説明

情報表示装置、情報表示方法及びプログラム

【課題】ユーザが分割した地図画面の各画面間の道路等の繋がりや位置関係を容易に確認することができる情報表示装置、情報表示方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示画面上において押下された少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があると判定され、更に、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定し、この開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の押下操作に基づいて画像を分割圧縮する情報表示装置、情報表示方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、電子辞書及び音楽再生装置等の携帯電子機器が普及している。これらの携帯電子機器には、ユーザが操作する操作部の省スペース化により小型化を図るために、表示部の前側に接触及び接触位置を検出する透過型のタッチパネル等を備え、タッチパネルにユーザが触れることによって操作入力可能としたものが広く使われている。
【0003】
例えば、2本の指で表示画面に接触した状態で、この2本の指の相対距離を縮めるように少なくとも一方の指を移動させることによって(以下、「ピッチイン」という。)、各指の移動後の接触位置P1、P2の間の中点を通るように、境界線Bを指の移動方向に対して垂直な方向に設定する。そして、この境界線Bに沿って表示画面を2の表示領域に分割して表示するように構成された表示装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−97473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された表示装置では、地図を表示した表示画面の分割を行った場合に、分割した各画面に表示されたそれぞれの地図領域が距離的に離れていると、各画面間の道路や施設等の繋がりや位置関係が分かりにくいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが分割した地図画面の各画面間の道路等の繋がりや位置関係を容易に確認することができる情報表示装置、情報表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る情報表示装置は、地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段の表示画面上において押下された押下座標位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があるか否かを判定する圧縮表示判定手段と、前記圧縮表示判定手段を介して表示画面に前記圧縮表示部分があると判定された場合には、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したか否かを判定する操作判定手段と、前記操作判定手段を介して1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定する開き幅設定手段と、前記開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する拡大表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る情報表示装置は、請求項1に記載の情報表示装置において、前記開き幅設定手段は、前記2本の境界線間の中心線に対して同じ幅で両側へ拡がると共に、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側へ徐々に全幅が広くなるように前記開き幅を設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る情報表示装置は、請求項1又は請求項2に記載の情報表示装置において、前記拡大表示手段は、前記2本の境界線に対して両外側部分の地図領域を前記圧縮表示部分の拡大に対応させて圧縮して表示することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る情報表示装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報表示装置において、前記圧縮表示部分は、前記2本の境界線で挟まれた地図領域が該2本の境界線の相互に対向する方向に蛇腹状に折り畳まれて圧縮表示されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る情報表示方法は、地図画像を表示する表示手段の表示画面上において押下された押下座標位置を検出する位置検出工程と、前記位置検出工程で少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があるか否かを判定する圧縮表示判定工程と、前記圧縮表示判定工程で表示画面に圧縮表示部分があると判定された場合には、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したか否かを判定する操作判定工程と、前記操作判定工程で1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定する開き幅設定工程と、前記開き幅設定工程で設定した開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する拡大表示工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
更に、請求項6に係るプログラムは、コンピュータに、地図画像を表示する表示手段の表示画面上において押下された押下座標位置を検出する位置検出工程と、前記位置検出工程で少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があるか否かを判定する圧縮表示判定工程と、前記圧縮表示判定工程で表示画面に圧縮表示部分があると判定された場合には、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したか否かを判定する操作判定工程と、前記操作判定工程で1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定する開き幅設定工程と、前記開き幅設定工程で設定した開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する拡大表示工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る情報表示装置、請求項5に係る情報表示方法及び請求項6に係るプログラムでは、ユーザは、表示画面の圧縮表示部分の1点を指等で押下した状態で、且つ、この圧縮表示部分よりも外側の位置の他点を他の指等で押下して該圧縮表示部分から離れる方向へ移動させることによって、当該圧縮表示部分の指等で押下した1点の押下座標位置から他の指等で押下した他点の押下座標位置側の部分を部分的に拡大表示させることができる。これにより、ユーザは、圧縮表示部分のうち、見たい部分を部分的に拡大して表示させることができるため、圧縮表示部分によって分割された各画面間の道路等の繋がりや位置関係を容易に確認することができる。
【0014】
また、請求項2に係る情報表示装置では、圧縮表示部分の拡大は、2本の境界線間の中心線に対して同じ幅で両側へ拡がると共に、圧縮表示部分の指等で押下した1点の押下座標位置から他の指等で押下した他点の押下座標位置側へ徐々に全幅が広くなるように拡大される。これにより、ユーザは圧縮表示部分の開き幅を両外側方向へ広く拡大することができ、分割された各画面間の道路等の繋がりや位置関係を更に容易に確認することができる。
【0015】
また、請求項3に係る情報表示装置では、2本の境界線に対して両外側部分の地図領域は、圧縮表示部分の拡大に対応して圧縮されて表示されるため、ユーザは分割された各画面間の道路等の繋がりや位置関係を更に容易に確認することができる。
【0016】
