説明

情報管理プログラム、情報管理装置および情報管理方法

【課題】自科検査の実施情報の自動作成による業務効率化を図ること。
【解決手段】自科検査が実施された場合、自科システム101から電子カルテサーバ103に対して、自科システム101の端末の端末IDと、自科検査が実施された患者の患者IDと、自科検査による検査結果とが送信される。また、他科検査が実施される場合、自科システム101から他科システム102に対して、オーダデータが出力される。つぎに、他科システム102は、電子カルテサーバ103に対して、他科システム102の端末の端末IDと、他科検査が実施された患者の患者IDと、他科検査による検査結果とを送信する。電子カルテサーバ103は、端末ID、患者ID、検査結果を受信した場合、電子カルテサーバ103に予め記憶されたリンクマスタ105に、受信した端末IDと一致する端末IDが含まれるか否かを判定し、含まれる場合、実施情報を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を管理する情報管理プログラム、情報管理装置および情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関における診療科には、自発的に検査を実施する診療科(以下、「自科」という)と、他の診療科からの依頼を受け付けて検査を実施する診療科(以下、「他科」という)とがある。自科による検査は自科検査、他科による検査は他科検査と呼ばれる。
【0003】
また、医療機関で検査が実施される場合、検査の実施情報が作成されることがある。実施情報は、患者の識別情報や、実施された検査の内容などが関連付けられた情報である。実施情報は、例えば、医療費などの会計情報の管理や、検査に用いる薬剤や器材の在庫情報の管理などに用いられる。そこで、他科検査における実施情報の作成を支援する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−301697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自科検査が実施された場合、実施情報の作成時はユーザによって自科の端末に入力されて作成されるため、他科検査が実施された場合よりも自科の端末のユーザの作業工程が増加してしまう。そのため、入力ミスにより作成される実施情報に不備があったり、入力し忘れにより実施情報が作成されなかったりするという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、自科検査の実施情報の自動作成による業務効率化を図ることのできる情報管理プログラム、情報管理装置および情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、検査を実施した診療科の端末から、前記端末の識別情報と、前記検査の受検者の識別情報とを取得し、自科検査用の検査端末の識別情報と検査の種別とが関連付けて登録された端末データベースに、取得された前記識別情報が登録されているか否かを判定し、取得された前記識別情報が登録されていると判定された場合に、前記端末データベースから、前記識別情報に対応する前記検査の種別を抽出し、抽出された前記検査の種別を前記受検者の識別情報とともに、会計システムへ出力する情報管理プログラム、情報管理装置および情報管理方法が提案される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、自科検査の実施情報の自動作成による業務効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態にかかる情報管理方法の一実施例を示す説明図である。
【図2】図2は、実施の形態にかかる情報管理システムの一例を示す説明図である。
【図3】図3は、実施の形態にかかる電子カルテサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、電子カルテDBの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、リンクマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図6】図6は、実施情報の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、会計DBの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、物流DBの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、電子カルテサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図10−1】図10−1は、実施の形態にかかる電子カルテサーバの自科実施情報作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10−2】図10−2は、実施の形態にかかる電子カルテサーバのリンクマスタ登録処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10−3】図10−3は、実施の形態にかかる電子カルテサーバの自科実施情報出力処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施の形態にかかる会計サーバの会計情報管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施の形態にかかる物流サーバの物流情報管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる情報管理プログラム、情報管理装置および情報管理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(情報管理例)
まず、実施の形態にかかる情報管理例について説明する。実施の形態においては、自科検査が実施された場合、自動的に実施情報が作成される。これにより、自科検査の実施情報が作成されるため、業務効率化を図ることができる。
【0012】
図1は、実施の形態にかかる情報管理方法の一実施例を示す説明図である。図1においては、自科検査が実施された場合と、他科検査が実施された場合における、実施情報が作成されて利用されるまでの過程について説明する。図1において、自科システム101と、他科システム102と、電子カルテサーバ103と、実施情報利用システム104とが接続されている。
【0013】
