説明

情報表示シート

【課題】複数のチェックポイントを通過した旨を表示する情報表示シートにおいて、複数のチェックポイントを通過した際にスタンプ等を押下することなく、複数のチェックポイントを通過した旨を視覚的に認識しやすくする。
【解決手段】シート媒体上に、予め設置された複数のチェックポイントのそれぞれに対応して複数の動物マーク表示部11a〜11jが設けられてなるスタンプラリーマップ1において、スタンプラリーマップ1の現在位置を取得する通信部22と、通信部22にて取得された現在位置が、チェックポイントが設置された位置である場合、そのチェックポイントに対応する動物マーク表示部11a〜11jにチェック情報を表示し、その後、スタンプラリーマップ1の現在位置が、そのチェックポイントが設置された位置でなくなった後もその表示を維持する表示ユニット21a〜21j及び制御基板23とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート媒体上に、複数のチェックポイントのそれぞれに対応して複数の情報表示エリアが設けられてなる情報表示シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、チェックポイントとして予め設定された複数の場所にスタンプ台を設置し、このスタンプ台が設置された場所を回って台紙にスタンプを押していくスタンプラリーが知られている。このスタンプラリーでは、チェックポイント毎にスタンプを押す領域が設けられた台紙が利用者に配布され、利用者は、この台紙を持ってスタンプ台が設置された場所を回り、チェックポイント毎に台紙にスタンプを押していくことになる。
【0003】
近年、このようなスタンプラリーを、携帯端末を用いて行う技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。携帯端末を用いてスタンプラリーを行う技術においては、利用者がチェックポイントを通過すると、その旨が、利用者が所持する携帯端末に書き込まれていく。そのため、利用者がスタンプを押すために並ぶことがなく、また、台紙のスタンプを押す場所を間違えることがなくなる。
【特許文献1】特開2007−219568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように携帯端末を用いてスタンプラリーを行う技術は、利用者がチェックポイントを通過した場合に、その旨が、利用者が所持する携帯端末に書き込まれていくものであるため、チェックポイントとして設定された複数の場所毎にスタンプを押す領域が設けられた台紙を用いるものに対して、チェックポイントを通過した旨を視覚的に楽しむことができるとは言い難い。特に、チェックポイントが表示されたマップを用い、このマップ上にスタンプを押していくものに対しては、複数のチェックポイントのうちどのチェックポイントを通過したのかがわかりにくく、スタンプラリーを視覚的に楽しむことができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数のチェックポイントを通過した旨を表示する情報表示シートにおいて、複数のチェックポイントを通過した際にスタンプ等を押下することなく、複数のチェックポイントを通過した旨を視覚的に認識しやすくすることができる情報表示シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
シート媒体上に、予め設置された複数のチェックポイントのそれぞれに対応して複数の情報表示エリアが設けられてなる情報表示シートであって、
当該情報表示シートの現在位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段にて取得された現在位置が、前記チェックポイントが設置された位置である場合、当該チェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報を表示し、その後、当該情報表示シートの現在位置が、当該チェックポイントが設置された位置でなくなった後も当該表示を維持する表示制御手段とを有する。
【0007】
上記のように構成された本発明においては、シート媒体上に、予め設置された複数のチェックポイントのそれぞれに対応して複数の情報表示エリアが設けられており、位置取得手段にて取得された情報表示シートの現在位置が、チェックポイントが設置された位置である場合、表示制御手段によって、そのチェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報が表示され、その後、情報表示シートの現在位置が、そのチェックポイントが設置された位置でなくなった後も、チェック情報の表示が維持される。このように、複数のチェックポイントを通過する度毎に、通過したチェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報が表示され、その後、その表示が維持されるので、複数のチェックポイントを通過した際にスタンプ等を押下することなく、複数のチェックポイントを通過した旨が視覚的に認識しやすくなる。
