説明

情報表示装置、情報表示方法およびプログラム

【課題】視認性および操作性を損なうことなく、移動履歴を容易に把握すること。
【解決手段】複数の地点情報を移動履歴情報Dとして生成する移動履歴情報生成部17、地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報Eを生成する行動エリア情報生成部18、並びに、地点情報に基づく移動履歴情報Dと、行動エリア情報Eに基づく移動エリア領域との少なくとも一方を地図の画像情報Mと共に表示部11に表示させる表示制御部21を有する情報表示装置1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置、情報表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動履歴等の表示ができ、携帯できる端末を備えた移動経路表示システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される移動経路表示システムのホスト装置は、端末から送信されてきた位置情報および時刻情報を取得すると共に、取得したこれらの情報に基づいて、端末が移動した軌跡を示す情報と、地図の画像情報とを重畳させて表示装置に表示する。
【0003】
また、行動履歴(移動履歴)を簡易かつ容易に把握することができるナビゲーション装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2に開示されるナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)衛星からの受信信号に基づいた自己の位置情報から、予め複数に区分した領域内へのエントリー回数(領域に入った回数)をエリアカウンタによってカウントし、そのカウントした情報等と地図の画像情報とを表示部に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−194177号公報(図6,図7,図8等)
【特許文献2】特開2003−14475号公報(図3,図5,図6等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される移動経路表示システムのホスト装置は、全ての移動軌跡情報を処理して表示部に移動軌跡表示をさせるため、仮に大量の移動軌跡情報を処理する必要がある場合、地図の画像情報と移動軌跡情報とを重畳させて表示装置に表示させるまでに相当の時間を要し、操作性が低下する可能性がある。また、このホスト装置が仮に大量の移動軌跡情報と地図の画像情報とを重畳させて表示装置に表示させた場合、その表示装置の表示画面上に移動軌跡が大量に描画され、地図の画像情報および移動軌跡の視認性が著しく低下し、移動履歴を容易に把握することが困難になる。
【0006】
また、特許文献2に開示されるナビゲーション装置は、予め複数に区分された領域単位、および指定期間の長さに応じて、地図の画像情報と領域毎のエントリー回数とを表示させるものであり、上述した特許文献1とは異なり、指定期間における行動軌跡自体を表示させるものではない。それゆえ、このナビゲーション装置では領域毎のエントリー回数が表示されるのみで、時間的な行動推移を読み取ることが困難であり、より詳しい移動履歴を把握することも困難である。なお、特許文献2における予め複数に区分された領域(エリア)とは、その領域の大きさ(広さ)が異なる上下複数の階層に設定されるものであり、たとえば都道府県、市区町村、町名等の行政区画を用いて設定できるものとされている。
【0007】
しかしながら、このナビゲーション装置では、その階層的に設定されたそれぞれの領域単位において、エントリー回数を集計するものであるため、たとえば、異なる領域単位でのエントリー回数を把握しようとする場合、エントリー回数を集計する領域単位の指定をユーザが変更し、ナビゲーション装置がその変更された領域単位でのエントリー回数を逐一計算する必要があり、この計算処理に相当の時間を要し、操作性が低下する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題のいずれか1つを少なくとも解決するものであり、視認性および操作性を損なうことなく、移動履歴を容易に把握することができる情報表示装置、情報表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題のいずれか1つを少なくとも解決するために、本発明の情報表示装置の一側面は、検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報として生成する移動履歴情報生成部と、地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報を生成する行動エリア情報生成部と、移動履歴情報に基づく移動履歴と、行動エリア情報に基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部に表示させる表示制御部とを有する。
【0010】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述の構成に加えて、行動エリア情報生成部は、地点情報が示す位置を中心とし、この中心から第1の半径内に含まれる第1のエリアに基づいて行動エリア情報を生成することが好ましい。
【0011】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述のいずれかの構成に加えて、行動エリア情報生成部は、複数の地点情報のうちの一部に基づいて行動エリア情報を生成することが好ましい。
【0012】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述のいずれかの構成に加えて、行動エリア情報生成部は、第1のエリアと、地点情報が示す位置を中心とし、この中心から第1の半径より大きい第2の半径内に含まれる第2のエリアとに基づいて行動エリア情報を生成することが好ましい。
【0013】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述の構成に加えて、行動エリア情報生成部は、第1のエリアが、隣接する滞在または通過の地点に基づく第2のエリアに含まれている場合、第1のエリアと隣接する滞在または通過の地点に基づく第1のエリアとの共通外接線の内側に含まれる領域を行動エリアとすることが好ましい。
【0014】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述の構成に加えて、第1の半径と第2の半径との少なくとも一方を調整するエリア調整部を有し、行動エリア情報生成部は、エリア調整部が調整した第1の半径または第2の半径に基づいて行動エリア情報を生成することが好ましい。
【0015】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述の構成に加えて、エリア調整部は、移動履歴情報から算出される移動速度または移動履歴情報の生成頻度に応じて第1の半径と第2の半径との少なくとも一方を調整することが好ましい。
【0016】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述の構成に加えて、複数の移動履歴情報から進行方向を算出する進行方向算出部を有し、エリア調整部は、進行方向算出部で算出された進行方向の変化に応じて第1の半径と第2の半径との少なくとも一方を調整することが好ましい。
【0017】
また、本発明の情報表示装置の一側面は、上述の構成に加えて、地図の位置情報に関連付けられた周辺情報を記憶する記憶部を有し、エリア調整部は、周辺情報に基づいて第1の半径と第2の半径との少なくとも一方を調整することが好ましい。
【0018】
また、本発明の情報表示方法の一側面は、検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報として生成し、地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報を生成し、地点情報に基づく移動履歴情報と、行動エリア情報に基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部に表示させる。
【0019】
