情報表示用パネル
【課題】パネル表示面の表示状態の明るさ向上が可能となる情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、一つのセルに三原色の色の透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部23を設けた。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、一つのセルに三原色の色の透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部23を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルの従来例としては、図15に示すように、白黒2色の表示媒体(粒子群または粉流体)101W、101Bを、三原色の色の透明カラーフィルター102R、102G、102Bを各々配置した表示側の透明な基板103と基板104との間のセル105内の気中空間に封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネル(例えば特許文献1参照)がある。
【特許文献1】国際公開WO2004/008239号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来例の情報表示用パネルは、表示媒体として白粒子および黒粒子を用いる場合、白粒子からの反射光または黒粒子からの反射光を透明カラーフィルター102R、102G、102Bを通してカラー合成した反射光によってカラー表示を行う構成となっており、1画素を形成する隔壁106の頂上と基板103との間に有色層107を設けるとともに、各セル105を形成する隔壁108と基板103との間にも有色層107を設けているため、黒色濃度を高くすることはできるが、透明カラーフィルターによる吸収によってパネル表示面の表示状態が暗くなってしまう問題があった。
【0004】
本発明の目的は上述した問題点を解消して、パネル表示面の表示状態の明るさ向上が可能となる情報表示用パネルを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報表示用パネルの第1発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、一つのセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の情報表示用パネルの第2発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、各表示単位をさらに隔壁で仕切って3つのピクセルで構成し、3つのピクセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
なお、本発明の情報表示用パネルの好適例としては、クリア部が、穴、スリット、交差した直線、直線ストライプ、曲線ストライプのいずれかから構成されること、クリア部の幅が、表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%〜200%であること、表示領域の合計面積Sに対してクリア部の面積の総和Skが、0.01<Sk/S<0.8であること、がある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各表示単位のセルに三原色の色の透明カラーフィルターを配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けているため、パネル表示面の表示状態の明るさ向上が可能となる情報表示用パネルを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、本発明の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の対象となる情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動するにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0010】
本発明の情報表示用パネルの基本的な構成を、図1(a)、(b)〜図9に基づき説明する。
【0011】
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(個別電極)と基板2に設けた電極6(個別電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
図2(a)、(b)に示す例は、図1(a)、(b)に示す例から、表示単位内の隔壁を除いたものである。カラーフィルターを設ける場合、カラーフィルターと組み合わせて構成される1表示単位ごとに隔壁4でセルが形成されている例である。
【0012】
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図3(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図3(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
図4(a)、(b)に示す例は、図3(a)、(b)に示す例から、表示板以内の隔壁を除いたものである。カラーフィルターを設ける場合、カラーフィルターと組み合わせて構成される1表示単位ごとに隔壁4でセルが形成されている例である。
【0013】
図5(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率と帯電性を有する表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる。そして、図5(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図5(b)に示すように、黒色板7Bの色を観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図5(a)、(b)に示す例では、手前にある隔壁は省略している。電極は基板外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
図6(a)、(b)に示す例は、図5(a)、(b)に示す例の白色表示媒体3Wを黒色表示媒体3Bに代え、黒色板7Bを白色板7Wに代えて同様の表示を行うことを示す例である。
【0014】
図7(a)〜(d)に示す例では、まず、図7(a)、(c)に示すように、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段11と基板2の外側に設けた外部電界形成手段12との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図7(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図7(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図7(a)〜(d)において、手前にある隔壁は省略している。また、基板1の内側には導電部材13を設けるとともに、基板2の内側には導電部材14を設けている。この導電部材は設けなくてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
【0015】
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。粉流体については後述する。
【0016】
図8および図9に示す例では、図4(a)、(b)に示す例と同様に、ライン電極5、6を用いて白黒表示を行う他の例を説明している。図8に示す例では、図4(a)、(b)で示す白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填した隔壁4で形成されたセルの代わりに、白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを絶縁液体8とともに内部に充填したマイクロカプセル9を用いている。また、図9に示す例では、図4(a)、(b)で示す白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填した隔壁4で形成されたセルの代わりに、白色と黒色とを半々に塗り分け、極性も互いに反対に構成した回転ボール10を表示媒体として絶縁液体8とともに内部に充填したマイクロカプセル9を用いている。図8および図9に示すいずれの例も、図4(b)に示す例と同様に、白黒表示を行うことができ、カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のマイクロカプセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位としてカラー表示を行う例である。
【0017】