【0008】
また、位置取得手段にて取得された情報表示シートの現在位置が、チェックポイントが設置された位置から所定の距離内である場合、表示制御手段によって、そのチェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報が点滅表示され、その後、位置取得手段にて取得された情報表示シートの現在位置が、チェックポイントが設置された位置となった場合、表示制御手段によって、そのチェックポイントに対応する情報表示エリアのチェック情報が点灯表示されれば、情報表示シートがチェックポイントに近づいた旨を認識することができるようになる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明においては、シート媒体上に、予め設置された複数のチェックポイントのそれぞれに対応して複数の情報表示エリアが設けられてなる情報表示シートであって、情報表示シートの現在位置を取得する位置取得手段と、位置取得手段にて取得された現在位置が、チェックポイントが設置された位置である場合、そのチェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報を表示し、その後、情報表示シートの現在位置が、そのチェックポイントが設置された位置でなくなった後もその表示を維持する表示制御手段とを有する構成としたため、複数のチェックポイントを通過した際にスタンプ等を押下することなく、複数のチェックポイントを通過した旨を視覚的に認識しやすくすることができる。
【0010】
また、表示制御手段が、位置取得手段にて取得された現在位置が、チェックポイントが設置された位置から所定の距離内である場合、そのチェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報を点滅表示し、位置取得手段にて取得された現在位置が、チェックポイントが設置された位置となった場合、そのチェックポイントに対応する情報表示エリアのチェック情報を点灯表示する構成としたものにおいては、情報表示シートがチェックポイントに近づいた旨を認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の情報表示シートの実施の一形態となるスタンプラリーマップの一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は断面図、(c)は(b)に示した制御シート部20の構造を示す図である。
【0013】
本形態は図1に示すように、紙等からなるシート媒体である2枚の表面シート10a,10bにシート状の制御シート部20が挟み込まれ、これらが粘着剤(不図示)によって互いに貼着されて構成されている。
【0014】
表面シート10aには、図1(a)に示すように、このスタンプラリーマップ1を用いてスタンプラリーを行う場合にチェックポイントとなる位置に、そのチェックポイントとなる位置にて飼育されている動物が表示される情報表示エリアとなる動物マーク表示部11a〜11jが表示されている。なお、チェックポイントは、このスタンプラリーマップ1を用いてスタンプラリーを行う動物園内にて予め設置されている。
【0015】
制御シート部20においては、図1(c)に示すように、動物マーク表示部11a〜11jに対向する領域に表示ユニット21a〜21jがそれぞれ配置されている。また、スタンプラリーマップ1の現在位置を取得する位置取得手段となる通信部22と、通信部22にて取得した情報に基づいて、表示ユニット21a〜21jの表示を制御する制御基板23とが設けられており、制御基板23と、通信部22及び表示ユニット21a〜21jとは、表面シート10bに印刷された配線によって互いに電気的に接続されている。この表示ユニット21a〜21jと制御基板23とから本願発明の表示制御手段が構成されている。なお、表示ユニット21a〜21jは、発色層が2枚の透明電極によって挟み込まれ、透明電極に印加される電圧によって発色層が発色することにより点灯あるいは点滅するものであり、垂直型電気泳動方式のものやエレクトロクロミック方式のもの等、電圧が印加されなくなった後でも点灯を維持することができるものである。また、制御基板23は、フィルム等のフレキシブルな基板上に、小型のICチップやコンデンサ、抵抗等の回路素子が搭載されるとともに、これらを接続する配線が設けられたものである。制御シート部20は、上述したような構成であることから、可撓性を有しており、それにより、スタンプラリーマップ1を折り畳むことができる。
