説明

情報表示媒体

【課題】供給された電力によって情報を表示する表示部を有する情報表示媒体において、熱エネルギーによって情報の書き換えを可能としながらも、表示部の寿命まで使用する。
【解決手段】熱エネルギーによって情報の書き換えが可能なリライト層40が、供給された電力に応じて情報を表示する表示部30を挟み込む2枚のシートのうち一方のシートとなるカバーシート20の、情報が視認される表示領域2a,2bに重ならない領域に貼り替え可能に貼着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を可変に表示する情報表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能に構成された情報表示媒体が利用されている。このような熱エネルギーによって情報の書き換えが可能な情報表示媒体においては、シート基材の一方の面に、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能な感熱記録部が設けられ、この感熱記録部に対して熱エネルギーが与えられることにより、シート基材上に情報が表示されたり、シート基材上に表示されていた情報が消去されたりする。このように、感熱記録部を有する情報表示媒体においては、1枚で情報を可変表示することができるため、ポイントカード等の情報表示媒体として利用されることが増えている。
【0003】
また、電力や磁気を利用してデジタル情報を紙のように薄い表示媒体に可変表示する薄型の情報表示媒体が普及しはじめている。このような薄型の情報表示媒体は、紙のように薄いために携帯がしやすいとともに、視野角が広く、また、供給する電力や磁気によって表示される情報を書き換えることができるとともに、その後、電力や磁気を供給しない状態においても表示内容を保持できることから、今後のさらなる普及が予想される。また、このような薄型の情報表示媒体において、非接触通信機能を有するものも考えられており、それにより、表示する情報を非接触通信によって情報表示媒体に与えることができる。
【0004】
ここで、上述したような感熱記録表示部と、磁気によって情報を可変表示する磁気記録表示部とを有する情報記録媒体が特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された情報記録媒体は、感熱記録表示部と磁気記録表示部との、情報の記録方法が互いに異なる2つの表示部を有することにより、2通りの情報記録媒体の使われ方に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−42073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、供給された電力によって情報を可変表示する情報記録媒体は、一般的に、書き換え可能な回数が1万回以上であるため、情報の書き換えが頻繁に行われる環境で用いられても問題はなく、様々な用途に用いることができる。一方、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能な感熱記録部においては、一般的に、書き換え可能な回数が500〜2000回程度と言われており、それを超えると、情報の表示や消去がきれいに行われなくなってしまう。
【0007】
そのため、熱エネルギーによって情報を可変表示しながらも、供給された電力によって情報を可変表示する情報記録媒体においては、情報の書き換えを積み重ねていくうちに、供給された電力による情報の書き換えがまだ可能であるにも関わらず、熱エネルギーによる情報の書き換えが不可能となってしまうこととなり、情報記録媒体全体としての寿命が短くなってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、供給された電力によって情報を表示する表示部を有する情報表示媒体において、熱エネルギーによって情報の書き換えを可能としながらも、表示部の寿命まで使用することができる情報表示媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
非接触通信を行うためのアンテナと、2枚のシート間に挟み込まれ、供給された電力に応じて情報を表示する表示部と、前記アンテナを介して受信した情報に応じた表示を行うための電力を前記表示部に供給する制御部とを有し、前記表示部にて表示された情報が前記2枚のシートのうち一方のシートに設けられた表示領域を介して視認される情報表示媒体において、
前記一方のシートの前記表示領域に重ならない領域に、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能な感熱記録層が貼り替え可能に貼着されていることを特徴とする。
【0010】
上記のように構成された本発明においては、非接触通信を行うアンテナを介して受信した情報に応じた表示を行うための電力が表示部に供給されることにより表示部にて情報が可変表示され、その情報が表示領域を介して視認されるとともに、表示部を挟み込む2枚のシートのうち一方のシートの表示領域に重ならない領域に貼着された感熱記録層において熱エネルギーによって情報が可変表示される。ここで、この感熱記録層は、表示部を挟み込む2枚のシートのうち一方のシートに貼り替え可能に貼着されている。そのため、感熱記録層の寿命が表示部の寿命よりも短い場合であっても、感熱記録層の寿命がきた場合に感熱記録層を貼り替えれば、表示部の寿命まで、表示部及び感熱記録層を用いて情報表示媒体を使用することができる。
