説明

情報表示パネル用積層シート、及び情報表示パネル、並びにその情報表示パネルを具備した輸送機器

【課題】文字・絵柄の可読性を高め、同時に立体感を生じさせる効果等、より複雑な意匠を表現することを可能にする情報表示パネル用の積層シート、及び情報表示パネル、並びにそれを具備した輸送機器を提供する。
【解決手段】光透過性を有する支持体4を備えた情報表示パネル14用の積層シート13であって、積層シート13表面側から観察した際に、第1の表示領域1に対して第2の表示領域2が平面的に隣接して配設され、支持体4裏面の第1の表示領域1には、第1の反射層7と第1の遮光層8が順に積層され、第1の遮光層8には文字等意匠形状の第1の開口部81が設けられ、支持体4裏面の少なくとも第2の表示領域2には、光透過性着色層9が設けられ、支持体4表面の第2の表示領域2には、第2の反射層5と第1の加飾層6とが順に積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光透過性支持体の表裏面に多層の印刷層を備える情報表示パネル用積層シートに関し、特に遮光層および反射層が配設され、遮光性と光反射性とを有する情報表示パネル用積層シート、及び情報表示パネル、並びにその情報表示パネルを具備した輸送機器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の輸送機器には多くの計測器の表示機が搭載されている。その表示機等に使用される情報表示パネルに対しては、視認性のみならずデザイン性に対する要求がある。従来の情報表示パネルとして、例えば、特許文献1に開示されているように、透明基板の背面に、文字・絵柄に対応する開口部を含む、有彩色の遮光反射層と白色の明色半透過層が順に積層され、透明基板の表面には白色層と暗色層が順に積層され、文字・絵柄に対応する部分が開口部となっている構成を有するものがある。
【0003】
上記した情報表示パネルの構成を用いることで、ランプ非点灯時は、外光により、文字・絵柄部分が有彩色で囲まれた白色で視認され、文字・絵柄の周囲は暗色で視認される。また、ランプ点灯時は白色の透過反射層を透過し、有彩色の遮光反射層の開口部を抜けた白色の光が視認されるとともに、裏面から入射し、表面の白色層で反射した光が裏面の有彩色の遮光反射層で再度反射されて表面の開口部から抜けて有彩色の間接光状に視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−120990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の技術では、遮光層開口部を抜けた直接光で文字・絵柄を表現するため、ランプ点灯時の文字・絵柄が立体感に欠け、意匠性に乏しいという問題があった。一方、遮光層で文字・絵柄を形作り、間接光で縁取られるように文字・絵柄を表現すると、文字・絵柄の輪郭が不明瞭となり、可読性が低くなる問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、文字・絵柄の可読性を高めることが出来、同時に立体感を生じさせる効果等、より複雑な意匠を表現することを可能にする情報表示パネル用の積層シート、及び情報表示パネル、並びにその情報表示パネルを具備した輸送機器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために次のような構成を備えている。すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、背面側に設置された光源(3)により照明されることで情報を表示する、光透過性を有する支持体(4)を備えた情報表示パネル(14)用の積層シート(13)であって、
前記積層シート(13)には、前記積層シート(13)表面側から観察した際に、第1の表示領域(1)に対して第2の表示領域(2)が平面的に隣接して配設され、
前記支持体(4)裏面の前記第1の表示領域(1)には、第1の反射層(7)と第1の遮
光層(8)が順に積層され、
前記第1の遮光層(8)には文字等意匠形状の第1の開口部(81)が設けられ、
前記支持体(4)裏面の少なくとも前記第2の表示領域(2)には、光透過性着色層(9)が設けられ、
前記支持体(4)表面の前記第2の表示領域(2)には、第2の反射層(5)と第1の加飾層(6)とが順に積層されていることを特徴とする情報表示パネル用の積層シートである。
【0008】
本発明に係る積層シートは上記した構成を有することで、光源(3)が点灯した際には、第2の反射層(5)で反射した光が、第1の反射層(7)で再反射して第1の表示領域(1)の観察者(15)側に抜けることにより、立体感を持たせる。また、光源(3)が点灯した際に第1の遮光層(8)が遮光するため、第1の遮光層(8)の開口部(81)を除いて直接光が第1の表示領域(1)を透過しない。それにより、第2の表示領域(2)の反射層(5)で反射された間接光の、第1の表示領域(1)における視認性が高められ、文字・絵柄等が美しく表示される。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記第1の遮光層(8)の前記開口部(81)には、光透過性着色層(9)を備えることを特徴とする請求項1に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0010】
