説明

情報表示装置および情報表示方法

【課題】、ユーザから経時的に変化する情報の表示の指示を受けたとき、すぐに、経時的に変化する情報を表す画像を動画のように表示することができる情報表示装置および情報表示方法を提供する。
【解決手段】制御回路は4つのレイヤを描画し、RAMに記憶する。第1レイヤ31に地図20を、第2レイヤ32に天気図を描画する。第3レイヤ33を、4つのレイヤ領域33a〜33dに区画し、それぞれに過去の縮小天気図を描画する。第1〜第3レイヤ領域33a〜33dに24時間前、18時間前、12時間前、6時間前の天気図を描画する。第4レイヤ34には、ボタン21〜24などを描画する。第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤのレイヤ領域33a〜33dのいずれか一つおよび第4レイヤ34の描画データを重ねて表示モニタに表示する。過去の天気図が時刻の古い順序で動画として表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報表示装置および情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気象情報などの経時的に変化する情報を地図に重ねて表示するとき、時刻の古い順に連続的にその情報を表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−121172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、利用者から気象情報の表示の指示を受けた後、ワーキングメモリに記憶された気象情報を抽出し、気象情報を地図データとともに表示部に動画のように表示する処理を行う。このため、利用者から気象情報の表示の指示を受けた後、すぐに、経時的に変化する情報を動画のように表示できないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)第1の発明は、経時変化する情報(以下、変化情報)を複数レイヤに展開した描画データとして重ね合わせて表示する情報表示装置において、基本画面の画像データを第1レイヤの記憶領域に、第1時刻における前記変化情報(以下、第1変化情報)の画像データを第2レイヤの記憶領域に、前記第1時刻の前または後における複数時刻の変化情報(以下、第2変化情報)の縮小画像データを第3レイヤの記憶領域に、それぞれ描画データとして展開して記憶する描画データ記憶手段と、前記第1〜第3レイヤの記憶領域に展開された描画データを重畳させることにより、基本画面上に前記第1時刻における前記第1変化情報を重畳表示するとともに、さらにその重畳表示画面に前記複数の第2変化情報を動画として重畳させて表示モニタに表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の情報表示装置において、前記変化情報を受信する受信手段をさらに備え、前記描画データ記憶手段の前記第2レイヤの記憶領域には、受信した最新の変化情報を表す画像の描画データが記憶され、前記第3レイヤの記憶領域には、複数の時刻で受信した過去の変化情報を表す複数画像の縮小描画データが記憶され、
前記制御手段は、前記第3レイヤの記憶領域に記憶した複数の縮小描画データを順次選択して前記重畳表示画面に動画として重ね合わせることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の情報表示装置において、前記基本画面上に第1変化情報を重畳表示する第1画像表示を指示する第1指示手段と、前記第1画像表示の上にさらに前記第2変化情報を重畳表示する第2画像表示を指示する第2指示手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記第1指示手段からの指示に応じて前記第1画像表示を前記表示モニタで行い、前記第2指示手段からの指示に応じて前記第2画像表示を前記表示モニタで行うことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2乃至3項のいずれか1項に記載の情報表示装置において、前記制御手段は、前記第2レイヤの記憶領域に記憶した前記第1変化情報が更新されると、更新前の第1変化情報を縮小した縮小画像データを作成し、前記第2変化情報の縮小描画データとして前記第3レイヤの記憶領域に記憶することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報表示装置において、前記基本画面は地図、前記変化情報は気象情報であり、前記受信手段は前記気象情報を外部から受信し、前記第2レイヤの記憶領域には最新の気象情報を表す画像の描画データが記憶され、前記第3レイヤの記憶領域には過去の複数の気象情報を表す画像の描画データが記憶されることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報表