説明

情報表示装置

【課題】ユーザが走行することによって償却された自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる情報表示装置を提供する。
【解決手段】CPU41は、一定距離走行毎に、当該一定距離内で走行した各リンクの「道路種別」と各リンク毎の走行した距離を順次ナビ地図情報から読み出し、一般道路、高速道路等の道路種別毎の走行距離を算出する。そして、CPU41は、走行消費価値テーブル62の道路種別毎の「1km走行当たりの消費価値」を読み出して、この道路種別毎の「1km走行当たりの消費価値」を一般道路、高速道路等の道路種別毎の各走行距離のそれぞれに掛け算して合計金額を算出し、「実走行時の消費価値V」に加算してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、この「実走行時の消費価値V」を、走行することによって消費した「消費価値」として液晶ディスプレイ15の表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行することによって償却した車両の消費価値を表示する情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、走行時に消費した燃料コストを算出して表示する技術に関し種々提案されている。
例えば、地図に重ねてポップアップ画面として燃費表示画面を表示し、この燃費表示画面に、車両が1kmを走行するのに消費した燃料の燃料代と、所定の時期(例えば、累計燃料代の値をリセットしたとき)から消費した燃料の累計燃料代を表示するように構成されたナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−180576号公報(段落(0006)〜(0041)、図1〜図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置によれば、車両が走行している際に、1kmを走行するのに消費した燃料の燃料代が表示されるため、運転者は燃費効率の悪い運転が金銭の無駄遣いであることを明確に認識することができる。
しかしながら、車両が走行している場合には、燃料代だけでなく車両自体の車両価値(例えば、車両の取得価格、廃車になるまでに必要な車検費用、タイヤ等の部品交換費用や税金等の合計金額である。)も走行した分だけ同時に償却しているが、ユーザは走行した分の車両価値、つまり、走行することによって償却した自車両の消費価値を明確に認識することが困難であるという問題がある。また、荒い運転操作行った場合には、自車両の消費価値は、丁寧な運転を行った場合よりも大きく償却される。また、走行する道路種別(例えば、一般道路や高速道路である。)によっても、自車両の消費価値が大きく異なる。更に、自車両が走行する所定走行環境(例えば、海沿いや、氷点下等の環境である。)によっても、自車両の消費価値が大きく異なる。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが走行することによって償却された自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る情報表示装置は、走行距離を検出する走行距離検出手段と、単位走行距離当たりに償却する自車両の消費価値に関する消費価値情報を記憶する消費価値情報記憶手段と、前記走行距離検出手段によって検出した走行距離と前記消費価値情報とに基づいて、走行することによって償却した自車両の消費価値を算出する消費価値算出手段と、前記消費価値算出手段によって算出された自車両の消費価値を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る情報表示装置は、請求項1に記載の情報表示装置において、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、目的地を入力する目的地入力手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、現在の自車位置から前記目的地までの経路を前記地図情報に基づいて探索する経路探索手段と、前記経路探索手段によって探索した経路の距離を取得する経路距離取得手段と、前記経路距離取得手段によって取得した経路の距離と前記消費価値情報とに基づいて、前記経路を走行することによって償却する自車両の消費価値を推定する消費価値推定手段と、を備え、前記表示手段は、前記目的地までの経路に関する経路情報と共に前記消費価値推定手段によって推定した自車両の消費価値を表示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る情報表示装置は、請求項2に記載の情報表示装置において、前記走行距離検出手段によって検出した走行距離と前記消費価値情報とに基づいて、走行開始から現在の自車位置までに償却した自車両の実走行時の消費価値を算出する実走行時消費価値算出手段を備え、前記表示手段は、前記経路の走行を開始した場合には、該経路と共に前記実走行時消費価値算出手段によって算出された自車両の実走行時の消費価値を表示することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る情報表示装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報表示装置において、自車両の運転状況に関する運転情報を取得する運転情報取得手段と、前記運転情報に基づいて運転者の運転特性を決定する運転特性決定手段と、を備え、前記消費価値情報は、前記運転特性に対応して複数種類設けられており、前記消費価値算出手段は、前記運転特性決定手段によって決定された運転特性に対応する前記消費価値情報を選択することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る情報表示装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報表示装置において、走行した道路の道路種別を取得する道路種別取得手段を備え、前記消費価値情報は、道路種別毎に設けられており、前記消費価値算出手段は、前記道路種別取得手段によって取得した道路種別に対応する前記消費価値情報を選択することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る情報表示装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報表示装置において、走行環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記走行環境における走行時間を取得する走行時間取得手段と、所定走行環境における単位時間当たりに償却する自車両の消費価値に関する環境消費価値情報を記憶する環境消費価値情報記憶手段と、を備え、前記消費価値算出手段は、前記所定走行環境における走行時間と前記環境消費価値情報とに基づいて、該所定走行環境において償却した自車両の消費価値を算出して、前記走行することによって償却した自車両の消費価値に加算することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7に係る情報表示装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報表示装置において、燃料の消費量を検出する燃料消費量検出手段と、燃料価格を取得する燃料価格取得手段と、前記燃料消費量検出手段によって検出した燃料の消費量と前記燃料価格とに基づいて、走行開始から消費した燃料の燃料代を算出する燃料代算出手段と、を備え、前記表示手段は、前記消費価値算出手段によって算出された自車両の消費価値と前記燃料代算出手段によって算出された燃料代との合計金額を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に係る情報表示装置では、走行することによって償却した自車両の消費価値を表示することができる。これにより、ユーザは走行することによって償却された自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる。
【0014】
