説明

情報記録媒体及びその製造方法

【課題】アンテナ基材の位置ずれを防止することが可能な情報記録媒体を提供する。
【解決手段】アンテナパターンが少なくとも形成されたアンテナ基材1の上下面を接着層2a,2bとラミネート基材3a,3b,4a,4bとで挟持して構成する情報記録媒体であり、アンテナ基材1とラミネート基材3a,3bとが接着層2a,2bを介して接着した部分と、アンテナ基材1とラミネート基材3aとが接着層2aに形成された穴20を介して直接接着した部分と、を有し、その穴20は、ICモジュール10が設けられる箇所以外の位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器と通信処理が可能な情報記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年におけるカード技術の発達により、各種の通信システムに用いられる情報記録媒体として、広範囲な用途に適用可能なICカードがある。このICカードには、専用の装置に接触させることで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な接触型のICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な非接触型のICカードと、がある。
【0003】
また、接触型のICカードと非接触型のICカードとが組み合わされたICカードも普及しており、接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う接触型のICチップと、非接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う非接触型のICチップと、がそれぞれ搭載されたハイブリッド型のICカードや、接触状態、及び、非接触状態の何れの状態においても情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う接触型及び非接触型兼用の1つのICチップが搭載されたコンビネーション型のICカードがある。
【0004】
なお、上述したICカードの製造方法として、例えば、アンテナやICチップ等が実装されたアンテナ基材と、ICカード表裏面を構成するラミネート基材と、を接着層で熱圧着してICカード基材を形成する方法がある。以下、図1を参照しながら、ICカード基材の製造方法について説明する。図1は、非接触型のICカード基材の断面構造を示している。
【0005】
まず、ICモジュール10'が実装されたアンテナ基材1'と、第1、第2の接着層2'a,2'bと、第1〜第4のラミネート基材3'a,3'b,4'a,4'bと、を重ね合わせる。
【0006】
次に、アンテナ基材1'と、第1、第2の接着層2'a,2'bと、第1〜第4のラミネート基材3'a,3'b,4'a,4'bと、を挟むように加圧しながら所定の温度の熱を加え、第1、第2の接着層2'a,2'bを溶融させる。
【0007】
次に、加圧状態を保持しながら、アンテナ基材1'と、第1、第2の接着層2'a,2'bと、第1〜第4のラミネート基材3'a,3'b,4'a,4'bと、を冷却し、第1、第2の接着層2'a,2'bを硬化させ、アンテナ基材1'と、第1、第2のラミネート基材3'a,3'bと、を接着する。また、第1のラミネート基材3'aと、第3のラミネート基材4'aと、を接着する。また、第2のラミネート基材3'bと、第4のラミネート基材4'bと、を接着する。
【0008】
これにより、アンテナ基材1'と、第1、第2のラミネート基材3'a,3'bと、を第1、第2の接着層2'a,2'bで熱圧着したICカード基材を製造することになる。
【0009】
しかし、上述したICカード基材の製造方法では、熱圧着時に第1、第2の接着層2'a,2'bが流動し、アンテナ基材1'の位置ずれが発生してしまう虞がある。
【0010】
このようなことから、アンテナ基材1'の位置ずれを防止するための方法の開発が必要視されることになる。
【0011】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、複数の層どうしのずれを抑制する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0012】
また、接着シート13,14に貫通孔131,161を形成する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2003−236936号公報
【特許文献2】特開2003−236937号公報
【特許文献3】特開2003−346112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記特許文献1では、インレットシート110と、ホットメルトシート120a,120bと、を重ね合わせた後に、これら重ね合わされたインレットシート110とホットメルトシート120a,120bとに貫通穴140を形成している。その後、表面シート130a,130bをインレットシート110とホットメルトシート120a,120bとを挟みこむように重ね合わせ、表面シート130aと表面シート130bとを貫通穴140を介して溶着している。これにより、複数の層どうしのずれを抑制している。
