説明

情報記録媒体および情報記録媒体の検査方法

【課題】偽造の有無を容易に確認でき、利便性を維持しつつ、偽変造耐性が向上した情報記録媒体、および情報記録媒体の媒体検査方法を提供する。
【解決手段】情報記録媒体は、基材12と、基材上に設けられ、情報が形成される情報形成層14と、基材と情報形成層との間に設けられた不連続形成層22と、を備え、不連続形成層は、基材の厚さ方向に沿った超音波の伝播を不連続とする不連続領域22aと、基材の厚さ方向に沿った超音波の伝播を連続にする連続領域22bと、を有し、これらの不連続形成領域および連続領域が所定のパターンで形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報が記録される情報記録媒体、およびこの情報記録媒体を検査する媒体検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券、身分証明書、ID証等の証明書類などの偽変造の危険性のある情報記録媒体では、偽変造防止耐性を高めるために種々の偽変造防止技術が搭載されている。例えば、印刷情報として情報記録媒体に付加される偽変造防止アイテムでは、微小な文字で形成されたマイクロ文字、印刷情報に目視確認できないように情報を埋め込む電子透かしなどがある。また、印刷材料として、紫外線、赤外線を照射することで発光する蛍光材料を用いたもの、特定の波長帯域で透過、または、不透過の特性を有する赤外線吸収材料などの材料特性を利用し、偽変造防止アイテムとしているものもある(例えば、特許文献1)。
通常、情報記録媒体は、板状の基材とこの基材上に設けられた表面層あるいは情報記録層とを有し、偽変造防止アイテムは情報記録層に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−328551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記のように情報記録層側に形成された偽変造アイテムは、情報記録層を基材から剥がし、別の媒体基材の上に貼り付けるような偽変造を防止する有効な手段とはなり難い。
【0005】
このような偽変造行為に対する耐性を持たせるためには、媒体基材に偽変造防止アイテムを搭載するか、表面が剥がされない、または、剥がされた時に壊れるようにすることが考えられる。前者は媒体基材の部分的な厚みを変える透かしや、ホログラム、蛍光などの入ったスレッドを漉き込む方法、後者は基材と表面の接着耐性を高める方法、表面にあらかじめ傷をつけ、表面を剥がそうとすると傷が起点となり壊れる構造を有するなどの方法が考えられる。しかし、これらの方法は、一般に、媒体全体に対し施される偽変造防止アイテムであり、個別情報を搭載することができないという問題がある。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その目的は、偽変造の有無を容易に確認でき、利便性を維持しつつ、偽変造耐性が向上した情報記録媒体、および媒体の検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の態様によれば、情報記録媒体は、基材と、前記基材上に設けられ、情報が形成される情報形成層と、前記基材と情報形成層との間に設けられた不連続形成層であって、前記基材の厚さ方向に沿った超音波の伝播を不連続とする不連続領域と、前記基材の厚さ方向に沿った超音波の伝播を連続にする連続領域と、が所定のパターンで形成されている不連続形成層と、を備えている。
【0008】
この発明の他の態様に係る情報記録媒体の検査方法は、基材と、前記基材上に設けられ、情報が形成される情報形成層と、所定のパターンで形成され超音波の伝播を不連続とする不連続領域と、超音波の伝播を連続にする連続領域とを有し、前記基材と情報形成層との間に設けられた不連続形成層と、備える情報記録媒体を検査する検査方法であって、
前記情報記録媒体の情報形成層および基材を透過可能な周波数の超音波を、前記情報記録媒体の厚さ方向に沿って前記情報記録媒体に照射し、前記情報記録媒体を透過した超音波の出力を検出し、前記検出された超音波の出力データから、前記情報記録媒体内に存在する不連続領域の分布を検出し、前記検出された不連続領域の分布から前記情報記録媒体の真偽を判定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、記録媒体内に超音波の伝播不連続部の分布を超音波により確認することができ、この分布を検証することにより、情報記録媒体の偽造の有無を確認できるができる。これにより、偽変造の有無を容易に確認でき、利便性を維持しつつ、偽変造耐性が向上した情報記録媒体、およびその検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明の第1の実施形態に係るID証を示す平面図。
