説明

情報記憶媒体および情報記憶装置

【課題】記憶容量の増加が可能な情報記憶媒体および情報記憶装置を提供する。
【解決手段】情報記憶媒体において、基板S、および、径方向の位置を表す情報が記録されたサーボパターン22と、周方向に所定のピッチsで並んだ複数の記録ドット26とをそれぞれ有する、周方向に並んだ複数のセクタ21を有し、サーボパターン22は、記録ドット26のピッチsに対し所定の整数比を有するピッチpで周方向に並んだ磁気パターン221を有し、サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドット26が、サーボパターンのピッチpに対し、いずれのセクタにおいても一定の位相関係φを有する位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報記憶媒体およびこの情報記憶媒体を備えた情報記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記憶装置に搭載される情報記憶媒体の記録密度を向上させる技術として、パターンドメディア方式の磁気ディスクが近年注目されている。パターンドメディア方式の磁気ディスクは、情報の最小単位を記憶する磁性体からなるドットが磁気ディスク上に規則的な配列で並んだ構造を有している。
【0003】
図1は、パターンドメディア方式の磁気ディスクの構造を模式的に示す斜視図である。図1には、円板状の磁気ディスクから切り出された一部が示されている。
【0004】
図1に示す磁気ディスクDは、基板S上に複数の記録ドットQが規則的な配列で並べられた構造を有しており、記録ドットQのそれぞれには1ビット相当の情報が磁気的に記録される。記録ドットは円板の中心の周りに周回状に並んでおり、記録ドットの列はトラックTを形成する。このようなパターンドメディア方式の磁気ディスクは、一般にナノインプリント・リソグラフィと呼ばれる公知の製造プロセスによって製造されるが、本発明は製造プロセスに直接係るものではないため、製造プロセスについては説明を省略する。
【0005】
パターンドメディア方式に限らず一般的な磁気ディスクを搭載した磁気ディスク装置は、磁気ディスク上のサーボパターンを用いて磁気ヘッドを位置決めすることによって目的とする情報の記録再生を行っている。磁気ディスクのトラックには、サーボパターンが配置されたサーボ領域とデータを記録するデータ領域とがトラックに沿って交互に配置されている。回転する磁気ディスクのトラックに沿って相対移動する磁気ヘッドからは、(1回転当たりのサーボ領域の数×磁気ディスクの回転数)で表されるサーボサンプリング周波数でサーボパターンが読み出され磁気ヘッドの位置情報が得られる。この位置情報に基づいて離散時間領域でのサーボ制御が行われ磁気ヘッドが目標とするトラックに追従する。
【0006】
図2は、磁気ディスクにおける各領域の一般的な配置を示す図である。図2のパート(A)には、磁気ディスク90の各領域が磁気ヘッド91とともに示されており、パート(B)には、磁気ディスク90の一部領域Rが直線状に展開され拡大して示されている。
【0007】
磁気ディスク90上の領域は半径方向にゾーン0からゾーンiまで複数のゾーンに区分されて使用されている。1つのゾーン内では記録周波数が一定のため1ビット当たりの記録領域の長さが内周から外周に向かって徐々に長くなる。しかし、1ビット当たりの記録領域の長さがすべてのゾーンに亘って一定の範囲に収まるように、外周側のゾーンほど記録周波数が高い構造となっている(ゾーンCAV方式)。サーボ領域とこのサーボ領域に続くデータ領域とでセクタが構成される。なお、図2のパート(A)に示すように、磁気ヘッド91はアーム92の先端に取り付けられており、サーボ領域は、厳密には磁気ヘッドがアームの回転に伴い移動する軌跡93に沿って円弧状に配置されている。
【0008】
パターンドメディア方式に対し、従来広く用いられている連続媒体方式の磁気ディスクでは、一様に連続して広がった磁性膜にサーボ領域およびデータ領域が設けられている。この一方、パターンドメディア方式の磁気ディスクでは、サーボ領域に、サーボ情報に応じた磁性域/非磁性域のパターンが製造プロセスによって形成されており、サーボ領域全体が均一に磁化された場合に、磁性の有無がサーボ情報を表す磁気パターンとなる。また、データ領域には微小な記録ドットが離散的に配置される。1つの記録ドットが情報の1ビットに相当し、磁化方向によってビットの値が表される。パターンドメディア方式の磁気ディスクでは、記録ドットと記録ドットとの間には情報が記録できないため、情報の記録は磁気ヘッドを記録ドット上に正確に位置決めした上で行う必要がある。この位置決めには、記録ヘッドを磁気ディスクの半径方向で位置決めすることと、記録ヘッドに対する信号の供給および読み出しタイミングを記録ドットの通過タイミングに同期させることとが含まれる。
【0009】
図3は、パターンドメディア方式の磁気ディスクの記録ドットとライトクロックとの関係を説明する図である。
【0010】
図3に示すように、パターンドメディア方式の磁気ディスクに情報を記録する場合には、磁気ヘッド95が記録ドットQを通過するタイミングに同期したライトクロックを生成することが必要である。また、情報を記録する場合には、このライトクロックに同期させて書込みデータを磁気ヘッド95に供給することも必要である。ここでの同期には、周期の一致と位相の一致とがある。例えば、図3に示すライトクロックC1およびライトクロックC2の周期はともに、磁気ヘッド95が記録ドットQを通過する周期と一致しているが、位相は互いにずれている。この結果、適切なライトクロックC1のタイミングに基づいて磁気ヘッド95に信号が供給される場合には情報が記録ドットQに記録される。しかし、不適切なライトクロックC2タイミングに基づいて信号が供給される場合には情報が正常に記録されない。
