説明

情報表示システムおよび画像データ生成装置

【課題】表示装置に表示させる画像データを作成する場合、より効率的に画像データを作成できるようにする。
【解決手段】画像データ生成装置は、予め下絵データおよびCSV形式の時刻データを記憶する。そして、選択された下絵データを読込みを下絵画像を表示する。さらに、画像データ生成装置は、選択された時刻データを読込み、下絵画像と重ねて表示する。次に、画像データ生成装置は、表示している画像に対応するビットマップ形式の画像データを生成する。そして、画像データ生成装置は、ビットマップ形式の画像データを、表示装置が備える液晶表示素子で画像を表示するための画像データに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示することによって多数の人に情報を提供することができる情報表示システム、およびその情報表示システムに適用される画像データ生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の人に情報を提供することができる情報提供媒体の例として、例えば、棚札、広告、鉄道会社の駅に置かれている時刻表等がある。これらの情報提供媒体として、印刷された紙や樹脂板等が用いられる。そのため、表示内容(すなわち情報)が変更されると、印刷物を人手によって交換する作業が行われる。従って、表示内容の変更に伴い、多くの資源、時間、作業、およびコストが必要とされる。例えば、駅に置かれている時刻表の表示内容を更新する場合、新たな時刻データをもとに樹脂板に印字を行って新規に時刻表を作成するが、この作業には多くの時間を要する。
【0003】
そこで、表示内容を更新可能な表示装置に、画像データを送信して時刻表の表示を更新する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、特許文献1では、表示装置に送信する画像データを効率的に生成できるように、画像データを生成する制御装置が、入力画面を表示して、行先、発車時刻等をユーザに入力させることが記載されている。入力画面には、行先、発車時刻の入力欄が設けられ、その入力欄に行先や時刻が入力される。制御装置は、入力された情報を表示する時刻表の画像データを生成し、表示装置に送信する。
【0004】
また、特許文献1に記載された制御装置は、ユーザの操作に従って、予め記憶されている元画像を表示させる。元画像は、具体的な行先や時刻が表示されていない画像である。制御装置は、元画像と、入力された情報とに基づいて、時刻表の画像データを生成する。
【0005】
【特許文献1】特開2005−70348号公報(段落0017−0052)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された制御装置は、行先、発車時刻の入力欄を有する入力画面を表示する。一つの入力欄に入力可能な時刻は一つであるので、多数の時刻の情報を入力するには、入力画面内に入力欄を多数設けなければならない。しかし、入力画面内に表示可能な入力欄の数には限りがあるので、入力したい情報を入力画面内に一度に入力できない場合が生じる。そのため、入力したい情報に応じた入力欄を有する他の入力画面を表示できるようにしなければならない。例えば、特許文献1には、平日や休日の始発や終発の時刻の入力欄を有する入力画面が例示されているが、始発や終発以外の時刻を入力するためには、その時刻に応じた入力欄を有する入力画面も表示できるようにしなければならない。このように、ユーザが一つの入力画面に所望の情報を全て入力できない場合があると、ユーザの情報入力作業負担が増加することになってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、表示装置に表示させる画像データを作成する場合、より効率的に画像データを作成できるようにする情報表示システムおよび画像データ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様1は、液晶表示素子に画像を表示する表示装置と、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成装置とを備えた情報表示システムであって、画像データ生成装置が、下絵画像のデータである下絵画像データと、下絵画像に重ねて表示する文字または図形を含む重畳用データ(例えば、時刻データ105)とを記憶する記憶手段(例えば、記憶装置102)と、重畳用データに含まれる文字または図形を下絵画像に重ねた画像のビットマップ形式の画像データを生成するビットマップデータ生成手段(例えば、制御部101)と、前記ビットマップ形式の画像データから、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成手段(例えば、制御部101)とを有し、表示装置が、前記画像データ生成手段によって生成された画像データを受信する受信手段(例えば、メイン制御部183および通信部182、またはメイン制御部183および通信インタフェース部)と、受信手段が受信した画像データに基づき、液晶表示素子に画像を表示する駆動手段(例えば、駆動回路189)とを有することを特徴とする情報表示システムを提供する。
【0009】
本発明の態様2は、態様1において、画像データ生成装置が、画像を表示する時刻を指定する指定時刻情報と、画像データ生成手段によって生成された画像データとを表示装置に送信する送信手段(例えば、制御部101および通信部108)を有し、表示装置の受信手段が、画像データと指定時刻情報とを受信し、表示装置が、指定時刻情報が指定する時刻になったか否かを判定する時刻判定手段(例えば、サブCPU171および時計回路173)と、指定時刻情報が指定する時刻になったと判定されたときに、駆動手段に、受信手段が受信した画像データに基づいて、液晶表示素子の表示画像を更新させる制御手段(例えば、メイン制御部183)とを有する情報表示システムを提供する。
【0010】
本発明の態様3は、態様1において、画像データ生成装置が、画像データ生成手段によって生成された画像データを表示装置に送信する送信手段(例えば、制御部101および通信部108)を有し、表示装置が、受信手段が画像データを受信したときに、前記画像データに基づいて、駆動手段に液晶表示素子の表示画像を更新させる制御手段(例えば、メイン制御部183)を有する情報表示システムを提供する。
【0011】
本発明の態様4は、態様1において、表示装置が、予め指定された時刻になったか否かを判定する時刻判定手段(例えば、サブCPU171および時計回路173)と、予め指定された時刻になったと判定されたときに、画像データ生成装置に対して、画像データ生成手段によって生成された画像データを要求する要求手段(例えば、メイン制御部183)と、要求手段が要求した画像データを受信手段が受信したときに、前記画像データに基づいて、駆動手段に液晶表示素子の表示画像を更新させる制御手段(例えば、メイン制御部183)とを有する情報表示システムを提供する。
【0012】
本発明の態様5は、態様1、2、3、または4において、記憶手段が、重畳用データとして、文字を含むCSV形式のデータを記憶する情報表示システムを提供する。
【0013】
本発明の態様6は、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成装置であって、下絵画像のデータである下絵画像データと、下絵画像に重ねて表示する文字または図形を含む重畳用データ(例えば、時刻データ105)とを記憶する記憶手段(例えば、記憶装置102)と、重畳用データに含まれる文字または図形を下絵画像に重ねた画像のビットマップ形式の画像データを生成するビットマップデータ生成手段(例えば、制御部101)と、前記ビットマップ形式の画像データから、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成手段(例えば、制御部101)とを備えたことを特徴とする画像データ生成装置を提供する。
【0014】
本発明の態様7は、態様6において、画像データ生成手段によって生成された画像データを、画像を表示する表示装置に送信する送信手段(例えば、制御部101および通信部108)を備えた画像データ生成装置を提供する。
【0015】
本発明の態様8は、態様7において、送信手段が、画像データと、画像を表示する時刻を指定する指定時刻情報とを表示装置に送信する画像データ生成装置を提供する。
【0016】
本発明の態様9は、態様6、7、または8において、記憶手段が、重畳用データとして、文字を含むCSV形式のデータを記憶する画像データ生成装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、記憶手段が記憶する重畳用データを変更すれば、新たな画像データを生成することができる。従って、効率的に画像データを作成することができる。その結果、作業者の作業負担を軽減し、また、画像データを作成するために要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
[実施の形態1]図1は、本発明の第1の実施の形態の構成例を示す説明図である。情報表示システムは、表示装置80と、画像データ生成装置100とを備える。以下、表示装置80が鉄道会社の駅等に設置され、時刻表を表示する場合を例にして説明する。図1では、表示装置80を一台のみ示しているが、表示装置80は複数台設置される。
【0020】
画像データ生成装置100は、時刻表の画像データを生成し、その画像データを表示装置80に送信する。表示装置80は、画像データ生成装置100から受信した画像データによって時刻表を表示する。
【0021】
画像データ生成装置100は、例えば、各駅に配置され、駅員によって操作される。ただし、画像データ生成装置100の配置場所や、画像データ生成装置100の操作者は、各駅や駅員に限定されるわけではない。ここでは、画像データ生成装置100が各駅に配置され、駅員によって操作される場合を例にして説明する。
【0022】
表示装置80および画像データ生成装置100は、それぞれ通信を行う通信部を備える。画像データ生成装置100の通信部は表示装置80に向けて画像データを送信し、表示装置80の通信部は、その画像データを受信する。画像データ生成装置100と表示装置80との間の通信形態は、無線通信であっても、有線通信であってもよい。無線通信で画像データを送受信する場合、例えば、Bluetooth(登録商標)による無線通信で画像データを送受信してもよい。また、Bluetooth(登録商標)以外の帯域の電波を用いて画像データを送受信してもよい。また、赤外線通信によって画像データを送受信してもよい。画像データ生成装置100と表示装置80とが、無線通信を行う場合、表示装置80および画像データ生成装置100の設置場所の自由度を高めることができる。ただし、画像データ生成装置100以外の任意の装置が表示装置80にアクセスしてしまい、表示装置80の表示を変更してしまうことを防止するため、認証処理によるアクセス制御を行うことが好ましい。有線通信で画像データを送受信する場合、例えばRS232Cによる有線通信で画像データを送受信してもよい。
【0023】
図2は、画像データ生成装置100の構成例を示すブロック図である。画像データ生成装置100は、制御部101と、記憶装置102と、入力部106と、表示部107と、通信部108とを備える。
【0024】
制御部101は、記憶装置102が記憶する画像生成プログラム103に従って、時刻表の画像データを生成する。また、制御部101は、通信部108によって画像データを表示装置80(図1参照。)に送信する。また、制御部101は、表示装置80における時刻表の画像の書き換えの指定時刻の情報も、通信部108によって画像データを表示装置80に送信する。
