説明

情報管理装置、情報管理システム、及び情報管理方法

【課題】既定の場所で発生した事象に関する情報の入力を容易にする。
【解決手段】 情報管理装置10は、利用者のICカード2から、このICカード2を特定するカードIDなどを読み取る読取部500と、読取部500により読み取られたカードIDに対応付けて、利用者により入力された通報情報を情報管理サーバ30に登録する入力情報登録部525とを有し、情報管理サーバ30は、入力情報登録部525により登録されたカードID及び通報情報と、この通報情報に対する対応状況を示す情報とを互いに対応付けて記録する通報データベース310と、いずれかの記録媒体IDを指定して対応状況の情報が要求された場合に、通報データベース310から、指定されたカードIDに対応する対応状況の情報を、情報管理装置10を介して利用者に提供する状況情報提供部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、情報管理システム、及び情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、非常事態判定部102bの判定結果が「非常事態」である場合、非常事態情報を生成するように非常事態情報生成部102cを制御し、非常事態情報を送信するように通信部102aを制御し、住人情報を蓄積するように蓄積部106を制御し、開示判定部102dの判定結果が「開示」である場合に住人情報を出力するように出力装置114を制御する制御部102、非常事態情報や住人情報を蓄積する蓄積部106などで構成される自動販売機を用いた、非常時通信システムが開示されている。
また、特許文献2には、、商品選択ボタン9を災害発生時に必要な災害情報を入力することの可能な入力手段とし、さらに、ハウジングの正面には情報表示を行うディスプレイ1、災害情報を外部のホストマシン13間で相互に授受する通信処理装置2、音声入出力を可能にするためのスピーカ3やマイク4、災害情報の検索などの処理を可能にする中央処理部7、検索結果を印刷出力するプリンタ5、災害時の停電でも自立的に起動して電源を供給する非常用電源8等を備えた自動販売機を用いて、地域住民に対して広く災害情報を入手・発信可能にする災害情報端末システムが開示されている。
また、特許文献3には、非常スイッチ4aを備えた緊急通報手段3と、マイク5、スピーカ6とを備えた自動販売機を用いて、非常スイッチ4aの操作によって緊急通報手段3が作動されたときには、通信回線Nを通じて接続された特定の警備センターに設置された通話機能を有した通信端末機Bを呼出し、マイク5とスピーカ6を通じて、通信端末機Bと通話が行えるようにする通信警備システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−31226号公報
【特許文献2】特開平10−11500号公報
【特許文献3】特開平9−35133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、既定の場所で発生した事象に関する情報の入力を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報管理装置は、利用者の情報記録媒体から、サービス提供区域への入場に関する入場情報を読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた入場情報に基づいて、入力項目の選択肢を絞り込む絞込部と、前記絞込部により絞り込まれた選択肢を、利用者に提供する選択肢提供部とを有する。
【0006】
好適には、前記読取部は、サービス提供区域への入場場所を示す入場場所情報を前記入場情報として読み取り、前記絞込部は、前記入場場所情報に基づいて、場所に関する入力項目の選択肢を絞り込む。
【0007】
好適には、前記読取部は、サービス提供区域への入場時間を示す入場時間情報を前記入場情報として読み取り、前記絞込部は、前記入場時間情報に基づいて、時間に関する入力項目の選択肢を絞り込む。
【0008】
好適には、前記情報記録媒体は、駅の改札に用いられる非接触型記録媒体であり、前記読取部は、前記非接触型記録媒体から、少なくとも、媒体を識別する媒体識別情報と、入場駅を示す入場場所情報と、入場駅の改札通過時間を示す入場時間情報とを読み取り、前記絞込部は、前記入場場所情報と、この情報管理装置の設置場所とに基づいて、場所に関する入力項目の選択肢を、入場駅から前記設置場所までの間に存在する場所に絞り込み、前記入場時間情報と現在時刻とに基づいて、時間に関する入力項目の選択肢を、入場時間から現在時刻までの時間帯に絞り込む。
