説明

情報表示パネルモジュール

【課題】可撓性のパネル基板と可撓性の接続用基板との接合強度を高め、もって表示品質の向上を図る。
【解決手段】第1のパネル基板の裏面に設置された表示用電極の端子部と、可撓性の接続用基板に設置された接続用電極の端子部とを異方性導電材により接続した構造になる情報表示パネルモジュールにおいて、上記接続用基板を、該基板と接合された第1のパネル基板と略同一の基板幅とし、上記第1のパネル基板の端縁、上記可撓性の接続用基板の端縁、ならびに上記異方性導電材から露出した上記表示用電極端子部および上記接続用電極端子部を被覆する防湿性絶縁材を、上記第1のパネル基板の幅を超える長さで上記第1のパネル基板の側面にわたって形成するとともに、上記異方性導電材の両側端面側に当たる、上記第1のパネル基板と上記可撓性の接続用基板との隙間部分にも防湿性絶縁材を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のパネル基板を用いた情報表示パネルに、この情報表示パネルを外部駆動回路に接続するために用いるTCP(Tape Carrier Package)やFPC(Flexible Printed Circuit)などの可撓性の接続用基板を接合してなる情報表示パネルモジュールに関し、2枚の可撓性基板の電極端子部同士を接合する際の接合強度を高め、特に、パネル基板と接続用基板との接合強度を高め、もって表示品質の向上を図ろうとするものである。
【背景技術】
【0002】
近年、可撓性のパネル基板を採用した情報表示パネルが様々な情報表示装置の表示部として用いられるようになっている。このような情報表示パネルは、可撓性を有するだけでなく薄くすることが容易であり、その薄さと可撓性を利用して、情報表示装置の所望の位置に表示部を形成することができ、また情報表示装置を構成する他の部品や筐体の構造を工夫することによって全体を曲げることのできる情報表示装置を得ることもできるなど、多くの利点がある。
【0003】
上記の可撓性のパネル基板を採用した情報表示パネルは、従来の情報表示パネルと同様、情報を表示するための外部駆動回路に接続する必要があり、その接続には通常、TCPやFPCなどの可撓性の接続用基板が用いられる。そして、この情報表示パネルに接続用基板を接合したものを情報表示パネルモジュールとして予め用意することにより、情報表示装置の組付け作業性を向上させることができる。
【0004】
ここに、従来の情報表示パネルモジュールの作製要領を図1、図2を用いて説明する。図1(a)は従来の情報表示パネルモジュールの要部上方斜視図、図1(b)は同じく要部下方斜視図であり、図2(a)および図2(b)はそれぞれ、図1(a)に示す情報表示パネルモジュール1のA−A断面図、B−B断面図である。また、図1、図2において、1で情報表示パネルモジュールを示し、2,3はパネル基板、4はFPC(接続用基板)、5は表示用電極端子部、6は接続用電極端子部、7はACF(Anisotropic Conductive Film)やACP(Anisotropic Conductive Paste)などの異方性導電材、8は防湿性絶縁材である。なお、9,10は表示用電極、11は接続用電極、12はシール材、13はリブを示す。
【0005】
図1、図2に示すように、従来の情報表示パネルモジュール1においては、一対の可撓性のパネル基板2,3の少なくともいずれか一方の裏面、図示の例ではパネル基板2の裏面に、パネル基板2,3間に配置した表示媒体(図示省略)を制御するための表示用電極9の端子部である表示用電極端子部5を設置し、この表示用電極端子部5を、可撓性の接続用基板4上に設置された接続用電極端子部6に接続していた。なお、接続用電極端子部6は、可撓性の接続用基板4の一部をなす接続用電極11の端子部である。また、上記の表示用電極端子部5と接続用電極端子部6との接続は、上述したような異方性導電材7を表示用電極端子部5の上か、接続用電極端子部6の上かのいずれかに配置した後、圧着することによって行っていた。
【0006】
そして、異方性導電材7の両側に露出した表示用電極端子部5および接続用電極端子部6を被覆するように防湿性絶縁材8を形成していた。異方性導電材7を用いて2枚の基板を接合した後に防湿性絶縁材8を形成して、パネル基板2の端縁2a、可撓性の接続用基板4の端縁に防湿性絶縁材8が形成される構造となっていた(異方性導電材による接続箇所を防湿性絶縁材で被覆する先行技術文献として、例えば特許文献1参照)。
【0007】
すなわち、防湿性絶縁材8は、パネル基板2の端縁2aと可撓性の接続用基板4の表面との隙間にある、異方性導電材7の外側に露出した表示用電極端子部5および接続用電極端子部6を被覆する第1部分8a、および可撓性の接続用基板4の端縁2aとパネル基板2の表面との隙間にある、異方性導電材7の外側に露出した表示用電極端子部5および接続用電極端子部6を被覆する第2部分8bからなる構造になっていた。
そして、上記の第1部分8aによって、異方性導電材7の外側に露出した表示用電極端子部5、接続用電極端子部6を被覆するとともに、上記の第2部分8bによって、異方性導電材7の内側に露出した表示用電極端子部5、接続用電極端子部6を被覆することにより、外部環境水分から電極端子部を保護する構造としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−244291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
情報表示パネルモジュールでは、情報表示装置をコンパクトなものとするため、可撓性の接続用基板4をパネル基板2,3の背面側へ折り返して情報表示装置に組み付ける場合が多い。しかしながら、図1、図2に示した従来構造では、この折り返し作業の際、パネル基板2と可撓性の接続用基板4との間で互いを導通させている異方性導電材7の一部が剥がれてしまい、導通不良に起因する表示不良を余儀なくされる場合があった。
【0010】
また、可撓性のパネル基板2および可撓性のパネル基板3を採用した可撓性の情報表示パネルモジュールでは、その組み付け後において、可撓性のパネル基板2および可撓性の接続用基板4のいずれか一方を撓ませるような力が作用した場合にもやはり、パネル基板2と接続用基板4との間で互いを導通させている異方性導電材7の一部が剥がれてしまい、その結果、導通不良に起因する表示不良を生じてしまう場合があった。
【0011】
そこで、発明者らは、その原因について調査した。その結果、以下に述べる知見を得た。
1)パネル基板2と接続用基板4の表面とは完全には接合されておらず、特に図2(b)に示したように、接続用電極端子部が形成されていない領域である可撓性の接続用基板4の両側縁部(異方性導電材の両側端面側に当たる領域)において隙間が存在する。従って、この隙間が異方性導電材7の剥離の起点となってしまう。
【0012】
2)この点、防湿性絶縁材8を可撓性の接続用基板4の幅方向全体にわたって配置するだけでは上記の隙間(異方性導電材の両側端面側に当たる領域)は完全には埋まらないが、この隙間を完全に埋めれば、パネル基板2と接続用基板4との接合強度を高めることができると考えられる。
【0013】
3)しかしながら、可撓性のパネル基板2および可撓性のパネル基板3を採用した可撓性の情報表示パネルモジュールとして、情報表示パネルモジュール全体が撓むようにした場合、可撓性の接続用基板4の基板幅が、図1に示したように、パネル基板2の基板幅よりも短いと、防湿性絶縁材8を可撓性の接続用基板4の幅方向全体にわたって配置して、さらに上記の隙間(異方性導電材の両側端面側に当たる領域)を埋めてもやはり異方性導電材7の剥離が生じてしまう場合があった。その原因は、可撓性の情報表示パネルモジュール全体が撓む際に、まず、可撓性のパネル基板2が撓むことになり、まだ撓んでいない可撓性の接続用基板4の影響を受けて、パネル基板2と異方性導電材7との間に、異方性導電材7を剥離させようとする力が集中して働くことになってしまうからだと考えられる。
