説明

情報管理装置及び情報管理方法

【課題】 ホームネットワークシステムにおいて効率よく情報を管理することができる情報管理装置及び情報管理方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る情報管理装置50は、情報家電40A〜40Cに通信接続されており、情報家電40A〜40Cを遠隔操作する携帯電話機10と情報家電40A〜40Cとの間の通信を仲介する情報管理装置であって、情報家電40A〜40Cの各々に対応するプロトコルで情報家電40A〜40Cと通信を行うと共に、統一されたプロトコルで互いに接続されており、且つ、情報家電40A〜40Cに関するメタデータ(家電情報)を格納する家電代理部54A〜54Cを備え、家電代理部54A〜54Cが他の家電代理部54A〜54Cに格納されている家電情報を検出するため、家電代理部54A〜54Cが他の家電代理部54A〜54Cに格納されている家電情報を検出でき、ホームネットワークシステムにおいて効率よく情報管理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報家電等に関する情報を管理する情報管理装置及び情報管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報家電とは、各種情報を処理する処理機能と通信機能とを備える家電であり、この情報家電としては、例えば白物家電やAV機器などが知られている。そして、このような情報家電を複数接続することによってホームネットワークシステムが構築される。このホームネットワークシステムに利用されるプロトコルとしては、ECHONETやUPnP(Universal Plug and play)などがある。なお、ホームネットワークシステムにおける情報家電の制御や操作には各種ミドルウェアが利用されている。
【0003】
ホームネットワークシステムでは、情報家電の状態や属性に関する情報がメタデータとして各家電に付与されており、家電それぞれが自己のメタデータを格納している。そして、ホームネットワークシステムでは、このメタデータを用いて家電の探索などをおこなっている。
【特許文献1】特開2005−123686号公報
【特許文献2】特開2002−335586号公報
【特許文献3】特開2004−180260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来技術においては、家電ごとに異なるプロトコルが利用されている場合には、上述したメタデータを有効に利用することができない。なぜならば、メタデータはプロトコルによって異なる形式で記述されるためであり、その結果、従来では家電の探索の際等において不具合が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、ホームネットワークシステムにおいて効率よく情報を管理することができる情報管理装置及び情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報管理装置は、複数の情報家電に通信接続されており、情報家電を遠隔操作する操作端末と情報家電との間の通信を仲介する情報管理装置であって、複数の情報家電の各々に対応するプロトコルで情報家電と通信を行うと共に、統一されたプロトコルで互いに接続されており、且つ、情報家電に関する家電情報を格納する複数の家電代理手段を備え、家電代理手段が、他の家電代理手段に格納されている家電情報を検出する。
【0007】
この情報管理装置においては、家電代理手段それぞれが接続されている情報家電の家電情報を格納しており、且つ、家電代理手段は統一されたプロトコルで互いに接続されている。そのため、家電代理手段が、他の家電代理手段に格納されているメタデータ等の家電情報を検出することが実現される。従って、本発明に係る情報管理装置においては、ホームネットワークシステムにおいて効率よく情報を管理することができる。
【0008】
また、新たな情報家電が接続されたことを検出する接続検出手段と、接続検出手段によって情報家電の接続が検出された際に、接続された情報家電に対応するプロトコルで通信を行う家電代理手段を生成する生成手段とをさらに備える態様であってもよい。この場合、情報管理装置に新たな情報家電を接続する作業を容易に行うことができる。
【0009】
本発明に係る情報管理方法は、複数の情報家電に通信接続されており、情報家電を遠隔操作する操作端末と情報家電との間の通信を仲介する情報管理装置を用いた情報管理方法であって、情報管理装置は、複数の情報家電の各々に対応するプロトコルで情報家電と通信を行うと共に、統一されたプロトコルで互いに接続されており、且つ、情報家電に関する家電情報を格納する複数の家電代理手段を備え、家電代理手段が、他の家電代理手段に格納されている家電情報を検出する。
【0010】
この情報管理方法における情報管理装置は、家電代理手段それぞれが接続されている情報家電の家電情報を格納しており、且つ、家電代理手段は統一されたプロトコルで互いに接続されている。そのため、家電代理手段が、他の家電代理手段に格納されているメタデータ等の家電情報を検出することが実現される。従って、本発明に係る情報管理方法においては、ホームネットワークシステムにおいて効率よく情報を管理することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホームネットワークシステムにおいて効率よく情報を管理することができる情報管理装置及び情報管理方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る情報管理装置を含むネットワークシステム1を示した図である。この図に示したネットワークシステム1は、携帯電話機(操作端末)10と、携帯電話機10とインターネット20を介して接続されたホームネットワークシステム30とを備えている。このネットワークシステム1は、携帯電話機10によって、家庭内に構築されたホームネットワークシステム30内の情報家電40A〜40Cを遠隔操作するためのものである。
