説明

情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラム

【課題】走行中の車両に関する情報を容易に取得させ、表示画面を用いた走行中のエンターテインメント性を向上させること。
【解決手段】車両に搭載される情報表示装置であって、車両の速度情報およびエンジン回転数情報の少なくともいずれかを取得する取得部101と、一つの表示画面103を制御して、道路および当該道路の路側帯を3次元に立体的に見えるように表示し、取得部103によって取得された車両の速度情報またはエンジン回転数情報に基づいて、速度またはエンジン回転数に応じて、路側帯の表示を動的に変化させるように表示する表示制御部102と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムに関する。ただし、本発明の利用は前述の情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムには限らない。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の速度情報およびエンジンの回転数の表示は、円形の表示計(メータ)を用いたアナログ表示か、数字を用いたデジタル表示によっておこなわれるのが一般的であった。また、それぞれ別個の表示計(メータ)によって表示されていた。また、これらの表示は、通常運転者が視認しやすいように運転者の目前に設定されているのが一般的であった。また、車載ナビゲーション装置には地図情報を表示するための表示画面が上記表示計とは別に備えられていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来技術では、車載ナビゲーション装置を搭載した車両において、地図情報を表示しない場合には、あらかじめ用意されたアニメーション画像を表示するか、表示画面の電源をオフするしかなかった。したがって、当該表示画面が有効に使用されず、運転者または同乗者に対するエンターテインメント性に欠けるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明にかかる情報表示装置は、車両に搭載される情報表示装置であって、前記車両の速度情報およびエンジン回転数情報の少なくともいずれかを取得する取得手段と、一つの表示画面を制御して、道路および当該道路の路側帯を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の速度情報またはエンジン回転数情報に基づいて、速度またはエンジン回転数に応じて、前記路側帯の表示を動的に変化させるように表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
また、請求項5に記載の発明にかかる情報表示装置は、車両に搭載される情報表示装置であって、前記車両の傾斜角情報および横G(gravity)情報の少なくともいずれかを取得する取得手段と、一つの表示画面を制御して、道路を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の傾斜角情報または横G情報に基づいて、傾斜または横Gに応じて、前記道路の表示を動的に変化させるように表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項8に記載の発明にかかる情報表示方法は、車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、前記車両の速度情報およびエンジン回転数情報の少なくともいずれかを取得する取得工程と、道路および当該道路の路側帯を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の速度情報またはエンジン回転数情報に基づいて、速度またはエンジン回転数に応じて、前記路側帯の表示を動的に変化させるように表示する表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0007】
また、請求項9に記載の発明にかかる情報表示方法は、車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、前記車両の傾斜角情報および横G(gravity)情報の少なくともいずれかを取得する取得工程と、一つの表示画面を制御して、道路を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の傾斜角情報または横G情報に基づいて、傾斜または横Gに応じて、前記道路の表示を動的に変化させるように表示する表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0008】
