説明

情報表示装置

【課題】コストアップなく、携帯性に優れ、内容選択画面および情報表示画面を具えた情報表示装置を提供する。
【解決手段】情報表示用パネルを2枚用いた情報表示装置において、第1の情報表示用パネルは、第1表示面を有し、第2の情報表示用パネルは、第2表示面と第3表示面とを有する両面表示方式であり、第1の情報表示用パネルに具えた位置座標検出装置により、第1表示面に表示された情報の中から選択した情報の位置を検出し、選択した情報に応じた情報の内容を、情報表示装置あるいは第2の情報表示用パネルに具えた情報格納部に、第2表示面あるいは第3表示面に表示できる1ページ容量ごとに、格納し、情報表示装置の画面切り替え機構により、第2の情報表示用パネルをめくることを検出し、第2の情報表示用パネルをめくることで、第2表示面と第3表示面とに交互に、格納した情報を読み進める方向に表示させる、あるいは情報表示装置に設けたページ戻り機構により読み戻す方向に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界駆動可能な表示媒体を少なくとも一方が透明な2枚の基板間に封入し、基板に設けた電極から電界を付与することで表示媒体を移動させることによって画像等の情報表示を書換えできるドットマトリックス型表示方式の表示部パネルからなる情報表示用パネルを2枚用いた情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドットマトリックス型表示方式の情報表示装置としては、液晶方式の情報表示装置(例えば特許文献1参照)や、帯電粒子移動方式の情報表示装置(電気泳動方式や電子粉流体方式をはじめとする帯電粒子気体中移動方式)が知られている。そのうち、電子粉流体方式をはじめとする帯電粒子気体中移動方式の情報表示装置を利用した例として、本出願人は、電子書籍表示装置を開示している(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−265470号公報
【特許文献2】特開2006−58578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した電子書籍表示装置では、全画面に書籍情報を表示させる構成であり、表示させたい内容を選択するための内容選択画面(目次画面)を具えていない。ここで上述した電子書籍表示装置に内容を選択するための内容選択画面をもたせる構成の一例としては、全画面に一度内容選択情報を表示させ、画面から情報を選択後、その画面を消去してから選択した情報内容を表示するものがあった。この際、内容選択画面をそのまま保持することができないという問題が生じる。このように、内容を選択した後に、内容選択画面を消去して選択した情報表示をすると、次に表示させたい情報を内容選択画面から選択する場合には、もう一度内容選択画面を表示させて表示させたい情報を選択した後画面を書換えることを繰り返す必要があり、見たい内容をすぐに表示させたいという点から問題があった。また、内容選択画面をそのまま保持していると、情報表示画面が1面しかなく、現在表示されている情報の次の情報を表示させる場合に、表示画面をスクロールするなどして、言い換えれば何回も画面を書き換えながら見たい情報全体を少しずつ表示させなければならなかった。この場合、画面書き換え動作中もユーザは画面を見続けることとなり、従来の紙媒体書籍でページをめくって読み進めるのとは異なり、次のページ画面に書き換える動作が感覚的に好まれない、あるいは書き換えに要する時間が長く感じられるという問題があった。
そこで、さらに内容選択画面を常に表示させておきながら、情報表示画面を2面以上設けるためには、情報表示用パネルが追加で必要となり、コストアップの問題だけでなく、書籍型のように綴じた画面を見開きするような構造にしようとすると重量と体積が大きくなり携帯性に劣るという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は上述した問題点を解消し、コストアップなく、携帯性に優れ、内容選択画面および情報表示画面を具えた情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報表示装置は、電界駆動可能な表示媒体を2枚の基板間に封入し、基板に設けた対電極から電界を付与することで表示媒体を移動させることによって画像等の情報表示を書換えできるドットマトリックス型表示方式の表示部パネルからなる情報表示用パネルを2枚用いた情報表示装置において、第1の情報表示用パネルは、第1表示面を有し、第2の情報表示用パネルは、第2表示面と第3表示面とを有する両面表示方式であり、前記第1の情報表示用パネルに具えた位置座標検出装置により、前記第1表示面に表示された情報の中から選択した情報の位置を検出し、前記選択した情報に応じた情報の内容を、情報表示装置または第2の情報表示用パネルに具えた情報格納部に、前記第2表示面あるいは前記第3表示面に