情報表示システム、情報表示装置及び電子棚札
【課題】顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献する。
【解決手段】電子棚札100−1〜100−Mのタッチパネルは、外部からの接触を検出し、接触点の座標を示す検出信号を出力する。管理サーバ装置500または電子棚札100−1〜100−Mは、電子棚札100−1〜100−Mのタッチパネルが出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する。
【解決手段】電子棚札100−1〜100−Mのタッチパネルは、外部からの接触を検出し、接触点の座標を示す検出信号を出力する。管理サーバ装置500または電子棚札100−1〜100−Mは、電子棚札100−1〜100−Mのタッチパネルが出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システム、情報表示装置及び電子棚札に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店では、陳列棚に設置し、商品名や売価などの商品情報を表示する電子棚札が実用化されている。
このような電子棚札に、商品情報以外に売り上げや在庫などの店員向けの商品情報を表示させることで、店舗業務の効率化に貢献することができる。しかし、このような情報が簡単に表示できてしまうと、店舗の機密が関係者以外に漏洩する可能性がある。
【0003】
このような問題を解決する方法として、電子棚札に表示切替ボタンを備え、当該ボタンが押下された場合に表示する情報を切り替える方法が考えられる。
また、このような問題を解決する方法として、店員が所持する可搬性の情報切替装置を用いて表示情報の切り替えを行う技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。これにより、店員による情報切替装置の操作があった場合に表示する情報を切り替えることができ、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0004】
また、特許文献3には、電子棚札にタッチパネルを用いて表示エリアの設定を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−209861号公報
【特許文献2】特開2009−026329号公報
【特許文献3】特開2008−023108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子棚札に表示切替ボタンを備える場合、顧客による不用意な操作により表示が切り替わってしまう可能性がある。また、不用意な操作を回避するために電子棚札の裏面に表示切替ボタンを配置することも考えられるが、この場合、店員は表示の切替の際に電子棚札を陳列棚から取り外して操作を行わなければならないため、作業効率が悪くなるという問題があった。
また、可搬性の情報切替装置による表示情報の切り替えを行う場合も、店員は情報切替装置を手に持ちながら操作を行う必要があり、作業効率が悪いという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献することができる情報表示システム、情報表示装置及び電子棚札を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、情報表示装置と管理サーバ装置とを備える情報表示システムであって、前記情報表示装置は、自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部を備え、前記情報表示装置または前記管理サーバ装置は、前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明における前記検出部は検出面を有し、当該検出面への接触を検出することにより検出信号を出力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記検出部の検出面を自装置の表示部の表面に設けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明における前記検出部は、前記検出面の複数の接触点を複数の接触点として検出し、当該複数の接触点のそれぞれの座標を示す検出信号を出力し、前記入力パターンは前記検出面上の座標領域の組み合わせを示し、前記処理実行部は、前記検出信号が示す複数の座標が、前記入力パターンが示す座標領域内のそれぞれに存在する場合に所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明における前記検出部は、前記検出面の接触点の座標を示す検出信号を出力し、前記入力パターンは、前記検出面上の複数の座標領域の順序を示し、前記処理実行部は、複数の検出信号が示す座標と検出順序が、前記入力パターンが示す座標領域内に存在し、かつ前記入力パターンが示す順序どおりに検出される場合に所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記検出信号を前記管理サーバ装置に出力する通信部を備え、前記管理サーバ装置は、前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、前記情報表示装置から前記検出信号を取得し、当該検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記タッチパネル上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得し、当該識別番号を前記管理サーバ装置に出力する座標領域特定部と、を備え、前記管理サーバ装置は、前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、前記情報表示装置から複数の座標領域の識別情報を取得し、当該識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、前記入力パターンは連続する2つの検出信号が出力された出力間隔の組み合わせを示し、前記処理実行部は、前記検出部による連続する2つの検出信号の出力間隔と前記入力パターンが示す出力間隔とを検出信号の出力順に比較し、当該出力間隔同士が全て合致する場合に所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、情報を表示する情報表示装置であって、自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部と、前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記情報表示装置を備えたことを特徴とする電子棚札である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の動作を行う。これにより、顧客の不用意な操作による誤動作が発生する確率は低くすることができる。また、入力手段を情報表示装置に備えることで、店員は可搬性の情報切替装置を用いずに操作を行うことができるため、作業の効率化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態による電子棚札システムの構成図である。
【図2】第1の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】座標領域テーブルが格納する情報の例を示す図である。
【図5】入力パターンテーブルが格納する情報の例を示す第1の図である。
【図6】テンプレートテーブルが格納する情報の例を示す図である。
【図7】商品情報テーブルが格納する情報の例を示す図である。
【図8】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第1のフローチャートである。
【図9】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第1のフローチャートである。
【図10】商品名・価格表示画面の画面例を示す図である。
【図11】電子棚札が表示切替命令を受信した際の動作を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】第2の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図14】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第2のフローチャートである。
【図15】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第2のフローチャートである。
【図16】第3の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図17】第3の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図18】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第3のフローチャートである。
【図19】第4の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図20】第4の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図21】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第4のフローチャートである。
【図22】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第3のフローチャートである。
【図23】第5の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図24】第5の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図25】入力パターンテーブルが格納する情報の例を示す第2の図である。
【図26】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第5のフローチャートである。
【図27】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第4のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態による電子棚札システムの構成図である。
電子棚札システムは、電子棚札100−1〜100−M(以下、電子棚札100−1〜100−Mを総称する場合は電子棚札100と表記する)、大型電子棚札200、中継器300−1〜300−N(以下、中継器300−1〜300−Nを総称する場合は中継器300と表記する)、基地局装置400、管理サーバ装置500、ストアサーバ装置600を備える。
電子棚札100は、商品の陳列棚に配置され、商品の情報を表示する装置である。
大型電子棚札200は、商品の陳列棚に配置され、複数の商品の情報や、商品の詳細な情報を表示する装置である。
中継器300及び基地局装置400は、管理サーバ装置500と電子棚札100及び大型電子棚札200との通信を中継する装置である。
管理サーバ装置500は、電子棚札100及び大型電子棚札200の表示の制御を行う装置である。
ストアサーバ装置600は、商品のマスタ情報、売り上げ情報、在庫情報など、商品の情報を管理する装置である。
【0021】
図2は、第1の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
電子棚札100は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)表示部110、メモリ120、タッチパネル130、無線通信部140、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)150を備える。
LCD表示部110は、例えば商品名、値段、在庫等の商品の情報を示す表示情報を表示する。
メモリ120は、LCD表示部110に表示させる表示情報を記憶する。
タッチパネル130は、LCD表示部110の表面に配置され、外部からの接触を検出し、接触点の座標を示す検出信号を出力する。ここで、タッチパネル130は、複数の接触点を同時に複数個所検出した場合、当該複数個所の座標を示す検出信号を出力する。タッチパネル130は、例えば静電容量センサを用いることで実現できる。
無線通信部140は、無線信号を出力し、中継器300及び基地局装置400を介して管理サーバ装置500との通信を行う。
CPU150は、プログラムを実行することにより出力信号制御部151、入力タイマ部152、表示切替部153、表示タイマ部154を構成する。
出力信号制御部111は、タッチパネル130が検出した検出信号に基づいて管理サーバ400に出力する入力パターンデータを生成する。
入力タイマ152は、タッチパネル130が接触を検出した時刻からの経過時間を計時する。
表示切替部153は、LCD表示部110に表示させる表示情報を切り替える。
表示タイマ部154は、表示切替部153がLCD表示部110の表示情報を切り替えた時刻からの経過時間を計時する。
【0022】
図3は、第1の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
管理サーバ装置500は、通信部510、記憶部520、CPU530を備える。
通信部510は、基地局装置400及び中継器300を介して電子棚札100との通信を行う。
記憶部520は、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル522、テンプレートテーブル523、商品情報テーブル524を記憶する。
【0023】
座標領域テーブル521は、電子棚札100が備えるタッチパネル130の座標領域に対応付けて当該座標領域の領域名を記憶する。
入力パターンテーブル522は、電子棚札100のそれぞれに対応付けて、当該電子棚札100が出力する検出信号のパターンを示す複数の領域名の組み合わせと、当該組み合わせに対応する処理内容とを記憶する。
テンプレートテーブル523は、電子棚札100に表示させる表示情報のテンプレートを記憶する。
商品情報テーブル524は、商品コードに対応付けて、当該商品コードが示す商品の情報と、当該商品の情報を表示する電子棚札100の情報とを記憶する。
【0024】
CPU530は、プログラムを実行することにより、座標領域特定部531、処理決定部532、処理実行部533を構成する。
座標領域特定部531は、電子棚札100が出力する入力パターンデータが示すタッチパネル130上の接触点の座標に基づいて、座標領域テーブルから当該座標が存在する座標領域の領域名を読み出す。
処理決定部532は、座標領域特定部531が読み出した複数の領域名と入力パターンテーブル522が記憶する領域名の組み合わせとを比較し、処理内容を決定する。
処理実行部533は、処理決定部532が決定した処理内容に従った処理を実行する。
【0025】
図4は、座標領域テーブル521が格納する情報の例を示す図である。
座標領域テーブル521は、図4(A)に示すように、座標領域の型の識別情報である分割タイプに対応付けて、領域数と領域名とX座標の座標領域の範囲とY座標の座標領域の範囲とを格納する。なお、座標領域のX座標は電子棚札100のタッチパネル130の長手方向の座標を示し、座標領域のY座標は電子棚札100のタッチパネル130の短手方向の座標を示すものとする。
図4(A)を参照すると、分割タイプが「0」のとき、領域数は領域Aの1つである。領域Aは、X座標が0〜100の範囲、Y座標が0〜30の範囲を示す矩形領域である。
また、分割タイプが「1」のとき、領域数は領域A、領域Bの2つである。領域Aは、X座標が0〜50の範囲、Y座標が0〜30の範囲を示す矩形領域である。領域Bは、X座標が50〜100の範囲、Y座標が0〜30の範囲を示す矩形領域である。
また、分割タイプが「2」のとき、領域数は領域A〜領域Fの6つである。各座標領域は、図4(B)に示すように分割される。
但し、タッチパネル130のX軸方向の長さは100、Y軸方向の長さは30であるものとする。
【0026】
図5は、入力パターンテーブル522が格納する情報の例を示す第1の図である。
入力パターンテーブル522は、図5に示すように、電子棚札100の識別番号である棚札コードに対応付けて、適用する分割タイプ、処理の識別番号である処理モード、複数の検出領域の領域名、処理内容、一時表示フラグ、標準モードフラグを格納する。なお、一時表示フラグとは、処理内容が表示の切り替えを示す場合において、一時表示フラグが「1」であるとき、電子棚札100がLCD表示部110の表示を切り替えてから一定時間経過後に標準モードの表示に切り替えることを示すフラグである。また、標準モードフラグは、処理内容が表示の切り替えを示す場合において、標準モードが「1」であるとき、当該処理が標準モードの表示であることを示すフラグである。
【0027】
図6は、テンプレートテーブル523が格納する情報の例を示す図である。
テンプレートテーブル523は、図6(A)に示すように、処理の識別番号である処理モードに対応付けて、背景画像、表示情報、表示領域を格納する。これらの情報は、電子棚札100のLCD表示部110に表示させる表示情報のテンプレートとして用いられる。例えば、処理モード1が示す商品名・価格表示画面のテンプレートは、図6(B)に示すように、商品名表示位置、価格表示位置、バーコード表示位置を有する。このテンプレートに定義された位置のそれぞれに商品の情報を配置することで、表示画面を生成する。
【0028】
図7は、商品情報テーブル524が格納する情報の例を示す図である。
