説明

情報管理システム、情報管理方法、及び、プログラム

【課題】病院等の患者が所有する診察券に記憶された情報を管理するのに好適な情報管理システム、情報管理方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】情報管理システムのサーバ1は、アンテナ5を介してタグ装置6に記憶された情報を受信し、データベース2に記憶させる。入出力端末装置4は、前記情報を表示し、前記情報に対応付けられる追加情報を受け付ける。サーバ1は、前記追加情報をタグ装置6に送信する。タグ装置6は、前記情報に加え、前記追加情報をさらに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院等の患者が所有する診察券に記憶された情報を管理するのに好適な情報管理システム、情報管理方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触でデータの読み書きができて、かつ磁気誘導で起電するために内蔵電池が不要なIC(Integrated Circuit)カードが知られている。これら非接触型ICカードは、電磁界や電波などを用いた無線通信(RFID;Radio Frequency IDentification)によって、アンテナとの間で情報が送受信される。非接触型ICカードを病院の診察券に利用することにより、一個人の情報を一元的に管理するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−259033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、複数の個人が所属するグループ(例えば、家族)において、グループに所属する全員の個人情報を一元的に管理することが困難な場合がある。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、家族等のグループが一枚の非接触型ICカードを所持することにより、当該グループ内での情報を共有するのに好適な情報管理システム、情報管理方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる情報管理システムは、タグ装置と、サーバ装置と、を備える患者の情報を管理する情報管理システムであって、
前記タグ装置は、
前記患者に対応付けられる情報を記憶するタグ記憶部と、
前記サーバ装置との間で前記情報を送受信するタグ通信部と、
前記タグ記憶部に記憶される前記情報を表示するタグ表示部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記タグ装置との間で前記情報を送受信する通信部と、
前記情報を記憶する記憶部と、
前記情報に加え、追加情報を受け付ける受付部と、を備え、
前記サーバ装置において、前記記憶部は、前記受付部が受け付ける前記追加情報をさらに記憶し、前記通信部は、前記追加情報を前記タグ装置に送信し、
前記タグ装置において、前記タグ通信部は、前記追加情報を受信し、前記タグ記憶部は、前記追加情報をさらに記憶し、前記タグ表示部は、前記追加情報をさらに表示する、
ことを特徴とする。
【0006】
前記サーバ装置は、前記記憶部に記憶される前記情報を表示する表示部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記情報と前記追加情報とを対応付けて表示する、ことも可能である。
【0007】
前記タグ装置は、前記患者の生体を認証する生体認証部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記生体認証部が前記患者の生体を認証した場合、前記情報を表示する、ことも可能である。
【0008】
前記情報及び前記追加情報は、前記患者及び前記患者と血縁関係にある血縁者を示す個人情報及び遺伝情報、並びに、前記タグ装置を利用する利用者に対する所定の伝言情報を含む、ことも可能である。
【0009】
本発明の第2の観点にかかる情報管理方法は、
タグ装置と、サーバ装置と、にて実行される患者の情報を管理する情報管理方法であって、前記タグ装置は、タグ記憶部と、タグ通信部と、タグ表示部と、を有し、前記サーバ装置は、通信部と、記憶部と、受付部と、を有し、
前記タグ装置にて、
前記タグ記憶部が、前記患者に対応付けられる情報を記憶するタグ記憶工程と、
前記タグ通信部が、前記サーバ装置との間で前記情報を送受信するタグ通信工程と、
前記タグ表示部が、前記タグ記憶部に記憶される前記情報を表示するタグ表示工程と、を備え、
