説明

情報記録媒体

【課題】 加熱等により情報記録部が読み取り不可能になる変化を防止でき、また情報記録媒体を製造する上で、工程数が少なく、容易に作製でき、書き換え可能な可変情報と、書き換えが不可能な個別情報の両方の記録をすることができる情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 基材2の一方の面に、無機材料とバインダー樹脂を含有するレーザー発色層3、可逆性感熱発色層4を順に設けた構成の情報記録媒体1である。レーザー照射により、レーザー発色層3が発色して、書き換えが不可能な個別情報の記録が可能となり、サーマルヘッド等の加熱手段により、可逆性感熱発色層4が発色して、書き換え可能な可変情報の記録ができ、実用性の高いものである。上記の情報記録媒体は、基材にレーザー発色層、可逆性感熱発色層を積層した構成であり、情報を記録する層以外の層を設けて、多層化していなく、容易に作製できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の一方の面に、レーザー光により発色するレーザー発色層、可逆性感熱発色層を順に設けた情報記録媒体に関し、更に詳しくは書き換え可能な可変情報と、書き換えが不可能な個別情報の両方の記録が可能な情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感熱記録媒体として、電子供与性ロイコ染料に代表される発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物に代表される有機酸性物質(顕色性物質)を主成分とする感熱発色層を設けてなり、熱エネルギーによって反応させて記録画像を得る媒体が知られている。この記録媒体は、記録するための供給用部材を用いることなく、加熱するだけで、また加熱条件を変化させるだけで、可変情報を記録できる利点があるが、この感熱記録媒体は、発色反応が可逆的であるため、熱により、あるいは水、可塑剤等により、発色による記録が読み取り不可能なレベルまで消色してしまう問題がある。
【0003】
これに対して、記録した情報の耐久性をもたせるために、オフセット印刷等の印刷により、情報を記録することが挙げられるが、その印刷のための印刷版を用意して、印刷するため、その情報を個別に変えて記録することは、困難であり、採用できるものではない。また、記録する情報の耐久性をもたせるために、熱転写印字による方法が挙げられるが、その印字部の上に、保護層を設けて耐久性をもたせることが可能である。しかし、情報記録の印字工程の他に、保護層付与工程が必要となり、工程が増え、煩雑となり、実用上の問題がある。
【0004】
基材上に、光吸収層、感熱発色層、断熱性中間層、可逆性感熱発色層を順に設けた情報記録媒体に、レーザー光照射で感熱発色層に記録し、サーマルヘッド加熱により、可逆性感熱発色層の記録と消去を行なうことが、特許文献1に記載されている。この記録媒体では、書き換え可能な可変情報を可逆性感熱発色層で可変情報を記録し、レーザー光照射で、感熱発色層に書き込んで固定情報を記録することが記載されている。しかし、この場合では、感熱発色層及び可逆性感熱発色層の他に、断熱性中間層、光吸収層を設ける必要があり、多層を積層させる製造上の制約があり、問題である。
【特許文献1】特開2001−232942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は加熱などにより情報記録部が読み取り不可能になる変化を防止でき、また情報記録媒体を製造する上で、工程数が少なく、容易に作製でき、書き換え可能な可変情報と、書き換えが不可能な個別情報の両方の記録をすることができる情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の発明は、基材の一方の面に、無機材料とバインダー樹脂を含有するレーザー発色層(3)、可逆性感熱発色層(4)を順に設けたことを特徴とする情報記録媒体に関するものである。これにより、上記の課題を解決することが可能となった。すなわち、レーザー照射により、レーザー発色層(3)が発色して、書き換えが不可能な個別情報の記録が可能となり、サーマルヘッド等の加熱手段により、可逆性感熱発色層(4)が発色して、書き換え可能な可変情報の記録ができ、実用性の高いものである。上記の情報記録媒体は、基材にレーザー発色層、可逆性感熱発色層を積層した構成であり、情報を記録する層以外の層を設けて、多層化していなく、容易に作製できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載する可逆性感熱発色層の上に、保護層を設けたことを特徴とする情報記録媒体に関するものである。これにより、プリンタ等の機械搬送性を向上させ、可逆性感熱発色層の耐久性を高めることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報記録媒体は、加熱などによりレーザー発色層の情報記録部が読み取り不可能になる変化を防止でき、また情報記録媒体を製造する上で、積層する工程数が少なく、容易に作製でき、書き換え可能な可変情報と、書き換えが不可能な個別情報の両方の記録をすることができ、実用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一つの実施形態を示す情報記録媒体である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す情報記録媒体である。