商品情報テーブル524は、商品コードに対応付けて、当該商品コードが示す商品の商品名及び価格、当該商品の情報を表示させる電子棚札100の棚札コード、当該商品の情報を表示させる大型電子棚札200の棚札コード、大型電子棚札200に情報を表示させるか否かを示す大型表示フラグを格納する。
【0029】
このような構成を備えることで、電子棚札100のタッチパネル130は、自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する。そして、管理サーバ装置500の処理実行部533または電子棚札100の表示切替部153は、電子棚札100のタッチパネル130が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する。
ここで所定の入力パターンとは、管理サーバ装置500の入力パターンテーブル522が記憶する複数の検出領域を示し、所定の処理とは、入力パターンテーブル522が記憶する処理内容を示す。つまり、管理サーバ装置500の処理実行部533または電子棚札100の表示切替部153は、電子棚札100のタッチパネル130の検出領域と入力パターンテーブル522の検出領域とが合致した場合に、入力パターンテーブル522が当該検出領域に対応付けて記憶する処理内容を実行する。
これにより、顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献することができる。
【0030】
次に、第1の実施形態による電子棚札システムの動作を説明する。
まず、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図8は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第1のフローチャートである。
電子棚札100の出力信号制御部151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS1)。ここで、検出信号は、タッチパネル130が接触を検出した際に出力される。次に、出力信号制御部151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS2)。出力信号制御部151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS2:NO)、ステップS1に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS2:YES)、入力タイマ部152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS3)。なお、入力タイマ部152は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
【0031】
次に、出力信号制御部151は、メモリ120から入力タイマ部152が計時する時間を読み出す(ステップS4)。次に、出力信号制御部151は、入力タイマ部152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS5)。ここで、所定の時間とは、例えば1秒程度の時間である。出力信号制御部151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS5:NO)、ステップS4に戻り、時間の経過の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS5:YES)、タッチパネル130が出力する検出信号から接触点の座標情報を読み出す(ステップS6)。このとき、タッチパネル130は、複数の点の接触を検出した場合、当該複数の点のそれぞれの座標を示す検出信号を出力する。
【0032】
出力信号制御部151は、検出信号から座標情報を読み出すと、読み出した座標情報を示す入力パターンデータを生成する(ステップS7)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS8)。
これにより、タッチパネルが接触を検出した複数の点の座標、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0033】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図9は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第1のフローチャートである。
上述したステップS8により、電子棚札100が入力パターンデータを送信すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS11)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、座標領域特定部531は、入力パターンテーブル522から、入力パターンデータの送信元の電子棚札100の棚札コードに対応付けられた分割タイプを読み出す(ステップS12)。具体的には、通信部510が棚札コード1001の電子棚札100から入力パターンデータを受信した場合、図5に示す入力パターンテーブル522から棚札コード1001に対応する分割タイプ2を読み出す。
【0034】
ステップS12で分割タイプを読み出すと、座標領域特定部531は、座標領域テーブル521を参照し、入力パターンデータが示す点の座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS13)。具体的には、入力パターンデータが、座標(15,20)、(80,20)の2点を示す場合において、上述した動作により分割タイプとして2を読み出したとき、座標領域特定部531は、まず、図4に示す座標領域テーブル521の分割タイプ2が示す座標領域の中から、座標(15,20)を含む座標領域の領域名を読み出す。なお、座標(15,20)は、X座標が15、Y座標が20を示す座標のことである。したがって、ここでは、座標(15,20)に対応する座標領域の領域名Aを読み出す。同様に、座標領域特定部531は、座標(80,20)に対応する座標領域の領域名Cを読み出す。
【0035】
ステップS13で座標領域特定部531が座標領域の領域名を特定すると、処理決定部532は、特定した座標領域と入力パターンテーブル522が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、上述した処理により、電子棚札100の棚札IDが1001、入力パターンデータが示す領域名がA及びCの場合、処理決定部532は、図5に示す入力パターンテーブル522の棚札コード1001に対応する処理モード1〜6の検出領域の何れかがA及びCに合致するか否かを判定する。ここでは、処理モード1の検出領域がA及びCを示すため、処理決定部532は、処理モード1の検出領域と特定した検出領域とが合致すると判定する。
【0036】
ステップS14で、処理決定部532が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS14:YES)、入力パターンテーブル522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS15)。具体的には、上述した処理により、処理決定部532が合致する処理モードが処理モード1であると判定した場合、処理決定部532は、処理モード1に対応付けられた処理内容「商品名・価格表示」を読み出す。
【0037】
ステップS15で処理決定部532が処理内容を読み出すと、処理実行部533は、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS16)。具体的には、上述した処理により処理決定部532が処理内容「商品名・価格表示」を読み出した場合、まず処理実行部533は、テンプレートテーブル523から図6に示す商品名・価格表示画面のテンプレートを読み出す。次に、処理実行部533は、商品情報テーブル524から棚札コード1001に対応付けられた商品コード、商品名、価格を読み出す。次に、処理実行部533は、読み出した商品名・価格表示画面のテンプレートの商品名表示位置に、読み出した商品名を配置し、価格表示位置に、読み出した価格を配置し、バーコード表示位置に、読み出した商品コードから生成したバーコードを配置する。次に、処理実行部533は、図5に示す入力パターンテーブル522から、処理モード1に対応する一時表示フラグを読み出す。そして、処理実行部533は、商品名・価格表示画面の表示情報と、一時表示フラグとを含む表示切替命令(処理命令)を生成する。
【0038】
図10は、商品名・価格表示画面の画面例を示す図である。
商品名・価格表示画面は、図6に示す商品名・価格表示画面のテンプレートに、商品名、価格及びバーコードを配置した画面である。
【0039】
なお、例えば、処理内容が、図5に示す入力パターンテーブル522の処理モード3の「売り上げ表示」や処理モード4の「在庫表示」等、ストアサーバ装置600に格納される情報を参照する処理であった場合、処理実行部533は、通信部510を介してストアサーバ装置600から該当する情報を読み出す。
また、処理内容は、電子棚札100に表示させる情報を切り替える処理以外の処理であっても良く、例えば、図5に示す処理モード6の「大型電子棚札に表示」等、入力パターンデータを送信した電子棚札100以外の装置への処理であっても良い。
【0040】
ステップS16で処理実行部533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS17)。具体的には、処理実行部533が上述した処理により表示切替命令を生成した場合、入力パターンデータの送信元の電子棚札100に当該表示切替命令を送信する。
なお、処理の実行が管理サーバ装置500で完結する場合は、ステップS17による送信処理を行わなくても良い。例えば、処理内容が「大型電子棚札に表示」であった場合、処理実行部533が、図7に示す商品情報テーブル524の大型表示フラグを「1」に切り替えることで、大型電子棚札200の表示を切り替えることができるため、この場合はステップS17による送信処理を行わなくても良い。
【0041】
他方、ステップS14で、処理決定部532が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS14:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
【0042】
次に、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作を説明する。
図11は、電子棚札が表示切替命令を受信した際の動作を示すフローチャートである。
上述したステップS17で、管理サーバ装置500が処理命令として電子棚札100に表示切替命令を出力すると、電子棚札100の無線通信部140は、基地局300及び中継器300を介して表示切替命令を受信する(ステップS21)。
【0043】
無線通信部140が表示切替命令を受信すると、表示切替部153は、LCD表示部110が表示する表示情報を、受信した表示切替命令に含まれる表示情報に切り替える(ステップS22)。次に、表示切替部153は、受信した表示切替命令に含まれる一時表示フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS23)。表示切替部153が、一時表示フラグが「0」であると判定した場合(ステップS23:NO)、電子棚札100は、処理を終了する。
【0044】
他方、表示切替部153が、一時表示フラグが「1」であると判定した場合(ステップS23:YES)、表示タイマ部154は、表示切替部153が表示情報を切り替えた時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS24)。なお、表示タイマ部154は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
次に、表示切替部153は、メモリ120から表示タイマ部154が計時する時間を読み出す(ステップS25)。次に、表示切替部153は、表示タイマ部154が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS26)。ここで、所定の時間とは、例えば1分程度の時間である。表示切替部153は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS25に戻り、時間の経過の判定を繰り返す。
【0045】
他方、表示切替部153は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS26:YES)、LCD表示部110が表示する表示情報を標準モードの表示情報に切り替える(ステップS27)。ここで、表示切替部153による標準モードの表示モードへの切替処理は、以下の方法で実現することができる。
例えば、予めメモリ120に標準モードの表示情報を格納しておき、標準モードへの表示切替時に、表示切替部153がメモリ120から表示情報を読み出して表示情報の切替を行うことで、標準モードへの表示情報の切り替えを実現することができる。
また、例えば、標準モードへの表示切替時に、無線通信部140が管理サーバ装置500から標準モードフラグが「1」を示す表示情報を受信し、表示切替部153が受信した表示情報への切り替えを行うことでも、標準モードへの表示情報の切り替えを実現することができる。
【0046】
これにより、店員などが店舗作業のために電子棚札100の表示情報を売り上げ情報や在庫情報等の店舗の機密に関わる表示情報への切り替えた後、標準モード等の顧客向けの表示情報への表示の切り替えを忘れた場合にも、所定の時刻の経過により、顧客向けの表示情報を示す標準モードへ表示が切り替わるため、店舗の機密が関係者以外に漏洩する可能性を低減することができる。
【0047】
このように、本実施形態によれば、電子棚札100のタッチパネル130が接触を検出した点が、管理サーバ装置500の入力パターンテーブル522で定義された処理モードの座標領域内に存在する場合に、管理サーバ装置500は、当該処理モードに対応付けられた処理内容の処理を実行する。例えば、上述した例では、タッチパネル130が領域A及びCへの接触を検出した場合に、表示切替部153が、商品名・価格表示画面への表示切替処理を実行する。
これにより、顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態で管理サーバ装置500が備えていた座標領域テーブル521と座標領域特定部531とを電子棚札100に備える構成としたものである。
【0049】
図12は、第2の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による電子棚札100は、第1の実施形態による電子棚札100のメモリ120が座標領域テーブル121をさらに記憶し、CPU150がプログラムを実行することで、第1の実施形態の構成に加えてさらに座標領域特定部155を構成する。ここで、座標領域テーブル121は、第1の実施形態の座標領域テーブル521に相当し、座標領域特定部155は、第1の実施形態の座標領域特定部531に相当する。
また、座標領域テーブル121は、複数の分割タイプを格納せず、自装置が適用する分割タイプのみを格納しても良い。
【0050】
図13は、第2の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による管理サーバ装置500は、第1の実施形態による管理サーバ装置500から座標領域テーブル521と座標領域特定部531とを除外した構成である。
【0051】
次に、第2の実施形態による電子棚札システムの動作を説明する。
まず、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図14は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第2のフローチャートである。なお、第1の実施形態と同じ処理は、第1の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
電子棚札100の出力信号制御部151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS1)。次に、出力信号制御部151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS2)。出力信号制御部151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS2:NO)、ステップS1に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS2:YES)、入力タイマ部152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS3)。
【0052】
次に、出力信号制御部151は、メモリ120から入力タイマ部152が計時する時間を読み出す(ステップS4)。次に、出力信号制御部151は、入力タイマ部152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS5)。出力信号制御部151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS5:NO)、時間の経過の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS5:YES)、タッチパネル130が出力する検出信号が示す接触点の座標情報を読み出す(ステップS6)。
【0053】
出力信号制御部151が座標情報を読み出すと、座標領域特定部155は、座標領域テーブル121を参照し、座標情報が示す座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS31)。なお、この処理は、第1の実施形態のステップS13に相当する。