また、請求項10に記載の発明にかかる情報表示プログラムは、請求項8または9に記載の情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(情報表示装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の内容について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1において、車両(四輪車、二輪車を含む)などに備えられた情報表示装置は、取得部101と、表示制御部102と、表示画面103とを含む構成となっている。
【0012】
取得部101は、車両の速度情報およびエンジン回転数情報の少なくともいずれかを取得する。すなわち、車両の速度情報のみでもよく、車両のエンジン回転数情報のみでもよく、また、車両の速度情報および車両のエンジン回転数情報の両方であってもよい。また、取得部101は、車両の傾斜角情報および横G情報の少なくともいずれかを取得する。すなわち、車両の傾斜角情報のみでもよく、車両の横G情報のみでもよく、また、車両の傾斜角情報および車両の横G情報の両方であってもよい。
【0013】
さらに、取得部101は、上記情報以外の車両の状態に関する情報、たとえば、加速度情報、角速度情報、電圧情報、方向情報、時刻情報、緯度経度情報、トルク情報、馬力情報などをあわせて取得するようにしてもよい。
【0014】
表示制御部102は、一つの表示画面103を制御して、道路およびその道路の路側帯を3次元に立体的に見えるように表示する。そして、車両の速度情報またはエンジン回転数情報に基づいて、速度またはエンジン回転数に応じて、路側帯の表示を動的に変化させるように表示する。このように、走行時において最も重要な情報の一つである車両の速度情報と、その速度情報に関連がある車両のエンジン回転数を、同一画面上に同時に表示することができるので、これら複数の情報を、視線を移動させることなく、または特別の操作をすることなく、同時に視認することができ、走行中においても両者の関係を瞬時に確認できる。
【0015】
具体的には、取得部101が車両の速度情報およびエンジン回転数情報を両方とも取得する。そして、表示制御部102が取得部101によって取得された速度情報およびエンジン回転数を同時に表示する。
【0016】
さらにより具体的には、表示制御部102は、取得部101によって取得された速度情報を上記路側帯の左右のいずれか一方に表示し、取得部101によって取得されたエンジン回転数情報を速度情報を表示した路側帯とは別のもう一方の路側帯(すなわち、速度情報を右側の路側帯に表示した場合は左側の路側帯、速度情報を左側の路側帯に表示した場合は右側の路側帯)に表示する。
【0017】
上記路側帯は、たとえば傾斜面の色を所定の色に変化させることによって、当該所定の色の部分(いわゆる「路側帯バー」)が伸縮しているように見せて、この路側帯バーが伸張して路側帯の先(遠方)まで伸張したように見える場合に、車両の速度またはエンジン回転数が増加し、反対に、収縮して見える場合に、車両の速度またはエンジン回転数が減少したことを示すようにするとよい。
【0018】
また、表示制御部102は、路側帯に所定角度の傾斜面を有して見えるように表示する。そして、その傾斜面上の表示を動的に変化させる。これによって、傾斜面の先、すなわち、遠くまで伸びても確認しやすくなるとともに、車両の速度またはエンジン回転数に応じた細かい動きを表現しやすくなる。
【0019】
また、表示制御部102は、一つの表示画面103を制御して、道路を3次元に立体的に見えるように表示し、車両の傾斜角情報に基づいて、傾斜に応じて、道路の表示を動的に変化させるように表示する。具体的には、たとえば傾斜がプラス(すなわち上り坂)の場合に、表示画面103に表示している道路に傾斜を付け、登り坂となって見えるように表示する。反対に、傾斜がマイナス(すなわち下り坂)の場合に、表示画面103に表示している道路に傾斜を付け、下り坂となって見えるように表示する。このようにすることで、運転者または同乗者は、走行中の車両内からは明確に認識できない傾斜を表示画面103を通じて直感的に認識することができるようになる。
【0020】
また、表示制御部102は、一つの表示画面103を制御して、道路を3次元に立体的に見えるように表示し、車両の横G情報に基づいて、横Gに応じて、道路の表示を動的に変化させるように表示する。具体的には、たとえば、左側に横Gが発生した場合に、車両は右側へカーブを切っていると判断し、道路が右側方向へ向いているように表示する。反対に、右側に横Gが発生した場合に、車両は左側へカーブを切っていると判断し、道路が左側方向へ向いているように表示する。そして、横Gの量によって左右の方向量を決定する。したがって、横Gが左右いずれにも発生していない場合は、直進していると判断し、道路が前方方向を向いている(左右いずれにも向いていない)ように表示する。
【0021】
このように、上記本実施の形態によれば、地図情報を表示させない場合の表示画面の有効利用を図ることで、エンターテインメント性を向上させつつ、走行に必要な情報である、速度情報や、エンジン回転数情報を特別な表示領域を確保することなく確認することができる。また、走行中における速度とエンジン回転数やその他の状態情報との関係を一見して把握することができる。
【0022】
