説明

情報表示システム

【課題】 表示される情報の内容を容易に変更でき、表示される情報の内容を迅速に変更することができる情報表示システムを提供する。
【解決手段】 サーバ310は、端末装置100から送信された情報にもとづいて、データベース320に格納されている表示データを変更する。配信サーバ410は、公衆携帯電話網を介して表示装置80との間でデータの送受信を行う。表示装置80の表示素子としてメモリ性を有するカイラルネマチック液晶表示素子を用いる。端末装置100からの変更要求にもとづきデータベース320中の表示データが変更されると、変更後の表示データは、公衆携帯電話網を介して表示装置80に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に情報を表示させることによって多数の人に情報を提供することができる情報表示システムに関し、特に、表示装置に表示される情報の内容を容易に変更できる情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の人に情報を提供することができる情報提供媒体の一例として、鉄道会社の駅に置かれている発車時刻表がある。図11は、鉄道会社の駅に置かれている発車時刻表の一例を示す説明図である。一般的に、発車時刻表は、一日の全列車の発車時刻に加え、曜日による発車時刻や行き先の違いなど、多くの情報を限られた表示面積のなかに掲示している。このような時刻表は、路線、駅などによって、異なる数字や記号を含むことが多い。そのため、利用者は、所望の列車の発車時刻を見つけにくいことが多い。
【0003】
また、鉄道などの交通機関の駅では、現在駅において何時の発車時刻の列車に乗車すれば、利用者が目的とする行先駅に到着できるかを示す時刻表示が行われている。そのような時刻表示として、終電車に関する終電時刻表がある。しかし、鉄道会社間で、その表示方法は統一されていないので、利用者にとって判読しにくい。
【0004】
また、終電車の発車時刻は、事故の発生等の種々の理由に起因して変更されることがある。一般的に時刻表示のための情報提供媒体は、印字がなされた紙や樹脂板などの印刷媒体である。そのため、終電時刻表の情報を変更することは容易でない。すなわち、終電車の発車時刻の臨時変更に即応することが難しい。終電時刻表の臨時変更に限らず、発車時刻表についても、列車の遅れ等による発車時刻の変更に応じて情報を変更することは容易でない。
【0005】
情報提供媒体として印刷媒体を用いる場合には、時刻表の内容を変更するには、様々な情報を含む時刻表のなかで、変更すべき表示箇所をそれぞれ書き換える必要がある。時刻表の内容を変更する際に、粘着性の裏面剤を備え変更後の情報が記載された白色紙を、時刻表に部分的に貼り付けることによって処置されることもある。
【0006】
また、路線図と終発時刻表とを組み合わせて、利用者が視認しやすくした終電時刻表が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、乗り換え時間を含めた降車駅別の終電時刻表、駅構内やホームに必要な情報をタイムリーに表示できる仕組みを持った発車時刻表示システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
また、携帯電話とインターネットを利用したビジネスも提案されている。例えば、依頼主の要請により、広告業者がインターネットを経由して希望するタイミングにおいて、会員登録をした人々に対して、電子メールの広告をほぼ同時に送信するというものがある。あるいは、KDDI株式会社が提供するPacketOne接続サービスやSMS網起動サービスを用いて、遠隔地から、通信モジュールを組み込んだ機器を所定の範囲で操作することもできる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開平11−249561号公報
【特許文献2】特開平7−302283号公報
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、日経BP社、2003年8月4日発行、No.853、p.100−103
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、従来技術では、即応性の情報提供を行うことが難しい。すなわち、情報提供媒体として印刷媒体を用いる場合には、情報の内容を変更する際に、人手によって部分的に書き換えたり、変更後の情報が印字された紙を貼り付ける必要があるので、変更内容を利用者に伝えることができるようになるまでに時間がかかる。また、人手によって変更作業が行われるので、情報の内容変更に関するコストは高い。
【0010】
また、特許文献2に記載されたシステムは、各駅における列車の発車時刻を集中管理するホストコンピュータが設けられ、ホストコンピュータから各駅に設けられている端末装置に、変更後の時刻表などの情報を配信するように構成されている。そのような構成では、例えば一鉄道会社内などの閉じた環境で活用することはできるが、複数の鉄道会社に亘って情報を迅速に配信するようにすることは難しい。仮に、複数の鉄道会社に亘って情報を配信する一つのホストコンピュータを設けたとしても、地震などの発生によって各鉄道会社における各駅の時刻表を臨時に変更する場合には、各鉄道会社から個別に変更後の情報を収集しなければならず、迅速な変更処理を行うことはできない。
【0011】
そこで、本発明は、情報提供媒体に表示される情報の内容を容易に変更でき、情報の内容変更に関するコストを低減できるとともに、表示される情報の内容を迅速に変更することができる情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の態様1は、表示内容の変更指示に応じて変更後の表示データを作成する表示管理システムと、第1の通信ネットワークを介して表示内容の変更指示を表示管理システムに送信する端末装置とが備えられ、表示管理システムが、表示データを第2の通信ネットワークを介して表示装置に送信する配信手段を含み、表示装置が、メモリ性を有する表示素子と、表示素子を駆動する駆動回路と、第2の通信ネットワークを介して表示データを受信する通信インタフェース部と、通信インタフェース部が受信した表示データにより駆動回路に表示素子の表示を更新させる制御回路とを含むことを特徴とする情報表示システムを提供する。
【0013】
態様2は、態様1において、表示管理システムが、表示内容の変更指示に応じて変更後の表示データを作成する表示管理サーバと、表示管理サーバが作成した表示データを通信回線を介して受信し、受信した表示データを通信ネットワークを介して表示装置に送信する配信手段としての配信装置とを含む情報表示システムを提供する。
【0014】
態様3は、態様2において、表示管理サーバが、Webブラウザを搭載した端末装置の操作者に変更指示を入力させるためのWebページを送信するWebページ送信手段と、端末装置のWebブラウザにより送信された変更指示にもとづいて変更後の表示データを作成する表示内容変更手段と、表示内容変更手段が作成した変更後の表示データを配信装置に送信する変更表示データ送信手段とを含む情報表示システムを提供する。
【0015】
態様4は、態様3において、表示管理システムには、表示装置の表示内容に対応する表示データを記憶する記憶装置が備えられ、Webページ送信手段が、記憶装置に既に記憶されている表示データを端末装置に送信し、表示内容変更手段が、端末装置が送信した変更指示にもとづいて記憶装置が記憶している表示データを変更する情報表示システムを提供する。
【0016】
態様5は、配信装置が、表示管理サーバから受信した表示データを一時記憶する一時記憶手段と、時刻を管理する時計手段と、時計手段があらかじめ決められている時刻になったと判断したときに一時記憶手段に記憶されている表示データを表示装置に宛てて送信する表示データ送信手段とを含む情報表示システムを提供する。
【0017】
態様6は、態様1、2、3、4または5において、表示管理システムに、一つまたは複数の表示装置からなるグループに対応して設けられている記憶領域にグループの課金データを記憶する課金情報記憶手段と、、変更後の表示データを作成したことに応じて、その表示データが表示される表示装置が含まれるグループの課金データに、あらかじめ決めれている金額に相当する値を加算する課金手段とが備えられている情報表示システムを提供する。
【0018】
