説明

情報表示システム、管理サーバ及び電子棚札システム

【課題】多数の表示対象に関する情報を表示する際、限られたサイズの表示画面を有効に活用する情報表示システム、管理サーバ及び電子棚札を提供する。
【解決手段】商品管理情報において予め関連付けられている小型電子棚札と大型電子棚札とのリンク状態を利用して、複数の小型電子棚札において表示される商品数に応じて、大型電子棚札の表示領域を仮想的に分割するとともに、各小型電子棚札が配置されている互いの位置関係を表わす位置情報に基づき、大型電子棚札の画面内において表示される表示位置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ表示部を備える複数の情報表示装置と、この情報表示装置に表示される画像データを管理する管理サーバと、これら情報表示装置と管理サーバとを含む情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報表示装置として、例えば、商品ごとに仕分けされ商品棚に備えられ、商品棚に陳列されている商品の名称や値段等の商品に関する情報をユーザに提供する目的で利用される電子棚札がある。この電子棚札は、表示する情報を変更する際に棚札を付け替える労力を軽減すること等を目的として、スーパーマーケットなどの販売店で利用されている。
また、スーパーマーケットなどの販売店では多数の商品が取り扱われており、この販売店で情報表示装置が電子棚札として利用される場合、1つの電子棚札に表示する情報が大量にあるにも関わらず、電子棚札に搭載されている表示部の表示画面の大きさには制限がある。そのため、多数の商品に関する情報を、限られた電子棚札の表示画面に有効に表示できるものが求められている。
【0003】
例えば、2枚の電子棚札を背中合わせに組み合わせた情報表示パネルを用いて、2枚の電子棚札に表示される内容を、陳列されている商品に応じて変更するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、電子棚札の1つの画面の表示領域を分割して、分割した表示領域のそれぞれに、商品に関する複数の広告画像を同時に表示するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−58804号公報
【特許文献2】特開2006−343380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の通り、多数の商品に関する情報を電子棚札に表示すると、電子棚札の表示画面の大きさに限りがあるため、各商品に関する情報を省略し、あるいは表示サイズを小さくしなければならず、この場合、十分な情報を表示することが困難であった。
従って、電子棚札を見るユーザにとって、表示される情報が分かりにくいものとなっており、表示画面が有効に活用されていない場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、多数の表示対象に関する情報を表示する際、限られたサイズの表示画面を有効に活用する情報表示システム、管理サーバ及び電子棚札を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は、表示画像データが表わす画像を表示する表示部を備える複数の情報表示装置と、これら複数の情報表示装置に前記表示画像データを送信する管理サーバとを備える情報表示システムであって、前記複数の情報表示装置は、予め決められた表示対象物に関する少なくとも1つの表示対象情報を表わす第1表示画像データを前記管理サーバから受信して当該第1表示画像データに基づく画像を表示する第1表示部をそれぞれ備える複数の第1情報表示装置と、前記複数の第1情報表示装置の配置関係に応じて前記管理サーバによって作成される第2表示画像データを受信して当該第2表示画像データに基づく画像を表示する第2表示部を備える第2情報表示装置と、を含み、前記管理サーバは、前記複数の情報表示装置のうち個々の前記第2情報表示装置を識別するための第2識別情報と、前記複数の第1情報表示装置において互いの位置関係を表わす位置情報とがそれぞれ対応付けられている情報を記憶する記憶部を参照して、前記第2表示部の画面内において前記表示対象情報が表わす画像が表示される表示位置を決定し、当該表示位置で前記表示対象情報を表わす前記第2表示画像データを作成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記管理サーバが、前記第2表示部の1つの画面内に同時に表示される前記対象情報の数として予め決められている表示最大数に応じて前記表示位置を決定し、前記第2表示画像データを作成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記管理サーバが、前記第2表示部の1つの画面内に同時に表示される前記対象情報の数として予め決められている表示最大数よりも多くの前記対象情報に基づき前記第2表示画像データを作成する場合、異なるタイミングで前記第2情報表示装置において表示される複数の画像データを含む第2表示画像データを作成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記第2情報表示装置が、前記表示最大数よりも多くの前記対象情報に基づき前記管理サーバによって作成された前記複数の画像データを含む第2表示画像データを前記管理サーバから受信した場合、前記表示最大数以下の前記対象情報を表わす前記第2表示画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示する時間よりも短い時間で、前記第2表示画像データに含まれる各画像データを表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記管理サーバが、前記複数の情報表示装置のうち個々の前記第1情報表示装置を識別するための第1識別情報と、前記第2識別情報と、前記位置情報と、前記表示対象情報とがそれぞれ対応付けられている管理情報を記憶する前記記憶部を参照して、前記第1識別情報と対応付けられている前記表示対象情報を含む前記第1表示画像データを作成するとともに、当該管理情報を参照して前記第2識別情報と対応付けられている前記第1識別情報あるいは前記表示対象情報のうち少なくともいずれか一方を含む前記リンク情報を作成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記第1表示部の画面が、前記第2表示部の画面に比べて小さいことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記複数の第1情報表示装置が、仕分けされた複数の商品が商品毎に陳列されている商品棚に配置され、配置された付近の商品に関する商品情報を前記表示対象情報として前記第1表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記管理サーバが、前記第2情報表示装置において表示される前記表示対象情報と異なる前記表示対象情報を含む前記第1表示画像データに対して、前記第2情報表示装置において表示される前記表示対象情報と同一の前記表示対象情報を含む前記第1表示画像データを区別するように異なる表現で表される前記第1表示画像データを作成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記第1情報表示装置が、ユーザからの操作入力を受け付ける第1操作部を備え、当該第1操作部を介して受け付けた操作入力を表わす操作情報を前記管理サーバに送信し、前記管理サーバが、前記第1情報表示装置から対応付けられている前記表示対象情報を前記第2情報表示装置において表示することを表わす前記操作情報を受信した場合、当該操作情報を送信した前記第1情報表示装置を表わす前記第1識別情報、あるいは、当該第1情報表示装置と対応付けられている前記表示対象情報のうちいずれか一方と、当該操作情報を送信した前記第1情報表示装置の前記位置情報とを、前記リンク情報における前記第2識別情報と対応づけることを特徴とする。
【0016】
また、上記問題を解決するために、本発明は、表示画像データが表わす画像を表示する表示部を備える複数の情報表示装置である第1の情報表示装置と、当該第1情報表示装置と異なる第2の表示装置と通信可能に接続されている管理サーバにおいて、前記複数の情報表示装置のうち個々の前記第2情報表示装置を識別するための第2識別情報と、前記複数の第1情報表示装置において互いの位置関係を表わす位置情報とがそれぞれ対応付けられている情報を記憶する記憶部と、この記憶部を参照して、前記第2表示部の画面内において前記表示対象情報が表わす画像が表示される表示位置を決定し、当該表示位置で前記表示対象情報を表わす前記第2表示画像データを作成する制御部とを備えることを特徴とする。
【0017】
さらに、上記問題を解決するために、本発明は、上述に記載のいずれかの情報表示装置を備えたことを特徴とする電子棚札である。
【発明の効果】
【0018】
この本発明によれば、情報表示システムは、多数の表示対象に関する情報を情報表示装置に表示する際、限られたサイズの表示画面を有効に活用して、情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態による情報表示システムを示す概略ブロック図である。
【図2】第1実施形態による情報表示システムに利用される複数の情報表示装置が商品棚に取り付けられている様子を説明する図である。
【図3】第1実施形態における小型電子棚札端末を示す概略ブロック図である。
【図4】第1実施形態における大型電子棚札端末を示す概略ブロック図である。