【0011】
ここで、記録ドットの通過タイミングに同期したライトクロックを生成するため、磁気ディスクに、記録ドットの配列周期および位相を有する磁気パターンであるライトプリアンブルを設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ライトクロックの位相を、磁気ヘッドの記録ドット通過タイミングに対し調整するため、位相を変化させながら情報の記録を試み、最適な位相を探す方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−157507号公報
【特許文献2】特開2006−164349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ライトプリアンブルを、磁気ディスクの各セクタ内に設けた場合には、情報書込みの際に、ライトプリアンブルから読み出された信号に基づいて生成したライトクロックのタイミングで書き込むことが可能となる。しかしながら、各セクタにライトプリアンブルが配置されると、その領域には記録ドットが配置できず記録容量が低下する。
【0013】
上記事情に鑑み、本件開示の情報記憶媒体および情報記憶装置の課題は、記憶容量の増加を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本件開示の情報記憶媒体の基本形態は、
円板状の基板上に形成され上記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、この基板の周方向に所定のピッチで並んだ、磁気的に情報が記録される複数の記録ドットとをそれぞれ有する、この基板の周方向に並んだ複数のセクタを有する情報記憶媒体であって、
上記サーボパターンは、上記記録ドットのピッチに対し所定の整数比を有するピッチで上記周方向に並んだ磁気パターンを有し、
複数のセクタのそれぞれに含まれる複数の記録ドットは、この複数の記録ドットのうち上記サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドットが、この複数の記録ドットが含まれるセクタのサーボパターンのピッチに対し、この複数のセクタのうちのいずれのセクタにおいても、一定の位相関係を有する位置に配置されたものであることを特徴とする。
【0015】
また、本件開示の情報記憶装置の基本形態は、
情報記憶媒体と
上記情報記憶媒体の周回に沿って相対的に移動しながらこの情報記憶媒体に情報を記録する記録部を備え、
上記情報記憶媒体は、
円板状の基板上に形成され上記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、この基板の周方向に所定のピッチで並んだ、磁気的に情報が記録される複数の記録ドットとをそれぞれ有する、この基板の周方向に並んだ複数のセクタを有し、
上記サーボパターンは、上記記録ドットのピッチに対し所定の整数比を有するピッチで上記周方向に並んだ磁気パターンを有し、
複数のセクタのそれぞれに含まれる複数の記録ドットは、この複数の記録ドットのうち上記サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドットが、この複数の記録ドットが含まれるセクタのサーボパターンのピッチに対し、この複数のセクタのうちのいずれのセクタにおいても、一定の位相関係を有する位置に配置されたものであることを特徴とする。
【0016】
サーボパターンには、磁気ヘッドの位置決めのための径方向の位置を表す情報が記録されており、さらに、この情報を読み出すタイミング生成のための磁気パターンが含まれている。上記情報記憶媒体および情報記憶装置の基本形態によれば、サーボパターンの磁気パターンから読み出された信号を逓倍および分周することによってライトクロックが生成される。この結果、生成したライトクロックに基づいて記録ドットへの正確な書込みを行うことが可能となる。したがって、セクタから、ライトクロック生成のためのプリアンブルを除去することができ、その分記録ドットを配置することができるので、記憶容量の増加が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上の本件開示の情報記憶媒体および情報記憶装置の上記基本形態によれば、情報記憶媒体における記憶容量の増加が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本件開示の情報記憶媒体および情報記憶装置の具体的な実施形態について説明する。
【0019】
図4は、情報記憶装置の具体的な第1実施形態であるハードディスク装置(HDD)を示す図である。
【0020】
ハードディスク装置(HDD)1は磁気ディスク2、磁気ヘッド3、移動するアーム4、アーム駆動部5、および、制御回路6を備えている。磁気ヘッド3は、磁気ディスク2に対する情報の読み書きを行う。アーム4は磁気ヘッド3を磁気ディスクの径方向に移動する。アーム駆動部5はアーム4を回転駆動する。制御回路6は、HDD1の各部を制御するとともに磁気ヘッド3に対し信号を受送信する。
【0021】
磁気ディスク2は、パターンドメディア方式の磁気ディスクである。磁気ディスク2は、円板状の基板Sと、基板S上に並べられた複数の記録ドットQを有する基本的な構造は、図1を参照して説明した構造と同様である。磁気ディスク2は、上述した基本形態における情報記憶媒体の一例に相当する。
【0022】
磁気ヘッド3は、リードヘッド3aとライトヘッド3bを備えており、リードヘッド3aとライトヘッド3bとは間隔を置いて配置されている。ライトヘッド3bが上述した基本形態における記録部の一例に相当する。
【0023】
制御回路6は、読出し部6a、書込み部6c、クロック生成部6b、および、制御部6fを備えている。読出し部6aはリードヘッド3aから出力される信号を受信する。書込み部6cは記録する情報の信号をライトヘッド3bに供給する。クロック生成部6bは、読出し部6aにサーボクロックSCLKおよびリードクロックRCLKを供給し、書込み部6cにライトクロックWCLKを供給する。制御部6fは、制御回路6全体を制御するとともにアーム駆動部5を駆動して磁気ヘッド3を移動する。読出し部6aは、リードヘッド3aがサーボパターンを通過するときにサーボプリアンブルから読み出された信号をクロック生成部6bに供給する。クロック生成部6bは、読出し部6aから供給されたサーボプリアンブルの信号に基づいてサーボクロックSCLKを生成する。また、クロック生成部6bは、サーボプリアンブルの信号に対し所定の整数比を有するリードクロックRCLKを生成する。また、クロック生成部6bは、サーボプリアンブルの信号に対しリードクロックRCLKと同じ整数比を有し、リードクロックRCLKに対し一定の位相ずれを有するライトクロックRWCLKも生成する。リードクロックとライトクロックとの位相のずれは、制御部6fによって設定される。また、制御部6fは、サーボクロックSCLKに従ってサーボパターンから読み出され、読出し部6aを介して送られてきたサーボ情報に基づいて、磁気ヘッド3の位置を検出する。制御部6fは、アーム駆動部5を駆動し、磁気ヘッド3を所期の位置に移動させる。
【0024】
図5は、図4に示す磁気ディスクの詳細を示す図である。
【0025】
図5のパート(A)には、円板状の磁気ディスク2の半分が示されており、図5のパート(B)には、複数トラックT(T,Ty+1,…)が直線状に展開された状態で拡大して示されている。
【0026】
磁気ディスク2では、円周上に並んだ記録ドットの列によってトラックT(T,Ty+1,…)が形成されている。各トラックは、サーボパターン22によって区切られている。トラックのうち、あるサーボ領域から次のサーボ領域の直前までが1つのセクタ21を形成している。つまり、磁気ディスク2には、トラックごとに見ると、複数のセクタ21(21A,21B,…)が磁気ディスク2の周方向に並んで配置されており、各セクタ21は、サーボパターン22と記録ドット領域23を1つずつ有している。
【0027】
磁気ディスク2上の領域は、径方向には、ゾーン0からゾーンiまで複数のゾーンに区分されている。各ゾーンは試し書き領域24と情報格納領域25とを有しており、試し書き領域24と情報格納領域25は、各ゾーンを径方向に区分している。試し書き領域24および情報格納領域25のいずれに属するトラックもセクタ21を有している。試し書き領域24における記録ドットの配置は、情報格納領域25における記録ドットの配置と異なる。試し書き領域24については後述し、ここでは、情報格納領域25における配置を説明する。図5のパート(B)には、情報格納領域25におけるトラックが2つのセクタ21A,21B分示されている。
【0028】
各セクタ21は、サーボパターン22と、情報が記録される記録ドット26が配列した記録ドット領域23とを有している。サーボパターン22には、磁気ディスク2における径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されている。サーボパターン22は、位置情報パターン222と、位置情報パターン222を読み出すタイミングの基準となるサーボプリアンブル221とを有している。位置情報パターン222には、磁気ディスク2上の位置を識別させるためのトラック番号、セクタ番号、およびトラック中心からのずれを検出させるためのバースト信号情報が記録されている。サーボプリアンブル221は、位置情報パターン222よりも磁気ヘッド3によって先に読み出される位置に配置されており、磁気ディスク2の周方向に一定のピッチpで並んでいる。ここでサーボプリアンブル221は、上述した基本形態における磁気パターンの一例に相当する。
【0029】
記録ドット26は、1つのゾーン内では、同じ周期を有するリードクロックで読み出しでき、また同じ周期を有するライトクロックで書き込みできるよう所定の規則に則った相互間隔で配列されている。より詳細には、1つのゾーン内では、各トラックT(T,Ty+1,…)に同数の記録ドット26が配置されている。つまり記録ドット26は、1つのゾーン内では、磁気ディスク2の中心から臨む角度θについて一定の相互間隔、すなわち等しいピッチsで配置されている。個々のトラックT(T,Ty+1,…)に注目した場合には、トラックTに、記録ドット26が等しいピッチsで配置されている。HDD1において磁気ディスク2が回転し、リードヘッド3aまたはライトヘッド3bがトラックT上を相対移動する場合、リードヘッド3aまたはライトヘッド3bが記録ドット26Aを通過する時間周期は1つのゾーン内ではいずれのトラックTでも一定となる。
【0030】
サーボプリアンブル221は、記録ドットのピッチsに対し所定の整数比N:Mを有するピッチpで並んでいる。整数比としては、双方のピッチが互いに等しい1:1比や、1:2または2:1といった単純な整数倍または整数分の1、あるいは、2:3といった比が採用可能である。但し、NおよびMの値は、クロック信号の分周比となるので、例えば10以下の自然数であることが好ましい。
【0031】
また、記録ドット26のうち、サーボパターン22に最近接位置に配置された記録ドット26aは、サーボプリアンブル221のピッチpに対し、ある位相関係φを有する位置に配置されている。より詳細には、図5のパート(B)に示すように、サーボプリアンブル221のピッチpを記録ドット26に向かって繰り返し延長した場合に、記録ドット26aはピッチ内の位相φの位置に配置されている。最近接位置に配置された記録ドット26aにおける、ピッチpで並んだサーボプリアンブル221に対する位相関係φは、いずれのセクタ(21A,21B,…)においても一定である。より詳細には、いずれのセクタ(21A,21B,…)においても、サーボパターン22に最近接位置に配置された記録ドット26aは、サーボプリアンブル221から一定の距離に配置されている。この配置によって、サーボプリアンブル221に同期したクロックのタイミングに基づいて記録ドット26に対する書込みおよび読出しが可能となる。この説明をする前にクロックの生成について説明する。
【0032】
図4に示すクロック生成部6bは、サーボプリアンブル221からリードヘッド3aによって読み出された信号に基づいて、続く位置情報パターン222の読出しタイミングを決定するサーボクロックSCLKを生成する。また、クロック生成部6bはサーボクロックSCLKを、上述したピッチp,sの整数比に応じて逓倍・分周することにより、記録ドット26からの読出しタイミングを決定するリードクロックRCLK、およびライトクロックWCLKを生成する。
【0033】
リードヘッド3aによって位置情報パターン222から読み出された信号は、読出し部6aから制御部6fに供給される。制御部6fは、読み出された信号によって磁気ヘッド3の位置を制御する。また、リードヘッド3aによって記録ドット26から読み出された信号も制御部6fに供給される。また、ライトヘッド3bには、制御部6fから出力された信号が供給され、信号の情報がライトクロックWCLKのタイミングで記録ドット26に書き込まれる。
【0034】
図6は、図4に示すクロック生成部の内部構成を示すブロック図である。
【0035】
図6に示すクロック生成部6bは、サーボクロック生成部61およびライトクロック生成部62を備えている。
【0036】
サーボクロック生成部61は、PLL(Phase−Locked Loop)回路を備えており、サーボプリアンブル221から読み出された信号に同期したサーボクロックSCLKを生成する。サーボクロック生成部61は、より詳細には、PD(Phase Detector)611、VCO(Voltage Controlled Oscillator)612、および1/L分周器613を備えている。1/L分周器613は、信号周波数を1/Lに分周する回路である。Lの値は、本実施形態では1であり、この場合、サーボクロック生成部61は、サーボプリアンブル221から読み出された信号と等しい周波数のサーボクロックSCLKを出力する。なお、Lの値としては、1以外の自然数を採用することも可能である。
【0037】
ライトクロック生成部62は、サーボクロックSCLKに同期したリードクロックRCLKおよびライトクロックWCLKを生成する。これはすなわち、ライトクロック生成部62は、サーボプリアンブル221から読み出された信号に同期したリードクロックRCLKおよびライトクロックWCLKを生成することを意味する。ライトクロック生成部62もPLL回路を備えており、より詳細には、1/M分周器621、PD622、VCO623、および1/N分周器624を備えている。ここで、1/M分周器621と1/N分周器624における分周比の比M:Nは、記録ドットのピッチsとサーボプリアンブル221のピッチpの比と等しくなるように設定されている。
【0038】
ライトクロック生成部62には、位相調整部625も備えられている。位相調整部625はリードクロックRCLKとライトクロックWCLKの位相関係を調整するものであり、例えば、プログラマブルな遅延回路によって形成されている。位相の調整は、磁気ヘッド3(図4)におけるリードヘッド3aとライトヘッド3bとの位置の違いを補正するためのものである。位相の量は制御部6fによって制御される。磁気ヘッド3が1つのゾーンの中をアクセスしている間は、位相の設定量は一定に固定される。位相の設定量を決定する方法については後述する。
【0039】
クロック生成部6bでは、サーボクロック生成部61およびライトクロック生成部62によって、サーボプリアンブル221から読み出された信号に同期したリードクロックRCLK、およびライトクロックWCLKが生成される。
【0040】
図7は、図6に示すクロック生成部によって生成されたクロックと、磁気ディスク上のパターンおよびビットとの関係を説明する図である。図7には、時間の経過に伴い変化するサーボクロックSCLKとライトクロックWCLKの波形が示されている。これらの波形の上には、同じ時間の経過に伴い磁気ヘッド3が通過するセクタ21のサーボプリアンブル221および記録ドット26が示されている。
【0041】
図7に示す時刻t1で、セクタ21のサーボプリアンブル221に磁気ヘッド3(図4参照)が到達すると、サーボプリアンブル221から信号が読み出される。この結果、読み出された信号に対応したサーボクロックSCLKとライトクロックWCLKがクロック生成部6b(図4参照)によって生成される。サーボクロックSCLKとライトクロックWCLKは、磁気ヘッド3がサーボプリアンブル221を通過した後も、次のセクタのサーボプリアンブル221に到達するまで連続して生成される。ここで、クロック生成部6bの1/M分周器621および1/N分周器624による分周比M:Nは、ライトクロックWCLKが記録ドット26のピッチsに対応した周期を有するように設定されている。したがって、ライトクロックWCLKの周期は、磁気ヘッド3が記録ドット26を通過する周期と一致する。なお、本実施形態では、磁気ヘッド3が次のサーボプリアンブル221に到達すると、この新たなサーボプリアンブル221に基づいてクロックSCLK,WCLKが生成されるため、これらのクロックSCLK,WCLKは不連続となる。この不連続となる状態をクロックのリセットと称する。
【0042】
ここで、記録ドット26のうちサーボパターン22に最近接位置に配置された記録ドット26aは、サーボプリアンブル221のピッチpに対し、一定の位相関係φを有する位置に配置されている。そして、サーボプリアンブル221のピッチpに対する位相関係φはいずれのセクタにおいても一定である。したがって、記録ドット26aが磁気ヘッド3を通過するタイミングt2におけるライトクロックWCLKの位相は、トラック内全てのセクタについて一定となる。このため、ライトクロックWCLKの位相を一定量ずらす調整を行うと、いずれのセクタにおいても、ライトクロックWCLKによる、記録ドット26への情報の書込みタイミングが記録ドット26の通過タイミングに一致する。
【0043】
したがって、本実施形態の磁気ディスク2によれば、ライトプリアンブルといったライトクロック生成専用のパターンを用いなくとも、記録ドット26への情報の書込みが行える。よって、ライトプリアンブルを除去して記録ドットを配置することにより、記録容量の増加が可能となる。
【0044】
次に、ライトクロックWCLKの位相調整について説明する。
【0045】
図8は、記録ドットとライトクロックWCLKの位相関係を説明する図である。図8には、磁気ディスク2上のサーボプリアンブル221および記録ドット26と磁気ヘッド3が模式的に示されている。
【0046】
磁気ヘッド3には、リードヘッド3aとライトヘッド3bが距離Gだけ離れて設けられている。このため、リードヘッド3aによって記録ドット26から情報の読出しが最適に行われるタイミングとライトヘッド3bによって書込みが最適に行われるタイミングには差がある。この距離Gは、製品ごとの偏差を有している。また、リードヘッド3aおよびライトヘッド3bは、トラックに対し斜めに並ぶため、リードヘッド3aとライトヘッド3bとは、磁気ディスク2の径方向にも離れている。
【0047】
図6に示す位相調整部625における位相関係の調整は、磁気ヘッド3のリードヘッド3aとライトヘッド3bとの位置の差を補正するためのものである。
【0048】
ここで、調整する位相の量は、ライトクロックの位相条件を微小に変化させながら、記録ドット26に対する書き込みおよび読出しを繰返して、最適な位相を探し出すことによっても決定できる。しかし、この方法では、最適な位相を探し出すためには多数の試行が必要となる。そこで本実施形態では、磁気ディスク2上にこれまで説明してきた情報格納領域25とは別の試し書き領域24(図5のパート(A))を配置することで、試行回数を低減している。
【0049】
磁気ディスク2の試し書き領域24のセクタには、情報格納領域25と同様にサーボパターンおよび記録ドットが配置されている。しかし、記録ドットのピッチは互いに異なる。また、試し書き領域24における記録ドット(以降、試し書きドットと称する。)は、周方向に進むにつれて径方向にも連続的に変化したスパイラル状に配列されている。
【0050】
図9は、磁気ディスク上の情報格納領域におけるトラックと試し書き領域におけるトラックの配列を模式的に示す図である。
【0051】
図5を参照して説明したように、情報格納領域25におけるトラックTyは円形であるのに対し、試し書き領域24ではトラックTyがスパイラル状になっている。すなわち、試し書き領域24における試し書きドットは、周方向に進むにつれて径方向に連続的に変化したスパイラル状に配列されている。図5では、スパイラルの形状が見易さのため極端に拡大されて示されているが、試し書き領域24におけるトラックTyの半径は、実際には1トラックの幅の範囲で変位している。
【0052】
図10は、磁気ディスク上の情報格納領域におけるトラックと試し書き領域におけるトラックの配列を拡大して示した図である。図10には、情報格納領域25におけるトラックTy,Ty+1…と試し書き領域24におけるトラックTx,Tx+1,Tx+2が1セクタ分示されている。
【0053】
試し書きドット27は、磁気ディスクの周方向に進むにつれて径方向にも連続的に変化して配列されている。また、情報格納領域25のトラックTy,Ty+1…には、1セクタ当たりN個の記録ドット26が配置されている。したがって、記録ドット26の配列周期すなわちピッチp1は、記録ドットが配置された記録ドット領域23の周方向の長さの1/N(ここでNは自然数)である。一方、試し書き領域24のトラックTx,Tx+1,Tx+2には、1セクタ当たりN±K個の試し書き記録ドット27が配置されている。したがって、試し書き記録ドット27の配列周期すなわちピッチp2は、記録ドット領域23の周方向の長さの1/(N±K)(ここでKは自然数)である。なお、図10には、Kの値を2、符号を+とした場合の例が示されている。
【0054】
図11は、図10に示す記録ドットと試し書き記録ドットの周方向における位置の差gを、ピッチp1に対する比、すなわち位相差g/p1として示したグラフである。位相差のグラフは、1セクタ当たり、上記Kの値の数だけ繰返す波形を有している。図11には、Kの値を2とした場合の例が示されている。Kが2の場合、位相差のグラフは、1セクタで2回繰返す波形を有している。この場合、サーボパターン22の領域を避けたセクタの中央付近で、−180°から、+180°まで一通りの位相差をもって試し書きを実施することができる。
【0055】
磁気ディスク2に試し書きを実行する場合にも、情報格納領域25の記録ドット26に対する記録と同様に、サーボプリアンブル221から読み出された信号に周期が同期したライトクロックWCLKがクロック生成部6b(図4参照)によって生成される。ライトクロックWCLKの周期は、記録ドット26のピッチp1、すなわち記録ドット領域23の周方向の長さの1/Nに対応しており、試し書きドット27のピッチp1、すなわち記録ドット領域23の周方向の長さの1/(N+2)からずれている。この周期で、トラックTx上の全てのセクタの全ての試し書きドット27に同一の情報の書込みを行う。この後、試し書きドット27から情報の読み出しを行うとともに、読み出された信号の振幅を測定し、振幅が最大となった試し書きドット27を特定する。この特定された試し書きドット27に、情報が最大効率で書き込まれたことになる。この特定された試し書きドット27における、記録ドット26からの位相のずれは図11に示すように予め判明しており、このずれが、図6に示す位相調整部63で設定されるべき位相の量となる。また、振幅が最大となった試し書きドット27が、磁気ディスク2の周回上におけるいずれの位置かによって、図9に示す径方向の位置から、径方向のずれ補正量も得られる。
【0056】
本実施形態の磁気ディスク2によれば、情報格納領域25の記録ドットに位相および径方向のずれ条件を微小に変化させながら書込みを実行して結果を確認する方法に比べ、補正量の取得に要する時間が短縮する。
【0057】
以上説明した第1実施形態では、図7を参照して説明したように、クロック生成部6bがクロックSCLK,WCLKを生成する際に、磁気ヘッド3がサーボプリアンブル221に到達する度に、生成されるクロックSCLK,WCLKがリセットされる。すなわち不連続となる。次に、サーボクロックSCLKのリセットが回避された第2実施形態のHDDについて説明する。第2実施形態のHDDは、磁気ディスク2におけるセクタ21のそれぞれの周方向の長さが、サーボパターン22のピッチpの整数倍である点が第1実施形態のHDD1と異なる。この他の点は第1実施形態と同じであるので第1実施形態における各要素と同一の符号を付けて説明する。
【0058】
図12は、第2実施形態におけるHDDのクロック生成部で生成されたクロックと、磁気ディスク上のパターンおよびビットとの関係を説明する図である。
【0059】
図12に示す時刻t1で、セクタ21のサーボプリアンブル221に磁気ヘッド3(図4参照)が到達すると、サーボプリアンブル221から信号が読み出される。読み出された信号に同期したサーボクロックSCLKとライトクロックWCLKがクロック生成部6b(図4参照)によって生成される。サーボクロックSCLKとライトクロックWCLKは、磁気ヘッド3がサーボプリアンブル221を通過した後も、次のセクタのサーボプリアンブル221に到達するまで連続して生成される。磁気ヘッド3が次のサーボプリアンブル221に到達すると、新たなサーボプリアンブル221に対する同期が取られる。ここで、第2実施形態のHDDでは、セクタ21のそれぞれの周方向の長さが、サーボパターン22のピッチpの整数倍である。このため、サーボクロックSCLKはリセットされず連続となる。
【0060】
この第2実施形態によれば、サーボクロックSCLKがセクタごとにリセットされないので、同期を維持するための時間が短縮する。このため、サーボプリアンブルの配置領域を縮小することが可能となる。このことは、[課題を解決するための手段]の欄で説明した基本形態に対し、「上記複数のセクタのそれぞれの上記周方向の長さが、上記サーボパターンのピッチの整数倍である」という応用形態が好適であることを意味する。
【0061】
次に、ライトクロックWCLKのリセットも回避された第3実施形態について説明する。第3実施形態のHDDは、磁気ディスク2におけるセクタ21のそれぞれの周方向の長さが、サーボパターン22のピッチpの整数倍であり、かつ、記録ドット26のピッチsの整数倍である点が第1実施形態のHDD1と異なる。この他の点は第1実施形態と同じであるので第1実施形態における各要素と同一の符号を付けて説明する。
【0062】
図13は、第3実施形態におけるHDDのクロック生成部で生成されたクロックと、磁気ディスク上のパターンおよびビットとの関係を説明する図である。
【0063】
図13に示す時刻t1で、セクタ21のサーボプリアンブル221に磁気ヘッド3(図4参照)が到達すると、サーボプリアンブル221から信号が読み出される。読み出された信号に同期したサーボクロックSCLKとライトクロックWCLKがクロック生成部6b(図4参照)によって生成される。磁気ヘッド3が次のサーボプリアンブル221に到達すると、新たなサーボプリアンブル221に対する同期が取られる。第3実施形態のHDDでは、セクタ21のそれぞれの周方向の長さが、サーボパターン22のピッチpの整数倍である。第3実施形態のHDDでは、さらに、記録ドット26のピッチsの整数倍であるため、サーボクロックSCLKおよびライトクロックWCLKの双方がリセットされず連続となる。
【0064】
この第3実施形態によれば、ライトクロックWCLKがセクタごとにリセットされないので、ライトクロックWCLKによる書込みタイミングの安定性が向上する。このことは、上記基本形態に対し、「上記複数のセクタのそれぞれの前記周方向の長さが、上記記録ドットのピッチの整数倍である」という応用形態が好適であることを意味する。
【0065】
以下、上述した基本形態および応用形態を含む種々の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0066】
(付記1)
円板状の基板上に形成され前記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、該基板の周方向に所定のピッチで並んだ、磁気的に情報が記録される複数の記録ドットとをそれぞれ有する、該基板の周方向に並んだ複数のセクタを有する情報記憶媒体であって、
前記サーボパターンは、前記記録ドットのピッチに対し所定の整数比を有するピッチで前記周方向に並んだ磁気パターンを有し、
複数のセクタのそれぞれに含まれる複数の記録ドットは、該複数の記録ドットのうち前記サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドットが、該複数の記録ドットが含まれるセクタのサーボパターンのピッチに対し、該複数のセクタのうちのいずれのセクタにおいても、一定の位相関係を有する位置に配置されたものであることを特徴とする情報記憶媒体。
【0067】
(付記2)
前記複数のセクタのそれぞれの前記周方向の長さが、前記サーボパターンのピッチの整数倍であることを特徴とする付記1記載の情報記憶媒体。
【0068】
(付記3)
前記複数のセクタのそれぞれの前記周方向の長さが、前記記録ドットのピッチの整数倍であることを特徴とする付記2記載の情報記憶媒体。
【0069】
(付記4)
情報記憶媒体と
前記情報記憶媒体の周回に沿って相対的に移動しながら該情報記憶媒体に情報を記録する記録部を備え、
前記情報記憶媒体は、
円板状の基板上に形成され前記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、該基板の周方向に所定のピッチで並んだ、磁気的に情報が記録される複数の記録ドットとをそれぞれ有する、該基板の周方向に並んだ複数のセクタを有し、
前記サーボパターンは、前記記録ドットのピッチに対し所定の整数比を有するピッチで前記周方向に並んだ磁気パターンを有し、
複数のセクタのそれぞれに含まれる複数の記録ドットは、該複数の記録ドットのうち前記サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドットが、該複数の記録ドットが含まれるセクタのサーボパターンのピッチに対し、該複数のセクタのうちのいずれのセクタにおいても、一定の位相関係を有する位置に配置されたものであることを特徴とする情報記憶装置。
【0070】
(付記5)
円板状の基板上に形成され前記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、該基板の周方向に所定のピッチで並んだ、磁気的に情報が記録される複数の記録ドットとをそれぞれ有する、該基板の周方向に並んだ複数のセクタを有する情報記憶媒体であって、
前記サーボパターンと、前記複数の記録ドットの並びに沿って、前記複数の記録ドットのピッチとは異なる試し書きピッチで周回状に並んだ複数の試し書きドットとを有する複数の試し書きセクタを有し、
前記複数の記録ドットのピッチが、前記セクタのうち前記記録ドットが配置された領域の周方向の長さの1/N(ここでNは自然数)であり、
前記試し書きピッチが、前記試し書きセクタのうち前記試し書きドットが配置された領域の周方向の長さの1/(N±K)(ここでKは自然数)であることを特徴とする情報記憶媒体。
【0071】
(付記6)
前記Nが2であることを特徴とする付記5記載の情報記憶媒体。
【0072】
(付記7)
前記複数の試し書きドットが、前記基板上に、周方向に進むにつれて径方向にも連続的に変化したスパイラル状に配列されたものであることを特徴とする付記5または6記載の情報記憶媒体。
【0073】
(付記8)
情報記憶媒体と
前記情報記憶媒体の周回に沿って相対的に移動しながら該情報記憶媒体に情報を記録する記録部を備え、
前記情報記憶媒体が、
円板状の基板上に形成され前記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、該基板の周方向に所定のピッチで並んだ、磁気的に情報が記録される複数の記録ドットとをそれぞれ有する、該基板の周方向に並んだ複数のセクタ、および
前記サーボパターンと、前記複数の記録ドットの並びに沿って、前記複数の記録ドットのピッチとは異なる試し書きピッチで周回状に並んだ複数の試し書きドットとを有する複数の試し書きセクタを有し、
前記複数の記録ドットのピッチが、前記セクタのうち前記記録ドットが配置された領域の周方向の長さの1/N(ここでNは自然数)であり、
前記試し書きピッチが、前記試し書きセクタのうち前記試し書きドットが配置された領域の周方向の長さの1/(N±K)(ここでKは自然数)であることを特徴とする情報記憶装置。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】パターンドメディア方式の磁気ディスクの構造を模式的に示す斜視図である。
【図2】磁気ディスクにおける各領域の一般的な配置を示す図である。
【図3】パターンドメディア方式の磁気ディスクの記録ドットとライトクロックとの関係を説明する図である。
【図4】情報記憶装置の具体的な第1実施形態であるハードディスク装置を示す図である。
【図5】図4に示す磁気ディスクの詳細を示す図である。
【図6】図4に示すクロック生成部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示すクロック生成部によって生成されたクロックと、磁気ディスク上のパターンおよびビットとの関係を説明する図である。
【図8】記録ドットとライトクロックWCLKの位相関係を説明する図である。
【図9】磁気ディスク上の情報格納領域におけるトラックと試し書き領域におけるトラックの配列を模式的に示す図である。
【図10】磁気ディスク上の情報格納領域におけるトラックと試し書き領域におけるトラックの配列を拡大して示した図である。
【図11】図10に示す記録ドットと試し書き記録ドットの周方向における位置の差を示したグラフである。
【図12】第2実施形態におけるHDDのクロック生成部で生成されたクロックと、磁気ディスク上のパターンおよびビットとの関係を説明する図である。
【図13】第3実施形態におけるHDDのクロック生成部で生成されたクロックと、磁気ディスク上のパターンおよびビットとの関係を説明する図である。
【符号の説明】
【0075】
1 HDD(情報記憶装置)
2 磁気ディスク(情報記憶媒体)
3 磁気ヘッド
3b ライトヘッド(記録部)
3a リードヘッド
6 制御回路
6a 読出し部
6b クロック生成部
6c 書込み部6c
6f 制御部
21 セクタ
22 サーボパターン
23 記録ドット領域
24 試し書き領域
25 情報格納領域
26 記録ドット
221 サーボプリアンブル
222 位置情報パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の基板上に形成され前記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、該基板の周方向に所定のピッチで並んだ磁気的に情報が記録される複数の記録ドットと、をそれぞれ有する該基板の周方向に並んだ複数のセクタを有する情報記憶媒体であって、
前記サーボパターンは、前記記録ドットのピッチに対し所定の整数比を有するピッチで前記周方向に並んだ磁気パターンを有し、
複数のセクタのそれぞれに含まれる複数の記録ドットは、該複数の記録ドットのうち前記サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドットが、該複数の記録ドットが含まれるセクタのサーボパターンのピッチに対し、該複数のセクタのうちのいずれのセクタにおいても、一定の位相関係を有する位置に配置されたものであることを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項2】
前記複数のセクタのそれぞれの前記周方向の長さが、前記サーボパターンのピッチの整数倍であることを特徴とする請求項1記載の情報記憶媒体。
【請求項3】
前記複数のセクタのそれぞれの前記周方向の長さが、前記記録ドットのピッチの整数倍であることを特徴とする請求項2記載の情報記憶媒体。
【請求項4】
情報記憶媒体と
前記情報記憶媒体の周回に沿って相対的に移動しながら該情報記憶媒体に情報を記録する記録部を備え、
前記情報記憶媒体は、
円板状の基板上に形成され前記基板の径方向の位置を表す情報が磁気的に記録されたサーボパターンと、該基板の周方向に所定のピッチで並んだ磁気的に情報が記録される複数の記録ドットと、をそれぞれ有する該基板の周方向に並んだ複数のセクタを有し、
前記サーボパターンは、前記記録ドットのピッチに対し所定の整数比を有するピッチで前記周方向に並んだ磁気パターンを有し、
複数のセクタのそれぞれに含まれる複数の記録ドットは、該複数の記録ドットのうち前記サーボパターンに最近接位置に配置された記録ドットが、該複数の記録ドットが含まれるセクタのサーボパターンのピッチに対し、該複数のセクタのうちのいずれのセクタにおいても、一定の位相関係を有する位置に配置されたものであることを特徴とする情報記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−118130(P2010−118130A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292534(P2008−292534)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】