説明

情報記憶媒体、意見収集システムおよび意見収集方法

【課題】情報記憶媒体を利用して商品に対する意見の収集を可能とする情報記憶媒体、意見収集システムおよび意見収集方法を提供する。
【解決手段】商品2または商品2の容器に付されたICタグ21であって、機械読み取り可能なデータを、外力によってICタグ21に記録可能な記憶手段を備える。意見収集装置10は、ICタグ21または商品2もしくは商品の容器について、ICタグ21の記憶手段に記録されたデータを、ICタグ21に記録されたデータとともに読み出す読み取り部5と、を備える。ICタグ21の記憶手段は、ICタグ21の電気回路に含まれる、配線の切断、開放端子の電気的な接続、または一部のインピーダンスの変更、のいずれかを含む場合がある。または、光学的に読み取り可能な形式で前記データを記録してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に対する消費者の意見を収集する情報記憶媒体、意見収集システムおよび意見収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品または商品の容器に情報記憶媒体(ICタグ)を付して、商品の流通に利用することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ICタグ読取手段を有し、キャンペーンに対して商品に付したICタグを用いて応募受付可能とする技術が記載されている。特許文献1のキャンペーン受付システムは、キャンペーン受付装置と、ICタグ回収ボックス等により実現され、ICタグ回収ボックス底面に、ボックス内に回収した1又は複数のICタグに記憶した応募IDを読み取るICタグリーダが配置される。キャンペーン受付装置は、ICタグリーダを介して、読み取った応募IDの中から、応募ID情報データベースに基づいて、応募対象の新規ICタグの応募IDを判定し、応募ID情報データベースの応募ID情報に基づいて、応募対象の応募IDの当落を表示する。
【0004】
また、特許文献2には、製品の流通形態や使用条件にあわせて使用するタグの技術が記載されている。特許文献2のタグは、切り離し可能なA1部分、A2部分と、非切り離し部分B(タグ本体)の3つの部分から構成され、A1部分、A2部分、及びB部分は、それぞれIC1、IC2、及びIC3と、外部とのインタフェースとしての、アンテナ1、アンテナ2、及びアンテナ3を備えている。そしてIC1とIC2は信号線路L1が、IC2とIC3は信号線路L2が繋いでいる。信号線路L1はA1部分がタグ本体(A2+B)から、信号線路L2はA2部分がタグ本体Bから切り離された場合に切断される。さらに、A1部分の配線S1〜S4は、IC1から出て電源線に接続され、経路の途中に設けられた少なくとも1本の切込み線C1〜C4は、人間の力で容易に切断できる程度の切込みが形成されており、切断すると配線S1からS4までのいずれかとの接続が遮断される。
【特許文献1】特開2006−12007号公報
【特許文献2】特開2006−119863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネットの普及により、掲示板やブログ等、個人が自分の意見を表明することができる環境が整ってきており、実際に意見表明が活発に行われるようになってきている。しかし、一般の消費者にとってはまだしきいが高く気軽に発信できるものではない。また、ネット上に表明された個別の商品に関する所見を、組織的に収集する枠組みは整っていない。
【0006】
商品に関して、コールセンターやWEBサイト(World Wide Web Site)、お客様カード等を通じて、もしくは店員に直接話す等、製造者や販売者に直接意見を言うことも可能である。しかしこちらもしきいは高く、実際に使われるのは、商品に不具合がありそれに対する苦情などの強い意見表明の意思がある場合が多く、単純に「良かった/気に入らなかった」というレベルの意見の表明に使えるものではない。
【0007】
一方最近では、消費者への情報提供や流通管理を目的として、RFIDタグ(Radio Frequency IDentifier tag)等の情報記憶媒体を商品に添付することが行われている。これらの情報記憶媒体は種々の金属が含まれていることもあって回収されることが望ましいが、現状は消費者に渡ったところで廃棄されていることも多い。
【0008】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、情報記憶媒体を利用して商品に対する意見の収集を可能とする情報記憶媒体、意見収集システムおよび意見収集方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点に係る情報記憶媒体は、
商品または商品の容器に付された情報記憶媒体であって、
機械読み取り可能なデータを、外力によって前記情報記憶媒体に記録可能な記憶手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の観点に係る意見収集システムは、
商品または商品の容器に付された情報記憶媒体と、
機械読み取り可能なデータを、外力によって前記情報記憶媒体に記録可能な記憶手段と、
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器について、前記記憶手段に記録された前記データを、前記情報記憶媒体に記録されたデータとともに読み出すデータ読み取り手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点に係る意見収集方法は、
商品または商品の容器に付された情報記憶媒体の、外力によってデータを記録可能な記憶手段に、機械読み取り可能なデータを記録する記録ステップと、
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器について、前記記録ステップで記録されたデータを読み取るデータ読み取りステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報記憶媒体、意見収集システムまたは意見収集方法によれば、商品または商品の容器に付された情報記憶媒体を用いて、一般消費者の商品に対する意見を収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、意見収集装置10は、読み取り部5と、記憶部13と、制御部12とから構成される。読み取り部5、記憶部13はいずれも制御部12に接続されていて、制御部12の指令によって動作する。
【0015】
制御部12はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)等から構成され、不揮発性メモリに記憶されているプログラムに従って、後述する意見を収集するための処理を実行する。
【0016】
読み取り部5は、RFタグ、光IDタグ、または非接触ICカードなどの情報記憶媒体(以下、ICタグと総称する)21から、それらに記憶されている情報を非接触通信で読み取るRFIDリーダやカードリーダを備える。制御部12の指令によって、ICタグ21の情報を読み取って、制御部12に伝達する。
【0017】
