情報記録装置、再生装置、及び、方法
【課題】高速アクセスを可能にすると共に、データ消失の危険性を低下させることが可能な情報記録装置を提供する。
【解決手段】アレイ部103は、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有する。コントローラ104は、記録すべき入力データが、重要データに該当するか否かを判定する。コントローラ104は、入力データが重要データに該当しないと判定すると、入力データを複数のデータブロックに分割し、複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する。コントローラ104は、入力データが重要データに該当すると判定すると、複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する。
【解決手段】アレイ部103は、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有する。コントローラ104は、記録すべき入力データが、重要データに該当するか否かを判定する。コントローラ104は、入力データが重要データに該当しないと判定すると、入力データを複数のデータブロックに分割し、複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する。コントローラ104は、入力データが重要データに該当すると判定すると、複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置及び方法に関し、更に詳しくは、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有する情報記録装置、及び、そのような情報記録装置における情報記録方法に関する。また、本発明は、それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有する情報再生装置、及び、そのような情報再生装置における情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクドライブの利用が進んでいる。光ディスクドライブとは、光ビームを用いて、光ディスクに情報を記録し、或いは、光ディスクに記録された情報を読み出す装置である。光ディスクドライブの使用形態は、現時点で2種類存在する。1つ目は、光ディスクドライブ単体で使用する形態である。通常の外付けドライブや、パーソナルコンピュータに内蔵された内蔵型ドライブが、それにあたる。もう1つは、光ディスクドライブを複数台まとめて光ディスク装置とし、光ディスクドライブアレイとして使用する形態である。例えば、UDO(Ultra Density Optical)と呼ばれる製品が、それにあたる。
【0003】
光ディスクドライブアレイは、一般に、光ディスクが複数枚収納されているケース部と、光ディスクドライブが複数台並べられているアレイ部と、光ディスクの搬送を行う搬送部とを有する。搬送部は、ケースに収容された光ディスクを、アレイ部内の複数のドライブ(ドライブ1〜N)のうちの何れかに搬送する。また、搬送部は、その逆の動作を行う。つまり、搬送部は、光ディスクを、アレイ部からケース部に搬送し、ケースに収容する。例えばUDOの場合、搬送部は、ロボットアームで構築されている。
【0004】
一般的な光ディスクドライブアレイでは、複数の光ディスクと、複数の光ディスクドライブとを用いるが、それぞれの光ディスクと光ディスクドライブとの関係は、単体の光ディスクドライブにおけるそれと変わらない。従って、光ディスクドライブアレイは、単体の光ディスクドライブが複数台セットで装置を構成しているだけとも考えられる。光ディスクドライブアレイは、複数の光ディスクを抱えているので、装置全体として見れば、大容量の装置となる。光ディスクドライブアレイは、大容量の記憶が可能という特性を活かして、大容量アーカイブシステムなどに用いられる。
【0005】
光ディスクドライブアレイは、大容量ではあるが、データの転送レートが低いという問題点がある。例えば、ハードディスクドライブは、1Gbps程度の転送レートを持っているが、DVDは1倍速で11Mbps程度であり、16倍速でも176Mbps程度である。
【0006】
そこで、本願発明者らは、光ディスクドライブアレイを構成する光ディスクドライブに、並列記録することができる光ディスクドライブアレイを実用化しようと試みている。例えば、光ディスクドライブアレイを、8台の光ディスクドライブで構成する。8台の光ディスクドライブに並列記憶を行うと、転送レートは、各光ディスクドライブが16倍速で動く場合1.4Gbps程度となり、ハードディスクドライブを凌駕する。この場合、光ディスク8枚で1つの光ディスクかのような振る舞いになるので、容量が8倍(並列記録を行うドライブの数)になった光ディスクが、光ディスクドライブに搬送されたイメージとなる。
【0007】
ここで、可搬型メディアによるRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)システムを構成するディスクアレイ装置に関して、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、データ量に基づいて、ディスクアレイを構成する複数の光ディスクドライブにより複数の光ディスクに冗長度を有するように分散記録するか、複数の光ディスクドライブのうちの単一の光ディスクドライブによって単一の光ディスクにデータを記録するかを決定する。或いは、データ再生回数をデータごとに計数し、再生回数が所定回数以上となったときに、そのデータを、複数の光ディスクドライブによって、複数の光ディスクに冗長度を有するように分散して記録する。
【特許文献1】特開平7−36634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光ディスクに記録される情報にはいくつかの種類があり、代表的なものとして、ユーザデータ、ファイルシステム情報、管理情報がある。ユーザデータは、ユーザが記録するデータである。ファイルシステム情報は、ユーザデータのファイル構造(論理的な記録状態)の情報である。管理情報は、情報記録媒体内のユーザデータの物理的な記録状況を管理する情報である。
【0009】
図13に、DVD−Rに関する各情報の物理的な配置の概略を示す。DVD−Rでは、上記の各情報は、図13に示すように、光ディスク内の物理的に異なる位置に記録される。光ディスクの多くの記録領域はユーザデータによって使用され、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域は、それほど大きくない。光ディスクは、本来ユーザデータを保存するためのものであるから、光ディスクには、できるだけユーザデータを多く記録すべきである。従って、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域は、多くの記録領域を消費するようなものでない方が望ましい。
【0010】
光ディスクには、DVD−Rなど、記録が一度しかできないタイプ(追記型)の光ディスクと、何度も記録できるタイプ(書換え型)とが存在する。書換え型の光ディスクとしては、例えばDVD−RWがあり、その書換え回数は1000回程度である。ファイルシステム情報や管理情報は、ユーザデータの記録によって情報そのものが変わるので、その都度、更新が必要である。DVD−Rなどの追記型の光ディスクの場合、記録位置をずらして、新たなファイルシステム情報や管理情報を記録し、情報の更新を行う。一方、書換え型の場合は、ファイルシステム情報や管理情報を書き換えることが可能なので、それまでのファイルシステム情報や管理情報が記録された位置に情報の上書きを行うことで、情報の更新を行う。
【0011】
ユーザデータを更新する回数が多いほど、ファイルシステム情報や管理情報の更新回数が増大していくことになる。前述のように、書換え可能型の光ディスクには、書換え回数の制限がある。従って、ユーザデータや、ファイルシステム情報、管理情報の更新には物理的な制限がある。また、DVD−Rのような追記型光ディスクの場合、ユーザデータの追加記録(追記)のたびに、管理情報を新たに記録していくことになるので、管理情報の残り記録領域は、少なくなっていく。管理情報の記録領域に空きがなくなると、新たに管理情報を記録することができなくなるので、追記が不可能になる。つまり、追記にも回数制限がある。
【0012】
上記した3つの情報は、全て大切な情報であるが、その中でも、ファイルシステム情報及び管理情報は、とりわけ重要な情報である。仮に、ユーザデータが何らかの不具合で再生不能になったとしても、再生不能になるのは一部のユーザデータだけで、残りのユーザデータは再生可能になることが多い。しかし、ファイルシステム情報及び管理情報が再生不能になると、ユーザデータの多く、或いは、最悪のケースではユーザデータ全体が再生不能になる。これは、ファイルシステム情報及び管理情報が再生できないと、ユーザデータの物理的な記録状態やファイル構造が不明になるからである。そういった意味から、ファイルシステム情報及び管理情報は、とりわけ重要な情報と位置づけられている。
【0013】
並列記録は、アクセスの高速化という点でのメリットはあるものの、データ消失の可能性は、単一の光ディスクに記録する場合よりも高くなる。例えば、データを、8台の光ディスクドライブを用いて、8個の光ディスクに分割して記録する場合を考える。この場合、何らかの原因で、8個の光ディスクのうちの1つから分割されたデータが再生できないと、元のデータを復元することができなくなる。従って、データが消失する危険性は、単一の光ディスク内に記録する場合の8倍になる。
【0014】
特許文献1では、一部データを複数の光ディスクに並列記録し、一部データを単一の光ディスク内に集中して記録している。しかしながら、特許文献1では、アクセス頻度やデータ量に基づいて、並列記録するか、集中記録するかを判断しており、データの重要性は考慮されていない。特許文献1において、ファイルシステム情報及び管理情報を、複数の光ディスクに分割して並列に記録すると、並列記録されたデータの一部が読み出し不能になることで、ファイルシステム情報及び管理情報の読み出しが不可能になる。ファイルシステム情報及び管理情報が読み出し不能になると、ユーザデータの読み出しができなくなる。従って、特許文献1では、ユーザデータ読み出しの信頼性を高めることはできない。
【0015】
本発明は、高速アクセスを可能にすると共に、データ消失の危険性を低下させることが可能な情報記録装置、再生装置、及び、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の情報記録装置は、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部と、前記データ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のコントローラは、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の情報再生装置は、それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部と、前記データ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生手段と、前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の情報記録方法は、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力するデータ入力ステップと、前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録ステップと、前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録ステップとを有することを特徴とする。
【0020】