また、表示制御部102は、道路上に車両を示す画像を表示画面103に表示するとともに、表示画面103に表示された道路の脇に示す背景を前方から後方へ流れているように表示する。すなわち、道路の前方側から建造物を出現させるように表示し、その建造物を道路に沿って前方へ移動させるように表示し、その建造物が最も手前側に移動してきたところで、その建造物を消去するように表示する。これによって、表示画面103に表示された車両が道路上を走行しているように見せることができる。
【0023】
さらに、取得部101が、車両の速度情報を取得し、表示制御部102が、取得部103によって取得された速度情報に基づいて、上記背景を移動させる速度を変更する。これによって、たとえば、車両が停車すれば背景の移動も止まり、速度を上げるほど背景の移動速度も増加させることができ、速度に関する感覚を表示画面103を通じて認識することができる。
【0024】
また、表示画面103は、専用の表示画面であってもよく、また、車載ナビゲーション装置の表示画面であってもよい。表示画面103が、車載ナビゲーション装置の表示画面を用いることによって、車載ナビゲーション装置を備えた車載にあっては、別途表示画面103を装着しなくてもよい。また、車載ナビゲーション装置の表示画面を用いることによって、運転者だけでなく助手席の同乗者も表示内容を容易に確認することができ、運転のナビゲーションを容易におこなうことができる。
【0025】
したがって、車載ナビゲーション装置を用いて、ナビゲーション機能を用いていない場合のエンターテインメント性を向上させることができる。すなわち、地図情報を表示する代わりに、現在走行中の車両の速度情報やエンジン回転数を同時に表示することで、運転者あるいは同乗者がドライブをより楽しむことができる。
【0026】
(情報表示装置の処理の手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の処理の手順について説明する。図2は、この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0027】
図2のフローチャートにおいて、まず、表示画面103がONされているか否かを判断する(ステップS201)。そして、ONされるのを待って、ONされた場合(ステップS201:Yes)は、車両の速度情報を取得し(ステップS202)、取得された速度情報を表示画面103の所定の領域に表示する(ステップS203)。また、車両のエンジン回転数情報、傾斜角情報、横G(gravity)情報などの状態情報を取得し(ステップS204)、上述したように、取得された状態情報を表示画面103の所定の領域にあらかじめ定められた表示方法で表示する(ステップS205)。
【0028】
つぎに、表示画面103がOFFされたか否かを判断し(ステップS206)、OFFされていない場合(ステップS206:No)は、所定の経過時間(たとえば数msec)が経過したかを判断する(ステップS207)。ここで、所定時間が経過するのを待って、経過した場合(ステップS207:Yes)は、ステップS202へ戻って、速度情報および状態情報の取得・表示を繰り返しておこなう。
【0029】
このように処理することによって、刻々と変化する速度情報およびエンジン回転数情報、傾斜角情報、横G(gravity)情報などの状態情報を表示画面103に表示することができる。そして、ステップS206において、表示画面がOFFされた場合(ステップS206:Yes)は、一連の処理を終了する。
【実施例】
【0030】
(ハードウエア構成)
つぎにこの発明の実施例にかかる情報表示装置のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明の実施例にかかる情報表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図3において、情報表示装置は、表示制御部102として機能するCPU301と、RAM302と、ROM303と、メモリ304と、時計305とを含む構成となっている。また、ユーザ操作部310と、走行中の車両の速度を検出する速度センサ311と、車両のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ312と、車両の傾斜角を検出する傾斜角センサ313と、車両の加速度を検出する加速度センサ314と、コーナリングの際の車両の角速度を検出する角速度センサ315と、コーナリングの際、遠心力によって発生する外向きの力(重力)である横Gを検出する横Gセンサ316とが、表示制御部102に接続されている。
【0032】
また、人工衛星からの電波を受信することによって車両の位置(緯度経度情報)を検出するGPS317、車両の進行方向を検出するジャイロセンサ318、車両の電気系統の電圧センサ319とが、表示制御部102に接続されている。これらの各センサ311〜319によって取得部101の機能を実現する。また、表示画面103として機能するディスプレイ320と、さらには、アンプ321と、スピーカ322とが、表示制御部102に接続されている。
【0033】
