説明

情報表示装置および情報表示方法、並びにプログラム

【課題】より快適な操作で情報を提供する。
【解決手段】表示部は、所定のスポットの位置情報に基づいた配置で、スポットに対応するスポットマークを表示する。検出部は、表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定する。そして、制御部は、タッチ位置に基づいて、表示部に表示されているマークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされたマークに関する情報を表示部の一部に表示させ、タッチが検出されなくなったとき、表示部の一部に表示されていたマークに関する情報の表示を維持させる。本技術は、例えば、タッチパネルを搭載した携帯情報端末に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置および情報表示方法、並びにプログラムに関し、特に、より快適な操作で情報を提供することができるようにした情報表示装置および情報表示方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノート型のパーソナルコンピュータなどに対し、現在位置の近傍の電子地図を表示したり、現在位置を中心として各種の商業施設や公共施設などの場所を示すマークを表示したりするサービスが提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、現在位置から目的地までの方角および距離を簡易表示することにより、どの方向にどれだけ進めば目的地に到達することができるかを、ユーザが簡単に把握することができる端末装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−111856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、タッチパネルを搭載した携帯情報端末(所謂、スマートフォンなど)が普及しており、各種のサービスがスマートフォンに対して提供されている。しかしながら、ノート型のパーソナルコンピュータで採用されている従来型のユーザインタフェースは、マウスなどのポインティングデバイスを使用して操作することを前提として設計されている。そのため、従来型のユーザインタフェースを、そのままスマートフォンに適用しても、タッチパネルによる操作を前提としたスマートフォンでは、快適に操作することが難しかった。
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より快適な操作で情報を提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面の情報表示装置は、所定の地点の位置情報に基づいた配置で、前記地点に対応するマークを表示する表示部と、前記表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定する検出部と、前記タッチ位置に基づいて、前記表示部に表示されている前記マークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされた前記マークに関する情報を前記表示部の一部に表示させる表示制御を行う表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記検出部によりタッチが検出されなくなったとき、前記表示部の一部に表示されていた前記マークに関する情報の表示を維持する表示制御を行う。
【0008】
本開示の一側面の情報表示方法またはプログラムは、所定の地点の位置情報に基づいた配置で、前記地点に対応するマークを表示部に表示し、前記表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定し、前記タッチ位置に基づいて、前記表示部に表示されている前記マークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされた前記マークに関する情報を前記表示部の一部に表示させ、タッチが検出されなくなったとき、前記表示部の一部に表示されていた前記マークに関する情報の表示を維持させる。
【0009】
本開示の一側面においては、所定の地点の位置情報に基づいた配置で、地点に対応するマークが表示部に表示され、表示部に対するタッチが検出されて、そのタッチされた位置を示すタッチ位置が特定される。そして、タッチ位置に基づいて、表示部に表示されているマークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされたマークに関する情報が表示部の一部に表示され、タッチが検出されなくなったとき、表示部の一部に表示されていたマークに関する情報の表示が維持される。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一側面によれば、より快適な操作で情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本技術を適用した情報表示装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】タッチパネルに表示される画面の表示例を示す図である。