前記サーバ装置にて、
前記通信部が、前記タグ装置との間で前記情報を送受信する通信工程と、
前記記憶部が、前記情報を記憶する記憶工程と、
前記受付部が、前記情報に加え、追加情報を受け付ける受付工程と、を備え、
前記サーバ装置において、前記記憶工程は、前記受付部が受け付ける前記追加情報をさらに記憶し、前記通信工程は、前記追加情報を前記タグ装置に送信し、
前記タグ装置において、前記タグ通信工程は、前記追加情報を受信し、前記タグ記憶工程は、前記追加情報をさらに記憶し、前記タグ表示工程は、前記追加情報をさらに表示する、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
タグコンピュータを、タグ装置として機能させ、サーバコンピュータを、サーバ装置として機能させる、患者の情報を管理するプログラムであって、
前記タグコンピュータを、
前記患者に対応付けられる情報を記憶するタグ記憶部と、
前記サーバ装置との間で前記情報を送受信するタグ通信部と、
前記タグ記憶部に記憶される前記情報を表示するタグ表示部と、として機能させ、
前記サーバコンピュータを、
前記タグ装置との間で前記情報を送受信する通信部と、
前記情報を記憶する記憶部と、
前記情報に加え、追加情報を受け付ける受付部と、として機能させ、
前記サーバコンピュータにおいて、前記記憶部は、前記受付部が受け付ける前記追加情報をさらに記憶し、前記通信部は、前記追加情報を前記タグ装置に送信し、
前記タグコンピュータにおいて、前記タグ通信部は、前記追加情報を受信し、前記タグ記憶部は、前記追加情報をさらに記憶し、前記タグ表示部は、前記追加情報をさらに表示する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数人の情報を一元的に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の情報管理システム、情報管理方法及びプログラムについて説明する。図1に本実施の形態の情報管理システムの構成を示す。
【0013】
図1に示すように、情報管理システムは、サーバ1と、データベース2と、通信ネットワーク3と、通信ネットワーク3に接続された入出力端末装置4(4a〜4b)及びアンテナ5(5a〜5b)と、入出力端末装置4及びアンテナ5を介して接続されるタグ装置6と、を備えている。
【0014】
サーバ1は、情報管理システムに関する各種の処理をするためのものである。図2にサーバ1の構成を示す。図2に示すように、サーバ1は、通信制御部11と、処理制御部12と、データ記憶部13と、を備えている。
【0015】
通信制御部11は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、サーバ1と通信ネットワーク3とを接続する。通信制御部11は、例えば、通信ネットワーク3に接続された入出力端末装置4及びアンテナ5を介して、タグ装置6との各種データ(情報)の送受信を行う。
【0016】
処理制御部12は、通信制御部11を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、データ記憶部13から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
【0017】
データ記憶部13は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0018】
データベース2は、情報管理システムに関する各種の情報を記憶するデータベース(DB)である。図3にデータベース2の構成を示す。図3に示すように、データベース2は、個人情報DB21と、生体認証情報DB22と、遺伝情報DB23と、病院情報DB24と、薬情報DB25と、伝達情報DB26等と、を備えている。
【0019】
個人情報DB21は、情報管理システムの利用者(患者)に関する情報を記憶するデータベースである。個人情報DB21には、例えば、図4に示すように、利用者ID、氏名、電話番号、住所、メールアドレス、病院名、筆頭者等が記憶されている。
ここで、利用者IDとは、患者の識別情報である。また、筆頭者とは、タグ装置6を所有する代表者である。筆頭者の場合、個人情報DB21等に記憶されたすべての情報を閲覧することができる。一方、非筆頭者の場合、閲覧できる情報を制限することもできる。
【0020】
生体認証情報DB22は、情報管理システムの利用者(患者)に関する生体認識情報を記憶するデータベースである。生体認証情報DB22には、例えば、利用者の指紋、静脈、声紋、及び光彩等の情報が記憶されている。