態様7は、態様1〜6のそれぞれにおいて、表示装置が、所定時刻になると、通信インタフェース部を通信可能状態に設定する起動管理部を含む情報表示システムを提供する。
【0019】
態様8は、態様1〜7のそれぞれにおいて、表示データの変更指示を受付可能とする操作を外部から表示装置に与え、新しい表示データを即時表示することが可能な情報表示システムを提供する。
【0020】
態様9は、態様1〜8のそれぞれにおいて、表示装置が、装置外から通信ネットワークを介さずに起動指示情報を受信するための受信部と、受信部が起動指示情報を受信すると通信インタフェース部を通信可能状態に設定する第2の起動管理部を含む情報表示システムを提供する。
【0021】
態様10は、態様8または態様9において、臨時の変更指示を受付可能とする操作を赤外線通信で行う情報表示システムを提供する。
【0022】
態様11は、態様1〜10のそれぞれにおいて、第2の通信ネットワークが公衆携帯電話網である情報表示システムを提供する。
【0023】
態様12は、態様1〜11のそれぞれにおいて、通信インタフェース部は、携帯電話通信モジュールである情報表示システムを提供する。
【0024】
態様13は、態様1〜12のそれぞれにおいて、第1の通信ネットワークがインターネットである情報表示システムを提供する。
【0025】
態様14は、態様1〜13のそれぞれにおいて、表示管理システムが、表示データとして交通機関における時刻表を作成し、表示装置が、時刻表を表示する情報表示システムを提供する。
【0026】
態様15は、態様1〜14のそれぞれにおいて、表示データの変更が定期的に行われる情報表示システムを提供する。
【0027】
態様16は、態様1〜15のそれぞれにおいて、メモリ性を有する表示素子がカイラルネマチック液晶表示素子である情報表示システムを提供する。
【0028】
態様17は、態様1〜16のそれぞれにおいて、一人の利用者が50台以上の表示装置を利用する情報表示システムを提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、表示装置に表示される情報の内容を容易に変更でき、情報の内容変更に関するコストを低減できるとともに、表示される情報の内容を迅速に変更することができる。また、一つの表示管理システムから多数の表示装置に表示データを送信することができる汎用性の高いシステムを実現できる。
【0030】
本発明においては、無線LANやPHSなどの従来の通信技術を用いることもできる。また、携帯電話機としてFerica搭載携帯電話機を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の情報表示システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す情報表示システムにおいて、パーソナルコンピュータなどの端末装置100は、広域通信ネットワーク(第1の通信ネットワークに相当)としてのインターネット200を介して、情報表示サービス会社300またはそのサービスを代行する会社等に設置されている表示管理サーバとしてのサーバ310に接続可能である。図1には、サーバ310が情報表示サービス会社300に設置されている例が示されている。
【0032】
サーバ310は、端末装置100から送信された情報にもとづいて、データベース320に表示データを格納したり、データベース320に格納されている表示データを変更したりする。なお、端末装置100には、Webページを閲覧するためのWebブラウザが搭載されているが、端末装置100はパーソナルコンピュータに限られず、端末装置100としてPDAや携帯電話機を使用することもできる。この場合、利用者は、インターネット200を介さずに電話回線網を経由してサーバ310にアクセスすることもできる。この態様において、利用者は、表示変更のタイミングを再設定でき、あるいは、あらかじめ準備された複数の表示情報のデータを選択して決定することができる。
【0033】
また、サーバ310は、専用回線500を介して、サーバ310から受信した表示データを無線通信ネットワーク(第2の通信ネットワークに相当)を介して表示装置に送信する配信装置としての配信サーバ410と通信可能である。配信サーバ410は、携帯電話網運営会社400または携帯電話網運営会社400のサービスを代行する会社等に設置されている。図1には、配信サーバ410が携帯電話網運営会社400に設置されている例が示されている。
【0034】
配信サーバ410は、ディジタル公衆携帯電話網(特にパケット網)におけるパケット交換機(以下、交換機という。)420に接続されている。交換機420は、ディジタル公衆携帯電話網における基地局600との間でデータの送受信を行う。ただし、配信サーバ410を、交換機420を介さずにパケット網に接続するように構成してもよい。なお、図1には、一つの基地局600のみが示されているが、システム内には多数の基地局が存在する。また、図1には、3つの表示装置80のみを示しているが、システム内にはより多くの表示装置が存在しうる。例えば、鉄道会社の駅の場合、一つの管轄区域に100〜4000駅が存在する。さらに、一つの駅あたり6台程度の表示装置を設置することができる。すると、例えば、一人の利用者が、多数の(例えば50台以上)表示装置を利用することになる。
【0035】
データベース320には、それぞれの表示装置が現在表示している表示内容に対応したデータ(表示データ)が、それぞれの表示装置に対応づけられて格納されている。データベース320において、表示データの形式は、ビットマップ形式でもよいが、JPEGやGIFなどのデータ圧縮された形式でもよい。また、特定の画像作成アプリケーションソフトウェアが用いるファイル形式でもよい。また、データベース320にはテキスト部分のデータのみが格納され、サーバ310が、所定の表示フォーマット(表題や罫線など)のデータを記憶し、データベース320に記憶されているテキストデータと表示フォーマットのデータとを用いて、表示データを作成するように構成してもよい。また、表示データは、端末装置100からの変更要求に応じて、Webページに含められて端末装置100に送信されるので、HTML形式またはXML形式の表示データが、上記のデータ形式の表示データと併せて、または、上記のデータ形式の表示データに代えてデータベース320に記憶されていることが好ましい。
【0036】
サーバ310と配信サーバ410とは、端末装置100から受信した表示内容の変更指示に応じて変更後の表示データを作成し、変更後の表示データを無線通信ネットワークを介して表示装置80に送信する表示管理システムを構成する。また、表示装置80は、PDC(Personal Digital Cellular )アダプタを内蔵し、無線通信によって基地局600を介して、配信サーバ410と通信可能である。
【0037】
以下、表示装置80として、鉄道会社の駅等に設置され時刻表を表示する時刻表示装置をあげて説明する。従って、表示装置80は鉄道会社が情報表示サービス会社300から購入したり、情報表示サービス会社300から貸与されたり、情報表示サービス会社300から購入した第三者から貸与されたりする。また、端末装置100は、鉄道会社内に存在するパーソナルコンピュータなどである。なお、本実施の形態では時刻表示装置を例にするが、本発明の情報表示システムは、時刻表の表示を目的としたシステムに限定されない。
【0038】
図2は、表示装置80を模式的に示す正面図である。表示装置80において、メモリ性を有する表示素子が用いられている。メモリ性とは、駆動電圧が実質的に0Vの状態で、表示情報を保持できる性質をいう。メモリ性を有する表示素子として、例えばコレステリックまたはカイラルネマチック液晶表示素子(以下、CL−LCDということがある)がある。図2に例示する表示装置80は、8枚のカイラルネマチック液晶表示素子1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H(以下、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hと表記する。)の前面に前面板(ガラス基板)10が設置された構成である。
【0039】
なお、メモリ性を有する表示素子として、CL−LCDの他に、反強誘電性液晶表示素子(以下、AF−LCDという。)等がある。また、カラー表示ではなくモノクロ4階調程度の表示を行えばよい場合には、マイクロカプセル型電気泳動方式の表示素子を用いてもよい。しかし、表示装置80として、低消費電力化が可能で、マルチカラー表示をすることができるCL−LCDを使用することが好ましい。