【図3】ユーザがスポットマークをタッチしたときの表示例を示す図である。
【図4】ユーザがタッチ位置を移動させたときの表示例を示す図である。
【図5】ユーザがタッチを離したときの表示例を示す図である。
【図6】3つのスポットマークが重なり合って表示された表示例を示す図である。
【図7】判定領域の面積を調整する処理を説明する図である。
【図8】現在位置の周辺にあるスポットの位置関係を表示する処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本技術を適用した情報表示装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されている情報表示装置11は、ネットワーク12を介して、各種の情報を提供するサーバ13と通信を行い、ユーザの操作に応じて情報を表示する。
【0015】
情報表示装置11は、タッチパネル21、位置情報取得部22、通信部23、記憶部24、および制御部25を備えて構成される。
【0016】
タッチパネル21は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などを有する表示部26と、抵抗膜方式や、静電容量方式、赤外線方式などによる検出機能を有する検出部27とを備えて構成される。
【0017】
表示部26は、制御部25の制御に従って、ユーザに提供する各種の情報や、ユーザの操作に利用されるGUI(Graphical User Interface)を表示する。検出部27は、表示部26の表面に対してユーザがタッチ(接触)した位置を検出し、そのタッチ位置を特定して、タッチ位置を示す座標情報を制御部25に供給する。
【0018】
位置情報取得部22は、例えば、GPS(Global Positioning System)や無線LAN(Local Area Network)などを利用して、情報表示装置11の現在位置を特定する情報を取得する。具体的には、位置情報取得部22は、少なくとも別々の箇所に設置された3つの基地局から発信される電波を利用して、それらの基地局の位置情報に基づいた3辺測量の手法により、情報表示装置11の現在位置を特定する。
【0019】
通信部23は、携帯電話機において使用される無線通信の規格に従ってデータ通信を行い、インターネットなどのネットワーク12を介して、サーバ13に対して情報を要求し、サーバ13から提供される情報を取得する。例えば、サーバ13は、情報表示装置11の現在位置の周辺にある所定の地点、例えば、商業施設や公共施設などがある地点(以下、適宜、スポットと称する)に関する情報を提供する。スポットに関する情報には、スポットの位置情報や、スポットの名称、スポットの住所などが含まれる。
【0020】
記憶部24は、電源を切っても内容が保存される不揮発性の半導体メモリ、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory))などを有している。記憶部24は、例えば、制御部25が実行するプログラム(アプリケーションソフト)や、通信部23が取得した情報が登録されたデータベースなどを記憶する。
【0021】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えて構成され、ROMまたは記憶部24に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで、情報表示装置11の各部を制御する。なお、CPUが実行するプログラムは、あらかじめROMまたは記憶部24に記憶されているものの他、適宜、記憶部24にダウンロードして更新することができる。
【0022】
例えば、制御部25は、現在位置の周辺にあるスポットの位置関係をタッチパネル21に表示するプログラムを実行する。制御部25は、プログラムに従って、情報表示装置11の現在位置を特定する情報を位置情報取得部22に取得させ、通信部23を介して、情報表示装置11の現在位置の周辺にあるスポットに関する情報を要求する。この要求に応じて、サーバ13が、情報表示装置11の現在位置の周辺にあるスポットに関する情報を提供すると、制御部25は、それらのスポットの位置情報に応じてマークが配置された画面をタッチパネル21に表示させる。
【0023】
図2には、制御部25が、現在位置の周辺にあるスポットの位置関係を表示するプログラムを実行したときに、タッチパネル21に表示される画面の表示例が示されている。
【0024】
図2に示すように、画面31の中央には、情報表示装置11の現在位置を示す中央マーク32が表示される。なお、本実施の形態では、情報表示装置11の現在位置を中心として取得した情報の表示例について説明するが、情報表示装置11の現在位置を画面31の中央から移動させたり、キーワードによる検索結果の位置や登録済みの位置などを中心として取得した情報を表示させたりすることも可能である。
【0025】