自科システム101は、自科における検査装置や、該検査装置からの検査結果を受信する端末を含むシステムである。自科は、他の診療科からの依頼を受けずに自発的に検査を実施する診療科である。診療科とは、診察する専門分野毎の区分である。例えば、診療科には、産婦人科や、眼科や、耳鼻科や、泌尿器科などがある。
【0014】
検査装置は、例えば、ユーザからの操作を受け付けた場合に、操作に応じた検査を実行する。ここで、ユーザとは、検査装置の利用者であり、例えば、医師や、看護師などである。端末とは、検査装置から検査結果を受信し、受信した検査結果を電子カルテサーバ103へ送信するコンピュータである。自科による検査には、例えば、エコー検査(超音波検査)や、内視鏡検査や、眼底カメラ検査や、デジカメ検査などがある。また、以下、自科による検査を「自科検査」という。
【0015】
他科システム102は、他科における検査装置や、該検査装置からの検査結果を受信する端末などを含むシステムである。他科は、他の診療科からの依頼を受けて検査を実行する診療科である。他科による検査には、例えば、CT(Computed Tomography)検査や、MRI(Magnetic Resonance Imagine)検査や、RI(Radioisotope)検査などがある。以下、他科による検査を「他科検査」という。
【0016】
電子カルテサーバ103は、検査が実行された診療科の端末から検査結果を取得し、取得した検査結果を記憶するサーバである。検査が実行された診療科の端末とは、自科システム101の端末および他科システム102の端末である。
【0017】
実施情報利用システム104は、自科システム101または他科システム102によって実施された検査の実施情報を利用するシステムである。実施情報には、例えば、検査が実施された患者の患者IDや、実施された検査の検査種別や、実施された検査に用いられた使用薬剤およびその使用量などが含まれる。また、実施情報利用システム104には、検査の会計情報の管理を目的とした会計システムや、薬剤などの在庫情報の管理を目的とした物流システムなどがある。
【0018】
ここで、各診療科にて検査が実施された際の情報の管理方法について説明する。図1において、矢印(A)は、自科検査が実施された際の情報の流れを示している。また、矢印(B)は、他科検査が実施された際の情報の流れを示している。
【0019】
まず、自科検査が実施された場合、矢印(A1)に示すように、自科システム101から電子カルテサーバ103に対して、自科システム101の端末の端末IDと、自科検査が実施された患者の患者IDと、自科検査による検査結果とが送信される。端末IDとは、端末毎に設定された端末の識別情報である。患者IDとは、患者毎に設定された患者の識別情報である。検査結果とは、各診療科によって実施された検査の結果である。
【0020】
つぎに、電子カルテサーバ103は、電子カルテサーバ103に予め記憶されたリンクマスタ105に、受信した端末IDと一致する端末IDが含まれるか否かを判定し、含まれる場合、矢印(A2)に示すように、実施情報を作成する。リンクマスタ105には、自科システム101における端末の端末IDと、該端末IDに応じた検査種別と、該検査種別に応じて予め定められている使用薬剤および使用量などの情報が登録されている。具体的に、例えば、リンクマスタ105には、「端末IDがαである自科の端末においては、薬剤Aを100ml使用する腎臓エコー検査が実施可能である」という情報が含まれている。
【0021】
また、具体的に、電子カルテサーバ103は、受信した端末IDに対応する検査種別と使用薬剤と使用量とを、受信した患者IDに関連付けることにより、実施情報を作成する。以下、自科検査の実施情報を「自科実施情報」という。
【0022】
最後に、矢印(A3)に示すように、電子カルテサーバ103にて作成された自科実施情報は、実施情報利用システム104に送信され、実施情報利用システム104にて利用される。
【0023】
また、他科検査が実施される場合、矢印(B1)に示すように、自科システム101から他科システム102に対して、オーダデータが出力される。オーダデータには、検査が実施される患者の患者IDと、自科が希望する検査の検査内容の情報が含まれる。そして、オーダデータを取得した他科システム102は、オーダデータに応じた検査を実施する。
【0024】
つぎに、他科システム102は、矢印(B2)に示すように、電子カルテサーバ103に対して、他科システム102の端末の端末IDと、他科検査が実施された患者の患者IDと、他科検査による検査結果とを送信する。このとき、電子カルテサーバ103は、受信した端末IDと、リンクマスタ105に含まれる端末IDとが一致しないため、実施情報の作成は行わない。
【0025】
また、オーダデータに応じた他科検査を実施した他科システム102は、実施した他科検査の実施情報を作成する。以下、他科検査の実施情報を「他科実施情報」という。そして、矢印(B3)に示すように、他科システム102にて作成された他科実施情報は、実施情報利用システム104に送信され、実施情報利用システム104にて利用される。
【0026】
(情報管理システムの一例)
図2は、実施の形態にかかる情報管理システムの一例を示す説明図である。図2において、情報管理システム200は、情報を管理するシステムである。情報管理システム200において、第1検査システム211と、第2検査システム212と、第3検査システム213と、電子カルテサーバ103と、会計システム230と、物流システム240とは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク250を介して接続されている。
【0027】
第1検査システム211と、第2検査システム212と、第3検査システム213とは、図1に示した自科システム101または他科システム102のいずれかである。また、会計システム230と、物流システム240とは、図1に上述した実施情報利用システム104に含まれるシステムである。
【0028】
第1検査システム211と、第2検査システム212と、第3検査システム213とは、それぞれ異なる診療科において検査の実施に用いられるシステムである。第1検査システム211は、第1検査端末211aと第1検査装置211bとを有する。第1検査装置211bは検査を実行する。第1検査端末211aは、第1検査装置211bによって実行された検査結果を取得する。
【0029】
また、第2検査システム212は、第2検査端末212aと第2検査装置212bとを有する。第2検査装置212bは検査を実行する。第2検査端末212aは、第2検査装置212bによって実行された検査結果を取得する。第3検査システム213は、第3検査端末213aと第3検査装置213bとを有する。第3検査装置213bは検査を実行する。第3検査端末213aは、第3検査装置213bによって実行された検査結果を取得する。
【0030】