【0009】
また、本発明に係る情報管理システムは、情報管理装置と、情報管理サーバとを含む情報管理システムであって、前記情報管理装置は、利用者の情報記録媒体から、この情報記録媒体を特定する記録媒体IDを読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた記録媒体IDに対応付けて、利用者により入力された通報情報を前記情報管理サーバに登録する入力情報登録部とを有し、前記情報管理サーバは、前記入力情報登録部により登録された記録媒体ID及び通報情報と、この通報情報に対する対応状況を示す情報とを互いに対応付けて記録する通報記録部と、いずれかの記録媒体IDを指定して対応状況の情報が要求された場合に、前記通報記録部から、指定された記録媒体IDに対応する対応状況の情報を、前記情報管理装置を介して利用者に提供する状況情報提供部とを有する。
【0010】
また、本発明に係る情報管理方法は、情報読取装置が、利用者の情報記録媒体から、サービス提供区域への入場に関する入場情報を読み取り、前記情報読取装置により読み取られた入場情報に基づいて、コンピュータが、入力項目の選択肢を絞り込み、コンピュータが、絞り込まれた選択肢を、利用者に提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る情報管理システムによれば、既定の場所で発生した事象に関する情報の入力を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、情報管理システム1の全体構成を例示する図である。
【図2】図2は、情報端末プログラム5の機能構成を例示する図である。
【図3】図3は、情報管理装置10の動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4(A)は、メニュー画面80を例示し、図4(B)は、発生場所入力画面82を例示する図である。
【図5】図5(A)は、車内場所選択画面84を例示し、図5(B)は、駅内場所選択画面86を例示する図である。
【図6】図6(A)は、発生時間入力画面88を例示し、図6(B)は、終了画面89を例示する図である。
【図7】図7は、情報利用プログラム6の機能構成を例示する図である。
【図8】図8は、通報データベース310に登録される情報を例示する図である。
【図9】図9は、統計情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、情報管理システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、情報管理システム1は、少なくとも1つの情報管理装置10と、情報管理サーバ30とを有する。情報管理装置10及び情報管理サーバ30は、ネットワークを介して互いに接続している。さらに、本例の情報管理装置10及び情報管理サーバ30は、ネットワークを介して、自動改札システム9に接続している。
情報管理装置10は、後述する情報端末プログラム5がインストールされたコンピュータ装置である。より具体的には、情報管理装置10は、情報の入力受付及び情報の表示を行うユーザインタフェース(本例ではタッチパネル100)と、情報記録媒体(本例では、ICカード2)から情報の読出しを行う情報読取装置(本例ではICリーダライタ102)とを有し、サービス提供区域内に設置される。サービス提供区域とは、情報記録媒体を用いてサービスが提供される領域をいう。本例の情報管理装置10は、駅の構内(ホームなど)に設置され、鉄道の自動改札システム9に接続されている。
なお、本例では鉄道サービスを具体例として説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、バスや航空サービスなどの他の公共交通サービスであってもよい。
【0014】
情報管理サーバ30は、後述する情報利用プログラム6がインストールされたコンピュータ装置である。より具体的には、情報管理サーバ30は、それぞれの情報管理装置10で投稿された情報を集約し、情報を投稿した投稿者に対して、インセンティブを付与する。
【0015】
自動改札システム9は、サービス提供区域の入出場に設けられた自動改札機を含み、この自動改札機とICカード2との間で、カードのID、入場又は出場の場所を示す場所情報、及び、入場又は出場の時刻などをやり取りすることによって、サービス対価の収受処理を行う。
