説明

情報表示システムおよび表示方法

【課題】皿がコンベアで移送されている段階で、客が早く商品を確認でき、選択できるようにすると共に、商品情報を広い範囲で公開することができる情報表示システムを提供する。
【解決手段】客席に沿って皿を移送するコンベア101に沿って設置された複数台の縦置きのモニタ装置102と、モニタ装置102の前をコンベア101によって移送される皿104に取り付けられたICタグ105から、皿104に載せられた商品に関するタグ情報を読み取るタグリーダー103とが、ネットワークを介してモニタ制御装置107に接続された情報表示システムに於いて、モニタ制御装置107は、タグリーダー103から、ICタグ105のタグ情報及びタグリーダーIDを受信すると、データベースを検索し、タグ情報に対応する商品の商品情報を取得する手段と、タグリーダーIDに対応するモニタ装置102に取得した商品情報を表示させるように制御する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システムおよび表示方法に関し、特に、コンベアで移送されてくる商品に関連する情報をモニタに効果的に表示できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
商品に関連する広告などの情報を見る者の注意を惹くような意外性のある高い視覚効果で表示する情報表示システムが提供されている。例えば、回転寿司で使用しているコンベアで移送されてくる皿を取ってテーブルの上に置くと、テーブルに埋め込まれている液晶パネルに皿の上の寿司の情報を表示する装置が知られている(例えば特許文献1)。
この表示装置では、皿に固着されたIC(Integrated Circuit)タグが、テーブルに取り付けられたタグリーダーによって検知され、ICタグに記憶されたタグ情報がタグリーダーによってPC(Personal Computer)に読み込まれ、PCの内蔵ハードディスクに記憶されたデータベースを参照して、タグ情報に対応する動画データ番号の動画データを内蔵ハードディスクから読み出し、ビデオ回路を介してテーブルの一部である液晶パネルに出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−86755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の技術では、コンベアで移送されている皿を手に取り、テーブルの上に置いた時点で情報が初めて表示されるため、皿がコンベアで移送されている状態では、客は皿に盛られた寿司の情報を知ることが出来ない。そのため、客は寿司の情報を参照しながら取るべき皿を選んだり、モニタに表示される視覚効果を楽しみながら皿を選ぶことは出来ない。
また、皿を固定テーブルに置いた時のみ情報が表示され、皿がコンベア上にある時は情報を見ることが出来ないため、視覚効果のある表示ができる時間も限られる。
さらに、固定テーブルに情報を表示するため、固定テーブルに座っている人のみ情報を視聴することができ、情報公開範囲が狭い。
【0005】
以上の現状に鑑み、本発明は、皿がコンベアによって移送されている段階で、皿上の商品をモニタに表示し、客席に座っている客が早く商品を確認でき、選択できるようにすると共に、客席に座っている客以外の客にも商品情報を広い範囲で公開することができる、高い視覚効果で表示可能な情報表示システムおよび表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、客席に沿って皿を移送するコンベアに沿って設置された複数台の縦置きのモニタ装置と、前記モニタ装置の前を移送される皿に取り付けられたICタグから、前記皿に載せられた商品に関するタグ情報を読み取るタグリーダーとが、ネットワークを介してモニタ制御装置に接続された情報表示システムに於いて、
前記モニタ制御装置は、
前記タグリーダーから、前記ICタグのタグ情報及びタグリーダーIDを受信すると、受信したタグ情報に基づき、前記タグ情報に対応する前記商品の商品情報をデータベースから取得する手段と、
受信した前記タグリーダーIDに対応するモニタ装置に、取得した前記商品情報に基づいて、所定の商品情報を表示させるように制御する手段とを備え、
前記コンベアによって、前記皿が商品を載せて前記モニタ装置の前に移送されてきた時、前記皿に載せられた商品の所定の商品情報が、前記モニタ装置に表示されるように構成されたことを特徴とする情報表示システムを提供するものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記皿は、前記商品としての寿司を載せる回転寿司用の皿であり、前記商品情報には、前記寿司の寿司ネタとなる生物の生態情報、前記生物に対応する画像、又は、前記寿司ネタに関連するクイズ情報のうち少なくともいずれか一つが含まれることを特徴とする請求項1記載の情報表示システムを提供するものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記画像は、前記寿司ネタとなる生物の生態状態又は生物の関連情報を表示する動画であることを特徴とする請求項2記載の情報表示システムを提供するものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記モニタ制御装置は、
