情報表示物保持具
【課題】固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、必要に応じて情報表示物を着脱できるようにする。
【解決手段】本発明は、情報表示物Pを被固定部材Tに保持するものであり、固定側本体11の一端に固定側挟持片12を突出して形成した固定部体10と、固定側挟持片12に対向する可動側挟持片21bを有し、かつ、その可動側挟持片21bを固定側挟持片12に接離するように固定側本体11に支持された可動部体21とを有し、可動部体21には、これを固定側本体11の任意の位置で位置決め固定するための位置決め固定部Cを配設しているとともに、固定部体10には、これの被固定部材Tへの挟持姿勢に関わらず、情報表示物Pを支持するための情報表示物支持部材B1を一定の姿勢にし、かつ、着脱自在に保持するための複数の保持部13,15を形成している。
【解決手段】本発明は、情報表示物Pを被固定部材Tに保持するものであり、固定側本体11の一端に固定側挟持片12を突出して形成した固定部体10と、固定側挟持片12に対向する可動側挟持片21bを有し、かつ、その可動側挟持片21bを固定側挟持片12に接離するように固定側本体11に支持された可動部体21とを有し、可動部体21には、これを固定側本体11の任意の位置で位置決め固定するための位置決め固定部Cを配設しているとともに、固定部体10には、これの被固定部材Tへの挟持姿勢に関わらず、情報表示物Pを支持するための情報表示物支持部材B1を一定の姿勢にし、かつ、着脱自在に保持するための複数の保持部13,15を形成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア及びドラッグストアに設置されている商品陳列棚等に使用する情報表示物を保持するための情報表示物保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された構成のスライド式挟持具がある。
その従来のスライド式挟持具は、固定狭持片38と、この固定狭持片38に対して離接可能な可動狭持片40とで固定支持体を挟持して情報表示物を支持する構成のものであり、固定狭持片38が、長手方向に複数のノッチ52を有する柱状体42を有し、可動狭持片40が柱状体42に沿って移動することにより、固定狭持片38に対して離接可能に支持されるとともに、任意のノッチ52に係合してこの可動狭持片40の移動を阻止するロック手段47を備えた構成となっている。
【特許文献1】特開2204−181155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のスライド式挟持具は、固定支持体に対して固定挟持片を一定の姿勢で挟持させることを想定し、固定挟持片にジョイント支持体を一体に形成しているため、固定挟持片を他の姿勢で挟持させたときには、その機能を発揮することができない。
【0004】
また、他の情報表示物を支持させようとしたときには、当該情報表示物を支持する構造の他の種類のスライド式挟持具を用意しなければならないために非経済的であるとともに、その交換作業等も煩雑である。
【0005】
そこで本発明は、固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、必要に応じて情報表示物を着脱させることができる情報表示物保持具の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の構成は、情報表示物を被固定部材に保持する情報表示物保持具において、固定側本体の一端に固定側挟持片を突出して形成した固定部体と、固定側挟持片に対向する可動側挟持片を有し、かつ、その可動側挟持片を固定側挟持片に接離するように固定側本体に支持された可動部体とを有し、可動部体には、これを固定側本体の任意の位置で位置決め固定するための位置決め固定部を配設しているとともに、固定部体には、これの被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材を一定の姿勢にし、かつ、着脱自在に保持するための複数の保持部を形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、固定部体の姿勢に応じて情報表示物支持部材を着脱させられるので、使用態様に応じた組み合わせにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る情報表示物保持具を示すものであり、(A)は、正面図、(B)は、その側面図、(C)は、その背面図、(D)は、クリップを除いた平面図である。また、図2(A)は、係合レバーの平面図、(B)は、その側面図である。
【0009】
本発明の第一の実施形態に係る情報表示物保持具(以下、単に「保持具」という。)A1は、主にスーパーマーケット、コンビニエンスストア及びドラッグストアに設置されている商品陳列棚等の被固定部材に情報表示物Pを保持するためのものであり、固定部体10、可動部体20、ホルダ30及びクリップ40を有して構成されている。
本実施形態においては、固定部体の被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材B1を、ホルダ30とクリップ40により構成している。
【0010】
情報表示物Pは例えば長方形の印刷物であり、これの片面又は両面に商品情報が表示されている。
「商品情報」は、例えば商品名,価格,セール期間等の該当商品に関わる各種の情報である。
情報表示物としては、上記した印刷物に限らず、商品情報を電気的に表示するようにした所謂ディスプレイ装置等を含んでいる。
【0011】
固定部体10は、固定側本体11の一端(上端)に、固定側挟持片12を一体に形成した合成樹脂製のものである。
固定側本体11は、縦長の四角柱形に形成されているとともに、背面11bの一端(上端)には、詳細を後述する第二の保持部15が形成されているとともに、正面11aには、その第二の保持部15近傍から他端(下端)近傍にかけて、位置決め固定部14が形成されている。
【0012】
位置決め固定部14は、正面視において第二の保持部15よりも幅狭になっており、軸線O1に一致して形成した縦長溝部14aの両側に、複数の断面三角形の溝14b…を一定の間隔で列設してなるものである。
【0013】
固定側挟持片12は、固定側本体11の正面11aから直角に突出された、平面視略長方形にして形成され、これの上半部側に第一の保持部13を形成している。
第一の保持部13は、所要の深さにしたほぼ直方体形の凹陥部13aの両側内側壁13b,13bに、後述するホルダ30を正面開口13cから挿脱自在にするための溝13d,13dを形成した構成のものである。
【0014】
第二の保持部15は、所要の深さにしたほぼ直方形の凹陥部15aの両側内側壁15b,15bに、後述するホルダ30を上面開口15cから挿脱自在にするための溝15d,15dを形成した構成のものである。
第一,第二の保持部13,15は、互いに同形同大になっており、これにより、同一のホルダ30を共通に使用できるようにしている。
【0015】
可動部体20は、上記した固定側挟持片12に対して接離するように固定側本体11に沿って移動自在に支持されており、可動側本体21と、係合レバー22とからなる。
可動側本体21は、固定側本体11に対向する対向壁部21aと、上記固定側挟持片12に対向する可動側挟持片21bとを側面視において左右逆向きの略L字形にして一体に形成した合成樹脂製のものである。
