説明

情報記録再生装置

【課題】 書き換え可能な光ディスクのセクタの書き換え回数及び代替セクタの領域の確保を管理し、光ディスクに記録したデータを保護する情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】 読み込んだ管理情報からCPU18は、所定の記録領域である管理情報セクタの書き換え回数を検出し(S205)、管理情報セクタの書き換え回数が所定回数に達しているかどうかを判別する(S206)。管理情報セクタの書き換え回数が所定回数に達している場合(S206Yes)、挿入された光ディスクが書き換え不可であることをユーザに警告報知する(S207)。その後、ファイナライズを行い、読み取り専用光ディスクとし(S208)、光ディスクを排出して(S220)終了するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書き換え可能な光ディスクを用いた情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(コンパクトディスク)系光記録媒体では、オーバーライトの規格がない。光記録媒体のオーバーライトを繰り返していくうちにジッターが悪くなり、エラーとなってしまって信頼性が低化してしまう。このような問題点を改善し、書き換えの回数を記録し、所定回数に達した場合書き込みを不能として信頼性を向上させることができる相変化型光記録媒体及び相変化型光記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、光記録媒体のオーバーライトを繰り返していくうちにジッターが悪くなることに関して、オーバーライトの回数に応じて光記録媒体への記録のパワーを大きくしていく相変化型光記録装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−315360号公報
【特許文献2】特開2002−25068公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DVD(Digital Versatile Disc)系光記録媒体では、書き換え可能な光ディスクの所定の領域にDVD-R、DVD-RW特有の領域であるR-Information areaが配置されている。この領域は記録レーザパワーの校正(PCA: Power Calibration Area)や記録機にとって必要な記録管理情報のために用意されている。
また、オーバーライトの回数についても規定がなされている。
【0006】
しかしながら、上述の特許文献2の提案においては、オーバーライトの回数により記録を最適化するものであり、また、特許文献1の提案においては、オーバーライトの回数が所定回数に達した場合光記録媒体への書き込みを不能としているものである。いずれの場合も所定のオーバーライトの回数を超えると書き込み不能としているが、書き換え可能なDVDの場合オーバーライトの回数を超えると不良セクタとなり読み出しも不能となりエラーディスクになってしまうという問題があった。
【0007】
また、所定のオーバーライト回数以下の場合であっても、光記録媒体に書き込もうとするセクタに不良が発生し、代替セクタの領域が確保できないような場合書き込み不能となり、その結果、読み出しも不能となりエラーディスクになってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、書き換え可能な光ディスクのセクタの書き換え回数及び代替セクタの領域の確保を管理し、光ディスクに記録したデータを保護する情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に記載の手段よりなる。
すなわち、
トラックのデータ領域を分割したセクタを単位として複数回データの書き換えが可能な光ディスクを用いた情報記録再生装置であって、
前記光ディスクの所定の記録領域に前記書き換えした回数のデータを記録する記録手段と、
前記記録領域に記録されている書き換えした回数のデータを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された書き換え回数が予め決められた所定の回数を超えた場合に警告を発する警告報知手段と、
前記光ディスクを読み取り専用ディスクとするためのファイナライズ処理を選択する選択手段と、
を有し、
前記検出手段により検出された書き換え回数のデータが所定の回数以下の場合には前記選択手段により任意の書き換え回数でファイナライズ処理を行うようにするとともに、前記検出手段により検出された書き換え回数のデータが所定の回数を超えた場合には警告報知手段により警告を発した後、前記選択手段によりファイナライズ処理を行い前記光ディスクを読み取り専用ディスクとし記録されたデータを保護するようにしたことを特徴とする情報記録再生装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の「情報記録再生装置」によれば、光ディスクの書き換え不可セクタである所定の記録領域の管理情報セクタの書き換え回数を管理すること、書き換え可能セクタのエラー情報を管理することにより書き換え可能な光ディスクの書き換え回数を管理し、光ディスクに記録したデータを保護することができる情報記録再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る情報記録再生装置の発明を実施するための最良の形態につき、好ましい実施例により説明する。
図1は本実施例に適用される情報記録再生装置の構成を示した概略ブロック図である。同図に示すように、情報記録再生装置10は、チューナ11、SW12、A/D変換器13、エンコーダ14、光ディスク記録再生回路20、光ディスクドライブ部21、デコーダ15、D/A変換器16、出力回路17、CPU18、メモリ19から構成されている。また、RF入力端子24a、外部入力端子24b、外部出力端子24cを備え、光ディスクドライブ部21には光ディスク22が挿入される。
【0012】
情報記録再生装置10における映像信号に係る動作について説明する。外部入力端子24bからの映像信号と、RF入力端子24aから入来しチューナ11にて復調されたTV映像信号と、がSW12にて選択されA/D変換器13に供給される。A/D変換器13にてデジタル映像信号に変換された後、エンコーダ14に供給され所定の方式にて符号化され光ディスク記録再生回路20に供給される。光ディスク記録再生回路20で記録するための情報を付加し変調し記録信号を生成した後光ディスクドライブ部21に供給され光ディスク22に記録される。