また、本発明のプログラムの一側面は、コンピュータを、検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報として生成する移動履歴情報生成手段と、地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報を生成する行動エリア情報生成手段と、地点情報に基づく移動履歴情報と、行動エリア情報に基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部に表示させる表示制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によれば、視認性および操作性を損なうことなく、移動履歴を容易に把握することができる情報表示装置、情報表示方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報表示装置の記憶部に記憶されている移動履歴情報の一例を示す図である。
【図3】図1に示す情報表示装置の記憶部に記憶されている行動エリア情報の一例を示す図である。
【図4】図3に示す行動エリア情報の作成方法の一例を説明するための図である。
【図5】図3に示す行動エリア情報の作成方法の一例を説明するための図である。
【図6】図3に示す行動エリア情報の作成方法の一例を説明するための図である。
【図7】図1に示す情報表示装置が実行する移動エリア作成方法の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す情報表示装置が実行する情報表示方法の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8に示す情報表示方法により表示部に表示される移動履歴情報の表示例を示す図である。
【図10】図8に示す情報表示方法により表示部に表示される行動エリア情報の表示例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る情報表示装置のエリア調整部が実行する半径エリアの調整方法を説明するための図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る情報表示装置のエリア調整部が実行する半径エリアの調整方法を説明するための図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る情報表示装置のエリア調整部が実行する半径エリアの調整方法を説明するための図である。
【図14】図1に示す情報表示装置の記憶部に記憶されている行動エリア情報の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る情報表示装置1及びその変形例について、図1〜図14を参照しながら説明する。なお、本発明の一実施形態に係る情報表示方法及びその変形例については、情報表示装置1の動作と共に説明する。
【0023】
(本発明の実施形態に係る情報表示装置1の構成について)
情報表示装置1の構成について図1を参照して説明する。図1は、情報表示装置1のブロック図である。情報表示装置1は、制御部10と、表示部11と、入力部12と、記憶部13と、通信部14と、位置検出部15と、音声出力部16と、移動履歴情報生成部17と、行動エリア情報生成部18と、エリア調整部20と、および表示制御部21とを有する。
【0024】
制御部10は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などで構成され、情報表示装置1全体を制御するものである。
【0025】
制御部10は、たとえば、表示部11に情報を表示させる制御、入力部12の操作入力を受け付ける制御、記憶部13に情報を記憶し、または読出しを行う制御、通信部14に通信を行わせる制御、位置検出部15に情報表示装置1の現在位置情報を取得させる制御、音声出力部16に出力する音声データのエンコード等の処理を行う制御、移動履歴情報生成部17に移動履歴情報Dを生成させると共に、生成された移動履歴情報Dを記憶部13に記憶させる制御、行動エリア情報生成部18に行動エリア情報Eを生成させると共に、生成された行動エリア情報Eを記憶部13に記憶させる制御、入力部12の操作入力によって発生する信号を各部に伝達する制御などを行う。なお、制御部10は、上記以外の制御ができるものでもよいし、これらの一部のみを制御し、その一部以外は他の制御部等(不図示)が制御し、制御部10と他の制御部等が協働して実行されるようなものであってもよい。
【0026】
表示部11は、たとえば、液晶情報表示装置、有機EL(Electro Luminescence)情報表示装置などのディスプレイ装置で構成され、制御部10の制御によって各種情報(たとえば、移動軌跡を示す移動履歴情報D、行動エリア情報E、地図の画像情報M、など)を表示する。
【0027】
入力部12は、たとえば、表示部11に重畳されて設けられるタッチパネルなどで構成され、制御部10に対してユーザからの操作に基づく信号を入力する。このタッチパネルは、表示部11の表示が透過して見えるように設けられ、表示部11に表示されるアイコンに対応する位置のタッチパネルの部位をユーザが指などで押圧することにより制御部10に所定の操作入力の信号が伝達される。なお、タッチパネルの方式は、マトリクススイッチ、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などのいずれであってもよい。その他に、入力部12は、押し釦スイッチ、キースイッチなどのスイッチ類、またはポインター機能(表示部11の画面上の所定位置を指摘する機能)を有するもの、マイクなどの音声入力ができるものであってもよい。
【0028】
記憶部13は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)または情報表示装置1の電源のON/OFFに関わらず情報を保持できる不揮発性メモリ(フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)など)などで構成され、制御部10の制御により情報が記憶される、または予め記憶されている情報を制御部10からの指示によって読み出すことができる。なお、記憶部13は、HDD、不揮発性メモリに加え、一時記憶用としてRAM(Random Access Memory)を有してもよい。あるいは、記憶部13は、外部記憶装置と接続するためのインタフェースを有してもよい。この場合、外部記憶装置としては、たとえばSD(Secure Digital)カードまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。なお、記憶部13には、たとえば、移動履歴情報D,行動エリア情報E,および地図の画像情報Mなどが記憶されるデータベース記憶部13Aと、各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部(不図示)とを有している。
【0029】
通信部14は、たとえば、無線または有線LAN(Local Area Network)インタフェースなどで構成され、情報表示装置1が放送局(不図示)などからコンテンツデータを受信する場合、そのコンテンツデータの受信インタフェースとして機能する。また、通信部14は、情報表示装置1が携帯電話端末としての機能を有するものである場合、携帯電話システムの基地局装置との電話通信またはEメール送受信などの通信制御を行うと共に、携帯電話回線を用いて各種データ通信を行うものでもよい。また、通信部14は、情報表示装置1に対して情報を提供する情報提供装置(サーバ:不図示)などとのネットワークを介した通信を行うための通信制御あるいはネットワークを介した電話通信またはメール通信のための通信制御を行うものでもよい。あるいは、情報表示装置1が車載されているような場合、通信部14は、Bluetooth(登録商標)などとの通信制御を行うものでもよい。さらには、通信部14は、VICS(Vehicle Information and Communication System)からの情報を受信する機能を有していてもよい。
【0030】