また、画面31には、中央マーク32を中心として同心円状に直径の異なる複数の円または円弧が表示されており、それらの円または円弧は、所定の縮尺に従った現在位置からの距離を表している。また、画面31には、方角を示すための記号「N」、「S」、「E」、および「W」が、上辺、下辺、右辺、および左辺のそれぞれ中央部分に表示されており、画面31の上側が北方向を示すことを表している。なお、画面31における方角の表示は、ユーザが向いている方向が常に上側となるように表示され、方角を示すための記号「N」、「S」、「E」、および「W」は、ユーザが向いている方向に応じた表示となる。即ち、ユーザが東方向を向いている場合には、画面31の上側に、東方向を示す記号「E」が表示される。
【0026】
そして、画面31には、情報表示装置11の現在位置を中心として、その周辺にあるスポットの位置情報に応じて配置されたマークが、丸印で表示されている。このようなスポットの位置関係を示すマーク(以下、適宜、スポットマークSMと称する)により、ユーザは、それらのスポットの概略的な距離および方角を、容易に把握することができる。
【0027】
例えば、画面31の左辺近傍にあるスポットマークSM1は、画面31に表示されている円または円弧の間隔が距離250mを表しているとき、現在位置から約西南西の方向へ約距離700mの位置にあるスポットを表している。
【0028】
さらに、情報表示装置11では、タッチパネル21に表示されている画面31上のスポットマークSMの表示箇所をユーザがタッチしたことが検出されると、そのスポットマークSMに関する基本情報が画面31に表示される。
【0029】
図3には、ユーザが、スポットマークSM1の表示箇所をタッチしたときにタッチパネル21に表示される画面の表示例が示されている。
【0030】
図3では、ユーザの指が二点鎖線で表されており、ユーザがスポットマークSM1の表示箇所をタッチすると、画面31の下側に、スポットマークSM1に関する基本情報を表示するための基本情報表示部33が表示される。
【0031】
基本情報表示部33には、種類アイコン34、テキスト表示部35、GUIボタン36および37が表示される。
【0032】
種類アイコン34は、例えば、色を変更することにより、スポットマークSMにより特定されるスポットに関する情報の種類を判別するためのアイコンである。スポットに関する情報には、例えば、スポットについて不特定の者が登録した情報である口コミ情報、スポットに関わる者が登録した情報であるオフィシャル情報、スポットについてユーザが登録した情報である自作情報などがある。そして、種類アイコン34は、例えば、ユーザが選択したスポットマークSMの情報の種類が、口コミ情報である場合には青色で表示され、オフィシャル情報である場合には赤色で表示され、自作情報である場合には緑色で表示される。
【0033】
テキスト表示部35は、スポットマークSMにより特定されるスポットに関する基本的なテキスト情報を表示する表示領域である。図3の表示例では、テキスト表示部35には、スポットマークSM1により特定されるスポットについて、名称が「フレンチ △△△屋」であり、現在位置からの距離が「700m」であり、住所が「東京都港区高輪」であると表示されている。
【0034】
GUIボタン36および37は、ユーザがタッチする操作に応じて、それぞれに割り当てられた機能、例えば、スポットに関する詳細な情報を表示する機能などを起動するためのGUI部品である。例えば、GUIボタン36には、「行ってみる」と表示されており、GUIボタン36をユーザがタッチすることにより、基本情報表示部33に基本情報が表示されているスポットへの道順などを表示する機能が起動する。また、GUIボタン37には、「地図で見る」と表示されており、GUIボタン37をユーザがタッチすることにより、基本情報表示部33に基本情報が表示されているスポットを中心とした電子地図を表示する機能が起動する。
【0035】
また、ユーザが、画面31をタッチしたまま指を移動(スライド)させると、その移動によって新たにタッチされた箇所に表示されているスポットマークSMに関する基本情報が基本情報表示部33に表示される。なお、ユーザが、画面31をタッチした指を移動(スライド)させた場合でも、スポットマークSMの表示位置などは固定されたままである。
【0036】
図4には、ユーザが、タッチ位置を移動させたときにタッチパネル21に表示される画面の表示例が示されている。
【0037】
図4には、ユーザによるタッチ位置の移動の軌跡が矢印で表されている。つまり、ユーザが、スポットマークSM1、スポットマークSM2、スポットマークSM3、およびスポットマークSM4の順番で、それぞれの表示箇所をタッチしながらタッチ位置を移動させたことが表されている。
【0038】
このようにタッチ位置が移動した場合、画面31の基本情報表示部33には、その移動に従って、スポットマークSM2に関する基本情報、スポットマークSM3に関する基本情報、およびスポットマークSM4に関する基本情報が順次表示される。そして、図4において二点鎖線で表されている指のように、ユーザがスポットマークSM4をタッチしているとき、基本情報表示部33のテキスト表示部35には、スポットマークSM4により特定されるスポットについて、名称が「イタリアン △△△亭」であり、現在位置からの距離が「400m」であり、住所が「東京都港区高輪」であると表示されている。
【0039】
そして、基本情報表示部33にポットマークSM4により特定されるスポットに関する基本情報が表示されているときに、ユーザがタッチパネル21をタッチしていた指を離したとする。