【0025】
記憶装置102は、画像生成プログラム103、下絵データ104、時刻データ105を記憶する。
【0026】
下絵データ104は、時刻表において背景となる画像であり、テンプレートとしての役割を果たす。下絵データ104は一種類とは限らず、例えば、休日用下絵データ、平日用下絵データ等のように複数個の下絵データが記憶装置102に記憶されてもよい。
【0027】
時刻データ105は、列車の発車時刻の情報を含むCSV(Comma Separated Value )形式のデータである。時刻データ105も一種類とは限らず、例えば、休日用時刻データ、平日用時刻データ等のように複数個の時刻データ105が記憶装置102に記憶されてもよい。時刻データ105には、時間帯(例えば、6時台、7時台等)毎に、発車時刻の「分」を示す数字が含まれる。その時刻に発車する列車に関する情報として、他の列車と区別すべき情報(例えば、特急、急行等の列車の種別や、行き先等)があれば、「分」を表す数字と対応付けて時刻データ105に含められる。なお、CSV形式の時刻データは、例えば、鉄道会社の職員(管理部門の職員等)または鉄道会社に委託された他の会社の職員によって作成される。時刻表が変更される場合は、CSV形式の時刻データ105が、ユーザによって編集されてもよい。
【0028】
CSV形式の時刻データは、縦横に並んだ升目に数字や文字を入力可能な表計算ソフトウェアに従って動作する情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ。図示せず。)で作成したり、編集したりすることができる。情報処理装置が、表計算ソフトウェアを起動し、作成されたCSV形式の時刻データを読み込んで表示した場合、発車時刻の「分」を示す数字や、列車の情報(列車の種別や行き先)が縦横に並んだ各升目に表示されるので、ユーザにとって見やすく、また、編集しやすい。
【0029】
下絵データ104および時刻データ105の具体例については後述する。
【0030】
入力部106は、ユーザ(本例では駅員)から情報が入力されたり、ユーザに操作される入力デバイスである。例えば、入力部106は、キーボードやマウス等によって実現される。表示部107は、LCD等のディスプレイ装置であり、各種画像や、入力部106に入力された情報等を表示する。
【0031】
通信部108は、制御部101により制御され、制御部101が生成した画像データを表示装置80(図1参照。)に送信する。
【0032】
制御部101は、画像生成プログラム103に従って、ユーザの操作に応じて、下絵データ104を読み込み、表示部107に表示させる。さらに、ユーザによって選択された時刻データ105を読み込み、発車時刻の「分」を示す数字を、下絵データの画像(以下、下絵画像と記す。)に重ねるようにして表示させる。このとき、「分」を表す数字とともに、列車の情報(列車の種別や行き先)が時刻データ105に含まれているならば、その「分」を表す数字の表示態様を変化させる。例えば、「分」を表す数字の色を変えたり、その数字を四角で囲んだり、また、行き先を示す文字を付加したりする。さらに、制御部101は、その表示画面、すなわち、下絵画像に数字を貼り付けた(重ねた)画像に対応する一つのビットマップ画像のデータを生成する。続いて、制御部101は、そのビットマップ画像のデータを、表示装置80が備える液晶表示素子で画像を表示するための画像データに変換する。制御部101は、その画像データを表示装置80(図1参照。)に送信する。
【0033】
図3は、表示装置80を模式的に示す正面図である。表示装置80において、メモリ性を有する表示素子が用いられている。メモリ性とは、駆動電圧が実質的に0Vの状態で、表示情報を保持できる性質をいう。メモリ性を有する表示素子として、例えばコレステリックまたはカイラルネマチック液晶表示素子(以下、CL−LCDということがある)がある。図3に例示する表示装置80は、8枚のカイラルネマチック液晶表示素子1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H(以下、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hと表記する。)の前面に前面板(ガラス基板)10が設置された構成である。
【0034】
なお、メモリ性を有する表示素子として、CL−LCDの他に、反強誘電性液晶表示素子(以下、AF−LCDという。)等がある。また、カラー表示ではなくモノクロ4階調程度の表示を行えばよい場合には、マイクロカプセル型電気泳動方式の表示素子を用いてもよい。しかし、表示装置80として、低消費電力化が可能で、マルチカラー表示をすることができるCL−LCDを使用することが好ましい。
【0035】
それぞれのカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのサイズは、例えば、横440mm、縦68mmであり、それぞれのカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hと隣接するカイラルネマチック液晶表示素子との間に、約25mmの間隔が設けられている。一例として、8枚カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのうちの7枚は、3時間分の列車の発車時刻を表示する。残りの1枚は、例えば、平日用時刻表であるか休日用時刻表であるのかを示す情報や、列車の進む方面(例えば、「ZZ方面」等)を示す情報の表示用として用いられる。
【0036】
なお、平日用、休日用等の複数の時刻表を表示するには、図3に例示する表示装置80を複数個隣接させたり、または表示装置80の背面同士を対向させたりするようにして設置すればよい。この場合、各々の表示装置80に対して一つの通信部を設けることもできるが、複数の表示装置を一つの組として、一つの通信部を設置することが簡便で好ましい。
【0037】
表示装置80には、時刻表を表示する部分の他に、図3において破線で示すように、印刷等の手法によって情報が形成される情報表示領域が設けられていてもよい。情報表示領域は、図3に示す表示装置80では、表示装置80上側に設けられているが、他の部分に設けられていてもよい。そのような情報表示領域には、一般に、鉄道会社や駅名を示す表示、広告的な表示などの、表示内容が固定的である表示が形成される。
【0038】
図4は、図3におけるP−Q断面の部分断面図である。なお、図4では、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのうちの2枚のカイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hのみが示されている。図4において、前面板10とカイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hとの間には衝撃吸収性の透明樹脂層12が挟持されている。このように、大型の表示面を有する表示素子の表示面に応力が生じないように柔らかい樹脂が配置される。透明樹脂層12は、人間が通常程度の打撃力を前面板10に与えても、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示状態が変化しないようにするためのものである。
【0039】
カイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hの背面側に、カイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hを駆動する電子回路や内蔵電源などを収容した電気回路ブロック13が配置されている。さらに、それらの部材を保護するように筐体14が設けられ、前面板10と密着するように固定化されている。筐体14には、動作試験用の端子、内蔵電源に充電するための給電端子、および保守用の蓋などが設られていてもよい。図4に示す構成では、表示装置80の上側の2つの隅が、ボルト付き支柱90で壁面91に固定される。なお、表示装置80を、壁面91に固定するのではなく、天井等から吊り下げられるように設置したり、壁面等に設けられた凹部にはめ込むように設置してもよい。
【0040】
前面板10の表側の全面には、反射防止の透明フィルム11が設けられている。透明フィルム11として、アークトップ(登録商標)などの透明ふっ素樹脂フィルムを用いることが好ましい。透明フィルム11は、防護フィルムとしての機能をも備えている。また、前面板10の裏面側において、筐体部分の外側部分(額縁部分)には、表側から利用者が背後を見通すことがないよう、曇りガラス状の半透明フィルム15を設置することが好ましい。これによって、表側から画面領域を視認する利用者が、表示装置80の表示面を視認でき、情報を的確に把握しやすくすることができる。
【0041】
CL−LCDは相転移型の動作を有する。相転移型とは、入射光の一部を選択反射するプレナー状態(以下、PL状態という。)および入射光を散乱させるフォーカルコニック状態(以下、FC状態という。)の少なくとも2状態で安定であり、電極間に所定の電圧を印加することで、液晶をPL状態またはFC状態に転移させることができることをいう。
【0042】
図5は、CL−LCDを2層積層して形成した液晶表示素子20の模式的断面図である。液晶表示素子20は、図3に示すカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのそれぞれに相当する。CL−LCDを駆動するために、一般に、単純マトリクス駆動法が用いられる。行電極26を設けた第1基板22と列電極27を設けた第2基板23の電極面を直交配置するように対向させる。第1基板22と第2基板23は周辺シール材24を介して圧着され、セル空間が形成され、その内部にカイラルネマチック液晶層25が注入される。
【0043】
第1基板22には引出電極群28が形成されている。第1基板22の行電極26は、引出電極群28内の所定の電極に直接接続されているが、第2基板23の列電極27は、周辺シール材24に含まれている導電ビーズなどのトランスファ材を介して引出電極群28内の所定の電極と導通がとられている。トランスファ材を使用せずに、引出電極群28を第1基板22と第2基板23とのそれぞれに形成してもよい。第1基板22の裏面側には、黒色の艶消し塗料が着色層29として塗布されている。
【0044】
対向して配置された行電極26と列電極27との間に印加される電圧によってカイラルネマチック液晶層25が駆動され、その相状態の転移が制御され表示が行われる。CL−LCDでは、偏光板を用いずに表示を行うことができる。そして、CL−LCDは第1基板22の引出電極群28に、一旦電圧を印加して所定の表示状態に置いた後に、電源を遮断しても、その表示状態が維持される。なお、AF−LCDでは、表示状態を保持するために保持電圧を印加する必要がある。また、上記のように、メモリ性の表示素子として、電気泳動素子を用いることもできる(特表2001−500172号参照)。
【0045】
さらに、CL−LCDにおいて、保持された表示状態を他の表示状態に転移させるには、再度所定の電圧を印加すればよい。その際に、一旦表示面の全面を消去してから、次の表示に必要な電圧を印加することが好ましい。すなわち、使用上の観点から直前の表示を完全に消去した後に、新しい表示に書き換えることが好ましい。通常、表示面全体をPL状態にすることで、選択反射の色を描画し、FC状態にすることで微散乱状態におき、裏面側の艶消し色(黒色塗料)を表示させ、表示を行うことができる(例えば、特開2001−337314号公報参照)。本実施の形態では、CL−LCDは2層構造とされ、相互に補色関係の選択反射波長を備えるカイラルネマチック液晶表示素子が用いられる。
