情報管理サーバ、商品受け取りシステム
【課題】注文者が自宅以外で商品の受け取りを可能とする情報管理サーバを提供することができる。
【解決手段】商品の注文者が搭乗する車両と、前記商品を配送する配送車両とを、注文時に入力された前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベース31,32と、車両から車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段36と、前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段39と、を有する情報管理サーバ100を提供する。
【解決手段】商品の注文者が搭乗する車両と、前記商品を配送する配送車両とを、注文時に入力された前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベース31,32と、車両から車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段36と、前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段39と、を有する情報管理サーバ100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文者が商品を受け取るための情報管理サーバに関し、注文者が特に自宅外で商品を受け取ることを可能にする情報管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットや通信端末の普及に伴い通信販売の利用者が増えている。通信販売の一般的な利用形態は以下のようになる。(1)注文者がインターネットや電話を利用して販売店に商品を注文する。(2)販売店が配送業者に商品の配送を依頼する。(3)配送業者が商品を注文者に配送する。しかしながら、(3)の配送時、配送業者は、注文者の自宅を特定しなければならず、注文者は商品の配送時に在宅していなければならないという制約がある。
【0003】
そこで、配送業者の配送業務を効率化するため、配送業者に配送用の資料が配布されることがある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、配送先情報と案内地図データに基づいて一つ又は複数の配送先の地図上の位置を地図データとともに表示する配送用携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の配送用携帯端末が存在しても、注文者が在宅していなければならないという制約は解消されない。例えば、注文者が忙しいため配送時間内に在宅していることが困難な場合、注文者が商品を受け取ることができない。また、例えば、注文者が旅行に使用するために商品を注文したが、自宅を出発した後は商品を受け取ることが全くできなくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、注文者が自宅以外で商品を受け取ることを可能とする情報管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、商品の注文者が搭乗する車両と、前記商品を配送する配送車両とを、注文時に入力された前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベースと、前記車両から前記車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、前記配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段と、前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段と、前記受け渡し位置を前記車両と前記配送車両に通知する受け渡し位置通知手段と、を有する情報管理サーバを提供する。
【発明の効果】
【0008】
注文者が自宅以外で商品の受け取りを可能とする情報管理サーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】商品受け取りシステムの全体を説明する図の一例である。
【図2】商品受け取りシステムの概略を説明する図の一例である。
【図3】商品受け取りシステムのハードウェア構成図の一例である。
【図4】商品受け取りシステムの機能ブロック図の一例である。
【図5】注文者DB、配送車両DB、ランデブーポイントDBの一例を示す図である。
【図6】ランデブーポイントの決定を説明する図の一例である。
【図7】ランデブーポイント決定手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】商品受け取りシステムの全体的な流れを説明する図の一例である。
【図9】注文時の画面の一例を示す図である。
【図10】注文者の自宅、旅行先、商品発送位置を模式的に示す図の一例である。
【図11】商品受け取りシステムの全体的な流れを説明する図の一例である。
【図12】ランデブーポイントの決定方法を説明する図の一例である。
【図13】ランデブーポイント決定部がランデブーポイントを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、商品受け取りシステム200の全体を説明する図の一例である。車両Aは商品の注文者が搭乗する車両(運転していても、同乗者として乗車していてもよい)であり、配送車両Bは配送業者の担当員が運転する車両である。車両Aは携帯キャリア網Aを介してインターネットに、配送車両Bは携帯キャリア網Bを介してインターネットにそれぞれ接続可能になっている。
【0012】
インターネットには情報管理センター100が接続されている。情報管理センター100は配送業者又は販売店が運営するサーバであり、配送車両Bを管理している。本実施形態の商品受け取りシステム200は、配送車両Bが車両Aと同じ場所(以下、ランデブーポイントという)で停車することで、注文者が担当員から自宅以外の場所で商品を受け取ることを可能にする。
【0013】
図2は、商品受け取りシステム200の概略を説明する図の一例である。
(1)車両Aは、車両特定情報、自車位置情報、経路情報、及び、車速情報を情報管理センター100に送信する。
(2)配送車両Bは、車両ID、自車位置情報、経路情報、及び、車速情報を情報管理センター100に送信する。この車両IDは、配送車両Bを一意に特定するための情報であり、情報管理センター100は車両IDにより配送車両Bが注文者の商品を配送中であることを特定している。
(3)情報管理センター100は、車両Aの経路情報と配送車両Bの経路情報を比較して、互いに接近する場所をランデブーポイントとして決定する。
(4)情報管理センター100は、車両Aがランデブーポイントを通過するように車両Aの経路情報を変更し、配送車両Bがランデブーポイントを通過するように配送車両Bの経路情報を変更して、それぞれに通知する。
(5)車両Aと配送車両Bがランデブーポイントに到達すると、注文者は担当員から商品を受け取ることができる。
【0014】
このように、本実施形態の商品受け取りシステム200は、車両Aと配送車両Bにランデブーポイントを通知するので、注文者は自宅以外で商品を受け取ることができる。
【0015】
〔構成〕
図3は、商品受け取りシステム200のハードウェア構成図の一例である。情報管理センター100は、CPU11、ROM12、RAM13、メモリーカード装着部14、NIC(Network Interface Card)15、HDD16、入力装置17及びディスプレイ18を有する。CPU11はHDD16に記憶されたプログラムを実行して情報管理センター100の全体の動作を制御する。ROM12にはBIOSなど起動に必要なプログラムや設定情報が記憶されている。RAM13は、CPU11がプログラムを実行するためのワークエリアである。メモリーカード装着部14は、フラッシュメモリ等のメモリーカードに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。NIC15は、インターネットに対するレイヤ2の接続を確立して車両Aや配送車両Bとデータ通信するための通信装置である。レイヤ2より上位のプロトコルに必要な処理はTCP/IPプロトコルスタックやアプリケーションが受け持っている。HDD16はプログラム、OS、地図データ、後述する各種のテーブルを記憶するための不揮発メモリであり、SSD(Solid State Drive)であってもよい。入力装置17はキーボードやマウスなど情報管理センター100のユーザが操作するためのユーザI/Fである。ディスプレイ18は液晶などフラットパネルディスプレイであり、例えばGUIベースで操作メニューや操作結果を表示するために使用される。
【0016】
車両Aと配送車両Bは同様の構成を有し、それぞれナビゲーション装置26、通信装置21、GPS受信機22、車速センサ23、入力装置24、タッチパネル25、及び、記憶装置27、を有する。以下、車両Aの搭載品に符号Aを付し、配送車両Bの搭載品に符号Bを付す。ナビゲーション装置26は、CPU、RAM、ROM、ASIC、入出力I/F等を備えたコンピュータであり、商品受け取りシステム200における車両Aの全体的な制御を行う。ナビゲーション装置26でなく何らかのECU(Electronic Control Unit)が全体を制御してもよい。また、ナビゲーション装置26は、据え置き型と可搬型があるが、本実施形態ではそのどちらでもよい。
【0017】
通信装置21は、CDMA、GSM、PDM、WiMaxなどの通信方式により携帯電話キャリア網の基地局とデータ通信する装置である。車両などの移動体にはDCM(Data Communication Module)という固定の通信装置が搭載されることがあるのでこのDCMを使用してもよいし、注文者や担当員が所有する携帯端末(携帯電話、スマートフォン、PHS等)を通信装置21としてもよい。携帯端末とナビゲーション装置26はケーブルやBluetooth(登録商標)により接続される。
【0018】
GPS受信機22は、GNSS(Global Navigation Satellite System;全世界的航法衛星システム)の一態様で車両A、配送車両Bの位置情報(緯度、経度、標高)をリアルタイムに測定する。車速センサ23は、車輪の所定の回転角度毎にパルスを出力するセンサで単位時間当たりの回転角度から車速を測定する。入力装置24は、タッチパネル25と一体のソフトキーやタッチパネル周辺のハードキー、リモコン、又は、音声入力装置であり、注文者や担当員の操作を受け付ける。タッチパネル25は液晶などの表示装置で、道路地図、テレビ画面、ブラウザが表示するホームページの画面、操作メニュー等を表示する。記憶装置27はHDDやフラッシュメモリなどの不揮発メモリであり、主に地図データを記憶している。地図データはナビゲーション装置26の出荷時に記憶されていてもよいし、不図示のサーバからダウンロードされてもよい。
【0019】
図4は、商品受け取りシステム200の機能ブロック図の一例である。車両Aと配送車両Bは共に、情報アップ手段41とランデブーポイント表示手段42を有する。以下、車両Aの機能に符号Aを付し、配送車両Bの機能に符号Bを付す。情報アップ手段Aは、車両特定情報、自車位置情報A、経路情報A、及び、車速情報A(以下、まとめて車両情報Aという)を情報管理センター100に送信する。車両特定情報は、車両Aに注文者が乗車していることを特定するための情報、換言すれば車両Aで商品を受け取るための情報であり、例えば、通信装置21の電話番号、ナビゲーション装置26のシリアル番号、車体番号などである。車両特定情報は車両Aを配送車両Bと紐付けするための情報となる。