示装置において、前記基本画面は地図、前記変化情報は交通情報であり、前記受信手段は前記交通情報を外部から受信し、前記第2レイヤの記憶領域には最新の交通情報を表す画像の描画データが記憶され、前記第3レイヤの記憶領域には過去の複数の交通情報を表す画像の縮小描画データが記憶されることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報表示装置において、前記基本画面は地図、前記変化情報は統計交通情報であり、前記受信手段は前記統計交通情報を外部から受信し、前記第2レイヤの記憶領域には基準時刻の統計交通情報を表す画像の描画データが記憶され、前記第3レイヤの記憶領域には基準時刻の前または後の複数の統計交通情報を表す画像の縮小描画データが記憶されることを特徴とする。
(8)請求項8の発明による情報表示方法は、複数レイヤに展開した描画データを重ねて変化情報を表示する情報表示方法において、第1レイヤの記憶領域には、地図などの基本画面を表示する画像の描画データを展開して記憶し、第2レイヤの記憶領域には、気象情報など経時的に変化する変化情報を表示する画像の描画データを展開して記憶し、第3レイヤの記憶領域には、前記第2レイヤに展開する変化情報を基準時刻とした前または後の時刻における変化情報を縮小表示する画像の縮小描画データを展開して記憶し、前記第2レイヤの記憶領域の描画データは、前記変化情報が更新されると更新し、前記第3レイヤの記憶領域の描画データは、前記第2レイヤの変化情報が更新されるときに、更新前の変化情報を縮小表示する画像の縮小描画データを新たに記憶し、前記第1および第2レイヤの描画データを重ね合わせるとともに、前記第3レイヤの複数の縮小描画データを所定時間ごとに動画としてさらに重ね合わせて変化情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、経時的に変化する気象情報などの複数の変化情報を縮小描画データとして記憶しておき、第1レイヤの基本画面の描画データと第2レイヤの基準となる変化情報の描画データに縮小描画データを重ね合わせるようにした。したがって、気象情報などの経時的変化を動画のように迅速に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、衛星ラジオ放送による気象情報を受信し、その気象情報を地図に重ねて表示モニタ16に表示することができる。既知の衛星ラジオ放送として、たとえば、シリウスサテライトラジオなどがある。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110、衛星ラジオ受信部111、受信メモリ112およびディスクドライブ113を有している。ディスクドライブ113は、地図データが記憶されたDVD−ROM114を装填する。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、DVD−ROM114に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行い、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは、車両の進行方向を検出する。車速センサ14bは、車速を検出する。GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定する。また、車両の現在地を地図上に自車位置マークとして表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなる。制御回路11は、DVD−ROM114に記憶された地図データなどに基づいて、その画像データを適宜生成する。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
なお、本発明の一実施の形態であるナビゲーション装置1では、表示モニタ上に表示する地図の描画データと、地図上に最新の気象情報を重畳表示するための気象描画データとをRAM13に記憶する。また、気象情報を動画のように表示するための複数の縮小気象描画データもRAM13に記憶する。
【0011】
制御回路11は、ディスクドライブ113を使用してDVD−ROM114から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データは、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報を含む。地図表示用データは、広域から詳細まで7段階の縮尺の地図データを有する。ナビゲーション装置1は、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を7段階に変更する。なお、制御回路11は、DVD−ROM114以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0012】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどを有する。ユーザは、入力装置18を操作することによって、表示モニタ16に表示されている地図の縮尺を変更したり、地図をスクロールしたりすることができる。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって、入力装置18を操作して目的地を設定する。また、ユーザは、入力装置18を操作することによって、衛星ラジオ放送を選局する。