4)また、形成した防湿性絶縁材も接合力を発揮していると考えられるが、図1に示したように、その形成領域が、幅の短い可撓性の接続用基板4の基板幅長に留まっているため、十分な接合力とはなっていないことも考えられる。
【0014】
そこで、発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、可撓性の接続用基板の基板幅をパネル基板の基板幅と略同一とし、パネル基板の基板幅を超える幅で、パネル基板の側面にわたって防湿性絶縁材を形成して、パネル基板の端縁と可撓性の接続用基板の表面との隙間を防湿性絶縁材で埋め、この防湿性絶縁材を可撓性の接続用基板の側面まで延在させ、そして、パネル基板の基板幅を超える幅で、防湿性絶縁材を可撓性の接続用基板の側面を経てパネル基板の側面にわたって防湿性絶縁材を形成して、可撓性の接続用基板の端縁とパネル基板の裏面との隙間を防湿性絶縁材で埋め、さらに、異方性導電材の両側端面側に当たる領域である可撓性の接続用基板とパネル基板との隙間を防湿性絶縁材で埋めることにより、パネル基板と可撓性の接続用基板との接合強度を格段に向上させることができ、その結果、可撓性の接続用基板を折り返して駆動回路に接続させる場合であっても、可撓性の情報表示パネルモジュール全体が撓んだ場合であっても、異方性導電材7の剥離を防止できることを見出した。
【0015】
本発明は、以上の知見に基づき開発されたものであり、可撓性のパネル基板を採用した情報表示パネルに可撓性の接続用基板を接合してなる可撓性の情報表示パネルモジュールにおいて、可撓性のパネル基板と可撓性の接続用基板との接合強度を高め、もって表示品質の向上を図った情報表示パネルモジュールを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
1.互いに対向して配置された第1のパネル基板および第2のパネル基板からなる一対の可撓性のパネル基板と、
上記第1および第2のパネル基板間で表示用電極を介して電気的な制御により情報を表示する表示手段と、
上記表示用電極を外部駆動回路に接続するための可撓性の接続用基板と
を備え、
上記一対の可撓性パネル基板の一方である第1のパネル基板の裏面に設置された表示用電極の端子部と、上記可撓性の接続用基板に設置された接続用電極の端子部とを対向配置とし、これら表示用電極の端子部と接続用電極の端子部とを異方性導電材により接続した構造になる、情報表示パネルモジュールであって、
上記可撓性の接続用基板は、該基板と接合された第1のパネル基板と略同一の基板幅を有しており、
上記第1のパネル基板の端縁、上記可撓性の接続用基板の端縁、ならびに上記異方性導電材から露出した上記表示用電極端子部および上記接続用電極端子部を被覆する防湿性絶縁材を、上記第1のパネル基板の基板幅を超える幅で、上記第1のパネル基板の側面にわたって形成するとともに、上記異方性導電材の両側端面側に当たる、上記第1のパネル基板と上記可撓性の接続用基板との隙間部分にも防湿性絶縁材を形成した
ことを特徴とする情報表示パネルモジュール。
【0017】
2.前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材は、前記可撓性の接続用基板上に延在され、前記第1のパネル基板の端縁に達する以上の長さ、かつ、第1のパネル基板の基板幅を超える幅で、上記第1のパネル基板の側面にわたって形成されることを特徴とする上記1に記載の情報表示パネルモジュール。
【0018】
3.前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材はさらに、前記可撓性の接続用基板に接合された第1のパネル基板と対向する第2のパネル基板の基板幅全長にわたり、該第2のパネル基板の端縁に架かって形成されることを特徴とする上記1または2に記載の情報表示パネルモジュール。
【0019】
4.前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆するとともに上記第2のパネル基板の端縁に架かって形成される防湿性絶縁材はさらに、前記第2のパネル基板の表面まで延在されることを特徴とする上記3に記載の情報表示パネルモジュール。
【0020】
5.前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材は、さらに前記第1のパネル基板の表面まで延在されることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の情報表示パネルモジュール。
【0021】
6.前記防湿性絶縁材により、前記第1のパネル基板の端縁を被覆する領域を、前記第1のパネル基板の表面まで延在させることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の情報表示パネルモジュール。
【0022】
7.前記第1のパネル基板の表面まで延在させた、前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材および前記第1のパネル基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材を、前記第1のパネル基板の表面において互いに連結して一体化した環状被覆構造とすることを特徴とする上記5または6に記載の情報表示パネルモジュール。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、可撓性の接続用基板は、該基板と接合された第1のパネル基板と略同一の基板幅を有しており、上記第1のパネル基板の端縁、上記可撓性の接続用基板の端縁、ならびに上記異方性導電材から露出した上記表示用電極端子部および上記接続用電極端子部を被覆する防湿性絶縁材を、上記第1のパネル基板の基板幅を超える幅で、上記第1のパネル基板の側面にわたって形成するとともに、上記異方性導電材の両側端面側に当たる、上記第1のパネル基板と上記可撓性の接続用基板との隙間部分にも防湿性絶縁材を形成したことにより、上記の露出した電極端子部分を防湿性絶縁材で被覆して、外部環境の水分から保護することができるのはもちろん、第1のパネル基板および可撓性の接続用基板のいずれか一方が撓むような力が作用した場合でも、また、第1のパネル基板および可撓性の接続用基板の双方が撓むような力が作用した場合でも、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離を効果的に防止することができ、その結果、表示品質を向上させることができる。
【0024】
また、本発明に従い、可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材を、この可撓性の接続用基板上に延在させ、第1のパネル基板の端縁に達する以上の長さ、かつ、第1のパネル基板の基板幅を超える幅で、上記第1のパネル基板の側面にわたって形成することにより、可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材と、第1のパネル基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材とが一体化した構造が得られ、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離をより効果的に防止することができ、その結果、表示品質をより向上させることができる。
【0025】
また、本発明に従い、可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材をさらに、該可撓性の接続用基板に接合された第1のパネル基板と対向する第2のパネル基板の基板幅全長にわたり、該第2のパネル基板の端縁に架けて形成することにより、可撓性の接続用基板を防湿性絶縁材によって第2のパネル基板にも接合することができるため、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離をより効果的に防止することができ、その結果、表示品質をより向上させることができる。
【0026】