表示できる1ページ容量ごとに、格納し、情報表示装置の画面切り替え機構により、第2の情報表示用パネルをめくることを検出し、第2の情報表示用パネルをめくることで、前記第2表示面と前記第3表示面とに交互に、格納した情報を読み進める方向に表示し、情報表示装置に設けたページ戻り機構を動作させて、第2の情報表示用パネルをめくることで、前記第2表示面と前記第3表示面とに交互に、格納した情報を読み戻す方向に表示することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の情報表示装置は、前記位置座標検出装置が、前記第1表示面上に設けた透明なタッチパネル方式位置検出装置であること、あるいは、前記第1表示面の裏側に設けた電磁授受方式位置検出装置であることが好適である。
【0008】
本発明の情報表示装置は、前記画面切り替え機構が、前記2枚の情報表示用パネル間に設けた接合部に、接合部に固定された第1の導電接点と、前記第2の情報表示用パネルの回転に従って回転する第2の導電接点とを同軸上に設け、2つの導電接点が接触することで第2の情報表示用パネルをめくることを検出することが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報表示装置によれば、電界駆動可能な表示媒体を2枚の基板間に封入し、基板に設けた対電極から電界を付与することで表示媒体を移動させることによって画像等の情報表示を書換えできるドットマトリックス型表示方式の表示部パネルからなる情報表示用パネルを2枚用いた情報表示装置において、第1の情報表示用パネルは、第1表示面を有し、第2の情報表示用パネルは、第2表示面と第3表示面とを有する両面表示方式であり、前記第1の情報表示用パネルに具えた位置座標検出装置により、前記第1表示面に表示された情報の中から選択した情報の位置を検出し、前記選択した情報に応じた情報の内容を、情報表示装置または第2の情報表示用パネルに具えた情報格納部に、前記第2表示面あるいは前記第3表示面に表示できる1ページ容量ごとに、格納し、情報表示装置の画面切り替え機構により、第2の情報表示用パネルをめくることを検出し、第2の情報表示用パネルをめくることで、前記第2表示面と前記第3表示面とに交互に、格納した情報を読み進める方向に表示し、情報表示装置に設けたページ戻り機構を動作させて、第2の情報表示用パネルをめくることで、前記第2表示面と前記第3表示面とに交互に、格納した情報を読み戻す方向に表示することにより、コストアップなく、携帯性に優れ、内容選択画面および情報表示画面を具えた情報表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いる表示部パネルとしての好ましい構成を以下に説明する。まず、電界駆動可能な表示媒体を用いた方式としては、帯電粒子を気体中空間で駆動する方式や、帯電粒子を絶縁液体中で駆動する(電気泳動)方式や、半分ずつ帯電極性および色が異なる部分で構成した帯電粒子を絶縁液体とともにマイクロカプセル中で駆動(回転)する方式がある。また、2枚の基板には、電極を対で設け、この対電極間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて画像等の情報表示を書き換える。対電極は、ライン電極を互いに対向交差させて形成したり、個別電極を対向させて形成したりすることができる。いずれの場合もドットマトリックス型表示方式の表示画面を有する表示部パネルとすることができる。
なお、本発明に係る情報表示用パネルにおいては、一方の第1の情報表示用パネルは表示画面が1つのものであり、もう一方の第2の情報表示用パネルは2つの表示画面が表裏の両面にあるものである。
【0011】
さらに、ライン電極で構成した対電極の場合にはパッシブ駆動方式を用い、個別電極で構成した対電極の場合にはアクティブ駆動方式を用いる。いずれの場合もドットマトリックス型表示部パネルとすることができる。さらにまた、基板としては、ガラス、石英等の無機シートや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル等の有機高分子系シートを用いることができる。表示画面を構成する基板にはこのうち透明なものを用いる。
【0012】
次に、情報表示用パネルの表示画面となる表示部パネルの具体例として、帯電粒子(表示媒体)を気体中あるいは液体中空間で駆動する方式の一例を、図1(a)、(b)〜図5(a)、(b)により、それぞれを参照して説明する。
【0013】
図1(a)、(b)〜図4(a)、(b)に示した例では、電界駆動可能な帯電粒子からなる表示媒体33を2枚の基板31、32間の空間に封入し、基板31、32のそれぞれに設けた対電極35、36から電界を付与することで、表示媒体33を移動させて画像等の情報表示を書き換えできるドットマトリックス型表示方式の情報表示用パネルの表示部パネル2を示している。また、表示媒体33を封入する基板31、32間の空間は、隔壁34により複数のセル(小部屋)37で仕切られている。これにより、封入した表示媒体33が偏ることを防止できる。なお、図5に示すように、表示媒体33をマイクロカプセルに封止した場合には、このマイクロカプセルがセル(小部屋)の機能を有するので、さらにセル(小部屋)を設けなくても良い。また、裏面側(視認側と反対側)の基板31および裏面側の電極35は透明である必要はない。