【0011】
また、表示部が、感熱記録層における情報の書き換え回数に応じた情報を表示するような構成とすれば、表示部にて表示された情報が表示領域を介して視認されることにより、感熱記録層を貼り替える時期が認識されることになる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明においては、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能な感熱記録層が、供給された電力によって情報を表示する表示部を挟み込む2枚のシートのうち一方のシートの、表示された情報が視認される表示領域に重ならない領域に貼り替え可能に貼着されている構成としたため、供給される電力によって情報を表示する表示部を有する情報表示媒体において、熱エネルギーによって情報の書き換えを可能としながらも、表示部の寿命まで使用することができる。
【0013】
また、表示部が、感熱記録層における情報の書き換え回数に応じた情報を表示するものにおいては、表示部にて表示された情報が表示領域を介して視認されることによって感熱記録層を貼り替える時期を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の情報表示媒体の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は内部構造を示す図、(d)は(a)に示した表示領域における表示電極の構成を示す図である。
【図2】図1に示した情報表示シートの機能ブロック図である。
【図3】図1に示した情報表示シートの使用状態を示す図である。
【図4】図1に示した情報表示シートにおいてリライト層を貼り替える際の状態を示す図である。
【図5】本発明の情報表示媒体の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図6】図5に示した情報表示カードの使用状態を示す図である。
【図7】図5に示した情報表示カードにおいてリライト層を貼り替える際の状態を示す図である。
【図8】本発明の情報表示媒体の第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図9】図8に示した情報表示カードの使用状態を示す図である。
【図10】図8に示した情報表示カードにおいてリライト層を貼り替える際の状態を示す図である。
【図11】本発明の情報表示媒体の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図12】図11に示した情報表示カードを発行するプリンタの機能ブロック図である。
【図13】図11に示した情報表示カードを図12に示したプリンタにて発行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】図11に示した情報表示カードの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報表示媒体の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は内部構造を示す図、(d)は(a)に示した表示領域2aにおける表示電極31の構成を示す図である。
【0017】
本形態は図1に示すように、一方の面に表示電極31及びアンテナ12が形成されたベースシート10と、透明な材料からなるカバーシート20との間に、表示電極31を含む表示部30が挟み込まれ、さらに、カバーシート20上に感熱記録層であるリライト層40が剥離可能に貼着されて構成された情報表示シート1である。そして、表示部30が設けられた領域の一部が表示領域2a,2bとなっている。
【0018】
ベースシート10には、その一部に、例えば、銀ペーストやカーボンペースト等の導電ペーストや導電インキを用いたスクリーン印刷や、エッチング等によって表示電極31が形成されるとともに、表示電極31とは異なる領域に、同様の材料及び手法によってアンテナ12が形成されている。例えば、表示電極31には銀ペーストを使用し、アンテナ12はエッチングにより形成することができる。表示電極31は、表示領域2aにおいては、表示される情報に応じたパターンでセグメント形状に形成されており、5桁の数字を表示するものであって、表示電極31に対して選択的に電圧が印加され、表示領域2aにおいて“00000”〜“99999”の数字が表示されることになる。また、表示領域2bの表示電極31は、表示領域2bの全面を覆うような形状となっている。アンテナ12は、ベースシート10上にコイル状に形成され、外部に設けられたリーダ/ライタからの電磁誘導によって非接触通信を行うためのものである。アンテナ12には、アンテナ12を介した非接触通信を司るCPU13が接続されており、このCPU13と表示電極31は、それぞれドライバIC11に接続されている。
【0019】