【0046】
2層構造を形成する2つの液晶セル間には接着層が形成される。また、2つの液晶セルは、それぞれの画素が空間的に一致するように配置、接着される。
【0047】
そして、本実施の形態では、2層型液晶セルの各選択反射波長を設定することにより、表側から白色、黒色、青色、橙色の4色を呈するように構成する。さらに、上記の4色に加えて、例えば、茶色、紺色、灰色、水色の4色を表示することも可能である。液晶パネルのドットマトリックスに対応する画素は自由に表示を変更することができる。
【0048】
表示装置80の稼働時の消費電力を低減するために、制御系を、電源制御系と、主制御系と、液晶表示素子駆動系とに分ける。表示装置80に設けられている主電源スイッチがオンしていると、定常状態(表示装置80の制御に関するイベントが生じていない状態であって、表示を行っている状態)では、電源制御系にのみ給電(電力供給)される。すなわち、表示装置80に設けられている主電源スイッチがオンしている状態では、電源制御系には常時給電される。表示装置80の制御に関するイベントが生ずると、主制御系に対する給電が行われ主制御系が動作可能状態になる。表示装置80の制御に関するイベントが液晶表示素子の表示の書き換えを伴う場合には、液晶表示素子駆動系にも給電される。イベントの例として、予め指定された時刻になったことに起因する表示装置80の液晶表示素子の表示の書き換えが挙げられる。
【0049】
図6は、表示装置80における電気回路ブロック13の回路構成例を、カイラルネマチック液晶表示素子とともに示すブロック図である。なお、図6には、図3に示されたカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのうち、カイラルネマチック液晶表示素子1Aとそれを駆動する駆動回路189のみが例示されている。通信部182は、アンテナ181を介して画像データ生成装置100との通信を行う回路である。メイン制御部183は、例えばマイクロコンピュータ(MPU)で実現され、通信部182が表示データを受信すると、表示データをメモリ回路188に記憶させる。メモリ回路188として、例えば不揮発性のフラッシュメモリ(フラッシュROM)が用いられる。従って、メモリ回路188は、記憶すべき表示データが更新されるとき以外の期間では給電を受ける必要はない。
【0050】
また、メイン制御部183は、指定された時刻に、駆動回路189に表示データを与えて、カイラルネマチック液晶表示素子1Aの表示内容を、表示データにもとづいて書き換えさせる。本実施の形態では、画像データ生成装置100が、画像データとともに指定時刻の情報を表示装置80に送信する。表示装置80のメイン制御部は、指定時刻の情報を受信すると、その指定時刻の情報を時計回路173に通知する。そして、時計回路173は、指定された時刻になったときに、その旨の通知(指定された時刻になったことを示す信号)を出力する。
【0051】
書き換えの方法は、既に説明したように、一旦表示面の全面を消去してから、次の表示に必要な電圧を印加することが好ましい。すなわち、使用上の観点から直前の表示を完全に消去した後に、新しい表示に書き換えることが好ましい。なお、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示を更新させる際に、メイン制御部183は、いずれかのカイラルネマチック液晶表示素子に対応した駆動回路がそのカイラルネマチック液晶表示素子の書き換えを行っているときには、他のカイラルネマチック液晶表示素子に対応した駆動回路に駆動動作を行わないように制御する。すなわち、メモリ性を有する複数の表示素子(例えば、4以上、本実施の形態では8)を備えている場合に、そのうちの一つの表示素子の表示を更新させる際に、他のすべての表示素子の表示電極に印加される電圧をオフとし、複数のメモリ性を有する表示素子を順に書き換える。ある表示素子の表示を書き換えを行う際に、他の表示素子の表示はそのメモリ性表示機能によって維持され、電力消費を伴う事実上の書き換え駆動を行わないように設定することができる。各表示素子の電源、駆動信号、制御信号の設計はシステム構築上任意性があるが、そのなかで、大きな電力を消費する回路系の動作を適宜制御し、全体の消費電力を低減化させる。
【0052】
なお、本実施の形態では、主制御系には、通信部182、メイン制御部183およびメモリ回路188が含まれる。駆動回路189は、液晶表示素子駆動系に含まれる。
【0053】
図6に示す構成では、電源として電池190が用いられている。電池190は、化学的反応によって起電力を生じさせ、かつ、充電可能な二次電池であることが好ましい。さらに、受光によって発電し、二次電池を逐次充電する太陽電池(図示せず。)を備えていることが好ましい。
【0054】
表示装置80には、電源制御系としての機能するサブ制御回路(電源管理回路)170が備えられている。また、表示装置80には、主電源スイッチ192が設けられている。主電源スイッチ192が操作されてオン状態に設定されると、電池190からの電力が、サブ制御回路170に供給される状態になる。また、サブ制御回路170に設けられている給電回路172が給電可能状態(導通状態)に設定されると、電池190からの電力が、主制御系にも供給される状態になる。
【0055】
サブ制御回路170には、給電回路172の状態を制御するサブCPU171が搭載されている。サブCPU171には、表示装置80に設けられているメイン制御部用電源スイッチ194の出力信号、および時計回路(タイマIC)173の出力信号が入力される。
【0056】
サブ制御回路170に電池190から給電されている状態で、メイン制御部用電源スイッチ194が人手によって操作されると、操作にもとづく出力信号がサブCPU171に入力される。サブCPU171は、メイン制御部用スイッチ電源194からの出力信号が入力された場合には、給電回路172を導通状態(電池190からの電流が主制御系側に供給される状態)に設定する。このような制御を行うことによって、メイン制御部用電源スイッチ194を操作することによって、主制御系を動作状態にさせることができる。
【0057】
また、時計回路173は、現在時刻を計時するとともに、現在時刻が、あらかじめ設定されているタイムアップ時刻に一致したときに、出力信号として、サブCPU171に対してタイムアップ信号(指定された時刻になったことを示す信号)を出す。サブCPU171は、時計回路173からのタイムアップ信号が入力された場合、給電回路172を導通状態(電池190からの電流が主制御系側に供給される状態)に設定する。このような制御を行うことによって、指定された時刻に主制御系を動作状態にさせることができる。なお、既に説明したように、指定時刻の情報は、画像データ生成装置100から送信される。
【0058】
また、メイン制御回路183は、カイラルネマチック液晶表示素子1Aの表示を更新するときにのみ液晶用給電回路193を導通状態にする。液晶用給電回路193が導通状態になると、駆動回路189が給電される状態になる。
【0059】
本実施の形態では、表示素子としてメモリ性を有するカイラルネマチック液晶表示素子1Aが用いられているので、給電を受けなくても表示装置80は表示内容を維持することができる。換言すれば、メモリ性を有する表示素子を用いた場合には、電力供給に関するメンテナンスをほぼフリーにすることができ、表示装置80を実用的なものにすることができる。
【0060】
また、図6にはカイラルネマチック液晶表示素子1Aのみが例示されているが、他のカイラルネマチック液晶表示素子1B〜1Hのそれぞれに対応して駆動回路が設けられている。各駆動回路はメイン制御部183に接続され、メイン制御部183は、各駆動回路に対して、対応するカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hが表示すべき表示内容の表示データを出力する。
【0061】
次に、画像データ生成装置100における画像データ生成動作について説明する。ここでは、画像データ生成装置100に予め下絵データが入力され、記憶装置102(図2参照。)が下絵データ104を記憶しているものとする。ここでは、記憶装置102が、下絵データ104として、ZZ方面へ行く列車の休日用時刻表の下絵データと、ZZ方面へ行く列車の平日用時刻表の下絵データを記憶しているものとする。また、各下絵データは、ビットマップ画像のデータである。ビットマップ画像のデータは、画像を色のついたドットの羅列として表現したデータである。ビットマップ画像の形式として、例えば、PNG、JPEG、GIF、BMP、TIFF等が挙げられる。下絵データは、例えば、これらの形式のビットマップ画像であるが、他の形式のビットマップ画像であってもよい。
【0062】
図7は、休日用時刻表の下絵データの画像(以下、休日用下絵画像と記す。)の例を示す説明図である。また、図8は、平日用時刻表の下絵データの画像(以下、平日用下絵画像と記す。)の例を示す説明図である。本例では、休日用下絵画像の上部には、路線、休日用の時刻表であること、および列車の行く方面が表示される。また、その表示の下には、複数の行が表示される。各行は、6時台、7時台等の各時間帯における列車の発車時刻が表示されることになる表示領域である。本例では、図7に示す斜線は、橙色であることを表しているものとする。図7に示すように、二種類の色(橙色および白色)を用いて、各行の色が隣接する行の色と異なるようにしてもよい。同様に、本例では、平日用下絵画像の上部には、路線、平日用の時刻表であること、および列車の行く方面が表示される。そして、その表示の下には、複数の行が表示される。この各行も、6時台、7時台等の各時間帯における列車の発車時刻が表示されることになる表示領域である。本例では、図8に示す斜線は、青色であることを表しているものとする。図8に示すように、二種類の色(青色および白色)を用いて、各行の色が隣接する行の色と異なるようにしてもよい。このように、隣接する行の背景色が互いに異なるようにすることで、利用者の視認性を高めることができる。
【0063】
また、図7、図8で示す例では、「休日」や「平日」という文字は、白色で示している。休日用下絵画像において、休日用の時刻表であることを強調するために、「休日」という文字を橙色(例えば、行に用いられる橙色よりも濃い橙色)で表示してよい。同様に、平日用下絵画像において、平日用の時刻表であることを強調するために、「平日」という文字を青色(例えば、行に用いられる青色よりも濃い青色)で表示してもよい。なお、橙色や青色の濃淡を表現する表示に関しては後述する。
【0064】
また、ここでは、時刻データも予め画像データ生成装置100に入力され、記憶装置102(図2参照。)が時刻データ105を記憶しているものとする。ここでは、記憶装置102が、下絵データ104として、平日用の時刻表のデータである平日用時刻データと、休日用の時刻表のデータである休日用時刻データとを記憶しているものとする。
【0065】