【0040】
このとき、図5に示すように、最後にタッチされていたポットマークSM4により特定されるスポットに関する基本情報の表示が維持される。つまり、情報表示装置11では、ユーザが指を離したときに画面31の基本情報表示部33に表示されていた基本情報が表示されたままとなるように表示制御が行われる。
【0041】
これにより、ユーザは、タッチ位置を移動させて基本情報表示部33の表示を更新させ、基本情報表示部33に表示されたスポットの基本情報が気になったとき、タッチパネル21から指を離して、基本情報表示部33のGUIボタン36または37をタッチするという操作を行うことができる。
【0042】
例えば、ユーザがタッチパネル21から指を離したときには、タッチ位置が検出されないため、図2に示したように、スポットマークSMが選択されていない状態に戻すような表示制御を行うことも想定される。しかしながら、このような表示制御では、ユーザは、気になったスポットに関する詳細な情報を表示させるための操作を行うのに手間取ってしまうと考えられる。
【0043】
これに対し、ユーザがタッチパネル21から指を離しても、画面31の基本情報表示部33に表示されていた基本情報の表示を維持する表示制御により、基本情報表示部33のGUIボタン36または37をタッチすることで、スポットに関する詳細な情報を表示させることができる。即ち、ユーザは、気になったスポットに関する詳細な情報を、より直観的かつスムーズな操作で表示させることができる。
【0044】
つまり、情報表示装置11は、気になったスポットの基本情報が基本情報表示部33に表示されたときに、タッチパネル21から指を離して、基本情報表示部33のGUIボタン36または37をタッチさせるという、より快適な操作で、ユーザに情報を提供することができる。
【0045】
なお、例えば、パーソナルコンピュータでは、マウスなどのポインティングデバイスを使用して、スポットにカーソルが重ね合わせること(マウスオーバー)により基本情報を表示し、マウスをクリックする操作に応じて詳細情報を表示するようなユーザインタフェースが採用されている。このようなユーザインタフェースを情報表示装置11にそのまま適用したとしても、タッチパネルによる操作では、マウスオーバーに対応する処理が想定されていないため、タッチにより基本情報を表示させた後、クリックに対応する操作をユーザに行わせることは困難であった。
【0046】
これに対し、情報表示装置11では、上述したように、タッチが離れても基本情報表示部33を表示し続けるため、クリックに対応する操作に替えて、基本情報表示部33に表示されているGUIボタン36または37をタッチさせる操作により、詳細情報を表示することができる。
【0047】
なお、図3乃至図5の表示例では、画面31の下側に基本情報表示部33が表示されているが、基本情報表示部33は、画面31の一部に表示されていればよく、例えば、画面31の上側に表示されるようにしてもよい。このように、画面31の上側に基本情報表示部33が表示される場合には、ユーザの指によって基本情報表示部33が隠れてしまうことが回避され、基本情報表示部33に表示される情報を見やすくすることができる。なお、画面31の下側に基本情報表示部33が表示される場合には、GUIボタン36または37がユーザの近くに表示されるので、GUIボタン36または37に対する操作が行いやすくなる。
【0048】
ここで、情報表示装置11が小型のスマートフォンである場合には、画面31が狭くなってしまうため、複数のスポットマークSMが密集していると、それらのスポットマークSMが重なり合って表示される。このため、複数のスポットマークSMが画面31に表示されているにも関わらず、ユーザが、スポットマークSMが1つしか表示されていないと認識してしまうことが想定される。
【0049】
そこで、情報表示装置11では、スポットマークSMの密集度に応じて、画面31に表示されるスポットマークSMの濃さを調整することができる。例えば、制御部25は、スポットマークSMの密集度が高いときにはスポットマークSMを濃く表示し、スポットマークSMの密集度が低いときにはスポットマークSMを薄く表示するように表示制御を行う。
【0050】
具体的には、制御部25は、スポットマークSMの色を半透明で表示し、スポットマークSMが重なり合ったときには、その透明度が低下するように表示されることを利用して、スポットマークSMを表示する濃さを調整する。
【0051】
図6には、3つのスポットマークSM5乃至SM7が重なり合って表示された表示例が示されている。
【0052】
図6の表示例では、スポットマークSM5乃至SM7が重なり合っていない部分は、それぞれ単独で表示されていたときの濃さで表示される。また、スポットマークSM5およびSM6が重なり合っている部分、スポットマークSM6およびSM7が重なり合っている部分、並びに、スポットマークSM5およびSM7が重なり合っている部分は、単独で表示されていたときの2倍の濃さで表示される。また、スポットマークSM5乃至SM7が重なり合っている部分は、単独で表示されていたときの3倍の濃さで表示される。
【0053】