【図5】第1実施形態におけるESLサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態において利用される商品管理情報の一例を示す概略図である。
【図7】第1実施形態による情報表示システムにおける処理を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態において利用されるリンクリストの一例を示す概略図である。
【図9】第1実施形態におけるESLサーバのリンクリストの作成方法の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態におけるESLサーバの分割表示方法の一例を示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態における大型電子棚札端末に表示される画像の一例を示す概略図である。
【図12】第1実施形態における大型電子棚札端末に表示される画像の他の例を示す概略図である。
【図13】第1実施形態における小型電子棚札端末および大型電子棚札端末に表示される画像の一例を示す概略図である。
【図14】第1実施形態における小型電子棚札端末の外観の一例を示す概略図である。
【図15】第1実施形態における大型電子棚札端末に表示される画像の他の例を示す概略図である。
【図16】第1実施形態における大型電子棚札端末に表示される画像の他の例を示す概略図である。
【図17】第2実施形態において利用される物品管理情報の一例を示す概略図である。
【図18】第2実施形態において利用されるリンクリストの一例を示す概略図である。
【図19】第2実施形態における小型電子棚札端末に表示される画像の一例を示す概略図である。
【図20】第2実施形態における大型電子棚札端末に表示される画像の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態による情報表示システムについて図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の電子棚札システム(情報表示システム)を含んだ販売店システムの構成を示したブロック図である。ここでは、この情報表示システムが、情報表示装置として、スーパーマーケットなどの販売店で利用される電子棚札端末を含む例について説明する。
【0021】
図示する例において、情報表示システムは、電子棚札システムと、POS( Point of sales )サーバ7と、POSレジスタ8とを備えている。また、電子棚札システムは、複数の小型電子棚札端末1(1−1〜1−n)と、複数の大型電子棚札端末2(2−1、2−2)と、ESL( Electronic Shelf Label )サーバ3(管理サーバ)と、アクセスポイント4と、複数の中継機5(5−1〜5−3)と、ハンディ端末6とを備えている。ESLサーバ3とPOSサーバ7とはバックヤード端末100に設置されている。小型電子棚札端末1−1〜1−nと、大型電子棚札端末2−1、2−2と、アクセスポイント4と、中継機5−1〜5−3と、POSレジスタ8とは店舗端末200に設置されている。
【0022】
ESLサーバ3と、アクセスポイント4と、中継機5−1,5−2と、POSサーバ7と、POSレジスタ8とは有線ネットワークで接続されており、互いにデータ通信を行うことができる。また、アクセスポイント4と、中継機5−3およびハンディ端末6とは無線LAN( Local Area Network )などの無線ネットワークで接続されており、互いにデータ通信を行うことができる。また、小型電子棚札端末1−1〜1−n及び大型電子棚札端末2−1、2−2と中継機5−1〜5−3とは、近距離無線方式(例えば、IEEE802.15.4)を用いた無線ネットワークで接続されており、互いにデータ通信を行うことができる。これにより、小型電子棚札端末1−1〜1−n及び大型電子棚札端末2−1、2−2とESLサーバ3とは互いにデータ通信を行うことができる。また、ESLサーバ3とハンディ端末6とは、アクセスポイント4を介して、互いにデータ通信を行うことができる。
【0023】
なお、小型電子棚札端末1−1〜1−n及び大型電子棚札端末2−1、2−2と中継機5−1〜5−3との間の無線ネットワークで近距離無線方式を用いることにより、小型電子棚札端末1−1〜1−n及び大型電子棚札端末2−1、2−2を小型化および長電池寿命化することができ、小型電子棚札端末1−1〜1−n及び大型電子棚札端末2−1、2−2と中継機5−1〜5−3との間の通信速度を高速化することができる。
【0024】
小型電子棚札端末1−1〜1−nは個別の商品の価格や説明などを表示する。大型電子棚札端末2−1、2−2は、大型の液晶ディスプレイやタッチパネルなどを備え、商品の販売促進用の情報などを表示する。また、大型電子棚札端末2−1、2−2は、大型の液晶ディスプレイやタッチパネルなどを備えているため、複数の商品の情報など、多量の情報を一度に表示することができる。また、本実施形態では、複数の大型電子棚札端末2−1、2−2は、複数の小型電子棚札端末1−1〜1−nと関連付けられている。
【0025】
ESLサーバ3は小型電子棚札端末1−1〜1−nと大型電子棚札端末2−1、2−2との管理を行う。アクセスポイント4と中継機5−1〜5−3とはデータ通信を中継する。ハンディ端末6は、ESLサーバ3に入力する情報を受け付け、この情報をESLサーバ3に送信する。POSサーバ7は、商品の情報や、売り上げ情報などを管理する。POSレジスタ8は、顧客が購入する商品の精算処理を行う。
【0026】
次に、小型電子棚札端末1の構成について説明する。図2は、本実施形態における小型電子棚札端末1の構成を示したブロック図である。図示する例では、小型電子棚札端末1は、制御部11と、表示部12と、記憶部13と、無線通信部14と、電池15と、入力部16とを備える。
【0027】
制御部11は、小型電子棚札端末1が備える各部の制御を行う。表示部12は液晶表示装置などであり、商品の名前や商品の価格などを表示する。記憶部13は、小型電子棚札端末1の各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。無線通信部14は、中継機5−1〜5−3を介して、ESLサーバ3とデータの送受信を行う。電池15は、小型電子棚札端末1が備える各部に電力を供給する。入力部16は、スイッチを備え、操作者からの入力を受け付ける。
【0028】
次に、大型電子棚札端末2の構成について説明する。図3は、本実施形態における大型電子棚札端末2の構成を示したブロック図である。図示する例では、大型電子棚札端末2は、制御部21と、表示入力部22と、記憶部23と、無線通信部24と、電池25とを備える。
【0029】
制御部21は、大型電子棚札端末2が備える各部の制御を行う。表示入力部22は、例えば液晶表示装置で構成されるタッチパネルなどであり、商品の販売促進用の情報などESLサーバ3から送信された表示画像データに基づく画像を表示し、操作者からの入力を受け付ける。記憶部23は、大型電子棚札端末2の各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。無線通信部24は、中継機5−1〜5−3を介して、ESLサーバ3とデータの送受信を行う。電池25は、大型電子棚札端末2が備える各部に電力を供給する。
この大型電子棚札端末2の表示入力部22は、小型電子棚札端末1の表示部12に比べて表示画面が広く、小型電子棚札端末1の表示部12よりも多くの情報を表示できる電子棚札である。
【0030】
次に、ESLサーバ3の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるESLサーバ3の構成を示したブロック図である。図示する例では、ESLサーバ3は、管理装置制御部31と、管理装置記憶部33と、管理装置通信部34と、入力部35と、表示部36とを備える。
【0031】
管理装置制御部31は、ESLサーバ3が備える各部の制御を行う。この管理装置制御部31は、小型電子棚札端末1(又は大型電子棚札端末2)に表示する情報を生成する際に、POSサーバ7から取得した情報、及び、予め登録された小型電子棚札端末1(又は大型電子棚札端末2)の商品管理情報を参照して、表示する表示画面データを生成する。この管理装置制御部31は、例えば、小型電子棚札端末1に表示する表示情報として予め決められている商品情報を商品管理情報から読み出し、この商品情報を、小型電子棚札端末1の表示画面に表示される画像として予め決められているテンプレート情報に貼り付けて、表示画像データを生成する。
管理装置記憶部33は商品管理情報やリンクリストを記憶する。なお、この商品管理情報やリンクリストについては後述する。
管理装置通信部34は、中継機5−1〜5−3を介して、小型電子棚札端末1及び大型電子棚札端末2とデータの送受信を行う。この管理装置通信部34は、小型電子棚札端末1(又は大型電子棚札端末2)の入力部16(又は表示入力部22)に入力された情報を、小型電子棚札端末1(又は大型電子棚札端末2)から受信する。また、管理装置制御部31によって生成された情報を、小型電子棚札端末1(又は大型電子棚札端末2)に対して管理装置通信部34を介して送信する。
入力部35は、キーモードやマウス等を備え、操作者からの入力を受け付ける。表示部36は、液晶表示装置などであり、管理装置記憶部33に記憶されている情報や、操作画面を表示する。
【0032】