なお、図1には、可動部体20の可動範囲を「S」で示しているが、その可動範囲Sは、
固定側本体11の全長を調整することによって長短設定できる。
【0016】
対向壁部21aには、任意の溝14bに係合して、可動部体20を固定側本体11に固定するための係合突起21cが軸線O1と直交しかつ溝14bとほぼ同じ長さにして突設されているとともに、両側部には一対のレバー支持片21d,21dが突設されている。
レバー支持片21d,21dには、下記の係合レバー22のピン22c,22cを挿入するためのピン挿入孔21e,21eが形成されている。
【0017】
係合レバー22は、取手部22aの両端に脚部22b,22bを一体に形成した平面視コ字形のものであり、その脚部22b,22bの開放端部に、ピン挿入孔21e,21eに挿入するピン22c,22cと、圧接部23,23とが形成されている。
【0018】
圧接部23は、固定側本体11の背面11bに圧接することにより、係合突起21cを溝14bに係合させる二つの係合位置(ア),(イ)、固定側本体11の背面11bから対向壁部21aを離間した状態にしておく非係合位置(ウ)に回動させられるように形成されている。
【0019】
具体的には、図2に示すように、側面視において、脚部22bの軸線O2を挟む上下に対象形にして膨出形成されており、その軸線O2と所要の角度をもって係合用当接面23a,23a、及び固定側本体11の背面11bから対向壁部21aを離間しておくための非係合用当接面23bを設けたものである。
【0020】
すなわち、非係合用当接面23bを固定側本体11に当接しているとき、換言すると、係合レバー22を非係合位置(ウ)に位置させているときには、固定側本体11の背面11bから対向壁部21aを離間しておくことができ、これにより、可動部体20を固定側本体11に沿って上下に摺動させることができる。
【0021】
また、係合用当接面23a,23aを固定側本体11に当接しているとき、換言すると、係合レバー22を係合位置(ア)又は(イ)に位置させているときには、固定側本体11の背面11bに対向壁部21aを圧接しておくことができ、これにより、可動部体20の係合突起21cを固定側本体11の溝14bに係合固定することができる。
本実施形態において示す位置決め固定部Cは、係合突起21c、係合レバー22、及び溝14から構成している。
【0022】
図3(A)は、一例に係るホルダの平面図、(B)は、その正面図、図4は、一例に係るクリップの正面図、(B)は、その側面図である。
ホルダ30は、平面視正方形の基板31の中心に、円筒形の連結部32を突設したものである。
【0023】
基板31は、上述した第一の保持部13(15)の一対の溝13d,13d(15d,15d)に保持できる寸法の正方形に形成しており、その厚みも一致させている。
連結部32は、詳細を後述するクリップ40の嵌挿部41を嵌挿支持するための円筒形の連結孔32aが形成されている。
【0024】
図4に示すように、一例に係るクリップ40は、連結片40aの前後辺縁に弾性挟持片40bと挟持片40cを互いに対向させて起立形成するとともに、連結片40aの下面中央に嵌挿部41を突設したものである。
【0025】
嵌挿部41は、上記した連結部32に嵌挿できる大きさの六角形断面の円柱形に形成したものである。
連結片40aの上面には、弾性挟持片40b,40cに挟持した情報表示物Pの下辺縁を係止して、その情報表示物Pの傾きを抑えるための抑止片40dが突設されている。
【0026】
上述した構成からなる保持具A1の使用態様について、図5を参照して説明する。図5(A)は、保持具A1を起立姿勢にした使用態様を示す側面図、(B)は、その情報表示物保持具を横倒姿勢にした使用態様を示す側面図である。
【0027】
<保持具A1を起立姿勢にして使用するとき>
「起立姿勢」とは、固定側本立11の軸線O1を縦向きにして、という意味である。
図5(A)に示すように、保持具A1を縦向きにして使用するとき、例えば陳列棚Tの上面Taに固定側挟持片12を当接させておき、係合レバー22を非係合位置(ウ)に位置させたまま、可動側挟持片21bを固定側挟持片12に向けて移動させる。
【0028】
陳列棚Tの下面Tbに当接したなら、係合レバー22を上方の係合位置(ア)又は下方の係合位置(イ)に向けて回動して、係合突起21cを溝14bに係合させ、可動側挟持片21bと固定側挟持片12とにより、陳列棚Tを上下から確実に挟持して固定する。
【0029】
そして、ホルダ30を第一の保持部13に挿入して保持するとともに、その保持されたホルダ30の連結部32に、クリップ40の嵌挿部41を嵌挿して連結する。これにより、保持具A1を縦向きにして使用するとき、クリップ40を起立姿勢にして保持することができる。
【0030】
<保持具A1を横倒姿勢にして使用するとき>
「横倒姿勢」とは、固定側本体11の軸線O1を横向きにして、という意味である。
図5(B)に示すように、保持具A1を横倒姿勢にして使用するとき、例えば陳列棚T´の側面Ta´に固定側挟持片12を当接させておき、係合レバー22を非係合位置(ウ)に移動させたまま、可動側挟持片21bを固定側挟持片12に向けて移動させる。
【0031】
陳列棚T´の側面Tb´に当接したなら、係合レバー22を係合位置(ア)に回動し、係合突起21cを溝14bに係合させて、可動側挟持片21bと固定側挟持片12とにより、陳列棚T´を両側面から確実に挟持して固定する。
【0032】
係合レバー22は、上記したように両係合位置(ア),(イ)に回動させることにより、可動側挟持片21bを固定することができるが、上記したように第二の保持部15が形成されていない一方の係合位置(ア)に回動させて固定すると、第二の保持部15と係合レバー22とが互いに干渉することがなく、操作性を向上させることができる。
【0033】
そして、ホルダ30を第二の保持部15に挿入して保持するとともに、その保持されたホルダ30の連結部32に、クリップ40の嵌挿部41を嵌挿して連結する。これにより、保持具A1を横向きにして使用するときにも、クリップ40を起立姿勢に保持することができる。
【0034】
上述した本発明によれば、次の各効果を得ることができる。
・固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、固定部体の姿勢に応じて情報表示物支持部材を着脱させられるので、使用態様に応じた組み合わせにすることができる。
【0035】
・必要のないときには、ホルダやクリップ等を固定部体から取り外しておけるので、商品陳列棚に取り付けられている固定部体に突出した部分がなくなり、当該棚の近傍をお客が通行するときにも、着衣の一部が引っ掛かる等の心配がない。
・第一の保持部と第二の保持部に共通のホルダを使用できるので、保持具の起立姿勢や横倒姿勢に応じ、それらを交互に使用することができる。
【0036】
・係合レバーを、非係合位置からいずれかの係合位置に回動することにより、固定部体に可動部体を係合固定できるので、起立姿勢又は横倒姿勢若しくは商品陳列棚に載置されて商品等との位置関係を勘案して、操作のし易いいずれかの係合位置に回動させればよいので、操作性を向上させることができる。
【0037】
ところで、上述した保持具A1においては、クリップ40とホルダ30とからなる情報表示物支持部材を介して、情報表示物Pを固定部体10に保持させた例について説明したが、次のような構成にしてもよい。