【0040】
それぞれのカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのサイズは、例えば、横440mm、縦68mmであり、それぞれのカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hと隣接するカイラルネマチック液晶表示素子との間に、約25mmの間隔が設けられている。一例として、8枚カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのうちの7枚は、3時間分の列車の発車時刻を表示する。残りの1枚は、広告表示用として用いられる。なお、平日上り用、平日下り用、休日上り用、休日下り用の全ての時刻表を表示するには、図2に例示する表示装置80を、4つ順に隣接させて、または表裏それぞれ2つを隣接させて、設置すればよい。
【0041】
この場合、各々の表示装置に対して一つの無線通信インタフェース部(例えばPDCモジュール)を設けることもできるが、4つの表示装置を一つの組として、一つの無線通信インタフェース部を設置することが簡便で好ましい。
【0042】
表示装置80には、時刻表を表示する部分の他に、図2において破線で示すように、印刷等の手法によって情報が形成される情報表示領域が設けられていてもよい。情報表示領域は、図1に示す表示装置80では、表示装置80上側に設けられているが、他の部分に設けられていてもよい。そのような情報表示領域には、一般に、鉄道会社や駅名を示す表示、時刻表であることの表示、広告的な表示などの、表示内容が固定的である表示が形成される。
【0043】
図3は、図2におけるP−Q断面の部分断面図である。なお、図3では、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのうちの2枚のカイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hのみが示されている。図3において、前面板10とカイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hとの間には衝撃吸収性の透明樹脂層12が挟持されている。このように、大型の表示面を有する表示素子の表示面に応力が生じないように柔らかい樹脂が配置される。透明樹脂層12は、人間が通常程度の打撃力を前面板10に与えても、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示状態が変化しないようにするためのものである。
【0044】
カイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hの背面側に、カイラルネマチック液晶表示素子1A,1Hを駆動する電子回路や内蔵電源などを収容した電気回路ブロック13が配置されている。さらに、それらの部材を保護するように筐体14が設けられ、前面板10と密着するように固定化されている。筐体14には、動作試験用の端子、内蔵電源に充電するための給電端子、および保守用の蓋などが設られていてもよい。図3に示す構成では、表示装置80の上側の2つの隅が、ボルト付き支柱90で壁面91に固定される。なお、表示装置80を、壁面91に固定するのではなく、天井等から吊り下げられるように設置したり、壁面等に設けられた凹部にはめ込むように設置してもよい。
【0045】
前面板10の表側の全面には、反射防止の透明フィルム11が設けられている。透明フィルム11として、アークトップ(登録商標)などの透明ふっ素樹脂フィルムを用いることが好ましい。透明フィルム11は、防護フィルムとしての機能をも備えている。また、前面板10の裏面側において、筐体部分の外側部分(額縁部分)には、表側から利用者が背後を見通すことがないよう、曇りガラス状の半透明フィルム15を設置することが好ましい。これによって、表側から画面領域を視認する利用者が、表示装置80の表示面を視認でき、情報を的確に把握しやすくすることができる。
【0046】
透明樹脂層12の製造方法として、本出願人による、特願2003−420063号、特願2003−420065号、特願2004−214986号に示す技術を用いることができる。
【0047】
すなわち、透明樹脂層12は、透明弾性樹脂によって形成される。カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hへの応力を可能な限り抑制するため、透明樹脂層12は、低弾性率の材料によって形成することが好ましい。低弾性率の透明弾性樹脂は、樹脂のガラス転移温度が0℃以下、さらに好ましくは−20℃以下であることが好ましい。また、常用温度(25℃)での引っ張り弾性率は100MPa以下、好ましくは10MPa以下がさらに好ましい。特に、1MPa以下がさらに好ましい。
【0048】
透明弾性樹脂の材料として、シリコーン、アクリル、ウレタンなどが考えられるが、好ましい透明弾性樹脂の材料の一つはシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂の好ましい一例として、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製の2液型熱硬化性シリコーンSE1740(A/B)を挙げることができる。また、高温時の特性安定性から架橋した分子構造を持つ樹脂が好ましいが、若干流動可能なゲル状の透明樹脂を用いることもできる。その他、透明樹脂層12として特に好ましい材料として、透明ゲル状樹脂が挙げられる。ゲル状樹脂は、ゴム状樹脂などの硬い弾性樹脂と比較して、応力の吸収に優れている。このため、例えば、ヒートサイクル試験における熱膨張の相違に起因するカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hへの残留応力、あるいは、前面板10を治具によって壁面91に固定することによって前面板10が変形することに起因する応力などを効果的に吸収し、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示むらを効果的に抑制することができる。
【0049】
透明ゲル状樹脂を使用する場合、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hと前面板10とを効果的に固着するため、透明ゲル状樹脂による透明樹脂層12のちょう度が適切な値に設定される。特に、透明ゲル状樹脂による透明樹脂層12のちょう度の決定において、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hへの応力の抑制や位置ずれを考慮することが重要である。カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hに加えられる応力を可能な限り抑制するには、ちょう度が大きいことが好ましい。しかし、ちょう度が大きすぎる場合には、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hを保持することができず、位置ずれが起きる。そのため、透明ゲル状樹脂による透明樹脂層12の1/4ちょう度が、5〜800(JIS K2220)であることが好ましい。さらに好ましくは、10〜500(JIS K2220)である。透明ゲル状樹脂による透明樹脂層12の材料として、シリコーン、アクリル、ウレタンなどが考えられるが、製造工程における気泡の発生を抑制する観点から、表面張力が小さい材料であるシリコーン樹脂を使用することが好ましい。また、ゲル型シリコーン樹脂の好ましい一例として、硬化後にゲル状態を示す2液型硬化性シリコーンが挙げられる。閉空間に硬化樹脂層を形成することから、揮発性溶媒を含む1液型の硬化樹脂ではなく、揮発性溶媒を含まない2液型硬化性シリコーンが好ましい。例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製の2液型熱硬化性シリコーンSE1885(A/B)を使用することによって、透明樹脂層12を形成することができる。
【0050】
CL−LCDは相転移型の動作を有する。相転移型とは、入射光の一部を選択反射するプレナー状態(以下、PL状態という。)および入射光を散乱させるフォーカルコニック状態(以下、FC状態という。)の少なくとも2状態で安定であり、電極間に所定の電圧を印加することで、液晶をPL状態またはFC状態に転移させることができることをいう。
【0051】