【0013】
ユーザが目的地を設定すると、制御回路11は、現在地検出装置14により検出された現在地を出発地とし、出発地から目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。制御回路11は、このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)を、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路と区別して表示モニタ16に表示する。これにより、ユーザは表示モニタ16に表示された地図の中から推奨経路を認識することができる。ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがってユーザが走行できるように、画面や音声で経路誘導を行う。
【0014】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチである。表示モニタ16はタッチパネル19を通して画面を表示する。ユーザが表示モニタ16の画面を押圧すると、タッチパネル19を押圧する。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出する。タッチパネルコントロール部110はその信号に基づいてタッチパネル19の押圧位置を算出する。制御回路11は、タッチパネルコントロール部110により算出された押圧位置に基づいて所定の処理を行う。これにより、ユーザが表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧すると、制御回路11は、各種ボタンや表示メニューに定義された処理を実行することができる。
【0015】
衛星ラジオ受信部111は、図示しない衛星ラジオ局から人工衛星を介して放送される衛星ラジオ放送を受信し、制御回路11に出力する。スピーカ17は、受信された衛星ラジオ放送を出力する。制御回路11は受信した気象情報を受信メモリ12に記憶する。受信メモリ112は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体である。
【0016】
衛星ラジオ放送の気象情報は、天気図の情報や、ハリケーンなどの嵐の情報、気象レーダによる雨量分布の情報、各観測地点における風向きや風力の情報などを有する。天気図の情報は、たとえば、高気圧あるいは低気圧の位置(緯度・経度)の情報、等圧線の情報、温暖前線もしくは寒冷前線の位置情報などを含む。嵐の情報は、ハリケーン、竜巻、あられ、メゾサイクロン、ひょう、雷雨などが発生している地域の観測位置や予想進路(移動方向)の情報などを含む。雨量分布の情報は、雨が降っている地域の観測位置とその位置における雨量の情報などを含む。
【0017】
表示モニタ16は、受信メモリ112に記憶された気象情報に基づいて作成した天気図や気象情報を示すアイコンを地図上に表示する。この実施の形態のナビゲーション装置1では、ナビゲーション装置1は、第1レイヤ〜第4レイヤに展開した描画データを重ね合わせて地図画面上に現在の天気図を表示するとともに、必要に応じて過去の天気図を動画のように表示する。表示モニタ16に表示する地図は北米全域を表す地図である。地図の描画データはRAM13に第1レイヤの描画データとして予め記憶されている。また、受信メモリ112に記憶した気象情報に基づいて、現在の天気図を地図に重畳表示するための描画データを作成してRAM13に記憶する。
【0018】
さらに、18時間前の天気図、12時間前の天気図、6時間前の天気図および現在の天気図を表示モニタ16に縮小した動画として表示するため縮小描画データを作成してRAM13に記憶する。なお、第4レイヤは最上位の表示レイヤであり各種ボタンの描画データが展開される。このように、RAM13には第1〜第4レイヤの描画データを記憶する記憶領域がそれぞれ設けられている。
【0019】
以下では、第1〜第4レイヤの記憶領域に描画データを展開して記憶するという表現に代えて、便宜上、第1〜第4レイヤに描画データを展開すると表現することもある。
【0020】
次に、図2を参照して、気象情報を表す画像を経時的に変化させて動画のように表示させる操作について説明する。
【0021】
