説明

情報表示装置および情報表示方法

【課題】光源の消費電力を抑制する。
【解決手段】複数の光源が配列された表示面と、前記複数の光源にて発光された光を反射する反射面と、前記表示面を直接視認した直接像と、前記反射面を視認した反射像とを結合することにより表示情報が表示されるように前記複数の光源を点灯制御する点灯制御部と、を備える情報表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する情報表示装置および情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の光源から発光された光の照射方向を反射板により調整する表示装置が知られている(特許文献1、参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−234514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように反射板を用いても光源の数を減少させることはできず、光源の消費電力を抑制することができないという問題があった。
本発明は、前記の問題を解決せんとするもので、光源の数を半分にすることによって消費電力を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、複数の光源が配列された表示面と、複数の光源にて発光された光を反射する反射面と、複数の光源を点灯制御する点灯制御部とを備える。点灯制御部は、表示面を直接視認した直接像と、反射面を視認した反射像とを結合することにより表示情報が表示されるように複数の光源を点灯制御する。表示面にて複数の光源が発光した光を直接視認することにより、直接像が視認できる。一方、直接像を表示させるように表示面にて複数の光源が発光した光が反射面にて反射した反射光を視認することにより、反射像が視認できる。すなわち、直接像と反射像とを表示するための光源を共通とすることができる。従って、光源の数を半分に減少させることができることにより消費電力を抑制できる。
光源は独立して点灯制御が可能な発光素子であり、例えば電球やLED素子(発光ダイオード)が光源に該当する。また、液晶パネルの画素のようにバックライトと偏光素子とが組み合わせられることにより、光源が形成されてもよい。むろん、光源は単色光源に限らず、カラー光源であってもよい。なお、表示面を直接視認するとは、反射面を介することなく表示面を視認することを意味し、表示面を透明容器や屈折レンズ等の透明部材を介して視認する場合も含む。
【0006】
なお、反射面の反射率をできるだけ高くすることが望ましい。これにより、反射像を直接像と同等の明るさとすることができ、表示する情報の明るさを均一にすることができる。また、表示面の光源にて発光された光を臨界角よりも浅く反射面に入射させ、表示面の光源にて発光された光を反射面にて全反射させることにより、直接像に対する再現性が高い反射面を得ることができる。
反射像は、直接像を反射面にて反射させた像であるため、直接像と線対称となる。すなわち、表示情報は、表示面と反射面とが交差する交差線に関して互いに線対称の直接像と反射像とを結合して表示される情報となる。
【0007】
ここで、表示面と反射面とは、これらが交差する交差線を中心とした透明容器内に収容されてもよい。反射面を透明容器内に収容することにより、反射面の汚れを防止し、反射像が直接像に対して暗くなることが抑制できる。例えば、表示面と反射面とを円筒状の容器に収容することにより、円筒状の情報表示装置を形成し、その放射方向に表示した情報を視認させることができる。例えば、情報表示装置を円筒状のポールとして形成し、地面に対して鉛直に設置してもよい。むろん、表示面と反射面とを円筒形状以外の透明容器内に収容させてもよい。
【0008】
さらに、単一の情報表示装置が表示面と反射面とを複数組備えてもよい。これにより、複数組の表示面と反射面とで複数の表示情報を表示することができ、単一の情報表示装置が表示可能な情報を増加させることができる。むろん、複数組の表示面と反射面とで同一の表示情報を表示させてもよい。表示面と反射面とを透明円筒状容器に収容する場合、互いに角度の異なる複数組の表示面と反射面とを、中心軸に関して回転対称となるように配置することができ、複数の放射方向に表示情報を表示することができる。
【0009】
以上は、本発明が装置として実現される場合について説明したが、かかる装置を実現する方法としても本発明は実現可能である。また、以上のような情報表示装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる情報表示装置の機能ブロック図である。
【図2】情報表示装置の分解斜視図である。
【図3】表示部の平面図である。
【図4】(4A),(4B),(4C),(4D)は表示情報を示す図である。
【図5】(5A),(5B),(5C),(5D)は表示情報を示す図である。