【0016】
以下に、上記のように構成されたスタンプラリーマップ1の使用方法について説明する。
【0017】
図2は、図1に示したスタンプラリーマップ1を用いてスタンプラリーが行われる動物園内の施設を示す図であり、(a)は全体のマップを示す図、(b)は(a)に示したメイン基地局3a−1及びサブ基地局3a−2の通信エリアを示す図である。
【0018】
図1に示したスタンプラリーマップ1を用いてスタンプラリーが行われる動物園2には、図2(a)に示すように、この動物園2にて公開されている動物が飼育されている場所のそれぞれにメイン基地局3a−1〜3j−1とサブ基地局3a−2〜3j−2との一対の基地局が設置されている。
【0019】
メイン基地局3a−1は図2(b)に示すように、メイン基地局3a−1の周辺部のみに通信エリア4a−1を有し、スタンプラリーを行うために予め設置されたチェックポイントの位置が通信エリア4a−1となっている。また、サブ基地局3a−2は図2(b)に示すように、メイン基地局3a−1の通信エリア4a−1よりも広い通信エリア4a−2を有している。図1に示したスタンプラリーマップ1は、通信エリア4a−1内に存在する場合にメイン基地局3a−1及びサブ基地局3a−2から送信された情報を受信し、通信エリア4a−2内であって通信エリア4a−1外に存在する場合にサブ基地局3a−2から送信された情報を受信する。すなわち、スタンプラリーマップ1は、メイン基地局3a−1の通信エリア4a−1によるチェックポイントが設置された位置に存在する場合に、メイン基地局3a−1及びサブ基地局3a−2から送信された情報を受信し、メイン基地局3a−1の通信エリア4a−1によるチェックポイントが設置された位置からサブ基地局3a−2の通信エリア4a−2の範囲による所定の距離内に存在する場合に、サブ基地局3a−2から送信された情報を受信する。なお、メイン基地局3b−1〜3j−1とサブ基地局3b−2〜3j−2との通信エリアの関係もこれらと同様であり、スタンプラリーマップ1は、メイン基地局3b−1〜3j−1及びサブ基地局3b−2〜3j−2の通信エリアに応じて、メイン基地局3b−1〜3j−1やサブ基地局3b−2〜3j−2から送信された情報を受信することになる。なお、メイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2における通信方式は、電波や赤外線等が考えられる。また、サブ基地局3a−2〜3j−2の通信エリアは、互いに干渉しないように設定されているが、電波を用いた場合は周波数や時間、赤外線を用いた場合は時間をそれぞれサブ基地局3a−2〜3j−2毎に割り当てて情報を送信すれば、サブ基地局3a−2〜3j−2の通信エリアが若干重なるものとしてもスタンプラリーマップ1にてサブ基地局3a−2〜3j−2から送信された情報をサブ基地局3a−2〜3j−2を識別して受信することができる。本形態においては、メイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2から基地局IDを赤外線を用いて送信することとし、サブ基地局3a−2〜3j−2からの基地局IDの送信タイミングが互いに異なるように設定されている。
【0020】
図3は、図1に示したスタンプラリーマップ1を用いて図2に示した動物園2内にてスタンプラリーを行う場合のスタンプラリーマップ1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0021】
動物園2への入場者がスタンプラリーマップ1を所持し、動物園2内にてスタンプラリーを行う場合、まず、スタンプラリーマップ1の通信部22において、スタンプラリーマップ1の現在位置が取得される。動物園2に設置されたメイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2のそれぞれからは、メイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2をそれぞれ識別可能な基地局IDが送信されている。この基地局IDはメイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2の通信エリアに存在するスタンプラリーマップ1の通信部22にて受信される(ステップS1)。
【0022】
