説明

情報自動通知システム

【課題】利用者が設定した時間が経過したときは、利用者が連絡を取れない状態に陥ったことを予め設定した通知者に通知して、安全の確保に迅速に移行できる情報自動通知システムを提供する。
【解決手段】予め設定した日時を経過したときに情報を通知する情報自動通知システム1であって、少なくとも、利用者が通知者に情報を通知する日時を設定する公開情報設定手段を有するWebサーバ20と、前記公開情報設定手段に設定した情報を保存するファイルサーバ30と、前記公開情報設定手段に設定した前記日時を計数に変換し、変換した前記計数と所定の値を比較する計時処理手段を有するタイムサーバ40と、前記情報を電子メールで通知者に通知するためのメールサーバ50と、電子メール以外で通知するための処理を行うアプリケーションサーバ60とを備えることを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
利用者が予め設定した通知日時を経過したときに、関係者に自動的に情報を通知する情報自動通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅行等で自分の身にトラブルが発生して連絡が取れない状態に陥った場合に、その状態を自分の関係者に通知するためには、予め関係者に行き先を連絡しておき、所定の時間が経過しても戻らないときに関係者が捜査手段に訴える等の行動に出る必要があった。そのため、行き先や帰宅時間を関係者に連絡しておく等の事前の準備に多大な労力と時間を必要とした。
【0003】
このため、企業では、社員にPCやPDA等の携帯端末を持たせ、ネットワーク上に管理サーバを設けて入力することにより管理する技術も開示されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、ネットワークにパソコン等の端末が接続され、勤務中の職員のほぼ全員が個々に端末を用いて業務を行っているような事務所において、従来のように特別な行先管理プログラムを持つサーバを設けることなく、事務所に所属する職員の在席状況や行先を電子的に管理・一覧表示する行先管理・表示システムを実現する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−43270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、職員が所定時間に事務所に戻らない場合において、職員の身の上に何らかのトラブル等が発生して連絡が取れない状況に陥っても、このような状況を他の職員が認識できる手段がないために捜索等の手段をとることが出来ず、その職員の安全の確保が遅れるという問題点があった。
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明は、利用者が設定した時間が経過したときは、利用者が連絡を取れない状態に陥ったことを予め設定した通知者に通知して、安全の確保に迅速に移行できる情報自動通知システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、予め設定した日時を経過したときに情報を通知する情報自動通知システムであって、少なくとも、利用者が通知者に情報を通知する日時を設定する公開情報設定手段を有するWebサーバと、前記公開情報設定手段に設定した情報を保存するファイルサーバと、前記公開情報設定手段に設定した前記日時を計数に変換し、変換した前記計数と所定の値とを比較して情報公開を指示する計時処理手段を有するタイムサーバと、前記情報を電子メールで通知者に通知するためのメールサーバと、電子メール以外で通知するための処理を行うアプリケーションサーバとを備えることを特徴とする情報自動通知システムである。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、前記公開情報設定手段には、前記情報を通知する日時を設定したことを前記日時の経過前に通知する事前通知が設定されることを特徴とする請求項1に記載の情報自動通知システムである。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、前記情報日時の経過前に情報の通知の設定が解除されたときは、情報を未公開にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報自動通知システムである。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、前記事前通知は、情報通知日時までの時間を入力して設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報自動通知システムである。