また、請求項2に係る情報表示装置では、自車位置から目的地までの経路を探索した場合には、この経路に関する経路情報と共に、この経路を走行した場合に償却する自車両の消費価値を表示することができる。これにより、ユーザは、この経路を走行した場合に償却される自車両の消費価値を、経路を走行する前に明確に認識することが可能となり、経路の選択を容易に行うことが可能となる。
【0015】
また、請求項3に係る情報表示装置では、探索した経路の走行を開始した場合には、該経路と共に、走行開始から現在の自車位置までに償却した自車両の消費価値を表示することができる。これにより、ユーザは、この経路の走行開始から現在までに償却した自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に係る情報表示装置では、運転特性決定手段によって決定された運転特性に対応する消費価値情報を選択して、走行することによって償却した自車両の消費価値を表示することが可能となる。これにより、ユーザの運転特性を考慮してより正確な自車両の消費価値を表示することが可能となる。また、ユーザは、荒い運転をした場合には、自車両の消費価値が大きくなることを明確に知ることができ、丁寧な運転を行うように心がけることが可能となる。
【0017】
また、請求項5に係る情報表示装置では、走行した道路種別に対応する消費価値情報を選択して、走行することによって償却した自車両の消費価値を表示することが可能となる。これにより、ユーザは、走行することによって償却された自車両の更に正確な消費価値を知ることが可能となる。
【0018】
また、請求項6に係る情報表示装置では、所定走行環境(例えば、海沿いや、氷点下等の環境である。)の影響による自車両の消費価値を、走行することによって償却した自車両の消費価値に加算して表示することが可能となる。これにより、ユーザは、所定走行環境(例えば、海沿いや、氷点下等の環境である。)を走行することによって償却される自車両の正確な消費価値を知ることが可能となる。
【0019】
更に、請求項7に係る情報表示装置では、燃料代と走行することによって償却された自車両の消費価値との合計金額を表示することが可能となる。これにより、ユーザは、燃料代と走行することによって償却された自車両の消費価値との合計金額を明確に知ることが可能となり、丁寧な運転と共に燃費効率のよい運転を心がけるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】車両価値情報DBに記憶される車両価値テーブルの一例を示す図である。
【図3】消費価値情報DBに記憶される走行消費価値テーブルの一例を示す図である。
【図4】消費価値情報DBに記憶される環境消費価値テーブルの一例を示す図である。
【図5】探索した推奨経路を走行することによって償却される自車両の消費価値を走行前に表示する「予想消費価値表示処理」を示すフローチャートである。
【図6】推奨経路を走行することによって償却される自車両の消費価値を表示した一例を示す図である。
【図7】推奨経路の走行時に、出発地から自車位置まで走行することによって償却した自車両の消費価値を表示する「経路走行時の消費価値表示処理」を示すフローチャートである。
【図8】出発地から自車位置まで実際に走行することによって償却された自車両の消費価値を表示した一例を示す図である。
【図9】出発地から目的地まで走行することによって消費した「消費ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」及び「合計金額」を表示した一例を示す図である。
【図10】経路探索を行うことなく走行を開始した場合に、走行することによって償却した自車両の消費価値を表示する「通常消費価値表示処理」を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る情報表示装置をナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17とから構成されている。
【0023】
また、ナビゲーション制御部13には、自車の走行速度を検出する車速センサ21と、自車両の燃料の残量を検出する残燃料検出センサ51と、運転者がアクセルを操作したときの操作量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ52と、運転者がハンドルを操作したときの操舵角を検出するステアリングセンサ53と、運転者がブレーキを操作したときのトルク値を検出するブレーキセンサ54と、自車両の走行環境の温度を検出する温度センサ55とが接続されている。
【0024】
また、ナビゲーション制御部13には、エンジンECU(Electronic Control Unit)56が接続されている。このエンジンECU56は、燃料噴射制御や点火時期制御等を行い、車両のエンジンを制御する。また、エンジンECU56は、燃料噴射するときに使用する燃料噴射量のデータをナビゲーション制御部13へ出力する。この燃料噴射量は、燃料噴射時間から算出することができる。
【0025】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車位置、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0026】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、車両価値情報データベース(車両価値情報DB)26、消費価値情報データベース(消費価値情報DB)27、走行履歴データベース(走行履歴DB)28、及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0027】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報が格納されている。ここで、ナビ地図情報は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ、エリア毎の月別の平均気温等から構成されている。また、地図情報DB25の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0028】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの旅行時間、リンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)、通行料金等に関するデータが記録される。
尚、以下、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路の有料の道路を有料道路という。また、有料道路を除いた1桁又は2桁の国道、3桁以上の国道、主要地方道、県道、市町村道等を一般道路という。
【0029】
また、車両価値情報DB26には、操作部14を介して入力された車両取得価格、車両寿命、車検費用や交換部品代等から作成された後述の車両価値テーブル61(図2参照)が格納されている。この車両価値テーブル61は、操作部14を介して更新される。例えば、車険費用が値上がりした場合には、値上がり後の車険費用を操作部14を介して入力することによって、車両価値テーブル61は、更新される。
【0030】
また、消費価値情報DB27には、車両価値テーブル61に記憶された自車両の車両寿命に至るまでに償却する車両価値(車両償却金額)に基づいて算出された単位走行距離当たりに償却する自車両の消費価値を、道路種別毎、及び、運転特性毎に記憶した後述の走行消費価値テーブル62が格納されている。また、走行消費価値テーブル62は、後述のように、車両価値テーブル61の更新に伴って更新される。
【0031】
また、消費価値情報DB27には、車両価値テーブル61に記憶された自車両の車両寿命に至るまでに償却する車両価値(車両償却金額)に基づいて算出された所定走行環境(例えば、海沿いや、氷点下等の環境である。)の影響による単位走行時間当たりに償却する消費価値を、走行環境毎に記憶した後述の環境消費価値テーブル63が格納されている。また、環境消費価値テーブル63は、後述のように、車両価値テーブル61の更新に伴って更新される。
【0032】
また、走行履歴DB28には、過去に走行した経路に関する走行日時、出発地、目的地、走行経路、燃料消費量、走行距離、1リットル当たりの燃料価格、出発地から目的地までの走行によって償却した自車両の消費価値、閾値以上のアクセル開度の回数、閾値以上の急ブレーキの回数、閾値以上の急ハンドルの回数等の過去の走行履歴に関する情報が走行経路毎に時系列的に記憶されている。尚、1リットル当たりの燃料価格は、給油毎に操作部14を介して入力され、データ記録部12に更新記憶されている。