【0013】
再生映像信号については、光ディスクドライブ部21に挿入された光ディスク22から再生された再生信号を光ディスク記録再生回路20で復調し、記録のため付加された情報を取り除いた後デコーダ15に供給される。デコーダ15でエンコーダ14と相補の方式で復号化した後、D/A変換器16に供給されアナログ映像信号に変換され出力回路17を介して外部出力端子24cより外部表示装置に出力される。
【0014】
次に、図2を用いて書き換え可能な光ディスクを取り扱う場合の動作について説明する。図2は、書き換え可能な光ディスクに書き込みを行う動作を説明するためのフローチャートである。まず、書き換え可能な光ディスクを光ディスクドライブ部21に挿入する(S201)。光ディスクドライブ部21は光ディスクの読み込み(S202)を行い、光ディスク記録再生回路20にて光ディスクの管理情報を読み込む(S203)。
【0015】
読み込んだ管理情報からCPU18は光ディスクの種類判別を行うとともに、所定の記録領域である管理情報セクタと書き込み可能領域セクタとの書き換え回数を検出する(S204,S205)。そして、管理情報セクタの書き換え回数が所定回数に達しているかどうかを判別する(S206)。
【0016】
管理情報セクタの書き換え回数が所定回数に達している場合(S206Yes)、挿入された光ディスクが書き換え不可であることをユーザに警告報知する(S207)。その後、ファイナライズを行い、読み取り専用光ディスクとし(S208)、光ディスクを排出して(S220)終了する。
【0017】
管理情報セクタの書き換え回数が所定回数に達していない場合(S206No)、挿入された光ディスクの書き込みセクタを決定し、その書き込みセクタが正常であるかテスト書き込み読み出しを行う(S210)。このテスト書き込み読み出しでエラーがなければ(S211No)決定した書き込みセクタにデータを書き込む(S215)。その後、光ディスクを排出して(S220)終了する。
【0018】
決定した書き込みセクタのテスト書き込み読み出しでエラーがあれば(S211Yes)代替の書き込みセクタが存在するかどうか検出する(S215)。代替の書き込みセクタが存在する場合(S215Yes)、その代替書き込みセクタが正常であるかテスト書き込み読み出しを行う(S210)。このテスト書き込み読み出しでエラーがなければ(S211No)決定した書き込みセクタにデータを書き込む(S215)。その後、光ディスクを排出して(S220)終了する。
【0019】
決定した代替書き込みセクタのテスト書き込み読み出しでエラーがあれば(S211Yes)さらに代替の書き込みセクタが存在するかどうか検出する(S215)。代替の書き込みセクタが存在する場合(S215Yes)、上述の段落0018と同様書き込みの処理を行う。
【0020】
さらに代替の書き込みセクタが存在するかどうか検出し(S215)、代替の書き込みセクタが存在しない場合(S215No)、この光ディスクはこれ以上の書き込みが不能であるので、挿入された光ディスクが書き換え不可であることをユーザに警告報知する(S213)。その後、ファイナライズを行い、読み取り専用光ディスクとし(S214)、光ディスクを排出して(S220)終了する。
【0021】
上述のように情報管理セクタの書き換え回数を管理して書き換えを行うことにより、情報管理セクタが不良なセクタとなる前に、また書き換え可能セクタが不良セクタとなり光ディスク全体で不良ディスクとなる前にファイナライズを行え、読み取り可能ディスクとして光ディスクのデータを保護することができる。
【0022】
なお、上述の実施例では、正常な書き換えが終了すると光ディスクを排出し光ディスク書き換えを終了する構成としているが、正常な書き換えが終了した時点で情報管理セクタの書き換え回数をもう一度検出し、その時点で書き換え回数が所定の回数に達しているならばファイナライズを行い光ディスクを排出終了する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施例に適用される情報記録再生装置の構成を示した概略ブロック図である。
【図2】書き換え可能な光ディスクに書き込みを行う動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
10…情報記録再生装置
11…チューナ
12…SW
13…A/D変換器
14…エンコーダ
20…光ディスク記録再生回路
21…光ディスクドライブ部
15…デコーダ
16…D/A変換器
17…出力回路
18…CPU
19…メモリ
22…光ディスク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックのデータ領域を分割したセクタを単位として複数回データの書き換えが可能な光ディスクを用いた情報記録再生装置であって、
前記光ディスクの所定の記録領域に前記書き換えした回数のデータを記録する記録手段と、
前記記録領域に記録されている書き換えした回数のデータを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された書き換え回数が予め決められた所定の回数を超えた場合に警告を発する警告報知手段と、
前記光ディスクを読み取り専用ディスクとするためのファイナライズ処理を選択する選択手段と、
を有し、
前記検出手段により検出された書き換え回数のデータが所定の回数以下の場合には前記選択手段により任意の書き換え回数でファイナライズ処理を行うようにするとともに、前記検出手段により検出された書き換え回数のデータが所定の回数を超えた場合には警告報知手段により警告を発した後、前記選択手段によりファイナライズ処理を行い前記光ディスクを読み取り専用ディスクとし記録されたデータを保護するようにしたことを特徴とする情報記録再生装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−185534(P2006−185534A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379535(P2004−379535)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】