本発明の情報再生方法は、それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生ステップと、前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の情報記録装置、再生装置、及び、方法は、データの高速アクセスを可能にすると共に、データ消失の危険性を低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の情報記録装置の概略を示している。情報記録装置は、ケース部101、搬送部102、光ディスクドライブ部(データ記録部)103、及び、コントローラ104を有する。ケース部101は、光ディスクを収容する。光ディスクには、書換え型の光ディスクを用いる。或いは、光ディスクに、追記型の光ディスクを用いてもよい。搬送部102は、ケース部101から光ディスクドライブ部(アレイ部)103へ、光ディスクを搬送する。また、搬送部102は、光ディスクドライブ部103からケース部101へ、光ディスクを搬送する。コントローラ104は、光ディスクドライブ部103へのデータ記録、及び、光ディスクドライブ部103からのデータ再生を行う。また、コントローラ104は、ホスト105との情報のやり取りを行う。
【0023】
光ディスクドライブ部103は、それぞれが情報記録媒体である光ディスクに対して記録を行う複数(N台:Nは2以上の整数)の光ディスクドライブ(記録・再生装置)を有する。光ディスクドライブ部103は、ユーザデータについて、N台の光ディスクドライブで並列記録を行う。また、光ディスクドライブ部103は、ユーザデータについて、N台の光ディスクドライブで並列再生を行う。そのため、情報記録装置では、光ディスクを1セットN枚で取り扱う。本実施形態では、N枚の光ディスクをひとつのカートリッジに収納し、カートリッジを1セットとして取り扱う。ケース部101は、複数セットの光ディスク、つまりは、複数のカートリッジを格納する。
【0024】
図2に、カートリッジを使用したときの概略図を示す。搬送部102は、ケース部101から所望のカートリッジを1つ取り出し、取り出したカートリッジから、その中に収容されているN枚の光ディスクを取り出す。搬送部102は、取り出したN枚の光ディスクを、光ディスクドライブ部103を構成するN台の光ディスクドライブ(ドライブ1〜N)に挿入する。搬送部102は、光ディスクをケースに収容する際には、N台の光ディスクドライブのそれぞれから光ディスクを取り出してカートリッジに収納し、カートリッジをケース部101に収納する。搬送部102の具体的なやり方には様々なやり方が考えられるが、本実施形態では、ロボットアームを使用する形態の搬送部102を用いる。
【0025】
図3に、コントローラ104の構成を示す。コントローラ104は、データ入力手段110、データ種別判定手段111、ユーザデータ記録手段(第1の記録手段)112、重要データ記録手段(第2の記録手段)113、ユーザデータ再生手段(第1の再生手段)114、及び、重要データ再生手段(第2の再生手段)115を有する。データ入力手段110は、データ記録時に、ホスト105から、光ディスクドライブ部103に記録すべきデータを入力する。データ記録では、一般的には、ユーザデータの記録後に、ファイルシステム情報、管理情報を記録する。また、データ入力手段110は、データ再生時、光ディスクドライブ部103から、再生データを入力する。
【0026】
データ種別判定手段111は、データ入力手段110に入力されたデータが、所定の重要データに該当するか否かを判定する。データ種別判定手段111は、入力データがユーザデータであるときは、入力データは重要データに該当しないと判定する。データ種別判定手段111は、入力データがN枚の光ディスクに分割して記録されるユーザデータの論理的な記録状態を示すファイルシステム情報、又は、ユーザデータの物理的な記録状態を示す管理情報のときは、入力データが重要データに該当すると判定する。データ種別判定手段111は、例えば、データを格納するアドレス情報に基づいて、データ種別が、ユーザデータ、ファイルシステム情報、管理情報の何れであるかを判別する。
【0027】
ユーザデータ記録手段112は、データ記録時に、データ種別判定手段111が入力データが重要データに該当しないと判定すると、つまり、入力データがユーザデータであると判定すると、入力データをN個のデータブロックに分割する。ユーザデータ記録手段112は、光ディスクドライブ部103のN台の光ディスクドライブを用いて、N枚の光ディスクに、N個のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する。重要データ記録手段113は、データ記録時に、データ種別判定手段111が重要データに該当すると判定すると、つまり、入力データがファイルシステム情報又は管理情報であると判定すると、光ディスクドライブ部103のN台の光ディスクドライブのうちの少なくとも1つを用いて、入力データであるファイルシステム情報又は管理情報を、N枚の光ディスクのうちの少なくとも1つに記録する。本実施形態では、重要データ記録手段113は、N枚の光ディスクの全てに、ファイルシステム情報又は管理情報を記録するものとする。
【0028】
ユーザデータ再生手段114は、データ再生時に、データ種別判定手段111が、入力データ、すなわち、光ディスクドライブ部103から再生するデータがユーザデータであると判定すると、N枚の光ディスクにN分割で記録されたデータを結合し、ユーザデータを復元する。重要データ再生手段115は、データ再生時に、データ種別判定手段111が入力データがファイルシステム情報又は管理情報に該当すると判定すると、N枚の光ディスクのうちの少なくとも1つから、ファイルシステム情報又は管理情報を再生する。
【0029】
図4に、N枚の光ディスクの記録状態を示す。ユーザデータ記録手段112は、ユーザデータである“ファイル1”を、N個のデータブロックに分割し(ファイル1−1、ファイル1−2、・・・、ファイル1−N)、分割した各データを、N枚の光ディスク(ディスク1〜ディスクN)に並列に記録する。ユーザデータ記録手段112は、“ファイル2”についても、同様に、“ファイル2”をファイル2−1〜2−NのN個に分割し、ディスク1〜Nに並列に記録する。
【0030】
ユーザデータ再生手段114は、例えば“ファイル1”の再生では、ディスク1〜Nから分割されたファイル1−1〜1−Nを読み出し、ファイル1−1〜1−Nを結合して、“ファイル1”を復元する。ユーザデータの記録及び再生では、光ディスクドライブ部103のドライブ1〜Nを並列動作させることで、ユーザデータの記録再生は、通常の速度に比して、並列記録に使用したドライブの数の分だけ、高速化される。
【0031】
重要データ記録手段113は、“ファイルシステム情報1”及び“管理情報1”を、ディスク1〜Nの各ディスクに記録する。重要データ記録手段113は、ディスクフォーマット上で、単一のディスクに単体の光ディスクドライブを用いて情報記録を行う際にファイルシステム情報を格納すべきアドレスと同じアドレスに、“ファイルシステム情報1”を格納する。また、重要データ記録手段113は、ディスクフォーマット上で、単一のディスクに単体の光ディスクドライブを用いて情報記録を行う際に管理情報を格納すべきアドレスと同じアドレスに、“管理情報1”を格納する。
【0032】
ここで、“ファイルシステム情報1”及び“管理情報1”は、ディスク1〜Nまでを、1枚の光ディスク(単一の情報記録媒体)とみなしたときのファイルの論理的な記録状態、及び、物理的な記録状態に相当する。コントローラ104及びホスト105は、“ファイルシステム情報1”及び“管理情報1”を参照することで、各ディスクにおける所望のユーザデータにアクセスすることができる。
【0033】
重要データ再生手段115は、ディスク1〜Nのうちの何れかからファイルシステム情報、管理情報を再生する。ファイルシステム情報及び管理情報の記録及び再生は、通常の速度と同じ速度となる。しかしながら、ファイルシステム情報及び管理情報は、ドライブの台数分だけ並列化されているので、少なくとも1枚の光ディスク(1台の光ディスクドライブ)から情報が再生できれば、ファイルシステム情報及び管理情報は消失せず、ユーザデータの再生も可能になる。つまり、安定した再生を保証することができる。これは、情報の長期保存に有利であることを意味する。
【0034】
ファイルシステム情報の生成は、ホスト105又はコントローラ104で行う。ファイルシステム情報がホスト105で生成されるか、コントローラ104で生成されるかは、アプリケーション(ホスト105)がファイルシステムを管理するタイプであるか否かに依存する。アプリケーションがファイルシステムを管理するタイプであれば、ホスト105はユーザデータ(ファイル)をどのアドレスに記録したかを知っているので、その情報を基に、ファイルシステム情報を生成する。アプリケーションがファイルシステムを管理しないタイプであれば、コントローラ104がファイルシステム情報をハンドリングし生成する。
【0035】
管理情報については、一般的には、コントローラ104が、光ディスクドライブ部103の状況を把握し、管理情報を生成する。ただし、アプリケーションが使いたい管理情報があり、それが許されるドライブ、ディスク仕様であれば、ホスト105が管理情報をハンドリングしてもよい。
【0036】
情報再生の際は、アプリケーションがファイルシステム情報を管理するタイプであれば、ホスト105は所望のファイルが存在するアドレスを知ることができるので、ホスト105は、コントローラ104に対して、アドレスの再生を指示することができる。コントローラ104は、光ディスクドライブ部103に対して、指示されたアドレスの再生を指示する。アプリケーションがファイルシステム情報を管理しないタイプの場合、ホスト105は、読み出したいファイルのファイル名をコントローラ104に出力する。コントローラ104は、光ディスクドライブ部103からファイルシステム情報を読み出し、読み出したファイルシステム情報を参照して、ホスト105から出力されたファイル名のファイルが存在するアドレスを特定する。その後、コントローラ104は、光ディスクドライブ部103に対し、特定したアドレスの再生を指示する。
【0037】
図5に、データ記録の際の手順を示す。データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103に記録すべきデータを入力する(ステップA1)。データ入力手段110は、記録すべきデータがユーザデータであれば、ホスト105から、ユーザデータを入力する。データ入力手段110は、記録すべきデータがファイルシステム情報又は管理情報であれば、ホスト105から、又は、コントローラ104内の図示しない情報生成部からファイルシステム情報又は管理情報を入力する。
【0038】
データ種別判定手段111は、データ入力手段110が入力したデータの種別に応じて、入力データが重要データであるか否かを判定する(ステップA2)。データ種別判定手段111は、入力データを記録すべきディスク上でのアドレスがユーザデータを記録する記録領域を示すときは、入力データが重要データに該当しないと判定する。一方、入力データを記録すべきディスク上でのアドレスがファイルシステム情報又は管理情報を記録すべき記録領域を示すときは、入力データが重要データに該当すると判定する。
【0039】
ユーザデータ記録手段112は、ステップA2で、データ種別判定手段111が入力データが重要データに該当しないと判定すると、入力データをN分割する(ステップA3)。ユーザデータ記録手段112は、N分割されたデータを光ディスクドライブ部103を構成するドライブ1〜Nに渡し、各ドライブに記録命令を発行する(ステップA4)。光ディスクドライブ部103内の各光ディスクドライブは、記録命令に従って、各分割データを記録する。各光ディスクドライブの記録は並列に行われるので、ユーザデータ記録の際の記録速度は、通常の光ディスクドライブ単体のN倍となる。並列記録を行うことで、ユーザデータは、図4に示すように、N個に分割された上で、ディスク1〜Nに並列に記録される。
【0040】
