説明

情報表示部を有する手摺

【課題】点字等の情報表示部を有する手摺構成体を手摺本体に段差なく接続すると共に、手摺構成体と手摺本体の内径が異なる場合でも、確実かつ容易に接続できる手摺を提供すること。
【解決手段】点字等の情報表示部3を有する中空状の手摺構成体2と、中空状の手摺本体1と、手摺構成体と手摺本体とを接続する連結ジョイント4とを有する手摺Hにおいて、連結ジョイントは、端部がそれぞれ手摺構成体と手摺本体内に挿入される第1及び第2のジョイント材41,45と、第1のジョイント材に設けられた貫通ねじ孔42に螺挿され、先端40aが第2のジョイント材の内側面46を押圧して第1及び第2のジョイント材を拡開する係止ねじ40と、第1のジョイント材の下面に止着され、係止ねじの頭部40bを目隠しする化粧部材5とを有し、手摺構成体の両端部に化粧部材と略同形であって、貫通ねじ孔及び取付ねじ孔43よりもやや幅広の切欠部22を形成してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば点字等の情報表示部を有する手摺に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば駅等の公共施設においては、階段手摺等に点字等の情報表示部を設けて、視覚障害者に対する情報の提供を行っている。
【0003】
しかし、従来のものは、手摺を摺って歩く動作に支障のないように薄肉の金属板やシール等に点字を刻印した情報表示プレートを手摺の表面にリベット等で取り付けるため、使用するうちに剥がれた状態や、金属板の端部が跳ね上がった状態となって、利用者が負傷する危険性の虞がある。また、長期間使用するうちに点字部が摩耗して、刻印された点字情報が十分に伝達されないという問題がある。そのため、損傷等を受けた古い情報表示プレートを新規の情報表示プレートと交換する必要がある。
【0004】
また、表面に点字が形成された蓋体を被着した案内構成部を、ジョイント部材を介して手摺本体に組み込むか、あるいは、上記案内構成部の両端において手摺本体を内挿する状態で組み込む構造の案内用手摺が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、表面に点字等の情報表示部を有する管状体を、この管状体の両端に挿入される差込管を介して手摺に接続する手摺構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3621903号公報(特許請求の範囲、図1,図3,図8,図9)
【特許文献2】特開平10―183926号公報(段落番号0009、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の金属板やシール等に点字を刻印した情報表示プレートを手摺の表面に取り付けるものにおいては、リベット等を切断して古い情報表示プレートを取り外した後に、新規の情報表示プレートを取り付けるため、交換作業に手間を要する。しかも、交換後においても、上述したように、情報表示プレートの剥がれや跳ね上がり等の問題は解消されないという問題がある。
【0007】
これに対して、特許文献1に記載の技術は、情報表示プレート自体を交換する必要はないが、案内構成部と手摺本体とのジョイント部に段差が生じ、また、案内構成部の開口部に、表面に点字が形成された蓋体(情報表示プレート)を被着するため、案内構成部と情報表示プレートとの間に段差が生じる。したがって、視覚障害者に対して安全性が十分でない。
【0008】
また、特許文献1に記載の技術においては、情報表示プレートを被着した案内構成部を、ジョイント部材を介して手摺本体に組み込むか、あるいは、上記案内構成部の両端において手摺本体を内挿する状態で組み込んで手摺を構成するため、手摺本体と案内構成部との心出し等の位置合せに手間を要するばかりか、手摺本体と案内構成部の接合部に隙間が生じ、強固な固定が難しいという問題がある。
【0009】
一方、特許文献2に記載の技術は、管状体と手摺の内部に挿入された差込管によって、管状体と手摺とを接続することができるが、管状体と手摺の内径が異なる場合には、挿入管を手摺の端部に挿入できず、管状体と手摺を接続することができないという問題がある。