【0014】
また、上記特許文献2では、接着シート120a,120bを介して表面シート130a,130bに挟まれる個片形状のインレット10を、インレット10が組み込まれるような開口部が形成された枠材シート140の開口部に組み込んだ状態として接着シート120a,120bを介して表面シート130a,130bに挟み、この状態で接着シート120a,120bを溶融している。これにより、複数の層どうしのずれを抑制している。
【0015】
しかし、上記特許文献1では、3つのシート110,120a,120bに貫通穴140を形成するため、貫通穴140の長さが長くなる。その結果、カード表面に凹凸が発生してしまう虞がある。また、上記特許文献2では、枠材シート140を設ける必要があり、無駄なコストが発生することになる。
【0016】
また、上記特許文献3は、接着シート13,14に貫通孔131,141を形成している。しかし、その貫通孔131,141は、ICチップ12の厚みを吸収することを目的としたものであり、アンテナシート10を印刷シート20,30に仮止することを目的としたものではない。このため、上記特許文献3には、アンテナシート10を印刷シート20,30に仮止することについては何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、アンテナ基材の位置ずれを防止することが可能な情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0019】
<情報記録媒体>
本発明にかかる情報記録媒体は、
アンテナパターンが少なくとも形成されたアンテナ基材の上下面を接着層とラミネート基材とで挟持して構成する情報記録媒体であって、
前記アンテナ基材と前記ラミネート基材とが前記接着層を介して接着した部分と、前記アンテナ基材と前記ラミネート基材とが前記接着層に形成された穴を介して直接接着した部分と、を有し、
前記穴は、ICモジュールが設けられる箇所以外の位置に形成されていることを特徴とする。
【0020】
<情報記録媒体の製造方法>
また、本発明にかかる情報記録媒体の製造方法は、
ラミネート基材と、穴が形成された接着層と、アンテナパターンが少なくとも形成されたアンテナ基材と、を積層する積層工程と、
熱を発生させる加熱手段を用いて前記穴が形成された箇所を局所的に加熱し、前記穴を介して前記アンテナ基材を前記ラミネート基材に仮止する仮止工程と、
前記接着層を溶融し、前記接着層を介して前記アンテナ基材と、前記ラミネート基材と、を熱圧着する接着工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、アンテナ基材の位置ずれを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<本実施形態の情報記録媒体の概要>
まず、図2を参照しながら、本実施形態の情報記録媒体の概要について説明する。
【0023】
本実施形態の情報記録媒体は、アンテナパターンが少なくとも形成されたアンテナ基材1の上下面を接着層2a,2bとラミネート基材3a,3b,4a,4bとで挟持して構成する情報記録媒体である。
【0024】
本実施形態の情報記録媒体は、アンテナ基材1とラミネート基材3a,3bとが接着層2a,2bを介して接着した部分と、アンテナ基材1とラミネート基材3aとが接着層2aに形成された穴20を介して直接接着した部分と、を有し、その穴20は、ICモジュール10が設けられる箇所以外の位置に形成されている。
【0025】
本実施形態の情報記録媒体は、アンテナ基材1とラミネート基材3aとが接着層2aに形成された穴20を介して直接接着した部分を有して構成しているため、アンテナ基材1の位置ずれを防止することが可能となる。また、本実施形態の情報記録媒体は、アンテナ基材1とラミネート基材3aとが接着層2aに形成された穴20を介して直接接着した部分でアンテナ基材1の位置ずれを防止するため、媒体表面の凹凸の発生を回避することが可能となる。その結果、意匠性に優れた情報記録媒体を構成することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の情報記録媒体について説明する。なお、以下の説明では、情報記録媒体としてICカードを例に説明する。
【0026】
<ICカードの構成>
まず、図2を参照しながら、本実施形態におけるICカードの構成について説明する。
【0027】
本実施形態におけるICカードは、アンテナ基材1と、第1、第2の接着層2a,2bと、第1〜第4のラミネート基材3a,3b,4a,4bと、を有して構成している。
【0028】
第1の接着層2a、第1、第3のラミネート基材3a,4aは、ICカード基材の表面側を構成する。第2の接着層2b、第2、第4のラミネート基材3b,4bはICカード基材の裏面側を構成する。
【0029】
<アンテナ基材:1>