図示は省略するが、情報表示装置は、トルク(トルクとは、軸を回転させる力)情報や、馬力(馬力とは、馬での仕事量を数値化したもの)情報を検出するセンサを備えていてもよい。
【0034】
ここで、CPU301は表示制御をするとともに、情報表示装置の全体を制御する。RAM302は、CPU301のワークエリアとして使用される。ROM303は、情報表示装置の基本処理プログラムを記憶している。メモリ304は、各種情報を記憶する。具体的には、たとえば、ハードディスク(HD)であり、その代わりにあるいはHDに加えて、DVD、コンパクトディスク(CD)などの着脱可能な記録媒体であってもよい。また、時計305は、現在時刻に関する情報を計時し記憶する。
【0035】
ユーザ操作部310は、たとえばタッチパネル、リモコン、情報表示装置に備えられたボタンなどによってその機能を実現する。また、ディスプレイ320は、具体的には、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを含む。また、通信インタフェース(I/F)323は、外部の通信装置と無線によってデータ通信をおこなう。
【0036】
さらに、図示を省略するが、一般的な車載ナビゲーション装置が備える地図DBと、ナビゲーション制御部と、位置認識部と、案内音出力部と、地点検索部と、経路取得部と、経路誘導部と、案内音生成部と、を含む構成となっていてもよい。
【0037】
ここで、ナビゲーション制御部は、位置認識部によって算出された自車位置情報と、地図DBとに基づいて、ディスプレイ320へ地図上のどの位置を走行しているかを出力する。
【0038】
案内音出力部は、アンプ321を用いて一つまたは複数のスピーカ322への出力を制御することによって、案内音を再生する。
【0039】
地点検索部は、ユーザ操作部310から入力された情報に基づいて、任意の地点を検索し、これをディスプレイ320へ出力する。また、経路取得部は、地点検索部によって得られた地点情報に基づいて、当該地点までの最適な経路を算出する。また、経路誘導部は、経路取得部によって得られた情報と自車位置情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなう。
【0040】
案内音生成部は、パターンに対応したトーンと音声のデータを生成する。すなわち、経路情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこない、これを案内音出力部へ出力する。
【0041】
(情報表示装置の表示例)
つぎに、この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示の一例について説明する。図4および図5は、この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の一例を示す説明図である。図4に示す表示画面(ディスプレイ)において、400は車両を示しており、401は前方方向へ延びて見えるように表示した道路であり、車両400は道路401上を走行しているように表示する。道路401は、前方方向へ延びて見えるように表示するために、前方へ行くに従って細くなるよう表示する。
【0042】
なお、道路401の表示方法は、これに限定されるものではなく、表示画面の左側から右側へ、あるいは右側から左側へ走行しているように表示するようにしてもよい。また、運転者または同乗者の操作によって道路401上の車両400の車種、色などを変更することができる。
【0043】
その場合に、本装置が搭載されている車両と同じ車種、色などを再現するようにしてもよい。そして、表示画面の車両情報は、図3に示したRAM302、ROM303に格納しておく。また、運転者または同乗者の操作によって 車両400のみを不表示とすることもできる。その場合に、実際にフロントガラスから運転者または同乗者が見ることができる風景に似せて表示画面103に表示するようにしてもよい。
【0044】
また、道路401の両脇には、所定の角度を有する路側帯402a(右側)、402b(左側)が存在する。そして、この路側帯402a、402bの傾斜面に路側帯バー403a、403bを表示する。路側帯402a、402bの両側に複数の建造物420を表示し、その建造物420を道路401に沿って前方側から手前側に移動させるように表示する。この建造物420は、あらかじめ用意された架空の建造物でもよく、上記地図情報から取得した実際の建造物であってもよい。
【0045】
404aは、所定の角度を有する路側帯402aによって設けられた速度情報表示領域(右側)であり、図4においては、現在の速度である『136km/h』を表示している。また、404bは、所定の角度を有する路側帯402bによって設けられたエンジン回転数情報表示領域(左側)であり、図4においては、現在のエンジン回転数である『7600rpm』を表示している。
【0046】
一方、図5においては、速度情報表示領域(右側)404aには、現在の速度である『105km/h』を表示しており、その速度に合わせて、路側帯バー403aも、図4に比べて短くなるように表示している。また、エンジン回転数速度情報表示領域(左側)404bには、現在のエンジン回転数である『6900rpm』を表示しており、そのエンジン回転数に合わせて、路側帯バー403bも、図4に比べて短くなるように表示している。