座標領域特定部155が座標領域の領域名を特定すると、出力信号制御部151は、特定した領域名を示す入力パターンデータを生成する(ステップS32)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS8)。
これにより、タッチパネルが接触を検出した複数の点の座標が属する座標領域、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0054】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図15は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第2のフローチャートである。なお、第1の実施形態と同じ処理は、第1の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
上述したステップS8により、電子棚札100が入力パターンデータを出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS11)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、処理決定部532は、受信した入力パターンデータが示す座標領域と入力パターンテーブル522が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0055】
ステップS14で、処理決定部532が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS14:YES)、処理実行部533は、入力パターンテーブル522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS15)。
処理実行部533は、処理内容を読み出すと、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS16)。
【0056】
処理実行部533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS17)。
他方、ステップS14で、処理決定部532が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS14:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態で管理サーバ装置500が備えていた入力パターンテーブル522と処理決定部532とを電子棚札100に備える構成としたものである。
【0058】
図16は、第3の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による電子棚札100は、第2の実施形態による電子棚札100のメモリ120が入力パターンテーブル122をさらに記憶し、CPU150がプログラムを実行することで、第2の実施形態の構成に加えてさらに処理決定部156を構成する。ここで、入力パターンテーブル122は、第2の実施形態の入力パターンテーブル522に相当し、処理決定部156は、第2の実施形態の処理決定部532に相当する。
また、入力パターンテーブル122は、自装置以外の棚札コードに対応付けられた処理モードの情報を格納せず、自装置が適用する処理モードの情報のみを格納しても良い。
【0059】
図17は、第3の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による管理サーバ装置500は、第2の実施形態による管理サーバ装置500から入力パターンテーブル522と処理決定部532とを除外した構成である。
【0060】
次に、第3の実施形態による電子棚札システムの動作を説明する。
まず、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図18は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第3のフローチャートである。なお、第2の実施形態と同じ処理は、第2の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
電子棚札100の出力信号制御部151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS1)。次に、出力信号制御部151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS2)。出力信号制御部151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS2:NO)、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS2:YES)、入力タイマ部152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS3)。
【0061】
次に、出力信号制御部151は、メモリ120から入力タイマ部152が計時する時間を読み出す(ステップS4)。次に、出力信号制御部151は、入力タイマ部152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS5)。出力信号制御部151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS5:NO)、時間の経過の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS5:YES)、タッチパネル130が出力する検出信号が示す接触点の座標情報を読み出す(ステップS6)。
【0062】
出力信号制御部151が座標情報を読み出すと、座標領域特定部155は、座標領域テーブル121を参照し、座標情報が示す座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS31)。なお、この処理は、第1の実施形態のステップS13に相当する。
座標領域特定部155が座標領域の領域名を特定すると、処理決定部156は、当該特定した座標領域と入力パターンテーブル122が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS41)。
【0063】
ステップS41で、処理決定部156が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS41:YES)、入力パターンテーブル122から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS42)。
処理決定部156は処理内容を読み出すと、読み出した処理内容を実行するための処理情報信号を生成する(ステップS43)。例えば、処理決定部156が読み出した処理内容が表示切替処理であった場合、処理決定部156は、管理サーバ装置500に表示情報の送信を要求する処理情報信号を生成する。また、例えば、処理決定部156が読み出した処理内容が管理サーバ装置500で実行する処理であった場合、処理決定部156は、管理サーバ装置500に当該処理の実行を要求する処理情報信号を生成する。
【0064】
処理決定部156が処理実行信号を生成すると、無線通信部140は、生成した処理実行信号を管理サーバ装置500へ送信する(ステップS44)。
他方、ステップS41で、処理決定部156が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS41:NO)、処理決定部156は処理情報信号の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
【0065】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
上述したステップS44により、電子棚札100が処理情報信号を出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して処理情報信号を受信する。通信部510が処理情報信号を受信すると、処理実行部533は、受信した処理情報信号が示す処理内容に従って処理命令を生成する。処理実行部533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0066】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
図19は、第4の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による電子棚札100は、第1の実施形態と電子棚札100の出力信号制御部1151、入力タイマ部1152の動作が異なるものである。
なお、第4の実施形態は、第1の実施形態と異なり、電子棚札100のタッチパネル130は、複数の接触点を同時に複数個所検出した場合に、当該複数個所の座標を示す検出信号を出力せず、当該複数個所の中間点の座標を示す検出信号を出力するようなタッチパネルを用いても良い。
【0067】
図20は、第4の実施形態による管理サーバ装置500の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による管理サーバ装置500は、第1の実施形態と処理決定部1532の動作が異なるものである。
【0068】
次に、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図21は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第4のフローチャートである。
電子棚札100の出力信号制御部1151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS51)。次に、出力信号制御部1151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS52)。出力信号制御部1151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS52:NO)、ステップS51に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部1151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS52:YES)、出力信号制御部1151は、検出信号が示す接触点の座標情報を読み出し、メモリ120に書き込む(ステップS53)。
【0069】
出力信号制御部1151が座標情報をメモリ120に書き込むと、入力タイマ部1152は、ステップS51で検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS54)。なお、入力タイマ部1152は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
入力タイマ部1152が計時を開始すると、出力信号制御部1151は、再度タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS55)。次に、出力信号制御部1151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS56)。出力信号制御部1151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS56:YES)、出力信号制御部1151は、検出信号が示す接触点の座標情報を読み出し、メモリ120に書き込む(ステップS57)。このとき、出力信号制御部1151は、座標情報を検出信号の出力順に順序付けられたリストとしてメモリ120に書き込む。次に、入力タイマ部1152は、メモリ120に書き込んだ時間をリセットし、ステップS54で検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS58)。
【0070】
ステップS56で出力信号制御部1151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS56:NO)、またはステップS58で入力タイマ部1152が経過時間をリセットした場合、出力信号制御部1151は、入力タイマ部1152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS59)。ここで、所定の時間とは、例えば1秒程度の時間である。出力信号制御部1151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS59:NO)、ステップS55に戻り、検出信号の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部1151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS59:YES)、メモリ120が記憶する座標情報のリストを読み出す(ステップS60)。
【0071】
出力信号制御部1151は、座標情報のリストを読み出すと、読み出した座標情報のリストを示す入力パターンデータを生成する(ステップS61)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS62)。
これにより、タッチパネルが複数の接触を検出した点の座標及び検出順序、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0072】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図22は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第3のフローチャートである。
上述したステップS62により、電子棚札100が入力パターンデータを出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS71)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、座標領域特定部531は、入力パターンテーブル522から、入力パターンデータの送信元の電子棚札100の棚札コードに対応付けられた分割タイプを読み出す(ステップS72)。具体的には、通信部510が棚札コード1001の電子棚札から入力パターンデータを受信した場合、図5に示す入力パターンテーブル522から棚札コード1001に対応する分割タイプ2を読み出す。
【0073】
ステップS72で分割タイプを読み出すと、座標領域特定部531は、座標領域テーブル521を参照し、入力パターンデータが示す点の座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS73)。具体的には、入力パターンデータが、座標(15,20)→(80,20)の順番を示す場合において、上述した動作により分割タイプとして2を読み出したとき、座標領域特定部531は、まず、図4に示す座標領域テーブル521の分割タイプ2が示す座標領域の中から、座標(15,20)を含む座標領域の領域名を読み出す。なお、座標(15,20)は、X座標が15、Y座標が20を示す座標のことである。したがって、ここでは、座標(15,20)に対応する座標領域の領域名Aを読み出す。同様に、座標領域特定部531は、座標(80,20)に対応する座標領域の領域名Cを読み出す。
【0074】
ステップS73で座標領域特定部531が座標領域の領域名を特定すると、処理決定部1532は、特定した座標領域と入力パターンテーブル522が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS74)。具体的には、上述した処理により、電子棚札100の棚札IDが1001、入力パターンデータが示す領域名がA→Cの場合、まず、処理決定部1532は、図5に示す入力パターンテーブル522の棚札コード1001に対応する処理モード1〜6の何れかの検出領域1がAに合致するか否かを判定する。ここでは、検出領域1がAである処理モード1、2、5が合致すると判定される。次に、処理モード1、2、5の何れかの検出領域2がCに合致するか否かを判定する。ここでは、検出領域2がCである処理モード1が合致すると判定される。次に、処理モード1の検出領域3がNULLであるか否かを判定する。このとき、処理モード1の検出領域3はNULLであるため、処理決定部1532は、処理モード1の検出領域と特定した検出領域とが合致すると判定する。
【0075】
ステップS74で、処理決定部1532が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS74:YES)、入力パターンテーブル522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS75)。処理決定部1532が処理内容を読み出すと、処理実行部1533は、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS76)。
【0076】
処理実行部1533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS77)。
他方、ステップS74で、処理決定部1532が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS74:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0077】