スタンプラリーマップ1の通信部22にて受信された基地局IDは制御基板23に通知され、制御基板23において、通信部22から通知された基地局IDにメイン基地局3a−1〜3j−1の基地局IDが含まれているかどうかが確認され(ステップS2)、メイン基地局3a−1〜3j−1の基地局IDが含まれていない場合、表示ユニット21a〜21jのうち、通信部22から通知された基地局IDに含まれるサブ基地局3a−2〜3j−2の基地局IDに対応する表示ユニットが点滅するように制御される(ステップS3)。制御基板22においては、ICチップのメモリ内において、メイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2から送信される基地局IDについて、メイン基地局3a−1〜3j−1とサブ基地局3a−2〜3j−2とが区別されて管理されている。また、制御基板22のICチップのメモリ内には、メイン基地局3a−1〜3j−1及びサブ基地局3a−2〜3j−2の基地局IDと表示ユニット21a〜21jとが対応づけて記憶されている。具体的には、メイン基地局3a−1及びサブ基地局3a−2の基地局IDと表示ユニット21aとが対応づけて記憶され、メイン基地局3b−1及びサブ基地局3b−2の基地局IDと表示ユニット21bとが対応づけて記憶され、メイン基地局3c−1及びサブ基地局3c−2の基地局IDと表示ユニット21cとが対応づけて記憶され、メイン基地局3d−1及びサブ基地局3d−2の基地局IDと表示ユニット21dとが対応づけて記憶され、メイン基地局3e−1及びサブ基地局3e−2の基地局IDと表示ユニット21eとが対応づけて記憶され、メイン基地局3f−1及びサブ基地局3f−2の基地局IDと表示ユニット21fとが対応づけて記憶され、メイン基地局3g−1及びサブ基地局3g−2の基地局IDと表示ユニット21gとが対応づけて記憶され、メイン基地局3h−1及びサブ基地局3h−2の基地局IDと表示ユニット21hとが対応づけて記憶され、メイン基地局3i−1及びサブ基地局3i−2の基地局IDと表示ユニット21iとが対応づけて記憶され、メイン基地局3j−1及びサブ基地局3j−2の基地局IDと表示ユニット21jとが対応づけて記憶されている。そして、制御基板22において、この対応づけに基づいて、サブ基地局3a−2〜3j−2の基地局IDに対応する表示ユニットの透明電極に所定の電圧が印加され、それにより、通信部22から通知された基地局IDに対応する表示ユニットが点滅するように制御される。
【0023】
図4は、図1に示したスタンプラリーマップ1において表示ユニット21f,21iが点滅している状態を示す図である。
【0024】
例えば、スタンプラリーマップ1を所持する入場者が、ペンギンが飼育されている場所に設置されたサブ基地局3f−2及びウサギが飼育されている場所に設置されたサブ基地局3i−2の通信エリアに入ると、上述したように制御基板23の制御によって、表示ユニット21f,21iが点滅する。この表示ユニット21f,21iに対向する領域には、ペンギン及びウサギの絵柄からなる動物マーク表示部11f,11iが設けられているため、表示ユニット21f,21iが点滅すると、図4に示すように、動物マーク表示部11f,11iにてペンギン及びウサギの絵柄がチェック情報としてそれぞれ点滅表示される。なお、2つのサブ基地局3f−2,3i−2においては、基地局IDの送信タイミングが互いに異なるように設定されているため、2つのサブ基地局3f−2,3i−2から送信された基地局IDをサブ基地局3f−2,3i−2を識別して受信することができる。
【0025】
そして、スタンプラリーマップ1を所持する入場者が、ペンギンが飼育されている場所にさらに近づいていき、ペンギンが飼育されている場所に設置されたメイン基地局3f−1の通信エリアに入ると、スタンプラリーマップ1の通信部22において、メイン基地局3f−1及びサブ基地局3f−2,3i−2から送信された基地局IDが受信される。
【0026】
図5は、図2に示したメイン基地局3f−1及びサブ基地局3f−2からの基地局IDの送信タイミングを示す図である。
【0027】
図5に示すように、図2に示したメイン基地局3f−1及びサブ基地局3f−2からは、互いに異なるタイミングで基地局IDが送信されている。これは、他のメイン基地局3a−1〜3e−1,3g−1〜3j−1とサブ基地局3a−2〜3e−2,3g−2〜3j−2とでも同様である。そのため、スタンプラリーマップ1の通信部22において、メイン基地局3f−1及びサブ基地局3f−2から送信された基地局IDを共に受信した場合であっても、これらを識別することができる。また、2つのサブ基地局3f−2,3i−2からの基地局IDの送信タイミングも、上述したように互いに異なるように設定されているため、スタンプラリーマップ1の通信部22においては、サブ基地局3f−2,3i−2から送信された基地局IDを、これらを識別して受信することができる。
【0028】