ハンディ端末6は、小型電子棚札端末1−1〜1−nに表示されるバーコードや小型電子棚札端末1−1〜1−nに取り付けている印刷物に印刷されているバーコード等を検出し、検出したバーコードが表す情報を記憶する記憶部を内部に備え、ESLサーバ3にまとめて転送する。なお、小型電子棚札端末1−1〜1−nに表示されるバーコードは、1次元バーコードに限らず、2次元バーコードのような他の幾何学的な情報であっても良い。また、このバーコードは、小型電子棚札端末1−1〜1−nに限られず、大型電子棚札端末2−1、2−2にも表示され、小型電子棚札端末1−1〜1−nに関連付けられる商品にも表示されている。さらに、小型電子棚札端末1−1〜1−nのバーコードには、小型電子棚札端末1−1〜1−nの識別情報(例えば、小型ESLコード)が含まれており、大型電子棚札端末2−1、2−2のバーコードには、大型電子棚札端末2−1、2−2の識別情報(例えば、大型ESLコード)が含まれており、商品のバーコードには、商品名や商品コード等の情報が含まれている。
【0033】
POSサーバ7は、商品管理情報として、各商品の単価情報、在庫情報、売上情報等の情報を記憶する記憶部を備える。このPOSサーバ7は、POSレジスタ8と通信可能に接続されており、商品の販売額をリアルタイムに管理する販売時点管理システムのサーバ機能(POSサーバ機能)に基づき、POSレジスタ8から取得される売上情報をリアルタイムに集計するとともに、POSレジスタ8に記憶されている単価情報を更新する。
POSレジスタ8は、販売処理に用いるレジスタ端末であり、各商品の単価情報を記憶する記憶部を備え、この記憶部を参照して、会計された商品の販売金額を表わす販売情報を算出して、POSサーバ7に送信する。
【0034】
次に、小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2とが設置される棚について説明する。図5は、本実施形態における小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2とが設置される棚の外観を示した概略図である。
【0035】
図示の通り、これら複数の小型電子棚札端末1−1〜1−nは、例えば、商品ごとに仕分けされた複数の商品が陳列される商品棚に取り付けられ、各商品の近傍に設けられている。本実施形態において、小型電子棚札端末1−1〜1−nは、それぞれ1つの商品に関する情報を表示するものを例に、以下説明する。しかし、本発明はこれに限られず、例えば、小型電子棚札端末1−1〜1−nのそれぞれが、2以上の商品に関する情報を表示するものであってもよい。
【0036】
複数の小型電子棚札端末1−1〜1−nのうち小型電子棚札端末1−1〜1−14は商品棚T1に、小型電子棚札端末_n−21〜1−34は商品棚T2に、それぞれ取り付けられている。
具体的に説明すると、商品棚T1、T2は、5段の棚であって、上から順番に1〜5段目とした場合、1、3段目に3つの商品と各商品に対して割り当てられている3つの小型電子棚札と、2、5段目に4つの商品と各商品に対して割り当てられている4つの小型電子棚札とを、それぞれ備えている。各小型電子棚札端末1−1〜1−nには、それぞれ、商品棚T1、T2の最上段から縦方向の順番(段数)である行数、同一段における横方向の順番である列数が、商品棚T1、T2にそれぞれにおける配置位置を表す位置情報として割り当てられている。
【0037】
例えば、小型電子棚札端末1−2は、商品棚T1の1段目(最上段)の紙面左から2番目に配置されているため、位置情報として「行(縦方向):1」、「列(横方向):2」が割り当てられている。
この位置情報は、各商品棚T1、T2において配置されている複数の小型電子棚札端末1−1〜1−nにおける互いの位置関係を表しており、同一の商品棚において配置されている複数の小型電子棚札1−1〜1−nのうち個々の小型電子棚札の位置を識別する情報である。
【0038】
また、商品棚T1の上部には大型電子棚札端末2−1が、商品棚T2の上部には大型電子棚札端末2−2が、それぞれ取り付けられている。これら大型電子棚札端末2−1、2−2は、表示画像データに応じた画像を表示する表示部を備え、ESLサーバ3から送信された表示画像データを無線LANアクセスポイント4と中継器5−1〜5−3とを介して受信し、この表示画像データに応じた画像を表示部に表示する。また、大型電子棚札端末2−1は、中継器5−1と無線通信し、大型電子棚札端末2−2は、中継器5−2と無線通信する。
なお、大型電子棚札端末2−1は、各商品棚に1つ備えられている例を以下説明するが、本発明はこれに限られず、少なくとも2以上の小型電子棚札端末が取り付けられている商品棚等の付近に配置され、小型電子棚札端末に表示された画像と関連する情報を表示するものであればよい。
【0039】
次に、ESLサーバ3の管理装置記憶部33が記憶する商品管理情報の一例について説明する。
図6は、管理装置記憶部33に記憶される情報に含まれる商品管理情報のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。なお、この商品管理情報は、ESLサーバ3の入力部35を介してユーザから入力される情報であってもよく、POSサーバ7の記憶部に記憶されている情報を管理装置通信部34を介してPOSサーバ7から受信するものであってもよい。あるいは、ハンディ端末6から受信した情報に基づき、ESLサーバ3によって作成されるものであってもよい。
図6は、商品管理情報の一例を示す概略図である。図6に示す通り、商品管理情報は、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、「小型ESL( Electronic Shelf Label )情報」、「商品情報」、「位置情報」、「大型ESL情報」の各項目の列を有しており、これらが互いに対応付けられている。
【0040】
「小型ESL情報」は、小型電子棚札端末1−1〜1−nおよび大型電子棚札端末2−1、2−2のうち個々の小型電子棚札端末を識別するための識別情報である「小型ESLコード」と、小型電子棚札端末1のサイズを表わす「サイズ」と、この小型電子棚札端末1が表示する画像の色(カラーあるいはモノクロ)を表わす「カラー」とを含む。
「商品情報」は、複数の商品のうち個々の商品を識別するための識別情報である「商品コード」と、商品の名称を表わす「商品名」と、商品が製造あるいは生産された場所を表わす「産地」と、商品の価格を表わす「価格」と、商品に関する詳細情報「説明(1)」「説明(2)」とを含む。ここで、「説明(1)」は、商品の産地に関する情報を含み、「説明(2)」は、商品の購買を喚起するための消費者への広告メッセージである。
【0041】
「位置情報」は、複数の商品棚のうち個々の商品棚を識別するための識別情報である「商品棚番号」と、小型電子棚札端末1−1〜1−nの個々に割り当てられている「行(縦方向)」と「列(横方向)」とを含む。ここで、商品棚T1には商品棚番号101が、商品棚T2には商品棚番号102が、それぞれ割り当てられている。
「大型ESL情報」は、複数の小型電子棚札端末1−1〜1−nおよび複数の大型電子棚札端末2−1、2−2のうち個々の大型電子棚札端末を識別するための識別情報である「大型ESLコード」と、大型電子棚札端末2のサイズを表わす「サイズ」と、大型電子棚札端末2が表示する画像の色(カラーあるいはモノクロ)を表わす「カラー」と、大型電子棚札端末2の表示入力部22に表示される情報の種類を表わす「表示データ」とを含む。ここで、「表示データ」は、「商品情報」に含まれる複数の項目「商品名」「産地」「価格」「説明(1)」「説明(2)」のうち、予め選択された項目を含む。
【0042】
次に、図7を参照して、情報表示システムにおける情報表示方法の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る情報表示システムの情報表示方法の一例について説明するフローチャートである。
図7に示す通り、ESLサーバ3は、管理装置記憶部33を参照して、商品管理情報において対応付けられている「小型ESLコード」と「大型ESLコード」を取得する(ステップST1)。つまり、ESLサーバ3は、小型電子棚札端末1が取り付けられている商品棚として、予め商品管理情報において関連付けられている小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2を検出する。そして、大型電子棚札端末2と関連付けられている小型電子棚札端末1が表わす「位置情報」と、互いに関連付けられている「大型ESLコード」と「小型ESLコード」とを商品管理情報から読み出し、リンクリスト(リンク情報)を作成する。なお、ステップST1の詳細な説明については、図9を用いて後述する。
【0043】
次いで、ESLサーバ3は、ステップST1において作成されたリンクリストを参照して、同一の大型電子棚札端末2を表わす「大型ESLコード」と対応付けられている「商品情報」を検出する。そして、ESLサーバ3は、この検出した「商品情報」の数や、リンクリストにおいて対応付けられている「位置情報」に応じて、大型電子棚札端末2の表示入力部22に表示される表示画像データの表示領域を仮想的に分割する。このESLサーバ3は、仮想的に分割された表示領域に応じて、「商品情報」が表わす画像を表示する表示位置を決定し、この表示位置に「商品情報」を表示する表示画像データを作成する(ステップST2)。なお、ステップST2の詳細な説明については、図10を用いて後述する。
また、ESLサーバ3は、上述において表示画像データを作成する際、予め決められているテンプレート情報に従って、当該表示画像データに含まれる「商品情報」の数に応じて表示画像データの表示領域を仮想的に分割する。なお、本実施形態に係るテンプレート情報によると、図11を用いて後述する通り、表示画像データは、上段を2分割、下段を2分割とする4つの表示領域に分割され、これら分割された表示領域の形状が、横方向に長い長方形の大型電子棚札端末2の表示画面に対応するように分割される。このようにすることによって、横方向に長い長方形の小型電子棚札端末1の表示画面に対応する形状とすることができ、また、横書きの文章を横方向に長く記載した表示とすることができる。