図4は、CL−LCDを2層積層して形成した液晶表示素子20の模式的断面図である。液晶表示素子20は、図2に示すカイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hのそれぞれに相当する。CL−LCDを駆動するために、一般に、単純マトリクス駆動法が用いられる。行電極26を設けた第1基板22と列電極27を設けた第2基板23の電極面を直交配置するように対向させる。第1基板22と第2基板23は周辺シール材24を介して圧着され、セル空間が形成され、その内部にカイラルネマチック液晶層25が注入される。
【0052】
第2基板23には引出電極群28が形成されている。第2基板23の列電極27は、引出電極群28内の所定の電極に直接接続されているが、第1基板22の行電極26は、周辺シール材24に含まれている導電ビーズなどのトランスファ材を介して引出電極群28内の所定の電極と導通がとられている。トランスファ材を使用せずに、引出電極群28を第1基板22と第2基板23とのそれぞれに形成してもよい。第1基板22の裏面側には、黒色の艶消し塗料が着色層29として塗布されている。
【0053】
対向して配置された行電極26と列電極27との間に印加される電圧によってカイラルネマチック液晶層25が駆動され、その相状態の転移が制御され表示が行われる。CL−LCDでは、偏光板を用いずに表示を行うことができる。そして、CL−LCDは第2基板23の引出電極群28に、一旦電圧を印加して所定の表示状態に置いた後に、電源を遮断しても、その表示状態が維持される。なお、AF−LCDでは、表示状態を保持するために保持電圧を印加する必要がある。また、上記のように、メモリ性の表示素子として、電気泳動素子を用いることもできる(特表2001−500172号参照)。
【0054】
さらに、CL−LCDにおいて、保持された表示状態を他の表示状態に転移させるには、再度所定の電圧を印加すればよい。その際に、一旦表示面の全面を消去してから、次の表示に必要な電圧を印加することが好ましい。すなわち、使用上の観点から直前の表示を完全に消去した後に、新しい表示に書き換えることが好ましい。通常、表示面全体をPL状態にすることで、選択反射の色を描画し、FC状態にすることで微散乱状態におき、裏面側の艶消し色(黒色塗料)を表示させ、表示を行うことができる(例えば、特開2001−337314号公報参照)。本実施の形態では、CL−LCDは2層構造とされ、相互に補色関係の選択反射波長を備えるカイラルネマチック液晶表示素子が用いられる。
【0055】
そして、本実施の形態では、2層型液晶セルの各選択反射波長を設定することにより、表側から白色、黒色、青色、橙色の4色を呈するように構成する。さらに、上記の4色に加えて、例えば、茶色、紺色、灰色、水色の4色を表示することも可能である。液晶パネルのドットマトリックスに対応する画素は自由に表示を変更することができる。また、あらかじめソフトウェア処理により、あるカラー表示画面の、それぞれの画素の色データを変換して、カイラルネマチック液晶表示素子における所定のマルチカラー表示に適した画像データを生成することができる。
【0056】
図5は、サーバ310の機能構成を、データベース320とともに示すブロック図である。記憶装置としてのデータベース320は、サーバ310に組み込まれていてもよい。図5に示す構成において、通信制御部311は、インターネット200を介して通信を行う際のプロトコル制御等を行うとともに、専用回線500を介して配信サーバ410と通信を行う際のプロトコル制御等を行う。
【0057】
Webページ作成部312は、端末装置100の操作者が、表示内容の変更箇所を示す情報および変更後のデータを入力できるようにWebページを作成して通信制御部311に出力する。ここでは、表示内容として時刻表を例にしているので、例えば、Webページ作成部312は、データベース320に既に記憶されている時刻表のデータを含むWebページを作成し、通信制御部311を介して端末装置100に提供する。
【0058】
そして、端末装置100のWebブラウザが端末装置100の表示部に表示させたWebページにおいて、変更指示(変更箇所、および変更箇所の変更後のデータ)を入力した場合には、Webブラウザにより送信された変更指示を、通信制御部311を介してデータ更新部313が受信する。表示内容変更手段としてのデータ更新部313は、変更指示に従って、データベース320に記憶されている表示内容を変更する。また、変更後の表示データを表示データ送信部315に出力する。
【0059】
表示データ送信部315は、必要であるならば、表示データのデータ形式を、表示装置80が受信可能なデータ形式に変更する。例えば、表示装置80がJPEG形式の表示データを受信するように構成されている場合、すなわちJPEG形式のデータをビットマップデータに変換する機能を備えている場合には、表示データ送信部315は、データ更新部313から入力した表示データのデータ形式をJPEG形式に変換する。そして、データ形式変換後の表示データを通信制御部311に出力する。通信制御部311は、表示データを専用回線500を介して配信サーバ410に送信する。
【0060】
また、データ更新部313は、表示データの変更を行った場合には、その旨を、課金制御部314に通知する。データベース320には、それぞれの表示装置80または複数の表示装置を一グループとして、グループ毎の課金データを記憶する課金情報記憶手段としての記憶領域が設けられている。例えば、鉄道会社における一つの駅に設けられている各表示装置が一グループとされたり、一つの鉄道会社における全ての表示装置が一グループとされる。もちろん、一つの鉄道会社における全ての表示装置のそれぞれに応じて課金データを記憶する記憶領域が設けられていてもよい。
【0061】
課金方式として、例えば、基本料金+従量料金の方式が用いられる。すなわち、月々または年間の基本料金が一定額に定められ、表示データの変更がなされる度に所定の料金が追加される。課金データを記憶する記憶領域には、所定期間(例えば1ヶ月または1年)における課金額を示す課金データが記憶される。課金制御部314は、データ更新部313から表示データの変更を行った旨の通知を受けると、所定の料金に相当する値を、記憶領域の課金データに加算する。情報表示サービス会社300の担当者は、記憶領域に記憶されている課金データを、所定期間が経過する毎に記憶領域から出力する。担当者は、表示装置の保有者または表示装置の貸与を受けている者に、課金データに応じた使用料を請求する。
【0062】
なお、図5に示す構成において、Webページ作成部312、データ更新部313、課金制御部314および表示データ送信部315は、プログラムに従って動作するサーバ310のCPUによって実現される。通信制御部311は、プログラムに従って動作するサーバ310のCPUと、ハードウェアの通信装置とによって実現される。また、Webページ作成部312と通信制御部311とによって、端末装置100にWebページを送信するWebページ送信手段が実現される。データ更新部313は、変更後の表示データを作成する表示内容変更手段の実現例である。また、表示データ送信部315と通信制御部311とによって、変更した表示内容を配信サーバ410に送信する変更表示データ送信手段が実現される。
【0063】
図6は、配信サーバ410の構成例を示すブロック図である。図6に示す構成において、通信制御部411は、専用回線500を介してサーバ310と通信を行う際のプロトコル制御等を行う。制御部412は、サーバ310から送信された変更後の表示データを通信制御部411を介して受信し、受信した表示データを記憶部413に一時記憶させる。記憶部413には、複数の表示装置のそれぞれに応じた記憶領域が確保されている。制御部412は、サーバ310から送信された変更後の表示データを、その表示データが表示されるべき表示装置に対応した記憶領域に記憶させる。
【0064】
交換機インタフェース415は、交換機400にデータを送り込むときのプロトコル制御等を行う。交換機インタフェース415は、ディジタル公衆携帯電話網に配信サーバ410を接続するためのゲートウェイに相当する。また、制御部412は、時計回路414による時刻が、1日のうちのあらかじめ決められている時刻になると、記憶部413に記憶されている表示データを、表示データの送信先の表示装置80を示すデータ(例えば電話番号)とともに、交換機インタフェース415を介して交換機420に送信する。なお、記憶部413に新たな表示データが記憶されない場合、すなわち、サーバ310から変更後の表示データが送信されていない場合には、あらかじめ決められている時刻が到来しても、制御部412は、表示データを送信する処理を行わない。また、1日のうちのあらかじめ決められている時刻は、複数の表示装置のそれぞれについて設定される。なお、時計回路414は、一般的なサーバ装置には標準的に備えられている。
