情報記録媒体及びその情報認証装置
【課題】基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子が隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体及びその情報認証装置に関する。
【解決手段】
基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子が隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体であって、前記回折格子が隣り合って回折格子セル群が形成されている回折格子の格子角度が±１度以上異なるように設け、
前記回折格子セル群は回折光の全部又は一部が入射する所定領域に再生情報和を構成し、再生情報和により、所定の秘匿情報がパターン化されように形成されていることを特徴とする情報記録媒体及びその情報記録媒体の真贋判定を行う情報認証装置である。
【解決手段】
基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子が隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体であって、前記回折格子が隣り合って回折格子セル群が形成されている回折格子の格子角度が±１度以上異なるように設け、
前記回折格子セル群は回折光の全部又は一部が入射する所定領域に再生情報和を構成し、再生情報和により、所定の秘匿情報がパターン化されように形成されていることを特徴とする情報記録媒体及びその情報記録媒体の真贋判定を行う情報認証装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体及びその情報認証装置に関する。詳しくは基板表面の平滑性が悪い場合でも、内在している秘匿情報の認証が確実にでき、且つ、回折格子を配した領域を目視判別することが困難であり、より一層高度な偽造防止効果を発現し、さらに、真贋判定を確実に行えるようにした情報記録媒体とその情報認証装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、平面状の基板表面上に、複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されているディスプレイなどの情報記録媒体が多く使用されてきている。
【０００３】
この内、２光束干渉による回折格子パターンを有する情報記録媒体は、２光束干渉による微小な干渉縞を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させて感光性フィルムに次々と露光して得られるものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００４】
上記回折格子パターンは、複数の回折格子セルに分割されていると共に、各回折格子セルにおけるピッチ、空間周波数、さらには各回折格子セルの並べ方を適宜変化させ、さらに回折格子セル表面の干渉縞の方向を各回折格子セル毎に変化させてなるものである。
【０００５】
さらに、回折格子パターンを有する情報記録媒体としては、例えば電子ビーム露光装置を用い、コンピュータ制御により、平面状の基板が載置されたＸＹステージを移動させる。そして、基板の表面に回折格子セルの複数個を絵柄状に記録・配置することにより得られる、所定絵柄の回折格子パターンが形成された情報記録媒体も提案されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００６】
また、このような回折格子セルを有する情報記録媒体の真贋を、検証機で判定する方法としては、例えば、回折格子要素（ドット）の配列中に記録してあるパターン情報部分へレーザー光等を照射して回折光を得、それをセンサーで読み取り、記録し、それに基づき真贋判定を行う方法が採用されている（例えば、特許文献３参照）。
【０００７】
さらに、肉眼では観察できないパターン、もしくは識別できないパターンとして情報を記録して置き、レーザー光を用いた、読み取り装置等を用いてその情報を読み取る。そして、真贋判定を行う方法も提案されている。
【０００８】
このような方法で真贋判定を行う場合、判定対象となる情報記録媒体の回折格子パターンが転写箔を用いて、紙面上に転写形成されたような場合には、転写する紙面の平滑性が悪いため、転写箔が紙面の凹凸に沿って曲げられる。
【０００９】
このために、転写箔における回折格子セルの凹凸状態やパターンが忠実に紙上に転写・再現されず、延いては、判定時に正しい再生像を得ることができなくなってしまい、情報を明確に読み取ることが困難となっていた。
【００１０】
さらに、このような転写によって回折格子セルが形成されている情報記録媒体は、特定の領域に情報を記録している。このために、拡大鏡などの観察装置で容易に情報を記録している領域を発見することができ。そして、レーザー光を照射する角度さえ解ってしまえ
ば、その情報を基に模造品を作製することができる。
【００１１】
このような問題を解決するために、目視による認識が不能な大きさに形成され、回折構造の単位画像によって構成されている認証コードを記録し、レーザー光を用いた読取装置などを用いて、その情報を読み取って真贋判定を行う方法が提案されている（特許文献４参照。）。
【００１２】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献１】特開昭６０−１５６００４号公報
【特許文献２】米国特許第５０５８９９２号公報
【特許文献３】特開平５−５０７８８号公報
【特許文献３】特開２００３−２１５３１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１３】
しかし、上記の方法で真贋の判定を行う場合、判定対象となる情報記録媒体の回折格子パターンが転写箔を用いて紙面上に転写形成されたような場合には、上述したように転写する紙面の平滑性が悪いため、転写箔が紙面の凹凸に沿って曲げられる。
【００１４】
このために、転写箔における回折格子セルの凹凸状態やパターンが忠実に紙面上に転写・再現されない。そして、判定時に正しい再生像を得ることが出来なくなってしまう。さらに、情報を明確に読み取ることが困難となってしまう。