本発明に係る積層シートは上記した構成を有することで、光源(3)が点灯した際に光透過性着色層(9)を透過した光が第2の反射層(5)、第1の反射層(7)で再反射して、第1の表示領域(1)で間接光として視認されるため、間接光は光透過性着色層(9)の色に依存する。光透過性着色層(9)を任意の選択された色にすることにより、文字・絵柄等が美しく表示される。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る発明は、第1の表示領域(1)の前記第1の遮光層(8)の前記開口部(81)に対向対応する前記支持体(4)表面に、全光線透過率が0%以上20%以下の第2の加飾層(10)を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記第2の加飾層(10)は、その外周が前記第1の遮光層(8)の前記開口部(81)の外周から0.05mm以上0.20mm以下の範囲で内側にあることを特徴とする請求項3に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0013】
本発明に係る積層シートは上記した構成を有することで、光源(3)からの光は第1の遮光層(8)の開口部(81)を通り、第1の反射層(7)を透過して、第2の加飾層(10)で遮蔽される表示領域を除いて支持体(4)内を観察者(15)に向けて抜ける。したがって、第1の表示領域(1)の内部において、第2の加飾層(10)を縁取りしたような直接光が認識されるため、第2の加飾層(10)に立体感が生じる。
【0014】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記第1の反射層(7)の波長380nm〜780nmにおける光線の反射率が、40%以上95%以下であり、前記第1の反射層(7)の全光線透過率が、5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0015】
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記第1の遮光層(8)の全光線透過率が、0%以上20%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0016】
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記第2の反射層(5)の波長380nm〜780nmにおける光線の反射率が、60%以上98%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0017】
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記第1の加飾層(6)の全光線透過率が0%以上20%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0018】
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記光透過性着色層(9)は全光線透過率が20%以上90%以下の有彩色の層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0019】
また、本発明の請求項10に係る発明は、前記第1の加飾層(6)の表面に、第3の加飾層(11)がさらに備えられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0020】
また、本発明の請求項11に係る発明は、前記積層シート(13)の最表面に、全光線透過率が80%以上100%以下の透明加飾層(12)がさらに備えられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0021】
また、本発明の請求項12に係る発明は、前記支持体(4)の厚さdが、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0022】
また、本発明の請求項13に係る発明は、前記支持体(4)は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、アクリル樹脂、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体またはアクリルニトリル・スチレン共重合体のいずれかの樹脂を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0023】
また、本発明の請求項14に係る発明は、前記支持体(4)は、そのヘーズ値が92%以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シートである。
【0024】
次に、本発明の請求項15に係る発明は、少なくとも光源(3)と、請求項1〜14のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート(13)とを備えることを特徴とする情報表示パネルである。
【0025】
また、本発明の請求項16に係る発明は、前記光源(3)が、LED光源であることを特徴とする請求項15に記載する情報表示パネルである。
【0026】
また、本発明の請求項17に係る発明は、前記光源(3)が、エッジライト式光源と導光板からなる面光源であることを特徴とする請求項15に記載する情報表示パネルである。
【0027】