表示部30は、ベースシート10の表示電極31が形成された領域上に積層され、この表示電極31と情報表示層32と透明導電膜基板33とから構成されている。透明導電膜基板33は、ガラスや透明フィルム等からなる透明基板(不図示)の情報表示層32に対向する面に透明電極(例えば、ITO)(不図示)が形成されて構成されており、透明電極に外部から所定の電圧が印加される。情報表示層32は、供給された電力、具体的には表示電極31と透明導電膜基板33の透明電極との間の電位差に応じて情報を表示するものであって、透明導電膜基板33の透明電極に所定の電圧を印加した状態で、表示領域2a,2bにて表示する情報に応じて表示電極31に2種類の電圧を選択的に印加することにより、透明導電膜基板33の透明電極と表示電極31との間の電位差によって情報表示層32の状態が変化し、この状態の変化がカバーシート20側から視認された場合に表示領域2a,2bにおいて2色で情報が表示されることになる。この情報表示層32としては、例えば、電気泳動タイプや電子粉粒タイプ、エレクトロクロミック等が挙げられるが、マイクロカプセル方式の電気泳動タイプが最も好ましい。また、透明導電膜基板33の透明基板の透明電極とは反対側の面には、表示領域2aにおいて表示電極31に対向しない領域に、表示部30に含まれるマスク層22が積層されており、また、表示領域2bにおいては表示領域2bにて表示する情報に応じた形状にマスク層22が積層されている。なお、表示領域2bに積層されたマスク層22は、本形態においては、表示領域2bにて“OK”という文字を表示するため、“OK”という文字を抜いた形状に積層されている。また、このマスク層22は、表示電極31に対向する領域にて表示される2色のうちいずれかの色を有している。具体的には、表示部30の状態による色が表示領域2a,2bにて黒色とグレーとの2色によって視認される場合、マスク層22は、黒色とグレーのいずれかの色を有していることになる。
【0020】
カバーシート20は、PET等の透明な材料からなり、ベースシート10と対向しない面のうち表示領域2a,2bを除いた部分の全面に白色等のインクによって印刷層41が積層されている。
【0021】
リライト層40は、例えば、リライト作用を持つ顕色剤とロイコ系染料とを含有し、150〜180℃の熱エネルギーがサーマルヘッド等によって与えられることにより顕色し、130〜150℃の熱エネルギーが与えられることにより退色するものを用いることができる。そして、貼着後の剥離を可能とする粘着剤41によって、カバーシート20のアンテナ12と対向する領域に剥離可能に貼着されている。これにより、リライト層40は、カバーシート20の表示領域2a,2bに重ならない領域に剥離可能に貼着されていることになる。
【0022】
以下に、上記のように構成された情報表示シート1の機能について説明する。
【0023】
図2は、図1に示した情報表示シート1の機能ブロック図である。
【0024】
図1に示した情報表示シート1は、図2に示すように、ベースシート10上に形成されたアンテナ12と、ベースシート10上に搭載されたCPU13及びドライバIC11と、ベースシート10とカバーシート20との間に挟み込まれた表示部30とによって機能する。
【0025】
アンテナ12に接続されたCPU13は、メモリ15を有し、アンテナ12を介して受信した情報をメモリ15に記憶する。
【0026】
CPU13には、制御部となるドライバIC11が接続されている。ドライバIC11は、内蔵されたプログラムやアンテナ12を介して受信した情報に基づいて表示部30の表示を制御するものであり、アンテナ12を介して生じた起電力によって駆動する。また、ドライバIC11には、昇圧回路(不図示)が内蔵されており、アンテナ12を介して生じた起電力を昇圧回路にて昇圧して表示部30に供給する。
【0027】
以下に、上記のように構成された情報表示シート1の使用方法について説明する。
【0028】
図3は、図1に示した情報表示シート1の使用状態を示す図である。
【0029】
図1に示した情報表示シート1は、例えば、物品の検査工程における管理シートとして使用することができる。
【0030】
図1に示した情報表示シート1を物品の検査工程における管理シートとして使用する場合は、サーマルヘッドを有するプリンタにおいて、この情報表示シート1が貼付される物品等に関する情報がリライト層40に印字される。リライト層40においては、サーマルヘッドから与えられた熱エネルギーに応じて、図3(a)に示すように、製造開始情報やロット番号等の情報が印字される。
【0031】
そして、このようにリライト層40に情報が印字された情報表示シート1が物品等に貼付された後、検査工程において検品が行われると、アンテナ12を介して情報表示シート1に対して非接触通信が可能なリーダ/ライタにおいて、その商品コードと検品結果を示す情報が送信される。すると、リーダ/ライタから送信された情報がアンテナ12を介して受信され、ドライバIC11において、その情報に応じて表示電極31に印加される電圧が制御され、図3(a)に示すように、表示領域2a,2bにそれぞれ情報が表示される。なお、表示領域2aにおいては、図1(d)に示したようなセグメント形状の表示電極のそれぞれについて、リーダ/ライタから送信されてきた情報に応じて電圧が印加されることによって情報表示層32にてそれに応じた情報が表示され、また、表示電極31に対向していない領域においては、表示電極31に対向する領域にて表示される2色のうちいずれかの色を有するマスク層22が設けられていることにより、5桁の数字が表示されることになる。また、表示領域2bにおいては、リーダ/ライタから送信されてきた情報に応じて所定の電圧が表示電極31に印加され、その電圧によって表示電極31に対向する領域にて表示される色が、マスク層22とは異なる場合に、“OK”という文字が表示されることになる。このように、表示部30においては、ドライバIC11から供給された電力に応じて情報を表示することになる。