また、本発明に従い、可撓性の接続用基板の端縁を被覆するとともに上記第2のパネル基板の端縁に架かって形成される防湿性絶縁材をさらに、上記第2のパネル基板の表面まで延在させることにより、防湿性絶縁材と第2のパネル基板との接合強度をより効果的に高めることができるため、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離をより一層効果的に防止することができ、その結果、表示品質をより一層向上させることができる。
【0027】
また、本発明に従い、可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材を、さらに前記第1のパネル基板の表面まで延在させることにより、防湿性絶縁材と第1のパネル基板との接合強度を効果的に高めることができるため、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離をより一層効果的に防止することができ、その結果、表示品質をより一層向上させることができる。
【0028】
さらに、本発明に従い、防湿性絶縁材により、前記第1のパネル基板の端縁を被覆する領域を、前記第1のパネル基板の表面まで延在させることにより、防湿性絶縁材と第1パネル基板との接合強度をさらに効果的に高めることができるため、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離をより一層効果的に防止することができ、その結果、表示品質をより一層向上させることができる。
【0029】
さらに、本発明に従い、第1のパネル基板の表面まで延在させた、可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材および第1のパネル基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材を、該第1のパネル基板の表面において互いに連結して一体化した環状被覆構造とすることにより、防湿性絶縁材による可撓性の接続用基板と第1パネル基板との接合強度をさらに効果的に高めることができるため、第1のパネル基板の表示用電極端子部と可撓性の接続用基板の接続用電極端子部との間に形成した異方性導電材の剥離をさらに効果的に防止することができ、その結果、表示品質をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は従来の情報表示パネルモジュールの要部上方斜視図、(b)は同じく要部下方斜視図である。
【図2】(a)および(b)はそれぞれ、図1(a)示す情報表示パネルモジュールのA−A断面図、B−B断面図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明に用いる情報表示パネルの一例を示す図である。
【図4】(a)および(b)は、本発明に用いる情報表示パネルの他の例を示す図である。
【図5】本発明に用いる情報表示パネルのさらなる他の例を示す図である。
【図6】本発明に用いる情報表示パネルのさらなる他の例を示す図である。
【図7】本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の全体構成を示す図である。
【図8】(a)および(b)はそれぞれ、図7に示した情報表示パネルモジュールのパネル基板と接続用基板との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図である。
【図9】(a)および(b)はそれぞれ、図8(a)に示す情報表示パネルモジュールのA−A断面図およびB−B断面図である。
【図10】(a)および(b)はそれぞれ、本発明の実施形態の第1変形例における情報表示パネルモジュールのパネル基板と接続用基板との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図である。
【図11】(a)および(b)はそれぞれ、図10(a)に示す情報表示パネルモジュールのA−A断面図およびB−B断面図である。
【図12】(a)および(b)はそれぞれ、本発明の実施形態の第2変形例における情報表示パネルモジュールのパネル基板と接続用基板との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図である。
【図13】(a)および(b)はそれぞれ、図12(a)に示す情報表示パネルモジュールのA−A断面図およびB−B断面図である。
【図14】(a)および(b)はそれぞれ、本発明の実施形態の第3変形例における情報表示パネルモジュールのパネル基板と接続用基板との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図である。
【図15】(a)および(b)はそれぞれ、図14(a)に示す情報表示パネルモジュールのA−A断面図およびB−B断面図である。
【図16】(a)および(b)はそれぞれ、本発明の実施形態の第4変形例における情報表示パネルモジュールのパネル基板と接続用基板との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図である。
【図17】(a)および(b)はそれぞれ、図14(a)に示す情報表示パネルモジュールのA−A断面図およびB−B断面図である。
【図18】本発明の実施例における発明例に係る情報表示パネルの作製要領を示すための図である。
【図19】本発明の実施例における比較例に係る情報表示パネルの作製要領を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を具体的に説明する。
(本発明に用いる情報表示パネルの基本的な構成)
まず、本発明に用いる情報表示パネルの基本的な構成について、図3〜図6を用いて説明する。なお、図1、図2に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して示す。
本発明に用いる情報表示パネルの表示手段としては、一対のパネル基板間で電気的な制御により情報を表示する表示手段であれば特に限定はなく、公知の種々の方式のものを用いることができる。以下、一対のパネル基板間に配置した光学的反射率と帯電性とを有する粒子群を表示媒体として、これらパネル基板それぞれに設置された表示用電極間で電気的に制御した電界をこの表示媒体に付与することによって、表示媒体を移動させて情報を表示する方式を用いた場合について説明する。
【0032】
本発明に用いる情報表示パネルは、図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含む粒子群であって、互いに光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子14Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体14Wと正帯電性黒色粒子14Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体14Bを示す)を、パネル基板間の隔壁15で形成された各セル16内に配置し、パネル基板2に設けた表示用電極9(ストライプ電極)とパネル基板3に設けた表示用電極10(ストライプ電極)とが対向交差(好ましくは対向直交交差)して形成する画素電極対に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、パネル基板2とパネル基板3との間を移動させる。そして、図3(a)に示すように白色表示媒体14Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図3(b)に示すように黒色表示媒体14Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示させる。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。また、パネル基板2、3のうち観察側となるパネル基板2と、このパネル基板2に設けられる表示用電極とはいずれも、少なくとも情報表示画面領域が透明な素材で構成される。