電子カルテサーバ103は、第1検査端末211aと第2検査端末212aと第3検査端末213aとから、検査終了情報を取得する。検査終了情報には、例えば、各端末の端末IDと、各診療科において検査が実施された患者の患者IDと、各診療科において実施された検査の検査結果とが含まれる。また、電子カルテサーバ103は、電子カルテDB221と、リンクマスタ105とを有する。
【0031】
電子カルテDB221は、第1検査端末211aと第2検査端末212aと第3検査端末213aとから取得された検査結果を、患者IDと診察日とを関連付けて記憶する。また、電子カルテDB221は、問診における患者の発言内容や、医師による所見がカルテデータとして記憶される。診察日については、検査結果とともに各検査端末から電子カルテサーバ103が取得するものとするが、これに限るものではない。例えば、電子カルテサーバ103が、自立したタイマを有し、検査終了情報を取得した際に、タイマから診察日を抽出するものであってもよい。電子カルテDB221の詳細は、図4に後述する。
【0032】
リンクマスタ105には、電子カルテサーバ103が自科実施情報を作成するための情報が記憶されている。実施情報を作成するための情報とは、例えば、自科における端末の端末IDや、検査種別や、検査に使用する備品および該備品の使用量などが設定されている。以下、自科における端末を「自科端末」、他科における端末を「他科端末」という。リンクマスタ105の詳細は、図5に後述する。
【0033】
会計システム230は、実施情報を利用して、会計情報の管理を行うシステムであり、会計端末231と、会計サーバ232とを有する。会計サーバ232は、会計DB233を有する。会計サーバ232は、電子カルテサーバ103または各検査システムの端末から実施情報を取得し、取得した実施情報に基づいて会計情報を作成する。そして、会計サーバ232は、作成した会計情報を会計DB233に記憶する。会計DB233に詳細については、図7に後述する。
【0034】
会計端末231は、患者IDが入力され、入力された患者IDに基づいて、会計サーバ232から会計情報を取得する。患者IDが入力されるとは、例えば、患者IDが記憶された媒体が接続されたり、付属のキーボードを介して患者IDが入力されたりすることである。そして、会計端末231は、取得した会計情報をディスプレイに表示する。
【0035】
物流システム240は、実施情報を利用して、物流情報の管理を行うシステムである。また、物流システム240は、物流端末241と、物流サーバ242とを有する。物流サーバ242は、物流DB243を有する。物流DB243には、検査に用いられる薬剤や器材などの備品と、該備品の残量が関連付けて記憶されている。物流DB243の詳細は、図8に後述する。
【0036】
物流サーバ242は、電子カルテサーバ103または各検査システムの端末から実施情報を取得し、取得した実施情報に基づいて物流DB243を更新する。具体的に、例えば、物流サーバ242は、実施情報に含まれる薬剤や器材などの使用量を、物流DB243に記憶されている薬剤や器材などの備品の残量から減算する。
【0037】
また、物流サーバ242は、物流DB243に記憶されている備品の残量が規定値以下になった場合に、物流端末241に対して補充要求を送信する。補充要求を物流サーバ242から取得した物流端末241は、付属のディスプレイに補充要求を取得した旨を表示する。これにより、物流端末241のユーザに補充要求が伝達される。
【0038】
具体的に、例えば、電子カルテサーバ103は、第1検査端末211a、第2検査端末212a、第3検査端末213aのいずれかから検査終了情報を取得した場合、自科端末からの検査終了情報を取得したか否かを判定する。具体的には、電子カルテサーバ103は、取得した検査終了情報に含まれる端末IDが、リンクマスタ105に登録されている自科端末の端末IDと一致するか否かを判定する。
【0039】
例えば、電子カルテサーバ103は、取得した検査終了情報に含まれる端末IDが、リンクマスタ105に登録されている自科端末の端末IDと一致する場合に、自科端末からの検査終了情報を取得したと判定する。また、例えば、電子カルテサーバ103は、取得した検査終了情報に含まれる端末IDが、リンクマスタ105に登録されている自科端末の端末IDと一致しない場合に、他科端末からの検査終了情報を取得したと判定する。
【0040】
そして、自科端末からの検査終了情報であると判定した電子カルテサーバ103は、自科実施情報を作成する。具体的には、例えば、電子カルテサーバ103は、リンクマスタ105から、端末IDに対応する検査種別や、検査に使用する備品および該備品の使用量を抽出する。そして、電子カルテサーバ103は、抽出した検査種別と、検査に使用する備品および該備品の使用量とを、端末から受信した患者IDに対応付けることにより、自科実施情報を作成する。
【0041】
そして、電子カルテサーバ103は、会計システム230および物流システム240に対して、作成した自科実施情報を出力する。また、他科端末からの検査終了情報を取得したと判定した場合、電子カルテサーバ103は、実施情報を作成しない。
【0042】
(電子カルテサーバ103のハードウェア構成例)
図3は、実施の形態にかかる電子カルテサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、電子カルテサーバ103は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、I/F(Interface)308と、を備えている。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
【0043】
ここで、CPU301は、電子カルテサーバ103の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0044】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0045】
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)308は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク250に接続され、このネットワーク250を介して他の装置に接続される。そして、I/F308は、ネットワーク250と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F308には、例えばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0046】