このように、スポットマークSMの密集度に応じて表示の濃さを調整することにより、ユーザは、画面31を見ることにより、スポットマークSMの密集度を容易に把握することができる。これにより、複数のスポットマークSMが重なり合って表示されていても、情報表示装置11では、複数のスポットマークSMが表示されていることをユーザに確実に認識させることができる。
【0054】
ところで、複数のスポットマークSMが密集して表示されているとき、スポットマークSMをそれぞれ選択することが困難になると想定される。
【0055】
例えば、情報表示装置11では、制御部25は、通信部23が取得したスポットに関する情報に基づいて、画面31にスポットマークSMを表示する際の位置(画面31上の座標位置)を決定する。また、制御部25は、スポットマークSMの座標位置を中心として、所定の直径の円形の領域を、そのスポットマークSMをユーザがタッチしたと判定する判定領域として設定する。そして、制御部25は、ユーザのタッチ位置が判定領域内にあると判定されたスポットマークSMにより特定されるスポットをユーザが選択したと判定し、そのスポットの基本情報を基本情報表示部33に表示する。
【0056】
このとき、複数のスポットマークSMが密集していると、それぞれのスポットマークSMに設定された判定領域が重なり合うことになる。このような場合、制御部25は、例えば、通信部23が情報を取得した順番に従って、より後に取得した情報についてのスポットが、優先的に選択されるように判定領域を設定することができる。従って、複数の判定領域が重なり合っているとき、先に取得した情報についてのスポットの判定領域の面積が、後に取得した情報についてのスポットの判定領域の面積よりも狭くなり、先に取得した情報についてのスポットのスポットマークSMが選択し難くなる。
【0057】
そこで、情報表示装置11では、複数のスポットマークSMが密集している場合でも、それぞれのスポットマークSMを容易に選択することができるように、判定領域の面積を調整する処理が行われる。
【0058】
図7を参照して、3つのスポットマークSM8乃至SM10に対して設定された判定領域の面積を調整する処理について説明する。
【0059】
図7の表示例では、スポットマークSM8の座標位置P8を中心として判定領域A8が設定され、スポットマークSM9の座標位置P9を中心として判定領域A9が設定され、スポットマークSM10の座標位置P10を中心として判定領域A10が設定されている。また、スポットに関する情報を取得した順番は、スポットマークSM8が最も後であり、スポットマークSM9がスポットマークSM8の前に取得され、スポットマークSM10がスポットマークSM9の前に取得されたものとする。従って、スポットマークSM8の判定領域A8が最も優先され(1番目に手前のレイヤとされ)、スポットマークSM9の判定領域A9が次に優先され(2番目に手前のレイヤとされ)ている。
【0060】
図7の左側に示すように、ユーザによる選択が行われる前は、判定領域A8、判定領域A9、および判定領域A10の面積は、それぞれ同じ面積に設定される。
【0061】
そして、例えば、制御部25は、タッチパネル21の検出部27から供給されるタッチ位置を示す座標情報に基づいて、タッチ位置が判定領域A8の内側である場合には、スポットマークSM8が選択されたと判定する。この場合、制御部25は、スポットマークSM8に設定されている判定領域A8を、座標位置P8を中心として面積が縮小された判定領域A8’に変更する。
【0062】
これにより、図7の中央に示すように、スポットマークSM8の判定領域A8’が縮小したことで、判定領域A8が、判定領域A9および判定領域A10に重なっていた部分に応じて、判定領域A9および判定領域A10の面積が広くなる。従って、ユーザは、スポットマークSM9およびスポットマークSM10を選択しやすくなる。
【0063】
さらに、ユーザがタッチ位置を移動させて、タッチ位置が判定領域A9の内側になると、制御部25は、タッチパネル21の検出部27から供給されるタッチ位置を示す座標情報に基づいて、スポットマークSM9が選択されたと判定する。
【0064】
この場合、図7の右側に示すように、制御部25は、スポットマークSM9に設定されている判定領域A9を、座標位置P9を中心として面積が縮小された判定領域A9’に変更する。同時に、制御部25は、スポットマークSM8について、面積を縮小する前の判定領域A8に戻す。
【0065】
このように、情報表示装置11では、制御部25が、ユーザにより選択されたスポットに設定されている判定領域が狭くなるように面積を調整することにより、複数のスポットが密集していても、ユーザがタッチ位置を微調整したときに、それぞれのスポットが選択され易くなる。つまり、情報表示装置11では、密集したスポットを、それぞれ容易に選択することができるユーザインタフェースを提供することができ、ユーザは、それぞれのスポットの基本情報を基本情報表示部33に簡単に表示させることができる。
【0066】
例えば、パーソナルコンピュータで採用されているユーザインタフェースでは、判定領域が狭く設定されていても、ポインティングデバイスを使用することで正確な選択が行えるが、タッチパネル21に対して指で行う操作では、正確な選択を行うことは困難である。従って、タッチパネル21で採用されるユーザインタフェースでは、判定領域を広く設定する必要があり、この場合、ユーザの選択に応じて判定領域を調整する処理を行うことが有効である。