商品2には、ICタグ21が付けられている。ここでは、商品2は商品の容器の場合を含むものとする。商品の容器の場合、その容器にICタグ21が付けられている。商品2が読み取り部5の近くに保持されると、読み取り部5が商品等に付けられたICタグ21からその情報(媒体情報という)を読み取る。読み取った媒体情報は、制御部12に伝達され、制御部12は、媒体情報に対応する商品2の関連情報を記憶部13から検索する。
【0018】
媒体情報には、ICタグ21の固有の(ユニークな)識別符号(ID)、商品ID、商品名、商品型番、製造者名、製造年月日等と、意見データがある。図2は、媒体情報20の例を示す。ICタグ21のユニークなID以外の情報は暗号化される場合がある。
【0019】
意見データは、商品2を使用した消費者(意見表示者)が、ICタグ21に記録したデータである。図3は、ICタグ21の構成の一例を示す。ICタグ21は、例えば、本体23と延長部24から構成される。本体23には、チップ22が埋め込まれている。チップ22は、RFIDタグ、光IDタグなどの回路である。チップ22からは端子25a、25bが引き出されている。端子25a、25bは延長部24の内部の配線26で接続している。
【0020】
本体23と延長部24の間に溝などを形成し、延長部24を切り取り(または折り取り)やすくしておく。延長部24を切り取ると、配線26と端子25a、25bが切断され、端子25aと端子25bが開放される。端子25a、25bの接続/開放が1ビットのデータを表す。そのデータが図2の意見データに相当し、媒体情報20の一部として、読み取り部5に読み取られる。
【0021】
読み取り部5は、商品2が意見収集装置10に投入されたことを検知できる光センサや重量センサを備えることもある。それらのセンサにより商品等が投入されたことを検知したときに、商品2に付けられたICタグ21の情報を取得するRFIDリーダやカードリーダ等を起動してもよい。
【0022】
記憶部13は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、収集する意見の対象である商品等に関連する情報(商品情報データ31)と、収集した意見(意見データ32)を記憶する。商品等に関連する情報は、商品等に付けられたICタグ21に記憶された媒体情報20に対応している。商品情報データ31は、例えば、識別符号、商品ID、商品名、商品型番および意見データのビットの意味などを含む。
【0023】
意見データのビットに割り当てる意味は、例えば、「1:端子25a、25bが接続」=「気に入った/また買う/人に薦める」であり、「0:端子25a、25bが開放」=「気に入らない/もう買わない/人に薦めない」である。意見データのビットの意味づけは、商品2ごとに定義される。意見データは1ビットに限らず、多数のビットの場合がある。意見データのビットに割り当てる意味と、データの記録方法(延長部24を切り取るか否か)との対応を、商品2に印刷するなどして表示しておく。
【0024】
商品情報データ31は、後述するように、記憶部13以外に、そしてさらに、分散して格納されている場合がある。本発明では、例えば、商品2に対応する意見を収集する場合に、謝礼やアンケートなどを検索することがある。そこで、商品情報データ31の一部をさす場合に商品情報ということがある。
【0025】
商品2が読み取り部5の近くに保持されて、読み取り部5で媒体情報20が読み取られると、制御部12は、入力した媒体情報20の意見データを意見データ32として記憶部13に記憶する。意見データ32は、商品2ごとに、また、意見データの各ビットの意味づけに従って記憶される。媒体情報20を読み取った時刻などを付加して記憶してもよい。
【0026】
図4は、ICタグ21の異なる構成の例を示す。図4(a)のICタグは、意見データとして2ビットの情報を記録できる。図4(a)の例では、チップ22は端子25a、25bと、端子25c、25dの2組を備える。端子25a、25bは、延長部24a内の配線26aで接続され、端子25c、25dは、延長部24b内の配線26bで接続されている。延長部24aを切り取ると、端子25a、25bが開放される。延長部24bを切り取ると、端子25c、25dが開放される。したがって、2組の端子25a、25bと、端子25c、25dは、それぞれ1ビットのデータを形成する。
【0027】
図4(a)の例では、延長部24a、24bをいずれも切り取らない場合、延長部24aのみを切り取る場合、延長部24bのみを切り取る場合、延長部24aと24bの両方を切り取る場合の4通りの状態を表すことができる。図3の例では、延長部24を切り取らなかったか切り取ったかで状態を分けている。ここで例えば商品を気に入った場合に延長部24を切り取る、気に入らなかった場合に切り取らないとした場合に、両者の情報は非対称であり、切り取らなかった場合が「気に入らなかった」のか「意見発信をしていない」のかが判断できない。それに対して、図4の例では、「延長部24a切り取り」を「気に入った」に、「延長部24b切り取り」を「気に入らない」に対応させることにより、情報の対称性を確保し、データの信頼度が高いことが期待できる。
【0028】
なお、例えば、図4(b)に示すように、配線26a、26bに長短の差をつけて本体23の同じ側に配置し、その配線側に2箇所の切り取り線を設けて、長く切り取るか短く切り取るかで2値のデータを記録してもよい。その場合、例えば、「長く切り取り」を「気に入らなかった」に、「短く切り取り」を「気に入った」に、「切り取らない」を「意見なし」に対応させて、3つの値を区別することができる。
【0029】
図5は、ICタグ21のデータの異なる記録方法を示す。図5のICタグ21は、端子25a、25b、25c、25dの先端が表面に露出し、それぞれ開放されている。端子25a、25bの先端は枠27a内にある。端子25c、25dの先端は枠27b内にある。枠27aまたは27bの内側を鉛筆または導電性物質を含む筆記具などで塗りつぶすことによって、端子25aと25b、または、端子25cと25dが導通する(少なくともある抵抗で接続される)。したがって、枠27a、27bはそれぞれ1ビットのデータを記録できる。
【0030】
枠27a、27bの塗りつぶし状態を光学的に読み取ることもできる。その場合、例えば、マーク27cとの位置関係で、枠27a、27bのいずれが塗りつぶされているかを識別できる。
【0031】
図6は、ICタグ21のデータのさらに異なる記録方法を示す。図6の(a)では、端子25aと端子25bは、絶縁物で形成されたピン28で隔てられている。ピン28を抜き去ると、図6(b)に示すように、端子25aと端子25bは接触して電気的に接続する。したがって、ピン28を抜くか抜かないかで1ビットのデータを記録できる。端子25a、25bとピン28の組を複数備えることによって、2ビット以上のデータを記録できる。
【0032】
図7は、ICタグ21のデータのさらに別の記録方法を示す。チップ22の端子25a、25bは弾力性を有するカバー29で被われていて、初期状態は先端が開放している(図7(a)参照)。カバー29を押し込むと、端子25aと端子25bの先端どうしが接触して、電気的に接続する(図7(b)参照)。カバー29は、押し込んだ状態を保持するように構成してもよいし、押し込むのをやめると元の状態に戻るように構成してもよい。押し込むのをやめたときに、元の状態に戻る場合は、媒体情報20を読み取るときに、カバー29が押されているか、押されていないかで2つの状態を表す。図7に示すような構成で、カバー29を押し込むのをやめたときに、元の状態に戻る場合でも、カバー29を押した状態でICタグ21をかざして読み取らせることができる。