更に、請求項4に係る情報表示装置では、2本の境界線で挟まれた地図領域が該2本の境界線の相互に対向する方向に蛇腹状に折り畳まれて圧縮表示されるため、ユーザは地図領域の圧縮表示部分を容易に認識することができる。また、蛇腹が開くように拡大表示させることができ、ユーザは分割された各画面間の道路等の繋がりや位置関係を更に容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】圧縮表示データテーブルの一例を示す図である。
【図3】2本の指で押下した押下座標位置間の地図画像を圧縮表示する「圧縮表示処理」を示すメインフローチャートである。
【図4】図3の「蛇腹情報生成処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】図3の「蛇腹描画処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図6】図3の「蛇腹開放処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図7】図3の「蛇腹描画変更処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図8】地図画像を圧縮する蛇腹境界部の設定の一例を示す図である。
【図9】地図画像を圧縮した一例を示す図である。
【図10】地図画像を圧縮した一例を示す図である。
【図11】圧縮表示領域の開放操作の一例を示す図である。
【図12】図11に対応する圧縮表示領域の開放表示の一例を示す図である。
【図13】圧縮表示領域の開放時の圧縮比率の一例を示す図である。
【図14】圧縮表示領域の復元操作の一例を示す図である。
【図15】圧縮表示領域の復元表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る情報表示装置、情報表示方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0020】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車両の現在位置(以下、「自車位置」という。)、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0021】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、圧縮表示データベース(圧縮表示DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバ(図示せず)とを備えている。
【0022】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。また、圧縮表示DB27には、圧縮表示領域の地図を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示する際の蛇腹折り畳み数を地図画像の縮尺、押下位置の移動量及び移動速度に対応させて記憶する後述の圧縮表示データテーブル51(図2参照)が格納されている。
【0023】
ここで、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0024】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト等に関するデータ等が記録される。
【0025】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクを特定するリンクID、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始点と終点の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、中央分離帯の有無、リンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。
【0026】
尚、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路の有料の道路を有料道路という。また、有料道路を除いた1桁又は2桁の国道、主要地方道を幹線道路という。また、3桁以上の国道、県道、市町村道等を一般道路という。
【0027】
また、施設データとしては、各地域のホテル、遊園地、宮殿、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関する名称や住所、電話番号、地図上の座標位置(例えば、中心位置、入口、出口等の緯度と経度である。)、地図上に施設の位置を表示する施設アイコン等のデータがPOIを特定する施設IDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0028】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0029】
また、ROM43には、後述のユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面上を2本の指で押下した状態で近づくように移動させることによって、つまり、ピッチイン操作を行った場合に、2本の指で押下した間の地図画像を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示する「圧縮表示処理」(図3参照)等のプログラムが記憶されている。
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0030】
この操作部14は、走行開始時の現在位置を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0031】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報(図7等参照)、目的地周辺の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0032】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0033】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0034】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表示画面上に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドの入力や、後述のように表示画面上を2本の指で押下してピッチイン操作を行った場合に、各指の移動方向及び移動速度の検出や、表示画面上を押下した指の数の検出等をすることが可能に構成されている。尚、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0035】
ここで、圧縮表示DB27に格納される圧縮表示データテーブル51の一例について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、圧縮表示データテーブル51は、「縮尺」と、「移動量」と、「移動速度」と、「蛇腹折り畳み数」とから構成されている。「縮尺」には、表示画面に表示されている地図画像の縮尺が記憶されている。例えば、市街図や、詳細図の1/5000、1万図の1/10000等の縮尺が記憶されている。
【0036】
また、「移動量」には、2本の指の押下座標位置の合計移動量を表す「狭」、「中」、「広」が、「縮尺」に記憶されている各地図画像の縮尺に対応して記憶されている。この「狭」は、2本の指の押下座標位置の合計移動量が狭いことを表している。例えば、2本の指の押下座標位置の合計移動量が、表示画面の移動方向の幅の1/3未満であることを表している。
【0037】
また、「中」は、2本の指の押下座標位置の合計移動量が中くらいであることを表している。例えば、2本の指の押下座標位置の合計移動量が、表示画面の移動方向の幅の1/3以上から約2/3未満であることを表している。また、この「広」は、2本の指の押下座標位置の合計移動量が広いことを表している。例えば、2本の指の押下座標位置の合計移動量が、表示画面の移動方向の幅の2/3以上であることを表している。
【0038】
