説明

情報表示装置及び表示制御プログラム

【課題】情報の閲覧性の低下を抑制しつつ、覗き見による情報漏洩を確実に防止する。
【解決手段】表示部と、表示情報と当該表示情報中の閲覧制限部分が記述された閲覧制限情報とを記憶する記憶部と、を少なくとも備える情報表示装置であって、前記閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に当該情報表示装置の使用者以外の他者(又は前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者)がいるか、を判定する判定部と、前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に他者(又は前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者)がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置及び表示制御プログラムに関し、特に、入退室が管理された部屋で使用される情報表示装置及び当該情報表示装置で動作する表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーや電子ブック、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話機等の表示デバイスを備えた装置を用いて資料や書籍などのドキュメントを閲覧するユーザが増えている。このような装置(以下、情報表示装置と呼ぶ。)を用いて閲覧が制限された機密情報を閲覧する際、装置の近くに他者がいると、表示された機密情報が漏洩する恐れがある。
【0003】
また、上記の電子ペーパー等の中にはメモリ性を有するものがある。例えば、一対の透明なフィルム基板の内表面に透明導電性の電極が形成され、電極間に導電性を有する黒色トナーと電気絶縁性を有する白色トナーが封入された構造の電子ペーパーは、電極間に電圧を印加すると黒色トナーが移動して白色トナーと入れ替わって色が変化するため、電源OFF時においても表示が継続する。そのため、特にこのような電子パーパー等の場合、意識的に表示を消去しない限り表示が残存してしまい、情報漏洩の危険性が高くなる。
【0004】
このような情報漏洩の問題に対して、下記特許文献1には、個人認証により使用者に閲覧許可があると認証できなかった場合に情報を非表示とし、また、閲覧可能エリア外に端末が持ち出された場合、情報を非表示とすることにより、情報漏洩を防ぐ電子情報端末が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、ディスプレイ上に移動式の可視領域を設け、入力箇所等、使用者が操作している部分を含む1行または前後の行などのみ可視とすることで、傍観による情報の漏洩を低減するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−53688号公報
【特許文献2】特開平7−175458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1では、機密情報を表示する際、使用者に情報閲覧の権限があるかを確認することで情報漏洩を防ぐ方法を提案している。しかしながら、この方法では、使用者が表示装置を使用して情報を閲覧している時に、他者が表示装置を覗き見ることによって情報が漏洩することは考慮されておらず、情報漏洩を確実に防止することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2では、使用者が操作を行っている範囲に表示を制限することによって覗き見による情報漏洩を低減する方法を提案している。しかしながら、この方法では、周囲に人間がおらず、情報漏洩の危険がない場合でも表示が制限されてしまうため、情報の閲覧性を常に低下させ、作業効率が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、情報の閲覧性の低下を抑制しつつ、覗き見による情報漏洩を確実に防止することができる情報表示装置及び表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、表示部と、表示情報と当該表示情報中の閲覧制限部分が記述された閲覧制限情報とを記憶する記憶部と、を少なくとも備える情報表示装置であって、前記閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に当該情報表示装置の使用者以外の他者がいるか、を判定する判定部と、前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部と、を備えるものである。
【0011】
また、本発明は、表示部を備える情報表示装置で動作する表示制御プログラムであって、前記情報表示装置を、予め記憶された、表示情報中の閲覧制限部分が記述された閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に当該情報表示装置の使用者以外の他者がいるか、を判定する判定部、前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部、として機能させるものである。
【0012】
本発明においては、前記閲覧制限情報には、各々の前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者が規定されており、前記判定部は、前記閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者がいるか、を判定し、前記表示制御部は、前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の情報表示装置及び表示制御プログラムによれば、情報の閲覧性の低下を抑制しつつ、覗き見による情報漏洩を確実に防止することができる。
【0014】