図2は、不図示のメニューから気象情報表示を選択すると表示される表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。表示モニタ16は、図2に示す地図20を表示し、その地図20に重ねて天気図を表示する。天気図として、高気圧(H)、低気圧(L)、等圧線、寒冷前線および温暖前線を表示する。表示モニタ16は、天気図に重ねて、天気図ボタン21、雨量レーダボタン22、風向き風量ボタン23および動画ボタン24を表示する。天気図ボタン21は、天気図を地図20に重ねて表示するためのボタンである。雨量レーダボタン22は、レーダによって観測された雨量分布を地図20に重ねて表示するためのボタンである。風向き風量ボタン23は、各観測地点で観測された風向きおよび風量を地図20に重ねて表示するためのボタンである。動画ボタン24は、過去から現在に至るまで変化する天気図を動画のように表示するためのボタンである。
【0022】
ユーザが動画ボタン24を押圧すると、数時間毎の天気図を動画のように表示することができる。動画ボタン24が押圧されると、表示モニタ16には、図2(b)に示す18時間前の天気図25aが縮小画面として表示され、その後、所定時間経過するたびに、12時間前の天気図、6時間前の天気図および現在の天気図が順次連続的に表示される。ユーザが再び動画ボタン24を押圧するまで、表示モニタ16には、過去から現在に至るまでの天気図が動画のように連続的に表示される。
【0023】
図3〜図7を参照して、気象情報を経時的に変化させて動画のように表示させる表示処理について詳細に説明する。
【0024】
ユーザが不図示のメニューから気象情報表示を選択すると、制御回路11は、図3に示す第1レイヤ31〜第4レイヤ34に描画する描画データを作成し、RAM13の第1〜第4レイヤ描画データ記憶領域のそれぞれに記憶する。上述したように、第1レイヤ31には地図20の描画データが展開され、第2レイヤ32には、最新の天気図の描画データが展開される。
【0025】
第3レイヤには、複数の過去および現在の天気図が所定時間間隔で順次描画される。実施の形態の地図表示装置では、第3レイヤに描画される天気図は、第2レイヤに描画される天気図の1/4の縮小画像であり、RAM13の第3レイヤ描画データ記憶領域は4つレイヤ領域33a〜33dに区画されている。それぞれのレイヤ領域33a〜33dには、18時間前、12時間前、6時間前および現在の天気図の描画データが展開される。第4レイヤ34には、天気図ボタン21、雨量レーダボタン22、風向き風量ボタン23、動画ボタン24などの描画データが展開される。
【0026】
そして、制御回路11は、図4に示すように、第1レイヤ31、第2レイヤ32および第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねた表示画像データ40を作成し、画像メモリ15に格納する。このとき、制御回路11は第3レイヤ33を重ねない。表示モニタ16は、この画像データを表示することにより、図2(a)に示す画像を表示する。
【0027】
ユーザが動画ボタン24を押圧すると、制御回路11は、図5(a)に示すように第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第1レイヤ領域33aおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねた表示画像データ40aを作成し、その画像データ40aを画像メモリ15に格納する。表示モニタ16は、図7(a)に示すように18時間前の天気図25aを縮小画面で表示する。所定時間経過すると、制御回路11は、図5(b)に示すように第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第2レイヤ領域33bおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねた表示画像データ40bを作成し、その画像データ40bを画像メモリ15に格納する。表示モニタ16は、図7(b)に示すように12時間前の天気図25bを縮小画面で表示する。
【0028】
さらに所定時間経過すると、制御回路11は、図6(a)に示すように第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第3レイヤ領域33cおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねた表示画像データ40cを作成し、その画像データ40cを画像メモリ15に格納する。表示モニタ16は、図7(c)に示すように6時間前の天気図25cが縮小画面で表示する。その後さらに所定時間経過すると、制御回路11は、図6(b)に示すように第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第4レイヤ領域33dよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねた表示画像データ40dを作成し、その画像データ40dを画像メモリ15に格納する。表示モニタ16は、図7(d)に示すように現在の天気図25dを縮小画面で表示する。