スタンプラリーマップ1の通信部22にて受信された基地局IDは制御基板23に通知され、制御基板23において、通信部22から通知された基地局IDにメイン基地局3a−1〜3j−1の基地局IDが含まれている場合、表示ユニット21a〜21jのうち、通信部22から通知された基地局IDに含まれるメイン基地局3a−1〜3j−1の基地局IDに対応する表示ユニットが、この表示ユニットの透明電極に所定の電圧が印加されることにより点灯するように制御される(ステップS4)。本例においては、通信部22から通知された基地局IDにメイン基地局3f−1の基地局IDが含まれているため、表示ユニット21fが点灯するように制御される。なおこの際、制御基板23には、メイン基地局3f―1の基地局IDとともに、サブ基地局3f−2,3i−2の基地局IDも通信部22から通知されている。制御基板23においては、通信部22から通知されたサブ基地局3f−2,3i−2の基地局IDのうち、通信部22から基地局IDが通知されたメイン基地局3f−1と対となるサブ基地局3f−2の基地局IDについては対応する表示ユニット21fの点滅表示の制御が行われず、サブ基地局3i−2の基地局IDに対応する表示ユニット21iのみについて点滅表示が行われる。
【0029】
図6は、図1に示したスタンプラリーマップ1において表示ユニット21fが点灯し、表示ユニット21iが点滅している状態を示す図である。
【0030】
上述したように、スタンプラリーマップ1を所持する入場者が、ペンギンが飼育されている場所に設置されたサブ基地局3f−2及びウサギが飼育されている場所に設置されたサブ基地局3i−2の通信エリアに入り、さらに、ペンギンが飼育されている場所に近づいていき、ペンギンが飼育されている場所に設置されたメイン基地局3f−1の通信エリアに入ると、制御基板23の制御によって、表示ユニット21fが点灯するとともに表示ユニット21iが点滅する。この表示ユニット21f,21iに対向する領域には、ペンギン及びウサギの絵柄からなる動物マーク表示部11f,11iが設けられているため、表示ユニット21fが点灯するとともに表示ユニット21iが点滅すると、図6に示すように、動物マーク表示部11fにてペンギンの絵柄がチェック情報として点灯表示されるとともに、動物マーク表示部11iにてウサギの絵柄がチェック情報として点滅表示される。
【0031】
そして、スタンプラリーマップ1を所持する入場者が、ウサギが飼育されている場所に近づいていき、ウサギが飼育されている場所に設置されたメイン基地局3i−1の通信エリアに入ると、メイン基地局3i−1から送信された基地局IDがスタンプラリーマップ1の通信部22にて受信され、上記同様にして、動物マーク表示部11iにてウサギの絵柄がチェック情報として点灯表示される。この際、スタンプラリーマップ1の現在位置が、メイン基地局3f−1の通信エリアによるチェックポイントが設置された位置ではなくなっていることから、スタンプラリーマップ1の通信部22においては、メイン基地局3f−1の基地局IDが受信されなくなり、表示ユニット21fの透明電極に所定の電圧が印加されなくなっているが、表示ユニット21fは、垂直型電気泳動方式のものやエレクトロクロミック方式のもの等、電圧が印加されなくなった後でも点灯を維持することができるものであるため、動物マーク表示部11fにてペンギンの絵柄がチェック情報として点灯表示された状態は維持される(ステップS5)。
【0032】
その後、スタンプラリーマップ1を所持する入場者が移動し、ワニが飼育されている場所に設置されたサブ基地局3j−2の通信エリアに入ると、上述したように制御基板23の制御によって、表示ユニット21jが点滅する。
【0033】
図7は、図1に示したスタンプラリーマップ1において表示ユニット21jが点滅している状態を示す図である。
【0034】
スタンプラリーマップ1を所持する入場者が、ワニが飼育されている場所に設置されたサブ基地局3j−2の通信エリアに入り、表示ユニット21jが点滅すると、この表示ユニット21jに対向する領域には、ワニの絵柄からなる動物マーク表示部11jが設けられているため、図7に示すように、動物マーク表示部11jにてワニの絵柄がチェック情報として点滅表示される。またこの際、スタンプラリーマップ1の現在位置が、メイン基地局3i−1の通信エリアによるチェックポイントが設置された位置ではなくなっていることから、スタンプラリーマップ1の通信部22においては、メイン基地局3i−1の基地局IDが受信されなくなり、表示ユニット21iの透明電極に所定の電圧が印加されなくなっているが、表示ユニット21iは、電圧が印加されなくなった後でも点灯を維持することができるものであるため、動物マーク表示部11iにてウサギの絵柄がチェック情報として点灯表示された状態は維持される。
【0035】
このようにして、スタンプラリーマップ1を所持する入場者は、動物園2内に設置されたチェックポイントを回って、スタンプラリーマップ1の動物マーク表示部11a〜11jにて動物の絵柄を点灯表示させていくことにより、スタンプラリーを行うこととなる。
【0036】
