説明

情報記録再生装置、情報記録装置、情報再生装置、情報記録再生方法および情報記録再生プログラム

【課題】メモ情報を、登録時の状況等に応じて適切に管理し、周囲の状況に応じて、適切に提供して利用できるようにする。
【解決手段】メモ情報の入力モード時には、無線通信部12を通じて取得された1以上の無線IDとキー操作部60を通じて受け付けられたメモ情報とを関連付けられて、記録媒体42に記録する。メモ情報の出力モード時には、無線通信部12を通じて取得された1以上の無線IDがキー情報として用いて、記録媒体42から出力すべきメモ情報を検索し、検索したメモ情報を画像出力処理部31、LCD32を通じて出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、メモ情報等のユーザ入力情報を記録し、これを利用できるようにする装置、方法、プログラム、メモ情報等のユーザ入力情報を記録する装置、記録媒体に記録されたメモ情報等のユーザ入力情報を再生する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末、電子手帳、ハンドヘルド・コンピュータ、IC(Integrated Circuit)レコーダ等、エンドユーザ個人によって持ち運ばれて利用される種々の携帯情報端末が広く用いられるようになってきている。携帯電話端末は、携帯電話ネットワークを介してインターネットに接続し、コンテンツの閲覧やダウンロードなどが可能であるが、その他の携帯情報端末にも無線通信機能を搭載して、あるいは、無線通信機能を増設することにより、無線LAN(Local Area Network)に接続し、当該無線LANを通じて情報の送受ができるものも提供されるようになってきている。
【0003】
そして、後に記す特許文献1には、無線通信機能を搭載した携帯端末を用いて構成する、鉄道における乗換ナビゲーションシステム及びシステム機器についての発明が開示されている。この特許文献1に記載の発明は、携帯端末に入力された目的駅の情報を、駅改札口等に設置された無線送受信器を通じて経路検索DBに送信し、経路検索DBにおいて乗車時間/料金などを基に最適な経路を演算して、その結果の情報である乗換情報を、無線送受信器を経由して携帯端末に返信する。
【0004】
当該乗換情報には、キーとなる無線発信機(駅などに設置されるもの)の無線IDも含まれている。キーとなる無線発信機は、乗換駅の手前の駅間に設置された無線発信機、乗換駅に設置された無線発信機などの新たな行動を必要とする位置に設置される。これにより、携帯端末においては、キーとなる無線発信機から乗換情報に含まれる無線IDと同じ無線IDを受信した場合に、それに応じたメッセージ、例えば、「次駅乗換」、「乗換駅」などの情報を適切なタイミングでユーザに通知することができるようにしている。
【0005】
この特許文献1に記載の発明により、単に目的駅を入力するだけで、ユーザの行動や移動の状況に応じて目的駅までの案内が的確に提供されるので、鉄道に不慣れなユーザであっても、安心して鉄道を利用することができるようにされる。このように、無線通信機能を搭載した携帯端末(携帯情報端末)を用いる種々のシステムが考えられている。
【0006】
なお、上述した特許文献1は以下の通りである。
【特許文献1】特開2004−352069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年においては、家庭内やオフィスビル内はもとより、例えば、上述した特許文献1に記載の乗換ナビゲーションシステムのように、駅構内に無線LANへの接続のための多数のアクセスポイントを設置したり、電車内から無線LANに接続できるようにしたりするなど、種々の場所に無線LANが形成されるようになってきている。また、例えば、山手線によって囲まれた範囲内なら何処からでも接続可能、あるいは、○○市内なら何処からでも接続可能などというように、所定の無線LANに接続可能なエリアも広範囲化してきている。
【0008】
そして、外出先からでも無線LANを経由してインターネットに接続し、必要な情報を収集したり、電子メールを送受信したりすることを安価に行うことが可能な環境が整えられてきている。このため、無線LANに接続するための無線通信機能を備えた種々の携帯情報端末が今後ますます利用されるようになると考えられる。
【0009】
このような携帯情報端末において、基本的な機能として「メモ帳機能」や「スケジュール帳機能」がある。一般的な「メモ帳機能」は、例えば、メモキーを押下操作するなどの簡単な操作で文字情報あるいは音声情報の入力モードなり、文字情報あるいは音声情報の入力を受け付けてこれを記録媒体に記憶保持し、必要に応じて読み出して再生することができるようにするものである。
【0010】
また、一般的な「スケジュール帳機能」は、日時情報に対応させてスケジュール情報を登録し、タイマー(時計回路)が提供する現在日時情報と比較することによって、スケジュール情報が登録された日時が到来する前に、登録されたスケジュール情報を表示するなどしてユーザに提示することによって、予定があることをユーザに通知することができるようにするものである。
【0011】
携帯情報端末に搭載される記録媒体も小型化、大容量化が進み、大量のメモ情報やスケジュール情報を記憶して管理することができ、検索も高速に行うことができるので、非常に便利である。しかし、検索のための条件(キーワードなど)をユーザ自身が憶えておかないと、正確かつ迅速な検索を行うことができず、記憶しているメモ情報やスケジュール情報を有効に活用することができなくなる可能性がある。
【0012】
そこで、今後ますます普及するであろう無線通信機能を備えた携帯情報端末において、その基本的な機能として提供される「メモ帳機能」を、より使い勝手のよいものとして利用できるようにすることが望まれる。
【0013】
以上のことに鑑み、この発明は、メモ情報等のユーザ入力情報を、その情報を登録しようとした場合の状況等に応じて適切に管理し、周囲の状況等に応じて、適切なユーザ入力情報を自動的に提供して利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の情報記録再生装置は、
1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信する受信部と、
上記受信部を通じて受信された1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得する情報取得部と、
メモ情報入力部と、
メモ情報の入力モードにあるときに、上記情報取得部を通じて取得された1以上の上記装置識別情報と上記メモ情報入力部を通じて受け付けられたメモ情報とを関連付けて記録媒体に記録する情報記録部と、
メモ情報の出力モードにあるときに、上記情報取得部を通じて取得された1以上の上記装置識別情報をキー情報として上記記録媒体に記録されている情報から出力すべきメモ情報を検索する情報検索部と、
上記情報検索部によって検索されたメモ情報を出力する情報出力部と
を備えたことを特徴とする。
【0015】
この請求項1に記載の発明の情報記録再生装置によれば、メモ情報の入力モード時には、情報取得部により取得された1以上の装置識別情報とメモ情報入力部を通じて受け付けられたメモ情報とが関連付けられて、情報記録部によって記録媒体に記録される。そして、メモ情報の出力モード時には、その出力処理時において情報取得部により取得された1以上の装置識別情報が情報検索部によってキー情報として用いられて、出力すべきメモ情報が検索され、ここで検索されたメモ情報が情報出力部を通じて出力するようにされる。
【0016】
このように、メモ情報の入力時においての無線装置の存在状況が、受信した無線信号から取得される1以上の装置識別情報によって把握され、この1以上の装置識別情報とメモ情報とが関連付けられて記憶保持される。そして、メモ情報の出力時においては、入力時と同様に、無線装置の存在状況が、受信した無線信号から取得される1以上の装置識別情報によって把握され、この出力時における無声装置の存在状況にできるだけ類似する存在状況時に入力されたメモ情報が優先して出力するようにされる。
【0017】
これにより、メモ情報等のユーザ入力情報を、その情報を登録しようとした場合の状況等に応じて適切に管理し、周囲の状況等に応じて、適切なユーザ入力情報を自動的に提供して利用できるようにされる。
【発明の効果】
【0018】
メモ情報等のユーザ入力情報を、その情報を登録しようとした場合の周りの状況等に応じて適切に管理することができる。また、メモ情報等のユーザ入力情報を、周りの状況等に応じて、適切に検索し、出力することができる。これにより、適切なタイミングで、適切な内容のメモ情報等のユーザ入力情報を利用できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。なお、この発明は、例えば、無線LANなどに接続するための無線通信機能を備えた種々の携帯情報端末に適用することができるものである。以下においては、説明を簡単にするため、無線LANに接続するための無線通信機能を備え、画像(静止画像や動画像)と音声の記録及び再生が可能な電子手帳やハンドヘルド・コンピュータなどの携帯情報端末に適用した場合を例にして説明する。
【0020】
[携帯情報端末について]
図1は、この発明による装置、方法、プログラムが適用されたこの実施の形態の携帯情報端末100を説明するためのブロック図である。図1に示すように、この実施の形態の携帯情報端末100は、通信部10、音声出力部20、画像出力部30、記録媒体ドライブ40、制御部50、キー操作部60、音声入力部70、画像入力部80、その他、図示しないが、外部機器との間で直接的に情報をやり取りするための外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)や現在年月日や現在時刻を提供する時計回路などをも備えるものである。
【0021】
無線部10は、無線LANへの接続を可能にするための部分であり、送受信アンテナ11と無線通信部12とからなっている。送受信アンテナ11は、無線信号を受信して後段の回路に供給するとともに、自機から送出する信号の供給を受けてこれを送信するものである。
【0022】
無線通信部12は、送受信アンテナ11によって受信された種々の受信信号の供給を受けて、無線LANで用いられている周波数帯域の信号を受信選局し、選局した信号を復調して送信されてきたデジタル信号を抽出し、これを制御部50に供給する。また、無線通信部12は、制御部50からの送信すべきデジタル信号の供給を受けて、これを変調するとともに増幅するなどの処理を行って送信信号を形成し、これを送受信アンテナ11を通じて送信する。
【0023】
このような通信部10の機能によって、この実施の形態の携帯情報端末100は、無線LANを介してインターネットに接続し、Webページを閲覧したり、種々のコンテンツや種々のデータをダウンロードしてきたり、また、電子メールの送受信を行ったりすることができるようにされる。
【0024】
また、この実施の形態の無線通信部12は、電界強度検出部121を備え、受信選局した信号の電界強度を検出して、これを制御部50に供給する。また、詳しくは後述もするように、通信部10は、無線LANで用いられる周波数帯域の種々の信号をスキャニングし、受信選局できた信号を復調して、これに含まれる送信元である携帯情報端末やアクセスポイントなどの種々の無線装置のID(端末識別情報)を抽出して、これを制御部50に供給する。
【0025】
このように、この実施の形態の携帯情報端末100の通信部10は、受信選局した信号から無線装置のID(以下、無線IDという。)を抽出してこれを制御部50に供給するとともに、受信選局した無線信号の電界強度を検出して、これを制御部50に供給することができるものである。すなわち、この実施の形態において、通信部10の無線通信部12は、無線信号を受信する受信部と受信した信号から送信元の無線IDを取得する情報取得部としての機能を実現している。
【0026】
音声出力部20は、音声出力処理部21とスピーカ22とを備えている。音声出力処理部21は、制御部50により制御され、音声データの供給を受けて、スピーカ22に供給する音声信号を形成するものである。また、音声出力処理部21は、制御部50からの制御によって、音量や音質の調整などの処理をも行うことができるものである。スピーカ22は、音声出力処理部21からの音声信号の供給を受けてこれに応じた音声を放音するものである。
【0027】
画像出力部30は、画像出力処理部31とLCD(Liquid Crystal Display)32とを備えている。画像出力処理部31は、制御部50により制御され、画像データの供給を受けて、LCD32に供給する画像信号(映像信号)を形成するものである。また、画像出力理部31は、制御部50からの制御によって、画質の調整などの処理をも行うことができるものである。LCD32は、比較的に大きな表示画面を備えたものであり、画像処理部31からの画像信号の供給を受けてこれに応じた画像を自己の表示画面に表示するものである。
【0028】
記録媒体ドライブ40は、例えば、ハードディスクドライブであり、インターフェース(以下、I/Fと略称する。)41と、記憶媒体としてのハードディスク42とを備え、通信部10を通じて取得した種々のコンテンツデータや、後述するキー操作部60を通じて受け付けたメモ情報等や、後述する音声入力部70を通じて取り込んだ音声データや後述する画像入力部80を通じて取り込んだ画像データ等を記憶保持するものである。この他、当該記録媒体ドライブ40の記録媒体42には、オペレーティングシステムのプログラムや処理に必要になる種々のデータ等も格納され、制御部50によって必要に応じて読み出され、利用することもできるようにしている。
【0029】
なお、この実施の形態の携帯情報端末において、記録媒体ドライブ40は、ハードディスクドライブであるものとして説明するが、記憶ドライブ40としては、例えば、半導体メモリドライブ、DVDなどの光ディスクドライブ、MDなどの光磁気ディスクドライブなどの種々の記録媒体を用いるドライブによって構成することもできる。また、記録媒体は、内蔵型の構成とすることも可能であるし、着脱可能な構成とすることも可能である。
【0030】
制御部50は、この実施の形態の携帯情報端末の各部を制御するマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、EEPROM(Electronic Erasable and Programmable ROM)54が、CPUバス55を通じて接続されて構成されたものである。
【0031】
ここで、CPU51は、各種のプログラムを実行し、種々のデータ処理を行ったり、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したりするなど、この実施の形態の携帯情報端末の制御の主体となるものである。ROM52は、CPU51において実行する種々のプログラムや処理に必要な種々のデータを記憶保持するものである。
【0032】
また、RAM53は、種々の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM54は、いわゆる不揮発性メモリであり、この実施の形態の携帯情報端末の電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、ユーザによって設定された種々のパラメータや新たに追加したプログラムなどを記憶保持するものである。
【0033】
そして、通信部10を通じて取り込んだ種々のデータは、制御部50を通じて記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録される。同様に、後述するキー操作部60を通じて受け付けたメモ情報等や、後述する音声入力部70を通じて取り込んだ音声データや、後述する画像入力部80を通じて取り込んだ画像データもまた、制御部50を通じて記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録される。また、記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録されたデータは、制御部50によって読み出されて、制御部50において利用される他、音声データは音声出力部20に供給されて再生され、画像データは画像出力部30に供給されて再生される。
【0034】
操作部60は、種々の操作キーを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換し、制御部50に供給することができるものである。これにより制御部50は、ユーザからの操作入力に応じて各部を制御することができるようにされる。また、例えば、メモ帳機能(メモ機能)が用いられる場合などには、文字情報(テキストデータ)の入力も、この操作部60を介して行われることになる。また、操作部60は、いわゆるマウスやタッチパッドなどの表示画面上の位置を指示し、項目の選択などを行うポインティング・デバイスを含む場合もある。
【0035】
音声入力部70は、マイクロホン71と音声入力処理部72とを備えている。マイクロホン71は、音声を集音し、これを電気信号に変換して音声入力処理部72に供給する。音声入力処理部72は、制御部50により制御され、これに供給されたアナログ音声信号を増幅してデジタル音声信号に変換し、これを制御部50に供給する。このようにして音声入力部70を通じて取り込まれた音声データは、制御部50を通じて記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録されたり、音声出力部20に供給されて再生されたりする。
【0036】
画像入力部80は、カメラ部81と画像入力処理部82とを備えている。カメラ部81は、レンズ、シャッター機構、フォーカス機構、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を備え、制御部50によって制御され、画像を取り込んで電気信号に変換し、これを画像入力処理部82に供給する。
【0037】
画像入力処理部82は、制御部82によって制御され、カメラ部81から供給される画像信号から自機において処理可能な形式の画像データを形成し、これを制御部50に供給する。このようにして画像入力部80を通じて取り込まれた画像データは、制御部50を通じて記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録されたり、画像出力部30に供給されて再生されたりする。
【0038】
なお、音声入力部70を通じて取り込んだ音声データや画像入力部80を通じて取り込んだ画像データを記録媒体42に記録する場合のデータ圧縮処理は、この実施の形態の携帯情報端末100においては、制御部50において行うようにされる。また、記録媒体42にデータ圧縮されて記録されている音声データや画像データの伸長処理(解凍処理)もまた、制御部50において行うようにされる。
【0039】
もちろん、音声入力部70を通じて取り込んだ音声データのデータ圧縮処理は、音声入力処理部72など回路で行い、画像入力部80を通じて取り込んだ画像データのデータ圧縮処理は、画像入力処理部82などの回路で行うように構成することもできる。また、記録媒体42にデータ圧縮されて記録されている音声データの伸長処理(解凍処理)は、音声出力部20の音声出力処理部21などの回路で行い、記録媒体42にデータ圧縮されて記録されている画像データの伸長処理(解凍処理)は、画像出力部30の画像出力処理部31などの回路で行うように構成することもできる。
【0040】
なお、上述もしたように、この実施の形態の携帯情報端末100は、図示しないが、外部I/Fを備えており、この外部I/Fを通じてパーソナルコンピュータなどの外部機器と接続できるようにされており、外部機器から種々のデータの供給を受けて、これを制御部50を通じて記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録したり、また、記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録されているデータを外部機器に出力したりすることもできるようにされている。
【0041】
このような構成のこの実施の形態の携帯情報端末100は、ユーザによって持ち運ばれて利用される。例えば、外出先において、無線部10を用いて無線LANに接続し、この無線LAN経由でインターネットに接続して、画像出力部30の画像出力処理31を通じてWebページをLCD32に表示して閲覧したり、必要なコンテンツをダウンロードしてきて記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録したり、また、ダウンロードしてきた音声や画像を音声出力部20や画像出力部30を通じて再生して利用したり、電子メールの送受信をしたりすることができるようにされる。
【0042】
また、記録媒体42に記録されている音声コンテンツや映像コンテンツを音声出力部20や画像出力部30を通じて再生して利用したり、キー操作部60を通じて受け付けた文字情報を画像出力部30のLCD32に表示するようにして、文章や電子メールの作成を受け付け、これを記録媒体ドライバ40の記録媒体42に記録したり、これを読み出してきて、画像出力部30の画像出力処理部31を通じてLCD32に表示して確認したり、変更したりするなどのこともできるようにされる。
【0043】
また、音声入力部70を通じて取り込んだ音声を、記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録したりすることもできるようにされる。また、画像入力部80を通じて取り込んだ画像を、画像出力処理部30の画像出力処理部31を通じてLCD32に表示して確認したり、記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録したりすることもできるようにされる。
【0044】
そして、この実施の形態の携帯情報端末100は、メモ帳機能を備え、キー操作部60に設けられたメモ帳キーを押下操作するだけで、キー操作部60を通じて受け付けた文字情報や、音声入力部70を通じて取り込んだ音声データや、画像入力部80を通じて取り込んだ画像データの1つ以上をメモ情報として記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録し、必要に応じて、音声出力処理部20や画像出力処理部30を通じて再生して利用することができるようにしている。
【0045】
しかし、この実施の形態の携帯情報端末100においてのメモ帳機能は、入力されたメモ情報を入力順に出力したり、キーワードによって検索して利用できるようにしたりするだけのものではない。この実施の形態の携帯情報端末100においてのメモ帳機能は、入力されたメモ情報を、その入力時の周囲の無線装置の存在状況に対応付けて記録媒体42に記録して管理する。
【0046】
なお、メモ情報の入力時という文言は、メモ帳機能を実行することにより、メモ情報の入力モードとしたときを意味するものであり、以下に説明するように、メモ情報を有するメモ管理情報を生成して記録媒体に記録する処理を行うようにした場合を意味している。つまり、メモ情報の入力時という文言は、この明細書においては、メモ情報を作成して記録媒体に記録する処理を行うようにした場合を意味する文言として用いている。
【0047】
そして、記録媒体42のメモ情報の利用時には、その利用時の周囲の無線装置の存在状況に基づいて、記録媒体42に記録されたメモ情報を読み出してユーザに提供することができるようにしている。すなわち、メモ情報の利用時においては、ユーザに対してキーワードの入力等の複雑な操作を要求しないようにしている。
【0048】
しかも、利用時の周囲の無線装置の存在状況に応じて読み出すメモ情報は1つだけではない。利用時の周囲の無線装置の存在状況に対して、類似性のある入力時の周囲の無線装置の存在状況が対応付けられているメモ情報の複数を利用できるようにするとともに、ユーザへの提示に際しては、利用時の周囲の無線装置の存在状況に対して、メモ情報の入力時の周囲の無線装置の存在状況がより類似性の高いモメ情報ほど優先的に提示することができるようにしている。すなわち、メモ情報は、優先度の高いものから低いものへと順に出力することができるようにしている。
【0049】
このようにすることによって、記録媒体42に蓄積したメモ情報を利用しようとした場合に、目的とするメモ情報が見つからないとか、見つけるまでに手間や時間がかかってしまうなどして、メモ情報を有効に活用することができないといった不都合を解消し、必要なときに必要なメモ情報を簡単かつ迅速に利用することができるようにしている。
【0050】
[無線通信環境について]
図2は、この実施の形態の携帯情報端末100を中心として、他の無線装置との関係を説明するための図である。無線LANシステムは、様々な場所に形成され、また、そのカバーエリアも広範囲化してきており、至る所にアクセスポイントが設けられ、無線通信機能を備えた携帯情報端末の利用者は多くなってきている。
【0051】
このため、この実施の形態の携帯情報端末100を持ち歩いて利用する多くの場合においては、携帯情報端末100の周囲には複数の無線装置が存在する。例えば、図2に示すように、この実施の形態の携帯情報端末100の周囲には、エンドユーザが使用する無線通信機能を備えた携帯情報端末101、102、103、104、105や、無線LANに接続するためのアクセスポイントAP1、AP2等の種々の無線装置が存在することになる。
【0052】
図2において、この実施の形態の携帯情報端末100が無線通信可能なエリアを円で示すと、そのエリア内(その円内)には無線通信機能を備えた他の携帯情報端末101、102、103と、無線LANへのアクセスポイントAP1が存在しており、これらの無線装置からの無線信号を携帯情報端末100が受信可能な状況にあることが分かる。
【0053】
このような状況下において、各無線装置は、ポーリングを行うなどのために、例えば、所定の周期で自機の装置識別情報としての無線IDを含む無線信号を送出するようにしている。このため、図2に示した場合においては、携帯情報端末100が、周囲にある無線装置から送信される無線信号を受信して、その無線信号に含まれる無線IDを取得することにより、その時点における無線装置の存在状況を把握することができる。
【0054】
図3は、図2に示した環境にあるときに、この実施の形態の携帯情報端末100が取得可能な無線装置の無線ID(装置識別情報)について説明するための図である。図2に登場した携帯情報端末100以外の各無線装置の無線IDが以下に示すように、予め決められているものとする。
【0055】
すなわち、携帯情報端末101の無線IDが「aa−aa−aa−aa」であり、携帯情報端末102の無線IDが「bb−bb−bb−bb」であり、携帯情報端末103の無線IDが「cc−cc−cc−cc」であり、携帯情報端末104の無線IDが「dd−dd−dd−dd」であり、携帯情報端末105の無線IDが「ee−ee−ee−ee」であり、アクセスポイントAP1の無線IDが「xx−xx−xx−xx」であり、アクセスポイントAP2の無線IDが「yy−yy−yy−yy」であるとする。
【0056】
そして、図2に示した状態にある場合に、携帯情報端末100が受信可能な無線信号は、携帯情報端末101、携帯情報端末102、携帯情報端末103、および、アクセスポイントAP1からのものであるので、携帯情報端末100は、図3Aに示したように、携帯情報端末101と携帯情報端末102と携帯情報端末103とのそれぞれの端末IDを取得することができるとともに、図3Bに示すように、アクセスポイントAP1の端末IDを取得することができる。
【0057】
図3A、Bに示したように、携帯情報端末とアクセスポイントとを分けるようにしたのは、例えば、端末IDによって、あるいは、受信信号のヘッダ部分の情報等により、無線信号の送信元の装置が、エンドユーザによって使われる携帯情報端末か、無線LANに接続するための予め設置するようにされているアクセスポイントなのかなど、無線装置の種類を区別することができるためである。
【0058】
このような区別が可能であることによって、例えば、設置されたアクセスポイントの端末IDを取得すれば、何処に設置されたアクセスポイントであるかが予め分かっていれば、携帯情報端末100の現在位置などをある程度、絞り込むことも可能となるなどのメリットがある。
【0059】
そして、図2に示した例の場合の無線装置の存在状況は、図3に示したように、そのときに受信した各無線装置からの端末IDによって把握することができる。しかし、図2に示した無線装置の存在状況は、携帯情報端末100のユーザが移動したり、他の携帯情報端末101、102、103、104、105等が移動したりした場合には当然に変化する。
【0060】
つまり、携帯情報端末100のユーザが、図2においてその上側に移動したとすれば、アクセスポイントAP1は無線通信可能なエリアから出て、代わりにアクセスポイントAP2が無線通信可能なエリアに入などの変化を生じさせる。同様に、携帯情報端末100以外の他の携帯情報端末101、102、103、104、105等が移動することにより、無線通信可能なエリア内に存在する無線通信可能な携帯情報端末の状態は変化する。
【0061】
このように、無線装置の存在状況は、自己も含め周囲の無線装置が全く移動することがない状況である場合を除けば、常に変化するものであるといえる。したがって、この無線装置の存在状況は、時点時点においての固有の識別情報となり得るものである。その一方で、同じ場所にくれば、同じアクセスポイントからの無線信号を受信することができ、また、無線通信機能を備えた携帯情報端末を持った同じ人物と合えば、その携帯情報端末からの無線信号を受信することができる。このように、無線装置の存在状況は、ある程度の再現性を持ち、全く同じ状況になることは少ないものの、類似した存在状況が発生する必然性をも兼ね備えている。
【0062】
この点に着目し、この実施の形態の携帯情報端末100は、メモ帳機能を用いてメモ情報を入力したときの周囲の無線装置の存在状況を取得し、これをメモ情報のキー情報として当該メモ情報に関連付けて記憶して管理する。そして、メモ情報を利用する場合には、利用時の無線装置の存在状況を把握し、これに類似する無線装置の存在状況が対応付けられているメモ情報を優先して利用できるようにしている。これにより、大量のメモ情報を記録して管理している場合であっても、必要なときに必要な情報を確実かつ迅速に利用することができるようにしている。
【0063】
なお、図2においては、携帯情報端末100との間で無線通信可能なエリアとして円で囲まれたエリアを説明した。しかし、携帯情報端末100が他の携帯情報端末101、102、103との間で認識しあって無線信号の送受信を行うエリアとして限定する必要はない。すなわち、所定の送信出力(送出パワー)で無線信号を送信するようにした場合に、携帯情報端末100が確実に受信可能な信号を送出することが可能なエリアとして、大きな円で示した内側のエリアを考えればよい。以下においても同じである。
【0064】
[周囲の無線装置の状況と作成されるメモリ管理情報との具体例について]
次に、この実施の形態の携帯情報端末100において、メモ帳機能を用いてメモ情報を入力する場合における、周囲の無線装置の状況の具体例と、そのときに作成されるメモリ管理情報の具体例について、図4〜図7を用いて説明する。
【0065】
なお、この明細書において、メモ情報は、メモ帳機能が用いられて、ユーザによって入力された文字情報(テキスト情報)、音声情報、画像情報を意味し、メモ管理情報は、少なくとも入力されたメモ情報と把握された周囲の無線装置の存在状況に応じた1つ以上の無線装置の無線IDとを関連付けて形成した情報を意味するものである。
【0066】
図4は、この実施の形態の携帯情報端末100において、メモ帳機能が用いられてメモ情報が入力される場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の一例を示す図である。例えば、携帯情報端末100のユーザが、目的とする相手であるAさんと会った場合を考える。
【0067】
この場合に、周囲にはBさん、Cさんがおり、Aさんは携帯情報端末101を、Bさんは携帯情報端末102を、Cさんは携帯情報端末103を持っており、そのそれぞれは無線LANに接続するための無線通信機能を有するものであるとする。なお、この場合において、Aさん、Bさん、Cさんの関係については全く考慮する必要はない。相互に関係のある場合もあれば、全く関係のない(無関係である)場合もある。
【0068】
この図4に示した状態にあるときに、たとえば、メモ帳機能キーを押下操作するなどして、メモ帳機能を機能させた場合を考える。すなわち、携帯情報端末100のユーザが携帯情報端末100のメモ帳機能を用いてAさんについてのメモ情報を、キー操作部60を通じて文字情報として入力する場合、すなわちメモ情報の入力モードにある場合を考える。この場合、携帯情報端末100の制御部50は、通信部10の無線通信部12を制御して、周囲に存在する1以上の無線装置のそれぞれが送出する無線信号を受信選局し、受信した無線信号から無線IDを抽出するとともに、受信した各受信信号の電界強度を電界強度検出部121を通じて検出し、これら無線IDと電界強度とを制御部50に供給する。
【0069】
制御部50は、無線通信部12からの1以上の無線IDと電界強度を示す情報の提供を受け、電界強度に応じて対応する無線IDに対する重み付けを設定する。一般に、送信側と受信側の距離が近ければ電界強度は大きく、逆に遠ければ電界強度は小さくなる。このため、電界強度に応じた重み付けは、無線装置間の距離に応じた重み付けに対応する。そして、制御部50は、入力されたメモ情報と、1以上の無線IDと、各無線IDに対応する重み付けを示す情報とを関連付けたメモ管理情報を形成し、これを記録媒体ドライブ40の記録媒体42に、I/F41を通じて記録する。
【0070】
図5は、図4の状態にあるときには形成されたメモ管理情報1を説明するための図である。図5に示すように、キー操作部60を通じて受け付けたメモ情報は、Aさんに関するものであり、「Aさん、○○月××日初対面、××××が好き、趣味は△△△△」というように、名前、対面した日付、Aさんの好みや趣味などを示す情報からなるものである。
【0071】
このメモ情報に対して、図4の状態にあるときに受信した1以上の無線装置のそれぞれから送信された無線信号のそれぞれを受信することによって得た無線IDと、同じく無線信号のそれぞれを受信することによって得た電界強度に応じて設定された重み付けを示す情報とが、キー情報として付加されるとともに、このメモ管理情報を記録媒体42に記録する処理を開始する直前に、携帯情報端末100が備える時計回路(図示せず)から取得した現在日時を示す日時情報を付加して記録する。
【0072】
この場合、メモ情報に付加されたキー情報は、「(1)無線ID:aa−aa−aa−aa、重み付け:15」、「(2)無線ID:bb−bb−bb−bb、重み付け:6」、「(3)無線ID:cc−cc−cc−cc、重み付け:2」という3つの無線装置についての情報からなるものである。
【0073】
なお、図5において、日時情報等としたのは、例えば、アクセスポイントからの無線信号を受信した場合には、そのアクセスポイントの設置位置を示す情報などをも含め、メモ情報を入力した時の携帯情報端末100のおおよその位置を把握できるようにしておくことを想定しているためである。
【0074】
したがって、図5に示した例のメモ管理情報1は、Aさんについてのメモ情報に対して、携帯情報端末101、102、103の無線IDが、重み付けを示す情報の大きい順、すなわち、携帯情報端末100に対して近い位置にある無線装置の無線IDから順に付加されるとともに、日時情報等が付加されて形成されたものである。
【0075】
図6は、この実施の形態の携帯情報端末100において、メモ帳機能が用いられてメモ情報が入力される場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の他の一例を示す図である。ここでは、図4に示した状況の後(例えば数週間後)に、携帯情報端末100のユーザが、再度、目的とする相手であるAさんと会った場合を考える。
【0076】
この場合に、周囲にはAさんの他には、Dさんだけがおり、Dさんは無線LANに接続するための無線通信機能を有する携帯情報端末104を持っていたとする。この場合において、Aさん、Dさんの関係については全く考慮する必要はない。相互に関係のある場合もあれば、全く関係のない(無関係である)場合もある。
【0077】
この図6に示した状態にあるときに、上述もしたように、メモ帳機能キーを押下操作するなどして、メモ帳機能を機能させた場合を考える。すなわち、携帯情報端末100のユーザが携帯情報端末100のメモ帳機能を用いてAさんについてのメモ情報を、キー操作部60を通じて文字情報として入力する場合、すなわちメモ情報の入力モードにある場合を考える。
【0078】
この場合、携帯情報端末100の制御部50は、上述もしたように、通信部10の無線通信部12を制御して、周囲に存在する1以上の無線装置のそれぞれが送出する無線信号を受信選局し、受信した無線信号から無線IDを抽出するとともに、受信した各受信信号の電界強度を電界強度検出部121を通じて検出し、これら無線IDと電界強度とを制御部50に供給する。
【0079】
制御部50は、上述もしたように、提供を受けた電界強度に応じて対応する無線IDに対する重み付けを設定する。そして、制御部50は、入力されたメモ情報と、1以上の無線IDと、各無線IDに対応する重み付けを示す情報とを関連付けたメモ管理情報を形成し、これを記録媒体ドライブ40の記録媒体42に、I/F41を通じて記録する。
【0080】
図7は、図6の状態にあるときには形成されたメモ管理情報2を説明するための図である。図7に示すように、キー操作部60を通じて受け付けたメモ情報は、Aさんに関するものであり、「Aさん、○○月××日、□□□□について依頼を受けた。」というように、名前、対面した日付、Aさんからの要件の内容からなるものである。
【0081】
このメモ情報に対して、図6の状態にあるときに受信した1以上の無線装置のそれぞれから送信された無線信号のそれぞれを受信することによって得た無線IDと、同じく無線信号のそれぞれを受信することによって得た電界強度に応じて設定された重み付けを示す情報とが、キー情報として付加されるとともに、このメモ管理情報を記録媒体42に記録する処理を開始する直前に、携帯情報端末100が備える時計回路(図示せず)から取得した現在時刻を示す日時情報を付加して記録する。
【0082】
この場合、メモ情報に付加されたキー情報は、「(1)無線ID:aa−aa−aa−aa、重み付け:15」、「(2)無線ID:dd−dd−dd−dd、重み付け:2」という2つの無線装置についての情報からなるものである。
【0083】
したがって、図7に示した例のメモ管理情報2は、Aさんについてのメモ情報に対して、携帯情報端末101、104の無線IDが、重み付けを示す情報の大きい順、すなわち、携帯情報端末100に対して近い位置にある無線装置の無線IDから順に付加されるとともに、日時情報等が付加されて形成されたものである。
【0084】
このように、メモ帳機能が用いられてメモ情報が入力されると、その入力されたメモ情報と、その時の周囲の無線装置の存在状況を示す情報(無線IDと重み付けを示す情報)と、日時情報とが関連付けられたメモ管理情報が形成され、これが記録媒体42に記録され、管理される。
【0085】
図8は、記録媒体42に作成されるメモ管理情報について説明するための図である。メモ帳機能が用いられて、メモ情報が入力される毎に、図5、図7を用いて説明したように、メモ情報と、無線ID及び重み付け情報と、日時情報とからなるメモ管理情報が形成されて記録媒体42に記録されるので、図8に示すように、種々のタイミングで形成される種々のメモ管理情報が記録媒体42に蓄積されて行くことになる。
【0086】
[メモ情報の利用時の具体例について]
次に、図4〜図7を用いて説明したように記録媒体42に蓄積されるメモ管理情報のメモ情報を利用する場合の具体例について、図9〜図11を用いて説明する。ここでは、少なくとも、図5に示したメモ管理情報1と、図7に示したメモ管理情報2とが既に記録媒体42に記録されているものとする。
【0087】
図9は、この例において、記録媒体42に記録されているメモ情報を利用する場合における無線装置の存在状況を説明するための図である。なお、メモ情報を利用するようにした場合とは、例えば、携帯情報端末100のキー操作部60などに設けられたメモ情報読み出しキーが押下操作されるなどの所定の操作が行われることにより、メモ情報の読み出しを行うモード(メモ情報の出力モード)とされている場合をいう。
【0088】
図9は、携帯情報端末100のユーザが、Aさんと会ったときの周囲の無線装置の存在状況を示している。この場合、携帯情報端末100のユーザの周囲には、Aさんの他、Bさんと、Cさんが存在しているものとする。そして、上述もしたように、Aさんは携帯情報端末101を、Bさんは携帯情報端末102を、Cさんは携帯情報端末103をそれぞれ持っており、これらはいずれも無線LANに接続するための無線通信機能を備えたものである。
【0089】
このような無線装置の存在状況にあるときに、携帯情報端末100がメモ情報を利用するモードにされた場合には、携帯情報端末100の制御部50は、メモ帳機能を用いてメモ情報を入力した場合と同様にして、周囲の無線装置の存在状況を把握する。すなわち、携帯情報端末100の制御部50は、通信部10の無線通信部12を制御して、周囲に存在する1以上の無線装置のそれぞれから送信される無線信号のそれぞれを受信して、それらから無線IDを抽出するとともに、受信した1つ以上の無線信号の電界強度を電界強度検出部121を通じて検出して、これら抽出した1つ以上の無線IDと、各無線IDに対応する電界強度とを制御部50に供給する。
【0090】
図10は、図9に示した状況にあるときに、携帯情報端末100が取得する無線ID及び重み付けを示す情報について説明するための図である。図9に示した状況にあるときには、図10に示すように、携帯情報端末101の無線IDと携帯情報端末101から送出された無線信号の携帯情報端末100における電界強度に応じた重み付けを示す情報と、携帯情報端末102の無線IDと携帯情報端末102から送出された無線信号の携帯情報端末100における電界強度に応じた重み付けを示す情報と、携帯情報端末103の無線IDと携帯情報端末103から送出された無線信号の携帯情報端末100における電界強度に応じた重み付けを示す情報とが取得される。
【0091】
具体的には、図10に示すように、「(1)無線ID:aa−aa−aa−aa、重み付け:14」、「(2)無線ID:bb−bb−bb−bb、重み付け:7」、「(3)無線ID:cc−cc−cc−cc、重み付け:1」という3つの無線装置についての情報が取得できる。この図10に示す情報は、例えば、制御部50のRAM53に一時記憶される。
【0092】
そして、制御部50は、例えば、RAM53に一時記憶されたメモ情報利用時における周囲の無線装置の存在状況を示す情報に基づいて、記録媒体42に記憶保持されているメモ管理情報のキー情報を参照し、RAM53に一時記憶されたメモ情報利用時における周囲の無線装置の存在状況を示す情報に対して、類似度の高いキー情報を有するメモ管理情報のメモ情報を優先的に読み出して、これを画像出力部30に供給し、メモ情報をLCD32に表示するように制御する。
【0093】
すなわち、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報がある場合には、これに基づいて、制御部50は、記録媒体42に記録されているメモ管理情報のキー情報を参照し、類似するキー情報を有するメモ管理情報を特定する。この場合、類似度の高いキー情報を有するメモ管理情報ほど、優先度を高くする。
【0094】
具体的には、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報と全く同じキー情報を持つメモ管理情報が最も優先度が高くなる。そして、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報に対して、共通する無線IDを多く持ち、かつ、その重み付けの順番が共通する無線IDが多く、かつ、その重み付けを示す情報(重み付けの状態)が近いものほど優先度を高くする。
【0095】
そして、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報がある場合であって、図5に示したメモ管理情報1と図7に示したメモ管理情報2とが記録媒体42に既に記憶されているものとすると、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報に対して類似度が高いのは、図5に示したメモ管理情報であり、次に類似度が高い情報は、図7に示したメモ管理情報となる。
【0096】
すなわち、図5に示したメモ管理情報1のキー情報は、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報に対して、同じ3つの無線IDを有し、重み付けに応じた並び順が同じで、かつ、重み付けを示す情報の差も小さいのに対して、図7に示したメモ管理情報2のキー情報は、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報に対して、無線IDは1つだけしか一致していない。
【0097】
図11は、この例において、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報に基づいて、メモ情報を出力する場合の例を説明するための図である。上述したように、図10に示したメモ情報利用時における無線装置の存在状況を示す情報に対して類似度の高いキー情報を有するメモ管理情報は、図5に示したメモ管理情報1であり、次に類似度が高いキー情報を有するメモ管理情報は、図7に示したメモ管理情報2となる。
【0098】
このため、この実施の形態の携帯情報端末100の制御部50は、まず、図11(A)に示すように、図5に示したメモ管理情報のメモ情報を先に出力するようにし、この後、例えば、携帯情報端末100のユーザによって、改ページ操作などがなされた場合には、図11(B)に示すように、図7に示したメモ管理情報のメモ情報を出力する。
【0099】
また、優先度の高いメモ管理情報の順位付け(ランキング付け)を次のように行うようにしてもよい。メモ情報の利用時における周囲の無線装置の存在状況を示す情報を構成する1以上の無線IDに一致する無線IDをキー情報とするメモ管理情報を検出する。対応する無線IDについてのメモ情報の利用時における重み付けを示す情報と、メモ情報の入力時、すなわち、メモ管理情報の記録時(メモ管理情報の生成時)において設定された重み付けを示す情報とを乗算し、これを同じメモ管理情報のキー情報に含まれる無線IDについて累積加算して優先度ポイントする。
【0100】
具体的には、メモ情報の利用時における周囲の無線装置の存在状況を示す情報が図10に示した状態にあり、図5に示したメモ管理情報1と図7に示したメモ管理情報2とがあるとすると、図5に示したメモ管理情報1についての優先度ポイントは、図10の重み付けを示す情報と図5の重み付けを示す情報とを、同じ無線ID毎に乗算して累積加算すればよいので、(15×14+6×7+2×1)=254となる。
【0101】
これに対して、図7に示したメモ管理情報2についての優先度ポイントは、図10の重み付けを示す情報と図7の重み付けを示す情報とを、同じ無線ID毎に乗算して累積加算すればよいが、この場合、無線IDは「aa−aa−aa−aa」しか共通していないので、メモ管理情報2の優先度ポイントは、(15×14)=210となる。したがって、図5に示したメモ管理情報1の方が、図7に示したメモ管理情報2よりも、優先度ポイントは高くなる。
【0102】
このように、優先度ポイントは、メモ管理情報の記録時の重み付け情報とメモ情報の出力時(利用時)の重み付け情報との双方が大きければ大きくなり、この優先度ポイントが大きい(高い)キー情報を有するメモ管理情報のメモ情報ほど優先度の高いメモ情報であると判別することができる。このように、メモ管理情報のキー情報と、メモ情報の利用時に取得する周囲の無線装置の存在状況を示す情報とを数値処理することにより、優先度ポイントという数値によって、メモ管理情報毎の優先度を明確に定め、優先度の高いメモ管理情報のメモ情報を優先して出力することが可能となる。
【0103】
また、この場合、メモ管理情報のキー情報と、メモ情報の利用時に取得する周囲の無線装置の存在状況を示す情報との全ての無線IDが一致しない場合であっても、1つでも一致する無線IDが存在する場合には、優先度の低いメモ管理情報として特定し、これを利用可能にすることができる。つまり、条件がすべて一致しないメモ管理情報であっても、優先順位が低い状態で検索結果対象となる。
【0104】
また、この場合、乗算の係数を変えることによって、メモ管理情報のキー情報と、メモ情報の利用時に取得する周囲の無線装置の存在状況を示す情報との間での無線IDの一致する数が多いほど優先度を高くしたり、一致する無線IDが1つしかなくても、重み付けが大きいほど(距離が近いほど)優先度を高くしたりすることもできる。
【0105】
このように、この実施の形態の携帯情報端末100は、ユーザがキーワードなどの情報を入力するなどの操作を行わなくても、メモ情報の入力時の周囲の無線装置の存在状況、メモ情報の出力時(利用時)の周囲の無線装置の存在状況をキー情報として用いることにより、適切なタイミングで適切なメモ情報を簡単かつ迅速に利用することができるようにしている。
【0106】
なお、上述した実施の形態においては、メモ帳機能を用いてメモ情報を入力する場合に、周囲の無線装置の存在状況を把握し、これをキー情報としてメモ情報と関連付けてメモ管理情報を形成し、記録媒体42に記録するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。
【0107】
例えば、メモ情報を入力したい場合であっても、相手が目の前にいるためにメモ情報が入力しにくかったり、あるいは、入力できなかったりする場合も当然にあると考えられる。このため、メモ情報が入力されない場合であっても、空白のメモ情報と、その時に周囲に存在する1以上の無線装置の無線IDや重み付けを示す情報と、日時情報とを関連付けたメモ管理情報を形成して記録媒体42に記録しておく。
【0108】
そして、日時情報をキー情報としてメモ管理情報を特定して読み出し、空白のメモ情報に対して、実際に文字情報を入力するようにすることもできる。すなわち、メモ管理情報に付加される日時情報等に基づいてメモ管理情報を特定し、メモ情報の変更を行ったり、メモ管理情報の削除を行ったりすることもできる。
【0109】
[メモ帳機能に関する携帯情報端末100の処理のまとめ]
次に、この実施の形態の携帯情報端末100において行われるメモ帳機能に関する処理について、図12〜図14のフローチャートを参照しながらまとめる。以下においては
(1)メモ管理情報の生成処理、(2)メモ情報の後入力処理等、(3)メモ情報の出力(再生)処理の順で説明する。
【0110】
[(1)メモ管理情報の生成処理について]
図12は、この実施の形態の携帯情報端末100において行われるメモ管理情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。この図12に示す処理は、上述もしたように、キー操作部60に設けられたメモ帳キーなどのメモ帳機能を実行するための所定の操作が行われた場合に、主に制御部50によって行われる処理である。
【0111】
上述のように、メモ帳機能の実行が指示され、メモ情報の入力モードとされると、制御部50は、図12に示す処理を実行し、まず、無線通信部12を制御して受信可能な周囲の無線装置からの無線信号を受信して、その無線信号に含まれる無線IDを取得する(ステップS101)とともに、受信した無線信号に基づいて、受信した無線信号の送信元の無線装置との距離を判定するようにする(ステップS102)。
【0112】
このステップS102の処理は、上述もしたように、無線通信部12の電界強度検出部121を制御して、受信した無線信号のそれぞれの電界強度を検出し、これをそのまま用いるようにしてもよいし、また、検出された電界強度にもとづいて、自機と送信元の無線装置との距離を求め、その距離を用いるようにすることもできる。
【0113】
また、別の方法として、携帯情報端末100から周囲の無線装置に対して返信要求を送信し、これに応じて送信されてきた返信信号を受信し、例えば、返信要求の送信から返信信号の受信までにかかった時間差に基づいて、携帯情報端末100の制御部50が、自機と、自機の周囲に存在する1以上の無線装置のそれぞれとの間の距離を演算により求めるようにしてもよい。
【0114】
このようにして、自機の周囲に存在する1以上の無線装置の無線IDと距離に応じた情報を取得すると、制御部50は、例えば、キー操作部60を通じてメモ情報の入力を受け付ける(ステップS103)。そして、制御部50は、ステップS103において受け付けたメモ情報と、ステップS101において取得するようにした自機の周囲に存在する1以上の無線装置の無線IDとを関連付けたメモ管理情報を形成し、これをI/F41を通じて記録媒体42に記録し(ステップS104)、この図12の処理を終了する。
【0115】
なお、ステップS104の処理においては、上述もしたように、取得した無線ID毎に検出される電界強度などの自機と信号の送信元の無線装置との間の距離に応じた情報に基づいて、重み付けを設定し、この重み付け情報をもメモ管理情報の各無線IDに対応させて記録するとともに、自機の時計回路から現在時刻を取得し、これを日時情報としてメモ管理情報毎に付加して記録するようにしている。
【0116】
このようにして、図5、図7に示して説明したように、メモ管理情報が形成され、これが記録媒体ドライブ40の記録媒体42に記録される。そして、メモ帳機能が用いられて、メモ情報の入力モードとされる毎に、図12に示す処理が実行され、種々のタイミングで形成されたメモ管理情報が、図8に示したように、記録媒体42に蓄積される。
【0117】
[(2)メモ情報の後入力処理等について]
図13は、この実施の形態の携帯情報端末100において行われるメモ情報の後入力処理等を説明するためのフローチャートである。図5、図7を用いて説明したように、記録媒体42に記録されるメモ管理情報のそれぞれには日時情報が付加されており、この日時情報をキー情報として目的とするメモ管理情報を読み出して、メモ情報を追加したり、変更したり、メモ管理情報自体を削除したりすることができるようにしている。
【0118】
既に登録されているメモ管理情報のメモ情報を後入力したり、変更したり、あるいはメモ管理情報自体を削除する必要が生じた場合に、例えば、メニューから「メモ管理情報の保守」を選択するなどの所定の操作を行うことにより、図13に示す処理が主に制御部50において実行される。
【0119】
上述のように、所定の操作が行われ、メモ情報のメンテナンスモードとされると、制御部50は、図13に示す処理を実行し、まず、画像出力部30の画像出力処理部31に対して、日時情報の入力欄を有するメモ情報の表示及び入力画面を表示し(ステップS151)、目的とするメモ管理情報についての日時情報の入力を受け付ける(ステップS152)。
【0120】
そして、制御部50は、日時情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS153)。ステップS153の判断処理においては、例えば、西暦4桁、01月〜12月までの月2桁、入力月に応じた01日〜31日までの日2桁の全8桁の数字である場合には、入力された情報は日時情報であると判断することができる。もちろん、西暦4桁についても、例えば、2004年以降現在までのようなチェックをかけることも可能であるし、さらに、時分秒などの情報を考慮することも可能である。
【0121】
ステップS153の判断処理において、日時情報の入力を受け付けていないと判断したときには、終了操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS154)。このステップS154の判断処理において、終了操作を受け付けていないと判断したときには、ステップS152からの処理を繰り返す。また、ステップS154の判断処理において、終了操作を受け付けたと判断したときには、ステップS151で表示した入力画面を消去するなどの所定の終了処理を行い(ステップS155)、この図13に示す処理を終了する。
【0122】
ステップS153の判断処理において、日時情報を受け付けたと判断したときには、制御部50は、ステップS152において受け付けた日時情報に基づいて、記録媒体42に記憶保持されているメモ管理情報の中から該当するメモ管理情報を検索する(ステップS156)。
【0123】
そして、制御部50は、ステップS156の検索処理に基づいて、該当するメモ管理情報が存在するか否かを判断する(ステップS157)。ステップS157の判断処理において、入力された日時情報を有するメモ管理情報は存在しないと判断した時には、該当するメモ管理情報は存在しない旨のエラーメッセージを表示したり、警告音を放音したりするなどの処理を行って(ステップS158)、ステップS152からの処理を繰り返す。
【0124】
ステップS157の判断処理において、入力された日時情報を有するメモ管理情報が存在すると判断したときには、そのメモ管理情報のメモ情報を画像出力処理部31に供給して、メモ情報を表示し(ステップS159)、メモ情報等の入力を受け付ける(ステップS160)。
【0125】
なお、検索することにより得られたメモ管理情報が、メモ情報が何も入力されていない状態にあるものの場合には、ステップS159の処理においては、LCD32の表示画面には、メモ情報は表示されないので、ステップS160においては、当該検索されたメモ管理情報に対するメモ情報を新たに入力することができるようにされる。
【0126】
また、メモ情報が入力されている場合には、ステップS159の処理においては、LCD32の表示画面に、入力されているメモ情報が表示されるので、ステップS160においては、表示されたメモ情報を書き換えたり、表示されたメモ情報に対して内容を追加したり、また、表示されたメモ情報の一部を削除したりするなどのメモ情報の変更を行うことができるようにされる。
【0127】
そして、制御部50は、例えば、LCD32に表示された登録アイコンを選択するなどのメモ情報についての所定の登録操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS161)。ステップS161の判断処理において、登録操作を受け付けていないと判断したときには、LCD32に表示された削除アイコンを選択するなどのメモ管理情報についての所定の削除操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS162)。
【0128】
ステップS162の判断処理において、削除操作を受け付けたと判断したときには、制御部50は、検索に用いた日付情報を有するメモ管理情報(換言すれば、ステップS156において検索し、ステップS159において表示したメモ情報を有するメモ管理情報)を記録媒体42から削除し、表示情報をクリアする一連のメモ管理情報の削除処理を実行し(ステップS163)、ステップS152からの処理を繰り返す。
【0129】
また、ステップS161の判断処理において、登録操作を受け付けたと判断したときには、メモ情報が追加されたり変更されたりしたメモ管理情報を記録媒体42に記録し直す(ステップS164)。すなわち、リライト処理し、ステップS152からの処理を繰り返すようにする。
【0130】
このように、この実施の形態の携帯情報端末100においては、メモ機能を用いてメモを取るようにした場合には、メモ情報部分が空白であって、周囲に存在する受信可能な無線信号を送出している1以上の無線装置の無線IDと、この1以上の無線IDのそれぞれに対応し、自機と各無線装置との距離に応じた重み付け情報と、日時情報等からなるメモ管理情報を形成し、これを記録媒体42に記録することができるようにされる。
【0131】
そして、図13を用いて上述したメモ情報の後入力処理等を実行することにより、メモ情報を後で入力したり、変更したり、あるいは、削除したりすることができるようにされる。したがって、図4や図6に示した状態にあるときに、メモ帳キーが押下操作された場合であって、メモ情報を即座に入力できない場合には、メモ情報が空白のメモ管理情報を生成しておいて、適宜の時にメモ情報のみを書き加えることなどができるようにされる。もちろん、上述もしたように、不要なメモ管理情報を記録媒体42から削除することもできる。
【0132】
[(3)メモ情報の出力(再生)処理]
図14は、この実施の形態の携帯情報端末100において行われるメモ情報の出力(再生)処理を説明するためのフローチャートである。すなわち、図12、図13を用いて説明したようにして記録媒体42に蓄積されるメモ情報を利用する場合に、図14に示す処理が実行される。
【0133】
すなわち、既に登録されているメモ管理情報のメモ情報を利用する場合には、例えば、メニューから「メモ情報の出力」を選択したり、キー操作部60に設けられているメモ表示キーを押下操作したりするなどの所定の操作を行うことにより、図13に示す処理が主に制御部50において実行される。
【0134】
このように、所定の操作が行われ、メモ情報の出力モードとされると、制御部50は、図14に示す処理を実行し、まず、通信部10の無線通信部12を制御して、受信可能な周囲の無線装置からの無線信号を受信して、その無線信号に含まれる無線IDを取得する(ステップS201)とともに、受信した無線信号に基づいて、受信した無線信号の送信元の無線装置との距離を判定するようにする(ステップS202)。
【0135】
このステップS201、ステップS202の処理は、図12に示したメモ管理情報の生成処理におけるステップS101、ステップS102と同様の処理である。なお、図12に示したステップS102の処理においても説明したように、自機と他の無線装置との間の距離の判定は、電界強度検出部121で検出される電界強度を用いたり、信号を送受信することにより、これにかかる時間の時間差を用いたりすることにより判定できる。
【0136】
しかし、メモリ管理情報の生成時における重み付けの設定と同じように、メモ情報の出力時における各無線IDに対する重み付けを設定する必要があるので、図14に示すステップS202の処理においては、図12に示したステップS102の処理と同様にして自機と自機において受信した無線信号の送出元の無線装置との間の距離の判定を行うことになる。
【0137】
そして、制御部50は、ステップS201において取得した無線IDと、ステップS202において判定した距離に応じた重み付けとをキー情報として、記録媒体42に蓄積されているメモ管理情報の中から出力すべきメモ情報を有するメモ管理情報を検索する(ステップS203)。
【0138】
なお、このステップS203においては、取得した無線IDと、各無線IDに対応するものとして判定された距離に応じて設定される重み付けとに基づいて、この図14に示す処理の実行時における周りの無線装置の存在状況により近いキー情報を有する順に1以上のメモ管理情報を検索する。
【0139】
そして、制御部50は、検索した1以上のメモ管理情報について、それぞれの重み付けを用いたランキング付けも行う(ステップS203)。具体的には、上述もしたように、ステップS201において取得した1以上の無線装置の無線IDと同じ無線IDをキー情報に有するメモ管理情報を検索し、一致した無線IDについてのステップS202において判定した距離に応じた重み付け(利用時における重み付け)と、メモ情報の入力時(メモ管理情報を生成して記録するとき)における重み付けとを乗算する。このようにして得られる同じメモ管理情報のキー情報を構成する無線ID毎の乗算結果を累積加算し、この累積加算の結果をメモ管理情報それぞれ毎の優先度ポイントする。
【0140】
このようにして算出されるメモ管理情報毎の優先ポイントは、メモ情報の入力時の重み付け情報と出力時(利用時)の重み付け情報との双方が大きければ大きくなるので、優先度ポイントの大きい順にランキング付けをすれば、メモ情報の利用時における周りの無線装置の存在状況に近いキー情報を有するメモ管理情報ほど優先度の高いメモ管理情報として位置付けることができる。
【0141】
そして、制御部50は、ランキングに応じて、優先度の高いメモ管理情報の順にメモ情報を表示する処理を行う(ステップS204)。なお、このステップS204の処理においては、上述のように、ランキング付けにより優先度の高いメモ管理情報のメモ情報が優先して表示するようにされるが、目的とするメモ情報とは異なる場合もあるので、キー操作部60に設けられた矢印キーなどの操作キーを操作することにより、メモ情報の表示を変えて、目的とするメモ情報を迅速に表示することができるようにされる。そして、ステップS204の処理の終了後において、この図14に示す処理が終了する。
【0142】
このように、この実施の形態の携帯情報端末100においては、キーワードを入力するなどの複雑な操作を行うことなく、メモ情報の利用時における周りの無線装置の存在状況に応じて、記録媒体42に蓄積されているメモ情報の中から適切なものを選び出して出力することができるようにされている。そして、出力されるメモ情報は、優先度の高い順に出力するようにされているので、必要なメモ情報が見つからないなどいった不都合を生じさせることもない。
【0143】
[複数人の組み合わせに応じたメモ情報の作成について]
図4〜図7を用いて説明した例は、携帯情報端末101の使用者であるAさんについてのメモ情報を作成する場合を例にして説明したが、メモ情報は、目的とする1人の人に対するものに限るものではない。複数人の組み合わせに応じたメモ情報を作成することも可能である。
【0144】
図15、図16は、複数人の組み合わせに応じたメモ情報を作成する場合の一例を説明するための図である。ここで、図15は、この実施の形態の携帯情報端末100において、メモ帳機能が用いられてメモ情報が入力される場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の一例を示す図である。また、図16は、周りの無線装置の存在状況が図15に示す状況にある場合において、携帯情報端末100において作成されるメモ管理情報3を説明するための図である。
【0145】
例えば、この実施の形態の携帯情報端末100のユーザが、ある会社の社長であるAさんと打ち合わせをした場合を考える。このとき、AさんがBさんを伴って打ち合わせに現れたとする。この場合に、Aさんは無線通信機能を有する携帯情報端末101を持っており、Bさんは無線通信機能を有する携帯情報端末102を持っていたとする。この他に、例えば、少し離れた場所には、無線通信機能を備えた携帯情報端末105を持ったEさんが存在していたとする。EさんはAさんの会社の社員であり、今回の打ち合わせとは特に関係はなく、例えば、別室に位置している。
【0146】
そして、Aさんの話からBさんはAさんの会社の技術担当重役であり、Aさんの実の弟であることが判明した。このような場合には、Aさんについてのメモ情報とBさんについてのメモ情報とを別個に作成するよりは、AさんとBさんとの関係を明確に把握することができる共通のメモ情報を作成することができ、かつ、AさんとBさんとが近くにいる場合には、AさんとBさんとの関係を明確に把握することができる共通のメモ情報を優先して出力し利用できればより便利である。
【0147】
そこで、図15に示す状況にあるときに、携帯情報端末100のユーザが、キー操作部60のメモ帳キーを押下操作すると、図16に示すように、携帯情報端末101の無線ID:「aa−aa−aa−aa」と、携帯情報端末102の無線ID:「bb−bb−bb−bb」と、携帯情報端末105の無線ID:「cc−cc−cc−cc」とが無線通信部12を通じて取得される。
【0148】
さらに、携帯情報端末100においては、無線通信部12の電界強度検出部121の機能により検出される各受信信号の電界強度に基づいて、携帯情報端末100と、無線信号を送信してきた各携帯情報端末との間の距離に応じた重み付けが設定される。図16に示した例の場合には、携帯情報端末100と携帯情報端末101との間の距離に応じた重み付けの値が「15」であり、同じく、携帯情報端末100と携帯情報端末102との間の距離に応じた重み付けの値が「15」であり、携帯情報端末100と携帯情報端末105との間の距離に応じた重み付けの値が「2」であると設定された場合を示している。
【0149】
そして、携帯情報端末100の制御部50は、取得された無線IDと、各無線IDに対応する重み付けを示す値と、日時情報等が付加されたメモ管理情報3を生成し、これを記録媒体42に記録するのであるが、この場合のメモ情報としては、AさんとBさんとの関係を示すメモ情報(複数人の組み合わせに応じたメモ情報)が入力され、図16に示したメモ管理情報3が生成されて、記録媒体42に記録される。
【0150】
図16に示すメモ管理情報3から分かるように、メモ情報は、AさんとBさんとは兄弟であり、Aさんが社長、Bさんが技術担当重役であることを示すものである。すなわち、メモ管理情報3は、Aさん個人の情報のみ、あるいは、Bさん個人の情報のみというような個人に対する情報のみではなく、複数人の組み合わせに応じたメモ情報である。このようにして、複数人の組み合わせに応じたメモ情報を作成し、記録媒体42に蓄積することができるようにされる。
【0151】
図17、図18は、複数人の組み合わせに応じたメモ情報が優先して利用できる場合の一例を説明するための図である。ここで、図17は、この実施の形態の携帯情報端末100において、蓄積されているメモ情報を利用する場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の一例を示す図である。また、図18は、周りの無線装置の存在状況が図17に示す状況にある場合においての、メモ情報の優先順位を説明するための図であり、ここでは、図5、図7、図16に示したメモ管理情報が既に記録媒体42に蓄積されているものとして説明する。
【0152】
図17に示した状態にあるときに、携帯情報端末100に対して、格納されているメモ情報を利用するための所定の操作が行われると、制御部50は、図14を用いて上述したメモ情報の出力処理を実行し、まず、現状における周囲の無線装置の存在状況を把握するために、無線通信部12および電界強度検出部121を制御して、周りに存在する1以上の無線装置からの無線信号を受信して、1以上の無線装置の無線IDを取得するとともに、検出された電界強度に応じた重み付けを設定する。
【0153】
図17に示す例の場合には、携帯情報端末100の周りには、共に無線通信機能を有する携帯通信端末101、携帯通信端末102が存在するだけであり、その位置関係は、図15に示した例の場合と同様であるので、取得できる無線IDは、携帯情報端末101の無線ID:「aa−aa−aa−aa」と、携帯情報端末102の無線ID:「bb−bb−bb−bb」とであり、また、携帯情報端末100と携帯情報端末101との間の距離に応じた重み付けを示す情報と携帯情報端末100と携帯情報端末102との間の距離に応じた重み付けを示す情報とはいずれも値「15」である。
【0154】
これらをキー情報として、上述もしたように、記録媒体42に蓄積されているメモ管理情報の中から対応するメモ管理情報を検索し、重み付けにしたがってランキング付けを行う。この例の場合、上述もしたように、図5に示したメモ管理情報1と、図7に示したメモ管理情報2と、図16に示したメモ管理情報3が存在し、いずれも無線ID:「aa−aa−aa−aa」を含んでいるので、それらはいずれも検索により抽出される。
【0155】
そして、上述もしたように、メモ情報の利用時における取得された無線IDに対応する重み付け、すなわち、この例の場合には、(無線ID:「aa−aa−aa−aa」、重み付け:「15」)、(無線ID:「bb−bb−bb−bb」、重み付け:「15」)であるので、これらを、抽出したメモ管理情報1、メモ管理情報2、メモ管理情報の各キー情報の対応する無線IDの重み付けの値と乗算し、メモ管理情報毎に累積加算して優先ポイントを算出する。
【0156】
この例において、メモ管理情報1の場合には、携帯情報端末101と携帯情報端末102との両方の無線IDを有しており、対応する重み付けの値を乗算して累積加算した値、すなわち、(15×15+6×15)なる演算を行って得た優先ポイントは値「315」となる。つまり、メモ管理情報1の優先ポイントは、「315」である。
【0157】
また、メモ管理情報2の場合には、携帯情報端末101の無線IDしか共通していないので、対応する重み付けの値を乗算して累積加算した値、すなわち、(15×15)なる演算を行って得た優先ポイントは値「225」となる。つまり、メモ管理情報2の優先ポイントは、「225」である。
【0158】
また、メモ管理情報3の場合には、携帯情報端末101と携帯情報端末102との両方の無線IDを有しており、対応する重み付けの値を乗算して累積加算した値、すなわち、(15×15+15×15)なる演算を行って得た優先ポイントは値「450」となる。つまり、メモ管理情報3の優先ポイントは、「450」である。
【0159】
これにより、優先ポイントの高い順に出力されるので、メモ管理情報3(優先ポイント450)→メモ管理情報1(優先ポイント315)→メモ管理情報2(優先ポイント225)の順にそのメモ情報が出力するようにされる。
【0160】
図18は、上述したように、メモ管理情報1(図5)と、メモ管理情報2(図7)と、メモ管理情報3(図16)が存在する場合であって、図17に示した状態にあるときに、メモ情報を利用するようにした場合に、携帯情報端末100のLCD32に表示されるメモ情報の優先順位を説明するための図である。
【0161】
上述もしたように、優先順位は、メモ管理情報3(優先ポイント450)→メモ管理情報1(優先ポイント315)→メモ管理情報2(優先ポイント225)の順であるので、メモ情報の表示順は、(1)メモ管理情報3のメモ情報(複数人の組み合わせに応じたメモ情報)→(2)メモ管理情報1のメモ情報(Aさんについてのメモ情報1)→(3)メモ管理情報2のメモ情報(Aさんについてのメモ情報2)という順番で表示するようにされる。
【0162】
このように、複数人の組み合わせに応じたメモ情報をも、そのメモ情報の入力時の周りの無線装置の存在状況に対応させて記録することができるので、メモ情報の利用時において、周りの無線装置の存在状況が、その複数人の組み合わせに応じたメモ情報のメモ管理情報を生成したときと類似度が高い場合には、その複数人の組み合わせに応じたメモ情報を優先して出力することができる。換言すれば、複数人の組み合わせに応じたメモ情報するようにした場合には、その複数人の人がそろった場合に優先して出力することができ、各個人の情報だけでなく、複数人の関係についても、適切なタイミングでメモ情報を出力し、確実に把握することができるようにされる。
【0163】
もちろん、複数人の組み合わせに応じたメモ情報を記録する場合に、その対象とする複数人のそれぞれの人が無線通信機能を備えた携帯情報端末を持っていないことも考えられるが、そのうちの1人以上の人が無線通信機能を備えた携帯情報端末を持っていれば、複数人の組み合わせに応じたメモ情報の優先ポイントを高くすることができるので、他のメモ情報に比べて優先順位を上げて出力することができるようにされる。
【0164】
[メモ管理情報の他の態様]
なお、上述した実施の形態において、メモ管理情報は、図5、図7、図16に示したように、メモ情報と、1以上の無線ID及び重み付けの情報からなるキー情報と、日時情報等からなるものとして説明したが、これに限るものではない。図19、図20は、メモ管理情報の他の構成例を説明するための図である。
【0165】
例えば、図19に示すように、1つのメモ管理情報に対して、複数のメモ情報を持たせるようにメモ管理情報を構成することも可能である。このように、1つのメモ管理情報に対して、複数のメモ情報を持たせることにより、1番目のメモ情報は仕事関係、2番目のメモ情報はプライベートな情報、3番目のメモ情報はその他などのように、同一タイミングにおいて形成するメモ管理情報に付加されるメモ情報を使い分けるようにすることが可能である。なお、ここで説明した複数のメモ情報の使い分けは一例であり、種々の利用形態が可能である。
【0166】
また、上述した実施の形態においては、メモ情報は、主にキー操作部60を通じて入力される文字情報(テキスト情報)であるものとして説明したが、メモ情報は文字情報に限るものではない。音声入力部70を通じて入力可能にされる音声情報や画像入力部80を通じて入力可能にされる画像情報をメモ情報として用いることができる。
【0167】
この場合、メモ情報として、文字情報を用いるのか、音声情報を用いるのか、画像情報を用いるのかは、メモ帳キーを押下操作するなどのメモ帳機能を実行する所定の操作を行った後に、いずれの情報をメモ情報として用いるかの選択入力を、キー操作部60を通じて行うようにすればよい。この場合、LCD32にメニューを表示し、その中から選択したり、また、キー操作部60に設けられている所定の操作キーを操作したりすることによって、メモ情報の選択が可能である。
【0168】
また、メモ情報は、文字情報と、音声情報と、画像情報とのいずれかに限る必要もない。もちろん、上述したように、文字情報と、音声情報と、画像情報とのいずれか1つのをメモ情報として用いるようにしてもよいが、文字情報と、音声情報と、画像情報との3つを同じメモ管理情報に含まれるメモ情報として用いるようにすることも可能である。
【0169】
この場合には、図20に示すように、メモ情報の格納領域として、文字情報の格納領域と、音声情報の格納領域と、画像情報の格納領域とを予め分けておくことにより、1つのメモ管理情報に対して、文字情報と、音声情報と、画像情報との種類の異なるメモ情報を付加するようにすることができる。
【0170】
このようにすることにより、例えば、目的とする人物に対する文字情報を入力すると共に、その人物の音声や画像をもメモ情報としてメモ管理情報に対して付加することができるようにされる。これにより、メモ情報を用いることにより、以前に会った人物の名前、声、顔を確認することができるなど、目的とする人物に対するより詳細なメモ情報を形成して格納し、これを利用することができる。
【0171】
[場所に関するメモ情報について]
上述した実施の形態においては、主に、人が持ち歩く無線通信機能を有する携帯情報端末が存在することを前提として、その携帯情報端末が送出する無線信号に含まれる無線IDをキー情報として用いてメモ情報を管理する場合の例を説明した。しかし、メモ情報は、人に関するものに限るものではない。
【0172】
例えば、上述もしたように、無線装置の中には、LANのアクセスポイントなど、固定的に設置されて用いられるものも多い。このため、例えば、種々の店舗にいったときに、この実施の形態の携帯情報端末100のメモ帳機能を用いてその店舗についてのメモ情報を入力して管理することも可能である。
【0173】
この場合、その店舗において受信可能な無線信号を送出しているアクセスポイントなどの固定的に設置される無線装置が存在することにより、その店舗あるいはその近傍に行ったときにメモ情報を利用するようにすれば、その店舗に関するメモ情報を自動的に抽出して出力し、利用することができる。
【0174】
また、この実施の形態の携帯情報端末100は、基本的に周囲の存在する無線装置については、携帯情報端末かアクセスポイントなどの固定的な装置かの区別をすることなく、それら全てを用いるようにしている。このため、その店舗の店員が無線通信可能な携帯情報端末を持っている場合には、その店員の持つ携帯情報端末が送出する無線信号に含まれる無線IDをもキー情報として用いることによって、拠り確実に店舗に関するメモ情報を管理し利用することができるようにされる。
【0175】
また、上述のように、店舗に関するメモ情報を記録した場合であっても、たまたまその店舗にいた利用者(客)が無線通信機能付きの携帯情報端末を持っていた場合には、その利用者の携帯情報端末の無線IDをもキー情報に含めたメモ管理情報が作成される。このため、後になってその利用者と別の場所であった場合に、その店舗に関するメモ情報が出力されるので、何処であった人かを知ることができるなど、メモ情報の活用範囲を広げることができる。
【0176】
このように、この実施の形態の携帯情報端末100は、人に関するメモ情報だけでなく、場所に関するメモ情報についても、人に関するメモ情報と同様に管理し、利用することができるようにしている。
【0177】
[まとめ]
上述した実施の形態においては、携帯情報端末100において、個人が持つ無線端末(たとえば無線LAN装置や携帯電話)やアクセスポイントなどの種々の無線装置が送出する無線信号に含まれている無線IDを抽出し、この抽出した無線IDに関連づける形でメモ情報を記録して管理できるようにする。
【0178】
このようにすることによって、無線装置を持った相手が近くにいると、その相手が持つ無線装置の無線IDを受信して、それを条件に記録してあったメモ情報を抽出して提示することができる。これにより、メモ情報の検索のためにキーワードを入力したり、メモ情報をいわゆる改ページするようにして確認しながら、目的とするメモ情報を見つけるようにするなどの手間をかけることなく、必要なときに、必要なメモ情報を迅速かつ確実に出力し、利用できるようにすることが可能となる。
【0179】
また、相手が複数いる環境では、複数の無線装置の無線IDの組み合わせを利用して情報を関連付けることにより、複数人の組み合わせに応じたメモ情報を管理し、利用できるようにすることができる。
【0180】
これによって、憶えておかなきゃいけない事を、憶えておかなくても管理できるようにするための仕組みを提供できる。また、概念的には、他人の背中に仮想的にメモ(付箋)を貼り、これを管理し、相手の背中に張ったメモ(付箋)は、相手とすれ違った時に提示することができるようにされる。
【0181】
つまり、相手に関連した内容をメモしておけば、相手に会ったとき(必要な時)に、必要なメモを見ることが簡単にできるようになる。さらに、複数人の組み合わせ条件でメモを貼ることもできる。この場合、複数人がそろった時に、メモをみることができる。例えば、上述も一例としてあげたように、「AさんとBさんは兄弟」といったメモを貼っておけば、AさんとBさんと両方に出会ったときにこのメモを見ることができるようにされる。
【0182】
すなわち、(1)個人個人が持つ無線装置の無線IDを受信して、その無線IDと関連づけて情報を保存する装置、(2)個人が持つ無線装置の無線IDを受信してその無線IDと関連づけられた情報を再生する装置、(3)人との出会いを条件として、情報を検索する装置、(4)人と関連づけて情報を保存する装置、(5)複数の無線装置の無線IDを利用して情報を関連づけ保存する装置、(6)複数の無線装置の無線IDを利用して情報を検索表示する装置、(7)複数の無線装置のIDを利用して、検索された情報に優先順位を加味して出力する装置、また、(8)関連条件を完全に満たさない場合であっても、優先順位に応じて表示する装置を実現することができる。
【0183】
また、携帯情報端末100に記憶するメモ情報は、あくまでも携帯情報端末100のユーザのための情報(自分のつけた自分のための情報)である。このため、(1)提示するメモ情報は、自己の端末(携帯情報端末100)に持っていればよく。ネットワークとのデータ通信を必要としない。(2)取得する無線IDとその位置を関連づけたテーブルなど、予め必要とする情報が一切ない。(3)動的に変わる無線IDを複数組み合わせて、表示する情報の優先順位をコントロールすることができる。(4)ある程度の曖昧性をもって、複数条件が完全に整わなくても情報を表示することができる。(5)提示条件を学習するアルゴリズムも持つことができる。(6)提示情報を自分で追加・編集できる(自動的に提示条件その場の無線ID群と関連づけされる。)などの種々の特徴を有する。
【0184】
上記の特徴から、メモ情報は、完全に携帯情報端末100のみで用いられ、ネットワーク上に送出されることはないので、個人情報の漏洩などの不都合を生じさせることもない。また、キー情報として用いる無線IDは、基本的にネットワークシステムにおいてのみ用いられるものであり、また、携帯情報端末100に取り込まれた後においても、携帯情報端末100のユーザに提示されるなどのこともないため、個人情報が悪意に利用されるなどの危険性もない。
【0185】
そして、上述した実施の形態の携帯情報端末100は、全体として、(1)人に関連して憶えておかなければいけないこと(名前や誕生日、その人との関係、思い出、その他)を人に関連して記録し、人に関連して再生することができる。(2)人に関連してメモを管理することができる。(3)記録した内容を、必要な時(人と出会ったときなど)に自動的に出力できる。(4)他人の背中に仮想的にメモ(付箋)を貼る感覚でメモ情報を携帯情報端末に入力し、管理することができる。(5)複数人の組み合わせに関連してメモを記録することができる。(6)記録した内容を、複数人の組み合わせを条件に再生できる。(7)未知の無線IDが含まれる環境であっても、的確に記録内容を再生できる。(8)必要な無線IDの条件を完全に満たさない事があっても情報を表示できる。(9)自己の情報などを送信する必要はないので、プライバシー保護に配慮できる。などの効果を奏することができる。
【0186】
[その他]
[キー情報の構成について]
なお、上述した実施の形態においては、キー情報として、受信した無線信号に含まれる無線IDと、その無線信号の電界強度などを用いて設定する、自機と当該無線信号の送信元の無線装置との間の距離に基づく重み付けとを用いるようにしたが、これに限るものではない。少なくとも、キー情報として、1以上の受信した無線信号に含まれる無線IDを用いるようにすることによって、メモ情報の管理と利用が可能である。しかし、重み付けをも考慮することによって、適切なタイミングで適切なメモ情報を出力することが可能である。
【0187】
[出力順位の他の設定方法]
また、上述した実施の形態においては、メモ情報の利用時(メモ情報の再生時)における周囲の無線装置の存在状況と、メモ管理情報の生成時における周囲の無線装置の存在状況とがより類似するメモ管理情報のメモ情報を優先して出力するために、自機と受信した無線信号の送出元の無線装置との間の距離に応じた重み付けを行い、この重み付けをも考慮するようにした。しかし、これに限るものではない。
【0188】
例えば、メモ情報の利用時に取得した1以上の無線IDに基づいて、これに一致する無線IDをキー情報に有するメモ管理情報を抽出し、日時情報の新しいもの順にメモ情報を出力するようにしてもよい。つまり、出力の優先順位を定めるに当たり、日時情報、すなわち、メモ管理情報の生成日時をも考慮して、メモ情報の出力順を定めるようにしてもよい。もちろん、無線IDと、距離に応じた重み付けと、日時情報とを考慮して、メモ管理情報の出力順を定めるようにしてもよい
[メモ情報の数等]
また、上述もしたように、メモ情報は少なくとも1つあればよく、また、必要に応じて複数個のメモ情報を用いるようにすることも可能であるし、文字情報、音声情報、画像情報をメモ情報として用いることが可能である。さらに、メモ情報を3つ、4つ、5つというように、複数個のメモ情報を用いるようにしてもよい。また、メモ情報の格納領域を比較的に大きく持ち、あるいは、可変とすることによって、メモ情報を種々の態様で持つようにすることができる。
【0189】
[キー情報の構成要素の数等]
また、上述した実施の形態においては、キー情報を構成する無線ID及び重み付けの情報の数は、可変としてもよいし、また、5個まで、10個までというように、予め上限を設定しておくようにしてもよい。また、電界強度が所定値以下の無線信号は用いないようにしたり、自機と受信した無線信号の送信元の無線装置との間の距離、あるいは、当該距離に応じた重み付けが所定値以下の無線信号は用いないようにしたりすることも可能である。
【0190】
[無線装置の種類の利用]
また、上述もしたように、受信した無線信号に含まれる無線IDなどの情報に基づいて、その受信した無線信号の送信元の無線装置は、携帯情報端末なのか、アクセスポイントなのか、パーソナルコンピュータなのかなど、無線装置の種類を判別することが可能である。そこで、携帯情報端末からの無線信号のみを周囲の無線装置の存在状況を把握するために用いるようにしたり、逆に、アクセスポイントなどの固定的に設置されて利用される無線装置からの無線信号のみを周囲の無線装置の存在状況を把握するために用いるようにしたりすることができるようにされる。
【0191】
そして、前者の場合には主に人に関するメモ情報を入力する場合とし、後者の場合には主に場所に関するメモ情報を入力する場合とするなどのように、使い分けることができるようにされる。
【0192】
また、メモ管理情報の生成時においては、無線装置の種類に関わりなく用いるようにし、メモ情報の出力時(メモ情報の利用時)において、携帯情報端末からの無線信号のみを用いるようにしたり、アクセスポイントなどの固定的に設置されて利用される無線装置からの無線信号のみ用いるようにしたりすることもできる。
【0193】
このようにした場合には、たとえば、人に関するメモ情報と場所に関するメモ情報とを区別するようにして出力することができる。
【0194】
[端末IDの利用について]
また、上述した実施の形態においては、各無線装置が送出する無線信号に含まれる無線IDを用いるものとして説明した。この無線IDは、各無線装置を特定することが可能なものであれば、どのようなものであってもよい。すなわち、無線装置の発信するデータ(無線信号)は、基本的に何らかの識別子を持つ。携帯情報端末100においては、その識別子を利用するようにすればよい。
【0195】
また、送受信するデータ(無線信号)が暗号化される無線通信であってもこの識別子を利用することができる。例えば、広く普及している無線LAN(802.11b)において、個々の無線LAN端末を識別するBSSID(無線LANのMACアドレス)等は、無線LANフレームのヘッダに記述されこの情報は暗号化されないので、これを、上述した実施の形態における無線IDとして用いることが可能である。
【0196】
[実施の形態の携帯情報端末の構成とプログラムへの適用]
また、上述した実施の形態においては、無線通信部12が受信部及び情報取得部としての機能を実現し、キー操作部60、音声入力部70、画像入力部80が、メモ情報入力部としての機能を実現し、主に制御部50が記録媒体ドライブ40と協働して情報記録部としての機能を実現し、主に制御部50が記録媒体ドライブ40と協働して情報検索部としての機能を実現し、また、音声出力部20、画像出力部30が情報出力部としての機能を実現するようにしている。
【0197】
また、電界強度検出部121と制御部50とが協働することにより、あるいは、無線通信部12と制御部50とが協働することにより、重み付け設定部としての機能を実現し、無線通信部12が送信部としての機能を実現している。
【0198】
なお、上述した各部を制御するためにCPU51において実行させるプログラムを形成し、これを搭載することにより、無線通信機能、情報入力機能、情報出力機能を備えた携帯情報端末にこの発明による機能を搭載することもできる。この場合のプログラムは、図12、図13、図14に示したフローチャートに対応するプログラムを形成すればよい。
【0199】
[記録装置、再生装置への適用]
また、上述した実施の形態においては、メモ情報の記録機能と再生機能とを有する携帯情報端末、すなわち、メモ情報の記録再生機能を有する携帯情報端末にこの発明を適用した場合を例にして説明したが、これに限るものではない。上述した実施の形態の携帯情報端末におけるメモ情報の記録機能のみを有する記録装置や、上述した実施の形態の携帯情報端末におけるメモ情報の再生機能のみを有する再生装置を構成することももちろん可能である。
【0200】
この場合の記録装置は、メモ情報の記録専用に用いることが可能であるし、また、再生装置は、当該記録装置によって記録されたメモ情報の再生専用に用いることが可能である。
【0201】
[種々の機器への対応]
したがって、上述もしたように、この発明は、無線LANに接続するための無線通信機能を備え、画像(静止画像や動画像)と音声の記録及び再生が可能な電子手帳やハンドヘルド・コンピュータなどに適用可能なものであるが、これに限るものではない。例えば、無線LANに接続するための無線通信機能を備えている、ノート型のパーソナルコンピュータ、音楽や画像の記録装置、再生装置、記録再生装置、携帯電話端末など、持ち運ばれて利用される種々の記録装置、再生装置、記録再生装置などの携帯情報端末に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】この発明による装置、方法、プログラムの一実施の形態が適用された携帯情報端末を説明するためのブロック図である。
【図2】携帯情報端末100を中心として、他の無線装置との関係を説明するための図である。
【図3】図2に示した環境にあるときに、携帯情報端末100が取得可能な無線装置の識別IDについて説明するための図である。
【図4】メモ帳機能が用いられてメモ情報が入力される場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の一例を示す図である。
【図5】図4の状態にあるときには形成されたメモ管理情報を説明するための図である。
【図6】メモ帳機能が用いられてメモ情報が入力される場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の他の一例を示す図である。
【図7】図6の状態にあるときには形成されたメモ管理情報を説明するための図である。
【図8】記録媒体42に作成されたメモ管理情報について説明するための図である。
【図9】記録媒体42に記録されているメモ情報を利用するようにした場合における無線装置の存在状況を説明するための図である。
【図10】図9に示した状況にあるときに、携帯情報端末100が取得する無線ID及び重み付けを示す情報について説明するための図である。
【図11】メモ情報を出力する場合の例を説明するための図である。
【図12】メモ管理情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】メモ情報の後入力処理等を説明するためのフローチャートである。
【図14】メモ情報の出力(再生)処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】複数人の組み合わせに応じたメモ情報を作成する場合の一例を説明するための図である。
【図16】図15に示す状況にある場合において、携帯情報端末100において作成されるメモ管理情報3を説明するための図である。
【図17】蓄積されているメモ情報を利用する場合の携帯情報端末100を中心(基準)とする周囲の無線装置の状況の一例を示す図である。
【図18】表示されるメモ情報の優先順位を説明するための図である。
【図19】メモ管理情報の他の構成例を説明するための図である。
【図20】メモ管理情報の他の構成例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0203】
100…携帯情報端末、10…通信部、11…送受信アンテナ、12…無線通信部、音声出力部20、21…音声出力処理部、22…スピーカ、画像出力部30、31…画像出力処理部、32…LCD、記録媒体ドライブ40、41…I/F、42…記録媒体、制御部50、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…EEPROM、55…CPUバス、キー操作部60、音声入力部70、71…マイクロホン、72…音声入力処理部、画像入力部80、81…カメラ部、82…画像入力処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信する受信部と、
上記受信部を通じて受信された1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得する情報取得部と、
メモ情報入力部と、
メモ情報の入力モードにあるときに、上記情報取得部を通じて取得された1以上の上記装置識別情報と上記メモ情報入力部を通じて受け付けられたメモ情報とを関連付けて記録媒体に記録する情報記録部と、
メモ情報の出力モードにあるときに、上記情報取得部を通じて取得された1以上の上記装置識別情報をキー情報として上記記録媒体に記録されている情報から出力すべきメモ情報を検索する情報検索部と、
上記情報検索部によって検索されたメモ情報を出力する情報出力部と
を備えた情報記録再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
上記情報取得部を通じて取得される1以上の上記装置識別情報のそれぞれに対応して、自機と1以上の上記無線装置のそれぞれとの間の距離に応じた重み付けを設定する重み付け設定部を備え、
上記情報記録部は、メモ情報の入力モードにあるときに、上記重み付け設定部によって設定された重み付けを示す情報を、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に付加して記録することができるものであり、
上記情報検索部は、メモ情報の出力モードにあるときに、上記重み付け設定部によって1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に設定される重み付けを示す情報をも考慮してメモ情報の検索を行うものである
情報記録再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
上記装置識別情報は、無線装置のそれぞれを識別することができるとともに、無線装置の種別をも識別することができるものである情報記録再生装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報記録再生装置であって、
上記重み付け設定部は、上記受信部において受信された1以上の上記受信信号のそれぞれの電界強度に基づいて、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に重み付けを設定するものである情報記録再生装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報記録再生装置であって、
情報の提供要求を送出する送信部を備え、
上記重み付け設定部は、上記送信部から上記提供要求を送出してから、上記提供要求に応じて相手先から送信されてくる情報を受信するまでの時間に基づいて、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に重み付けを設定するものである情報記録再生装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
上記メモ情報入力部は、文字情報の入力部と音声情報の入力部と画像情報の入力部との内の1つ以上を備え、文字情報と音声情報と画像情報との1つ以上をメモ情報として受け付ける情報記録再生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
現在時刻を提供する時計回路を備え、
上記情報記録部は、1つ以上の上記装置識別情報と上記メモ情報とを関連付けた情報に対して、上記時計回路から取得した時刻情報を付加して記録することにより、当該時刻情報を用いた検索及び読み出しをできるようにする情報記録再生装置。
【請求項8】
1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信する受信部と、
上記受信部を通じて受信された1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得する情報取得部と、
メモ情報入力部と、
メモ情報の入力モードにあるときに、上記情報取得部を通じて取得された1以上の上記装置識別情報と上記メモ情報入力部を通じて受け付けられたメモ情報とを関連付けて記録媒体に記録する情報記録部と
を備えた情報記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報記録装置であって、
上記情報取得部を通じて取得される1以上の上記装置識別情報のそれぞれに対応して、自機と1以上の上記無線装置のそれぞれとの間の距離に応じた重み付けを設定する重み付け設定部を備え、
上記情報記録部は、メモ情報の入力モードにあるときに、上記重み付け設定部によって設定された重み付けを示す情報を、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に付加して記録することができるものである
情報記録装置。
【請求項10】
請求項8に記載の情報記録装置であって、
上記装置識別情報は、無線装置のそれぞれを識別することができるとともに、無線装置の種別をも識別することができるものである情報記録装置。
【請求項11】
請求項9に記載の情報記録装置であって、
上記重み付け設定部は、上記受信部において受信された1以上の上記受信信号のそれぞれの電界強度に基づいて、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に重み付けを設定するものである情報記録装置。
【請求項12】
請求項9に記載の情報記録装置であって、
情報の提供要求を送出する送信部を備え、
上記重み付け設定部は、上記送信部から上記提供要求を送出してから、上記提供要求に応じて相手先から送信されてくる情報を受信するまでの時間に基づいて、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に重み付けを設定するものである情報記録装置。
【請求項13】
請求項8に記載の情報記録装置であって、
上記メモ情報入力部は、文字情報の入力部と音声情報の入力部と画像情報の入力部との内の1つ以上を備え、文字情報と音声情報と画像情報との1つ以上をメモ情報として受け付ける情報記録装置。
【請求項14】
請求項8に記載の情報記録装置であって、
現在時刻を提供する時計回路を備え、
上記情報記録部は、1つ以上の上記装置識別情報と上記メモ情報とを関連付けた情報に対して、上記時計回路から取得した時刻情報を付加して記録する情報記録装置。
【請求項15】
受信した1以上の上記無線信号のそれぞれから取得した装置識別情報と、メモ情報とが対応付けられて記憶されている記録媒体から、上記メモ情報を再生する情報再生装置であって、
1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信する受信部と、
上記受信部を通じて受信した1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得する情報取得部と、
上記情報取得部を通じて取得された1以上の上記装置識別情報をキー情報として上記記録媒体に記録されている情報から出力すべきメモ情報を検索する情報検索部と、
上記情報検索部によって検索されたメモ情報を出力する情報出力部と
を備えた情報再生装置。
【請求項16】
請求項15に記載の情報再生装置であって、
1以上の上記装置識別情報とメモ情報とが対応付けられた情報の1以上の上記装置識別情報のそれぞれには、1以上の上記装置識別情報の取得時における自機と1以上の上記装置識別情報を有する1以上の無線装置のそれぞれとの間の距離に応じた重み付けを示す情報が付加されており、
上記情報取得部を通じて取得される1以上の上記装置識別情報のそれぞれに対応して、自機と1以上の上記無線装置のそれぞれとの間の距離に応じた重み付けを設定する重み付け設定部を備え、
上記情報検索部は、上記重み付け設定部によって1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に設定される重み付けを示す情報をも考慮してメモ情報の検索を行うものである
情報再生装置。
【請求項17】
請求項15に記載の情報再生装置であって、
上記装置識別情報は、無線装置のそれぞれを識別することができるとともに、無線装置の種別をも識別することができるものである情報再生装置。
【請求項18】
請求項16に記載の情報再生装置であって、
上記重み付けは、上記受信部において受信された1以上の上記受信信号のそれぞれの電界強度に基づいて、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に設定されるものである情報再生装置。
【請求項19】
請求項16に記載の情報再生装置であって、
情報の提供要求を送出する送信部を備え、
上記重み付け設定部は、上記送信部から上記提供要求を送出してから、上記提供要求に応じて相手先から送信されてくる情報を受信するまでの時間に基づいて、1以上の上記装置識別情報のそれぞれ毎に重み付けを設定するものである情報再生装置。
【請求項20】
請求項15に記載の情報再生装置であって、
上記メモ情報は、文字情報と音声情報と画像情報との1つ以上を有するものであり、
上記情報出力部は、文字情報と画像情報との一方または両方を表示する表示部と音声を出力する音声出力部との1つ以上を備える情報再生装置。
【請求項21】
請求項15に記載の情報再生装置であって、
1以上の上記装置識別情報とメモ情報とが対応付けられた情報には、時録時刻に応じた時刻情報が付加されており、
時刻情報に基づいて、1以上の上記装置識別情報とメモ情報とが対応付けられた情報を記録媒体から読み出すようにする読み出し制御部
を備えた情報再生装置。
【請求項22】
メモ情報の入力モードにあるときには、
1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信し、
受信した1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得し、
メモ情報の入力を受け付け、
取得した1以上の上記装置識別情報と受け付けた上記メモ情報とを関連付けて記録媒体に記録し、
メモ情報の出力モードにあるときには、
1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信し、
上記受信工程において受信した1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得し、
取得した1以上の上記装置識別情報をキー情報として上記記録媒体に記録されている情報から出力すべきメモ情報を検索し、
検索したメモ情報を出力する
情報記録再生方法。
【請求項23】
無線装置が送出する無線信号の受信部とメモ情報入力部と記録媒体とを備え、上記記録媒体に情報を記録してこれを再生することが可能な情報記録再生装置に搭載されるコンピュータに、
メモ情報の入力モードにあるときには、
上記受信部を通じて1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信する受信ステップと、
上記受信部を通じて受信した1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得する取得ステップと、
上記メモ情報入力部を通じてメモ情報の入力を受け付ける受付ステップと、
上記取得ステップにおいて取得した1以上の上記装置識別情報と上記受付ステップにおいて受け付けた上記メモ情報とを関連付けて記録媒体に記録する記録ステップと
を実行し、
メモ情報の出力モードにあるときには、
上記受信部を通じて1以上の無線装置が発する無線信号のそれぞれを受信する受信ステップと、
上記受信部を通じて受信した1以上の上記無線信号のそれぞれから装置識別情報を取得する取得ステップと、
上記取得ステップにおいて取得した1以上の上記装置識別情報をキー情報として上記記録媒体に記録されている情報から出力すべきメモ情報を検索する検索ステップと、
上記検索ステップにおいて検索したメモ情報を出力する情報出力ステップと
を実行させる情報記録再生プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2007−140661(P2007−140661A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330302(P2005−330302)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】