【0033】
また、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されるROM43、ROM43から読み出したプログラム等を記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0034】
また、ROM43には、後述の探索した経路を走行することによって償却される自車両の消費価値を走行前に表示する「予想消費価値表示処理」のプログラム(図5参照)が記憶されている。また、ROM43には、探索した経路を実際に走行した場合に、走行開始から現在位置まで実際に走行することによって償却された自車両の消費価値を順次表示する「経路走行時の消費価値表示処理」のプログラム(図7参照)が記憶されている。更に、ROM43には、経路探索を行うことなく走行した場合に、走行開始から目的地までの走行により償却された自車両の消費価値を、目的地に到着した時に表示する「通常消費価値表示処理」のプログラム(図10参照)が記憶されている。
【0035】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ(LCD)15、スピーカ16、通信装置17等の各周辺装置が接続されている。
また、通信装置17は、不図示の情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は不図示の情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0036】
[車両価値テーブル]
次に、車両価値情報DB26に記憶されている車両価値テーブル61の一例について図2に基づいて説明する。図2は車両価値情報DB26に記憶される車両価値テーブル61の一例を示す図である。
【0037】
図2に示すように、車両価値テーブル61は、自車両の取得価格を表す「車両価格」と、1年間に走行する平均走行距離を表す「年間走行距離」と、自車両の車両寿命に至るまでに走行する走行距離(例えば、10年間に走行する走行距離である。)を表す「車両寿命」と、車両を維持するために1年間に必要な車検費用、タイヤ等の部品交換費用、保険費用や税金等の維持費用を表す「年間維持費」と、車両寿命に至るまで自車両に投資する金額を表す「車両償却金額」等から構成されている。
【0038】
また、車両価値テーブル61の「車両価格」、「年間走行距離」、「車両寿命」及び「年間維持費用」は、ユーザが操作部14を介して、それぞれの金額又は走行距離を入力することによって、更新される。また、車両価値テーブル61の「車両償却金額」は、ナビゲーション制御部13のCPU41によって更新される。具体的には、CPU41は、先ず、「車両寿命」を「年間走行距離」で割り算して車両寿命に至るまでの寿命年数を算出する。続いて、CPU41は、この寿命年数と「年間維持費」を掛け算した金額に「車両価格」の金額を加算して「車両償却金額」として車両価値テーブル61に記憶する。
【0039】
[走行消費価値テーブル]
次に、消費価値情報DB27に記憶されて、単位走行距離当たりに償却する自車両の消費価値を、道路種別毎、及び、運転特性毎に記憶した走行消費価値テーブル62の一例について図3に基づいて説明する。図3は消費価値情報DB27に記憶される走行消費価値テーブル62の一例を示す図である。
【0040】
図3に示すように、走行消費価値テーブル62は、走行している道路の種別を表す「道路種別」と、各「道路種別」に対応する運転者の運転特性を表す「運転特性」と、各「運転特性」に対応する1km走行する毎に償却する自車両の消費価値を表す「1km走行当たりの消費価値」とから構成されている。
この「道路種別」には、国道、主要地方道、県道、市町村道等を表す「一般道路」、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路等を表す「高速道路」等が格納されている。
【0041】
また、「運転特性」には、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの頻度が普通(例えば、過去100回の走行当たり1回又は2回である。)であることを表す「普通」と、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの頻度が多い(例えば、過去100回の走行当たり3回以上である。)ことを表す「荒い」と、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの頻度が少ない(例えば、過去100回の走行当たり1回未満、つまり、0回である。)ことを表す「丁寧」とが格納されている。尚、「運転特性」は、3段階だけでなく、4段階以上にランク分けしてもよい。
【0042】
また、「1km走行当たりの消費価値」は、ナビゲーション制御部13のCPU41によって、車両価値テーブル61に記憶された「車両寿命」、「車両償却金額」とに基づいて算出されて記憶される。
具体的には、例えば、CPU41は、車両価値テーブル61から「車両寿命」と「車両償却金額」とを読み出し、この「車両償却金額」を「車両寿命」で割り算した値を、走行消費価値テーブル62の「道路種別」が「一般道路」で「運転特性」が「普通」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額として記憶する。
【0043】
また、CPU41は、走行消費価値テーブル62の「道路種別」が「一般道路」で「運転特性」が「普通」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額に所定第1係数(本実施例では、1.1である。)を掛け算して、「道路種別」が「一般道路」で「運転特性」が「荒い」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額として記憶する。また、CPU41は、走行消費価値テーブル62の「道路種別」が「一般道路」で「運転特性」が「普通」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額に所定第2係数(本実施例では、0.9である。)を掛け算して、「道路種別」が「一般道路」で「運転特性」が「丁寧」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額として記憶する。
【0044】
また、CPU41は、走行消費価値テーブル62の「道路種別」が「一般道路」の各「運転特性」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額に所定第3係数(本実施例では、0.8である。)を掛け算して、「道路種別」が「高速道路」の各「運転特性」に対応する「1km走行当たりの消費価値」の金額として記憶する。尚、所定第1係数、所定第2係数、所定第3係数は、予めROM43に記憶されている。
【0045】
つまり、CPU41は、運転特性が「荒い」場合の「1km走行当たりの消費価値」を運転特性が「普通」の場合の「1km走行当たりの消費価値」よりも増加するように設定する。また,CPU41は、運転特性が「丁寧」な場合の「1km走行当たりの消費価値」を運転特性が「普通」の場合の「1km走行当たりの消費価値」よりも減少するように設定する。また、CPU41は、「高速道路」を走行した場合の「1km走行当たりの消費価値」を「一般道路」を走行した場合の「1km走行当たりの消費価値」よりも減少するように設定する。
【0046】
[環境諸費価値テーブル]
次に、消費価値情報DB27に記憶されている環境消費価値テーブル63の一例について図4に基づいて説明する。図4は消費価値情報DB27に記憶されている環境消費価値テーブル63の一例を示す図である。
【0047】
図4に示すように、環境消費価値テーブル63は、自車両の走行環境を表す「走行環境」と、各「走行環境」に対応する1分間走行する毎に償却する自車両の消費価値を表す「1分間走行当たりの消費価値」とから構成されている。
この「走行環境」には、海岸沿いの走行を表す「海沿い」、豪雪地域など寒冷地の走行を表す「氷点下」、砂漠の走行を表す「砂漠」等が格納されている。
【0048】