【図2】図2は、オーバーコート層を除いた前記ID証を示す平面図。
【図3】図3は、図1の線A−Aに沿った前記ID証の断面図。
【図4】図4は、図1の線B−Bに沿った前記ID証の断面図。
【図5】図5は、前記ID証の製造工程全体を概略的に示す図。
【図6】図6は、溶融印刷方式による中間転写媒体への印刷工程を示す断面図。
【図7】図7は、溶融印刷方式により形成されるドットの形状および濃淡を示す図。
【図8】図8は、熱転写による基材と中間転写媒体との接合工程を示す図。
【図9】図9は、前記ID証の検査に用いる超音波検査装置を概略的に示す図。
【図10】図10は、前記超音波検査装置により前記ID証から得られる超音波の振幅減衰比と位置との関係を示す図。
【図11】図11は、この発明の第2の実施形態に係るID証を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る情報記録媒体および媒体検査方法について詳細に説明する。
図1、図2、図3、図4は、情報記録媒体として、第1の実施形態に係るID証(身分証明証)を示している。本実施形態において、ID証10は、媒体中に音響インピーダンスが他の部分の音響インピーダンスと大きく異なる部分を形成し、その有無を超音波の変化により検出することで、偽変造防止アイテムとしている。
【0012】
図1ないし図4に示すように、ID証10は、矩形の基材12と、基材の一方の表面上を覆って形成されたオーバーコート層14と、を有している。基材12は、例えば、紙、樹脂シート等により、薄いシート状あるいは板状に形成されている。情報記録層として機能するオーバーコート層14は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の光透過性を有するフィルムにより形成されている。
【0013】
オーバーコート層14の内面、つまり、基材12側の面には、情報として、例えば、ID証10の所持人のカラーの顔画像16、所持人の氏名、生年月日等の個人情報18、ID番号などの文字情報20が印刷されている。顔画像16、個人情報18、文字情報20は、溶融型熱転写方式、昇華型熱転写記録方式、インクジェット方式など種々の記録方式で形成可能であり、本実施形態では、溶融型熱転写方式で形成されている。オーバーコート層14は光透過性を有する材料で形成されていることから、このオーバーコート層14の内面側に形成された情報をID証10の外側から視認することができる。
【0014】
情報の記録されたオーバーコート層14は、接着剤層22により基材12の表面に接合されている。接着剤層22は、基材12のほぼ全面に亘って形成され、オーバーコート層と基材の接合層を形成している。不連続形成層を構成する接着剤層22は、基材12の厚さ方向、つまり、ID証10の厚さ方向、に沿った超音波の伝播を不連続とする複数の不連続領域22aと、ID証10の厚さ方向に沿った超音波の伝播を連続にする連続領域22bと、を有し、これらの領域は、基材12の面方向に所定のパターンで並んでいる。連続領域22bは、接着剤からなる透明な接着剤層により形成され、基材12のほぼ全面に亘って形成されている。不連続領域22aは、それぞれ基材12の音響インピーダンスに比して、1桁以上小さい音響インピーダンスを有する層、あるいは、1桁以上大きい音響インピーダンスを有する層で構成されている。本実施形態において、不連続領域22aは、それぞれ基材12の音響インピーダンスに比して、1桁以上小さい音響インピーダンスを有する空気層により形成されている。これらの空気層22aは、所定のパターンに形成され、例えば、バーコード状に間隔を置いて一列に並んでいる。複数の不連続領域22a、つまり、複数の空気層は、それぞれ例えば矩形状に形成され、ID証10の長手方向に沿って並んで設けられている。
なお、各不連続領域22aは、それぞれ基材12の音響インピーダンスに比して、1桁以上大きい音響インピーダンスを有する層、例えば、金属層により形成してもよい。
【0015】
次に、上記のように構成されたID証10の製造方法および媒体検査方法について説明する。上述したID証10は、シート状の中間転写媒体に予め必要情報を印刷し、熱圧着方により、中間転写媒体をID証の基材に圧力をかけた状態で熱を加えることにより基材12へ接着することにより作成される。中間転写媒体への印刷方式は必要な像が形成できれば方式は問わないが、ここでは溶融転写方式による印刷として説明を行う。