【0067】
なお、判定領域の面積を調整する処理としては、ユーザにより選択されたスポットの判定領域の優先順位を低下させることで判定領域の面積を縮小させて(例えば、選択されたスポットの判定領域を最も下のレイヤにして他の判定領域に隠れさせて)もよい。
【0068】
次に、図8は、図1の情報表示装置11が、現在位置の周辺にあるスポットの位置関係を表示する処理を説明するフローチャートである。例えば、ユーザが情報表示装置11を操作して、現在位置の周辺にあるスポットの位置関係を表示するプログラムの実行を指示すると処理が開始される。
【0069】
ステップS11において、制御部25は、位置情報取得部22に対して、情報表示装置11の現在位置を取得するように制御する。位置情報取得部22は、制御部25の制御に応じて、上述したように無線LANの基地局の位置情報に基づいて情報表示装置11の現在位置を特定し、その現在位置を特定する情報を制御部25に供給して、処理はステップS12に進む。
【0070】
ステップS12において、制御部25は、ステップS11で取得した情報表示装置11の現在位置を通信部23に供給し、通信部23に対して、現在位置の周辺にあるスポットに関する情報を取得するように制御する。通信部23は、制御部25の制御に応じて、ネットワーク12を介してサーバ13と通信を行い、情報表示装置11の現在位置の周辺にあるスポットに関する情報を取得し、制御部25に供給する。制御部25は、通信部23からの情報をデータベース化して記憶部24に記憶させる。
【0071】
ステップS12の処理後、処理はステップS13に進み、制御部25は、記憶部24に記憶されている各スポットに対して、それぞれのスポットに関する情報を取得した順番に従って判定領域(図7参照)を設定し、処理はステップS14に進む。
【0072】
ステップS14において、制御部25は、記憶部24に記憶されているスポットの情報に基づいて、現在位置を中心とした距離および方向に従ってスポットマークSMが表示された画面31を、タッチパネル21の表示部26に表示させる。また、画面31には、図2に示したように、中央マーク32なども表示される。
【0073】
ステップS14の処理後、処理はステップS15に進み、制御部25は、タッチパネル21の表面に対してユーザがタッチしたか否かを判定し、ユーザがタッチしたと判定するまで処理を待機する。例えば、制御部25は、検出部27からタッチ位置を示す座標情報が供給されると、タッチパネル21の表面に対してユーザがタッチしたと判定する。
【0074】
ステップS15において、タッチパネル21の表面に対してユーザがタッチしたと判定された場合、処理はステップS16に進み、制御部25は、ユーザのタッチ位置がスポットの判定領域内であるか否かを判定する。
【0075】
ステップS16において、制御部25が、ユーザのタッチ位置がスポットの判定領域内でないと判定した場合、処理はステップS15に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。即ち、ユーザが、画面31に表示されたスポットマークSMに設定された判定領域内をタッチしたと判定されるまで、処理が待機される。
【0076】
一方、ステップS16において、制御部25が、ユーザのタッチ位置がスポットの判定領域内であると判定した場合、処理はステップS17に進む。
【0077】
ステップS17において、制御部25は、ステップS12で記憶部24に記憶させたデータベースから、ユーザがタッチしたスポットに関する情報を読み出し、その情報に基づいて、図3に示したように、基本情報表示部33を表示する。
【0078】
ステップS17の処理後、処理はステップS18に進み、制御部25は、ユーザがタッチしたスポットに設定されている判定領域の面積を調整する。即ち、制御部25は、図7を参照して説明したように、複数のスポットが密集していて、それらのスポットの判定領域が重なり合っている場合、ユーザにより選択されたスポットの判定領域の面積を縮小する。
【0079】
ステップS18の処理後、処理はステップS19に進み、制御部25は、ユーザのタッチ位置が、ステップS16で判定領域内であると判定されたスポット以外の他のスポットに設定された判定領域内に移動したか否かを判定する。
【0080】
ステップS19において、他のスポットに設定された判定領域内に移動したと判定された場合、処理はステップS17に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。この場合、ステップS17において、基本情報表示部33の表示が、タッチ位置が移動したと判定された他のスポットに関する情報に基づいて更新される。
【0081】
一方、ステップS19において、他のスポットに設定された判定領域内に移動していないと判定された場合、処理はステップS20に進む。
【0082】
ステップS20において、制御部25は、ユーザのタッチがタッチパネル21の表面から離れたか否かを判定する。例えば、制御部25は、検出部27からタッチ位置を示す座標情報の供給が停止されると、ユーザのタッチがタッチパネル21の表面から離れたと判定する。
【0083】