また、「1分間走行当たりの消費価値」には、車両価値テーブル61に記憶される「車両償却金額」を各「走行環境」における車両寿命(本実施例の場合は、車両寿命は5年である。)で割り算した1分間当たりの金額がそれぞれ格納されている。尚、各「走行環境」における車両寿命を異ならせるようにしてもよい。
【0049】
[予想消費価値表示処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、探索した推奨経路を走行することによって償却される自車両の消費価値を走行前に表示する「予想消費価値表示処理」について図5及び図6に基づいて説明する。
【0050】
図5は探索した推奨経路を走行することによって償却される自車両の消費価値を走行前に表示する「予想消費価値表示処理」を示すフローチャートである。尚、図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、操作部14の入力操作等によって、目的地が設定された場合に、CPU41によって実行される。
【0051】
図5に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出部11により自車位置及び自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置からRAM42に記憶された目的地への経路探索を地図情報DB25に格納されたナビ地図情報に基づいて、例えばダイクストラ法等によって行う。そして、CPU41は、自車位置から目的地まで探索した経路を推奨経路としてRAM42に記憶すると共に、この推奨経路を液晶ディスプレイ15に表示する。
【0052】
そして、S12において、CPU41は、推奨経路をRAM42から読み出し、地図情報DB25に格納されたナビ地図情報に基づいて、この推奨経路の出発地から目的地までの距離を算出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、走行履歴DB28から前回走行時の燃料消費量、走行距離を読み出すと共に、1リットル当たりの燃料価格をデータ記録部12から読み出し、1km走行当たりの予想燃費(円/km)を算出してRAM42に記憶する。
【0053】
そして、CPU41は、推奨経路の出発地から目的地までの距離に、この1km走行当たりの予想燃費(円/km)を掛け算した金額を「予想燃料代」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、推奨経路をRAM42から読み出し、地図情報DB25に格納されたナビ地図情報に基づいて、推奨経路上に高速自動車国道、都市高速道路等の有料道路がある場合には、当該有料道路の「通行料金」をナビ地図情報からそれぞれ読み出して合計し、「予想通行料金」としてRAM42に記憶する。
【0054】
続いて、S13において、CPU41は、上記S11で探索した推奨経路と同じ経路を走行した走行履歴が、走行履歴DB28に格納されているか否か、つまり、推奨経路が過去に通ったことのある経路であるか否かを判定する判定処理を実行する。尚、推奨経路と同じ経路を同じ季節(例えば、冬や12月〜3月等である。)に走行した走行履歴が、走行履歴DB28に格納されているか否かを判定するようにしてもよい。
そして、推奨経路と同じ経路を走行した走行履歴が、走行履歴DB28に格納されていると判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。
【0055】
S14において、CPU41は、走行履歴DB28に記憶されている当該推奨経路と同じ経路を走行した走行履歴のデータのうちの最新の走行履歴データに含まれる「出発地から目的地までの走行によって償却した自車両の消費価値」を読み出し、当該推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」としてRAM42に記憶後、後述のS21の処理に移行する。
【0056】
一方、推奨経路と同じ経路を走行した走行履歴が、走行履歴DB28に格納されていないと判定した場合には(S13:NO)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、所定走行回数以上(例えば、走行回数が100回以上である。)の運転特性履歴のデータが、走行履歴DB28に記憶されているか否か、つまり、所定走行回数以上の走行履歴に関する情報が記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0057】
そして、所定走行回数以上の運転特性履歴のデータが、走行履歴DB28に記憶されていると判定した場合には(S15:YES)、CPU41は、S16の処理に移行する。S16において、CPU41は、走行履歴DB28に記憶されている最新の所定走行回数の各走行履歴に含まれる閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの合計回数を算出する。そして、CPU41は、この閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの合計回数から運転者の運転特性を決定して、RAM42に記憶後、S18の処理に移行する。
【0058】
例えば、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの合計回数が過去100回の走行当たり1回又は2回の場合には、CPU41は、運転者の運転特性を「普通」に決定する。また、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの合計回数が過去100回の走行当たり3回以上の場合には、CPU41は、運転者の運転特性を「荒い」に決定する。また、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの合計回数が過去100回の走行当たり1回未満、つまり、0回の場合には、CPU41は、運転者の運転特性を「丁寧」に決定する。
【0059】
一方、所定走行回数以上の運転特性履歴のデータが、走行履歴DB28に記憶されていないと判定した場合には(S15:NO)、CPU41は、S17の処理に移行する。S17において、CPU41は、運転者の運転特性を「普通」に決定して、RAM42に記憶後、S18の処理に移行する。
【0060】
S18において、CPU41は、上記S11で探索した推奨経路の出発地から目的地までの各リンクの「道路種別」と「リンク長さ」を順次地図情報DB25のナビ地図情報から読み出し、推奨経路の一般道路、高速道路等の道路種別毎の走行距離を算出する。そして、CPU41は、RAM42から運転者の運転特性を読み出し、この運転特性を走行消費価値テーブル62の「運転特性」として道路種別毎の「1km走行当たりの消費価値」を読み出す。
【0061】
そして、CPU41は、この道路種別毎の「1km走行当たりの消費価値」を推奨経路の一般道路、高速道路等の道路種別毎の各走行距離のそれぞれに掛け算して合計金額を算出し、当該推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」としてRAM42に記憶する。例えば、運転特性が「普通」で、推奨経路の一般道路、高速道路の各走行距離が25km、50kmの場合には、CPU41は、25×45.0+50×36.0=2925(円)を当該推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」としてRAM42に記憶する。
【0062】
続いて、S19において、CPU41は、推奨経路の出発地から目的地までの各リンクのうちで、海岸沿いの各リンクの「リンクの旅行時間」を、地図情報DB25のナビ地図情報から順次読み出して合計し、海沿い区間の「旅行時間」を算出する。そして、CPU41は、環境消費価値テーブル63から「走行環境」が「海沿い」に対応する「1分間走行当たりの消費価値」を読み出し、この海沿い区間の「旅行時間」に掛け算して、海沿いの区間を走行することによって償却する自車両の「海沿い区間の消費価値」を算出する。
【0063】