図10は本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。図10に示す例では、それぞれが隔壁4で仕切られた3つのセル21から1表示単位を構成した例を示し、3つのセル21に三原色の色の透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に設け、表示面側の透明基板2において、透明電極6に対応して透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に設けた構成となっている。本例では、電極5、6間に電圧を印加することで電界を発生させて、電界に応じて表示媒体3W、3Bを移動させることでカラー表示を行っている。なお、24は隔壁4の頂上と基板2との間に設けられた有色層である。また、カラー表示の場合には、三原色カラーフィルターを配置した3つのピクセルを1つのセットとしたセルが表示単位となり、この表示単位に含まれるピクセル毎に独立した表示媒体移動を行うことで、カラーフィルターを通して得られる3色の合成によるカラー表示を行える。
【0018】
図11は本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。図11に示す例では、それぞれが隔壁4で仕切られた3つのセル21から1表示単位を構成した例を示し、3つのセル21に三原色の色の透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に設けた構成となっている。本例では、外部から電界を与えて、電界に応じて表示媒体3W、3Bを移動させることでカラー表示を行っている。なお、24は隔壁4の頂上と基板2との間に設けられた有色層である。
【0019】
図12は本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を説明するための図である。図12に示す例では、図10に示す構成のうち、1表示単位を構成する隔壁4(図10中両端の隔壁)はそのまま残し、透明カラーフィルター22Rと22Gとの間の隔壁および透明カラーフィルター22Gと22Bとの間の隔壁(図10中両端の隔壁以外の中心部の2つの隔壁)を除去した例を示している。本例でも本発明を好適に実施することができる。
【0020】
図10〜図12に示す例において、本発明の最大の特徴は、透明カラーフィルター22R、22G、22Bの各々に無色透明なクリア部23を設けた点にある。このように、透明カラーフィルター22R、22G、22Bの各々に無色透明なクリア部23を設けることで、反射光にてカラー表示を行う本発明の情報表示用パネルにおいても、全面が透明なカラーフィルターからなる従来例と比較して、カラーフィルターによる吸収を減少させることができ、パネル表示面の表示状態を色純度を保ちつつ明るくすることができる。カラーフィルター内の無色透明なクリア部23は、カラーフィルターを無色透明なクリア部と一致するように欠損させて形成した後で、カラーフィルター上に全面に無色透明の保護層を設けることで形成するか、または、カラーフィルターの欠損部だけに直接無色透明なクリア部を設けることで構成することができる。なお、カラーフィルターの幅は、少なくとも表示電極幅より大きくかつ隣り合うカラーフィルターが表示媒体用粒子の平均粒子径より大きく重なり合わないことが好ましい。カラーフィルターの幅が表示電極幅より小さいと、色純度が低下し、カラーフィルターの重なり幅が表示媒体用粒子の平均粒子径より大きいと明るさが低下してしまう。
【0021】
図13(a)〜(i)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルにおけるカラーフィルターのクリア部の一例を説明するための図である。図13(a)〜(i)に示す例では、1表示単位を構成する1組の透明カラーフィルター22R、22G、22Bに対するクリア部23の構成を示している。
【0022】
図13(a)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bにまたがった上部であって図中横方向にスリット形状のクリア部23を設けている。図13(b)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれの間であって図中縦方向にスリット形状のクリア部23を設けている。図13(c)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれに同じ間隔で配列された複数の円形状の穴からなるクリア部23を設けている。その他、穴の形状をさらに小さな直径の円形状の穴にしたり、四角形状や三角形状などの穴にすることもできる。図13(d)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれに同じ間隔で配列された複数のスター形状の穴からなるクリア部23を設けている。
【0023】
図13(e)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bにまたがった中央部であって図中横方向にスリット形状のクリア部23を設けている。図13(f)に示す例では、図13(b)と同様の、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれの間であって図中縦方向に設けたスリット形状のクリア部23であって、図13(b)に示す例よりも幅の大きいクリア部23を設けている。図13(g)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bにまたがって図中横方向に複数のスリット形状のクリア部23を設けている。図13(h)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bに対し図中左上から右下へ向かう交差する直線からなるクリア部23を設けている。図13(i)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bに対し図中左上から右下へ向かう交差する複数の直線からなるクリア部23を設けている。
【0024】
なお、本発明の情報表示用パネルでは、クリア部23の幅が、表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%〜200%であることが好ましい。ここで、クリア部23の幅が表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%未満であると明るさ向上が望めず、クリア部23の幅が表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の200%を越えると色純度が低下してしまう。また、表示領域の合計面積Sに対してクリア部の面積の総和Skが、0.01<Sk/S<0.8であることが好ましい。ここで、Sk/Sが0.01以下であると明るさ向上が望めず、Sk/Sが0.8以上であると色純度が低下してしまう。
【0025】
また、本発明の情報表示用パネルでは、隔壁4は、完全にこの隔壁に囲まれたセル(1表示単位に相当する)またはピクセルを形成する連続的なものであっても、不完全にこの隔壁で囲まれたセル21を形成する断続的なものであってもよく、基板間ギャップを所定の大きさに保持する機能と、表示媒体の偏在を防止する機能とを有していればよい。また、図12のように、1表示単位を構成するセルを仕切って3つのピクセルとする内側2つの隔壁がなくてもよい。なお、1表示単位を構成するセルの内部に設ける隔壁は、基板ギャップより短い高さの隔壁とすることもできる。
【0026】
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
【0027】
基板については、カラーフィルターと設ける一方の基板はパネル外側から表示媒体3の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板としては、ガラスやセラミックス等の無機系基板や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、アクリルなどの有機高分子系基板を用いることが可能である。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
【0028】
必要に応じて設ける電極や導電部材の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、アンチモン錫酸化物(ATO))、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極や導電部材の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極や導電部材は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極や導電部材は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極や導電部材の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極や導電部材の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極や導電部材と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