また、「移動速度」には、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度を表す「低速」、「中速」、「高速」が、「移動量」に記憶された「狭」、「中」、「広」のそれぞれに対応して記憶されている。この「低速」は、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度が低速であることを表している。例えば、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度が、1cm/秒未満であることを表している。
【0039】
また、「中速」は、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度が中速であることを表している。例えば、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度が、1cm/秒以上から2cm/秒未満であることを表している。また「高速」は、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度が高速であることを表している。例えば、2本の指の押下座標位置の近づく移動速度が、2cm/秒以上であることを表している。
【0040】
また、「蛇腹折り畳み数」には、2本の境界線で挟まれた地図領域を蛇腹状に折り畳む折り畳み数が、「移動速度」に記憶された「低速」、「中速」、「高速」のそれぞれに対応して記憶されている。例えば、「縮尺」が「市街図」で、「移動量」が「狭」で、「移動速度」が「低速」に対応する「蛇腹折り畳み数」には、折り畳み数「2」が記憶されている。
【0041】
従って、図2に示すように、「蛇腹折り畳み数」は、「移動量」が大きくなるほど、多くなるように設定されている。また、「蛇腹折り畳み数」は、「移動速度」が速くなるほど、多くなるように設定されている。また「蛇腹折り畳み数」は、「縮尺」が広域図になるほど、つまり、縮尺が小さくなるほど、多くなるように設定されている。
【0042】
[圧縮表示処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、ユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面上を2本の指で押下してピッチイン操作を行った場合に、2本の指で押下した間の地図画像を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示する「圧縮表示処理」について図3乃至図11に基づいて説明する。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムは、CPU41により実行される。
【0043】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、タッチパネル18の指等で押下された各押下座標位置(以下、「タッチ座標」という。)を所定時間毎(例えば、約10ミリ秒毎である。)に検出して、それぞれの指等に対応させてRAM42に時系列的に記憶する。
【0044】
続いて、S12において、CPU41は、タッチパネル18への指等による押下が解除された場合には、表示画面に表示されている地図上に、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した地図領域があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、表示画面に表示されている地図上に、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した地図領域が無いと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、S13の処理に移行して、後述の「蛇腹情報生成処理」のサブ処理(図4参照)を実行後、S14の処理に移行する。
【0045】
S14において、CPU41は、後述の「蛇腹描画処理」のサブ処理(図5参照)を実行後、当該処理を終了する。
一方、上記S12で表示画面に表示されている地図上に、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した地図領域があると判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S15の処理に移行して、後述の「蛇腹開放処理」のサブ処理(図6参照)を実行後、S16の処理に移行する。
S16において、CPU41は、後述の「蛇腹描画変更処理」のサブ処理(図7参照)を実行後、当該処理を終了する。
【0046】
[蛇腹情報生成処理]
次に、上記S13で実行する「蛇腹情報生成処理」のサブ処理について図4及び図8に基づいて説明する。
図4に示すように、S111において、CPU41は、RAM42からそれぞれの指のタッチ座標を時系列的に読み出し、表示画面上でのそれぞれの指のタッチ座標の移動方向を算出してRAM42に記憶する。
【0047】
そして、S112において、CPU41は、それぞれの指が最初に表示画面を押下したタッチ座標(以下、「開始タッチ座標」という。)と、それぞれの指のタッチ座標の移動方向とをRAM42から読み出す。そして、CPU41は、それぞれの指の開始タッチ座標を通り、各開始タッチ座標の移動方向に対して垂直な直線を算出し、蛇腹状に圧縮表示する地図領域の各境界線としてRAM42に記憶する。従って、CPU41は、2本の境界線で挟まれた地図領域を蛇腹状に圧縮表示する地図領域として設定する。
【0048】
例えば、図8に示すように、液晶ディスプレイ15の表示画面の一方の開始タッチ座標55の移動方向が矢印55A方向の場合には、CPU41は、開始タッチ座標55を通り、矢印55A方向に垂直な直線を、蛇腹状に圧縮表示する地図領域の一方の境界線58としてRAM42に記憶する。
【0049】
また、表示画面の他方の開始タッチ座標56の移動方向が矢印56A方向の場合には、CPU41は、開始タッチ座標56を通り、矢印56A方向に垂直な直線を、蛇腹状に圧縮表示する地図領域の他方の境界線59としてRAM42に記憶する。従って、CPU41は、各境界線58、59で挟まれた地図領域57を蛇腹状に圧縮表示する地図領域として設定する。
【0050】
そして、図4に示すように、S113において、CPU41は、各境界線上に存在する道路と施設に関する地図情報をナビ地図情報26から読み出し、RAM42に記憶する。具体的には、CPU41は、各境界線上に存在する道路(リンク)に関するリンクデータやノード点に関するノードデータ、及び、各境界線上に存在するPOIに関する施設データ等を読み出し、RAM42に記憶する。
【0051】
例えば、図8に示すように、CPU41は、境界線58上に存在する幹線道路61、一般道路62、有料道路63、一般道路64の各リンクIDと、公園65の施設IDをナビ地図情報26から読み出して、RAM42に記憶する。また、CPU41は、境界線59上に存在する幹線道路61、有料道路63、一般道路64の各リンクIDと、公園65の施設IDをナビ地図情報26から読み出して、RAM42に記憶する。
【0052】
続いて、図4に示すように、S114において、CPU41は、各境界線間に連続する同一道路又は同一施設があるか否かを判定する判定処理を実行する。
具体的には、CPU41は、一方の境界線上の有料道路、幹線道路、一般道路の順に、各道路上の一方の境界線上のリンクから他方の境界線側へ地図画像上で連続するリンクのリンクIDをナビ地図情報26から順次読み出す。そして、他方の境界線上まで地図画像上で連続したリンクのリンクIDがある場合には、各境界線間に連続する同一道路であると判定する。
【0053】
また、一方の境界線上の公園や遊園地等の施設と他方の境界線上の施設との施設IDをナビ地図情報26から読み出し、これらの施設IDが一致する場合には、各境界線間に連続する同一施設であると判定する。
【0054】
そして、各境界線間に連続する同一道路及び同一施設が無いと判定した場合には(S114:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S14の処理に移行する。
一方、各境界線間に連続する同一道路又は同一施設があると判定した場合には(S114:YES)、CPU41は、S115の処理に移行する。S115において、CPU41は、各境界線間に連続する同一道路の各境界線上の各リンクのリンクIDを相互に対応付けてRAM42に記憶する、つまり、各境界線間に連続する同一道路を相互に紐付けて記憶する。
【0055】