【0014】
ホームネットワークシステム30は、複数の情報家電40A〜40Cの他に、情報管理装置50を備えている。この情報管理装置50は、複数の情報家電40A〜40Cに通信接続されており、且つ、携帯電話機10と情報家電40A〜40Cとの間の通信を仲介する、いわゆるゲートウェイ装置である。
【0015】
情報管理装置50は、物理的な構成要素として、主に、演算処理装置、メモリ、通信回路(BUS)、外部接続ジャック等を備えており、機能的構成要素として、端末通信部52、家電代理部(家電代理手段)54A〜54C、接続検出部(接続検出手段)56、生成部(生成手段)58とを備えている。なお、情報管理装置50の各構成要素間の情報伝達は、統一した1つのプロトコルによって行われる。
【0016】
端末通信部52は、携帯電話機10との間でインターネット20を介して通信を行う部分であり、携帯電話機10からの各種指示を受け付けたり、携帯電話機10に対して情報を送信したりする。
【0017】
家電代理部54A〜54Cは、情報管理装置50に組み込まれたミドルウェアによって仮想的に生成された仮想ノードであって、それぞれ対応する情報家電40A〜40Cに有線又は無線で接続されている。家電代理部54A〜54Cと情報家電40A〜40Cとの接続は、通信可能な環境にあれば接続方式は特に限定されず、Ethernet(登録商標)であればハブを介した接続にしてもよいし、IEEE1394であればデイジーチェーン接続にしてもよい。
【0018】
各家電代理部54A〜54Cは、自己が接続されている情報家電40A〜40Cと通信可能なように、情報家電40A〜40Cが採用しているプロトコルと同じプロトコルによって情報家電40A〜40Cと通信を行う。また、上述したように、家電代理部54A〜54Cの間の通信は、統一された1つのプロトコルによって行われるため、家電代理部54A〜54Cは、情報家電40A〜40Cとの間の通信プロトコルと他の家電代理部54A〜54Cとの間の通信プロトコルとを随時変換する機能を備えている。なお、情報管理装置50の各構成要素間におけるプロトコルは、P2P技術を利用したものであり、各要素に固有のIDにより通信を行い、相手先のIPアドレスには依存しない。
【0019】
また、各家電代理部54A〜54Cは、自己が接続されている情報家電40A〜40Cの家電情報として、情報家電40A〜40Cのメタデータを格納し管理している。このメタデータには、情報家電40A〜40Cのデバイス情報(デバイス自体の情報、例えば、ユーザにとっての判別を容易にする“friendlyName”、製造元を示す“manufacture”、デバイスの製造番号を示す“serialNumber”など)やサービス情報(例えば、再生開始/停止、電源ON/OFFなど)、状態情報(例えば、情報家電がVTRである場合における「待機」、「再生」、「停止」、「録画」など)が含まれており、例えばXMLで記述されている。XMLでは、ユーザが比較的容易にタグを定義して利用することができる。家電代理部54A〜54Cは、情報家電40A〜40Cが有するメタデータとの同期を取るために、定期的若しくは所定のタイミングでメタデータ要求を送り、常にメタデータの更新を行っている。そして、各家電代理部54A〜54Cは、他の家電代理部54A〜54Cに格納されている家電情報(メタデータ)から必要な情報を検出することができるようになっている。
【0020】
接続検出部56は、新たな情報家電40A〜40Cが接続されたことを検出する部分であり、例えば情報管理装置50の外部接続ジャックに新たな情報家電のケーブルが接続されたことを検知して、情報家電の接続を検出する。
【0021】
生成部58は、新たな家電代理部54A〜54Cを生成する部分であり、上述した接続検出部が情報家電40A〜40Cの接続を検出した際に、接続された情報家電40A〜40Cに対応するプロトコルで通信を行う家電代理部54A〜54Cを生成する。
【0022】
なお、ネットワークシステム1において利用される携帯電話機10は、データ通信機能を有するものが適しており、操作性の点から、情報家電40A〜40Cを操作するための専用アプリケーションソフト(情報管理装置50のプロトコルに対応)を実行する態様とするのが好適である。
【0023】
上述したネットワークシステム1における情報管理装置50を用いて、情報管理を行う方法について以下で説明する。
【0024】
家電代理部54A〜54Cそれぞれは、接続されている情報家電40A〜40Cのメタデータを格納しており、且つ、家電代理部54A〜54Cは統一されたプロトコルで互いに接続されているため、家電代理部54A〜54Cが、他の家電代理部54A〜54Cに格納されているメタデータを検出する。すなわち、各家電代理部54A〜54Cは、必要に応じて、容易に他の情報家電40A〜40Cの状態等を検知することができ、その検知した情報に応じた情報家電40A〜40Cの制御を行うことができる。つまり、この情報管理装置50を用いることで、ホームネットワークシステムにおける情報管理を効率よく行うことができる。また、携帯電話機10が、情報家電40A〜40Cの状態を確認する場合、家電代理部54A〜54Cに格納されたメタデータを取得すればよく、わざわざ情報家電40A〜40Cにアクセスする必要がない。
【0025】
次に、情報管理装置50に新たな情報家電40A〜40Cが接続された際の流れについて、図2を参照しつつ説明する。
【0026】
まず、情報管理装置50に新たな情報家電40A〜40Cが接続されると、接続検出部56によって、新たな情報家電40A〜40Cが接続されたことが検出される(ステップ10)。すると、生成部58が、新たに接続された情報家電40A〜40Cに対して、当該情報家電40A〜40Cが採用しているプロトコルを問い合わせる(ステップ12)。情報家電40A〜40Cはその問い合わせを受け付けると(ステップ14)、情報管理装置50に対して、自己のプロトコルを示す情報を送信する(ステップ16)。