つぎに、電子カルテDB221の記憶内容について説明する。電子カルテDB221は、例えば、図3に示した電子カルテサーバ103のROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置により実現される。
【0047】
(電子カルテDB221の記憶内容)
図4は、電子カルテDBの記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、電子カルテDB221は、患者ID、診察日および備考のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、電子カルテ特性データ400−1〜400−nがレコードとして記憶されている。
【0048】
ここで、患者IDは、診察が行われた患者の識別番号である。診察日は、患者IDに対応する患者に対して診察が行われた日付である。例えば、診察日が「20100928」である場合、2010年9月28日に診察が行われたことを示している。また、備考は、患者IDに対応する患者に対して問診が行われた際の患者の発言や、医師による所見の文字列である。
【0049】
一例として、電子カルテ特性データ400−1を例に挙げると、患者ID「000000001」、診察日「20110125」、備考「腎臓のあたりが痛い。」が記憶されている。
【0050】
つぎに、リンクマスタ105の記憶内容について説明する。リンクマスタ105は、例えば、図3に示した電子カルテサーバ103のROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置により実現される。
【0051】
(リンクマスタ105の記憶内容)
図5は、リンクマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、リンクマスタ105は、端末ID、検査種別、薬剤・器材、数量およびキーワードのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、リンク特性データ500−1〜500−mがレコードとして記憶されている。
【0052】
ここで、端末IDは、自科端末の識別情報である。検査種別は、端末毎に実行可能な検査の種別である。検査種別には、例えば、腎臓エコー検査、膀胱エコー検査、前立腺エコー検査、膀胱鏡検査、腹腔鏡(内視鏡)検査などがある。薬剤・器材は、検査に使用される薬剤または器材の名称である。数量は、検査に使用される薬剤または器材の量である。キーワードは、検査種別を選択する際に用いられる単語である。
【0053】
一例として、リンク特性データ500−1を例に挙げると、端末ID「端末X」、検査種別「腎臓エコー検査」、薬剤・器材「薬剤A」およびその数量「100ml」、薬剤「薬剤B」およびその数量「25ml」、キーワード「腎臓、腎不全、癌」が記憶されている。
【0054】
(実施情報の一例)
図6は、実施情報の一例を示す説明図である。図6に示す実施情報600は、識別ID、患者ID、診察日、検査種別、薬剤・器材および数量の情報を含む。識別IDは、実施情報の識別情報である。患者IDは、患者の識別情報であり、検査が行われた診療科の端末から受信した患者IDである。診察日は、検査が実施された日付であり、検査を実施した診療科の端末から検査結果とともに送信される情報である。検査種別は、リンクマスタ105から抽出された検査種別である。薬剤・器材は、リンクマスタ105から抽出された薬剤・器材である。数量は、リンクマスタ105から抽出された薬剤・器材の数量である。
【0055】
一例として、実施情報600には、識別ID「端末X」、患者ID「000000001」、診察日「20110208」、検査種別「腎臓エコー」、薬剤・器材「薬剤A」およびその数量「100ml」、薬剤「薬剤B」およびその数量「25ml」が含まれる。
【0056】
つぎに、会計DB233の記憶内容について説明する。会計DB233は、例えば、会計サーバ232のROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなどの記憶装置により実現される。
【0057】
(会計DB233の記憶内容)
図7は、会計DBの記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、会計DB233は、患者ID、診察日および診察料のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、会計特性データ700−1〜700−rがレコードとして記憶されている。
【0058】
ここで、患者IDは、診察を終えた患者の識別情報である。診察日は、患者IDに対応する患者の診察を行った日付である。例えば、診察日が「20100928」である場合、2010年9月28日に診察が行われたことを示している。診察料は、実施情報に基づいて算出された、患者IDに対応する患者に請求する料金である。
【0059】
一例として、会計特性データ700−1を例に挙げると、患者ID「000000001」、診察日「20110208」、診察料「¥3150」が記憶されている。
【0060】
つぎに、物流DB243の記憶内容について説明する。物流DB243は、例えば、図3に示した物流サーバ242のROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなどの記憶装置により実現される。
【0061】
(物流DB243の記憶内容)
図8は、物流DBの記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、物流DB243は、薬剤・器材、残量および規定値のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、物流特性データ800−1〜800−pがレコードとして記憶されている。
【0062】
ここで、薬剤・器材は、検査に用いる薬剤や器材の名称である。残量は、薬剤・器材の残量である。規定値は、薬剤・器材の残量がこの値未満になった場合に、該薬剤・器材の発注を行うべき値である。
【0063】
一例として、物流特性データ800−1を例に挙げると、薬剤・器材「薬剤A」、残量「12800ml」、規定値「3000ml」が記憶されている。
【0064】
(電子カルテサーバ103の機能的構成例)
つぎに、電子カルテサーバ103の機能的構成例について説明する。図9は、電子カルテサーバの機能的構成を示すブロック図である。電子カルテサーバ103は、取得部901と、登録判定部902と、種別抽出部903と、出力部904と、端末判定部905と、情報抽出部906と、文字判定部907と、登録部908と、要求出力部909と、電子カルテDB221と、リンクマスタ105とを含む構成である。この制御部となる機能(取得部901〜要求出力部909)は、具体的には、例えば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F308により、その機能を実現する。