重要データ記録手段113は、ステップA2で、データ種別判定手段111が入力データが重要データに該当すると判定すると、データ分割は行わずに、入力データを、光ディスクドライブ部103を構成するドライブ1〜Nに渡し、各ドライブに記録命令を発行する(ステップA5)。光ディスクドライブ部103内の各光ディスクドライブは、記録命令に従って、ファイルシステム情報又は管理情報を記録する。この動作により、ファイルシステム情報及び管理情報については、図4に示すように、N枚のディスクに、同じ内容のファイルシステム情報又は管理情報が記録される。
【0041】
図6に、データ再生の際の手順を示す。コントローラ104は、ホスト105からの要求を受けて、光ディスクドライブ部103からデータを再生する。データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103から再生データを入力する(ステップB1)。データ種別判定手段111は、データ入力手段110が入力したデータが、重要データに該当するか否かを判定する(ステップB2)。データ種別判定手段111は、光ディスクドライブ部103からの再生データがユーザデータであるときは、再生データは重要データに該当しないと判定する。データ種別判定手段111は、光ディスクドライブ部103からの再生データがファイルシステム情報又は管理情報のときは、再生データは重要データに該当すると判定する。
【0042】
ユーザデータ再生手段114は、ステップB2で、データ種別判定手段111が再生データがユーザデータであると判定すると、光ディスクドライブ部103のドライブ1〜Nが再生したデータを結合し、ユーザデータを復元する(ステップB3)。ユーザデータ再生手段114は、復元したユーザデータを、ホスト105に転送する(ステップB4)。ユーザデータの再生に際しては、光ディスクドライブ部103のドライブ1〜Nが並列に動作するので、通常の光ディスクドライブ単体のN倍の転送レートが実現できる。
【0043】
重要データ再生手段115は、ステップB2で、データ種別判定手段111が再生データがファイルシステム情報又は管理情報であると判定すると、再生元の光ディスクを選択し(ステップB5)、再生元の光ディスクからの再生データであるファイルシステム情報又は管理情報を、ホスト105に転送する(ステップB6)。或いは、再生されたファイルシステム情報又は管理情報は、コントローラ104内で使用してもよい。ファイルシステム情報及び管理情報については、N枚の光ディスクのうち、N−1枚の光ディスクから再生できなくても、1枚の光ディスクから再生できれば、ファイルシステム情報及び管理情報の再生が可能である。
【0044】
比較例として、図7に、データを全てN枚の光ディスクに分割して記録する場合の情報記録配置を示す。図4に示す本実施形態の情報記録配置との相違点は、ユーザデータだけでなく、ファイルシステム情報及び管理情報も、それぞれファイルシステム情報1−1〜1−N、管理情報1−1〜1−NにN分割され、光ディスク1〜Nに記録されている点である。なお、図4と図7で、ファイルシステム情報及び管理情報の大きさが同じ大きさに描かれているが、実際には、図7におけるファイルシステム情報及び管理情報の大きさは、図4におけるファイルシステム情報及び管理情報の大きさよりも、分割記録する分だけ小さくなる。
【0045】
図7に示す情報記録配置で記録を行うと、一部データの消失により、全体データの復元が不可能になる。例えば、ディスク2からファイルシステム情報1−2が読み出せなくなると、ファイルシステム情報1を復元することができず、ファイルシステム情報の全体が失われることになる。ファイルシステム情報が失われると、最悪のケースでは、全てのユーザデータが読み出せなくなる。図7に示す情報記録配置の場合は、N枚の光ディスクの全てから情報を読み出させたときだけファイルシステム情報及び管理情報が復元可能になるので、ファイルシステム情報及び管理情報が消失する危険性は、単体の光ディスクを用いる場合のN倍になる。
【0046】
図7に示す情報記録配置では、ファイルシステム情報及び管理情報についても並列記録・並列再生が可能なので、ファイルシステム情報及び管理情報の記録再生速度を高速化することができる。しかしながら、その代償として、N枚の光ディスクのうちの1枚にて、ファイルシステム情報、管理情報の記録領域が再生不能になると、ファイルシステム情報、管理情報の復元が不可能になるという問題が生じる。つまり、単純に全てのデータを各ディスクに並列に記録すると、信頼性の観点で問題が生じ、データ消失に対して安定なシステムであるとは言えなくなる。
【0047】
本実施形態では、記録すべき入力データが重要データに該当するか否かを判定し、入力データが重要データに該当するときは、N台の光ディスクドライブのうちの何れかを用いて、N枚の光ディスクのうちの少なくとも1枚に重要データを記録し、入力データが重要データに該当しないときは、入力データをN分割し、N台の光ディスクドライブを用いて、N枚の光ディスクに、N分割された各データを並列に記録する。本実施形態では、重要データに該当しないデータについては、並列記録・並列再生を行うことで、高い転送レートを得ることができる。また、重要データに該当するデータについては、N枚の光ディスクのうちの何れか1枚にてファイルシステム情報、管理情報の記録領域からのデータ再生が不能になっただけで、重要データ全体が失われることを防ぐことができ、データ消失の危険性を低減できる。つまり、本実施形態では、ユーザデータの高い転送デートと、重要データであるファイルシステム情報及び管理情報の信頼性との両立が可能である。
【0048】
なお、本実施形態は、単にファイルシステム情報及び管理情報を多重化したものではない。例えば、図7に示す情報記録配置で、ファイルシステム情報及び管理情報の多重化を行う場合は、分割されたファイルシステム情報及び管理情報(ファイルシステム情報1−1、ファイルシステム情報1−2など)のセットを、Nセット記録すればよい。しかし、そのように多重化しても、ある1枚の光ディスクにて、ファイルシステム情報、管理情報の記録領域が再生不能になると、結局は、ファイルシステム情報、管理情報の全体の復元が不能になる。一方、本実施形態では、N枚の光ディスクに、同じ内容のファイルシステム情報及び管理情報を記録するので、N−1枚まで、ファイルシステム情報、管理情報の記録領域の再生が不能になっても、ファイルシステム情報、管理情報は消失しない。両者でファイルシステム情報、管理情報の記録に使用する領域のサイズが同じであることを考えると、いかに効率的に並列記録を行うシステムの信頼性を向上できるかがわかる。
【0049】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態の情報記録装置に用いられるコントローラの構成を示している。全体構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、光ディスクに、書き換え型の光ディスクを用いる。本実施形態におけるコントローラ104aは、図3に示す第1実施形態の構成に、重要データ記録可能判定手段116と、管理テーブル117とが追加された構成である。本実施形態では、重要データ記録手段113は、N枚(N≧3)の光ディスクの全てではなく、N枚のうちのM枚(2≦M≦N−1)の光ディスクに、重要情報であるファイルシステム情報及び管理情報を記録する。
【0050】
重要データ記録可能判定手段116は、最新の(現在の)ファイルシステム情報及び管理情報が記録された光ディスクに、新たなファイルシステム情報及び管理情報が記録可能か否かを判定する。より詳細には、重要データ記録可能判定手段116は、上書きで記録される新たなファイルシステム情報及び管理情報が、正しく再生可能な形で記録可能か否かを判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が、新たなファイルシステム情報及び管理情報が記録可能ではないと判定すると、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクを変更し、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録済みの光ディスクとは異なる光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する。
【0051】
管理テーブル117は、現在、どの光ディスクが、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録しているかを管理する情報を有する。また、管理テーブル117は、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能な光ディスク、つまり、以前に、ファイルシステム情報及び管理情報を記録していたが、重要データ記録可能判定手段116にて新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能と判定された光ディスクを管理する情報を有する。この管理テーブル117を参照することで、最新のファイルシステム情報及び管理情報がどの光ディスクに記録されているかがわかる。また、管理テーブル117を参照することで、どの光ディスクが、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録に用いることができない光ディスクであるかがわかる。
【0052】
図9に、データ記録の際の手順を示す。ユーザデータ記録の手順は、図5に示す第1実施形態と同様な手順である。すなわち、データ入力手段110は、ホスト105からユーザデータを入力し(ステップC1)、データ種別判定手段111は、入力データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップC2)。ユーザデータ記録手段112は、ステップC2で入力データがユーザデータであると判定されると、入力されたユーザデータをN分割し(ステップC3)、N枚の光ディスクに並列に記録する(ステップC4)。
【0053】
入力データがファイルシステム情報又は管理情報であるとき、重要データ記録可能判定手段116は、光ディスク上の最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録する記録領域の記録状態を調べる。重要データ記録可能判定手段116は、管理テーブル117を参照して、最新のファイルシステム情報又は管理情報が記録されているM枚の光ディスク(M台の光ディスクドライブ)を特定する(ステップC5)。重要データ記録可能判定手段116は、最新のファイルシステム情報又は管理情報を再生し、その再生信号特性をモニタする。重要データ記録可能判定手段116は、モニタした再生信号特性に基づいて、記録済みのファイルシステム情報又は管理情報の記録状態が良好であるか否かを判定する(ステップC6)。或いは、重要データ記録可能判定手段116は、書き換え回数などの管理情報に基づいて、記録状態の判定、すなわち、これ以上のファイルシステム情報又は管理情報の書き換えが可能であるかを判定してもよい。
【0054】
重要データ記録可能判定手段116は、良好な再生信号特性が得られているとき、ファイルシステム情報又は管理情報の記録状態が良好であると判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録状態が良好であると判定すると、ステップC5で特定したM枚の光ディスクに、ステップC1で入力したファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップC7)。この動作により、M枚の光ディスクに記録されていたファイルシステム情報又は管理情報は、新たなファイルシステム情報又は管理情報で上書き更新される。
【0055】
重要データ記録可能判定手段116は、再生信号特性が低い、具体的には、ファイルシステム情報又は管理情報の再生信号が、エラー訂正が不可能なほどに劣化しているときは、ファイルシステム情報又は管理情報の記録状態が不良であると判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録状態が不良であると判定すると、N枚の光ディスクの中から、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録することになるM枚の光ディスクを選択する(ステップC8)。