【0033】
図7の方法でも、複数のビットを記録するように構成することができる。カバー29が指を離すと戻る性質の場合、どのビットを押しているかで異なる状態を表すことができる。
【0034】
なお、図3のICタグ21の構成で、延長部24を切り取る場合を説明したが、延長部24は、切り込みを入れる、または、折り曲げるなどの方法を採用してもよい。さらに、図4の複数ビットの構成で、配線パターンを変えて切り取る大きさを変えて記録するビットパターンを変えるようにしてもよい。また、図5のICタグ21では、シールを貼る、または、シールをはがすなどの方法を採ることもできる。
【0035】
端子の電気的接触/開放の他に、例えば、切り取る部分の大きさによって、端子間の抵抗、キャパシタンスまたはインダクタンスが変化するように構成してもよい。インピーダンスの違いをビットパターンに変換して、意見データとすることができる。
【0036】
図8は、意見収集装置10により商品2に対する意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
意見を収集するのに先立って、意見を収集したい商品2に、RFタグや非接触ICカード等の非接触通信を行うICタグ21を付与しておく。ICタグ21は、図3ないし図7に示すように、意見表示者が専用の機械を用いることなく外力によってデータを記録できるように構成する。いずれの場合も、少なくとも商品2を使用・消費したのちでも、意見データを記録(設定)できるように構成する。
【0038】
意見表示者は、商品2のICタグ21に前述のような何らかの外力によってデータ(意見)を設定する(ステップM1)。データを設定した商品2を意見収集装置10の読み取り部5の近くに保持すると(ステップM2)、意見収集装置10の読み取り部5は、媒体情報20を読み取る(ステップA1)。読み取り部5は、商品2が意見収集装置10の近くに保持されたことを検知できる、光センサや重量センサを備えて、それらのセンサにより商品2が近くに保持されたことを検知したときに、媒体情報20の読み取りを開始してもよい。
【0039】
媒体情報20が読み取れなかった場合は(ステップA2;NO)、ステップA1に戻って、次の商品2が近くに保持されるのを待つ。媒体情報20が読み取れた場合は(ステップA2;YES)、意見データがあるかどうかを調べる(ステップA3)。意見データがあれば(ステップA3;YES)、その意見データを媒体情報20の商品情報に従って、分類して記憶する(ステップA4)。
【0040】
意見データがなければ(ステップA3;NO)、記憶するデータがないので、ステップA1に戻って、次の商品2が近くに保持されるのを待つ。なお、図4に示すICタグ21のような構成において、延長部24a、24bのいずれも切り取られていない場合を無効データとする場合であっても、無効なデータが読み取られたことを記憶してもよい。
【0041】
意見収集装置10の記憶部13に記憶された意見データ32は、定期的に販売者が回収し、マーケティングや新商品開発等に役立てることができる。意見データを読み取らせたのちに、ICタグ21または商品2もしくは商品の容器を回収してもよい。ICタグ21は、回収されずに廃棄される場合もあり得る。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態1のICタグ21によれば、意見表示者は、特別な機械を用いずに、手でICタグ21の一部を切り取るなどの外力によって簡単に商品に対する意見をICタグ21に(一時的なものも含めて)記憶させることができる。そして、意見収集装置10によれば、使用者が商品2またはICタグ21を読み取り機にかざすという簡単な動作に併せて、商品2を使用した者の意見を収集できるため、意見表示者に特別に手をかけさせなくても意見を収集することが可能である。
【0043】
また、本実施の形態によれば、媒体情報20としてICタグ21にユニークなIDを記憶しておき、そのIDで過去に回答がなされていないかを記憶部13で確認することにより、同じ商品2を用いて2回以上回答することを防止できる。その結果、回答を集計した統計データの信頼度が高くなる。
【0044】
(実施の形態2)
実施の形態2は、ICタグ21または商品2もしくは商品の容器を、意見収集装置10で回収する場合である。図9は、実施の形態2に係る意見収集システムの構成の例を示す。
【0045】
実施の形態2の意見収集装置10は、実施の形態1の構成に加えて、回収部4を備える。回収部4は、廃棄される商品等を収容する。収容する商品2は、商品の容器の場合がある。回収部4は、廃棄される商品2を読み取り部5の近くで一旦保持し、商品2に付けられた非接触通信を行うRFタグなどの情報記憶媒体21から情報を読み取ったのち、収容してもよい。その場合、たとえば、制御部12の指令で作動するゲートが設けられる。回収部4にゲートなどが設けられる場合には、回収部4のゲートなどを作動するアクチュエータは制御部12に接続し、制御部12の指令で作動する。
【0046】
回収部4に収容される商品2には、ICタグ21が付けられている。収容するのが商品の容器の場合、その容器にICタグ21が付けられている。ICタグ21の構成は、実施の形態1と同様である。
【0047】
商品等を廃棄するために、回収部4に商品2が投入されると、読み取り部5が商品等に付けられたICタグ21からその情報(媒体情報という)を読み取る。商品2が投入されて、読み取り部5で媒体情報20が読み取られると、制御部12は、入力した媒体情報20の意見データを意見データ32として記憶部13に記憶する。意見データ32は、商品2ごとに、また、意見データの各ビットの意味づけに従って記憶される。制御部12は、媒体情報20を読み取った時刻などを、意見データ32に付加して記憶してもよい。
【0048】
図10は、実施の形態2に係る意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。図10の動作では、実施の形態1の動作に商品2を回収するステップが追加されている。
【0049】
意見表示者は、商品2のICタグ21に何らかの外力による方法でデータ(意見)を設定する(ステップM1)。データを設定した商品2を意見収集装置10の回収部4に投入すると(ステップM2’)、意見収集装置10の読み取り部5は、媒体情報20を読み取る(ステップA1)。読み取り部5は、商品2が意見収集装置10に投入されたことを検知できる、光センサや重量センサを備えて、それらのセンサにより商品等が投入されたことを検知したときに、媒体情報20の読み取りを開始してもよい。
【0050】
媒体情報20が読み取れなかった場合は(ステップA2;NO)、ステップA1に戻って、次の商品2が回収部4に投入されるのを待つ。媒体情報20が読み取れた場合は(ステップA2;YES)、商品2を収容する(ステップA11)。そして、意見データがあるかどうかを調べる(ステップA3)。意見データがあれば(ステップA3;YES)、その意見データを媒体情報20の商品情報に従って、分類して記憶する(ステップA4)。