【0016】
図5は、製造工程全体を概略的に示している。この図に示すように、まず、ID証印刷機により、必要な情報を中間転写媒体に印刷する。より具体的には、印刷カラーのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順で中間転写媒体に印刷を行いID証の顔写真をカラー印刷する。次いで、中間転写媒体にブラック(K)で文字情報を印刷し、その後、基材12と中間転写媒体との接着を確保するために、印刷された情報に重ねて、接着剤層22を中間転写媒体の表面上に印刷する。続いて、情報および接着剤層が印刷された中間転写媒体を、熱をかけながら基材12に押し付けることで、基材に接着し、ID証10が完成する。
【0017】
図6は、溶融印刷方式による中間転写媒体への印刷工程を示す断面図である。溶融熱転写方式の印刷は、インクリボン32と中間転写媒体30とを接触させた状態で、サーマルヘッド34でインクリボン32を部分的に加熱し、中間転写媒体30にインクリボン上のインクのみを移す方式である。インクリボン32は、帯状のインクベースフィルム32aと、このインクベースフィルム上に形成されたインク層32bとを有する。中間転写媒体30は、転写ベースフィルム30aと、この転写ベースフィルム上に形成されインク特性に合った受像層30bと、を有している。受像層30bは、後に、ID証10のオーバーコート層14を構成する。図6に示すように、中間転写媒体30の受像層30b上にインクリボン32のインク層32bを重ねて配置した状態で、これらインクリボン32および中間転写媒体32をサーマルヘッド34とプラテンローラ36との間に通し、サーマルヘッド34でインクリボン32を部分的に加熱し、受像層30b上にインクリボン32のインク32のみを転写し画像あるいは文字情報を印刷する。
印刷の結果、図7に示すようなドットが受像層30b上に形成され、ドットの大きさの変化により濃度の変化が表現される。
【0018】
図8は、熱転写による基材12と中間転写媒体32との接合工程を示している。前述したように、中間転写媒体32の受像層30bに所望の情報を印刷した後、印刷された情報に重ねて、接着剤層22を受像層30bの表面上に印刷する。この際、接着剤層22は、所定パターンの不連続領域22a、ここでは、バーコード状に並ぶ空気層を形成するように、受像層30bの表面上に印刷する。
【0019】
続いて、図8に示すように、情報16、18、20および接着剤層22が印刷された中間転写媒体30の接着剤層22とID証の基材12とを向い合わせ互いに接触させた状態で、中間転写媒体および基材12にその両側から熱転写ローラー40a、40bで圧力と熱を加えることにより、中間転写媒体30の受像層30bを基材12に接着する。接着後、受像層30bから転写ベースフィルム30aを剥離し、取り外す。これにより、ID証10が完成する。
【0020】
次に、上記のように構成および作成されたID証10の超音波伝播特性および媒体検査方法について説明する。図9は、媒体検査装置を概略的に示している。この媒体検査装置は、検査媒体であるID証10に対して、超音波を垂直に入射する透過系の検査装置として構成されている。媒体検査装置は、駆動パルスを生成する超音波素子駆動部42、この超音波素子駆動部42により作られた駆動パルスに基づいて超音波を発信する超音波発信子44、検査媒体を透過した超音波を受信し電圧に変換する超音波受信素子46、超音波駆動部42の入力信号と同期を取り、超音波受信素子46からの信号を判別し超音波伝播特性を得る信号確認部48、および、これらの動作を制御する制御部50を備えている。
【0021】
超音波発信子44は、複合圧電素子で構成され、電圧印加により所望の周波数、ここでは、検査媒体としてのID証10の基材、オーバーコート層、接着剤層を透過可能な周波数、例えば、400kHzの振動を起こす特性を有している。超音波発信子44は印加された電圧に対し膨張収縮し、結果、400kHzの超音波を発生させる。そして、超音波発信子44は、ほぼ水平に保持されたID証10の表面に対してほぼ垂直に、つまり、ID証10の厚さ方向に沿って、超音波を印加するように配設されている。超音波受信素子46は、ID証10を間に挟んで、超音波発信子44と対向して配設されている。
【0022】