その理由は、表示部を備える情報表示装置に、表示するページに閲覧制限部分が含まれるか、及び、装置の近傍に他者がいるかを判定する判定部と、表示部に表示情報を表示させる際に、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置の近傍に他者がいる場合は、少なくとも閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部と、を備えるからである。
【0015】
また、表示部を備える情報表示装置に、表示するページに閲覧制限部分が含まれるか、及び、装置の近傍に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいるかを判定する判定部と、表示部に表示情報を表示させる際に、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置の近傍に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいる場合は、少なくとも閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部と、を備えるからである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施例に係る情報表示制御システムの一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る入退室管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の他の例を模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る情報表示制御システムで利用される情報(入室者リスト及び閲覧制限リストの一例)を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る入退室管理装置の動作を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の動作(表示制御動作)を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置に表示される画面の一例(部分消去表示)を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の動作(警告動作)を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置に表示される画面の一例(警告表示)を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の動作(警告及びページめくり制御動作)を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置の動作(再表示制御動作)を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の第1の実施例に係る情報表示装置に表示される画面の一例(消去部分の再表示)を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施例に係る情報表示制御システムで利用される情報(閲覧制限リストの一例)を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施例に係る情報表示装置の動作(表示制御動作)を示すフローチャート図である。
【図17】本発明の第2の実施例に係る情報表示装置の動作(警告動作)を示すフローチャート図である。
【図18】本発明の第2の実施例に係る情報表示装置に表示される画面の一例(警告表示)を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施例に係る情報表示装置の動作(警告及びページめくり制御動作)を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
背景技術で示したように、情報表示装置で機密情報を閲覧する場合、装置近傍に他者(機密情報に対して閲覧権限を持たない他者)がいると覗き見されてしまい、情報が漏洩してしまう。特に、メモリ性表示デバイスを備える情報表示装置では、電源をOFFにしても画面上に表示が残存してしまうため、情報漏洩の危険性が高くなる。
【0018】
このような情報漏洩の問題に対して、使用者の個人認証を行い、使用者に情報閲覧の権限があるかを確認したとしても、他者による覗き見を防止することはができない。また、使用者が操作を行っている範囲に表示を制限すると、周囲に他者がいない時も表示が制限されてしまうため、情報の閲覧性が低下してしまう。
【0019】
そこで、本発明の一実施の形態では、表示デバイスを備える情報表示装置で、表示するページに閲覧制限部分が含まれるか、及び、装置の近傍に他者がいるかを判定し、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置の近傍に他者がいる場合は、少なくとも閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する制御を行う。
【0020】
また、表示デバイスを備える情報表示装置で動作する表示制御プログラムで、表示するページに閲覧制限部分が含まれるか、及び、装置の近傍に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいるかを判定し、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置の近傍に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいる場合は、少なくとも閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する制御を行う。
【0021】
これにより、情報の閲覧性の低下を抑制しつつ、覗き見による情報漏洩を確実に防止することができる。
【実施例1】