【0029】
基板に設ける隔壁4については、その形状、設ける位置は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図14に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
【0030】
次に、本発明の情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体について説明する。なお、本発明の情報表示用パネルで用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
【0031】
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
【0032】
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
【0033】
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、粉体の流動性を示す指数である安息角を測定できないほど流動性に富むものであり、小さな電界の力でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
【0034】
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0035】
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
【0036】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0037】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
【0038】
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0039】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0040】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0041】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。その他、上記した添加剤を複数組み合わせて本発明で用いる表示媒体を構成する白色表示媒体用粒子や黒色表示媒体用粒子を作製することができる。このうち、白色表示媒体用粒子には酸化チタンなどの白色顔料を用いる事が好ましく、黒色表示媒体粒子にはカーボンなどの黒色顔料を用いる事が好ましい。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して、所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
【0042】
また、本発明の表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0043】
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体移動が可能となる。
【0044】
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0045】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0046】
表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
【0047】
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
【0048】
更に、表示媒体を気中空間で駆動する乾式の情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、例えば図1(a)、(b)〜図9において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4(隔壁を設けた場合)の占有部分、カラーフィルターの部分(カラーフィルターを基板の内側に設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0049】
本発明の情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の気中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞、電子マニュアル(取扱い説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP(Point of Presence, Point of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に用いられるほか、外部電界形成手段を用いて表示媒体を駆動するリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
【0051】
なお、本発明の情報表示用パネルの駆動方法については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブ駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例を示す図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの他の例を示す図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図7】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図8】本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図9】本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
【図11】本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。
【図12】本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を説明するための図である。
【図13】(a)〜(i)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルにおけるカラーフィルターのクリア部の一例を説明するための図である。
【図14】本発明の情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
【図15】従来の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
1、2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5、6R、6G、6B 電極
7B 黒色板
7W 白色板
8 絶縁液体
9 マイクロカプセル
10 回転ボール
11、12 外部電界形成手段
13、14 導電部材
21 セル
22R、22G、22B 透明カラーフィルター
23 クリア部
24 有色層
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルの従来例としては、図15に示すように、白黒2色の表示媒体(粒子群または粉流体)101W、101Bを、三原色の色の透明カラーフィルター102R、102G、102Bを各々配置した表示側の透明な基板103と基板104との間のセル105内の気中空間に封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネル(例えば特許文献1参照)がある。
【特許文献1】国際公開WO2004/008239号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来例の情報表示用パネルは、表示媒体として白粒子および黒粒子を用いる場合、白粒子からの反射光または黒粒子からの反射光を透明カラーフィルター102R、102G、102Bを通してカラー合成した反射光によってカラー表示を行う構成となっており、1画素を形成する隔壁106の頂上と基板103との間に有色層107を設けるとともに、各セル105を形成する隔壁108と基板103との間にも有色層107を設けているため、黒色濃度を高くすることはできるが、透明カラーフィルターによる吸収によってパネル表示面の表示状態が暗くなってしまう問題があった。