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル522、座標領域特定部531、処理決定部1532を管理サーバ装置500に備える場合を説明したが、これに限られず、例えば、第2の実施形態のように、座標領域テーブル及び座標領域特定部を電子棚札100に備える構成としても良い。または、第3の実施形態のように、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル522、座標領域特定部531、処理決定部1532を電子棚札100に備える構成としても良い。
【0078】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について詳しく説明する。
図23は、第5の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による電子棚札100は、第1の実施形態と出力信号制御部2151、入力タイマ部2152の動作が異なるものである。なお、第5の実施形態は、第4の実施形態と同様に、電子棚札100のタッチパネル130は、複数の接触点を同時に複数個所検出した場合に、当該複数個所の座標を示す検出信号を出力せず、当該複数個所の中間点の座標を示す検出信号を出力するようなタッチパネルを用いても良い。
【0079】
図24は、第5の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による管理サーバ装置500は、第1の実施形態による管理サーバ装置500から座標領域テーブル521、座標領域特定部531を除去した構成であり、入力パターンテーブル2522の内容及び処理決定部2532の動作が異なるものである。
【0080】
図25は、入力パターンテーブルが格納する情報の例を示す第2の図である。
第5の実施形態による入力パターンテーブル2522は、図25に示すように、電子棚札100の識別番号である棚札コードに対応付けて、処理の識別番号である処理モード、複数の検出信号の検出間隔、処理内容、一時表示フラグ、標準モードフラグを格納する。
つまり、第5の実施形態による入力パターンテーブル2522は、分割タイプの情報を格納せず、検出領域の代わりに検出間隔を格納する。
【0081】
次に、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を説明する。
図26は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第5のフローチャートである。
電子棚札100の出力信号制御部2151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS81)。次に、出力信号制御部2151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS82)。出力信号制御部2151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS82:NO)、ステップS81に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部2151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS82:YES)、入力タイマ部2152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS83)。なお、入力タイマ部2152は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
【0082】
入力タイマ部2152が計時を開始すると、出力信号制御部2151は、再度タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS84)。次に、出力信号制御部2151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS85)。出力信号制御部2151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS85:YES)、出力信号制御部2151は、入力タイマ部2152が計時する時間を読み出し、当該時間、すなわち前回出力した検出信号と今回出力した検出信号との検出間隔をメモリ120に書き込む。(ステップS86)。このとき、出力信号制御部2151は、検出間隔を検出信号の出力順に順序付けられたリストとしてメモリ120に書き込む。次に、入力タイマ部2152は、メモリ120に書き込んだ時間をリセットし、ステップS85で検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS87)。
【0083】
ステップS85で出力信号制御部2151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS85:NO)、またはステップS87で入力タイマ部2152が経過時間をリセットした場合、出力信号制御部2151は、入力タイマ部2152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS88)。ここで、所定の時間とは、例えば3秒程度の時間である。出力信号制御部2151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS88:NO)、ステップS84に戻り、検出信号の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部2151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS88:YES)、メモリ120が記憶する検出間隔のリストを読み出す(ステップS89)。
【0084】
出力信号制御部2151は、検出間隔のリストを読み出すと、読み出した検出間隔のリストを示す入力パターンデータを生成する(ステップS90)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS91)。
これにより、連続する2つの検出信号が出力された出力間隔の組み合わせ、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0085】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図27は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第4のフローチャートである。
上述したステップS91により、電子棚札100が入力パターンデータを出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS101)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、処理決定部2532は、入力パターンデータが示す検出信号の検出間隔と入力パターンテーブル2522が示す各処理モードの検出間隔とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出間隔が所定の誤差範囲内で合致するか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、上述した処理により、電子棚札100の棚札IDが1001、入力パターンデータが示す検出間隔が0.45秒→0.53秒の場合、まず、処理決定部2532は、図25に示す入力パターンテーブル2522の棚札コード1001に対応する処理モード1〜6の何れかの検出間隔1が0.45秒と誤差0.1秒以内で合致するか否かを判定する。ここでは、0.5秒を示す処理モード1、2、3、6が誤差範囲内で合致すると判定される。次に、処理モード1、2、3、6の何れかの検出間隔2が0.53秒と誤差0.1秒以内で合致するか否かを判定する。ここでは、検出間隔2が0.5秒である処理モード2、6が合致すると判定される。次に、処理モード2、6の何れかの検出間隔3がNULLであるか否かを判定する。このとき、処理モード2の検出間隔3がNULLであるため、処理決定部2532は、処理モード2の検出間隔と入力パターンデータが示す検出間隔とが誤差範囲内で合致すると判定する。
【0086】
ステップS102で、処理決定部2532が何れかの処理モードの検出間隔と入力パターンデータが示す検出間隔とが合致したと判定した場合(ステップS102:YES)、入力パターンテーブル2522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS103)。処理決定部2532が処理内容を読み出すと、処理実行部2533は、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS104)。
【0087】
処理実行部2533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS105)。
他方、ステップS102で、処理決定部2532が、入力パターンデータが示す検出間隔が何れか処理モードの検出間隔とも合致しないと判定した場合(ステップS102:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0088】
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル2522、座標領域特定部531、処理決定部2532を管理サーバ装置500に備える場合を説明したが、これに限られず、例えば、第2の実施形態のように、座標領域テーブル及び座標領域特定部を電子棚札100に備える構成としても良い。または、第3の実施形態のように、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル2522、座標領域特定部531、処理決定部2532を電子棚札100に備える構成としても良い。
【0089】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、電子棚札100のタッチパネル130が検出した検出信号のパターンが入力パターンと合致しない場合に処理を行わない例を説明したが、これに限られず、例えば、店員を呼び出す処理を実行する等、顧客向けの処理を行うようにしても良い。
【0090】
なお、上記の実施形態では、タッチパネル130による接触の有無によって入力パターンを構成する例を示したが、これに限られず、例えばストローク操作の検出によって入力パターンを構成してもよい。例えば、入力パターンテーブル522の検出領域として、バーコード表示部に二重取り消し線を引くジェスチャを格納し、処理内容として「商品コード取消表示」を対応付けるようにしても良い。
【0091】
なお、実施形態1、4、5では、管理サーバ装置500の記憶部520が各テーブルを記憶し、管理サーバ装置500のCPU530がプログラムを実行することで各処理部を構成する場合を説明したが、これに限られず、例えば、各テーブル及び各処理部を他の装置に設けるようにしても良い。
【0092】
なお、上記の実施形態では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店の棚に付ける電子棚札100として説明したが、本発明は、電子棚札に限られるものではなく、小売店で販売される商品等の情報以外の情報を表示する情報表示装置として用いてもよい。
例えば、倉庫等において、保管物を保管しておく棚や、保管物を収めた箱や、保管物自体に付けて、その保管物の内容を示す情報を電子的に表示するラベルや札として用いてもよい。
また、銀行等の書類を扱う業務において、用紙置き場に配置し、用紙の説明や残り枚数を表示する表示装置として用いてもよい。また、さらに、工場等において、作業員への作業指示を表示するパネルや部品を置く棚に付けて、部品の分類等の情報を電子的に表示するラベルや札として用いてもよい。
【0093】
上述の電子棚札100及び管理サーバ装置500は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0094】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0095】
100、100−1〜100−M…電子棚札 110…LCD表示部 120…メモリ 130…タッチパネル 140…無線通信部 150…CPU 151…出力信号制御部 152…入力タイマ部 153…表示切替部 154…表示タイマ部 200…大型電子棚札 300、300−1〜300−N…中継器 400…基地局装置 500…管理サーバ装置 510…通信部 520…記憶部 521…座標領域テーブル 522…入力パターンテーブル 523…テンプレートテーブル 524…商品情報テーブル 530…CPU 531…座標領域特定部 532…処理決定部 533…処理実行部 600…ストアサーバ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システム、情報表示装置及び電子棚札に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店では、陳列棚に設置し、商品名や売価などの商品情報を表示する電子棚札が実用化されている。
このような電子棚札に、商品情報以外に売り上げや在庫などの店員向けの商品情報を表示させることで、店舗業務の効率化に貢献することができる。しかし、このような情報が簡単に表示できてしまうと、店舗の機密が関係者以外に漏洩する可能性がある。
【0003】
このような問題を解決する方法として、電子棚札に表示切替ボタンを備え、当該ボタンが押下された場合に表示する情報を切り替える方法が考えられる。
また、このような問題を解決する方法として、店員が所持する可搬性の情報切替装置を用いて表示情報の切り替えを行う技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。これにより、店員による情報切替装置の操作があった場合に表示する情報を切り替えることができ、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0004】
また、特許文献3には、電子棚札にタッチパネルを用いて表示エリアの設定を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−209861号公報
【特許文献2】特開2009−026329号公報
【特許文献3】特開2008−023108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子棚札に表示切替ボタンを備える場合、顧客による不用意な操作により表示が切り替わってしまう可能性がある。また、不用意な操作を回避するために電子棚札の裏面に表示切替ボタンを配置することも考えられるが、この場合、店員は表示の切替の際に電子棚札を陳列棚から取り外して操作を行わなければならないため、作業効率が悪くなるという問題があった。
また、可搬性の情報切替装置による表示情報の切り替えを行う場合も、店員は情報切替装置を手に持ちながら操作を行う必要があり、作業効率が悪いという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献することができる情報表示システム、情報表示装置及び電子棚札を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、情報表示装置と管理サーバ装置とを備える情報表示システムであって、前記情報表示装置は、自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部を備え、前記情報表示装置または前記管理サーバ装置は、前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明における前記検出部は検出面を有し、当該検出面への接触を検出することにより検出信号を出力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記検出部の検出面を自装置の表示部の表面に設けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明における前記検出部は、前記検出面の複数の接触点を複数の接触点として検出し、当該複数の接触点のそれぞれの座標を示す検出信号を出力し、前記入力パターンは前記検出面上の座標領域の組み合わせを示し、前記処理実行部は、前記検出信号が示す複数の座標が、前記入力パターンが示す座標領域内のそれぞれに存在する場合に所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明における前記検出部は、前記検出面の接触点の座標を示す検出信号を出力し、前記入力パターンは、前記検出面上の複数の座標領域の順序を示し、前記処理実行部は、複数の検出信号が示す座標と検出順序が、前記入力パターンが示す座標領域内に存在し、かつ前記入力パターンが示す順序どおりに検出される場合に所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記検出信号を前記管理サーバ装置に出力する通信部を備え、前記管理サーバ装置は、前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、前記情報表示装置から前記検出信号を取得し、当該検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明における前記情報表示装置は、前記タッチパネル上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得し、当該識別番号を前記管理サーバ装置に出力する座標領域特定部と、を備え、前記管理サーバ装置は、前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、前記情報表示装置から複数の座標領域の識別情報を取得し、当該識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、前記入力パターンは連続する2つの検出信号が出力された出力間隔の組み合わせを示し、前記処理実行部は、前記検出部による連続する2つの検出信号の出力間隔と前記入力パターンが示す出力間隔とを検出信号の出力順に比較し、当該出力間隔同士が全て合致する場合に所定の処理を実行する、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、情報を表示する情報表示装置であって、自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部と、前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記情報表示装置を備えたことを特徴とする電子棚札である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の動作を行う。これにより、顧客の不用意な操作による誤動作が発生する確率は低くすることができる。また、入力手段を情報表示装置に備えることで、店員は可搬性の情報切替装置を用いずに操作を行うことができるため、作業の効率化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態による電子棚札システムの構成図である。