【0022】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る情報表示装置及び表示制御プログラムについて、図1乃至図14を参照して説明する。図1は、本実施例の情報表示制御システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、入退室管理装置の構成を示すブロック図、図3は、情報表示装置の構成を示すブロック図、図4及び図5は、情報表示装置の一例を示す斜視図である。また、図6は、入室者リスト及び閲覧制限リストの一例を示す図であり、図7は、入退室管理装置の動作を示すフローチャート図である。また、図8、10、12、14は、情報表示装置の動作を示すフローチャート図であり、図9、11、13は、情報表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本実施例の情報表示制御システムは、管理区域(例えば、壁などで仕切られた部屋)の内部で使用される情報表示装置101と、管理区域の出入り口に設置され、入室者及び退室者を管理する入退室管理装置201と、で構成される。情報表示装置101と入退室管理装置201とは、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)などによって接続されている。以下、各装置の具体的構成について説明する。
【0024】
[情報表示装置101]
情報表示装置101は、表示デバイスを備えた装置であり、例えば、電子ペーパーや電子ブック、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話機などであり(図3及び図4参照)、CPU(Central Processing Unit)102、電池103、操作部(タッチパネル)104、表示部105、表示制御部106、記憶部107、通信部108、判定部109などで構成される。
【0025】
CPU102は、記憶部107から読み出したプログラムを実行し、各部の動作を制御する。
【0026】
電池103は、情報表示装置101の各部を駆動するための電源を供給する。
【0027】
操作部104は、表示部105上に、透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルであり、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号としてCPU102に出力する。
【0028】
表示部105は、透明な液体の中で浮動する微粒子を電界負荷によって移動させて表示を行う電子ペーパー(EPD:Electrophoretic Display)や液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、文字や写真、図形、グラフ、表などの各種情報を表示する。
【0029】
表示制御部106は、表示部105を駆動し、判定部109での判定結果に基づき、表示部105の表示を制御する。
【0030】
記憶部107は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成され、CPU102で動作する各種プログラム、情報表示装置101の動作を制御するための設定情報、表示する文書ファイルなどの表示情報、その表示情報に対する閲覧制限に関して記述された閲覧制限リスト(詳細は後述)、入退室管理装置201から取得した入室者リスト(詳細は後述)などを記憶する。
【0031】
通信部108は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどを備え、有線通信や無線通信により入退室管理装置201と交信し、入退室管理装置201から入室者リストを受け取る。
【0032】
判定部109は、閲覧制限リストに基づいて表示するページに閲覧が制限されている情報(以下、閲覧制限部分と呼ぶ。)が含まれるかを判定すると共に、入室者リストに基づいて装置近傍(ここでは、入退室管理装置201で管理された部屋の内部)に他者がいるかを判定する。
【0033】
なお、図2では、表示制御部106や判定部109をハードウェアとして構成しているが、これらはCPU102により実行されるプログラムとして構成してもよい。また、操作部104をタッチパネルとしているが、キーボードやマウスなどとしてもよい。
【0034】
[入退室管理装置]
入退室管理装置201は、入室者及び退室者を認証し、認証結果に応じて、部屋の内外を仕切るドアの開閉などを制御する装置であり、図2に示すように、CPU202、入退室者認証部203、記憶部204、通信部205などで構成される。
【0035】
CPU202は、記憶部204から読み出したプログラムを実行し、各部の動作を制御する。
【0036】
入退室者認証部203は、IDカードやICタグに記憶された情報、指紋や声紋、静脈などの生体情報と、記憶部204に記憶した認証情報とを比較して、入退室者を認証する。
【0037】
記憶部204は、ROMやRAMなどで構成され、CPU202で動作する各種プログラム、入退室管理装置201の動作を制御するための設定情報、入退室者を認証するための認証情報、部屋内に設置又は持ち込まれた情報表示装置101を特定する端末リスト、部屋に入室した者を特定する入室者リストなどを記憶する。
【0038】
通信部205は、NICやモデムなどを備え、無線通信や有線通信により情報表示装置101と通信し、入室者リストを送る。
【0039】
なお、図1乃至図3は、本実施例の情報表示制御システムの一例であり、その構成は適宜変更可能である。例えば、本実施例では、入退室管理装置201で入退室者を把握して、その結果を情報表示装置101に通知する構成としているが、例えば、情報表示装置101にカメラ等の撮像手段を設け、撮像手段が装置近傍を撮像し、公知の画像処理技術を利用して人物を認識することによって、装置近傍に他者がいるかを判別してもよい。また、情報表示装置101にマイク等の音声検出手段を設け、音声検出手段が装置近傍の音声を検出し、公知の音声処理技術を利用して足音や声を認識することによって、装置近傍に他者がいるかを判別してもよい。これらの場合は、入退室管理装置201を省略することができ、情報表示装置101の判定部109は、撮像手段が撮像した画像又は音声検出手段が検出した音声に基づいて、装置近傍に他者がいるかを判定することができる。