【0032】
その後、リライト層40に印字された条件と同じ条件を有する他の物品等にこの情報表示シート1が貼付され、上記同様に、検査工程において検品が行われると、アンテナ12を介して情報表示シート1に対して非接触通信が可能なリーダ/ライタにおいて、その商品コードと検品結果を示す情報が送信され、図3(b)に示すように、表示領域2a,2bに表示された情報が、その物品等に関する情報に変わることになる。
【0033】
また、リライト層40に印字された条件とは異なる条件を有する他の物品等にこの情報表示シート1が貼付される場合は、再度、サーマルヘッドを有するプリンタにおいて、この情報表示シート1が貼付される物品等に関する情報がリライト層40に印字される。リライト層40においては、サーマルヘッドから与えられた熱エネルギーに応じて、図3(c)に示すように、製造開始情報やロット番号等の情報が書き換えられる。
【0034】
ここで、リライト層40においては、上述したように書き換え可能な回数が500〜2000回程度と言われている。そのため、リライト層40の書き換えを積み重ねていくと、表示部30における表示がまだ可能であるにも関わらず、情報表示シート1が使用できなくなってしまうことになる。そこで、本形態においては、リライト層40がカバーシート20に剥離可能に貼着される構成とすることにより、リライト層40のみを貼り替えることができるようになっている。
【0035】
図4は、図1に示した情報表示シート1においてリライト層40を貼り替える際の状態を示す図である。
【0036】
図1に示した情報表示シート1においてリライト層40に対する情報の書き換え回数が、リライト層40の書き換え可能な回数を超えた場合、図4(a)に示すように、リライト層40をカバーシート20から剥離する。リライト層40は、粘着剤41によってカバーシート20に剥離可能に貼着されているため、カバーシート20から剥離することができる。
【0037】
そして、図4(b)に示すように、新たなリライト層40bをカバーシート20のリライト層40が貼着されていた領域に貼着することにより、図1に示したものと同一の状態となり、上記同様の情報の表示が可能となる。
【0038】
このように本形態においては、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能なリライト層40が、カバーシート20の表示領域2a,2bに重ならない領域に剥離可能に貼着される構成であるため、リライト層40に対する情報の書き換え回数がリライト層40の書き換え可能な回数を超えた場合にリライト層40を貼り替えることにより、熱エネルギーによって情報の書き換えを可能としながらも、表示部30の寿命まで使用することができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の情報表示媒体の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0040】
本形態は図5に示すように、第1の実施の形態にて示した情報表示シート1に対して、カバーシート120の表示領域102を除く全面にリライト層140が積層された情報表示カード101である点が異なるものである。
【0041】
以下に、上記のように構成された情報表示カード101の使用方法について説明する。
【0042】
図6は、図5に示した情報表示カード101の使用状態を示す図である。
【0043】
図5に示した情報表示カード101は、例えば、駐車券として使用することができる。
【0044】
図5に示した情報表示カード101を駐車券として使用する場合は、入庫の際に、リライト層140に入庫時刻を印字するとともに、リライト層140に広告情報を印字して情報表示カード101を発券する。
【0045】
その後、利用者が買い物をし、レジ端末に接続されたリーダ/ライタに情報表示カード101を翳すと、購入金額を示す情報がリーダ/ライタから送信され、アンテナ112を介して受信される。そして、ドライバIC111内のメモリに記憶された今までの購入金額に加算され、その合計金額がメモリに上書きされるとともに、ドライバIC111の制御によって表示電極131に選択的に電圧が印加され、合計金額が表示領域102に表示される。
【0046】
これにより、図6(a)に示すように、リライト層140には駐車場への入庫時刻が印字され、表示領域102には、今までの購入金額が表示されることになり、駐車料金が一定の時間を限度として切り替わる駐車場において、利用者は、今までの買い物で駐車料金がいくらになるかを知ることができる。
【0047】
そして、表示領域102に表示される金額は、利用者が買い物をしてリーダ/ライタに翳すたびにその購入金額に応じて変わることとなる。
【0048】
その後、この情報表示カード101を用いて駐車料金の精算が終わると、情報表示カード101は回収される。
【0049】
そして、図6(b)に示すように、情報表示カード101が再度発券される際に、リライト層140に印字される入庫時刻が書き換えられることになる。また、リライト層140に印字された広告情報も書き換えることができる。
【0050】
このように使用される情報表示カード101においても、リライト層140がカバーシート120に剥離可能に貼着される構成とすることにより、リライト層140のみを貼り替えることができる。
【0051】
図7は、図5に示した情報表示カード101においてリライト層140を貼り替える際の状態を示す図である。