【0029】
図7(a)〜図7(d)に表示されている天気図25a〜25dを時刻の古い順序で連続的に表示することによって、表示モニタ16は、天気図の過去から現在への移り変わりを動画のように表示することができる。
【0030】
次に、図8のフローチャートを参照して、天気図を経時的に変化して動画のように表示する表示処理を説明する。図8の処理は、動画ボタン24が押圧されるとスタートするプログラムであり、制御回路11が実行する。制御回路11は、予め、第3レイヤ33の第1レイヤ領域33aに18時間前の縮小天気図を描画し、第2レイヤ領域33bに12時間前の縮小天気図を描画し、第3レイヤ領域33cに6時間前の縮小天気図を描画し、第4レイヤ領域33dに現在の縮小天気図を描画しているものとして説明する。
【0031】
ステップS801では、第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第1レイヤ領域33aおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねて表示モニタ16に表示する。ステップS802では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、動画ボタン24が押圧されたか否かを判定する。動画ボタン24が押圧された場合はステップS802が肯定判定され、表示処理を終了する。動画ボタン24が押圧されていない場合はステップS802が否定判定され、ステップS803へ進む。
【0032】
ステップS803では、第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第2レイヤ領域33bおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねて表示モニタ16に表示する。ステップS804では、ステップS802と同様にして動画ボタン24が押圧されたか否かを判定する。動画ボタン24が押圧された場合はステップS802が肯定判定され、表示処理を終了する。動画ボタン24が押圧されていない場合はステップS802が否定判定され、ステップS805へ進む。
【0033】
ステップS805では、第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第3レイヤ領域33cおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねて表示モニタ16に表示する。ステップS806では、ステップS802と同様にして動画ボタン24が押圧されたか否かを判定する。動画ボタン24が押圧された場合はステップS806が肯定判定され、表示処理を終了する。動画ボタン24が押圧されていない場合はステップS806が否定判定され、ステップS807へ進む。
【0034】
ステップS807では、第1レイヤ31、第2レイヤ32、第3レイヤ33の第4レイヤ領域33dおよび第4レイヤ34の描画データを下から上へ重ねて表示モニタ16に表示する。ステップS808では、ステップS802と同様にして動画ボタン24が押圧されたか否かを判定する。動画ボタン24が押圧された場合はステップS806が肯定判定され、表示処理を終了する。動画ボタン24が押圧されていない場合はステップS808が否定判定され、ステップS801に戻る。
【0035】
以上の本発明の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
経時的に変化する情報である天気図のうちの所定の時刻(18時間前、12時間前、6時間前、および現在)の天気図25a〜25dを表示する画像を縮小描画データとして第3レイヤ33に記憶した。そして、ユーザからその情報を表示する指示を受けたとき、すなわち、ユーザが動画ボタン24を押圧したとき、第3レイヤ領域33a〜33dに記憶した天気図の縮小描画データを時刻の古い順序で所定時間ごとに切り替え、第1、第2および第4レイヤの描画データに重ね合わせるようにした。これにより、ユーザから経時的に変化する情報の表示の指示を受けたとき、すぐに、過去から現在に至る天気図の移り変わりを動画のように表示することができる。
【0036】
また、1つのレイヤ33に割り当てられたRAM13の作業領域には、複数の画像25a〜25dの縮小描画データを展開するようにしたので、メモリ容量を少なくできる。したがって、4つの天気図の縮小画像の描画データをRAM13に予め記憶させておいても制御回路11の負担にならない。
【0037】
以上の実施形態を次のように変形することができる。
(1)以上の実施形態では、図2(b)に示すように動画のように表示する過去の天気図などを、地図20や現在の天気図に重ねて表示するようにした。しかし、図9に示すように、地図20や現在の天気図を表示せずに、過去の天気図などを動画として表示するようにしてもよい。表示するレイヤの数が少なくてすみ、表示モニタ16に表示する画像データを作成する処理時間を短縮できる。