【0010】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、段差のない状態で、点字等の情報表示部を有する手摺構成体を手摺本体に接続することができると共に、手摺構成体と手摺本体の内径が異なる場合でも、確実かつ容易に接続することができる情報表示部を有する手摺を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、点字等の情報表示部を有する中空状の手摺構成体と、中空状の手摺本体と、上記手摺構成体と手摺本体とを接続する連結ジョイントと、を具備する情報表示部を有する手摺において、 上記連結ジョイントは、端部がそれぞれ上記手摺構成体と手摺本体内に挿入される略半円柱状に分割される第1及び第2のジョイント材と、上記第1のジョイント材の中心部の両側に設けられた貫通ねじ孔に螺挿され、先端面が上記第2のジョイント材の内側面を押圧して第1及び第2のジョイント材を拡開する係止ねじと、上記第1のジョイント材の下面に止着され、上記係止ねじの頭部を目隠しする化粧部材と、を具備し、 上記化粧部材は、上記第1のジョイント材の中心部に設けられた取付ねじ孔に螺合する取付ねじを遊貫する透孔を有する取付基部と、この取付基部の対向する両端から外方に向かって上記貫通ねじ孔間よりも長く延在される目隠し部とからなる板状に形成され、 上記手摺構成体の両端部に、上記化粧部材と略同形であって、上記貫通ねじ孔及び取付ねじ孔よりもやや幅広の切欠部が形成され、 上記係止ねじを締め付けて上記第1及び第2のジョイント材を拡開すると共に、第1及び第2のジョイント材を上記手摺構成体及び手摺本体の内面側に押圧して、手摺構成体と手摺本体とを固定し、その後、上記化粧部材を上記取付ねじに対して回動させて上記切欠部内に挿入し、取付ねじを締め付けて固定してなる、ことを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、係止ねじを締め付けて第1及び第2のジョイント材を拡開すると共に、第1及び第2のジョイント材を手摺構成体及び手摺本体の内面側に押圧して、手摺構成体と手摺本体とを固定することができる。また、手摺構成体と手摺本体とを固定した後に、化粧部材を取付ねじに対して回動させて切欠部内に挿入し、取付ねじを締め付けて固定することで、係止ねじの頭部を目隠しすることができる。
【0013】
請求項1記載の発明において、上記第2のジョイント材の内側面に、上記係止ねじの先端が係合可能な凹部を形成する方が好ましい(請求項2)。また、上記第1のジョイント材と上記第2のジョイント材の対向する面に、互いに係合可能な係止凸部及び係止凹部を形成してなる方が好ましい(請求項3)。
【0014】
このように構成することにより、第1のジョイント材の貫通ねじ孔に螺挿された係止ねじの先端が第2のジョイント材の凹部と係合することで、連結ジョイントの固定位置から第2のジョイント材がずれるのを防止することができる。
【0015】
また、係止凸部及び係止凹部とを係合可能に形成することで、係止ねじを貫通ねじ孔に螺挿する前の状態において、第1のジョイント材と第2のジョイント材とのずれを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
以上に詳述したように、この発明の手摺によれば、上記のように構成されているので、以下の効果が得られる。
【0017】
(1)請求項1記載の発明によれば、係止ねじを締め付けて第1及び第2のジョイント材を拡開すると共に、第1及び第2のジョイント材を手摺構成体及び手摺本体の内面側に押圧して、手摺構成体と手摺本体とを固定することができるので、段差のない状態で、点字等の情報表示部を有する手摺構成体を手摺本体に接続することができると共に、手摺構成体と手摺本体の内径が異なる場合でも、確実かつ容易に接続することができる。また、手摺構成体と手摺本体とを固定した後に、化粧部材を切欠部内に挿入して係止ねじの頭部を目隠しすることができるので、手摺の美観を損なうことなく手摺構成体と手摺本体とを接続することができる。
【0018】
(2)請求項2,3記載の発明によれば、第1のジョイント材の貫通ねじ孔に螺挿された係止ねじの先端が第2のジョイント材の凹部と係合することで、連結ジョイントの固定位置から第2のジョイント材がずれるのを防止することができ、また、第1のジョイント材と第2のジョイント材の対向する面に、互いに係合可能な係止凸部及び係止凹部を形成することで、係止ねじを貫通ねじ孔に螺挿する前の状態において、第1のジョイント材と第2のジョイント材とのずれを防ぐことができるので、上記(1)に加えて更に、手摺構成体と手摺本体との接続作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、この発明の最良の実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、この発明に係る手摺の取付状態を示す全体斜視図、図2は、この発明における手摺構成体と手摺本体とを接続した状態を示す拡大斜視図、図3は、図2の下方拡大斜視図、図4は、この発明における手摺構成体と手摺本体との別の接続状態を示す拡大断面図(a)及び(b)である。
【0021】