【図3】本発明の一つの実施形態を示す、情報が記録された情報記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施形態を示す情報記録媒体であり、基材2上に、レーザー発色層3、可逆性感熱発色層4を順次、積層した構成の情報記録媒体1である。このレーザー発色層3は、無機材料とバインダー樹脂を含有する層であり、レーザー照射により、発色して記録が行なわれる。また、可逆性感熱発色層4は、サーマルヘッド等の加熱手段により、発色して記録が行なわれる。
【0011】
図3に、図1に示した情報記録媒体で、レーザー発色層3がレーザー照射により、レーザー発色記録部6が形成されたもので、この記録部6は、いったん記録されると書き換えられることができないものである。すなわち、書き換えが不可能な個別情報としての記録部である。また、図3で図示した情報記録媒体1は、可逆性感熱発色層4がサーマルヘッド等の加熱手段により、感熱発色による記録部7が形成されたもので、この記録部7は、再加熱すると、消去でき、さらに加熱手段で別の情報を記録でき、すなわち書き換え可能な可変情報としての記録部である。
【0012】
図2は、本発明の他の実施形態を示す情報記録媒体であり、基材2上に、レーザー発色層3、可逆性感熱発色層4、保護層5を順次、積層した構成の情報記録媒体1である。この情報記録媒体1も、図1で示した情報記録媒体と同様に、レーザー発色層3は、レーザー照射により、発色して記録が行なわれる。また、可逆性感熱発色層4は、サーマルヘッド等の加熱手段により、保護層を通して加熱され、発色して記録が行なわれる。図1〜3に示した情報記録媒体に限らず、例えば、基材のレーザー発色層などが設けられた面と反対面に、裏面層を設け、情報記録のプリンタ搬送性を向上させる、また情報記録媒体のシートを多数重ねて保管した際、情報記録媒体の表面と裏面とが、接着する(ブロッキング)を防止する等の機能をもたせることができる。
【0013】
本発明の情報記録媒体を構成する各層について、以下に詳細に説明する。
(基材)
基材2としては、レーザー発色層、可逆性感熱発色層を保持し、またサーマルヘッド等の加熱手段、レーザー照射による記録手段に支障がでないものであれば、その基材を構成する材料は限定するものではない。例えば塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、アクリル、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、PET−G等の合成樹脂、または、紙、不織布等が用いられる。
【0014】
また、基材上には、例えばシルクスクリーン印刷やオフセット印刷等により、所望のデザインの絵柄や模様及び文字等を印刷して印刷層を設けてもよい。基材の厚さは、20〜300μmのものが使用される。
【0015】
(レーザー発色層)
レーザー発色層3としては、レーザー光線のうち工業的に汎用の波長700〜12000nmの赤外領域のレーザー光線に反応するレーザー発色性の印刷インキまたは塗工液により、上記基材上に、印刷または塗工して形成される。その印刷インキまたは塗工液は、レーザー発色性を有する材料から選ばれる1種以上の材料の他に、バインダー樹脂を含有し、さらに必要に応じて、インキ適性、印刷適正などを向上させる添加剤、顔料などを含有する。
【0016】
前記レーザー発色性を有する材料は、無機材料であり、例えば、1)金属単体、2)金属塩、3)金属水酸化物、4)金属の酸化物等が挙げられる。
1)金属単体としては、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
2)金属塩としては、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム、塩化銅、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銀、塩化亜鉛、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸コバルト、ピロリン酸銅、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸コバルト、シュウ酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸鉄、安息香酸コバルト、芳香環を有するホスホン酸銅などが挙げられる。
【0017】
3)金属水酸化物としては、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アンチモン、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化ランタン等が挙げられる。