位置検出部15は、たとえば、GPS(Global Positioning System)などのような準天頂衛星からの信号を受信する。そして、位置検出部は、かかる準天頂衛星からの信号を受信することによって、情報表示装置1の現在位置を検出する。なお、位置検出部15は、準天頂衛星からの信号を受信する装置以外でも情報表示装置1の現在位置を検出可能であれば代替することができる。たとえば、情報表示装置1が携帯電話端末としての機能を有するものである場合、位置検出部15は、通信部14を用いて現在受信している基地局の位置情報を受信し、情報表示装置1の現在位置を推定することができる。あるいは、情報表示装置1が車載装置である場合、位置検出部15は、通信部14を用いてVICSなどから情報表示装置1の現在位置情報を取得するようにしてもよい。
【0031】
音声出力部16は、たとえば、音声出力端子または情報表示装置1に内蔵されているスピーカなどで構成され、制御部10の制御によって再生された音声または通信部14を介して受信した音声放送情報を出力する。なお、音声出力部16は、DAC(Digital Analog Converter)を含み、出力するデジタル信号からなる音声情報をアナログ信号からなる音声情報に変換した上で出力するようにしてもよい。
【0032】
移動履歴情報生成部17は、たとえば、プログラム記憶部(不図示)に記憶されている専用または汎用のプログラムを制御部10のCPU等で読み込むことにより実現される。移動履歴情報生成部17は、位置検出部15で検出された位置情報に基づいて情報表示装置1の滞在または通過を示す地点情報Pである移動履歴情報Dを生成する。移動履歴情報Dには、たとえば、位置検出部15で検出した緯度情報,経度情報,および日時情報などが含まれる。なお、移動履歴情報の詳細については後述する。なお、移動履歴情報生成部17が生成した移動履歴情報Dは、制御部10により記憶部13のデータベース部13Aに記憶される。記憶部13のデータベース部13Aに記憶される移動履歴情報Dには、それぞれが識別可能となるように個別にIDを付与して記憶するようにしてもよい。
【0033】
行動エリア情報生成部18は、たとえば、プログラム記憶部(不図示)に記憶されている専用または汎用のプログラムを制御部10のCPU等で読み込むことにより実現される。行動エリア情報生成部18は、記憶部13のデータベース部13Aに記憶されている移動履歴情報Dに所定の処理を施して行動エリア情報Eを生成する。なお、行動エリア情報生成部18が行動エリア情報Eを生成するために実行する所定の処理の詳細については後述する。
【0034】
進行方向算出部19は、たとえば、プログラム記憶部(不図示)に記憶されている専用または汎用のプログラムを制御部10のCPU等で読み込むことにより実現される。進行方向算出部19は、後述するエリア調整部20の制御によって、移動履歴情報生成部17により生成された複数の地点の位置情報から情報表示装置1の移動方向(進行方向)を算出することができる。なお、進行方向算出部19が実行する処理の詳細については後述する。
【0035】
エリア調整部20は、たとえば、プログラム記憶部(不図示)に記憶されている専用または汎用のプログラムを制御部10のCPU等で読み込むことにより実現される。エリア調整部20は、移動履歴情報生成部17により生成された複数の地点の位置情報から行動範囲と推測される領域について調整することができる。なお、エリア調整部20が実行する処理の詳細については後述する。
【0036】
表示制御部21は、たとえば、プログラム記憶部(不図示)に記憶されている専用または汎用のプログラムを制御部10のCPU等で読み込むことにより実現される。表示制御部21は、入力部12の操作入力を受付けた制御部10の制御により、ユーザが所望する条件に合致する情報を表示させる。たとえば、表示制御部21は、移動履歴情報Dに基づく画像を表示部11に表示させる。表示制御部21が表示部11に表示させる移動履歴情報Dには、たとえば、移動履歴情報生成部17により生成された移動履歴情報Dに含まれる位置情報を地図の画像情報Mに重畳させた画像(マッピングさせた画像)、行動エリア情報生成部18により生成された行動エリア情報Eを地図の画像情報Mに重畳させた画像、および移動履歴情報Dに含まれる位置情報と、その移動履歴情報Dに対応した行動エリア情報Eと、地図の画像情報Mとをすべて重畳させた画像などがある。なお、表示制御部21は、移動履歴情報D、行動エリア情報E、および地図の表示情報Mを重畳させずに、別々に表示させるようにしてもよい。制御部20が表示させるこれらの詳細については後述する。
【0037】
(移動履歴情報Dについて)
図2は、図1に示す情報表示装置1の記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dの一例を示す図である。図2に示されるように、記憶部13に記憶される移動履歴情報Dには、たとえばID、緯度、経度、日付、および時刻を示す情報などがある。これらの情報は、移動履歴情報生成部17が位置検出部15により検出された位置を示す情報と、その位置を示す情報が検出された日時を示す情報等から生成され、記憶部13に記憶されるものである。なお、日時を示す情報として、日付、時刻を例示したが、これ以外にも相対的に時刻の前後関係が分かるように記憶されてもよく、移動履歴情報Dが複数ある場合に、それらの新旧が判別できるものであればよい。
【0038】
図2に示す移動履歴情報Dは、位置情報検出部15の検出頻度に併せて移動履歴情報生成部17がたとえば3秒毎に作成し、記憶部13にすべて記憶されている。しかしながら、記憶部13には、移動履歴情報生成部17により生成された移動履歴情報Dをすべて記憶しなくてもよい。また、移動履歴情報生成部17についても位置情報検出部15により検出された位置情報すべてを使用して移動履歴情報Dを生成しなくてもよい。
【0039】
すなわち、位置情報検出部15が位置情報を検出する頻度、移動履歴情報生成部17が移動履歴情報Dを生成する頻度、および移動履歴情報Dを記憶部13に記憶する頻度は、記憶部13に蓄積できる記憶容量、行動エリア情報Eを生成するために必要となる移動履歴情報Dの蓄積可能期間等に応じて適宜変更することが可能である。情報表示装置1は、これらを調整することにより、記憶部13の記憶容量に制限がある場合でも移動履歴情報Dを適切に蓄積することが可能となる。
【0040】
(行動エリア情報Eについて)
図3は、図1に示す情報表示装置1の記憶部13に記憶されている行動エリア情報Eの一例を示す図である。図3に示されるように、記憶部13に行動エリア情報Eとして記憶されている情報には、たとえばID、緯度、経度、および期間を示す情報などがある。行動エリア情報Eは、移動エリアとして求められた領域の外枠上の地点の座標データが所定期間(たとえば、1時間単位、1週間単位、1ヶ月単位など)の単位で記憶されているものである。なお、図3に示すIDは、図2に示すIDとは異なり、行動エリア情報Eそれぞれを識別するために付与される識別情報である。
【0041】
図3に示す行動エリア情報Eは、上述した行動エリア情報生成部18により生成され、記憶部13に記憶されるものである。なお、表示制御部21は、ユーザが入力部12を操作して入力される信号に基づいて表示期間を特定し、特定された表示期間に該当する行動エリア情報Eに含まれる地点を検索し、検索された所定領域を行動エリアとして表示部11に表示させる。この図3に示す行動エリア情報Eは、後述する行動エリア情報の作成方法により作成された2つの現在エリア(円領域)の共通外接線とこれらの現在エリアとの接する点の緯度情報、および経度情報が地点の位置情報として記憶されており、指定された表示期間におけるこれらの地点の位置情報を繋ぐことで行動エリアを描画することができる。
【0042】
(行動エリア情報Eの作成方法について)
図4,図5,および図6は、図3に示す行動エリア情報Eの作成方法の一例を説明するための図である。なお、図3に示す行動エリア情報Eの作成方法は、図4,図5,および図6に示す作成方法以外の方法であってもよい。
【0043】
図4に示す地点PAは、記憶部13に記憶されている緯度および経度を示す情報から求められる地点の座標データと仮定したものである。なお、地点PAを中心点として所定の半径R1で描かれた円に囲まれる領域A1(第1のエリアの一例)をこの地点PAの現在エリアと称する。さらに、この地点PAを中心点とし、かつ現在エリアの半径R1より大きい半径R2の円に囲まれる領域A2(第2のエリアの一例)を地点PAの近隣エリアと称する。この現在エリアおよび近隣エリアの形状は、必ずしも真円である必要はなく、略円形、楕円形、その他の形状として規定するものでもよい。