また、CPU41は、各境界線間に連続する同一施設の各境界線上における施設IDを相互に対応付けてRAM42に記憶する、つまり、各境界線間に連続する同一施設を相互に紐付けて記憶する。その後、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S14の処理に移行する。
【0056】
例えば、図8に示すように、CPU41は、一方の境界線58上の有料道路63のリンク63AのリンクIDと、このリンク63Aから他方の境界線59側へ地図画像上で連続するリンク63BのリンクIDとを読み出す。そして、リンク63Bが他方の境界線59上にある場合には、CPU41は、有料道路63が各境界線58、59間で連続する同一道路であると判定する。そして、CPU41は、当該有料道路63の各境界線58、59上の各リンク63A、63BのリンクIDを相互に対応付けてRAM42に記憶する。
【0057】
同様に、CPU41は、幹線道路61の境界線58上のリンク61Aと境界線59上のリンク61Bとが地図画像上で連続することから、幹線道路61が各境界線58、59間で連続する同一道路であると判定する。そして、CPU41は、当該幹線道路61の各境界線58、59上の各リンク61A、61BのリンクIDを相互に対応付けてRAM42に記憶する。
【0058】
また、CPU41は、一般道路64の境界線58上のリンク64Aと境界線59上のリンク64Cとが、地図画像上のリンク64Bを介して連続することから、一般道路64が各境界線58、59間で連続する同一道路であると判定する。そして、CPU41は、当該一般道路64の各境界線58、59上の各リンク64A、64CのリンクIDを相互に対応付けてRAM42に記憶する。
【0059】
一方、CPU41は、一般道路62の境界線58上のリンク62Aは、当該リンク62Aに連続する地図画像上のリンク62Bを介して一般道路64に接続されており、境界線59上に達していないため、一般道路62は各境界線58、59間で連続する同一道路ではないと判定する。尚、ノードや各リンク61A、61B、62A、・・・等は地図画像上に表示されていない。
【0060】
また、CPU41は、境界線58上の公園65の施設IDと境界線59上の公園65の施設IDをナビ地図情報26から読み出し、これらの施設IDが一致することから、公園65が各境界線58、59間で連続する同一施設であると判定する。そして、CPU41は、各境界線58、59上の公園65の施設IDを相互に対応付けてRAM42に記憶する。
【0061】
[蛇腹描画処理]
次に、上記S14で実行する「蛇腹描画処理」のサブ処理について図5、図9及び図10に基づいて説明する。
図5に示すように、S211において、CPU41は、RAM42からそれぞれの指によるタッチ座標を時系列的に読み出し、表示画面上での各指のタッチ座標の合計移動量と、各指によるのタッチ座標の近づく移動速度を算出してRAM42に記憶する。
【0062】
具体的には、CPU41は、各指の開始タッチ座標と、各指によるタッチパネル18への押下がなくなる直前のタッチ座標(以下、「最終タッチ座標」という。)とをRAM42から読み出す。そして、各指の開始タッチ座標から最終タッチ座標までの距離を算出して合計し、各指の「合計移動量」としてRAM42に記憶する。また、各指のタッチパネル18への押下開始から押下解除までの計測時間と、各指の開始タッチ座標から最終タッチ座標までの距離とから移動速度を算出して、各指のタッチ座標の近づく「移動速度」としてRAM42に記憶する。
【0063】
そして、S212において、CPU41は、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示している地図画像の縮尺をナビ地図情報26から読み出し、RAM42に記憶する。
続いて、S213において、CPU41は、上記S112で設定した2本の境界線で挟まれた地図領域を蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」を設定する。
【0064】
具体的には、先ず、CPU41は、地図画像の縮尺をRAM42から読み出して、圧縮表示データテーブル51の「縮尺」として決定する。続いて、CPU41は、RAM42から各指の「合計移動量」を読み出して、この圧縮表示データテーブル51の決定した「縮尺」に対応する「移動量」の「狭」、「中」、「広」の何れであるか決定する。
【0065】
そして、CPU41は、RAM42から各指のタッチ座標の近づく「移動速度」を読み出して、この圧縮表示データテーブル51の決定した「移動量」に対応する「移動速度」の「低速」、「中速」、「高速」の何れであるか決定する。その後、CPU41は、この圧縮表示データテーブル51の決定した「移動速度」に対応する「蛇腹折り畳み数」を当該圧縮表示データテーブル51から読み出し、2本の境界線で挟まれた地図領域を蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」としてRAM42に記憶する。
【0066】
例えば、図9に示すように、液晶ディスプレイ15の地図画像の縮尺が「市街図」(例えば、1/3000の縮尺である。)であるため、CPU41は、圧縮表示データテーブル51の「縮尺」を「市街図」として決定する。また、各開始タッチ座標55、56から各最終タッチ座標71、72までの「合計移動量」を各指の移動方向の表示画面の幅で割り算した値が1/3未満の場合には、CPU41は、圧縮表示データテーブル51の決定した「縮尺」の「市街図」に対応する「移動量」を「狭」に決定する。
【0067】
また、各開始タッチ座標55、56から各最終タッチ座標71、72へ近づく「移動速度」が1cm/秒未満の場合には、圧縮表示データテーブル51の決定した「移動量」の「狭」に対応する「移動速度」を「低速」に決定する。その後、CPU41は、この圧縮表示データテーブル51の決定した「移動速度」の「低速」に対応する「蛇腹折り畳み数」の「2」を読み出し、蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」としてRAM42に記憶する。つまり、CPU41は、各最終タッチ座標71、72まで移動させた各境界線58、59で挟まれた地図領域57を蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」を「2」に設定する。
【0068】
また、例えば、図10に示すように、液晶ディスプレイ15の地図画像の縮尺が「市街図」(例えば、1/3000の縮尺である。)であるため、CPU41は、圧縮表示データテーブル51の「縮尺」を「市街図」として決定する。また、各開始タッチ座標55、56から各最終タッチ座標81、82までの「合計移動量」を各指の移動方向の表示画面の幅で割り算した値が1/3以上から1/2未満の場合には、CPU41は、圧縮表示データテーブル51の決定した「縮尺」の「市街図」に対応する「移動量」を「中」に決定する。
【0069】
また、各開始タッチ座標55、56から各最終タッチ座標81、82へ近づく「移動速度」が1cm/秒以上から2cm/秒未満の場合には、圧縮表示データテーブル51の決定した「移動量」の「中」に対応する「移動速度」を「中速」に決定する。その後、CPU41は、この圧縮表示データテーブル51の決定した「移動速度」の「中速」に対応する「蛇腹折り畳み数」の「4」を読み出し、蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」としてRAM42に記憶する。つまり、CPU41は、各最終タッチ座標81、82まで移動させた各境界線58、59で挟まれた地図領域57を蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」を「4」に設定する。
【0070】
そして、図5に示すように、S214において、CPU41は、上記S112で各開始タッチ座標を通るように設定した2本の各境界線を各最終タッチ座標の位置までそれぞれ移動させる。また同時に、CPU41は、当該2本の境界線のそれぞれの外側の地図領域を各境界線の移動に従って表示画面内へ移動させて表示する。
【0071】
続いて、S215において、CPU41は、各最終タッチ座標の位置まで移動した2本の境界線で挟まれた地図領域を蛇腹状に圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、2本の境界線で挟まれた地図領域を該2本の境界線に対して垂直方向に当該「蛇腹折り畳み数」で蛇腹状に折り畳んで圧縮表示する。