【0044】
ここで、図8を参照して、リンクリストについて詳細に説明する。図8は、本実施形態に係るリンクリストの一例を示す表である。
図8に示す通り、リンクリストは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、「大型ESLコード」と、「小型ESLコード」と、「商品情報」と、「位置情報」と、「不表示フラグ」とが対応付けられている。
【0045】
このリンクリストに含まれる「商品情報」は、大型ESLコードが表わす大型電子棚札端末2に表示される表示内容として、商品管理情報において予め決められている「表示データ」に含まれている情報であって、例えば、「商品名」と「価格」と「説明(1)」とを含む。
また、「不表示フラグ」とは、「表示データ」に含まれる「商品情報」を大型電子棚札端末2に表示するか否かを表わす情報である。例えば、不表示フラグ“0”は対応付けられている「商品情報」が表示する情報であることを表し、不表示フラグ“1”は対応付けられている「商品情報」が表示されない情報であることを表す。
【0046】
ここでは、ESLサーバ3は、商品管理情報に基づき、大型ESLコード“101001”、“101002”の大型電子棚札端末2−1,2−2に対応付けられている小型ESLコード“1001”〜“1018”の小型電子棚札端末1−1〜1−14、1−21〜1−24に関する「商品情報」と「位置情報」とを読み出し、リンクリストを作成する。そして、ESLサーバ3は、例えば、ESLサーバ3の入力部35から入力されたユーザからの操作に応じて、大型電子棚札端末20に表示データを表示するか否かを表わす「不表示フラグ」を「小型ESLコード」に対応付けてリンクリストに記憶させる。
【0047】
次に、図9を参照して、図7に示すステップST1に示したESLサーバ3のリンクリストの作成方法の一例について詳細に説明する。図9は、ESLサーバ3のリンクリストの作成方法の一例について説明するフローチャートである。
図9に示す通り、ESLサーバ3は、商品管理情報を参照して、「大型ESLコード」として登録されている大型ESLコード“101001”と“101002”を読み出す(ステップST11)。そして、ESLサーバ3は、大型電子棚札端末2−1、2−2ごとに、商品管理情報において対応付けられている「小型ESLコード」と、「商品情報」と、「位置情報」とを読み出し、図8に示すようなリンクリストを作成する。
ここで、ESLサーバ3は、商品表示情報の「表示データ」において予め決められている大型電子棚札端末2に表示される表示内容である「商品名」「価格」「説明(1)」を読み出し、リンクリストにおける「商品情報」として、「大型ESLコード」と対応付ける。
【0048】
次に、図10を参照して、図7に示すステップST2に示したESLサーバ3の分割表示方法の一例について説明する。図10は、ESLサーバ3の分割表示方法の一例について説明するフローチャートである。
図10に示す通り、ESLサーバ3は、図8において示したようなリンクリストを参照して、例えば、大型ESLコード“101001”と不表示フラグ“0”と対応付けられている小型ESLコード“1002”、“1004”、“1007”、“1010”、“1012”、“1013”を検出する。つまり、リンクリストにおいて大型電子棚札端末2−1と対応付けされている小型電子棚札端末1−2、1−4、1−7、1−10、1−12、1−13を検出し、この対応付けされている小型電子棚札端末1−2、1−4、1−7、1−10、1−12、1−13の数“6”を実リンク数として検出する。そして、ESLサーバ3は、この実リンク数と、予め決められている最大リンク数とを比較して、作成する画面数を決定する(ステップST201)。
【0049】
具体的に説明すると、ESLサーバ3は、実リンク数を最大リンク数で除算して、その解と余りを算出する。ここで、実リンク数は“6”、最大リンク数は“4”であり、解が“1”で、余りが“2”となる。よって、ESLサーバ3は、1つの画面(以下、第1の画面という)には4つの商品に関する画像を、他の画像(以下、第2の画面という)には2つの商品に関する画像を配置した2つの画面を作成すると決定する。つまり、作成する画面数を“2”と決定する。
【0050】
なお、本実施例において、1つの小型電子棚札端末に1つの商品情報が関連付けられているため、大型電子棚札端末2に関連付けられている小型電子棚札端末1の数と商品情報の数が同じである。この場合、ESLサーバ3は、関連付けされている小型電子棚札端末1の数を実リンク数として検出する。一方、1つの小型電子棚札端末1に複数の商品情報が関連付けられている場合、ESLサーバ3は、大型電子棚札端末2に関連付けられている複数の商品情報の数を実リンク数として検出する。
【0051】
次いで、ESLサーバ3は、ステップST201において決定した画面数に応じて、各画面における表示領域の分割数を決定する(ステップST202)。例えば、ESLサーバ3は、実リンク数が最大リンク数よりも大きい場合、実リンク数/最大リンク数によって得られた解の数“1”の画面分だけ、最大リンク数“4”で表示画面を分割する。そして、1つの画面だけ、余りの数“2”で表示画面を分割する。
図8に示す例では、解が“1”で余りが“2”であるため、ステップST201において検出された6つの小型電子棚札端末1−2、1−4、1−7、1−10、1−12、1−13のうち、小型ESLコード“1002”、“1004”、“1007”、“1010”の4の商品情報で画面を4分割した第1の画面を作成し、小型ESLコード“1012”、“1013”の2の商品情報で画面を2分割した第2の画面を作成する。なお、ここで、ESLサーバ3は、小型ESLコードが小さい方から大きくなる順番で、第1の画面と第2の画面を構成する商品情報を決定する例について説明する。しかし、本発明において、各画面に割り振られる商品情報はランダムに変更可能であって、例えば、本日のおすすめ商品としての優先順位を表す「優先順位レベル」が各「商品情報」にリンクリストにおいて対応付けられている場合、この「優先順位レベル」に応じて割り振りを決定するものであってもよい。
【0052】
そして、ESLサーバ3は、第1の画面および第2の画面に配置される「商品情報」とリンクリストにおいて対応付けられている位置情報に基づき、各画面において各商品情報を表わす画像が表示される表示位置を決定する(ステップST203)。
例えば、ステップST202において、第1の画面に表示されると決定された商品情報と対応付けられている小型ESLコード“1002”、“1004”、“1007”、“1010”の小型電子棚札端末1−2、1−4、1−7、1−10は、それぞれの「位置情報」を参照すると、小型ESLコード“1002”の小型電子棚札端末1−2が1段目の中央、小型ESLコード“1004”の小型電子棚札端末1−4が2段目の紙面左、小型ESLコード“1007”の小型電子棚札端末1−7が2段目の紙面右、小型ESLコード“1010”の小型電子棚札端末1−10が3段目の紙面右、にそれぞれ配置されている。
よって、ESLサーバ3は、このリンクリストにおける「位置情報」に基づき、これら4つの小型電子棚札端末1−2、1−4、1−7、1−10が配置されている位置関係を解析して、第1の画面における各「商品情報」の表示位置を、小型ESLコード“1002”の「商品情報(商品名:草加煎餅)」を左上、小型ESLコード“1004”の「商品情報(商品名:角煮饅頭)」を左下、小型ESLコード“1007”の「商品情報(商品名:笹飴)」を右上、小型ESLコード“1010”の「商品情報(商品名:チョコレート)」を右下と、各商品情報の表示位置を決定する。
【0053】
このようにして決定された表示位置で作成される第1の画面の表示画像データの一例を図11に示す。
ESLサーバ3は、図11に示すように、表示位置が決定された商品の商品内容(商品名、価格、説明(1))を予め決められた位置に表示する表示画像データを作成する。
【0054】
また同様にして、ESLサーバ3は、第2の画面の表示画像データを作成する。つまり、「位置情報」を参照すると、小型ESLコード“1012”の小型電子棚札端末1−12が5段目の紙面中央左側、小型ESLコード“1013”の小型電子棚札端末1−13が5段目の紙面中央右側、にそれぞれ配置されている。
よって、ESLサーバ3は、この「位置情報」に基づき、これら2つの小型電子棚札端末1−12、1−13が配置されている位置関係を解析して、第2の画面における「商品情報」の表示位置を、小型ESLコード“1012”の「商品情報(商品名:八つ橋)」を左、小型ESLコード“1013”の「商品情報(商品名:麩菓子)」を右と、各商品情報の表示位置を決定する。
そして、ESLサーバ3は、図12に示すように、表示位置が決定された商品の商品内容(商品名、価格、説明(1))を予め決められた位置に表示する第2の画面の表示画像データを作成する。
【0055】
次いで、ESLサーバ3は、ステップST201において決定された画面数に応じて、大型電子棚札端末2に画像が表示される表示時間を決定する(ステップST204)。
例えば、画面数が複数である場合、ESLサーバ3は、この画面数の全ての画像を表示する時間として予め決められている周期表示時間を分割して、この周期表示時間内に全ての画像を少なくとも1回は大型電子棚札端末2に表示するようにする。一方、画面数が単数である場合、ESLサーバ3は、周期表示時間を分割せずに、1つの画面データを連続して大型電子棚札端末2に表示させる。
【0056】
上述のように画面数が“2”と決定されており、周期表示時間が30秒である場合、ESLサーバ3は、大型電子棚札端末2に対して、第1の画面を15秒間連続して表示させた後、第2の画面を15秒間連続して表示させ、第1の画面と第2の画面とを交互に15秒間ずつ連続して表示させる。