【0065】
また、あらかじめ決められている時刻は、情報表示サービス会社300から携帯電話網運営会社400に通知された時刻であり、携帯電話網運営会社400の担当者等が配信サーバ410に、その時刻を設定する。表示装置80の保有者等は、情報表示サービス会社300に対して、何時に表示データを送信すべきかを、表示装置80の運用開始前に通知する。情報表示サービス会社300は、通知された時刻を、あらかじめ通知された時刻とする。なお、表示装置80の運用開始後に、あらかじめ通知された時刻を変更可能である。
【0066】
また、図6に示す構成において、制御部412は、プログラムに従って動作する配信サーバ410のCPUによって実現される。通信制御部411および交換機委415は、プログラムに従って動作する配信サーバ410のCPUと、ハードウェアの通信装置とによって実現される。時計回路414は、例えば一般的な時計ICで実現される。また、時刻を管理する時計手段は、時計回路414と制御部412とによって実現される。
【0067】
表示装置の設置台数が非常に多い場合には、それぞれの表示変更を可能とするタイムウィンドウ(表示装置が応答できる時間帯)をあらかじめずらしておき、表示装置が、配信サーバ410から、順に、表示データを受信できるようにすればよい。
【0068】
本発明の情報表示システムの基本的な動作態様の一例は以下の通りである。まず、利用者は、あらかじめ設定した通信を行うタイムウィンドウを再度設定することができる。また、その1日あたりの回数も自由である。定常状態において、例えば、1日に1回、管理装置(表示管理システム)に対して、表示装置80が自己の情報(内蔵データロガーによる温度、電池の電圧など)を送信する。異常を検出した場合、システム管理者に通知をし、適切な対応をとるようにする。利用者が表示情報の変更を希望する場合には、サーバ310からその情報を送り出す。専用回線500を経由する通信の回数で、追加の作業に応じた課金をすることができる。定常状態において、表示データの送信を行わないようにする。そして、利用者が設定した状況においてのみ、表示データを表示装置80に送信するようにする。
【0069】
図7は、表示装置80における電気回路ブロック13の回路構成例を、カイラルネマチック液晶表示素子とともに示すブロック図である。なお、図7には、カイラルネマチック液晶表示素子1Aとそれを駆動する駆動回路189のみが例示されている。PDCアダプタ182は、アンテナ181を介して基地局600とPDC方式の通信を行う回路である。制御部183は、例えばマイクロコンピュータ(MPU)で実現され、PDCアダプタ182が表示データを受信すると、必要ならばデータ形式の変換を行って、表示データをメモリ回路188に記憶させる。メモリ回路188として揮発性のRAMが用いられる場合には、電池190から常に給電を受ける。メモリ回路188としてフラッシュメモリなどの不揮発性のRAMを用いれば、表示データが書き込まれるとき以外の期間では給電を受ける必要はない。本実施の形態では、メモリ回路188として、揮発性のRAMを用いることもできるが、不揮発性のRAMを用いることが好ましい。
【0070】
また、制御部183は、表示データをメモリ回路188に記憶させるとともに、駆動回路189に表示データを与えて、カイラルネマチック液晶表示素子1Aの表示内容を、表示データにもとづいて書き換えさせる。書き換えの方法は、既に説明したとおりである。
【0071】
表示装置80には、各種のセンサが組み込まれていることが好ましい。図7には、温度センサ185、湿度センサ186および電圧センサ197が例示されている。温度センサ185および湿度センサ186は、カイラルネマチック液晶表示素子1Aの近傍に設置され、カイラルネマチック液晶表示素子1Aの周囲の温度および湿度を検出する。電圧センサ197は、電池190の出力電圧を検出する。各センサの出力はデータ収集回路184に入力される。
【0072】
制御回路183は、例えば表示データを受信した直後に、データ収集回路184から各センサの検出信号を入力して、PDCアダプタ182、アンテナ181、基地局600を介して、各センサの検出信号にもとづく各検出値を配信サーバ410に送信する。配信サーバ410は、各検出値を表示管理サーバとしてのサーバ310に送信する。サーバ310は、データベース320において表示装置毎に設けられている記憶領域に検出値を保存する。記憶領域に記憶されている検出値は、情報表示サービス会社300の担当者によって記憶領域から出力される。すなわち、情報表示サービス会社300の担当者は、サーバ310に接続されている表示部に表示させたり、印刷装置に印刷させたりする。そして、検出値が異常値を示している場合には、保守員を表示装置の設置場所に派遣する。
【0073】
図7に示す構成では、電源として電池190が用いられているが、電池190として、化学的反応によって起電力を生じさせる電池や太陽電池を用いることができる。また、表示装置80の外部からAC100Vの給電を受けるようにしてもよい。電池190を用いる場合、表示装置80における消費電力は低いことが望ましい。そこで、電池190を用いる場合には、給電制御回路191が、所定の時刻からの所定時間においてのみ表示装置80全体に給電されるように制御し、それ以外の時間帯では、給電制御回路191および時計回路192のみに電池190から給電されるようにする。
【0074】
給電制御回路191は、時計回路192による時刻が、あらかじめ決められている時刻になると、電池191の電力が表示装置80における全ての回路に給電されるようにスイッチングする。あらかじめ決められている時刻は、配信サーバ410が表示データを送信する時刻よりも数分前であり、表示装置80全体に給電される時間は例えば10分である。給電制御回路191は、所定時刻になると無線通信インタフェース部としてのPDCアダプタ182を通信可能状態に設定する起動管理部に相当する。
【0075】
本実施の形態では、表示素子としてメモリ性を有するカイラルネマチック液晶表示素子が用いられているので、給電を受けなくても表示装置80は表示内容を維持することができる。換言すれば、メモリ性を有する表示素子を用いた場合には、電力供給に関するメンテナンスをほぼフリーにすることができ、表示装置80を実用的なものにすることができる。
【0076】
なお、カイラルネマチック液晶表示素子1Aは、長期間にわたって表示データの再書き込みがなされなくても表示内容を維持できるのであるが、1日に1回、または1週間に1回など、所定期間毎に表示データの再書き込みを行うことが好ましい。例えば、制御部183は、給電されている期間において、PDCアダプタ182が変更後の表示データを受信しなかった場合でも、メモリ回路196に記憶されている表示データを駆動回路189に出力して、カイラルネマチック液晶表示素子1Aの表示内容を、表示データにもとづいて書き換えさせる。変更後の表示データを受信しなかった場合には書き換えの前後で表示内容は変わらないはずであるが、このような制御を行えば、何らかの原因によってカイラルネマチック液晶表示素子1Aの表示内容が変わっている場合に、正常な表示内容に戻すことができる。
【0077】
また、アンテナ181は、表示装置80に内蔵されていることが好ましいが、筐体14が金属製である場合には、表示装置80の外部に露出させる。その場合、アンテナ181を、樹脂等のカバーで保護することが好ましい。
【0078】
また、図7にはカイラルネマチック液晶表示素子1Aのみが例示されているが、他のカイラルネマチック液晶表示素子1B〜1Hのそれぞれに対応して駆動回路が設けられている。各駆動回路は制御部183に接続され、制御部183は、各駆動回路に対して、対応するカイラルネマチック液晶表示素子が表示すべき表示内容の表示データを出力する。
【0079】
次に、図8のシーケンス図を参照して情報表示システムの動作等を説明する。まず、表示データの初期データをデータベース320に登録する。初期データとは、時刻表を例にすると、表示装置80の設置時における時刻表を示す表示データである。初期データは、例えば鉄道会社からフレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体に書き込まれた状態で情報表示サービス会社300に供給される。情報表示サービス会社300の担当者は、記録媒体に書き込まれた初期データをサーバ310からデータベース320に登録する。なお、ここでは、オフラインで初期データが登録される例について説明したが、初期データは端末装置100からインターネット200を介してサーバ310に送信されるようにしてもよい。