【0056】
重要データ記録手段113は、ステップC8では、管理テーブル117を参照し、N枚の光ディスクから、ステップC6で記録状態が不良と判定されたM枚の光ディスク、及び、過去に重要データ記録可能判定手段116によって記録状態が不良と判定されている光ディスクを除外した上で、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクを選択する。言い換えれば、重要データ記録手段113は、N枚の光ディスクのうち、ファイルシステム情報又は管理情報を未記録の光ディスクの中から、M枚の光ディスクを選択する。重要データ記録手段113は、ステップC8で選択したM枚の光ディスクに、ステップC1で入力されたファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップC9)。
【0057】
コントローラ104aは、光ディスクドライブ部103に新たなユーザデータを記録するたびに、ファイルシステム情報及び管理情報を上書きで更新していく。上書き回数が増加していき、上書き回数が上限に到達すると、再生信号特性が劣化して、重要データ記録可能判定手段116は、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能と判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が新たなファイルシステム情報又は管理情報の記録が不能と判定するたびに、新たなM枚の光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録していく。コントローラ104aは、この動作を、ファイルシステム情報及び管理情報を記録すべき別の光ディスクがなくなるまで、繰り返し行う。
【0058】
再生の動作については、図6に示す第1実施形態の動作と同様である。すなわち、データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103から再生データを入力し(ステップB1)、データ種別判定手段111は、再生データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップB2)。ユーザデータ再生手段114は、N個のデータを結合してユーザデータを復元し(ステップB3)、復元したユーザデータをホスト105に転送する(ステップB4)。重要データ再生手段115は、最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクのうちの何れかから再生されたファイルシステム情報又は管理情報を、ホスト105に転送する(ステップB5、B6)。
【0059】
図10に、本実施形態におけるN枚の光ディスクの記録状態を示す。ここでは、M=2としている。つまり、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクの枚数を2枚としている。ユーザデータは、図4に示す第1実施形態と同様に、N個に分割されて、N枚の光ディスクに記録される。ファイルシステム情報及び管理情報は、N枚の光ディスクのうちの2枚の光ディスク(ディスク1、ディスク2)に、同じ内容が記録される。残りのN−2枚の光ディスク(ディスク3〜ディスクN)では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する記録領域は、ブランクになっている。
【0060】
重要データ記録可能判定手段116が、ディスク1のファイルシステム情報の記録状態の劣化を検出したとする。このとき、ディスク2のファイルシステム情報の記録状態も、同様に劣化しているものと考えられる。重要データ記録手段113は、新たなファイルシステム情報の記録先として、例えばディスク3、ディスク4を選択し、ディスク3及びディスク4に、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ユーザデータについては、引き続き、ディスク1及びディスク2を含め、N枚の光ディスクに対して並列記録を行う。最終的に、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録すべき光ディスクがなくなった段階で、ユーザデータの記録は終了する。
【0061】
本実施形態では、N枚の光ディスクのうちのM枚に、重要データであるファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ファイルシステム情報及び管理情報を、2以上の光ディスクに記録することで、M枚の光ディスクのうちのM−1枚からファイルシステム情報及び管理情報が再生不能になっても、残りの1枚からファイルシステム情報及び管理情報を再生することができる。従って、ファイルシステム情報及び管理情報を1枚の光ディスクにのみ記録する場合に比して、ファイルシステム情報及び管理情報の消失の危険性を低下させることができ、ユーザデータ再生の信頼性を向上することができる。
【0062】
また、本実施形態では、M枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録し、ファイルシステム情報及び管理情報の更新に伴い、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域の記録状態が劣化したときには、別の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録する。このようにすることで、N枚の光ディスクを1セットとしたときのファイルシステム情報及び管理情報の実効的な書き換え回数を、単一の光ディスクにおけるファイルシステム情報及び管理情報の書き換え回数よりも増加させることができ、データ記録回数を増加させることができる。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0063】
例えば、N=8として、8枚の光ディスクを1セットで用いることを考える。各光ディスクの書き換え可能回数(書き換え耐性)は1000回であるとする。また、M=2として、ファイルシステム情報を2枚の光ディスクに記録するものとする。この場合、書き換え回数が1000回になるたびに、新たな2枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報が記録されていくことになるので、ファイルシステム情報及び管理情報の実効的な書き換え回数は、4000回(1000回×8/2)に増加する。本実施形態では、光ディスクドライブ部103に記録できる容量が、単体の光ディスクのN倍の容量となるので、ファイルシステム情報、管理情報の更新は、多く発生する。本実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報の書き換え可能回数を増加させることができため、更新回数の確保が可能である。
【0064】
なお、本実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクをM枚ずつ変更しているが、NとMの値の取り方によっては、端数が生じることがある。例えば、N=3、M=2とすれば、初めにファイルシステム情報及び管理情報を記録した2枚の光ディスクにて記録状態が劣化すれば、残りの光ディスクは1枚だけになり、ファイルシステム情報及び管理情報は、1枚の光ディスクに記録されることになる。信頼性確保の観点からは、最後まで、M枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録できることが好ましい。そのためには、NがMの倍数となるように、NとMの値を選んでおくとよい。
【0065】
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態におけるコントローラの構成は、図8に示す第2実施形態と同様である。本実施形態では、光ディスクに、追記型の光ディスクを用いる。本実施形態では、重要データ記録可能判定手段116は、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域に空きがあるか否かに基づいて、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録している光ディスクに、新たなファイルシステム情報及び管理情報が記録可能か否かを判定する。
【0066】
図11に、データ記録の際の手順を示す。ユーザデータ記録の手順は、図5に示す第1実施形態と同様な手順である。すなわち、データ入力手段110は、ホスト105からユーザデータを入力し(ステップD1)、データ種別判定手段111は、入力データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップD2)。ユーザデータ記録手段112は、ステップD2で入力データがユーザデータであると判定されると、入力されたユーザデータをN分割し(ステップD3)、N枚の光ディスクに並列に記録する(ステップD4)。
【0067】
入力データがファイルシステム情報又は管理情報であるとき、重要データ記録可能判定手段116は、光ディスク上の最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録する記録領域の空き状況を調べる。重要データ記録可能判定手段116は、管理テーブル117を参照して、最新のファイルシステム情報又は管理情報が記録されているM枚の光ディスク(M台の光ディスクドライブ)を特定する(ステップD5)。重要データ記録可能判定手段116は、特定したM枚の光ディスクのファイルシステム情報又は管理情報の記録領域に、空きがあるか否かを判定する(ステップD6)。重要データ記録可能判定手段116は、特定したM枚の光ディスクのファイルシステム情報又は管理情報の記録領域を再生し、その再生信号の有無に基づいて、空き領域が存在するか否かを判定する。或いは、重要データ記録可能判定手段116は、追記回数などの管理情報に基づいて、空き領域が存在するか否かを判定してもよい。
【0068】
重要データ記録可能判定手段116は、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域の再生信号に、再生信号が存在しない領域があるときは、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域に空きがあると判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録領域に空きがあると判定すると、ステップD5で特定したM枚の光ディスクに、ステップD1で入力したファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップD7)。この動作により、最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録していたM枚の光ディスクに、新たなファイルシステム情報又は管理情報が追記される。
【0069】
重要データ記録可能判定手段116は、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域の再生信号に、再生信号が存在しない領域が存在しないときは、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域に空きがないと判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録領域に空きがないと判定すると、N枚の光ディスクの中から、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録することになるM枚の光ディスクを選択する(ステップD8)。
【0070】