超音波発信子44から発信された超音波は、空気中52を伝播し、ID証10に到達しID証10に入る。ID証10中を伝播した超音波は、ID証10の反対側から出射し、空気中を伝播し、超音波受信素子46に受信され電圧に変換され、媒体を透過した超音波の透過出力と検出される。信号確認部48は、超音波駆動部42の入力信号と同期を取りながら、超音波受信素子46からの受信信号を確認することで、ID証10の超音波伝播特性を得る。そして、制御部50は、ID証10から得られた超音波伝播特性を、予め記憶されている正規のID証の超音波伝播特性と比較し、一致する場合には、検査対象のID証10が真のID証であると判断し、また、不一致の場合には、検査対象のID証10が偽のID証あるいは損傷したID証であると判断する。
【0023】
このような垂直入射系の媒体検査装置の場合、検査媒体を透過する超音波の透過率、すなわち、信号確認部48で確認される信号の透過率1は、以下の式1で求めることが出来る。
【数1】

【0024】
ここで、
Z1:空気の音響インピーダンス
Z2:検査媒体の音響インピーダンス
音響インピーダンスは検査媒体の密度と音速の積で表される。
【0025】
検査媒体が鉄鋼の場合について、例として透過率を計算すると以下のようになる。
【0026】
<Z1:空気の音響インピーダンス>
空気の密度ρ=1.3kg/m3
空気の音速(縦波)C=340m/s
したがって、Z1=340m/s×1.3kg/m3 =0.000442×106kg/m2・s
<Z2:鉄鋼の音響インピーダンス>
鉄鋼の密度ρ=7800kg/m3
鉄鋼の音速(縦波) C=5900m/s
したがって、Z2=5900m/s×7800kg/m3 =46.020×106kg/m2・s
<透過率1>
T=0.000399(=-88.0dB) となる。
【0027】
ここで、超音波の透過媒体が2つある場合(本実施形態では、媒体中に空気層がある場合に相当する)を考えると、透過率2は下記式2で求めることができる。
【数2】

【0028】
Z1=10×K、Z2=1×K (Kは定数)とした場合、透過率2は、上記透過率1の30%程度の出力となることを示している。
【0029】
本実施形態に係るID証10は、媒体中に音響インピーダンスが大きく異なる不連続領域として、空気層を形成し、この空気層の有無を超音波の変化により検出することで、偽変造防止アイテムとしている。すなわち、前述したように、ID証10の作成工程で、接着層22において、接着剤の印刷無しの部分(不連続領域)を所定のパターンで意図的に形成している。このID証10について、上記媒体検査装置により超音波の透過出力を測定しながら、図1のD方向に沿って空気層の形成部分を超音波でスキャンすることにより、図10に示すような検出超音波伝播特性が得られる。この図から、ID証10の空気層の部分で超音波の透過率が大きく減衰することが確認でき、空気層の配列パターンに一致して振幅減衰比が低下および/または増加する超音波伝播特性が得られ、この超音波伝播特性からID証における空気層の分布を検出することができる。この検出された超音波伝播特性を、予め記憶されている正規のID証の超音波伝播特性(空気層の分布)と比較することにより、空気層が所定の配列パターンで形成されているID証10であるか否か、すなわち、真のID証であるか否か容易に判断することができる。
【0030】
以上のように構成されたID証および媒体検査方法によれば、超音波の伝播の不連続領域を有する層を媒体内に設けることにより、この不連続領域の分布を超音波により確認することができる。超音波不連続領域の分布を検証することにより、媒体の偽変造の有無を確認することができる。例えば、ID証10のオーバーコート層を剥し、別の基材に貼り付ける等の偽変造を行った場合には、新たに形成する接着層には所定パターンの空気層が形成されないことから、ID証の超音波伝播特性を検査することにより、偽変造されたID証であることを容易に確認することができる。以上のことから、偽変造の有無を容易に確認でき、利便性を維持しつつ、偽変造耐性が向上した情報記録媒体、および媒体検査方法を提供することができる。
【0031】
次に、この発明の第2の実施形態に係るID証について説明する。図11は、第2の実施形態に係るID証を示す平面図である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
図11に示すように、第2の実施形態によれば、接着剤層22における不連続領域22a、つまり、空気層は、文字あるいは記号のパターンに形成され、例えば、ID証10の長手方向に並んで形成されている。また、オーバーコート層14には、他の偽変造防止アイテムとして、例えば、マイクロ文字50が印刷されている。ホログラム、蛍光印刷等の他の偽変造防止アイテムをオーバーコート層14に設けてもよい。
【0033】
