中にイベント会場内にいる時にライセンス供与の要求をすること」であり、関連する情報はイベント期間情報、イベント会場位置情報である。イベント会場位置情報は図14に示すように円形を想定して中心位置の経度・緯度とその半径として記述したり、図15に示すようにポリゴンを想定して経度・緯度の点列を時計回りで記述したりする方法がある。
【0059】
利用者端末1300は、持ち運び可能な端末であり、コンテンツサーバ1100から楽曲コンテンツを取得し、ライセンスサーバ1200からライセンスを取得して楽曲コンテンツを復号して再生する。状況情報取得部101はGPS衛星1600からGPS情報を受け取る。暗号化状況情報出力部1301は状況情報取得部101で取得したGPS情報を暗号化して出力する。コンテンツ取得部1302は楽曲コンテンツを取得する。実行部104はライセンスの取得要求を出し、ライセンスを取得する。また、ライセンスの購入に関する課金情報を出力する。また、ライセンスに含まれる復号鍵によって楽曲コンテンツを復号して再生する。また、蓄積メディア1303に、取得した楽曲コンテンツおよびライセンスを蓄積するようにしても良い。蓄積メディア1303は利用者端末1300から取り外し可能であっても良い。
【0060】
通信伝送路401はコンテンツサーバ1100と利用者端末1300間およびライセンスサーバ1200と利用者端末1300間の通信伝送路であり、状況情報管理部2801を含む。状況情報管理部2801は利用者端末1300との通信で使用する基地局情報から利用者端末の位置を検出し出力することを行う。
【0061】
GPS衛星1600はGPS情報を送信する衛星であり、4個以上のGPS衛星からのGPS情報を利用者端末1300で受信し、位置検出計算を行うことで利用者端末1300の位置を検出することができる。図11では、この位置検出計算は、ロケーションサーバ1400で行われる。課金サーバ1500はライセンスの販売に関する課金処理を行う。
【0062】
図16は、本実施の形態における処理を説明するフローチャートである。まず、ステップS1601において、利用者端末1300からコンテンツサーバ1100へ楽曲コンテンツ配送の要求が行われる。次にステップS1602において、コンテンツサーバ1100から利用者端末へ暗号化楽曲コンテンツが配送される。次にステップS1603において、利用者端末1300をもつ利用者がイベント会場へ移動したとすると、次にステップS1604において、利用者端末1300からライセンスサーバ1200へ楽曲コンテンツのライセンス取得が要求される。次にステップS1605において、利用者端末1300が取得したGPS情報からライセンスサーバ1200とロケーションサーバ1400により位置検出、つまりGPSを利用した位置検出が行われる。次にステップS1606において、ライセンスサーバ1200により通信伝送路401から、基地局を利用した利用者端末1300の位置検出結果が取得される。次にステップS1607において、ライセンスサーバ1200によりライセンスを供与する条件に適合するかが判断される。次にステップS1608において、ライセンスサーバ1200から利用者端末1300へライセンスが供与される。次にステップS1609において、課金サーバ1500とライセンスサーバ1200と利用者端末1300とによって課金処理が行われる。次にステップS1610において、利用者端末1300で暗号化コンテンツが復号されて再生される。
【0063】
図17から図20は、本実施の形態の動作を説明する通信シーケンスである。図17のステップS1701からステップS1706までは図16のステップS1601からステップS1602までのコンテンツ配送処理に相当する。ステップS1701において、利用者が利用者端末1300のコンテンツ取得部1302へコンテンツIDを指定して楽曲コンテンツ配送要求を出す。次にステップS1702において、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302がコンテンツサーバ1100の要求取得部701へ通信伝送路401を経由して、コンテンツIDを指定して楽曲コンテンツ配送要求を出す。次にステップS1703において、コンテンツサーバ1100の要求取得部701がコンテンツサーバ1100のコンテンツ配信部1101へコンテンツIDを指定して楽曲コンテンツ配送要求を出す。次にステップS1704において、コンテンツサーバ1100のコンテンツ配信部1101がコンテンツデータベース1102から暗号化された楽曲コンテンツを読み出し、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302へ通信伝送路401を経由して、暗号化された楽曲コンテンツを配送する。次にステップS1705において、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302から利用者端末1300の蓄積メディア1303へ暗号化された楽曲コンテンツを蓄積する。次にステップS1706において、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302が暗号化された楽曲コンテンツからイベント情報を読み出し、利用者に表示する。ステップS1701からステップS1706の終了後、利用者は利用者端末1300をもってイベント会場へ移動する。
【0064】
図18のステップS1801からステップS1804までは図16のステップS1604の利用者端末1300からライセンスサーバ1200へのライセンス取得要求に相当する。ステップS1801において、利用者が利用者端末1300の実行部104へライセンスIDを指定してライセンス取得要求を出す。次にステップS1802において、利用者端末1300の実行部104がライセンスサーバ1200の要求取得部701へ通信伝送路401を経由して、ライセンスIDを指定してライセンス取得要求を出す。次にステップS1803において、ライセンスサーバ1200の要求取得部701がライセンスサーバ1200の判断部102へライセンスIDを指定してライセンス取得要求を出す。次にステップS1804において、ライセンスサーバ1200の判断部102がライセンスサーバ1200の条件取得部601へライセンスIDを指定してライセンスを供与する条件の取得要求を出す。
【0065】