ステップS20において、制御部25が、ユーザのタッチがタッチパネル21の表面から離れていないと判定した場合、処理はステップS19に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。一方、ステップS20において、制御部25が、ユーザのタッチがタッチパネル21の表面から離れたと判定した場合、処理はステップS21に進む。
【0084】
ステップS21において、制御部25は、タッチパネル21に現在表示されている基本情報表示部33の表示を維持するように、即ち、最後にユーザがタッチしていたスポットに関する情報を表示し続けるように、タッチパネル21の表示部26に対して制御を行う。これにより、ユーザが、タッチパネル21の表面から指を離しても、基本情報表示部33に情報が表示されたままとなる。そして、ステップS21の処理後、処理はステップS15に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0085】
以上のように、情報表示装置11では、ユーザによりタッチされたスポットマークSMにより特定されるスポットに関する情報を基本情報表示部33に表示し、タッチ位置が移動したときも、ユーザの指の動きに追従して、基本情報表示部33に表示される情報を更新することができる。さらに、情報表示装置11では、ユーザがタッチパネル21の表面から指を離した後でも、最後に表示されていた情報を基本情報表示部33に表示し続けることができる。これにより、図2乃至図5を参照して説明したように、より快適な操作で、ユーザに情報を提供することができる。
【0086】
また、複数のスポットの判定領域が重なり合っている場合に、ユーザにより選択されたスポットの判定領域の面積を縮小することにより、それぞれのスポットをユーザが容易に選択することができ、操作性を向上させることができる。
【0087】
なお、ユーザがタッチパネル21の表面から指を離した後、最後に表示されていた情報を基本情報表示部33に表示し続ける時間を設定し、その時間が経過した後に、基本情報表示部33を非表示にしてもよい。これにより、ユーザがGUIボタン36または37に対する操作を行わなかった場合には、図2に示したような元の画面31に戻り、ユーザに画面31の全体を把握させることができる。
【0088】
また、例えば、情報表示装置11は、複数の表示部を備えた構成とすることができ、その場合、ある表示部にスポットの位置情報に応じて配置されるスポットマークSMを表示させ、他の表示部に、基本情報表示部33を表示させることができる。これにより、基本情報表示部33の表示によって、スポットマークSMの配置が表示される領域が狭くなることを回避することができる。
【0089】
また、タッチパネル21は、その表面に対するタッチだけを検出するものの他、例えば、その裏面に対するタッチを検出するものを採用することができる。即ち、この場合、ユーザは、タッチパネル21の裏面に対してタッチしてスポットマークSMを選択する。これにより、タッチパネル21に表示される画面31がユーザの指で隠れることがなく、より良好な操作性を提供することができる。なお、この場合、情報表示装置11を振動させることにより、ユーザの操作に対するフィードバックを行ってもよい。さらに、タッチパネル21は、ユーザの指が近接(タッチパネル21の表面に触れない程度に接近)したことを検出することができ、タッチパネル21に対するタッチの検出には、ユーザの指がタッチパネル21に近接したことの検出が含まれる。また、タッチパネル21は、指以外のものによるタッチ、例えば、スタイラスによるタッチ(スタイラス入力)を検出することができる。
【0090】
なお、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1のCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。
【0091】
また、情報表示装置11の制御部25が上述の各処理を実行する必要はなく、例えば、ネットワーク12を介して、図示しない情報処理装置により上述の各処理が実行されるようにすることができる。この場合、情報処理装置から処理の実行結果(例えば、タッチパネル21に表示される画面31)が情報表示装置11に送信されて、タッチパネル21に表示されるようにしてもよい。また、基本情報表示部33に表示する情報は、記憶部24にデータベースとして記憶する必要はなく、例えば、基本情報表示部33の情報の表示を更新するごとに、ネットワーク12を介して取得するようにしてもよい。
【0092】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
所定の地点の位置情報に基づいた配置で、前記地点に対応するマークを表示する表示部と、
前記表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定する検出部と、
前記タッチ位置に基づいて、前記表示部に表示されている前記マークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされた前記マークに関する情報を前記表示部の一部に表示させる表示制御を行う表示制御部と
を備え、
前記表示制御部は、前記検出部によりタッチが検出されなくなったとき、前記表示部の一部に表示されていた前記マークに関する情報の表示を維持する表示制御を行う