【0052】
図5に示した情報表示カード101においてリライト層140に対する情報の書き換え回数が、リライト層140の書き換え可能な回数を超えた場合、図7(a)に示すように、リライト層140をカバーシート120から剥離する。リライト層140は、粘着剤141によってカバーシート120に剥離可能に貼着されているため、カバーシート120から剥離することができる。
【0053】
そして、図7(b)に示すように、新たなリライト層140bをカバーシート120のリライト層140が貼着されていた面に貼着することにより、図5に示したものと同一の状態となり、上記同様の情報の表示が可能となる。
【0054】
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の情報表示媒体の第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0055】
本形態は図8に示すように、第2の実施の形態にて示した情報表示カード101に対して、アンテナ212と表示部230とが重なるように配置されている点が異なるものである。
【0056】
以下に、上記のように構成された情報表示カード201の使用方法について説明する。
【0057】
図9は、図8に示した情報表示カード201の使用状態を示す図である。
【0058】
図8に示した情報表示カード201は、例えば、サービス利用者の管理カードとして使用することができる。
【0059】
図8に示した情報表示カード201を管理カードとして使用する場合は、この情報表示カード201を利用するサービスに応じた情報をリライト層240に印字する。本形態においては、図9(a)に示すように、表示領域202に表示される情報が管理番号である旨の日本語表示と、サービスを特定するためのバーコード情報が印字されている。
【0060】
その後、この情報表示カード201がサービスの利用者に渡される際、その利用者を特定可能な管理番号を示す情報がリーダ/ライタから送信され、アンテナ212を介して受信される。そして、CPU211の制御によって表示電極231に選択的に電圧が印加され、図9(a)に示すように管理番号が表示領域202に表示される。
【0061】
また、この情報表示カード201が異なるサービスに利用される場合は、リライト層240に印字された情報が書き換えられる。本形態においては、図9(b)に示すように、表示領域202に表示される情報が管理番号である旨の英語表示と、サービスを特定するための二次元コードが印字されるようにリライト層240に印字された情報が書き換えられる。
【0062】
その後、この情報表示カード201がサービスの利用者に渡される際、その利用者を特定可能な管理番号を示す情報がリーダ/ライタから送信され、アンテナ212を介して受信される。そして、CPU211の制御によって表示電極231に選択的に電圧が印加され、図9(b)に示すように表示領域202に表示されていた管理番号が変わる。
【0063】
このように使用される情報表示カード201においても、リライト層240がカバーシート220に剥離可能に貼着される構成とすることにより、リライト層240のみを貼り替えることができる。
【0064】
図10は、図8に示した情報表示カード201においてリライト層240を貼り替える際の状態を示す図である。
【0065】
図8に示した情報表示カード201においてリライト層240に対する情報の書き換え回数が、リライト層240の書き換え可能な回数を超えた場合、図10(a)に示すように、リライト層240をカバーシート220から剥離する。リライト層240は、粘着剤241によってカバーシート220に剥離可能に貼着されているため、カバーシート220から剥離することができる。
【0066】
そして、図10(b)に示すように、新たなリライト層240bをカバーシート220のリライト層240が貼着されていた面に貼着することにより、図8に示したものと同一の状態となり、上記同様の情報の表示が可能となる。
【0067】
(第4の実施の形態)
図11は、本発明の情報表示媒体の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0068】
本形態は図11に示すように、2つの表示領域302a,302bが設けられた情報表示カード301であり、その他の構成は、第1の実施の形態に示したものと同様である。表示領域302aにおいては、第1の実施の形態に示したものと同様に、表示電極331に選択的に電圧が印加されることによって数字が表示され、また、表示領域302bにおいては、透明導電膜基板333に積層されたマスク層322の形状によって、表示電極331に所定の電圧が印加された場合に情報が表示されることになる。
【0069】
以下に、上記のように構成された情報表示カード301の使用方法について説明する。
【0070】
図12は、図11に示した情報表示カード301を発行するプリンタの機能ブロック図である。
【0071】
図11に示した情報表示カード301を発行するプリンタとしては、例えば、図12に示すように、リライト層340に対する情報の書き換えを行うサーマルヘッド304と、情報表示カード301に対して非接触通信によって情報を送受信するリーダ/ライタ305と、サーマルヘッド304によってリライト層340の書き換えが行われた旨を示す信号を、リーダ/ライタ305を介して送信するCPU306とを有するものが用いられる。
【0072】