【0040】
上記構成の情報表示制御システムの動作について概説する。
【0041】
入退室管理装置201は、部屋に出入りする人物を監視し、部屋内にいる人物を入室者リストに記述して管理している。また、入退室管理装置201は、定期的に情報表示装置101との通信を行い、部屋内に設置若しくは持ち込まれた情報表示装置101を端末リストに記述して管理し、端末リストに載っている情報表示装置101に入室者リストを送信する。
【0042】
上記入室者リストには、例えば図6(a)に示すように、入室した人物を特定する情報(人物の氏名や所属・グループ、IDなど)が記述されている。また、端末リストには、部屋内に設置若しくは持ち込まれた情報表示装置101を特定する情報(装置IDやMAC(Media Access Control)アドレスなど)が記述されている。なお、本実施例では、入室者がいるかいないかを問題とする(すなわち、入室者が誰であるかは問題としない)ことから、必ずしも入室した人物を特定する必要はなく、入室者リストには入室者の人数や入室者の有無を記載してもよい。
【0043】
一方、情報表示装置101は、入退室管理装置201から入室者リストを取得する。そして、取得した入室者リストに基づいて部屋内に他者がいるかを判定すると共に、予め記憶した閲覧制限リストに基づいて表示するページに閲覧制限部分が含まれるかを判定し、部屋内に他者がおり、かつ、表示するページに閲覧制限部分が含まれる場合は、閲覧制限部分若しくはページ全体を視認しにくい表示形態に変更する(例えば、特定の色やパターンで塗りつぶしたり、背景色に変換したり、所定の画像に変換したり、表示を消去したりする)制御を行う。
【0044】
上記閲覧制限リストには、例えば図6(b)に示すように、文書ファイル全体の閲覧を制限する場合はその文書ファイルのファイル名が記述され、文書ファイルの特定ページの閲覧を制限する場合はその文書ファイルのファイル名及びページ番号が記述され、文書ファイルの特定ページの特定の領域の閲覧を制限する場合はその文書ファイルのファイル名及びページ番号と閲覧が制限される領域の座標(左上座標、右下座標)などが記述され、文書ファイルの特定ページの特定の単語の閲覧を制限する場合はその文書ファイルのファイル名及びページ番号と閲覧が制限される単語などが記述されている。
【0045】
以下、情報表示制御システムの詳細動作について図面を参照して説明する。
【0046】
まず、入退室管理装置201の動作について、図7のフローチャート図を参照して説明する。なお、上述したように、情報表示装置101自身が装置近傍に他者がいるかを判定可能な場合は、入退室管理装置201は不要である。
【0047】
入退室管理装置201は、電源がONになると、入室者リストと端末リストをクリアし(S101)、情報表示装置101からの接続要求/切断要求、入退室者を監視する(S102)。
【0048】
情報表示装置101から接続要求があった場合は、その情報表示装置101を端末リストに追加し(S103)、その情報表示装置101に対して入室者リストを送信(若しくは入室者の人数や有無を通知)する(S104)。
【0049】
情報表示装置101から切断要求があった場合は、その情報表示装置101を端末リストから削除する(S105)。
【0050】
部屋への入室があった場合は、その人物を入室者リストに追加し(S106)、その人物の追加を端末リストに載っている全ての情報表示装置101に通知する(S107)。なお、追加された人物を特定する情報のみを通知してもよいし、更新した入室者リストを再度、送信してもよいし、入室者の人数や有無を通知してもよい。
【0051】
部屋からの退室があった場合は、その人物を入室者リストから削除し(S108)、その人物の削除を端末リストに載っている全ての情報表示装置101に通知する(S109)。この場合も、削除された人物を特定する情報のみを通知してもよいし、更新した入室者リストを再度、送信してもよいし、入室者の人数や有無を通知してもよい。
【0052】
次に、情報表示装置101の動作について、図8のフローチャート図及び図9の表示例を参照して説明する。なお、各表示情報に対する閲覧制限は予め設定されており、表示情報及び閲覧制限リストは予め記憶部107に記憶されているものとする。
【0053】
情報表示装置101の電源をONにすると、情報表示装置101は、その部屋の入退室管理装置201へ接続し(S201)、入退室管理装置201から入室者リスト(若しくは入室者の人数や有無)を取得し、記憶部107に保存する(S202)。
【0054】
次に、入退室管理装置201からの通知の受信、及び、ページめくり操作(例えば、ページめくりキーの押下)を監視し(S203)、入退室管理装置201からの通知を受信した場合は、その通知に基づいて入室者リスト(若しくは入室者の人数や有無)を更新する(S204)。
【0055】
次に、判定部109は、予め記憶した閲覧制限リストに基づいて、表示するページ(ページめくりの場合は次のページ)に閲覧制限部分が含まれるかを判断し(S205)、表示するページに閲覧制限部分が含まれる場合は、入退室管理装置201から取得した入室者リスト(若しくは入室者の人数や有無)に基づいて、部屋内に情報表示装置101の使用者以外の他者が入室しているかを判断する(S206)。なお、情報表示装置101に撮像手段や音声検出手段を備えている場合は、撮像手段で撮像した画像や音声検出手段で検出した音声に基づいて、部屋内に他者が入室しているかを判断してもよい。
【0056】
表示するページに閲覧制限部分が含まれ(S205のYes)、かつ、部屋内に他者が入室している(S206のYes)場合は、表示制御部106は、そのページの表示を制御する(S207)。例えば、表示するページ中の閲覧制限部分(ページ全体、特定の領域、特定の単語)を黒く塗りつぶしたり、背景と同じ色で塗りつぶしたり、所定のパターンを重ねたり、予め記憶した画像に置換したりして、閲覧制限部分の表示形態を視認しにくい表示形態に変更する。図9はページ内の特定の領域を黒く塗りつぶした場合の例である。
【0057】