【0051】
媒体情報20を読み取ったのちに商品2を読み取り部5から収容するのは、一度媒体情報20を読み取った商品2と、新たに投入された商品2を区別して、同じ商品2の媒体情報20を2度読みすることを防止するためである。媒体情報20の2度読みまたは読み取りデータの2重登録(集計)を防止できれば商品2をいつ収容してもよいし、収容された状態で読み取りを行ってもよい。意見データがあった場合にのみ(ステップA3;YES)、商品2を収集してもよい。
【0052】
意見収集装置10の記憶部13に記憶された意見データ32は、定期的に販売者が回収し、マーケティングや新商品開発等に役立てることができる。また、意見収集装置10の回収部4で回収されたICタグ21付き商品2も定期的に販売者が回収し、商品2およびICタグ21を再利用することができる。
【0053】
本実施の形態2の意見収集システムによれば、使用者が商品2を廃棄するという簡単な動作に併せて、商品2を使用した者の意見を収集できるため、意見表示者に特別に手をかけさせなくても意見を収集することが可能である。
【0054】
本発明を適用する商品2の例として、プリンタなどのトナーカートリッジもしくはインクカートリッジ、ニカド電池、ニッケル水素電池もしくはリチウムイオン電池などの二次電池、飲料などの容器、または持ち運び可能な電化製品とりわけ情報家電などが挙げられる。特に、廃棄することに何らかの制約がある商品2、または資源有効活用のために回収する商品2は、本発明を適用する効果が高い。
【0055】
さらに、本実施の形態によれば、意見収集装置10によりICタグ21付きの商品2を集めるため、商品2を回収して資源として活用することができ、商品2に付与するICタグ21を再利用できる。なお、ICタグ21が付与された商品2または容器を回収する形態を説明したが、ICタグ21のみ回収して意見を収集してもよい。
【0056】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。実施の形態3の意見収集システム1は、非接触通信を用いて謝礼情報を意見表示者に提供する。また、意見収集装置が収集した回答者からの意見を、一括して蓄積する意見収集サーバが存在する場合である。意見収集システム1は、意見収集サーバ3と意見収集装置11から構成される。意見収集サーバ3と意見収集装置11は、ネットワークNを介して通信する。実施の形態3は、商品情報データ31および意見データ32が意見収集サーバ3に格納される意見収集システム1である。図11では、意見収集装置11を1台しか記載していないが、複数台がネットワークNで意見収集サーバ3に接続する構成が可能である。
【0057】
意見収集サーバ3は、記憶部30、制御部33および通信部34を備える。記憶部30は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、収集する意見の対象である商品等に関連する情報(商品情報データ31)と、収集した意見(意見データ32)を記憶する。商品等に関連する情報は、商品等に付けられたICタグ21に記憶された媒体情報20と対応付けた商品情報データ31により、表やデータベース等の形で記憶される。意見収集装置11またはICタグ21が商品2の関連情報(の一部)を記憶している場合は、その(一部の)関連情報を記憶していなくてもよい。
【0058】
制御部33はCPU(Central Processing Unit)および主記憶装置等から構成され、記憶部30に記憶されているプログラムに従って、関連情報を検索したり、意見データ32を集計・格納するための処理を実行する。
【0059】
通信部34は、LAN(Local Area Network)もしくは無線LAN、公衆回線、ブロードバンドネットワークNまたは携帯電話網等を用いるインターネット接続などのインタフェースを備え、ネットワークNを経由して意見収集装置11と通信する。
【0060】
意見収集装置11は、表示部6および送受信部8を備える。商品情報データ31および意見データ32を記憶する記憶部13がなく、その代わり意見収集サーバ3と通信を行う通信部9を備える。通信部9は、LAN(Local Area Network)もしくは無線LAN、公衆回線、ブロードバンドネットワークまたは携帯電話網等を用いるインターネット接続などのインタフェースを備え、ネットワークNを経由して意見収集サーバ3と通信する。
【0061】
表示部6は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、制御部12の指令で、意見表示者に対して、操作手順や謝礼の情報などを表示する。表示部6はまた、スピーカを備えることがある。
【0062】
送受信部8は、意見表示者が所持する情報記憶媒体(以下、所持媒体という)80と非接触で情報を送受信するRFIDリーダライタ、カードリーダライタ、またはマルチプロトコル対応RFIDリーダライタ等を備える。送受信の対象となる所持媒体80は、意見表示者が所持する携帯電話機等に搭載されている情報記憶媒体や、予め意見表示者に配布したICカードやRFタグ等である。
【0063】
送受信部8のリーダライタ等が、商品2に付けるICタグ21の読み取り機能を備えていれば、送受信部8は読み取り部5を兼ねてもよい。
【0064】
所持媒体80には、固有の識別符号が記憶されている。また、所持媒体80には、意見表示者を特定する情報、例えば、氏名、住所、年齢、性別等の情報が記憶されていてもよい。以下、固有の識別符号と意見表示者を特定する情報を意見表示者情報という。意見表示者情報は暗号化して記憶されていてもよい。
【0065】
制御部12は、送受信部8を介して、意見表示者の所持媒体80に謝礼情報を書き込む。また、制御部12は、送受信部8を介して、意見表示者の所持媒体80から意見表示者の情報を読み取る。読み取った意見表示者情報を、媒体情報20または意見表示者の入力した意見に追加して、意見収集サーバ3に送信する。意見収集サーバ3は、意見表示者情報を意見とともに記憶し、意見の分析に用いることができる。
【0066】
送受信部8は、制御部12の指令によって、回答者に謝礼を提供する。例えば、特定の商品等を購入するときに、謝礼としての情報を回答者の保有する磁気カードやICカード、携帯電話機などに搭載されているRFタグなどに書き込む。謝礼情報は、商品等の割引券等のクーポン券、商品券、一定数貯めると所定額の金券として利用できたり、商品等と引き換えたりできるポイント、または賞品が当たる抽選の当選情報等でもよい。
【0067】
あるいは、送受信部8に加えて、または送受信部8に代えて、プリンタ、または現金払出機などを備えてもよい。その場合、例えば、現金として使用できるポイントを印刷したチケットや割引券などを印字して排出する。または、回収した廃棄品(容器等)に対する返金に謝礼を上乗せして現金を払い出す場合もあり得る。
【0068】
図12は、謝礼情報を、媒体情報20に含まれる商品IDに対応付けて格納している商品情報データ31aの例である。商品IDに対して、商品に対する意見の謝礼が対応づけられて記憶されている。図12では、意見の謝礼は、1つの項目になっているが、例えば、ポイント、割引、金券などの種類とポイント数または額とすることもできる。