【0065】
取得部901は、検査を実施した診療科の端末から、端末の識別情報と、検査の受検者の識別情報とを取得する。受検者とは、検査が実施された患者のことである。具体的に、例えば、取得部901は、端末から、端末の識別情報と、検査の受検者の識別情報とを含む情報を受信することにより、各識別情報を取得する。また、例えば、取得部901が、検査を実施した診療科の端末から、検査結果を取得する際に、端末の識別情報と、受検者の識別情報とを取得する。
【0066】
登録判定部902は、自発的に検査を実施する診療科の端末の識別情報と検査の種別とが関連付けて登録された端末データベースに、取得部901によって取得された端末の識別情報が登録されているか否かを判定する。自発的に検査を実施する診療科とは、上述したように、他の診療科からの依頼を受けずに検査を実施する診療科(自科)である。検査の種別とは、検査の内容の区分であり、例えば、実施の形態における検査種別である。
【0067】
端末データベースには、具体的に、端末の識別情報と、該端末にて実施可能な検査の種別とが関連付けられている。端末データベースとは、例えば、本実施の形態におけるリンクマスタ105である。例えば、登録判定部902が、端末データベースに、取得された端末の識別情報と一致する端末の識別情報が含まれるか否かを判定する。また、端末データベースには、検査の種別と、所定のキーワードとが関連付けて登録されていることとしてもよい。
【0068】
種別抽出部903は、登録判定部902によって端末データベースに取得された端末の識別情報が登録されていると判定された場合に、端末データベースから、取得された端末の識別情報に対応する検査の種別を抽出する。
【0069】
出力部904は、種別抽出部903によって抽出された検査の種別を受検者の識別情報とともに出力する。具体的に、例えば、出力部904が、検査の種別を受検者の識別情報とともに他のシステムに送信する。他のシステムとは、例えば、会計システム230や物流システム240である。また、出力部904が、ROM302、RAM303、磁気305、光ディスク307などの記憶領域に、検査の種別を受検者の識別情報とともに記憶することとしてもよい。また、出力部904は、検査の種別を受検者の識別情報とともに他のシステムへ出力する前に、検査の種別を受検者の識別情報とともに検査を実施した診療科の端末へ出力することとしてもよい。その場合、検査を実施した診療科の端末のユーザに、検査の種別および受検者の識別情報を確認させることができる。
【0070】
端末判定部905は、端末データベースに、取得された端末の識別情報に対する複数の検査の種別が登録されているか否かを判定する。例えば、具体的に、端末判定部905が、取得された端末の識別情報に対して、端末データベースに2以上の検査の種別が登録されているか否かを判定する。
【0071】
情報抽出部906は、端末判定部905によって、取得された端末の識別情報に対する複数の検査の種別が登録されていると判定された場合、受検者の識別情報と受検者の診療情報とが関連付けて登録された診療情報データベースから、取得部901によって取得された受検者の識別情報に対応する診療情報を抽出する。診療情報データベースとは、患者に対して行われた診察の情報が登録されるデータベースであり、例えば、本実施の形態における電子カルテDB221である。受検者の診療情報とは、例えば、問診時における受検者の発言内容や医師による所見などの文字列が登録された情報であり、本実施の形態におけるカルテデータである。
【0072】
文字判定部907は、情報抽出部906によって抽出された診療情報の文字列に、所定のキーワードが含まれるか否かを判定する。具体的に、例えば、文字判定部907は、受検者の診療情報の文字列から単語を抽出し、抽出した単語と端末データベースに含まれる所定のキーワードとが一致する場合に、抽出された診療情報の文字列に、所定のキーワードが含まれると判定する。
【0073】
種別抽出部903は、文字判定部907によって診療情報の文字列に所定のキーワードが含まれると判定された場合、端末データベースから、所定のキーワードに対応する検査の種別を抽出することとしてもよい。
【0074】
また、要求出力部909は、文字判定部907によって診療情報の文字列に所定のキーワードが含まれないと判定された場合、検査を実施した診療科の端末に対し、検査の種別の選択要求を出力する。具体的に、例えば、要求出力部909は、端末の識別情報と検査の受検者の識別情報との送信元である端末に対して、ユーザに検査の種別を選択させるための情報を送信する。選択要求を受信した端末は、例えば、付属のディスプレイに、選択要求を受信した旨を表示することにより、ユーザに検査の種別の選択を促す。
【0075】
その際、取得部901は、選択された検査の種別を取得する。選択された検査の種別を取得するとは、ユーザの操作情報を含む信号を受信することである。具体的に、例えば、取得部901が、要求出力部909によって検査の種別の選択要求が出力された場合に、ユーザから選択された検査の種別を取得する。
【0076】
そして、登録部908は、端末データベースに、取得部901によって取得された検査の種別に対応する所定のキーワードとして、情報抽出部906によって抽出された診療情報の文字列内の単語を登録する。具体的に、例えば、登録部908は、抽出された診療情報の文字列から単語を抽出し、抽出した単語を端末データベースにおける、ユーザから選択された検査の種別に対応するキーワードとして書き込む。
【0077】
また、検査の種別は、検査に用いられる薬剤の種別と量に関する情報と、検査に用いられる器材の種別と数量に関する情報のうち、少なくともいずれか一方を含むこととしてもよい。
【0078】
(電子カルテサーバ103の自科実施情報作成処理手順)
図10−1は、実施の形態にかかる電子カルテサーバの自科実施情報作成処理手順の一例を示すフローチャートである。自科実施情報作成処理は、CPU301によって実行される処理である。自科実施情報作成処理において、電子カルテサーバ103は、まず、取得部901によって各診療科の端末から検査終了情報を受信したか否かを判定し(ステップS1001)、受信していない場合(ステップS1001:No)、受信するまで待機する。
【0079】
ステップS1001において、検査終了情報を受信した場合(ステップS1001:Yes)、電子カルテサーバ103は、電子カルテDB221に、検査終了情報に含まれる検査結果を患者IDとともに登録する(ステップS1002)。そして、登録判定部902によって、受信した端末IDと一致する端末IDがリンクマスタ105に含まれるか否かを判定する(ステップS1003)。