【図2】第1の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】座標領域テーブルが格納する情報の例を示す図である。
【図5】入力パターンテーブルが格納する情報の例を示す第1の図である。
【図6】テンプレートテーブルが格納する情報の例を示す図である。
【図7】商品情報テーブルが格納する情報の例を示す図である。
【図8】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第1のフローチャートである。
【図9】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第1のフローチャートである。
【図10】商品名・価格表示画面の画面例を示す図である。
【図11】電子棚札が表示切替命令を受信した際の動作を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】第2の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図14】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第2のフローチャートである。
【図15】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第2のフローチャートである。
【図16】第3の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図17】第3の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図18】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第3のフローチャートである。
【図19】第4の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図20】第4の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図21】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第4のフローチャートである。
【図22】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第3のフローチャートである。
【図23】第5の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
【図24】第5の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図25】入力パターンテーブルが格納する情報の例を示す第2の図である。
【図26】ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第5のフローチャートである。
【図27】管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第4のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態による電子棚札システムの構成図である。
電子棚札システムは、電子棚札100−1〜100−M(以下、電子棚札100−1〜100−Mを総称する場合は電子棚札100と表記する)、大型電子棚札200、中継器300−1〜300−N(以下、中継器300−1〜300−Nを総称する場合は中継器300と表記する)、基地局装置400、管理サーバ装置500、ストアサーバ装置600を備える。
電子棚札100は、商品の陳列棚に配置され、商品の情報を表示する装置である。
大型電子棚札200は、商品の陳列棚に配置され、複数の商品の情報や、商品の詳細な情報を表示する装置である。
中継器300及び基地局装置400は、管理サーバ装置500と電子棚札100及び大型電子棚札200との通信を中継する装置である。
管理サーバ装置500は、電子棚札100及び大型電子棚札200の表示の制御を行う装置である。
ストアサーバ装置600は、商品のマスタ情報、売り上げ情報、在庫情報など、商品の情報を管理する装置である。
【0021】
図2は、第1の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
電子棚札100は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)表示部110、メモリ120、タッチパネル130、無線通信部140、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)150を備える。
LCD表示部110は、例えば商品名、値段、在庫等の商品の情報を示す表示情報を表示する。
メモリ120は、LCD表示部110に表示させる表示情報を記憶する。
タッチパネル130は、LCD表示部110の表面に配置され、外部からの接触を検出し、接触点の座標を示す検出信号を出力する。ここで、タッチパネル130は、複数の接触点を同時に複数個所検出した場合、当該複数個所の座標を示す検出信号を出力する。タッチパネル130は、例えば静電容量センサを用いることで実現できる。
無線通信部140は、無線信号を出力し、中継器300及び基地局装置400を介して管理サーバ装置500との通信を行う。
CPU150は、プログラムを実行することにより出力信号制御部151、入力タイマ部152、表示切替部153、表示タイマ部154を構成する。
出力信号制御部111は、タッチパネル130が検出した検出信号に基づいて管理サーバ400に出力する入力パターンデータを生成する。
入力タイマ152は、タッチパネル130が接触を検出した時刻からの経過時間を計時する。
表示切替部153は、LCD表示部110に表示させる表示情報を切り替える。
表示タイマ部154は、表示切替部153がLCD表示部110の表示情報を切り替えた時刻からの経過時間を計時する。
【0022】
図3は、第1の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
管理サーバ装置500は、通信部510、記憶部520、CPU530を備える。
通信部510は、基地局装置400及び中継器300を介して電子棚札100との通信を行う。
記憶部520は、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル522、テンプレートテーブル523、商品情報テーブル524を記憶する。
【0023】
座標領域テーブル521は、電子棚札100が備えるタッチパネル130の座標領域に対応付けて当該座標領域の領域名を記憶する。
入力パターンテーブル522は、電子棚札100のそれぞれに対応付けて、当該電子棚札100が出力する検出信号のパターンを示す複数の領域名の組み合わせと、当該組み合わせに対応する処理内容とを記憶する。
テンプレートテーブル523は、電子棚札100に表示させる表示情報のテンプレートを記憶する。
商品情報テーブル524は、商品コードに対応付けて、当該商品コードが示す商品の情報と、当該商品の情報を表示する電子棚札100の情報とを記憶する。
【0024】
CPU530は、プログラムを実行することにより、座標領域特定部531、処理決定部532、処理実行部533を構成する。
座標領域特定部531は、電子棚札100が出力する入力パターンデータが示すタッチパネル130上の接触点の座標に基づいて、座標領域テーブルから当該座標が存在する座標領域の領域名を読み出す。
処理決定部532は、座標領域特定部531が読み出した複数の領域名と入力パターンテーブル522が記憶する領域名の組み合わせとを比較し、処理内容を決定する。
処理実行部533は、処理決定部532が決定した処理内容に従った処理を実行する。
【0025】
図4は、座標領域テーブル521が格納する情報の例を示す図である。
座標領域テーブル521は、図4(A)に示すように、座標領域の型の識別情報である分割タイプに対応付けて、領域数と領域名とX座標の座標領域の範囲とY座標の座標領域の範囲とを格納する。なお、座標領域のX座標は電子棚札100のタッチパネル130の長手方向の座標を示し、座標領域のY座標は電子棚札100のタッチパネル130の短手方向の座標を示すものとする。
図4(A)を参照すると、分割タイプが「0」のとき、領域数は領域Aの1つである。領域Aは、X座標が0〜100の範囲、Y座標が0〜30の範囲を示す矩形領域である。
また、分割タイプが「1」のとき、領域数は領域A、領域Bの2つである。領域Aは、X座標が0〜50の範囲、Y座標が0〜30の範囲を示す矩形領域である。領域Bは、X座標が50〜100の範囲、Y座標が0〜30の範囲を示す矩形領域である。
また、分割タイプが「2」のとき、領域数は領域A〜領域Fの6つである。各座標領域は、図4(B)に示すように分割される。
但し、タッチパネル130のX軸方向の長さは100、Y軸方向の長さは30であるものとする。
【0026】
図5は、入力パターンテーブル522が格納する情報の例を示す第1の図である。
入力パターンテーブル522は、図5に示すように、電子棚札100の識別番号である棚札コードに対応付けて、適用する分割タイプ、処理の識別番号である処理モード、複数の検出領域の領域名、処理内容、一時表示フラグ、標準モードフラグを格納する。なお、一時表示フラグとは、処理内容が表示の切り替えを示す場合において、一時表示フラグが「1」であるとき、電子棚札100がLCD表示部110の表示を切り替えてから一定時間経過後に標準モードの表示に切り替えることを示すフラグである。また、標準モードフラグは、処理内容が表示の切り替えを示す場合において、標準モードが「1」であるとき、当該処理が標準モードの表示であることを示すフラグである。
【0027】
図6は、テンプレートテーブル523が格納する情報の例を示す図である。
テンプレートテーブル523は、図6(A)に示すように、処理の識別番号である処理モードに対応付けて、背景画像、表示情報、表示領域を格納する。これらの情報は、電子棚札100のLCD表示部110に表示させる表示情報のテンプレートとして用いられる。例えば、処理モード1が示す商品名・価格表示画面のテンプレートは、図6(B)に示すように、商品名表示位置、価格表示位置、バーコード表示位置を有する。このテンプレートに定義された位置のそれぞれに商品の情報を配置することで、表示画面を生成する。
【0028】
図7は、商品情報テーブル524が格納する情報の例を示す図である。
商品情報テーブル524は、商品コードに対応付けて、当該商品コードが示す商品の商品名及び価格、当該商品の情報を表示させる電子棚札100の棚札コード、当該商品の情報を表示させる大型電子棚札200の棚札コード、大型電子棚札200に情報を表示させるか否かを示す大型表示フラグを格納する。
【0029】
このような構成を備えることで、電子棚札100のタッチパネル130は、自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する。そして、管理サーバ装置500の処理実行部533または電子棚札100の表示切替部153は、電子棚札100のタッチパネル130が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する。
ここで所定の入力パターンとは、管理サーバ装置500の入力パターンテーブル522が記憶する複数の検出領域を示し、所定の処理とは、入力パターンテーブル522が記憶する処理内容を示す。つまり、管理サーバ装置500の処理実行部533または電子棚札100の表示切替部153は、電子棚札100のタッチパネル130の検出領域と入力パターンテーブル522の検出領域とが合致した場合に、入力パターンテーブル522が当該検出領域に対応付けて記憶する処理内容を実行する。
これにより、顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献することができる。
【0030】
次に、第1の実施形態による電子棚札システムの動作を説明する。
まず、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図8は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第1のフローチャートである。
電子棚札100の出力信号制御部151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS1)。ここで、検出信号は、タッチパネル130が接触を検出した際に出力される。次に、出力信号制御部151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS2)。出力信号制御部151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS2:NO)、ステップS1に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS2:YES)、入力タイマ部152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS3)。なお、入力タイマ部152は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
【0031】
次に、出力信号制御部151は、メモリ120から入力タイマ部152が計時する時間を読み出す(ステップS4)。次に、出力信号制御部151は、入力タイマ部152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS5)。ここで、所定の時間とは、例えば1秒程度の時間である。出力信号制御部151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS5:NO)、ステップS4に戻り、時間の経過の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS5:YES)、タッチパネル130が出力する検出信号から接触点の座標情報を読み出す(ステップS6)。このとき、タッチパネル130は、複数の点の接触を検出した場合、当該複数の点のそれぞれの座標を示す検出信号を出力する。
【0032】
出力信号制御部151は、検出信号から座標情報を読み出すと、読み出した座標情報を示す入力パターンデータを生成する(ステップS7)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS8)。
これにより、タッチパネルが接触を検出した複数の点の座標、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0033】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図9は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第1のフローチャートである。
上述したステップS8により、電子棚札100が入力パターンデータを送信すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS11)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、座標領域特定部531は、入力パターンテーブル522から、入力パターンデータの送信元の電子棚札100の棚札コードに対応付けられた分割タイプを読み出す(ステップS12)。具体的には、通信部510が棚札コード1001の電子棚札100から入力パターンデータを受信した場合、図5に示す入力パターンテーブル522から棚札コード1001に対応する分割タイプ2を読み出す。
【0034】
ステップS12で分割タイプを読み出すと、座標領域特定部531は、座標領域テーブル521を参照し、入力パターンデータが示す点の座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS13)。具体的には、入力パターンデータが、座標(15,20)、(80,20)の2点を示す場合において、上述した動作により分割タイプとして2を読み出したとき、座標領域特定部531は、まず、図4に示す座標領域テーブル521の分割タイプ2が示す座標領域の中から、座標(15,20)を含む座標領域の領域名を読み出す。なお、座標(15,20)は、X座標が15、Y座標が20を示す座標のことである。したがって、ここでは、座標(15,20)に対応する座標領域の領域名Aを読み出す。同様に、座標領域特定部531は、座標(80,20)に対応する座標領域の領域名Cを読み出す。