【0072】
例えば、図9に示すように、CPU41は、各境界線58、59を各最終タッチ座標71、72の位置までそれぞれ移動させる。また同時に、CPU41は、各境界線58、59のそれぞれの外側の地図領域を各境界線58、59の移動に従って表示画面内へ移動させて表示する。また、CPU41は、各境界線58、59で挟まれた地図領域57を圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」である「2」をRAM42から読み出し、この地図領域57を各境界線58、59に対して垂直方向に折り畳み数「2」の蛇腹状に折り畳んで圧縮した圧縮表示領域75を表示する。
【0073】
また、例えば、図10に示すように、CPU41は、各境界線58、59を各最終タッチ座標81、82の位置までそれぞれ移動させる。また同時に、CPU41は、各境界線58、59のそれぞれの外側の地図領域を各境界線58、59の移動に従って表示画面内へ移動させて表示する。また、CPU41は、各境界線58、59で挟まれた地図領域57を圧縮表示する際の「蛇腹折り畳み数」である「4」をRAM42から読み出し、この地図領域57を各境界線58、59に対して垂直方向に折り畳み数「4」の蛇腹状に折り畳んで圧縮した圧縮表示領域85を表示する。
【0074】
そして、図5に示すように、S216において、CPU41は、上記S115で記憶した各境界線間に連続する同一道路として相互に対応付けられた各境界線上の各リンクのリンクIDをRAM42から順番に読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の相互に対応付けられた各リンクIDに対応する道路の各境界線上の端縁部を繋いで、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された圧縮表示領域上に同一道路を連続した状態で順番に表示する。
【0075】
また、CPU41は、上記S115で記憶した各境界線間に連続する同一施設として相互に対応付けられた各境界線上の施設IDをRAM42から順番に読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の相互に対応付けられ各施設IDに対応する施設の各境界線上の端縁部を順番に繋いで、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された圧縮表示領域上に同一施設を連続した状態で表示する。その後、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、圧縮表示処理を終了する。
【0076】
尚、CPU41は、地図画像上の相互に対応付けられ各境界線上の施設IDに対応する施設の各境界線上の端縁部と、圧縮表示領域の蛇腹状に折り畳んだ山の線上における各施設の端縁部とを順番に繋いで、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された圧縮表示領域上に同一施設を連続した状態で表示するようにしてもよい。
【0077】
例えば、図9及び図10に示すように、CPU41は、各境界線58、59間に連続する有料道路63として相互に対応付けられた各境界線58、59上の各リンク63A、63BのリンクIDをRAM42から読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の各リンク63A、63BのリンクIDに対応する有料道路63の各境界線58、59上の端縁部を繋いで、地図領域57を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された各圧縮表示領域75、85上に、当該有料道路63を連続した状態で表示する。
【0078】
また、CPU41は、各境界線58、59間に連続する幹線道路61として相互に対応付けられた各境界線58、59上の各リンク61A、61BのリンクIDをRAM42から読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の各リンク61A、61BのリンクIDに対応する幹線道路61の各境界線58、59上の端縁部を繋いで、地図領域57を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された各圧縮表示領域75、85上に、当該幹線道路61を連続した状態で表示する。
【0079】
また、CPU41は、各境界線58、59間に連続する一般道路64として相互に対応付けられた各境界線58、59上の各リンク64A、64CのリンクIDをRAM42から読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の各リンク64A、64CのリンクIDに対応する一般道路64の各境界線58、59上の端縁部を繋いで、地図領域57を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された各圧縮表示領域75、85上に、当該一般道路64を連続した状態で表示する。
【0080】
また、CPU41は、各境界線58、59間に連続する公園65として相互に対応付けられた各境界線58、59上の公園65の施設IDをRAM42から読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の相互に対応付けられ各境界線58、59上の施設IDに対応する公園65の各境界線58、59上の端縁部と、各圧縮表示領域75、85の蛇腹状に折り畳んだ山折り線上(または、谷折り線上)における公園65の端縁部とを順番に繋いで、地図領域57を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された各圧縮表示領域75、85上に公園65を連続した状態で表示する。
【0081】
尚、CPU41は、地図画像上の施設IDに対応する各境界線58、59上の公園65の端縁部を直線的に繋いで、地図領域57を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された各圧縮表示領域75、85上に、当該公園65を連続した状態で表示するようにしてもよい。
【0082】
[蛇腹開放処理]
次に、上記S15で実行する「蛇腹開放処理」のサブ処理について図6、図11乃至図13に基づいて説明する。
図6に示すように、S311において、CPU41は、タッチパネル18の指で押下された各開始タッチ座標をRAM42から読み出し、開始タッチ座標が表示画面上の3点の座標位置か否かを判定する判定処理を実行する。
【0083】
そして、タッチパネル18の指で押下された各開始タッチ座標が、表示画面上の3点の座標位置でない場合には(S311:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0084】
一方、タッチパネル18の指で押下された各開始タッチ座標が、表示画面上の3点の座標位置の場合には(S311:YES)、CPU41は、S312の処理に移行する。S312において、CPU41は、表示画面上での各指の移動後のタッチ座標、つまり、最終タッチ座標をRAM42から読み出す。
【0085】
続いて、S313において、CPU41は、表示画面上でのそれぞれの指の開始タッチ座標と最終タッチ座標から3点のうち、1点が開始タッチ座標とほぼ同じ座標位置に停止し、つまり、1点の開始タッチ座標が固定され、且つ、他の2点の開始タッチ座標が移動したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、開始タッチ座標が1点だけ固定されていない、又は、開始タッチ座標が2点だけ移動していないと判定した場合には(S313:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0086】
一方、1点の開始タッチ座標が固定され、且つ、他の2点の開始タッチ座標が移動したと判定した場合には(S313:YES)、CPU41は、S314の処理に移行する。S314において、CPU41は、この固定された1点の開始タッチ座標(以下、「固定タッチ座標」という。)が、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域上に位置するか否かを判定する判定処理を実行する。
【0087】