なお、鉄道会社の職員(管理部門の職員等)または鉄道会社に委託された他の会社の職員(以下、データ作成者と記す。)が、時刻データを作成する場合、例えば、以下のようにして時刻データを作成すればよい。例えば、縦横に並んだ升目に数字や文字を入力可能な表計算ソフトウェアを予め搭載した情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ等。図示せず。)が、その表計算ソフトウェアを起動して、ディスプレイ装置に升目を表示させる。そして、発車時刻の「分」を示す数字が、データ作成者によって入力される。他の列車と区別すべき情報(例えば、特急、急行等の列車の種別や、行き先等)があれば、「分」を表す数字と対応付けて入力される。例えば、そのような情報は、「分」を表す数字が入力される升目の一つ上の升目に入力される。情報処理装置は、データ作成者の操作に従い、升目に入力された数字や文字をカンマで区切ったCSV形式のデータを作成する。このデータが時刻データである。
【0066】
図9は、データ作成者によって作成された時刻データの例を示す説明図である。図9では、表計算ソフトウェアを起動した情報処理装置が、作成された時刻データを読み込んでディスプレイ装置に表示した状態を示している。また、図9では、休日用時刻データの例を示している。なお、図9では、升目の枠線は省略している。図9に示す記述501は、凡例や、入力される時刻表のデータに対応する列車の行く方面等を示す情報である。さらに、図9に示す例では、記述501は、路線、時刻表の設置される駅、平日用時刻表か休日用時刻表かを示す情報、時刻表が改正された日付等の情報も含んでいる。凡例は、他の列車と区別すべき情報として、行き先の情報や、列車の種別をどのように入力すべきかを示している。記述501は、データ作成者がデータを入力するときの利便性を高めるための記述である。画像データ生成装置100の制御部101は、記述501を参照しなくてもよいが、後述するように、記述501を参照して、記述501に含まれる情報を画像データに含めるように処理を行ってもよい。ここでは、制御部101が、記述501を参照しない場合を例にして説明する。
【0067】
時間帯入力データ502は、6時台、7時台等の各時間帯を表すデータである。本例では、他の列車と区別すべき情報(例えば、特急、急行等の列車の種別や、行き先等)があれば、その情報は、「分」を表す数字が入力される升目の一つ上の升目に入力される。従って、図9に示す例では、時間帯入力データ502において、個々の時間帯の数字が2つずつ入力された場合を示している。例えば、6時台を表す「6」という数字が、上下に2つ並んでいる。他の時間帯に関しても同様である。
【0068】
なお、本例では、列車の種別は、「快」、「急」、「特」、「休」等のように一文字に省略される場合を例にしているが、列車の種別を識別できる文字で表されていれば、一文字に省略されていなくてもよい。なお、「快」、「急」、「特」、「休」は、それぞれ「快速」、「急行」、「特急」、「休日特別快速」を表している。なお、「分」を表す数字とともに列車の種別が入力されなかった場合、本例では、その時刻に発車する列車が「普通列車」であることを意味するものとする。行き先となる駅も、例えば、一文字に省略されるが、行き先となる各駅を識別できる文字であれば、一文字に省略されていなくてもよい。なお、「分」を表す数字とともに行き先となる駅が入力されなかった場合、本例では、その時刻に発車する列車が「A駅行き」であることを意味するものとする。
【0069】
時刻入力データ503〜506は、発車時刻の「分」を表すデータの例である。時刻入力データ503では、7時台に対応する升目に「分」を表す「57」が記述されている。すなわち、7時57分という発車時刻を示している。また、「57」の上には、他の情報が記述されていない。このことは、7時57分の列車がA駅行きの普通列車であることを示している。
【0070】
時刻入力データ504は、7時台に対応する升目に「分」を表す「50」が記述されている。すなわち、7時50分という発車時刻を示している。また、「50」の上には、「D」という駅名のみが記述されている。このことは、7時50分の列車がD駅行きの普通列車であることを示している。
【0071】
時刻入力データ505は、7時台に対応する升目に「分」を表す「54」が記述されている。すなわち、7時54分という発車時刻を示している。また、「54」の上には、「快」という列車の種別のみが記述されている。このことは、7時54分の列車がA駅行きの快速であることを示している。
【0072】
時刻入力データ506は、8時台に対応する升目に「分」を表す「54」が記述されている。すなわち、8時54分という発車時刻を示している。また、「54」の上には、「休」という列車の種別および「H」という駅名が記述されている。このことは、8時54分の列車がH駅行きの休日特別快速であることを示している。
【0073】
図9では、休日用時刻データの例を示したが、平日用時刻データの内容の意味も同様である。
【0074】
下絵データや、データ作成者によって作成された時刻データは、例えば、時刻データを作成した情報処理装置(図示せず。)および図1に示す画像データ生成装置100に着脱可能な記録媒体に記録され、ユーザ(駅に勤務する駅員)に送付される。そして、その記録媒体が画像データ生成装置100に装着され、制御部101は、記録媒体から下絵データおよび時刻データを読込み、記憶装置102に記憶させる。この結果、記憶装置102が下絵データおよび時刻データを記憶した状態になる。
【0075】
あるいは、下絵データや、データ作成者によって作成された時刻データが、鉄道会社(または鉄道会社にデータ管理を委託された会社)のサーバ(図示せず。)に記憶されていてもよい。そして、画像データ生成装置100は、通信ネットワークを介してそのサーバに接続され、通信ネットワークを介してサーバに下絵データおよび時刻データを要求し、サーバから下絵データおよび時刻データをダウンロード(受信)して、記憶装置102に記憶させてもよい。この結果、記憶装置102が下絵データおよび時刻データを記憶した状態になる。
【0076】
図10は、画像データ生成装置100による画像データ生成処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。制御部101は、画像生成プログラムに従って、ユーザに選択された下絵データを記憶装置102から読み込み、下絵画像を表示する(ステップS1)。
【0077】
図11は、記憶装置102に記憶された下絵データ104や時刻データ105から画像データを生成するときの操作画面の例を示す説明図である。図11は、操作画面の初期状態を示している。操作画面には、画像表示欄601、下絵読込みボタン602、表示情報読込みボタン603、データ作成ボタン604、選択ボタン605が含まれている。
【0078】
画像表示欄601は、画像を表示する表示欄である。図11では初期状態の例を示しているので、何も表示されていない。下絵読込みボタン602は、下絵データの選択画面の表示指示を入力するためのボタンである。表示情報読込みボタン603は、時刻データの選択画面の表示指示を入力するためのボタンである。データ作成ボタン604は、表示装置80が備える液晶表示素子での画像表示に用いられる画像データの作成指示を入力するためのボタンである。選択ボタン605は、作成する画像データが平日用の画像データであるのか休日用の画像データであるのかを指定するためのラジオボタンである。
【0079】
ステップS1において、制御部101は、下絵読込みボタン602がクリックされると、下絵データの選択画面を表示する。図12は、下絵データの選択画面の例を示す説明図である。下絵データの選択画面には、データ(ファイル)が格納されたフォルダを指定するフォルダ指定欄612、指定されたフォルダ内に格納されたデータの名称(ファイル名)やフォルダを表示するファイル表示欄611、確定ボタン613が含まれる。
【0080】
制御部101は、指定されたフォルダに格納されているデータの名称(ファイル名)やフォルダをファイル表示欄611に表示する。図12に示す例では、制御部101が、ファイル表示欄611に、平日用下絵データおよび休日用下絵データのファイル名をそれぞれ表示した場合を示している。下絵データの選択は、下絵データのファイル名をクリックすることによって行う。制御部101は、下絵データのファイル名がクリックされると、そのファイル名の表示状態を変更する(例えば、ファイル名の文字の背景色を変更する。)。図12では、平日用下絵データのファイル名が選択された状態を示している。制御部101は、下絵データのファイル名がクリックされて下絵データが選択された後、確定ボタン613がクリックされると、その下絵データを記憶装置102から読み込んで画像表示欄601(図11参照。)に下絵画像を表示する。
【0081】
なお、フォルダ指定欄612で指定したフォルダの下層のフォルダも、ファイル表示欄611に表示される。そのフォルダを指定する場合には、ファイル表示欄611に表示されたフォルダ名をダブルクリックすればよい。なお、図12に示すアイコン614は、一つ上層のフォルダを指定するためのアイコンである。
【0082】
図13は、平日用下絵画像を表示した操作画面の例を示す説明図である。制御部101は、図12に示すように平日用下絵データのファイル名が選択され、確定ボタン613(図12参照。)がクリックされると、選択された平日用下絵データを記憶装置102から読み込む。そして、図13に示すように、平日用下絵データの画像(平日用下絵画像)を画像表示欄601に表示する。
【0083】
また、図14は、休日用下絵画像を表示した操作画面の例を示す説明図である。制御部101は、下絵データの選択画面(図12参照。)において、休日用下絵データのファイル名が選択され、確定ボタン613がクリックされると、選択された休日用下絵データを記憶装置102から読み込む。そして、図14に示すように、休日用下絵データの画像(休日用下絵画像)を画像表示欄601に表示する。
【0084】
ステップS1で下絵画像を表示した後、制御部101は、ユーザに選択された時刻データを記憶装置から読込み、時刻データに含まれている時刻(分)の数字を下絵画像に重ねて(数字を下絵画像に貼り付けた表示となるようにして)、時刻表の画像を画像表示欄601に表示する(ステップS2)。
【0085】
ステップS2において、制御部101は、表示情報読込みボタン603(図13、図14参照。)をクリックされると、時刻データの選択画面を表示する。図15は、時刻データの選択画面の例を示す説明図である。時刻データの選択画面には、下絵データの選択画面(図12参照。)と同様に、フォルダ指定欄612、ファイル表示欄611、確定ボタン613、アイコン614が含まれる。フォルダ指定欄612、ファイル表示欄611、確定ボタン613、アイコン614は、下絵データの選択画面(図12参照。)に含まれるファイル表示欄611等と同様であるので説明を省略する。
【0086】
制御部101は、指定されたフォルダに格納されているデータの名称(ファイル名)やフォルダをファイル表示欄611に表示する。図15に示す例では、制御部101が、ファイル表示欄611に、平日用時刻データおよび休日用時刻データのファイル名をそれぞれ表示した場合を示している。時刻データの選択は、時刻データのファイル名をクリックすることによって行う。制御部101は、時刻データのファイル名がクリックされると、そのファイル名の表示状態を変更する(例えば、ファイル名の文字の背景色を変更する。)。図15では、平日用時刻データのファイル名が選択された状態を示している。制御部101は、時刻データのファイル名がクリックされて時刻データが選択された後、確定ボタン613がクリックされると、その時刻データを記憶装置102から読み込む。
【0087】