【００１５】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体で、基板表面の平滑性が悪い場合でも、確実に真贋判定を行うことができる。
【００１６】
また、所定の秘匿情報を記録した領域を判別することが困難であり、より一層高度な偽造防止効果を発現する。さらに、デザインの自由度の増加ならびに可視性の向上を実現することができる情報記録媒体及びその情報認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項１に係る発明は、
基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体であって、
前記回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている回折格子セルの格子角度が±１度以上異なるように設け、
前記回折格子セル群は回折光の全部又は一部が入射する所定領域に再生情報和を構成し、
再生情報和により、所定の秘匿情報がパターン化されように形成されていることを特徴とする情報記録媒体である。
【００１８】
次に、本発明の請求項２に係る発明は、
前記回折格子セルの構造が、ブレーズド回折格子形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体である。
【００１９】
次に、本発明の請求項３に係る発明は、
前記回折格子セルの構造が、光散乱要素の凹凸形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体である。
【００２０】
次に、本発明の請求項４に係る発明は、
請求項１〜３のいずれか１項に記載の情報記録媒体の真贋を判定するための情報認証装置であって、光源からの照明光が回折格子セル群へ照射され、回折された回折光が入射される所定領域内の回折光の組み合わせによってパターン化される秘匿情報を読み取るための読み取り手段と、
前記読み取り手段からの情報に基づいて真贋判定を行う判定手段とを少なくとも具備していることを特徴とする情報記録媒体の情報認証装置である。
【００２１】
次に、本発明の請求項５に係る発明は、
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に回折光が入射する所定領域内近傍に回折像を結像するための投影スクリーンを備え、
前記投影スクリーンに結像された回折像を読み取り手段が読み取り、これを電気信号に変換する手段が具備されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置である。
【００２２】
次に、本発明の請求項６に係る発明は、
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に入射する所定領域内近傍に情報読み取り手段の撮像レンズの焦点位置が合致するように設定されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置である。
【００２３】
次に、本発明の請求項７に係る発明は、
前記光源が、冷陰極管もしくは発光ダイオードと、反射板と、導光板とを組み合わせてなる平面光源であり、その前面に特定形状部分を遮光する遮光手段が設けられていることを特徴とする請求項４〜６のいずれかに記載の情報認証装置である。
【発明の効果】
【００２４】
本発明の情報記録媒体は、使用される基板表面の平滑性が悪い場合でも、確実に真贋判定を行うことができる。
【００２５】
また、回折格子セルが設けられている領域内を判別することが困難である。そして、より一層高度な偽造防止効果を発現できる。さらに、デザインの自由度が増加し、且つ、可視性の向上を実現することができる。
【００２６】
また、本発明の情報認証装置は、所定の光源で照明することで、真贋判定を行おうとする情報記録媒体の回折格子セル配置面における凹凸の影響を少なくすることができる。そして、内在する秘匿情報の認識と判定を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
本発明の情報記録媒体と情報認証装置を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【００２８】
図１は回折格子セルが基板表面に設けられている本発明の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【００２９】
図１に示すように本発明の情報記録媒体１１は基板１０表面に秘匿情報の全部又は一部
を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄが隣り合って配置され回折格子セル群１が形成されている。
【００３０】
そして、所定の光源１２からの照明光１３が照射されたときの回折光１４が、空間上の所定領域１５に入射するようにその格子間隔および格子角度が設定されている。さらに、隣り合う回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子角度が±１度以上異なるように設定されている。
【００３１】
また、回折格子セル群１は少なくとも２個以上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの組み合わせからなる。そして、回折格子セル群１からの回折光１４が入射する所定領域１５内における再生情報和により所定の秘匿情報がパターン化されるようになっている。
【００３２】
上述した内容をより具体的に説明すると、この情報記録媒体１１は、表面に格子縞を有する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの複数個が基板１０表面に設けられている。そして、各々回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄで一つの回折格子セル群１を構成している。
【００３３】