【0069】
以下に、実施の形態3に係る意見収集システム1の動作について説明する。図13は、実施の形態3に係る意見収集システム1により商品2に対する意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。なお、図13には、図8と同じ処理には同じ番号を付している。以下、実施の形態1の動作と異なる部分のみ説明する。
【0070】
図13では、商品2のICタグ21にデータを設定するステップM1を省略している。意見表示者が、使用した後の商品2を意見収集装置11へ投入して(ステップM2)、意見収集装置11の読み取り部5が、商品2に付与されているICタグ21に記憶された意見データを含む媒体情報20を読み取る(ステップB1)。媒体情報20があれば(ステップB2;YES)、制御部12は表示部6に、情報記憶媒体80を特定の場所に保持することを示すメッセージを表示する(ステップB3)。特定の場所に保持することは、送受信部8に設けられたステージにICカード等の情報記憶媒体80を置くことかもしれないし、送受信部8の前に情報記憶媒体80を搭載した携帯電話機等をかざすことであってもよい。
【0071】
メッセージを見た意見表示者は、情報記憶媒体80を指定の場所に保持する(ステップM3)。制御部12は送受信部8を介して、情報記憶媒体80に対し意見表示者情報を要求する(問い合わせる)と(ステップB4)、意見表示者の所持媒体80が意見表示者情報を返信する(ステップM4)。送受信部8は、意見表示者情報を読み取り(ステップB5)、制御部12に伝達する。制御部12は、通信部9を介して、媒体情報20(の一部)と意見表示者情報を意見収集サーバ3へ送信する(ステップB6)。そして、商品2を収容する(ステップB7)。商品を収容するタイミングは、媒体情報20を読み取ったのちであれば、制約はない。
【0072】
意見収集サーバ3は、意見を含む媒体情報20(の一部)と意見表示者情報を受信すると(ステップS1)、制御部33が意見と意見表示者情報を記憶部30に意見データ32として記憶する(ステップS2)。そして、意見の謝礼として、記憶部30から媒体情報20に対応する謝礼情報を検索し(ステップS3)、意見収集装置11に送信する(ステップS4)。
【0073】
意見収集装置11の制御部12は、意見収集サーバ3から謝礼情報を受信すると(ステップB8)、送受信部8を介して謝礼情報を意見表示者の所持媒体80へ非接触通信で書き込み、意見表示者に提供する(ステップB9)。意見表示者は所持媒体80に記憶されたデータとして謝礼情報を受け取る(ステップM5)。
【0074】
以上のように、本実施の形態によれば、意見の表示に対して謝礼が提供されるため、多くの意見を収集できる。また、クーポン券等の謝礼を使用するために、意見収集装置11を設置している場所に意見表示者が来ることが期待できる。なお、クーポン券等を謝礼に用いると、再び製造者の商品2を購入することが期待できる。
【0075】
本実施の形態3に係る意見収集システム1によれば、送受信部8の非接触通信によって、意見表示者の所持する情報記憶媒体80に謝礼情報を書き込むので、意見表示者は謝礼を紙媒体などで所持する必要がない。また、ポイント等を自動的に加算することができるので、取り扱いに便利である。意見収集装置11は、出力部8が不要でプリンター等の用紙やインクなどを補充する必要がない。意見収集装置11は、情報記憶媒体80を所持しない意見表示者のために、プリンタ、または現金払出機などを併せて備えてもよい。
【0076】
本実施の形態3に係る意見収集システム1によれば、意見収集サーバ3が自動的に一括して商品2に関する意見を収集するため、商品2に関する意見をすばやく把握できる。その結果、より高精度なマーケティングを行うことが期待できる。また、商品2の商品情報データ31を意見収集サーバ3に記憶する場合は、意見収集サーバ3の商品情報データ31がすべての意見収集装置11に及ぶので、商品情報データ31の変更が容易である。
【0077】
なお、意見を収集・格納するサーバと、商品情報データ31を記憶するサーバが別に設けられてもよい。また、商品2ごとに、例えば、商品2の販売者ごとに、意見収集サーバ3(および商品情報データ31を記憶するサーバ)が設けられてもよい。その場合、意見収集装置11は、媒体情報20に従って接続する意見収集サーバ3(および商品情報データ31を記憶するサーバ)を選択して通信する。
【0078】
意見収集装置10は、店舗などに置かれるとは限らない。企業や教育機関などの施設や住宅に設置されてもよいし、携帯端末であってもよい。本実施の形態3では、回収部4を備える場合を説明した。図1に示すように、回収部4を備えない構成とすることもできる。
【0079】
本実施の形態3では、表示部6を備えるので、上述した以外に様々な応用が可能である。例えば、商品情報31を表示して、意見表示者に内容を確認させることができる。ICタグ21が商品2から分離されているような場合、商品情報31を表示することによって、そのICタグ21がどの商品に付されていたかを確認することができる。
【0080】
意見データをICタグ21に記録する方法と、それぞれの意味(「気に入った」、「気に入らない」など)を表示して、意見表示者の支援を行うこともできる。商品2には、意見データ記録の方法などが印刷できない場合もあり得るので、表示部6をその表示に使用することは有効である。意見表示者がICタグ21に記録した意見データを表示部6に表示して、その内容でよいか確認させることができる。意見データが記録されていない場合に、意見データの記録を促す表示を行って、意見データを記録させることも考えられる。さらに、意見データの記録を変更したり、取りやめたりできるようにすることも可能である。このように、表示部6に表示する内容によって、商品2への印刷等表示を含めてICタグ21の構成を簡単にすることができる。
【0081】
なお、意見の集計結果を表示部6に表示してもよい。意見データを入力する前に、集計結果を見ることによって、意見発信がより促進されることが期待できる。また、集計結果を表示することによって、購買意欲をかき立てる可能性もある。
【0082】
また、本実施の形態によれば、送受信部8にて所持媒体80の固有の識別符号や意見表示者の氏名、住所、年齢、性別等の情報も取得できるため、より高精度なマーケティングを実施することができる。
【0083】
(実施の形態4)
実施の形態4は、意見表示者から媒体情報20の他に、直接入力を受け付ける場合である。図14は、本発明の実施の形態4に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。実施の形態4の意見収集装置11は、実施の形態3の構成に加えて、入力部7を加えた構成となっている。
【0084】
入力部7は、キースイッチ、タッチパネル、キーボード、ジョイスティック、トラックパッド、トラックボール、マウス、ジョグダイヤル、マイク、カメラ等から構成される。アンケートの回答者は、入力部7を通じて意見のデータを入力する。入力される意見のデータは、選択肢の選択情報、テキスト、音声などである。入力部7は、入力されたデータを制御部12に伝達する。
【0085】