【0038】
(2)以上の実施形態では、地図20や現在の天気図に重ねて過去の天気図などを動画のように表示するようにした。しかし、図10に示すように、オーディオ画面50に重ねて表示するようにしてもよい。ここで、オーディオ画面50とは、ナビゲーション装置1に接続された不図示のオーディオ装置を操作したり、オーディオ装置が演奏している楽曲の情報を表示したり、オーディオ装置の設定の情報を表示したりするための画面である。
【0039】
図10(a)は、オーディオ画面50を説明するための図である。表示モニタ16は、オーディオ画面50に、オーディオ装置の設定51、演奏している楽曲の情報52、オーディオ装置を操作するためのボタン類53および動画ボタン54を表示する。ユーザが動画ボタン54を押圧すると、図10(b)に示すように、表示モニタ16は天気図の画像25a〜25dを縮小画面として動画のように表示する。これにより、ユーザが楽曲を聞いているとき、気象情報を知りたくなった場合に、速やかに、天気図を動画のように表示することができる。
【0040】
(3)時刻の古い順序で連続的に表示する画像は、気象情報を表示する画像であれば、天気図の画像に限定されない。たとえば、気象衛星が撮影した雲の画像、レーダによって観測された雨量分布の画像、各観測地点で観測された風向きおよび風量を示す画像などでもよい。天気図以外の気象情報を表示する画像についても、ユーザからその画像の表示の指示を受けたとき、すぐに、その画像を動画のように表示することができる。
【0041】
(4)時刻の古い順序で連続的に表示する画像は、経時変化する情報を表する画像であれば、天気図に限定されない。たとえば、図11に示すように、交通情報を表示する画像でもよい。天気図以外の経時変化する情報を表する画像についても、ユーザからその画像の表示の指示を受けたとき、すぐにその画像を動画のように表示することができる。
【0042】
図11は、所定の交差点における渋滞状況の移り変わりを動画のように表示した表示画面を説明するための図である。図11(a)は、所定の交差点における6時間前の渋滞状況を表示した表示モニタ16の表示画面を示す図である。表示モニタ16は、天気図が表示された地図20に重ねて、6時間前の渋滞状況を表示した画像26aを表示する。画像26aは、渋滞表示線ともに所定の交差点の周辺の地図を表した画像である。渋滞表示線は、渋滞の状況を表す矢印であり、渋滞表示線が長ければ長いほど、渋滞の程度が大きいことを示す。
【0043】
図11(b)は、所定の交差点における4時間前の渋滞状況を表示した表示モニタ16の表示画面を示す図である。表示モニタ16は、天気図が表示された地図20に重ねて4時間前の渋滞状況を表示した画像26bを表示する。
【0044】
図11(c)は、所定の交差点における2時間前の渋滞状況を表示した表示モニタ16の表示画面を示す図である。表示モニタ16は、天気図が表示された地図20に重ねて2時間前の渋滞状況を表示した画像26cを表示する。図11(d)は、所定の交差点における現在の渋滞状況を表示した表示モニタ16の表示画面を示す図である。表示モニタ16は、天気図が表示された地図20に重ねて現在の渋滞状況を表示した画像26dを表示する。
【0045】
表示モニタ16は、図11(a)〜図11(d)に表示されている画像26a〜26dを時刻の古い順序で連続的に表示することによって、所定の交差点における渋滞状況の過去から現在に至るまでの移り変わりを動画のように表示することができる。
【0046】
(5)図7に示すように、経時的に変化する情報を示す画像において、6時間おきの画像を時刻の古い順序で連続的に表示した。しかし、経時的に変化する情報の中で、表示する画像における情報の時間的間隔は、表示させたい時間の範囲や、レイヤを記憶するメモリの容量などにより適宜選択することができる。たとえば、1時間おきの画像を時刻の古い順序で連続的に表示してもよい。
【0047】
(6)図7に示すように、過去から現在に至るまでにおける経時的に変化する情報を示す画像を時刻の古い順序で連続的に表示した。しかし、全て過去における経時的に変化する情報を示す画像を時刻の古い順序で連続的に表示するようにしてもよい。たとえば、1年前の天気図を知りたい場合、1年前の天気図を表す複数の画像を時刻の古い順序で連続的に表示するようにしてもよい。
【0048】
(7)経時的に変化する情報を予測できる場合、予測した情報を表す画像を時間順序で連続的に表示するようにしてもよい。たとえば、6時間後、12時間後、18時間後および24時間後の予想天気図を時間順序で連続的に表示するようにしてもよい。また、統計交通情報などを利用して将来の渋滞状況を予測できる場合、所定の交差点における1時間後の渋滞状況を表示した画像、2時間後の渋滞状況を表示した画像、3時間後の渋滞状況を表示した画像および4時間後の渋滞状況を表示した画像などを時間順序で連続的に表示するようにしてもよい。