【図6】情報表示装置の設置例を示す模式図である。
【図7】変形例にかかる情報表示装置の平面図である。
【図8】変形例にかかる情報表示装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)情報表示装置の構成:
(2)表示例:
(3)設置例:
(4)変形例:
(1)情報表示装置の構成:
図1は、本発明の第1実施形態にかかる情報表示装置1の機能ブロック図である。情報表示装置1は、制御部10と電源部20と表示部30とを備える。制御部10は、図示しないCPUとROMとRAMと点灯制御回路とを備える。なお、制御部10は、本発明の点灯制御部に相当する。制御部10のROM等には第1点灯データC1と第2点灯データC2とが記録される。第1点灯データC1と第2点灯データC2とは、予めROM等に記録されていてもよいし、無線通信や有線通信やリムーバル記録メディアを介して取得されてもよい。電源部20は、制御部10が各種処理を実行するための電源と、表示部30が各種表示を行うための電源とを生成する。制御部10の点灯制御回路は、第1点灯データC1と第2点灯データC2のそれぞれに基づいて第1点灯制御データCC1と第2点灯制御データCC2を生成し、これらを表示部30に出力する。
【0012】
表示部30は、第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2と第1反射板B1と第2反射板B2とを備える。第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とは、それぞれドライバ回路D1,D2と、複数の光源としてのLED素子(発光ダイオード)E1,E2とを備える。ドライバ回路D1,D2には、電源部20から電源が供給される。また、ドライバ回路D1,D2には、制御部10から第1点灯制御データCC1と第2点灯制御データCC2とがそれぞれ出力される。ドライバ回路D1,D2は、第1点灯制御データCC1と第2点灯制御データCC2とに基づいて、LED素子E1,E2のそれぞれに対して駆動電流を供給するか否かを切り替える。すなわち、第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とにおいては、第1点灯データC1と第2点灯データC2とに基づいてLED素子E1,E2が点灯制御される。
【0013】
図2Aは情報表示装置1の分解斜視図である。情報表示装置1は、円筒状の支持部40と表示部30と電源部20とを有し、これらの外径および中心軸の位置とが互いに一致する。情報表示装置1は、支持部40と表示部30と電源部20とを下から順に鉛直方向に積み重ねることにより一体のポールをなす。なお、制御部10を構成する各回路は、表示部30と電源部20と支持部40とのいずれに収容されてもよい。電源部20は、ソーラーパネル21を備え、当該ソーラーパネル21が情報表示装置1の上面に配置される。なお、電源部20は、バッテリーや商用電源から電源を得てもよい。
【0014】
表示部30は、円筒状の透明容器31を備える。透明容器31の内部に第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2と第1反射板B1と第2反射板B2とが収容される。第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とは、それぞれ鉛直平面板状に形成され、当該鉛直平面上において複数の光源としてのLED素子(発光ダイオード)E1,E2が行列状に配列される。本実施形態では、水平方向に4個、鉛直方向に23個のLED素子E1,E2が第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とにそれぞれ備えられる。LED素子E1,E2が配列する鉛直平面を表示面L1,L2と表す。第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2との内部には、それぞれドライバ回路D1,D2が収容されている。
【0015】
図3は表示部30(透明容器31を除く)を鉛直上方から見た平面図である。第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とは、水平方向に一直線状に並ぶように配置される。ただし、第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とは、LED素子E1,E2が配列された表示面L1,L2が互いに反対側を向くように設置される。すなわち、第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2とは、それぞれ表示面L1,L2から互いに反対方向に光を発光する。一点鎖線で囲む拡大図に示すように、各LED素子E1,E2の主光軸は表示面L1,L2の法線方向となっており、主光軸から角度が大きくずれるほど発光強度が低下する。また、主光軸からLED素子E1,E2の有効指向角度α以内であれば、各LED素子E1,E2から発光された光の強度が所定閾値TL以上となることが確保される。本実施形態では、有効指向角度αは60度であるとする。