また、一つの回折格子セル群１の回折格子１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄは、所定の面積を持つ光源１２からの照明光１３が照射された時の回折光１４が空間上の所定領域１５内に入射するように、それらの格子間隔及び格子角度がそれぞれ設定されている。そして、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子角度はそれぞれ±１度以上異なるように設定されている。
【００３４】
また、情報記録媒体１１は、基板１０表面に設けられている、少なくとも２個以上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの組み合わせからなる回折格子セル群１を含んでいる。そして、回折格子セル群１に対応する空間上の所定領域内における再生情報和により所定の秘匿情報がパターン化されるようになっている。
【００３５】
一方、情報記録媒体１１の情報認証装置５０は、上記した構成の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄを有する情報記録媒体１１の真贋を認証するための装置である。そして、所定の光源１２から本発明の情報記録媒体１１上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄへ照明光１３が照射される。
【００３６】
また、照明光１３によって、照射される回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄはパターン化される秘匿情報を読み取るための情報読み取り手段と、この情報読み取り手段からの情報に基づいて真贋判定を行う判定手段１７を少なくとも具備している。
【００３７】
また、平面状の光源からの照明光は、各回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄで設定された回折角度で回折し、空間上の所定領域１５に入射する。そして、投影スクリーン上に回折像（回折光の再生情報）が投影される。
【００３８】
この時、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ及び１ｄで回折した光がこの領域に入射するように回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子間隔および格子角度が設定されている。
【００３９】
また、情報記録媒体１１の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ以外の回折格子セルはこの領域には入射しないように設定されている。このため、情報記録媒体１１に所定の光源１２より照明光１３を照明することで、上記各回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄからの回折光が所定領域１５にそれぞれ入射する。そして、投影スクリーン上に投影され、それらの組み合わせにより所定の秘匿情報がパターン化される。
【００４０】
本発明の情報記録媒体においては、上述したように、所定領域のような、同一の領域を複数個配置されるようにし、これらの、同一領域の組み合わせにより所定の秘匿情報がパターン化（現出）するようになっている。
【００４１】
そして、情報読み取り手段により、その存在が認識できるようになる。また、投影スクリーン上に秘匿情報が投影できるようになっている。さらに、この投影パターンを確認することにより、真贋判定を行うことができる。
【００４２】
このような真贋判定を行う場合、情報記録媒体１１上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄが転写箔を用いて基材１０上に転写形成された場合には、転写箔上での回折格子セルの凹凸が基材１０表面の凹凸形状に沿った表面形状となってしまう。
それを構成する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄからの回折光が当初計算された角度では射出されず、レーザー光などの面積の小さいビーム光を入射した場合には、広がりを持った回折光となってしまう。
このために、射出角度の変動が大きくなり、照射位置を僅かに変えただけでも射出角度が大きく振れてしまう。そして、回折光１４の機械読み取りが困難となり、延いては真贋の判定が不正確になる。
【００４３】
しかし、図１に示すように、配置する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子間隔及び格子角度の設定、ならびに隣り合う回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの角度設定を適切に行うことで、基板１０表面の凹凸形状による射出角度の変動を最小限にできる。また、所望の領域に回折光１４が確実に入射するため、撮像素子１６などの情報読み取り手段による読み取りが正確に行われるようになる。
【００４４】
また、同一領域にその回折光１４が入射するように回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄを基板１０上に配置する際に、秘匿情報のパターン化を担う回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄを不規則に配置することにより、真贋判定を行う情報を記録した領域の判別を困難とすることができる。
【００４５】
また、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの回折格子構造を、鋸刃状のブレーズド回折格子形状を含むようにすることにより、空間上の同一領域以外に回折する回折光１４を少なくすることができ、秘匿情報の読み取りが確実となり、より正確な真贋判定を行うことができる。
【００４６】
さらに、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの回折格子構造を、光散乱要素の凹凸形状を含むようにすることにより、回折光と散乱光とを組み合わせることができる。そして、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの配列をより複雑にする個ができ、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの配列から特定パターンを解読することをより困難とすることができる。