前記ICタグが取り付けられた前記皿が、前記モニタ装置の前を移送されると、前記タグリーダーに、前記タグリーダーと前記ICタグとの距離を検知させることによって前記ICタグの動きを検知し、或いは、前記ICタグの初回の検知時点からの経過時間と、前記コンベアの移送速度とから計算して前記ICタグの動きを検知する手段と、
前記ICタグの動きに合わせて、前記ICタグのタグ情報に対応する静止画、動画、紹介情報のうち少なくともいずれか一つの商品情報を前記モニタ装置の表示画面上で流れていくように表示させる手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の情報表示システムを提供するものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、客席に沿って皿を移送するコンベアに沿って設置された複数台の縦置きのモニタ装置と、前記モニタ装置の前を移送される皿に取り付けられたICタグから、前記皿に載せられた商品に関するタグ情報を読み取るタグリーダーとが、ネットワークを介してモニタ制御装置に接続された情報表示システムにおける情報表示方法に於いて、
前記モニタ制御装置は、
前記タグリーダーから、前記ICタグのタグ情報及びタグリーダーIDを受信すると、受信した前記タグ情報に基づき、前記タグ情報に対応する前記商品の商品情報をデータベースから取得するステップと、
受信した前記タグリーダーIDに対応するモニタ装置に、取得した前記商品情報に基づいて、所定の商品情報を表示させるように制御するステップとを実行し、
前記コンベアによって、前記皿が商品を載せて前記モニタ装置の前に移送されてきた時、前記皿に載せられた商品の所定の商品情報が、前記モニタ装置に表示されることを特徴とする情報表示方法を提供するものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記皿は、前記商品としての寿司を載せる回転寿司用の皿であり、前記商品情報には、前記寿司の寿司ネタとなる生物の生態情報、前記生物に対応する画像、又は、前記寿司ネタに関連するクイズのうち少なくともいずれか一つが含まれることを特徴とする請求項5記載の情報表示方法を提供するものである。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記画像は、前記寿司ネタとなる生物の生態状態又は生物の関連情報を表示する動画であることを特徴とする請求項6記載の情報表示方法を提供するものである。
【0013】
請求項8に係る発明は、前記モニタ制御装置は、
前記ICタグが取り付けられた前記皿が、前記モニタ装置の前を移送されると、前記タグリーダーに、前記タグリーダーと前記ICタグとの距離を検知させることによって前記ICタグの動きを検知し、或いは、前記ICタグの初回の検知時点からの経過時間と、前記コンベアの移送速度とから計算して前記ICタグの動きを検知するステップと、
前記ICタグの動きに合わせて、前記ICタグのタグ情報に対応する静止画、動画、紹介情報のうち少なくともいずれか一つの商品情報を前記モニタ装置の表示画面上で流れていくように表示させるステップとを実行することを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか一に記載の情報表示方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の情報表示システムおよび表示方法によれば、高い視覚効果で表示する情報表示システムおよび表示方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】情報表示システムに係るシステム構成図である。
【図2】(a)皿の側面図である。(b)皿の裏面図である。
【図3】情報表示システムの情報の流れを模式的に示す説明図である。
【図4】データベースの一例を示す説明図である。
【図5】情報表示システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】モニタの表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
なお、上記モニタ制御装置は、コンピュータであり、上記各手段又はステップは、コンピュータのCPUが必要なコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより実現される手段又はステップであり、そのフローチャート図が図5である。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の一例を示す情報表示システムの構成図である。