【0080】
受信した端末IDと一致する端末IDがリンクマスタ105に含まれると判定した場合(ステップS1003:Yes)、端末判定部905によって、受信した端末IDに該当するリンクレコードが複数あるか否かを判定する(ステップS1004)。受信した端末IDに該当するリンクレコードが複数ある場合(ステップS1004:Yes)、電子カルテサーバ103は、受診した患者IDを参照して電子カルテDB221からカルテデータを抽出する(ステップS1005)。
【0081】
そして、電子カルテサーバ103は、ステップS1005において抽出したカルテデータから、単語を抽出し(ステップS1006)、抽出した単語とリンクマスタ105におけるキーワードとを比較する(ステップS1007)。その後、文字判定部907によって、抽出した単語と一致するキーワードがあるか否かを判定する(ステップS1008)。
【0082】
ステップS1008において、抽出した単語と一致するキーワードがある場合(ステップS1008:Yes)、種別抽出部903によって、一致するキーワードに対応する検査種別を抽出する(ステップS1009)。そして、抽出した検査種別に対応した使用薬剤や使用器材とその使用量を、種別抽出部903によって抽出する(ステップS1010)。
【0083】
そして、電子カルテサーバ103は、ステップS1001において受信した患者IDと、抽出した検査種別と、使用薬剤や使用器材とその使用量とを用いて、自科実施情報を作成する(ステップS1011)。その後、電子カルテサーバ103は、作成した自科実施情報の確認要求を、受信した端末IDに対応する端末に対して送信し(ステップS1012)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0084】
また、ステップS1003において、受信した端末IDと一致する端末IDがリンクマスタ105に含まれないと判定した場合(ステップS1003:No)、電子カルテサーバ103は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。ステップS1003において、受信した端末IDと一致する端末IDがリンクマスタ105に含まれない場合とは、電子カルテサーバ103が、他科から検査終了情報を受信した場合である。
【0085】
また、ステップS1004において、受信した端末IDに該当するリンクレコードが単一であると判定した場合(ステップS1004:No)、電子カルテサーバ103は、ステップS1009へ移行する。
【0086】
また、ステップS1008において、抽出した単語と一致するキーワードがない場合(ステップS1008:No)、電子カルテサーバ103は、受信した端末IDに対応する端末に対して検査種別の選択要求を送信する(ステップS1013)。その後、電子カルテサーバ103は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0087】
電子カルテサーバ103は、上述した自科実施情報作成処理を実行することにより、検査を実行した診療科の端末が自科端末か他科端末かを判定するとともに、自科端末と判定した場合に自科実施情報を作成することができる。したがって、電子カルテサーバ103によれば、自科端末のユーザの実施情報を入力する手間を省くことができ、自科実施情報の作成ミスを防止し、業務の効率化を図ることができる。
【0088】
また、電子カルテサーバ103は、上述した自科実施情報作成処理を実行することにより、複数の検査を実施可能な端末であっても検査種別を抽出することができ、自科端末のユーザに実施された検査の検査種別を選択させる手間を省くことができ、業務の効率化を図ることができる。
【0089】
(電子カルテサーバ103のリンクマスタ登録処理手順)
図10−2は、実施の形態にかかる電子カルテサーバのリンクマスタ登録処理手順の一例を示すフローチャートである。リンクマスタ登録処理は、CPU301によって実行される処理である。リンクマスタ登録処理において、電子カルテサーバ103は、まず、取得部901によって検査種別の選択情報を受信したか否かを判定し(ステップS1021)、受信していない場合(ステップS1021:No)、受信するまで待機する。
【0090】
検査種別の選択情報を受信した場合(ステップS1021:Yes)、登録部908によって、選択情報に含まれる検査種別に対応するリンクマスタ105のキーワードに、ステップS1006において抽出した単語を追加登録する(ステップS1022)。そして、種別抽出部903によって、一致するキーワードに対応する検査種別を抽出する(ステップS1023)。
【0091】
ステップS1023の後、抽出した検査種別に対応した使用薬剤や使用器材とその使用量を、種別抽出部903によって抽出する(ステップS1024)。そして、電子カルテサーバ103は、ステップS1001において受信した患者IDと、抽出した検査種別と、使用薬剤や使用器材とその使用量とを用いて、自科実施情報を作成する(ステップS1025)。その後、電子カルテサーバ103は、作成した自科実施情報の確認要求を、受信した端末IDに対応する端末に対して送信し(ステップS1026)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0092】
電子カルテサーバ103は、上述したリンクマスタ登録処理を実行することにより、新たなキーワードをリンクマスタ105に登録することができる。したがって、電子カルテサーバ103は、ユーザに検査種別を選択させる機会を減少させることができ、次回以降の検査の実施時における自科端末のユーザの実施情報を入力する手間を減らすことができる。
【0093】
(電子カルテサーバ103の自科実施情報出力処理手順)
図10−3は、実施の形態にかかる電子カルテサーバの自科実施情報出力処理手順の一例を示すフローチャートである。自科実施情報出力処理は、CPU301によって実行される処理である。自科実施情報出力処理において、電子カルテサーバ103は、まず、確定情報を受信したか否かを判定する(ステップS1031)。
【0094】
確定情報とは、確認要求を電子カルテサーバ103から受信した端末のユーザによって、自科実施情報が正しいと確認された場合に、該端末から電子カルテサーバ103へ送信される情報である。例えば、確認要求を電子カルテサーバ103から受信した端末は、受信した自科実施情報を付属のディスプレイへ出力し、ユーザからの操作を受け付ける。そして、自科実施情報を出力している端末は、ユーザから確定情報の送信要求の操作を受け付けることにより、確定情報を電子カルテサーバ103へ出力する。
【0095】