制御部101は、読み込んだ時刻データに含まれる各時間帯の「分」を表す数字を、画像表示欄601(図13、図14参照。)に表示された下絵画像の各行に等間隔で並べるようにして、下絵画像に重ねて表示する。このとき、下絵画像の左側には、「6」、「7」等の各時間帯の「時間」を示す数字が配置されるので、その配置領域分を空けて、左側から「分」を示す数字を等間隔に並べるようにして、下絵画像に重ねて(数字を下絵画像に貼り付けた表示となるようにして)表示する。ただし、後述するように、「分」を表す数字の右側に数字3つ分(数字3つ分に限定されるわけではないが、本例では数字3つ分の場合を例示する。)の間隔を空け、その領域に「休日特別快速」等の列車の種別を表示する場合もある。
【0088】
また、所定の時間帯(例えば、8時台)には、運行列車数が多く、列車発車時刻の「分」を示す数字の数が多い場合には、下絵画像の一行内に各数字を表示できないことが生じうる。そこで、下絵画像の一行内に各数字を表示できないほど、ある時間帯で列車発車時刻の「分」を示す数字の数が多い場合、制御部101は、「分」を示す数字の数が最も多い時間帯における「分」を示す数字の数と、下絵画像に表示された一行の幅のうちの「分」を示す数字を表示可能な幅とに基づいて、その各数字が1行内に表示できるように「分」を示す数字の間隔を狭めるように決定すればよい。そして、制御部101は、その数字の間隔を他の各時間帯にも適用し、各時間帯において数字間の間隔が共通になるように決定すればよい。なお、「分」を表す数字の右側に、例えば、上述のように数字3つ分の間隔を空けるならば、その間隔に相当する数字の個数(ここでは3つ)を「分」を表す数字に加算して、その加算結果と、「分」を示す数字を表示可能な幅とに基づいて、数字間の間隔を決定すればよい。
【0089】
また、下絵画像に表示された一行の幅のうち、「分」を示す数字を表示可能な幅と、「分」を示す数字の数が最も多い時間帯における「分」を示す数字の数に基づいて、数字間の間隔を決定するのではなく、文字の大きさ(フォント)を決定してもよい。そして、制御部101は、その数字の大きさを他の各時間帯にも適用し、各時間帯において数字の大きさが共通になるように決定すればよい。
【0090】
また、制御部101は、「分」を表す数字を下絵画像に重ねて表示するときに、その時刻に発車する列車の行き先の情報が、「分」を示す数字と対応付けられているならば、その行き先を「分」を示す数字の上に表示する。例えば、図9に例示した時刻入力データ504では、「分」を示す数字「50」と、行き先の情報「D」とが対応付けられている。この場合、制御部101は、「分」を示す数字「50」の上に行き先の情報「D」を配置するようにして、「分」を示す数字および行き先の情報を下絵画像に重ねて表示する。また、例えば、図9に例示した時刻入力データ506では、「分」を示す数字「54」と、行き先の情報「H」とが対応付けられている。この場合、制御部101は、「分」を示す数字「54」の上に行き先の情報「H」を配置するようにして、「分」を示す数字および行き先の情報を下絵画像に重ねて表示する。
【0091】
さらに、制御部101は、「分」を表す数字や行き先の情報を下絵画像に重ねて表示するときに、「分」を表す数字や行き先を表す文字の表示態様を決定し、その表示態様で表示されるように、下絵画像に重ねて表示する。制御部101は、数字が表す時刻に発車する列車の車種に応じて、表示態様を決定する。
【0092】
列車の車種を示す情報が、「分」を表す数字に対応付けられていない場合(すなわち、その時刻に発車する列車が普通列車である場合)、制御部101は、「分」を表す数字や行き先を表す文字を、例えば、黒い文字で表示すると決定する。
【0093】
また、「分」を表す数字に、特急を示す「特」という文字が対応付けられている場合、制御部101は、「分」を表す数字や行き先を表す文字を、例えば、青色の文字で表示すると決定する。ただし、図8に例示する各行は、青色と白色を用いて、各行の色が隣接する行の色と異なるように定められている。従って、「分」を表す数字や行き先を表す文字を青色で表示する場合、背景となる青色よりも濃い青色とし、また、数字や文字の輪郭を黒色で縁取る。
【0094】
また、「分」を表す数字に、快速を示す「快」という文字が対応付けられている場合、制御部101は、「分」を表す数字や行き先を表す文字を、例えば、橙色の文字で表示すると決定する。ただし、図7に例示する各行は、橙色と白色を用いて、各行の色が隣接する行の色と異なるように定められている。従って、「分」を表す数字や行き先を表す文字を橙色で表示する場合、背景となる橙色よりも濃い橙とし、また、数字や文字の輪郭を黒色で縁取る。
【0095】
また、「分」を表す数字に、急行を示す「急」という文字が対応付けられている場合、制御部101は、「分」を表す数字や行き先を表す文字の表示領域を橙色として、その数字や文字を白色で表示すると決定する。この結果、四角い橙色の領域に、白色で数字や文字が表示されることになる。
【0096】
また、「分」を表す数字に、休日特別快速を示す「休」という文字が対応付けられている場合、制御部101は、「分」を表す数字の右側に、数字3つ分(数字3つ分に限定されるわけではないが、本例では数字3つ分の場合を例示する。)の間隔を空け、その領域に「休日特別快速」という列車の種別を表示すると決定する。
【0097】
上述の列車の種別と表示態様の関係は、例示であり、制御部101は、列車の種別に応じて、他の表示態様で数字や文字を表示すると決定してもよい。
【0098】
以上のように、制御部101は、列車の種別に応じて、「分」を表す数字や行き先を表す文字の表示態様を決定し、その表示態様で表示されるように、下絵画像に重ねて表示する。
【0099】
なお、背景となる青色よりも濃い青色で文字を表示する場合がある。このような表示を実現するためには、青色で表示されるドットの密度を変化させればよい。図16は、青色で表示されるドットの密度の変化による色の濃淡を示す説明図である。図16において、斜線で示した部分は青色のドットを示している。白色で示した部分は白色のドットを示している。図16(b)に示すドットの配置は、図16(a)に示すドットの配置よりも青色のドットの密度が高い。そのため、図16(a)に示す場合の青色よりも濃い青色として人間に認識される。下絵画像における青色は、背景色として用いられる青色なので、図16(a)に示すように青色のドットの密度を低くし、青色の文字を表示するときには、文字の部分における青色のドットの密度を図16(b)に示すように高くすればよい。ここでは、青色について説明したが、橙色の場合も同様である。
【0100】
また、制御部101は、表す数字や行き先の情報を下絵画像に重ねて表示するときに、「6」、「7」等の各時間帯の「時間」を示す数字も、下絵画像の行の左側に重ねるようにして表示する。ステップS2において、表示情報読込みボタン603(図13、図14参照。)がクリックされたときに、選択ボタン605において「平日」が選択されている場合には、制御部101は、背景色を濃い青色とし「時間」を示す数字を白色とし、その背景色および白色の数字を下絵画像に重ねて表示する。また、表示情報読込みボタン603(図13、図14参照。)がクリックされたときに、選択ボタン605において「休日」が選択されている場合には、制御部101は、背景色を濃い橙色とし「時間」を示す数字を白色とし、その背景色および白色の数字を下絵画像に重ねて表示する。なお、選択ボタン605における選択は、表示情報読込みボタン603がクリックされる前であればいつ行われてもよい。
【0101】
図17は、制御部101が「分」を表す数字や行き先の情報を平日用下絵画像に重ねて表示した状態を示す説明図である。図17では、下絵画像の背景色や文字の色の相違は省略して示している。図17に示すように、各行には、6時台、7時台等の時間帯毎の列車発車時刻の「分」を示す数字が表示される。また、時刻データにおいて、「分」を示す数字に行き先の情報が対応付けられている場合、その数字の上に、行き先を示す文字が表示される。また、図17に示すように、行の左側には、「6」、「7」等の各時間帯の「時間」を示す数字が表示される。図17において、「分」を示す数字を四角で囲んだ箇所があるが、「分」を表す数字や行き先を表す文字の表示領域を橙色として、その数字や文字を白色で表示していることを表している。この「分」を示す数字は、急行の発車時刻を表している。
【0102】
図18は、「分」を表す数字や行き先の情報を平日用下絵画像に重ねた表示の一部を拡大した説明図である。図18に示す左側の数字「6」〜「9」は、6時台、7時台、8時台、9時台を意味する。また、その右側に並べられた各数字は、列車の発車時刻における「分」を表している。また、数字の上に示される「L」、「E」等は、行き先となる駅を表している。図18に示す例で、6時台の「32」、「54」は、表示態様が他の数字と異なっていて、「6時32分発」および「6時54分発」の列車が快速であることを示している。
【0103】
図19は、制御部101が「分」を表す数字や行き先の情報を休日用下絵画像に重ねて表示した状態を示す説明図である。図19では、下絵画像の背景色や文字の色の相違は省略して示している。図19に示すように、各行には、6時台、7時台等の時間帯毎の列車発車時刻の「分」を示す数字が表示される。また、時刻データにおいて、「分」を示す数字に行き先の情報が対応付けられている場合、その数字の上に、行き先を示す文字が表示される。また、図19に示すように、行の左側には、「6」、「7」等の各時間帯の「時間」を示す数字が表示される。なお、図19では、「分」を示す数字の右側に文字が示されている箇所があるが、この文字は「休日特別快速」である。
【0104】
図20は、「分」を表す数字や行き先の情報を休日用下絵画像に重ねた表示の一部を拡大した説明図である。図20に示す左側の数字「6」〜「8」は、6時台、7時台、8時台を意味する。また、その右側に並べられた各数字は、列車の発車時刻における「分」を表している。また、数字の上に示される「D」、「C」等は、行き先となる駅を表している。図20に示す例で、6時台の「26」、「48」は、表示態様が他の数字と異なっていて、「6時26分発」および「6時48分発」の列車が快速であることを示している。また、8時台の「15」も、表示態様が他の数字と異なっていて、「8時15分発」の列車が特急であることを示している。また、8時台の「26」も、表示態様が他の数字と異なっていて、右隣に「休日特別快速」の文字が表示されている。このことは、「8時26分発」の列車が、休日特別快速であることを示している。
【0105】
各種表示態様における「分」を表す数字や行き先を表す文字は、フォントデータとして予め記憶装置102に記憶されている。制御部101は、「分」を表す数字や行き先を表す文字の表示態様を決定したならば、どのフォントデータの文字を、下絵データのどの領域に貼り付けるか(重ねるか)を示すデータを生成して、そのデータに基づいて図17や図19に例示する画像を画像表示欄601に表示する。
【0106】
続いて、制御部101は、操作画面の画像表示欄601に表示している画像に対応するビットマップ形式の画像データを生成する。すなわち、画像表示欄601に表示している画像と同一の画像を表示するビットマップ形式の画像データを生成する(ステップS3)。そして、制御部101は、そのビットマップ形式のデータを、表示装置80が備える液晶表示素子で画像を表示するための画像データに変換する(ステップS4)。
【0107】