【0016】
本例の情報管理システム1では、駅に設置された情報管理装置10によって、鉄道の利用者から、トラブル発生情報などの投稿を受け付け、受け付けた情報を情報管理サーバ30に集約する。さらに、情報管理システム1は、投稿された情報に対する対応状況を示す情報(例えば、未対応/対応済など)を情報管理サーバ30に登録し、情報管理装置10を介して、投稿した利用者に対応状況を提示する。また、情報管理システム1は、投稿した利用者に対して、投稿のインセンティブとして特典を付与する。
【0017】
図2は、情報管理装置10にインストールされる情報端末プログラム5の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、情報端末プログラム5は、入場履歴読取部500、場所絞込部505、時間絞込部510、選択肢提供部515、ユーザインタフェース部520、入力情報登録部525、及び、結果抽出部530を有する。
情報端末プログラム5は、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されており、この記録媒体を介して情報管理装置10(図1)にインストールされる。なお、情報端末プログラム5の一部又は全部は、ネットワークを介して、情報管理装置10にインストールされてもよい。また、情報端末プログラム5の全部又は一部は、情報管理装置10に設けられたASIC等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0018】
情報端末プログラム5において、入場履歴読取部500は、情報記録媒体から、サービス提供区域への入場に関する入場情報を読み取る。例えば、入場履歴読取部500は、ICリーダライタ102(図1)を制御して、ICカード2から、サービス提供区域への入場場所を示す情報、入場時刻を示す情報、及び、カードIDを非接触で読み取る。本例の入場履歴読取部500は、鉄道サービスの決済に用いるICカード2から、カードを識別するカードIDと、入場駅を示す入場場所情報と、入場駅の改札通過時間を示す入場時間情報とを読み取り、読み取られたカードID、入場場所情報及び入場時間情報を場所絞込部505、時間絞込部510及び結果抽出部530に出力する。
【0019】
場所絞込部505は、入場履歴読取部500により読み取られた入場場所情報に基づいて、場所に関する入力項目の選択肢を絞り込む。例えば、場所絞込部505は、直近の入場場所を示す入場場所情報に基づいて、この入場場所から現在地(すなわち、情報管理装置10の設置場所)までの範囲に、場所の選択肢を絞り込む。本例の場所絞込部505は、入場履歴読取部500から入力された入場場所情報に基づいて、トラブル等の発生場所に関する選択肢を、入場駅の改札から現在地(すなわち、情報管理装置10の設置場所)までの範囲の鉄道施設(車両内及び駅構内)に絞り込む。
【0020】
時間絞込部510は、入場履歴読取部500により読み取られた入場時間情報に基づいて、時間に関する入力項目の選択肢を絞り込む。例えば、時間絞込部510は、直近の入場時間を示す入場時間情報に基づいて、この入場時間(入場時刻)から現在時刻までの範囲に、時間の選択肢を絞り込む。本例の時間絞込部510は、入場履歴読取部500から入力された入場時間情報に基づいて、トラブル等の発生場所に関する選択肢を、入場駅の改札通過時刻から現在時刻までの範囲に絞り込む。
【0021】
選択肢提供部515は、場所絞込部505により絞り込まれた選択肢、又は、時間絞込部510により絞り込まれた選択肢を、ユーザインタフェース部520を介して、利用者に提供する。本例の選択肢提供部515は、場所絞込部505により絞り込まれた選択肢、又は、時間絞込部510により絞り込まれた選択肢を、タッチパネル100(図1)に表示させて、選択肢の選択操作を促す。
【0022】
ユーザインタフェース部520は、タッチパネル100(図1)を制御して、選択肢などの表示と、利用者による入力操作の受付とを行う。
入力情報登録部525は、利用者により入力された入力情報を、ネットワークを介して、情報管理サーバ30に登録する。本例の入力情報登録部525は、少なくとも、利用者により選択された場所及び時刻の選択肢と、発生した事象(痴漢、病人、指名手配犯の目撃など)の種類を示す種類情報とを情報管理サーバ30に送信する。
【0023】