ID証10の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一である。このように構成されたID証においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、ID証の検査においては、上記と同様に、超音波を用いてID証の超音波伝播特性を検出するとともに、他の偽変造防止アイテムを合わせて検出することにより、一層確実にID証の真偽を検査することができる。
【0034】
この発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、情報記録媒体は、ID証に限らず、免許証、クレジットカードなどの他の個人認証用媒体、有価証券、貯金通帳等の冊子体、その他、種々の媒体としてもよい。情報記録媒体は、基材とオーバーコート層のみに限らず、他の中間層を有していてもよく、不連続形成層は、媒体の最上面と最下面との間に設けられていればよい。更に、不連続形成層は、基材の中に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
10…ID証、12…基材、14…オーバーコート層、16…顔画像、
20…文字情報、22…接着剤層、22a…不連続領域(空気そう)、22b…連続領域、30…中間媒体、32…インクリボン、34…サーマルヘッド、
44…超音波発信子、46…超音波受信素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に設けられ、情報が形成される情報形成層と、
前記基材と情報形成層との間に設けられた不連続形成層であって、前記基材の厚さ方向に沿った超音波の伝播を不連続とする不連続領域と、前記基材の厚さ方向に沿った超音波の伝播を連続にする連続領域と、を所定のパターンで有する不連続形成層と、
を備える情報記録媒体。
【請求項2】
前記不連続形成層の不連続領域は、前記基材の音響インピーダンスに比して、1桁以上小さい音響インピーダンスを有する層で構成されている請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記不連続形成層の不連続領域は、前記基材の音響インピーダンスに比して、1桁以上大きい音響インピーダンスを有する層で構成されている請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記不連続形成層は、前記基材と情報記録層とを接着する接着材層であり、前記連続領域は接着剤により構成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記不連続形成層は、前記基材と情報記録層とを接着する接着材層であり、前記連続領域は接着剤により構成され、前記不連続領域は、空気層により形成されている請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記不連続形成層は、前記基材と情報記録層とを接着する接着材層であり、前記連続領域は接着剤により構成され、前記不連続領域は、金属層により形成されている請求項3に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
前記不連続領域は、バーコード状に並んで形成されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記不連続領域は、文字あるいは記号を形成している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項9】
基材と、前記基材上に設けられ、情報が形成される情報形成層と、所定のパターンで形成され超音波の伝播を不連続とする不連続領域と、超音波の伝播を連続にする連続領域とを有し、前記基材と情報形成層との間に設けられた不連続形成層と、備える情報記録媒体を検査する検査方法であって、
前記情報記録媒体の情報形成層および基材を透過可能な周波数の超音波を、前記情報記録媒体の厚さ方向に沿って前記情報記録媒体に照射し、
前記情報記録媒体を透過した超音波の出力を検出し、
前記検出された超音波の出力データから、前記情報記録媒体内に存在する不連続領域の分布を検出し、
前記検出された不連続領域の分布から前記情報記録媒体の真偽を判定する
情報記録媒体の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−194696(P2011−194696A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63448(P2010−63448)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】