【0033】
なお、本例では、画素(対向電極対)とセルとを1対1に対応させているが、画素とセルとを1対1に対応させないこともできる。また、隔壁部分15と背面側のパネル基板3との間に接着剤17を配置してもう一方のパネル基板2とを貼り合わせて接合した構造としているが、その他の接合構造を採用してもよい。また、白色粒子群と黒色粒子群とを用いた例を示したが、色の組合せは白黒に限られず互いに異なる色(光学的反射率が異なる)であればよい。一方は表示色となり、他方が背景色となるので、表示された情報画像のコントラストを考慮した組合せとするのが好ましい。
【0034】
また、本発明に用いる情報表示パネルは、図3(a)および図3(b)に示したパッシブ駆動方式に代えて、図4(a)および図4(b)に示すような、パネル基板3に設けた表示用電極をTFT18付きの画素電極10’として構成したアクティブ駆動方式とすることもできる。
【0035】
図3、図4に示した情報表示パネルの例は、パネル基板1,2間に光学的反射率と帯電性とを有する粒子群を表示媒体として配置して空気や窒素などの気体中や真空中を移動させる構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、内部を透明な絶縁液体CLで満たし、かつ黒色正帯電性粒子BLと白色負帯電性粒子WHとをその中に封入したカプセルCPをパネル基板2,3に設けた電極間に配置した構成としてもよい。また、図6に示すように、パネル基板2,3に設けた電極間において隔壁15で区切られた空間内を青色絶縁液体BUで満たし、かつ白色負帯電性粒子WTを封入した構成としてもよい。
【0036】
(本発明に係る情報表示パネルモジュールの代表的な実施形態)
次に、本発明に係る情報表示パネルモジュールの代表的な実施形態について、図7〜図9を用いて説明する。なお、構成の骨子は前掲図1、図2と共通するので、同一の構成については同一の符号を付して示す。
【0037】
まず、図7に、本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の全体構成を示す。図中、4−1,4−2はそれぞれパネル基板2,3との接続用基板(FPC)、19−1,19−2はそれぞれ接続用基板4−1,4−2に接続されたTCP、20−1,20−2はドライバIC、21は情報表示パネルモジュールを示す。
【0038】
図7に示したように、本例における情報表示パネルモジュール21は、一対の可撓性のパネル基板2,3が、本例においてはそれぞれ長方形状をなし、互いにその長辺方向および短辺方向における接続用基板(FPC)実装領域がオープンになるように平行に配置された状態で、表示手段(例えば、図3〜図6に示した表示媒体)を挟んで互いに接合されている。また、パネル基板2,3の裏面(パネルの内側面)における縁辺領域には、それぞれ接続用基板4−1,4−2の一端が接合されている。接続用基板4−1,4−2の他端にはそれぞれ、表示用電極に付与する電圧を制御するために用いるドライバIC20−1,20−2が設置されたTCP19−1,19−2が接合されている。本例では、TCP19−1,19−2がパネル基板2,3よりも短い基板幅を有しているため、一端をパネル基板2,3と略同一の基板幅に形成した接続用基板4−1,4−2を経由してパネル基板2,3に接合する構成としているが、TCP19−1,19−2がパネル基板2,3と略同一の基板幅を有する場合には、TCP19−1,19−2を直接パネル基板2,3に接合すればよく、接続用基板4−1,4−2を用いない構成とすることもできる。
【0039】
ここに、本発明において、パネル基板と、接続用基板(FPC)との基板幅(互いに接続される部分の幅)が略同一とは、基板幅の差が5mm以下の場合を意味する。例えば、幅が短い接続用基板(FPC)を、幅が長いパネル基板に対して配置したときに、FPCの両側にそれぞれ2.5mmのギャップができる程度の差であれば、接続用基板(FPC)とパネル基板との隙間に形成した異方性導電材の剥離を効果的に防止することができる。これに対し、5mmを超えるギャップが生じた場合には十分な効果が得られない。理由は明らかではないが、情報表示パネルモジュール全体を曲げた場合などに発生する歪応力のかかり方において、ギャップが大きい場合と小さい場合とで差があることが一因であると推察している。
【0040】
次に、図7に示した本例における情報表示パネルモジュール21のパネル基板2と接続用基板4−1との接合構造を図8、図9を用いて説明する。図8(a)および図8(b)はそれぞれ、図7に示した情報表示パネルモジュール21のパネル基板2と接続用基板4−1との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図であり、図9(a)および図9(b)はそれぞれ、図9(a)に示す情報表示パネルモジュール21のA−A断面図およびB−B断面図である。
【0041】
図8、図9において、22は防湿性絶縁材、22aは防湿性絶縁材の第1部分、22bは同第2部分、22cは同第3部分を示す。
図8、図9に示すように、本例では、パネル基板2および接続用基板4−1の基板幅を超える幅で、パネル基板2の側面にわたって、パネル基板2の端縁2aと接続用基板4−1の端縁4a、ならびに異方性導電材7から露出した表示用電極端子部5および接続用電極端子部6を被覆するように防湿性絶縁材22を形成している。
このように、パネル基板2の端縁だけでなく、パネル基板2の側面にまでわたって防湿性絶縁材22が形成されることが本発明の特徴の一つである。
また、防湿性絶縁材22は、パネル基板2と接続用基板4−1との隙間において異方性導電材7が形成されていない部分(異方性導電材7の両側端面側に当たる領域部分)にも形成されている。この防湿性絶縁材の第3部分22cを形成することも本発明の特徴の一つである。
【0042】
具体的には、図8、図9に示すように、防湿性絶縁材22は、パネル基板2,3および接続用基板4−1の基板幅を超える幅でパネル基板2の側面にわたって、パネル基板2の端縁2aと接続用基板4−1の側面を被覆する第1の防湿性絶縁材が形成する第1部分22aと、接続用基板4−1の端縁4aと端縁領域4rおよびパネル基板2の側面を被覆する第2の防湿性絶縁材が形成する第2部分22bと、異方性導電材7の両側端面側に当たる領域部分であってパネル基板2と接続用基板4−1との隙間部分および接続用基板4−1の側面を被覆する防湿性絶縁材が形成する第3部分22cとで構成される。
なお、接続用基板4−1とパネル基板2との隙間には、表示用電極端子部5および接続用電極端子部6の幅以上の幅で異方性導電材7が形成される。
【0043】
本例では、第2部分22bを、パネル基板3の端縁3aに架かるように形成している。上記の第1部分22aによって、パネル基板2の端縁2aと接続用基板4−1の表面との隙間において異方性導電材7から露出する表示用電極端子部5、接続用電極端子部6を被覆することができる。また上記の第2部分22bによって、パネル基板3の端縁3aと接続用基板4−1の端縁4aの間の領域およびパネル基板2の裏面と接続用基板4−1の端縁4aとの隙間において異方性導電材7から露出する表示用電極端子部5、接続用電極端子部6を被覆することができる。
【0044】
このように、防湿性絶縁材の第1部分22aおよび第2部分22bがともに2枚の基板(パネル基板2、接続用基板4−1)の端縁および側面部に接合され、異方性導電材7が形成されていない隙間部分(異方性導電材7の両側端面側に当たる領域部分)に防湿性絶縁材22が形成された第3部分22cを形成することによって、パネル基板2と接続用基板4−1との接合力を効果的に向上させることができる。
また、図8には示していないが、上記防湿性絶縁材の第1部分22aおよび第2部分22bを、基板の側面部分において連結させる、防湿性絶縁材の第6部分(図14の28f参照)を設けることによって、さらに、パネル基板2と接続用基板4−1との接合力を効果的に向上させることができる。
【0045】