結果抽出部530は、入場履歴読取部500により読み取られたカードIDに基づいて、読み取られたカードIDに対応付けられた状況情報を情報管理サーバ30に要求し、情報管理サーバ30から受信した状況情報をタッチパネル100に表示して利用者に提供する。状況情報とは、投稿された情報に対する対応状況を示す情報である。
【0024】
図3は、情報管理装置10(情報端末プログラム5)の動作を説明するフローチャート(S10)である。
また、図4,5及び6は、タッチパネル100に表示される画面を例示する図である。
図3に示すように、ステップ100(S100)において、情報端末プログラム5の入場履歴読取部500(図2)は、ICリーダライタ102(図1)を制御して、ICカード2との通信に備えて待機し(S100:No)、ICカード2がICリーダライタ102の近傍にかざされると、このICカード2から、カードID、入場場所情報(乗車駅名)及び入場時間情報(入札時刻)を読み取り、読み取られたカードID、入場場所情報及び入場時間情報を場所絞込部505、時間絞込部510及び結果抽出部530に出力する。なお、入場場所情報(乗車駅名)及び入場時間情報(入札時刻)は、自動改札システム9(図1)の自動改札機などによって、自動的にICカード2に書き込まれる情報である。
情報端末プログラム5は、ICカード2からカードIDなどの入場情報が読み取られた場合に、S105の処理に移行し、これ以外の場合に、待機状態となる。
【0025】
ステップ105(S105)において、選択肢提供部515は、図4(A)に例示するメニュー画面80を表示するよう、ユーザインタフェース部520に指示する。ユーザインタフェース部520は、この指示に応じて、メニュー画面80をタッチパネル100に表示する。
メニュー画面80には、通報内容を示すアイコン800〜806と、対応状況の確認を指示するためのアイコン808とが表示されている。通報内容を示すアイコン800〜806のいずれかが利用者により選択されると、選択されたアイコンに対応する通報内容の登録受付処理が開始され、対応状況確認のためのアイコン808が利用者により選択されると、対応状況確認処理が開始される。
【0026】
ステップ110(S110)において、ユーザインタフェース部520は、メニュー画面80に表示されたアイコンに対する、利用者の選択操作を受け付ける。
情報端末プログラム5は、通報内容を示すアイコン800〜806のいずれかが選択された場合に、S115の処理に移行し、対応状況の確認を指示するアイコン808が選択された場合に、S160の処理に移行する。
【0027】
ステップ115(S115)において、場所絞込部505は、入場履歴読取部500から入力された入場場所情報(入場駅名)に基づいて、トラブル等の発生場所に関する選択肢を、入場駅の改札から現在地までの範囲の鉄道施設(車両内及び駅構内)に絞り込み、絞り込まれた場所の範囲を選択肢提供部515に通知する。
時間絞込部510は、入場履歴読取部500から入力された入場時間情報(改札通過時刻)に基づいて、トラブル等の発生場所に関する選択肢を、入場駅の改札通過時刻から現在時刻までの範囲に絞り込み、絞り込まれた時間の範囲を選択肢提供部515に通知する。
【0028】
ステップ120(S120)において、選択肢提供部515は、場所絞込部505からの通知に応じて、入場駅から現在地までの範囲に絞り込まれた発生場所の選択肢をユーザインタフェース部520に表示させる。
ユーザインタフェース部520は、選択肢提供部515の指示に応じて、図4(B)に例示する発生場所入力画面82をタッチパネル100に表示する。発生場所入力画面82には、入場駅から現在地までの範囲における駅及び線路が、それぞれアイコン820及びアイコン822として表示される。
【0029】
ステップ125(S125)において、ユーザインタフェース部520は、発生場所入力画面82に表示されたアイコンに対する、利用者の選択操作を受け付ける。
情報端末プログラム5は、いずれかの駅を表すアイコン820が選択された場合に、S130の処理に移行し、いずれかの線路を表すアイコン822が選択された場合に、S135の処理に移行する。
【0030】
ステップ130(S130)において、選択肢提供部515は、発生場所入力画面82において、いずれかの駅を表すアイコン820が選択されると、図5(B)に例示するように、選択されたアイコン820に対応する駅の駅構内図をユーザインタフェース部520に表示させる。表示される駅構内図は、図5(B)に例示するように、駅構内における発生場所の選択操作を受け付ける駅内場所選択画面86である。
【0031】