【0044】
行動エリア情報生成部18は、現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2について、エリア調整部20によって予め設定された所定の値を参照する。なお、エリア調整部20は、複数の移動履歴情報Dから算出される情報表示装置1の移動速度、または移動履歴情報生成部17により生成される移動履歴情報Dの生成頻度に応じて現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2のいずれか一方、あるいは両方について予め設定された所定の値を調整することができる。しかしながら、エリア調整部20は、情報表示装置1の移動速度、移動履歴情報Dの生成頻度とは関係なく、現在エリアの半径R1および近隣エリアA2の半径R2のいずれか一方、あるいは両方について予め所定の値を設定してもよい。また、近隣エリアA2は設けなくてもよいが、移動速度が速い場合に隣接する現在エリア同士が接せず行動エリア情報Eを特定できないため近隣エリアA2を設けるのが好ましい。
【0045】
行動エリア情報生成部18は、図4に示すように、記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dの各地点について、上述した作成方法で現在エリア、近隣エリアの領域を求める。図5は、たとえば、行動エリア情報生成部18が記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dである6つの地点(地点PA,地点PB,地点PC,地点PD,地点PE,地点PFとする)から求められたそれぞれの現在エリア、近隣エリアの領域を可視化させたものである。そして、図6は、図5に示す6つの地点から求められた行動エリア情報にもとづく移動エリアを可視化させたものである。
【0046】
まず、行動エリア情報生成部18は、各地点の現在エリアの領域を移動エリアとして判定する。さらに、行動エリア情報生成部18は、各地点の現在エリアに加えて、ある地点の現在エリアが、他の地点の近隣エリアに含まれるか否かを判定する。
【0047】
行動エリア情報生成部18は、ある地点の現在エリアが、他の地点の近隣エリアに含まれる場合には、各地点の現在エリアを構成する円の領域と、それらの現在エリア(円の領域)の共通外接線の内側に含まれる領域も行動エリアとして特定する。
【0048】
具体的には、エリア情報生成部18は、地点PBおよび地点PCとの関係において、地点PBの現在エリアを構成する円B1と、地点PCの点エリアを構成する円C1と、それら2つの円B1と円C1の2つの共通外接線の内側に含まれる領域(図5のT1およびT2の領域)を行動エリアとして特定する。
【0049】
同様に、行動エリア情報生成部18は、地点PD、地点PE、地点PFのそれぞれの関係においてもこの判定を行い、行動エリアを特定する。すると、図6に示すような領域X1,X2,X3が最終的に生成される。なお、行動エリアとして領域X3のように3点以上の地点から特定する場合、図6に示す例では、地点PDと地点PEと地点PFの関係において、ある1つの地点は、他の2つの地点の近隣エリアに必ず含まれているが、少なくとも他の1つの地点の近隣エリアに含まれていれば、1つの行動エリアの領域として特定するようにしてもよい。すなわち、図6に示す例において、地点PEが地点PDの近隣エリアD2のみで、地点PFの近隣エリアF2に含まれていなくてもよい。その他の地点においても同様の考え方である。なお、行動エリア情報生成部18は、各地点の現在エリアのみを行動エリアとして特定するようにしてもよい。そのようにする場合、エリア調整部20は、行動エリアそのものを調整するものとして機能させるようにしてもよい。
【0050】
図7は、図1に示す情報表示装置1が実行する移動エリア作成方法の一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、制御部10の制御により移動エリア作成部19に行動エリア情報Eの作成を実行させているが、説明の便宜上、制御部10を主語として説明する。
【0051】
START:制御部10は、情報表示装置1の電源がONになる、または行動エリア情報Eの作成指示を示す信号が入力部12から入力されると、ステップS1の処理を開始する。
【0052】
ステップS1:制御部10は、記憶部13に記憶されている移動履歴情報D(たとえば図2)を参照して、所定期間(たとえば、1ヶ月、3ヶ月など)の移動履歴情報Dの蓄積が完了したか否かを判定する。制御部10は、所定期間の移動履歴情報Dの蓄積が完了している場合(ステップS1でYES)、ステップS2の処理へ移行するが、蓄積が完了していない場合(ステップS1でNO)、このステップS1の判定処理を継続する。
【0053】
なお、ステップS1において、制御部10は、記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dの蓄積量とは関係なく、所定間隔(たとえば、毎月、3ヶ月間隔など)のタイミングでステップS2の処理へ移行するようにしてもよい。また、この所定間隔については、ユーザが入力部12を介して予め設定できるようにしてもよい。
【0054】
さらに、ステップS1において、制御部10は、入力部12を介してユーザから所定期間における行動エリア情報Eの作成指示がなされた場合に、ステップS2の処理へ移行するようにしてもよい。
【0055】
すなわち、行動エリア情報Eの作成タイミングは、情報表示装置1の有する機能に応じて適宜設計してもよい。
【0056】
ステップS2:制御部10は、記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dを参照し、これらの移動履歴情報Dに基づいた行動エリア情報Eを作成するために、記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dを所定の頻度(たとえば10分に1地点の頻度など)の情報のみとなるように移動履歴情報Dの数を間引く。すなわち、制御部10は、移動履歴情報Dの日時情報(図2に示す日付、時刻を示す情報など)を参照して、一部の移動履歴情報Dのみを抽出する。
【0057】
なお、ステップS2において、制御部10は、効率的に行動エリア情報Eを生成するために、記憶部13に記憶されている移動履歴情報Dの一部を使用するようにしている。しかしながら、情報表示装置1の性能が十分にあり、処理速度に影響がでない場合には、制御部10は、ステップS2を実行しないで、ステップS1の処理からステップS3の処理へ直接移行するようにしてもよい。また、ユーザが入力部12を介して、この抽出頻度を設定できるようにしてもよい。
【0058】
ステップS3:制御部10は、ステップS2で間引いた移動履歴情報Dのすべてを処理して行動エリア情報Eを生成したか否かを判定する。なお、制御部10は、ステップS2を実行しない場合には、記憶部13を参照して移動履歴情報Dを取得し、取得した行動エリア情報Eすべてを処理して行動エリア情報Eを生成したか否かを判定する。そして、制御部10は、移動履歴情報Dのすべてを処理して行動エリア情報Eを生成した場合(ステップS3でYES)には、後述するステップS7の処理に移行するが、すべてを処理して生成していない場合(ステップS3でNO、すなわち未処理の移動履歴情報Dがある場合)には、ステップS4の処理へ移行する。
【0059】
ステップS4:制御部10は、未処理の移動履歴情報Dを記憶部13から抽出する。制御部10は、未処理の移動履歴情報Dを記憶部13から抽出すると、ステップS5の処理へ移行する。
【0060】
ステップS5:制御部10は、未処理の移動履歴情報Dが示す1つの地点の座標データからその地点における現在エリアと近隣エリアを上述した方法で算出する。さらに、制御部10は、その地点における近隣エリアに含まれており、かつステップS2で間引いた移動履歴情報Dに含まれる地点における現在エリアと近接エリアを上述した作成方法で全て求める。制御部10は、ステップS5の処理が完了すると、ステップS6の処理へ移行する。
【0061】