また、防湿性絶縁材22(第2の防湿性絶縁材)は接続用基板4−1の端縁4aおよび端縁領域4rを被覆するとともに、さらに、接続用基板4−1に接合されたパネル基板2と対向するパネル基板3の基板幅全長にわたり、このパネル基板3の端縁3aと接続用基板4−1の端縁4aとの間の領域を被覆し、その被覆している領域がパネル基板3の表面に及んでいることが好ましい。
具体的には、図10、図11では防湿性絶縁材24として示すように、防湿性絶縁材24の第2部分24bがパネル基板3の端縁3aに留まらず、パネル基板3の端縁3aを越えてパネル基板3の表面に及んでいることが好ましい。(特に図11参照)
【0046】
防湿性絶縁材22(第1の防湿性絶縁材および第2の防湿性絶縁材)の材料としては、少なくとも耐透湿性、可撓性、絶縁性、耐マイグレーション性を有し、情報表示パネルの基板、電極端子部、FPCやTCPなどの接続用基板と接着する材料が用いられる。
溶剤を除去して硬化させる方式のもの、湿度で硬化させる方式のもの、紫外線のような光で硬化させる方式のものなどがあり、材料としては、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂を単独で、あるいは、複数を組み合せて用いることができる。
防湿性絶縁材料はディスペンス、スプレーコート等の方法で配置する。
【0047】
防湿性絶縁22(第1の防湿性絶縁材および第2の防湿性絶縁材)の材料の物性は次の通りであることが、製造の容易性や製品に組み込んだ後の信頼性の観点でより好ましい。
・粘度 0.1〜10Pa・s(25℃)
・硬化条件 紫外線硬化系の場合は500mJ〜2500mJ
湿度硬化系、溶剤除去硬化系の場合 25℃ 6時間〜30時間
・体積抵抗 1.0×1013Ω/m 〜 1.0×1016Ω/m
・透湿度 1000g/m・24h 以下
・イオン濃度 Naイオン、Clイオン共に10ppm以下
【0048】
以上説明した本実施形態に係る情報表示パネルモジュール21によれば、接続用基板4−1を、この基板4−1と接合されたパネル基板2と略同一の基板幅とし、接続用基板4−1および第1のパネル基板2の基板幅を超える幅で形成した防湿性絶縁材が、第1のパネル基板2の端縁2a、接続用電極端子部6、接続用基板4−1の端縁4aと端縁領域4r、表示用電極端子部5を被覆し、第1のパネル基板2の裏面(表示用電極端子部が設置された面)と、接続用基板4−1の接続用電極端子部6が設置された面との隙間において異方性導電材7が形成されていない隙間部分を埋めるとともに、第1のパネル基板2の側面部および接続用基板4−1の側面部において接合されたことにより、異方性導電材7から露出した電極端子部分を防湿性絶縁材22で被覆して、外部環境の水分から保護することができるのはもちろん、第1のパネル基板2および接続用基板4−1のいずれか一方が撓むような力が作用した場合でも、また、第1のパネル基板2および接続用基板4−1の双方が撓むような力が作用した場合でも、第1のパネル基板2の表示用電極端子部5と接続用基板4−1の接続用電極端子部6との間に形成した異方性導電材7の剥離を効果的に防止することができ、その結果、表示品質を向上させることができる。
【0049】
また、防湿性絶縁材22が、第1のパネル基板2の側面部および接続用基板4−1の側面部に延在されているとともに、これら二つの基板の側面部において互いに連結して一体化した構造(図14、図16で示す防湿性絶縁材28または30が第6部分を有する構造)を形成することにより、異方性導電材7の剥離をより効果的に防止することができる。
【0050】
また、防湿性絶縁材22で接続用基板4−1の端縁4aおよび端縁領域4rを被覆するとともに、さらに、接続用基板4−1に接合された第1のパネル基板2と対向する第2のパネル基板3の基板幅全長にわたり、この第2のパネル基板3の端縁3aと接続用基板4−1の端縁4aとの間の領域を被覆することにより、接続用基板4−1を防湿性絶縁材22によって第2のパネル基板3にも接合することができるため、接続用基板4−1と第1のパネル基板2との接合強度を効果的に高め、異方性導電材7の剥離をより効果的に防止することができる。
【0051】
さらに、第2のパネル基板3の端縁3aと接続用基板4−1の端縁4aとの間の領域および接続用基板4−1の端縁4aを含む端部領域4rを被覆する防湿性絶縁材22(第2の防湿性絶縁材)を、この第2のパネル基板3の表面まで延在させる構造とすることにより、接続用基板4−1を防湿性絶縁材22によって第2のパネル基板3にもより効果的に接合することができるため、接続用基板4−1と第1のパネル基板2との接合強度をより効果的に高め、異方性導電材7の剥離をより一層効果的に防止することができる。
【0052】
なお、上述したパネル基板2と接続用基板4−1との防湿性絶縁材22を用いた接合構造は、図7にX−2として示したパネル基板3と接続用基板4−2との接合にも同様に適用することができる。
また、上述したパネル基板2と接続用基板4−1との防湿性絶縁材22を用いた接合構造は、図7にY−1、Y−2として示した接続用基板(FPC)4−1,4−2とTCP19−1,19−2との接合にも同様に適用することができる。
【0053】
(本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第1変形例)
次に、本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第1変形例について、図10、図11を用いて説明する。なお、図8、図9に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して示す。ここに、図10(a)、図10(b)はそれぞれ、本例における情報表示パネルモジュール23のパネル基板2と接続用基板4−1との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図であり、図11(a)、図11(b)はそれぞれ、図11(a)が示す情報表示パネルモジュール23のA−A断面図およびB−B断面図である。
【0054】
図10、図11において、24は防湿性絶縁材、24aは防湿性絶縁材の第1部分、24bは同第2部分、24cは同第3部分、24dは同第4部分を示す。
防湿性絶縁材24の第1部分24a、第2部分24bおよび第3部分24cはそれぞれ、図8、図9に示した防湿性絶縁材22の第1部分22a、第2部分22bおよび第3部分22cと同様である。
【0055】
本例は、防湿性絶縁材24の第2部分24bからパネル基板2の表面まで延在して形成された第4部分24dを設けたところに特徴がある。すなわち、可撓性の接続用基板4−1の端縁4aを被覆する防湿性絶縁材24をパネル基板2の表面まで延在させ、この部分でもパネル基板2に防湿性絶縁材24を接合させている。
【0056】
このように、防湿性絶縁材24を2枚の基板の側面に留めずに、さらにパネル基板2の表面まで延在させることにより、防湿性絶縁材24によるパネル基板2と接続用基板4−1との接合強度をより一層高め、異方性導電材7の剥離をより一層効果的に防止することができる。
(本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第2変形例)
次に、本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第2変形例について、図12、図13を用いて説明する。なお、図10、図11に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して示す。ここに、図12(a)、図12(b)はそれぞれ、本例における情報表示パネルモジュール25のパネル基板2と接続用基板4−1との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図であり、図13(a)、図13(b)はそれぞれ、図12(a)が示す情報表示パネルモジュール25のA−A断面図およびB−B断面図である。
【0057】