更に、本発明の請求項18に係る発明は、請求項15〜17のいずれか1項に記載する情報表示パネルを具備したことを特徴とする輸送機器である。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、上記したように、光源の射出光が第1の遮光層(8)の開口部(81)を抜け、反射層(7)を透過して、第2の加飾層(10)で形作られた例えば文字の外周部から直接光として観察者に視認されるため、文字の可読性を高めることが出来、同時に文字に立体感を生じさせる効果がある。すなわち、遮光層で文字・絵柄を形作り、文字・絵柄を、従来の間接光ではなく直接光で、外周を縁取られるように表現することによって、文字・絵柄の可読性を高め、同時に、前記したように立体感を生じさせる効果も実現するため、より複雑な意匠を表現することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の情報表示パネル用の積層シートの、第1の実施形態の断面模式図である。
【図2】本発明の情報表示パネル用の積層シートの、第2の実施形態の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、図面を参照して、本発明の情報表示パネル用の積層シートの実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いられる光学的性質を説明する、ヘーズ値(曇価)、光線透過率、光線反射率は、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」で規定されているものに準拠した測定法で得られたものある。
【0031】
図1は、本発明の情報表示パネル(14)用の積層シート(13)の、第1の実施形態を該シート延在方向に垂直な面で切った断面模式図である。図1(A)は、積層の順序をわかりやすくするために各層を分離してあらわしたものであり、図1(B)は、実際に積層された状態を表したものである。
【0032】
図1に示すように、本発明の情報表示パネル(14)用の積層シート(13)は、背面側に設置された光源(3)により照明されることで情報を表示する、光透過性を有する支持体(4)を備えた情報表示パネル(14)用の積層シート(13)である。図1において、観察者(15)は積層シート(13)の表面側から目視する。積層シート(13)には、積層シート(13)表面側から観察した際に、第1の表示領域(1)に対して第2の表示領域(2)が平面的に隣接して配設されている。この積層シート(13)の延在面上における第1の表示領域(1)または第2の表示領域(2)の形状により絵柄等の意匠形状が構成されている。
【0033】
支持体(4)裏面の所定の第1の表示領域(1)には、第1の反射層(7)と第1の遮光層(8)が順に積層され、第1の遮光層(8)には文字等意匠形状の第1の開口部(81)が設けられ、支持体(4)裏面の少なくとも第2の表示領域(2)には、光透過性着色層(9)が設けられ、さらに、支持体(4)表面の所定の第2の表示領域(2)には、第2の反射層(5)と第1の加飾層(6)とが順に積層されている。さらに、開口部(81)には、光透過性着色層(9)を備え、第1の表示領域(1)開口部(81)に対向対応する支持体(4)表面には、第2の加飾層(10)が積層されている。
【0034】
支持体(4)は、透明樹脂のみで構成するか、又は拡散性樹脂のみで構成するか、又は透明樹脂層と拡散性樹脂層との積層によって構成することができる。ここで、支持体(4)のヘーズ値は12%以上92%以下であることが望ましい。支持体(4)のヘーズ値が12%未満の場合、支持体に入射して拡散反射して第1の表示領域(1)に抜ける光が減少するために、間接光の輝度が低下するという弊害があるからである。
【0035】
支持体(4)を透明樹脂のみで構成する場合、ポリカーボネート、ポリプロピレン、発
泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体、アクリルニトリル・スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチルまたはアクリル樹脂を利用することができる。この時の支持体(4)の厚さは、第2の反射層(5)で拡散反射された光を多く第1の表示領域(1)に進ませるために、0.1mm以上が好ましく、情報表示機器筐体内の空間的制約を受けないために5mm以下が好ましい。また、透明樹脂のみで構成すると支持体(4)における光量の損失を少なく出来るため、光源(3)の点灯時に、より明るく文字・絵柄を表示することができる。
【0036】
支持体(4)を拡散性樹脂のみで構成する場合、球形または無定形の形状であり有機又は無機からなる光拡散性微粒子を含んだポリカーボネート、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体、アクリル樹脂のうち少なくともいずれかを含む有機系樹脂を利用することができる。この時の支持体(4)の厚さは第2の反射層(5)で拡散反射された光を多く第1の表示領域1に進ませるために、0.1mm以上が好ましく、情報表示機器筐体内の空間的制約を受けないために5mm以下が好ましい。また、拡散性樹脂のみで構成することにより、光源(3)からの直接入射光の一部が拡散性樹脂で拡散されて第1の表示領域(1)の観察者(15)の方向に出るために間接光の光量を高められる。
【0037】