アンテナ基材1は、ICモジュール10を実装するための基材である。ICモジュール10の構成は特に限定せず、公知のICモジュールが適用可能である。なお、アンテナ基材1には、ICモジュール10を機能させるための導電性のアンテナパターンが形成されている。
【0030】
本実施形態におけるアンテナ基材1は、ICカードの製品仕様に応じて公知の材料を任意に選択して適用することが可能である。なお、アンテナ基材1に適用可能な材質としては、耐熱性のある樹脂を適用することが好ましい。
【0031】
<第1、第2の接着層;2a,2b>
第1、第2の接着層2a,2bは、アンテナ基材1と、第1、第2のラミネート基材3a,3bと、を接着するための層である。第1、第2の接着層;2a,2bは、熱圧着時にアンテナ基材1と、第1、第2のラミネート基材3a,3bと、を接着することが可能な材質であれば、特に限定せず、ICカードの製品仕様に応じて公知の材料を任意に選択して適用することが可能である。第1、第2の接着層2a,2bに適用可能な材質としては、ホットメルト剤などが適用可能である。
【0032】
なお、本実施形態の第1の接着層2aは、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止するための穴20が設けられている。穴20の形成位置は、ICモジュール10が実装される箇所や、アンテナパターンが形成される箇所以外であれば、特に限定するものではなく、任意に形成することが可能である。但し、穴20は、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに接着した場合に、アンテナ基材1の位置ずれが発生しないように設計して設けることが好ましい。具体的には、複数の穴20を設け、その複数の穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止することが好ましい。これにより、複数の箇所で、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止することが可能となるため、アンテナ基材1の位置ずれの発生を確実に防止することが可能となる。また、穴20は、JIS規格(JIS X 6301 4.2.1)に準拠したICカード形状の領域内に設けられることになるため、ICカード表面に凹凸が発生しないように設計して設けることが好ましい。
【0033】
また、本実施形態の第1、第2の接着層2a,2bは、ICモジュール10の厚みを吸収するための穴30が設けられている。穴30の形成位置は、ICモジュール10が実装される箇所に応じて任意に形成することになる。
【0034】
<第1〜第4のラミネート基材:3a,3b,4a,4b>
第1〜第4のラミネート基材3a,3b,4a,4bは、ICカード基材の表裏面を構成するための基材である。本実施形態では、第1、第3のラミネート基材3a,4aは、ICカード基材の表面側を構成し、第2、第4のラミネート基材3b,4bは、ICカード基材の裏面側を構成する。なお、ラミネート基材3a,3b,4a,4bに適用可能な材質としては、ICカードの製品仕様に応じて公知の材料を任意に選択して適用することが可能である。
【0035】
<ICカードの製造方法>
次に、図3、図4を参照しながら、本実施形態のICカードの製造方法について説明する。
【0036】
まず、図3(a)に示すように、第1のラミネート基材3a上に、第1の接着層2a、アンテナ基材1を積層する。
【0037】
第1のラミネート基材3aには、ICモジュール10の厚みを吸収するための穴30が設けられている。
【0038】
また、第1の接着層2aには、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止するための穴20と、ICモジュール10の厚みを吸収するための穴30と、が設けられている。
【0039】
次に、図3(b)に示すように、熱を発生させる加熱手段100を用いて穴20が設けられた箇所を局所的に加熱し、穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに接着する。
【0040】
これにより、穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止し、図3(c)に示す仮止基材40を構成することになる。
【0041】
本実施形態では、加熱手段100を用いて穴20が設けられた箇所を局所的に加熱することになるため、穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに直接接着することが可能となる。その結果、カード表面の凹凸の発生を回避しつつ、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止することが可能となる。
【0042】
加熱手段100としては、例えば、加熱治具(はんだ)、超音波、レーザ等が適用可能である。
【0043】
加熱治具(はんだ)を適用した場合には、加熱治具(はんだ)を用いて穴20が設けられた箇所を局所的に高温度に加熱することが可能となる。これにより、カード表面の凹凸の発生を回避しつつ、高温度での加熱処理が可能となる。
【0044】