【0049】
(8)図3に示すように、複数の画像25a〜25dの縮小描画データをそれぞれ展開するレイヤ33は1つであったが、図12に示すように、複数のレイヤ33,35に、複数の画像の描画データを展開するようにしてもよい。これにより、連続的に表示する画像の数を多くすることができる。
【0050】
(9)図3に示すように、1つのレイヤ33に4つの画像25a〜25dのいずれか一つの描画データを展開するようにしたが、1つのレイヤに描画する画像の数は、表示モニタの画面の大きさなどにより適宜選択することができる。たとえば、図13に示すように、1つのレイヤ33に9つの縮小画像の描画データを順次に展開するようにしてもよい。これにより、連続的に表示する画像の数を多くすることができる。
【0051】
なお、単純に1/9とすると表示モニタ16上の表示範囲が小さくなる。そこで、1/4縮小画像のまま動画として表示する縮小画像を増やすには、複数のレイヤにモニタの1/4縮小画像を記憶すればよい。
【0052】
(10)第2レイヤの天気図が更新されると、更新前の天気図を縮小した縮小画像データを作成し、第3レイヤにおける縮小描画データとして第3レイヤの記憶領域に記憶するようにしてもよい。天気図のデータが更新されるごとに過去の天気図の画像データが第3レイヤに順次作成されるので、速やかに過去の天気図を縮小画面として表示させることができる。
【0053】
(11)第1レイヤに描画される画像データは、表示画面の基本となる基本画面の画像データであれば地図画面の画像データやオーディオ画面の画像データに限定されない。また、第2レイヤおよび第3レイヤに描画される画像データは、時間とともに変化する変化情報についての画像データであれば天気図の画像データや渋滞状況を表示した画像の画像データに限定されない。
【0054】
本発明は、情報表示装置であれば、ナビゲーション装置に限定されない。たとえば、本発明は、地図を表示するPDA(Personal Digital Assistants)にも適用できる。さらに、基本となる画面は地図以外の周囲の状況を表示する画像やお好みの画像でもよい。
【0055】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0056】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0057】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の描画データ記憶手段はRAM13に、制御手段は制御回路11にそれぞれ対応する。第1および第2指示手段は制御回路11、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態によるナビゲーション装置を説明するための図である。
【図2】天気図を経時的に変化させて動画のように表示する操作を説明するための図である。
【図3】4つのレイヤに描画する画像を説明するための図である。
【図4】3つのレイヤを重ねて画像データを作成する処理を説明するための図である。
【図5】24時間前および18時間前の天気図を縮小画面で表示する処理を説明するための図である。
【図6】12時間前および6時間前の天気図を縮小画面で表示する処理を説明するための図である。
【図7】天気図を経時的に変化させて動画のように表示するときの表示画面を説明するための図である。
【図8】天気図を経時的に変化させて動画のように表示する表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】地図や現在の天気図を表示しないで、天気図を動画のように表示するときの表示画面を説明するための図である。
【図10】オーディオ画面を表示して、天気図を動画のように表示するときの表示画面を説明するための図である。
【図11】交通情報を表示した画像を動画のように表示するときの表示画面を説明するための図である。
【図12】5つのレイヤに描画する画像を説明するための図である。
【図13】4つのレイヤに描画する他の実施形態の画像を説明するための図である。
【符号の説明】
【0059】
1 ナビゲーション装置 11 制御回路
13 RAM 16 表示モニタ
19 タッチパネル 20 地図
24,51 動画ボタン 25a〜25d 天気図を表す画像
26a〜26d 交通情報を表す画像 31〜35 レイヤ
40,40a〜40d 画像データ 50 オーディオ画面
110 タッチパネルコントロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経時変化する情報(以下、変化情報)を複数レイヤに展開した描画データとして重ね合わせて表示する情報表示装置において、
基本画面の画像データを第1レイヤの記憶領域に、第1時刻における前記変化情報(以下、第1変化情報)の画像データを第2レイヤの記憶領域に、前記第1時刻の前または後における複数時刻の変化情報(以下、第2変化情報)の縮小画像データを第3レイヤの記憶領域に、それぞれ描画データとして展開して記憶する描画データ記憶手段と、