一方、表示するページに閲覧制限部分がない(S205のNo)、又は、部屋内に他者が入室していない(S206のNo)場合は、表示制御部106は、そのページ全体を通常の表示形態で表示する(S208)。
【0058】
そして、表示の停止が指示、若しくは、情報表示装置101の電源がOFFされるまで、ステップS203〜S208の処理を繰り返す。
【0059】
このように、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置近傍(部屋内)に他者が入室している場合に、閲覧制限部分やページ全体を視認しにくい表示形態に変更することにより、情報の閲覧性の低下を抑制しつつ、覗き見による情報漏洩を確実に防止することができる。
【0060】
図8のフローチャート図では、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、部屋内に他者が入室している場合に、直ちに閲覧制限部分やページ全体の表示を制御したが、上記表示制御に加えて、若しくは、上記表示制御に代えて、情報表示装置101の使用者に注意を喚起することもできる。その場合の動作について、図10のフローチャート図及び図11の表示例を参照して説明する。
【0061】
まず、図8のS201〜S204の処理を行った後、判定部109は、予め記憶した閲覧制限リストに基づいて、表示するページ(ページめくりの場合は次のページ)に閲覧制限部分が含まれるかを判断し(S211)、表示するページに閲覧制限部分が含まれる場合は、入退室管理装置201から取得した入室者リスト(若しくは入室者の人数や有無、又は、撮像手段で撮像した画像や音声検出手段で検出した音声)に基づいて、部屋内に他者が入室しているかを判断する(S212)。
【0062】
表示するページに閲覧制限部分が含まれない(S211のNo)、又は、部屋内に他者が入室していない(S212のNo)場合は、表示制御部106は、ページ全体を通常の表示形態で表示し(S214)、図8のS203に戻って同様の処理を繰り返す。
【0063】
一方、表示するページに閲覧制限部分が含まれ(S211のYes)、かつ、部屋内に他者が入室している(S212のYes)場合は、表示制御部106は、警告表示を行って注意を喚起する(S213)。例えば、ページを表示する前に、部屋に他者がいることを知らせる警告表示を行う。また、ページ表示中に他者が入室した場合は、そのページに重ねて警告表示を行う。図11は表示中のページに重ねて警告表示を行う場合の例である。なお、ページに重ねて警告表示を行う場合、警告表示は任意の場所に表示することができるが、警告表示以外の部分は視認可能であり、閲覧制限部分が覗き見される恐れがあることから、警告表示は閲覧制限部分に重ねて表示したり、画面全体に表示したりすることが好ましい。
【0064】
そして、表示制御部106は、警告表示に対する指示を待ち(S215)、表示が指示された場合は、そのページ全体を通常の表示形態で表示し(S217)、表示が指示されなかった場合(表示の制御が指示された場合)は、上記と同様に、閲覧制限部分やページ全体を視認しにくい表示形態に変更する(S216)。その後、図8のS203に戻って同様の処理を繰り返す。
【0065】
図10のフローチャート図では、ページめくりにおいて次ページに閲覧制限部分が含まれる場合に、閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更して次ページを表示したが、ページめくり自体の動作を制御することもできる。その場合は、図12のフローチャート図に示すように、図10と同様にS221〜S224の処理を行った後、警告表示に対する指示を待つ(S225)。ページめくりが指示された場合は、表示制御部106は、上記と同様に、閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更して次ページを表示したり、閲覧制限部分がないページを抽出してそのページを表示したりする(S226)。一方、ページめくりが指示されなかった場合は、そのまま、図8のS203に戻って同様の処理を繰り返す。
【0066】
このように、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置近傍(部屋内)に他者が入室している場合に、警告表示を行って注意を喚起し、指示に応じた処理を実施することにより、覗き見による情報漏洩を確実に防止すると共に、使用者の利便性を向上させることができる。
【0067】
以上の説明では、ページ内の全ての閲覧制限部分を表示するかしないかのいずれかとしたが、装置から離れた場所に他者がいる場合であっても、閲覧制限部分やページ全体を全く見ることができないのは不便である。そこで、特定の操作に対して、閲覧制限部分やページ全体が表示されるようにすることもできる。その場合の動作について、図13のフローチャート図及び図14の表示例を参照して説明する。なお、図13のフローチャート図は、図8のS207、図10のS216において表示が制御されているときの動作を示している。
【0068】
情報表示装置101は、画面タッチを監視する(S231)。
【0069】
画面がタッチされた場合は、タッチパネルからの信号に基づいてタッチされた座標を取得し(S232)、タッチ座標が閲覧制限部分内であるかを判断する(S233)。
【0070】
タッチ座標が閲覧制限部分内であれば、その部分を再表示(通常の表示形態に変更)し(S234)、画面タッチが続く間、再表示状態を維持する。図14の右側は、ページ中のグラフの部分をタッチした場合の再表示の例である。
【0071】
その後、S231に戻り、画面タッチが離された場合、閲覧制限部分を再表示していれば、その閲覧制限部分を再消去(再び、視認しにくい表示形態に変更)する(S235)。
【0072】
なお、ここでは画面タッチに基づいて閲覧制限部分の表示を制御したが、画面タッチに代えて、特定のキーの押下に基づいて表示を制御する構成としてもよい。また、ここではタッチされた閲覧制限部分のみを再表示/再消去したが、全ての閲覧制限部分やページ全体を再表示/再消去してもよい。
【0073】