【００４７】
図２は他の回折格子セルが基板表面に設けられている本発明の他の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、他の情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【００４８】
この情報認証装置は、複数個の所定の光源２２、２３と、各光源２２、２３を切り替えて所定の回折格子セル群２〜５に照明光を照射するための切り替え手段２２ａ、２３ａが設けられている。
【００４９】
そして、この切り替え手段２２ａ、２３ａをそれぞれ動作させて順次回折格子セル群２〜５毎に照明光２４を照射させ、回折された後に回折光２５が入射する所定領域２６のそ
れぞれを投影するための投影スクリーンが設けられている。
【００５０】
さらに、この投影スクリーンに投影されたそれぞれの領域の組み合わせからの所定の秘匿情報のデータを読み取るための情報読み取り手段（レンズ、撮像素子等）とを少なくとも備えている。
【００５１】
前記複数個の所定の光源２２、２３はそれぞれ異なる形状の面積を持った平面状の光源である。そして、光源２２より照射された照明光は、回折格子セル２ａと回折格子セル２ｂによって回折する。
【００５２】
また、光源２３より照射された照明光は、回折格子セル２ｃと回折格子セル２ｄによって回折して、投影スクリーン２７上に回折像が投影される。
【００５３】
上記のようにして現出される秘匿情報はその構造が、図１に示したものよりも複雑であり、その解読をより一層困難とすることができる。
【００５４】
また、回折光が入射する所定領域２６の組み合わせによってパターン化されてなる秘匿情報は、情報読み取り手段を構成するレンズを介して、投影スクリーンに投影された像を秘匿情報として撮像素子上に記録する。
【００５５】
そして、この記録データから所定の演算を行い、判定手段により真贋判定を行うことができる。また、図１で上述したと同様に、同一領域に回折光が入射する回折格子セルを基板２０上に配置する際に、秘匿情報のパターン化を担う回折格子セル群２〜５を不規則に配置することにより、情報記録媒体２１においては、真贋判定を行う情報を記録した領域を判別することが困難となる。
【産業上の利用可能性】
【００５６】
本発明の情報記録媒体およびその情報認証装置はパスポート等の真贋判定あるいは偽造防止効果等に優れていることはもとより、医療関連等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【００５７】
【図１】本発明の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【図２】本発明の他の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、他の情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【００５８】
１・・・回折格子セル群
２・・・回折格子セル群
３・・・回折格子セル群
４・・・回折格子セル群
５・・・回折格子セル群
１ａ・・・回折格子セル
１ｂ・・・回折格子セル
１ｃ・・・回折格子セル
１ｄ・・・回折格子要素
１０・・・基板
１１・・・情報記録媒体
１２・・・光源
１３・・・照明光
１４・・・回折光
１５・・・回折光の全部又は一部が入射する領域
１６・・・撮像素子
１７・・・判定手段
２ａ・・・回折格子セル
２ｂ・・・回折格子セル
２ｃ・・・回折格子セル
２ｄ・・・回折格子セル
２ｅ・・・回折格子セル
２ｆ・・・回折格子セル
２０・・・基板
２１・・・回折格子を有する情報記録媒体
２２・・・光源
２３・・・光源
２４・・・照明光
２５・・・回折光
２６・・・回折光の全部又は一部が入射する領域
２７・・・投影スクリーン
２８・・・レンズ
２９・・・撮像素子
３０・・・判定手段
５０・・・情報認証装置
６０・・・情報認証装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体及びその情報認証装置に関する。詳しくは基板表面の平滑性が悪い場合でも、内在している秘匿情報の認証が確実にでき、且つ、回折格子を配した領域を目視判別することが困難であり、より一層高度な偽造防止効果を発現し、さらに、真贋判定を確実に行えるようにした情報記録媒体とその情報認証装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、平面状の基板表面上に、複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されているディスプレイなどの情報記録媒体が多く使用されてきている。
【０００３】
この内、２光束干渉による回折格子パターンを有する情報記録媒体は、２光束干渉による微小な干渉縞を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させて感光性フィルムに次々と露光して得られるものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００４】
上記回折格子パターンは、複数の回折格子セルに分割されていると共に、各回折格子セルにおけるピッチ、空間周波数、さらには各回折格子セルの並べ方を適宜変化させ、さらに回折格子セル表面の干渉縞の方向を各回折格子セル毎に変化させてなるものである。
【０００５】
さらに、回折格子パターンを有する情報記録媒体としては、例えば電子ビーム露光装置を用い、コンピュータ制御により、平面状の基板が載置されたＸＹステージを移動させる。そして、基板の表面に回折格子セルの複数個を絵柄状に記録・配置することにより得られる、所定絵柄の回折格子パターンが形成された情報記録媒体も提案されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００６】
また、このような回折格子セルを有する情報記録媒体の真贋を、検証機で判定する方法としては、例えば、回折格子要素（ドット）の配列中に記録してあるパターン情報部分へレーザー光等を照射して回折光を得、それをセンサーで読み取り、記録し、それに基づき真贋判定を行う方法が採用されている（例えば、特許文献３参照）。