図12、図13において、26は防湿性絶縁材、26aは防湿性絶縁材の第1部分、26bは同第2部分、26cは同第3部分、26dは同第4部分、26eは同第5部分を示す。
防湿性絶縁材26の第1部分26a、第2部分26b、第3部分26cおよび第4部分26dはそれぞれ、図10、図11に示した防湿性絶縁材24の第1部分24a、第2部分24b、第3部分24cおよび第4部分24dと同様である。
【0058】
本例は、防湿性絶縁材26の第1部分26aからパネル基板2の表面まで延在して形成された第5部分26eを設けたところに特徴がある。すなわち、防湿性絶縁材26により第1のパネル基板2の端縁2aを被覆する領域をパネル基板2の表面まで延在させ、この部分でもパネル基板2に防湿性絶縁材26を接合させている。
【0059】
このように、防湿性絶縁材26を2枚の基板の側面に留めずに、さらにパネル基板2の表面まで延在させ、また、防湿性絶縁材26をパネル基板2の端縁に留めずに、さらにパネル基板2の表面まで延在させることにより、防湿性絶縁材26によるパネル基板2と接続用基板4−1との接合強度をより一層高め、異方性導電材7の剥離をより一層効果的に防止することができる。
【0060】
(本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第3変形例)
次に、本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第3変形例について、図14、図15を用いて説明する。なお、図12、図13に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して示す。
【0061】
ここに、図14(a)および図14(b)はそれぞれ、本例における情報表示パネルモジュール27のパネル基板2と接続用基板4−1との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図であり、図15(a)および図15(b)はそれぞれ、図14(a)に示す情報表示パネルモジュール27のA−A断面図およびB−B断面図である。
【0062】
図14、図15において、28は防湿性絶縁材、28aは防湿性絶縁材の第1部分、28bは同第2部分、28cは同第3部分、28dは同第4部分、28eは同第5部分、28fは同第6部分を示す。
【0063】
防湿性絶縁材28の第1部分28a、第2部分28bおよび第3部分28cは、図10、図11に示した防湿性絶縁材24の第1部分24a、第2部分24b、第3部分24cと同様である。ここに示す例では、防湿性絶縁材28の第4部分28d、第5部分28e、第6部分28fを形成した点に特徴がある。
【0064】
本例では、防湿性絶縁材28として第1部分28aを形成する際にパネル基板2の表面にも延在するようにして第5部分28eを形成し、第2部分28bを形成する際にパネル基板2の端縁2aにまで達する長さで接続用基板4−1の表面を被覆するとともにパネル基板2の側面まで延在させ、さらに、パネル基板2の表面まで延在させて、第6部分28fおよび第4部分28dを形成しているところに特徴がある。
【0065】
なお、本例では、図14、図15に示すように、防湿性絶縁材28を、接続用基板4−1の端縁4aとパネル基板3との隙間を埋め、パネル基板3の表面にも、接続用基板4−1の裏面上にも架かって、パネル基板2の端縁2aまで達する長さで接続用基板4−1の端部領域4rを被覆するように接続用基板4−1およびパネル基板2の基板幅を超えてパネル基板2の側面にわたり形成して、2枚の基板の側面で連結した防湿性絶縁材28をパネル基板2の表面にまで延在して形成した防湿性絶縁材28の第4部分28dと、上記第5部分28eとは互いに連結した構造をなしている。
【0066】
このように、接続用基板4−1の端部領域4rを、パネル基板2の端縁にまで達する長さで接続用基板4−1の表面を被覆するように形成した防湿性絶縁材28bを、パネル基板2の端縁2aを越えてパネル基板2の表面まで延在させた防湿性絶縁材28aと、パネル基板2の表面において一体化することにより、防湿性絶縁材28による接続用基板4−1とパネル基板2との接合強度をより一層高め、異方性導電材7の剥離をより一層効果的に防止することができる。
【0067】
(本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第4変形例)
次に、本発明に係る情報表示パネルモジュールの実施形態の第4変形例について、図16、図17を用いて説明する。なお、図14、図15に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して示す。
【0068】
ここに、図16(a)および図16(b)はそれぞれ、本例における情報表示パネルモジュール29のパネル基板2と接続用基板4−1との接合部分を示す要部上方斜視図および要部下方斜視図であり、図17(a)および図17(b)はそれぞれ、図16(a)に示す情報表示パネルモジュール29のA−A断面図およびB−B断面図である。
【0069】
図16、図17において、30は防湿性絶縁材、30aは防湿性絶縁材の第1部分、30bは同第2部分、30cは同第3部分、30dは同第4部分、30eは同第5部分、30fは同第6部分、30gは同第7部分を示す。
【0070】
防湿性絶縁材30の第1部分30a、第2部分30b、第3部分30c、第4部分30d、第5部分30e、第6部分30fは、図14、図15に示した防湿性絶縁材28の第1部分28a、第2部分28b、第3部分28c、第4部分28d、第5部分28e、第6部分28fと同様である。
【0071】
本例では、防湿性絶縁材30として第1部分30a、第2部分30b、第3部分30c、第4部分30d、第5部分30e、第6部分30fの他、第7部分30gを形成して、パネル基板3の両側縁から接続用基板4−1の両側縁を経てパネル基板2の表面に及ぶ第6部分30fおよび第4部分30dを互いに連結して、図16〜17に示すように、図14(a)、(b)で示された環状構造よりもパネル基板2の被覆面積を広げた環状被覆構造を形成させたところに特徴がある。
このような構造とすることにより、防湿性絶縁材30による接続用基板4−1とパネル基板2との接合強度を格段に高め、異方性導電材7の剥離をさらに効果的に防止することができる。
【0072】
(本発明に用いる情報表示パネルの一般的な構成要素について)
以下、本発明に用いる情報表示パネルの一般的な構成要素について説明する。
一対のパネル基板のうち観察側のパネル基板の厚さは、可撓性(フレキシブルな)情報表示パネルとするには、25μm〜1000μmの範囲が好ましいが、薄型の情報表示パネルとするには、25μm〜500μmの範囲が好ましく、さらには、25μm〜200μmの範囲が好ましい。観察側のパネル基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエチレンサルフォネート(PES)等の樹脂基板のほか、厚さが25μm〜200μmの範囲のガラス基板を用いることができる。いずれも、少なくとも情報表示領域が透明なものを用いる。
【0073】
一対のパネル基板のうち背面側のパネル基板の厚さは、可撓性(フレキシブルな)情報表示パネルとするには、25μm〜1000μmの範囲が好ましいが、薄型の情報表示パネルとするには、25μm〜500μmの範囲が好ましく、さらには、25μm〜200μmの範囲が好ましい。背面側のパネル基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル等の有機高分子材料シートや厚さが25μm〜200μmの範囲のガラス基板、絶縁膜で表面を被覆した金属基板などを用いる。
【0074】
全体を曲げることができる情報表示パネルモジュールとするには、情報表示パネルは可撓性を有する必要があり、上記したパネル基板のうち、有機高分子材料基板や金属基板や200μm以下の厚さのガラス基板などの可撓性を有する基板が好ましく用いられる。
【0075】