そして、CPU41は、推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」をRAM42から読み出し、この「海沿い区間の消費価値」を加算して、再度、推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」としてRAM42に記憶する。例えば、推奨経路の旅行時間のうちの20分間が海沿い区間の場合には、CPU41は、20×1.7+2925=2959(円)を当該推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」として、再度RAM42に記憶する。
【0064】
そして、S20において、CPU41は、推奨経路の出発地から目的地までの各リンクのうちで、現在の平均気温が氷点下のエリア内にある各リンクの「リンクの旅行時間」を、地図情報DB25のナビ地図情報から順次読み出して合計し、氷点下区間の「旅行時間」を算出する。そして、CPU41は、環境消費価値テーブル63から「走行環境」が「氷点下」に対応する「1分間走行当たりの消費価値」を読み出し、この氷点下区間の「旅行時間」に掛け算して、氷点下の区間を走行することによって償却する自車両の「氷点下区間の消費価値」を算出する。
【0065】
そして、CPU41は、推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」をRAM42から読み出し、この「氷点下区間の消費価値」を加算して、再度、推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」としてRAM42に記憶する。例えば、推奨経路の全区間が氷点下で全旅行時間(所要時間)が72分の場合には、CPU41は、72×1.7+2959=3081.4(円)を当該推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」として、再度RAM42に記憶する。
【0066】
続いて、S21において、CPU41は、当該推奨経路の全経路を液晶ディスプレイ15の表示画面の地図上に青い太線等で表示して、ユーザに案内経路として提示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ15の表示画面に当該推奨経路の出発地から目的地までの予想所要時間、走行距離等を表示する。また、CPU41は、当該推奨経路を走行するために必要な「予想燃料代」、「予想通行料金」、及び、当該推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」を読み出し、これらの合計金額を算出する。そして、CPU41は、この「予想燃料代」、「予想通行料金」、「予想消費価値」及び合計金額を液晶ディスプレイ15の表示画面に表示後、当該処理を終了する。
【0067】
ここで、「予想燃料代」、「予想通行料金」、「予想消費価値」及び合計金額を液晶ディスプレイ15の表示画面に表示した一例を図6に基づいて説明する。図6は推奨経路を走行することによって償却される自車両の予想消費価値を表示した一例を示す図である。
【0068】
図6に示すように、CPU41は、推奨経路71の全経路を液晶ディスプレイ15の表示画面の地図上に青い太線で表示する。また、CPU41は、当該推奨経路71の出発地から目的地までの予想所要時間「72分」と走行距離「75km」を表示画面の左上の四角枠72内に表示する。
【0069】
また、CPU41は、RAM42から「予想燃料代」として「600円」、「予想通行料金」として「250円」、「予想消費価値」として「3081.4円」を読み出すと共に、これらを合計した合計金額「3931.4円」を算出する。そして、CPU41は、各金額を表示画面の吹き出し73内に、それぞれ「ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」、「合計金額」として表示する。
【0070】
従って、CPU41は、上記S11〜S21の処理を実行することによって、自車位置から目的地までの経路を探索した場合には、推奨経路と当該推奨経路の出発地から目的地までの予想所要時間、走行距離、当該推奨経路を走行するために必要な「予想燃料代」、「予想通行料金」だけでなく、この推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」を表示することができる。
これにより、ユーザは、推奨経路を走行した場合に必要となるガソリン代や高速代だけでなく、この推奨経路を走行した場合に償却される自車両の消費価値を、推奨経路の走行前に明確に認識することが可能となる。
【0071】
また、CPU41は、走行履歴DB28に記憶される走行履歴に基づいて運転者の運転特性を決定して、この推奨経路を走行した場合に償却する自車両の「予想消費価値」を算出することができ、正確な「予想消費価値」を算出して表示することが可能となる。
また、CPU41は、海沿い区間や氷点下の区間を走行する場合には、各区間の影響による自車両の消費価値を、「予想消費価値」に加算して表示することが可能となる。これにより、ユーザは、海沿い区間や氷点下の区間を走行することによって償却される自車両の更に正確な予想消費価値を知ることが可能となる。
【0072】
[推奨経路を走行時の消費価値表示処理]
次に、ナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、上記S11で探索した推奨経路の走行時に、出発地から自車位置まで走行することによって償却した自車両の消費価値を表示する「経路走行時の消費価値表示処理」について図7乃至図9に基づいて説明する。図7は推奨経路の走行時に、出発地から自車位置まで走行することによって償却した自車両の消費価値を表示する「経路走行時の消費価値表示処理」を示すフローチャートである。
【0073】
尚、図7にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、推奨経路の走行を開始した場合に、CPU41によって実行される。また、CPU41は、エンジンECU56から燃料噴射量のデータを所定時間毎(例えば、約1秒毎である。)に取得している。
【0074】
図7に示すように、先ず、S111において、CPU41は、RAM42から「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」を読み出し、それぞれに「0」を代入して再度RAM42に記憶する。つまり、CPU41は、「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」を初期化する。
【0075】
続いて、S112において、CPU41は、距離センサ33によって自車両の「走行距離L」の測定を開始すると共に、エンジンECU56から取得した燃料噴射量の累計を開始する。また、CPU41は、タイマ45を介して「走行時間S」の計測を開始する。また、CPU41は、温度センサ55を介して走行環境の温度の計測を開始する。また、CPU41は、アクセルセンサ52、ステアリングセンサ53及びブレーキセンサ54を介して、閾値以上のアクセル開度の回数、閾値以上の急ブレーキの回数、閾値以上の急ハンドルの回数の検出を開始する。
【0076】
そして、CPU41は、走行距離Lが一定距離(例えば、約1kmである。)に達するのを待つ(S112:NO)。そして、走行距離Lが一定距離(例えば、約1kmである。)に達した場合には(S112:YES)、CPU41は、S113の処理に移行する。
【0077】
S113において、CPU41は、エンジンECU56から取得した燃料噴射量の累計を当該一定距離を走行するために消費した燃料消費量とする。そして,CPU41は、1リットル当たりの燃料価格をデータ記録部12から読み出し、この燃料消費量に掛け算して「一定距離の走行時の燃料代」を算出する。そして、CPU41は、RAM42から「実走行時の燃料代W」を読み出し、この「実走行時の燃料代W」に「一定距離の走行時の燃料代」を加算して、再度、RAM42に記憶する。
【0078】
また、CPU41は、当該一定距離の走行時に高速自動車国道、都市高速道路等の有料道路の料金所を通過したか否かを自車位置と地図情報DB28に格納されるナビ地図情報に基づいて判定し、有料道路の料金所を通過した場合には、当該有料道路の「通行料金」をナビ地図情報から読み出す。そして、CPU41は、RAM42から「実走行時の通行料金T」を読み出し、この「実走行時の通行料金T」に当該有料道路の「通行料金」を加算して、再度、RAM42に記憶する。
【0079】