ステップS6:制御部10は、図4,図5,および図6を参照して説明したように、移動履歴情報Dに基づいて移動エリアを特定する。そして、制御部10は、移動エリアを特定し、ステップS3の判定処理条件(対象となる移動履歴情報Dをすべて処理したか否か)を満たしている場合には、ステップS7の処理へ移行し、満たしていない場合には、ステップS4の処理へ戻り、再び未処理の移動履歴情報Dについて行動エリアを特定する処理に移行する。
【0062】
ステップS7:制御部10は、ステップS6の処理が完了すると、移動エリアとして特定された領域の座標データを記憶部13に保存して、行動エリア情報Eの生成を終了する(END)。
【0063】
なお、制御部10は、行動エリア情報Eが生成された移動履歴情報Dについては、所定のタイミング(たとえば1年間分の行動エリア情報Eの履歴が記憶部13に蓄積された場合、または入力部12を介してユーザから削除指示がなされた場合など)で古い情報から順番に削除するようにしてもよい。これにより、情報表示装置1は、大量の移動履歴情報Dを常に保持していなくともよい。
【0064】
また、制御部10は、記憶部13に記憶された行動エリア情報Eについても、所定単位(たとえば1ヶ月単位)で自動的に生成すると共に、さらに所定単位(たとえば、1年単位)の行動エリア情報Eの履歴が蓄積した場合に自動的にこれらを統合する、または、ユーザの指示により統合する(たとえば、所定単位で古い複数の行動エリア情報Eを移動エリア履歴情報として結合するなど)ようにしてもよい。これにより、情報表示装置1は、行動エリア情報Eについても効率よく管理すると共に、行動エリア情報Eの履歴として蓄積することができる。
【0065】
(情報表示方法について)
図8,図9,および図10を参照しながら、情報表示装置1が実行する情報表示方法について説明する。図8は、図1に示す情報表示装置1が実行する情報表示方法の一例を示すフローチャートである。図9は、図8に示す情報表示方法により表示部11に表示される移動経路上の滞在または通過を示す地点情報Pの移動履歴情報Dの表示例を示す図である。図10は、図8に示す情報表示方法により表示部11に表示される行動エリア情報Eの表示例を示す図である。
【0066】
図8において、制御部10は、情報表示装置1の電源がONになると、以下の処理を開始する。
【0067】
ステップS10:制御部10は、履歴情報の表示指示が入力部12を介して入力されると、その表示指示が要求する表示期間について所定の閾値判定(たとえば、閾値として1ヶ月以上であるか否かをの閾値判定)を実行し、その判定に従った情報を記憶部13から取得する。たとえば、制御部10は、入力部12から入力された表示指示が、2月10日〜2月15日の5日間が指定された場合、所定の閾値を超えていないので記憶部13のデータベース記憶部13Aを参照して、該当期間の移動履歴情報Dが示す地点の座標データをすべて取得する。一方、制御部10は、入力部12から入力された表示指示が、たとえば、1ヶ月などの月単位、または年単位が指定された場合、所定の閾値以上なので記憶部13のデータベース記憶部13Aを参照して、該当期間の行動エリア情報Eが示す地点の座標データをすべて取得する。制御部10は、座標データを取得するとステップS11の処理へ移行する。
【0068】
ステップS11:制御部10は、ステップS10において、移動履歴情報Dが示す地点の座標データを取得した場合、表示制御部21により該当する地図の画像情報Mにこれらをプロットし、日付、または時刻順にプロットされた地点の座標データを線で繋ぎあわせ、これらを履歴情報として表示部11に表示させ、処理を終了する(END)。図9に示すように、表示部11の表示画面11Aには、地図に移動経路上の移動軌跡に基づいて、滞在または通過を示す地点情報Pの移動履歴情報Dを直線で結んだ状態が表示される。
【0069】
また、制御部10は、ステップS10において、行動エリア情報Eが示す地点の座標データを取得した場合、表示制御部21によりこれらの座標データを線で繋ぎあわせると共に、これらの領域内を、地図の画像情報Mの色とは異なる色に設定(着色)して、地図の画像情報Mに重畳させたものを表示部11に表示させ、処理を終了する(END)。図10に示すように、表示部11の表示画面11Bには、地図の画像情報Mと共に、行動エリア情報Eに基づいた行動エリアが表示される。
【0070】
なお、情報表示装置1の制御部10は、移動履歴の表示指定期間の長さに応じて、表示制御部21により表示させる情報を移動履歴情報Dおよび行動エリア情報Eのいずれか一方と地図の画像情報Mを重畳して表示させるようにしているが、表示制御部21により移動履歴情報Dおよび行動エリア情報Eの両方を地図の画像情報Mと重畳して表示部11に表示させるようにしてもよい。
【0071】
また、制御部10は、移動履歴の表示指定期間の長さに応じて、表示制御部21により移動履歴情報Dの一部と行動エリア情報E、移動履歴情報Dと行動エリア情報Eの一部を地図の画像情報Mと重畳して表示部11に表示させるようにしてもよい。たとえば、制御部10は、表示指定期間内において、表示制御部21により最も古い移動履歴情報Dおよび最も新しい移動履歴情報Dと、行動エリア情報Eとを組み合わせたものを地図の画像情報Mと重畳して表示部11に表示させるようにしてもよい。
【0072】
また、たとえば、制御部10は、表示制御部21により表示指定期間内に含まれる移動履歴情報Dの一部の地点と、行動エリア情報Eを組み合わせたものを地図の画像情報Mと重畳して表示部11に表示させるようにしてもよい。なお、移動履歴情報Dおよび行動エリア情報Eと、地図の画像情報Mとは必ずしも重畳して表示部11に表示しなくてもよく、別々に表示させるようにしてもよい。
【0073】
すなわち、制御部10は、ユーザが所望する移動履歴の表示ができるように、表示制御部21により移動履歴情報D、行動エリア情報E、および地図の画像情報Mを様々な方法で組み合わせて表示部11に表示させるようにしてもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態に係る情報表示装置1について説明したが、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。たとえば、制御部10は、エリア調整部20により以下に説明するような調整をすることができる。
【0075】
たとえば、制御部10は、エリア調整部20によりこれから行動エリア情報Eを求めるある地点(移動履歴情報D)について、既に作成されている行動エリア情報Eを考慮して、これらの半径を調整するようにしてもよい。
【0076】
具体的には、制御部10は、図7のステップS4〜ステップS6の処理を繰り返し実行している途中に、エリア調整部20によりこれから行動エリア情報Eを求めるある地点(移動履歴情報D)と時間的、地理的に近い位置(たとえば、ある地点の日時と30分以内の日時情報を有すると共に、ある地点との位置関係が100m以内の位置情報を有する場合など)を含む行動エリア情報Eがある場合、この行動エリア情報Eに含まれる位置(たとえば、その行動エリア情報Eが作成されたときの中心点の座標データなど)を起点として情報表示装置1の移動方向(進行方向)を進行方向算出部19により推測し、その移動方向との関係に応じて、これから行動エリア情報Eを求める地点(移動履歴情報D)の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2を調整するようにしてもよい。以下に、このようなエリア調整を行う変形例について図11を参照して説明する。
【0077】
図11は、本発明の他の実施形態に係る情報表示装置1A(不図示)のエリア調整部20Aが実行する半径エリアの調整方法を説明するための図である。なお、この情報表示装置1Aのエリア調整部20A以外の構成および機能は、上述した情報表示装置1と同様であるため、同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0078】
図11に示すように、移動履歴情報Dとして、(N−2)地点、(N−1)地点、(N)地点(時刻を示す情報は、(N−2)地点、(N−1)地点、(N)地点の順番で記録されている)があったと仮定する。エリア調整部20は、進行方向算出部19により算出された結果に基づいて情報表示装置1の移動推移を判別する。まず、進行方向算出部19は、これらの地点の時刻情報から(N−2)地点から(N−1)地点へ時間的な推移があることが判別できるため、情報表示装置1の移動方向は、(N−2)地点から(N−1)地点へ向かうF1方向であると判別する。そして、進行方向算出部19は、(N−1)地点から(N)地点がF1方向と比較してどの方角(どの角度)に位置するのかを算出し、その算出結果を通知されたエリア調整部20が、(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2を調整する。