支持体(4)を透明樹脂層と拡散性樹脂層との積層構成にする場合、透明樹脂層にはポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体、アクリルニトリル・スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチルまたはアクリル樹脂を、拡散性樹脂層には球形または無定形の形状であり有機又は無機からなる光拡散性微粒子を含んだポリカーボネート、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体、アクリル樹脂のうち少なくともいずれかを含む有機系樹脂を利用することができる。この時の支持体(4)の厚さは第2の反射層(5)で拡散反射された光を多く第1の表示領域(1)に進ませるために、0.1mm以上が好ましく、情報表示機器筐体内の空間的制約を受けないために5mm以下が好ましい。また、拡散性樹脂層を含む構成であることにより、光源(3)からの直接入射光の一部が拡散性樹脂層で拡散されて第1の反射層(7)でさらに拡散反射され、第1の表示領域(1)の観察者(15)の方向に出るために、間接光の光量を高められる。ここで、拡散性樹脂層はヘーズ値が12%以上92%以下の樹脂であることが望ましい。拡散性樹脂層のヘーズ値が12%未満の場合、支持体(4)に入射して拡散反射して、第1の表示領域(1)に抜ける光が減少するために、間接光の輝度が低下するという弊害があるからである。
【0038】
次に、支持体(4)の表側、すなわち、光源と逆側の面の積層構造について説明する。支持体(4)の表側には、第2の表示領域(2)に第2の反射層(5)が積層される。第2の反射層(5)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第2の反射層(5)は入射した光が所定の確率で拡散反射する効果を有するものである。第2の反射層(5)には白色インキを用いるのが望ましいが、光の反射効果、透過効果があれば白色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると反射効果が出やすい。また、第2の反射層(5)における波長380nm〜780nmの光線の反射率は60%以上95%以下であることが望ましい。第2の反射層(5)の反射率が60%未満であった場合、第2の反射層(5)で反射される間接光の輝度が低下し、第1の表示領域(1)と第2の表示領域(2)の境界における立体感が損なわれるからである。光源(3)が点灯した際には、第2の反射層(5)で拡散反射した光が、第2の表示領域の外周である第1の表示領域(1)で間接光として視認される。
【0039】
第2の表示領域(2)において第2の反射層(5)の光源と逆側の面に、第1の加飾層(6)が積層される。第1の加飾層(6)はスクリーン印刷等によって設けることができ
る。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第1の加飾層(6)には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。また、第1の加飾層(6)の全光線透過率は、0%以上20%以下の範囲であることが望ましい。全光線透過率が20%より大きい場合、第2の表示領域(2)における第2の反射層(5)の透過光を遮光できず、第1の表示領域(1)と第2の表示領域(2)との間のコントラストが低下し、立体感が損なわれるという弊害があるからである。第1の加飾層(6)は第2の表示領域(2)における絵柄を表すとともに、第2の反射層(5)で拡散反射されずに透過する光源(3)の光を遮光する。
【0040】
次に、支持体(4)の裏側、すなわち、光源(3)側の面の積層構造について説明する。支持体(4)の裏側には、第1の表示領域(1)に第1の反射層(7)を設ける。第1の反射層(7)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第1の反射層(7)は入射した光が所定の確率で拡散反射する効果を有するものである。第1の反射層(7)には白色インキを用いるのが望ましいが、光の反射効果があれば白色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると反射効果が出やすい。また、第1の反射層(7)における波長380nm〜780nmの光線の反射率は40%以上95%以下であることが望ましい。第1の反射層(7)における反射率が40%未満であった場合に、第1の反射層(7)で反射される間接光の輝度が低下し、立体感が損なわれるという弊害があるからである。光源(3)が点灯した際には、第2の反射層(5)で反射した光が、第1の反射層(7)で再反射して第1の表示領域(1)の観察者(15)側に抜けることにより、立体感を持たせる。
【0041】
第1の表示領域(1)において、第1の反射層(7)の光源(3)側に第1の遮光層(8)を積層する。第1の遮光層(8)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第1の遮光層(8)には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。第1の遮光層(8)の全光線透過率は0%以上20%以下であることが望ましい。第1の遮光層(8)の全光線透過率が20%より大きい場合、第1の遮光層(8)の入射光を遮光できず、第1の表示領域(1)において直接光が視認されるために間接光の視認性が低下し立体感が損なわれるという弊害があるからである。光源(3)が点灯した際に第1の遮光層(8)が遮光するため、後述する第1の遮光層(8)の開口部(81)を除いて直接光が第1の表示領域(1)を透過しない。それにより、第2の表示領域(2)の反射層(5)で反射された間接光の、第1の表示領域1における視認性が高められ、文字・絵柄等が美しく表示される。