【0047】
路側帯バー403aは、所定の速度以上で色を変化させる。たとえば、制限速度を超えた場合あるいは危険速度に達した場合に、路側帯バー403aの所定の位置から先端部分のみの色を変化させてもよく(たとえば通常青色で表示し、所定の部分から先を赤色で表示する)、路側帯バー403a全体の色を変化させてもよい(たとえば通常は路側帯バー403aの全体を青色で表示させておき、所定の速度を超えると、路側帯バー403aの長さが長くなるとともに、路側帯バー403aの全体を赤色で表示する)。これによって、色の変化を認識することで、所定の速度を超えたことを感覚的に把握させることができる。
【0048】
路側帯バー403bも、路側帯バー403aと同様に、所定のエンジン回転数以上で色を変化させる。これによって、特にマニュアル車においては、路側帯バー403bの色が変化した瞬間にシフトチェンジをすることで、オーバーレブを防止することができるようになる。
【0049】
405aは加速度情報表示マーク(加速側)であり、405bは加速度情報表示マーク(減速側)である。加速度情報表示マーク405a、405bのいずれか一方の色が変化する。これは、車両400の前方に見えるように表示した加速情報表示マーク(加速側)405aの色が変化することによって加速している状況を示し、逆に、車両400の後方に見えるように表示した加速情報表示マーク405bの色が変化することによって減速している状況を示している。また、変化する色によって、加速(または減速)の度合いを示すようにしてもよい。たとえば、加速の度合いが大きくなるのに応じて赤色の濃度をより濃くするようにしてもよい。
【0050】
また、加速(または減速)の度合いに応じて、色の変化の代わりに、加速度情報表示マーク405a、405bの大きさや形状を変化させるようにしてもよい。たとえば、加速の度合いが大きくなるにしたがって、加速度情報表示マーク405aを大きくしたり、また、加速度情報表示マーク405aの三角形の頂点の角度を鋭角にしたりするようにしてもよい。
【0051】
406aはそれぞれ横G情報表示マーク(右側)であり、406bはそれぞれ横G情報表示マーク(左側)である。横G情報表示マーク406a、406bは、横Gの量に応じて、横Gが小さい場合は内側のマークの色などを変化させ、横Gが大きくなるにしたがって、外側のマークの色などを変化させて表示する。そして、あらかじめ定められた最大量になった場合に、一番外側のマークの色などを変化させて表示する。したがって、直進していていずれの方向にも横Gがかかっていない場合は、いずれのマークにおいても色などは変化させない。
【0052】
図4においては、車両400が直進しているため、横Gはかかっておらず、いずれのマークの色も変化していないが、図5においては、左にカーブを切っているため、右側に横Gが係っており、内側から2番目のマークの色のみを変化させている。また、横Gがかっている場合は、マークの近傍に横Gの量を数字で表示するようにしてもよい(図5における『+0.28G』)。
【0053】
407は傾斜角情報表示領域(SLOPE)であり、レベルメータを表示することによって現時点における傾斜量を表示する。また、その近傍に傾斜量を数字で表示するようにしてもよい(図4における『+7.5%』、図5における『+3.8%』)。また、傾斜量に応じて、道路401もその傾斜の見せ方を変化させる。すなわち、図4における道路401と図5における道路401とを比較すると、より傾斜量が大きい図4における道路401(『+7.5%』)の方が、図5における道路401(『+3.8%』)よりも、傾斜して見えるように表示している。
【0054】
すなわち、図4における道路401の前方の先端部401aの画面上における位置(高さ)が、図5におけるの道路401の前方の先端部401aの画面上における位置(高さ)よりも高い位置になるように(換言すると、道路401の基点となっている基点部分401bと先端部401aとの幅を広げるように)表示している。
【0055】
これによって、画面上の車両400が傾斜を昇っているように見え、より感覚的に傾斜量を知ることができる。反対に、傾斜量がマイナスの場合は、先端部401aと基点部分401bの幅を狭くすることによって、画面上の車両400が傾斜を下っているように見せることができる。
【0056】
408は電圧情報表示領域(VOLT)であり、レベルメータを表示することによって現時点における電圧を表示する。VOLT408は、電圧が高くなるほど上側に変化し、反対に、電圧が低くなるほど下側に変化する。また、VOLT408は、アナログ表示とあわせてデジタル表示もおこなう。すなわち、VOLT408の近傍に、『12.2(V)』と表示するようにしてもよい。
【0057】
409は目的地方向情報表示バーであり、この目的地方向情報表示バー409が現在地から設定された目的地が存在する方向を示している。図4においては、現在の進行方向の左前方方向が目的地であり、図5においては、現在の進行方向の右前方方向が目的であることを示している。