図13は、図11に示した情報表示カード301を図12に示したプリンタ303にて発行する際の処理を説明するためのフローチャートである。また、図14は、図11に示した情報表示カード301の使用状態を示す図である。
【0073】
図11に示した情報表示カード301を図12に示したプリンタ303にて発行する場合は、サーマルヘッド304においてリライト層340の書き換えが行われるとともに、リーダ/ライタ305において、表示領域302a,302bにて情報を表示するための信号が送信される。またその際、リーダ/ライタ305においては、CPU306の制御によってサーマルヘッド304によるリライト層340の書き換えが行われた旨を示す信号が送信される。
【0074】
リーダ/ライタ305から送信されてきた信号は、情報表示カード301のアンテナ312を介して受信され、図14(a)に示すように、情報表示カード301においては、受信された信号に応じた情報が表示領域302aに表示される。またその際、リライト層340の書き換え回数が情報表示カード301のCPU311内のメモリ(不図示)に記憶される(ステップ1)。
【0075】
そして、情報表示カード301のメモリに記憶された書き換え回数が、リライト層340の寿命となる貼り替え回数となった場合(ステップ2)、情報表示カード301のCPU311の制御によって、表示領域302bに対向する領域に配置された表示電極331に対して、情報表示層332にて表示される色が、カバーシート320側から視認された場合にマスク層322とは異なる色となるような電圧が印加される。それにより、情報表示層332にて表示される色が、マスク層322の形状によって情報が表示されるような色となり、図14に示すように、リライト層340の貼り替えを示す情報が表示領域302bに表示される(ステップ3)。そして、上述したものと同様に、リライト層340が貼り替えられることになる。
【0076】
また、情報表示カード301のメモリに記憶された書き換え回数が、リライト層340の寿命となる貼り替え回数ではない場合は、表示領域302bに対向する領域に配置された表示電極331に対して、情報表示層332にて表示される色が、カバーシート320側から視認された場合にマスク層322と同じ色となるような電圧が印加される。それにより、情報表示層332にて表示される色が、マスク層322と区別がつかないような色となり、表示領域302bにおける情報の表示は行われない(ステップ4)。
【0077】
なお、本形態においては、表示領域302bにおいて、透明導電膜基板333に積層されたマスク層322の形状によって、リライト層340の貼り替えを示す情報が表示される構成としたが、表示領域302bに対向する表示電極331を、リライト層340の貼り替えを示す形状としてもよい。また、リライト層340の貼り替え回数そのものや、使用可能な残り回数を表示領域302bに表示してもよい。
【0078】
また、リライト層340に対する情報の書き換え回数を、情報表示カード301のIDとともにサーバ(不図示)にて管理しておき、リライト層340に対する情報の書き換え回数が書き換え可能な回数を超えた場合に、その旨をサーバからプリンタを介して情報表示カード301に送信し、上記同様の表示を行う構成とすることも考えられる。
【符号の説明】
【0079】
1 情報表示シート
2a,2b,102,202,302a,302b 表示領域
10,110,210a,210b,310 ベースシート
11,111,211,306,311 ドライバIC
12,112,212,312 アンテナ
13,113,213,313 CPU
15 メモリ
20,120,220,320 カバーシート
21 印刷層
22,122,222,322 マスク層
30,130,230,330 表示部
31,131,231,330 表示電極
32,132,232,332 情報表示層
33,133,233,333 透明導電膜基板
40,40b,140,140b,240,240b,340 リライト層
41,141,241 粘着剤
101,201,301 情報表示カード
303 プリンタ
304 サーマルヘッド
305 リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信を行うためのアンテナと、2枚のシート間に挟み込まれ、供給された電力に応じて情報を表示する表示部と、前記アンテナを介して受信した情報に応じた表示を行うための電力を前記表示部に供給する制御部とを有し、前記表示部にて表示された情報が前記2枚のシートのうち一方のシートに設けられた表示領域を介して視認される情報表示媒体において、
前記一方のシートの前記表示領域に重ならない領域に、熱エネルギーによって情報の書き換えが可能な感熱記録層が貼り替え可能に貼着されていることを特徴とする情報表示媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示媒体において、
前記表示部は、前記感熱記録層における情報の書き換え回数に応じた情報を表示する情報表示媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−203533(P2012−203533A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65867(P2011−65867)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】