重要データ記録手段113は、ステップD8では、管理テーブル117を参照し、N枚の光ディスクから、ステップD6で記録領域に空きがないと判定されたM枚の光ディスク、及び、過去に重要データ記録可能判定手段116によって記録領域に空きがないと判定されている光ディスクを除外した上で、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクを選択する。言い換えれば、重要データ記録手段113は、N枚の光ディスクのうちで、ファイルシステム情報又は管理情報を未記録の光ディスクの中から、M枚の光ディスクを選択する。重要データ記録手段113は、ステップD8で選択したM枚の光ディスクに、ステップD1で入力されたファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップD9)。
【0071】
コントローラ104aは、光ディスクドライブ部103に新たなユーザデータを記録するたびに、ファイルシステム情報及び管理情報を追記する。追記によりファイルシステム情報及び管理情報の記録領域が消費され、記録領域に空きがなくなると、重要データ記録可能判定手段116は、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能と判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が新たなファイルシステム情報又は管理情報の記録が不能と判定するたびに、新たなM枚の光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録していく。コントローラ104aは、この動作を、ファイルシステム情報及び管理情報を記録すべき新たな光ディスクがなくなるまで、繰り返し行う。
【0072】
再生の動作については、図6に示す第1実施形態の動作と同様である。すなわち、データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103から再生データを入力し(ステップB1)、データ種別判定手段111は、再生データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップB2)。ユーザデータ再生手段114は、N個のデータを結合してユーザデータを復元し(ステップB3)、復元したユーザデータをホスト105に転送する(ステップB4)。重要データ再生手段115は、最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクのうちの何れかから再生されたファイルシステム情報又は管理情報を、ホスト105に転送する(ステップB5、B6)。
【0073】
図12に、本実施形態におけるN枚の光ディスクの記録状態を示す。ここでは、M=2としている。つまり、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクの枚数を2枚としている。図12では、管理情報を記録する管理情報記録領域を大きめに確保している。ファイルシステム情報記録領域についても、同様に、大きめに確保してもよい。なお、ファイルシステム情報は、フォーマットによっては、ユーザデータを記録すべき領域に記録する場合もある。
【0074】
ユーザデータは、図4に示す第1実施形態と同様に、N個に分割されて、N枚の光ディスクに記録される。ファイルシステム情報及び管理情報は、N枚の光ディスクのうちの2枚の光ディスク(ディスク1、ディスク2)に、同じ内容が記録される。残りのN−2枚の光ディスク(ディスク3〜ディスクN)では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する記録領域は、ブランクになっている。
【0075】
重要データ記録可能判定手段116が、ディスク1のファイルシステム情報の記録領域に空きがないと判定したとする。このとき、ディスク2のファイルシステム情報の記録領域も、同様に空きがなくなっていると考えられる。重要データ記録手段113は、新たなファイルシステム情報の記録先として、例えばディスク3、ディスク4を選択し、ディスク3及びディスク4に、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ユーザデータについては、引き続き、ディスク1及びディスク2を含め、N枚の光ディスクに対して並列記録を行う。最終的に、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録すべき光ディスクがなくなった段階で、ユーザデータの記録は終了する。
【0076】
本実施形態では、N枚の光ディスクのうちのM枚に、重要データであるファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ファイルシステム情報及び管理情報を、2以上の光ディスクに記録することで、M枚の光ディスクのうちのM−1枚からファイルシステム情報及び管理情報が再生不能になっても、残りの1枚からファイルシステム情報及び管理情報を再生することができる。従って、ファイルシステム情報及び管理情報を1枚の光ディスクにのみ記録する場合に比して、ファイルシステム情報及び管理情報の消失の危険性を低下させることができ、ユーザデータ再生の信頼性を向上することができる。
【0077】
また、本実施形態では、M枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録し、ファイルシステム情報及び管理情報の追記に伴い、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域に空きがなくなったときは、別の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録する。このようにすることで、N枚の光ディスクを1セットとしたときのファイルシステム情報及び管理情報の実効的な追記回数を、単一の光ディスクにおけるファイルシステム情報及び管理情報の追記回数よりも増加させることができ、データ記録回数を増加させることができる。例えば、N=8、M=2とすれば、ファイルシステム情報及び管理情報を記録可能な記録領域は4倍(8/2)となるので、4倍の追記が可能である。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0078】
なお、本実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクをM枚ずつ変更しているが、NとMの値の取り方によっては、端数が生じることがある。例えば、N=3、M=2とすれば、初めにファイルシステム情報及び管理情報を記録した2枚の光ディスクにてファイルシステム情報及び管理情報の記録領域に空きがなくなれば、残りの光ディスクは1枚だけになり、ファイルシステム情報及び管理情報は、1枚の光ディスクに記録されることになる。信頼性確保の観点からは、最後まで、M枚の光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録できることが好ましい。そのためには、NがMの倍数となるように、NとMの値を選んでおくとよい。
【0079】
上記各実施形態では、情報記録媒体に光ディスクを用いたが、情報記録媒体は光ディスクには限定されない。図1における光ディスクドライブ部103を、複数のハードディスクで構成されたハードディスクアレイや、複数のフラッシュメモリで構成されたフラッシュメモリアレイに置き換えることもできる。また、上記各実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報を重要データとして取り扱ったが、その他のデータを重要データとして取り扱うことも可能である。入力データが重要データであるか否かの判定については、ホスト(アプリケーション)側から、重要データである旨の通知を受けて判定してもよい。或いは、ディスクフォーマット上で、重要データを記録すべきアドレスを決めておき、記録アドレスの指定により、重要データか否かを判定してもよい。
【0080】
第2実施形態及び第3実施形態では、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクに新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録ができないとき、新たなM枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録することとした。しかしながら、M枚のうちの一部のみに新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録ができない場合は、その一部の光ディスクの代替となる光ディスクを選択し、全体として、M枚の光ディスクにてファイルシステム情報及び管理情報が記録された状態としてもよい。
【0081】
例えば、ディスク1とディスク2の2枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報が記録されているとする。このうち、ディスク1のファイルシステム情報及び管理情報が再生不能となって、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能になったとする。この場合、重要データ記録手段113は、ディスク1の代替としてディスク3を選択し、ディスク2とディスク3との2枚に、新たなファイルシステム情報及び管理情報を記録してもよい。
【0082】
また、第2実施形態及び第3実施形態では、ファイルシステム情報又は管理情報の記録時に、新たな情報記録が可能か否かを判定し、新たな情報が記録できないときに、新たなM枚の光ディスクに、新たなファイルシステム情報又は管理情報を記録した。しかし、新たなM枚の光ディスクにファイルシステム情報又は管理情報を記録するタイミングは、新たなファイルシステム情報又は管理情報の入力時には限定されない。例えば、上記のケースで、データ再生時に、ディスク1のファイルシステム情報及び管理情報が読み出し不能になっていることが判明したとする。この場合、再生不能が判明した段階で、新たなファイルシステム情報及び管理情報の入力を待たずに、ディスク3とディスク4との2枚にファイルシステム情報及び管理情報を記録してもよい。
【0083】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の情報記録装置、再生装置、及び、方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1実施形態の情報記録装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】カートリッジを用いたときの概略を示すブロック図。
【図3】コントローラの構成を示すブロック図。
【図4】第1実施形態におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図5】データ記録の際の手順を示すフローチャート。
【図6】データ再生の際の手順を示すフローチャート。
【図7】比較例におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図8】本発明の第2実施形態の情報記録装置に用いられるコントローラを示すブロック図。
【図9】第2実施形態におけるデータ記録時の手順を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図11】本発明の第3実施形態の情報記録装置のデータ記録時の手順を示すフローチャート。
【図12】第3実施形態におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図13】DVD−Rにおける各情報の物理的な配置を示す概略図。
【符号の説明】
【0085】
101:ケース部
102:搬送部
103:光ディスクドライブ部
104:コントローラ
105:ホスト
110:データ入力手段
111:データ種別判定手段
112:ユーザデータ記録手段
113:重要データ記録手段
114:ユーザデータ再生手段
115:重要データ再生手段
116:重要データ記録可能判定手段