【0058】
410は時刻情報表示領域であり、図4にあっては、デジタル表示によって現在時刻である『11:56(PM)』を示している。この表示は針式時計によるアナログ表示であってもよい。また、24時間表示であってもよい。図5にあっては、時刻情報表示領域410の時刻を24時間表示(『23:56』)で表示した状態を示している。
【0059】
411は緯度経度情報表示領域であり、図4においては、GPSから取得した現在位置である『N35’28”23.5』『E138’42”38.4』をデジタル表示している。
【0060】
412は目的地情報表示領域であり、図4においては、あらかじめ設定した目的地の場所(『Beach Street』)と、その目的地までの距離(『50.8km』)を示している。また、左端に表示された旗は、表示されている場所が目的地であることを示すためのマークであり、このマークを表示することによって、『Beach Street』が現在地と誤認しないようにしている。
【0061】
413は警告情報表示領域であり、運転者あるいは同乗者に伝える種々の警告情報を表示する。図4において、警告情報表示領域413には、『SHIFT UP』が表示されており、ギアを上げる旨の警告をしている。たの警告情報としては『SHIFT DOWN(ギアを下げろ)』、『SPEED DOWN(スピードを下げろ)』などがある。警告情報表示領域413は、所定時間表示後消去する。この所定時間は操作者において任意に設定することができる。
【0062】
図5に示す501は方向情報表示領域であり、現在進行中の方向に関する情報を表示する。方向を示す頭文字の表示が左右に移動するように変化する。そして、方向情報表示領域501の中心の指示部分501aが指し示す頭文字あるいはその間の目盛りが現在進行中の方向である。図5においては、真西(『W』)方向よりもやや北方向を進行中であることがわかる。上記警告情報表示領域413が表示された場合は、当該表示領域413に隠れるため、表示されない。
【0063】
(情報表示装置の実装例)
図6は、この発明の実施例にかかる情報表示装置の実装の一例を示す説明図である。図6に示すように、車両内の運転席と助手席との間に車載ナビゲーション装置601が装着されている。車載ナビゲーション装置601のディスプレイはオンダッシュ、インダッシュのいずれの方式であってもよい。
【0064】
また、表示画面103は、車載ナビゲーション装置601の表示画面であってもよい。表示画面103が、車載ナビゲーション装置601の表示画面を用いることによって、車載ナビゲーション装置601を備えた車載にあっては、別途表示画面103を装着しなくてもよい。また、車載ナビゲーション装置601の表示画面を用いることによって、運転者だけでなく助手席の同乗者も表示内容を容易に確認することができ、運転のナビゲーションを容易におこなうことができる。
【0065】
このように、車載ナビゲーション装置においては、地図情報を必要としない。そのため、地図情報を用いなくても、または、地図情報が整備されていない地域においても、車載ナビゲーション装置を用いて、ナビゲーション機能を用いていない場合のエンターテインメント性を向上させることができる。
【0066】
また、他の車両、特に当該車両の前後を走行する他の車両との無線通信機能(たとえば携帯電話機による通信や、無線を用いたインターネット経由で情報を取得するようにしてもよい)を備えることによって、当該他の車両の車載ナビゲーション装置の表示画面に表示するようにしてもよい。これによって、他の車両から当該車両の速度情報、エンジン回転数情報、傾斜情報、横G情報などを容易に知ることができる。
【0067】
以上説明したように、この発明の本実施例によれば、走行中の車両に関する情報を容易に取得させることができる。また、表示画面103を用いた走行中におけるエンターテインメント性を向上させることができる。
【0068】
なお、本実施の形態における情報表示方法は、あらかじめ用意されたコンピュータ読み取り可能なプログラムであってもよく、またそのプログラムをサーバーを含むパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現される。このプログラムは、HD、FD、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる情報表示装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施例にかかる情報表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の一例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施例にかかる情報表示装置の表示画面の表示内容の別の一例を示す説明図である。
【図6】この発明の実施例にかかる情報表示装置の実装の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
101 取得部