この発明に係る手摺Hは、例えば駅等の公共施設の階段や通路等に設置される手摺本体1の一部に、連結ジョイント4を介して、点字等の情報表示部3を有する手摺構成体2を組み込んで、視覚障害者に対する情報の提供を行えるようにした手摺Hである。なお、本実施形態において、情報表示部3に点字を表した場合について説明する。
【0022】
この場合、手摺本体1は、例えばステンレス製のパイプにて形成されており、ブラケット6によって壁面7に固定されている。
【0023】
上記手摺構成体2は、図3、図4(a)及び図5に示すように、外径が上記手摺本体1の外径と同一寸法の例えばステンレス製のパイプにて形成されており、略中央部の上方側には点字を表した情報表示部3が設けられ、両端開口部21の下方側には、後述する化粧部材5を取り付ける切欠部22が設けられている。
【0024】
上記情報表示部3は、図1、図2及び図6に示すように、点字を表した表示板31と、この表示板31の内面側に当接し、例えばスポット溶接にて溶接して形成される取付板32とを有する表示体30と、手摺構成体2の上方の略中央部に設けられ、表示板31を嵌め込む表示部用窓24とで構成されている。この場合、取付板32は表示板31の面積より大きく形成されており、表示体30を手摺構成体2の内面側から挿入し、表示板31を表示部用窓24に嵌合した状態で、取付板32と手摺構成体2とを、例えばスポット溶接にて溶接することで、手摺構成体2に情報表示部3を段差なく固定することができる。
【0025】
一方、上記切欠部22は、後述する化粧部材5と略同形であって、後述する貫通ねじ孔42及び取付ねじ孔43よりもやや幅広に形成されており、略中央には、後述する化粧部材5の取付基部51と略同形の拡径部23が形成されている。
【0026】
上記連結ジョイント4は、図2ないし図5に示すように、端部がそれぞれ手摺構成体2と手摺本体1内に挿入される略半円柱状に分割される第1のジョイント材41及び第2のジョイント材45と、第1のジョイント材41の中心部の両側に設けられた貫通ねじ孔42に螺挿され、先端40aが第2のジョイント材45の内側面46を押圧して第1及び第2のジョイント材41,45を拡開する係止ねじ40とで主に構成されている。
【0027】
上記第1のジョイント材41の中心部には、後述する化粧部材5を取り付ける取付ねじ50を螺合する取付ねじ孔43が設けられている。
【0028】
また、第2のジョイント材45の内側面46には、係止ねじ40の先端40aが係合可能な凹部47が形成されている。
【0029】
また、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45の対向する面には、互いに係合可能な係止凸部44及び係止凹部48が形成されている。なお、本実施形態においては、図5に示すように、第1のジョイント材41に係止凸部44が設けられ、第2のジョイント材45に係止凹部48が設けられている。これら係止凸部44と係止凹部48を逆にしてもよい。すなわち、第1のジョイント材41に係止凹部48を設け、第2のジョイント材45に係止凸部44を設けてもよい。
【0030】
なお、上記係止ねじ40は、図5に示すように、例えば六角穴付きボルトにて形成されている。
【0031】
このように連結ジョイント4を形成することにより、係止ねじ40を締め付けて第1及び第2のジョイント材41,45を拡開すると共に、第1及び第2のジョイント材41,45を手摺構成体2及び手摺本体1の内面側に押圧することで、第1及び第2のジョイント材41,45を手摺構成体2及び手摺本体1内に固定することができ、手摺構成体2と手摺本体1とを内面側で接合することができる。これにより、段差のない状態で、情報表示部3を有する手摺構成体2を手摺本体1に接続することができる。
【0032】
また、図4(b)に示すように、手摺構成体2Aと手摺本体1の内径が異なる場合、例えば手摺構成体2Aの内径が手摺本体1の内径より大きい場合においても、係止ねじ40を締め付けて、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45を拡開することで、確実に第1及び第2のジョイント材41,45を手摺構成体2A及び手摺本体1の内面側に押圧することができ、手摺構成体2Aと手摺本体1とを接続することができる。
【0033】
また、第1のジョイント材41の貫通ねじ孔42に螺挿された係止ねじ40の先端40aが第2のジョイント材45の凹部47と係合することで、連結ジョイント4の固定位置から第2のジョイント材45がずれるのを防止することがでる。また、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45の対向する面に、互いに係合可能な係止凸部44及び係止凹部48を形成することで、係止ねじ40を貫通ねじ孔42に螺挿する前の状態において、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45とのずれを防ぐことができるので、手摺構成体2,2Aと手摺本体1との接続作業を容易に行うことができる。