【0014】
図1(a)、(b)に示す例では、それぞれのセル37に、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなる黒色表示媒体33Bとの2色の組み合わせの表示媒体を封入して白黒ドット表示をしている。図1(a)と図1(b)との相違点は、図1(a)に示す例では対電極35、36を、ライン電極を対向直交交差して構成しているのに対し、図1(b)に示す例では対電極35、36を個別対電極として構成している点である。片面表示の表示部パネルとする場合は、視認側でないほうの基板と電極は透明でなくてもよい。
【0015】
図2(a)、(b)に示す例では、3つのセル37を表示単位(1ドット)とし、それぞれのセル37に、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなる赤色表示媒体33Rとの2色の組み合わせの表示媒体、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなる緑色表示媒体33Gとの2色の組み合わせの表示媒体、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなる青色表示媒体33BLとの2色の組み合わせの表示媒体、を封入してカラー表示している。図2(a)、(b)に示す例とも観察者に対し赤色ドット表示を行っている。図2(a)と図2(b)との相違点は、図2(a)に示す例では対電極35、36を、ライン電極を対向直交交差して構成しているのに対し、図2(b)に示す例では対電極35、36を個別対電極として構成している点である。表示媒体の2色の組み合わせは上述した例に限定されるものではなく、例えば、それぞれのセルに黒赤2色、黒緑2色、黒青2色の組み合わせで表示媒体を封入した構成によってもカラー表示することができる。
【0016】
図3(a)、(b)に示す例では、3つのセル37を表示単位(1ドット)とし、それぞれのセル37の両面に、三原色カラーフィルター41R、41G、41BLを配置し、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなる黒色表示媒体33Bの2色の表示媒体によってカラー表示している。この構成の表示部パネルでは基板31、32ともに透明とし、電極35、36ともに透明電極として、表示部パネルの両面を表示面とすることができる。図3(a)、(b)とも観察者に対し青色ドット表示を行っている。図3(a)と図3(b)との相違点は、図3(a)に示す例では対電極35、36を、ライン電極を対向直交交差して構成しているのに対し、図3(b)に示す例では対電極35、36を個別対電極として構成している点である。他の構成として、4つのセル37を表示単位(1ドット)とし、それぞれのセル37に三原色カラーフィルターと無色のカラーフィルターとを配置し、白黒2色の表示媒体によってカラー表示することもできる。
【0017】
また、図3に示した構成に限らず、表裏に表示画面を有する情報表示用パネルに、カラーフィルターを用いてカラー表示する場合には、表裏双方の表示画面にカラーフィルターを設けることが好ましいが、どちらかの面ではカラー表示でなく2色で表示させたい場合にはどちらか1面にカラーフィルターを設けるだけでよい。このように構成することで、表裏の両面表示可能な1枚の情報表示用パネルとして、一方の面で高精細な文字等の情報を表示するのに好適なモノクロ表示を行い、もう一方の面で図形等の情報を表示するのに好適なカラー表示を行うことができる。もちろん、用途に応じて、両面でモノクロ表示を行うこともできる。
【0018】
図4(a)、(b)に示す例では、3つのセル37を表示単位(1ドット)とし、それぞれのセル37に、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなるマゼンタ色表示媒体33Mとの2色の組み合わせの表示媒体、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなるシアン色表示媒体33Cとの2色の組み合わせの表示媒体、帯電粒子からなる白色表示媒体33Wと帯電粒子からなるイエロー色表示媒体33Yとの2色の組み合わせの表示媒体、を封入してカラー表示している。図4(a)、(b)とも観察者に対しマゼンタ色ドット表示を行っている。図4(a)と図4(b)との相違点は、図4(a)に示す例では対電極35、36、ライン電極を対向直交交差して構成しているのに対し、図4(b)に示す例では対電極35、36を個別対電極として構成している点である。