ステップ135(S135)において、選択肢提供部515は、発生場所入力画面82において、いずれかの線路を表すアイコン822が選択されると、図5(A)に例示するように、選択されたアイコン822に対応する線路上を走る車両の車内図をユーザインタフェース部520に表示させる。表示される車内図は、図5(A)に例示するように、列車内における発生場所の選択操作を受け付ける車内場所選択画面84である。
【0032】
ステップ140(S140)において、ユーザインタフェース部520は、駅内場所選択画面86又は車内場所選択画面84において、トラブル等の発生場所の選択操作を受け付けると、選択された発生場所の情報を入力情報登録部525に出力する。発生場所の情報には、駅名及び駅構内の場所を示す情報、又は、駅間名及び車両内の場所を示す情報が含まれる。
【0033】
ステップ145(S145)において、選択肢提供部515は、時間絞込部510からの通知に応じて、改札通過時刻から現在時刻までの範囲に絞り込まれた時間帯の選択肢をユーザインタフェース部520に表示させる。
ユーザインタフェース部520は、選択肢提供部515の指示に応じて、図6(A)に例示する発生時間入力画面88をタッチパネル100に表示する。発生時間入力画面88には、入場駅の改札通過時刻から現在時刻までの時間帯(10分単位の時間帯)が、それぞれアイコンとして表示される。
【0034】
ステップ150(S150)において、ユーザインタフェース部520は、発生時間入力画面88に表示されたアイコンに対する、利用者の選択操作を受け付け、選択されたアイコンに対応する時間帯をトラブル等の発生時間として入力情報登録部525に出力する。
【0035】
ステップ155(S155)において、入力情報登録部525は、少なくとも、入場履歴読取部500により読み取られたカードIDと、ユーザインタフェース部520から入力された発生場所の情報及び発生時間の情報と、通報内容の種類を示す情報とを互いに対応付けて情報管理サーバ30に送信する。本例では、図8に例示するように、上記の他に、乗車駅名(「乗車駅」)、通報を行った情報管理装置10の設置場所(「通報場所」)、改札通過時刻(「乗車日時」)、及び、通報を行った時刻(「通報日時」)が情報管理装置10から情報管理サーバ30に送信される。
情報端末プログラム5は、入力情報登録部525による通報情報の登録が正常に終了すると、図6(B)に例示する終了画面89を一定時間表示させて、待機状態に戻る。
【0036】
ステップ160(S160)において、結果抽出部530は、メニュー画面80(図4(A))において、対応状況確認のためのアイコン808が利用者により選択されると、入場履歴読取部500から入力されたカードIDを情報管理サーバ30に送信して、このカードIDに対応付けられた対応状況の情報を要求する。本例の結果抽出部530は、さらに、カードIDに対応付けられた特典(報奨金)の値を要求する。
【0037】
ステップ165(S165)において、結果抽出部530は、情報管理サーバ30から、カードIDに対応付けられた対応状況の情報(未対応/対応済)を受信すると、受信した対応状況の情報をユーザインタフェース部520に表示させる。ユーザインタフェース部520は、対応状況をタッチパネル100に表示する。これにより、このカードIDを用いて投稿された情報に対して、対応がなされたか否かを利用者が知ることができる。
さらに、本例の結果抽出部530は、情報管理サーバ30から特典(報奨金)の値を受信すると、受信した特典(報奨金)の値をユーザインタフェース部520に表示させる。これにより、利用者に対して、投稿のインセンティブを与えることができる。
【0038】
次に、情報管理サーバ30の機能構成を説明する。
図7は、情報管理サーバ30にインストールされる情報利用プログラム6の機能構成を例示する図である。
図7に例示するように、情報利用プログラム6は、新規情報登録部600、担当者通報部605、状況情報提供部610、統計情報更新部615、対処結果入力部620、対象者選択部625、特典算出部630、及び特典付与部635を有する。
また、情報管理サーバ30には、通報データベース310(通報DB310)が設けられている。
情報利用プログラム6は、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されており、この記録媒体を介して情報管理サーバ30(図1)にインストールされる。なお、情報利用プログラム6の一部又は全部は、ネットワークを介して、情報管理サーバ30にインストールされてもよい。また、情報利用プログラム6の全部又は一部は、情報管理サーバ30に設けられたASIC等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0039】