4)金属の酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化コバルト、酸化鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マンガン、酸化モリブテン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化パラジウム、酸化ランタン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、合成ゼオライト、天然ゼオライト、銅−モリブテン複合酸化物、アンチモンドープ酸化錫被覆マイカ、アンチモンドープ酸化錫/酸化チタン/二酸化珪素被覆マイカ、等が挙げられる。金属酸化物としては、層状構造を有する、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト等を用いることもできる。
【0018】
上記無機材料の中では、銅・モリブデン複合酸化物、アンチモンドープ酸化錫被覆マイカ、アンチモンドープ酸化錫/酸化チタン/二酸化珪素被覆マイカ、が発色性の点から、好ましい。特に銅−モリブデン複合酸化物自身の近傍の樹脂なども黒化させやすいため、視認性の優れた印字物が得られる。尚、レーザー発色性を有する材料として、有機材料が挙げられるが、本発明の情報記録媒体は、可逆性感熱発色層を積層させるので、その感熱発色のための加熱により、レーザー発色層が発色しないように、レーザー発色層の発色材料は無機材料に限定したものである。
【0019】
上記の無機材料を保持するバインダー樹脂としては、透明であり、機械的および化学的に安定であり、成膜性が優れたものが望ましく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等が用いられる。
【0020】
レーザー発色層におけるレーザー発色性を有する無機材料とバインダー樹脂の配合としては、レーザー発色層中の無機材料の含有量は、従来公知の範囲内に調整でき、通常、1質量%〜50質量%程度である。レーザー発色性を有する無機材料とバインダー樹脂、必要に応じて添加剤、溶剤などを加えた塗工液を、基材上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。レーザー発色層の厚みは、特に限定されず、通常、乾燥時で0.5μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜30μmである。
【0021】
(可逆性感熱発色層)
可逆性感熱発色層4は、サーマルヘッドなどの加熱手段の加熱により、その加熱温度によって異なる状態を呈する材料が用いられる。その異なる状態とは、例えば温度T2以上のとき白濁し、温度がT1以上T2未満(但しT1<T2)のとき、透明となるように光学的に異なる状態を意味する。これによれば、サーマルヘッドなどの加熱手段により温度T2以上で加熱印字し、白濁化させることにより情報を目視可能に記録し、またT1以上T2未満で、その白濁化した記録部7を加熱すると白濁化した部分が透明化し、これにより情報を消去することができる。このように記録・消去を繰り返すことで可視情報の記録面への可視情報の書き換えが可能となる。
【0022】
可逆性感熱発色層を形成するものとしては、高分子樹脂中に低分子物質を分散したもの、または有機溶剤に高分子樹脂と低分子物質が溶解されたものが挙げられ、高分子樹脂にはポリ塩化ビニル樹脂、また塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体などの塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの塩化ビニリデン共重合体、またポリアミド樹脂;シリコーン樹脂;ポリアクリレートもしくはポリメタアクリレート樹脂又はこれらの共重合体などがあり、これらを単独或いは2種以上の混合したものが用いられる。
【0023】
上記の低分子物質には、アルカノール、カルカンジオール、ハロゲンアルカノール、ハロゲンアルカンジオール等の高級アルコール、高級脂肪族アミン、またアルカン、アルケン、アルキン及びこれらのハロゲン置換体、またシクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン等の環状化合物、また飽和カルボン酸、不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸又はこれらエステル、アミド、アンモウム塩、さらにアクリルカルボン酸又はこれらのエステル、アミド、アンモウム塩、またチオアルコール又はこれらのカルボン酸エステル、さらにチオカルボン酸又はこれらのエステル、アミド、アンモウム塩があり、これらを単独或いは2種以上の混合したものが用いられる。
【0024】
また、可逆性感熱発色層として、電子供与性化合物であるロイコ染料と、電子受容性化合物である顕色剤との組み合わせを、バインダー樹脂に混合させて用いることもできる。その際のバインダー樹脂は、レーザー発色層で説明したバインダー樹脂と同様の材料が使用できる。また、上記ロイコ染料としては、フタアリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェニチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、等から選択できる。顕色剤としては、長鎖脂肪炭化水素基を持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物等が用いられる。
【0025】