【0016】
第1反射板B1と第2反射板B2とは、それぞれ第1表示ユニットU1と第2表示ユニットU2の表示面L1,L2と鉛直方向の交差線にて90度の交差角β1,β2を挟んで交差する鉛直平面板である。第1反射板B1,第2反射板B2のそれぞれ一方の面が反射面M1,M2をなす。第1反射板B1の反射面M1は、第1表示ユニットU1の表示面L1と90度の交差角β1を挟んで向かい合う。同様に、第2反射板B2の反射面M2は、第2表示ユニットU2の表示面L2と90度の交差角β2を挟んで向かい合う。
【0017】
LED素子E1,E2の有効指向角度αは表示面L1,L2の法線に対して60度であるため、表示面L1,L2から30度以上の深さの角度で放射される光の強度は所定閾値TL以上となることが保証される。従って、表示面L1,L2から45度(=β1/2,β2/2)の深さの角度で放射される光も所定閾値TL以上の強度を有する。
【0018】
ここで、交差角β1の二等分線S1上の十分に遠い視点位置VP1から表示部30を視認した場合の情報について説明する。二等分線S1は、表示面L1と反射面M1とのそれぞれに対して45度(=β1/2)で交差する。従って、第1表示ユニットU1の各LED素子E1にて発光された光のうち、表示面L1の法線方向から45度(=β1/2)だけ外側にずれた方向の直接光DL1が視点位置VP1にて視認される。視点位置VP1から表示面L1を見た場合に、各LED素子E1の直接光DL1が視認できるように、有効指向角度αにて確保される光の強度である所定閾値TLが、表示部30から視点位置VP1までの視認距離を考慮して設定されている。なお、視認距離は表示部30の大きさよりも十分に長いため、表示部30内における光路長の差によって、各LED素子E1から発光された直接光DL1の視点位置VP1における強度差が実質的に生じないと考えることができる。以上のように、第1点灯データC1に基づいて第1表示ユニットU1の各LED素子E1の点灯を制御することにより、視点位置VP1にて第1点灯データC1に対応する情報(直接像DI1)を視認することができる。
【0019】
また、二等分線S1は、表示面L1と反射面M1とのそれぞれに対して45度(=β1/2)で交差するため、反射面M1にて反射した光のうち反射面M1にて45度の角度で外側に反射した反射光RL1が二等分線S1上の視点位置VP1にて視認される。そして、反射面M1にて45度の角度で反射する反射光RL1は、第1表示ユニットU1の各LED素子E1にて発光された光のうち、表示面L1の法線方向から45度(=β1/2)だけ内側にずれた成分となる。表示面L1の法線方向から45度だけ内側にずれて発光された光は、有効指向角度α内の光であるため、強度が所定閾値TL以上となることが確保さる。さらに、反射面M1における全反射においてほぼ反射光RL1の強度が減衰しないため、反射光RL1も所定閾値TLの強度で表示部30から放射されることとなる。従って、反射光RL1も視点位置VP1にて視認できる。なお、反射面M1の臨界角は45度よりも小さいため、反射光RL1は反射面M1にて全反射した光となる。また、表示部30から視点位置VP1までの視認距離は表示部30の大きさよりも十分に長いため、表示部30内における光路長の差によって、各LED素子E1に対応する反射光RL1の視点位置VP1における強度差が実質的に生じず、直接光DL1と反射光RL1との強度差も実質的に生じないと考えることができる。
【0020】
以上のように、第1点灯データC1に基づいて第1表示ユニットU1の各LED素子E1の点灯を制御することにより、視点位置VP1にて第1点灯データC1に対応する直接像DI1の反射像RI1を視認することができる。また、直接像DI1の明るさと、反射像RI1の明るさとは実質的に均一となる。なお、直接像DI1と反射像RI1とは、表示面L1と反射面M1との交差角β1の二等分線S1に関して線対称となる。
【0021】
次に、交差角β2の二等分線S2上の十分に遠い視点位置VP2から表示部30を視認した場合の情報について説明する。表示面L2と反射面M2と視点位置VP2との相対位置関係は、表示面L1と反射面M1と視点位置VP1との相対位置関係を維持したまま交差角β1,β2を中心として180度回転させたものとなるため、視点位置VP2から表示部30を視認した場合も、視点位置VP1から表示部30を視認した場合と同様となる。従って、視点位置VP2から表示部30を視認した場合には、第2表示ユニットU2の表示面L2から発光された直接光DL2による直接像DI2と、第2表示ユニットU2の表示面L2から発光された光が反射面M2にて反射した反射光RL2による反射像RI2とが視認される。また、直接像DI2と反射像RI2とは、交差角β2の二等分線S2に関して線対称となる。以上の装置構成において表示部30に表示させる表示情報の例について以下説明する。