【0019】
図5(a)、(b)に示す例では、上述の、隔壁34で形成されたセルの代わりに、白黒2色の表示媒体を絶縁液体8とともに充填したマイクロカプセル9を配置している。図5(a)と図5(b)との相違点は、図5(a)に示す例では個別対電極35、36とマイクロカプセルの位置を対応させて構成しているのに対し、図5(b)に示す例では個別対電極35、36とマイクロカプセルの位置を対応させないで構成している点である。片面表示の表示部パネルとする場合は、視認側でないほうの基板と電極は透明でなくてもよい。
【0020】
図6(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の構成例である。
図6(a)、(b)に示すように、情報表示装置5の左側に、片面表示式表示部パネル2Kと透明なタッチパネル式位置座標検出装置10Tとで構成される情報表示用パネルを設けている。情報表示装置5の右側に、両面表示式情報表示用パネル2Rを設けている。片面表示式表示部パネル2Kの表示面を第1表示面2aとし、両面表示式情報表示用パネル2Rの2つの表示面をそれぞれ第2表示面2bおよび第3表示面2cとする。なお、図6では、両面表示可能な1個の表示部パネルから両面表示式情報表示用パネル2Rを構成しているが、片面表示式の2個の表示部パネルの背面を貼り合わせて両面表示式情報表示用パネル2Rを構成してもよい。
図6(a)では片面表示式情報表示用パネル2Kは情報表示装置本体左側にて情報表示装置本体に固定され、両面表示式情報表示用パネル2Rは、めくり用綴じ代部16に固定され、左右にめくることができる。図6(b)では片面表示式情報表示用パネル2K、両面表示式情報表示用パネル2Rともにめくり用綴じ代部16に固定され、左右にめくることができる。めくり用綴じ代部16にはヒンジ接点スイッチを内蔵し、両面表示式情報表示用パネル2Rをめくることを検出する。ヒンジ接点スイッチに関しては、以下で詳細に説明する。
また、ページ戻り機能選択スイッチ15、電池45、駆動装置46、情報格納部48(例えば、メモリ)を、情報表示装置本体11に搭載している。なお、ページ戻り機能選択スイッチ15、電池45、駆動装置46、情報格納部48等の搭載位置は情報表示装置本体11に限定されない。特に、情報格納部48は第2の情報表示用パネル(両面表示式情報表示用パネル2R)に搭載することも好ましく適用される。
図6(c)、(d)に示すように、片面表示式表示部パネル2Kの背面側に電磁授受方式位置座標検出装置10Dを設けることもできる。この電磁授受方式位置座標検出装置10Dを用いた場合も、透明なタッチパネル式位置座標検出装置10Tを用いた場合で説明した図6(a)、(b)と同様に、図6(c)、(d)に示した構成で使用できる。
【0021】
透明なタッチパネル式位置座標検出装置としては、抵抗膜方式タッチパネル、超音波方式タッチパネル、赤外線方式タッチパネル、アナログ容量結合方式タッチパネル等、情報表示用パネル表示面の光透過性の妨げにならない構成のパネル等が挙げられる。
【0022】
次に、図7(a)〜(d)を用いて、本発明の情報表示装置の構成を説明する。図7(a)は情報表示装置を開いた状態の平面図を示し、図7(b)、(c)はそれぞれ情報表示装置の両面表示式表示部パネル2Rをめくっている状態の斜視図と側面図を示し、図7(d)は情報表示装置を閉じかけた状態の側面図を示す。情報表示装置を閉じられるようにする構成は必須ではないが、このような構成とすることで情報表示装置の携帯性が増す。
図7(a)は、情報表示装置の左側は片面表示式表示部パネルに透明なタッチパネル方式位置座標検出装置10Tを設け、左側は両面表示式情報表示用パネル2Rとした図6(a)の構成を示す。片面表示式表示部パネル2Kには選択項目が表示され、選択項目の中から所望の項目を、ユーザがペンや指等の位置指示器(ポインター)を使用して選択し、タッチパネル方式位置座標検出装置10Tにより検出されたその項目に応じた情報が両面表示式情報表示用パネル2Rに表示される。電磁授受方式位置座標検出装置を用いた場合のポインターとしては電磁ペンを用いる。図7(c)に示すように、両面表示式情報表示用パネル2Rは第2表示面2bと第3表示面2cを有する。選択された情報は、そのデータ容量に応じて第2表示面2bと第3表示面2cとに情報が表示される。これは、選択された情報が情報表示装置あるいは情報表示用パネル2Rに具えた情報格納部に、前記第2表示面あるいは前記第3表示面に表示できる1ページ容量ごとに、格納されているためである。
図7(b)〜(d)には、片面表示式表示部パネル2Kと位置座標検出装置とで構成される情報表示用パネル(第1の情報表示用パネル)は情報表示装置本体11に固定され、両面表示式情報表示用パネル2Rはめくって、第2表示面2bおよび第3表示面3cが視認できる図6(a)の構成を示したが、図6(b)に示したように第1の情報表示用パネルもめくれる構成にすることもできる。また、透明なタッチパネル式位置座標検出装置10Tの代わりに電磁授受方式位置座標検出装置10Dを用いた図6(c)、(d)に示した構成にすることもできる。