また、画面数が“3”の場合、ESLサーバ3は、大型電子棚札端末2に、第1の画面と第2の画面と第3の画面を、各10秒ずつ、この順番で連続的に表示させる。
すなわち、各画面の表示時間は、周期表示時間を画面数で除算した時間である。
なお、表示可能な画面数として予め決められている最大画面数が、例えば“5”である場合、ステップST201において決定された画面数がこの最大画面を超えている場合、1つの画面の表示時間が6秒未満と短くなりすぎてしまうため、この場合、ESLサーバ3は、周期表示時間を増やすようにしてもよく、最大画面数以上の画像データは表示しないようにしてもよい。
【0057】
上述の通り、本実施形態に係る情報表示システムは、商品管理情報において予め関連付けられている小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2とのリンク状態を利用して、複数の小型電子棚札端末1において表示される商品数に応じて、大型電子棚札端末2の表示領域を仮想的に分割するとともに、各小型電子棚札端末1が配置されている互いの位置関係を表わす位置情報に基づき、大型電子棚札端末2の画面内において表示される表示位置を決定するようにした。
これにより、複数の商品数に応じた各商品情報を表わす画像を大型電子棚札端末2に表示する際に、各商品情報を表わす画像が、ユーザにとって見やすい大きさとして予め決められている最小分割表示領域以下となることを防止し、大型電子棚札端末2に表示される情報をユーザに分かりやすいサイズで表示することができる。
この最小表示領域は、大型電子棚札端末2の画面のサイズや配置位置に応じて決定され、本実施形態においては画面を4分割したサイズである。従って、図11に示したように、最大で1つの画面内に4つの商品情報を表示することで、多数の商品情報が大型電子棚札端末2に関連付けられている場合であっても、ユーザの見やすい表示サイズを確保することができる。
【0058】
また、商品情報の数が最小分割領域を決定する最大リンク数よりも多い場合、図12に示すように、異なる画像をさらに作成することで、最大リンク数以上の商品情報も大型電子棚札端末2に表示することができ、大型電子棚札端末2で多数の商品情報を表示する際、限られたサイズの表示画面を有効に活用することができる。
【0059】
さらに、商品管理情報において予め決められている位置情報に応じて、大型電子棚札端末2に表示される表示位置を決定することにより、商品棚に配置されている商品の配置位置に対応した位置関係で、各商品情報を大型電子棚札端末2の画面に表示することができる。よって、例えば、ユーザが、大型電子棚札端末2に表示されている情報に興味をもち、この大型電子棚札端末2が取り付けられている商品棚に陳列されている実際の商品を探す場合、大型電子棚札端末2において画面上方に商品Aが表示され、画面下方に商品Bが表示されていると、商品棚においても、商品Aの方が商品Bよりも上方に配置されているため、ユーザは、商品棚に陳列してある商品A、Bを容易に探すことができる。
また、各商品が、正確には商品棚において上下左右の位置関係になく、近接する位置関係で配置されている場合、大型電子棚札端末2において上下左右に表示されることがある。この場合であっても、商品棚において近接しているため、ユーザは、大型電子棚札端末2の情報に基づき、商品棚に陳列されている商品を容易に探すことができる。
【0060】
一方、ユーザが、商品棚に陳列されている商品のうち、上段にある商品と下段にある商品とを認識しながら大型電子棚札端末2を見る場合、上段と下段にある各商品が、大型電子棚札端末2においても画面上方と画面下方に表示されている。これにより、これら大型電子棚札端末2に表示されている商品情報と商品棚に陳列されている各商品との関連性を強調することができる。
また、多数の商品情報についての複数の画面が交互に大型電子棚札端末2に表示される場合、ユーザが大型電子棚札端末2に表示される全ての商品情報と、商品棚に陳列されている商品を対応付けて認識することは煩雑であるため、大型電子棚札端末2によって表示される情報が十分にユーザに認識されないおそれがある。しかし、本実施形態によれば、多数の商品情報が大型電子棚札端末2に表示される場合であっても、その表示サイズを十分に確保しつつ、表示位置も商品棚に応じた位置関係で表示することができるため、ユーザにわかりやすい情報を提供することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る情報表示システムは、実リンク数が最大リンク数よりも大きい場合、複数の画面の表示画像データを作成して、予め決められた周期表示時間を画面数に応じて分割し、大型電子棚札端末2に表示させるようにした。
これにより、周期表示時間という限られた時間内において複数の商品情報を表示することができ、ユーザが複数の商品情報を見る時間が商品情報の数に応じて非常に長くなることを回避することができる。よって、短い時間しかその商品棚の付近を立ち寄らないユーザであったとしても、より多くの商品情報をみることができる。
【0062】
なお、小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2が、商品管理情報において予め関連付けられている場合、ESLサーバ3は、この商品管理情報を参照することでリンクリストを容易に作成することができる。よって、販売店の定員が、このリンクリストを作成するためだけに、わざわざ小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2との対応関係を表したデータを作成して、小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2とを関連付ける作業が不要であり、リンクリストを作成する労力を削減することができる。
【0063】
また、大型電子棚札端末2は、小型電子棚札端末1に比べて画面が大きく、商品棚の上部に取り付けられていることが多いため、比較的ユーザが見つけやすい情報表示装置である。一方、商品棚には多数の商品が隙間なく陳列されていることが多く、商品棚に陳列されている多数の商品の中から特定の商品をユーザが探しだすことや、見出しを取り付ける等して目立たせることは困難である。これに対して、本実施形態に係る情報表示システムによると、大型電子棚札端末2に商品棚に陳列されている特定の商品に関する情報を、陳列されている商品の位置関係に応じて表示することができるため、上記問題を解決することができる。
【0064】
なお、本実施形態に係る大型電子棚札端末2は、小型電子棚札端末1に表示される商品情報と全く同一の商品情報を表示するものであってもよく、予め決められた商品情報を表示するものであってもよい。
例えば、小型電子棚札端末1に表示される商品情報と全く同一の商品情報を表示する例について、図13を参照して説明する。図13(a)(b)は、例えば小型電子棚札端末1−2、1−4に表示されている画像を表わす概略図であり、図13(c)は、小型電子棚札端末1−2、1−4と関連づけられている大型電子棚札端末2−1に表示される画像の一例を表わす概略図である。
図13(a)(b)に示す通り、小型電子棚札端末1−2、1−4は、画面上部中央に「商品名」を、紙面における画面右下に「価格」を、この「商品名」と「価格」の間であって、紙面における画面右側に「説明(1)」を、表示している。なお、「説明(1)」の文字サイズは、「商品名」と「価格」に比べて小さい。
【0065】
ここでは、リンクリストにおいて、小型ESLコード“1002”と“1004”に対してのみ「不表示フラグ」が“0”となっており、表示する商品情報が「商品名:草加煎餅」と「商品名:角煮饅頭」であった場合、大型電子棚札端末2は、図13(c)に示す通り、商品棚T1において配置されている位置関係に対応している画像を表示する。
具体的に説明すると、図8に示す通り、小型ESLコード“1002”の小型電子棚札端末1−2の位置情報は“1段目の中央”であることを表わし、小型ESLコード“1004”の小型電子棚札端末1−4の位置情報は“2段目の紙面において左側”であることを表わしている。よって、ESLサーバ3は、小型ESLコード“1002”と対応付けられている「商品名:草加煎餅」の商品情報を画面の上方に、小型ESLコード“1004”と対応付けられている「商品名:角煮饅頭」の商品情報を画面の下方に表示するような表示画面データを作成し、大型電子棚札端末20に送信する。
これにより、大型電子棚札端末20は、図13(c)に示すような画面を表示することができる。
【0066】
次に、図14〜16を参照して、リンクリストに記載されている情報の変更方法の一例について説明する。なお、図8に示すリンクリストを用いて説明する場合、小型ESLコード“1005”以降の情報は、考慮しないものとする。
図14は、小型電子棚札端末1の外観の一例を示す概略図である。図14に示す通り、小型電子棚札端末1の表示部12は、商品情報として「商品名」と「価格」と「説明(1)」を表わす画像を表示している。なお、図14に示す小型電子棚札端末1として、小型ESLコードとして“1003”が割り当てられている小型電子棚札端末1−3を例に、以下説明する。
【0067】
ここで、小型電子棚札端末1−3の表示部12の上方に取り付けられている入力部16がユーザによって押下されると、小型電子棚札端末1−3の制御部11は、この操作情報を記憶部13に記録する。次いで、制御部11が、記録された操作情報を読み出し、小型電子棚札端末1−3に割り当てられている小型ESLコード“1003”を操作情報に関連付けて、無線通信部14を介して中継器5−3に送信する。これにより、中継器5−3が、アクセスポイント4を介して操作情報をESLサーバ3に送信する。