【0020】
自車位置情報AはGPS受信機Aが測定した車両Aの位置情報であり、経路情報Aは車両Aの現在地から目的地までの経路Aの経路情報であり、車速情報Aは車速センサAが計測した車両Aの車速である。車両Aの目的地や経路情報は、注文者が入力装置Aを使用して設定した情報でも、注文者が自宅のPC(Personal Computer)や携帯端末などを使用してインターネット経由で設定した情報でもよい。
【0021】
情報アップ手段Aが車両情報Aを送信する方法には、自発的に送信する方法と、情報管理センター100からの要求に応じて送信する方法がある。自発的に送信するタイミングには、車両Aのイグニッションオンやナビゲーション装置Aの起動直後、目的地の設定時、定期的(車両Aの走行中)等がある。
【0022】
ランデブーポイント表示手段Aは、情報管理センター100から受信した経路情報と経路情報内の一地点であるランデブーポイントをタッチパネルAに表示する。以降、ナビゲーション装置Aはこの経路情報とランデブーポイントに従って注文者を案内する。
【0023】
配送車両Bの情報アップ手段Bは、車両ID、自車位置情報B、経路情報B、車速情報B(以下、まとめて車両情報Bという)を情報管理センター100に送信する。車両IDは、配送車両Bを一意に特定できればよいので、担当員を一意に特定するID、通信装置Bの電話番号、ナビゲーション装置Bのシリアル番号などでもよい。その他の構成は車両情報Aと同様なので省略する。
【0024】
情報管理センター100は、車両検索部35、車両情報取得部36、ランデブーポイント決定部37、経路変更部38、及び、配送車両変更部39を有する。また、HDD16には注文者DB31、配送車両DB32、ランデブーポイントDB33、及び、地図DB34が記憶されている。
【0025】
配送業者の支店は商品の販売店から商品の受け渡しを依頼され、その際、商品と配送のための情報が記載された伝票が通知される。伝票には、伝票番号、注文者の氏名、住所、日時、車両特定情報(通信装置の電話番号)、商品名などが記載されており、配送業者がこれらの伝票情報を端末に入力すると情報管理センター100に伝票情報が送信される。ここでは通信装置Aの電話番号を車両特定情報とする。伝票情報が情報管理センター100に送信されることで、情報管理センター100は商品の配送が可能になったことを検出する。
【0026】
情報管理センター100は、伝票情報から車両特定情報などを抽出して注文者DB31に登録する。
図5(a)は注文者DB31の一例を示す図である。各レコードに、伝票番号、氏名、住所、日時、電話番号(車両特定情報)、商品名が登録されている。この車両特定情報が配送車両Bを特定するための情報となる。
【0027】
また、配送業者は販売店から商品を受け取り配送車両Bに商品を積載すると、又は、積載することが決まると、商品を積載した配送車両Bの車両ID、商品名及び伝票番号を情報管理センター100に通知する。情報管理センター100は、商品名、車両ID及び伝票番号を対応づけて配送車両DB32に登録する。
図5(b)は配送車両DB32の一例を示す図である。各レコードに、車両ID、商品名及び伝票番号が登録されている。図では例えば配送車両BにX装置が積載されたことが分かる。配送業者は、適宜、配送車両間で積載する商品を交換したり積み直したりするが、配送車両DB32を参照することで、情報管理センター100は各配送車両に積載されている商品を特定できる。
【0028】
なお、図5(a)(b)では伝票番号が車両特定情報と車両IDを紐付けているが、注文者特定番号を配送車両DB32に登録すれば、注文者特定番号により注文者DB31のレコードと配送車両DB32のレコードを紐付けることができる。車両特定情報も伝票の記載内容であることを考慮すると、2つのDBのレコードを紐付けるのは伝票の記載内容のうち適切な情報である。
【0029】
図5(c)はランデブーポイントDB33の一例を示す図である。各レコードに、ランデブーポイント位置、種類が登録される。ランデブーポイント位置は、座標とリンク番号とした。座標を含むことで、情報管理センター100が、車両Aや配送車両Bの経路情報から最寄りのランデブーポイントを探しやすくなり、リンク番号を含むことで、車両Aの経路情報Aや配送車両Bの経路情報Bをランデブーポイントを通過するように変更することが容易になる。
【0030】
ランデブーポイントは、車両Aと配送車両Bが駐車可能な広さを有することが好ましく、何らかの駐車場又は駐車場を備えた施設であることが好ましい。したがって、例えば、ショッピングセンターの駐車場、道の駅、コンビニ、ガソリンスタンド、高速道路のPA等がランデブーポイントになる。交通量が極めて少ない道路上であってもよい。
【0031】
情報管理センター100は、地図DB34からこれらの種類の施設を抽出して、その位置情報と対応づけてランデブーポイントDB33に登録しておく。ランデブーポイントDB33は静的なDB(あまり内容が変化しない)なので、ランデブーポイントの種類だけを定めておき、情報管理センター100がランデブーポイントを検索する際に、地図DB34から検索してもよい。
【0032】
なお、地図DB34は道路網をノードとリンクで表したデータベースである。ノードのノード番号に対応づけて、位置(座標)、接続リンク本数、接続ノード番号、交差点名称等が登録され、リンク番号に対応づけて起終点ノード番号、道路種別、幅員、リンク長等が登録されている。また、施設(都道府県庁、市役所、町村役場、サービスエリア、パーキングエリア、道の駅、フェリー発着所、鉄道駅、空港 等)の位置情報が登録されている。
【0033】
<車両情報の取得>
図4に戻り、車両情報は、情報管理サーバ100が要求することで車両A又は配送車両Bから自発的に送信される場合と、車両A又は配送車両Bから自発的に送信される場合がある。情報管理サーバ100はどちらか一方の車両情報A,Bを取得すると他方の車両情報A,Bを取得する。
(a)情報管理サーバ100が要求する
車両検索部35は、以下のようなタイミングで車両Aの検索を開始する。
(i)配送車両DB32が更新された
(ii)定期的
車両検索部35は、まず、配送車両DB32に新たに登録された伝票番号を読み出し、一致するレコードを注文者DB31から特定する。そして、車両検索部35は、車両特定情報(図では電話番号)を用いて走行中の車両Aに車両情報Aの送信を要求する。具体的には、車両検索部35は、携帯電話キャリアのサーバに電話番号を送信して、例えばショートメッセージサービス等のサービスを利用して、「配送業者から車両情報Aの送信が要求されています。送信を許可しますか。はい・いいえ」などを送信する。注文者はタッチパネルAに表示されたメッセージを見て「はい」を選択するので、情報アップ手段Aは車両情報Aの送信を開始することができる。または、注文者が予め車両情報Aの送信を許可するようにナビゲーション装置26を設定しておけば、携帯電話キャリアが電話番号を指定してナビゲーション装置26にコマンドを送信するだけで、情報アップ手段Aが車両情報Aの送信を開始できる。なお、車両検索部35は配送車両Bに対しても車両情報Bを要求することができる。
(b)車両Aが車両情報Aを送信した。
【0034】
上記のように、車両Aは自発的に車両情報Aを送信することもできるので、車両検索部35が要求しなくても、車両情報取得部36が車両情報Aを取得することができる。なお、情報アップ手段Aが自発的に車両情報Aを送信する場合、通信の過程で車両Aの通信装置Aの電話番号やIPアドレスなどは既知となるので、以降は、情報管理サーバ100から車両Aと通信できる。
(c)配送車両Bが車両情報Bを送信した。
【0035】
同様に、配送車両Bは自発的に車両情報Bを送信することができる。車両情報取得部36は、車両情報Bを取得する。
【0036】
(a)(b)のように、車両情報取得部36が車両情報Aを先に取得した場合、車両情報取得部36は、車両情報Aに含まれる車両特定情報をキーに注文者DB31を検索して特定した伝票番号により、配送車両DB32を検索して配送車両Bの車両IDを特定する。これにより、車両情報取得部36は配送車両Bに車両情報Bを要求できる。配送車両Bは情報管理センター100の管理下にあるので、配送車両Bの通信装置Bの電話番号は既知であり、また、強制的に車両情報Bの送信を要求できる。
【0037】
(c)のように、車両情報取得部36が車両情報Bを先に取得した場合、車両情報取得部36は、車両情報Bに含まれる車両IDをキーに配送車両DB32を検索して特定した伝票番号により、注文者DB31を検索して車両Aの車両特定情報を特定する。これにより、車両情報取得部36は配送車両Aに車両情報Aを要求できる。
【0038】
<ランデブーポイントの決定>
以上により、車両情報Aと車両情報Bが情報管理センター100に送信されたことになる。車両情報A及び車両情報Bが取得されると、ランデブーポイント決定部37が、車両情報A、車両情報B及びランデブーポイントDB33からランデブーポイントを決定することができる。
【0039】
図6はランデブーポイントの決定を説明する図の一例を、図7は、ランデブーポイント決定手順を示すフローチャート図の一例である。
【0040】
S10:ランデブーポイント決定部37は、車両情報Aと車両情報Bから図6(a)(b)のような経路A,Bを特定できる。この時の現在地も明らかになっている。
【0041】
S20:ランデブーポイント決定部37は、経路Aにおける車両Aの1分毎の位置及び経路Bにおける配送車両Bの1分毎の位置を推定する。「1分毎」としたのは一例であって、30秒毎でも5分程度でもよいが、比較的短い間隔で推定することでランデブーポイントを探しやすくなる。各位置の推定には、現在位置を起点に、車速情報Aと車速情報Bに1分を乗じた距離を累積していけばよい。VICSがビーコンなどで提供するリンク旅行時間を利用すれば道路の混雑状況を反映させて位置を推定できるのでなお好ましい。このようにして推定された位置を、それぞれ推定位置A、推定位置Bと称する。
【0042】
S30:ランデブーポイント決定部37は、同じ時刻の推定位置A、Bの距離を算出する。図6(a)(b)では、A1〜A5とB1〜B5のそれぞれ5つの推定位置A、Bを示す。これにより、経路だけでなく時間を考慮して車両Aと配送車両Bが接近する推定位置A、Bを抽出できる。
【0043】
S40:ランデブーポイント決定部37は、所定距離s1内の推定位置A、Bがあるか否かを判定する。所定距離s1は、例えば時速を50km/hとすると4〜8km(時間に換算して5〜10分程度)であるが、配送業者の配送スケジュールを乱したり、注文者が移動を許容できる程度の距離である。所定距離s1内の推定位置A、Bがない場合、ランデブーポイント決定部37は今回の経路A、経路Bによる商品の配送ができないと判定して処理を終了する。
【0044】
S50:所定距離s1内の推定位置A、Bがある場合(複数ある場合は最も近い推定位置A,B)、ランデブーポイント決定部37は2つの推定位置A、Bのどちらか又は両方から処理距離s2内にランデブーポイントの候補があるか否かを判定する。例えば推定位置A3とB3が互いに所定距離s1内の場合、ランデブーポイント決定部37は、推定位置A3から処理距離s2内で推定位置B3からも所定距離s2内のランデブーポイントがあるか否かを、ランデブーポイントDB33を検索することで判定する。ランデブーポイントは駐車可能な場所でよいので、ステップS40よりもYesとなる可能性が高い。
【0045】