【0023】
図8(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の動作を説明するための図であり、左側に片面表示式表示部パネル2Kと位置座標検出装置で構成される情報表示用パネル、右側に両面表示式情報表示用パネル2Rとして情報表示装置としている。
図8(a)には、片面表示式表示部パネル2Kの第1表示面2aを選択項目表示面(例えば見出し画面)とし、表示された見出しから読みたい情報の見出し表示部にペンポインター20P等を押し当てて選択する。ここでは、表示された見出しから、項目2と表示された部分にペンポインター20P等を押し当てて選択している。画面に表示されていない見出し情報は、画面に表示されるスクロールボタンにペンポインター20P等を押し当てて、画面をスクロールして表示させる。
選択した見出しに対応した内容情報は、両面表示式情報表示用パネル2Rの表示画面(第2表示面2bあるいは第3表示面2c)に対応した1ページ分ごとに区切られた複数ページ情報として、情報格納部に格納される。
図8(b)では、情報格納部に取り込まれた内容情報から、1ページ目の内容情報を、両面表示式情報表示用パネル2Rの第2表示面2bに表示させている。
図8(c)では、両面表示式情報表示用パネル2Rをめくって、第3表示面2cに2ページ目の内容情報を表示させている。両面表示式情報表示用パネル2Rをめくることで、後述するヒンジ接点スイッチが作動し、情報格納部に取り込まれた内容情報から、2ページ目の内容情報を、両面表示式情報表示用パネル2Rの第3表示面2cに表示させている。
図8(d)では、両面表示式情報表示用パネル2Rをめくって、第2表示面2bに3ページ目の内容情報を表示させている。両面表示式情報表示用パネル2Rをめくることで、ヒンジ接点スイッチが作動し、情報格納部に取り込まれた内容情報から、3ページ目の内容情報を、両面表示式情報表示用パネル2Rの第2表示面2bに表示させている。
このように、画面をめくり、次に読みたい画面が現れるという構成にしたことで、同じ画面が書き換えられるのを待っているより、書き換えに要する時間が短く感じられるという利点がある。
【0024】
図9(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の動作をさらに説明するための図であり、構成は図8と同じである。
図9(a)に示すように、情報表示装置5の第1表示面2aに表示された目次情報の中から、読みたい情報の見出し表示部分にペンポインター20Pを押し当てて選択する。画面に表示されていない見出し情報は、画面に表示されるスクロールボタンにペンポインター20Pを押し当てて、画面をスクロールして表示させる。
選択した見出しに対応した内容情報は、両面表示式情報表示用パネル2Rの表示画面(第2表示面2bあるいは第3表示面2c)に対応した1ページ分ごとに区切られた複数ページ情報として、情報格納部に格納される。
図9(b)では、情報格納部に取り込まれた内容情報から、1ページ目の内容情報を、両面表示式情報表示用パネル2Rの第2表示面2bに表示させている。
図8(c)では、両面表示式情報表示用パネル2Rをめくって、第3表示面2cを表示させている。両面表示式情報表示用パネル2Rをめくることで、後述するヒンジ接点スイッチが作動し、情報格納部に取り込まれた内容情報から、2ページ目の内容情報を、両面表示式情報表示用パネル2Rの第3表示面2cに表示させている。
次にページ戻り機能選択スイッチ15を押してから、図9(d)に示すように、両面表示式情報表示用パネル2Rをめくって、第2表示面2bを表示させている。両面表示式情報表示用パネル2Rをめくることで、ヒンジ接点スイッチが作動する。さらに、ページ戻り機能選択スイッチ15が押されているため、情報格納部に取り込まれた内容情報から、3ページ目の内容情報ではなく、1ページ目の内容情報を、両面表示式情報表示用パネル2Rの第2表示面2bに表示させている。
このように、ページ戻り機能選択スイッチとヒンジ接点スイッチとを具えることにより、ページ送りとページ戻りが可能な情報表示装置とすることができる。図9において、ページ戻り機能選択スイッチは情報表示装置本体11に設けたが、図10に示すように、情報表示用パネルに設けてもよい。
【0025】
図10(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の動作をさらに説明するための図である。
図10は、ページ戻り機能選択スイッチ15を両面表示式情報表示用パネル2Rに設けている。また、図8、9では、第1表示面2aに表示されていない見出し情報は、画面に表示されるスクロールボタンにペンポインター20P等を押し当てて、画面をスクロールして表示させる例を説明したが、図10では、表示部パネルの下部に送りスクロールボタン16aと戻りスクロールボタン16bを設けている。