また、ここでは、画面タッチが離されたら閲覧制限部分を再消去したが、再表示/再消去の方法は任意であり、例えば、一旦画面タッチが離された後、再度タッチされたら閲覧制限部分を再消去するようにしてもよいし、特定ボタンが押下されたら閲覧制限部分を再表示し、特定ボタンが再度押下若しくは他の特定ボタンが押下されたら閲覧制限部分を再消去するようにしてもよい。
【実施例2】
【0074】
次に、本発明の第2の実施例に係る情報表示装置及び表示制御プログラムについて、図15乃至図19を参照して説明する。図15は、閲覧制限リストの一例を示す図である。また、図16、17、19は、情報表示装置の動作を示すフローチャート図であり、図18は、情報表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【0075】
前記した第1の実施例では、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、部屋内に他者がいる場合に、閲覧制限部分の表示を制御する構成としたが、部屋内にいる他者が閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者の場合は、表示を制御しなくても情報漏洩の恐れはない。そこで、本実施例では、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、部屋内に閲覧制限部分に対する閲覧権限を持たない他者がいる場合に、閲覧制限部分の表示を制御する構成とする。
【0076】
その場合の情報表示装置101及び入退室管理装置201の基本構成は、前記した第1の実施例と同様であるが、入退室管理装置201で作成する入室者リストは、個々の入室者を特定する情報が必須となる。また、情報表示装置101の記憶部107に記憶する閲覧制限リストには、図15に示すように、個々の閲覧制限部分に対して閲覧権限を持つ者(閲覧許可者)が記載される。
【0077】
また、情報表示装置101の判定部109は、閲覧制限リストに基づいて表示するページに閲覧制限部分が含まれるかを判定すると共に、閲覧制限リスト及び入室者リストに基づいて部屋内にその閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいるかを判定し、表示制御部106は、判定部109の判定結果に基づき、表示部105の表示を制御する。
【0078】
また、情報表示装置101にカメラ等の撮像手段を設けると共に記憶部107に閲覧許可者の顔画像を記憶しておき、撮像手段が装置近傍を撮像し、公知の画像処理技術を利用して人物を認識することによって、装置近傍に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいるかを判別してもよい。また、情報表示装置101にマイク等の音声検出手段を設けると共に記憶部107に閲覧許可者の声紋を記憶しておき、音声検出手段が装置近傍の音声を検出し、公知の音声処理技術を利用して声紋を認識することによって、装置近傍に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいるかを判別してもよい。これらの場合は、入退室管理装置201を省略することができる。
【0079】
以下、情報表示装置101の動作について、図16のフローチャート図を参照して説明する。なお、入退室管理装置201の動作は前記した第1の実施例(図7)と同様であるため、説明を省略する。また、情報表示装置101における再表示/再消去動作も第1の実施例(図13)と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
情報表示装置101の電源をONにすると、情報表示装置101は、その部屋の入退室管理装置201へ接続し(S301)、入退室管理装置201から入室者リストを取得し、記憶部107に保存する(S302)。
【0081】
次に、入退室管理装置201からの通知の受信、及び、ページめくり操作(例えば、ページめくりキーの押下)を監視し(S303)、入退室管理装置201からの通知を受信した場合は、その通知に基づいて入室者リストを更新する(S304)。
【0082】
次に、判定部109は、予め記憶した閲覧制限リストに基づいて、表示するページ(ページめくりの場合は次のページ)に閲覧制限部分が含まれるかを判断し(S305)、表示するページに閲覧制限部分が含まれる場合は、閲覧制限リスト及び入退室管理装置201から取得した入室者リストに基づいて、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室しているか(すなわち、入室者リストで特定される入室者の少なくとも一人が、閲覧制限リストで特定される閲覧許可者に該当しないか)を判断する(S306)。なお、情報表示装置101に撮像手段や音声検出手段を備えている場合は、撮像手段で撮像した画像や音声検出手段で検出した音声に基づいて、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室しているかを判断してもよい。
【0083】
表示するページに閲覧制限部分が含まれ(S305のYes)、かつ、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室している(S306のYes)場合は、表示制御部106は、前記した第1の実施例の図9に示すように、そのページの表示を制御する(S307)。例えば、表示するページ中の閲覧制限部分(ページ全体、特定の領域、特定の単語)を黒く塗りつぶしたり、背景と同じ色で塗りつぶしたり、所定のパターンを重ねたり、予め記憶した画像に置換したりして、閲覧制限部分の表示形態を視認しにくい表示形態に変更する。
【0084】
一方、表示情報に閲覧制限部分がない(S305のNo)、又は、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室していない(S306のNo)場合は、表示制御部106は、そのページ全体を通常の表示形態で表示する(S308)。
【0085】
そして、表示の停止が指示、若しくは、情報表示装置101の電源がOFFされるまで、ステップS303〜S308の処理を繰り返す。
【0086】