【0042】
第1の表示領域(1)において、第1の遮光層(8)に文字等意匠形状の開口部(81)を設ける。光源(3)が点灯した際に、第1の遮光層(8)の開口部(81)を抜けた光が第1の表示領域(1)の内部で直接光として視認される。直接光は第1の反射層(7)と支持体(4)を透過して観察者(15)の側に射出されるため、第2の反射層(5)の色に依存した白色光として視認される。前記した第1の反射層(7)の全光線透過率は5%以上40%以下であることが望ましい。第1の反射層(7)の全光線透過率が5%未満であると、第1の遮光層(8)に文字等意匠形状の開口部が設けられた場合にその部分の輝度が低く、文字等意匠形状が視認されないからである。
【0043】
支持体(4)において、光源(3)側の第2の表示領域(2)に光透過性着色層(9)を設ける。特に第2の表示領域(2)だけに限定することはなく、製造上の利便性を考慮
し、第1の遮光層(8)の光源(3)側に積層されてもかまわない。光透過性着色層(9)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。光透過性着色層(9)には光透過性のある有彩色のインキが用いられるのが望ましいが、光透過性のある有彩色の層を設けられるのであればこれに限らない。また、光透過性着色層(9)は全光線透過率が20%以上90%以下であることが望ましい。光透過性着色層(9)の全光線透過率が20%未満の場合、第2の反射層(5)に入射して反射され第1の表示領域(1)で視認される間接光の輝度が低くなることから立体感が損なわれるという弊害があるからである。光源(3)が点灯した際に光透過性着色層(9)を透過した光が第2の反射層(5)、第1の反射層(7)で再反射して、第1の表示領域(1)で間接光として視認されるため、間接光は光透過性着色層(9)の色に依存する。光透過性着色層(9)を任意の選択された色にすることにより、文字・絵柄等が美しく表示される。光透過性着色層(9)は第1の遮光層(8)の開口部(81)において、第1の反射層(1)の光源(3)側の面に積層されても良い。光透過性着色層(9)が第1の遮光層(8)の開口部(81)において、第1の反射層(7)の光源(3)側の面に積層された場合、開口部(81)を抜けて第1の表示領域(1)に視認される光は、光透過性着色層(9)と第1の反射層(7)を透過した直接光として観察者(15)に視認されるため、光透過性着色層(9)の色に依存した有彩色となる。
【0044】
支持体(4)の光源(3)と逆側の面において、第1の表示領域(1)の内部で、第1の遮光層(8)の開口部(81)に対向・対応する表示領域に第2の加飾層(10)を設ける。第2の加飾層(10)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第2の加飾層(10)の外周は第1の遮光層(8)の開口部(81)の外周から0.05mm以上0.20mm以下の範囲で内側にあることが望ましい。第2の加飾層(10)の外周の第1の遮光層(8)の開口部(81)の外周からの距離が0.05mm以下である場合、第1の遮光層(8)の開口部(81)を抜けた光が第2の加飾層(10)に遮光されてしまい、観察者(15)から視認される直接光の光量が低下し、第2の加飾層(10)の立体感が低下するという弊害があるからである。また、第2の加飾層(10)の外周が第1の遮光層(8)の開口部(81)の外周から0.20mm以上内側にある場合には、第1の遮光層(8)の開口部(81)を抜けて第2の加飾層(10)の外周に視認される光の光量が高くなりすぎ、第2の加飾層(10)の視認性が低下するという弊害があるからである。また、第2の加飾層(10)には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。第2の加飾層(10)の全光線透過率は0%以上20%以下であることが望ましい。第2の加飾層(10)の全光線透過率が20%より大きい場合、第2の加飾層(10)の透過光が視認され、第1の遮光層(8)の開口部を通り第1の反射層(7)を透過した、第2の加飾層(10)の周辺部に視認される直接光と第2の加飾層(10)とのコントラストが低下し、第2の加飾層(10)の視認性が低下するという弊害があるからである。
【0045】
光源(3)からの光は、積層シート(13)の入射面より光透過性着色層(9)に入射する。光透過性着色層(9)を透過した光は、第1の遮光層(8)及び第1の反射層(7)が積層されていない第2の表示領域(2)から支持体(4)を通り、第2の反射層(5)に入射した光の一部が第2の反射層(5)で反射される。その光は支持体(4)内を透過し、第1の反射層(7)で再反射され、支持体(4)内を観察者(15)に向けて抜ける。光源(3)からの直接光は、第1の遮光層(8)の開口部(81)を除いて、第1の加飾層(6)及び第1の遮光層(8)、第2の加飾層(10)で遮光されるために視認されない。したがって、第1の表示領域(1)において、第2の表示領域(2)を縁取りしたような間接光が認識されるため、第1の表示領域(1)に立体感が生じる。また、光源(3)からの光は第1の遮光層(8)の開口部(81)を通り、第1の反射層(7)を透過して、第2の加飾層(10)で遮蔽される表示領域を除いて支持体(4)内を観察者(15)に向けて抜ける。したがって、第1の表示領域(1)の内部において、第2の加飾層(10)を縁取りしたような直接光が認識されるため、第2の加飾層(10)に立体感が生じる。