図1は、回転寿司における情報表示システムを想定したものである。図1では、コンベア101、モニタ装置102、タグリーダー103、皿104、ICタグ105、データ入力装置106、モニタ制御装置107が示されている。
コンベア101は、寿司を載せた皿104を客席に沿って移送するものであり、図1では時計回りに皿104を流す機構を備えている。図1では時計回りの例を示したが、反時計回りでも構わない。
【0018】
モニタ装置102は、コンベア101に沿って複数台設置されている。モニタ装置102の表示画面は店内全体および客席からも見やすいように、垂直に立てて縦置きで設置するのが望ましい。また、店内全体から情報が見えるように、コンベア周囲の各方向(図1では右側、下側、左側、上側)に設置されることが望ましい。また、モニタ装置102は、ネットワーク(図示せず)を介してモニタ制御装置107と接続されている。モニタ装置102は、各装置と通信する通信部と、各プログラムを格納する記憶部と、プログラムを実行するとともに装置全体を制御する中央演算部と、を少なくとも備えており、後述するモニタ装置102の動作処理は、必要なプログラムを読み出した中央演算部により実行されるものとする。
【0019】
タグリーダー103は、皿104に取り付けられたICタグ105を読み取るものであり、ICタグ105に登録された商品番号を読み取ることが出来る。タグリーダー103は、モニタ装置102に設置されるのが望ましいが、モニタ装置102の前を流れる皿104のICタグ105を検知できる位置であれば、その他の位置でも構わない。例えば、モニタ装置102の台座、モニタ装置102が設置されたテーブルなどでも構わない。
また、タグリーダー103は、ネットワークを介してモニタ制御装置107と接続されている。
皿104は、寿司を載せる皿であり、皿104がモニタ装置102の前に移送されてきたとき、流れる皿104の動きに合わせて当該モニタ装置102に情報が表示される。
ICタグ105は、皿104に設置されており、例えば、皿104の裏面中央部に固着されている。ICタグ105は非接触型ICであることが望ましく、一例としてはRFID(Radio
Frequency Identification)が挙げられる。このICタグ105には、皿104に載せられる寿司の商品番号が登録されている。
【0020】
データ入力装置106は、データベース(図示せず)に、各寿司の商品情報を入力する装置である。データ入力装置106は、ネットワークを介してモニタ制御装置107と接続されている。
モニタ制御装置107は、各モニタ装置102に表示すべき情報(即ち、商品情報)をデータベースから読み出し、各モニタ装置102の表示を制御する。モニタ制御装置107は、ネットワークを介して各モニタ装置102とデータ入力装置106とに接続されている。
モニタ制御装置107は、各装置と通信する通信部と、各プログラムを格納する記憶部と、プログラムを実行するとともに装置全体を制御する中央演算部と、を少なくとも備えており、後述するモニタ制御装置107の動作処理は、必要なプログラムを読み出した中央演算部により実行されるものとする。
なお、図1では、全ての装置が店内に設置された例を示したが、それ以外の構成であっても構わない。例えば、データ入力装置106とデータベースを店外(例えば本店)に設置し、情報を一元集中するように管理しても良い。この場合には、店内に設置されたモニタ制御装置107は、本店で集約された情報をネットワークを介して取得することが可能である。
【0021】
図2は、皿104の一例を示す図であり、皿104の側面と裏面を示している。
回転寿司のコンベア101で移送される際の状態を示したものであり、皿の本体201と、本体201の底部に取り付けられたICタグ202(図1のICタグ105に相当)と、寿司203と、寿司ネタ204を図示している。
ICタグ202には、皿104上に載せられる寿司ネタ204を示す商品番号がタグ情報として予め記憶されている。したがって、本実施形態では、寿司ネタ204ごとに異なる商品番号のICタグ202を用意している。また、寿司203が載せられる皿104も、予め寿司ネタ204ごとに決められているものとする。
【0022】
図3は、本実施形態の情報の流れを模式的に示す図である。
図3では、皿(図1の皿104参照)の裏面に取り付けられたICタグ301(図1のICタグ105に相当)と、ICタグ301を読み込むタグリーダー302(図1のタグリーダー103に相当)と、商品番号、情報をモニタ装置305(図1のモニタ装置102に相当)の画面に表示させるモニタ制御装置303(図1のモニタ制御装置107に相当)と、モニタ制御装置303に備えられ、商品番号、商品情報を含むデータを格納するデータベース304と、商品情報を表示するモニタ装置305と、商品情報を入力するデータ入力装置306(図1のデータ入力装置106に相当)とを、それぞれ処理の流れのブロックとして模式的に示している。以下、情報の流れを説明する。