【0080】
また、情報表示サービス会社300の保守員等が、表示装置80を駅構内などに設置する。保守員等は、まず、表示装置80を保守モードに設定して、サーバ310から初期データを配信サーバ410およびディジタル公衆携帯電話網を介して送信してもらう。保守モードは、給電制御回路191を動作させず、表示装置80全体に給電がなされる状態である。表示装置80における制御部183は、初期データが受信されると、初期データをメモリ回路188に記憶させるとともに、駆動回路189に、初期データをカイラルネマチック液晶表示素子1Aに書き込ませる。その後、保守員等は、表示装置80を運用モード(定常状態)に設定する。運用モードでは、既に説明したように、表示装置80は、1日のうちの所定時刻からの所定時間においてのみ基地局600と通信可能な状態になる。
【0081】
表示装置80の表示内容の書き換えが必要になると、すなわち、時刻表を変更する必要が生じた場合には、鉄道会社の担当者は、端末装置100をインターネット200を介してサーバ310に接続する。すると、端末装置100のWebブラウザは、端末装置100の操作者に変更指示を入力させるためのWebページをダウンロードする。最初のページは、例えば、IDやパスワードを入力するためのページである。端末装置100の操作者には、表示装置80の表示内容を変更するための操作を可能にするIDおよびパスワードが発行されている。また、IDやパスワードは、サーバ310において、表示装置80に対応づけられて保存されている。特定のIDおよびパスワードが端末装置100に入力され、端末装置100からサーバ310に送信された場合、その端末装置100の操作者は、特定の表示装置80のみの表示内容の変更が可能になる。
【0082】
なお、IDおよびパスワードを、複数の表示装置に対応させることもできる。例えば、1つの駅に設置されている複数の表示装置に対して一つのIDおよびパスワードが発行されたり、一つの鉄道会社に対して一つのIDおよびパスワードが発行されるようにしてもよい。その場合には、端末装置100の操作者は、複数の表示装置の表示内容を変更するための操作を行うことができる。
【0083】
サーバ310のWebページ作成部312は、端末装置100から送信されたIDおよびパスワードに対応した表示装置についての表示データをデータベース320から読み出す。そして、読み出した表示データを含むWebページを作成して端末装置100に送信する。なお、複数の表示装置に対して一つのIDおよびパスワードが発行されている場合には、Webページ作成部312は、操作者が表示内容を変更しようとする表示装置を特定させるためのWebページを端末装置100に送信し、操作者に、表示装置を特定させる。
【0084】
図9は、Webページ(具体的には、Webブラウザが端末装置100の表示部に表示させた画面)の一例を示す説明図である。ただし、図9には画面の一部のみが示されている。図9に示す例では、図9(A)に示すような変更箇所の指定を促す画面が端末装置100の表示部に表示される。端末装置100の操作者がマウス等の入力装置を用いて変更箇所を指定すると、端末装置100のWebブラウザは、変更箇所を指定したことを示す情報をサーバ310に送信する。すると、Webページ作成部312は、図9(B)に示すような更新データ(変更箇所の変更後のデータ)の入力を促すWebページを端末装置100に送信する。端末装置100のWebブラウザは、図9(B)に示すような画面を表示部に表示させる。
【0085】
端末装置100の操作者が更新データを入力し、さらに、図9(C)に示す確認画面において確認の意思表示を行うと、すなわち「OK」の箇所をマウスでクリック等すると、端末装置100のWebブラウザは、変更箇所を示すデータと更新データとをサーバ310に送信する(図8におけるステップS1)。サーバ310において、データ更新部313は、通信制御部311を介して変更箇所を示すデータと更新データとを受信し、データベース320に記憶されている表示データの該当個所を更新データで置き換える(ステップS2)。すなわち、変更後の表示データを作成してデータベース320に記憶させる(ステップS3)。Webページ作成部312は、さらに、図9(D)に示すようなWebページを端末装置100に送信し、端末装置100の操作者がさらに変更を行う意思表示を行った場合には、すなわち「継続」の箇所をマウスでクリック等すると、図9(A)に示すWebページを再度送信する。Webページ作成部312は、図9(A)に示すWebページを再度送信する場合には、すでに変更されている箇所については変更後のデータを反映させる。
【0086】
以上のようにして、表示装置80の表示内容を更新するための更新データが端末装置100からサーバ310に送信されるが、図9に示すWebページは一例であって、Webページのデザインや変更箇所および更新データの入力の仕方は、図9に示す例に限られない。
【0087】
データ更新部313は、変更後の表示データを作成してデータベース320に記憶させた後、変更後の表示データを表示データ送信部315に出力する。表示データ送信部315は、通信制御部311に、変更後の表示データを、その表示データが表示されるべき表示装置を示すデータ(表示装置特定データ)とともに通信制御部311に出力する。通信制御部311は、表示データと表示装置特定データとを専用回線500を介して配信サーバ410に送信する(ステップS4)。また、データ更新部313は、表示データの変更を行った旨を、課金制御部314に通知する。課金制御部314は、表示データの変更に対してあらかじめ決められている料金に相当する値を、記憶領域の課金データに加算する課金処理を実行する(ステップS5)。
【0088】
配信サーバ410において、制御部412は、サーバ310から送信された変更後の表示データを通信制御部411を介して受信し、受信した表示データを、表示装置特定データで特定される表示装置に対応した記憶部413における記憶領域に一時記憶する(ステップS6)。そして、制御部412は、時計回路414による時刻が、1日のうちのあらかじめ決められている時刻になると(ステップS7)、前日のその時刻から現在時までに変更後の表示データが記憶部413に記憶された場合には、記憶部413においてその時刻に対応した記憶領域に記憶されている表示データを、表示データの送信先の表示装置80を示すデータとともに、交換機インタフェース415を介して交換機420に送信する(ステップS8)。交換機420は、表示データの送信先の表示装置80が存在するエリアの基地局600に対して表示データを送信する。基地局600は、表示データを無線通信によって表示装置80に送信する。このように、本実施の形態では、表示データの変更を定期的に行うことができるように設定することができる。
【0089】
上述したように、基地局600が表示データを表示装置80に送信する時点では、表示装置80は起動している。すなわち、表示装置80における全ての回路に給電がなされている。PDCアダプタ182がアンテナ181を介して表示データを受信すると、制御部183は、表示データをメモリ回路188に記憶させる(ステップS9)。つまり、新たに受信された表示データで、メモリ回路188の記憶内容を更新する。また、制御部183は、表示データをメモリ回路188に記憶させるとともに、駆動回路189に表示データを与えて、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示内容を、表示データにもとづいて書き換えさせる(ステップS10)。
【0090】
以上に説明したように、本実施の形態では、端末装置100が広域通信ネットワークとしてのインターネット200を介して表示内容の変更指示を送信すると、サーバ310と配信サーバ410とによる表示管理システムが、ディジタル公衆携帯電話網を介して表示装置80に対して、変更後の表示データを送信するので、表示装置80に表示される情報の内容を容易に変更でき、情報の内容変更に関するコストを低減できる。また、一つの表示管理システムから多数の表示装置に表示データを送信することができる汎用性の高いシステムが実現される。
【0091】
(実施の形態2)