【0046】
図2は、本発明の情報表示パネル(14)用の積層シート(13)の、第2の実施形態を該シート延在方向に垂直な面で切った断面模式図である。図2(A)は、積層の順序をわかりやすくするために各層を分離してあらわしたものであり、図2(B)は、実際に積層された状態を表したものである。図2に示すように、光源(3)は積層シート(13)の裏面側に設置され、観察者(15)は積層シート(13)の表面側から目視する。積層シート(13)には、積層シート(13)表面側から観察した際に、第1の表示領域(1)に対して第2の表示領域(2)が平面的に隣接して配設されている。この積層シート(13)の延在面上における第1の表示領域(1)または第2の表示領域(2)の形状により絵柄等の意匠形状が構成されている。
【0047】
ここでは、支持体(4)裏面の所定の表示領域には、第1の反射層(7)と第1の遮光層(8)、光透過性着色層9が積層されている。また、支持体(4)表面の所定の表示領域には、第2の反射層(5)と第1の加飾層(6)、第2の加飾層(10)、第3の加飾層(11)、透明加飾層(12)が積層されている。
【0048】
支持体(4)の構成、材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0049】
次に、第2の実施形態の場合での、支持体(4)の表側、すなわち、光源と逆側の面の積層構造について説明する。支持体(4)の表側には、、第2の表示領域(2)に第2の反射層(5)が積層される。第2の反射層(5)の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0050】
第2の表示領域(2)において第2の反射層(5)の光源(3)と逆側の面に、第1の加飾層(6)が積層される。第1の加飾層(6)の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0051】
さらに、第1の加飾層(6)の光源(3)と逆側の面に、第3の加飾層11が積層される。第3の加飾層(11)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第3の加飾層(11)には白色インキを用いるのが望ましいが、第1の加飾層(6)との色調差によって絵柄が視認されるものであればこれに限らない。なお、さらに意匠を形成するため、第3の加飾層(11)の光源と逆側の面にさらに他の加飾層が積層されていても構わない。
【0052】
第2の実施形態の場合、積層シート(13)の光源(3)と逆側の最表面に、全光線透過率が80%以上100%以下の透明加飾層(12)が積層される。透明加飾層(12)は積層シート(13)表面での光散乱の調整と表面の保護を目的として設けられる。透明加飾層(12)はスクリーン印刷等によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。透明加飾層(12)は透明インキを用いるのが望ましい。厚みに制限は無いが、4μm〜50μmにすると視認しやすい。また、透明加飾層(12)の全光線透過率は80%以上100%以下であることが望ましい。透明加飾層(12)の全光線透過率が80%未満である場合、透明加飾層が積層シート(13)の光源(3)と逆側の面の文字・絵柄を遮蔽し、視認を妨げてしまうという弊害があるからである。
【0053】
次に、第2の実施形態の場合での、支持体(4)の裏側、すなわち、光源(3)側の面の積層構造について説明する。支持体(4)の光源(3)側の第1の表示領域(1)に第1の反射層(7)を設ける。第1の反射層(7)の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0054】
第1の表示領域(1)において、第1の反射層(7)の光源(3)側に第1の遮光層(8)を積層する。第1の遮光層(8)の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0055】
第1の表示領域(1)において、第1の遮光層(8)に開口部(81)を設ける。開口部(81)の効果は前述した第1の実施形態と同様である。
【0056】
第1の遮光層(8)が積層されていない第2の表示領域(2)において、支持体(4)の光源側に光透過性着色層(9)を設ける。また、特に第2の表示領域(2)だけに限定することはなく、製造上の利便性を考慮し、第1の遮光層(8)の光源(3)側に積層されてもかまわない。光透過性着色層(9)は第1の遮光層(8)の開口部(81)において、第1の反射層(7)の光源(3)側の面に積層されても良い。光透過性着色層(9)が第1の遮光層(8)の開口部(81)において、第1の反射層(7)の光源(3)側の面に積層された場合、開口部(81)を抜けて第1の表示領域(1)に視認される光は、光透過性着色層(9)と第1の反射層(7)を透過した直接光として観察者(15)に視認されるため、光透過性着色層(9)の色に依存した有彩色となる。光透過性着色層(9)の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0057】
支持体(4)の光源(3)と逆側の面において、第1の表示領域(1)の内部で、第1の遮光層(8)の開口部(81)に対向・対応する表示領域に第2の加飾層(10)を設ける。第2の加飾層(10)の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0058】