S60:複数のランデブーポイントが見つかった場合、ランデブーポイント決定部37は推定位置A3からの距離と推定位置B3からの距離の合計が最も短いランデブーポイントを最終的なランデブーポイントする。複数のランデブーポイントを車両A及び配送車両Bに送信して希望を問い合わせることで、ランデブーポイントを絞ってもよい。図6(a)(b)では星印で示す位置にランデブーポイントが見つかったものとする。以上のようにして、ランデブーポイントを決定することができる。
【0046】
<経路変更>
図4に戻り、経路変更部38は、経路Aがランデブーポイントを通過するように経路Aを変更し、経路Bがランデブーポイントを通過するように経路Bを変更する。具体的には、経路変更部38は、車両Aの現在地からランデブーポイントまでの経路探索と、ランデブーポイントから目的地までの経路探索とをそれぞれ行うことで、経路Aを変更する。同様に、経路変更部38は、車両Bの現在地からランデブーポイントまでの経路探索と、ランデブーポイントから目的地までの経路探索とをそれぞれ行うことで、経路Bを変更する。
【0047】
図6(c)は変更後の経路Aの一例を、図6(d)は変更後の経路Bの一例をそれぞれ示す。経路Aと経路Bのいずれもランデブーポイントを通過するように変更された。こうすることで、図6(e)に示すように、2つの経路が少なくともランデブーポイントで交わるようになり、車両Aの注文者と配送車両Bの担当員がほぼ同じ時間帯に同じ場所に存在することが可能になる。
【0048】
経路変更部38は、変更した経路Aの経路情報Aを車両Aに送信し、変更した経路Bの経路情報Bを車両Bに送信する。2つの経路情報A,Bにはランデブーポイントの位置情報や種類が含まれている。上記のように、ランデブーポイント表示手段Aは、それまでの経路情報Aよりも優先的に(又は破棄して)変更後の経路情報AとランデブーポイントをタッチパネルAに表示するので、注文者はナビゲーション装置Aの案内に従ってランデブーポイントに到達できる。配送車両Bの担当員にとっても同様である。
【0049】
<配送車両Bの変更>
なお、図5のステップS40では、ランデブーポイントが見つからないと処理を終了したが、車両Aが通勤などの決まった範囲で移動する場合、配送範囲の決まっている配送車両Bが次回配送しても、ランデブーポイント決定部37がランデブーポイントを見つけられないおそれがある。このため、所定距離内の推定位置A、Bがない場合、ランデブーポイント決定部37は、車両情報Aに含まれる経路情報Aを配送車両変更部39に通知して、配送車両の変更が必要か否かを問い合わせる。
【0050】
配送車両変更部39は、配送車両Bの配送範囲(例えば、市内、区内等)と車両Aの経路情報Aを比較して、経路情報Aのリンクが配送車両Bの配送範囲に含まれているか否かに基づき、配送車両Bの変更が必要か否かを判定する。経路情報Aのリンクが配送車両Bの配送範囲に含まれていない場合や、含まれるリンク数が所定値以下の場合、配送車両変更部39は注文者の商品を配送する配送車両を変更する。
【0051】
変更の際、配送車両変更部39は、各配送車両の配送範囲と経路情報Aを同様に比較して、最も含まれるリンク数が大きくなる配送範囲を受け持つ配送車両に変更する。こうすることで、車両Aがある程度決まった範囲を移動する場合、いずれはランデブーポイントが見つかり注文者が商品を受け取ることができる。
【0052】
〔全体的な動作〕
図8は、商品受け取りシステム200の全体的な流れを説明する図の一例である。まず、注文者は、PCや携帯電話(スマートフォン)を介して販売店のHPにアクセスし、所望の商品を販売店に注文する(S1)。注文時、注文者が商品名、数量、日時、氏名、住所、車両特定情報を入力するのは上記のとおりだが、本実施形態では受取方法として“移動中受け取り”を指定する。これらの注文情報は販売店に送信される。
【0053】
図9(a)は、携帯電話に表示される注文時の画面の一例を示す図である。図はいくつかの画面からなる注文画面の1つであり、受け取り方法を指定する画面である。図示するように「自宅」「コンビニエンスストア」「移動中」の受け取り方法の中から、注文者は「移動中」を選択することができる。なお、注文は車両Aに乗車してからでも何ら不都合がない。
【0054】
販売店のサーバは注文を受け付け注文伝票を作成する(S2)。販売店は、在庫があれば即日発送可能であるし、在庫がなければ商品を発注するなどする。
【0055】
販売店は商品を入手すると配送業者用の伝票を起票して、商品に伝票を添付して、配送業者に配送を依頼する(S3)。
【0056】
商品を受け取った配送業者は伝票の内容をPCなどに入力する(S4)。入力された伝票情報はネットワークを介して接続された情報管理センター100に送信される。情報管理センター100は伝票情報を注文者DB31に登録する(S5)。
【0057】
また、販売店は商品を配送車両Bに搭載し(S6)、付随する処理として搭載したことを情報管理センター100に通知する。通知の方法は、例えば、バーコードリーダで配送車両Bを特定するバーコードを読み、続けて伝票のバーコードを読むなどの方法がある。これにより、配送車両Bの車両ID、伝票情報、商品名等が情報管理センター100に送信される。情報管理センター100は配送車両Bの車両ID、伝票番号、商品名を配送車両DB32に登録する(S7)。
【0058】
配送車両DB32が更新されると、情報管理センター100の車両検索部35が配送車両DB32に新たに登録された伝票番号に基づき注文者DB31から特定した電話番号を用いて車両Aに対し車両情報Aの送信を要求する(S11)。
【0059】
情報アップ手段Aは、この要求に応じて車両情報Aを情報管理センター100に送信する(S12)。
【0060】
仮に、情報アップ手段Aが定期的などのタイミングで情報管理センター100に車両情報Aを送信した場合、車両情報取得部36は、車両情報Aに含まれる車両特定情報に一致する伝票番号を注文者DB31から特定できる。そしてその伝票番号と一致する車両IDの配送車両Bを配送車両DB32から特定すれば、車両Aの注文者と配送車両Bを結びつけることができる。情報アップ手段Bが車両情報Bを送信した場合も同様である。よって、情報アップ手段A又はBが自発的に車両情報A、Bを送信する場合、S11の送信要求は必ずしも必要ではない。
【0061】
情報管理センター100の車両情報取得部36は、配送車両DB32に新たに登録されたレコードに含まれる配送車両Bを特定する(S13)。そして、配送車両Bに対し車両情報Bの送信を要求する(S14)。
【0062】
情報アップ手段Bは、この要求に応じて又は定期的などのタイミングで、車両情報Bを情報管理センター100に送信する(S15)。
【0063】
そして、ランデブーポイント決定部37は、経路Aと経路Bからランデブーポイントを決定し(S16)、経路変更部38はランデブーポイントを通過するように変更した経路Aを車両Aに送信し、経路Bを配送車両Bに送信する(S17)。
【0064】
以上のような処理により、注文者は自宅以外でも商品を受け取ることができる。
【実施例2】
【0065】
実施例1では、ランデブーポイントが見つからない場合、配送車両変更部39が配送車両Bを別の配送車両に変更し、次回の配送時に同様の処理を行うと説明した。しかし、注文者が旅行に行くなど、移動する範囲が広範囲にわたる場合、配送車両を変更しても担当員が商品を受け渡すことができないおそれがある。例えば、車両情報Aの出発地(現在地)と目的地が大きく離れている場合、経路の全体を配送範囲とする配送車両は見つからない。そこで、本実施例では、注文者が受け取り場所を指定することで、配送範囲を絞り込む商品受け取りシステム200について説明する。
【0066】
図10は、注文者の自宅、旅行先、商品発送位置を模式的に示す図の一例である。注文者は東京付近の自宅から東北方面を抜けて青森まで旅行する。注文者の商品の発送位置は図では工場として山形県D1と兵庫県D2とを例示した。注文者は発送位置を考慮する必要はないが、販売店の住所などから商品発送位置をある程度予測することは可能である。
【0067】
本実施例では、注文者は注文時に旅行先(受け取り場所)を入力する。図9(a)の注文画面で注文者が「移動中」を選択すると、画面が図9(b)のような受け取り場所入力画面が表示される。注文者は、旅行先や移動中に商品を受け取りたい場合、「はい」を選択し、受け取り場所を入力することができる。
【0068】
図11は、商品受け取りシステム200の全体的な流れを説明する図の一例である。図11において図8と同一部の説明は簡単に行う。まず、ステップS1により販売店に受け取り場所を含む注文情報が送信される。以降のS2〜S5については実施例1と同様である。
【0069】
ここで、物流の進歩により注文から商品の発送までの期間は短縮傾向にあり、現在では即日(注文日)に出荷することも可能になっている。このため、ステップS5において注文者DB31に伝票情報が登録された時が、注文者が出発後、数時間以内の場合もある。本実施例では車両Aが移動中であることが前提なので、注文時からの経過時間によって最適な配送方法が異なる。
【0070】
そこで、配送車両変更部39は、車両Aの現在地P1又はP2、商品発送位置D1又はD2、及び、受け取り場所に応じて、最適な配送車両を決定する(S5−1)。車両Aの現在地は、実施例1と同様に車両情報取得部36が取得した車両情報Aを利用する。
【0071】
配送車両変更部39は、例えば次のようにして配送車両Bを決定する。
・車両Aの現在地がP1で、商品発送位置がD1の場合
この場合、車両Aが旅行先に到達する前に商品を受け渡すことが可能なので、例えば高速道路を移動可能な配送範囲を有する配送車両Bを決定して商品発送位置D1から商品を配送する。
・車両Aの現在地がP2で、商品発送位置がD1の場合
この場合、車両Aが旅行先に到達する前に商品を受け渡すことが困難なので、商品発送位置D1から商品を旅行先の配送業者に転送して、旅行先に配送範囲を有する配送車両Bを決定する。
・車両Aの現在地がP1又はP2で、商品発送位置がD2の場合
この場合、車両Aが旅行先に到達する前に商品を受け渡すことが困難なので、商品発送位置D2から商品を旅行先の配送業者に空路などを経由して転送して、旅行先に配送範囲を有する配送車両Bを決定する。
【0072】
換言すれば、配送車両変更部39は、受け取り場所と商品発送位置D1,D2の距離L2、受け取り場所と現在地P1,P2の距離L1を比較して、L1>L2であれば、商品発送位置D1の付近の配送車両Bを指定し、それ以外の場合は、受け取り場所の付近の配送車両Bを指定する。
【0073】
このような配送車両の指定を受けた配送業者は、商品を受け取り場所に転送することなく、又は、転送後、商品を配送車両Bに積載する(S6)。
【0074】
以降、S15までの処理は実施例1と同様である。そして、ステップS16において、ランデブーポイント決定部37は、ランデブーポイントを決定する。配送車両Bが受け取り場所で商品を受け渡す場合のランデブーポイントの決定方法は実施例1と同様である。車両Aは旅行先である受け取り場所で観光やビジネスのため移動しているので、これらの目的地と車両Aの現在地を含む経路情報Aと、配送車両Bの経路情報Bからランデブーポイントを決定すればよい。
【0075】
一方、車両Aが受け取り場所に到着する前に担当員が商品を受け渡す場合、ランデブーポイント決定部37は車両Aの経路情報A上にランデブーポイントを決定する。車両Aが高速道路を移動している場合、ランデブーポイントは例えばPAであり、車両Aが高速道路を移動していない場合、ランデブーポイントは車両Aの経路情報Aに存在するランデブーポイントとなる。なお、車両Aが高速道路を移動している場合、配送車両Bは車両Aと同方向(上り)を移動することが好ましいが、ランデブーポイント決定部37が上り側のPAと下り側のPAを担当員が行き来できるPAをランデブーポイントに決定した場合、配送車両Bが高速道路を逆方向に(下り)移動することもできる。