情報利用プログラム6において、新規情報登録部600は、ネットワークを介して、通報情報(カードID、通報内容の種類を示す情報、発生場所の情報、及び、発生時間の情報など)を情報管理装置10から受信し、受信した通報情報を新規投稿として通報DB310に書き込む。
担当者通報部605は、新規情報登録部600により受信された新規の通報情報を、対応を担当する担当者の担当者端末(不図示)に通知する。例えば、担当者通報部605は、新規の通報情報を、電子メールによって担当者端末に送信する。
【0040】
状況情報提供部610は、情報管理装置10から、カードIDに対応する状況情報が要求されると、受信したカードIDに対応する対応状況の情報を通報DB310から抽出し、抽出された対応状況の情報を情報管理装置10に返信する。
統計情報更新部615は、通報DB310に登録されている通報情報に基づいて、トラブル等の発生に関する統計情報を生成する。本例の統計情報更新部615は、新規情報登録部600により通報DB310に新規投稿が登録されると、この新規投稿に関連する統計情報(各時間帯及び各発生場所におけるトラブル等の累積発生件数など)を更新する。
【0041】
対処結果入力部620は、対処担当者による対処状況の入力を受け付ける。本例の対処結果入力部620は、図8に例示する、通報の種類、発生場所及び発生日時が一致するエントリ群をまとめ、これらのエントリ群に対する対応状況(「未対応」又は「対応済」)の入力を受け付ける。この入力により、まとめられたエントリ群の「対応状況」が更新される。
対象者選択部620は、対処結果入力部620による入力受付の結果に応じて、通報ID310に登録されている通報情報の中から、特典付与の対象となるエントリを選択する。例えば、対象者選択部620は、対処結果入力部620により所定のエントリ群に対して「対応済」に更新された場合に、この「対応済」となったエントリ群を特典付与の対象として選択する。
【0042】
特典算出部630は、対象者選択部625により選択されたエントリ群の各エントリに対して付与する特典の値を算出する。本例の特典算出部630は、通報の種類などに対応付けて設定された特典総ポイント値を、対象者選択部625により選択されたエントリ群に対して均等に分配する。すなち、情報利用プログラム6は、同一発生場所及び発生日時(時間帯)において、同一種類の通報を行ったものに対して、総ポイント値を分配する。
特典付与部635は、特典算出部630により算出された特典の値を、対象者選択部625により選択された各エントリの投稿者に対して付与する。本例の特典付与部635は、対象者選択部625により選択された各エントリのカードIDを指定して、特典算出部630により算出されたポイント値を加算するよう、自動改札システム9に指示する。
【0043】
通報DB310には、図8に例示するように、情報管理装置10から受信した通報情報(カードID、通報の種類、その他の情報、乗車駅、通報場所、発生場所、乗車日時、通報日時、及び発生日時)と、担当者端末から入力される対応状況と、特典付与部635により付与される特典(報奨金)とが互いに関連付けられた状態で格納される。
【0044】
図9は、統計情報更新部615により生成される統計情報を例示する図である。
図9(A)に例示するように、統計情報更新部615は、各駅毎に、痴漢の通報件数を累計し、所定の時間帯の累計値をグラフに表示する。担当者は、このグラフを参照して、痴漢対策の重点場所を決定することができる。
また、図9(B)に例示するように、統計情報更新部615は、各時間帯毎に、所定の発生場所における痴漢の通報件数を累計し、この累計値をグラフに表示する。担当者は、このグラフを参照して、痴漢対策の重点時間帯を決定することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の情報管理システム1によれば、通報情報の入力が容易になるため、多くの通報を集めることができる。また、本情報管理システム1によれば、各通報情報がカードIDで管理される。そのため、匿名での通報が可能なる。また、本情報管理システム1によれば、トラブル等の解消に役立った通報に対しては、所定の特典が通報のインセンティブとして付与される。これにより、積極的な通報を促すことが期待できる。
【0046】
[変形例]