また、タグ装置6を所有する患者の生体認証情報は、当該タグ装置6内にも記憶されている。
【0021】
遺伝情報DB23は、情報管理システムの利用者(患者)のDNA(DeoxyriboNucleic Acid)情報を記憶するデータベースである。遺伝情報DB23は、例えば、利用者のDNA情報、RNA情報、及び遺伝病の診断結果が記憶されている。
【0022】
病院情報DB24は、患者が利用している病院の情報を記憶するデータベースである。病院情報DB24には、例えば、病院の住所・電話番号、病院が扱う診療科、病院に所属する医師等の情報が記憶されている。
【0023】
薬情報DB25は、患者に対して病院で処方された薬に関する情報を記憶するデータベースである。薬情報DB25には、例えば、処方された薬、薬の用法・効果・副作用、及び飲み合わせ注意情報等が記憶されている。
【0024】
伝達情報DB26は、タグ装置6を利用する人・機関等に対して発信される情報を記憶するデータベースである。
伝達情報DB26には、図5に示すように、例えば、病院、薬局、医師、看士、患者、及び事務員等のそれぞれの間で行われる伝達情報(メッセージ)が記憶されている。
【0025】
通信ネットワーク3は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに基づくインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークである。
【0026】
入出力端末装置4は、データベース2及びタグ装置6に記憶される情報を書き込み及び読み出しするための装置である。入出力端末装置4は、例えば、操作部及び表示部等を備えるパーソナルコンピュータと、情報を送受信するアンテナ部と、を備える。利用者は入出力端末装置4を操作することにより、データベース2に記憶された情報をタグ装置6に書き込んだり、データベース2及びタグ装置6に記憶された情報を、追加、削除、修正したりすることができる。
なお、データベース2及びタグ装置6に記憶された情報を保護するため、例えば、遺伝情報、生体認証情報、住所、電話番号等の情報について、閲覧制限や、書き込み制限を設けることもできる。
また、入出力端末装置4のアンテナ部は、後述するアンテナ5が有する機能を包含することもできる。
【0027】
アンテナ5は、タグ装置6に対して電源を供給するとともに、情報の送受信を行うアンテナ部と、通信内容のエンコード・デコードや上位システムとの通信を行う制御部と、を備える。電磁界や電波などを用いた無線通信(RFID;Radio Frequency IDentification)によって、アンテナ5とID情報が埋め込まれたタグ装置6と間で情報が送受信される。アンテナ5には、例えば、ハンディ型、据え置き型、ゲート型等がある。
【0028】
タグ装置6は、病院の診察券としての役割を果たし、初回の通院時等に病院から患者にタグ装置6が付与される。タグ装置6は、図6に示すように、家族等のグループにおいて1つ所持され、当該グループに所属する患者の情報を記憶することにより、複数の病院の診察券として機能する。また、タグ装置6は、図7に示すように、制御部60と、通信部61と、操作部62と、生体認証部63と、表示部64と、出力部65と、記憶部66と、電源部67と、を備えている。
【0029】
制御部60は、例えば、CPU等を備え、後述する記憶部66に格納された又は後述する通信部61より受信した動作プログラムに従って、タグ装置6の動作を制御する。
【0030】
通信部61は、例えば、高周波用の平面ループアンテナにより構成される。通信部61は、例えば、数MHz〜2.45GHz、あるいは5.75GHzのRF信号をアンテナ5等と間で送受信する。通信部61は、入出力端末装置4及びアンテナ5との間で情報の送受信を行う。
【0031】
操作部62は、図8に示すように、利用者の指示入力を受け付けるためのキー等により構成される。利用者は、操作部62を操作することにより、後述する表示部64に所定の情報を表示させることができる。
【0032】
生体認証部63は、温度センサ、圧力センサ、各種バイオセンサ等を備え、これらによって利用者の生体情報を測定する。生体認証部63は、例えば、指紋、静脈等を測定することにより、個人認証を行う。利用者は、個人認証を行うことにより、タグ装置6やデータベース2等に記憶されたセキュリティの掛かった情報を閲覧することができる。
【0033】