図18のステップS1805からステップS1817までは図16のステップS1605のGPSを利用した利用者端末1300の位置検出処理に相当する。ステップS1805において、ライセンスサーバ1200の条件取得部601がサービス選択情報データベース1201からライセンスを供与するための条件を読み出し、ライセンスサーバ1200の判断部102へ送る。ライセンスを供与するための条件は図13下段に示す情報であり、イベント会場の位置情報を含む。次にステップS1806において、ライセンスサーバ1200の判断部102からライセンスサーバ1200の状況情報取得部101へ位置情報取得要求を送る。次にステップS1807において、ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101から利用者端末1300の暗号化状況情報出力部1301へ通信伝送路401を経由して、GPS情報取得要求を送る。次にステップS1807において、利用者端末1300の暗号化状況情報出力部1301から利用者端末1300の状況情報取得部101へGPS情報取得要求を送る。次にステップS1809において、利用者端末1300の状況情報取得部101にて4つ以上のGPS衛星1600からGPS情報を受信する。
【0066】
次にステップS1810において、利用者端末1300の状況情報取得部101から利用者端末1300の暗号化状況情報出力部1301へGPS情報を送る。次にステップS1811において、利用者端末1300の暗号化状況情報出力部1301でライセンスサーバ1200の公開鍵を用いてGPS情報を暗号化する。次にステップS1812において、利用者端末1300の暗号化状況情報出力部1301からライセンスサーバ1200の状況情報取得部101へ暗号化GPS情報を送る。次にステップS1813において、ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101でライセンスサーバ1200の秘密鍵を用いて暗号化GPS情報を復号化する。次にステップS1814において、ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101からロケーションサーバ1400へGPS情報とともに位置検出計算要求を送る。次にステップS1815において、ロケーションサーバ1400でGPS情報から位置検出計算を行う。次にステップS1816において、ロケーションサーバ1400からライセンスサーバ1200の状況情報取得部101へ利用者端末1300の位置情報を送る。次にステップS1817において、ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101からライセンスサーバ1200の判断部102へ利用者端末1300の位置情報を送る。
【0067】
図19のステップS1901からステップS1904までは図16のステップS1606の基地局を利用した利用者端末1300の位置検出処理に相当する。ステップS1901において、ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101から通信伝送路401の状況情報管理部2801へ位置情報取得要求を送る。次にステップS1902において、通信伝送路401の状況情報管理部2801で利用者端末1300が通信する基地局の情報を利用して、利用者端末1300の位置検出計算を行う。次にステップS1903において、通信伝送路401の状況情報管理部2801からライセンスサーバ1200の状況情報取得部101へ位置情報を送る。次にステップS1904において、ライセンスサーバ1200の状況情報取得部101からライセンスサーバ1200の判断部102へ利用者端末1300の位置情報を送る。図19のステップS1905は図16のステップS1607のライセンスを供与する条件に適合するかの判断処理に相当する。ステップS1905において、ステップS1817で得られたGPSを利用した利用者端末1300の位置検出結果およびステップS1904で得られた基地局を利用した利用者端末1300の位置検出結果から、ライセンスサーバ1200の判断部102で利用者端末1300の位置を計算し、さらにステップS1805で得られたイベント会場の位置情報から利用者端末1300がイベント会場内に存在するかどうかを判断し、存在する場合に以降のステップへ進む。図19のステップS1906からステップS1909までは図16のステップS1608のライセンスサーバ1200から利用者端末1300へのライセンスの供与に相当する。ステップS1906において、ライセンスサーバ1200の判断部102からライセンスサーバ1200のサービス情報取得部103へライセンスIDを指定してライセンス供与指示を出す。次にステップS1907において、ライセンスサーバ1200のサービス情報取得部103がサービス情報データベース1202から指定されたライセンスIDを持つライセンスを読み出し、ライセンスサーバ1200の実行部104に渡してライセンス供与指示を出す。次にステップS1908において、ライセンスサーバ1200の実行部104から通信伝送路401を経由して、利用者端末1300の実行部104へライセンスを供与する。次にステップS1909において、利用者端末1300の実行部104から利用者端末1300の蓄積メディア1303へライセンスを蓄積する。
【0068】
図20のステップS2001からステップS2005までは図16のステップS1609の課金処理に相当する。ステップS2001において、ライセンスサーバ1200の実行部104から通信伝送路401を経由し、利用者端末1300の実行部104へ課金情報要求を送る。次にステップS2002において、利用者端末1300の実行部104から通信伝送路401を経由し、ライセンスサーバ1200の実行部104へクレジット番号等の課金情報を送る。次にステップS2003において、ライセンスサーバ1200の実行部104から課金サーバ1500へ利用者のクレジット番号および販売したライセンスの販売価格を送り、課金処理を要求する。次にステップS2004において、課金サーバ1500で課金処理を行い、ライセンスサーバ1200の実行部104へ課金処理終了を通知する。次にステップS2005において、ライセンスサーバ1200の実行部104から利用者端末1300の実行部104へ通信伝送路401を経由し、電子レシートを送り、課金処理終了を通知する。図20のステップS2006からステップS2009までは図16のステップS1610における楽曲コンテンツの復号化と再生に相当する。ステップS2006において、利用者端末1300の実行部104が利用者端末1300の蓄積メディア1303から暗号化された楽曲コンテンツを読み出す。次にステップS2007において、利用者端末1300の実行部104が利用者端末1300の蓄積メディア1303からライセンスを読み出す。次にステップS2008において、利用者端末1300の実行部104がライセンスからコンテンツ復号鍵を取り出し、暗号化された楽曲コンテンツを復号化する。次にステップS2009において、利用者端末1300の実行部104が楽曲コンテンツを再生する。
【0069】