【0035】
ステップS13で座標領域特定部531が座標領域の領域名を特定すると、処理決定部532は、特定した座標領域と入力パターンテーブル522が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、上述した処理により、電子棚札100の棚札IDが1001、入力パターンデータが示す領域名がA及びCの場合、処理決定部532は、図5に示す入力パターンテーブル522の棚札コード1001に対応する処理モード1〜6の検出領域の何れかがA及びCに合致するか否かを判定する。ここでは、処理モード1の検出領域がA及びCを示すため、処理決定部532は、処理モード1の検出領域と特定した検出領域とが合致すると判定する。
【0036】
ステップS14で、処理決定部532が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS14:YES)、入力パターンテーブル522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS15)。具体的には、上述した処理により、処理決定部532が合致する処理モードが処理モード1であると判定した場合、処理決定部532は、処理モード1に対応付けられた処理内容「商品名・価格表示」を読み出す。
【0037】
ステップS15で処理決定部532が処理内容を読み出すと、処理実行部533は、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS16)。具体的には、上述した処理により処理決定部532が処理内容「商品名・価格表示」を読み出した場合、まず処理実行部533は、テンプレートテーブル523から図6に示す商品名・価格表示画面のテンプレートを読み出す。次に、処理実行部533は、商品情報テーブル524から棚札コード1001に対応付けられた商品コード、商品名、価格を読み出す。次に、処理実行部533は、読み出した商品名・価格表示画面のテンプレートの商品名表示位置に、読み出した商品名を配置し、価格表示位置に、読み出した価格を配置し、バーコード表示位置に、読み出した商品コードから生成したバーコードを配置する。次に、処理実行部533は、図5に示す入力パターンテーブル522から、処理モード1に対応する一時表示フラグを読み出す。そして、処理実行部533は、商品名・価格表示画面の表示情報と、一時表示フラグとを含む表示切替命令(処理命令)を生成する。
【0038】
図10は、商品名・価格表示画面の画面例を示す図である。
商品名・価格表示画面は、図6に示す商品名・価格表示画面のテンプレートに、商品名、価格及びバーコードを配置した画面である。
【0039】
なお、例えば、処理内容が、図5に示す入力パターンテーブル522の処理モード3の「売り上げ表示」や処理モード4の「在庫表示」等、ストアサーバ装置600に格納される情報を参照する処理であった場合、処理実行部533は、通信部510を介してストアサーバ装置600から該当する情報を読み出す。
また、処理内容は、電子棚札100に表示させる情報を切り替える処理以外の処理であっても良く、例えば、図5に示す処理モード6の「大型電子棚札に表示」等、入力パターンデータを送信した電子棚札100以外の装置への処理であっても良い。
【0040】
ステップS16で処理実行部533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS17)。具体的には、処理実行部533が上述した処理により表示切替命令を生成した場合、入力パターンデータの送信元の電子棚札100に当該表示切替命令を送信する。
なお、処理の実行が管理サーバ装置500で完結する場合は、ステップS17による送信処理を行わなくても良い。例えば、処理内容が「大型電子棚札に表示」であった場合、処理実行部533が、図7に示す商品情報テーブル524の大型表示フラグを「1」に切り替えることで、大型電子棚札200の表示を切り替えることができるため、この場合はステップS17による送信処理を行わなくても良い。
【0041】
他方、ステップS14で、処理決定部532が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS14:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
【0042】
次に、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作を説明する。
図11は、電子棚札が表示切替命令を受信した際の動作を示すフローチャートである。
上述したステップS17で、管理サーバ装置500が処理命令として電子棚札100に表示切替命令を出力すると、電子棚札100の無線通信部140は、基地局300及び中継器300を介して表示切替命令を受信する(ステップS21)。
【0043】
無線通信部140が表示切替命令を受信すると、表示切替部153は、LCD表示部110が表示する表示情報を、受信した表示切替命令に含まれる表示情報に切り替える(ステップS22)。次に、表示切替部153は、受信した表示切替命令に含まれる一時表示フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS23)。表示切替部153が、一時表示フラグが「0」であると判定した場合(ステップS23:NO)、電子棚札100は、処理を終了する。
【0044】
他方、表示切替部153が、一時表示フラグが「1」であると判定した場合(ステップS23:YES)、表示タイマ部154は、表示切替部153が表示情報を切り替えた時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS24)。なお、表示タイマ部154は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
次に、表示切替部153は、メモリ120から表示タイマ部154が計時する時間を読み出す(ステップS25)。次に、表示切替部153は、表示タイマ部154が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS26)。ここで、所定の時間とは、例えば1分程度の時間である。表示切替部153は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS25に戻り、時間の経過の判定を繰り返す。
【0045】
他方、表示切替部153は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS26:YES)、LCD表示部110が表示する表示情報を標準モードの表示情報に切り替える(ステップS27)。ここで、表示切替部153による標準モードの表示モードへの切替処理は、以下の方法で実現することができる。
例えば、予めメモリ120に標準モードの表示情報を格納しておき、標準モードへの表示切替時に、表示切替部153がメモリ120から表示情報を読み出して表示情報の切替を行うことで、標準モードへの表示情報の切り替えを実現することができる。
また、例えば、標準モードへの表示切替時に、無線通信部140が管理サーバ装置500から標準モードフラグが「1」を示す表示情報を受信し、表示切替部153が受信した表示情報への切り替えを行うことでも、標準モードへの表示情報の切り替えを実現することができる。
【0046】
これにより、店員などが店舗作業のために電子棚札100の表示情報を売り上げ情報や在庫情報等の店舗の機密に関わる表示情報への切り替えた後、標準モード等の顧客向けの表示情報への表示の切り替えを忘れた場合にも、所定の時刻の経過により、顧客向けの表示情報を示す標準モードへ表示が切り替わるため、店舗の機密が関係者以外に漏洩する可能性を低減することができる。
【0047】
このように、本実施形態によれば、電子棚札100のタッチパネル130が接触を検出した点が、管理サーバ装置500の入力パターンテーブル522で定義された処理モードの座標領域内に存在する場合に、管理サーバ装置500は、当該処理モードに対応付けられた処理内容の処理を実行する。例えば、上述した例では、タッチパネル130が領域A及びCへの接触を検出した場合に、表示切替部153が、商品名・価格表示画面への表示切替処理を実行する。
これにより、顧客による不用意な操作による誤動作を防止し、かつ店員による作業を効率化に貢献することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態で管理サーバ装置500が備えていた座標領域テーブル521と座標領域特定部531とを電子棚札100に備える構成としたものである。
【0049】
図12は、第2の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による電子棚札100は、第1の実施形態による電子棚札100のメモリ120が座標領域テーブル121をさらに記憶し、CPU150がプログラムを実行することで、第1の実施形態の構成に加えてさらに座標領域特定部155を構成する。ここで、座標領域テーブル121は、第1の実施形態の座標領域テーブル521に相当し、座標領域特定部155は、第1の実施形態の座標領域特定部531に相当する。
また、座標領域テーブル121は、複数の分割タイプを格納せず、自装置が適用する分割タイプのみを格納しても良い。
【0050】
図13は、第2の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による管理サーバ装置500は、第1の実施形態による管理サーバ装置500から座標領域テーブル521と座標領域特定部531とを除外した構成である。
【0051】
次に、第2の実施形態による電子棚札システムの動作を説明する。
まず、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図14は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第2のフローチャートである。なお、第1の実施形態と同じ処理は、第1の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
電子棚札100の出力信号制御部151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS1)。次に、出力信号制御部151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS2)。出力信号制御部151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS2:NO)、ステップS1に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS2:YES)、入力タイマ部152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS3)。
【0052】
次に、出力信号制御部151は、メモリ120から入力タイマ部152が計時する時間を読み出す(ステップS4)。次に、出力信号制御部151は、入力タイマ部152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS5)。出力信号制御部151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS5:NO)、時間の経過の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS5:YES)、タッチパネル130が出力する検出信号が示す接触点の座標情報を読み出す(ステップS6)。
【0053】
出力信号制御部151が座標情報を読み出すと、座標領域特定部155は、座標領域テーブル121を参照し、座標情報が示す座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS31)。なお、この処理は、第1の実施形態のステップS13に相当する。
座標領域特定部155が座標領域の領域名を特定すると、出力信号制御部151は、特定した領域名を示す入力パターンデータを生成する(ステップS32)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS8)。
これにより、タッチパネルが接触を検出した複数の点の座標が属する座標領域、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0054】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図15は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第2のフローチャートである。なお、第1の実施形態と同じ処理は、第1の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
上述したステップS8により、電子棚札100が入力パターンデータを出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS11)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、処理決定部532は、受信した入力パターンデータが示す座標領域と入力パターンテーブル522が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0055】
ステップS14で、処理決定部532が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS14:YES)、処理実行部533は、入力パターンテーブル522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS15)。
処理実行部533は、処理内容を読み出すと、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS16)。
【0056】
処理実行部533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS17)。
他方、ステップS14で、処理決定部532が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS14:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態で管理サーバ装置500が備えていた入力パターンテーブル522と処理決定部532とを電子棚札100に備える構成としたものである。
【0058】
図16は、第3の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による電子棚札100は、第2の実施形態による電子棚札100のメモリ120が入力パターンテーブル122をさらに記憶し、CPU150がプログラムを実行することで、第2の実施形態の構成に加えてさらに処理決定部156を構成する。ここで、入力パターンテーブル122は、第2の実施形態の入力パターンテーブル522に相当し、処理決定部156は、第2の実施形態の処理決定部532に相当する。
また、入力パターンテーブル122は、自装置以外の棚札コードに対応付けられた処理モードの情報を格納せず、自装置が適用する処理モードの情報のみを格納しても良い。
【0059】
図17は、第3の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による管理サーバ装置500は、第2の実施形態による管理サーバ装置500から入力パターンテーブル522と処理決定部532とを除外した構成である。
【0060】
次に、第3の実施形態による電子棚札システムの動作を説明する。
まず、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図18は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第3のフローチャートである。なお、第2の実施形態と同じ処理は、第2の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
電子棚札100の出力信号制御部151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS1)。次に、出力信号制御部151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS2)。出力信号制御部151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS2:NO)、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS2:YES)、入力タイマ部152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS3)。
【0061】
次に、出力信号制御部151は、メモリ120から入力タイマ部152が計時する時間を読み出す(ステップS4)。次に、出力信号制御部151は、入力タイマ部152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS5)。出力信号制御部151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS5:NO)、時間の経過の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS5:YES)、タッチパネル130が出力する検出信号が示す接触点の座標情報を読み出す(ステップS6)。
【0062】