【0076】
図12は、ランデブーポイントの決定方法を説明する図の一例である。図12ではPAを例に説明するが、一般道のランデブーポイントについても同様である。
(i)ランデブーポイント決定部37は、車両Aの車速情報Aを用いて現在地よりも受け取り場所側のPA1〜3に車両Aが到達する時刻ta1〜ta3を予想する。
(ii) ランデブーポイント決定部37は、配送車両Bの車速情報Bを用いてPA1〜3に配送車両Bが直行した場合の時刻tb1〜tb3を予想する。
(iii)ランデブーポイント決定部37は、ta1とtb1、ta2とtb2、ta3とtb3…を順番に比較しtai>tbi(iは自然数)となる最初のPAを特定する。このPAは、配送車両Bが車両Aよりも早く到着できる最初のPAである。
【0077】
経路変更部38はこのようにして決定されたランデブーポイントを通過するように変更した経路Aを車両Aに送信し、経路Bを配送車両Bに送信する(S17)。経路Aはほとんど変更がなく、停車するPAを新たに指定する経路情報Aとなり、経路Bは目的地をPA(ランデブーポイント)とした新たな経路情報Bとなる。
【0078】
以上のような処理により、注文者は自宅以外であり、かつ、旅行先又はその手前で商品を受け取ることができる。
【実施例3】
【0079】
実施例1では、車両Aと配送車両Bにとって最適なランデブーポイントを見つける商品受け取りシステム200を説明したが、本実施例ではランデブーポイントの別の決定方法を有する商品受け取りシステム200について説明する。
【0080】
車両Aは、注文者が搭乗しているので特別な用がなければ、積極的に移動して配送車両Bと接触することができる。また、配送車両Bは商品を配送することが目的なのでこちらも積極的に移動して車両Aと接触することができる場合もあると考えられる。そこで、本実施例では、経路情報A又は経路情報B上のランデブーポイントに他方を誘導する商品受け取りシステム200について説明する。
【0081】
本実施例では、全体的な動作手順は図8と同様であり、図8のステップS16のランデブーポイントの決定方法が実施例1と異なる。
図13(a)はランデブーポイント決定部37がランデブーポイントを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0082】
S210:ランデブーポイント決定部37は、車両情報Aと車両情報Bから図6(a)(b)のような経路A,Bを特定する。この時の現在地も明らかになっている。
【0083】
S220:次に、ランデブーポイント決定部37は、経路Bにおけるランデブーポイントを抽出する。この場合、配送車両Bが駐車することを考慮すると、配送車両Bの配送先もランデブーポイントとなる。
【0084】
S230:ランデブーポイント決定部37は、配送車両Bが各ランデブーポイントへ到着する到着予測時刻Bを推定する。この推定には配送車両Bの車速情報Bを利用し、配送スケジュールがあればそれも利用する。
【0085】
S240:ランデブーポイント決定部37は、車両Aの現在地から車両Aが直接、各ランデブーポイントへ到着した場合の到着予測時刻Aを推定する。この推定には車両Aの車速情報AとVICS等が提供するリンク旅行時間があればそれを利用する。
【0086】
S250:ランデブーポイント決定部37は、到着予測時刻B>到着予測時刻Aのランデブーポイントがあるか否かを判定する。到着予測時刻B>到着予測時刻Aのランデブーポイントは、車両Aが配送車両Bよりも先に到着できるランデブーポイントである。
【0087】
S260:このようなランデブーポイントが複数ある場合、ランデブーポイント決定部37は、車両Aの現在地から最も近いランデブーポイントを特定する。こうすることで、車両Aの移動量が最も少ないランデブーポイントを特定することができる。
【0088】
なお、到着予測時刻B>到着予測時刻Aのランデブーポイントがない場合、実施例1と同様にしてランデブーポイントを決定してもよいし、次述するように、経路Aからランデブーポイントを決定してもよい。
【0089】
図13(b)は、ランデブーポイント決定部37がランデブーポイントを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。図13(b)は、図13(a)手順と車両Aと配送車両Bの関係が逆になっている。
【0090】
すなわち、ランデブーポイント決定部37は、経路Aにおけるランデブーポイントを抽出し(S320)、車両Aが各ランデブーポイントへ到着する到着予測時刻Aを推定する(S330)。次に、配送車両Bの現在地から配送車両Bが各ランデブーポイントへ直接、到着する場合の到着予測時刻Bを推定する(S340)。
【0091】
そして、ランデブーポイント決定部37は、到着予測時刻A>到着予測時刻Bのランデブーポイントがあるか否かを判定する(S350)。到着予測時刻A>到着予測時刻Bのランデブーポイントは、配送車両Bが車両Aよりも先に到着できるランデブーポイントである。
【0092】
このようなランデブーポイントが複数ある場合、ランデブーポイント決定部37は、配送車両Bの現在地から最も近いランデブーポイントを特定する(S360)。
【0093】
到着予測時刻A>到着予測時刻Bのランデブーポイントがない場合、実施例1と同様にしてランデブーポイントを決定してもよいし、図13(a)の手順を実行し、経路Bから1つのランデブーポイントを決定してもよい。当然ながら図13(a)と(b)の手順は1回ずつのみ実行される。
【0094】
以上のような処理により、経路A又は経路Bにランデブーポイントを見つけることができる。
【0095】
なお、図13(a)(b)で到着予測時刻B>到着予測時刻A、又は、到着予測時刻A>到着予測時刻Bの条件を満たすランデブーポイントが見つからない場合、ランデブーポイント決定部37は条件を緩和することもできる。すなわち、到着予測時刻B+β>到着予測時刻A、又は、到着予測時刻A+α>到着予測時刻Bとすることで、ランデブーポイントを見つけやすくすることができる。このα、βは、配送車両B又は車両Aがランデブーポイントで他方を待機する時間となるので、α、βは待機時間として許容可能な5〜10分程度である。こうすることで、ランデブーポイントを見つけやすくすることができる。
【0096】
ランデブーポイントが見つかった場合、経路変更部38はランデブーポイント、経路A及びαを車両Aに、ランデブーポイント、経路B及びβを配送車両Bに通知するので、注文者や担当員はα又はβの間、ランデブーポイントで待機すればよいことを知ることができる。
【0097】
以上のような処理により、注文者は自宅以外で商品を受け取るランデブーポイントの対象を拡大して、商品を受け取りやすくすることができる。
【符号の説明】
【0098】
31 注文者DB
32 配送車両DB
33 ランデブーポイントDB
34 地図DB
35 車両検索部
36 車両情報取得部
37 ランデブーポイント決定部
38 経路変更部
39 配送車両変更部
41 情報アップ手段
42 ランデブーポイント表示部
100 情報管理センター
200 商品受け取りシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文者が商品を受け取るための情報管理サーバに関し、注文者が特に自宅外で商品を受け取ることを可能にする情報管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットや通信端末の普及に伴い通信販売の利用者が増えている。通信販売の一般的な利用形態は以下のようになる。(1)注文者がインターネットや電話を利用して販売店に商品を注文する。(2)販売店が配送業者に商品の配送を依頼する。(3)配送業者が商品を注文者に配送する。しかしながら、(3)の配送時、配送業者は、注文者の自宅を特定しなければならず、注文者は商品の配送時に在宅していなければならないという制約がある。
【0003】
そこで、配送業者の配送業務を効率化するため、配送業者に配送用の資料が配布されることがある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、配送先情報と案内地図データに基づいて一つ又は複数の配送先の地図上の位置を地図データとともに表示する配送用携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の配送用携帯端末が存在しても、注文者が在宅していなければならないという制約は解消されない。例えば、注文者が忙しいため配送時間内に在宅していることが困難な場合、注文者が商品を受け取ることができない。また、例えば、注文者が旅行に使用するために商品を注文したが、自宅を出発した後は商品を受け取ることが全くできなくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、注文者が自宅以外で商品を受け取ることを可能とする情報管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、商品の注文者が搭乗する車両と、前記商品を配送する配送車両とを、注文時に入力された前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベースと、前記車両から前記車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、前記配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段と、前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段と、前記受け渡し位置を前記車両と前記配送車両に通知する受け渡し位置通知手段と、を有する情報管理サーバを提供する。
【発明の効果】
【0008】
注文者が自宅以外で商品の受け取りを可能とする情報管理サーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】商品受け取りシステムの全体を説明する図の一例である。
【図2】商品受け取りシステムの概略を説明する図の一例である。
【図3】商品受け取りシステムのハードウェア構成図の一例である。
【図4】商品受け取りシステムの機能ブロック図の一例である。
【図5】注文者DB、配送車両DB、ランデブーポイントDBの一例を示す図である。
【図6】ランデブーポイントの決定を説明する図の一例である。
【図7】ランデブーポイント決定手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】商品受け取りシステムの全体的な流れを説明する図の一例である。
【図9】注文時の画面の一例を示す図である。
【図10】注文者の自宅、旅行先、商品発送位置を模式的に示す図の一例である。
【図11】商品受け取りシステムの全体的な流れを説明する図の一例である。
【図12】ランデブーポイントの決定方法を説明する図の一例である。
【図13】ランデブーポイント決定部がランデブーポイントを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、商品受け取りシステム200の全体を説明する図の一例である。車両Aは商品の注文者が搭乗する車両(運転していても、同乗者として乗車していてもよい)であり、配送車両Bは配送業者の担当員が運転する車両である。車両Aは携帯キャリア網Aを介してインターネットに、配送車両Bは携帯キャリア網Bを介してインターネットにそれぞれ接続可能になっている。