【0079】
具体的には、進行方向算出部19は、(N−2)地点と(N−1)地点との間を直線で結び、その直線の延長線H1と、(N−1)地点とN地点とを結んだ直線H2とで構成される角度θ1を計算する。エリア調整部20は、進行方向算出部19により算出された角度θ1が所定の角度θ2以内(たとえば、θ2=30度など)であるか否かを判定することにより、(N−1)地点から(N)地点までの進行方向を推定する。エリア調整部20は、進行方向算出部19により算出された角度θ1が所定の角度θ2以内であると判定した場合、情報表示装置1は、(N−2)地点と(N−1)地点で移動していたF1方向と同じような方向に向かって移動したと推測されるので、(N)地点に基づく行動エリアが小さくなるように、(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2は、予め設定された所定の値より小さくする。
【0080】
逆に、エリア調整部20は、進行方向算出部19により計算された角度θ1が所定の角度θ2以内ではないと判定した場合には、情報表示装置1が(N−2)地点と(N−1)地点で移動していたF1方向と同じような方向に向かって移動していないと推測されるため、行動エリアが大きくなるように、(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2は、予め設定された所定の値より大きくする。なお、エリア調整部20は、略同一方向に向かって移動しているか否かの判別に加えて、さらに詳細な判別(たとえば、θ2>θ1のとき、さらにθ1は角度θ2より角度が小さい別の所定の角度以内であるかなど)を行って、その判別結果に応じて(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2を、予め設定された所定の値よりどれだけ小さく、または大きくするかを段階的に設定するようにしてもよい。
【0081】
図11に示して説明した調整方法により、既に作成された行動エリア情報Eに含まれる地点から推測される進行方向と同じような方向で移動するものと考えられる地点については、行動エリアの範囲が狭くなるように半径を予め設定された所定の値より小さくすることができる。また、図11に示して説明した調整方法により、既に作成された行動エリア情報Eに含まれる地点から推測される進行方向とは同じような方向で移動していないと考えられる地点については、行動エリアの範囲が広くなるように半径を予め設定された所定の値より大きくすることができる。
【0082】
つまり、図11に示して説明した調整方法およびその調整方法を採用した情報表示装置1Aは、実際に移動した方向を推測して、より適切に行動エリアを作成することが可能となる。
【0083】
また、たとえば、情報表示装置1のエリア調整部20は、既に求められた複数の行動エリア情報Eにおいても、それらの行動エリア情報Eを考慮して、現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2のいずれか一方、あるいはその両方を調整するようにしてもよい。
【0084】
具体的には、図7のステップS7の処理が完了した後に、エリア調整部20によって作成された行動エリア情報Eについて、その行動エリア情報Eより更に過去に作成され、かつその過去に作成された行動エリア情報Eと時間的、地理的に近くに位置する行動エリア情報E(たとえば、ある行動エリア情報Eに含まれる地点の日時と30分以内の日時情報を有すると共に、位置関係が100m以内の位置情報を有する他の行動エリア情報E2など)から、情報表示装置1の移動方向(進行方向)の妥当性を評価し、その評価内容により、作成された行動エリア情報Eの現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2のいずれか一方、あるいはその両方を事後的に調整するようにしてもよい。以下に、このようなエリア調整を行う変形例について図12を参照して説明する。
【0085】
図12は、本発明の他の実施形態に係る情報表示装置1B(不図示)のエリア調整部20Bが実行する半径エリアの調整方法を説明するための図である。なお、この情報表示装置1Bのエリア調整部20B以外の構成および機能は、上述した情報表示装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
たとえば、移動履歴情報Dとして、(N)地点、(N+1)地点、(N+2)地点(時刻を示す情報は、(N)地点、(N+1)地点、(N+2)地点の順番で記録されている)があり、これらの地点における行動エリア情報Eについての作成は、図8に示すステップS7の処理まで完了したものと仮定する。そして、(N+1)地点と(N+2)地点との時間的および位置的関係から、情報表示装置1は、(N+1)地点から(N+2)地点へと進むF2方向で移動していたものと推測されるため、(N)地点から(N+1)地点の間もこのF2方向と略同一方向の範囲で進んだと仮定した場合の妥当性を判定する。
【0087】
具体的には、進行方向算出部19は、直線J1と、(N+1)地点と(N)地点とを結ぶ直線J2とにより構成される角度θ3を計算する。そして、エリア調整部20は、進行方向算出部19により算出された角度θ3が所定の角度θ4以内(たとえば、θ4=30度など)であるか否かにより、(N)地点から(N+1)地点までの進行方向をF2方向と推測した妥当性を評価する。エリア調整部20は、進行方向算出部19により算出された角度θ3が所定の角度θ4以内である場合、F2方向と推測したことは妥当な評価であり、情報表示装置1は、(N)地点付近と同じような方向に向かって移動した可能性が高いと推測されるので、(N)地点に基づく行動エリアが小さくなるように、(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2は、予め設定された所定の値より小さくする。
【0088】
逆に、エリア調整部20は、進行方向算出部19により算出された角度θ3が所定の角度θ4以内ではない場合には、情報表示装置1は、(N)地点から(N+1)地点へはF2方向と同じような方向に向かって移動していないと推測されるため、行動エリアが大きくなるように、(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2は、予め設定された所定の値より大きくする。なお、エリア調整部20は、略同一方向に向かって移動したか否かの判別に加えて、さらに詳細な判別を行って(たとえば、θ4>θ3のとき、さらにθ3は角度θ4より角度が小さい別の所定の角度以内であるかなど)、(N)地点の現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2を、予め設定された所定の値よりどれだけ小さく、または大きくするかを段階的に設定するようにしてもよい。
【0089】
図12に示して説明した調整方法により、既に作成された行動エリア情報Eに含まれる地点(たとえば、その行動エリア情報Eが作成されたときの中心点が示す座標データなど)から推測される進行方向と略同一方向に向かって移動したか否かにより、その推測される進行方向の妥当性を評価し、妥当であると判定した場合には、この地点付近の狭い範囲で行動した可能性が高いと評価できるため、行動エリアの範囲が狭くなるように半径を予め設定された所定の値より小さくすることができる。また、推測される進行方向が妥当ではないと判定した場合には、その地点付近の広い範囲で行動した可能性が高いと評価できるため、行動エリアの範囲が広くなるように半径を予め設定された所定の値より大きくすることができる。
【0090】
つまり、図12に示して説明した調整方法およびその調整方法を採用した情報表示装置1Bは、行動エリア間の関係を考慮することで、行動エリアを事後的に適切な範囲に調整することが可能となる。
【0091】
さらに、たとえば、情報表示装置1のエリア調整部20は、地図の画像情報Mに関連付けられた情報(たとえば、周囲の建物の高さを示す情報など)について記憶部13を参照して、現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2のいずれか一方、あるいはその両方を調整するようにしてもよい。