【0034】
上記化粧部材5は、図5に示すように、第1のジョイント材41の取付ねじ孔43に螺合する取付ねじ50を遊貫する透孔52を有する取付基部51と、この取付基部51の対向する両端から外方に向かって延在し、第1のジョイント材41の貫通ねじ孔42間よりも長く形成される目隠し部53とで、手摺構成体2の切欠部22と略同形の板状に形成されている。なお、一方の目隠し部53の先端には凸円弧状部54が形成され、切欠部22の手摺構成体2の内方側の端部に、上記凸円弧状部54と嵌合する凹円弧状部25が形成されている。
【0035】
なお、上記取付ねじ50は、頭部50aに例えば星形等の特殊形状の締め付け溝50bを有して形成されている。
【0036】
このように化粧部材5を形成することにより、手摺構成体2,2Aと手摺本体1とを連結ジョイント4で接続した後、化粧部材5を切欠部22内に取付ねじ50によって取り付けることで、目隠し部53によって係止ねじ40の頭部40bを目隠しすることができるので、手摺Hの美観を損なうことなく手摺構成体2,2Aと手摺本体1とを接続することができる。また、取付ねじ50の頭部50aに特殊形状の締め付け溝50bを設けることにより、対応する特殊工具以外での取付ねじ50の取り外しができないので、いたずら及び手摺構成体2,2Aの盗難を防止することができる。
【0037】
次に、手摺本体1と手摺構成体2との接続手順に図7を参照して説明する。なお、上記手摺構成体2は、予め工場等において点字を表した表示体30を溶接して情報表示部3を形成しておく。
【0038】
まず、第1のジョイント材41及び第2のジョイント材45の係止凸部44と係止凹部48とを係合させると共に、両貫通ねじ孔42に係止ねじ40を螺合させ、係止ねじ40の先端40aを第2のジョイント材45に設けられた凹部47に係合させておく。また、第1のジョイント材41の取付ねじ孔43に取付ねじ50を介して化粧部材5を遊貫しておく(図7(a)参照)。
【0039】
次に、手摺構成体2の開口部21から手摺構成体2内に上記連結ジョイント4を挿入する(図7(a)参照)。この場合、連結ジョイント4は、係止ねじ40が取り付けられていない方の端部を手摺構成体2の開口部21に挿入する。この際、取付ねじ50を手摺構成体2の切欠部22内に挿入することで、連結ジョイント4の周方向の位置決めすることができると共に、連結ジョイント4を手摺構成体2に対して長さ方向にスライドさせることができる。
【0040】
次に、手摺構成体2を、連結ジョイント4の端部が手摺構成体2の開口部21から突出しない状態で、手摺構成体2の長さと略同一幅の間隔をあけて分割された手摺本体1の間に配置し、手摺構成体2の両端開口部21と手摺本体1の開口部とを突き合わせる(図7(b)参照)。この状態で、手摺構成体2内に挿入された連結ジョイント4を、化粧部材5を摘んで切欠部22内を手摺本体1側へスライドさせて、連結ジョイント4の端部が手摺本体1の内面と係合する位置に移動する。この際、取付ねじ50を切欠部22に形成された拡径部23の略中央に移動させることで、連結ジョイント4の長さ方向の位置決めを行うことができる。
【0041】
次に、両係止ねじ40をレンチ等の工具Lで締め付け、両係止ねじ40の先端40aで第2のジョイント材45の内面を押圧して、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45とを拡開し、第1及び第2のジョイント材41,45を手摺構成体2及び手摺本体1内に固定する(図7(c)参照)。
【0042】
そして、化粧部材5を取付ねじ50に対して回動させて、凸円弧状部54を有する目隠し部53を切欠部22の凹円弧状部25に嵌合するように切欠部22に挿入すると共に、取付ねじ50を締め付けて固定して、手摺構成体2の手摺本体1への取付作業を終了する(図7(d)参照)。
【0043】
上記のように構成される手摺Hによれば、係止ねじ40を締め付けて第1及び第2のジョイント材41,45を拡開すると共に、第1及び第2のジョイント材41,45を手摺構成体2及び手摺本体1の内面側に押圧して、手摺構成体2と手摺本体1とを固定することができる。したがって、段差のない状態で、点字等の情報表示部3を有する手摺構成体2を手摺本体1に接続することができると共に、手摺構成体2と手摺本体1の内径が異なる場合でも、確実かつ容易に接続することができる。
【0044】
また、手摺構成体2と手摺本体1とを固定した後に、化粧部材5を切欠部22内に挿入して係止ねじ40の頭部40bを目隠しすることができるので、手摺Hの美観を損なうことなく手摺構成体2と手摺本体1とを接続することができる。
【0045】