【0012】
インターネットには情報管理センター100が接続されている。情報管理センター100は配送業者又は販売店が運営するサーバであり、配送車両Bを管理している。本実施形態の商品受け取りシステム200は、配送車両Bが車両Aと同じ場所(以下、ランデブーポイントという)で停車することで、注文者が担当員から自宅以外の場所で商品を受け取ることを可能にする。
【0013】
図2は、商品受け取りシステム200の概略を説明する図の一例である。
(1)車両Aは、車両特定情報、自車位置情報、経路情報、及び、車速情報を情報管理センター100に送信する。
(2)配送車両Bは、車両ID、自車位置情報、経路情報、及び、車速情報を情報管理センター100に送信する。この車両IDは、配送車両Bを一意に特定するための情報であり、情報管理センター100は車両IDにより配送車両Bが注文者の商品を配送中であることを特定している。
(3)情報管理センター100は、車両Aの経路情報と配送車両Bの経路情報を比較して、互いに接近する場所をランデブーポイントとして決定する。
(4)情報管理センター100は、車両Aがランデブーポイントを通過するように車両Aの経路情報を変更し、配送車両Bがランデブーポイントを通過するように配送車両Bの経路情報を変更して、それぞれに通知する。
(5)車両Aと配送車両Bがランデブーポイントに到達すると、注文者は担当員から商品を受け取ることができる。
【0014】
このように、本実施形態の商品受け取りシステム200は、車両Aと配送車両Bにランデブーポイントを通知するので、注文者は自宅以外で商品を受け取ることができる。
【0015】
〔構成〕
図3は、商品受け取りシステム200のハードウェア構成図の一例である。情報管理センター100は、CPU11、ROM12、RAM13、メモリーカード装着部14、NIC(Network Interface Card)15、HDD16、入力装置17及びディスプレイ18を有する。CPU11はHDD16に記憶されたプログラムを実行して情報管理センター100の全体の動作を制御する。ROM12にはBIOSなど起動に必要なプログラムや設定情報が記憶されている。RAM13は、CPU11がプログラムを実行するためのワークエリアである。メモリーカード装着部14は、フラッシュメモリ等のメモリーカードに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。NIC15は、インターネットに対するレイヤ2の接続を確立して車両Aや配送車両Bとデータ通信するための通信装置である。レイヤ2より上位のプロトコルに必要な処理はTCP/IPプロトコルスタックやアプリケーションが受け持っている。HDD16はプログラム、OS、地図データ、後述する各種のテーブルを記憶するための不揮発メモリであり、SSD(Solid State Drive)であってもよい。入力装置17はキーボードやマウスなど情報管理センター100のユーザが操作するためのユーザI/Fである。ディスプレイ18は液晶などフラットパネルディスプレイであり、例えばGUIベースで操作メニューや操作結果を表示するために使用される。
【0016】
車両Aと配送車両Bは同様の構成を有し、それぞれナビゲーション装置26、通信装置21、GPS受信機22、車速センサ23、入力装置24、タッチパネル25、及び、記憶装置27、を有する。以下、車両Aの搭載品に符号Aを付し、配送車両Bの搭載品に符号Bを付す。ナビゲーション装置26は、CPU、RAM、ROM、ASIC、入出力I/F等を備えたコンピュータであり、商品受け取りシステム200における車両Aの全体的な制御を行う。ナビゲーション装置26でなく何らかのECU(Electronic Control Unit)が全体を制御してもよい。また、ナビゲーション装置26は、据え置き型と可搬型があるが、本実施形態ではそのどちらでもよい。
【0017】
通信装置21は、CDMA、GSM、PDM、WiMaxなどの通信方式により携帯電話キャリア網の基地局とデータ通信する装置である。車両などの移動体にはDCM(Data Communication Module)という固定の通信装置が搭載されることがあるのでこのDCMを使用してもよいし、注文者や担当員が所有する携帯端末(携帯電話、スマートフォン、PHS等)を通信装置21としてもよい。携帯端末とナビゲーション装置26はケーブルやBluetooth(登録商標)により接続される。
【0018】
GPS受信機22は、GNSS(Global Navigation Satellite System;全世界的航法衛星システム)の一態様で車両A、配送車両Bの位置情報(緯度、経度、標高)をリアルタイムに測定する。車速センサ23は、車輪の所定の回転角度毎にパルスを出力するセンサで単位時間当たりの回転角度から車速を測定する。入力装置24は、タッチパネル25と一体のソフトキーやタッチパネル周辺のハードキー、リモコン、又は、音声入力装置であり、注文者や担当員の操作を受け付ける。タッチパネル25は液晶などの表示装置で、道路地図、テレビ画面、ブラウザが表示するホームページの画面、操作メニュー等を表示する。記憶装置27はHDDやフラッシュメモリなどの不揮発メモリであり、主に地図データを記憶している。地図データはナビゲーション装置26の出荷時に記憶されていてもよいし、不図示のサーバからダウンロードされてもよい。
【0019】
図4は、商品受け取りシステム200の機能ブロック図の一例である。車両Aと配送車両Bは共に、情報アップ手段41とランデブーポイント表示手段42を有する。以下、車両Aの機能に符号Aを付し、配送車両Bの機能に符号Bを付す。情報アップ手段Aは、車両特定情報、自車位置情報A、経路情報A、及び、車速情報A(以下、まとめて車両情報Aという)を情報管理センター100に送信する。車両特定情報は、車両Aに注文者が乗車していることを特定するための情報、換言すれば車両Aで商品を受け取るための情報であり、例えば、通信装置21の電話番号、ナビゲーション装置26のシリアル番号、車体番号などである。車両特定情報は車両Aを配送車両Bと紐付けするための情報となる。
【0020】
自車位置情報AはGPS受信機Aが測定した車両Aの位置情報であり、経路情報Aは車両Aの現在地から目的地までの経路Aの経路情報であり、車速情報Aは車速センサAが計測した車両Aの車速である。車両Aの目的地や経路情報は、注文者が入力装置Aを使用して設定した情報でも、注文者が自宅のPC(Personal Computer)や携帯端末などを使用してインターネット経由で設定した情報でもよい。
【0021】
情報アップ手段Aが車両情報Aを送信する方法には、自発的に送信する方法と、情報管理センター100からの要求に応じて送信する方法がある。自発的に送信するタイミングには、車両Aのイグニッションオンやナビゲーション装置Aの起動直後、目的地の設定時、定期的(車両Aの走行中)等がある。
【0022】
ランデブーポイント表示手段Aは、情報管理センター100から受信した経路情報と経路情報内の一地点であるランデブーポイントをタッチパネルAに表示する。以降、ナビゲーション装置Aはこの経路情報とランデブーポイントに従って注文者を案内する。
【0023】
配送車両Bの情報アップ手段Bは、車両ID、自車位置情報B、経路情報B、車速情報B(以下、まとめて車両情報Bという)を情報管理センター100に送信する。車両IDは、配送車両Bを一意に特定できればよいので、担当員を一意に特定するID、通信装置Bの電話番号、ナビゲーション装置Bのシリアル番号などでもよい。その他の構成は車両情報Aと同様なので省略する。
【0024】
情報管理センター100は、車両検索部35、車両情報取得部36、ランデブーポイント決定部37、経路変更部38、及び、配送車両変更部39を有する。また、HDD16には注文者DB31、配送車両DB32、ランデブーポイントDB33、及び、地図DB34が記憶されている。
【0025】
配送業者の支店は商品の販売店から商品の受け渡しを依頼され、その際、商品と配送のための情報が記載された伝票が通知される。伝票には、伝票番号、注文者の氏名、住所、日時、車両特定情報(通信装置の電話番号)、商品名などが記載されており、配送業者がこれらの伝票情報を端末に入力すると情報管理センター100に伝票情報が送信される。ここでは通信装置Aの電話番号を車両特定情報とする。伝票情報が情報管理センター100に送信されることで、情報管理センター100は商品の配送が可能になったことを検出する。
【0026】
情報管理センター100は、伝票情報から車両特定情報などを抽出して注文者DB31に登録する。
図5(a)は注文者DB31の一例を示す図である。各レコードに、伝票番号、氏名、住所、日時、電話番号(車両特定情報)、商品名が登録されている。この車両特定情報が配送車両Bを特定するための情報となる。
【0027】
また、配送業者は販売店から商品を受け取り配送車両Bに商品を積載すると、又は、積載することが決まると、商品を積載した配送車両Bの車両ID、商品名及び伝票番号を情報管理センター100に通知する。情報管理センター100は、商品名、車両ID及び伝票番号を対応づけて配送車両DB32に登録する。
図5(b)は配送車両DB32の一例を示す図である。各レコードに、車両ID、商品名及び伝票番号が登録されている。図では例えば配送車両BにX装置が積載されたことが分かる。配送業者は、適宜、配送車両間で積載する商品を交換したり積み直したりするが、配送車両DB32を参照することで、情報管理センター100は各配送車両に積載されている商品を特定できる。
【0028】
なお、図5(a)(b)では伝票番号が車両特定情報と車両IDを紐付けているが、注文者特定番号を配送車両DB32に登録すれば、注文者特定番号により注文者DB31のレコードと配送車両DB32のレコードを紐付けることができる。車両特定情報も伝票の記載内容であることを考慮すると、2つのDBのレコードを紐付けるのは伝票の記載内容のうち適切な情報である。
【0029】
図5(c)はランデブーポイントDB33の一例を示す図である。各レコードに、ランデブーポイント位置、種類が登録される。ランデブーポイント位置は、座標とリンク番号とした。座標を含むことで、情報管理センター100が、車両Aや配送車両Bの経路情報から最寄りのランデブーポイントを探しやすくなり、リンク番号を含むことで、車両Aの経路情報Aや配送車両Bの経路情報Bをランデブーポイントを通過するように変更することが容易になる。
【0030】
ランデブーポイントは、車両Aと配送車両Bが駐車可能な広さを有することが好ましく、何らかの駐車場又は駐車場を備えた施設であることが好ましい。したがって、例えば、ショッピングセンターの駐車場、道の駅、コンビニ、ガソリンスタンド、高速道路のPA等がランデブーポイントになる。交通量が極めて少ない道路上であってもよい。
【0031】
情報管理センター100は、地図DB34からこれらの種類の施設を抽出して、その位置情報と対応づけてランデブーポイントDB33に登録しておく。ランデブーポイントDB33は静的なDB(あまり内容が変化しない)なので、ランデブーポイントの種類だけを定めておき、情報管理センター100がランデブーポイントを検索する際に、地図DB34から検索してもよい。
【0032】
なお、地図DB34は道路網をノードとリンクで表したデータベースである。ノードのノード番号に対応づけて、位置(座標)、接続リンク本数、接続ノード番号、交差点名称等が登録され、リンク番号に対応づけて起終点ノード番号、道路種別、幅員、リンク長等が登録されている。また、施設(都道府県庁、市役所、町村役場、サービスエリア、パーキングエリア、道の駅、フェリー発着所、鉄道駅、空港 等)の位置情報が登録されている。