表示部64は、図8に示すように、記憶部66やデータベース2に記憶された情報を表示する。表示部64は、例えば、所定のギャップを挟んで対向する少なくとも一方が光透過する2枚のシートと、当該シートの間に充填される光学的反射濃度や色の異なる1種類もしくは複数の帯電性微粒子を内包させた現像剤と、から構成される。表示方式は、当該現像剤に電界もしくは磁界を印加することにより、微粒子をシート内で移動させ、光学的反射濃度や色を変化させる電気泳動方式や磁気泳動方式である。表示部64は、記憶部66に記憶された情報等を表示する。
なお、表示方式として、例えば、ツイスティングボール、相安定液晶、CN液晶、トナーディスプレイ、電子粉流体などを利用することもできる。
【0034】
出力部65は、スピーカ及びマイク等より構成される。出力部65は、表示部64に表示された文字等を音声に変換した音声情報を出力する。また、出力部65は、利用者の音声を受け付けることもできる。制御部60は、当該音声に基づいてタグ装置6を操作及び制御することもできる。
【0035】
記憶部66は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等から構成され、データベース2に記憶された一部の情報を記憶する。また、記憶部66は、制御部60に実行させるためのプログラム等を記憶して、制御部60のワークメモリとしても機能する。
【0036】
電源部67は、入出力端末装置4及びアンテナ5を介して送られてくるRF信号(電磁波)から電磁誘導により交流電圧を発生させ、それを直流電圧に整流することにより、タグ装置6の駆動に必要な動作電力を内部で作り出す。制御部60等は、この電源部67にて生成された動作電力によって駆動される。タグ装置6は、RF信号を受信することにより、半永久的に可動できる。
【0037】
次に、以上のように構成された情報管理システムを用いた情報管理方法について説明する。以下、表示処理、伝達処理の順に説明する。
【0038】
(表示処理)
表示処理は、入出力端末装置4等から入力されて、個人情報DB21に記憶された情報を、タグ装置6の表示部64に表示する処理である。利用者は、タグ装置6に表示された情報から必要な情報を取得することができる。以下、図8及び図9を参照して表示処理を説明する。
【0039】
まず、利用者(ここでは、記入者)が入出力端末装置4を通じて入力した個人情報が個人情報DB21等に記憶される(ステップS11)。
なお、当該個人情報は図4に示す項目に限定されず、任意である。また、すでに当該個人情報が記憶されている場合、ステップS11は省略される。
【0040】
次に、処理制御部12は、データベース2(例えば、個人情報DB21、病院情報DB24)に記憶された情報を、通信ネットワーク3、入出力端末装置4及びアンテナ5を介して、タグ装置6に送信する(ステップS12)。
なお、処理制御部12は、データベース2に記憶されていない情報(例えば、入出力端末装置4にのみ記憶されている情報)をタグ装置6に送信することもできる。また、タグ装置6にすでに情報が記憶されている場合、ステップS12は省略される。
【0041】
次に、制御部60は、通信部61を介して情報を受信して、当該情報を記憶部66に記憶させる(ステップS13)。
なお、記憶部66がすでに情報を記憶している場合、ステップS13は省略される。
【0042】
次に、制御部60は、図8に示すように、記憶部66に記憶された当該情報から、セキュリティの掛かっていない情報(例えば、氏名、病院名)を表示部64に表示させる(ステップS14)。利用者は、操作部62を介して操作を行うことにより、表示される情報を変更することもできる。例えば、薬の副作用に関する情報がタグ装置6に記憶されている場合、利用者は操作部62を操作することにより、副作用情報を確認することができる。
なお、表示部64にすでに情報が表示されている場合、ステップS14を省略することもできる。
【0043】
次に、制御部60は、生体認証部63を通じて利用者(ここでは、タグ装置6の所有者)が個人認証を行うことにより、セキュリティの掛かった情報(例えば、遺伝情報)を表示部64に表示させるか否かを判定する(ステップS15)。
【0044】
生体認証が行われなかった場合、又は、認証に失敗した場合(ステップS15;No)、表示部64に表示された情報は、表示され続ける。そして、本フローは終了する。
なお、認証に失敗した場合、制御部60は、表示部64又は出力部65を通じて、利用者に対して再度認証を行うように通知することもできる。
【0045】