ESLサーバ3は、この操作情報を受信すると、管理装置記憶部33に記憶されているリンクリストを参照して、操作情報と関連付けられている小型ESLコード“1003”を検出する。そしてESLサーバ3は、この小型ESLコード“1003”と対応付けられている「不表示フラグ」の値を変更する。
すなわち、読み出したリンクリストが図8に示すような情報であった場合、ESLサーバ3は、小型ESLコード“1003”と対応付けられている「不表示フラグ」が“1”であるため、これを“0”に変更する。
【0068】
一方、図示しないが、小型ESLコード“1002”が割り当てられている小型電子棚札端末1−2の入力部16を介して操作情報が入力された場合、小型電子棚札端末102の無線通信部14は、この操作情報をESLサーバ3に送信する。そして、この操作情報を受信したESLサーバ3は、図8に示すリンクリストように、小型ESLコード“1002”と対応付けられている「不表示フラグ」の“1”を“0”に変更する。
【0069】
これにより、図8に示すようなリンクリストにおいて、小型ESLコード“1005”以降の情報を考慮しないとすると、図15に示す通り、位置情報「行(縦方向):1」、「列(横方向):2」である小型ESLコード“1002”の商品情報(商品名:草加煎餅)が画面の上方に、位置情報「行(縦方向):2」、「列(横方向):1」である小型ESLコード“1004”の商品情報(商品名:角煮饅頭)が画面の下方に表示される。
【0070】
この状態で、上述の通り、小型電子棚札端末1−2と小型電子棚札端末1−3の入力部16がユーザによって押下されると、それぞれから操作情報がESLサーバ3に送信され、ESLサーバ3が、図8に示すリンクリストの「不表示フラグ」を変更する。
従って、ESLサーバ3は、変更されたリンクリストを参照して、位置情報「行(縦方向):1」、「列(横方向):3」である小型ESLコード“1003”の商品情報(商品名:トマトソースバジリコ)が画面の上方、位置情報「行(縦方向):2」、「列(横方向):1」である小型ESLコード“1004”の商品情報(商品名:角煮饅頭)が画面の下方となる表示位置を決定し、表示画像データを作成する。よって、この表示画像データをESLサーバ3から受信した大型電子棚札端末2−1は、図16に示すような画像を表示入力部22に表示する。
【0071】
上述の通り、本実施形態によると、リンクリストにおいて関連付けられている小型電子棚札端末1と大型電子棚札端末2において、大型電子棚札端末2に表示するか否かを表わす操作情報を小型電子棚札端末1から送信するようにした。これにより、ESLサーバ3の操作手段を利用してリンクリストの情報を変更することなく、小型電子棚札端末1から当該小型電子棚札端末1に関連付けられている商品情報を大型電子棚札端末2に表示するか否かを変更することができ、販売店の店員等の負担を軽減することができる。
【0072】
なお、上述において、小型電子棚札端末1の入力部16は、押下されることによって、リンクリストにおける「不表示フラグ」を変更する例を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、位置情報の変更や商品情報の変更等の入力を受け付け、ESLサーバ3に送信するものであってもよい。そしてESLサーバ3は、小型電子棚札端末1から送信された操作情報を受信して、管理装置記憶部33に記憶されているリンクリストや商品管理情報を変更するものであってもよい。
【0073】
また、上述において、ESLサーバ3が、商品管理情報に基づきリンクリストを作成する例を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、以下のような方法を用いて、リンクリストを作成するものであってもよい。
例えば、ハンディ端末6が、小型電子棚札端末と商品とを関連付けるバーコードの読み取りモードにおいて、小型電子棚札端末1−1に表示される(又は取り付けられている)バーコードを検出したのち、続けてこの小型電子棚札端末1−1に関連付けられる商品に印刷されているバーコードを検出する。次いで、ハンディ端末6は、検出した小型電子棚札端末1−1のバーコードの情報と、商品のバーコードの情報とを、ESLサーバ3にまとめて転送する。
そして、ESLサーバ3は、この小型電子棚札端末1−1のバーコードの情報(例えば、小型ESLコード)と、商品のバーコードの情報(例えば、商品名)とを関連付けて、商品管理情報を作成するとともに、リンクリストを作成する。
【0074】
なお、ハンディ端末6は、小型電子棚札端末1−1〜1−nのバーコードを読み取った順番に従って、小型電子棚札端末1−1〜1−nのバーコードの情報を一次的に記憶しておき、この読み取った順番の通りに、小型電子棚札端末1−1のバーコードの情報と、商品のバーコードの情報とを関連付けてESLサーバ3に転送する。
これにより、ESLサーバ3は、読み取った順番に従って、各小型電子棚札端末1−1〜1−nに対して位置情報を割り当てるとともに、この位置情報を、小型電子棚札端末1−1のバーコードの情報(例えば、小型ESLコード)に関連付けて、商品管理情報を作成するとともに、リンクリストを作成する。
【0075】
次いで、ハンディ端末6が、小型電子棚札端末と大型電子棚札端末とを関連付けるバーコードの読み取りモードにおいて、小型電子棚札端末1−1に表示される(又は取り付けられている)バーコードを検出したのち、続けてこの小型電子棚札端末1−1に関連付けられる大型電子棚札端末2−1に表示される(又は取り付けられている)バーコードを検出する。そして、ハンディ端末6は、この小型電子棚札端末1−1のバーコードの情報と、この小型電子棚札端末2−1のバーコードの情報とを、ESLサーバ3にまとめて転送する。
そして、ESLサーバ3は、この小型電子棚札端末1−1のバーコードの情報(例えば、小型ESLコード)と、大型電子棚札端末2−1のバーコードの情報(例えば、大型ESLコード)とを関連付けて、商品管理情報を作成するとともに、リンクリストを作成する。このESLサーバ3は、リンクリストを作成する場合、各小型電子棚札端末1−1〜1−nに不表示フラグを関連付ける。このESLサーバ3は、例えば、リンクリスト作成時には、全ての小型電子棚札端末1−1〜1−nに対して、不表示フラグ“0”を関連付けておき、ESLサーバ3の入力部35から入力されたユーザからの操作に応じて不表示フラグを“1”あるいは“0”に変更するものであってもよい。
【0076】
これにより、ESLサーバ3は、少なくとも、小型ESLコードと、大型ESLコードと、商品名と、位置情報と、不表示フラグとがそれぞれ関連付けられたリンクリストを作成することができる。
【0077】
ここで、小型電子棚札端末1−1〜1−nの表示部12の上方に取り付けられている入力部12がユーザによって押下されると、小型電子棚札端末1−1〜1−nの制御部11は、この操作情報を記憶部13に記録する。次いで、制御部11が、記録された操作情報を読み出し、小型電子棚札端末1−1〜1−nに割り当てられている小型ESLコードを操作情報に関連付けて、無線通信部14を介して中継器5−3に送信する。これにより、中継器5−3が、アクセスポイント4を介して操作情報をESLサーバ3に送信する。
ESLサーバ3は、この操作情報を受信すると、管理装置記憶部33に記憶されているリンクリストを参照して、操作情報に関連付けられている小型ESLコードを検出する。そしてESLサーバ3は、この小型ESLコードと対応付けられている「不表示フラグ」の値を変更する。
また、上述のように、ハンディ端末6から読み取られたバーコードに基づき、小型電子棚札端末と商品とを関連付けて図8に示すようなリンクリストを作成した後、小型電子棚札端末1−3の入力部16が押下されることで、当該小型電子棚札端末と対応付けられている「不表示フラグ」の値を変更する構成であってもよい。
【0078】
[第2実施形態]
次に、他の実施形態に係る情報表示システムの一例について図17〜20を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態に係る情報表示システムの主な構成については、上述の第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0079】
本実施形態における情報表示システムは、複数の小型電子棚札端末1が取り付けられる場所として、在庫である物品を保管する物品棚であり、この物品棚を主に利用するユーザが在庫を管理する管理者であるという点で大きく異なる。なお、この物品棚は、図2に示すような商品棚と基本的構成は同じであり、ここでは、図2に示すように複数の小型電子棚札端末1が取り付けられている。
【0080】
また、本実施形態に係るESLサーバ3は、商品管理情報に代えて、図17に示す在庫管理情報を記憶する管理装置記憶部33を備える。図17は、在庫管理情報の一例を示す概略図である。
図17に示す通り、在庫管理情報は、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、「小型ESL情報」、「物品情報」、「位置情報」、「大型ESL情報」の各項目の列を有しており、これらが互いに対応付けられている。
【0081】
「小型ESL情報」は、「小型ESLコード」と、「サイズ」と、「カラー」とを含む。
「物品情報」は、複数の物品のうち個々の物品を識別するための識別情報である「物品コード」と、物品の名称を表わす「物品名」と、物品に予め割り振られている「型番」と、物品の在庫の数を表わす「在庫数」とが対応付けられている。なお、「在庫数」は、当該物品が出庫された場合、この出庫数が減算され、当該物品が入庫された場合、この入庫数が加算される変数である。
【0082】