【0033】
<車両情報の取得>
図4に戻り、車両情報は、情報管理サーバ100が要求することで車両A又は配送車両Bから自発的に送信される場合と、車両A又は配送車両Bから自発的に送信される場合がある。情報管理サーバ100はどちらか一方の車両情報A,Bを取得すると他方の車両情報A,Bを取得する。
(a)情報管理サーバ100が要求する
車両検索部35は、以下のようなタイミングで車両Aの検索を開始する。
(i)配送車両DB32が更新された
(ii)定期的
車両検索部35は、まず、配送車両DB32に新たに登録された伝票番号を読み出し、一致するレコードを注文者DB31から特定する。そして、車両検索部35は、車両特定情報(図では電話番号)を用いて走行中の車両Aに車両情報Aの送信を要求する。具体的には、車両検索部35は、携帯電話キャリアのサーバに電話番号を送信して、例えばショートメッセージサービス等のサービスを利用して、「配送業者から車両情報Aの送信が要求されています。送信を許可しますか。はい・いいえ」などを送信する。注文者はタッチパネルAに表示されたメッセージを見て「はい」を選択するので、情報アップ手段Aは車両情報Aの送信を開始することができる。または、注文者が予め車両情報Aの送信を許可するようにナビゲーション装置26を設定しておけば、携帯電話キャリアが電話番号を指定してナビゲーション装置26にコマンドを送信するだけで、情報アップ手段Aが車両情報Aの送信を開始できる。なお、車両検索部35は配送車両Bに対しても車両情報Bを要求することができる。
(b)車両Aが車両情報Aを送信した。
【0034】
上記のように、車両Aは自発的に車両情報Aを送信することもできるので、車両検索部35が要求しなくても、車両情報取得部36が車両情報Aを取得することができる。なお、情報アップ手段Aが自発的に車両情報Aを送信する場合、通信の過程で車両Aの通信装置Aの電話番号やIPアドレスなどは既知となるので、以降は、情報管理サーバ100から車両Aと通信できる。
(c)配送車両Bが車両情報Bを送信した。
【0035】
同様に、配送車両Bは自発的に車両情報Bを送信することができる。車両情報取得部36は、車両情報Bを取得する。
【0036】
(a)(b)のように、車両情報取得部36が車両情報Aを先に取得した場合、車両情報取得部36は、車両情報Aに含まれる車両特定情報をキーに注文者DB31を検索して特定した伝票番号により、配送車両DB32を検索して配送車両Bの車両IDを特定する。これにより、車両情報取得部36は配送車両Bに車両情報Bを要求できる。配送車両Bは情報管理センター100の管理下にあるので、配送車両Bの通信装置Bの電話番号は既知であり、また、強制的に車両情報Bの送信を要求できる。
【0037】
(c)のように、車両情報取得部36が車両情報Bを先に取得した場合、車両情報取得部36は、車両情報Bに含まれる車両IDをキーに配送車両DB32を検索して特定した伝票番号により、注文者DB31を検索して車両Aの車両特定情報を特定する。これにより、車両情報取得部36は配送車両Aに車両情報Aを要求できる。
【0038】
<ランデブーポイントの決定>
以上により、車両情報Aと車両情報Bが情報管理センター100に送信されたことになる。車両情報A及び車両情報Bが取得されると、ランデブーポイント決定部37が、車両情報A、車両情報B及びランデブーポイントDB33からランデブーポイントを決定することができる。
【0039】
図6はランデブーポイントの決定を説明する図の一例を、図7は、ランデブーポイント決定手順を示すフローチャート図の一例である。
【0040】
S10:ランデブーポイント決定部37は、車両情報Aと車両情報Bから図6(a)(b)のような経路A,Bを特定できる。この時の現在地も明らかになっている。
【0041】
S20:ランデブーポイント決定部37は、経路Aにおける車両Aの1分毎の位置及び経路Bにおける配送車両Bの1分毎の位置を推定する。「1分毎」としたのは一例であって、30秒毎でも5分程度でもよいが、比較的短い間隔で推定することでランデブーポイントを探しやすくなる。各位置の推定には、現在位置を起点に、車速情報Aと車速情報Bに1分を乗じた距離を累積していけばよい。VICSがビーコンなどで提供するリンク旅行時間を利用すれば道路の混雑状況を反映させて位置を推定できるのでなお好ましい。このようにして推定された位置を、それぞれ推定位置A、推定位置Bと称する。
【0042】
S30:ランデブーポイント決定部37は、同じ時刻の推定位置A、Bの距離を算出する。図6(a)(b)では、A1〜A5とB1〜B5のそれぞれ5つの推定位置A、Bを示す。これにより、経路だけでなく時間を考慮して車両Aと配送車両Bが接近する推定位置A、Bを抽出できる。
【0043】
S40:ランデブーポイント決定部37は、所定距離s1内の推定位置A、Bがあるか否かを判定する。所定距離s1は、例えば時速を50km/hとすると4〜8km(時間に換算して5〜10分程度)であるが、配送業者の配送スケジュールを乱したり、注文者が移動を許容できる程度の距離である。所定距離s1内の推定位置A、Bがない場合、ランデブーポイント決定部37は今回の経路A、経路Bによる商品の配送ができないと判定して処理を終了する。
【0044】
S50:所定距離s1内の推定位置A、Bがある場合(複数ある場合は最も近い推定位置A,B)、ランデブーポイント決定部37は2つの推定位置A、Bのどちらか又は両方から処理距離s2内にランデブーポイントの候補があるか否かを判定する。例えば推定位置A3とB3が互いに所定距離s1内の場合、ランデブーポイント決定部37は、推定位置A3から処理距離s2内で推定位置B3からも所定距離s2内のランデブーポイントがあるか否かを、ランデブーポイントDB33を検索することで判定する。ランデブーポイントは駐車可能な場所でよいので、ステップS40よりもYesとなる可能性が高い。
【0045】
S60:複数のランデブーポイントが見つかった場合、ランデブーポイント決定部37は推定位置A3からの距離と推定位置B3からの距離の合計が最も短いランデブーポイントを最終的なランデブーポイントする。複数のランデブーポイントを車両A及び配送車両Bに送信して希望を問い合わせることで、ランデブーポイントを絞ってもよい。図6(a)(b)では星印で示す位置にランデブーポイントが見つかったものとする。以上のようにして、ランデブーポイントを決定することができる。
【0046】
<経路変更>
図4に戻り、経路変更部38は、経路Aがランデブーポイントを通過するように経路Aを変更し、経路Bがランデブーポイントを通過するように経路Bを変更する。具体的には、経路変更部38は、車両Aの現在地からランデブーポイントまでの経路探索と、ランデブーポイントから目的地までの経路探索とをそれぞれ行うことで、経路Aを変更する。同様に、経路変更部38は、車両Bの現在地からランデブーポイントまでの経路探索と、ランデブーポイントから目的地までの経路探索とをそれぞれ行うことで、経路Bを変更する。
【0047】
図6(c)は変更後の経路Aの一例を、図6(d)は変更後の経路Bの一例をそれぞれ示す。経路Aと経路Bのいずれもランデブーポイントを通過するように変更された。こうすることで、図6(e)に示すように、2つの経路が少なくともランデブーポイントで交わるようになり、車両Aの注文者と配送車両Bの担当員がほぼ同じ時間帯に同じ場所に存在することが可能になる。
【0048】
経路変更部38は、変更した経路Aの経路情報Aを車両Aに送信し、変更した経路Bの経路情報Bを車両Bに送信する。2つの経路情報A,Bにはランデブーポイントの位置情報や種類が含まれている。上記のように、ランデブーポイント表示手段Aは、それまでの経路情報Aよりも優先的に(又は破棄して)変更後の経路情報AとランデブーポイントをタッチパネルAに表示するので、注文者はナビゲーション装置Aの案内に従ってランデブーポイントに到達できる。配送車両Bの担当員にとっても同様である。
【0049】
<配送車両Bの変更>
なお、図5のステップS40では、ランデブーポイントが見つからないと処理を終了したが、車両Aが通勤などの決まった範囲で移動する場合、配送範囲の決まっている配送車両Bが次回配送しても、ランデブーポイント決定部37がランデブーポイントを見つけられないおそれがある。このため、所定距離内の推定位置A、Bがない場合、ランデブーポイント決定部37は、車両情報Aに含まれる経路情報Aを配送車両変更部39に通知して、配送車両の変更が必要か否かを問い合わせる。
【0050】
配送車両変更部39は、配送車両Bの配送範囲(例えば、市内、区内等)と車両Aの経路情報Aを比較して、経路情報Aのリンクが配送車両Bの配送範囲に含まれているか否かに基づき、配送車両Bの変更が必要か否かを判定する。経路情報Aのリンクが配送車両Bの配送範囲に含まれていない場合や、含まれるリンク数が所定値以下の場合、配送車両変更部39は注文者の商品を配送する配送車両を変更する。
【0051】
変更の際、配送車両変更部39は、各配送車両の配送範囲と経路情報Aを同様に比較して、最も含まれるリンク数が大きくなる配送範囲を受け持つ配送車両に変更する。こうすることで、車両Aがある程度決まった範囲を移動する場合、いずれはランデブーポイントが見つかり注文者が商品を受け取ることができる。
【0052】
〔全体的な動作〕
図8は、商品受け取りシステム200の全体的な流れを説明する図の一例である。まず、注文者は、PCや携帯電話(スマートフォン)を介して販売店のHPにアクセスし、所望の商品を販売店に注文する(S1)。注文時、注文者が商品名、数量、日時、氏名、住所、車両特定情報を入力するのは上記のとおりだが、本実施形態では受取方法として“移動中受け取り”を指定する。これらの注文情報は販売店に送信される。
【0053】
図9(a)は、携帯電話に表示される注文時の画面の一例を示す図である。図はいくつかの画面からなる注文画面の1つであり、受け取り方法を指定する画面である。図示するように「自宅」「コンビニエンスストア」「移動中」の受け取り方法の中から、注文者は「移動中」を選択することができる。なお、注文は車両Aに乗車してからでも何ら不都合がない。
【0054】
販売店のサーバは注文を受け付け注文伝票を作成する(S2)。販売店は、在庫があれば即日発送可能であるし、在庫がなければ商品を発注するなどする。
【0055】
販売店は商品を入手すると配送業者用の伝票を起票して、商品に伝票を添付して、配送業者に配送を依頼する(S3)。
【0056】
商品を受け取った配送業者は伝票の内容をPCなどに入力する(S4)。入力された伝票情報はネットワークを介して接続された情報管理センター100に送信される。情報管理センター100は伝票情報を注文者DB31に登録する(S5)。
【0057】
また、販売店は商品を配送車両Bに搭載し(S6)、付随する処理として搭載したことを情報管理センター100に通知する。通知の方法は、例えば、バーコードリーダで配送車両Bを特定するバーコードを読み、続けて伝票のバーコードを読むなどの方法がある。これにより、配送車両Bの車両ID、伝票情報、商品名等が情報管理センター100に送信される。情報管理センター100は配送車両Bの車両ID、伝票番号、商品名を配送車両DB32に登録する(S7)。
【0058】
配送車両DB32が更新されると、情報管理センター100の車両検索部35が配送車両DB32に新たに登録された伝票番号に基づき注文者DB31から特定した電話番号を用いて車両Aに対し車両情報Aの送信を要求する(S11)。
【0059】
情報アップ手段Aは、この要求に応じて車両情報Aを情報管理センター100に送信する(S12)。
【0060】