【0022】
(2)表示例:
図4Aは、直接像DI(DI1,DI2)と反射像RI(RI1,RI2)とを交差角β(β1,β2)の二等分線S(S1,S2)を挟んで並べた図である。なお、二等分線Sは、視点位置Vから表示部30を視認した場合における、表示面L(L1,L2)と反射面M(M1,M2)との交差線の投影軌跡を示す。直接像DIは表示面Lを視点位置VP1から直接見た情報であり、直接像DIを構成する点光源の水平方向の間隔は、水平方向におけるLED素子E(E1,E2)の現実の間隔にsin(β/2)を乗算した大きさとなる。反射像RIは直接像DIと線対称であるため、反射像RIを構成する点光源の水平方向の間隔も同様となる。一方、直接像DIを構成する点光源の鉛直方向の間隔は、水平方向におけるLED素子Eの現実の間隔と一致する。従って、直接像DIと反射像RIを構成する点光源の間隔を水平方向と鉛直方向において一致させる場合、すなわち直接像DIと反射像RIを構成する点光源を正方格子状に配列する場合には、鉛直方向におけるLED素子Eの現実の間隔を、水平方向におけるLED素子Eの現実の間隔にsin(β/2)を乗算した大きさとすればよい。
【0023】
図4Aに示す直接像DIと反射像RIとにより鉛直方向上向きの矢印を示す表示情報OIが形成される。なお、直接像DIにて点灯している点光源としてのLED素子Eを実線で囲まれた白丸で示し、消灯した点光源を黒丸で示す。また、反射像RIにて点灯して見える点光源を破線で囲まれた白丸で示し、消灯した点光源をハッチングの丸で示す。
図4Aの表示情報OIは、二等分線Sに関して線対称となっている。当該表示情報OIは、(水平方向:8個×鉛直方向:23個)の点光源によって構成されるが、実際に点灯制御を行う必要のあるLED素子Eの個数は半分の(水平方向:4個×鉛直方向:23個)で済む。従って、視認される表示情報OIの大きさを大きく確保しつつ、LED素子Eの点灯に要する消費エネルギーを半減させることができる。
【0024】
図4Aに示す直接像DIと反射像RIとにより鉛直方向上向きの矢印を示す表示情報OIが形成される。当該表示情報OIは、二等分線Sに関して線対称となっている。当該表示情報OIは、(水平方向:8個×鉛直方向:23個)の点光源によって構成されるが、実際に点灯制御を行う必要のあるLED素子Eの個数は半分の(水平方向:4個×鉛直方向:23個)で済む。従って、視認される表示情報OIの大きさを大きく確保しつつ、LED素子E1,E2の点灯に要する消費エネルギーを半減させることができる。従って、ソーラーパネル21が発電した電力により、情報表示装置1の消費電力をまかなうことができる。また、直接像DIに対応した点灯制御を行えばよく、直接像DIを表示させるための点灯データC(C1,C2)のデータ量も半減できる。
【0025】
図4Bに示す直接像DIと反射像RIとにより、二等分線Sに関して線対称な"X"印を表す表示情報OIが形成される。"X"印を示す表示情報OIも二等分線Sに関して線対称となっている。
図4Cに示す直接像DIと反射像RIとにより、鉛直方向上向きの2個の矢印が上下に並んだ表示情報OI1,OI2が形成される。表示情報OI1,OI2は、ともに二等分線Sに関して線対称である。表示情報OI1と表示情報OI2とは、鉛直方向における矢印の位置が互いに異なっており、表示情報OI1と表示情報OI2とを交互に表示させることにより、矢印が鉛直上方に移動する動画を表示する。この場合、制御部10は、表示情報OI1に対応する点灯データCに基づく点灯制御データCCと、表示情報OI2に対応する点灯データCに基づく点灯制御データCCとを交互に表示部30に出力すればよい。
【0026】
図4Dに示す直接像DIと反射像RIとにより、底辺が鉛直下方に位置する2個の二等辺三角形が上下に並んだ表示情報OI1,OI2が形成される。2個の二等辺三角形を表す表示情報OI1,OI2は、ともに二等分線Sに関して線対称である。制御部10は、表示情報OI1に対応する点灯データCに基づく点灯制御データCCと、表示情報OI2に対応する点灯データCに基づく点灯制御データCCとを交互に表示部30に出力することにより、二等辺三角形が鉛直上方に移動する動画を表示する。
【0027】
図5Aに示す直接像DIと反射像RIとにより丸印を示す表示情報OIが形成される。丸印を示す表示情報OIも二等分線Sに関して線対称となっている。
図5Bに示す直接像DIと反射像RIとにより2個の"X"印が上下に並んだ表示情報OI1,OI2が形成される。2個の"X"印を表す表示情報OI1,OI2は、ともに二等分線Sに関して線対称である。制御部10は、表示情報OI1に対応する点灯データCに基づく点灯制御データCCと、表示情報OI2に対応する点灯データCに基づく点灯制御データCCとを交互に表示部30に出力することにより、"X"印への注意が強く喚起される動画を表示する。