ステップS1031において、確定情報を受信した場合(ステップS1031:Yes)、出力部904によって、自科実施情報を、会計サーバ232や物流サーバ242へ送信する(ステップS1032)。
【0096】
また、ステップS1031において、確定情報を受信していない場合(ステップS1031:No)、電子カルテサーバ103は、非確定情報を受信したか否かを判定する(ステップS1033)。非確定情報とは、確認要求を電子カルテサーバ103から受信した端末のユーザによって、自科実施情報が正しくないと確認された場合に、該端末から電子カルテサーバ103へ送信される情報である。例えば、確認要求を電子カルテサーバ103から受信した端末は、受信した自科実施情報を付属のディスプレイへ出力し、ユーザからの操作を受け付ける。そして、自科実施情報を出力している端末は、ユーザから非確定情報の送信要求の操作を受け付けることにより、非確定情報を電子カルテサーバ103へ出力する。
【0097】
また、ステップS1033において、非確定情報を受信した場合(ステップS1033:Yes)、電子カルテサーバ103は、非確定情報を送信した端末に対して、実施情報の作成を依頼する作成依頼情報を送信する(ステップS1034)。その後、電子カルテサーバ103は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。作成依頼情報を取得した端末は、ユーザに自科実施情報を入力させる。ステップS1033において、非確定情報を受信していない場合(ステップS1033:No)、ステップS1031へ移行する。
【0098】
電子カルテサーバ103は、上述した自科実施情報出力処理を実行することにより、ユーザに確認をとった自科実施情報を、会計サーバ232や物流サーバ242へ送信することができる。したがって、業務の効率化を図ることができる。
【0099】
(会計サーバ232の会計情報管理処理手順)
図11は、実施の形態にかかる会計サーバの会計情報管理処理手順の一例を示すフローチャートである。会計情報管理処理は、会計サーバ232のCPUによって実行される処理である。会計情報管理処理において、会計サーバ232は、まず、実施情報を受信したか否かを判定し(ステップS1101)、受信していない場合(ステップS1101:No)、受信するまで待機する。ここで、実施情報とは、自科実施情報と他科実施情報とを含む。
【0100】
ステップS1101において、実施情報を受信した場合(ステップS1101:Yes)、会計サーバ232は、受信した実施情報に基づいて、診察料を算出する(ステップS1102)。そして、受信した実施情報に含まれる患者IDと診察日と、算出した診察料とを関連付けた会計データを、会計DB233に登録し(ステップS1103)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0101】
会計サーバ232は、上述した会計情報管理処理を実行することにより、実施情報を用いて会計情報の管理を行うことができ、これにより、会計情報の管理の不備の発生を防止することができる。
【0102】
(物流サーバ242の物流情報管理処理手順)
図12は、実施の形態にかかる物流サーバの物流情報管理処理手順の一例を示すフローチャートである。物流情報管理処理は、物流サーバ242のCPUによって実行される処理である。物流情報管理処理において、物流サーバ242は、まず、実施情報を受信したか否かを判定し(ステップS1201)、受信していない場合(ステップS1201:No)、受信するまで待機する。ここで、実施情報とは、自科実施情報と他科実施情報とを含む。
【0103】
実施情報を受信した場合(ステップS1201:Yes)、物流サーバ242は、物流DB243の薬剤・器材の残量から、実施情報に含まれる薬剤および器材の使用量を減算した値を、物流DB243の薬剤・器材の残量として登録する(ステップS1202)。そして、物流サーバ242は、物流DB243の薬剤・器材のうち、残量が規定量未満である薬剤・器材があるか否かを判定する(ステップS1203)。
【0104】
残量が規定量未満である薬剤・器材がある場合(ステップS1203:Yes)、物流サーバ242は、残量が規定量未満である薬剤・器材を物流端末241へ通知し(ステップS1204)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。残量が規定量未満である薬剤・器材が通知された物流端末241は、付属のディスプレイに、残量が規定量未満である薬剤・器材の名称や不足量などを表示し、ユーザから、発注に関する操作を受け付ける。また、ステップS1203において、残量が規定量未満である薬剤・器材がない場合(ステップS1203:No)、物流サーバ242は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0105】
物流サーバ242は、上述した物流情報管理処理を実行することにより、自動的に作成された自科実施情報を用いて物流情報の管理を行うことができ、これにより、物流情報の管理の不備の発生を防止することができる。
【0106】
以上説明した実施の形態にかかる電子カルテサーバ103によれば、検査を実行した診療科の端末から受信した端末IDが、リンクマスタ105に自科端末の端末IDとして記憶されている場合に、検査種別と患者IDとを出力することとした。これにより、検査を実行した診療科の端末が自科端末か他科端末かを判定するとともに、自科端末である場合に自科実施情報を作成することができる。したがって、電子カルテサーバ103によれば、自科端末のユーザの実施情報を入力する手間を省くことができる。すなわち、自科実施情報の作成ミスを防止し、業務の効率化を図ることができる。
【0107】
また、電子カルテサーバ103によれば、受信した端末IDに対して複数の検査種別が関連付けられている場合、カルテデータ内の文字列の単語と一致するキーワードに関連付けられた検査種別を抽出し、抽出した検査種別と患者IDとを出力することとした。これにより、複数の検査を実施可能な端末であっても検査種別を抽出することができ、自科端末のユーザに検査種別を選択させる手間を省くことができる。
【0108】
また、電子カルテサーバ103によれば、カルテデータ内の文字列の単語とリンクマスタ105内のキーワードとが一致しない場合、ユーザに検査種別を選択させ、選択された検査種別のキーワードとして、カルテデータ内の文字列の単語を登録することとした。これにより、リンクマスタ105に学習機能を付加することができる。したがって、電子カルテサーバ103は、ユーザに検査種別を選択させる機会を減少させることができ、次回以降の検査の実施時における自科端末のユーザの実施情報を入力する手間を省くことができる。