また、本実施の形態ではコンテンツサーバ1100とライセンスサーバ1200とロケーションサーバ1400と課金サーバ1500をすべて別個のサーバとしたが、これらのすべてまたは一部は同一の電子機器で構成されていてもよい。また、コンテンツデータベース1102はコンテンツサーバ1100の内部に存在してもよい。また、サービス選択情報データベース1201とサービス情報データベース1202はライセンスサーバ1200の内部に存在してもよい。また、ロケーションサーバ1400はライセンスサーバ1200側ではなく、利用者端末1300側に存在し、利用者端末1300で受信したGPS情報をロケーションサーバ1400で位置検出計算し、その結果をライセンスサーバへ送ってもよい。また、ロケーションサーバ1400は通信伝送路401内に存在し、利用者端末1300で受信したGPS情報をロケーションサーバ1400で位置検出計算し、その結果をライセンスサーバへ送ってもよい。また、本実施例はライセンスの供与の後に課金処理を行う後課金方式であるが、ライセンスの供与の前に課金処理を行う前課金方式でもよい。
【0070】
このような発明の実施の形態により、ライセンスサーバ1200が通信相手である利用者端末1300の位置情報を取得することにより、利用者端末1300の位置に応じたサービス、特にある特定の位置にいる利用者端末1300にのみ特別なサービスを提供することが可能となる。
【0071】
さらに利用者端末1300からライセンスサーバ1200へGPS情報を暗号化して送信することにより、利用者端末1300の存在する場所などのプライバシーにかかわる情報の漏洩を防止することが可能になる。本実施の形態以外に、例えば、状況情報取得部101と判断部102が同一の電子機器に配置されず、別々の電子機器に配置される場合には、状況情報取得部101で取得された状況情報を別の電子機器の判断部102に送信する必要がある。しかし、暗号化せずにそのまま状況情報を送信すると、第三者に不正に状況情報を取得されると、電子機器の存在する場所や、占有者が誰であるかなどのプライバシーにかかわる情報が漏洩してしまう可能性がある。そこで、状況情報取得部101から判断部102へ直接送信するのではなく、暗号化状況情報出力部を通して暗号化して状況情報を送信する。また、状況情報取得部101と判断部102が同一の電子機器に配置される場合であっても、例えば、電子機器がいままでどの位置に存在したかの位置の履歴情報を蓄積し、その蓄積された履歴情報を状況情報として判断部102が判断する場合には、履歴情報から電子機器の移動状況を知ることができ、やはり、プライバシーにかかわる情報が漏洩してしまう。そこで、状況情報取得部101で取得された状況情報を暗号化状況情報出力部によって暗号化して蓄積することにより、情報が漏洩してしまうことを防止することができる。
【0072】
さらにライセンスサーバ1200の取得する利用者端末1300のGPS情報は暗号化されたものであることにより、位置を偽り、特定の位置に利用者端末1300が存在しないと受けられないサービスを受けてしまうという行為を防止することが可能となる。本実施の形態以外に、例えば状況情報として、電子機器100の占有者の所持するICカードが発する情報である場合には、ICカードの発する情報を暗号化することにより、ICカードの偽造を防止することができる。また、位置情報を暗号化することにより、位置を偽り、特定の位置に電子機器100が存在しないと受けられないサービスを受けてしまうという行為を防止することが可能となる。
【0073】
さらにライセンスサーバ1200は利用者端末1300の位置を検出するために、通信伝送路401から得られる基地局情報と利用者端末1300から得られるGPS情報という複数の情報源から得られる情報を組み合わせ、これらの算出された位置情報が一致することを確認して位置情報を確定することにより、信頼性が高くかつ精度の高い状況情報を取得してサービスを行うことが可能となる。なお、地上局からの電波の強さから得られる位置情報とGPSから得られる位置情報とは誤差範囲が異なるため、「一致」といっても、完全に同じになることを意味するのではなく、情報源ごとに誤差範囲を考慮して一致するかどうかを判断することなる。
【0074】
これらの状況情報の暗号化や複数の状況情報の比較による状況情報の正確性の判断は、図21に示すように状況情報取得部101と判断部102との間に状況情報正確性判断部A01をさらに備え、状況情報取得部101で取得した状況情報の正確性を判断しても良い。また、信頼性ランク付与手段A02と精度ランク付与手段A03をさらに備え、状況情報の信頼性に対するランク付けや状況情報の精度に関するランク付けを行った結果を利用して状況情報の正確性を判断しても良い。
【0075】
状況情報の信頼性とは、状況情報取得部101で取得した状況情報が悪意の第三者、または悪意の利用者端末の利用者による改ざん、なりすまし等に対する保護の度合を表す。すなわち、信頼性ランクが高いとは、改ざん、なりすまし等が行わる可能性が低いことを意味し、例えば利用者端末1300のGPS情報がライセンスサーバ1200が取得する伝送途中に悪意の第三者によってGPS情報が書き換えられたり、悪意の利用者自らが位置を偽り、特定の位置にいるようななりすましを行うことができる可能性が低いことを意味する。
【0076】
信頼性ランク付与手段による信頼性ランクの付与の方法として、状況情報の情報源、または状況情報の取得経路、または状況情報の情報源とその取得経路の組み合わせに基づいて信頼性ランクの付与を行っても良い。ここでの状況情報の情報源とはどこから状況情報や状況情報を計測、計算するために必要な情報を入手したか、どこで状況情報を計測したか、どこで状況情報を計算処理したか等を表し、本実施例のGPS情報による位置情報においてはGPS衛星1600、利用者端末1300、ロケーションサーバ1400等、基地局情報による位置情報ではキャリア401等である。利用者端末1300においては悪意の利用者によりなりすましが行われる可能性があるために、情報源に利用者端末1300が含まれると信頼性ランクは低くなる。状況情報の取得経路は情報源から状況情報取得部101までの伝送経路を表し、本実施例のGPS情報による位置情報においてはGPS衛星1600、利用者端末1300、キャリア401、ライセンスサーバ1200、ライセンスサーバ1200間の伝送路等、基地局情報による位置情報ではキャリア401、ライセンスサーバ1200間の伝送路等である。利用者端末1300においては悪意の利用者によりなりすましが行われる可能性があるために、取得経路に利用者端末1300が含まれると信頼性ランクは低くなる。
【0077】
また、信頼性ランク付与手段による信頼性ランクの付与の方法として、状況情報の暗号化に基づいて信頼性ランクの付与を行っても良い。例えばPKI(Public Key
Infrastructure:公開鍵基盤)等の電子署名と暗号化技術を利用し、データの伝送路上における改ざんを防止し、さらに受信側にとって送信側が確実に当人であることを保証する。本実施例の基地局情報による位置情報ではキャリア401の電子署名を状況情報に付加することにより信頼性ランクは高くなる。
【0078】
状況情報の精度とは、状況情報取得部101で取得した状況情報の計測や計算処理の性質上、真実の状況情報にどれだけ近いのかの度合を表す。精度ランク付与手段による精度ランクの付与の方法として、状況情報の情報源に基づいて精度ランクの付与を行う。ここでの状況情報の情報源とは状況情報の計測や計算処理の方法を表し、本実施例のGPS情報による位置情報においては、誤差数m、基地局情報による位置情報では誤差数百m等である。誤差が小さい方に高い精度ランクを付与する。
【0079】
状況情報正確性判断部においては、状況情報の正確性の判断は、信頼性ランク付与手段によって付与された状況情報の信頼性ランク、または精度ランク付与手段によって付与された状況情報の精度ランク、または複数の手段情報源により取得した状況情報の比較した時の一致するかどうかの判断結果、またはこれらの組み合わせによって行われる。本実施例の利用者端末1300の位置を検出するために、複数の情報源から得られる状況情報を利用する。通信伝送路401から得られる基地局情報による信頼性ランクが高く、精度ランクが低い位置情報と、利用者端末1300から得られるGPS情報による信頼性ランクが低く、精度ランクの高い情報を組み合わせ、これらの算出された位置情報が一致することを確認して位置情報を確定することにより、信頼性が高くかつ精度の高い状況情報を取得することが可能となる。
【0080】
さらに本実施例でのライセンスはコンテンツを実行可能とする、つまりコンテンツを再生可能とするためのライセンスである。コンテンツとライセンスに分けて配信することにより、ライセンス提供者とコンテンツ提供者を分けることが可能となる。また、状況情報に応じてライセンスを配信することが可能となり、例えば、コンテンツは蓄積メディアに入れた状態で販売し、その後に状況情報に応じてライセンスを入手してコンテンツを実行することも可能である。さらにライセンスを電子チケットや電子バリューとして利用することで、コンテンツの配信に限らず、様々なサービスに対応することが可能となる。
【0081】
さらにコンテンツは暗号化して配信することにより、配信途中のセキュリティを確保し、配信後の不正コピーを防止することが可能となる。さらに、コンテンツは暗号化したまま蓄積し、ライセンスにコンテンツ復号鍵を含め、コンテンツの実行時のみコンテンツ復号鍵で復号することにより、ライセンスが存在する利用者端末1300でのみコンテンツが実行となり、コンテンツの不正使用を防止することが可能となる。
【0082】
さらに利用者端末1300はライセンスを取得する前に楽曲コンテンツを取得するが、利用者端末1300がコンテンツに含まれるライセンス情報とイベント情報を読み出して、「これはXXXというアーティストの楽曲コンテンツです。ライセンスを入手したい方は、以下のイベント会場へ行き、XXXというURLへアクセスして下さい。」というライセンスの取得のための情報を利用者に提示することにより、先にコンテンツを配信しておくことにより、ライセンスを入手するための宣伝効果が発生することになる。
【0083】
本実施例のライセンスは、特定のイベント会場内に利用者端末1300が存在するという条件を満たす場合のみ取得可能であり、またライセンスの取得が有償である場合もある。それに対してコンテンツは、例えばアーティストのホームページ等に掲載し、コンテンツのダウンロード自体は無償として、ホームページを閲覧した利用者は自由にダウンロード可能とする。このように先に配信するするコンテンツを利用者にとって取得が容易であるものにし、さらにコンテンツに関連するライセンスの取得を推奨する推奨情報をコンテンツに含めておくことにより、後に配信するライセンスの入手するための宣伝効果を高めることになる。
【0084】
また状況情報として、例えば位置情報の現在の値のみでなく過去の状態を蓄積するによって位置検出誤差が減少することより、利用者端末がイベント会場内かどうかの判別がより正確になり、あるいは、イベント会場にある回数以上入場した人にのみライセンスの供与を行うことも可能となる。
【0085】
またライセンスの供与のみでなく、利用者端末の状況情報によって既に保持しているライセンスを更新したり、逆にライセンスの取り消しを行うことも可能になる。例えば、サービス情報をライセンスの取り消しのための情報とすることにより、日本から出国した場合にライセンスを取り消すことが可能となり、国別の著作権の管理が容易となる。また、サービス情報をライセンスの更新のための情報とすることにより、例えば、特定のコンサート会場に入場することにより、ライセンスを更新することが可能となり、イベント会場への入場を促進することができる。
【0086】
ライセンスの取り消しを行う際のライセンスの内容を図22に例示している。この例では図26のライセンスの内容に対して、ライセンス取り消し条件が追加されている。ライセンス取り消し条件はライセンスの有効期間、適合状況情報等を含む。適合する状況情報とはライセンスの取り消しを行うための条件のうち、状況情報に関連する情報であり、ライセンス取り消し条件は「ライセンスを保持する電子機器(利用者端末)が日本国外へ出ること」であり、関連する情報は日本国位置情報である。この例ではライセンスが自分自身の取り消しの条件を含むが、ライセンスID等の指定による他のライセンスの取り消しの条件を含んでもよい。
【0087】
ライセンスの更新を行う際のライセンスの内容を図23に例示している。この例では図26のライセンスの内容に対して、ライセンス更新条件が追加されている。ライセンス更新条件はライセンスの更新内容、有効期間、適合状況情報等を含む。適合する状況情報とはライセンスの更新を行うための条件のうち、状況情報に関連する情報であり、ライセンス更新条件は「コンテンツを利用する電子機器(利用者端末)がイベント期間中にイベント会場内にいる時にコンテンツ利用の要求をすること」であり、関連する情報はイベント期間情報、イベント会場位置情報である。ライセンスが更新される場合は更新内容の情報に従い、例えば有効期限が延長されたりする。この例ではライセンスが自分自身の更新の条件を含むが、ライセンスID等の指定による他のライセンスの更新の条件を含んでもよい。
【0088】
また楽曲コンテンツに対するライセンスではなく、例えばアーティストに関する複数の特別情報コンテンツに対応する一つのライセンスを想定し、利用者端末はコンテンツよりも先にライセンスを取得しておくことで、ライセンスの購入は一度でその後一定期間は特別情報コンテンツを適時取得することが可能となる。
【0089】
またコンテンツの取得の前にライセンスの供与のための情報を取得して利用者に提示することでコンテンツのみを取得し、ライセンスを取得できないことを避けることが可能となる。また、このようなライセンスが供与されたがコンテンツが供与されないことを避ける別の方法として、ライセンス供与のための情報を提供した後に、コンテンツ配信部がライセンスの対象となるコンテンツを配信する方法も挙げることができる。
【0090】
(実施の形態4)
図24は、本発明の実施の形態4における電子機器の機能ブロック図を示す。本実施の形態においては、実施の形態3とは逆に、まず、ライセンスを取得し、その後、コンテンツを入手することを行う。また、本実施の形態のコンテンツとしては、ビデオコンテンツを例として用いて説明する。すなわち、本実施の形態は、イベント会場限定のコンテンツの配信に関するものであり、利用者が、所持する端末により、あるアーティストのビデオコンテンツのライセンスをまず取得し、その後そのアーティストのイベント会場に移動してビデオコンテンツを入手しながらストリーム再生する。このビデオコンテンツはイベント会場内の端末にのみ配信される。図24において、1100はビデオコンテンツを配信するコンテンツサーバである電子機器、1200はライセンスを供与するライセンスサーバである電子機器,1300は利用者がもつ利用者端末である電子機器である。コンテンツサーバ1100と利用者端末1300間、およびライセンスサーバ1200と利用者端末1300間は通信伝送路401を経由して通信を行う。コンテンツサーバ1100において、701が要求取得部、1101がコンテンツ配信部であり、1102がコンテンツデータベースである。ライセンスサーバ1200において103がサービス情報取得部、104が実行部、701が要求取得部であり、1202がサービス情報データベースである。利用者端末1300において、101が状況情報取得部、102が判断部、104が実行部、601が条件取得部、1302がコンテンツ取得部、1303が蓄積メディアである。さらに1400はロケーションサーバ、1500は課金サーバ、1600はGPS衛星である。
【0091】
コンテンツサーバ1100は実施の形態3のコンテンツサーバ1100と同様であるが、コンテンツとしてストリーミングに対応したビデオデータを持つ。 図25はビデオコンテンツの内容を例示している。この例では、ビデオコンテンツはコンテンツID、コンテンツ本体、関連情報から構成される。コンテンツIDはコンテンツ毎に付番されたIDである。コンテンツ本体は例えばC2やDES等の方式で暗号化されたビデオデータである。その他、ビデオコンテンツに関連する情報をもつライセンスサーバ1200は要求に応じてライセンスの供与を行う。要求取得部701はライセンスの取得の要求を受け取る。サービス情報取得部103はライセンスを供与するためにライセンスそのものをサービス情報データベース1202から取得する。実行部104は通信伝送路401を経由して利用者端末1300へライセンスを供与し、ライセンスの販売に関する課金処理を課金サーバ1500とともに行う。
【0092】
図26はライセンスの内容を例示している。この例では、ライセンスはライセンスID,コンテンツID,コンテンツ復号鍵、コンテンツ配信条件、コンテンツ利用条件から構成される。ライセンスIDはライセンス毎に付番されたIDである。コンテンツIDは対応するコンテンツのIDであり、一つのライセンスが複数のコンテンツに対応する場合もある。コンテンツ復号鍵は対応するコンテンツを暗号化された状態から復号するために使用する鍵である。コンテンツ配信条件はコンテンツの配信、販売、購入に関する条件であり、販売期間、決済方法、適合状況情報等を含む。コンテンツ利用条件はコンテンツの利用に関する条件であり、コピー制御、再生制御、適合状況情報等を含む。適合状況情報とはコンテンツを利用するための条件のうち、状況情報に関連する情報であり、コンテンツを利用するための条件は「コンテンツを利用する電子機器(利用者端末)がイベント期間中にイベント会場内にいる時にコンテンツ利用の要求をすること」であり、関連する情報はイベント期間情報、イベント会場位置情報である。イベント会場位置情報は実施の形態3と同様に図14や図15のように記述したりする。
【0093】
利用者端末1300は、持ち運び可能な端末であり、ライセンスサーバ1200からライセンスを取得し、コンテンツサーバ1100からビデオコンテンツを取得し、利用者端末1300がイベント会場内にいるならばビデオコンテンツを復号して再生する。状況情報取得部101はGPS衛星1600からGPS情報を受け取り、それをロケーションサーバへ送り、そこで位置検出計算が行われ、利用者端末1300の位置情報を受け取る。条件取得部601は蓄積メディア1303からコンテンツを利用するための情報を取得する。本実施例ではコンテンツを利用するための情報は、「利用者端末がアーティストのイベント期間中にイベント会場内に存在すること」というコンテンツを利用するための条件とそれに関連する情報としてイベント期間とイベント会場の位置の情報である。判断部102は、状況情報取得部101にて取得された状況情報に基づいてコンテンツの利用が実行可能か判断する。実行部104はコンテンツの取得および利用するための情報を蓄積メディア1303から取得する。また、コンテンツの取得要求をコンテンツ取得部1302へ出し、コンテンツを取得する。また、ライセンスの購入に関する課金情報を出力する。また、ライセンスに含まれる復号鍵によってビデオコンテンツを復号して再生する。コンテンツ取得部1302はコンテンツサーバ1100からビデオコンテンツを取得する。蓄積メディア1303は取得したライセンスを蓄積する。蓄積メディア1303は利用者端末1300から取り外し可能であっても良い。
【0094】
通信伝送路401とGPS衛星1600とロケーションサーバ1400と課金サーバ1500は実施の形態3と同様である。ただし実施の形態3における通信伝送路401の状況情報管理部2801は本実施例では存在しなくてもよい。
【0095】
図27は、本実施の形態の処理を説明するフローチャートである。まず、ステップS2401において、利用者端末1300からライセンスサーバ1200へビデオコンテンツのライセンス取得が要求される。次にステップS2402において、課金サーバ1500とライセンスサーバ1200と利用者端末1300で課金処理が行われる。次にステップS2403において、ライセンスサーバ1200から利用者端末1300へライセンスが供与される。次にステップS2404において、利用者端末1300をもつ利用者がイベント会場へ移動すると、次にステップS2405において、利用者端末1300が取得したGPS情報からロケーションサーバ1400により位置検出、つまりGPSを利用した位置検出が行われる。次にステップS2406において、利用者端末1300によりコンテンツを利用する条件に適合するかが判断される。次にステップS2407において、利用者端末1300からコンテンツサーバ1100へビデオコンテンツ配送が要求される。次にステップS2408において、コンテンツサーバ1100から利用者端末へ暗号化ビデオコンテンツが配送される。次にステップS2409において、利用者端末1300で暗号化コンテンツが復号されてストリーミング再生が行われる。
【0096】
図28から図30は、本実施の形態の動作を説明する通信シーケンスを示す。図28のステップS2501からステップS2504までは図27のステップS2401のライセンス取得要求に相当する。ステップS2501において、利用者が利用者端末1300の実行部104へライセンスIDを指定してライセンス取得要求を出す。次にステップS2502において、利用者端末1300の実行部104がライセンスサーバ1200の要求取得部701へ通信伝送路401を経由して、ライセンスIDを指定してライセンス取得要求を出す。ステップS2503において、ライセンスサーバ1200の要求取得部701からライセンスサーバ1200のサービス情報取得部103へライセンスIDを指定してライセンス供与指示を出す。次にステップS2504において、ライセンスサーバ1200のサービス情報取得部103がサービス情報データベース1202から指定されたライセンスIDを持つライセンスを読み出し、ライセンスサーバ1200の実行部104に渡してライセンス供与指示を出す。図28のステップS2505からステップS2509までは図27のステップS2402の課金処理に相当する。ステップS2505において、ライセンスサーバ1200の実行部104から通信伝送路401を経由し、利用者端末1300の実行部104へ課金情報要求を送る。次にステップS2506において、利用者端末1300の実行部104から通信伝送路401を経由し、ライセンスサーバ1200の実行部104へクレジット番号等の課金情報を送る。次にステップS2507において、ライセンスサーバ1200の実行部104から課金サーバ1500へ利用者のクレジット番号および販売したライセンスの販売価格を送り、課金処理を要求する。次にステップS2508において、課金サーバ1500で課金処理を行い、ライセンスサーバ1200の実行部104へ課金処理終了を通知する。次にステップS2509において、ライセンスサーバ1200の実行部104から利用者端末1300の実行部104へ通信伝送路401を経由し、電子レシートを送り、課金処理終了を通知する。図28のステップS2510からステップS2512までは図27のステップS2403のライセンスサーバ1200から利用者端末1300へのライセンスの供与に相当する。ステップS2510において、ライセンスサーバ1200の実行部104から通信伝送路401を経由して、利用者端末1300の実行部104へライセンスを供与する。次にステップS2511において、利用者端末1300の実行部104から利用者端末1300の蓄積メディア1303へライセンスを蓄積する。次にステップS2512において、利用者端末1300の実行部104が取得したライセンスからイベント情報を読み出し、利用者に表示する。ステップS2512の終了後、利用者は利用者端末1300をもってイベント会場へ移動する。
【0097】
図29のステップS2601からステップS2612までは図27のステップS2405のGPSを利用した利用者端末1300の位置検出処理に相当する。ステップS1701において、利用者が利用者端末1300の実行部104へコンテンツIDを指定してビデオコンテンツ再生要求を出す。次にステップS2602において、利用者端末1300の実行部104が利用者端末1300の判断部102へコンテンツIDを指定してコンテンツ再生判断要求を出す。次にステップS2603において、利用者端末1300の判断部102が利用者端末1300の条件取得部601へコンテンツIDを指定してコンテンツ再生条件要求を出す。次にステップS2604とステップS2405において、利用者端末1300の条件取得部601が利用者端末1300の蓄積メディア1303に蓄積されたライセンスからコンテンツを再生するための条件を読み出す。次にステップS2606において、利用者端末1300の条件取得部601から利用者端末1300の判断部102へコンテンツを再生するための条件を送る。コンテンツを再生するための条件は図26下段に示す情報であり、イベント会場の位置情報を含む。次にステップS2607において、利用者端末1300の判断部102から利用者端末1300の状況情報取得部101へ位置情報取得要求を送る。次にステップS2608において、利用者端末1300の状況情報取得部101にて4つ以上のGPS衛星1600からGPS情報を受信する。次にステップS2609において、利用者端末1300の状況情報取得部101からロケーションサーバ1400へGPS情報とともに位置検出計算要求を送る。次にステップS2610において、ロケーションサーバ1400でGPS情報から位置検出計算を行う。次にステップS2611において、ロケーションサーバ1400から利用者端末1300の状況情報取得部101へ利用者端末1300の位置情報を送る。次にステップS2612において、利用者端末1300の状況情報取得部101から利用者端末1300の判断部102へ利用者端末1300の位置情報を送る。
【0098】
図30のステップS2701からステップS2704は図27のステップS2406のコンテンツを再生する条件に適合するかの判断処理に相当する。ステップS2701において、利用者端末1300の判断部102で、ステップS2612で得られたGPSを利用した利用者端末1300の位置検出結果とステップS2606で得られたイベント会場の位置情報から利用者端末1300がイベント会場内に存在するかどうかを判断し、存在する場合に以降のステップへ進む。次にステップS2702において、利用者端末1300の判断部102から利用者端末1300の実行部104へコンテンツIDを指定してビデオコンテンツ再生判断応答を送る。次にステップS2703とステップS2704において、利用者端末1300の実行部104が利用者端末1300の蓄積メディア1303からライセンスに含まれるコンテンツ復号鍵を取り出す。図30のステップS2705からステップS2711は図27のステップS2407ビデオコンテンツ配信要求とステップS2408暗号化ビデオコンテンツ配信とステップS2409ビデオコンテンツのストリーミング再生に相当する。ステップS2705において、利用者端末1300の実行部104が利用者端末1300のコンテンツ取得部1302へコンテンツIDを指定してビデオコンテンツ配送要求を出す。次にステップS2706において、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302がコンテンツサーバ1100の要求取得部701へ通信伝送路401を経由して、コンテンツIDを指定してビデオコンテンツ配送要求を出す。次にステップS2707において、コンテンツサーバ1100の要求取得部701がコンテンツサーバ1100のコンテンツ配信部1101へコンテンツIDを指定してビデオコンテンツ配送要求を出す。次にステップS2708において、コンテンツサーバ1100のコンテンツ配信部1101がコンテンツデータベース1102から暗号化されたビデオコンテンツを読み出し、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302へ通信伝送路401を経由して、暗号化されたビデオコンテンツを配送する。次にステップS2709において、利用者端末1300のコンテンツ取得部1302が利用者端末1300の実行部104へ暗号化されたビデオコンテンツを送る。次にステップS2710において、利用者端末1300の実行部104がステップS2704で取得したコンテンツ復号鍵を用いてビデオコンテンツを復号化する。次にステップS2711において、利用者端末1300の実行部104がビデオコンテンツをストリーミング再生する。
【0099】
また、本実施例ではコンテンツサーバ1100とライセンスサーバ1200とロケーションサーバ1400と課金サーバ1500をすべて別個のサーバとしたが、これらのすべてまたは一部は同一の電子機器で構成されていてもよい。また、コンテンツデータベース1102はコンテンツサーバ1100の内部に存在してもよい。また、サービス情報データベース1202はライセンスサーバ1200の内部に存在してもよい。また、ロケーションサーバ1400は通信伝送路401内に存在し、利用者端末1300で受信したGPS情報をロケーションサーバ1400で位置検出計算し、その結果を利用者端末1300へ送ってもよい。また、本実施例はライセンスの供与の前に課金処理を行う前課金方式であるが、ライセンスの供与の後に課金処理を行う後課金方式でもよい。
【0100】
このような発明の実施の形態により、利用者端末1300が自分自身の位置情報を取得することにより、利用者端末1300の位置に応じたサービス、特にある特定の位置にいる利用者端末1300でのみ特別なサービスを利用することが可能となる。
【0101】
さらに本実施例でのライセンスはコンテンツを実行可能とする、つまりコンテンツを再生可能とするためのライセンスである。コンテンツとライセンスに分けて配信することにより、ライセンス提供者とコンテンツ提供者を分けることが可能となる。また、状況情報に応じてコンテンツを再生することが可能となり、例えば、ライセンスは蓄積メディア等に入れた状態で販売し、その後に状況情報に応じてコンテンツを取得してコンテンツを再生することも可能である。ライセンスを電子チケットや電子バリューとして考え、本実施例におけるコンテンツの再生を電子チケットや電子バリューの利用と考えられることで、コンテンツの配信に限らず、様々なサービスに対応することが可能となる。
【0102】
さらに利用者端末1300はビデオコンテンツを取得する前にライセンスを取得するが、利用者端末1300がライセンスに含まれるビデオコンテンツ情報とイベント情報を読み出して、「これはXXXというアーティストのビデオコンテンツのライセンスです。ビデオコンテンツを再生したい方は、以下のイベント会場へ行き、XXXというURLへアクセスして下さい。」というビデオコンテンツの取得のための情報を利用者に提示することにより、先にライセンスを配信しておくことにより、コンテンツを入手するための宣伝効果が発生することになる。
【0103】
本実施例のコンテンツは、特定のイベント会場内に利用者端末1300が存在するという条件を満たす場合のみ取得および再生可能である。また本実施例のようにストリーム再生ではなく、ダウンロードによる再生かつデータサイズが大きければ、コンテンツのダウンロードによる取得に時間がかかる場合がある。それに対してライセンスは、例えばアーティストのホームページ等に掲載し、さらにライセンスのデータサイズが小さければライセンスの取得に時間はかからない場合が多い。このように先に配信するするライセンスを利用者にとって取得が容易であるものにし、さらにライセンスに関連するコンテンツの取得を推奨する推奨情報をライセンスに含めておくことにより、後に配信するコンテンツの入手するための宣伝効果を高めることになる。
【0104】
また状況情報として、例えば位置情報の現在の値のみでなく過去の状態を蓄積するによって位置検出誤差が減少することより、利用者端末がイベント会場内かどうかの判別がより正確になり、また、イベント会場にある回数以上入場した人にのみビデオコンテンツの配信を行うことも可能となる。
【0105】
また、ビデオコンテンツの取得のみでなく、利用者端末がイベント会場内にいることによって既に保持しているライセンスの更新や、逆にライセンスの取消を行うことも可能になる。
【0106】
(各実施の形態を発展させた形態)
電子機器100の判断部102は、電子機器100の保持している情報によってもサービスが実行可能であるかどうかを判断してもよい。例えば、電子機器100に占有者の性別という情報を入力して保持させておき、電子機器100は、周囲の店舗情報を提供するというサービスを実行する際に、占有者の性別により、店舗情報を提供するかどうかを判断することにより、情報を絞り込んでサービスすることが可能となる。また、電子機器100の保持している情報は性別に限られることはなく、年齢、年収、あるいは、電子機器100の液晶ディスプレイがカラー表示可能かどうか、電子機器100が音声出力手段を有しているかどうかなどといった情報でもよい。
【0107】
電子機器100の状況情報取得部101で取得する状況情報は回線切断情報である場合には、電子機器100は、更に、切断情報送信部を備えていてもよい。回線切断情報とは、電子機器100が通信を行っていて、回線が切断された時の状況を表す情報であり、例えば、インターネットによる通信を行い、FTPプロトコルによりファイルをダウンロードしている途中で回線が切断された時に、ファイルを既に何バイトダウンロードしたかという情報が一例として挙げられる。切断情報送信部とは、状況情報取得部101で取得された回線切断情報を回線切断された通信相手に送信することを行う。このような切断情報送信部を備えることにより、回線による通信が回復した場合に、切断時の状況へ復旧することが可能となる。FTPプロトコルによるファイルのダウンロードの場合には、回線が切断されたときまでにダウンロードされたファイルの残りの部分からのダウンロードが再開できるようになる。
【0108】
また、状況情報取得部101で取得する状況情報が電子機器100の位置情報である場合には、接続する放送局を選択する放送局選択部を備えていてもよい。この放送局選択部を備えることにより、現在視聴している放送局のサービスエリアの外に移動した場合に、放送局選択部が位置情報で得られる場所に存在する同じ系列の放送局で選択するようにすることにより、同じ放送を受信状態が悪化することなく視聴することが可能となる。
【0109】
また、状況情報取得部101が状況情報として複数の端末の位置情報を取得し、サービス情報は、取得した複数の端末のうち近接する端末を通信で接続するための情報であってもよい。ここに、「取得した複数の端末」とは、状況情報取得部101で位置情報が取得された端末であり、「サービス情報」とは、サービス情報取得部103で取得されるサービス情報であり、この場合におけるサービス情報は、位置情報が取得された端末と通信で接続するための情報であり、例えば、端末のIPアドレスが例として挙げられる。このような状況情報とサービス情報を用いることにより、電子機器100の近隣に存在する端末と通信を行うことができ、例えば、人が多数集まる場所での待ち合わせにおいて、待ち合わせの相手の持つ端末と通信を行うことにより、待ち合わせをスムーズに行うことができるようになる。