制御部12は、商品情報に含まれるアンケートの内容を表示部6に表示し、商品等を投入した意見表示者にアンケートへの回答を促す。表示部6のスピーカから音声でアナウンスしたり、光の点滅で注意を喚起してもよい。意見表示者が入力部7からアンケートへの回答(意見)を入力すると、制御部12は、入力したデータをサーバ3に送信する。サーバ3は、受信したデータを媒体情報20の意見と合わせて記憶部30に記憶する。そして、商品情報に含まれる謝礼の情報に基づいて、実施の形態3と同様に、送受信部8から謝礼を出力する。
【0086】
図15は、商品2に関連情報と謝礼情報を、媒体情報20に含まれる商品IDに対応付けて格納している商品情報データ31bの例である。商品IDに対して、アンケートの番号と、アンケートの謝礼が対応づけられて記憶されている。図15では、アンケートの謝礼は、1つの項目になっているが、例えば、ポイント、割引、金券などの種類とポイント数または額とすることもできる。
【0087】
図16は、関連情報のうちアンケートの内容を示す商品情報データ31cの一例である。図16は、図15の商品ID=aに対するアンケート番号Aのアンケート内容を例示する。アンケートは例えば、質問と、その選択肢、および回答方法が設定されている。選択肢の選択には、いずれか一つを選択する択一と、各項目を独立に選択できる複数選択がある。また、選択肢以外に、テキストまたは音声で自由意見を入力する場合もある。これらの内容は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)で記述され、表示部6の画面にWebページのように表示される。回答者は例えばタッチパネルで回答を選択することができる。テキスト入力はタッチパネルにソフトキーボードを表示して入力させてもよい。音声は、例えば「入力する」を選択して、入力部7のマイクから入力する。
【0088】
図17は、意見データ32の例を示す。図17は、例えば、図15のアンケート番号Aに対応した、商品IDが“a”の商品に対する意見を集計したものである。図17の商品IDが“a”の商品に対する意見データ32aは、アンケート番号Aの質問に対応して項目が設けられ、選択肢ごとの度数と回答総数が記録されている。また、任意意見として入力されたテキストまたは音声は、フォルダt1、フォルダv1に格納され、それぞれ回答数がT、Vであることが示されている。
【0089】
図18は、実施の形態4に係る意見収集システム1により商品2に対する意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。なお、図18では、図13と同じ処理には同じ番号を付している。
【0090】
実施の形態3と同様に、意見を収集するのに先立って、意見を収集したい商品2に、商品ID等の情報を記憶した非接触通信を行うICタグ21を付与しておく。意見収集サーバ3の記憶部30は、関連情報を媒体情報20に対応付けて商品情報データ31として記憶している。ただし、ICタグ21が関連情報(の一部)を記憶している場合は、その(一部の)関連情報を記憶していなくてもよい。
【0091】
図18に示す動作では、意見表示者のステップM2ないしステップM4は、図13のステップM2ないしM4と同様である。また、意見収集装置11のステップB1ないしステップB6は、図13と同様である。ただし、図18では、媒体情報20の有無の判断(ステップB2)を省略している。
【0092】
意見収集サーバ3は、媒体情報20と表示者情報を受信すると(ステップS1)、商品IDに対応する関連情報を検索する(ステップS11)。そして、例えば、図15の関連情報から商品IDに対応するアンケート番号を参照して、図16に示すような関連情報を意見収集装置11に送信する(ステップS12)。
【0093】
意見収集装置11は、関連情報を受信して(ステップC1)、その情報を表示部6に表示する(ステップC2)。意見表示者が表示を見て意見を入力すると(ステップM6)、意見収集装置11の制御部12は、入力部7から意見を取得する(ステップC3)。そして、その意見を意見収集サーバ3に送信する(ステップC4)。
【0094】
意見収集サーバ3は、意見収集装置11から意見を受信して(ステップS13)、媒体情報20に含まれる意見を合わせて、表示者情報とともに記憶部30に記憶する(ステップS2c)。そして、意見収集サーバ3は、謝礼情報を検索し(ステップS3)、謝礼情報を意見収集装置11に送信する(ステップS4)。
【0095】
意見収集装置11のステップB8、B9と、意見表示者のステップM5は、図13と同様である。ただし、図18では、商品を収容するステップB7を、謝礼情報送信ののちに行う。
【0096】
実施の形態1または3で説明したように、回収部4を備えない場合もあり得る。意見収集装置10の設置場所は限定されず、携帯端末の場合もあり得る。意見データをICタグ21に記録する方法とそれぞれの意味、ICタグ21から読み取った意見データ、または意見の集計結果などを表示部6に表示して、内容を確認させたり、意見データを変更したり、取りやめたりできるようにしてもよい。表示部6を様々な用途に用いることは実施の形態3で説明したとおりである。
さらに、表示部6の表示と入力部7で受け付ける入力を組み合わせることによって、さまざまな応用が可能である。例えば、ICタグ21から読み取った意見データを表示して、意見表示者が意見を追加、変更または消去(取りやめる)できるようにしてもよい。ICタグ21では一旦記録したデータを変更できない場合でも、入力部7で意見データの修正が可能である。そのため、商品2(または容器)への印刷等を含めてICタグ21の仕組みを簡単にしても、より正確な意見を収集することができる。
【0097】
以上のように、本実施の形態4に係る意見収集システム1によれば、媒体情報20の意見に加えて、意見表示者から直接、意見の入力を受け付けて収集するので、アンケートへの回答などの、より詳しい意見を得ることができる。
【0098】
その他、本発明の好適な変形として、以下の構成が含まれる。
【0099】
本発明の第1の観点に係る情報記憶媒体について、
好ましくは、前記記憶手段は、前記情報記憶媒体の電気回路の一部を改変することによって前記データを記録することを特徴とする。
【0100】
好ましくは、前記記憶手段は、前記電気回路に含まれる、配線の切断、開放端子の電気的な接続、または一部のインピーダンスの変更、のいずれかを含むことを特徴とする。
【0101】
また、前記記憶手段は、光学的に読み取り可能な形式で前記データを記録してもよい。
【0102】
前記記憶手段は、前記情報記憶媒体の一部を切り取る操作、前記情報記憶媒体の一部を折り曲げる操作、前記情報記憶媒体に切り込みを入れる操作、前記情報記憶媒体の一部を筆記具で塗りつぶす操作、前記情報記憶媒体の一部を押す操作、または、前記情報記憶媒体の一部に保持された部材を取り去る操作のいずれかを含む操作によって、前記機械読み取り可能なデータを記録することを特徴とする。
【0103】
さらに好ましくは、前記記憶手段は、前記切り取る部分の位置または大きさ、前記折り曲げる部分の位置、前記切り込みを入れる位置、前記筆記具で塗りつぶす部分、前記押す部分、または、保持された部材のうちの取り去る部材、を変えることによって、異なるデータを記録することを特徴とする。
【0104】