なお、本形態においては、スタンプラリーマップ1の現在位置を、動物が飼育されている場所に設置されたメイン基地局3a−1〜3j−1やサブ基地局3a−2〜3j−2から送信された基地局IDによって認識しているが、通信部22に一般的なGPS(Global Positioning System)機能を搭載し、スタンプラリーマップ1の現在位置を取得する構成としてもよい。
【0037】
また、上述したスタンプラリーマップ1において、制御シート部20に、ピエゾ素子や振動板からなるシート状の音声出力手段を設けることにより、例えば、スタンプラリーマップ1の現在位置やチェックポイントの通過状況についての情報を音声によって出力することもできる。その場合、出力される音声情報はメイン基地局3a−1〜3j−1やサブ基地局3a−2〜3j−2から送信されることや、制御基板23のICチップのメモリ内に記憶しておくこと等が考えられるが、メイン基地局3a−1〜3j−1やサブ基地局3a−2〜3j−2と通信部22との通信を赤外線等の簡易な方法で行う場合は、制御基板23のICチップのメモリ内に記憶しておくが好ましい。
【0038】
また、本形態においては、情報表示シートとしてスタンプラリーマップ1を例に挙げて説明したが、複数のチェックポイントを回り、そのチェックポイントを通過した旨を記録しておくものであれば、その他のものにおいても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の情報表示シートの実施の一形態となるスタンプラリーマップの一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は断面図、(c)は(b)に示した制御シート部の構造を示す図である。
【図2】図1に示したスタンプラリーマップを用いてスタンプラリーが行われる動物園内の施設を示す図であり、(a)は全体のマップを示す図、(b)は(a)に示したメイン基地局及びサブ基地局の通信エリアを示す図である。
【図3】図1に示したスタンプラリーマップを用いて図2に示した動物園内にてスタンプラリーを行う場合のスタンプラリーマップの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示したスタンプラリーマップにおいて表示ユニットが点滅している状態を示す図である。
【図5】図2に示したメイン基地局及びサブ基地局からの基地局IDの送信タイミングを示す図である。
【図6】図1に示したスタンプラリーマップにおいて表示ユニットが点灯及び点滅している状態を示す図である。
【図7】図1に示したスタンプラリーマップにおいて表示ユニットが点滅している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 スタンプラリーマップ
2 動物園
3a−1〜3j−1 メイン基地局
3a−2〜3j−2 サブ基地局
4a−1,4a−2 通信エリア
10a,10b 表面シート
11a〜11j 動物マーク表示部
20 制御シート部
21a〜21j 表示ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート媒体上に、予め設置された複数のチェックポイントのそれぞれに対応して複数の情報表示エリアが設けられてなる情報表示シートであって、
当該情報表示シートの現在位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段にて取得された現在位置が、前記チェックポイントが設置された位置である場合、当該チェックポイントに対応する情報表示エリアにチェック情報を表示し、その後、当該情報表示シートの現在位置が、当該チェックポイントが設置された位置でなくなった後も当該表示を維持する表示制御手段とを有する情報表示シート。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示シートにおいて、
前記表示制御手段は、前記位置取得手段にて取得された現在位置が、前記チェックポイントが設置された位置から所定の距離内である場合、当該チェックポイントに対応する情報表示エリアに前記チェック情報を点滅表示し、前記位置取得手段にて取得された現在位置が、前記チェックポイントが設置された位置となった場合、当該チェックポイントに対応する情報表示エリアのチェック情報を点灯表示する情報表示シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−99192(P2010−99192A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272159(P2008−272159)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】