【0110】
このように状況情報を複数の手段により取得する場合には、電子機器100は、状況情報が一致するものと認められるか判断する状況情報正確性判断部を備えることになり、判断部102においてサービスが実行可能かどうかを判断する前の段階として、複数の手段で得られた状況情報が一致するものと認められるかどうかを状況情報正確性判断部によって判断する。これにより、状況情報取得部101で得られる状況情報の正確性が高まることになる。
【0111】
また、電子機器100は、通信伝送路切り替え部を有するようにしてもよい。この通信伝送路切り替え部は、状況情報取得部101で取得された状況情報に応じて、通信伝送路を切り替えることを行う。例えば、電子機器100がUHF帯の無線通信路とVHF帯の無線通信路を有する場合、状況情報取得部101がこれらの通信路の通信状況を得て、通信伝送路切り替え部がその通信状況により判断を行い、通信状況の良い方の通信伝送路を使用するようにする。このような通信伝送路切り替え部を有することにより、最適な通信伝送路を使用することが可能となる。
【0112】
なお、以上において説明した状況情報の生成・入手についてであるが、電子機器100が通信伝送路によって生成された状況情報をその通信伝送路から入手する場合と、通信伝送路以外から入手する場合とがある。図31は電子機器100が通信伝送路401に接続され、状況情報取得部101が通信伝送路によって生成された状況情報を通信伝送路401から状況情報を取得する様子を示している。図31に示した状況情報管理部2801は、通信伝送路401に関する状況情報を生成し、電子機器100へ送信する。この状況情報管理部2801によって生成・送信される状況情報としては、通信伝送路が提供する帯域、通信速度(規格値、実測値)や、通信が切断された場合の状況である切断情報、通信トラヒック、通信料金が例として挙げられる。また、電子機器100が携帯電話装置である場合には、利用している基地局の情報や、ハンドオーバーの情報も状況情報管理部2801によって生成・送信される。更に、電子機器100の通信相手の状況情報も状況情報管理部2801によって取得され、電子機器100へ送信されてもよく、この場合には、相手の利用している基地局を状況情報の例としてあげることができる。状況情報管理部2801の具体例としては、電気通信事業者(キャリア)、放送事業者、インターネットサービスプロバイダ(ISP)などが保有している設備ある。
【0113】
図32は、電子機器100が通信伝送路以外から状況情報を取得する場合を図示している。この場合には、状況情報取得部101の中に、状況情報そのものを、あるいは、状況情報を得るための情報を取得する情報計測手段2901と、情報計測手段2901で取得した情報から状況情報を抽出する情報処理手段2902とがある。情報計測手段2901が取得する状況情報を得るための情報としては、GPSの人工衛星から発信された電波から得られる情報が挙げられ、この情報を情報処理手段2902で処理することにより、電子機器100の位置の情報が状況情報として利用できるようになる。また、情報計測手段2901が状況情報そのものを取得する場合には、情報処理手段2902は、取得された状況情報を状況情報取得部101などが処理に適した形式に変換することを行う。なお、図14では、情報計測手段2901と情報処理手段2902が状況情報取得部101の内部にあるとしたが、状況情報取得部101の外部にあってもよい。特に、電子機器100の外部であってもよい。例えば、情報処理手段2902を電子機器100の外部に置くことにより、GPSの人工衛星から発信された電波から得られる情報の処理を電子機器100の外部で行うことができるので、電子機器100の小型化および軽量化を図ることができる。この場合における具体例としては、無線タグと携帯端末間の通信、Bluetoothによる携帯端末間の通信、トランシーバ通信、接触通信などがある。
【0114】
なお、図31と図32とは、互いに排斥しあう関係になく、状況情報取得部101は、通信伝送路401と情報処理手段2902との両方から同時に状況情報を取得することも可能であり、同種の状況情報であれば、それらを比較することにより、正確な状況情報を取得することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
電子機器へ送信された情報のうち、当該電子機器の状況に応じた情報を選別して表示し、利用者に、どのようにすればサービスの実行が可能になるかを知らしめ得るようにすることにより、それぞれの状況に応じてサービスを提供することのできる電子機器を提供する。これにより、携帯機器のような電子機器及びそれを用いたサービスにおいて、現在の位置に応じた適切な指示や特定の条件を満足する者に対する付加価値の付与など、様々な状況に応じて、その状況により適切なサービスを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0116】
100 電子機器
101 状況情報取得部
102 判断部
103 サービス情報取得部
104 実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末に近接する少なくとも一つ以上の情報端末の位置情報を含む状況情報を取得する状況情報取得部と、
前記状況情報に基づいて、前記自端末が通信する情報端末を選択する判断部と、
前記判断部において選択された情報端末と通信で接続するための情報を含むサービス情報を取得するサービス情報取得部と、
前記判断部において選択された情報端末と前記サービス情報を使用して通信を実行する実行部と、
を備えた情報端末。
【請求項2】
前記サービス情報には、他の関連サービス情報の取得を推奨する推奨情報が含まれている請求項1記載の情報端末。
【請求項3】
前記サービス情報には、電子情報の取得もしくは供与のために必要な情報が含まれている請求項1記載の情報端末。
【請求項4】
前記サービス情報には、前記選択された情報端末のIPアドレスが含まれている請求項1記載の情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−226729(P2010−226729A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95951(P2010−95951)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【分割の表示】特願2008−235082(P2008−235082)の分割
【原出願日】平成14年8月6日(2002.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】