【0028】
図5Cに示す直接像DIと反射像RIとにより縦書きの文字"出口"を示す表示情報OIが形成される。文字"出口"を示す表示情報OIも二等分線Sに関して線対称となっている。すなわち、線対称な文字であれば、文字を表す表示情報OIの表示も可能である。当該表示情報OIは、(水平方向:6個×鉛直方向:23個)の点光源によって構成されるが、実際に点灯制御を行う必要のあるLED素子Eの個数は半分の(水平方向:3個×鉛直方向:23個)で済む。
図5Dに示す直接像DIと反射像RIとにより縦書きの文字"OUT"を示す表示情報OIが形成される。文字"OUT"を示す表示情報OIも二等分線Sに関して線対称となっている。
【0029】
(3)設置例:
次に道路に対する情報表示装置1の設置例を説明する。図6は、一方通行の道路Kの側方に情報表示装置1が設置される様子を示す模式図である。一方通行の道路Kの具体例として、高速道路の本線車線に対する進入道路や退出道路等が挙げられる。情報表示装置1は、交差角β1の二等分線S1の方向(交差角β1からの離間方向)が、道路Kを順走した場合の走行方向と反対の方向となるように設置されている。同時に、交差角β2の二等分線S2の方向(交差角β2からの離間方向)が、道路Kを逆送した場合の走行方向と反対の方向となる。なお、道路Kが湾曲する位置に情報表示装置1を設置する場合には、二等分線S1の方向が道路Kの接線方向となるように情報表示装置1を設置する。情報表示装置1を固定した後に表示部30の方向が調整できるように、表示部30を回転可能に保持させてもよい。また、表示部30は一体として回転できてもよいし、表示面L1と反射面M1、および、表示面L2と反射面M2の方向がそれぞれ交差角β1,β2を維持したまま個別に調整できてもよい。
【0030】
図6の例において、交差角β1を挟む表示面L1と反射面M1が形成する直接像DI1と反射像RI1とにより、矢印を示す表示情報OI(図4A)が形成される。すなわち、制御部10は、点灯データC1に基づいて矢印を示す表示情報OIを表示するための点灯制御データCC1を表示部30に出力する。従って、道路Kを順走して情報表示装置1に接近する車両の正面において、矢印を示す表示情報OIを表示させることができる。これにより、車両の搭乗者は、正常な方向に走行していることを認識できる。ここでは走行方向が正常であることを通知することができればよく、道路Kを順走して情報表示装置1に接近する車両の正面において、図4C,図4D,図5Aの表示情報OIを表示させてもよい。
【0031】
一方、交差角β2を挟む表示面L2と反射面M2が形成する直接像DI2と反射像RI2とにより、"X"印を示す表示情報OI(図4B)が表示される。すなわち、制御部10は、点灯データC2に基づいて"X"印を示す表示情報OIを表示するための点灯制御データCC2を表示部30に出力する。従って、道路Kを逆走して情報表示装置1に接近する車両の正面において、"X"印を示す表示情報OIを表示させることができる。これにより、車両の搭乗者は、異常な方向に走行していることを認識できる。また、"X"印を示す表示情報OIを間欠的に表示させることにより、"X"印を点滅させてもよい。これにより、"X"印への注意を強く喚起できる。ここでは走行方向が異常であることを通知することができればよく、道路Kを逆走して情報表示装置1に接近する車両の正面において、図5Bの表示情報OI1,OI2を表示させてもよい。また、高速道路の本線車線からの退出道路や、サービスエリアやパーキングエリア等からの退出道路においては、道路Kを順走して情報表示装置1に接近する車両の正面において、図5C,図5Dの表示情報OIを表示させてもよい。
【0032】
なお、情報表示装置1は車両が通行する道路Kに限らず、例えば一方通行の自転車道や歩道に情報表示装置1を備えさせてもよい。むろん、情報表示装置1は、通行の妨げとならない限りにおいて、道路Kの内側に備えられてもよい。例えば、通行方向が同一方向の2車線の分離帯上に情報表示装置1を備えさせてもよい。また、情報表示装置1から視点位置VPに向かう方向と、現実の道路Kにおいて情報表示装置1から当該情報表示装置1を視認する車両へと向かう方向(二等分線Sの方向)との差が少ないほど、現実に車両から視認される表示情報OIの画質(直接像DIと反射像RIとの間における水平方向の点光源の間隔の均一度)が良好となる。従って、情報表示装置1から視点位置VPに向かう方向と、現実の道路Kにおいて情報表示装置1から車両へと向かう方向との差が少なくなるように、情報表示装置1はできるだけ道路Kの走行車線に近い位置に設置するのが望ましい。
【0033】
(4)変形例:
第1実施形態においては、表示面Lと反射面Mとが2組備えられるようにしたが、情報表示装置1において表示面Lと反射面Mが1組のみ備えられてもよい。すなわち、情報表示装置1は、単一の表示情報OIのみを表示してもよい。また、表示面Lと反射面Mとの交差角βは90度に限られない。例えば、交差角βを鈍角化させることにより、直接像DIおよび反射像RIの幅を、表示面Lの現実の幅に近い大きさとすることができる。これにより、表示情報OIの実効的な幅を広くすることができる。さらに、表示面Lと反射面Mとの交差角βを可変としてもよい。例えば、反射面Rに対して外部から光が入射しやすい昼間においては、夜間よりも交差角βを狭くしてもよい。
【0034】
さらに、図7に示すように表示面Lと反射面Mとを4組備えるようにしてもよい。すなわち、図3の2組の表示面L1,L2と反射面M1,M2とを90度時計回りに回転させた2組の表示面L3,L4と反射面R3,R4とをさらに設け、表示面L1〜L4の裏面同士が平行に接するように配置する。これにより、表示面L1〜L4と反射面M1〜R4との交差角β1〜β4の二等分線S1〜S4が90度ずつ4方向にずれて形成される。従って、情報表示装置1を90度ずつずれた4方向から見た場合に、それぞれ異なる表示情報OIを視認させることができる。
【0035】
第1実施形態では、円筒状の情報表示装置1を例示したが、情報表示装置1は他の形状であってもよい。例えば、直方体の透明容器に図3に示す表示部30を収容し、二等分線Sに直交する透明容器の1面にそれぞれ表示面Lと反射面Rとを備えさせてもよい。また、表示面Lと反射面Mとを複数組備える場合、表示面Lと反射面Mとの交差角βの二等分線Sを必ずしも放射方向に配向させなくてもよい。例えば、交差角βの二等分線Sが互いに平行となる表示面Lと反射面Mとの組を複数備えさせてもよい。また、表示面Lと反射面Mとは鉛直方向に交差しなくてもよく、例えば水平方向に交差してもよい。さらに、情報表示装置1の設置場所は特に限定されず、道路以外の場所に設置されてもよい。
【0036】
また、図8に示すように、表示面Lと反射面Mとの双方が視認できる範囲からのみ視認を可能とするガイドG(目隠し)を、表示面Lと反射面Mとの外側端部において二等分線S1、S2に平行に配置するようにしてもよい。これにより、表示面Lと反射面Mのいずれか一方のみを見て表示情報の誤認をすることが防止できる。ただし、ガイドGは常に二等分線S1、S2に平行に配置する必要はなく、制限する視認範囲に応じてガイドGの方向を設定すればよい。また、制限する視認範囲が調整できるように、ガイドGの設置方向を可変としてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…情報表示装置、10…制御部、20…電源部、21…ソーラーパネル、30…表示部、U…表示ユニット、D…ドライバ回路、U…表示ユニット、B…反射板、31…透明容器、40…支持部、C…点灯データ、DI…直接像、DL…直接光、E…LED素子、L…表示面、M…反射面、RI…反射像、RL…反射光、S…二等分線、OI…表示情報、VP…視点位置、α…有効指向角度、β…交差角。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源が配列された表示面と、
前記複数の光源にて発光された光を反射する反射面と、
前記表示面を直接視認した直接像と、前記反射面を視認した反射像とを結合することにより表示情報が表示されるように前記複数の光源を点灯制御する点灯制御部と、
を備える情報表示装置。
【請求項2】
前記直接像と前記反射像とは、前記表示面と前記反射面とが交差する交差線に関して互いに線対称である、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示面と前記反射面とは、前記表示面と前記反射面とが交差する交差線を中心とした透明容器内に収容される、
請求項1または請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記表示面と前記反射面とが複数組備えられる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記点灯制御部は、複数組の前記表示面と前記反射面とによりそれぞれ異なる前記表示情報が表示されるように前記複数の光源を点灯制御する、
請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項6】
表示面に配列された複数の光源にて発光された光を反射面にて反射させ、
前記表示面を直接視認した直接像と、前記反射面を視認した反射像とを結合することにより表示情報が表示されるように前記複数の光源を点灯制御する、
情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−33114(P2013−33114A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168739(P2011−168739)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】