仮に、情報アップ手段Aが定期的などのタイミングで情報管理センター100に車両情報Aを送信した場合、車両情報取得部36は、車両情報Aに含まれる車両特定情報に一致する伝票番号を注文者DB31から特定できる。そしてその伝票番号と一致する車両IDの配送車両Bを配送車両DB32から特定すれば、車両Aの注文者と配送車両Bを結びつけることができる。情報アップ手段Bが車両情報Bを送信した場合も同様である。よって、情報アップ手段A又はBが自発的に車両情報A、Bを送信する場合、S11の送信要求は必ずしも必要ではない。
【0061】
情報管理センター100の車両情報取得部36は、配送車両DB32に新たに登録されたレコードに含まれる配送車両Bを特定する(S13)。そして、配送車両Bに対し車両情報Bの送信を要求する(S14)。
【0062】
情報アップ手段Bは、この要求に応じて又は定期的などのタイミングで、車両情報Bを情報管理センター100に送信する(S15)。
【0063】
そして、ランデブーポイント決定部37は、経路Aと経路Bからランデブーポイントを決定し(S16)、経路変更部38はランデブーポイントを通過するように変更した経路Aを車両Aに送信し、経路Bを配送車両Bに送信する(S17)。
【0064】
以上のような処理により、注文者は自宅以外でも商品を受け取ることができる。
【実施例2】
【0065】
実施例1では、ランデブーポイントが見つからない場合、配送車両変更部39が配送車両Bを別の配送車両に変更し、次回の配送時に同様の処理を行うと説明した。しかし、注文者が旅行に行くなど、移動する範囲が広範囲にわたる場合、配送車両を変更しても担当員が商品を受け渡すことができないおそれがある。例えば、車両情報Aの出発地(現在地)と目的地が大きく離れている場合、経路の全体を配送範囲とする配送車両は見つからない。そこで、本実施例では、注文者が受け取り場所を指定することで、配送範囲を絞り込む商品受け取りシステム200について説明する。
【0066】
図10は、注文者の自宅、旅行先、商品発送位置を模式的に示す図の一例である。注文者は東京付近の自宅から東北方面を抜けて青森まで旅行する。注文者の商品の発送位置は図では工場として山形県D1と兵庫県D2とを例示した。注文者は発送位置を考慮する必要はないが、販売店の住所などから商品発送位置をある程度予測することは可能である。
【0067】
本実施例では、注文者は注文時に旅行先(受け取り場所)を入力する。図9(a)の注文画面で注文者が「移動中」を選択すると、画面が図9(b)のような受け取り場所入力画面が表示される。注文者は、旅行先や移動中に商品を受け取りたい場合、「はい」を選択し、受け取り場所を入力することができる。
【0068】
図11は、商品受け取りシステム200の全体的な流れを説明する図の一例である。図11において図8と同一部の説明は簡単に行う。まず、ステップS1により販売店に受け取り場所を含む注文情報が送信される。以降のS2〜S5については実施例1と同様である。
【0069】
ここで、物流の進歩により注文から商品の発送までの期間は短縮傾向にあり、現在では即日(注文日)に出荷することも可能になっている。このため、ステップS5において注文者DB31に伝票情報が登録された時が、注文者が出発後、数時間以内の場合もある。本実施例では車両Aが移動中であることが前提なので、注文時からの経過時間によって最適な配送方法が異なる。
【0070】
そこで、配送車両変更部39は、車両Aの現在地P1又はP2、商品発送位置D1又はD2、及び、受け取り場所に応じて、最適な配送車両を決定する(S5−1)。車両Aの現在地は、実施例1と同様に車両情報取得部36が取得した車両情報Aを利用する。
【0071】
配送車両変更部39は、例えば次のようにして配送車両Bを決定する。
・車両Aの現在地がP1で、商品発送位置がD1の場合
この場合、車両Aが旅行先に到達する前に商品を受け渡すことが可能なので、例えば高速道路を移動可能な配送範囲を有する配送車両Bを決定して商品発送位置D1から商品を配送する。
・車両Aの現在地がP2で、商品発送位置がD1の場合
この場合、車両Aが旅行先に到達する前に商品を受け渡すことが困難なので、商品発送位置D1から商品を旅行先の配送業者に転送して、旅行先に配送範囲を有する配送車両Bを決定する。
・車両Aの現在地がP1又はP2で、商品発送位置がD2の場合
この場合、車両Aが旅行先に到達する前に商品を受け渡すことが困難なので、商品発送位置D2から商品を旅行先の配送業者に空路などを経由して転送して、旅行先に配送範囲を有する配送車両Bを決定する。
【0072】
換言すれば、配送車両変更部39は、受け取り場所と商品発送位置D1,D2の距離L2、受け取り場所と現在地P1,P2の距離L1を比較して、L1>L2であれば、商品発送位置D1の付近の配送車両Bを指定し、それ以外の場合は、受け取り場所の付近の配送車両Bを指定する。
【0073】
このような配送車両の指定を受けた配送業者は、商品を受け取り場所に転送することなく、又は、転送後、商品を配送車両Bに積載する(S6)。
【0074】
以降、S15までの処理は実施例1と同様である。そして、ステップS16において、ランデブーポイント決定部37は、ランデブーポイントを決定する。配送車両Bが受け取り場所で商品を受け渡す場合のランデブーポイントの決定方法は実施例1と同様である。車両Aは旅行先である受け取り場所で観光やビジネスのため移動しているので、これらの目的地と車両Aの現在地を含む経路情報Aと、配送車両Bの経路情報Bからランデブーポイントを決定すればよい。
【0075】
一方、車両Aが受け取り場所に到着する前に担当員が商品を受け渡す場合、ランデブーポイント決定部37は車両Aの経路情報A上にランデブーポイントを決定する。車両Aが高速道路を移動している場合、ランデブーポイントは例えばPAであり、車両Aが高速道路を移動していない場合、ランデブーポイントは車両Aの経路情報Aに存在するランデブーポイントとなる。なお、車両Aが高速道路を移動している場合、配送車両Bは車両Aと同方向(上り)を移動することが好ましいが、ランデブーポイント決定部37が上り側のPAと下り側のPAを担当員が行き来できるPAをランデブーポイントに決定した場合、配送車両Bが高速道路を逆方向に(下り)移動することもできる。
【0076】
図12は、ランデブーポイントの決定方法を説明する図の一例である。図12ではPAを例に説明するが、一般道のランデブーポイントについても同様である。
(i)ランデブーポイント決定部37は、車両Aの車速情報Aを用いて現在地よりも受け取り場所側のPA1〜3に車両Aが到達する時刻ta1〜ta3を予想する。
(ii) ランデブーポイント決定部37は、配送車両Bの車速情報Bを用いてPA1〜3に配送車両Bが直行した場合の時刻tb1〜tb3を予想する。
(iii)ランデブーポイント決定部37は、ta1とtb1、ta2とtb2、ta3とtb3…を順番に比較しtai>tbi(iは自然数)となる最初のPAを特定する。このPAは、配送車両Bが車両Aよりも早く到着できる最初のPAである。
【0077】
経路変更部38はこのようにして決定されたランデブーポイントを通過するように変更した経路Aを車両Aに送信し、経路Bを配送車両Bに送信する(S17)。経路Aはほとんど変更がなく、停車するPAを新たに指定する経路情報Aとなり、経路Bは目的地をPA(ランデブーポイント)とした新たな経路情報Bとなる。
【0078】
以上のような処理により、注文者は自宅以外であり、かつ、旅行先又はその手前で商品を受け取ることができる。
【実施例3】
【0079】
実施例1では、車両Aと配送車両Bにとって最適なランデブーポイントを見つける商品受け取りシステム200を説明したが、本実施例ではランデブーポイントの別の決定方法を有する商品受け取りシステム200について説明する。
【0080】
車両Aは、注文者が搭乗しているので特別な用がなければ、積極的に移動して配送車両Bと接触することができる。また、配送車両Bは商品を配送することが目的なのでこちらも積極的に移動して車両Aと接触することができる場合もあると考えられる。そこで、本実施例では、経路情報A又は経路情報B上のランデブーポイントに他方を誘導する商品受け取りシステム200について説明する。
【0081】
本実施例では、全体的な動作手順は図8と同様であり、図8のステップS16のランデブーポイントの決定方法が実施例1と異なる。
図13(a)はランデブーポイント決定部37がランデブーポイントを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0082】
S210:ランデブーポイント決定部37は、車両情報Aと車両情報Bから図6(a)(b)のような経路A,Bを特定する。この時の現在地も明らかになっている。
【0083】
S220:次に、ランデブーポイント決定部37は、経路Bにおけるランデブーポイントを抽出する。この場合、配送車両Bが駐車することを考慮すると、配送車両Bの配送先もランデブーポイントとなる。
【0084】
S230:ランデブーポイント決定部37は、配送車両Bが各ランデブーポイントへ到着する到着予測時刻Bを推定する。この推定には配送車両Bの車速情報Bを利用し、配送スケジュールがあればそれも利用する。
【0085】
S240:ランデブーポイント決定部37は、車両Aの現在地から車両Aが直接、各ランデブーポイントへ到着した場合の到着予測時刻Aを推定する。この推定には車両Aの車速情報AとVICS等が提供するリンク旅行時間があればそれを利用する。
【0086】
S250:ランデブーポイント決定部37は、到着予測時刻B>到着予測時刻Aのランデブーポイントがあるか否かを判定する。到着予測時刻B>到着予測時刻Aのランデブーポイントは、車両Aが配送車両Bよりも先に到着できるランデブーポイントである。
【0087】
S260:このようなランデブーポイントが複数ある場合、ランデブーポイント決定部37は、車両Aの現在地から最も近いランデブーポイントを特定する。こうすることで、車両Aの移動量が最も少ないランデブーポイントを特定することができる。
【0088】
なお、到着予測時刻B>到着予測時刻Aのランデブーポイントがない場合、実施例1と同様にしてランデブーポイントを決定してもよいし、次述するように、経路Aからランデブーポイントを決定してもよい。
【0089】
図13(b)は、ランデブーポイント決定部37がランデブーポイントを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。図13(b)は、図13(a)手順と車両Aと配送車両Bの関係が逆になっている。
【0090】
すなわち、ランデブーポイント決定部37は、経路Aにおけるランデブーポイントを抽出し(S320)、車両Aが各ランデブーポイントへ到着する到着予測時刻Aを推定する(S330)。次に、配送車両Bの現在地から配送車両Bが各ランデブーポイントへ直接、到着する場合の到着予測時刻Bを推定する(S340)。
【0091】
そして、ランデブーポイント決定部37は、到着予測時刻A>到着予測時刻Bのランデブーポイントがあるか否かを判定する(S350)。到着予測時刻A>到着予測時刻Bのランデブーポイントは、配送車両Bが車両Aよりも先に到着できるランデブーポイントである。
【0092】
このようなランデブーポイントが複数ある場合、ランデブーポイント決定部37は、配送車両Bの現在地から最も近いランデブーポイントを特定する(S360)。
【0093】
到着予測時刻A>到着予測時刻Bのランデブーポイントがない場合、実施例1と同様にしてランデブーポイントを決定してもよいし、図13(a)の手順を実行し、経路Bから1つのランデブーポイントを決定してもよい。当然ながら図13(a)と(b)の手順は1回ずつのみ実行される。