本発明の第2の観点に係る意見収集システムについて、
好ましくは、前記記憶手段は、前記情報記憶媒体の電気回路の一部を改変することによって前記データを記録することを特徴とする。
【0105】
好ましくは、前記記憶手段は、前記電気回路に含まれる、配線の切断、開放端子の電気的な接続、または、一部のインピーダンスの変更、のいずれかを含むことを特徴とする。
【0106】
前記記憶手段は、光学的に読み取り可能な形式で前記データを記録してもよい。
【0107】
なお、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取り手段に前記データを読み取らせた者に関する情報を収集する表示者情報収集手段を備えてもよい。
【0108】
好ましくは、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取り手段に前記データを読み取らせた者に、謝礼を提供する謝礼提供手段を備える。
【0109】
また、前記読み取り手段で、前記記憶手段に記録された前記データを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって前記読み取り手段に前記データを読み取らせた者の、データ入力を受け付ける入力手段を備えてもよい。
【0110】
好ましくは、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器に関する情報を表示する情報表示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0111】
なお、前記読み取り手段で、前記情報記憶媒体に記録されたデータを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器を収容する回収手段をさらに備えてもよい。
【0112】
本発明の第3の観点に係る意見収集方法について、
好ましくは、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取りステップで前記データを読み取らせた者に関する情報を収集する表示者情報収集ステップを備えることを特徴とする。
【0113】
好ましくは、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取りステップで前記データを読み取らせた者に、謝礼を提供する謝礼提供ステップを備える。
【0114】
また、前記読み取りステップで、前記記録ステップで記録された前記データを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって前記読み取りステップで前記データを読み取らせた者の、データ入力を受け付ける入力ステップを備えてもよい。
【0115】
好ましくは、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器に関する情報を、表示手段に表示する情報表示ステップをさらに備えることを特徴とする。
【0116】
なお、前記読み取りステップで、前記情報記憶媒体に記録されたデータを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器を回収手段に収容する回収ステップをさらに備えてもよい。
【0117】
本発明の情報記憶媒体、意見収集システムまたは意見収集方法によれば、商品に対する意見の収集、または一般消費者による意見発信の促進と、商品に添付されたタグの物理的な回収という二つの目的を同時に達成することができる。
【0118】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0119】
制御部12、33、記憶部13、30、表示部6、入力部7、送受信部8などから構成される意見収集を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する意見収集装置10、11および意見収集サーバ3を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで意見収集装置10、11および意見収集サーバ3を構成してもよい。
【0120】
また、意見収集装置10、11の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0121】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態1に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の媒体情報の例を示す図である。
【図3】実施の形態1の情報記憶媒体の構成の一例を示す図である。
【図4】情報記憶媒体の異なる構成の例を示す図である。
【図5】情報記憶媒体のデータの異なる記録方法を示す図である。
【図6】情報記憶媒体のデータのさらに異なる記録方法を示す図である。
【図7】情報記憶媒体のデータのさらに別の記録方法を示す図である。
【図8】意見収集装置により商品に対する意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。
【図12】商品情報データの例を示す図である。
【図13】実施の形態3に係る意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態4に係る意見収集システムの構成の例を示すブロック図である。
【図15】関連情報と謝礼情報を、商品IDに対応付けて格納している商品情報データの例を示す図である。
【図16】商品情報データの一例を示す図である。
【図17】意見データの例を示す図である。
【図18】実施の形態4に係る意見を収集する動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
1 意見収集システム
2 商品
3 意見収集サーバ
4 回収部
5 読み取り部
6 表示部
7 入力部
8 送受信部
9 通信部
10 意見収集装置
11 意見収集装置
12 制御部
13 記憶部
20 媒体情報
21 情報記憶媒体(ICタグ)
23 (ICタグの)本体
24、24a、24b 延長部
25a、25b、25c、25d 端子
26、26a、26b 配線
27a、27b 枠
28 ピン
29 カバー
30 記憶部
31 商品情報データ
32 意見データ
33 制御部
34 通信部
80 情報記憶媒体(所持媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品または商品の容器に付された情報記憶媒体であって、
機械読み取り可能なデータを、外力によって前記情報記憶媒体に記録可能な記憶手段を備えることを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記情報記憶媒体の電気回路の一部を改変することによって前記データを記録することを特徴とする請求項1に記載の情報記憶媒体。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記電気回路に含まれる、配線の切断、開放端子の電気的な接続、または一部のインピーダンスの変更、のいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の情報記憶媒体。