可逆性感熱発色層は、加熱記録前で、透明性を有し、下層であるレーザー発色層のレーザー発色記録部が視認できるものである。そして、可逆性感熱発色層が加熱により、発色した記録部7は、白濁色、あるいは黒色等の色相をもち、透明性が低下するので、可逆性感熱発色層における感熱発色記録部7と、レーザー発色記録部6が重なった位置にならないように、記録する。
【0026】
可逆性感熱発色層は、上記に説明した必要な材料を含有する塗工液をスピンコート法、ロールコート法、ナイフエッジ法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの方法を用いて、乾燥時で厚さ5〜20μm程度に形成するものである。
【0027】
(保護層)
保護層5は、必要に応じて積層するもので、保護層が情報記録媒体の最表面に積層されていることにより、情報記録媒体の最表面が、携帯時や、情報を記録する時などに、摩擦されて摩耗する、または熱を受けて、変形するのを防ぐもので、耐薬品性、耐水性、および耐摩耗性等の耐久性を有し、かつ、下層を透視可能とするための透明性を有するものであることが好ましい。
【0028】
保護層は、前記したレーザー発色層を形成する際に、挙げたバインダー樹脂と同様のものを用いて構成できるほか、表面の耐摩耗性、耐薬品性、もしくは耐汚染性等をより高める目的で、熱硬化性樹脂、または電離放射線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂もしくは電子線硬化性樹脂)を用いて構成してもよい。保護層は調整した塗工液をスピンコート法、ロールコート法、ナイフエッジ法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの方法を用いて、乾燥時で厚さ0.1〜10μm程度に形成するものである。
【実施例】
【0029】
実施例により、本発明の情報記録媒体について、さらに詳細に説明する。
(実施例1)
基材2として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ(株)製、T−60)を準備した。基材の一方の面に、下記組成のレーザー発色層用塗工液を用いて、グラビア印刷にて、乾燥時の厚さが10μmになるように、レーザー発色層3を形成した。
【0030】
(レーザー発色層用塗工液)
レーザー発色性無機材料(銅−モリブテン複合酸化物) 30部
バインダー樹脂(ウレタン樹脂) 25部
メチルエチルケトン 30部
酢酸エチル 20部
イソプロピルアルコール 20部
【0031】
次に、上記のレーザー発色層の上に、下記組成の可逆性感熱発色層用塗工液を用いて、グラビア印刷にて、乾燥時の厚さが10μmになるように、可逆性感熱発色層4を形成して、実施例1の情報記録媒体を作製した。
(可逆性感熱発色層用塗工液)
低分子物質(ベヘン酸) 5部
低分子物質(エイコ酸二酸) 5部
高分子樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体) 28部
(ユニオンカーバイト社製、VYHH))
テトラヒドロフラン 200部
【0032】
(実施例2)
実施例1で得られた情報記録媒体の可逆性感熱発色層の上に、保護層5を紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート)の塗工液により、乾燥時で厚み3μmで形成して、実施例2の情報記録媒体を作製した。
【0033】
上記で作製した実施例1、2の情報記録媒体に対し、波長780nmの半導体レーザー光を照射して書込み(記録)を行なったところ、レーザー発色層3だけの発色によるレーザー発色記録部6が形成され、可逆性感熱発色層を通して、視認できた。この記録部6は、いったん記録されると書き換えられることができないものであった。また、上記の情報記録媒体に対し、サーマルヘッド加熱による書込み(記録)を行なったところ、可逆性感熱発色層4に対して、発色による表示および消去が可能であり、レーザー光の照射により記録表示が行なわれた部分のレーザー発色層3の記録部6を含めて、目視で変化していなかった。
【0034】
また、実施例1、2の情報記録媒体は、その製造する上で、積層する工程数が少なく、容易に作製できるものであった。また、実施例2の情報記録媒体は、最表面に保護層を有しているので、レーザー照射による情報記録及びサーマルヘッド加熱による情報記録の際のプリンタの機械搬送性が向上し、また可逆性感熱発色層の耐久性が高いものであった。
【符号の説明】
【0035】
1 情報記録媒体
2 基材
3 レーザー発色層
4 可逆性感熱発色層
5 保護層
6 レーザー発色記録部
7 感熱発色記録部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面に、無機材料とバインダー樹脂を含有するレーザー発色層、可逆性感熱発色層を順に設けたことを特徴とする情報記録媒体。
【請求項2】
前記の可逆性感熱発色層の上に、保護層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する情報記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−107289(P2013−107289A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254262(P2011−254262)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】