前記第1〜第3レイヤの記憶領域に展開された描画データを重畳させることにより、基本画面上に前記第1時刻における前記第1変化情報を重畳表示するとともに、さらにその重畳表示画面に前記複数の第2変化情報を動画として重畳させて表示モニタに表示する制御手段とを備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記変化情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記描画データ記憶手段の前記第2レイヤの記憶領域には、受信した最新の変化情報を表す画像の描画データが記憶され、前記第3レイヤの記憶領域には、複数の時刻で受信した過去の変化情報を表す複数画像の縮小描画データが記憶され、
前記制御手段は、前記第3レイヤの記憶領域に記憶した複数の縮小描画データを順次選択して前記重畳表示画面に動画として重ね合わせることを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報表示装置において、
前記基本画面上に第1変化情報を重畳表示する第1画像表示を指示する第1指示手段と、
前記第1画像表示の上にさらに前記第2変化情報を重畳表示する第2画像表示を指示する第2指示手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記第1指示手段からの指示に応じて前記第1画像表示を前記表示モニタで行い、前記第2指示手段からの指示に応じて前記第2画像表示を前記表示モニタで行うことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項2乃至3項のいずれか1項に記載の情報表示装置において、
前記制御手段は、前記第2レイヤの記憶領域に記憶した前記第1変化情報が更新されると、更新前の第1変化情報を縮小した縮小画像データを作成し、前記第2変化情報の縮小描画データとして前記第3レイヤの記憶領域に記憶することを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報表示装置において、
前記基本画面は地図、前記変化情報は気象情報であり、
前記受信手段は前記気象情報を外部から受信し、
前記第2レイヤの記憶領域には最新の気象情報を表す画像の描画データが記憶され、
前記第3レイヤの記憶領域には過去の複数の気象情報を表す画像の描画データが記憶されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報表示装置において、
前記基本画面は地図、前記変化情報は交通情報であり、
前記受信手段は前記交通情報を外部から受信し、
前記第2レイヤの記憶領域には最新の交通情報を表す画像の描画データが記憶され、
前記第3レイヤの記憶領域には過去の複数の交通情報を表す画像の縮小描画データが記憶されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報表示装置において、
前記基本画面は地図、前記変化情報は統計交通情報であり、
前記受信手段は前記統計交通情報を外部から受信し、
前記第2レイヤの記憶領域には基準時刻の統計交通情報を表す画像の描画データが記憶され、
前記第3レイヤの記憶領域には基準時刻の前または後の複数の統計交通情報を表す画像の縮小描画データが記憶されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
複数レイヤに展開した描画データを重ねて変化情報を表示する情報表示方法において、
第1レイヤの記憶領域には、地図などの基本画面を表示する画像の描画データを展開して記憶し、
第2レイヤの記憶領域には、気象情報など経時的に変化する変化情報を表示する画像の描画データを展開して記憶し、
第3レイヤの記憶領域には、前記第2レイヤに展開する変化情報を基準時刻とした前または後の時刻における変化情報を縮小表示する画像の縮小描画データを展開して記憶し、
前記第2レイヤの記憶領域の描画データは、前記変化情報が更新されると更新し、
前記第3レイヤの記憶領域の描画データは、前記第2レイヤの変化情報が更新されるときに、更新前の変化情報を縮小表示する画像の縮小描画データを新たに記憶し、
前記第1および第2レイヤの描画データを重ね合わせるとともに、前記第3レイヤの複数の縮小描画データを所定時間ごとに動画としてさらに重ね合わせて変化情報を表示することを特徴とする情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−245134(P2009−245134A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90498(P2008−90498)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】