ステップS3,S4の処理では、制御部101は、目的とする画像データ(ステップS4で得られる画像データ)の格納フォルダおよびその画像データのファイル名をユーザに指定させる画面を表示する。図21は、この画面の例を示す説明図である。この画面には、下絵データの選択画面(図12参照。)と同様に、フォルダ指定欄612、ファイル表示欄611、アイコン614が含まれる。フォルダ指定欄612、ファイル表示欄611、アイコン614は、下絵データの選択画面(図12参照。)に含まれるファイル表示欄611等と同様であるので説明を省略する。また、この画面には、画像データのファイル名入力欄617と、保存ボタン618が含まれている。ファイル名入力欄617にファイル名が入力され、保存ボタン618がクリックされると、制御部101は、ステップS3,S4の処理を実行する。そして、ステップS4で得た画像データを、指定されたフォルダに、指定されたファイル名で格納する(記憶装置102に記憶させる。)。
【0108】
ステップS3では、制御部101は、決定された表示態様に応じたフォントデータの文字を下絵データのどの領域に貼り付けるか(重ねるか)を示すデータを、ビットマップ形式の画像データに変換する。制御部101は、各ドットの色が黒色、白色、青色、橙色のいずれかになるビットマップ形式の画像データを生成する。ステップS2で表示される青色(または橙色)に濃淡があっても、各ドット単位では、黒色、白色、青色、橙色のいずれかになるようにすることができる。
【0109】
図22は、ステップS4における画像変換の例を示す説明図である。ステップS3で生成されたビットマップ形式の画像データにおける黒色、白色、青色、橙色の各ドットでは、RGB値がそれぞれ一定値となる。例えば、橙色のドットでは、(R,G,B)=(R1,G1,B1)となる。また、青色のドットでは、(R,G,B)=(R2,G2,B2)となる。また、白色のドットでは、(R,G,B)=(R3,G3,B3)となる。また、黒色のドットでは、(R,G,B)=(R4,G4,B4)となる。
【0110】
また、本実施の形態では、表示装置80において2層に積層される液晶セルの一方には、PL状態で青色を呈するカイラルネマチック液晶が封止される。この液晶セルを液晶セルAと記す。もう一方の液晶セル(液晶セルBとする。)には、PL状態で橙色を呈するカイラルネマチック液晶が封止される。
【0111】
制御部101は、(R,G,B)=(R1,G1,B1)となっているドットに対応して、液晶セルAではFC状態となり液晶セルBではPL状態となることを示すデータを作成する。同様に、(R,G,B)=(R2,G2,B2)となっているドットに対応して、液晶セルAではPL状態となり液晶セルBではFC状態となることを示すデータを作成する。同様に、(R,G,B)=(R3,G3,B3)となっているドットに対応して、液晶セルA、液晶セルBでともにPL状態となることを示すデータを作成する。また、(R,G,B)=(R4,G4,B4)となっているドットに対応して、液晶セルA、液晶セルBでともにFC状態となることを示すデータを作成する。制御部101は、このようなデータの集合として、表示装置80が備える液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する。
【0112】
また、既に説明したように、8枚カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1H(図3参照。)のうちの7枚は、3時間分の列車の発車時刻を表示する。残りの1枚は、例えば、平日用時刻表であるか休日用時刻表であるのかを示す情報や、列車の進む方面(例えば、「ZZ方面」等)を示す情報の表示用として用いられる。従って、ステップS4において、制御部101は、8枚カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hそれぞれに対応する画像データを生成する。
【0113】
制御部101は、ステップS4で生成した画像データ(8枚カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hそれぞれで画像を表示させるための画像データ)を記憶装置102に記憶させる。
【0114】
その後、画像生成装置100は、例えば、入力部106を介して、画像の書き換えを指定する時刻(指定時刻)の情報を入力される。そして、画像生成装置100の制御部101は、ユーザの操作に応じて、ステップS4において記憶装置102に記憶させた画像データと、指定時刻の情報とを表示装置80に送信する。
【0115】
なお、このとき、ユーザは、メイン制御部用電源スイッチ194(図6参照。)を操作し、サブCPU171が給電回路172を導通状態に設定するようにしておく。この結果、主制御系に給電が行われ、主制御系は、画像生成装置100から画像データおよび指定時刻の情報を受信することができる。メイン制御部183は、受信した画像データをメモリ回路188に記憶させる。また、メイン制御部183は、指定時刻の情報を時計回路173に通知して、指定時刻になったときに時計回路173がタイムアップ信号を出力するように設定する。なお、以上の処理の後、ユーザは、メイン制御部用電源スイッチ194を操作して、サブCPU171が給電回路172を非導通状態に設定するようにしておく。
【0116】
次に、指定された時刻になったときに、表示装置80が時刻表の表示を書き換える動作について説明する。図23は、指定された時刻になったときにおける表示装置80の動作の例を示すフローチャートである。なお、主電源スイッチ192によって、サブ制御回路170には給電が開始されているものとする。
【0117】
サブCPU171は、指定された時刻になったか否かを判定する(ステップS11)。時計回路173は、指定された時刻になると、指定された時刻になったことをサブCPU171に通知する。すなわち、時計回路173は、指定された時刻になると、タイムアップ信号をサブCPU171に出力する。従って、サブCPU171は、時計回路173からタイムアップ信号が入力されたときに、指定された時刻になったと判定する。指定された時刻になっていなければ(ステップS11のN)、サブCPU171は、待機状態を継続する。指定された時刻になったと判定したならば(ステップS11のY)、サブCPU171は、給電回路172をオン(導通状態に設定)する(ステップS12)。この結果、電池190からの電力が、主制御系にも供給される。
【0118】
メイン制御部183は、電力が供給されると、液晶用給電回路193をオン(導通状態:駆動回路189に給電される状態)する(ステップS13)。続いて、メイン制御部183は、駆動回路189に、メモリ回路188に記憶されている表示データでカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示内容を更新させる(ステップS14)。なお、既に説明したように、メイン制御部183は、いずれかのカイラルネマチック液晶表示素子に対応した駆動回路がそのカイラルネマチック液晶表示素子の書き換えを行っているときには、他のカイラルネマチック液晶表示素子に対応した駆動回路に駆動動作を行わないように制御して、各カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hを順に書き換える。そして、メイン制御部183は、液晶用給電回路193をオフ(非導通状態:駆動回路189に給電されない状態)する(ステップS15)。
【0119】
その後、メイン制御部183は、サブCPU171に対し、給電回路172をオフにする要求を送信する。サブCPU171は、この要求に応じて、給電回路172をオフ(非導通状態に設定)する(ステップS16)。この結果、主制御系に給電されない状態になる。
【0120】
第1の実施の形態では、画像生成装置100の制御部101が、予め記憶した下絵データおよびCSV形式の時刻データから画像データを生成する。従って、ユーザが、入力画面の入力欄(例えば、特許文献1に記載されているような入力画面の入力欄)に時刻等の情報を個別に入力していく必要がない。また、CSV形式の時刻データを作成する際にも、個々の情報に個別に対応する入力欄を有する入力画面を介して時刻等のデータを入力する必要がないので、CSV形式の時刻データは容易に作成可能である。従って、表示すべき画像において文字数が多い場合であっても、表示装置80に画像を表示させるための画像データを作成するときの作業負担が減り、作業効率を高めることができる。また、画像データを生成して、表示データを書き換える作業の時間を大幅に短縮することができる。
【0121】
また、画像生成装置100の制御部101が、画像データと、ユーザから入力された指定時刻の情報とを表示装置80に送信し、表示装置80は、その指定時刻に各カイラルネマチック液晶表示素子の画像を書き換える。従って、予め画像データを表示装置80に記憶させておき、所望の時刻になったときに画像書き換えが行われるようにすることができる。例えば、ダイヤ改正に伴い、ある日の午前0時に表示を切り替えたい場合では、その時刻になる前の任意の時間にダイヤ改正後の時刻表の画像データを画像データ生成装置100が表示装置80に送信し、指定した日の午前0時に画像を書き換えることが可能となる。また、複数の表示装置80に対して同一の指定時刻の情報を送信して、各表示装置80の時計回路173における指定時刻の設定を統一することができるので、複数の表示装置80において、同時に表示を切り替えることができる。
【0122】
第1の実施の形態の変形例として、表示装置80が、画像データ生成装置100から画像データを受信したときに、すぐに各カイラルネマチック液晶表示素子の画像を書き換えてもよい。この場合、画像生成装置100の制御部101は、ユーザの操作に応じて、ステップS4において記憶装置102に記憶させた画像データを送信すればよく、指定時刻の情報は送信しなくてよい。また、表示装置80のメイン制御部183は、受信した画像データをメモリ回路188に記憶させる。そして、すぐに、メイン制御部183は、ステップS14と同様に、駆動回路189に、メモリ回路188に記憶されている表示データでカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示内容を更新させる。なお、この場合、ユーザは、メイン制御部用電源スイッチ194(図6参照。)を操作し、サブCPU171が給電回路172を導通状態に設定するようにしておく。そして、画像の書き換えが完了した後に、メイン制御部用電源スイッチ194を操作し、サブCPU171が給電回路172を非導通状態に設定するようにすればよい。
【0123】
このように、表示装置80が、画像データ生成装置100から画像データを受信したときに、すぐに各カイラルネマチック液晶表示素子の画像を書き換える場合には、災害情報等のように緊急に表示を切り替えなければならない場合に、すぐに表示を切り替えるようにすることができる。
【0124】
[実施の形態2]図24は、本発明の第2の実施の形態の構成例を示す説明図である。本実施の形態の情報表示システムは、表示装置80と、画像データ生成装置100とを備える。表示装置80と、画像データ生成装置100は、通信ネットワーク200を介して接続される。また、通信ネットワーク200には、端末201も接続される。図24では、表示装置80を一台のみ示しているが、表示装置80は複数台設置される。なお、本実施の形態においても、表示装置80が鉄道会社の駅等に設置され、時刻表を表示する場合を例にして説明する。
【0125】
端末201は、第1の実施の形態で例示した操作画面を表示可能であり、また、ユーザが操作可能な入力デバイス(例えば、キーボードやマウス等)を備えた情報処理装置である。端末201は、画像データ生成の操作を行うユーザによって使用される。端末201は、駅に設置され、駅員によって使用されていもよい。あるいは、鉄道会社に設置され、鉄道会社の管理部門の職員によって使用されてもよい。あるいは、鉄道会社に委託された他の会社に設置され、その会社の職員によって使用されてもよい。