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、事前に情報の通知を解除したときは、次に情報を通知する日時を設定するオフセット量を設定とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報自動通知システムである。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、前記通知者に対する情報の通知は、郵便及び電話による通知を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報自動通知システムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、利用者が設定した時間が経過したときは、利用者が連絡を取れない状態に陥った旨の情報等を予め設定した通知者に通知して、安全の確保に迅速に移行する情報自動通知システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明はこの発明の最良の形態の例であって、いわゆる当業者は特許請求の範囲内で、変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、以下の説明が特許請求の範囲を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明の情報自動通知システムの概略構成図である。
図1に示すように、本システムは、ホスト名をIPアドレスに変換するDNSサーバ10と、利用者が各種情報を入力する公開情報設定手段を有するWebサーバ20と、利用者情報や公開情報を保存するファイルサーバ30と、前記公開情報に基づいて時間の計時処理を行うタイムサーバ40と、公開情報を電子メールで通知者に通知するためのメールサーバ50と、電子メール以外で通知するための伝達手段を有するアプリケーションサーバ60とから構成され、さらに、ネットワーク70を介してインターネット等で本システムの利用者及び不在情報を利用者より受け取る通知者のパーソナルコンピュータ80(以下、「PC」という)、携帯電話90等の端末装置が接続されている。
【0017】
利用者は、まずインターネット等を介して、本発明の情報自動通知システム内のWebサーバ20にアクセスし、Webサーバ20内の公開情報設定手段から必要な情報を入力する。
【0018】
以下に、本システムを不在情報の通知に用いる例に基づいて説明する。
図2は、本発明の公開情報設定手段を示す図である。図2に示すように、ユーザIDとパスワードを入力して登録された利用者であることを確認し、公開情報設定手段の公開情報設定画面から設定項目に情報を入力する。この公開情報設定手段に利用者が入力する情報は、図2に示すように、情報公開日時、解除に関する情報、通知方法、通知先、公開情報、公開情報手段、情報公開先である。
【0019】
情報公開日時とは、設定日時が経過したときに公開情報を公開先である通知者に自動的に公開する年月日である。この年月日は、時・分・秒まで指定してもよい。公開情報を公開する必要がない場合は、利用者は予め設定した情報公開の設定日時を解除する必要がある。解除することは、例えば、旅行等で外出した利用者が設定の年月日までに目的を遂行して無事に帰宅することが出来たことを意味するため、利用者が登録した通知者に対しては通知する必要がない。従って、解除が行われない場合には、利用者に何らかの異常事態が発生したという状況であるため、予め設定した公開情報を、設定日時が経過したときに自動的に通知者に対して通知する。
【0020】
不在情報の通知は、利用者があくまでも「非常時の状態に陥ったとき」に限られるため、情報公開の設定をしたことを利用者が忘れないように事前に通知する必要がある。無事に帰宅したにもかかわらず設定したことを忘れていたときは、本システムにより自動的に、設定した通知者に対して不在情報が通知されることとなり、迷惑をかけることになる。本システムでは利用者は、これを事前通知として事前通知の日時等を設定する。
【0021】
事前通知は、図2に示す公開情報設定手段上で事前通知年月日、事前通知を行う回数、事前通知方法、事前通知先を選択・入力する。事前通知を行う回数は設定した情報公開日時までに事前に通知をする回数である。
【0022】
事前通知方法は、通知する手段が郵送、電話又は電子メール(e-mail)のいずれかから選択することが出来る。事前通知方法は、通知する手段に対応して、それぞれ郵送先住所、電話番号、電子メールアドレスを入力する。事前通知年月日の設定に際しては、事前通知日から情報公開日までの日数を入力することにより事前通知年月日を設定する。例えば、情報公開日が2006年12月01日の場合、事前通知項目に「00年01月00日」と入力すると、2006年11月01日に事前通知が利用者に対して行われ、情報公開日時を設定しているという注意を促す。事前通知は、事前通知を行う回数と共に次の事前通知までの時間を年・月・日で入力する。例えば、図2では回数が3回であり、次の事前通知までの時間は00年00月01日、即ち1日(24時間)である。図2に示すように、上記事前通知項目は日単位で任意に設定できる。さらに、時・分・秒で設定できるようにしてもよい。