そして、固定タッチ座標が蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域の外側に位置していると判定した場合には(S314:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
一方、固定タッチ座標が蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域上に位置していると判定した場合には(S314:YES)、CPU41は、S315の処理に移行する。
【0088】
S315において、CPU41は、移動した2点の開始タッチ座標は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を挟んで、当該圧縮表示領域の外側にそれぞれ位置しているか否かを判定する判定処理を実行する。つまり、CPU41は、移動した2点の開始タッチ座標が、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を挟んで両側に位置しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0089】
そして、移動した2点の開始タッチ座標は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を挟んで、当該圧縮表示領域の外側にそれぞれ位置していないと判定した場合には(S315:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0090】
一方、移動した2点の開始タッチ座標は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を挟んで、当該圧縮表示領域の外側にそれぞれ位置していると判定した場合には(S315:YES)、CPU41は、S316の処理に移行する。S316において、CPU41は、移動した2点の開始タッチ座標のそれぞれに対応する指のタッチ座標をRAM42から時系列的に読み出し、各開始タッチ座標の移動方向が、互いにほぼ逆方向であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0091】
そして、移動した2点の開始タッチ座標のそれぞれの移動方向が、互いにほぼ逆方向でない、つまり、ほぼ同じ方向であると判定した場合には(S316:YES)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0092】
一方、移動した2点の開始タッチ座標のそれぞれの移動方向が、互いにほぼ逆方向であると判定した場合には(S316:YES)、CPU41は、S317の処理に移行する。S317において、CPU41は、移動した2点の開始タッチ座標と、それぞれの最終タッチ座標をRAM42から読み出し、固定タッチ座標を中心として、2本の境界線間の中心線に対して同じ幅で両側へ扇形に開く開き幅を設定する。また、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を固定タッチ座標を中心として、この設定した開き幅で扇形に開く。
【0093】
具体的には、図11及び図12に示すように、CPU41は、各開始タッチ座標91、92と各最終タッチ座標93、94をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域95の圧縮方向に沿った各開始タッチ座標91、92から各最終タッチ座標93、94までの各移動距離L1、L2を算出してRAM42に記憶する。
【0094】
そして、CPU41は、圧縮表示領域95の圧縮方向に沿って各開始タッチ座標91、92を各境界線96、97上まで移動させ、この移動させた後の各開始タッチ座標91、92間の中間の位置、つまり、各開始タッチ座標91、92から距離H1/2の各境界線96、97上の各座標位置P1、P2を算出する。そして、CPU41は、この算出した各境界線96、97上の各座標位置P1、P2から各境界線96、97に対して垂直方向に、距離L1と距離L2だけ離れた各座標位置P3、P4を算出する。
【0095】
その後、図12に示すように、CPU41は、各座標位置P3、P4のうち、圧縮表示領域95からの距離が大きい方の座標位置P4を選択する。そして、CPU41は、この座標位置P4を境界線97が通り、且つ、圧縮表示領域95上の固定タッチ座標98を中心として、各境界線96、97間の中心線、つまり、圧縮表示領域95の圧縮方向の中心線に対して等角度になるように各境界線96、97を扇形に開く。
【0096】
そして、CPU41は、上記S213で設定した「蛇腹折り畳み数」をRAM42から読み出し、この扇形に開いた当該圧縮表示領域95の各開始タッチ座標91、92側の先端部の幅寸法を「蛇腹折り畳み数」(例えば、蛇腹折り畳み数「4」である。)で割り算して、各蛇腹の先端部の幅L3を算出し、圧縮表示領域95の各蛇腹の開き幅としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、圧縮表示領域95上の固定タッチ座標98を中心として、各蛇腹の先端部の幅が、開き幅L3になるように各境界線96、97間の蛇腹を扇形に開く。
【0097】
続いて、図6に示すように、S318において、CPU41は、圧縮表示領域の固定タッチ座標を中心として扇形に開いた蛇腹開放側の地図領域を圧縮表示領域に沿ってN等分した複数の分割エリアを設定する。例えば、図13に示すように、CPU41は、圧縮表示領域95の固定タッチ座標98を中心として扇形に開いた蛇腹開放側の地図領域99を圧縮表示領域95に沿って4等分して、各分割エリア101A〜101Dを設定する。
【0098】
そして、S319において、CPU41は、各分割エリアのそれぞれの圧縮表示領域に沿った方向の中心位置において、扇形に開いた蛇腹状に折り畳んだ圧縮表示領域の幅を、蛇腹状に折り畳んでいない状態のときの幅で割り算し、各分割エリアの圧縮表示領域における地図画像の圧縮率としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、各分割エリアの圧縮表示領域における地図画像の圧縮率を100%から引き算して、各分割エリアにおける圧縮表示領域の両外側の地図画像の圧縮率としてRAM42に記憶する。
【0099】
続いて、S320において、CPU41は、各分割エリアの圧縮表示領域における地図画像の圧縮率をRAM42から読み出し、各分割エリアの扇形に開いた圧縮表示領域に2本の境界線で挟まれた地図領域を当該圧縮率で蛇腹状に圧縮表示する。また、CPU41は、各分割エリアの圧縮表示領域の両外側の地図画像の圧縮率をRAM42から読み出し、各分割エリアの扇形に開いた圧縮表示領域の両外側の地図画像を当該圧縮率で圧縮表示する。その後、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0100】
例えば、図13に示すように、CPU41は、各分割エリア101A〜101Dにおいて、扇形に開いた蛇腹状に折り畳んだ各圧縮表示領域95A〜95Dの縦方向の中心位置で、境界線96から左右方向中央位置までの幅を、蛇腹状に折り畳んでいない状態のときの幅で順番に割り算し、扇形に開いた各圧縮表示領域95A〜95Dにおける地図画像の圧縮率として、「85%」、「70%」、「40%」、「15%」をRAM42に記憶する。
【0101】
そして、CPU41は、各分割エリア101A〜101Dの扇形に開いた各圧縮表示領域95A〜95Dに各境界線96、97で挟まれた地図領域を各圧縮率「85%」、「70%」、「40%」、「15%」で蛇腹状に圧縮表示する。
【0102】
また、CPU41は、扇形に開いた各圧縮表示領域95A〜95Dの地図画像の圧縮率を100%から引き算して、各圧縮表示領域95A〜95Dの両外側の地図画像の圧縮率として、「15%」、「30%」、「60%」、「85%」をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、各分割エリア101A〜101Dの扇形に開いた各圧縮表示領域95A〜95Dの両外側の地図画像を当該圧縮率「15%」、「30%」、「60%」、「85%」で圧縮表示する。
【0103】