図10(a)の状態で、送りスクロールボタン16aを押すと、選択項目表示面がスクロールして、図10(b)に示すように、政治欄の下に、芸能欄の見出しが表示される。ここで、芸能欄の見出し1を選択すると、第2表示面2bに選択した見出しに対応した内容情報が表示される。次に両面表示式情報表示用パネル2Rをめくると、図10(c)に示すように、第3表示面2cに2ページ目の情報が表示され、さらに、両面表示式情報表示用パネル2Rをめくると、図10(d)に示すように、第2表示面2bに3ページ目の内容情報が表示される。ここではページ戻り機能選択スイッチ15を使用しない例を説明したが、ページ戻り機能選択スイッチ15を使用すると、2ページ目を表示させた後に1ページ目を表示させることもできる。
【0026】
次に、めくり用綴じ代部16にヒンジ接点スイッチを内蔵し、情報表示用パネルをめくることでヒンジ接点スイッチを動作させる例について説明する。
図11(a)〜(d)はそれぞれ本発明に用いるヒンジ接点スイッチの機構を説明するための図であり、図11(a)、(b)は、情報表示装置の平面図であり、図11(c)、(d)はそれぞれ、図11(a)、(b)に対応する情報表示装置の側面図を示す。
図11に示す例では、表裏両面に表示画面を有する表示部パネル1枚で構成された両面表示可能な情報表示用パネル2と情報表示装置本体11とを開閉自在に接続する可動固定部を構成するヒンジ部に、情報表示用パネル2の回転に従って回転する第1の導電接点61と、ヒンジ部に固定された第2の導電接点62とを同軸上に設けている。なお、説明の簡略化のため、情報表示装置の左側に配置され目次画面として利用する第1の情報表示用パネルは図示していない。
図11(a)、(c)に示すように、第1の導電接点61と第2の導電接点62とが接触しない状態で、ヒンジ接点スイッチはOFFの状態を構成する。ここで情報表示用パネル2をめくる途中で、第1の導電接点61と第2の導電接点62とが接触し、ヒンジ接点スイッチはONの状態を構成する。さらに、情報表示用パネル2を、図11(b)、(d)に示す状態までめくると、第1の導電接点61と第2の導電接点62とが接触しない状態で、ヒンジ接点スイッチはOFFの状態を構成する。以上より、情報表示用パネル2が情報表示装置5の右側にあり第2表示面2bに情報が表示されている状態から、情報表示用パネル2を右から左にめくることで、ヒンジ接点スイッチが作動し、第3表示面2cに表示すべき情報を第3表示面2cに表示する。
続いて、表示部パネル2を左から右にめくる際にもヒンジ接点スイッチが作動し、第2表示面2bに表示すべき次の情報を第2表示面2bに表示する。
【0027】
図12〜図13は、2枚の片面表示式表示部パネルを用いて両面表示方式の情報表示用パネルとする構成例である。
図12(a)、(b)は、2枚の片面表示式表示部パネルを2枚の背中合わせに重ねて構成し、表示面となる基板32および電極36は透明で、背面側の基板31および電極35は非透明である。図12(a)の2枚の表示部パネルは、図1(a)に示す表示部パネルの構成と同様で白黒表示であり、図12(b)は、図12(a)の表示面側の基板36にカラーフィルターを設けたカラー表示ができる構成である。
図13(a)、(b)は、図12(a)、(b)の背面側の基板31を中央基板として、左右2枚の表示部パネルで共有し、両面表示方式の情報表示用パネルとしている。表示面となる2枚の基板32および電極36は透明で、中央基板31および電極35は非透明である。図13(a)では両面で白黒表示、図13(b)では両面でカラー表示を行うことができる。
【0028】
また、情報格納部(例えば、メモリ)、電池、駆動装置等は、情報表示用パネル2の背面側基板や情報表示用パネル2の表示部外側の縁部の他、情報表示装置本体11に設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の情報表示装置は、電子書籍、電子楽譜、電子新聞、電子マニュアル(取扱説明書)、電子説明書(展示物等の説明書き)、電子カタログとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ本発明に用いる表示部パネルの一具体例を説明するための図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ本発明に用いる表示部パネルの他の具体例を説明するための図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ本発明に用いる表示部パネルのさらに他の具体例を説明するための図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ本発明に用いる表示部パネルのさらに他の具体例を説明するための図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ本発明に用いる表示部パネルのさらに他の具体例を説明するための図である。