117:管理テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置及び方法に関し、更に詳しくは、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有する情報記録装置、及び、そのような情報記録装置における情報記録方法に関する。また、本発明は、それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有する情報再生装置、及び、そのような情報再生装置における情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクドライブの利用が進んでいる。光ディスクドライブとは、光ビームを用いて、光ディスクに情報を記録し、或いは、光ディスクに記録された情報を読み出す装置である。光ディスクドライブの使用形態は、現時点で2種類存在する。1つ目は、光ディスクドライブ単体で使用する形態である。通常の外付けドライブや、パーソナルコンピュータに内蔵された内蔵型ドライブが、それにあたる。もう1つは、光ディスクドライブを複数台まとめて光ディスク装置とし、光ディスクドライブアレイとして使用する形態である。例えば、UDO(Ultra Density Optical)と呼ばれる製品が、それにあたる。
【0003】
光ディスクドライブアレイは、一般に、光ディスクが複数枚収納されているケース部と、光ディスクドライブが複数台並べられているアレイ部と、光ディスクの搬送を行う搬送部とを有する。搬送部は、ケースに収容された光ディスクを、アレイ部内の複数のドライブ(ドライブ1〜N)のうちの何れかに搬送する。また、搬送部は、その逆の動作を行う。つまり、搬送部は、光ディスクを、アレイ部からケース部に搬送し、ケースに収容する。例えばUDOの場合、搬送部は、ロボットアームで構築されている。
【0004】
一般的な光ディスクドライブアレイでは、複数の光ディスクと、複数の光ディスクドライブとを用いるが、それぞれの光ディスクと光ディスクドライブとの関係は、単体の光ディスクドライブにおけるそれと変わらない。従って、光ディスクドライブアレイは、単体の光ディスクドライブが複数台セットで装置を構成しているだけとも考えられる。光ディスクドライブアレイは、複数の光ディスクを抱えているので、装置全体として見れば、大容量の装置となる。光ディスクドライブアレイは、大容量の記憶が可能という特性を活かして、大容量アーカイブシステムなどに用いられる。
【0005】
光ディスクドライブアレイは、大容量ではあるが、データの転送レートが低いという問題点がある。例えば、ハードディスクドライブは、1Gbps程度の転送レートを持っているが、DVDは1倍速で11Mbps程度であり、16倍速でも176Mbps程度である。
【0006】
そこで、本願発明者らは、光ディスクドライブアレイを構成する光ディスクドライブに、並列記録することができる光ディスクドライブアレイを実用化しようと試みている。例えば、光ディスクドライブアレイを、8台の光ディスクドライブで構成する。8台の光ディスクドライブに並列記憶を行うと、転送レートは、各光ディスクドライブが16倍速で動く場合1.4Gbps程度となり、ハードディスクドライブを凌駕する。この場合、光ディスク8枚で1つの光ディスクかのような振る舞いになるので、容量が8倍(並列記録を行うドライブの数)になった光ディスクが、光ディスクドライブに搬送されたイメージとなる。
【0007】
ここで、可搬型メディアによるRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)システムを構成するディスクアレイ装置に関して、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、データ量に基づいて、ディスクアレイを構成する複数の光ディスクドライブにより複数の光ディスクに冗長度を有するように分散記録するか、複数の光ディスクドライブのうちの単一の光ディスクドライブによって単一の光ディスクにデータを記録するかを決定する。或いは、データ再生回数をデータごとに計数し、再生回数が所定回数以上となったときに、そのデータを、複数の光ディスクドライブによって、複数の光ディスクに冗長度を有するように分散して記録する。
【特許文献1】特開平7−36634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光ディスクに記録される情報にはいくつかの種類があり、代表的なものとして、ユーザデータ、ファイルシステム情報、管理情報がある。ユーザデータは、ユーザが記録するデータである。ファイルシステム情報は、ユーザデータのファイル構造(論理的な記録状態)の情報である。管理情報は、情報記録媒体内のユーザデータの物理的な記録状況を管理する情報である。
【0009】
図13に、DVD−Rに関する各情報の物理的な配置の概略を示す。DVD−Rでは、上記の各情報は、図13に示すように、光ディスク内の物理的に異なる位置に記録される。光ディスクの多くの記録領域はユーザデータによって使用され、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域は、それほど大きくない。光ディスクは、本来ユーザデータを保存するためのものであるから、光ディスクには、できるだけユーザデータを多く記録すべきである。従って、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域は、多くの記録領域を消費するようなものでない方が望ましい。
【0010】
光ディスクには、DVD−Rなど、記録が一度しかできないタイプ(追記型)の光ディスクと、何度も記録できるタイプ(書換え型)とが存在する。書換え型の光ディスクとしては、例えばDVD−RWがあり、その書換え回数は1000回程度である。ファイルシステム情報や管理情報は、ユーザデータの記録によって情報そのものが変わるので、その都度、更新が必要である。DVD−Rなどの追記型の光ディスクの場合、記録位置をずらして、新たなファイルシステム情報や管理情報を記録し、情報の更新を行う。一方、書換え型の場合は、ファイルシステム情報や管理情報を書き換えることが可能なので、それまでのファイルシステム情報や管理情報が記録された位置に情報の上書きを行うことで、情報の更新を行う。
【0011】
ユーザデータを更新する回数が多いほど、ファイルシステム情報や管理情報の更新回数が増大していくことになる。前述のように、書換え可能型の光ディスクには、書換え回数の制限がある。従って、ユーザデータや、ファイルシステム情報、管理情報の更新には物理的な制限がある。また、DVD−Rのような追記型光ディスクの場合、ユーザデータの追加記録(追記)のたびに、管理情報を新たに記録していくことになるので、管理情報の残り記録領域は、少なくなっていく。管理情報の記録領域に空きがなくなると、新たに管理情報を記録することができなくなるので、追記が不可能になる。つまり、追記にも回数制限がある。
【0012】
上記した3つの情報は、全て大切な情報であるが、その中でも、ファイルシステム情報及び管理情報は、とりわけ重要な情報である。仮に、ユーザデータが何らかの不具合で再生不能になったとしても、再生不能になるのは一部のユーザデータだけで、残りのユーザデータは再生可能になることが多い。しかし、ファイルシステム情報及び管理情報が再生不能になると、ユーザデータの多く、或いは、最悪のケースではユーザデータ全体が再生不能になる。これは、ファイルシステム情報及び管理情報が再生できないと、ユーザデータの物理的な記録状態やファイル構造が不明になるからである。そういった意味から、ファイルシステム情報及び管理情報は、とりわけ重要な情報と位置づけられている。
【0013】
並列記録は、アクセスの高速化という点でのメリットはあるものの、データ消失の可能性は、単一の光ディスクに記録する場合よりも高くなる。例えば、データを、8台の光ディスクドライブを用いて、8個の光ディスクに分割して記録する場合を考える。この場合、何らかの原因で、8個の光ディスクのうちの1つから分割されたデータが再生できないと、元のデータを復元することができなくなる。従って、データが消失する危険性は、単一の光ディスク内に記録する場合の8倍になる。
【0014】
特許文献1では、一部データを複数の光ディスクに並列記録し、一部データを単一の光ディスク内に集中して記録している。しかしながら、特許文献1では、アクセス頻度やデータ量に基づいて、並列記録するか、集中記録するかを判断しており、データの重要性は考慮されていない。特許文献1において、ファイルシステム情報及び管理情報を、複数の光ディスクに分割して並列に記録すると、並列記録されたデータの一部が読み出し不能になることで、ファイルシステム情報及び管理情報の読み出しが不可能になる。ファイルシステム情報及び管理情報が読み出し不能になると、ユーザデータの読み出しができなくなる。従って、特許文献1では、ユーザデータ読み出しの信頼性を高めることはできない。
【0015】
本発明は、高速アクセスを可能にすると共に、データ消失の危険性を低下させることが可能な情報記録装置、再生装置、及び、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の情報記録装置は、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部と、前記データ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のコントローラは、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の情報再生装置は、それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部と、前記データ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生手段と、前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の情報記録方法は、それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力するデータ入力ステップと、前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録ステップと、前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録ステップとを有することを特徴とする。
【0020】
本発明の情報再生方法は、それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生ステップと、前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の情報記録装置、再生装置、及び、方法は、データの高速アクセスを可能にすると共に、データ消失の危険性を低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の情報記録装置の概略を示している。情報記録装置は、ケース部101、搬送部102、光ディスクドライブ部(データ記録部)103、及び、コントローラ104を有する。ケース部101は、光ディスクを収容する。光ディスクには、書換え型の光ディスクを用いる。或いは、光ディスクに、追記型の光ディスクを用いてもよい。搬送部102は、ケース部101から光ディスクドライブ部(アレイ部)103へ、光ディスクを搬送する。また、搬送部102は、光ディスクドライブ部103からケース部101へ、光ディスクを搬送する。コントローラ104は、光ディスクドライブ部103へのデータ記録、及び、光ディスクドライブ部103からのデータ再生を行う。また、コントローラ104は、ホスト105との情報のやり取りを行う。
【0023】
光ディスクドライブ部103は、それぞれが情報記録媒体である光ディスクに対して記録を行う複数(N台:Nは2以上の整数)の光ディスクドライブ(記録・再生装置)を有する。光ディスクドライブ部103は、ユーザデータについて、N台の光ディスクドライブで並列記録を行う。また、光ディスクドライブ部103は、ユーザデータについて、N台の光ディスクドライブで並列再生を行う。そのため、情報記録装置では、光ディスクを1セットN枚で取り扱う。本実施形態では、N枚の光ディスクをひとつのカートリッジに収納し、カートリッジを1セットとして取り扱う。ケース部101は、複数セットの光ディスク、つまりは、複数のカートリッジを格納する。