情報表示領域に対向して配置する表示用電極(画素用電極)において、観察側のパネル基板の透明な情報表示領域には透明電極を設ける。透明電極の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrene-sulfonate)(PEDOT:PSS)等のポリチオフェンをはじめとする透明導電性高分子類が挙げられる。なお、情報表示領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。
【0076】
情報表示領域に対向して配置する表示用電極(画素用電極)において、背面側のパネル基板に設ける電極としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrene-sulfonate)(PEDOT:PSS)等のポリチオフェンをはじめとする導電性高分子類や、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属や、これらの導電性金属を主成分とする合金が挙げられる。背面側基板の情報表示領域に設ける画素用電極は透明であってもよいし、透明でなくても良い。また、背面側の情報表示領域に設ける画素用電極の厚みは、導電性が確保できれば良く、0.01μm〜10μmの範囲で設ける。この画素用電極および画素用電極から延びる配線電極および接続用電極端子部を構成する導電膜を同じ導電性金属材料で形成することもできる。例えば、銅薄膜を背面側基板上に形成した後、それぞれの電極にパターニングすればよく、上記三者を同時に形成することも可能である。
【0077】
電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。パターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。
【実施例】
【0078】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例および比較例では、表示媒体として、帯電特性の異なる白黒2色の表示媒体(粒子群A、粒子群B)を用いた。
【0079】
粒子群Aは、メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60重量部、及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部、及び、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパーF600:日本油脂製)5重量部を溶解させた後、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて分級して得た、平均粒子径9.2μmの正帯電性黒色粒子群である。
【0080】
粒子群Bは、ポリメチルペンテンポリマー(TPX-R18;三井化学社製)100重量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90:石原産業社製)100重量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)5重量部とを二軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化して得た、平均粒子径が、9.5μmの負帯電性白色粒子群である。
【0081】
以上説明した表示媒体を用い、以下に示した要領で情報表示パネル、情報表示パネルモジュール、情報表示装置(電子ペーパー)を作製した。
<情報表示パネルの作製>
ITOストライプ電極(幅300μm、ピッチ30μm)付きのポリエチレンテレフタレート(PET)基板(厚さ125μm)を2枚対向させたシート間に2種類の表示媒体を配置した。
基板幅に合せた幅のFPCを実装するパネルでは表示用電極をそのまま基板端縁まで引き出して接続用端子部を形成した。(図18参照)
基板幅よりも狭い幅のTCPを実装するパネルでは表示用電極からの引き出し電極をTCP幅に合わせて幅を絞るように配置して接続用端子部を形成した。(図19参照)
表示媒体は、負帯電性白色粒子を含む粒子群である白色表示媒体と、正帯電性黒色粒子を含む粒子群である黒色表示媒体とを等量(重量比で1対1)でPET基板間に形成した隔壁で囲まれた空間に湿度50%RHの空気とともに体積占有率30%で配置した後、表示媒体を配置した領域の周囲にシール材を配置し、2枚のPET基板を貼り合せて情報表示パネルを得た。
【0082】
同じ大きさの長方形(150mm ×155mm)のPET基板の縦横を反対にして対向させ、FPC基板を実装する部分を短辺(150mm)領域となるようにした。FPC基板を実装するPET基板ではないほうのPET基板が実装領域にはないオープンスペースが5mm幅で形成された状態でACF実装できるようにした。
【0083】
<中継FPCを用いた発明例および比較例の情報表示パネルモジュールの作製>
情報表示パネルとは別に、中継基板となるポリイミドフィルム上に電極部が形成されたFPC基板を準備して、このFPC基板の一方の側に、ドライバICが実装されたTCP(幅40mm)をACFで実装した。
中継FCP基板のTCP実装側の基板幅は、TCP幅40mmと略同じ42mmとし、中継FPC基板へのTCPの実装はACFを配置した後圧着して行なった。TPC実装部に対して、図16に示した被覆環状構造の防湿性絶縁材を形成した。
情報表示パネルの表示用電極端子部は、情報表示領域に設けた画素用のITOストライプ電極を延長して引き回して形成したストライプ構造で設けた。中継FCP基板の情報表示パネル側の基板幅として、情報表示パネルの基板幅とその差が略同じ145mm〜150mmのもの、その差が異なる140mmのものを準備した。情報表示パネルの基板への中継FPC基板の実装はACFを配置した後圧着して行なった。
【0084】
ACFを配置した後圧着した二つの接続箇所(背面側パネル基板と観察側パネル基板とに形成した二つのACF実装部)に防湿性絶縁材を配置して、図8、図10、図12、図14、図16に示した各被覆構造を形成した。
防湿性絶縁材はいずれも、ACF長を超え、各基板の幅を超え、パネル基板とFPCとの隙間部分をすべて埋めるようにして配置した。
使用した防湿性絶縁材はソニーケミカル&インフォメーションデバイス社製SA3220であり、ディスペンサーおよび紫外線スポットランプを用いて設けた。この防湿性絶縁材の硬化条件は1000mJ/cmであり硬化後の弾性率は2.0×10Paであった。
【0085】
<TCPを直接実装した比較例の情報表示パネルモジュールの作製>
情報表示パネルに、ドライバICが実装されたTCP(幅40mm)をACFで実装した。
情報表示パネルのPET基板へのTCPの実装はACFを配置した後圧着して行なった。
情報表示パネルの表示用電極端子部は、情報表示画面領域に設けた画素用のITOストライプ電極を延長して引き回して形成したストライプ構造で設けた。
ACFを配置した後圧着した二つの接続箇所(背面側パネル基板と観察側パネル基板とに形成した二つのACF実装部)に防湿性絶縁材を配置した。
防湿性絶縁材はいずれも、ACF長に合わせて、TCPの幅以下で、表示用電極端子部および接続用電極端子の露出している部分に配置し、図1に示した防湿性絶縁材の配置構造とした。
使用した防湿性絶縁材はソニーケミカル&インフォメーションデバイス社製 SA3220であり、ディスペンサーおよび紫外線スポットランプを用いて設けた。この防湿性絶縁材の硬化条件は1000mJ/cmであり硬化後の弾性率は2.0×10Paであった。
【0086】
<電子ペーパーの作製>
図7および図18に示したような、観察側の基板および背面側の基板にTCPと接続したFPC基板を実装した構成の情報表示パネルモジュールを各発明例および比較例3において100個作製した。また、図1および図19に示したような、観察側の基板および背面側の基板にTCPを実装した構成の情報表示パネルモジュールを各比較例1および比較例2において100個作製した。