前述した第1の実施形態の場合と同様に、光源(3)からの光は、積層シート(13)の入射面より光透過性着色層(9)に入射する。光透過性着色層(9)を透過した光は、第1の遮光層(8)及び第1の反射層(7)が積層されていない第2の表示領域(2)から支持体(4)を通り第2の反射層(5)に入射した光の一部が第2の反射層(5)で反射される。その光は支持体(4)内を透過し、第1の反射層(7)で再反射され、支持体(4)内を観察者(15)に向けて抜ける。光源(3)からの直接光は第1の遮光層(8)の開口部(81)を除き、第1の加飾層(6)及び第1の遮光層(8)、第2の加飾層(10)で遮光されるために視認されない。したがって、第1の表示領域(1)において、第2の表示領域(2)を縁取りしたような間接光が認識されるため、第1の表示領域(1)に立体感が生じる。また、光源(3)からの光は第1の遮光層(8)の開口部(81)を通り、第1の反射層(7)を透過して、第2の加飾層(10)で遮蔽される表示領域を除いて支持体(4)内を観察者(15)に向けて抜ける。したがって、第1の表示領域(1)の内部において、第2の加飾層(10)を縁取りしたような直接光が認識されるため、第2の加飾層(10)に立体感が生じる。第2の実施形態の場合には、第3の加飾層(11)によって第2の表示領域(2)に任意の加飾が施され、さらに透明加飾層(12)は透過性があり、透明加飾層(12)を通して下地の第3の加飾層(11)が視認されるため、光源(3)の点灯時、非点灯時ともに第2の表示領域(2)に文字・絵柄を美しく表現することが出来る。
【0059】
本発明の情報表示パネル(14)は、少なくとも前述した積層シート(13)と光源(
3)を備える。また、光源(3)は、LED光源や、エッジライト式光源と導光板からなる面光源が用いられる。
【0060】
また、本発明の輸送機器は、例えば、自動車および飛行機等がある。輸送機器は、前述した情報表示パネル(14)を少なくとも具備しており、例えば、情報表示パネル(14)の観察者(15)側に樹脂製カバーを備えた形で、速度計測器の表示パネル等に使用される。輸送機器の構造は一般的に用いられるものである。
【実施例】
【0061】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0062】
<実施例1>
本発明の第1の実施例について、図1に示した構成に沿って具体的に説明する。
支持体(4)として厚さ0.5mmのポリカーボネートを用い、その一方の面(表面)の第2の表示領域(2)に、スクリーン印刷で白インキの第2の反射層(5)を設け、その第2の反射層(5)上に、黒インキの第1の加飾層(6)を積層し、同時に、黒インキの第2の加飾層(10)を第1の表示領域(1)の支持体(4)の同じ側の面上の一部に設けた。また、支持体(4)の他方の面(裏面)の第1の表示領域(1)に白インキの第1の反射層(7)を設け、その第1の反射層(7)上に、黒インキの第1の遮光層(8)を積層した。なお、第1の遮光層(8)には開口部(81)を設けた。次に、青インキの光透過性着色層(9)を、第1の遮光層(8)が積層されていない第2の表示領域(2)と、第1の遮光層(8)の開口部(81)とに設けた。なお、第2の加飾層(10)の外周は第1の遮光層(8)の開口部(81)の外周から0.1mm内側となるよう作成した。これを、実施例1の情報表示パネル(14)用積層シート(13)として、裏面側に光源(3)となる1,000cd/mのLED光源を置き、非点灯時と点灯時に表面側から観察者(15)が目視した。
【0063】
<実施例2>
本発明の第2の実施例について、図2に示した構成に沿って具体的に説明する。
支持体(4)として厚さ0.5mmのポリカーボネートを用い、その一方の面の第2の表示領域(2)に、スクリーン印刷で白インキの第2の反射層(5)を設け、その第2の反射層(5)上に、黒インキの第1の加飾層(6)を積層し、同時に、黒インキの第2の加飾層(10)を第1の表示領域(1)の支持体(4)の同じ側の面上の一部に設けた。さらに、白インキの第3の加飾層(11)を第1の加飾層(6)上に積層した。そして、表面側の最表面に透明加飾層(12)を積層した。また、支持体(4)の他方の面(裏面)の第1の表示領域(1)に白インキの第1の反射層(7)を設け、その第1の反射層(7)上に、黒インキの第1の遮光層(8)を積層した。なお、第1の遮光層(8)には開口部(81)を設けた。次に、青インキの光透過性着色層(9)を、第1の遮光層(8)が積層されていない第2の表示領域(2)と、第1の遮光層(8)の開口部(81)とに設けた。なお、第2の加飾層(10)の外周は第1の遮光層(8)の開口部(81)の外周から0.1mm内側となるよう作成した。これを、実施例2の情報表示パネル(14)用積層シート(13)として、裏面側に光源(3)となる1,000cd/mのLED光源を置き、非点灯時と点灯時に表面側から観察者(15)が目視した。
【0064】
前記した実施例1および2の積層シート(13)を用いた情報表示パネル(14)において、光源3を点灯させることにより、直接光で外周を縁取られるように文字・絵柄を表現することができた。また、文字・絵柄に相当する第2の加飾層(11)の可読性を高めることができた。さらに、間接光の効果も合わせて、立体感が生じ、複雑な意匠としての表現が得られた。
【符号の説明】
【0065】
1・・・第1の表示領域 2・・・第2の表示領域 3・・・光源 4・・・支持体
5・・・第2の反射層 6・・・第1の加飾層 7・・・第1の反射層
8・・・第1の遮光層 9・・・光透過性着色層 10・・・第2の加飾層
11・・・第3の加飾層 12・・・透明加飾層 13・・・積層シート