【0024】
図2に、カートリッジを使用したときの概略図を示す。搬送部102は、ケース部101から所望のカートリッジを1つ取り出し、取り出したカートリッジから、その中に収容されているN枚の光ディスクを取り出す。搬送部102は、取り出したN枚の光ディスクを、光ディスクドライブ部103を構成するN台の光ディスクドライブ(ドライブ1〜N)に挿入する。搬送部102は、光ディスクをケースに収容する際には、N台の光ディスクドライブのそれぞれから光ディスクを取り出してカートリッジに収納し、カートリッジをケース部101に収納する。搬送部102の具体的なやり方には様々なやり方が考えられるが、本実施形態では、ロボットアームを使用する形態の搬送部102を用いる。
【0025】
図3に、コントローラ104の構成を示す。コントローラ104は、データ入力手段110、データ種別判定手段111、ユーザデータ記録手段(第1の記録手段)112、重要データ記録手段(第2の記録手段)113、ユーザデータ再生手段(第1の再生手段)114、及び、重要データ再生手段(第2の再生手段)115を有する。データ入力手段110は、データ記録時に、ホスト105から、光ディスクドライブ部103に記録すべきデータを入力する。データ記録では、一般的には、ユーザデータの記録後に、ファイルシステム情報、管理情報を記録する。また、データ入力手段110は、データ再生時、光ディスクドライブ部103から、再生データを入力する。
【0026】
データ種別判定手段111は、データ入力手段110に入力されたデータが、所定の重要データに該当するか否かを判定する。データ種別判定手段111は、入力データがユーザデータであるときは、入力データは重要データに該当しないと判定する。データ種別判定手段111は、入力データがN枚の光ディスクに分割して記録されるユーザデータの論理的な記録状態を示すファイルシステム情報、又は、ユーザデータの物理的な記録状態を示す管理情報のときは、入力データが重要データに該当すると判定する。データ種別判定手段111は、例えば、データを格納するアドレス情報に基づいて、データ種別が、ユーザデータ、ファイルシステム情報、管理情報の何れであるかを判別する。
【0027】
ユーザデータ記録手段112は、データ記録時に、データ種別判定手段111が入力データが重要データに該当しないと判定すると、つまり、入力データがユーザデータであると判定すると、入力データをN個のデータブロックに分割する。ユーザデータ記録手段112は、光ディスクドライブ部103のN台の光ディスクドライブを用いて、N枚の光ディスクに、N個のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する。重要データ記録手段113は、データ記録時に、データ種別判定手段111が重要データに該当すると判定すると、つまり、入力データがファイルシステム情報又は管理情報であると判定すると、光ディスクドライブ部103のN台の光ディスクドライブのうちの少なくとも1つを用いて、入力データであるファイルシステム情報又は管理情報を、N枚の光ディスクのうちの少なくとも1つに記録する。本実施形態では、重要データ記録手段113は、N枚の光ディスクの全てに、ファイルシステム情報又は管理情報を記録するものとする。
【0028】
ユーザデータ再生手段114は、データ再生時に、データ種別判定手段111が、入力データ、すなわち、光ディスクドライブ部103から再生するデータがユーザデータであると判定すると、N枚の光ディスクにN分割で記録されたデータを結合し、ユーザデータを復元する。重要データ再生手段115は、データ再生時に、データ種別判定手段111が入力データがファイルシステム情報又は管理情報に該当すると判定すると、N枚の光ディスクのうちの少なくとも1つから、ファイルシステム情報又は管理情報を再生する。
【0029】
図4に、N枚の光ディスクの記録状態を示す。ユーザデータ記録手段112は、ユーザデータである“ファイル1”を、N個のデータブロックに分割し(ファイル1−1、ファイル1−2、・・・、ファイル1−N)、分割した各データを、N枚の光ディスク(ディスク1〜ディスクN)に並列に記録する。ユーザデータ記録手段112は、“ファイル2”についても、同様に、“ファイル2”をファイル2−1〜2−NのN個に分割し、ディスク1〜Nに並列に記録する。
【0030】
ユーザデータ再生手段114は、例えば“ファイル1”の再生では、ディスク1〜Nから分割されたファイル1−1〜1−Nを読み出し、ファイル1−1〜1−Nを結合して、“ファイル1”を復元する。ユーザデータの記録及び再生では、光ディスクドライブ部103のドライブ1〜Nを並列動作させることで、ユーザデータの記録再生は、通常の速度に比して、並列記録に使用したドライブの数の分だけ、高速化される。
【0031】
重要データ記録手段113は、“ファイルシステム情報1”及び“管理情報1”を、ディスク1〜Nの各ディスクに記録する。重要データ記録手段113は、ディスクフォーマット上で、単一のディスクに単体の光ディスクドライブを用いて情報記録を行う際にファイルシステム情報を格納すべきアドレスと同じアドレスに、“ファイルシステム情報1”を格納する。また、重要データ記録手段113は、ディスクフォーマット上で、単一のディスクに単体の光ディスクドライブを用いて情報記録を行う際に管理情報を格納すべきアドレスと同じアドレスに、“管理情報1”を格納する。
【0032】
ここで、“ファイルシステム情報1”及び“管理情報1”は、ディスク1〜Nまでを、1枚の光ディスク(単一の情報記録媒体)とみなしたときのファイルの論理的な記録状態、及び、物理的な記録状態に相当する。コントローラ104及びホスト105は、“ファイルシステム情報1”及び“管理情報1”を参照することで、各ディスクにおける所望のユーザデータにアクセスすることができる。
【0033】
重要データ再生手段115は、ディスク1〜Nのうちの何れかからファイルシステム情報、管理情報を再生する。ファイルシステム情報及び管理情報の記録及び再生は、通常の速度と同じ速度となる。しかしながら、ファイルシステム情報及び管理情報は、ドライブの台数分だけ並列化されているので、少なくとも1枚の光ディスク(1台の光ディスクドライブ)から情報が再生できれば、ファイルシステム情報及び管理情報は消失せず、ユーザデータの再生も可能になる。つまり、安定した再生を保証することができる。これは、情報の長期保存に有利であることを意味する。
【0034】
ファイルシステム情報の生成は、ホスト105又はコントローラ104で行う。ファイルシステム情報がホスト105で生成されるか、コントローラ104で生成されるかは、アプリケーション(ホスト105)がファイルシステムを管理するタイプであるか否かに依存する。アプリケーションがファイルシステムを管理するタイプであれば、ホスト105はユーザデータ(ファイル)をどのアドレスに記録したかを知っているので、その情報を基に、ファイルシステム情報を生成する。アプリケーションがファイルシステムを管理しないタイプであれば、コントローラ104がファイルシステム情報をハンドリングし生成する。
【0035】
管理情報については、一般的には、コントローラ104が、光ディスクドライブ部103の状況を把握し、管理情報を生成する。ただし、アプリケーションが使いたい管理情報があり、それが許されるドライブ、ディスク仕様であれば、ホスト105が管理情報をハンドリングしてもよい。
【0036】
情報再生の際は、アプリケーションがファイルシステム情報を管理するタイプであれば、ホスト105は所望のファイルが存在するアドレスを知ることができるので、ホスト105は、コントローラ104に対して、アドレスの再生を指示することができる。コントローラ104は、光ディスクドライブ部103に対して、指示されたアドレスの再生を指示する。アプリケーションがファイルシステム情報を管理しないタイプの場合、ホスト105は、読み出したいファイルのファイル名をコントローラ104に出力する。コントローラ104は、光ディスクドライブ部103からファイルシステム情報を読み出し、読み出したファイルシステム情報を参照して、ホスト105から出力されたファイル名のファイルが存在するアドレスを特定する。その後、コントローラ104は、光ディスクドライブ部103に対し、特定したアドレスの再生を指示する。
【0037】
図5に、データ記録の際の手順を示す。データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103に記録すべきデータを入力する(ステップA1)。データ入力手段110は、記録すべきデータがユーザデータであれば、ホスト105から、ユーザデータを入力する。データ入力手段110は、記録すべきデータがファイルシステム情報又は管理情報であれば、ホスト105から、又は、コントローラ104内の図示しない情報生成部からファイルシステム情報又は管理情報を入力する。
【0038】
データ種別判定手段111は、データ入力手段110が入力したデータの種別に応じて、入力データが重要データであるか否かを判定する(ステップA2)。データ種別判定手段111は、入力データを記録すべきディスク上でのアドレスがユーザデータを記録する記録領域を示すときは、入力データが重要データに該当しないと判定する。一方、入力データを記録すべきディスク上でのアドレスがファイルシステム情報又は管理情報を記録すべき記録領域を示すときは、入力データが重要データに該当すると判定する。
【0039】
ユーザデータ記録手段112は、ステップA2で、データ種別判定手段111が入力データが重要データに該当しないと判定すると、入力データをN分割する(ステップA3)。ユーザデータ記録手段112は、N分割されたデータを光ディスクドライブ部103を構成するドライブ1〜Nに渡し、各ドライブに記録命令を発行する(ステップA4)。光ディスクドライブ部103内の各光ディスクドライブは、記録命令に従って、各分割データを記録する。各光ディスクドライブの記録は並列に行われるので、ユーザデータ記録の際の記録速度は、通常の光ディスクドライブ単体のN倍となる。並列記録を行うことで、ユーザデータは、図4に示すように、N個に分割された上で、ディスク1〜Nに並列に記録される。
【0040】
重要データ記録手段113は、ステップA2で、データ種別判定手段111が入力データが重要データに該当すると判定すると、データ分割は行わずに、入力データを、光ディスクドライブ部103を構成するドライブ1〜Nに渡し、各ドライブに記録命令を発行する(ステップA5)。光ディスクドライブ部103内の各光ディスクドライブは、記録命令に従って、ファイルシステム情報又は管理情報を記録する。この動作により、ファイルシステム情報及び管理情報については、図4に示すように、N枚のディスクに、同じ内容のファイルシステム情報又は管理情報が記録される。
【0041】
図6に、データ再生の際の手順を示す。コントローラ104は、ホスト105からの要求を受けて、光ディスクドライブ部103からデータを再生する。データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103から再生データを入力する(ステップB1)。データ種別判定手段111は、データ入力手段110が入力したデータが、重要データに該当するか否かを判定する(ステップB2)。データ種別判定手段111は、光ディスクドライブ部103からの再生データがユーザデータであるときは、再生データは重要データに該当しないと判定する。データ種別判定手段111は、光ディスクドライブ部103からの再生データがファイルシステム情報又は管理情報のときは、再生データは重要データに該当すると判定する。
【0042】
ユーザデータ再生手段114は、ステップB2で、データ種別判定手段111が再生データがユーザデータであると判定すると、光ディスクドライブ部103のドライブ1〜Nが再生したデータを結合し、ユーザデータを復元する(ステップB3)。ユーザデータ再生手段114は、復元したユーザデータを、ホスト105に転送する(ステップB4)。ユーザデータの再生に際しては、光ディスクドライブ部103のドライブ1〜Nが並列に動作するので、通常の光ディスクドライブ単体のN倍の転送レートが実現できる。