そして、S114において、CPU41は、当該一定距離内で走行した各リンクの「道路種別」と各リンク毎の走行した距離を順次地図情報DB25のナビ地図情報から読み出し、一般道路、高速道路等の道路種別毎の走行距離を算出する。また、CPU41は、RAM42から上記S15〜S17において決定した運転者の運転特性を読み出し、この運転特性を走行消費価値テーブル62の「運転特性」として道路種別毎の「1km走行当たりの消費価値」を読み出す。
【0080】
そして、CPU41は、この道路種別毎の「1km走行当たりの消費価値」を一般道路、高速道路等の道路種別毎の各走行距離のそれぞれに掛け算して合計金額を算出後、RAM42から「実走行時の消費価値V」を読み出し、この「実走行時の消費価値V」に合計金額を加算して、再度RAM42に記憶する。例えば、運転特性が「普通」で、一般道路を1km走行した場合には、CPU41は、1×45.0=45.0(円)を「実走行時の消費価値V」に加算してRAM42に記憶する。
【0081】
続いて、S115において、CPU41は、自車位置を現在地検出部を介して検出し、海沿いの区間を走行したか否かを判定する。そして、海沿いの区間を走行していない場合には、S116の処理に移行する。
一方、海沿いの区間を走行した場合には、CPU41は、RAM42から当該一定距離の「走行時間S」をRAM42から読み出すと共に、環境消費価値テーブル63から「走行環境」が「海沿い」に対応する「1分間走行当たりの消費価値」を読み出す。そして、CPU41は、この「走行時間S」に「1分間走行当たりの消費価値」を掛け算して、海沿いの区間を走行することによって償却した自車両の「海沿い区間の消費価値」を算出する。
【0082】
そして、CPU41は、RAM42から「実走行時の消費価値V」を読み出し、この「海沿い区間の消費価値」加算して、再度RAM42に記憶後、S116の処理に移行する。例えば、「走行時間S」が「1分」の場合には、CPU41は、1×1.7=1.7(円)を「実走行時の消費価値V」に加算してRAM42に記憶する。
【0083】
続いて、S116において、CPU41は、温度センサ55の検出温度を取得し、走行環境が氷点下か否か、つまり、氷点下の区間を走行したか否かを判定する。そして、走行環境が氷点下でない場合には、CPU41は、S117の処理に移行する。
一方、氷点下の区間を走行した場合には、CPU41は、RAM42から当該一定距離の「走行時間S」をRAM42から読み出すと共に、環境消費価値テーブル63から「走行環境」が「氷点下」に対応する「1分間走行当たりの消費価値」を読み出す。そして、CPU41は、この「走行時間S」に「1分間走行当たりの消費価値」を掛け算して、氷点下の区間を走行することによって償却した自車両の「氷点下区間の消費価値」を算出する。
【0084】
そして、CPU41は、RAM42から「実走行時の消費価値V」を読み出し、この「氷点下区間の消費価値」加算して、再度RAM42に記憶後、S117の処理に移行する。例えば、「走行時間S」が「1分」の場合には、CPU41は、1×1.7=1.7(円)を「実走行時の消費価値V」に加算してRAM42に記憶する。
【0085】
続いて、S117において、CPU41は、上記S12でRAM42に記憶した「予想燃料代」と、上記S113でRAM42に記憶した「実走行時の燃料代W」とを読み出す。そして、CPU41は、「予想燃料代」から「実走行時の燃料代W」を引き算した金額を算出し、「予想燃料代」として再度RAM42に記憶する。つまり、CPU41は、自車位置から目的地までの残り区間の「予想燃料代」として、再度RAM42に記憶する。
【0086】
また、CPU41は、上記S12でRAM42に記憶した「予想通行料金」と、上記S113でRAM42に記憶した「実走行時の通行料金T」とを読み出す。そして、CPU41は、「予想通行料金」から「実走行時の通行料金T」を引き算した金額を算出し、「予想通行料金」として再度RAM42に記憶する。つまり、CPU41は、自車位置から目的地までの残り区間の「予想通行料金」として、再度RAM42に記憶する。
【0087】
また、CPU41は、上記S18〜S20で算出してRAM42に記憶した「予想消費価値」と、上記S114〜S116で算出してRAM42に記憶した「実走行時の消費価値V」とを読み出す。そして、CPU41は、「予想消費価値」から「実走行時の消費価値V」を引き算した金額を算出し、「予想消費価値」として再度RAM42に記憶する。つまり、CPU41は、自車位置から目的地までの残り区間の「予想消費価値」として、再度RAM42に記憶する。
【0088】
そして、S118において、CPU41は、上記S11で探索した推奨経路を液晶ディスプレイ15の表示画面の地図上に青い太線等で表示すると共に、自車位置を示す車両位置マークを表示する。また、CPU41は、出発地から自車位置まで走行した区間の「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」及び「実走行時の消費価値V」をRAM42から読み出し、これらを合計した「実走行時の合計金額」を算出する。そして、CPU41は、この「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」及び「実走行時の合計金額」を液晶ディスプレイ15の表示画面に表示する。
【0089】
また、CPU41は、自車位置から目的地までの残り区間の「予想燃料代」、「予想通行料金」及び「予想消費価値」をRAM42から読み出し、これらを合計した「予想合計金額」を算出する。そして、CPU41は、この「予想燃料代」、「予想通行料金」、「予想消費価値」及び「予想合計金額」を液晶ディスプレイ15の表示画面に表示する。
【0090】
ここで、出発地から自車位置まで走行した区間の「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」及び「実走行時の合計金額」と、自車位置から目的地までの残り区間の「予想燃料代」、「予想通行料金」、「予想消費価値」及び「予想合計金額」を液晶ディスプレイ15の表示画面に表示した一例を図8に基づいて説明する。図8は出発地から自車位置まで実際に走行することによって償却された自車両の消費価値を表示した一例を示す図である。尚、図8に示される各金額は、図6に示される各金額から算出されたものである。
【0091】
図8に示すように、CPU41は、推奨経路71の全経路を液晶ディスプレイ15の表示画面の地図上に青い太線で表示すると共に、自車位置を表す車両位置マーク75を表示する。また、CPU41は、「実走行時の燃料代W」として「200円」、「実走行時の通行料金T」として「0円」、「実走行時の消費価値V」として「1200円」をRAM42から読み出し、これらを合計した「実走行時の合計金額」として「1400円」を算出する。そして、CPU41は、各金額を表示画面の出発地から自車位置までの区間に対応する吹き出し76内に、それぞれ「ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」、「合計金額」として表示する。
【0092】
また、CPU41は、「予想燃料代」として「400円」、「予想通行料金」として「250円」、「予想消費価値」として「1881.4円」をRAM42から読み出し、これらを合計した「予想合計金額」として「2531.4円」を算出する。そして、CPU41は、各金額を表示画面の自車位置から目的地までの区間に対応する吹き出し77内に、それぞれ「ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」、「合計金額」として表示する。
【0093】
続いて、上記S118の処理を実行後、CPU41は、自車位置が目的地に到達後、駐車したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車位置が未だ目的に到達していない場合や、目的地に到達後、未だ駐車していないと判定した場合には、CPU41は、S112以降のループを実行する。尚、不図示のシフトレバーのパーキング位置(P)、ドライブ位置(D)、リバース位置(R)等を検出するシフトレバースイッチ(不図示)が制御部13に接続されており、シフトレバーのシフト位置が「P(パーキング)」になっている場合に、CPU41は、駐車したと判定する。
【0094】
一方、自車位置が目的地に到達後、駐車したと判定した場合には、CPU41は、当該ループを終了して、S119の処理に移行する。