【０００７】
さらに、肉眼では観察できないパターン、もしくは識別できないパターンとして情報を記録して置き、レーザー光を用いた、読み取り装置等を用いてその情報を読み取る。そして、真贋判定を行う方法も提案されている。
【０００８】
このような方法で真贋判定を行う場合、判定対象となる情報記録媒体の回折格子パターンが転写箔を用いて、紙面上に転写形成されたような場合には、転写する紙面の平滑性が悪いため、転写箔が紙面の凹凸に沿って曲げられる。
【０００９】
このために、転写箔における回折格子セルの凹凸状態やパターンが忠実に紙上に転写・再現されず、延いては、判定時に正しい再生像を得ることができなくなってしまい、情報を明確に読み取ることが困難となっていた。
【００１０】
さらに、このような転写によって回折格子セルが形成されている情報記録媒体は、特定の領域に情報を記録している。このために、拡大鏡などの観察装置で容易に情報を記録している領域を発見することができ。そして、レーザー光を照射する角度さえ解ってしまえ
ば、その情報を基に模造品を作製することができる。
【００１１】
このような問題を解決するために、目視による認識が不能な大きさに形成され、回折構造の単位画像によって構成されている認証コードを記録し、レーザー光を用いた読取装置などを用いて、その情報を読み取って真贋判定を行う方法が提案されている（特許文献４参照。）。
【００１２】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献１】特開昭６０−１５６００４号公報
【特許文献２】米国特許第５０５８９９２号公報
【特許文献３】特開平５−５０７８８号公報
【特許文献３】特開２００３−２１５３１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１３】
しかし、上記の方法で真贋の判定を行う場合、判定対象となる情報記録媒体の回折格子パターンが転写箔を用いて紙面上に転写形成されたような場合には、上述したように転写する紙面の平滑性が悪いため、転写箔が紙面の凹凸に沿って曲げられる。
【００１４】
このために、転写箔における回折格子セルの凹凸状態やパターンが忠実に紙面上に転写・再現されない。そして、判定時に正しい再生像を得ることが出来なくなってしまう。さらに、情報を明確に読み取ることが困難となってしまう。
【００１５】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体で、基板表面の平滑性が悪い場合でも、確実に真贋判定を行うことができる。
【００１６】
また、所定の秘匿情報を記録した領域を判別することが困難であり、より一層高度な偽造防止効果を発現する。さらに、デザインの自由度の増加ならびに可視性の向上を実現することができる情報記録媒体及びその情報認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項１に係る発明は、
基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体であって、
前記回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている回折格子セルの格子角度が±１度以上異なるように設け、
前記回折格子セル群は回折光の全部又は一部が入射する所定領域に再生情報和を構成し、
再生情報和により、所定の秘匿情報がパターン化されように形成されていることを特徴とする情報記録媒体である。
【００１８】
次に、本発明の請求項２に係る発明は、
前記回折格子セルの構造が、ブレーズド回折格子形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体である。
【００１９】
次に、本発明の請求項３に係る発明は、
前記回折格子セルの構造が、光散乱要素の凹凸形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体である。
【００２０】
次に、本発明の請求項４に係る発明は、
請求項１〜３のいずれか１項に記載の情報記録媒体の真贋を判定するための情報認証装置であって、光源からの照明光が回折格子セル群へ照射され、回折された回折光が入射される所定領域内の回折光の組み合わせによってパターン化される秘匿情報を読み取るための読み取り手段と、
前記読み取り手段からの情報に基づいて真贋判定を行う判定手段とを少なくとも具備していることを特徴とする情報記録媒体の情報認証装置である。
【００２１】
次に、本発明の請求項５に係る発明は、
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に回折光が入射する所定領域内近傍に回折像を結像するための投影スクリーンを備え、
前記投影スクリーンに結像された回折像を読み取り手段が読み取り、これを電気信号に変換する手段が具備されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置である。
【００２２】
次に、本発明の請求項６に係る発明は、
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に入射する所定領域内近傍に情報読み取り手段の撮像レンズの焦点位置が合致するように設定されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置である。
【００２３】
次に、本発明の請求項７に係る発明は、
前記光源が、冷陰極管もしくは発光ダイオードと、反射板と、導光板とを組み合わせてなる平面光源であり、その前面に特定形状部分を遮光する遮光手段が設けられていることを特徴とする請求項４〜６のいずれかに記載の情報認証装置である。
【発明の効果】
【００２４】
本発明の情報記録媒体は、使用される基板表面の平滑性が悪い場合でも、確実に真贋判定を行うことができる。
【００２５】
また、回折格子セルが設けられている領域内を判別することが困難である。そして、より一層高度な偽造防止効果を発現できる。さらに、デザインの自由度が増加し、且つ、可視性の向上を実現することができる。