また、第1のジョイント材41の貫通ねじ孔42に螺挿された係止ねじ40の先端40aが第2のジョイント材45の凹部47と係合することで、連結ジョイント4の固定位置から第2のジョイント材45がずれるのを防止することができる。また、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45の対向する面に、互いに係合可能な係止凸部44及び係止凹部48を形成することで、係止ねじ40を貫通ねじ孔42に螺挿する前の状態において、第1のジョイント材41と第2のジョイント材45とのずれを防ぐことができるので、手摺構成体2と手摺本体1との接続作業を容易に行うことができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、手摺構成体2に点字を表した表示体30を溶接して情報表示部3を形成する構造について説明したが、表示体30を設けずに手摺構成体2に直接点字を打刻してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明に係る手摺の取付状態を示す全体斜視図である。
【図2】この発明における手摺構成体と手摺本体とを接続した状態を示す拡大斜視図である。
【図3】図2の下方拡大斜視図である。
【図4】この発明における手摺構成体と手摺本体との別の接続状態を示す拡大断面図(a)及び(b)である。
【図5】この発明における手摺構成体と手摺本体と連結ジョイントを示す分解斜視図である。
【図6】この発明における手摺構成体の情報表示部を示す分解斜視図(a)及び取付状態を示す斜視図(b)である。
【図7】この発明における手摺構成体と手摺本体との接続手順を示す断面図(a)〜(d)である。
【符号の説明】
【0048】
H 手摺
1 手摺本体
2,2A 手摺構成体
3 情報表示部
4 連結ジョイント
5 化粧部材
22 切欠部
40 係止ねじ
40a 先端
40b 頭部
41 第1のジョイント材
42 貫通ねじ孔
43 取付ねじ孔
44 係止凸部
45 第2のジョイント材
46 内側面
47 凹部
48 係止凹部
50 取付ねじ
51 取付基部
52 透孔
53 目隠し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点字等の情報表示部を有する中空状の手摺構成体と、中空状の手摺本体と、上記手摺構成体と手摺本体とを接続する連結ジョイントと、を具備する情報表示部を有する手摺において、
上記連結ジョイントは、端部がそれぞれ上記手摺構成体と手摺本体内に挿入される略半円柱状に分割される第1及び第2のジョイント材と、上記第1のジョイント材の中心部の両側に設けられた貫通ねじ孔に螺挿され、先端が上記第2のジョイント材の内側面を押圧して第1及び第2のジョイント材を拡開する係止ねじと、上記第1のジョイント材の下面に止着され、上記係止ねじの頭部を目隠しする化粧部材と、を具備し、
上記化粧部材は、上記第1のジョイント材の中心部に設けられた取付ねじ孔に螺合する取付ねじを遊貫する透孔を有する取付基部と、この取付基部の対向する両端から外方に向かって上記貫通ねじ孔間よりも長く延在される目隠し部とからなる板状に形成され、
上記手摺構成体の両端部に、上記化粧部材と略同形であって、上記貫通ねじ孔及び取付ねじ孔よりもやや幅広の切欠部が形成され、
上記係止ねじを締め付けて上記第1及び第2のジョイント材を拡開すると共に、第1及び第2のジョイント材を上記手摺構成体及び手摺本体の内面側に押圧して、手摺構成体と手摺本体とを固定し、その後、上記化粧部材を上記取付ねじに対して回動させて上記切欠部内に挿入し、取付ねじを締め付けて固定してなる、ことを特徴とする情報表示部を有する手摺。
【請求項2】
請求項1記載の情報表示部を有する手摺において、
上記第2のジョイント材の内側面に、上記係止ねじの先端が係合可能な凹部を形成してなることを特徴とする情報表示部を有する手摺。
【請求項3】
請求項1又は2記載の情報表示部を有する手摺において、
上記第1のジョイント材と上記第2のジョイント材の対向する面に、互いに係合可能な係止凸部及び係止凹部を形成してなることを特徴とする情報表示部を有する手摺。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−114817(P2009−114817A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292283(P2007−292283)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000110479)ナカ工業株式会社 (125)
【出願人】(594128647)株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所 (6)
【Fターム(参考)】