【0126】
画像データ生成装置100、表示装置80、および端末201は、通信ネットワーク200を介して情報を送受信する。また、画像データ生成装置100および表示装置80は、公衆電話網を介して情報を送受信してもよい。同様に、画像データ生成装置100および端末201も、公衆電話網を介して情報を送受信してもよい。以下の説明では、画像データ生成装置100、表示装置80、および端末201が、通信ネットワーク200を介して情報を送受信する場合を例にして説明する。
【0127】
本実施の形態では、画像データ生成装置100は、画像データを生成するとともに、表示装置80からの要求に応じて画像データを表示装置80に送信するサーバとしての役割を果たす。
【0128】
本実施の形態では、画像データ生成装置100の構成は、以下の点を除き、第1の実施の形態における画像データ生成装置100の構成(図2参照。)と同様である。本実施の形態における画像データ生成装置100は、通信部108の代わりに、通信ネットワーク(公衆電話網でもよい。)を介して他の装置と情報を送受信する通信インタフェース部を備える。また、本実施の形態における画像データ生成装置100は、入力部106および表示部107を備えていなくてもよい。
【0129】
また、画像データ生成装置100は、下絵データと、鉄道会社(または鉄道会社に委託された他の会社)によって作成された時刻データとを予め記憶する。あるいは、端末201が、予め下絵データおよび時刻データを記憶し、画像データ作成時に端末201が下絵データおよび時刻データを画像データ生成装置100に送信して、画像データ生成装置100が、受信した下絵データおよび時刻データを記憶してもよい。
【0130】
本実施の形態では、表示装置80の構成は、以下の点を除き、第1の実施の形態における表示装置80の構成(図6参照。)と同様である。本実施の形態における表示装置80は、通信部182の代わりに通信ネットワーク(公衆電話網でもよい。)を介して他の装置と情報を送受信する通信インタフェース部を備える。また、表示装置80は、有線で通信ネットワーク(公衆電話網でもよい。)に接続される場合には、アンテナ181も備えていなくてよい。
【0131】
また、本実施の形態では、毎月1回または毎日1回等のようなタイミングで時計回路173がタイムアップ信号を出力するように、予め時計回路173における指定時刻の設定が行われている。例えば、各月の1日の午前0時、あるいは、毎日午前0時等の指定時刻の設定が予め行われている。ここで示した指定時刻は、例示であり、上記の指定時刻に限定されるわけではない。
【0132】
画像データ生成装置100による画像データ生成処理の処理経過は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、ステップS1〜S4と同様の処理によって、画像データ生成装置100は、表示装置80が備える液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する。
【0133】
ただし、本実施の形態では、操作画面等の各種画面を、端末201に表示させる。画像データ生成装置100の制御部101は、各ステップS1〜S4において、各種画面を端末201に表示させるとき、画面の情報を、通信ネットワーク200を介して端末201に送信し、端末201が、その情報に基づいて、各種画面を表示する。この結果、端末201のユーザ(例えば、駅員、鉄道会社の職員、あるいは鉄道会社に委託された他の会社の職員等)は、各種画面の操作(例えば、各種ボタンのクリック等)を行うことができる。
【0134】
また、端末201においてユーザに行われた操作の内容は、端末201が、通信ネットワーク200を介して、画像データ生成装置100に送信する。例えば、操作画面において、下絵読込みボタン602、表示情報読込みボタン603、データ作成ボタン604のいずれかがクリックされた場合、端末201は、その旨の情報を画像データ生成装置100に送信する。また、表示情報読込みボタン603がクリックされた旨の情報を送信する場合、端末201は、選択ボタン605において「平日」または「休日」のどちらが選択されているかを示す情報も画像データ生成装置100に送信する。また、ユーザによって下絵データや時刻データの選択が行われた場合には、端末201は、その選択結果を画像データ生成装置100に送信する。画像データ生成装置100の制御部101は、端末201から受信する情報に応じて、ステップS1〜S4の各処理を実行する。画像データ生成処理に関するその他の点に関しては、第1の実施の形態のステップS1〜S4と同様である。
【0135】
次に、指定時刻になったときに、表示装置80が時刻表の表示を書き換える動作について説明する。図25は、指定時刻になったときにおける表示装置80の動作の例を示すフローチャートである。図25では、第1の実施の形態と同様の処理については、図23と同一のステップ番号を付している。なお、主電源スイッチ192によって、サブ制御回路170には給電が開始されているものとする。
【0136】
サブCPU171は、指定時刻(例えば、各月の1日の午前0時、あるいは、毎日午前0時等の指定時刻等)になったか否かを判定する(ステップS11)。時計回路173は、指定時刻になるとタイムアップ信号をサブCPU171に出力する。従って、サブCPU171は、時計回路173からタイムアップ信号が入力されたときに、指定時刻になったと判定する。指定時刻になっていなければ(ステップS11のN)、サブCPU171は、待機状態を継続する。指定時刻になったと判定したならば(ステップS11のY)、サブCPU171は、給電回路172をオン(導通状態に設定)する(ステップS12)。この結果、電池190からの電力が、主制御系にも供給される。メイン制御部183は、電力が供給されると、液晶用給電回路193をオン(導通状態:駆動回路189に給電される状態)する(ステップS13)。以上のステップS13までの動作は、第1の実施の形態で説明したステップS11〜S13の動作と同様である。
【0137】
ステップS13の後、メイン制御部183は、通信ネットワーク200を介して、画像データ生成装置100に時刻表の画像データ(画像データ生成装置100がステップS4で生成した画像データ)を要求する。画像データ生成装置100の制御部101は、この要求を受信すると、表示装置80に対して既に送信している画像データが更新されているかいないかを判定する。そして、更新されているならば(すなわち、例えば、ダイヤ改正等に伴って新しい画像データが生成されているならば)、メイン制御部183からの要求に応じて、更新後の画像データを表示装置80のメイン制御部183に送信する。表示装置80のメイン制御部183は、この画像データを受信する(ステップS21)。そして、メイン制御部183は、受信した画像データをメモリ回路(フラッシュROM)188に記憶する(ステップS22)。
【0138】
ステップS22の後の動作は、第1の実施の形態で説明したステップS14〜S16と同様である。この結果、表示装置の時刻表の画像は書き換えられることになる。
【0139】
また、画像データ生成装置100の制御部101が、表示装置80に送信済みの画像データが更新されていないと判定した場合、その旨の情報を、表示装置80のメイン制御部183に送信する。表示装置80のメイン制御部183は、この情報を受信した場合、ステップS22,S14の動作を行わずに、ステップS15以降の動作を行う。この場合、ステップS22,S14の動作を行わないので、表示装置の時刻表の画像は書き換えられないことになる。
【0140】
ここでは、画像データが更新されているか否かの判定を画像データ装置100が行う場合を示したが、表示装置80がこの判定を行ってもよい。この場合、ステップS22において、画像データ生成装置100の制御部101は、表示装置80からの要求に応じて画像データを送信し、表示装置80のメイン制御部183は、この画像データを受信する。そして、メイン制御部183は、既にメモリ回路188に格納している画像データと、受信した画像データとが異なっているならば、画像データが更新されていると判定して、ステップS22,S14,S15,S16の動作を行う。この結果、画像が書き換えられる。また、メイン制御部183は、既にメモリ回路188に格納している画像データと、受信した画像データとが同一データであるならば、画像データが更新されていないと判定して、ステップS22,S14の動作を行わずに、ステップS15,S16の動作を行う。この場合、画像は書き換えられない。
【0141】
本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、表示すべき画像において文字数が多い場合であっても、表示装置80に画像を表示させるための画像データを作成するときの作業負担が減り、作業効率を高めることができる。また、画像データを生成して、表示データを書き換える作業の時間を大幅に短縮することができる。
【0142】
また、各表示装置80の時計回路173における指定時刻の設定を統一しておけば、各表示装置80が広い範囲に渡って複数設置されている場合でも、各表示装置80が同時に表示を切り替えることができる。
【0143】
上記の各実施の形態において、下絵画像には凡例となる情報が描かれていてもよい。例えば、「分」を表す数字の表示態様と列車の種別との対応関係や、「分」を表す数字の上に記載される文字と行き先との対応関係を示す凡例が下絵画像に描かれていてもよい。凡例は、例えば、時刻表下部の数行の範囲(例えば、下から6行目から最下行までの範囲)における右端に描けばよい。また、上記の各実施の形態において、下絵画像に路線、時刻表が設置される駅、時刻表の改正日等の情報が描かれていてもよい。路線、時刻表が設置される駅、時刻表の改正日等の情報は、例えば、最下行の下に描けばよい。
【0144】
上記の各実施の形態では、画像生成装置100の制御部101が、時刻データに含まれる記述501(図9参照。)を参照しない場合を説明した。各実施の形態において、画像生成装置100の制御部101が、時刻データに含まれる記述501(図9参照。)を参照して、記述501に基づいて、路線、時刻表が設置される駅名、列車の進む方面、凡例、時刻表の改正日、平日用時刻表か休日用時刻表かを示す情報のうちの一部あるいは全部を、下絵データに重ねるようにして表示し(ステップS2)、その画像のビットマップ形式の画像データを生成し(ステップS3)、さらに目的とする画像データを生成してもよい(ステップS4)。下絵データに重ねるようにして表示して画像データに含める情報が、時刻データのどこに記述されるのか(何行目の何番目のデータとして記述されるのか)予め定めておけばよい。
【0145】
制御部101は、例えば、図9に例示する1行目の1番目のデータおよび2番目のデータを参照して、ステップS2で、路線および駅(時刻表が設置される駅)を示す文字(本例では、「XX線YY駅」)を下絵データに重ねるように表示してもよい。路線および駅を示す文字は、例えば、下絵画像における最下行の下に表示すればよい。そして、ステップS3,S4の処理を行うことで、路線および駅を示す文字を含む画像データを得ることができる。
【0146】
また、図7および図8に例示する下絵画像では、列車の進む方面が予め記述されているが、この方面の情報が下絵画像に含まれていないとする。この場合、制御部101は、例えば、図9に例示する4行目のデータを参照して、ステップS2で、方面を示す文字(本例では、「ZZ方面」)を下絵データに重ねるように表示してもよい。方面を示す文字は、例えば、図7や図8に例示する位置と同様に位置に表示すればよい。そして、ステップS3,S4の処理を行うことで、方面を示す文字が追加された画像データを得ることができる。