【００２６】
また、本発明の情報認証装置は、所定の光源で照明することで、真贋判定を行おうとする情報記録媒体の回折格子セル配置面における凹凸の影響を少なくすることができる。そして、内在する秘匿情報の認識と判定を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
本発明の情報記録媒体と情報認証装置を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【００２８】
図１は回折格子セルが基板表面に設けられている本発明の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【００２９】
図１に示すように本発明の情報記録媒体１１は基板１０表面に秘匿情報の全部又は一部
を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄが隣り合って配置され回折格子セル群１が形成されている。
【００３０】
そして、所定の光源１２からの照明光１３が照射されたときの回折光１４が、空間上の所定領域１５に入射するようにその格子間隔および格子角度が設定されている。さらに、隣り合う回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子角度が±１度以上異なるように設定されている。
【００３１】
また、回折格子セル群１は少なくとも２個以上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの組み合わせからなる。そして、回折格子セル群１からの回折光１４が入射する所定領域１５内における再生情報和により所定の秘匿情報がパターン化されるようになっている。
【００３２】
上述した内容をより具体的に説明すると、この情報記録媒体１１は、表面に格子縞を有する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの複数個が基板１０表面に設けられている。そして、各々回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄで一つの回折格子セル群１を構成している。
【００３３】
また、一つの回折格子セル群１の回折格子１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄは、所定の面積を持つ光源１２からの照明光１３が照射された時の回折光１４が空間上の所定領域１５内に入射するように、それらの格子間隔及び格子角度がそれぞれ設定されている。そして、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子角度はそれぞれ±１度以上異なるように設定されている。
【００３４】
また、情報記録媒体１１は、基板１０表面に設けられている、少なくとも２個以上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの組み合わせからなる回折格子セル群１を含んでいる。そして、回折格子セル群１に対応する空間上の所定領域内における再生情報和により所定の秘匿情報がパターン化されるようになっている。
【００３５】
一方、情報記録媒体１１の情報認証装置５０は、上記した構成の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄを有する情報記録媒体１１の真贋を認証するための装置である。そして、所定の光源１２から本発明の情報記録媒体１１上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄへ照明光１３が照射される。
【００３６】
また、照明光１３によって、照射される回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄはパターン化される秘匿情報を読み取るための情報読み取り手段と、この情報読み取り手段からの情報に基づいて真贋判定を行う判定手段１７を少なくとも具備している。
【００３７】
また、平面状の光源からの照明光は、各回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄで設定された回折角度で回折し、空間上の所定領域１５に入射する。そして、投影スクリーン上に回折像（回折光の再生情報）が投影される。
【００３８】
この時、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ及び１ｄで回折した光がこの領域に入射するように回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子間隔および格子角度が設定されている。
【００３９】
また、情報記録媒体１１の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ以外の回折格子セルはこの領域には入射しないように設定されている。このため、情報記録媒体１１に所定の光源１２より照明光１３を照明することで、上記各回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄからの回折光が所定領域１５にそれぞれ入射する。そして、投影スクリーン上に投影され、それらの組み合わせにより所定の秘匿情報がパターン化される。
【００４０】
本発明の情報記録媒体においては、上述したように、所定領域のような、同一の領域を複数個配置されるようにし、これらの、同一領域の組み合わせにより所定の秘匿情報がパターン化（現出）するようになっている。
【００４１】
そして、情報読み取り手段により、その存在が認識できるようになる。また、投影スクリーン上に秘匿情報が投影できるようになっている。さらに、この投影パターンを確認することにより、真贋判定を行うことができる。
【００４２】
このような真贋判定を行う場合、情報記録媒体１１上の回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄが転写箔を用いて基材１０上に転写形成された場合には、転写箔上での回折格子セルの凹凸が基材１０表面の凹凸形状に沿った表面形状となってしまう。