尚、CPU41は、上記S115で記憶した各境界線間に連続する同一道路として相互に対応付けられた各境界線上の各リンクのリンクIDをRAM42から順番に読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の相互に対応付けられた各リンクIDに対応する道路の各境界線上の端縁部を繋いで、扇形に開いた蛇腹状に折り畳んだ圧縮表示領域上に同一道路を連続した状態で順番に表示する。
【0104】
また、CPU41は、上記S115で記憶した各境界線間に連続する同一施設として相互に対応付けられた各境界線上の施設IDをRAM42から順番に読み出す。そして、CPU41は、地図画像上の相互に対応付けられ各施設IDに対応する施設の各境界線上の端縁部を順番に繋いで、扇形に開いた蛇腹状に折り畳んだ圧縮表示領域上に同一施設を連続した状態で表示する。その後、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0105】
[蛇腹描画変更処理]
次に、上記S16で実行する「蛇腹描画変更処理」のサブ処理について図7、図14及び図15に基づいて説明する。
図7に示すように、S411において、CPU41は、RAM42からそれぞれの指のタッチ座標を時系列的に読み出し、表示画面上での各指のタッチ座標の移動方向と、各指のタッチ座標の移動速度を算出してRAM42に記憶する。
【0106】
続いて、S412において、CPU41は、表示画面上での各指のタッチ座標の移動方向が同一点に向かっているか否か、つまり、各指のタッチ座標の移動方向が互いに近づく方向か否かを判定する判定処理を実行する。そして、表示画面上での各指のタッチ座標の移動方向が同一点に向かっていないと判定した場合には(S412:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、圧縮表示処理を終了する。
【0107】
一方、表示画面上での各指のタッチ座標の移動方向が同一点に向かっていると判定した場合には(S412:YES)、CPU41は、S413の処理に移行する。S413において、CPU41は、各指のタッチ座標の移動速度をRAM42から読み出し、各指のタッチ座標の近づく相対速度を算出して、この相対速度が予めROM43に記憶している一定速度以上であるか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、CPU41は、各指のタッチ座標の近づく相対速度が10cm/秒以上か否かを判定する。
【0108】
そして、各指のタッチ座標の近づく相対速度が、予めROM43に記憶している一定速度以上であると判定した場合には(S413:YES)、CPU41は、S414の処理に移行する。S414において、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を元の状態に復元表示する。つまり、CPU41は、圧縮表示領域の各境界線の外側に表示している地図の縮尺で、通常表示に戻し、表示画面に現在地周辺の地図画像を表示する。その後、CPU41は、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、圧縮表示処理を終了する。
【0109】
一方、各指のタッチ座標の近づく相対速度が、予めROM43に記憶している一定速度未満であると判定した場合には(S413:NO)、CPU41は、S415の処理に移行する。S415において、CPU41は、各指の最終タッチ座標が、一箇所に集中したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、各指の最終タッチ座標が、一箇所に集中したと判定した場合には(S415:YES)、CPU41は、上記S414の処理に移行して、上記の通り、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を元の状態に復元表示する。
【0110】
例えば、図14に示すように、縮尺が「市街図」の地図画像上に、地図領域57を各境界線58、59に対して垂直方向に折り畳み数「4」の蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域85が表示されている。この場合に、各指の各開始タッチ座標105、106が、各最終タッチ座標107、108まで近づくように、一定速度未満(例えば、10cm/秒未満である。)で移動した場合には、CPU41は、各最終タッチ座標107、108が一箇所に集中したと判定する。
【0111】
そして、図15に示すように、CPU41は、各境界線58、59で挟まれた地図領域57を蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域85を元の状態に復元して、現在地(自車位置)周辺の地図画像を表示する(図8参照)。尚、各指の各開始タッチ座標105、106から内側方向に、タッチ座標が一定速度以上(例えば、10cm/秒以上である。)の相対速度で互いに近づいた場合にも、図15に示すように、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域85を元の状態に復元して、現在地(自車位置)周辺の地図画像を表示する(図8参照)。
【0112】
他方、上記S415で各指の最終タッチ座標が、一箇所に集中していないと判定した場合には(S415:NO)、CPU41は、S416の処理に移行して、上記「蛇腹情報生成処理」のサブ処理(S13参照)を実行する。続いて、S417において、CPU41は、上記「蛇腹描画処理」のサブ処理(S14参照)を実行後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、圧縮表示処理を終了する。
【0113】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、ユーザは、表示画面へ2本の指を押下して近づけるように移動させることによって、この2本の指で押下した間の地図を、2本の指を移動させた方向へ蛇腹状に折り畳んで圧縮表示させることができる。また、表示画面の外側の地図領域を表示画面内に移動して表示することができ、表示画面の外側の地図領域を簡易な操作で容易に確認することができる。
【0114】
また、ユーザは、表示画面の蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域の1点を指等で押下して固定した状態で、且つ、この圧縮表示領域の両外側を2本の指で押下して該圧縮表示領域から離れる方向へ移動させることによって、当該圧縮表示領域上の固定タッチ座標から2本の指の各開始タッチ座標側の部分を扇形に拡大表示させることができる。これにより、ユーザは、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された圧縮表示領域のうち、見たい部分を部分的に扇形に拡大して表示させることができるため、圧縮表示領域を挟んだ各画面間の道路等の繋がりや位置関係を容易に確認することができる。
【0115】
また、CPU41は、圧縮表示領域上の固定タッチ座標から2本の指の各開始タッチ座標側の部分を、各境界線の中心線に対して同じ幅で両側に拡がるように扇形に拡大表示する。これにより、ユーザは圧縮表示領域の開き幅を両外側方向へ広く拡大することができ、圧縮表示領域を挟んだ各画面間の道路等の繋がりや位置関係を更に容易に確認することができる。
【0116】
また、2本の境界線に対して両外側部分の地図領域は、圧縮表示領域が扇形に拡大表示されるのに対応して圧縮されて表示されるため、ユーザは圧縮表示領域を挟んだ各画面間の道路等の繋がりや位置関係を更に容易に確認することができる。
【0117】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0118】
(A)例えば、上記S311〜S317の処理に替えて、CPU41は、タッチパネル18の指で押下された各開始タッチ座標をRAM42から読み出し、開始タッチ座標が表示画面上の2点の座標位置の場合には、1点の開始タッチ座標が圧縮表示領域上に固定された固定タッチ座標で、且つ、他点の開始タッチ座標が圧縮表示領域の外側に位置した後、圧縮表示領域から離れる方向へ移動したか否かを判定するようにしてもよい。
【0119】
そして、CPU41は、1点の開始タッチ座標が圧縮表示領域上に固定された固定タッチ座標で、且つ、他点の開始タッチ座標が圧縮表示領域の外側に位置した後、圧縮表示領域から離れる方向へ移動したと判定した場合には、固定タッチ座標を中心として、2本の境界線間の中心線に対して同じ幅で両側へ扇形に開く開き幅を設定する。また、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域を固定タッチ座標を中心として、この設定した開き幅で扇形に開くようにしてもよい。