そして、各発明例および比較例3における情報表示パネルモジュールについて、観察側の基板に実装した、TCPと接続したFPC基板、および背面側の基板に実装した、TCPと接続したFPC基板を折り返して、情報表示部の裏側にある駆動装置の回路基板とTCPとを接続させて電子ペーパーとした。また、比較例1および比較例2における情報表示パネルモジュールについても同様に、観察側の基板に実装したTCP、および背面側の基板に実装したTCPを折り返して、情報表示部の裏側にある駆動装置の回路基板とTCPとを接続させて情報表示装置(電子ペーパー)とした。
【0087】
<評価>
以上のとおり作製した各発明例および各比較例における情報表示装置(電子ペーパー)100個に対してテストパターンを表示して、表示画像を目視で観察して評価した。その結果を表1に示す。
【0088】
【表1】

【0089】
以上の結果により、本発明に従えば、情報表示パネルモジュールを外部駆動回路基板と接続させるときに接続用基板を折り返す作業時に、パネル基板と可撓性の接続用基板との間で互いを導通させている異方性導電材の一部が剥離し、その結果、表示不良が生じてしまう不具合を確実に回避することができ、また、2枚の可撓性のパネル基板を採用した可撓性の情報表示パネルモジュールを組み付けた後の情報表示装置(電子ペーパー)において、2枚の可撓性のパネル基板のいずれか一方を、あるいは、双方を撓ませるような力が作用した場合であっても、パネル基板と接続用基板との間で互いを導通させている異方性導電材の一部が剥がれてしまい、その結果、表示不良が生じてしまう不具合を確実に回避することができることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明に従いパネル基板と接続用基板との基板幅を略同一とすると共に、この基板幅全長を超えてパネル基板の側面にわたって防湿性絶縁材を設け、パネル基板と接続用基板との隙間部分にも防湿性絶縁材を形成した構造にすることによってパネル基板と接続用基板との接合強度を高めた情報表示パネルモジュールは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱い説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な情報表示装置の表示部に好適に用いることができる。他に、外部書き換え手段に電気的に接続して表示書き換えを行った後、接続を切り離しても継続して表示させておくことができるリライタブル型の情報表示パネルモジュールとしても好適に用いられる。
なお、情報表示パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いないパッシブマトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、TFT素子を用いたアクティブ駆動方式など、種々のタイプの駆動方式が適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 情報表示パネルモジュール
2 パネル基板
2a パネル基板2の端縁
3 パネル基板
3a パネル基板3の端縁
4 接続用基板
4a 接続用基板の端縁
4r 接続用基板の端部領域
5 表示用電極端子部
6 接続用電極端子部
7 異方性導電材
8 防湿性絶縁材
8a 防湿性絶縁材の第1部分
8b 防湿性絶縁材の第2部分
9,10 表示用電極
11 接続用電極
12 シール材
13 リブ
19−1,19−2 TCP
20−1,20−2 ドライバIC
21,23,25,27,29 情報表示パネルモジュール
22,24,26,28,30 防湿性絶縁材
22a,24a,26a,28a,30a 防湿性絶縁材の第1部分
22b,24b,26b,28b,30b 防湿性絶縁材の第2部分
22c,24c,26c,28c,30c 防湿性絶縁材の第3部分
24d,26d,28d,30d 防湿性絶縁材の第4部分
26e,28e,30e 防湿性絶縁材の第5部分
28f,30f 防湿性絶縁材の第6部分
30g 防湿性絶縁材の第7部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置された第1のパネル基板および第2のパネル基板からなる一対の可撓性のパネル基板と、
上記第1および第2のパネル基板間で表示用電極を介して電気的な制御により情報を表示する表示手段と、
上記表示用電極を外部駆動回路に接続するための可撓性の接続用基板と
を備え、
上記一対の可撓性パネル基板の一方である第1のパネル基板の裏面に設置された表示用電極の端子部と、上記可撓性の接続用基板に設置された接続用電極の端子部とを対向配置とし、これら表示用電極の端子部と接続用電極の端子部とを異方性導電材により接続した構造になる、情報表示パネルモジュールであって、
上記可撓性の接続用基板は、該基板と接合された第1のパネル基板と略同一の基板幅を有しており、
上記第1のパネル基板の端縁、上記可撓性の接続用基板の端縁、ならびに上記異方性導電材から露出した上記表示用電極端子部および上記接続用電極端子部を被覆する防湿性絶縁材を、上記第1のパネル基板の基板幅を超える幅で、上記第1のパネル基板の側面にわたって形成するとともに、上記異方性導電材の両側端面側に当たる、上記第1のパネル基板と上記可撓性の接続用基板との隙間部分にも防湿性絶縁材を形成した
ことを特徴とする情報表示パネルモジュール。
【請求項2】
前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材は、前記可撓性の接続用基板上に延在され、前記第1のパネル基板の端縁に達する以上の長さ、かつ、第1のパネル基板の基板幅を超える幅で、上記第1のパネル基板の側面にわたって形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示パネルモジュール。
【請求項3】
前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材はさらに、前記可撓性の接続用基板に接合された第1のパネル基板と対向する第2のパネル基板の基板幅全長にわたり、該第2のパネル基板の端縁に架かって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示パネルモジュール。
【請求項4】
前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆するとともに前記第2のパネル基板の端縁に架かって形成される防湿性絶縁材はさらに、上記第2のパネル基板の表面まで延在されることを特徴とする請求項3に記載の情報表示パネルモジュール。
【請求項5】
前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材は、さらに前記第1のパネル基板の表面まで延在されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報表示パネルモジュール。
【請求項6】
前記防湿性絶縁材により、前記第1のパネル基板の端縁を被覆する領域を、前記第1のパネル基板の表面まで延在させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の情報表示パネルモジュール。
【請求項7】
前記第1のパネル基板の表面まで延在させた、前記可撓性の接続用基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材および前記第1のパネル基板の端縁を被覆する防湿性絶縁材を、前記第1のパネル基板の表面において互いに連結して一体化した環状被覆構造とすることを特徴とする請求項5または6に記載の情報表示パネルモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−11770(P2013−11770A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144930(P2011−144930)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】