上記実施形態では、ICカード2を情報記録媒体として用いる形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、携帯電話や磁気カードを情報記録媒体として用いてもよい。
また、上記実施形態では、発生場所の選択肢と、発生時刻の選択肢とをそれぞれ独立して絞り込んでいるが、これに限定されるものはなく、例えば、発生時刻の選択肢が選択された場合に、場所絞込部505は、列車の時刻表に基づいて、この発生時刻に利用者がいたと推定される範囲に発生場所をさらに絞り込んでもよい。同様に、発生場所の選択肢が選択された場合に、時間絞込部510は、列車の時刻表に基づいて、この発生場所に利用者がいたと推定される時間帯に、発生時刻の選択肢をさらに絞り込んでもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 情報管理システム
2 ICカード
10 情報管理装置
30 情報管理サーバ
5 情報端末プログラム
6 情報利用プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の情報記録媒体から、サービス提供区域への入場に関する入場情報を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた入場情報に基づいて、入力項目の選択肢を絞り込む絞込部と、
前記絞込部により絞り込まれた選択肢を、利用者に提供する選択肢提供部と
を有する情報管理装置。
【請求項2】
前記読取部は、サービス提供区域への入場場所を示す入場場所情報を前記入場情報として読み取り、
前記絞込部は、前記入場場所情報に基づいて、場所に関する入力項目の選択肢を絞り込む
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記読取部は、サービス提供区域への入場時間を示す入場時間情報を前記入場情報として読み取り、
前記絞込部は、前記入場時間情報に基づいて、時間に関する入力項目の選択肢を絞り込む
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記情報記録媒体は、駅の改札に用いられる非接触型記録媒体であり、
前記読取部は、前記非接触型記録媒体から、少なくとも、媒体を識別する媒体識別情報と、入場駅を示す入場場所情報と、入場駅の改札通過時間を示す入場時間情報とを読み取り、
前記絞込部は、前記入場場所情報と、この情報管理装置の設置場所とに基づいて、場所に関する入力項目の選択肢を、入場駅から前記設置場所までの間に存在する場所に絞り込み、前記入場時間情報と現在時刻とに基づいて、時間に関する入力項目の選択肢を、入場時間から現在時刻までの時間帯に絞り込む
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項5】
情報管理装置と、情報管理サーバとを含む情報管理システムであって、
前記情報管理装置は、
利用者の情報記録媒体から、この情報記録媒体を特定する記録媒体IDを読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた記録媒体IDに対応付けて、利用者により入力された通報情報を前記情報管理サーバに登録する入力情報登録部と
を有し、
前記情報管理サーバは、
前記入力情報登録部により登録された記録媒体ID及び通報情報と、この通報情報に対する対応状況を示す情報とを互いに対応付けて記録する通報記録部と、
いずれかの記録媒体IDを指定して対応状況の情報が要求された場合に、前記通報記録部から、指定された記録媒体IDに対応する対応状況の情報を、前記情報管理装置を介して利用者に提供する状況情報提供部と
を有する
情報管理システム。
【請求項6】
情報読取装置が、利用者の情報記録媒体から、サービス提供区域への入場に関する入場情報を読み取り、
前記情報読取装置により読み取られた入場情報に基づいて、コンピュータが、入力項目の選択肢を絞り込み、
コンピュータが、絞り込まれた選択肢を、利用者に提供する
情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−224619(P2010−224619A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68118(P2009−68118)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】