図6(A)は、連結バーの正面図、(B)は、ジョイントの正面図、(C)は、それら連結バーとジョイントとを連結した状態を示す正面図である。
連結バー50は、上記したホルダ30の連結部32と連結するための連結部51を本体52の両端部に形成したものである。
連結部51は、上記したホルダ30の連結部32の連結孔32aに挿入連結できる断面八角形に形成されている。
【0038】
ジョイント60は両端を開口した円筒形に形成されており、その内壁両端部に、上記連結バー50の連結部51に嵌装連結できる嵌装孔61,61を形成したものである。
連結バー50とジョイント60とは、(C)に示すように、連結バー50の連結部51にジョイント60の嵌装孔61を嵌装して連結する。
【0039】
連結バー50とジョイント60の使用態様について、図7に示す。図7は、第二の実施形態に係る保持具を起立姿勢にした使用態様を示す側面図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具A2は、固定部体10、可動部体20、ホルダ30及びクリップ40に加え、上記した連結バー50とジョイント60とを有する構成のものである。
本実施形態においては、ホルダ30、クリップ40、連結バー50及びジョイント60により固定部体の被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材B2を構成している。
【0041】
保持具A2を起立姿勢にして使用するとき、上記した保持具A2と同様にして、例えば陳列棚Tに固定側挟持片12を当接させておき、係合レバー22を非係合位置(ウ)に位置させたまま、可動側挟持片21bを固定側挟持片12に向けて移動させる。
【0042】
陳列棚Tの下面Tbに当接したなら、係合レバー22を上方の係合位置(ア)又は下方の係合位置(イ)に向けて回動して、係合突起21cを溝14bに係合させ、可動側挟持片21bと固定側挟持片12とにより、陳列棚Tを上下から確実に挟持した状態にして固定する。
【0043】
そして、ホルダ30を第一の保持部13に挿入して保持するとともに、その保持されたホルダ30の連結部32に、上端にジョイント60を嵌装した連結バー50の下端を嵌挿して連結し、そして、ジョイント60にクリップ40の嵌挿部41を嵌挿して連結する。
これにより、保持具A2を起立姿勢にして使用するとき、クリップ40を、従ってまた、情報表示物Pをより高い位置に掲示することができる。
【0044】
図8(A)は、第一の他例に係る連結バーの正面図、(B)は、一例に係るジョイントの正面図、図9は、他例に係るクリップの側面図である。なお、図8,9においても、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
第一の他例に係る連結バー55は、図8(A)に示すように、上記したホルダ30の連結部32と連結するための連結部51を一端部に、また、他端部に球形の自在連結部56を一体に形成したものである。
【0046】
図8(B)に示すように、一例に係るジョイント65は円筒形に形成されており、その内壁の一端部に、連結バー50の連結部51に嵌装連結できる嵌装部61を、また、他端部に自在連結部56に嵌装連結できる嵌装部62を形成したものである。
【0047】
他例に係るクリップ45は、上述したクリップ40のものとは異なる連結部46が形成されている点で相違する。
連結部46は、ジョイント65の嵌装部62に挿入連結できる球形に形成したものである。
上記した連結バー55、ジョイント65及びクリップ45を組み合わせて用いることにより、クリップ45を、これの連結部46を中心とした全方位に傾動させることができる。
【0048】
図10は、第一の他例に係るホルダの平面図、(B)は、その正面図、図11は、第二の他例に係るホルダの平面図、(B)は、(A)に示すI‐I線に沿う断面図である。
第一の他例に係るホルダ30Aは、図10に示すように、平面視正方形の基板31Aの中心に、球形の連結部32Aを突設したものである。
【0049】
基板31Aは、上述した第一の保持部13(15)の一対の溝13d,13d(15d,15d)に保持できる寸法の正方形に形成しており、その厚みも一致させている。
連結部32Aは、ジョイント65の嵌装部62に嵌挿する大きさになっている。
【0050】
第二の他例に係るホルダ30Bは、図11に示すように、平面視正方形の基板31Bの中心に、略円筒形の連結部32Bを突設したものである。
【0051】
基板31Bは、上述した第一の保持部13(15)の一対の溝13d,13d(15d,15d)に保持できる寸法の正方形に形成しており、その厚みも一致させている。
連結部32Bは、クリップ45の連結部46を嵌挿支持するための球形の連結孔32Cが形成されている。
【0052】
図12(A)は、第二の他例に係る連結バーの正面図、(B)は、他例に係るジョイントの正面図である。なお、図12においても、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
第二の他例に係る連結バー55Aは、球形の自在連結部56,56を本体52の両端部に一体に形成したものである。
【0054】
他例に係るジョイント65Aは円筒形に形成されており、その内壁の両端部に、自在連結部56に嵌装連結できる嵌装部62,62を形成したものである。
【0055】
図13は、第二の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
第二の他例に係る情報表示物支持部材B3は、上記したホルダ30A、ジョイント65A、連結バー55A、ジョイント65A及びクリップ45を組み合わせてなるものである。
この情報表示物支持部材B3によれば、クリップ45とジョイント65A、ジョイント65Aと連結バー55A、連結バー55Aとジョイント65A、ジョイント65Aとホルダ30との各間において、互いを所要の角度範囲内で傾動させることができる。従って、情報表示物Pを所望の姿勢により保ちやすい。
【0056】
図14は、第三の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
他例に係る情報表示物支持部材B4は、上記したホルダ30B、連結バー55A、ジョイント65A及びクリップ45を組み合わせてなるものである。
この情報表示物支持部材B4によれば、クリップ45とジョイント65A、ジョイント65Aと連結バー55A、連結バー55Aとホルダ30Bとの各間において、互いを所要の角度範囲内で傾動させることができる。
情報表示物支持部材としては、上記例示したホルダ30,30A,30B、連結バー55,55A、ジョイント65,65A及びクリップ40,45を組み合わせたものに限るものではなく、それらを適宜組み合わせてよいものである。
【0057】
上記した実施形態においては、位置決め固定部として、正面視において第二の保持部よりも幅狭にし、軸線O1に一致して形成した縦長溝部の両側に、複数の断面三角形の溝を一定の間隔で列設してなるものを例示したが、図15に示す構成にしてもよい。図15は、本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図、図16は、本発明の第三の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図である。
なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具A2は、位置決め固定部の構成を異ならせたものである。
位置決め固定部14Aは、少なくとも上記複数の断面三角形の溝14b…を一定の間隔で列設していた領域に、それらの溝14bに代えて、摩擦抵抗が大きくなる表面加工14cを施したものである。
【0059】
本発明の第三の実施形態に係る情報表示物保持具A3は、位置決め固定部の構成を異ならせたものである。
位置決め固定部14Bは、少なくとも上記複数の断面三角形の溝14b…を一定の間隔で列設していた領域に、それらの溝14bに代えて、摩擦抵抗が大きくなる表面加工を施したテープ14dを貼着したものである。
【0060】
なお、本発明は上述した各実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・上述した実施形態においては、固定側本体を一定の長さにしたものを例示したが、その長さは、被固定部材の厚み等を勘案して長短設定すればよいものである。
【0061】
・上述した実施形態においては、非固定部材として商品陳列棚を例として説明したが、当該棚に限るものではなく、例えば商品陳列ケースや商品を積載したワゴン等も含んでいる。
・上述した実施形態においては、ホルダとクリップとが別体のものを例として説明したが、ホルダとクリップとを一体に形成してもよい。
【0062】
・上記した実施形態においては、ホルダ、クリップ、連結バー及びジョイントの組み合わせによって、情報表示物支持部材を構成した例について説明したが、ジョイントは必要に応じて設ければよいものである。
【0063】
・上述した実施形態においては、情報表示物支持部材を、ホルダ,クリップ,連結バー及びジョイントとを組み合わせてなるものを例示したが、これに限らず、例えばクリップと、このクリップを連結しかつ保持部に着脱自在に装着されるホルダとから構成してもよい。
【0064】
・情報表示物支持部材が、ホルダと連結バーとを連結するためのジョイント又は連結バーとクリップとを連結するためのジョイント若しくはそれらのジョイント双方を有している例について説明したが、2つの連結バーをジョイントで連結した構成を含むものとしてもよい。
例えば、ホルダ、ジョイント、連結バー、ジョイント、連結バー、ジョイント、クリップの順に連結した情報表示物支持部材を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る情報表示物保持具を示すものであり、(A)は、その正面図、(B)は、その側面図、(C)は、その背面図、(D)は、クリップを除いた平面図である。
【図2】(A)は係合レバーの平面図、(B)は、その側面図である。
【図3】(A)は、ホルダの平面図、(B)は、その正面図である。
【図4】一例に係るクリップの正面図、(B)は、その側面図である。
【図5】(A)は、保持具を起立姿勢にした使用態様を示す側面図、(B)は、その情報表示物保持具を横倒姿勢にした使用態様を示す側面図である。
【図6】(A)は、連結バーの正面図、(B)は、ジョイントの正面図、(C)は、それら連結バーとジョイントとを連結した状態を示す正面図である。
【図7】第二の実施形態に係る情報表示物保持具を縦向きにした使用態様を示す側面図である。
【図8】(A)は、他例に係る連結バーの正面図、(B)は、ジョイントの正面図である。
【図9】他例に係るクリップの側面図である。
【図10】(A)は、第一の他例に係るホルダの平面図、(B)は、その正面図である。
【図11】(A)は、第二の他例に係るホルダの平面図、(B)は、(A)に示すI‐I線に沿う断面図である。
【図12】(A)は、第二の他例に係る連結バーの正面図、(B)は、他例に係るジョイントの正面図である。
【図13】第二の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
【図14】第三の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
【図15】本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図である。
【図16】本発明の第三の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図である。
【符号の説明】
【0066】
10 固定部体
11 固定側本体
12 固定側挟持片
13,15 保持部(第一の保持部、第二の保持部)
14b 溝
21 可動部体
21b 可動側挟持片
22 係合レバー
23 圧接部
30 ホルダ
32 連結部
40 クリップ
50,55 連結バー
A1,A2 情報表示物保持具
B1〜B4 情報表示物支持部材
C 位置決め固定部(係合突起21c、係合レバー22)
P 情報表示物
T 被固定部材
(ア),(イ) 係合位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア及びドラッグストアに設置されている商品陳列棚等に使用する情報表示物を保持するための情報表示物保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された構成のスライド式挟持具がある。
その従来のスライド式挟持具は、固定狭持片38と、この固定狭持片38に対して離接可能な可動狭持片40とで固定支持体を挟持して情報表示物を支持する構成のものであり、固定狭持片38が、長手方向に複数のノッチ52を有する柱状体42を有し、可動狭持片40が柱状体42に沿って移動することにより、固定狭持片38に対して離接可能に支持されるとともに、任意のノッチ52に係合してこの可動狭持片40の移動を阻止するロック手段47を備えた構成となっている。
【特許文献1】特開2204−181155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のスライド式挟持具は、固定支持体に対して固定挟持片を一定の姿勢で挟持させることを想定し、固定挟持片にジョイント支持体を一体に形成しているため、固定挟持片を他の姿勢で挟持させたときには、その機能を発揮することができない。
【0004】
また、他の情報表示物を支持させようとしたときには、当該情報表示物を支持する構造の他の種類のスライド式挟持具を用意しなければならないために非経済的であるとともに、その交換作業等も煩雑である。
【0005】
そこで本発明は、固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、必要に応じて情報表示物を着脱させることができる情報表示物保持具の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の構成は、情報表示物を被固定部材に保持する情報表示物保持具において、固定側本体の一端に固定側挟持片を突出して形成した固定部体と、固定側挟持片に対向する可動側挟持片を有し、かつ、その可動側挟持片を固定側挟持片に接離するように固定側本体に支持された可動部体とを有し、可動部体には、これを固定側本体の任意の位置で位置決め固定するための位置決め固定部を配設しているとともに、固定部体には、これの被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材を一定の姿勢にし、かつ、着脱自在に保持するための複数の保持部を形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、固定部体の姿勢に応じて情報表示物支持部材を着脱させられるので、使用態様に応じた組み合わせにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る情報表示物保持具を示すものであり、(A)は、正面図、(B)は、その側面図、(C)は、その背面図、(D)は、クリップを除いた平面図である。また、図2(A)は、係合レバーの平面図、(B)は、その側面図である。