【0092】
具体的には、エリア調整部20は、ある地点の周囲の建物に関する情報などが関連付けられて記憶部13に記憶されている場合に、周囲の建物が所定の高さ以上(たとえば、100m以上の高さ)である場合には、現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2のいずれか一方、あるいはその両方を予め設定された所定の値より大きくするようにしてもよい。一方、エリア調整部20は、周囲の建物が所定の高さ未満(たとえば、100m未満の高さ)である場合には、現在エリアの半径R1および近隣エリアの半径R2のいずれか一方、あるいはその両方を予め設定された所定の値より小さくするようにしてもよい。以下に、このようなエリア調整部20を有する変形例について図13を参照して説明する。
【0093】
図13は、本発明の他の実施形態に係る情報表示装置1C(不図示)のエリア調整部20Cが実行する半径エリアの調整方法を説明するための図である。なお、この情報表示装置1Cのエリア調整部20C以外の構成および機能は、上述した情報表示装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
図13に示すように、エリア調整部20Cは、ある地点の現在エリアの半径R1について、周囲の建物情報を参照して、ある地点付近(たとえば半径100メートル以内の範囲など)にある建物の高さが所定の高さ以上(たとえば100メートルなど)である場合、所定の値から段階的に大きくなるように調整する。また、エリア調整部20Cは、ある地点の現在エリアの半径R1について、周囲の建物情報を参照して、ある地点付近(たとえば半径100メートル以内の範囲)にある建物の高さが所定の高さ未満である場合、所定の値から段階的に小さくなるように調整する。なお、エリア調整部20Cは、周囲にある建物の高さではなく、建物の個数で調整するようにしてもよい。
【0095】
図13に示して説明した調整方法により、ある地点の周囲の建物の高さが高いと判定された場合には、建物が障害物となってGPS電波の乱反射等が起こることにより、検出された位置が必ずしも正確ではないと推測されるため、想定される行動エリアの範囲を大きく(広く)することができる。また、図13に示して説明した調整方法により、ある地点の周囲の建物が高くないと判定された場合には、障害物がないことからGPS電波の乱反射等も起こりにくく、検出された位置は正確である可能性が高いため、想定される行動エリアの範囲について変更しない、もしくは小さくすることができる。
【0096】
つまり、図13に示して説明した調整方法およびその調整方法を採用した情報表示装置1Cは、行動エリアを周囲の環境に応じて適切な範囲に調整することが可能となる。
【0097】
また、図3に示した記憶部13に記憶されている行動エリア情報Eは次のようなものであってもよい。図14は、図1に示す情報表示装置1の記憶部13に記憶されている行動エリア情報Eの他の一例を示す図である。図3に示した行動エリア情報Eとの違いは、図12に示す行動エリア情報Eには行動エリア画像が関連付けられており、緯度、経度にはこの行動エリア画像の中心座標が記憶されている。表示制御部21は、入力部12からの指示による表示期間内に該当する行動エリア画像を検索し、検索された行動エリア画像と、地図の画像情報Mとを表示部11に表示する。
【0098】
これにより、所定期間すべての移動履歴情報Dを保持する必要がなくなると共に、行動エリア画像が既に作成されているため、地図の画像情報Mと共に表示させるまでの時間を図3に示す方法と比較して短縮することが可能となる。
【0099】
また、情報表示装置1に、たとえば、加速度センサ(姿勢検出)、ジャイロセンサ(方向の変化検出)、地磁気センサ(方向検出)、その他のセンサ類の中から、少なくとも1つを有するようにしてもよい。
【0100】
これにより、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサを有する情報表示装置1は、位置検出部15によって取得した現在位置に関する情報を高精度化目的で補完することが可能となる。
【0101】
以上に説明したように、本発明の一実施形態に係る情報表示装置1は、検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報Dとして生成する移動履歴情報生成部17と、地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報Eを生成する行動エリア情報生成部18と、移動履歴情報Dに基づく移動履歴と、行動エリア情報Eに基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部11に表示させる表示制御部21とを有している。
【0102】
これにより、情報表示装置1は、移動履歴を表示させる際に、指定された期間に応じて、移動履歴情報Dおよび行動エリア情報Eの少なくとも1つを地図の画像情報Mと共に表示部11に表示させることで表示処理時間を短縮することができるため、ユーザは表示処理を待つ時間が少なくなり操作性が損なわれない。また、情報表示装置1は、移動履歴情報Dおよび行動エリア情報Eの両方を表示部11に表示させる場合であっても、既に移動履歴情報Dに対応する行動エリア情報Eの作成が完了していれば、いずれか一方を表示させる場合と同様に表示待ち時間が少なくなることから、操作性が損なわれない。また、情報表示装置1は、仮に処理すべき移動履歴情報Dの量が多い場合であっても、所定の閾値判定により該当する行動エリア情報Eを表示部11に表示させることにより、地図の視認性を低下させない。また、情報表示装置1は、仮に記憶部13の記憶容量の問題から古い移動履歴情報Dがない場合であっても、ユーザが指定した期間に該当する行動エリア情報Eを表示部11に表示させることができる。すなわち、情報表示装置1およびこの情報表示装置1が実行する情報表示方法は、視認性および操作性を損なわずに、移動履歴を容易に把握することが可能となる。
【0103】
また、情報表示装置1は、行動エリア情報生成部18は、地点情報が示す位置を中心とし、この中心から現在エリア(第1の半径内に含まれる第1のエリア)に基づいて行動エリア情報Eを生成している。
【0104】
これにより、情報表示装置1は、位置情報検出部15により検出された位置情報からユーザの行動エリアを簡易に推測することが可能となる。
【0105】
また、行動エリア情報生成部18は、複数の地点情報のうちの一部に基づいて行動エリア情報Eを生成している。
【0106】
これにより、情報表示装置1は、大量の移動履歴情報Dを処理する場合であっても一部の移動履歴情報Dを処理することによって効率的に行動エリア情報Eを生成することが可能となる。
【0107】
また、行動エリア情報生成部18は、現在エリアと、地点情報が示す位置を中心とし、この中心から現在エリアの半径(第1の半径)より大きい半径(第2の半径)を有する近隣エリア(第2のエリア)とに基づいて行動エリア情報Eを生成している。
【0108】
これにより、情報表示装置1は、行動エリアとして扱う領域と、行動エリアであるか否かを判断する際に他の地点との関係を考慮する領域の関係を参考にして、行動エリア情報Eを生成することが可能となる。
【0109】
また、行動エリア情報生成部18は、現在エリアが、隣接する滞在または通過の地点に基づく近隣エリアに含まれている場合、現在エリアと隣接する滞在または通過の地点に基づく現在エリアとの共通外接線の内側に含まれる領域を行動エリアとしている(図5の場合、T1,T2の領域)。
【0110】
これにより、情報表示装置1は、現在エリアと、現在エリアと他の移動履歴情報Dにおける近隣エリアとの関係において、これらの地点間の距離が近い場合には行動エリアとしてみなされ、連続的な領域として表現できるため、移動推移を視覚的に表現することが可能となる。
【0111】
また、情報表示装置1は、現在エリアの半径と近隣エリアの半径との少なくとも一方を調整するエリア調整部20を有し、行動エリア情報生成部18は、エリア調整部20が調整した現在エリアと近隣エリアに基づいて行動エリア情報Eを生成するようにしている。
【0112】