個人認証が行われ、認証された場合(ステップS15;Yes)、制御部60は、記憶部66に記憶されたセキュリティの掛かった情報を表示部64に表示する(ステップS16)。利用者は、操作部62を介して操作を行うことにより、表示される情報を変更することもできる。
【0046】
以上の処理により、所定の情報がタグ装置6に表示されるため、利用者は当該情報を確認することができる。
【0047】
(伝達処理)
伝達処理は、ある利用者が入出力端末装置4等を通じてタグ装置6に記憶させたメッセージ(伝達情報)を、他の利用者が確認することにより、ある利用者から他の利用者へ所定のメッセージを伝達する処理である。以下、図10を参照して伝達処理を説明する。
【0048】
まず、ある利用者(例えば、医師、看護士)が、入出力端末装置4を通じて、メッセージをタグ装置6の記憶部66に記憶させる(ステップS21)。当該メッセージは、例えば図5に示すように、タグ装置6を所有する患者の家系には遺伝病(遺伝疾患)がある旨の情報、当該患者の家系は薬の副作用が出やすい旨の情報、薬の副作用の情報等、任意である。
なお、ステップS21は、表示処理のステップS11からS13と同様の処理である。
【0049】
次に、入出力端末装置4は、タグ装置6に記憶されたメッセージを、伝達情報DB26又は入出力端末装置4に記憶させ、当該メッセージを表示する(ステップS22)。他の利用者(例えば、メッセージ入力をした医師とは異なる病院に所属する医師、看護士)は、入出力端末装置4を介して、タグ装置6に記憶されたメッセージを確認することができる。
【0050】
また、メッセージを一方的に送るだけでなく、メッセージを受信(確認)した他の利用者も入出力端末装置4を通じて新たなメッセージを入力することができる。入出力端末装置4は、他の利用者が受信したメッセージに対して、新たなメッセージが入力されるか否かを判定する(ステップS23)。
【0051】
新たなメッセージが入力されると判定された場合(ステップS23;Yes)、ステップS21に戻る。他の利用者は、入出力端末装置4を通じて新たなメッセージを入力することができる。タグ装置6を利用する利用者は、他の利用者が新たに入力したメッセージを確認することもできる。
【0052】
新たなメッセージが入力されないと判定された場合(ステップS23;No)、本フローは終了する。
【0053】
以上の処理により、タグ装置6には一元的に管理された複数の個人情報が記憶されているため、複数の医療機関に所属する医師、看護士等の間で、当該複数の個人に共通する環境、遺伝等の情報を共有することができる。また。タグ装置6にメッセージを記憶させることにより、情報をフィードバックすることもできる。これにより、医療の質を向上させることができる。
【0054】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0055】
上記実施の形態では、病院の診察券に記憶され、表示される情報を管理する場合を例に本発明を説明したが、病院の診察券に限定されるものではなく、種々の形式であってもよい。
【0056】
本実施の形態にかかるサーバ1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するサーバ1を構成することができる。
【0057】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報管理システムの構成を示す図である。
【図2】図1のサーバの構成を示す図である。
【図3】図1のデータベースの構成を示す図である。
【図4】個人情報データベースの一例を示す図である。
【図5】伝達情報データベースの一例を示す図である。
【図6】タグ装置を共有する利用者及び利用機関の一例を示す図である。
【図7】タグ装置の構成を示す図である。
【図8】タグ装置の一例を示す図である。
【図9】表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】伝達処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 サーバ
2 データベース
3 通信ネットワーク
4 入出力端末装置
5 アンテナ
6 タグ装置
11 通信制御部
12 処理制御部
13 データ記憶部
21 個人情報データベース
22 生体認証情報データベース
23 遺伝情報データベース
24 病院情報データベース
25 薬情報データベース
26 伝達情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグ装置と、サーバ装置と、を備える患者の情報を管理する情報管理システムであって、