【0009】
本発明の第一の実施形態に係る情報表示物保持具(以下、単に「保持具」という。)A1は、主にスーパーマーケット、コンビニエンスストア及びドラッグストアに設置されている商品陳列棚等の被固定部材に情報表示物Pを保持するためのものであり、固定部体10、可動部体20、ホルダ30及びクリップ40を有して構成されている。
本実施形態においては、固定部体の被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材B1を、ホルダ30とクリップ40により構成している。
【0010】
情報表示物Pは例えば長方形の印刷物であり、これの片面又は両面に商品情報が表示されている。
「商品情報」は、例えば商品名,価格,セール期間等の該当商品に関わる各種の情報である。
情報表示物としては、上記した印刷物に限らず、商品情報を電気的に表示するようにした所謂ディスプレイ装置等を含んでいる。
【0011】
固定部体10は、固定側本体11の一端(上端)に、固定側挟持片12を一体に形成した合成樹脂製のものである。
固定側本体11は、縦長の四角柱形に形成されているとともに、背面11bの一端(上端)には、詳細を後述する第二の保持部15が形成されているとともに、正面11aには、その第二の保持部15近傍から他端(下端)近傍にかけて、位置決め固定部14が形成されている。
【0012】
位置決め固定部14は、正面視において第二の保持部15よりも幅狭になっており、軸線O1に一致して形成した縦長溝部14aの両側に、複数の断面三角形の溝14b…を一定の間隔で列設してなるものである。
【0013】
固定側挟持片12は、固定側本体11の正面11aから直角に突出された、平面視略長方形にして形成され、これの上半部側に第一の保持部13を形成している。
第一の保持部13は、所要の深さにしたほぼ直方体形の凹陥部13aの両側内側壁13b,13bに、後述するホルダ30を正面開口13cから挿脱自在にするための溝13d,13dを形成した構成のものである。
【0014】
第二の保持部15は、所要の深さにしたほぼ直方形の凹陥部15aの両側内側壁15b,15bに、後述するホルダ30を上面開口15cから挿脱自在にするための溝15d,15dを形成した構成のものである。
第一,第二の保持部13,15は、互いに同形同大になっており、これにより、同一のホルダ30を共通に使用できるようにしている。
【0015】
可動部体20は、上記した固定側挟持片12に対して接離するように固定側本体11に沿って移動自在に支持されており、可動側本体21と、係合レバー22とからなる。
可動側本体21は、固定側本体11に対向する対向壁部21aと、上記固定側挟持片12に対向する可動側挟持片21bとを側面視において左右逆向きの略L字形にして一体に形成した合成樹脂製のものである。
なお、図1には、可動部体20の可動範囲を「S」で示しているが、その可動範囲Sは、
固定側本体11の全長を調整することによって長短設定できる。
【0016】
対向壁部21aには、任意の溝14bに係合して、可動部体20を固定側本体11に固定するための係合突起21cが軸線O1と直交しかつ溝14bとほぼ同じ長さにして突設されているとともに、両側部には一対のレバー支持片21d,21dが突設されている。
レバー支持片21d,21dには、下記の係合レバー22のピン22c,22cを挿入するためのピン挿入孔21e,21eが形成されている。
【0017】
係合レバー22は、取手部22aの両端に脚部22b,22bを一体に形成した平面視コ字形のものであり、その脚部22b,22bの開放端部に、ピン挿入孔21e,21eに挿入するピン22c,22cと、圧接部23,23とが形成されている。
【0018】
圧接部23は、固定側本体11の背面11bに圧接することにより、係合突起21cを溝14bに係合させる二つの係合位置(ア),(イ)、固定側本体11の背面11bから対向壁部21aを離間した状態にしておく非係合位置(ウ)に回動させられるように形成されている。
【0019】
具体的には、図2に示すように、側面視において、脚部22bの軸線O2を挟む上下に対象形にして膨出形成されており、その軸線O2と所要の角度をもって係合用当接面23a,23a、及び固定側本体11の背面11bから対向壁部21aを離間しておくための非係合用当接面23bを設けたものである。
【0020】
すなわち、非係合用当接面23bを固定側本体11に当接しているとき、換言すると、係合レバー22を非係合位置(ウ)に位置させているときには、固定側本体11の背面11bから対向壁部21aを離間しておくことができ、これにより、可動部体20を固定側本体11に沿って上下に摺動させることができる。
【0021】
また、係合用当接面23a,23aを固定側本体11に当接しているとき、換言すると、係合レバー22を係合位置(ア)又は(イ)に位置させているときには、固定側本体11の背面11bに対向壁部21aを圧接しておくことができ、これにより、可動部体20の係合突起21cを固定側本体11の溝14bに係合固定することができる。
本実施形態において示す位置決め固定部Cは、係合突起21c、係合レバー22、及び溝14から構成している。
【0022】
図3(A)は、一例に係るホルダの平面図、(B)は、その正面図、図4は、一例に係るクリップの正面図、(B)は、その側面図である。
ホルダ30は、平面視正方形の基板31の中心に、円筒形の連結部32を突設したものである。
【0023】
基板31は、上述した第一の保持部13(15)の一対の溝13d,13d(15d,15d)に保持できる寸法の正方形に形成しており、その厚みも一致させている。
連結部32は、詳細を後述するクリップ40の嵌挿部41を嵌挿支持するための円筒形の連結孔32aが形成されている。
【0024】
図4に示すように、一例に係るクリップ40は、連結片40aの前後辺縁に弾性挟持片40bと挟持片40cを互いに対向させて起立形成するとともに、連結片40aの下面中央に嵌挿部41を突設したものである。
【0025】
嵌挿部41は、上記した連結部32に嵌挿できる大きさの六角形断面の円柱形に形成したものである。
連結片40aの上面には、弾性挟持片40b,40cに挟持した情報表示物Pの下辺縁を係止して、その情報表示物Pの傾きを抑えるための抑止片40dが突設されている。
【0026】
上述した構成からなる保持具A1の使用態様について、図5を参照して説明する。図5(A)は、保持具A1を起立姿勢にした使用態様を示す側面図、(B)は、その情報表示物保持具を横倒姿勢にした使用態様を示す側面図である。
【0027】
<保持具A1を起立姿勢にして使用するとき>
「起立姿勢」とは、固定側本立11の軸線O1を縦向きにして、という意味である。