「位置情報」は、複数の物品棚のうち個々の物品棚を識別するための識別情報である「物品棚番号」と、小型電子棚札端末1−1〜1−nの個々に割り当てられている「行(縦方向)」と「列(横方向)」とを含む。ここで、物品棚T11には物品棚番号1101が、物品棚T12には物品棚番号1102が、それぞれ割り当てられている。
「大型ESL情報」は、「大型ESLコード」と、「サイズ」と、「カラー」と、「表示データ(1)」、「表示データ(2)」とを含む。
ここで、「表示データ(1)」は、「物品情報」に含まれる複数の項目「物品名」「型番」「在庫数」を含む。また、「表示データ(2)」は、「物品情報」に含まれる複数の項目「物品名」「型番」に加えて、例えばESLサーバ3の入力部35を介してユーザから入力された「出庫数」とを含む。
【0083】
次に、図18を参照して、図17に示す在庫管理情報に基づきESLサーバ3によって作成されるリンクリストの一例について説明する。図18は、本実施形態におけるリンクリストの一例を説明する概略図である。
図18に示す通り、リンクリストは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、「大型ESLコード」と、「小型ESLコード」と、「物品情報」と、「位置情報」と、「不表示フラグ」とが対応付けられている。
【0084】
このリンクリストに含まれる「物品情報」は、大型ESLコードが表わす大型電子棚札端末2に表示される表示内容として、在庫管理情報において予め決められている「表示データ(1)」および「表示データ(2)」に含まれている情報であって、例えば、「物品名」、「価格」、「在庫数」、「出庫数」とを含む。この「出庫数」に対応する情報は、ESLサーバ3の入力部35を介してユーザから物品ごとの出庫数が入力されると、ESLサーバ3によって書き込まれる情報である。
また、「不表示フラグ」とは、「表示データ」に含まれる「物品情報」を大型電子棚札端末2に表示するか否かを表わす情報である。例えば、不表示フラグ“0”は対応付けられている「物品情報」が表示する情報であることを表し、不表示フラグ“1”は対応付けられている「物品情報」が表示されない情報であることを表す。
【0085】
ここでは、ESLサーバ3は、物品管理情報に基づき、大型ESLコード“101001”、“101002”の大型電子棚札端末2−1、2−2に対応付けられている小型ESLコード“1001”〜“1018”の小型電子棚札端末1−1〜1−14、1−21〜1−24に関する「物品情報」と「位置情報」とを読み出し、リンクリストを作成する。そして、ESLサーバ3は、例えば、ESLサーバ3の入出力部54から入力されたユーザからの操作に応じて、大型電子棚札端末2に表示データを表示するか否かを表わす「不表示フラグ」を「小型ESLコード」に対応付けてリンクリストに記憶させる。
【0086】
次に、図17に示す在庫管理情報に基づき、ESLサーバ3が図18に示すリンクリストを作成した後、このリンクリストに基づき大型電子棚札端末2および小型電子棚札端末1の表示を変更する例について説明する。なお、リンクリストの作成方法については第1実施形態と同様であるため、詳細な説明については省略する。
【0087】
はじめに、ESLサーバ3は、図17に示した在庫管理情報を参照して、表示データ(1)に基づき、各小型電子棚札端末1−1〜1−nに対して送信する表示画像データを作成し、各小型電子棚札端末1−1〜1−nに送信する。
例えば、ESLサーバ3は、小型ESLコード“1002”の小型電子棚札端末1−2に対して、図19(a)に示すように、「物品名」が“ボールペン(赤)”、「型番」が“700−00811”、「在庫数」が“528本”である表示画像データを作成し、送信する。これにより、小型電子棚札端末1−2は、図19(a)に示すような画像を表示する。
【0088】
ここで、ESLサーバ3の入力部35を介してユーザから出庫数を表示する操作情報が入力されると、ESLサーバ3、図18に示したようなリンクリストを参照して、図20に示すような表示画像データを作成して大型電子棚札端末2−1に送信するとともに、図19(b)に示すような表示画像データを作成して小型電子棚札端末1−2に送信する。
具体的に説明すると、ESLサーバ3は、リンクリスト(図示せず)を参照して、例えば、大型ESLコード“101001”と不表示フラグ“0”と対応付けられている小型ESLコード“1001”、“1002”、“1003”を検出し、大型電子棚札端末2−1と対応付けされている小型電子棚札端末1−1〜1−3の数である実リンク数として“3”を検出する。そして、ESLサーバ3は、この実リンク数“3”と、予め決められている最大リンク数(例えば、“4”)とを比較して、作成する画面数を決定する。なお、ここでは、画像数を“1”と決定する。
【0089】
次いで、ESLサーバ3は、決定した画面数“1”に応じて、1つの画面における表示領域の分割数を“3”と決定する。
【0090】
そして、ESLサーバ3は、第1の画面に配置される「物品情報」とリンクリストにおいて対応付けられている位置情報に基づき、画面において各物品情報を表わす画像が表示される表示位置を決定する。
例えば、小型ESLコード“1001”、“1002”、“1003”の小型電子棚札端末1−1〜1−3は、それぞれの「位置情報」を参照すると、小型ESLコード“1001”の小型電子棚札端末1−1が1段目の紙面において左、小型ESLコード“1002”の小型電子棚札端末1−2が1段目の中央、小型ESLコード“1003”の小型電子棚札端末1−3が1段目の紙面において右、にそれぞれ配置されている。
【0091】
よって、ESLサーバ3は、この「位置情報」に基づき、これら3つの小型電子棚札端末1−1〜1−3が配置されている位置関係を解析して、画面における各「物品情報」の表示位置を、小型ESLコード“1001”の「物品情報(物品名:ボールペン(黒))」を紙面において左、小型ESLコード“1002”の「物品情報(物品名:ボールペン(赤))」を中央、小型ESLコード“1003”の「物品情報(物品名:ボールペン(青))」を紙面において右と、各物品情報の表示位置を決定する。
【0092】
そして、ESLサーバ3は、このようにして決定された表示位置で、在庫管理情報の「表示データ(2)」に含まれる内容(物品名、型番、出庫数)を予め決められた位置に表示する表示画像データを作成する。この表示画像データは、図20に示すように、各物品情報が横並びに表示されている。
【0093】
次いで、ESLサーバ3は、上述において決定した画面数に応じて大型電子棚札端末20に画像が表示される表示時間を決定し、画面数が複数ある場合は、この画面数に応じて周期表示時間を分割する。ここで、画面数は“1”であるため、ESLサーバ3は、周期表示時間を分割することなく、図20に示すような1つの画面データを連続して大型電子棚札端末20に表示させる。
【0094】
また、ESLサーバ3は、リンクリストを参照して、大型電子棚札端末20に送信する表示画像データを作成するとともに、この大型電子棚札端末20に表示される物品情報を表示している小型電子棚札端末に送信する表示画像データを作成する。
【0095】
具体的に説明すると、ESLサーバ3は、リンクリストを参照して、「大型ESLコード」と「不表示フラグ」の“0”と対応付けられている小型ESLコード“1001”〜“1003”を検出すると、この小型ESLコードが表わす小型電子棚札1−1〜1−3のそれぞれに対して表示画像データを作成する。
例えば、小型ESLコード“1002”の小型電子棚札端末1−2に対して送信する表示画像データについて説明すると、ESLサーバ3は、図19(a)に示す通り大型電子棚札端末2−1において同時に表示されていない状態における画像と区別するように異なる表現で表わされる図19(b)に示すような表示画像データを作成する。ここでは、「物品名」と「型番」を表わす表示領域の色を反転して表示する画像とすることで、図19(a)に示すような「物品名」と「品番」と区別するようにした。また、図19(a)において「在庫数」が表示されて表示領域において、「出庫数」を表示することによって、大型電子棚札端末2に表示されている物品情報と同じ情報を、小型電子棚札端末においても表示するようにした。
【0096】
ここで、例えば、管理者によって24本のボールペン(赤)が取り出され、管理者によって小型電子棚札端末1−2の入力部16を介して出庫が完了したことを表わす操作情報が入力された場合、小型電子棚札端末1−2は、この操作情報をESLサーバ3に送信する。
【0097】
これにより、ESLサーバ3は、リンクリストを参照して「在庫数」から「出庫数」を減算した、現在の「在庫数」を算出する。ここでは、在庫数528本から出庫数24本を減算して、現在の在庫数504本を算出する。
そして、ESLサーバ3は、図19(c)に示す通り、「物品名」と「型番」と、算出した「在庫数(504本)」を表わす表示画像データを作成して、小型電子棚札端末1−2に送信する。これにより小型電子棚札端末1−2は、図19(c)に示すような画像を表示する。
なお、このように「在庫数」を表わす画像を作成する場合、「物品名」と「型番」を表示する表示領域は、図示の通り、最新の在庫数を表わす内容を表示する。
【0098】
上述の通り、本実施形態に係る情報表示システムは、リンクリストを参照して大型電子棚札端末2に表示される表示画像データを作成するとともに、この表示画像データが表示されている際、大型電子棚札端末2に表示されている物品情報と同じ情報を表示する小型電子棚札端末1に表示される表示画像データを作成するようにした。これにより、大型電子棚札端末2において、複数の物品情報に関する情報を表示するとともに、各物品陳列されている付近に取り付けられている小型電子棚札端末においても、他の小型電子棚札端末とは異なる表現で表わされた画面を表示することができる。