出力信号制御部151が座標情報を読み出すと、座標領域特定部155は、座標領域テーブル121を参照し、座標情報が示す座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS31)。なお、この処理は、第1の実施形態のステップS13に相当する。
座標領域特定部155が座標領域の領域名を特定すると、処理決定部156は、当該特定した座標領域と入力パターンテーブル122が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS41)。
【0063】
ステップS41で、処理決定部156が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS41:YES)、入力パターンテーブル122から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS42)。
処理決定部156は処理内容を読み出すと、読み出した処理内容を実行するための処理情報信号を生成する(ステップS43)。例えば、処理決定部156が読み出した処理内容が表示切替処理であった場合、処理決定部156は、管理サーバ装置500に表示情報の送信を要求する処理情報信号を生成する。また、例えば、処理決定部156が読み出した処理内容が管理サーバ装置500で実行する処理であった場合、処理決定部156は、管理サーバ装置500に当該処理の実行を要求する処理情報信号を生成する。
【0064】
処理決定部156が処理実行信号を生成すると、無線通信部140は、生成した処理実行信号を管理サーバ装置500へ送信する(ステップS44)。
他方、ステップS41で、処理決定部156が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS41:NO)、処理決定部156は処理情報信号の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
【0065】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
上述したステップS44により、電子棚札100が処理情報信号を出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して処理情報信号を受信する。通信部510が処理情報信号を受信すると、処理実行部533は、受信した処理情報信号が示す処理内容に従って処理命令を生成する。処理実行部533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0066】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
図19は、第4の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による電子棚札100は、第1の実施形態と電子棚札100の出力信号制御部1151、入力タイマ部1152の動作が異なるものである。
なお、第4の実施形態は、第1の実施形態と異なり、電子棚札100のタッチパネル130は、複数の接触点を同時に複数個所検出した場合に、当該複数個所の座標を示す検出信号を出力せず、当該複数個所の中間点の座標を示す検出信号を出力するようなタッチパネルを用いても良い。
【0067】
図20は、第4の実施形態による管理サーバ装置500の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による管理サーバ装置500は、第1の実施形態と処理決定部1532の動作が異なるものである。
【0068】
次に、ユーザが電子棚札100へコマンドを入力する際の電子棚札100の動作を説明する。
図21は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第4のフローチャートである。
電子棚札100の出力信号制御部1151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS51)。次に、出力信号制御部1151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS52)。出力信号制御部1151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS52:NO)、ステップS51に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部1151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS52:YES)、出力信号制御部1151は、検出信号が示す接触点の座標情報を読み出し、メモリ120に書き込む(ステップS53)。
【0069】
出力信号制御部1151が座標情報をメモリ120に書き込むと、入力タイマ部1152は、ステップS51で検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS54)。なお、入力タイマ部1152は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
入力タイマ部1152が計時を開始すると、出力信号制御部1151は、再度タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS55)。次に、出力信号制御部1151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS56)。出力信号制御部1151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS56:YES)、出力信号制御部1151は、検出信号が示す接触点の座標情報を読み出し、メモリ120に書き込む(ステップS57)。このとき、出力信号制御部1151は、座標情報を検出信号の出力順に順序付けられたリストとしてメモリ120に書き込む。次に、入力タイマ部1152は、メモリ120に書き込んだ時間をリセットし、ステップS54で検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS58)。
【0070】
ステップS56で出力信号制御部1151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS56:NO)、またはステップS58で入力タイマ部1152が経過時間をリセットした場合、出力信号制御部1151は、入力タイマ部1152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS59)。ここで、所定の時間とは、例えば1秒程度の時間である。出力信号制御部1151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS59:NO)、ステップS55に戻り、検出信号の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部1151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS59:YES)、メモリ120が記憶する座標情報のリストを読み出す(ステップS60)。
【0071】
出力信号制御部1151は、座標情報のリストを読み出すと、読み出した座標情報のリストを示す入力パターンデータを生成する(ステップS61)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS62)。
これにより、タッチパネルが複数の接触を検出した点の座標及び検出順序、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0072】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図22は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第3のフローチャートである。
上述したステップS62により、電子棚札100が入力パターンデータを出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS71)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、座標領域特定部531は、入力パターンテーブル522から、入力パターンデータの送信元の電子棚札100の棚札コードに対応付けられた分割タイプを読み出す(ステップS72)。具体的には、通信部510が棚札コード1001の電子棚札から入力パターンデータを受信した場合、図5に示す入力パターンテーブル522から棚札コード1001に対応する分割タイプ2を読み出す。
【0073】
ステップS72で分割タイプを読み出すと、座標領域特定部531は、座標領域テーブル521を参照し、入力パターンデータが示す点の座標が属する座標領域の領域名を特定する(ステップS73)。具体的には、入力パターンデータが、座標(15,20)→(80,20)の順番を示す場合において、上述した動作により分割タイプとして2を読み出したとき、座標領域特定部531は、まず、図4に示す座標領域テーブル521の分割タイプ2が示す座標領域の中から、座標(15,20)を含む座標領域の領域名を読み出す。なお、座標(15,20)は、X座標が15、Y座標が20を示す座標のことである。したがって、ここでは、座標(15,20)に対応する座標領域の領域名Aを読み出す。同様に、座標領域特定部531は、座標(80,20)に対応する座標領域の領域名Cを読み出す。
【0074】
ステップS73で座標領域特定部531が座標領域の領域名を特定すると、処理決定部1532は、特定した座標領域と入力パターンテーブル522が示す各処理モードの検出領域とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出領域と合致するか否かを判定する(ステップS74)。具体的には、上述した処理により、電子棚札100の棚札IDが1001、入力パターンデータが示す領域名がA→Cの場合、まず、処理決定部1532は、図5に示す入力パターンテーブル522の棚札コード1001に対応する処理モード1〜6の何れかの検出領域1がAに合致するか否かを判定する。ここでは、検出領域1がAである処理モード1、2、5が合致すると判定される。次に、処理モード1、2、5の何れかの検出領域2がCに合致するか否かを判定する。ここでは、検出領域2がCである処理モード1が合致すると判定される。次に、処理モード1の検出領域3がNULLであるか否かを判定する。このとき、処理モード1の検出領域3はNULLであるため、処理決定部1532は、処理モード1の検出領域と特定した検出領域とが合致すると判定する。
【0075】
ステップS74で、処理決定部1532が何れかの処理モードの検出領域と特定した検出領域とが合致したと判定した場合(ステップS74:YES)、入力パターンテーブル522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS75)。処理決定部1532が処理内容を読み出すと、処理実行部1533は、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS76)。
【0076】
処理実行部1533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS77)。
他方、ステップS74で、処理決定部1532が、特定した検出領域が何れか処理モードの検出領域とも合致しないと判定した場合(ステップS74:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0077】
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル522、座標領域特定部531、処理決定部1532を管理サーバ装置500に備える場合を説明したが、これに限られず、例えば、第2の実施形態のように、座標領域テーブル及び座標領域特定部を電子棚札100に備える構成としても良い。または、第3の実施形態のように、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル522、座標領域特定部531、処理決定部1532を電子棚札100に備える構成としても良い。
【0078】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について詳しく説明する。
図23は、第5の実施形態による電子棚札の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による電子棚札100は、第1の実施形態と出力信号制御部2151、入力タイマ部2152の動作が異なるものである。なお、第5の実施形態は、第4の実施形態と同様に、電子棚札100のタッチパネル130は、複数の接触点を同時に複数個所検出した場合に、当該複数個所の座標を示す検出信号を出力せず、当該複数個所の中間点の座標を示す検出信号を出力するようなタッチパネルを用いても良い。
【0079】
図24は、第5の実施形態による管理サーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による管理サーバ装置500は、第1の実施形態による管理サーバ装置500から座標領域テーブル521、座標領域特定部531を除去した構成であり、入力パターンテーブル2522の内容及び処理決定部2532の動作が異なるものである。
【0080】
図25は、入力パターンテーブルが格納する情報の例を示す第2の図である。
第5の実施形態による入力パターンテーブル2522は、図25に示すように、電子棚札100の識別番号である棚札コードに対応付けて、処理の識別番号である処理モード、複数の検出信号の検出間隔、処理内容、一時表示フラグ、標準モードフラグを格納する。
つまり、第5の実施形態による入力パターンテーブル2522は、分割タイプの情報を格納せず、検出領域の代わりに検出間隔を格納する。
【0081】
次に、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を説明する。
図26は、ユーザが電子棚札へコマンドを入力する際の電子棚札の動作を示す第5のフローチャートである。
電子棚札100の出力信号制御部2151は、タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS81)。次に、出力信号制御部2151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS82)。出力信号制御部2151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS82:NO)、ステップS81に戻り、タッチパネル130からの検出信号の出力の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部2151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS82:YES)、入力タイマ部2152は、検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS83)。なお、入力タイマ部2152は、メモリ120に計時した時間を書き込む。
【0082】
入力タイマ部2152が計時を開始すると、出力信号制御部2151は、再度タッチパネル130から検出信号の有無を検出する(ステップS84)。次に、出力信号制御部2151は、検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS85)。出力信号制御部2151が、検出信号の出力があると判定した場合(ステップS85:YES)、出力信号制御部2151は、入力タイマ部2152が計時する時間を読み出し、当該時間、すなわち前回出力した検出信号と今回出力した検出信号との検出間隔をメモリ120に書き込む。(ステップS86)。このとき、出力信号制御部2151は、検出間隔を検出信号の出力順に順序付けられたリストとしてメモリ120に書き込む。次に、入力タイマ部2152は、メモリ120に書き込んだ時間をリセットし、ステップS85で検出信号の出力があると判定した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS87)。
【0083】
ステップS85で出力信号制御部2151が、検出信号の出力がないと判定した場合(ステップS85:NO)、またはステップS87で入力タイマ部2152が経過時間をリセットした場合、出力信号制御部2151は、入力タイマ部2152が計時する時間が所定の時間を経過しているか否かを判定する(ステップS88)。ここで、所定の時間とは、例えば3秒程度の時間である。出力信号制御部2151は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS88:NO)、ステップS84に戻り、検出信号の有無の判定を繰り返す。
他方、出力信号制御部2151は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS88:YES)、メモリ120が記憶する検出間隔のリストを読み出す(ステップS89)。
【0084】
出力信号制御部2151は、検出間隔のリストを読み出すと、読み出した検出間隔のリストを示す入力パターンデータを生成する(ステップS90)。次に、無線通信部140は、生成した入力パターンデータを管理サーバ装置500に送信する(ステップS91)。
これにより、連続する2つの検出信号が出力された出力間隔の組み合わせ、すなわち検出信号のパターンを管理サーバ装置に送信することができる。
【0085】
次に、管理サーバ装置500が入力パターンデータを受信した際の動作を説明する。