【0120】
具体的には、CPU41は、当該他点の開始タッチ座標と最終タッチ座標をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域の圧縮方向に沿った開始タッチ座標から最終タッチ座標までの移動距離L10を算出する。また、CPU41は、固定タッチ座標から2本の境界線間の中心線の他点側の端縁部までの中点の座標位置P10を算出する。そして、この座標位置P10から各境界線に対して垂直方向に、距離L10だけ離れた座標位置P11を算出するようにしてもよい。
【0121】
続いて、CPU41は、座標位置P11に近い方の境界線が当該座標位置P11を通り、且つ、圧縮表示領域上の固定タッチ座標を中心として、各境界線間の中心線に対して等角度になるように各境界線を扇形に開くようにしてもよい。そして、CPU41は、上記S213で設定した「蛇腹折り畳み数」をRAM42から読み出し、この扇形に開いた当該圧縮表示領域の開始タッチ座標側の先端部の幅寸法を「蛇腹折り畳み数」(例えば、蛇腹折り畳み数「4」である。)で割り算して、各蛇腹の先端部の幅L11を算出して、圧縮表示領域の各蛇腹の開き幅としてRAM42に記憶するようにしてもよい。
【0122】
そして、CPU41は、圧縮表示領域上の固定タッチ座標を中心として、各蛇腹の先端部の幅が、開き幅L11になるように各境界線間の蛇腹を扇形に開くようにしてもよい。
これにより、ユーザは、1本の指で圧縮表示領域上を押下した状態で、他の指で圧縮表示領域の外側を押下して該圧縮表示領域から離れる方向へ移動させることによって、圧縮表示領域のうち、見たい部分を片手で部分的に扇形に開いて拡大表示することが可能となる。
【0123】
(B)また、例えば、上記S317において、CPU41は、圧縮表示領域上の固定タッチ座標から2本の指の各開始タッチ座標側の部分を、固定タッチ座標の座標位置を一辺が通り、且つ、2本の境界線間の中心線に対して対称な四角形状に拡大表示するようにしてもよい。
具体的には、CPU41は、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示した圧縮表示領域の圧縮方向に沿った各開始タッチ座標から各最終タッチ座標までの各移動距離L21、L22を算出してRAM42に記憶する。
【0124】
そして、CPU41は、固定座標位置を通る一辺の長さを各移動距離L21、L22のうち、大きい方の移動距離の2倍の長さに設定するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、蛇腹状に折り畳んで圧縮表示された圧縮表示領域のうち、見たい部分を部分的に四角形状に拡大して表示させることができるため、圧縮表示領域を挟んだ各画面間の道路等の繋がりや位置関係を容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0125】
1 ナビゲーション装置
15 液晶ディスプレイ
18 タッチパネル
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
27 圧縮表示DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 圧縮表示データテーブル
55、56、91、92、105、106 開始タッチ座標
57、99 地図領域
58、59、96、97 境界線
71、72、81、82、93、94、107、108 最終タッチ座標
75、85、95、95A〜95D 圧縮表示領域
98 固定タッチ座標
101A〜101D 分割エリア
P1〜P4 座標位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示画面上において押下された押下座標位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段によって少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があるか否かを判定する圧縮表示判定手段と、
前記圧縮表示判定手段を介して表示画面に前記圧縮表示部分があると判定された場合には、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段を介して1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定する開き幅設定手段と、
前記開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する拡大表示手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記開き幅設定手段は、前記2本の境界線間の中心線に対して同じ幅で両側へ拡がると共に、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側へ徐々に全幅が広くなるように前記開き幅を設定することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記拡大表示手段は、前記2本の境界線に対して両外側部分の地図領域を前記圧縮表示部分の拡大に対応させて圧縮して表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記圧縮表示部分は、前記2本の境界線で挟まれた地図領域が該2本の境界線の相互に対向する方向に蛇腹状に折り畳まれて圧縮表示されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項5】
地図画像を表示する表示手段の表示画面上において押下された押下座標位置を検出する位置検出工程と、
前記位置検出工程で少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があるか否かを判定する圧縮表示判定工程と、
前記圧縮表示判定工程で表示画面に圧縮表示部分があると判定された場合には、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したか否かを判定する操作判定工程と、
前記操作判定工程で1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定する開き幅設定工程と、
前記開き幅設定工程で設定した開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する拡大表示工程と、
を備えたことを特徴とする情報表示方法。
【請求項6】
コンピュータに、
地図画像を表示する表示手段の表示画面上において押下された押下座標位置を検出する位置検出工程と、
前記位置検出工程で少なくとも2点の押下座標位置を検出した場合に、表示画面に2本の境界線で挟まれた地図領域を圧縮表示した圧縮表示部分があるか否かを判定する圧縮表示判定工程と、
前記圧縮表示判定工程で表示画面に圧縮表示部分があると判定された場合には、1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分よりも外側の位置から該圧縮表示部分から離れる方向へ移動したか否かを判定する操作判定工程と、
前記操作判定工程で1点の押下座標位置が前記圧縮表示部分上で停止し、且つ、他点の押下座標位置が前記圧縮表示部分から離れる方向へ移動したと判定した場合には、該圧縮表示部分のうち、前記1点の押下座標位置から前記他点の押下座標位置側の部分の開き幅を設定する開き幅設定工程と、
前記開き幅設定工程で設定した開き幅に基づいて前記2本の境界線を外側方向へ移動させると共に、この拡大された部分の地図領域を前記開き幅に基づいた圧縮率で再度、表示する拡大表示工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−29935(P2013−29935A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164568(P2011−164568)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】