S119において、CPU41は、今回走行した経路の走行日時、出発地、目的地、走行経路、実走行時の燃料消費量、走行距離、1リットル当たりの燃料価格、出発地から目的地までの走行によって償却した自車両の「実走行時の消費価値V」、閾値以上のアクセル開度の回数、閾値以上の急ブレーキの回数、閾値以上の急ハンドルの回数等をタイマ45、RAM42、データ記録部12から読み出し、走行履歴DB28に記憶する。
【0095】
続いて、S120において、CPU41は、「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」及び「実走行時の消費価値V」をRAM42から読み出し、これらを合計した「実走行時の合計金額」を算出する。そして、CPU41は、この「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」及び「実走行時の合計金額」を、それぞれ出発地から目的地まで走行することによって消費した「消費ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」及び「合計金額」として液晶ディスプレイ15の表示画面に表示後、当該処理を終了する。
【0096】
ここで、出発地から目的地まで走行することによって消費した「消費ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」及び「合計金額」を表示した一例を図9に基づいて説明する。図9は出発地から目的地まで走行することによって消費した「消費ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」及び「合計金額」を表示した一例を示す図である。
【0097】
図9に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ15の表示画面に出発地「○○駅」と目的地「○○公園」を表示する。また、出発地から目的地までの所要時間と走行距離を四角枠81内に表示する。また、CPU41は、「実走行時の燃料代W」として「598円」、「実走行時の通行料金T」として「250円」、「実走行時の消費価値V」として「3079円」をRAM42から読み出し、これらを合計した「実走行時の合計金額」として「3927円」を算出する。そして、CPU41は、各金額を四角枠82内に、それぞれ「消費ガソリン代」、「高速代」、「消費価値」、「合計金額」として表示する。
【0098】
従って、CPU41は、上記S111〜S118の処理を実行することによって、推奨経路の走行を開始した場合には、走行を開始してから自車位置まで実際に消費した燃料代及び有料道路の通行料金だけでなく、走行開始から自車位置まで走行することによって実際に償却した自車両の消費価値を運転者の運転特性を反映して表示することができる。また、CPU41は、海沿い区間や氷点下の区間を走行した場合には、各区間の影響による自車両の消費価値を加算して表示することが可能となる。
【0099】
これにより、ユーザは、推奨経路の走行開始から自車位置までに実際に償却した自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる。また、ユーザは、海沿い区間や氷点下の区間を実際に走行することによって償却された自車両の更に正確な消費価値を知ることが可能となる。
【0100】
また、CPU41は、上記S120の処理を実行することによって、推奨経路の出発地から目的地まで実際に走行して消費した燃料代及び有料道路の通行料金だけでなく、出発地から目的地まで走行することによって実際に償却した自車両の消費価値を表示することができる。これにより、ユーザは推奨経路を実際に走行することによって償却された自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる。
【0101】
[通常走行時の消費価値表示処理]
次に、ナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、経路探索を行うことなく走行を開始した場合に、走行することによって償却した自車両の消費価値を表示する「通常消費価値表示処理」について図10に基づいて説明する。図10は経路探索を行うことなく走行を開始した場合に、走行することによって償却した自車両の消費価値を表示する「通常消費価値表示処理」を示すフローチャートである。
【0102】
尚、図10にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、経路探索を行うことなく走行を開始した場合に、CPU41によって実行される。また、CPU41は、エンジンECU56から燃料噴射量のデータを所定時間毎(例えば、約1秒毎である。)に取得している。また、CPU41は、走行開始時の自車位置を取得して、出発地としてRAM42に記憶する。
【0103】
図10に示すように、S211乃至S213において、CPU41は、上記S15乃至S17の処理を実行して、運転者の運転特性を決定して、RAM42に記憶する。
そして、S214において、CPU41は、上記S111の処理を実行して、RAM42から「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」を読み出し、それぞれに「0」を代入して再度RAM42に記憶する。つまり、CPU41は、「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」を初期化する。
【0104】
続いて、S215乃至S219において、CPU41は、上記S112乃至S116の処理を実行後、駐車したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、駐車していないと判定した場合には、CPU41は、S215以降のループを実行する。
一方、駐車したと判定した場合には、CPU41は、当該ループを終了して、S220の処理に移行し、上記S119の処理を実行する。尚、CPU41は、当該駐車した自車位置を取得して、目的地として走行履歴DB28に記憶する。
【0105】
そして、S221において、CPU41は、「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」及び「実走行時の消費価値V」をRAM42から読み出し、これらを合計した「実走行時の合計金額」を算出する。そして、CPU41は、この「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」及び「実走行時の合計金額」を、それぞれ走行することによって消費した「消費ガソリン代」、「高速代」、自車両の「消費価値」及び「合計金額」として液晶ディスプレイ15の表示画面に表示後、当該処理を終了する。
【0106】
従って、CPU41は、上記S211乃至S221の処理を実行することによって、経路探索を行うことなく走行を開始した場合にも、実際に走行することによって消費した燃料代及び有料道路の通行料金だけでなく、走行開始から駐車するまでに走行することによって実際に償却した自車両の消費価値を運転者の運転特性を反映して駐車した時に表示することができる。また、CPU41は、海沿い区間や氷点下の区間を走行した場合には、各区間の影響による自車両の消費価値を加算して駐車した時に表示することが可能となる。
【0107】
これにより、ユーザは、経路を探索することなく走行を開始しても、駐車した時に、走行開始から駐車するまで、走行することによって実際に償却した自車両の消費価値を明確に認識することが可能となる。また、ユーザは、駐車した時に、海沿い区間や氷点下の区間を実際に走行することによって償却された自車両の更に正確な消費価値を知ることが可能となる。
【0108】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0109】
(A)上記S114及びS217の処理において、CPU41は、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの各回数をRAM42から読み出し、閾値以上のアクセル開度、急ブレーキ、急ハンドルの合計回数が所定回数以上(例えば、2回以上である。)の場合には、CPU41は、運転者の運転特性を「荒い」に決定するようにしてもよい。これにより、ユーザは、荒い運転をした場合には、自車両の消費価値が大きくなることを明確に知ることができ、丁寧な運転を行うように心がけることが可能となる。