図5(A)に示すように、保持具A1を縦向きにして使用するとき、例えば陳列棚Tの上面Taに固定側挟持片12を当接させておき、係合レバー22を非係合位置(ウ)に位置させたまま、可動側挟持片21bを固定側挟持片12に向けて移動させる。
【0028】
陳列棚Tの下面Tbに当接したなら、係合レバー22を上方の係合位置(ア)又は下方の係合位置(イ)に向けて回動して、係合突起21cを溝14bに係合させ、可動側挟持片21bと固定側挟持片12とにより、陳列棚Tを上下から確実に挟持して固定する。
【0029】
そして、ホルダ30を第一の保持部13に挿入して保持するとともに、その保持されたホルダ30の連結部32に、クリップ40の嵌挿部41を嵌挿して連結する。これにより、保持具A1を縦向きにして使用するとき、クリップ40を起立姿勢にして保持することができる。
【0030】
<保持具A1を横倒姿勢にして使用するとき>
「横倒姿勢」とは、固定側本体11の軸線O1を横向きにして、という意味である。
図5(B)に示すように、保持具A1を横倒姿勢にして使用するとき、例えば陳列棚T´の側面Ta´に固定側挟持片12を当接させておき、係合レバー22を非係合位置(ウ)に移動させたまま、可動側挟持片21bを固定側挟持片12に向けて移動させる。
【0031】
陳列棚T´の側面Tb´に当接したなら、係合レバー22を係合位置(ア)に回動し、係合突起21cを溝14bに係合させて、可動側挟持片21bと固定側挟持片12とにより、陳列棚T´を両側面から確実に挟持して固定する。
【0032】
係合レバー22は、上記したように両係合位置(ア),(イ)に回動させることにより、可動側挟持片21bを固定することができるが、上記したように第二の保持部15が形成されていない一方の係合位置(ア)に回動させて固定すると、第二の保持部15と係合レバー22とが互いに干渉することがなく、操作性を向上させることができる。
【0033】
そして、ホルダ30を第二の保持部15に挿入して保持するとともに、その保持されたホルダ30の連結部32に、クリップ40の嵌挿部41を嵌挿して連結する。これにより、保持具A1を横向きにして使用するときにも、クリップ40を起立姿勢に保持することができる。
【0034】
上述した本発明によれば、次の各効果を得ることができる。
・固定部体の姿勢を変えて被固定部材に挟持するときにも、情報表示物を一定の姿勢にして保持できるとともに、固定部体の姿勢に応じて情報表示物支持部材を着脱させられるので、使用態様に応じた組み合わせにすることができる。
【0035】
・必要のないときには、ホルダやクリップ等を固定部体から取り外しておけるので、商品陳列棚に取り付けられている固定部体に突出した部分がなくなり、当該棚の近傍をお客が通行するときにも、着衣の一部が引っ掛かる等の心配がない。
・第一の保持部と第二の保持部に共通のホルダを使用できるので、保持具の起立姿勢や横倒姿勢に応じ、それらを交互に使用することができる。
【0036】
・係合レバーを、非係合位置からいずれかの係合位置に回動することにより、固定部体に可動部体を係合固定できるので、起立姿勢又は横倒姿勢若しくは商品陳列棚に載置されて商品等との位置関係を勘案して、操作のし易いいずれかの係合位置に回動させればよいので、操作性を向上させることができる。
【0037】
ところで、上述した保持具A1においては、クリップ40とホルダ30とからなる情報表示物支持部材を介して、情報表示物Pを固定部体10に保持させた例について説明したが、次のような構成にしてもよい。
図6(A)は、連結バーの正面図、(B)は、ジョイントの正面図、(C)は、それら連結バーとジョイントとを連結した状態を示す正面図である。
連結バー50は、上記したホルダ30の連結部32と連結するための連結部51を本体52の両端部に形成したものである。
連結部51は、上記したホルダ30の連結部32の連結孔32aに挿入連結できる断面八角形に形成されている。
【0038】
ジョイント60は両端を開口した円筒形に形成されており、その内壁両端部に、上記連結バー50の連結部51に嵌装連結できる嵌装孔61,61を形成したものである。
連結バー50とジョイント60とは、(C)に示すように、連結バー50の連結部51にジョイント60の嵌装孔61を嵌装して連結する。
【0039】
連結バー50とジョイント60の使用態様について、図7に示す。図7は、第二の実施形態に係る保持具を起立姿勢にした使用態様を示す側面図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具A2は、固定部体10、可動部体20、ホルダ30及びクリップ40に加え、上記した連結バー50とジョイント60とを有する構成のものである。
本実施形態においては、ホルダ30、クリップ40、連結バー50及びジョイント60により固定部体の被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材B2を構成している。
【0041】
保持具A2を起立姿勢にして使用するとき、上記した保持具A2と同様にして、例えば陳列棚Tに固定側挟持片12を当接させておき、係合レバー22を非係合位置(ウ)に位置させたまま、可動側挟持片21bを固定側挟持片12に向けて移動させる。
【0042】
陳列棚Tの下面Tbに当接したなら、係合レバー22を上方の係合位置(ア)又は下方の係合位置(イ)に向けて回動して、係合突起21cを溝14bに係合させ、可動側挟持片21bと固定側挟持片12とにより、陳列棚Tを上下から確実に挟持した状態にして固定する。
【0043】
そして、ホルダ30を第一の保持部13に挿入して保持するとともに、その保持されたホルダ30の連結部32に、上端にジョイント60を嵌装した連結バー50の下端を嵌挿して連結し、そして、ジョイント60にクリップ40の嵌挿部41を嵌挿して連結する。
これにより、保持具A2を起立姿勢にして使用するとき、クリップ40を、従ってまた、情報表示物Pをより高い位置に掲示することができる。
【0044】
図8(A)は、第一の他例に係る連結バーの正面図、(B)は、一例に係るジョイントの正面図、図9は、他例に係るクリップの側面図である。なお、図8,9においても、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
第一の他例に係る連結バー55は、図8(A)に示すように、上記したホルダ30の連結部32と連結するための連結部51を一端部に、また、他端部に球形の自在連結部56を一体に形成したものである。
【0046】
図8(B)に示すように、一例に係るジョイント65は円筒形に形成されており、その内壁の一端部に、連結バー50の連結部51に嵌装連結できる嵌装部61を、また、他端部に自在連結部56に嵌装連結できる嵌装部62を形成したものである。
【0047】
他例に係るクリップ45は、上述したクリップ40のものとは異なる連結部46が形成されている点で相違する。
連結部46は、ジョイント65の嵌装部62に挿入連結できる球形に形成したものである。
上記した連結バー55、ジョイント65及びクリップ45を組み合わせて用いることにより、クリップ45を、これの連結部46を中心とした全方位に傾動させることができる。
【0048】
図10は、第一の他例に係るホルダの平面図、(B)は、その正面図、図11は、第二の他例に係るホルダの平面図、(B)は、(A)に示すI‐I線に沿う断面図である。
第一の他例に係るホルダ30Aは、図10に示すように、平面視正方形の基板31Aの中心に、球形の連結部32Aを突設したものである。