【0023】
まず、タグリーダー302は、ICタグ301に記憶されている商品番号を読み取り、読み取った商品番号を自身のタグリーダーIDとともにネットワークを介してモニタ制御装置303に送信する。例えば、商品番号0001を記憶したICタグ301の皿がコンベア(図1のコンベア101参照)のレーンに移送されている場合、タグリーダー302は商品番号0001を読み取り、商品番号0001を、自身のタグリーダーIDとともにモニタ制御装置303に送信する。
次に、モニタ制御装置303は、受信した商品番号をデータベース304で検索し、その商品番号と一致する商品の商品情報を取得する。モニタ制御装置303は、当該タグリーダー302が設置されたモニタ装置305に対し、取得した商品情報に従って画面を表示するように制御する。先の例で言えば、モニタ制御装置303は、データベース304の商品番号0001の商品情報を取得し、取得した商品情報を、受信したタグリーダーIDに対応するモニタ装置305に表示するように制御する。
なお、データベース304の商品情報は、予めデータ入力装置306により登録しておくものとする。
【0024】
図3で説明した模式図をフローチャートで簡単に纏めたのが図5である。図5では3段階のステップに分けて動作を示している。
第1段階では、タグリーダー302でICタグ301を検知する(S1)。即ち、タグリーダー302は、タグリーダー302の前のコンベアのレーンにICタグ301が取り付けられた皿が通過した時点でICタグ301を検知する。
第2段階では、データベース304の参照を行う(S2)。即ち、タグリーダー302は、読み取った商品番号を自身のタグリーダーIDとともにモニタ制御装置303に送信し、モニタ制御装置303は、データベース304を検索し、受信された商品番号に対応する商品情報を参照する。
第3段階では、情報をモニタ装置305に表示する(S3)。即ち、モニタ制御装置303は、受信したタグリーダーIDと参照した商品情報に基づいて、必要な情報をモニタ装置305に表示するように制御する。
【0025】
図4は、データベース401(図3のデータベース304に相当)に登録された商品情報の一例を示す図である。
データベース401には、データベース401内で一意な番号を示す商品番号402と、商品番号402に対応する商品名403と、商品番号402に対応する商品の動画データを格納した動画ファイル名404と、商品番号402に対応する紹介情報405と、商品番号402に対応するその他情報406が含まれている。
【0026】
例えば、商品番号0001に対応する情報としては、商品名として「えんがわ」が登録されており、商品番号0001のICタグが読み取られたときは、皿に盛られた寿司ネタがえんがわであることが示される。また、動画ファイル名として、えんがわを紹介する動画「engawa」が登録されており、えんがわを紹介する動画や、その魚としてヒラメ、カレイが画面上に表示される。なお、ここでは動画を例として説明したが、静止画であっても構わないし、動画および静止画の両方であっても構わない。また、えんがわの紹介情報(或いは説明情報)として「ヒラメ、カレイの鰭を動かすための筋肉のことをいい、コリコリとした舌ざわりが好まれます。」が登録されており、えんがわの説明が画面上に表示される。さらに、その他の情報として「どちらがヒラメでしょうか?」が登録されており、例えばクイズ形式でヒラメとカレイの画像を画面上に表示させることが考えられる。
又、前記商品情報には、例えば、商品である寿司の寿司ネタとなる生物の生態情報及び生態情報に対応する画像や、生物の生態状態又は生物の関連情報を表示する動画が含まれても良い。
【0027】
データベース401にこのような商品情報が登録されているため、モニタ制御装置303は、タグリーダー302から受信した商品番号に対応する商品名、動画データや静止画データ、紹介情報、その他情報をモニタ装置305に表示するように制御することが可能となる。
なお、データベース401には、図4に示す商品情報のテーブルだけでなく、各タグリーダー302と各モニタ装置305の対応関係を示すテーブルも登録されているものとする。例えば、図1に示す如く、タグリーダー103aのIDと、当該タグリーダー103aが設置されたモニタ装置102aのIDとが組として登録されている。他のタグリーダーについても、タグリーダー103bとモニタ装置102b、タグリーダー103cとモニタ装置102c、タグリーダー103dとモニタ装置102d…、のように、それぞれが組として登録されている。これにより、モニタ制御装置107は、タグリーダー103から受信したタグリーダーIDから対応するモニタ装置102のIDを特定し、特定したモニタ装置102に対して適切な画面表示を制御することが出来る。