【図6】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の構成例である。
【図7】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の構成を説明するための図である。
【図8】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の動作を説明するための図である。
【図9】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の動作をさらに説明するための図である。
【図10】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示装置の動作をさらに説明するための図である。
【図11】(a)〜(d)はそれぞれ本発明に用いるヒンジ接点スイッチの機構を説明するための図である。
【図12】(a)、(b)はそれぞれ、2枚の片面表示式表示部パネルを用いて両面表示方式の情報表示用パネルとする構成例である。
【図13】(a)、(b)はそれぞれ、2枚の片面表示式表示部パネルを用いて両面表示方式の情報表示用パネルとする構成例である。
【符号の説明】
【0031】
2 表示部パネル
2a 第1表示面
2b 第2表示面
2c 第3表示面
2R 両面表示式情報表示用パネル
2K 片面表示式表示部パネル
5 情報表示装置
8 絶縁液体
9 マイクロカプセル
10 位置座標検出装置
10D 電磁授受方式位置座標検出装置
10T タッチパネル方式位置座標検出装置
11 情報表示装置本体
15 ページ戻り機能選択スイッチ
16 めくり用綴じ代部
16a 送りスクロールボタン
16b 戻りスクロールボタン
20P ペンポインター
31、32 透明基板
33 表示媒体
33W 白色表示媒体
33B 黒色表示媒体
33R 赤色表示媒体
33G 緑色表示媒体
33BL 青色表示媒体
33M マゼンタ色表示媒体
33C シアン色表示媒体
33Y イエロー色表示媒体
34 隔壁
35、36 透明電極
37 セル
41R 赤色カラーフィルター
41G 緑色カラーフィルター
41BL 青色カラーフィルター
45 電池
46 駆動装置
48 情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界駆動可能な表示媒体を2枚の基板間に封入し、基板に設けた対電極から電界を付与することで表示媒体を移動させることによって画像等の情報表示を書換えできるドットマトリックス型表示方式の表示部パネルからなる情報表示用パネルを2枚用いた情報表示装置において、
第1の情報表示用パネルは、第1表示面を有し、
第2の情報表示用パネルは、第2表示面と第3表示面とを有する両面表示方式であり、
前記第1の情報表示用パネルに具えた位置座標検出装置により、前記第1表示面に表示された情報の中から選択した情報の位置を検出し、
前記選択した情報に応じた情報の内容を、情報表示装置または第2の情報表示用パネルに具えた情報格納部に、前記第2表示面あるいは前記第3表示面に表示できる1ページ容量ごとに、格納し、
情報表示装置の画面切り替え機構により、第2の情報表示用パネルをめくることを検出し、
第2の情報表示用パネルをめくることで、前記第2表示面と前記第3表示面とに交互に、格納した情報を読み進める方向に表示し、
情報表示装置に設けたページ戻り機構を動作させて、第2の情報表示用パネルをめくることで、前記第2表示面と前記第3表示面とに交互に、格納した情報を読み戻す方向に表示することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記位置座標検出装置が、前記第1表示面上に設けた透明なタッチパネル方式位置検出装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記位置座標検出装置が、前記第1表示面の裏側に設けた電磁授受方式位置検出装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記画面切り替え機構が、前記2枚の情報表示用パネル間に設けた接合部に、接合部に固定された第1の導電接点と、前記第2の情報表示用パネルの回転に従って回転する第2の導電接点とを同軸上に設け、2つの導電接点が接触することで第2の情報表示用パネルをめくることを検出することを特徴とする請求項1〜3に記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−3890(P2009−3890A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166730(P2007−166730)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】