また、超音波を適用した場合には、超音波を用いて穴20が設けられた箇所を局所的に高温度に加熱することが可能となる。これにより、カード表面の凹凸の発生を回避しつつ、高温度での加熱処理が可能となる。
【0045】
また、レーザを適用した場合には、レーザを用いて穴20が設けられた箇所を局所的に高温度に加熱することが可能となる。これにより、カード表面の凹凸の発生を回避しつつ、高温度での加熱処理が可能となる。また、レーザは、短時間での処理が可能であるため、加熱手段100によるカード基材への影響を最小限にすることが可能となる。
【0046】
次に、図4(d)に示すように、第4のラミネート基材4b上に、第2のラミネート基材3bを積層し、第2のラミネート基材3b上に第2の接着層2bを積層する。本実施形態では、第2のラミネート基材3b、第2の接着層2bに、ICモジュール10の厚みを吸収するための穴30が設けられている。次に、第2の接着層2b上に、図3(c)に示す仮止基材40(アンテナ基材1、第1の接着層2a、第1のラミネート基材3a)と、第3のラミネート基材4aと、を積層する。
【0047】
次に、図4(d)に示すカード全体の上下面から熱プレスを施し、図4(d)に示すカード全体に所定の温度の熱を加え、第1、第2の接着層2a,2bを溶融させる。そして、加圧状態を保持しながら、図4(d)に示すカード全体を冷却し、第1、第2の接着層2a,2bを硬化させ、アンテナ基材1と、第1、第2のラミネート基材3a,3bと、を接着する。また、第1のラミネート基材3aと、第3のラミネート基材4aと、を接着する。また、第2のラミネート基材3bと、第4のラミネート基材4bと、を接着する。これにより、アンテナ基材1と、第1のラミネート基材3aと、を第1の接着層2aを介して接着すると共に、アンテナ基材1と、第2のラミネート基材3bと、を第2の接着層2bを介して接着し、図4(e)に示すICカード基材を形成することになる。
【0048】
<本実施形態のICカードの作用・効果>
このように、本実施形態におけるICカードは、第1の接着層2aに設けた穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止している。これにより、熱圧着時に第1の接着層2aが流動しても、アンテナ基材1の位置ずれを防止することが可能となる。また、本実施形態では、簡易な方法でアンテナ基材1の位置ずれを防止するため、ICカードの製造コストを低減することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、加熱手段100を用いて穴20が設けられた箇所を局所的に加熱し、穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに直接接着し、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止している。その結果、カード表面の凹凸の発生を回避しつつ、アンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止することが可能となる。これにより、意匠性に優れたICカードを構成することが可能となる。
【0050】
<実施例>
次に、本実施形態のICカードの具体的な製造方法について詳細に説明する。本実施形態のICカードを構成する各層の具体的な層厚は、図5に示す厚さで構成する。
【0051】
第3のラミネート基材(PET-G);4a(200μm)
第1のラミネート基材(PET-G);3a(175μm)
第1の接着層(ホットメルト剤);2a(30μm)
アンテナ基材(インレットシート);1
第2の接着層(ホットメルト剤);2b(30μm)
第2のラミネート基材(PET-G);3b(175μm)
第4のラミネート基材(PET-G);4b(150μm)
【0052】
まず、図3(a)に示すように、第1のラミネート基材3a上に、第1の接着層2a、アンテナ基材1を積層する。
【0053】
次に、図3(b)に示すように、超音波100を用いて穴20が設けられた箇所を局所的に加熱し、穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに接着する。
【0054】
これにより、穴20を介してアンテナ基材1を第1のラミネート基材3aに仮止し、図3(c)に示す仮止基材40を構成することになる。
【0055】
次に、図4(d)に示すように、第4のラミネート基材4b上に、第2のラミネート基材3bを積層し、第2のラミネート基材3b上に第2の接着層2bを積層する。また、第2の接着層2b上に、図3(c)に示す仮止基材40、第3のラミネート基材4aを積層する。
【0056】
次に、図4(d)に示すカード全体の上下面から熱プレスを施し、カード全体に所定の温度の熱を加え、第1、第2の接着層2a,2bを溶融させる。熱プレスは、以下の条件で行う。
【0057】
熱圧着温度;120〜150℃
熱圧着時間;30〜60分
熱圧着圧力;10〜20MPa
【0058】