【0028】
図6は、モニタ装置602(図1のモニタ装置102に相当)の主な表示例を示す図である。
図6では、回転寿司のコンベア601(図1のコンベア101に相当)と、コンベア601に沿って縦置きに設置されるモニタ装置602(図1のモニタ装置102に相当)と、モニタ装置602の手前を流れる皿603(図1の皿104に相当)と、皿603に載っている寿司604と、コンベア601により移送され、モニタ装置602を通り過ぎた皿605と、皿605(図1の皿104に相当)に載っている寿司606と、皿603の状態の際の表示内容を示す表示画面607と、皿605の状態の際の表示内容を示す表示画面608が示されている。(なお、皿603と皿605、寿司604と寿司606は夫々同一のものであり、時間差による位置関係や動きを説明するために敢えて異なる符号を付したものである。)
【0029】
寿司を載せた皿がコンベア601上を流れ、右側方向から近づいてくると(ここでは皿603の位置で)、モニタ装置602またはモニタ装置602の近くに設置されたタグリーダーは、皿に取り付けられたICタグを検知し、ICタグに記録された商品番号を読み取る。ICタグの検知距離は、表示画面607を表示するに当たり適切な距離で検知するようにタグリーダーを予め設定しておく。この検知距離は、再びタグを検知しなくなる皿605の位置における距離と同じ距離である。
商品番号を読み取ったタグリーダーがモニタ制御装置に商品番号を送信し、モニタ装置602がモニタ制御装置から当該商品番号に対応する商品情報を受信すると、表示画面607の右端に、商品情報に含まれる魚の画像を表示する。表示する画像は、ここでは静止画を例として説明するが、動画であっても構わない。また、画像を表示するとともに、画面の上部または下部に、商品情報に含まれる商品名(魚の名称)と、その紹介情報をスクロールで表示する。
【0030】
皿がコンベア上を流れてゆくと、タグリーダーは、皿に取り付けられたICタグの動きを検知し、モニタ装置602は、皿の動きに合わせて表示画面の魚の画像が右から左へと流れていくように(漸次変位するように)表示する。また、その他の商品情報も皿の動きに合わせてスクロールするようにしても良い。皿の動きは一定時間ごとに(例えば0.1秒ごとに)検知され、その都度、皿の移動距離に合わせて表示画面の魚の画像も移動するように表示される。
モニタ制御装置107は、タグリーダーがICタグとタグリーダーとの距離を検知する(例えば、反射波の強弱によって距離を検知する)ことによってICタグの動きを把握(検知)することができ(これにより、皿の移送速度も検知できる)、或いは、予めコンベア601の移送速度を入力しておくことで、初回の検知時点からの経過時間から計算することによりICタグの動きを把握(検知)することができる。前者においては皿603の位置から皿605の位置までの距離と検知した皿の移送速度とから、表示画面の右端から左端までのどの位置に魚の画像を表示すべきか求めることが可能であり、後者においては、皿603の位置から皿605の位置までの距離とコンベアの移送速度とから、表示画面の右端から左端までのどの位置に魚の画像を表示すべきか求めることが可能である。
【0031】
皿がコンベア601上を更に流れ、モニタ装置602の前を通過して検知距離の限界(検知範囲の限界)まで到達したときには(ここでは皿605の位置とする)、魚の画像は表示画面の左端まで移動し、表示画面608のように表示される。
以上のように、コンベア601に移送されている商品の情報を移送される皿の動きに合わせてモニタ装置602で表示することができる。その際、例えば、寿司604のネタの魚をコンベア601の動きに合わせて泳いでいる姿を表示することで店舗全体での効果的な商品紹介に活用することも可能となる。
つまり、本実施形態の情報表示システムおよび表示方法によれば、高い視覚効果で表示する情報表示システムおよび表示方法を実現することができる。
即ち、皿がコンベアで移送されている段階で、皿上の商品をモニタに表示し、客席に座っている客が早く商品を確認し、選択できるようにすることができる。
更に、客席に座っている客以外の客にも皿上の商品情報を広い範囲で公開することができる。
【符号の説明】
【0032】
101,601 コンベア
102,102a〜102f,305,602 モニタ装置
103,103a〜103f,302 タグリーダー
104,603,605 皿
105,202,301 ICタグ
107,303 モニタ制御装置
203,604,606 寿司
204 寿司ネタ
304,401 データベース
405 紹介情報
607,608 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