【0110】
(B)また、上記S11において、CPU41は、所要時間が短くなるように探索した「推奨経路」だけでなく、高速自動車国道、都市高速道路等の有料道路を優先して探索した「有料優先経路」、一般道路を優先して探索した「一般優先経路」、最短距離を探索した「距離優先経路」等の複数ルートの探索を行うようにしてもよい。そして、この場合には、CPU41は、各ルートについてS12乃至S20の処理を実行し、S21において、各ルートの「予想所要時間」、「走行距離」、「予想燃料代」、「予想通行料金」、「予想消費価値」の各金額、及び「予想燃料代」と「予想通行料金」と「予想消費価値」との合計金額を液晶ディスプレイ15の表示画面に表示するようにしてもよい。
【0111】
これにより、ユーザは、それぞれのルートについて、燃料代、有料道路の通行料金、走行することによって償却する自車両の消費価値を比較することが可能となり、走行経路を容易に選択することが可能となる。尚、CPU41は、海沿いを通らないルートを音声案内するようにしてもよい。これにより、ユーザは走行経路をより容易に選択することが可能となる。
【0112】
(C)また、上記S120及びS221において、今回の走行時に関する「実走行時の燃料代W」、「実走行時の通行料金T」、「実走行時の消費価値V」及びこれらを合計した「実走行時の合計金額」だけでなく、走行履歴DB28から過去の各走行履歴を読み出し、各走行時に消費した「実走行時の燃料代」、出発地から目的地までの走行によって償却した自車両の「実走行時の消費価値V」も液晶ディスプレイ15の表示画面に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、今回の走行によって償却した自車両の消費価値だけでなく、過去に走行することによって償却した自車両の消費価値も知ることが可能となる。
【0113】
(D)また、上記S119において、CPU41は、閾値以上のアクセル開度の回数、閾値以上の急ブレーキの回数、閾値以上の急ハンドルの回数を道路種別毎に記憶するようにしてもよい。そして、CPU41は、上記S16において、運転者の運転特性を道路種別毎に特定するようにしてもよい。これにより、ユーザの運転特性を道路種別毎に特定することが可能となり、走行することによって償却する自車両の消費価値をより正確に取得することが可能となる。
【0114】
(E)また、上記S112において、CPU41は、推奨経路の経路情報から、高速道路への乗り入れ時や降りる時等の液晶ディスプレイ15の表示状態を切り換えやすいタイミングか否かを判定するようにしてもよい。そして、液晶ディスプレイ15の表示状態を切り換えやすいタイミングになったと判定した場合に、上記S113乃至S118の処理を実行するようにしてもよい。
【0115】
(F)また、CPU41は、上記S211乃至S213の処理を実行することなく、運転者の運転特性を「普通」に決定して、S214乃至S221の処理を実行するようにしてもよい。これにより、処理速度の迅速化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0116】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
25 地図情報DB
26 車両価値情報DB
27 消費価値情報DB
28 走行履歴DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
52 アクセルセンサ
53 ステアリングセンサ
54 ブレーキセンサ
55 温度センサ
56 エンジンECU
61 車両価値テーブル
62 走行消費価値テーブル
63 環境消費価値テーブル
71 推奨経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行距離を検出する走行距離検出手段と、
単位走行距離当たりに償却する自車両の消費価値に関する消費価値情報を記憶する消費価値情報記憶手段と、
前記走行距離検出手段によって検出した走行距離と前記消費価値情報とに基づいて、走行することによって償却した自車両の消費価値を算出する消費価値算出手段と、
前記消費価値算出手段によって算出された自車両の消費価値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
目的地を入力する目的地入力手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
現在の自車位置から前記目的地までの経路を前記地図情報に基づいて探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索した経路の距離を取得する経路距離取得手段と、
前記経路距離取得手段によって取得した経路の距離と前記消費価値情報とに基づいて、前記経路を走行することによって償却する自車両の消費価値を推定する消費価値推定手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記目的地までの経路に関する経路情報と共に前記消費価値推定手段によって推定した自車両の消費価値を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記走行距離検出手段によって検出した走行距離と前記消費価値情報とに基づいて、走行開始から現在の自車位置までに償却した自車両の実走行時の消費価値を算出する実走行時消費価値算出手段を備え、
前記表示手段は、前記経路の走行を開始した場合には、該経路と共に前記実走行時消費価値算出手段によって算出された自車両の実走行時の消費価値を表示することを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
自車両の運転状況に関する運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記運転情報に基づいて運転者の運転特性を決定する運転特性決定手段と、
を備え、
前記消費価値情報は、前記運転特性に対応して複数種類設けられており、
前記消費価値算出手段は、前記運転特性決定手段によって決定された運転特性に対応する前記消費価値情報を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項5】
走行した道路の道路種別を取得する道路種別取得手段を備え、
前記消費価値情報は、道路種別毎に設けられており、
前記消費価値算出手段は、前記道路種別取得手段によって取得した道路種別に対応する前記消費価値情報を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項6】
走行環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記走行環境における走行時間を取得する走行時間取得手段と、
所定走行環境における単位時間当たりに償却する自車両の消費価値に関する環境消費価値情報を記憶する環境消費価値情報記憶手段と、
を備え、
前記消費価値算出手段は、前記所定走行環境における走行時間と前記環境消費価値情報とに基づいて、該所定走行環境において償却した自車両の消費価値を算出して、前記走行することによって償却した自車両の消費価値に加算することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項7】
燃料の消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
燃料価格を取得する燃料価格取得手段と、
前記燃料消費量検出手段によって検出した燃料の消費量と前記燃料価格とに基づいて、走行開始から消費した燃料の燃料代を算出する燃料代算出手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記消費価値算出手段によって算出された自車両の消費価値と前記燃料代算出手段によって算出された燃料代との合計金額を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−175372(P2010−175372A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17949(P2009−17949)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】