【0049】
基板31Aは、上述した第一の保持部13(15)の一対の溝13d,13d(15d,15d)に保持できる寸法の正方形に形成しており、その厚みも一致させている。
連結部32Aは、ジョイント65の嵌装部62に嵌挿する大きさになっている。
【0050】
第二の他例に係るホルダ30Bは、図11に示すように、平面視正方形の基板31Bの中心に、略円筒形の連結部32Bを突設したものである。
【0051】
基板31Bは、上述した第一の保持部13(15)の一対の溝13d,13d(15d,15d)に保持できる寸法の正方形に形成しており、その厚みも一致させている。
連結部32Bは、クリップ45の連結部46を嵌挿支持するための球形の連結孔32Cが形成されている。
【0052】
図12(A)は、第二の他例に係る連結バーの正面図、(B)は、他例に係るジョイントの正面図である。なお、図12においても、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
第二の他例に係る連結バー55Aは、球形の自在連結部56,56を本体52の両端部に一体に形成したものである。
【0054】
他例に係るジョイント65Aは円筒形に形成されており、その内壁の両端部に、自在連結部56に嵌装連結できる嵌装部62,62を形成したものである。
【0055】
図13は、第二の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
第二の他例に係る情報表示物支持部材B3は、上記したホルダ30A、ジョイント65A、連結バー55A、ジョイント65A及びクリップ45を組み合わせてなるものである。
この情報表示物支持部材B3によれば、クリップ45とジョイント65A、ジョイント65Aと連結バー55A、連結バー55Aとジョイント65A、ジョイント65Aとホルダ30との各間において、互いを所要の角度範囲内で傾動させることができる。従って、情報表示物Pを所望の姿勢により保ちやすい。
【0056】
図14は、第三の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
他例に係る情報表示物支持部材B4は、上記したホルダ30B、連結バー55A、ジョイント65A及びクリップ45を組み合わせてなるものである。
この情報表示物支持部材B4によれば、クリップ45とジョイント65A、ジョイント65Aと連結バー55A、連結バー55Aとホルダ30Bとの各間において、互いを所要の角度範囲内で傾動させることができる。
情報表示物支持部材としては、上記例示したホルダ30,30A,30B、連結バー55,55A、ジョイント65,65A及びクリップ40,45を組み合わせたものに限るものではなく、それらを適宜組み合わせてよいものである。
【0057】
上記した実施形態においては、位置決め固定部として、正面視において第二の保持部よりも幅狭にし、軸線O1に一致して形成した縦長溝部の両側に、複数の断面三角形の溝を一定の間隔で列設してなるものを例示したが、図15に示す構成にしてもよい。図15は、本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図、図16は、本発明の第三の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図である。
なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具A2は、位置決め固定部の構成を異ならせたものである。
位置決め固定部14Aは、少なくとも上記複数の断面三角形の溝14b…を一定の間隔で列設していた領域に、それらの溝14bに代えて、摩擦抵抗が大きくなる表面加工14cを施したものである。
【0059】
本発明の第三の実施形態に係る情報表示物保持具A3は、位置決め固定部の構成を異ならせたものである。
位置決め固定部14Bは、少なくとも上記複数の断面三角形の溝14b…を一定の間隔で列設していた領域に、それらの溝14bに代えて、摩擦抵抗が大きくなる表面加工を施したテープ14dを貼着したものである。
【0060】
なお、本発明は上述した各実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・上述した実施形態においては、固定側本体を一定の長さにしたものを例示したが、その長さは、被固定部材の厚み等を勘案して長短設定すればよいものである。
【0061】
・上述した実施形態においては、非固定部材として商品陳列棚を例として説明したが、当該棚に限るものではなく、例えば商品陳列ケースや商品を積載したワゴン等も含んでいる。
・上述した実施形態においては、ホルダとクリップとが別体のものを例として説明したが、ホルダとクリップとを一体に形成してもよい。
【0062】
・上記した実施形態においては、ホルダ、クリップ、連結バー及びジョイントの組み合わせによって、情報表示物支持部材を構成した例について説明したが、ジョイントは必要に応じて設ければよいものである。
【0063】
・上述した実施形態においては、情報表示物支持部材を、ホルダ,クリップ,連結バー及びジョイントとを組み合わせてなるものを例示したが、これに限らず、例えばクリップと、このクリップを連結しかつ保持部に着脱自在に装着されるホルダとから構成してもよい。
【0064】
・情報表示物支持部材が、ホルダと連結バーとを連結するためのジョイント又は連結バーとクリップとを連結するためのジョイント若しくはそれらのジョイント双方を有している例について説明したが、2つの連結バーをジョイントで連結した構成を含むものとしてもよい。
例えば、ホルダ、ジョイント、連結バー、ジョイント、連結バー、ジョイント、クリップの順に連結した情報表示物支持部材を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る情報表示物保持具を示すものであり、(A)は、その正面図、(B)は、その側面図、(C)は、その背面図、(D)は、クリップを除いた平面図である。
【図2】(A)は係合レバーの平面図、(B)は、その側面図である。
【図3】(A)は、ホルダの平面図、(B)は、その正面図である。
【図4】一例に係るクリップの正面図、(B)は、その側面図である。
【図5】(A)は、保持具を起立姿勢にした使用態様を示す側面図、(B)は、その情報表示物保持具を横倒姿勢にした使用態様を示す側面図である。
【図6】(A)は、連結バーの正面図、(B)は、ジョイントの正面図、(C)は、それら連結バーとジョイントとを連結した状態を示す正面図である。
【図7】第二の実施形態に係る情報表示物保持具を縦向きにした使用態様を示す側面図である。
【図8】(A)は、他例に係る連結バーの正面図、(B)は、ジョイントの正面図である。
【図9】他例に係るクリップの側面図である。
【図10】(A)は、第一の他例に係るホルダの平面図、(B)は、その正面図である。
【図11】(A)は、第二の他例に係るホルダの平面図、(B)は、(A)に示すI‐I線に沿う断面図である。
【図12】(A)は、第二の他例に係る連結バーの正面図、(B)は、他例に係るジョイントの正面図である。
【図13】第二の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
【図14】第三の他例に係る情報表示物支持部材の分解図である。