【0004】
本発明の目的は上述した問題点を解消して、パネル表示面の表示状態の明るさ向上が可能となる情報表示用パネルを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報表示用パネルの第1発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、一つのセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の情報表示用パネルの第2発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、各表示単位をさらに隔壁で仕切って3つのピクセルで構成し、3つのピクセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
なお、本発明の情報表示用パネルの好適例としては、クリア部が、穴、スリット、交差した直線、直線ストライプ、曲線ストライプのいずれかから構成されること、クリア部の幅が、表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%〜200%であること、表示領域の合計面積Sに対してクリア部の面積の総和Skが、0.01<Sk/S<0.8であること、がある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各表示単位のセルに三原色の色の透明カラーフィルターを配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けているため、パネル表示面の表示状態の明るさ向上が可能となる情報表示用パネルを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、本発明の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の対象となる情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動するにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0010】
本発明の情報表示用パネルの基本的な構成を、図1(a)、(b)〜図9に基づき説明する。
【0011】
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(個別電極)と基板2に設けた電極6(個別電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
図2(a)、(b)に示す例は、図1(a)、(b)に示す例から、表示単位内の隔壁を除いたものである。カラーフィルターを設ける場合、カラーフィルターと組み合わせて構成される1表示単位ごとに隔壁4でセルが形成されている例である。
【0012】
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図3(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図3(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
図4(a)、(b)に示す例は、図3(a)、(b)に示す例から、表示板以内の隔壁を除いたものである。カラーフィルターを設ける場合、カラーフィルターと組み合わせて構成される1表示単位ごとに隔壁4でセルが形成されている例である。
【0013】
図5(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率と帯電性を有する表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる。そして、図5(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図5(b)に示すように、黒色板7Bの色を観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図5(a)、(b)に示す例では、手前にある隔壁は省略している。電極は基板外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
図6(a)、(b)に示す例は、図5(a)、(b)に示す例の白色表示媒体3Wを黒色表示媒体3Bに代え、黒色板7Bを白色板7Wに代えて同様の表示を行うことを示す例である。
【0014】
図7(a)〜(d)に示す例では、まず、図7(a)、(c)に示すように、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段11と基板2の外側に設けた外部電界形成手段12との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図7(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図7(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図7(a)〜(d)において、手前にある隔壁は省略している。また、基板1の内側には導電部材13を設けるとともに、基板2の内側には導電部材14を設けている。この導電部材は設けなくてもよい。カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位として、対応カラーフィルターごとにセルが形成されている例である。
【0015】
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。粉流体については後述する。
【0016】
図8および図9に示す例では、図4(a)、(b)に示す例と同様に、ライン電極5、6を用いて白黒表示を行う他の例を説明している。図8に示す例では、図4(a)、(b)で示す白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填した隔壁4で形成されたセルの代わりに、白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを絶縁液体8とともに内部に充填したマイクロカプセル9を用いている。また、図9に示す例では、図4(a)、(b)で示す白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填した隔壁4で形成されたセルの代わりに、白色と黒色とを半々に塗り分け、極性も互いに反対に構成した回転ボール10を表示媒体として絶縁液体8とともに内部に充填したマイクロカプセル9を用いている。図8および図9に示すいずれの例も、図4(b)に示す例と同様に、白黒表示を行うことができ、カラーフィルターを設ける場合、図に示した三個のマイクロカプセルとRGB各カラーフィルターとを組み合わせて構成されるところを1表示単位としてカラー表示を行う例である。
【0017】
図10は本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。図10に示す例では、それぞれが隔壁4で仕切られた3つのセル21から1表示単位を構成した例を示し、3つのセル21に三原色の色の透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に設け、表示面側の透明基板2において、透明電極6に対応して透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に設けた構成となっている。本例では、電極5、6間に電圧を印加することで電界を発生させて、電界に応じて表示媒体3W、3Bを移動させることでカラー表示を行っている。なお、24は隔壁4の頂上と基板2との間に設けられた有色層である。また、カラー表示の場合には、三原色カラーフィルターを配置した3つのピクセルを1つのセットとしたセルが表示単位となり、この表示単位に含まれるピクセル毎に独立した表示媒体移動を行うことで、カラーフィルターを通して得られる3色の合成によるカラー表示を行える。
【0018】
図11は本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。図11に示す例では、それぞれが隔壁4で仕切られた3つのセル21から1表示単位を構成した例を示し、3つのセル21に三原色の色の透明カラーフィルター22R、22G、22Bを各別に設けた構成となっている。本例では、外部から電界を与えて、電界に応じて表示媒体3W、3Bを移動させることでカラー表示を行っている。なお、24は隔壁4の頂上と基板2との間に設けられた有色層である。
【0019】
図12は本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を説明するための図である。図12に示す例では、図10に示す構成のうち、1表示単位を構成する隔壁4(図10中両端の隔壁)はそのまま残し、透明カラーフィルター22Rと22Gとの間の隔壁および透明カラーフィルター22Gと22Bとの間の隔壁(図10中両端の隔壁以外の中心部の2つの隔壁)を除去した例を示している。本例でも本発明を好適に実施することができる。