これにより、情報表示装置1は、行動エリアとしての範囲を移動履歴情報Dの生成状況に応じて自由に調整することが可能となる。
【0113】
また、エリア調整部20は、移動履歴情報Dから算出される移動速度または移動履歴情報Dの生成頻度に応じて現在エリアと近隣エリアの少なくとも一方を調整するようにしている。
【0114】
これにより、情報表示装置1は、現在エリアの半径および近隣エリアの半径のいずれか一方、あるいはその両方の半径を、情報表示装置1の移動速度、位置情報検出部15の検出頻度等の情報を元に調整することで、適切な行動エリアを表示させることが可能となる。
【0115】
また、本発明の他の実施形態に係る情報表示装置1A,1Bは、複数の移動履歴情報Dから進行方向を算出する進行方向算出部19を有し、エリア調整部20Aが進行方向算出部19で算出された進行方向の変化に応じて現在エリアと近隣エリアとの少なくとも一方を調整するようにしている。これにより、情報表示装置1Aは、実際に移動した方向を推測して、より適切に行動エリアを作成することが可能となる。また、情報表示装置1Bは、行動エリア間の関係を考慮することで、行動エリアを事後的に適切な範囲に調整することが可能となる。
【0116】
また、本発明の他の実施形態に係る情報表示装置1Cは、地図の位置情報に関連付けられた周辺情報を記憶する記憶部13を有し、エリア調整部20Cが周辺情報に基づいて現在エリアと近隣エリアとの少なくとも一方を調整するようにしている。
【0117】
これにより、情報表示装置1Cは、上述した情報表示装置1,1A,1Bが奏する効果に加えて、行動エリアを周囲の環境に応じて適切な範囲に調整することが可能となる。なお、エリア調整部20,20A,20B,20Cのすべて、またはこれらの複数の調整方法を採用するようにしてもよい。
【0118】
また、上述した情報表示装置1、1A,1B,1Cが実行する各情報表示方法についても上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0119】
また、上述した情報表示装置1、1A,1B,1Cが実行する各処理の一部または全部は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。上述した情報表示装置1、1A,1B,1Cが実行する処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ハードウェアとしてのコンピュータにインストールされ、これらが協働して実行されることで情報表示装置1、1A,1B,1Cの各部として機能させることができる。すなわち、このようなプログラムについても、コンピュータを上述した情報表示装置1、1A,1B,1Cの各部として機能させるものであるから、上述した情報表示装置1、1A,1B,1Cの奏する各効果と同様の効果をそれぞれ奏することができる。なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0120】
1,1A,1B,1C…情報表示装置、10…制御部、11…表示部、12…入力部、13…記憶部、13A…データベース記憶部、14…通信部、15…位置情報取得部、16…音声出力部、17…移動履歴情報生成部、18…行動エリア情報生成部、19…進行方向算出部、20,20A,20B,20C…エリア調整部、21…表示制御部、A1,B1,C1,D1,E1,F1…現在エリア(第1のエリア)、A2,B2,C2,D2,E2,F2…近隣エリア(第2のエリア)、X1,X2,X3…行動エリア、D…移動履歴情報、E…行動エリア情報、M…地図の画像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報として生成する移動履歴情報生成部と、
前記地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報を生成する行動エリア情報生成部と、
前記移動履歴情報に基づく移動履歴と、前記行動エリア情報に基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部に表示させる表示制御部と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記行動エリア情報生成部は、
前記地点情報が示す位置を中心とし、この中心から第1の半径内に含まれる第1のエリアに基づいて前記行動エリア情報を生成することを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報表示装置であって、
前記行動エリア情報生成部は、
前記複数の地点情報のうちの一部に基づいて前記行動エリア情報を生成することを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の情報表示装置であって、
前記行動エリア情報生成部は、
前記第1のエリアと、前記地点情報が示す位置を中心とし、この中心から前記第1のエリアの半径より大きい第2の半径内に含まれる第2のエリアとに基づいて前記行動エリア情報を生成することを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報表示装置であって、
前記行動エリア情報生成部は、
前記第1のエリアが、隣接する滞在または通過の地点に基づく前記第2のエリアに含まれている場合、前記第1のエリアと隣接する滞在または通過の地点に基づく前記第1のエリアとの共通外接線の内側に含まれる領域を行動エリアとすることを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の情報表示装置であって、
前記第1の半径と前記第2の半径との少なくとも一方を調整するエリア調整部を有し、
前記行動エリア情報生成部は、
前記エリア調整部が調整した前記第1の半径または前記第2の半径に基づいて前記行動エリア情報を生成することを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報表示装置であって、
前記エリア調整部は、
前記移動履歴情報から算出される移動速度または前記移動履歴情報の生成頻度に応じて前記第1の半径と前記第2の半径との少なくとも一方を調整することを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の情報表示装置であって、
複数の前記移動履歴情報から進行方向を算出する進行方向算出部を有し、
前記エリア調整部は、
前記進行方向算出部で算出された進行方向の変化に応じて前記第1の半径と前記第2の半径との少なくとも一方を調整することを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の情報表示装置であって、
前記地図の位置情報に関連付けられた周辺情報を記憶する記憶部を有し、
前記エリア調整部は、
前記周辺情報に基づいて前記第1の半径と前記第2の半径との少なくとも一方を調整することを特徴とする情報表示装置。
【請求項10】
検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報として生成し、
前記地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報を生成し、
前記地点情報に基づく移動履歴情報と、前記行動エリア情報に基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部に表示させる、
ことを特徴とする情報表示方法。
【請求項11】
コンピュータを、
検出された位置情報に基づいて移動経路上で滞在または通過の地点を示す地点情報を順次記憶し、複数の地点情報を移動履歴情報として生成する移動履歴情報生成手段と、
前記地点情報に所定の処理を施して行動エリア情報を生成する行動エリア情報生成手段と、
前記地点情報に基づく移動履歴情報と、前記行動エリア情報に基づく行動エリアとの少なくとも一方を、地図の画像情報と共に表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−127778(P2012−127778A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279050(P2010−279050)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】