次に、上述した圧力状態を保持しながら、カード全体を冷却し、第1、第2の接着層2a,2bを硬化させ、アンテナ基材1と、第1、第2のラミネート基材3a,3bと、を接着する。また、第1のラミネート基材3aと、第3のラミネート基材4aと、を接着する。また、第2のラミネート基材3bと、第4のラミネート基材4bと、を接着する。
【0059】
これにより、アンテナ基材1と、第1のラミネート基材3aと、を第1の接着層2aを介して接着すると共に、アンテナ基材1と、第2のラミネート基材3bと、を第2の接着層2bを介して接着し、図4(e)に示すICカード基材を形成することになる。
【0060】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態のICカード基材の層構成は、特に限定するものではなく、あらゆる層構成にてカード基材を構成することは可能である。
【0062】
また、上述した実施形態のICカードは、ICモジュール10を実装したアンテナ基材1を例に説明したが、アンテナパターンが形成されたアンテナ基材1を用いてICカード基材を形成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明にかかる情報記録媒体は、各種交通機関での定期券、回数券、電話カード、特定領域への入退出用のカード、IDカード、免許証、パチンコ,遊園地,映画館などに使用されるカード、クレジットカード等の接触状態や非接触状態での通信処理が可能な情報記録媒体に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明と関連するICカードの製造方法を説明するための図である。
【図2】本実施形態におけるICカードの構成例を示す図である。
【図3】本実施形態のICカードの製造方法を説明するための第1の図である。
【図4】本実施形態のICカードの製造方法を説明するための第2の図である。
【図5】本実施形態のICカードの具体的な構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 アンテナ基材
2a 第1の接着層
2b 第2の接着層
3a 第1のラミネート基材
3b 第2のラミネート基材
4a 第3のラミネート基材
4b 第4のラミネート基材
10 ICモジュール
20,30 穴
40 仮止基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナパターンが少なくとも形成されたアンテナ基材の上下面を接着層とラミネート基材とで挟持して構成する情報記録媒体であって、
前記アンテナ基材と前記ラミネート基材とが前記接着層を介して接着した部分と、前記アンテナ基材と前記ラミネート基材とが前記接着層に形成された穴を介して直接接着した部分と、を有し、
前記穴は、ICモジュールが設けられる箇所以外の位置に形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項2】
前記穴は、前記アンテナパターンが形成される箇所以外の位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記穴は、前記アンテナ基材の上下面の接着層の一方の接着層に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の情報記録媒体。
【請求項4】
ラミネート基材と、穴が形成された接着層と、アンテナパターンが少なくとも形成されたアンテナ基材と、を積層する積層工程と、
熱を発生させる加熱手段を用いて前記穴が形成された箇所を局所的に加熱し、前記穴を介して前記アンテナ基材を前記ラミネート基材に仮止する仮止工程と、
前記接着層を溶融し、前記接着層を介して前記アンテナ基材と、前記ラミネート基材と、を熱圧着する接着工程と、
を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【請求項5】
前記仮止工程は、
前記穴を介して前記アンテナ基材を前記ラミネート基材に直接接着させ、前記アンテナ基材を前記ラミネート基材に仮止することを特徴とする請求項4記載の情報記録媒体の製造方法。
【請求項6】
前記積層工程は、
第1のラミネート基材上に、穴が形成された第1の接着層と、前記アンテナ基材と、を積層し、
前記仮止工程は、
前記穴を介して前記アンテナ基材を前記第1のラミネート基材に仮止し、
前記接着工程は、
第2のラミネート基材上に、第2の接着層と、前記仮止を行った前記アンテナ基材と前記第1の接着層と前記第1のラミネート基材と、を積層し、前記第1の接着層と前記第2の接着層とを溶融し、前記第1の接着層を介して前記アンテナ基材と前記第1のラミネート基材とを熱圧着すると共に、前記第2の接着層を介して前記アンテナ基材と前記第2のラミネート基材とを熱圧着することを特徴とする請求項4または5記載の情報記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−108151(P2010−108151A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278284(P2008−278284)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】