前記タグ装置は、
前記患者に対応付けられる情報を記憶するタグ記憶部と、
前記サーバ装置との間で前記情報を送受信するタグ通信部と、
前記タグ記憶部に記憶される前記情報を表示するタグ表示部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記タグ装置との間で前記情報を送受信する通信部と、
前記情報を記憶する記憶部と、
前記情報に加え、追加情報を受け付ける受付部と、を備え、
前記サーバ装置において、前記記憶部は、前記受付部が受け付ける前記追加情報をさらに記憶し、前記通信部は、前記追加情報を前記タグ装置に送信し、
前記タグ装置において、前記タグ通信部は、前記追加情報を受信し、前記タグ記憶部は、前記追加情報をさらに記憶し、前記タグ表示部は、前記追加情報をさらに表示する、
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記記憶部に記憶される前記情報を表示する表示部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記情報と前記追加情報とを対応付けて表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記タグ装置は、前記患者の生体を認証する生体認証部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記生体認証部が前記患者の生体を認証した場合、前記情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記情報及び前記追加情報は、前記患者及び前記患者と血縁関係にある血縁者を示す個人情報及び遺伝情報、並びに、前記タグ装置を利用する利用者に対する所定の伝言情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項5】
タグ装置と、サーバ装置と、にて実行される患者の情報を管理する情報管理方法であって、前記タグ装置は、タグ記憶部と、タグ通信部と、タグ表示部と、を有し、前記サーバ装置は、通信部と、記憶部と、受付部と、を有し、
前記タグ装置にて、
前記タグ記憶部が、前記患者に対応付けられる情報を記憶するタグ記憶工程と、
前記タグ通信部が、前記サーバ装置との間で前記情報を送受信するタグ通信工程と、
前記タグ表示部が、前記タグ記憶部に記憶される前記情報を表示するタグ表示工程と、を備え、
前記サーバ装置にて、
前記通信部が、前記タグ装置との間で前記情報を送受信する通信工程と、
前記記憶部が、前記情報を記憶する記憶工程と、
前記受付部が、前記情報に加え、追加情報を受け付ける受付工程と、を備え、
前記サーバ装置において、前記記憶工程は、前記受付部が受け付ける前記追加情報をさらに記憶し、前記通信工程は、前記追加情報を前記タグ装置に送信し、
前記タグ装置において、前記タグ通信工程は、前記追加情報を受信し、前記タグ記憶工程は、前記追加情報をさらに記憶し、前記タグ表示工程は、前記追加情報をさらに表示する、
ことを特徴とする情報管理方法。
【請求項6】
タグコンピュータを、タグ装置として機能させ、サーバコンピュータを、サーバ装置として機能させる、患者の情報を管理するプログラムであって、
前記タグコンピュータを、
前記患者に対応付けられる情報を記憶するタグ記憶部と、
前記サーバ装置との間で前記情報を送受信するタグ通信部と、
前記タグ記憶部に記憶される前記情報を表示するタグ表示部と、として機能させ、
前記サーバコンピュータを、
前記タグ装置との間で前記情報を送受信する通信部と、
前記情報を記憶する記憶部と、
前記情報に加え、追加情報を受け付ける受付部と、として機能させ、
前記サーバコンピュータにおいて、前記記憶部は、前記受付部が受け付ける前記追加情報をさらに記憶し、前記通信部は、前記追加情報を前記タグ装置に送信し、
前記タグコンピュータにおいて、前記タグ通信部は、前記追加情報を受信し、前記タグ記憶部は、前記追加情報をさらに記憶し、前記タグ表示部は、前記追加情報をさらに表示する、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−2969(P2010−2969A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159007(P2008−159007)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】