【0020】
図10〜図12に示す例において、本発明の最大の特徴は、透明カラーフィルター22R、22G、22Bの各々に無色透明なクリア部23を設けた点にある。このように、透明カラーフィルター22R、22G、22Bの各々に無色透明なクリア部23を設けることで、反射光にてカラー表示を行う本発明の情報表示用パネルにおいても、全面が透明なカラーフィルターからなる従来例と比較して、カラーフィルターによる吸収を減少させることができ、パネル表示面の表示状態を色純度を保ちつつ明るくすることができる。カラーフィルター内の無色透明なクリア部23は、カラーフィルターを無色透明なクリア部と一致するように欠損させて形成した後で、カラーフィルター上に全面に無色透明の保護層を設けることで形成するか、または、カラーフィルターの欠損部だけに直接無色透明なクリア部を設けることで構成することができる。なお、カラーフィルターの幅は、少なくとも表示電極幅より大きくかつ隣り合うカラーフィルターが表示媒体用粒子の平均粒子径より大きく重なり合わないことが好ましい。カラーフィルターの幅が表示電極幅より小さいと、色純度が低下し、カラーフィルターの重なり幅が表示媒体用粒子の平均粒子径より大きいと明るさが低下してしまう。
【0021】
図13(a)〜(i)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルにおけるカラーフィルターのクリア部の一例を説明するための図である。図13(a)〜(i)に示す例では、1表示単位を構成する1組の透明カラーフィルター22R、22G、22Bに対するクリア部23の構成を示している。
【0022】
図13(a)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bにまたがった上部であって図中横方向にスリット形状のクリア部23を設けている。図13(b)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれの間であって図中縦方向にスリット形状のクリア部23を設けている。図13(c)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれに同じ間隔で配列された複数の円形状の穴からなるクリア部23を設けている。その他、穴の形状をさらに小さな直径の円形状の穴にしたり、四角形状や三角形状などの穴にすることもできる。図13(d)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれに同じ間隔で配列された複数のスター形状の穴からなるクリア部23を設けている。
【0023】
図13(e)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bにまたがった中央部であって図中横方向にスリット形状のクリア部23を設けている。図13(f)に示す例では、図13(b)と同様の、透明カラーフィルター22R、22G、22Bのそれぞれの間であって図中縦方向に設けたスリット形状のクリア部23であって、図13(b)に示す例よりも幅の大きいクリア部23を設けている。図13(g)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bにまたがって図中横方向に複数のスリット形状のクリア部23を設けている。図13(h)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bに対し図中左上から右下へ向かう交差する直線からなるクリア部23を設けている。図13(i)に示す例では、透明カラーフィルター22R、22G、22Bに対し図中左上から右下へ向かう交差する複数の直線からなるクリア部23を設けている。
【0024】
なお、本発明の情報表示用パネルでは、クリア部23の幅が、表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%〜200%であることが好ましい。ここで、クリア部23の幅が表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%未満であると明るさ向上が望めず、クリア部23の幅が表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の200%を越えると色純度が低下してしまう。また、表示領域の合計面積Sに対してクリア部の面積の総和Skが、0.01<Sk/S<0.8であることが好ましい。ここで、Sk/Sが0.01以下であると明るさ向上が望めず、Sk/Sが0.8以上であると色純度が低下してしまう。
【0025】
また、本発明の情報表示用パネルでは、隔壁4は、完全にこの隔壁に囲まれたセル(1表示単位に相当する)またはピクセルを形成する連続的なものであっても、不完全にこの隔壁で囲まれたセル21を形成する断続的なものであってもよく、基板間ギャップを所定の大きさに保持する機能と、表示媒体の偏在を防止する機能とを有していればよい。また、図12のように、1表示単位を構成するセルを仕切って3つのピクセルとする内側2つの隔壁がなくてもよい。なお、1表示単位を構成するセルの内部に設ける隔壁は、基板ギャップより短い高さの隔壁とすることもできる。
【0026】
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
【0027】
基板については、カラーフィルターと設ける一方の基板はパネル外側から表示媒体3の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板としては、ガラスやセラミックス等の無機系基板や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、アクリルなどの有機高分子系基板を用いることが可能である。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
【0028】
必要に応じて設ける電極や導電部材の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、アンチモン錫酸化物(ATO))、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極や導電部材の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極や導電部材は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極や導電部材は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極や導電部材の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極や導電部材の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極や導電部材と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
【0029】
基板に設ける隔壁4については、その形状、設ける位置は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図14に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
【0030】
次に、本発明の情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体について説明する。なお、本発明の情報表示用パネルで用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
【0031】
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
【0032】
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
【0033】
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、粉体の流動性を示す指数である安息角を測定できないほど流動性に富むものであり、小さな電界の力でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
【0034】
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0035】
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
【0036】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0037】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