【0109】
また、電子カルテサーバ103によれば、リンクマスタ105に薬剤・器材と数量が登録されていることにより、薬剤・器材と数量の情報を含む自科実施情報を作成し、実施情報利用システム104へ送信することができる。これにより、例えば、会計システム230は、薬剤・器材と数量とから診察料を算出することができ、また、物流システム240は、薬剤・器材と数量とから備品の発注などの管理を行うことができる。したがって、電子カルテサーバ103によれば、実施情報利用システム104に有効的に活用させる実施情報を、自科端末のユーザの実施情報を入力する手間を省きつつ、作成することができる。
【0110】
なお、本実施の形態で説明した情報管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本情報管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【符号の説明】
【0111】
101 自科システム
102 他科システム
103 電子カルテサーバ
104 実施情報利用システム
105 リンクマスタ
200 情報管理システム
211 第1検査システム
211a 第1検査端末
211b 第1検査装置
212 第2検査システム
212a 第2検査端末
212b 第2検査装置
213 第3検査システム
213a 第3検査端末
213b 第3検査装置
221 電子カルテDB
230 会計システム
231 会計端末
232 会計サーバ
233 会計DB
240 物流システム
241 物流端末
242 物流サーバ
243 物流DB
250 ネットワーク
901 取得部
902 登録判定部
903 種別抽出部
904 出力部
905 端末判定部
906 情報抽出部
907 文字判定部
908 登録部
909 要求出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査を実施した診療科の端末から、前記端末の識別情報と、前記検査の受検者の識別情報とを取得する取得処理と、
自科検査用の検査端末の識別情報と検査の種別とが関連付けて登録された端末データベースに、前記取得処理によって取得された前記識別情報が登録されているか否かを判定する登録判定処理と、
取得された前記識別情報が登録されていると判定された場合に、前記端末データベースから、前記識別情報に対応する前記検査の種別を抽出する種別抽出処理と、
前記種別抽出処理によって抽出された前記検査の種別を前記受検者の識別情報とともに、会計システムへ出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報管理プログラム。
【請求項2】
前記端末データベースには、前記自科検査用の検査端末の識別情報に対して、1または複数の前記検査の種別が登録されるとともに、該検査の種別毎に所定のキーワードが関連付けて登録されており、
前記端末データベースに、取得された前記識別情報に対する複数の前記検査の種別が登録されているか否かを判定する端末判定処理と、
前記複数の前記検査の種別が登録されていると判定された場合、前記受検者の識別情報と前記受検者の診療情報とが関連付けて登録された診療情報データベースから、前記取得処理によって取得された前記受検者の識別情報に対応する前記診療情報を抽出する情報抽出処理と、
前記情報抽出処理によって抽出された診療情報の文字列に、前記所定のキーワードが含まれるか否かを判定する文字判定処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記種別抽出処理は、前記文字判定処理によって前記診療情報の文字列に前記所定のキーワードが含まれると判定された場合、前記端末データベースから、前記所定のキーワードに対応する前記検査の種別を抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報管理プログラム。
【請求項3】
前記端末データベースに前記所定のキーワードを登録する登録処理と、
前記文字判定処理によって前記診療情報の文字列に前記所定のキーワードが含まれないと判定された場合、前記診療科の端末に対し、前記検査の種別の選択要求を出力する要求出力処理と、
選択された前記検査の種別を取得する他の取得処理とを、さらに前記コンピュータに実行させ、
前記登録処理は、前記他の取得処理によって取得された前記検査の種別に対応する前記所定のキーワードとして、前記情報抽出処理によって抽出された前記診療情報の文字列内の単語を登録することを特徴とする請求項2に記載の情報管理プログラム。
【請求項4】
前記検査の種別は、前記検査に用いられる薬剤の種別と量に関する情報と、前記検査に用いられる器材の種別と数量に関する情報のうち、少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報管理プログラム。
【請求項5】
自科検査用の検査端末の識別情報と検査の種別とが関連付けて登録された端末データベースを記憶する記憶部と、
検査を実施した診療科の端末から、前記端末の識別情報と、前記検査の受検者の識別情報とを取得する取得部と、
前記端末データベースに、前記取得部によって取得された前記識別情報が登録されているか否かを判定する登録判定部と、
取得された前記識別情報が登録されていると判定された場合に、前記端末データベースから、前記識別情報に対応する前記検査の種別を抽出する種別抽出部と、
前記種別抽出部によって抽出された前記検査の種別を前記受検者の識別情報とともに、会計システムへ出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報管理装置。
【請求項6】
自科検査用の検査端末の識別情報と検査の種別とが関連付けて登録された端末データベースを記憶するコンピュータが、
検査を実施した診療科の端末から、前記端末の識別情報と、前記検査の受検者の識別情報とを取得する取得処理と、
前記端末データベースに、前記取得処理によって取得された前記識別情報が登録されているか否かを判定する登録判定処理と、
取得された前記識別情報が登録されていると判定された場合に、前記端末データベースから、前記識別情報に対応する前記検査の種別を抽出する種別抽出処理と、
前記種別抽出処理によって抽出された前記検査の種別を前記受検者の識別情報とともに、会計システムへ出力する出力処理と、
を実行することを特徴とする情報管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10−1】
image rotate

【図10−2】
image rotate

【図10−3】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate