説明

情報記録再生装置および情報記録再生方法

【課題】消費電力の増大を低減するとともに、記録される情報の信頼性を高める情報記録再生装置および情報記録再生方法を提供する。
【解決手段】任意の情報記録媒体の品質劣化の傾向から、他の情報記録媒体の品質を算出できる情報記録媒体監視部を有し、前記情報記録媒体監視部が予め定めた品質基準値と比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては品質規格外媒体として所定の処置を施すことを特徴とする情報記録再生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報記録再生装置に係り、特に複数の情報記録媒体を具備したアーカイブ装置において各情報記録媒体の品質を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として特開2007−80363号公報(特許文献1)がある。この公報には、「DVDドライブはDVDディスクに記憶された情報を読み出す。制御部は読み出された情報からディスク劣化情報を求める。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−80363号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
埃、湿気などの取り除くことが困難な外的要因や経年劣化などにより情報記録媒体の品質は劣化する(以下、自然劣化と表記)。特許文献1記載の手法では記録や再生(以下、記録再生と表記)を行わない情報記録媒体のディスク劣化情報を求めることは不可能であり、複数の情報記録媒体を具備するアーカイブ装置においては各々の情報記録媒体を記録再生する頻度が少ないため、記録再生されないディスクの品質を監視できず、前記アーカイブ装置に記録される情報の信頼性が損なわれるといった課題がある。
【0005】
一方、アーカイブ装置が具備する全ての情報記録媒体に対して再生を行い、該全ての情報記録媒体のディスク劣化情報を求めると、アーカイブ装置の消費電力が大きくなってしまう。
【0006】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、複数の情報記録媒体を具備するアーカイブ装置において、消費電力の増大を低減するとともに、記録される情報の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明では一例として特許請求の範囲記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、消費電力の増大を低減すとともに、記録される情報の信頼性を高める情報記録再生装置を提供することができる。
【0009】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1における記録再生時の情報記録媒体品質評価処理のフローチャート
【図2】実施例1における情報記録再生装置のブロック図
【図3】実施例1における情報記録再生ドライブのブロック図
【図4】実施例1における保存経過時間に対する情報記録再生媒体品質劣化の特性
【図5】実施例1における保存経過時間に対する情報記録再生媒体品質劣化の特性
【図6】実施例1における情報記録媒体品質の類推方法の概念図
【図7】実施例1における品質規格外情報記録媒体に対する特別処理のフローチャート
【図8】実施例1における情報記録媒体のレイアウト
【図9】実施例1における全情報記録媒体の品質算出処理のフローチャート
【図10】実施例1における記録再生時以外の情報記録媒体品質評価処理のフローチャート
【図11】実施例1における情報記録媒体品質評価値
【図12】実施例2における情報記録再生装置のブロック図
【図13】実施例2における情報記録再生ドライブのブロック図
【図14】実施例2における情報記録媒体品質評価値
【図15】実施例2における記録再生時の情報記録媒体品質評価処理のフローチャート
【図16】実施例2における品質規格外情報記録媒体に対する特別処理のフローチャート
【図17】実施例2における記録再生時以外の情報記録媒体品質評価処理のフローチャート
【図18】実施例3におけるホストサーバと情報記録再生装置から構成されるアーカイブ装置のブロック図
【図19】実施例3におけるホストサーバのブロック図
【図20】実施例3における情報記録再生装置のブロック図
【図21】実施例3における情報記録再生装置のブロック図
【図22】実施例3における情報記録媒体品質評価値
【図23】実施例3における情報記録媒体品質評価値
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1では本発明を光ディスクを用いたアーカイブ装置(以下、光ディスクアーカイブ装置またはアーカイブ装置と表記)に適用した場合の実施例について説明する。
【0013】
実施例1のアーカイブ装置の構成ならびに動作を、図面を参照しながら詳述する。
【0014】
図2は実施例1におけるアーカイブ装置のブロック図である。以下、本実施例では情報記録媒体に光ディスクを、情報記録媒体記録再生ドライブに光ドライブを用いる光ディスクアーカイブ装置として説明するが、本発明を適用可能な情報記録媒体や情報記録再生ドライブはこれらに限られるものではなく、例えば情報記録媒体として磁気記録媒体や磁気テープ媒体を、情報記録再生ドライブに磁気記録再生ドライブを用いて構成されるアーカイブ装置としても良い。また、例えばホログラム媒体や半導体メモリに適用しても構わない。
【0015】
本実施例のアーカイブ装置10は、アーカイブ装置制御部11と、チェンジャー機構12と、光ディスク40を複数収納するラック13と、ホストインタフェース14と、ドライブインタフェース15と、情報記録媒体品質監視部16と、情報記録媒体監視デーベース17と、複数の光ドライブ30とで構成される。
【0016】
光ディスクアーカイブ装置10は、ホストインタフェース14を介してホストコンピュータ20と接続され、記録や再生といった各種のコマンドとコマンドの実行結果と記録再生したデータを送受信する。
【0017】
ラック13は複数のスロットを備えており、各スロットには1枚ずつ光ディスク40を収納することができる。
【0018】
アーカイブ装置制御部11は光ディスクアーカイブ装置10の動作全般を制御する機能を備えており、チェンジャー機構12を動作させて、ラック13から所定の光ディスク40を取り出し、所定の光ドライブ30まで搬送してロードする。あるいは逆に、所定の光ドライブ30からイジェクトされた光ディスク40を、ラック13の所定のスロットに搬送して収納する。また、ドライブインタフェース15を介して各光ドライブ30は互いに、またアーカイブ装置制御部11と接続されており、アーカイブ装置制御部11は所定の光ドライブ30に対して記録や再生といった各種のコマンドと記録するデータを送信し、コマンドの実行結果と再生したデータおよび後述する情報記録媒体品質評価値を受信する。また、アーカイブ装置制御部11は受信した情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体品質監視部16に供給する。
【0019】
情報記録媒体品質監視部16は、アーカイブ装置制御部11から受信した情報記録媒体品質評価値に基づいて、ラック13に収納されている全ての光ディスク40の品質を監視し管理する機能を備えている。また、該品質結果に応じた処理コマンドをアーカイブ装置制御部11に供給する。
【0020】
情報記録媒体監視データベース17は情報記録媒体品質監視部16が全光ディスク40の品質を管理するための情報を保持するデータベースであり、情報記録媒体品質監視部16によってレコードの更新と読み出しが行われる。
【0021】
ライブラリ10の詳細な動作については後述する。
【0022】
図8は実施例1における光ディスク40の構成図である。
【0023】
光ディスク40は大きく分けて、ディスクIDなどが記録されているリードインエリア41、リードアウトエリア42、ユーザがデータを記録再生するユーザデータエリア43の3つの領域から構成される。
【0024】
図3は実施例1における光ドライブ30のブロック図である。
本実施例の光ドライブ30は、ドライブ制御部31と、光ピックアップ32と、コントローラインタフェース34と、ディスク回転機構50と、スライダ機構51と、サーボ制御部52と、サーボ信号生成部53と、再生信号生成部54と、再生信号2値化部55と、エンコード部56と、デコード部57と、AFE(Analog Front End)60と、信号品質測定部61とで構成される。
【0025】
光ディスク40からの反射光量は光ピックアップ32の光検出器で受光されて電気信号に変換され、AFE60に送られる。
【0026】
AFE60は光ピックアップからの電気信号の増幅等のアナログ信号処理を実行し、信号品質測定部61とサーボ信号生成部53と再生信号生成部54に供給する。
【0027】
信号品質測定部61は、AFE60から供給される信号の最短周期信号長の振幅中心情報であるベータ、前記信号の位相エラー情報であるエッジシフト、ジッタ、i-MLSE、および反射光の総和であるプルインエラー信号(以下PEと表記)などを測定して測定結果を生成し、後述する情報記録媒体品質評価値としてドライブ制御部31に供給する。
【0028】
サーボ信号生成部53は、装着された光ディスク40に好適な検出方法で各種のサーボ信号を選択して生成し、後述する情報記録媒体品質評価値としてドライブ制御部31に供給する。サーボ信号には少なくともフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とが含まれる。
【0029】
再生信号生成部54は、波形等化回路とA/Dコンバータとを備えており、AFE60から供給されたアナログの再生信号に対して、所定の波形等化の後、標本化および量子化を行ってデジタル信号に変換し、再生信号2値化部55に供給する。
【0030】
再生信号2値化部55は、トランスバーサルフィルタと、ビタビ復号回路を備える。再生信号生成部54から供給されたデジタル信号はトランスバーサルフィルタで所定のPRクラスに等化され、ビタビ復号回路で最尤復号を行って、この等化波形を所定の変調規則に基づくNRZI信号に変換する。再生信号2値化部55で生成されたNRZI信号は、デコード部57によってデータの訂正処理などを行って再生データ信号に変換され、コントローラインタフェース34を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。再生データは前記ユーザデータエリア43に記録されたユーザデータのみではなく、光ディスクのリードインエリア41に記録されるディスクIDなどの情報も含み、リードインエリアを再生した際に得られる情報、特にディスクIDは情報記録媒体品質評価値として再生データと共にコントローラインタフェース34を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。また、デコード部57は訂正処理時に訂正を行った回数を通知する機能を備えており、再生エラーレートを測定することができ、該再生エラーレートも情報記録媒体品質評価値としてコントローラインタフェース34を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0031】
ドライブ制御部31は、光ドライブ30の動作全般を制御する。
【0032】
再生時のドライブ制御部31はサーボ信号生成部53から供給されるサーボ信号を用いて、ディスク回転機構50に装着された光ディスク40の回転制御を行い、スライダ機構51を駆動して光ピックアップ32を光ディスク40の半径方向に変位させるシーク制御及び送り制御を行い、光ピックアップ32の対物レンズを駆動してフォーカス制御およびトラッキング制御を行う。尚、ここでサーボ制御に用いたサーボ信号は情報記録媒体品質評価値としてコントローラインタフェース34を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0033】
記録時のドライブ制御部31はコントローラインタフェース34を介してアーカイブ装置制御部11から送られてきた記録データ信号を、エンコード部56で所定の変調規則によるNRZI信号に変換してドライブ制御部31に供給し、ドライブ制御部31はこのNRZI信号に対応した記録ストラテジ(発光パルス列)に変換し、所定の光強度およびパルス列でレーザを発光させる。
【0034】
ここで前記記載の情報記録媒体品質評価値について図11を用いて説明する。
【0035】
図11は情報記録媒体品質評価値として情報記録媒体監視データベース17に記録される項目を示しており、各情報はディスクID毎に記録再生もしくは後述する光ディスクの品質を類推するたびに追加更新される。1100は光ディスク固有のIDを示すディスクID、110は光ディスクがラック13に保管されてから経過した時間を示すディスク保管時間、1102は記録再生動作を行った時間を示す記録再生動作時間、1103乃至1109は順に記録再生時に取得したエラーレート、エッジシフト、ジッタ、i−MULSE,ベータ、サーボ信号、PEを各々示し、1110乃至1112については後述する品質劣化の傾向、類推品質、品質保持時間を示す。尚1103乃至1109は記録再生中に取得する情報であるが、その値は最も悪く出た値を項目毎に記録再生を行ったアドレス情報と共に保管しても良いし、記録再生した箇所の各項目の平均値を保管しても良いし、ディスクの自然劣化が最も顕著に現れる記録再生領域の最外周の情報を記録しても良く、保管される情報の記録再生位置は限定されない。
【0036】
実施例1の光ディスクアーカイブ装置が記録再生中に全光ディスクの品質を評価する処理動作について説明する。図1は実施例1における記録再生動作中に実行する情報記録媒体の品質評価処理のフローチャートである。
【0037】
アーカイブ装置制御部11はホストコンピュータ20から記録再生命令を受け取ると、記録再生処理の実行に併せて品質評価処理を実施する。ここでは光ディスク40のうち、光ディスクMにデータを記録再生する命令を受け取ったものとする。
【0038】
アーカイブ装置制御部11は光ディスクMを記録再生する光ドライブ30として光ドライブNを選択し、100において、チェンジャー機構12を駆動して光ディスクMを光ドライブNにロードする。
【0039】
101において光ディスクMのリードインエリア41を再生し、特にディスクIDなどは情報記録媒体品質評価値としてアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0040】
102において光ディスクMのユーザデータエリア43を記録再生し、該記録再生中に光ドライブNは記録再生領域のベータ、エッジシフト、ジッタ、サーボ信号、PEおよびi-MLSEやエラーレートなどの情報記録媒体品質評価値を測定する。なお、本発明において、これら評価値のうちいずれか1つを用いても構わない。再生の場合は再生データから信号品質測定部61とデコード部57が前記情報記録媒体品質評価値を測定し、記録の場合は記録後に記録箇所の再生を行うベリファイ処理によって、情報記録媒体品質評価値を測定する。このベリファイ処理は記録する全ての領域に対して行っても良いし、例えば記録されるデータの内、最外周側に記録されるデータに対して行っても良い。これは情報記録媒体の経年劣化は外周側の方が内周側に比べて起こりやすいことに起因する。なお、本発明はこれらに限られず、情報記録媒体品質評価値を測定する領域は限定されない。測定された情報記録媒体品質評価値はアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0041】
次に103において、アーカイブ装置制御部11は受信した情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体品質監視部16に供給し、111においてアーカイブ装置制御部11は光ドライブNから光ディスクMをイジェクトさせる。イジェクトされた光ディスクMはチェンジャー機構12によりラック13に搬送される。
【0042】
次に104において、情報記録媒体品質監視部がラックに保管される全光ディスクの品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出する。104の詳細な動作については後述する。
【0043】
次に105では類推品質1111が図6に示す閾値606を超える光ディスクがあるかを判断し、無ければ評価を終了し、あれば該ディスクを品質規格外ディスクに設定して106の処理を実行する。
【0044】
106において、チェンジャー機構12を駆動して前記品質規格外ディスクを光ドライブNにロードする。107において前記品質規格外ディスクのリードインエリア41を再生し、ディスクIDなどは情報記録媒体品質評価値としてアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0045】
108において品質規格外ディスクの情報記録媒体品質評価値を取得する。既記録ディスクに対してはユーザデータを再生し、ベータ、エッジシフト、ジッタおよびi-MLSEやエラーレートなどを測定し、情報記録媒体品質評価値としてアーカイブ装置制御部11に供給する。未記録ディスクに対しては未記録領域を再生した際に得られるPE信号やサーボ信号を測定し、情報記録媒体品質評価値としてアーカイブ装置制御部11に供給する。アーカイブ装置制御部11は供給された情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体品質監視部16に供給し、情報記録媒体品質監視部16は供給された情報を用いて、ディスクID毎に情報記録媒体品質評価値が管理されている情報記録媒体監視データベース17を更新する。
【0046】
109において108で取得した情報記録媒体品質評価値と閾値606を比較し、その結果、光ディスクは品質規格外の光ディスクであるかを判断し、品質規格外のディスクでなければ112の処理を実行し、109において検査した光ディスクが品質規格外の光ディスクであると判断された場合には110の品質規格外ディスクに対して特別処理を実行する。110の詳細な動作については後述する。
【0047】
112ではアーカイブ装置制御部11は光ドライブNから光ディスクMをイジェクトさせる。イジェクトされた光ディスクMはチェンジャー機構12によりラック13に搬送される。112の処理が終了すれば、105の処理に戻りまだ108の処理を行っていない光ディスクの内104の類推品質1111から品質規格外ディスクと判断されるディスクはないかを判断する。
【0048】
前記104の処理において全光ディスクの品質劣化の傾向1110を算出する方法について図4と図5を用いて説明する。
【0049】
図4は自然劣化とi−MLSE、ベータの関係を示す図である。
【0050】
図4の401は経過時間に対して自然劣化のみが要因となり変化するi−MLSEの様子を示し、402は経過時間に対して自然劣化のみが要因となり変化するベータの様子を示す。
【0051】
図4に示す通り、自然劣化によるi−MLSE、ベータはある経過時間を境にi−MLSE401は急激に増加し、ベータは減少するという特性がある。
【0052】
また図5は経過時間に対して自然劣化のみが要因となり変化するエラーレートの関係を示す図である。501乃至507は各光ディスクの経過時間に対して自然劣化のみが要因となり変化するエラーレートの様子を示し、508は501乃至507の全光ディスクの品質劣化の傾向の平均を示す。
【0053】
図5に示す通り、自然劣化によるエラーレートは経過時間に対して線形的に悪化する特性がある。
【0054】
図4、5に示される特性を用いて品質劣化の傾向1110を算出する。次に前記104の処理において全光ディスクの類推品質1111と品質保持時間1112を算出する方法を図6を用いて説明する。
【0055】
例えば情報記録媒体監視データベース17に図6に示す光ディスク1のエラーレート601と光ディスク3のエラーレート607が保存されている状態で、光ディスク2の情報記録媒体品質評価値603を取得し、前記記載の方法で全光ディスクの品質劣化の傾向602を算出し、光ディスク1と3に前記算出した品質劣化の傾向を適用し、現在の品質608と609を算出し、該608と609の値を類推品質1111とする。ここで、情報記録媒体監視データベース17に過去の情報記録媒体品質評価値が登録されていない未記録のディスク4がある場合については、未記録の光ディスクに対して予め定めた光ディスクの情報記録媒体初期品質情報610と前記算出した全光ディスクの品質劣化602の傾向を用いて、類推品質611を算出する。もしくは図示していないが、予め定めた品質劣化の傾向から類推品質611を算出しても良い。
【0056】
608、609及び611の現在の品質を類推したら、次に予め定めた良質である光ディスクと悪質である光ディスクを判別するための閾値606の品質となる経過時間605を光ディスク毎に算出し、算出結果を品質保持時間1112として情報記録媒体監視データベース17に保存する。
【0057】
前記104の全光ディスクの品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出する処理フローについて図9を用いて詳細に説明する。
【0058】
図9は全光ディスクの品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出する処理のフローチャートである。情報記録媒体品質監視部が記録再生した光ディスクの情報記録媒体品質評価値を取得すると、まず記録再生した光ディスクのディスクIDを取得し(10400)、取得したディスクIDの過去の情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体監視データベース17に検索する(10401)。10402において今回取得したディスクIDの過去の情報記録媒体品質評価値が情報記録媒体監視データベースに記録されているかを判断し、記録されていれば今回取得した情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体監視データベース17に追加登録した上で10403の処理に移り、記録されていなければ今回取得した情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体監視データベース17に新規登録した上で、10405の処理を実行する。
【0059】
10403においては今回取得した情報記録媒体品質評価値と過去に取得した情報記録媒体品質評価値から、前記記載の通り、例えばi−MLSEであれば経過時間に対して指数関数近似を行い、ベータやエラーレートであれば経過時間に対して線形近似を行って、記録再生した光ディスクの品質劣化の傾向1110を算出し、該算出した品質劣化の傾向1110を情報記録媒体監視データベース17にディスクID毎に保存する。
【0060】
10405においては前記記載の通り今回取得した情報記録媒体品質評価値と情報記録媒体監視データベース17に記録される予め定めた初期値もしくは予め定めた品質劣化の傾向から10403と同様に品質劣化の傾向1110を算出し、該算出した品質劣化の傾向1110を情報記録媒体監視データベース17にディスクID毎に保存する。
【0061】
尚、品質劣化の傾向1110の算出方法としてi−MLSEであれば経過時間に対して指数関数近似を行い、ベータやエラーレートであれば経過時間に対して線形近似を行うと記載したが、品質劣化の算出方法はこれらに限定されるものではなく、例えばi−MLSEの変化の傾向を線形近似を用いて算出しても良い。また品質劣化の傾向に用いる指標はi−MLSE、ベータやエラーレートと記載したが、そのほかにジッタやエッジシフト、後述する未記録ディスクの品質を類推する際に用いるサーボ信号やPEを用いても良い。また算出の際にはディスクID毎に今回取得した情報記録媒体品質評価値と過去に取得した全ての情報記録媒体品質評価値を用いても良いし、その一部を用いて品質劣化の傾向を算出しても良く、その算出方法は限定されない。
【0062】
また情報記録媒体監視データベース17に登録される品質劣化の傾向1110は例えば前記近似計算を用いて算出した数式とする。前記保存される数式は、例えば情報記録媒体品質評価値にエラーレートを用いる場合は時間に対して線形一次補間を行い線形一次近似式を算出し、該算出した近似式の次数と係数のみとしても良いし、一般式でも良い。また情報記録媒体品質評価値にi−MLSEを用いる場合は時間に対して指数近似を行い、該算出した近似式の係数のみとしても良いし、一般式でも良い。
【0063】
10403または10405で記録再生した光ディスクの品質劣化の傾向1110を算出したら、次に10404で全光ディスクの品質劣化の傾向を算出する。全光ディスクの品質劣化の傾向は例えば図5の508に示す通り、情報記録媒体監視データベース17に保存される全ての品質劣化の傾向から、その平均を全光ディスクの品質劣化の傾向としても良いし、品質劣化が経過時間に対して最も大きいものを全光ディスクの品質劣化の傾向としても良いし、任意の光ディスクの品質劣化の傾向を全光ディスクの品質劣化の傾向としても良い。また全光ディスクの品質劣化の傾向1110は全ディスク共通の値としても良いし、ディスクID毎に保有しても良いし、例えばディスク保管時間1101別にグループ分けして保有しても良い。
【0064】
10404で全光ディスクの品質劣化の傾向1110を算出したら、10406で全光ディスクの現在の品質である類推品質1111を算出する。なお、本発明は、必ずしも全ての光ディスクの類推品質1111を算出する必要はなく、少なくとも1枚の類推品質1111を算出すればよい。
【0065】
10406で全光ディスクの品質を類推したら、全情報記録媒体の品質算出は終了し、図1の105の処理を行う。尚、類推品質1111と品質保持時間1112を算出するために情報記録媒体品質評価値の内、エラーレートを用いることを記載しているが、情報記録品質情報として用いる情報はこれに限らず、i−MLSEやベータやジッタやPEやサーボ信号などでも良い。
【0066】
前記110の品質規格外ディスクの特別処理について図7を用いて詳細に説明する。
【0067】
まず11000において当該ディスクが未記録ディスクであるかを判断し、未記録ディスクであれば11001の処理を実行し、既記録ディスクであれば11006の処理を実行する。
【0068】
11001では品質規格外ディスクを記録禁止ディスクに設定して、以降記録を行わないディスクとし、交換対象ディスクとして該ディスクを光ディスクアーカイブ装置から排出し、新たなディスクと交換する処理などを行う。また交換対象ディスクに設定された光ディスクに関する情報記録媒体監視データベース17に記録される情報記録媒体品質評価値には交換対象ディスクに設定されたことを追加し、該品質規格外ディスクの情報記録媒体品質評価値は全光ディスクの品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出する際には除外しても良いし、用いても良い。ここで、交換対象ディスクに設定されたディスクの交換処理実行時期については交換対象ディスクが一定の枚数に達した時点で行っても良いし、交換処理を実行する時期を定期的に決めて行っても良く、交換する時期については限定されない。
【0069】
また、交換対象ディスクに設定したディスクをすぐに交換しない場合は、一旦光ドライブNからイジェクトし、イジェクトされた交換対象ディスクはチェンジャー機構12により一時的にラック13に保管される。また新たに追加されたディスクは従来から保管される情報記録媒体の情報記録媒体品質評価値も含めて品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出しても良いし、光ディスクを追加した時期毎、つまりディスク保管時間毎に区分けして前記1110乃至1112を算出しても良い。
【0070】
品質規格外ディスクに対して前記記録禁止ディスクと交換対象ディスクとしての設定を終えたら規格外ディスクの特別処理は終了する。
【0071】
11006では105で品質規格外ディスクと判断されなかった光ディスク、または11004で記録禁止ディスクと判断されていない光ディスクPを光ドライブ30中の光ドライブOにロードし、11007でドライブOにロードした光ディスクPのリードインエリア41を再生し、特にディスクIDなどは情報記録媒体品質評価値としてアーカイブ装置制御部11に送られる。ここで品質規格外ディスクに設定された光ディスクを再生したデータの信頼性について言及する。一般的に、アーカイブ装置に用いられる情報記録媒体は民生用途の情報記録媒体に比べて高品質であることが求められるため、前記アーカイブ用途の閾値606は民生用途の閾値606より低い値が設定される。そのため前記105の処理で品質規格外ディスクと設定されても再生不可能な光ディスクになることはなく、また再生不可能な光ディスクを発生させないように閾値606も設定される。
【0072】
11002ではまずドライブNが品質規格外ディスクに記録される全てのデータを再生し、再生されたデータは順次アーカイブ装置制御部11に送られる。アーカイブ装置制御部11は該送られる再生データを順次記録データとして光ドライブOに供給し、光ドライブOは該送られるデータを順次光ディスクPに記録して、品質規格外ディスクの複製を生成する。前記ディスク複製時の記録動作については図1に示す102の記録動作と同様に記録と再生を交互に繰り返すベリファイ処理とし、記録中は情報記録媒体品質評価値を取得する。
【0073】
11003では11002で取得した情報記録媒体品質評価値を用いて、複製した光ディスクPが品質規格外ディスクであるかを判断し、複製した光ディスクPが品質規格外ディスクでなければ11005の処理を実行し、複製した光ディスクPが品質規格外ディスクであれば11004の処理を実行する。
【0074】
11005は11001の同様の処理であり、前記11005の処理を終了したら複製した光ディスクPをチェンジャー機構12を用いてラック13に搬送して品質規格外ディスクの特別処理は終了する。
【0075】
11004では複製した光ディスクPに対して11001や11005と同様の処理を実行し、処理が終了したら11006の処理を実行する。
【0076】
品質規格外ディスクの特別処理が終了したら、105の処理に戻り品質規格外ディスクの内、106乃至108の処理を実行していない光ディスクはないかを判断し、ないと判断されれば評価は終了し、あれば前記記載の通り106の処理を実行する。
【0077】
ここで、記録再生時以外の光ディスクアーカイブ装置10の動作中の情報記録媒体品質評価について説明する。
【0078】
図10は記録再生時以外の光ディスクアーカイブ装置10の動作中の情報記録媒体の品質評価処理フローチャートを示す。尚、図1に示す記録再生動作中に実行する情報記録媒体の品質評価処理のフローチャートと同じ処理については図1と同じ番号を付しおり、同じ処理の動作説明は省略する。
【0079】
1001において、情報記録媒体品質監視部16は情報記録媒体監視データベース17に記録される図11の全光ディスクの品質保持時間1112とディスク保管時間1101を比較し、該比較結果において品質保持時間1112がディスク保管時間1101を上回った場合は記録再生時以外の情報記録媒体の品質評価は終了し、下回った場合は106の処理を実行する。
【0080】
図10に示す106乃至110及び112の処理は前記記載の図1に示す106乃至110及び112と同様である。
【0081】
ここで記録再生時以外の評価は、光ディスクライブラリの起動中は常に実行していても良い。また、当該評価は、定期的に実行していても良いし、図2に示すホストコンピュータ20からの命令を受けたときに実行しても良いし、品質保持時間1112がディスク保管時間1112を下回ったら警告信号を出力する機能を情報記録媒体監視データベースに持たせ、図10に示す処理を実行するようにしても良い。これにより、消費電力の削減が可能となると共に、情報記録媒体の品詞監視のための動作を軽減することができる。なお、本発明はこれらに限られず記録再生時以外の評価の時期は限定されない。
【0082】
また、光ディスクアーカイブ装置が記録再生を行わず、情報記録媒体監視データベースに情報記録媒体品質評価値が全く記録されていない場合においては、情報記録媒体品質監視部16が予め定めた初期品質保持時間と前記経過時間の比較を行い、前記1001と同様の処理を実行する。
【0083】
このように通常の記録再生動作中に情報記録媒体品質評価値を取得し、該取得した結果から情報記録媒体の品質劣化の傾向を算出し、該算出した品質劣化の傾向から情報記録媒体の品質を類推することで、情報記録媒体品質監視のための処理を大きく軽減することができ、アーカイブ装置に保存される情報記録媒体の品質を監視することができるため、アーカイブ装置に記録されるデータの信頼性を向上することができる。
【0084】
なお、本発明は、チェンジャー機構を備えるアーカイブ装置において特に有効である。チェンジャー機構を備える装置において、アーカイブ装置が具備する全ての情報記録媒体に対して再生を行い、該全ての情報記録媒体の劣化情報を求めると、逐次、チェンジャー機構が情報記録媒体を記録再生装置に搬送する必要があるため、アーカイブ装置の消費電力がとりわけ大きくなってしまう。さらに処理時間も増大してしまう。一方、本発明を用いれば、アーカイブ装置の消費電力と処理時間の増大を低減するとともに、情報の信頼性を高めることが出来る。
【実施例2】
【0085】
実施例2では本発明をハードディスクドライブ(以下、HDDと表記)を用いたアーカイブ装置に適用した場合の実施例について説明する。
【0086】
実施例2のアーカイブ装置の構成ならびに動作を、図面を参照しながら詳述する。
【0087】
図12は実施例2におけるアーカイブ装置のブロック図である。尚、本実施例では情報記録再生ドライブに情報記録媒体が一体となったHDDを用いるアーカイブ装置として説明するが、情報記録再生ドライブはこれらに限られるものではなく、情報記録再生ドライブと情報記録媒体が一体となったものであれば良く、例えば情報記録再生ドライブに情報記録媒体が一体となった光ドライブを用いたアーカイブ装置としても良い。
【0088】
以下、実施例1と相違する点についてのみ説明し、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0089】
アーカイブ装置制御部11はアーカイブ装置1200の動作全般を制御する機能を備えており、集線装置18を介して所定のホストコンピュータ20から受信する命令コマンドに従って所定のHDDにデータを記録再生する。またHDD19の記録再生中、HDD19は記録再生したデータと記録再生の際に得られる情報記録媒体品質評価値を集積装置18を介してアーカイブ装置制御部11に供給する。
【0090】
図13は実施例2における情報記録媒体が一体となった情報記録再生ドライブの構成図である。
【0091】
本実施例のHDD19は、磁気ヘッド1301と、ボイスコイルモータ(以下、VCM1302と表記)と、ピポット軸受1303と、磁気ディスク1304と、ヘッド支持ばね1305と、キャリッジ1307と、スピンドルモータ1308と、サーボセクタ1312と、ヘッド信号増幅器1313と、サーボ信号生成部1314と、信号品質測定部1315と、再生信号生成部1316と、再生信号2値化部1317と、デコード部1318と、ドライブ制御部1319と、インターフェースコントローラ1321と、エンコード部1322と、パワーアンプ部1323と、バス1324とで構成される。
【0092】
スピンドルモータ1308は、図示しないベースに固定されており、所定速度で回転する。スピンドルモータ1308には、情報記録媒体である磁気ディスク1304が固定されている。スピンドルモータ1308に固定された磁気ディスク4の側方にはピポット軸受3がスピンドルモータ軸に平行になるように設けられている。磁気ヘッド1の保持部材はヘッド支持ばね1305とキャリッジ1307とからなり、ピポット軸受1303に振動可能に固定されている。磁気ヘッド1301を移動させる動力はVCM1302により発生する。尚、図示はしていないが磁気ディスク1304と磁気ヘッド1301は一つとは限定されず、複数存在しても良く、複数の磁気ディスク1304が存在する場合、磁気ヘッド1301などは磁気ディスク1304の数に応じて具備される。
【0093】
VCM2内の駆動コイルは、キャリッジ7に固定されている。磁気ヘッド1301を位置決めするヘッドアクチュエータは、磁気ヘッド1301、ヘッド支持ばね1305、キャリッジ1307、ピポット軸受1303及びVCM1302から構成される。
【0094】
磁気ディスク1304から磁気ヘッド1301で再生された情報はヘッド信号増幅器1313を介してサーボ信号生成部1314、信号品質測定部1315および再生信号生成部1316に送られる。
【0095】
信号品質測定部1315ではヘッド信号増幅器1313から供給される信号から再生信号情報の位相エラー情報であるエッジシフト、ジッタおよびサーボ信号などを測定して測定結果を生成し、後述する情報記録媒体品質評価値としてドライブ制御部1319に供給する。
【0096】
サーボ信号生成部1314は、ヘッド信号増幅器1313を介して、磁気ディスク1304上に放射状に配置されたサーボセクタ1312領域に記録されたサーボ情報を検出し、後述する情報記録媒体品質評価値として制御部1319に供給する。
【0097】
再生信号生成部1316は、波形等化回路とA/Dコンバータとを備えており、ヘッド信号増幅器1313から供給されたアナログの再生信号に対して、所定の波形等化の後、標本化および量子化を行ってデジタル信号に変換し、再生信号2値化部1317に供給する。
【0098】
再生信号2値化部1317は供給される再生信号に好適な手段で、再生信号を所定の変調規則に基づくNRZI信号に変換する。再生信号2値化部1317で生成されたNRZI信号は、デコード部1318によってデータの訂正処理などを行って再生データ信号に変換され、バス1324、インターフェースコントローラ1321、集線装置18を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。また、デコード部1318は訂正処理時に訂正を行った回数を通知する機能を備えており、再生エラーレートを測定することができ、該再生エラーレートを後述する情報記録媒体品質評価値としてインターフェースコントローラ1321を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0099】
ドライブ制御部1319はHDD19の動作全般を制御する。再生時のドライブ制御部1319はサーボ信号生成部1314から供給されるサーボ信号を用いて、スピンドルモータ1308に装着された磁気ディスク1304の回転制御を行い、ヘッド支持ばね1305、キャリッジ1307、ピポット軸受1303及びVCM1302を駆動して磁気ヘッド1301を磁気ディスク1304の半径方向に変位させるシーク制御及び送り制御を行い、磁気ヘッド1301を再生位置に追従させる。尚、ここでサーボ制御に用いたサーボ信号は情報記録媒体品質評価値としてバス1324、インターフェースコントローラ1321および集線装置18を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0100】
記録時のドライブ制御部1319はインターフェースコントローラ1321を介してアーカイブ装置制御部11から送られてきた記録データ信号を、エンコード部56で所定の変調規則によるNRZI信号に変換してドライブ制御部1319に供給し。ドライブ制御部31はこのNRZIに対応した記録制御信号をパワーアンプ部1323に供給する。パワーアンプ部1323は前記供給された記録制御信号に従って電流指令信号を生成してVCM駆動電流を規定し、所定の磁気記録を行う。
【0101】
尚、記録再生時にドライブ制御部1319は各ドライブ固有のドライブIDを前記情報記録媒体品質評価値と共に制御部11に供給する。
【0102】
ここで前記記載の情報記録媒体品質評価値について図14を用いて説明する
図14は情報記録媒体品質評価値として情報記録媒体監視データベース17に記録される項目を示しており、各情報はドライブID毎に記録再生もしくは後述するHDDの品質を類推するたびに追加更新される。1400はHDD固有のIDを示すドライブID、1401はHDDがアーカイブ装置に保管されてから経過した時間を示すドライブ保管時間、1402は記録再生動作を行った時間を示す記録再生動作時間、1103乃至1105および1108は実施例1同様にエラーレート、エッジシフト、ジッタ、サーボ信号、を各々示し、1110乃至1112は実施例1と同義のものであり、実施例2ではHDDの品質劣化の傾向、類推品質、品質保持時間を示す。
【0103】
実施例2のアーカイブ装置が記録再生中に全HDDの品質を評価する処理動作について説明する。図15は実施例2における記録再生動作中に実行するHDDの品質評価処理のフローチャートである。
【0104】
アーカイブ装置制御部11はホストコンピュータ20から記録再生命令を受け取ると、記録再生処理の実行に併せて品質評価処理を実施する。ここではHDD19のうち、HDD Mにデータを記録再生する命令を受け取ったものとする。
【0105】
1502においてHDD Mに対してデータを記録再生し、該記録再生中にHDD Mは記録再生領域のエッジシフト、ジッタおよびサーボ信号やエラーレートなどの情報記録媒体品質評価値を測定する。再生の場合は再生データから信号品質測定部1315とデコード部1318が前記情報記録媒体品質評価値を測定し、記録の場合は記録後に記録領域の再生を行うベリファイ処理によって、情報記録媒体品質評価値を測定する。このベリファイ処理は記録する全ての領域に対して行っても良いし、例えば記録されるデータの内、最外周に記録されるデータに対して行っても良く、情報記録媒体品質評価値を測定する領域は限定されない。測定された情報記録媒体品質評価値はアーカイブ装置制御部11に送られる。
【0106】
次に1503において、アーカイブ装置制御部11は受信した情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体品質監視部16に供給する。
【0107】
1504において情報記録媒体品質監視部がアーカイブ装置に保管される全HDDの品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を図1に示す実施例1の104と同様の手法を用いて算出する。
【0108】
1505では類推品質1111が予め定めた閾値を超えるHDDがあるかを判断し、無ければ評価を終了し、あれば該HDDを品質規格外HDDに設定して1508の処理を実行する。
【0109】
1508では図1に示す実施例1の108と同様の手法を用いて品質規格外HDDの情報記録媒体品質評価値を取得する。
【0110】
1509において1508で取得した情報記録媒体品質評価値と前記記載の予め定めた閾値を比較し、その結果、HDDは品質規格外HDDであるかを判断し、品質規格外のHDDでなければ1505の処理に戻り、1509において検査したHDDが品質規格外のHDDであると判断された場合には1510の品質規格外HDDに対して特別処理を実行する。
【0111】
1510の品質規格外HDDの特別処理について図16を用いて詳細に説明する。
【0112】
まず151000において当該HDDが未記録HDDであるかを判断し、未記録HDDであれば151001の処理を実行し、既記録HDDであれば151006の処理を実行する。
【0113】
151001では品質規格外HDDを記録禁止HDDに設定して、以降記録を行わないHDDとし、交換対象HDDとして該HDDをアーカイブ装置から排出し、新たなHDDと交換する処理などを行う。また交換対象HDDに設定されたHDDに関する情報記録媒体監視データベース17に記録される情報記録媒体品質評価値には交換対象HDDに設定されたことを追加し、該品質規格外HDDの情報記録媒体品質評価値は全HDDの品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出する際には除外しても良いし、用いても良い。ここで、交換対象HDDに設定されたHDDの交換処理実行時期については交換対象HDDが一定の枚数に達した時点で行っても良いし、交換処理を実行する時期を定期的に決めて行っても良く、交換する時期については限定されない。また、交換対象HDDに設定したHDDをすぐに交換しない場合は、一時的にアーカイブ装置に保管される。また新たに追加されたHDDは従来から保管される情報記録媒体の情報記録媒体品質評価値も含めて品質劣化の傾向1110、類推品質1111および品質保持時間1112を算出しても良いし、HDDを追加した時期毎に区分けして前記1110乃至1112を算出しても良い。
【0114】
151006では1505で品質規格外HDDと判断されなかったHDD、または151004で記録禁止HDDと判断されていないHDD Pを選択し、該HDD PのドライブIDをアーカイブ装置制御部11に供給する。
【0115】
151002ではまず品質規格外HDDに記録される全てのデータを再生し、再生されたデータは順次集線回路18を介してアーカイブ装置制御部11に送られる。アーカイブ装置制御部11は該送られる再生データを順次記録データとしてHDD Pに供給し、該送られるデータは順次HDD Pに記録され、品質規格外HDDの複製を生成する。前記HDD複製時の記録動作については図15に示す1502の記録動作と同様に記録と再生を交互に繰り返すベリファイ処理とし、記録中は情報記録媒体品質評価値を取得する。
【0116】
151003では151002で取得した情報記録媒体品質評価値を用いて、複製したHDD Pが品質規格外HDDであるかを判断し、複製したHDD Pが品質規格外HDDでなければ151005の処理を実行し、複製したHDD Pが品質規格外HDDであれば151004の処理を実行する。
【0117】
151005は151001の同様の処理である。151004では複製したHDDに対して151001や151005と同様の処理を実行し、処理が終了したら151006の処理を実行する。
【0118】
品質規格外HDDの特別処理が終了したら、1505の処理に戻り品質規格外HDDの内、1508の処理を実行していないHDDはないかを判断し、ないと判断されれば評価は終了し、あれば前記記載の通り1508の処理を実行する。
【0119】
図17は記録再生時以外のアーカイブ装置1200動作中の情報記録媒体の品質評価処理フローチャートを示す。尚、図15に示す記録再生動作中に実行する情報記録媒体の品質評価処理のフローチャートと同じ処理については図15と同じ番号を付しおり、同じ処理の動作説明は省略する。
【0120】
1701において、情報記録媒体品質監視部16は情報記録媒体監視データベース17に記録される図14の全HDDの品質保持時間1112と、全HDD19のドライブ保管時間1401を比較し、該比較結果において品質保持時間1112がHDD保管時間1401を上回った場合は記録再生時以外の評価は終了し、下回った場合は1502の処理を実行する。
【0121】
図17に示す1502、1509及び1510の処理は前記記載の図15に示す1502、1509及び1510と同様である。
【0122】
ここで記録再生時以外の評価はアーカイブの起動中は常に実行していても良いし、定期的に実行していても良いし、図12に示すホストコンピュータ20からの命令を受けたときに実行しても良いし、品質保持時間1112がディスク保管時間1112を下回ったら警告信号を出力する機能を情報記録媒体監視データベースに持たせ、図17に示す処理を実行するようにしても良く、記録再生時以外の評価の時期は限定されない。またアーカイブ装置が記録再生を行わず、情報記録媒体監視データベースに情報記録媒体品質評価値が全く記録されていない場合においては、情報記録媒体品質監視部16が予め定めた初期品質保持時間と前記経過時間の比較を行い、前記1701と同様の処理を実行する。
【0123】
このように情報記録媒体と情報記録再生ドライブが一体となったHDDを用いるアーカイブ装置においては情報記録媒体の搬送機構を削減することが可能であり、通常の記録再生動作中に情報記録媒体品質評価値を取得し、該取得した結果から情報記録媒体の品質劣化の傾向を算出し、該算出した品質劣化の傾向から情報記録媒体の品質を類推することで、情報記録媒体品質監視のための処理を軽減させた上でアーカイブ装置に保存される情報記録媒体の品質を監視することができるためアーカイブ装置に記録されるデータの信頼性を向上することができる。
【実施例3】
【0124】
実施例3では本発明を、少なくとも1台の実施例1乃至2記載のアーカイブ装置を情報記録再生装置として相互に接続して構成されるアーカイブ装置に適用した場合の実施例について説明する。
【0125】
実施例3のアーカイブ装置の構成ならびに動作を、図面を参照しながら詳述する。
【0126】
以下、実施例1乃至2と相違する点についてのみ説明し、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。図18は実施例3におけるアーカイブ装置のブロック図である。
【0127】
ホストサーバ1803はアーカイブ装置1800の動作全般を制御する機能を備えており、バス1802を介して所定のホストコンピュータ1801から供給される命令コマンドに従ってアーカイブ装置1800内部に具備される所定の情報記録再生装置1806にデータを記録再生する。また情報記録再生装置1806の記録再生中、情報記録再生装置1806は記録再生したデータと記録再生の際に得られる情報記録媒体品質評価値をIF1804を介してホストサーバ1803に供給する。ここで、情報記録再生装置1806は実施例1記載のアーカイブ装置を用いても良いし、実施例2記載のアーカイブ装置を用いても良いし、あるいは実施例1と2記載のアーカイブ装置を両方用いても良い。
【0128】
図19はホストサーバ1803の構成図である。
【0129】
ホストサーバ1803はアーカイブ装置制御部180301と、情報記録媒体品質監視部16と情報記録媒体監視DB17と、インターフェース180304と、インターフェース180305で構成される。
【0130】
アーカイブ装置制御部180301はインターフェース180305を介して供給されるホストコンピュータ1801からの命令コマンドに従って、アーカイブ装置制御信号と記録データをインターフェース180304を介してアーカイブ装置1800に供給し、アーカイブ装置1800から180304を介して供給される情報記録媒体品質評価値を情報記録媒体品質監視部16に、再生データをインターフェース180305を介してホストコンピュータに供給する。
【0131】
図20は実施例3における情報記録再生装置1806の構成図である。本実施例における情報記録再生装置が実施例1記載のアーカイブ装置と相違する点は、情報記録媒体品質監視部16と情報記録媒体監視DB17を具備しない点と、アーカイブ装置制御部11に代わり情報記録再生装置制御部180601が具備された点である。
【0132】
情報記録再生装置制御部180601は情報記録再生装置1806の動作全般を制御する機能を備えており、チェンジャー機構12を動作させて、ラック13から所定の光ディスク40を取り出し、所定の光ドライブ30まで搬送してロードする。あるいは逆に、所定の光ドライブ30からイジェクトされた光ディスク40を、ラック13の所定のスロットに搬送して収納する。また、ドライブインタフェース15を介して各光ドライブ30は互いに、また情報記録再生装置制御部180601と接続されており、情報記録再生装置制御部180601は所定の光ドライブ30に対してホストサーバ1803から供給されるアーカイブ装置制御信号に従って、記録や再生といった各種のコマンドと記録するデータを送信し、コマンドの実行結果と再生したデータおよび後述する情報記録媒体品質評価値を受信する。また、情報記録再生装置制御部180601は受信した情報記録媒体品質評価値をインターフェース14を介してホストサーバ1803に供給する。
【0133】
図21は実施例3における情報記録再生装置1806の構成図である。本実施例における情報記録再生装置が実施例2記載のアーカイブ装置と相違する点は、情報記録媒体品質監視部16と情報記録媒体監視DB17を具備しない点と、アーカイブ装置制御部11に代わり情報記録再生装置制御部180602が具備された点である。
【0134】
情報記録再生装置制御部180602は情報記録再生装置1806の動作全般を制御する機能を備えており、集線装置18を介して所定のホストサーバ1803から受信する命令コマンドに従って所定のHDDにデータを記録再生する。またHDD19の記録再生中、HDD19は記録再生したデータと記録再生の際に得られる情報記録媒体品質評価値を集積装置18を介して情報記録再生装置制御部180602に供給し、情報記録再生装置180602は前記情報記録媒体品質評価値をインターフェース14を介してホストサーバ1803に供給する。
【0135】
前述したが、実施例3における情報記録再生装置1806は図20に示す情報記録再生装置1806を用いても良いし、図21に示す情報記録再生装置1806を用いても良い。
【0136】
ここで前記記載の情報記録媒体品質評価値について図22と図23を用いて説明する。
【0137】
図22において実施例1の情報記録媒体品質評価値と相違する点は、複数存在する各情報記録再生装置1806固有のIDを示す情報記録再生装置ID1113が追加された点である。前記情報記録再生装置ID1113を前記情報記録媒体監視DBに登録することで、アーカイブ装置制御部180301はアーカイブ装置に具備される情報記録媒体を、該情報記録媒体を具備する情報記録再生装置毎に管理することが可能となり、アーカイブ装置に具備される全情報記録媒体の品質を監視することが可能となる。
【0138】
図23において実施例2の情報記録媒体品質評価値と相違する点は、図22で示した情報記録媒体品質評価値と同様に、複数存在する各情報記録再生装置1806固有のIDを示す情報記録再生装置ID1113が追加された点である。
【0139】
記録再生動作中に実行する情報記録媒体の品質評価処理は、情報記録再生装置1806に図20に示すアーカイブ装置を用いる場合は図1に従い、情報記録再生装置1806に図21に示すアーカイブ装置を用いる場合は図15に従う。また記録再生時以外の情報記録媒体の品質評価処理は、情報記録再生装置1806に図20に示すアーカイブ装置を用いる場合は図10に従い、情報記録再生装置1806に図21に示すアーカイブ装置を用いる場合は図17に従う。
【0140】
尚、実施例3において情報記録媒体の品質劣化の傾向1110、類推品質1111、品質保持時間1112を算出する際には情報記録再生装置ID1113毎に算出を行っても良いし、情報記録再生装置ID1113に関係なくアーカイブ装置に具備される全情報記録媒体を用いて算出を行っても良く、その算出方法は限定されない。
【0141】
このように少なくとも1台の実施例1乃至2記載のアーカイブ装置を情報記録再生装置として相互に接続して構成されるアーカイブ装置において、該アーカイブ装置を制御するホストサーバが情報記録媒体の品質を監視することで、アーカイブ装置が情報記録媒体の監視部とデータベースを持つことが不要となり、アーカイブ装置に具備される全情報記録媒体を一元管理することが可能となる。
【符号の説明】
【0142】
10・・・光ディスクアーカイブ装置
11・・・ライブラリ制御部
12・・・チェンジャー機構
13・・・ラック
14・・・ホストインタフェース
15・・・ドライブインタフェース
16・・・情報記録媒体品質監視部
17・・・情報記録媒体監視データベース
18・・・集線装置
19・・・HDD
20・・・ホストコンピュータ
31・・・ドライブ制御部
32・・・光ピックアップ
34・・・コントローラインタフェース
40・・・光ディスク
50・・・ディスク回転機構
51・・・スライダ機構
53・・・サーボ信号生成部
55・・・再生信号2値化部
56・・・エンコード部
57・・・デコード部
60・・・AFE
61・・・信号品質測定部
1200・・・アーカイブ装置
1301・・・磁気ヘッド
1302・・・VCM
1303・・・ピポット軸受
1304・・・磁気ディスク
1305・・・ヘッド支持ばね
1307・・・キャリッジ
1308・・・スピンドルモータ
1312・・・サーボセクタ
1313・・・ヘッド信号増幅器
1314・・・サーボ信号生成部
1315・・・信号品質測定部
1316・・・再生信号生成部
1317・・・再生信号2値化部
1318・・・デコード部
1319・・・ドライブ制御部
1321・・・インターフェースコントローラ
1322・・・エンコード部
1323・・・パワーアンプ部
1324・・・バス
1800・・・アーカイブ装置
1801・・・ホストコンピュータ
1802・・・バス
1803・・・ホストサーバ
1804・・・インターフェース
1805・・・バス
1806・・・情報記録再生装置
180301・・・アーカイブ装置制御部
180304・・・インターフェース
180305・・・インターフェース
180601・・・情報記録再生装置制御部
180602・・・情報記録再生装置制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報記録媒体に情報の記録または再生が可能な情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体を記録または再生可能で、かつ記録または再生中に情報記録媒体の品質をあらわす値である情報記録媒体品質評価値を測定可能な複数の情報記録再生ドライブと、
前記測定した情報記録媒体品質評価値を保持することが可能な情報記録媒体監視データベースが保持する情報記録媒体品質評価値から情報記録媒体の品質劣化の傾向を算出できる情報記録媒体監視部と、を有し、
前記情報記録媒体監視部は任意の情報記録媒体の品質劣化の傾向から他の情報記録媒体の品質を算出可能であることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体監視部は前記算出した情報記録媒体の品質と前記情報記録媒体監視部が予め定めた品質基準値を比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては品質規格外媒体として所定の処置を施すことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報記録再生装置であって、
前記所定の処置は前記品質規格外媒体を再生することで情報記録媒体品質評価値を取得し、該取得した結果を用いて再度前記品質基準値と比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては記録を行わないことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項4】
請求項2記載の情報記録再生装置であって、
前記所定の処置は前記品質規格外媒体を再生することで情報記録媒体品質評価値を取得し、該取得した結果を用いて再度前記品質基準値と比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては品質規格外媒体の複製を生成した上で新たな情報記録媒体と交換することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項5】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体品質評価値は、エラーレート、ジッタやエッジシフト、i−MLSE、ベータ、サーボ信号及びプルインエラー信号のうち少なくとも1つ以上であることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項6】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記品質劣化の傾向と他の情報記録媒体の品質は時間軸に対して情報記録媒体品質評価値が線形的に変化すると仮定されて算出されることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項7】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体監視データベースには情報記録媒体品質評価値の初期値として予め定められた値が保存され、該初期値を用いて前記品質劣化の傾向と他の情報記録媒体の品質を算出することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項8】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体監視データベースには前記品質劣化の傾向が予め保存され、該予め保存された品質劣化の傾向を用いて他の情報記録媒体の品質を算出することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項9】
請求項7記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体監視データベースに前記情報記録媒体品質評価値が保存される情報記録媒体の品質を算出する際には、前記初期値を用いないことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項10】
請求項8記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体監視データベースに前記情報記録媒体品質評価値が保存される情報記録媒体の品質劣化の傾向を算出する際には、前記予め保存された品質劣化の傾向を用いないことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項11】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体は前記情報記録ドライブ内部に具備されることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項12】
請求項1記載の情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体監視データベースは前記情報記録再生装置内部に具備されることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項13】
複数の情報記録媒体の内、任意の情報記録媒体の記録再生中に情報記録媒体の品質を表す値である情報記録媒体品質評価値を測定し、
該測定結果から前記記録再生した情報記録媒体の品質劣化の傾向を算出し、
該算出した情報記録媒体の品質劣化の傾向から他の情報記録媒体の品質を算出することを特徴とする情報記録再生方法。
【請求項14】
複数の情報記録媒体の内、任意の情報記録媒体の記録再生中に情報記録媒体の品質を表す値である情報記録媒体品質評価値を測定し、
該測定結果から前記記録再生した情報記録媒体の品質劣化の傾向から他の情報記録媒体の品質と予め定めた品質基準値を比較し、該比較の結果において品質基準値を満たさない情報記録媒体は廃棄する情報記録再生方法。
【請求項15】
複数の情報記録媒体に情報の記録または再生が可能な1つ以上の情報記録再生装置と接続可能なサーバであって、
前記情報記録再生装置は、前記情報記録媒体を記録または再生可能で、かつ記録または再生中に情報記録媒体の品質をあらわす値である情報記録媒体品質評価値を測定可能な複数の情報記録再生ドライブを有し、
前記情報記録再生装置と接続するためのインターフェース部と、
前記測定した情報記録媒体品質評価値を保持することが可能な情報記録媒体監視データベースが保持する情報記録媒体品質評価値から情報記録媒体の品質劣化の傾向を算出できる情報記録媒体監視部と、を有し、
前記情報記録媒体監視部は任意の情報記録媒体の品質劣化の傾向から他の情報記録媒体の品質を算出可能であることを特徴とするサーバ。
【請求項16】
請求項15記載のサーバであって、
前記情報記録媒体監視部は前記算出した情報記録媒体の品質と前記情報記録媒体監視部が予め定めた品質基準値を比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては品質規格外媒体として所定の処置を施すよう前記情報記録再生装置に所定の指示を与えることを特徴とするサーバ。
【請求項17】
請求項16記載のサーバであって、
前記所定の処置は前記品質規格外媒体を再生することで情報記録媒体品質評価値を取得し、該取得した結果を用いて再度前記品質基準値と比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては記録を行わないことを特徴とするサーバ。
【請求項18】
請求項16記載のサーバであって、
前記所定の処置は前記品質規格外媒体を再生することで情報記録媒体品質評価値を取得し、該取得した結果を用いて再度前記品質基準値と比較し、品質基準値を満たさない情報記録媒体に対しては品質規格外媒体の複製を生成した上で新たな情報記録媒体と交換することを特徴とするサーバ。
【請求項19】
請求項15記載のサーバであって、
前記情報記録媒体品質評価値は、エラーレート、ジッタやエッジシフト、i−MLSE、ベータ、サーボ信号及びプルインエラー信号のうち少なくとも1つ以上であることを特徴とするサーバ。
【請求項20】
請求項15記載のサーバであって、
前記情報記録媒体監視データベースは前記サーバ内部に具備されることを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−97821(P2013−97821A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236621(P2011−236621)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】