【0038】
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0039】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0040】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0041】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。その他、上記した添加剤を複数組み合わせて本発明で用いる表示媒体を構成する白色表示媒体用粒子や黒色表示媒体用粒子を作製することができる。このうち、白色表示媒体用粒子には酸化チタンなどの白色顔料を用いる事が好ましく、黒色表示媒体粒子にはカーボンなどの黒色顔料を用いる事が好ましい。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して、所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
【0042】
また、本発明の表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0043】
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体移動が可能となる。
【0044】
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0045】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0046】
表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
【0047】
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
【0048】
更に、表示媒体を気中空間で駆動する乾式の情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、例えば図1(a)、(b)〜図9において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4(隔壁を設けた場合)の占有部分、カラーフィルターの部分(カラーフィルターを基板の内側に設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0049】
本発明の情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の気中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞、電子マニュアル(取扱い説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP(Point of Presence, Point of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に用いられるほか、外部電界形成手段を用いて表示媒体を駆動するリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
【0051】
なお、本発明の情報表示用パネルの駆動方法については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブ駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例を示す図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの他の例を示す図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図7】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図8】本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図9】本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
【図11】本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。
【図12】本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を説明するための図である。
【図13】(a)〜(i)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルにおけるカラーフィルターのクリア部の一例を説明するための図である。
【図14】本発明の情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
【図15】従来の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
1、2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5、6R、6G、6B 電極
7B 黒色板
7W 白色板
8 絶縁液体
9 マイクロカプセル
10 回転ボール
11、12 外部電界形成手段
13、14 導電部材
21 セル
22R、22G、22B 透明カラーフィルター
23 クリア部
24 有色層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、一つのセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とする情報表示用パネル。
【請求項2】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、各表示単位をさらに隔壁で仕切って3つのピクセルで構成し、3つのピクセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とする情報表示用パネル。
【請求項3】
クリア部が、穴、スリット、交差した直線、直線ストライプ、曲線ストライプのいずれかから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネル。
【請求項4】
クリア部の幅が、表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%〜200%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
【請求項5】
表示領域の合計面積Sに対してクリア部の面積の総和Skが、0.01<Sk/S<0.8であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
【請求項1】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、一つのセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とする情報表示用パネル。
【請求項2】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間の隔壁により形成されたセル(1表示単位に対応)内に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報をカラー表示する情報表示用パネルにおいて、各表示単位をさらに隔壁で仕切って3つのピクセルで構成し、3つのピクセルに三原色の色の透明カラーフィルターを各別に配置するとともに、各透明カラーフィルターに無色透明なクリア部を設けたことを特徴とする情報表示用パネル。
【請求項3】
クリア部が、穴、スリット、交差した直線、直線ストライプ、曲線ストライプのいずれかから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネル。
【請求項4】
クリア部の幅が、表示媒体を構成する粒子の平均粒子径の0.1%〜200%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
【請求項5】
表示領域の合計面積Sに対してクリア部の面積の総和Skが、0.01<Sk/S<0.8であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−164150(P2007−164150A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300646(P2006−300646)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
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