図27は、管理サーバ装置が入力パターンデータを受信した際の動作を示す第4のフローチャートである。
上述したステップS91により、電子棚札100が入力パターンデータを出力すると、管理サーバ装置500の通信部510は、中継器300及び基地局装置400を介して入力パターンデータを受信する(ステップS101)。通信部510が入力パターンデータを受信すると、処理決定部2532は、入力パターンデータが示す検出信号の検出間隔と入力パターンテーブル2522が示す各処理モードの検出間隔とを比較し、何れかの処理モードに対応付けられた検出間隔が所定の誤差範囲内で合致するか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、上述した処理により、電子棚札100の棚札IDが1001、入力パターンデータが示す検出間隔が0.45秒→0.53秒の場合、まず、処理決定部2532は、図25に示す入力パターンテーブル2522の棚札コード1001に対応する処理モード1〜6の何れかの検出間隔1が0.45秒と誤差0.1秒以内で合致するか否かを判定する。ここでは、0.5秒を示す処理モード1、2、3、6が誤差範囲内で合致すると判定される。次に、処理モード1、2、3、6の何れかの検出間隔2が0.53秒と誤差0.1秒以内で合致するか否かを判定する。ここでは、検出間隔2が0.5秒である処理モード2、6が合致すると判定される。次に、処理モード2、6の何れかの検出間隔3がNULLであるか否かを判定する。このとき、処理モード2の検出間隔3がNULLであるため、処理決定部2532は、処理モード2の検出間隔と入力パターンデータが示す検出間隔とが誤差範囲内で合致すると判定する。
【0086】
ステップS102で、処理決定部2532が何れかの処理モードの検出間隔と入力パターンデータが示す検出間隔とが合致したと判定した場合(ステップS102:YES)、入力パターンテーブル2522から合致した処理モードに対応付けられた処理内容を読み出す(ステップS103)。処理決定部2532が処理内容を読み出すと、処理実行部2533は、読み出した処理内容に従って処理命令を生成する(ステップS104)。
【0087】
処理実行部2533が処理命令を生成すると、通信部510は、生成した処理命令を処理対象となる装置へ送信する(ステップS105)。
他方、ステップS102で、処理決定部2532が、入力パターンデータが示す検出間隔が何れか処理モードの検出間隔とも合致しないと判定した場合(ステップS102:NO)、管理サーバ装置500は処理命令の生成を行わずに処理を終了する。これにより、ユーザによる入力パターンが誤っていた場合に処理を行わないため、顧客の不用意な操作による誤動作の発生を防ぐことができる。
なお、電子棚札100が表示切替命令を受信した際の動作は、第1の実施形態と同じ動作となる。
【0088】
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル2522、座標領域特定部531、処理決定部2532を管理サーバ装置500に備える場合を説明したが、これに限られず、例えば、第2の実施形態のように、座標領域テーブル及び座標領域特定部を電子棚札100に備える構成としても良い。または、第3の実施形態のように、座標領域テーブル521、入力パターンテーブル2522、座標領域特定部531、処理決定部2532を電子棚札100に備える構成としても良い。
【0089】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、電子棚札100のタッチパネル130が検出した検出信号のパターンが入力パターンと合致しない場合に処理を行わない例を説明したが、これに限られず、例えば、店員を呼び出す処理を実行する等、顧客向けの処理を行うようにしても良い。
【0090】
なお、上記の実施形態では、タッチパネル130による接触の有無によって入力パターンを構成する例を示したが、これに限られず、例えばストローク操作の検出によって入力パターンを構成してもよい。例えば、入力パターンテーブル522の検出領域として、バーコード表示部に二重取り消し線を引くジェスチャを格納し、処理内容として「商品コード取消表示」を対応付けるようにしても良い。
【0091】
なお、実施形態1、4、5では、管理サーバ装置500の記憶部520が各テーブルを記憶し、管理サーバ装置500のCPU530がプログラムを実行することで各処理部を構成する場合を説明したが、これに限られず、例えば、各テーブル及び各処理部を他の装置に設けるようにしても良い。
【0092】
なお、上記の実施形態では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店の棚に付ける電子棚札100として説明したが、本発明は、電子棚札に限られるものではなく、小売店で販売される商品等の情報以外の情報を表示する情報表示装置として用いてもよい。
例えば、倉庫等において、保管物を保管しておく棚や、保管物を収めた箱や、保管物自体に付けて、その保管物の内容を示す情報を電子的に表示するラベルや札として用いてもよい。
また、銀行等の書類を扱う業務において、用紙置き場に配置し、用紙の説明や残り枚数を表示する表示装置として用いてもよい。また、さらに、工場等において、作業員への作業指示を表示するパネルや部品を置く棚に付けて、部品の分類等の情報を電子的に表示するラベルや札として用いてもよい。
【0093】
上述の電子棚札100及び管理サーバ装置500は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0094】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0095】
100、100−1〜100−M…電子棚札 110…LCD表示部 120…メモリ 130…タッチパネル 140…無線通信部 150…CPU 151…出力信号制御部 152…入力タイマ部 153…表示切替部 154…表示タイマ部 200…大型電子棚札 300、300−1〜300−N…中継器 400…基地局装置 500…管理サーバ装置 510…通信部 520…記憶部 521…座標領域テーブル 522…入力パターンテーブル 523…テンプレートテーブル 524…商品情報テーブル 530…CPU 531…座標領域特定部 532…処理決定部 533…処理実行部 600…ストアサーバ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報表示装置と管理サーバ装置とを備える情報表示システムであって、
前記情報表示装置は、
自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部を備え、
前記情報表示装置または前記管理サーバ装置は、
前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部を備えることを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記検出部は検出面を有し、当該検出面への接触を検出することにより検出信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記情報表示装置は、前記検出部の検出面を自装置の表示部の表面に設けることを特徴とする請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記検出面の複数の接触点を複数の接触点として検出し、当該複数の接触点のそれぞれの座標を示す検出信号を出力し、
前記入力パターンは前記検出面上の座標領域の組み合わせを示し、
前記処理実行部は、前記検出信号が示す複数の座標が、前記入力パターンが示す座標領域内のそれぞれに存在する場合に所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記検出部は、前記検出面の接触点の座標を示す検出信号を出力し、
前記入力パターンは、前記検出面上の複数の座標領域の順序を示し、
前記処理実行部は、複数の検出信号が示す座標と検出順序が、前記入力パターンが示す座標領域内に存在し、かつ前記入力パターンが示す順序どおりに検出される場合に所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記情報表示装置は、
前記検出信号を前記管理サーバ装置に出力する通信部を備え、
前記管理サーバ装置は、
前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、
前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、
前記情報表示装置から前記検出信号を取得し、当該検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、
前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、
前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4または請求項5の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項7】
前記情報表示装置は、
前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、
前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、
前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、
前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、
前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4または請求項5の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項8】
前記情報表示装置は、
前記タッチパネル上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、
前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得し、当該識別番号を前記管理サーバ装置に出力する座標領域特定部と、
を備え、
前記管理サーバ装置は、
前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、
前記情報表示装置から複数の座標領域の識別情報を取得し、当該識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、
前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4または請求項5の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項9】
前記入力パターンは連続する2つの検出信号が出力された出力間隔の組み合わせを示し、
前記処理実行部は、前記検出部による連続する2つの検出信号の出力間隔と前記入力パターンが示す出力間隔とを検出信号の出力順に比較し、当該出力間隔同士が全て合致する場合に所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項10】
情報を表示する情報表示装置であって、
自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部と、
前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報表示装置を備えたことを特徴とする電子棚札。
【請求項1】
情報表示装置と管理サーバ装置とを備える情報表示システムであって、
前記情報表示装置は、
自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部を備え、
前記情報表示装置または前記管理サーバ装置は、
前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部を備えることを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記検出部は検出面を有し、当該検出面への接触を検出することにより検出信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記情報表示装置は、前記検出部の検出面を自装置の表示部の表面に設けることを特徴とする請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記検出面の複数の接触点を複数の接触点として検出し、当該複数の接触点のそれぞれの座標を示す検出信号を出力し、
前記入力パターンは前記検出面上の座標領域の組み合わせを示し、
前記処理実行部は、前記検出信号が示す複数の座標が、前記入力パターンが示す座標領域内のそれぞれに存在する場合に所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記検出部は、前記検出面の接触点の座標を示す検出信号を出力し、
前記入力パターンは、前記検出面上の複数の座標領域の順序を示し、
前記処理実行部は、複数の検出信号が示す座標と検出順序が、前記入力パターンが示す座標領域内に存在し、かつ前記入力パターンが示す順序どおりに検出される場合に所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記情報表示装置は、
前記検出信号を前記管理サーバ装置に出力する通信部を備え、
前記管理サーバ装置は、
前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、
前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、
前記情報表示装置から前記検出信号を取得し、当該検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、
前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、
前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4または請求項5の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項7】
前記情報表示装置は、
前記検出面上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、
前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、
前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得する座標領域特定部と、
前記座標領域特定部が取得した複数の座標領域の識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、
前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4または請求項5の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項8】
前記情報表示装置は、
前記タッチパネル上の座標領域に対応付けて当該座標領域の識別情報を記憶する座標領域記憶部と、
前記検出信号に含まれる座標情報が示す座標を含む座標領域の識別番号を前記座標領域記憶部から取得し、当該識別番号を前記管理サーバ装置に出力する座標領域特定部と、
を備え、
前記管理サーバ装置は、
前記座標領域の識別情報の組み合わせによって構成される前記入力パターンに対応付けて前記処理実行部に実行させる前記所定の処理を示す処理命令を記憶する入力パターン記憶部と、
前記情報表示装置から複数の座標領域の識別情報を取得し、当該識別番号の組み合わせと前記入力パターン記憶部が記憶する入力パターンが示す識別情報の組み合わせとが合致する場合に、当該入力パターンに対応付けられた実行命令を出力する処理決定部とを備え、
前記処理実行部は、前記処理決定部が出力した実行命令に従って所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4または請求項5の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項9】
前記入力パターンは連続する2つの検出信号が出力された出力間隔の組み合わせを示し、
前記処理実行部は、前記検出部による連続する2つの検出信号の出力間隔と前記入力パターンが示す出力間隔とを検出信号の出力順に比較し、当該出力間隔同士が全て合致する場合に所定の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報表示システム。
【請求項10】
情報を表示する情報表示装置であって、
自装置の状態に関する変化を検出し、当該変化を示す検出信号を出力する検出部と、
前記検出部が出力する検出信号のパターンが所定の入力パターンに合致する場合に所定の処理を実行する処理実行部と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報表示装置を備えたことを特徴とする電子棚札。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2011−45428(P2011−45428A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194470(P2009−194470)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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