【0147】
また、制御部101は、例えば、図9に例示する3行目のデータを参照して、ステップS2で凡例を表示してもよい。図9に示す例では、「:(コロン)」によって、「分」を表す数字の上に記載される文字と行き先との対応関係が示されている。ステップS2で、この対応関係を下絵データに重ねるようにして、凡例として表示してもよい。また、行き先となる駅を示す文字と同様に、終電や始発を示す文字と、終電や始発を示すこととの対応関係が時刻データに含まれているならば、その対応関係も凡例として表示してよい。凡例は、例えば、時刻表下部の数行の範囲(例えば、下から6行目から最下行までの範囲)における右端に表示すればよい。そして、ステップS3,S4の処理を行うことで、凡例が追加された画像データを得ることができる。
【0148】
また、制御部101は、例えば、図9に例示する2行目のデータを参照して、ステップS2で、時刻表の改正日を示す文字(本例では、「平成16年4月1日 改正」)を下絵データに重ねるように表示してもよい。時刻表の改正日を示す文字は、例えば、下絵画像における最下行の下に表示すればよい。そして、ステップS3,S4の処理を行うことで、改正日を示す文字を含む画像データを得ることができる。
【0149】
また、図7および図8に例示する下絵画像では、休日用か平日用かを示す情報が予め記述されているが、この情報が下絵画像に含まれていないとする。この場合、制御部101は、例えば、図9に例示する1行目の3番目のデータを参照して、ステップS2で、休日用か平日用かを示す文字(本例では「休日」)を下絵データに重ねるように表示してもよい。休日用か平日用かを示す文字は、例えば、図7や図8に例示する位置と同様の位置に表示すればよい。さらに、「休日」の文字は、休日用であることを強調するために濃い橙色で表示してもよい。同様に、「平日」の文字は、平日用であることを強調するために濃い青色で表示してもよい。そして、ステップS3,S4の処理を行うことで、休日用か平日用かを示す文字が追加された画像データを得ることができる。
【0150】
また、図7および図8に例示する下絵画像では、各行の色が隣接する行の色と異なるように描かれている場合を示したが、各行が同一の色(例えば、白色)で描かれていてもよい。この場合、制御部101は、図9に例示する1行目の3番目のデータを参照して、休日用を示す文字(「休日」)が記述501に含まれているならば、ステップS2で、各行の色が隣接する行の色と異なるように、橙色の帯状の画像を一行おきに下絵画像に重ねて表示してもよい。また、平日用を示す文字(「平日」)が記述501に含まれているならば、制御部101は、ステップS2で、各行の色が隣接する行の色と異なるように、青色の帯状の画像を一行おきに下絵画像に重ねて表示してもよい。そして、ステップS3,S4の処理を行うことで、各行の色が隣接する行の色と異なる画像データを得ることができる。
【0151】
ここでは、列車の進む方面、凡例等を下絵画像に追加する例を個別に説明したが、上述の帯状の画像や、各種情報(路線、時刻表が設置される駅名、列車の進む方面、凡例、時刻表の改正日、平日用時刻表か休日用時刻表かを示す情報)の一部または全部を下絵画像に追加して、画像データを生成してもよい。
【0152】
また、上記の各実施の形態では、画像データ生成装置100が鉄道会社の時刻表の画像データを生成し、画像表示装置80が時刻表の画像を表示する場合を例に説明したが、画像データは鉄道会社の時刻表の画像データでなくてもよい。例えば、画像データ生成装置100が映画の上映スケジュールの画像データを生成し、映画館に配置された画像表示装置80が映画の上映スケジュールの画像を表示してもよい。また、上記の各実施の形態では、下絵画像に文字を重ねた画像の画像データを生成し、表示装置80がその画像をする場合を示したが、下絵画像に図形を重ねた画像の画像データを生成し、表示装置80がそのような画像を表示してもよい。その場合、画像データ生成装置100は、時刻データのような文字を含むデータの代わりに、下絵画像に重ねる図形を含むデータを記憶しておけばよい。他の点については、文字の場合と同様である。図形の例として、例えば、ロゴ(ロゴタイプ)やキャラクタ等が挙げられる。
【0153】
また、画像データ生成装置100が広告の画像データを生成し、表示装置80が、広告の画像を表示してもよい。このように、本発明は、様々な情報の表示に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、表示装置によって多数の人に情報を提供したり、表示装置に表示される情報の内容が適宜変更されるような用途に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成例を示す説明図。
【図2】画像データ生成装置の構成例を示すブロック図。
【図3】表示装置を模式的に示す正面図。
【図4】図3におけるP−Q断面の部分断面図。
【図5】CL−LCDを2層積層して形成した液晶表示素子の模式的断面図。
【図6】表示装置における電気回路ブロックの回路構成例を、カイラルネマチック液晶表示素子とともに示すブロック図。
【図7】休日用時刻表の下絵データの画像の例を示す説明図。
【図8】平日用時刻表の下絵データの画像の例を示す説明図。
【図9】時刻データの例を示す説明図。
【図10】画像データ生成処理の処理経過の一例を示すフローチャート。
【図11】下絵データや時刻データから画像データを生成するときの操作画面の例を示す説明図。
【図12】下絵データの選択画面の例を示す説明図。
【図13】平日用下絵画像を表示した操作画面の例を示す説明図。
【図14】休日用下絵画像を表示した操作画面の例を示す説明図。
【図15】時刻データの選択画面の例を示す説明図。
【図16】ドットの密度の変化による色の濃淡を示す説明図。
【図17】「分」を表す数字や行き先の情報を平日用下絵画像に重ねて表示した状態を示す説明図。
【図18】「分」を表す数字や行き先の情報を平日用下絵画像に重ねた表示の一部を拡大した説明図。
【図19】「分」を表す数字や行き先の情報を休日用下絵画像に重ねて表示した状態を示す説明図。
【図20】「分」を表す数字や行き先の情報を休日用下絵画像に重ねた表示の一部を拡大した説明図。
【図21】画像データのファイル名の指定画面の例を示す説明図。
【図22】ステップS4における画像変換の例を示す説明図。
【図23】指定された時刻になったときにおける表示装置の動作の例を示すフローチャート。
【図24】本発明の第2の実施の形態の構成例を示す説明図。
【図25】指定時刻になったときにおける表示装置の動作の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0156】
80 表示装置
100 画像データ生成装置
101 制御部
102 記憶装置
103 画像生成プログラム
104 下絵データ
105 時刻データ
183 メイン制御部
188 メモリ回路
189 駆動回路
193 液晶用給電回路
171 サブCPU
172 給電回路
173 時計回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示素子に画像を表示する表示装置と、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成装置とを備えた情報表示システムであって、
画像データ生成装置は、
下絵画像のデータである下絵画像データと、下絵画像に重ねて表示する文字または図形を含む重畳用データとを記憶する記憶手段と、
重畳用データに含まれる文字または図形を下絵画像に重ねた画像のビットマップ形式の画像データを生成するビットマップデータ生成手段と、
前記ビットマップ形式の画像データから、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成手段とを有し、
表示装置は、
前記画像データ生成手段によって生成された画像データを受信する受信手段と、
受信手段が受信した画像データに基づき、液晶表示素子に画像を表示する駆動手段とを有する
ことを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
画像データ生成装置は、
画像を表示する時刻を指定する指定時刻情報と、画像データ生成手段によって生成された画像データとを表示装置に送信する送信手段を有し、
表示装置の受信手段は、画像データと指定時刻情報とを受信し、
表示装置は、
指定時刻情報が指定する時刻になったか否かを判定する時刻判定手段と、
指定時刻情報が指定する時刻になったと判定されたときに、駆動手段に、受信手段が受信した画像データに基づいて、液晶表示素子の表示画像を更新させる制御手段とを有する
請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
画像データ生成装置は、
画像データ生成手段によって生成された画像データを表示装置に送信する送信手段を有し、
表示装置は、
受信手段が画像データを受信したときに、前記画像データに基づいて、駆動手段に液晶表示素子の表示画像を更新させる制御手段を有する
請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項4】
表示装置は、
予め指定された時刻になったか否かを判定する時刻判定手段と、
予め指定された時刻になったと判定されたときに、画像データ生成装置に対して、画像データ生成手段によって生成された画像データを要求する要求手段と、
要求手段が要求した画像データを受信手段が受信したときに、前記画像データに基づいて、駆動手段に液晶表示素子の表示画像を更新させる制御手段とを有する
請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項5】
記憶手段は、重畳用データとして、文字を含むCSV形式のデータを記憶する
請求項1、2、3、または4のうちのいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成装置であって、
下絵画像のデータである下絵画像データと、下絵画像に重ねて表示する文字または図形を含む重畳用データとを記憶する記憶手段と、
重畳用データに含まれる文字または図形を下絵画像に重ねた画像のビットマップ形式の画像データを生成するビットマップデータ生成手段と、
前記ビットマップ形式の画像データから、液晶表示素子で画像を表示するための画像データを生成する画像データ生成手段とを備えた
ことを特徴とする画像データ生成装置。
【請求項7】
画像データ生成手段によって生成された画像データを、画像を表示する表示装置に送信する送信手段を備えた
請求項6に記載の画像データ生成装置。
【請求項8】
送信手段は、画像データと、画像を表示する時刻を指定する指定時刻情報とを表示装置に送信する
請求項7に記載の画像データ生成装置。
【請求項9】
記憶手段は、重畳用データとして、文字を含むCSV形式のデータを記憶する
請求項6、7、または8のうちのいずれか1項に記載の画像データ生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−171571(P2007−171571A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369281(P2005−369281)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】