【0023】
図3は、本発明のタイムサーバの主要部を示す図である。タイムサーバ40は公開情報設定手段上で設定された時刻から情報公開年月日又は事前通知年月日等に至るまでの計時処理を行う。例えば、情報公開日時を計時処理手段41に入力することで、現在の時刻から情報公開日までの計数Aに変換してカウンター42に入力し、カウンター42がこの計数Aに達したときに計時処理手段41に通知する。通知を受けた計時処理手段41は、公開情報設定手段上で設定された情報公開方法に基づいて、電子メール、電話、郵便毎に図示しない情報公開方法選択手段で選択し、メールサーバ50、アプリケーションサーバ60に情報公開開始を通知する。
【0024】
事前通知日時は、事前通知日から情報公開までの日数を計時処理手段41に入力し計数Bに変換した上で、上述の現在の時刻から情報公開日までの計数Aより減じた計数(A−B)をカウンター42に入力する。カウンターが計数のカウントを開始して、カウンターの出力値を計時処理手段41に通知する。計時処理手段41は、カウンターの出力値と前記計数(A−B)とを比較してカウンターの出力値が前記計数(A−B)に達すると、計時処理手段41は、図示しない情報公開方法選択手段で選択された前記通知方法に基づいて、メールサーバ、アプリケーションサーバに事前通知開始を通知する。
【0025】
また、事前通知回数は、設定した回数Nと次の事前通知までの例えば日数を計時処理手段41に入力し計数Dに変換した後、カウンターを起動する。1回目は、公開情報手段に設定した日であり、2回目の事前通知は、計数(A−B+D)に達した日である。同様に、3回目は、計数(A−B+D+D)に達した日であり、N回目の事前通知は、計数(A―B+(N−1)×D)に達した日である。
【0026】
情報公開日時が経過する前に利用者により当該設定が解除されたときは、同様に、設定されたオフセット量Eを計時処理手段41において計数に変換してカウンター42に入力し、カウンター42の出力を計時処理手段41に入力してカウンターの出力とオフセット量Eとを比較する。さらに、同様に、カウンターの出力がオフセット量Eに達した場合、計時処理手段41は、図示しない情報公開方法選択手段で選択された情報公開方法に基づいて、メールサーバ、アプリケーションサーバに情報公開の開始を通知する。
【0027】
本情報自動通知システムの各項目の設定が終了した後は、ホームページ上の起動スイッチを選択することで、上述のタイムサーバのタイマーとしての計時処理手段41とカウンターが稼働することになる。
【0028】
以上により、公開情報設定手段上の設定に基づき、上記タイムサーバ40で処理を行うことにより、情報公開日時、事前通知日時を的確にアプリケーションサーバ60、メールサーバ50に通知することが出来る。
【0029】
図4は、本発明にアプリケーションサーバの主要部を示す図である。
アプリケーションサーバ60はタイムサーバ40から情報公開、事前通知の開始通知を受け取る。情報公開の通知を受けた場合は、アプリケーションサーバ60内の公開情報処理手段がファイルサーバ50より情報公開の内容、電話、郵便又は電子メールによる情報公開方法の種類、前記種類に対応した電話番号、住所、メールアドレスをファイルサーバ30より読み込んで、各々対応する電話通知処理手段62、郵便通知処理手段63又はメールサーバ50に通知する情報を送る。
【0030】
電話通知処理手段62は受け取った情報を音声に変換し、通知者に電話による通知を行う。郵便通知処理手段63は、受け取った情報公開内容及び通知者の氏名、住所を手紙の形式に変換し、図示しない印刷装置に対して印刷命令を送信する。印刷装置が郵送先住所や公開情報の文書等を印刷した後、人手を介して郵送可能な状態にし、郵送する。電子メールの場合は、メールサーバ50により通知者のメールアドレスへ電子メールが送られる。
【0031】
ここで、公開情報は、利用者が通知者に対して通知する情報の内容をいい、利用者が作成したテキスト、イメージ、音声等からなる情報である。これらの情報は、ファイル形式で利用者のPC等から送信され、ファイルサーバに保存される。これらの公開情報を通知者に公開する場合は、情報公開する方法によりこれらのファイルの取り扱いが異なってくる。情報公開する方法が電子メール、郵便の場合は、例えば、拡張子が「xxx.txt」のテキストファイル等、拡張子が「xxx.jpg」のイメージファイル等が使用される。また、通知者は自ら用意しなくとも、本システムのファイルサーバ内に予め用意したテキスト、イメージにより作成された例文を選択して通知するようにしてもよい。