【図15】本発明の第二の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図である。
【図16】本発明の第三の実施形態に係る情報表示物保持具の側面図である。
【符号の説明】
【0066】
10 固定部体
11 固定側本体
12 固定側挟持片
13,15 保持部(第一の保持部、第二の保持部)
14b 溝
21 可動部体
21b 可動側挟持片
22 係合レバー
23 圧接部
30 ホルダ
32 連結部
40 クリップ
50,55 連結バー
A1,A2 情報表示物保持具
B1〜B4 情報表示物支持部材
C 位置決め固定部(係合突起21c、係合レバー22)
P 情報表示物
T 被固定部材
(ア),(イ) 係合位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報表示物を被固定部材に保持する情報表示物保持具において、
固定側本体の一端に固定側挟持片を突出して形成した固定部体と、
固定側挟持片に対向する可動側挟持片を有し、かつ、その可動側挟持片を固定側挟持片に接離自在にして固定側本体に支持された可動部体とを有し、
可動部体には、これを固定側本体の任意の位置で位置決め固定するための位置決め固定部を配設しているとともに、
固定部体には、これの被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材を一定の姿勢にし、かつ、着脱自在に保持するための複数の保持部を形成していることを特徴とする情報表示物保持具。
【請求項2】
固定側本体には、可動部体を一定の間隔で位置決めするための位置決め部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の情報表示物保持具。
【請求項3】
保持部は、情報表示物支持部材を互いに直角する方向に保持するための第一,第二の保持部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示物保持具。
【請求項4】
第一,第二の保持部を、同一のホルダを共通に保持できるように形成していることを特徴とする請求項3に記載の情報表示物保持具。
【請求項5】
情報表示物支持部材が、情報表示物を挟持するクリップと、このクリップを連結しかつ保持部に着脱自在に装着されるホルダとを有しており、
ホルダ及びクリップを介して情報表示物を被固定部材に保持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項6】
情報表示物支持部材が、情報表示物を挟持するクリップ、連結バー及びこの連結バーを連結しかつ保持部に着脱自在に装着されるホルダを有しており、
ホルダ、連結バー及びクリップを介して情報表示物を被固定部材に保持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項7】
情報表示物支持部材が、ホルダと連結バーとを連結するためのジョイント又は連結バーとクリップとを連結するためのジョイント若しくはそれら双方のジョイントを有していることを特徴とする請求項6に記載の情報表示物保持具。
【請求項8】
各保持部を、情報表示物支持部材を摺動可能に保持する溝形に形成していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項9】
位置決め固定部は、可動部体に突設した係合突起と、その可動部体に回動自在に軸支された係合レバーとを有し、
係合レバーには、二つの係合位置において可動部体を固定部体に圧接して固定する圧接部が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項1】
情報表示物を被固定部材に保持する情報表示物保持具において、
固定側本体の一端に固定側挟持片を突出して形成した固定部体と、
固定側挟持片に対向する可動側挟持片を有し、かつ、その可動側挟持片を固定側挟持片に接離自在にして固定側本体に支持された可動部体とを有し、
可動部体には、これを固定側本体の任意の位置で位置決め固定するための位置決め固定部を配設しているとともに、
固定部体には、これの被固定部材への挟持姿勢に関わらず、情報表示物を支持するための情報表示物支持部材を一定の姿勢にし、かつ、着脱自在に保持するための複数の保持部を形成していることを特徴とする情報表示物保持具。
【請求項2】
固定側本体には、可動部体を一定の間隔で位置決めするための位置決め部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の情報表示物保持具。
【請求項3】
保持部は、情報表示物支持部材を互いに直角する方向に保持するための第一,第二の保持部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示物保持具。
【請求項4】
第一,第二の保持部を、同一のホルダを共通に保持できるように形成していることを特徴とする請求項3に記載の情報表示物保持具。
【請求項5】
情報表示物支持部材が、情報表示物を挟持するクリップと、このクリップを連結しかつ保持部に着脱自在に装着されるホルダとを有しており、
ホルダ及びクリップを介して情報表示物を被固定部材に保持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項6】
情報表示物支持部材が、情報表示物を挟持するクリップ、連結バー及びこの連結バーを連結しかつ保持部に着脱自在に装着されるホルダを有しており、
ホルダ、連結バー及びクリップを介して情報表示物を被固定部材に保持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項7】
情報表示物支持部材が、ホルダと連結バーとを連結するためのジョイント又は連結バーとクリップとを連結するためのジョイント若しくはそれら双方のジョイントを有していることを特徴とする請求項6に記載の情報表示物保持具。
【請求項8】
各保持部を、情報表示物支持部材を摺動可能に保持する溝形に形成していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【請求項9】
位置決め固定部は、可動部体に突設した係合突起と、その可動部体に回動自在に軸支された係合レバーとを有し、
係合レバーには、二つの係合位置において可動部体を固定部体に圧接して固定する圧接部が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報表示物保持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−39178(P2010−39178A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201747(P2008−201747)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(591135657)ワヨー株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(591135657)ワヨー株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
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