【0094】
以上のような処理により、経路A又は経路Bにランデブーポイントを見つけることができる。
【0095】
なお、図13(a)(b)で到着予測時刻B>到着予測時刻A、又は、到着予測時刻A>到着予測時刻Bの条件を満たすランデブーポイントが見つからない場合、ランデブーポイント決定部37は条件を緩和することもできる。すなわち、到着予測時刻B+β>到着予測時刻A、又は、到着予測時刻A+α>到着予測時刻Bとすることで、ランデブーポイントを見つけやすくすることができる。このα、βは、配送車両B又は車両Aがランデブーポイントで他方を待機する時間となるので、α、βは待機時間として許容可能な5〜10分程度である。こうすることで、ランデブーポイントを見つけやすくすることができる。
【0096】
ランデブーポイントが見つかった場合、経路変更部38はランデブーポイント、経路A及びαを車両Aに、ランデブーポイント、経路B及びβを配送車両Bに通知するので、注文者や担当員はα又はβの間、ランデブーポイントで待機すればよいことを知ることができる。
【0097】
以上のような処理により、注文者は自宅以外で商品を受け取るランデブーポイントの対象を拡大して、商品を受け取りやすくすることができる。
【符号の説明】
【0098】
31 注文者DB
32 配送車両DB
33 ランデブーポイントDB
34 地図DB
35 車両検索部
36 車両情報取得部
37 ランデブーポイント決定部
38 経路変更部
39 配送車両変更部
41 情報アップ手段
42 ランデブーポイント表示部
100 情報管理センター
200 商品受け取りシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の注文者が搭乗する車両と前記商品を配送する配送車両とを、前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベースと、
前記車両から前記車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、前記配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段と、
前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段と、
前記受け渡し位置を前記車両と前記配送車両に通知する受け渡し位置通知手段と、
を有する情報管理サーバ。
【請求項2】
前記データベースには前記注文者が指示した移動先情報が記憶されており、
前記第1の車両情報の現在地と前記移動先情報との第1の距離、及び、前記商品の発送位置と前記移動先情報との第2の距離を比較して、前記商品を配送する前記配送車両を決定する配送車両決定手段、を有する請求項1記載の情報管理サーバ。
【請求項3】
前記配送車両決定手段は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも長くない場合、前記移動先情報の場所の周辺を配送範囲とする配送車両を、前記商品を配送する前記配送車両に決定する、ことを特徴とする請求項2記載の情報管理サーバ。
【請求項4】
前記第1の距離が前記第2の距離よりも長い場合、
前記受け渡し位置決定手段は、前記車両が到達するよりも前記配送車両の方が早く到達する前記第1の位置を前記受け渡し位置に決定する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報管理サーバ。
【請求項5】
前記受け渡し位置は高速道路のパーキングエリアである、ことを特徴とする請求項4記載の情報管理サーバ。
【請求項6】
前記受け渡し位置決定手段は、前記車両が到達するよりも、前記配送車両の方が早く到達する前記第1の位置、又は、前記配送車両が到達するよりも、前記車両の方が早く到達する前記第2の位置、を前記受け渡し位置に決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報管理サーバ。
【請求項7】
前記車両特定情報を用いて前記車両を呼び出して通信する車両呼出手段を有し、
前記車両情報取得手段は、前記車両呼出手段が呼び出した前記車両から前記第1の車両情報を取得し、
呼び出しに用いた前記車両特定情報により前記データベースから特定した前記配送車両から前記第2の車両情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の情報管理サーバ。
【請求項8】
前記車両情報取得手段は、前記車両から前記第1の車両情報を取得し、
取得した前記第1の車両情報の前記車両特定情報により前記データベースを参照して注文者の商品を配送する前記配送車両の前記配送車両IDを特定し、該配送車両IDを用いて前記配送車両から前記第2の車両情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の情報管理サーバ。
【請求項9】
前記車両情報取得手段は、前記配送車両から前記第2の車両情報を取得し、
取得した前記第2の車両情報の前記配送車両IDにより前記データベースを参照して注文者の前記車両の前記車両特定情報を特定し、該車両特定情報を用いて前記車両から前記第1の車両情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の情報管理サーバ。
【請求項10】
車両及び配送車両がネットワークを介して車両情報管理サーバと通信する商品受け取りシステムであって、
商品の注文者が搭乗する車両と前記商品を配送する配送車両とを、前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベースと、
前記車両から前記車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、前記配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段と、
前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段と、
前記受け渡し位置を前記車両と前記配送車両に通知する受け渡し位置通知手段と、
を有する商品受け取りシステム。
【請求項1】
商品の注文者が搭乗する車両と前記商品を配送する配送車両とを、前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベースと、
前記車両から前記車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、前記配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段と、
前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段と、
前記受け渡し位置を前記車両と前記配送車両に通知する受け渡し位置通知手段と、
を有する情報管理サーバ。
【請求項2】
前記データベースには前記注文者が指示した移動先情報が記憶されており、
前記第1の車両情報の現在地と前記移動先情報との第1の距離、及び、前記商品の発送位置と前記移動先情報との第2の距離を比較して、前記商品を配送する前記配送車両を決定する配送車両決定手段、を有する請求項1記載の情報管理サーバ。
【請求項3】
前記配送車両決定手段は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも長くない場合、前記移動先情報の場所の周辺を配送範囲とする配送車両を、前記商品を配送する前記配送車両に決定する、ことを特徴とする請求項2記載の情報管理サーバ。
【請求項4】
前記第1の距離が前記第2の距離よりも長い場合、
前記受け渡し位置決定手段は、前記車両が到達するよりも前記配送車両の方が早く到達する前記第1の位置を前記受け渡し位置に決定する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報管理サーバ。
【請求項5】
前記受け渡し位置は高速道路のパーキングエリアである、ことを特徴とする請求項4記載の情報管理サーバ。
【請求項6】
前記受け渡し位置決定手段は、前記車両が到達するよりも、前記配送車両の方が早く到達する前記第1の位置、又は、前記配送車両が到達するよりも、前記車両の方が早く到達する前記第2の位置、を前記受け渡し位置に決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報管理サーバ。
【請求項7】
前記車両特定情報を用いて前記車両を呼び出して通信する車両呼出手段を有し、
前記車両情報取得手段は、前記車両呼出手段が呼び出した前記車両から前記第1の車両情報を取得し、
呼び出しに用いた前記車両特定情報により前記データベースから特定した前記配送車両から前記第2の車両情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の情報管理サーバ。
【請求項8】
前記車両情報取得手段は、前記車両から前記第1の車両情報を取得し、
取得した前記第1の車両情報の前記車両特定情報により前記データベースを参照して注文者の商品を配送する前記配送車両の前記配送車両IDを特定し、該配送車両IDを用いて前記配送車両から前記第2の車両情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の情報管理サーバ。
【請求項9】
前記車両情報取得手段は、前記配送車両から前記第2の車両情報を取得し、
取得した前記第2の車両情報の前記配送車両IDにより前記データベースを参照して注文者の前記車両の前記車両特定情報を特定し、該車両特定情報を用いて前記車両から前記第1の車両情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の情報管理サーバ。
【請求項10】
車両及び配送車両がネットワークを介して車両情報管理サーバと通信する商品受け取りシステムであって、
商品の注文者が搭乗する車両と前記商品を配送する配送車両とを、前記車両の車両特定情報により対応づけるデータベースと、
前記車両から前記車両特定情報、現在地及び走行経路を含む第1の車両情報を、前記配送車両から配送車両ID、現在地及び走行経路を含む第2の車両情報をそれぞれ取得する車両情報取得手段と、
前記車両が前記第1の車両情報の走行経路上の第1の位置を走行する際に、前記配送車両が走行する前記第2の車両情報の走行経路上の第2の位置が、前記第1の位置から所定距離内となる前記第1の位置と前記第2の位置を推定して、前記配送車両が前記車両に前記商品を受け渡す受け渡し位置を決定する受け渡し位置決定手段と、
前記受け渡し位置を前記車両と前記配送車両に通知する受け渡し位置通知手段と、
を有する商品受け取りシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−121700(P2012−121700A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274356(P2010−274356)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.GSM
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.GSM
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
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