【0027】
情報管理装置50の生成部58は、情報家電40A〜40Cからプロトコルを示す情報を受信すると(ステップ18)、そのプロトコルによって通信することができる家電代理部を新たに生成し、その家電代理部と情報家電との間のコネクションを確立する(ステップ20)。
【0028】
このようにして、情報家電40A〜40Cが情報管理装置50に接続された際には、情報管理装置50が自動で新たな家電代理部40A〜40Cを生成する。そのため、情報管理装置50に新たな情報家電40A〜40Cを接続する作業を容易に行うことができる。
【0029】
上述したネットワークシステム1においては、例えば、以下のような2種類の形態を実現することができる。
(第1の形態)
【0030】
ネットワークシステム1においては、携帯電話機10の専用アプリケーションソフトを用いて、ホームネットワークシステム30内の情報家電40A〜40Cを直接操作することができる。このとき、携帯電話機10のアプリケーションソフトは、情報家電40A〜40Cに対する操作指示を、P2Pネットワークを介して(すなわち、その情報家電40A〜40Cに接続された家電代理部54A〜54CのIDを宛先指定して)情報管理装置50に送る。その操作指示を受け付けた家電代理部54A〜54Cは、携帯電話機10との間の統一プロトコルから、情報家電40A〜40Cとの間の個別プロトコルに変換して、携帯電話機10から受け付けた操作指示を情報家電40A〜40Cに対して送る。操作指示として、情報家電40A〜40Cが「状態情報送信指示」を携帯電話機10から受信した場合には、情報家電40A〜40Cはメタデータに格納している状態情報を、家電代理部54A〜54Cを介して携帯電話機10に返送する。
(第2の形態)
【0031】
ネットワークシステム1においては、情報家電40A〜40Cが同じホームネットワークシステム30内の他の情報家電40A〜40Cを操作することができる。このとき、情報家電40A〜40Cは、他の情報家電40A〜40Cに対する操作指示を、P2Pネットワークを介して(すなわち、その情報家電40A〜40Cに接続された家電代理部54A〜54CのIDを宛先指定して)情報管理装置50に送る。その操作指示を受け付けた家電代理部54A〜54Cは、情報管理装置50内の統一プロトコルから、情報家電40A〜40Cとの間の個別プロトコルに変換して、別の家電代理部54A〜54Cから受け付けた操作指示を情報家電40A〜40Cに対して送る。操作指示として、情報家電40A〜40Cが「状態情報送信指示」を別の情報家電40A〜40Cから受信した場合には、情報家電40A〜40Cはメタデータに格納している状態情報を、家電代理部54A〜54Cを介して操作指示を出した情報家電40A〜40C対してに返送する。
【0032】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、操作端末は、携帯電話機に限らず、データ通信機能を有するPHS、PDA、ノートパソコン等であってもよい。情報管理装置の家電代理部は、仮想ノードに限らず、実体を有するノードであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る情報管理装置を含むネットワークシステムを示した図である
【図2】情報管理装置に新たな情報家電が接続される際の流れについて示したフロー図である。
【符号の説明】
【0034】
1…ネットワークシステム、10…携帯電話機、30…ホームネットワークシステム、40A〜40C…情報家電、50…情報管理装置、54A〜54C…家電代理部、56…接続検出部、58…生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報家電に通信接続されており、前記情報家電を遠隔操作する操作端末と前記情報家電との間の通信を仲介する情報管理装置であって、
前記複数の情報家電の各々に対応するプロトコルで前記情報家電と通信を行うと共に、統一されたプロトコルで互いに接続されており、且つ、前記情報家電に関する家電情報を格納する複数の家電代理手段を備え、
前記家電代理手段が、他の前記家電代理手段に格納されている家電情報を検出する、情報管理装置。
【請求項2】
新たな前記情報家電が接続されたことを検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段によって前記情報家電の接続が検出された際に、接続された前記情報家電に対応するプロトコルで通信を行う前記家電代理手段を生成する生成手段とをさらに備える、請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
複数の情報家電に通信接続されており、前記情報家電を遠隔操作する操作端末と前記情報家電との間の通信を仲介する情報管理装置を用いた情報管理方法であって、
前記情報管理装置は、前記複数の情報家電の各々に対応するプロトコルで前記情報家電と通信を行うと共に、統一されたプロトコルで互いに接続されており、且つ、前記情報家電に関する家電情報を格納する複数の家電代理手段を備え、
前記家電代理手段が、他の前記家電代理手段に格納されている家電情報を検出する、情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−310763(P2008−310763A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160552(P2007−160552)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】