このように、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置近傍(部屋内)に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室している場合に、閲覧制限部分やページ全体を視認しにくい表示形態に変更することにより、情報の閲覧性の低下を抑制しつつ、覗き見による情報漏洩をより確実に防止することができる。
【0087】
図16のフローチャート図では、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室している場合に、直ちに閲覧制限部分やページ全体の表示を制御したが、上記表示制御に加えて、若しくは、上記表示制御に代えて、情報表示装置101の使用者に注意を喚起することもできる。その場合の動作について、図17のフローチャート図及び図18の表示例を参照して説明する。
【0088】
まず、図16のS301〜S304の処理を行った後、判定部109は、予め記憶した閲覧制限リストに基づいて、表示するページ(ページめくりの場合は次のページ)に閲覧制限部分が含まれるかを判断し(S311)、表示するページに閲覧制限部分が含まれる場合は、閲覧制限リスト及び入退室管理装置201から取得した入室者リスト(又は、撮像手段で撮像した画像や音声検出手段で検出した音声)に基づいて、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室しているかを判断する(S312)。
【0089】
表示するページに閲覧制限部分が含まれない(S311のNo)、又は、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室していない(S312のNo)場合は、表示制御部106は、ページ全体を通常の表示形態で表示し(S314)、図16のS303に戻って同様の処理を繰り返す。
【0090】
一方、表示するページに閲覧制限部分が含まれ(S311のYes)、かつ、部屋内に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室している(S312のYes)場合は、表示制御部106は、警告表示を行って注意を喚起する(S313)。例えば、ページを表示する前に、部屋に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者がいることを知らせる警告表示を行う。また、ページ表示中に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室した場合は、そのページに重ねて警告表示を行う。図18は表示中のページに重ねて警告表示を行う場合の例である。なお、ページに重ねて警告表示を行う場合、警告表示は任意の場所に表示することができるが、警告表示以外の部分は視認可能であり、閲覧制限部分が覗き見される恐れがあることから、警告表示は閲覧制限部分に重ねて表示したり、画面全体に表示したりすることが好ましい。
【0091】
そして、表示制御部106は、警告表示に対する指示を待ち(S315)、表示が指示された場合は、そのページ全体を通常の表示形態で表示し(S317)、表示が指示されなかった場合(表示の制御が指示された場合)は、上記と同様に、閲覧制限部分やページ全体を視認しにくい表示形態に変更する(S316)。その後、図16のS303に戻って同様の処理を繰り返す。
【0092】
図17のフローチャート図では、ページめくりにおいて次ページに閲覧制限部分が含まれる場合に、閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更して次ページを表示したが、ページめくり自体の動作を制御することもできる。その場合は、図19のフローチャート図に示すように、図16と同様にS321〜S324の処理を行った後、警告表示に対する指示を待つ(S325)。ページめくりが指示された場合は、表示制御部106は、上記と同様に、閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更して次ページを表示したり、閲覧制限部分がないページを抽出してそのページを表示したりする(S326)。一方、ページめくりが指示されなかった場合は、そのまま、図16のS303に戻って同様の処理を繰り返す。
【0093】
このように、表示するページに閲覧制限部分が含まれ、かつ、装置近傍(部屋内)に閲覧制限部分に対して閲覧権限を持たない他者が入室している場合に、警告表示を行って注意を喚起し、指示に応じた処理を実施することにより、覗き見による情報漏洩を確実に防止すると共に、使用者の利便性を向上させることができる。
【0094】
なお、本実施例においても、第1の実施例と同様に、特定の操作に対して、閲覧制限部分やページ全体の再表示/再消去を制御してもよい。
【0095】
また、本発明は上記実施例の記載に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成及び制御は適宜変更可能である。例えば、上記各実施例では、閲覧制限部分やページ全体の表示方法を変えて視認しにくくしたが、例えば、情報表示装置101の表示部105がLCDであり、バックライト装置が所定の画素単位でバックライト光を照射可能なLED(Light Emitting Diode)群で構成されている場合は、各LEDの点灯/消灯を制御して閲覧制限部分やページ全体を視認しにくくしてもよい。また、表示部105の表示面側に領域毎に透過率や視野を制御可能な光学部材を備えている場合は、各領域の透過率や視野を制限して閲覧制限部分やページ全体を視認しにくくしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、情報を表示する情報表示装置、特に、入退室が管理された領域で使用される情報表示装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
101 情報表示装置
102 CPU
103 電池
104 操作部
105 表示部
106 表示制御部
107 記憶部
108 通信部