よって、大型電子棚札端末2に表示される表示位置を物品棚における物品に配置位置に対応させるとともに、各物品の付近での表示も変化させることにより、小型電子棚札端末1および大型電子棚札端末2は、ユーザに分かりやすい表示を実現することができる。
また、上述の通り、図19(a)に示す画面を、図19(b)に示す画面に変更することで、作業者が物品棚の前で出庫すべき物品を簡単に確認することができる。さらに、物品を出庫後は、入力部16を介してその旨がESLサーバ3に送信されることによって、最新の情報に更新された在庫数が、図19(c)に示す通り小型電子棚札端末1に表示することができる。
例えば、倉庫内に配置された複数の物品棚が列をつくって並べられている場合、作業者が通過する通路側に面する物品棚の側面に、大型電子棚札端末2を取り付けることが好ましい。これにより、作業者は、物品棚の小型電子棚札端末1が取り付けられている場所を1つ1つ確認せずとも、通路を通りながら、通路側の物品棚の側面に取り付けられた大型電子棚札端末2を確認するだけで、当該物品棚に出庫する物品が置いてあるか否かを判断することができる。
【0099】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店の商品棚に付ける小型電子棚札端末として説明したが、本発明は、電子棚札に限られるものではなく、小売店で販売される商品等の情報以外の情報を表示する情報表示装置として用いてもよい。
例えば、第2実施形態において説明したように、倉庫等において、保管物を保管しておく棚や、保管物を収めた箱や、保管物自体に付けて、その保管物の内容について電子的に情報を表示するラベルや札として用いてもよい。
【0100】
また、銀行等の書類を扱う業務において、用紙置き場に配置し、用紙の説明や残り枚数を表示する表示装置として用いてもよい。また、さらに、工場等において、作業員への作業指示を表示するパネルや部品を置く棚に付けて、部品の分類等の情報を電子的に表示するラベルや札として用いてもよい。
【0101】
上述のESLサーバ3、小型電子棚札端末、大型電子棚札端末20は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した情報表示システムにおける小型電子棚札端末、大型電子棚札端末20に表示する情報を変更する処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0102】
また、上述した各実施形態では、大型電子棚札端末2が大型の液晶ディスプレイやタッチパネルなどを備えた例を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、大型電子棚札端末2は、複数の商品の情報等を含む多量の情報を同時に表示することができる装置であればよい。例えば、プロジェクタやヘッドマウントディスプレイのように、物理的には、小型電子棚札端末1の表示画面よりも大型ではないが、小型電子棚札端末1に比べて表示可能な情報量が多い装置を大型電子棚札端末2として用いてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 小型電子棚札
2 大型電子棚札
3 ESLサーバ(管理サーバ)
4 アクセスポイント
5 中継機
6 ハンディ端末
7 POSサーバ
8 POSレジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画像データが表わす画像を表示する表示部を備える複数の情報表示装置と、これら複数の情報表示装置に前記表示画像データを送信する管理サーバとを備える情報表示システムであって、
前記複数の情報表示装置は、
予め決められた表示対象物に関する少なくとも1つの表示対象情報を表わす第1表示画像データを前記管理サーバから受信して当該第1表示画像データに基づく画像を表示する第1表示部をそれぞれ備える複数の第1情報表示装置と、
前記複数の第1情報表示装置の配置関係に応じて前記管理サーバによって作成される第2表示画像データを受信して当該第2表示画像データに基づく画像を表示する第2表示部を備える第2情報表示装置と、を含み、
前記管理サーバは、
前記複数の情報表示装置のうち個々の前記第2情報表示装置を識別するための第2識別情報と、前記複数の第1情報表示装置において互いの位置関係を表わす位置情報とがそれぞれ対応付けられている情報を記憶する記憶部を参照して、前記第2表示部の画面内において前記表示対象情報が表わす画像が表示される表示位置を決定し、当該表示位置で前記表示対象情報を表わす前記第2表示画像データを作成する
ことを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
前記第2表示部の1つの画面内に同時に表示される前記対象情報の数として予め決められている表示最大数に応じて前記表示位置を決定し、前記第2表示画像データを作成することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
前記第2表示部の1つの画面内に同時に表示される前記対象情報の数として予め決められている表示最大数よりも多くの前記対象情報に基づき前記第2表示画像データを作成する場合、異なるタイミングで前記第2情報表示装置において表示される複数の画像データを含む第2表示画像データを作成することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記第2情報表示装置は、
前記表示最大数よりも多くの前記対象情報に基づき前記管理サーバによって作成された前記複数の画像データを含む第2表示画像データを前記管理サーバから受信した場合、前記表示最大数以下の前記対象情報を表わす前記第2表示画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示する時間よりも短い時間で、前記第2表示画像データに含まれる各画像データを表示することを特徴とする請求項3に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、
前記複数の情報表示装置のうち個々の前記第1情報表示装置を識別するための第1識別情報と、前記第2識別情報と、前記位置情報と、前記表示対象情報とがそれぞれ対応付けられている管理情報を記憶する前記記憶部を参照して、前記第1識別情報と対応付けられている前記表示対象情報を含む前記第1表示画像データを作成するとともに、当該管理情報を参照して前記第2識別情報と対応付けられている前記第1識別情報あるいは前記表示対象情報のうち少なくともいずれか一方を含む前記リンク情報を作成することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記第1表示部の画面は、前記第2表示部の画面に比べて小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項7】
前記複数の第1情報表示装置は、仕分けされた複数の商品が商品毎に陳列されている商品棚に配置され、配置された付近の商品に関する商品情報を前記表示対象情報として前記第1表示部に表示することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、
前記第2情報表示装置において表示される前記表示対象情報と異なる前記表示対象情報を含む前記第1表示画像データに対して、前記第2情報表示装置において表示される前記表示対象情報と同一の前記表示対象情報を含む前記第1表示画像データを区別するように異なる表現で表される前記第1表示画像データを作成することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項9】
前記第1情報表示装置は、
ユーザからの操作入力を受け付ける第1操作部を備え、当該第1操作部を介して受け付けた操作入力を表わす操作情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1情報表示装置から対応付けられている前記表示対象情報を前記第2情報表示装置において表示することを表わす前記操作情報を受信した場合、当該操作情報を送信した前記第1情報表示装置を表わす前記第1識別情報、あるいは、当該第1情報表示装置と対応付けられている前記表示対象情報のうちいずれか一方と、当該操作情報を送信した前記第1情報表示装置の前記位置情報とを、前記リンク情報における前記第2識別情報と対応づけることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項10】
表示画像データが表わす画像を表示する表示部を備える複数の情報表示装置である第1の情報表示装置と、当該第1情報表示装置と異なる第2の表示装置と通信可能に接続されている管理サーバにおいて、
前記複数の情報表示装置のうち個々の前記第2情報表示装置を識別するための第2識別情報と、前記複数の第1情報表示装置において互いの位置関係を表わす位置情報とがそれぞれ対応付けられている情報を記憶する記憶部と、
この記憶部を参照して、前記第2表示部の画面内において前記表示対象情報が表わす画像が表示される表示位置を決定し、当該表示位置で前記表示対象情報を表わす前記第2表示画像データを作成する制御部と
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項11】
請求項1から9に記載のいずれかの情報表示システムを備えたことを特徴とする電子棚札システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−96039(P2011−96039A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250004(P2009−250004)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)