102 表示制御部
103 表示画面
400 車両
401 道路
402a,402b 路側帯
403a 路側帯バー(速度情報)
403b 路側帯バー(エンジン回転情報)
404a 速度情報表示領域
404b エンジン回転数情報表示領域
405a,405b 加速度情報表示マーク
406a,406b 横G情報表示マーク
407 傾斜角情報表示領域
408 電圧情報表示領域
409 目的地方向情報表示バー
410 時刻情報表示領域
411 緯度経度情報表示領域
412 目的地情報表示領域
413 警告情報表示領域
420 建造物
501 方向情報表示領域
601 車載ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される情報表示装置であって、
前記車両の速度情報およびエンジン回転数情報の少なくともいずれかを取得する取得手段と、
一つの表示画面を制御して、道路および当該道路の路側帯を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の速度情報またはエンジン回転数情報に基づいて、速度またはエンジン回転数に応じて、前記路側帯の表示を動的に変化させるように表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記取得手段が、前記車両の速度情報およびエンジン回転数情報を取得し、
前記表示制御手段が、前記取得手段によって取得された速度情報およびエンジン回転数を同時に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段が、前記取得手段によって取得された速度情報を前記路側帯の左右のいずれか一方に表示し、前記取得手段によって取得されたエンジン回転数情報を前記速度情報を表示した路側帯とは別のもう一方の路側帯に表示することを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段が、前記路側帯に所定角度の傾斜面を有して見えるように表示し、当該傾斜面上の表示を動的に変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報表示装置。
【請求項5】
車両に搭載される情報表示装置であって、
前記車両の傾斜角情報および横G(gravity)情報の少なくともいずれかを取得する取得手段と、
一つの表示画面を制御して、道路を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の傾斜角情報または横G情報に基づいて、傾斜または横Gに応じて、前記道路の表示を動的に変化させるように表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記道路上に車両を示す画像を表示するとともに、前記道路の脇に示す背景を前方から後方へ流れているように移動させて表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記車両の速度情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された速度情報に基づいて、前記背景を移動させる速度を変更することを特徴とする請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項8】
車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、
前記車両の速度情報およびエンジン回転数情報の少なくともいずれかを取得する取得工程と、
道路および当該道路の路側帯を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の速度情報またはエンジン回転数情報に基づいて、速度またはエンジン回転数に応じて、前記路側帯の表示を動的に変化させるように表示する表示工程と、
を含んだことを特徴とする情報表示方法。
【請求項9】
車両に搭載される情報表示装置に情報を表示する情報表示方法であって、
前記車両の傾斜角情報および横G(gravity)情報の少なくともいずれかを取得する取得工程と、
一つの表示画面を制御して、道路を3次元に立体的に見えるように表示し、前記車両の傾斜角情報または横G情報に基づいて、傾斜または横Gに応じて、前記道路の表示を動的に変化させるように表示する表示工程と、
を含んだことを特徴とする情報表示方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報表示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−15877(P2006−15877A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196007(P2004−196007)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(596125930)パイオニアデザイン株式会社 (21)
【Fターム(参考)】