109 判定部
201 入退室管理装置
202 CPU
203 入退室者認証部
204 記憶部
205 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、表示情報と当該表示情報中の閲覧制限部分が記述された閲覧制限情報とを記憶する記憶部と、を少なくとも備える情報表示装置であって、
前記閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に当該情報表示装置の使用者以外の他者がいるか、を判定する判定部と、
前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部と、を備える、ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記閲覧制限情報には、各々の前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者が規定されており、
前記判定部は、前記閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者がいるか、を判定し、
前記表示制御部は、前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記情報表示装置の近傍とは、当該情報表示装置を使用している管理区域の内部であり、
前記判定部は、前記管理区域への入退室を管理する管理装置から取得した入室者情報に基づいて、前記管理区域の内部に他者がいるかを判定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記情報表示装置は、撮像手段又は音声検出手段を備え、
前記判定部は、前記撮像手段が撮像した画像又は前記音声検出手段が検出した音声を解析して、前記情報表示装置の近傍に他者がいるかを判定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記閲覧制限部分は、ファイル単位、ページ単位、領域単位、単語単位の少なくとも一つで設定可能であり、
前記表示制御部は、表示するページ中の前記閲覧制限部分のみ、若しくは、表示するページ全体に対して、所定の色での塗りつぶし、所定のパターンの重ね合わせ、所定の画像への置換、バックライト光の消灯のいずれかの処理を行う、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、特定の操作を監視し、前記特定の操作が行われたら、前記視認しにくい表示形態を通常の表示形態に変更する制御を行う、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記特定の操作が行われなくなったら、前記通常の表示形態を前記視認しにくい表示形態に戻す制御を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、第2の特定の操作が行われたら、前記通常の表示形態を前記視認しにくい表示形態に戻す制御を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記特定の操作は、前記表示部に配置されたタッチパネルのタッチであり、
前記表示制御部は、タッチされた前記閲覧制限部分を前記通常の表示形態に変更する、ことを特徴とする請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する前に、警告表示を行う、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記警告表示を行った後、ページの表示が指示された場合は、前記ページを通常の表示形態で表示する、ことを特徴とする請求項10に記載の情報表示装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記警告表示を行った後、ページめくりが指示された場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更して次のページを表示、若しくは、前記閲覧制限部分が含まれないページを抽出して表示する、ことを特徴とする請求項10に記載の情報表示装置。
【請求項13】
表示部を備える情報表示装置で動作する表示制御プログラムであって、
前記情報表示装置を、
予め記憶された、表示情報中の閲覧制限部分が記述された閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に当該情報表示装置の使用者以外の他者がいるか、を判定する判定部、
前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する表示制御部、として機能させる、ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項14】
前記閲覧制限情報には、各々の前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者が規定されており、
前記判定部は、前記閲覧制限情報に基づいて表示するページに前記閲覧制限部分が含まれるか、及び、前記情報表示装置の近傍に前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者がいるか、を判定し、
前記表示制御部は、前記表示部に前記表示情報を表示させる際に、表示するページに前記閲覧制限部分が含まれ、かつ、前記情報表示装置の近傍に前記閲覧制限部分に対して閲覧権限を有する者以外の他者がいる場合は、少なくとも前記閲覧制限部分を視認しにくい表示形態に変更する、ことを特徴とする請求項13に記載の表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−134137(P2011−134137A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293486(P2009−293486)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】