客席に沿って皿を移送するコンベアに沿って設置された複数台の縦置きのモニタ装置と、前記モニタ装置の前を移送される皿に取り付けられたICタグから、前記皿に載せられた商品に関するタグ情報を読み取るタグリーダーとが、ネットワークを介してモニタ制御装置に接続された情報表示システムに於いて、
前記モニタ制御装置は、
前記タグリーダーから、前記ICタグのタグ情報及びタグリーダーIDを受信すると、受信したタグ情報に基づき、前記タグ情報に対応する前記商品の商品情報をデータベースから取得する手段と、
受信した前記タグリーダーIDに対応するモニタ装置に、取得した前記商品情報に基づいて、所定の商品情報を表示させるように制御する手段とを備え、
前記コンベアによって、前記皿が商品を載せて前記モニタ装置の前に移送されてきた時、前記皿に載せられた商品の所定の商品情報が、前記モニタ装置に表示されるように構成されたことを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記皿は、前記商品としての寿司を載せる回転寿司用の皿であり、前記商品情報には、前記寿司の寿司ネタとなる生物の生態情報、前記生物に対応する画像、又は、前記寿司ネタに関連するクイズ情報のうち少なくともいずれか一つが含まれることを特徴とする請求項1記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記画像は、前記寿司ネタとなる生物の生態状態又は生物の関連情報を表示する動画であることを特徴とする請求項2記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記モニタ制御装置は、
前記ICタグが取り付けられた前記皿が、前記モニタ装置の前を移送されると、前記タグリーダーに、前記タグリーダーと前記ICタグとの距離を検知させることによって前記ICタグの動きを検知し、或いは、前記ICタグの初回の検知時点からの経過時間と、前記コンベアの移送速度とから計算して前記ICタグの動きを検知する手段と、
前記ICタグの動きに合わせて、前記ICタグのタグ情報に対応する静止画、動画、紹介情報のうち少なくともいずれか一つの商品情報を前記モニタ装置の表示画面上で流れていくように表示させる手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の情報表示システム。
【請求項5】
客席に沿って皿を移送するコンベアに沿って設置された複数台の縦置きのモニタ装置と、前記モニタ装置の前を移送される皿に取り付けられたICタグから、前記皿に載せられた商品に関するタグ情報を読み取るタグリーダーとが、ネットワークを介してモニタ制御装置に接続された情報表示システムにおける情報表示方法に於いて、
前記モニタ制御装置は、
前記タグリーダーから、前記ICタグのタグ情報及びタグリーダーIDを受信すると、受信した前記タグ情報に基づき、前記タグ情報に対応する前記商品の商品情報をデータベースから取得するステップと、
受信した前記タグリーダーIDに対応するモニタ装置に、取得した前記商品情報に基づいて、所定の商品情報を表示させるように制御するステップとを実行し、
前記コンベアによって、前記皿が商品を載せて前記モニタ装置の前に移送されてきた時、前記皿に載せられた商品の所定の商品情報が、前記モニタ装置に表示されることを特徴とする情報表示方法。
【請求項6】
前記皿は、前記商品としての寿司を載せる回転寿司用の皿であり、前記商品情報には、前記寿司の寿司ネタとなる生物の生態情報、前記生物に対応する画像、又は、前記寿司ネタに関連するクイズのうち少なくともいずれか一つが含まれることを特徴とする請求項5記載の情報表示方法。
【請求項7】
前記画像は、前記寿司ネタとなる生物の生態状態又は生物の関連情報を表示する動画であることを特徴とする請求項6記載の情報表示方法。
【請求項8】
前記モニタ制御装置は、
前記ICタグが取り付けられた前記皿が、前記モニタ装置の前を移送されると、前記タグリーダーに、前記タグリーダーと前記ICタグとの距離を検知させることによって前記ICタグの動きを検知し、或いは、前記ICタグの初回の検知時点からの経過時間と、前記コンベアの移送速度とから計算して前記ICタグの動きを検知するステップと、
前記ICタグの動きに合わせて、前記ICタグのタグ情報に対応する静止画、動画、紹介情報のうち少なくともいずれか一つの商品情報を前記モニタ装置の表示画面上で流れていくように表示させるステップとを実行することを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか一に記載の情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−113526(P2012−113526A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262213(P2010−262213)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)