14・・・情報表示パネル 15・・・観察者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面側に設置された光源(3)により照明されることで情報を表示する、光透過性を有する支持体(4)を備えた情報表示パネル(14)用の積層シート(13)であって、
前記積層シート(13)には、前記積層シート(13)表面側から観察した際に、第1の表示領域(1)に対して第2の表示領域(2)が平面的に隣接して配設され、
前記支持体(4)裏面の前記第1の表示領域(1)には、第1の反射層(7)と第1の遮光層(8)が順に積層され、
前記第1の遮光層(8)には文字等意匠形状の第1の開口部(81)が設けられ、
前記支持体(4)裏面の少なくとも前記第2の表示領域(2)には、光透過性着色層(9)が設けられ、
前記支持体(4)表面の前記第2の表示領域(2)には、第2の反射層(5)と第1の加飾層(6)とが順に積層されていることを特徴とする情報表示パネル用の積層シート。
【請求項2】
前記第1の遮光層(8)の前記開口部(81)には、光透過性着色層(9)を備えることを特徴とする請求項1に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項3】
第1の表示領域(1)の前記第1の遮光層(8)の前記開口部(81)に対向対応する前記支持体(4)表面に、全光線透過率が0%以上20%以下の第2の加飾層(10)を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項4】
前記第2の加飾層(10)は、その外周が前記第1の遮光層(8)の前記開口部(81)の外周から0.05mm以上0.20mm以下の範囲で内側にあることを特徴とする請求項3に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項5】
前記第1の反射層(7)の波長380nm〜780nmにおける光線の反射率が、40%以上95%以下であり、前記第1の反射層(7)の全光線透過率が、5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項6】
前記第1の遮光層(8)の全光線透過率が、0%以上20%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項7】
前記第2の反射層(5)の波長380nm〜780nmにおける光線の反射率が、60%以上98%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項8】
前記第1の加飾層(6)の全光線透過率が0%以上20%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項9】
前記光透過性着色層(9)は全光線透過率が20%以上90%以下の有彩色の層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項10】
前記第1の加飾層(6)の表面に、第3の加飾層(11)がさらに備えられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項11】
前記積層シート(13)の最表面に、全光線透過率が80%以上100%以下の透明加飾層(12)がさらに備えられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に
記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項12】
前記支持体(4)の厚さdが、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項13】
前記支持体(4)は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、アクリル樹脂、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体またはアクリルニトリル・スチレン共重合体のいずれかの樹脂を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項14】
前記支持体(4)は、そのヘーズ値が92%以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート。
【請求項15】
少なくとも光源(3)と、請求項1〜14のいずれか1項に記載する情報表示パネル用の積層シート(13)とを備えることを特徴とする情報表示パネル。
【請求項16】
前記光源(3)が、LED光源であることを特徴とする請求項15に記載する情報表示パネル。
【請求項17】
前記光源(3)が、エッジライト式光源と導光板からなる面光源であることを特徴とする請求項15に記載する情報表示パネル。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか1項に記載する情報表示パネルを具備したことを特徴とする輸送機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−173460(P2012−173460A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34364(P2011−34364)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】