【0032】
さらに、電話による通知の場合には、通知者が準備した入力した、例えば、拡張子が「xxx.mp3」音声ファイルを上記電話通知処理手段で音声に変換して通知者に通知することができる。また、通知者は自ら用意しなくとも、本システムのファイルサーバ内に予め用意した音声による伝言メッセージを選択して通知するようにしてもよい。
【0033】
図5は、公開情報の設定から通知を通知者が受け取るための処理を示すフローチャートである。本処理は、利用者の立場から本システムに対して行う処理をフローチャートにしたものである。
【0034】
まず、利用者はWebサーバ内の本情報自動通知システムにアクセスして、ホームページよりユーザID、パスワードを入力する(ステップ501)。情報公開の内容、日時、方法、通知者等を設定する(ステップ502)。事前通知の日時、方法、通知者等を設定する(ステップ503)。情報自動通知システム1を起動させる(ステップ504)。事前通知を受け取る(ステップ505)。利用者が解除したかどうか判別する(ステップ506)。解除しない場合は、情報公開が通知者に対して行われる(ステップ507)。
【0035】
以上により、利用者は、ホームページから設定した項目により本発明の情報自動通知システム1を稼働させることにより、登録した通知者に対して、自分の身に障害が発生して帰宅できない旨を通知することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の情報自動通知システムの概略構成図である。
【図2】本発明の公開情報設定手段を示す図である。
【図3】本発明のタイムサーバの主要部を示す図である。
【図4】本発明にアプリケーションサーバの主要部を示す図である。
【図5】公開情報の設定から通知を通知者が受け取るための処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 情報自動通知システム
10 DNSサーバ
20 Webサーバ
30 ファイルサーバ
40 タイムサーバ
41 計時処理手段
42 カウンター
50 メールサーバ
60 アプリケーションサーバ
61 公開情報処理手段
62 電話通知処理手段
63 郵便通知処理手段
70 ネットワーク
80 パーソナルコンピュータ
90 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定した日時を経過したときに情報を通知する情報自動通知システムであって、
少なくとも、利用者が通知者に情報を通知する日時を設定する公開情報設定手段を有するWebサーバと、
前記公開情報設定手段に設定した情報を保存するファイルサーバと、
前記公開情報設定手段に設定した前記日時を計数に変換してカウンターを起動し、変換した前記計数と前記カウンターの出力値とを比較して情報公開を指示する計時処理手段を有するタイムサーバと、
前記情報を電子メールで通知者に通知するためのメールサーバと、
電子メール以外で通知するための処理を行うアプリケーションサーバとを備える
ことを特徴とする情報自動通知システム。
【請求項2】
前記公開情報設定手段には、前記情報を通知する日時を設定したことを前記日時の経過前に通知する事前通知が設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報自動通知システム。
【請求項3】
前記情報日時の経過前に情報の通知の設定が解除されたときは、情報を未公開にする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報自動通知システム。
【請求項4】
前記事前通知は、情報通知日時までの時間を入力して設定する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報自動通知システム。
【請求項5】
事前に情報の通知を解除したときは、次に情報を通知する日時を設定するオフセット量を設定する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報自動通知システム。
【請求項6】
前記通知者に対する情報の通知は、郵便及び電話による通知を含む
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報自動通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−102622(P2007−102622A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293647(P2005−293647)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(505376503)DTエンジニアリング株式会社 (8)