実施の形態1では、情報表示システムは、定時に変更後の表示データを表示装置80に対して送信するように構成されているので、表示装置80に対して常時給電する必要はなく、表示装置80の消費電力を低減できている。また、ダイヤ改正時や、臨時列車を走行させるときなど、表示装置80の表示内容を変更すべき日があらかじめわかっている場合に、端末装置100を用いて、例えば変更の前日に変更後の表示データをデータベース320に登録することによって、所望の日から変更後の表示内容を公開することができる。しかし、表示装置80が終電時刻表を表示するものである場合など、突発的に表示内容を変更することが求められる用途に用いられているときには、直ちに表示内容を変更できるようにすることが要請される。
【0092】
そこで、実施の形態2では、突発的に表示内容を変更することが求められたときに直ちに表示内容を変更できる構成を、実施の形態1の構成に追加する。図10は、実施の形態2の情報表示システムにおける表示装置80の構成例を示すブロック図である。情報表示システムにおけるその他の構成は、実施の形態1の場合と同様である。
【0093】
図10に示すように、実施の形態2における表示装置80には、電池190から常時給電されている赤外線受信回路193が設けられている。赤外線受信回路193は、例えばIrDA(Infrared Data Association)規格にもとづく赤外線信号を受信する機能を有する回路である。そして、直接通信(公衆通信網を介さない通信)によって、表示装置80の保有者における担当者等の操作によって動作する赤外線送信回路195から、あらかじめ決められている特定コードを受信すると、給電制御回路191に対して、表示装置80全体に給電されるように制御することを要請する信号を出力する。給電制御回路191は、その信号に応じて、そのときから所定時間だけ、表示装置80全体に給電されるようにスイッチングする。
【0094】
また、表示装置80の保有者における担当者等は、端末装置100を操作して、更新データをサーバ310に送信する。さらに、情報表示サービス会社300に、更新データにもとづいて変更された表示データを直ちに表示装置80に送信するように要請する。このような要請を行うために、例えばWebページに、表示データを直ちに送信することを要請するためのボタン等が設けられ、端末装置100の操作者は、画面上のボタン等をマウス等でクリックすることによって、サーバ310に対して、表示データを直ちに送信することを要請する。更新データを受信したサーバ310は、実施の形態1の場合と同様に、変更後の表示データを配信サーバ410に送信する。配信サーバ410において、変更後の表示データは記憶部413に記憶される。
【0095】
また、本実施の形態では、サーバ310と配信サーバ410との間で即時送信要求コマンドを扱えるように、サーバ310および配信サーバ410が構成されている。サーバ310が端末装置100から表示データを直ちに送信することを要請されると、即時送信要求コマンドが、サーバ310の通信制御部311を介して配信サーバ410に送信される。配信サーバ410において、制御部412は、即時送信要求コマンドを受信すると、記憶部413に記憶されている表示データを表示装置80に送信する処理を行う。表示データを表示装置80に送信する処理は、実施の形態1について説明した処理と同様であり、表示装置80は、実施の形態1の場合と同様に表示データを受信して、カイラルネマチック液晶表示素子1A〜1Hの表示内容を更新する。このように、表示データの変更指示(変更箇所および変更後の表示データ)を受付可能とする赤外線通信による操作を外部から表示装置80に与え、新しい表示データを即時表示することが可能であるように表示装置80が構成されている。
【0096】
本実施の形態では、表示装置80の外部から直接通信によって特定コードを受信するために赤外線受信回路193を設け、赤外線通信によって特定コードの送受信を実現したが、赤外線通信に代えて、電波や超音波を用いてもよい。赤外線通信は低電力で動作させることができるので好ましい。
【0097】
以上に説明したように、本実施の形態では、表示装置80を直ちに起動するとともに、変更後の表示データを直ちに表示装置80に送信する仕組みが組み込まれているので、表示装置80に表示される情報の内容を迅速に変更することができる。
【0098】
上記の実施の形態1,2では、表示管理システムと表示装置80とがPDC方式の通信を行う場合を例にしたが、通信方式はPDC方式に限られない。CDMA方式など他の方式のディジタル携帯電話網を介する場合でも、本発明を適用することができる。例えば、CDMA方式のディジタル携帯電話網を介する場合には、表示装置80において、PDCアダプタ182に代えて、CDMA方式の通信機能を内蔵したCDMAアダプタが使用される。CDMAアダプタの例として、KDDI株式会社が販売する通信モジュール(携帯電話網を介する通信機能を有する携帯電話通信モジュール)であるUGEP2やM1XTA01がある。以下、PDCアダプタ182やCDMAアダプタを、アダプタと総称する。
【0099】
また、上記の実施の形態1,2では、1日のうちのあらかじめ決められている時間帯などにおいてのみアダプタや制御部183を起動したが、表示装置80において、電力供給能力に余裕があれば、アダプタに対して常時給電するようにしてもよい。そして、アダプタが基地局600から着信したことを検出したときに、給電制御回路191に対して表示装置80全体に給電されるように制御することを要請する信号を出力し、給電制御回路191が、その信号に応じて、そのときから所定時間だけ、表示装置80全体に給電されるようにスイッチングするように構成してもよい。その後、制御部183は、実施の形態1,2の場合と同様に、基地局600から、アダプタを介して表示データを受信する。そのように構成した場合には、時計回路192や赤外線受信回路193を設ける必要はない。
【0100】
また、上記の実施の形態1,2では、サーバ310における課金制御部314は、表示データを送信したときに課金処理を行ったが、課金処理を行うタイミングは表示データを送信したときに限られない。例えば、表示装置80が表示データを受信してメモリ回路188に記憶させた後、メモリ回路188に記憶されているデータをディジタル公衆携帯電話網および配信サーバ410を介してサーバ310に返送するように構成してもよいのであるが、そのように構成した場合には、サーバ310は、返送された表示データによって、表示データが正しく送信されたことを確認したら課金処理を実行するようにしてもよい。
【0101】
また、上記の実施の形態1,2では、サーバ310が変更後の表示データを作成すると、その表示データを配信サーバ410に送信し、配信サーバ410が表示データを一時蓄積し、あらかじめ決められた時刻になると表示データを表示装置80に宛てて送信したが、そのような時刻制御(あらかじめ決められた時刻になると表示データを送信する制御)を、サーバ310が行ってもよい。その場合、サーバ310は、図6に示す交換機インタフェース415に相当するゲートウェイを介してディジタル公衆携帯電話網に対して接続され、あらかじめ決められた時刻になると、データベース320に記憶されている変更後の表示データを表示装置80に宛てて送信する。その場合には、配信サーバ410は不要である。
【0102】
また、上記の実施の形態1,2では、サーバ310と配信サーバとが専用回線500で接続されている形態を例示したが、セキュリティと通信速度を確保できるのであれば、専用回線500に代えて、他の回線、例えば一般回線(公衆回線)を用いてもよい。
【0103】
また、上記の実施の形態1,2では、第1の通信ネットワークとしてインターネット100を例示したが、端末装置100が、サーバ310、またはサーバ310の機能と配信サーバ410の機能とを兼ね備えた表示管理システム(例えば1つのサーバ装置で構成される。)に対して変更指示を第1の通信ネットワークを介して送信できるのであれば、第1の通信ネットワークとして、インターネット100に代えて、他の通信ネットワークを用いもよい。また、第2の通信ネットワークとして公衆携帯電話網を例示したが、配信サーバ410、またはサーバ310の機能と配信サーバ410の機能とを兼ね備えた表示管理システムが、多数の表示装置80に対して表示データを第2の通信ネットワークを介して送信できるのであれば、第2の通信ネットワークとして、公衆携帯電話網に代えて、他の通信ネットワークを用いもよい。
【0104】