情報表示装置。
(2)
前記表示制御部は、前記タッチ位置の移動に従って、前記表示部の一部に表示されている情報に対応する前記マーク以外の他のマークの表示箇所がタッチされた場合に、その他のマークに関する情報で前記表示部の一部の表示を更新する
前記(1)に記載の情報表示装置。
(3)
前記表示制御部は、前記表示部において複数の前記マークが密集して表示されているとき、複数の前記マークの密集度に応じて前記マークの濃さを調整する
前記(1)または(2)に記載の情報表示装置。
(4)
前記マークごとに、それぞれの前記マークがタッチされたと判定するための判定領域を設定する判定領域設定部と、
複数の前記マークに対して設定された前記判定領域が重なり合っているとき、それらの複数の前記マークのいずれかがタッチされた場合、そのタッチされた前記マークに対して設定されている前記判定領域の面積を縮小させる調整部と
をさらに備える前記(1)から(3)までのいずれかに記載の情報表示装置。
【0093】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0094】
11 情報表示装置, 12 ネットワーク, 13 サーバ, 21 タッチパネル, 22 位置情報取得部, 23 通信部, 24 記憶部, 25 制御部, 26 表示部, 27 検出部, 31 画面, 32 中央マーク, 33 基本情報表示部, 34 種類アイコン, 35 テキスト表示部, 36および37 GUIボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の地点の位置情報に基づいた配置で、前記地点に対応するマークを表示する表示部と、
前記表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定する検出部と、
前記タッチ位置に基づいて、前記表示部に表示されている前記マークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされた前記マークに関する情報を前記表示部の一部に表示させる表示制御を行う表示制御部と
を備え、
前記表示制御部は、前記検出部によりタッチが検出されなくなったとき、前記表示部の一部に表示されていた前記マークに関する情報の表示を維持する表示制御を行う
情報表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記タッチ位置の移動に従って、前記表示部の一部に表示されている情報に対応する前記マーク以外の他のマークの表示箇所がタッチされた場合に、その他のマークに関する情報で前記表示部の一部の表示を更新する
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示部において複数の前記マークが密集して表示されているとき、複数の前記マークの密集度に応じて前記マークの濃さを調整する
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記マークごとに、それぞれの前記マークの表示箇所がタッチされたと判定するための判定領域を設定する判定領域設定部と、
複数の前記マークに対して設定された前記判定領域が重なり合っているとき、それらの複数の前記マークのいずれかがタッチされた場合、そのタッチされた前記マークに対して設定されている前記判定領域の面積を縮小させる調整部と
をさらに備える請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項5】
所定の地点の位置情報に基づいた配置で、前記地点に対応するマークを表示部に表示し、
前記表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定し、
前記タッチ位置に基づいて、前記表示部に表示されている前記マークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされた前記マークに関する情報を前記表示部の一部に表示させ、
タッチが検出されなくなったとき、前記表示部の一部に表示されていた前記マークに関する情報の表示を維持させる
ステップを含む情報表示方法。
【請求項6】
所定の地点の位置情報に基づいた配置で、前記地点に対応するマークを表示部に表示し、
前記表示部に対するタッチを検出して、そのタッチされた位置を示すタッチ位置を特定し、
前記タッチ位置に基づいて、前記表示部に表示されている前記マークの表示箇所がタッチされた場合に、タッチされた前記マークに関する情報を前記表示部の一部に表示させ、
タッチが検出されなくなったとき、前記表示部の一部に表示されていた前記マークに関する情報の表示を維持させる
ステップを含む情報表示処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208673(P2012−208673A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73047(P2011−73047)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】