それを構成する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄからの回折光が当初計算された角度では射出されず、レーザー光などの面積の小さいビーム光を入射した場合には、広がりを持った回折光となってしまう。
このために、射出角度の変動が大きくなり、照射位置を僅かに変えただけでも射出角度が大きく振れてしまう。そして、回折光１４の機械読み取りが困難となり、延いては真贋の判定が不正確になる。
【００４３】
しかし、図１に示すように、配置する回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの格子間隔及び格子角度の設定、ならびに隣り合う回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの角度設定を適切に行うことで、基板１０表面の凹凸形状による射出角度の変動を最小限にできる。また、所望の領域に回折光１４が確実に入射するため、撮像素子１６などの情報読み取り手段による読み取りが正確に行われるようになる。
【００４４】
また、同一領域にその回折光１４が入射するように回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄを基板１０上に配置する際に、秘匿情報のパターン化を担う回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄを不規則に配置することにより、真贋判定を行う情報を記録した領域の判別を困難とすることができる。
【００４５】
また、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの回折格子構造を、鋸刃状のブレーズド回折格子形状を含むようにすることにより、空間上の同一領域以外に回折する回折光１４を少なくすることができ、秘匿情報の読み取りが確実となり、より正確な真贋判定を行うことができる。
【００４６】
さらに、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの回折格子構造を、光散乱要素の凹凸形状を含むようにすることにより、回折光と散乱光とを組み合わせることができる。そして、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの配列をより複雑にする個ができ、回折格子セル１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄの配列から特定パターンを解読することをより困難とすることができる。
【００４７】
図２は他の回折格子セルが基板表面に設けられている本発明の他の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、他の情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【００４８】
この情報認証装置は、複数個の所定の光源２２、２３と、各光源２２、２３を切り替えて所定の回折格子セル群２〜５に照明光を照射するための切り替え手段２２ａ、２３ａが設けられている。
【００４９】
そして、この切り替え手段２２ａ、２３ａをそれぞれ動作させて順次回折格子セル群２〜５毎に照明光２４を照射させ、回折された後に回折光２５が入射する所定領域２６のそ
れぞれを投影するための投影スクリーンが設けられている。
【００５０】
さらに、この投影スクリーンに投影されたそれぞれの領域の組み合わせからの所定の秘匿情報のデータを読み取るための情報読み取り手段（レンズ、撮像素子等）とを少なくとも備えている。
【００５１】
前記複数個の所定の光源２２、２３はそれぞれ異なる形状の面積を持った平面状の光源である。そして、光源２２より照射された照明光は、回折格子セル２ａと回折格子セル２ｂによって回折する。
【００５２】
また、光源２３より照射された照明光は、回折格子セル２ｃと回折格子セル２ｄによって回折して、投影スクリーン２７上に回折像が投影される。
【００５３】
上記のようにして現出される秘匿情報はその構造が、図１に示したものよりも複雑であり、その解読をより一層困難とすることができる。
【００５４】
また、回折光が入射する所定領域２６の組み合わせによってパターン化されてなる秘匿情報は、情報読み取り手段を構成するレンズを介して、投影スクリーンに投影された像を秘匿情報として撮像素子上に記録する。
【００５５】
そして、この記録データから所定の演算を行い、判定手段により真贋判定を行うことができる。また、図１で上述したと同様に、同一領域に回折光が入射する回折格子セルを基板２０上に配置する際に、秘匿情報のパターン化を担う回折格子セル群２〜５を不規則に配置することにより、情報記録媒体２１においては、真贋判定を行う情報を記録した領域を判別することが困難となる。
【産業上の利用可能性】
【００５６】
本発明の情報記録媒体およびその情報認証装置はパスポート等の真贋判定あるいは偽造防止効果等に優れていることはもとより、医療関連等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【００５７】
【図１】本発明の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【図２】本発明の他の情報記録媒体の構成と、その情報記録媒体の真贋を判定するための、他の情報認証装置の概略を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【００５８】
１・・・回折格子セル群
２・・・回折格子セル群
３・・・回折格子セル群
４・・・回折格子セル群
５・・・回折格子セル群
１ａ・・・回折格子セル
１ｂ・・・回折格子セル
１ｃ・・・回折格子セル
１ｄ・・・回折格子要素
１０・・・基板
１１・・・情報記録媒体
１２・・・光源
１３・・・照明光
１４・・・回折光
１５・・・回折光の全部又は一部が入射する領域
１６・・・撮像素子
１７・・・判定手段
２ａ・・・回折格子セル
２ｂ・・・回折格子セル
２ｃ・・・回折格子セル
２ｄ・・・回折格子セル
２ｅ・・・回折格子セル
２ｆ・・・回折格子セル
２０・・・基板
２１・・・回折格子を有する情報記録媒体