【請求項4】
前記記憶手段は、光学的に読み取り可能な形式で前記データを記録することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報記憶媒体。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記情報記憶媒体の一部を切り取る操作、前記情報記憶媒体の一部を折り曲げる操作、前記情報記憶媒体に切り込みを入れる操作、前記情報記憶媒体の一部を筆記具で塗りつぶす操作、前記情報記憶媒体の一部を押す操作、または、前記情報記憶媒体の一部に保持された部材を取り去る操作のいずれかを含む操作によって、前記機械読み取り可能なデータを記録することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報記憶媒体。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記切り取る部分の位置または大きさ、前記折り曲げる部分の位置、前記切り込みを入れる位置、前記筆記具で塗りつぶす部分、前記押す部分、または、保持された部材のうちの取り去る部材、を変えることによって、異なるデータを記録することを特徴とする請求項5に記載の情報記憶媒体。
【請求項7】
商品または商品の容器に付された情報記憶媒体と、
機械読み取り可能なデータを、外力によって前記情報記憶媒体に記録可能な記憶手段と、
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器について、前記記憶手段に記録された前記データを、前記情報記憶媒体に記録されたデータとともに読み出すデータ読み取り手段と、
を備えることを特徴とする意見収集システム。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記情報記憶媒体の電気回路の一部を改変することによって前記データを記録することを特徴とする請求項7に記載の意見収集システム。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記電気回路に含まれる、配線の切断、開放端子の電気的な接続、または、一部のインピーダンスの変更、のいずれかを含むことを特徴とする請求項8に記載の意見収集システム。
【請求項10】
前記記憶手段は、光学的に読み取り可能な形式で前記データを記録することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の意見収集システム。
【請求項11】
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取り手段に前記データを読み取らせた者に関する情報を収集する表示者情報収集手段を備えることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の意見収集システム。
【請求項12】
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取り手段に前記データを読み取らせた者に、謝礼を提供する謝礼提供手段を備えることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載の意見収集システム。
【請求項13】
前記読み取り手段で、前記記憶手段に記録された前記データを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって前記読み取り手段に前記データを読み取らせた者の、データ入力を受け付ける入力手段を備えることを特徴とする請求項7ないし12のいずれか1項に記載の意見収集システム。
【請求項14】
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器に関する情報を表示する情報表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項7ないし13のいずれか1項に記載の意見収集システム。
【請求項15】
前記読み取り手段で、前記情報記憶媒体に記録されたデータを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器を収容する回収手段をさらに備えることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の意見収集システム。
【請求項16】
商品または商品の容器に付された情報記憶媒体の、外力によってデータを記録可能な記憶手段に、機械読み取り可能なデータを記録する記録ステップと、
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器について、前記記録ステップで記録されたデータを読み取るデータ読み取りステップと、
を備えることを特徴とする意見収集方法。
【請求項17】
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取りステップで前記データを読み取らせた者に関する情報を収集する表示者情報収集ステップを備えることを特徴とする請求項16に記載の意見収集方法。
【請求項18】
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって、前記読み取りステップで前記データを読み取らせた者に、謝礼を提供する謝礼提供ステップを備えることを特徴とする請求項16または17に記載の意見収集方法。
【請求項19】
前記読み取りステップで、前記記録ステップで記録された前記データを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器によって前記読み取りステップで前記データを読み取らせた者の、データ入力を受け付ける入力ステップを備えることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1項に記載の意見収集方法。
【請求項20】
前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器に関する情報を、表示手段に表示する情報表示ステップをさらに備えることを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1項に記載の意見収集方法。
【請求項21】
前記読み取りステップで、前記情報記憶媒体に記録されたデータを読み取ったときに、前記情報記憶媒体または前記情報記憶媒体が付された前記商品もしくは前記商品の容器を回収手段に収容する回収ステップをさらに備えることを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載の意見収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−289217(P2009−289217A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143802(P2008−143802)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】