さらに、サーバ310、またはサーバ310の機能と配信サーバ410の機能とを兼ね備えた表示管理システムが、表示装置80に対して送信する表示データは、暗号化されていてもよい。
【0105】
上記の実施の形態1,2では、時刻表を表示するための情報表示システムを例示したが、本発明の情報表示システムは、時刻表を表示するためのものに限られず、広く、情報を視覚によって複数人に伝達し、かつ、適宜表示内容が変更されるような用途に用いることができる。
【0106】
例えば、鉄道会社の駅に限らず、空港や港湾などにおいて、交通機関における乗り物の発着時刻等の情報や広告情報を表示する用途に使用することができる。
【0107】
また、ガソリンスタンド(交通機関の燃料補給地)、百貨店、コンビニエンスストア、レストランなどにおいて商品情報を表示する用途に使用することができる。また、ホテル、病院、金融機関等のサービス会社、役所、学校、式場、ゲームセンターなどにおいて、各種案内情報やサービス情報等を表示する用途に使用することができる。
【0108】
また、展示場、会議場、博物館、美術館、劇場、映画館、音楽会場、図書館、会社などにおいて、通知や催し物情報を表示する用途に使用することができる。
【0109】
さらに、公園や道路などの屋外の所定場所に設置され、不特定多数の公衆に、広告情報、注意情報その他の情報を伝達する用途に使用することができる。
【0110】
上記の例では、もっぱら不特定多数の利用者に特定の情報を視認できるように構成したが、対象となる利用者をあらかじめ特定したうえで、情報を与えるように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、表示装置によって多数の人に情報を提供したり、遠隔地の人に情報を提供したり、表示装置に表示される情報の内容が適宜変更されるような用途に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】情報表示システムの構成例を示すブロック図。
【図2】表示装置を模式的に示す正面図。
【図3】図2におけるP−Q断面の部分断面図。
【図4】CL−LCDを用いた液晶表示素子の模式的断面図。
【図5】サーバの機能構成を示すブロック図。
【図6】配信サーバの構成例を示すブロック図。
【図7】表示装置における電気回路ブロックの回路構成例を示すブロック図。
【図8】情報表示システムの動作を説明するためのシーケンス図。
【図9】Webページの一例を示す説明図。
【図10】実施の形態2における表示装置の構成例を示すブロック図。
【図11】発車時刻表の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0113】
1A〜1H カイラルネマチック液晶表示素子
80 時刻表示装置
100 端末装置
200 インターネット
310 サーバ
320 データベース
410 配信サーバ
600 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示データにもとづく情報を表示する表示装置を含む情報表示システムにおいて、
表示内容の変更指示に応じて変更後の表示データを作成する表示管理システムと、
前記表示管理システムに、第1の通信ネットワークを介して表示内容の変更指示を送信する端末装置とが備えられ、
前記表示管理システムは、表示データを第2の通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する配信手段を含み、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示素子と、表示素子を駆動する駆動回路と、第2の通信ネットワークを介して表示データを受信する通信インタフェース部と、通信インタフェース部が受信した表示データにより前記駆動回路に前記表示素子の表示を更新させる制御回路とを含む
ことを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
表示管理システムは、
表示内容の変更指示に応じて変更後の表示データを作成する表示管理サーバと、
前記表示管理サーバが作成した表示データを通信回線を介して受信し、受信した表示データを第2の通信ネットワークを介して前記表示装置に送信する配信手段としての配信装置とを含む
請求項1記載の情報表示システム。
【請求項3】
表示管理サーバは、Webブラウザを搭載した端末装置の操作者に変更指示を入力させるためのWebページを送信するWebページ送信手段と、前記端末装置のWebブラウザにより送信された変更指示にもとづいて変更後の表示データを作成する表示内容変更手段と、表示内容変更手段が作成した変更後の表示データを配信装置に送信する変更表示データ送信手段とを含む
請求項2記載の情報表示システム。
【請求項4】
表示管理システムには、表示装置の表示内容に対応する表示データを記憶する記憶装置が備えられ、
Webページ送信手段は、前記記憶装置に既に記憶されている表示データを端末装置に送信し、
表示内容変更手段は、端末装置が送信した変更指示にもとづいて前記記憶装置が記憶している表示データを変更する
請求項3記載の情報表示システム。
【請求項5】
配信装置は、表示管理サーバから受信した表示データを一時記憶する一時記憶手段と、時刻を管理する時計手段と、時計手段があらかじめ決められている時刻になったと判断したときに前記一時記憶手段に記憶されている表示データを表示装置に宛てて送信する表示データ送信手段とを含む
請求項4記載の情報表示システム。
【請求項6】
表示管理システムに、一つまたは複数の表示装置からなるグループに対応して設けられている記憶領域にグループの課金データを記憶する課金情報記憶手段と、変更後の表示データを作成したことに応じて、その表示データが表示される表示装置が含まれるグループの課金データに、あらかじめ決めれている金額に相当する値を加算する課金手段とが備えられている
請求項1、2、3、4または5記載の情報表示システム。
【請求項7】
表示装置は、所定時刻になると、通信インタフェース部を通信可能状態に設定する起動管理部を含む
請求項1〜6のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項8】
表示データの変更指示を受付可能とする操作を外部から表示装置に与え、新しい表示データを即時表示することが可能な
請求項1〜7のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項9】
表示装置は、装置外から通信ネットワークを介さずに起動指示情報を受信するための受信部と、受信部が起動指示情報を受信すると通信インタフェース部を通信可能状態に設定する第2の起動管理部を含む
請求項8項記載の情報表示システム。
【請求項10】
臨時の変更指示を受付可能とする操作を赤外線通信で行う
請求項8または請求項9記載の情報表示システム。
【請求項11】
第2の通信ネットワークは、公衆携帯電話網である
請求項1〜10のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項12】
通信インタフェース部は、携帯電話通信モジュールである
請求項11記載の情報表示システム。
【請求項13】
第1の通信ネットワークは、インターネットである
請求項1〜12のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項14】
表示管理システムは、表示データとして交通機関における時刻表を作成し、
表示装置は、時刻表を表示する
請求項1〜13のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項15】
表示データの変更が定期的に行われる
請求項1〜14のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項16】
メモリ性を有する表示素子がカイラルネマチック液晶表示素子である
請求項1〜15のいずれか1項記載の情報表示システム。
【請求項17】
一人の利用者が50台以上の表示装置を利用する
請求項1〜16のいずれか1項記載の情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−98828(P2006−98828A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285940(P2004−285940)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】