２２・・・光源
２３・・・光源
２４・・・照明光
２５・・・回折光
２６・・・回折光の全部又は一部が入射する領域
２７・・・投影スクリーン
２８・・・レンズ
２９・・・撮像素子
３０・・・判定手段
５０・・・情報認証装置
６０・・・情報認証装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体であって、
前記回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている回折格子セルの格子角度を±１度以上異なるように設け、
前記回折格子セル群は回折光の全部又は一部が入射する所定領域に再生情報和を構成し、
再生情報和により、所定の秘匿情報がパターン化されように形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項２】
前記回折格子セルの構造が、ブレーズド回折格子形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体。
【請求項３】
前記回折格子セルの構造が、光散乱要素の凹凸形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の情報記録媒体の真贋を判定するための情報認証装置であって、光源からの照明光が回折格子セル群へ照射され、回折された回折光が入射される所定領域内の回折光の組み合わせによってパターン化される秘匿情報を読み取るための読み取り手段と、
前記読み取り手段からの情報に基づいて真贋判定を行う判定手段とを少なくとも具備していることを特徴とする情報記録媒体の情報認証装置。
【請求項５】
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に回折光が入射する所定領域内近傍に回折像を結像するための投影スクリーンを備え、
前記投影スクリーンに結像された回折像を読み取り手段が読み取り、これを電気信号に変換する手段が具備されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置。
【請求項６】
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に入射する所定領域内近傍に情報読み取り手段の撮像レンズの焦点位置が合致するように設定されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置。
【請求項７】
前記光源が、冷陰極管もしくは発光ダイオードと、反射板と、導光板とを組み合わせてなる平面光源であり、その前面に特定形状部分を遮光する遮光手段が設けられていることを特徴とする請求項４〜６のいずれかに記載の情報認証装置。
【請求項１】
基板表面に秘匿情報の全部又は一部を保持する複数個の格子縞を有する回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている情報記録媒体であって、
前記回折格子セルが隣り合って回折格子セル群が形成されている回折格子セルの格子角度を±１度以上異なるように設け、
前記回折格子セル群は回折光の全部又は一部が入射する所定領域に再生情報和を構成し、
再生情報和により、所定の秘匿情報がパターン化されように形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項２】
前記回折格子セルの構造が、ブレーズド回折格子形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体。
【請求項３】
前記回折格子セルの構造が、光散乱要素の凹凸形状を含むことを特徴とする請求項１に記載の情報記録媒体。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の情報記録媒体の真贋を判定するための情報認証装置であって、光源からの照明光が回折格子セル群へ照射され、回折された回折光が入射される所定領域内の回折光の組み合わせによってパターン化される秘匿情報を読み取るための読み取り手段と、
前記読み取り手段からの情報に基づいて真贋判定を行う判定手段とを少なくとも具備していることを特徴とする情報記録媒体の情報認証装置。
【請求項５】
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に回折光が入射する所定領域内近傍に回折像を結像するための投影スクリーンを備え、
前記投影スクリーンに結像された回折像を読み取り手段が読み取り、これを電気信号に変換する手段が具備されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置。
【請求項６】
前記光源からの照明光が回折格子セル群に照射され、回折された後に入射する所定領域内近傍に情報読み取り手段の撮像レンズの焦点位置が合致するように設定されていることを特徴とする請求項４記載の情報認証装置。
【請求項７】
前記光源が、冷陰極管もしくは発光ダイオードと、反射板と、導光板とを組み合わせてなる平面光源であり、その前面に特定形状部分を遮光する遮光手段が設けられていることを特徴とする請求項４〜６のいずれかに記載の情報認証装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００７−２１０２２７（Ｐ２００７−２１０２２７Ａ）
【公開日】平成１９年８月２３日（２００７．８．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３３４２３（Ｐ２００６−３３４２３）
【出願日】平成１８年２月１０日（２００６．２．１０）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年８月２３日（２００７．８．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年２月１０日（２００６．２．１０）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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