【0043】
重要データ再生手段115は、ステップB2で、データ種別判定手段111が再生データがファイルシステム情報又は管理情報であると判定すると、再生元の光ディスクを選択し(ステップB5)、再生元の光ディスクからの再生データであるファイルシステム情報又は管理情報を、ホスト105に転送する(ステップB6)。或いは、再生されたファイルシステム情報又は管理情報は、コントローラ104内で使用してもよい。ファイルシステム情報及び管理情報については、N枚の光ディスクのうち、N−1枚の光ディスクから再生できなくても、1枚の光ディスクから再生できれば、ファイルシステム情報及び管理情報の再生が可能である。
【0044】
比較例として、図7に、データを全てN枚の光ディスクに分割して記録する場合の情報記録配置を示す。図4に示す本実施形態の情報記録配置との相違点は、ユーザデータだけでなく、ファイルシステム情報及び管理情報も、それぞれファイルシステム情報1−1〜1−N、管理情報1−1〜1−NにN分割され、光ディスク1〜Nに記録されている点である。なお、図4と図7で、ファイルシステム情報及び管理情報の大きさが同じ大きさに描かれているが、実際には、図7におけるファイルシステム情報及び管理情報の大きさは、図4におけるファイルシステム情報及び管理情報の大きさよりも、分割記録する分だけ小さくなる。
【0045】
図7に示す情報記録配置で記録を行うと、一部データの消失により、全体データの復元が不可能になる。例えば、ディスク2からファイルシステム情報1−2が読み出せなくなると、ファイルシステム情報1を復元することができず、ファイルシステム情報の全体が失われることになる。ファイルシステム情報が失われると、最悪のケースでは、全てのユーザデータが読み出せなくなる。図7に示す情報記録配置の場合は、N枚の光ディスクの全てから情報を読み出させたときだけファイルシステム情報及び管理情報が復元可能になるので、ファイルシステム情報及び管理情報が消失する危険性は、単体の光ディスクを用いる場合のN倍になる。
【0046】
図7に示す情報記録配置では、ファイルシステム情報及び管理情報についても並列記録・並列再生が可能なので、ファイルシステム情報及び管理情報の記録再生速度を高速化することができる。しかしながら、その代償として、N枚の光ディスクのうちの1枚にて、ファイルシステム情報、管理情報の記録領域が再生不能になると、ファイルシステム情報、管理情報の復元が不可能になるという問題が生じる。つまり、単純に全てのデータを各ディスクに並列に記録すると、信頼性の観点で問題が生じ、データ消失に対して安定なシステムであるとは言えなくなる。
【0047】
本実施形態では、記録すべき入力データが重要データに該当するか否かを判定し、入力データが重要データに該当するときは、N台の光ディスクドライブのうちの何れかを用いて、N枚の光ディスクのうちの少なくとも1枚に重要データを記録し、入力データが重要データに該当しないときは、入力データをN分割し、N台の光ディスクドライブを用いて、N枚の光ディスクに、N分割された各データを並列に記録する。本実施形態では、重要データに該当しないデータについては、並列記録・並列再生を行うことで、高い転送レートを得ることができる。また、重要データに該当するデータについては、N枚の光ディスクのうちの何れか1枚にてファイルシステム情報、管理情報の記録領域からのデータ再生が不能になっただけで、重要データ全体が失われることを防ぐことができ、データ消失の危険性を低減できる。つまり、本実施形態では、ユーザデータの高い転送デートと、重要データであるファイルシステム情報及び管理情報の信頼性との両立が可能である。
【0048】
なお、本実施形態は、単にファイルシステム情報及び管理情報を多重化したものではない。例えば、図7に示す情報記録配置で、ファイルシステム情報及び管理情報の多重化を行う場合は、分割されたファイルシステム情報及び管理情報(ファイルシステム情報1−1、ファイルシステム情報1−2など)のセットを、Nセット記録すればよい。しかし、そのように多重化しても、ある1枚の光ディスクにて、ファイルシステム情報、管理情報の記録領域が再生不能になると、結局は、ファイルシステム情報、管理情報の全体の復元が不能になる。一方、本実施形態では、N枚の光ディスクに、同じ内容のファイルシステム情報及び管理情報を記録するので、N−1枚まで、ファイルシステム情報、管理情報の記録領域の再生が不能になっても、ファイルシステム情報、管理情報は消失しない。両者でファイルシステム情報、管理情報の記録に使用する領域のサイズが同じであることを考えると、いかに効率的に並列記録を行うシステムの信頼性を向上できるかがわかる。
【0049】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態の情報記録装置に用いられるコントローラの構成を示している。全体構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、光ディスクに、書き換え型の光ディスクを用いる。本実施形態におけるコントローラ104aは、図3に示す第1実施形態の構成に、重要データ記録可能判定手段116と、管理テーブル117とが追加された構成である。本実施形態では、重要データ記録手段113は、N枚(N≧3)の光ディスクの全てではなく、N枚のうちのM枚(2≦M≦N−1)の光ディスクに、重要情報であるファイルシステム情報及び管理情報を記録する。
【0050】
重要データ記録可能判定手段116は、最新の(現在の)ファイルシステム情報及び管理情報が記録された光ディスクに、新たなファイルシステム情報及び管理情報が記録可能か否かを判定する。より詳細には、重要データ記録可能判定手段116は、上書きで記録される新たなファイルシステム情報及び管理情報が、正しく再生可能な形で記録可能か否かを判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が、新たなファイルシステム情報及び管理情報が記録可能ではないと判定すると、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクを変更し、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録済みの光ディスクとは異なる光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する。
【0051】
管理テーブル117は、現在、どの光ディスクが、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録しているかを管理する情報を有する。また、管理テーブル117は、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能な光ディスク、つまり、以前に、ファイルシステム情報及び管理情報を記録していたが、重要データ記録可能判定手段116にて新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能と判定された光ディスクを管理する情報を有する。この管理テーブル117を参照することで、最新のファイルシステム情報及び管理情報がどの光ディスクに記録されているかがわかる。また、管理テーブル117を参照することで、どの光ディスクが、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録に用いることができない光ディスクであるかがわかる。
【0052】
図9に、データ記録の際の手順を示す。ユーザデータ記録の手順は、図5に示す第1実施形態と同様な手順である。すなわち、データ入力手段110は、ホスト105からユーザデータを入力し(ステップC1)、データ種別判定手段111は、入力データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップC2)。ユーザデータ記録手段112は、ステップC2で入力データがユーザデータであると判定されると、入力されたユーザデータをN分割し(ステップC3)、N枚の光ディスクに並列に記録する(ステップC4)。
【0053】
入力データがファイルシステム情報又は管理情報であるとき、重要データ記録可能判定手段116は、光ディスク上の最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録する記録領域の記録状態を調べる。重要データ記録可能判定手段116は、管理テーブル117を参照して、最新のファイルシステム情報又は管理情報が記録されているM枚の光ディスク(M台の光ディスクドライブ)を特定する(ステップC5)。重要データ記録可能判定手段116は、最新のファイルシステム情報又は管理情報を再生し、その再生信号特性をモニタする。重要データ記録可能判定手段116は、モニタした再生信号特性に基づいて、記録済みのファイルシステム情報又は管理情報の記録状態が良好であるか否かを判定する(ステップC6)。或いは、重要データ記録可能判定手段116は、書き換え回数などの管理情報に基づいて、記録状態の判定、すなわち、これ以上のファイルシステム情報又は管理情報の書き換えが可能であるかを判定してもよい。
【0054】
重要データ記録可能判定手段116は、良好な再生信号特性が得られているとき、ファイルシステム情報又は管理情報の記録状態が良好であると判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録状態が良好であると判定すると、ステップC5で特定したM枚の光ディスクに、ステップC1で入力したファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップC7)。この動作により、M枚の光ディスクに記録されていたファイルシステム情報又は管理情報は、新たなファイルシステム情報又は管理情報で上書き更新される。
【0055】
重要データ記録可能判定手段116は、再生信号特性が低い、具体的には、ファイルシステム情報又は管理情報の再生信号が、エラー訂正が不可能なほどに劣化しているときは、ファイルシステム情報又は管理情報の記録状態が不良であると判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録状態が不良であると判定すると、N枚の光ディスクの中から、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録することになるM枚の光ディスクを選択する(ステップC8)。
【0056】
重要データ記録手段113は、ステップC8では、管理テーブル117を参照し、N枚の光ディスクから、ステップC6で記録状態が不良と判定されたM枚の光ディスク、及び、過去に重要データ記録可能判定手段116によって記録状態が不良と判定されている光ディスクを除外した上で、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクを選択する。言い換えれば、重要データ記録手段113は、N枚の光ディスクのうち、ファイルシステム情報又は管理情報を未記録の光ディスクの中から、M枚の光ディスクを選択する。重要データ記録手段113は、ステップC8で選択したM枚の光ディスクに、ステップC1で入力されたファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップC9)。
【0057】
コントローラ104aは、光ディスクドライブ部103に新たなユーザデータを記録するたびに、ファイルシステム情報及び管理情報を上書きで更新していく。上書き回数が増加していき、上書き回数が上限に到達すると、再生信号特性が劣化して、重要データ記録可能判定手段116は、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能と判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が新たなファイルシステム情報又は管理情報の記録が不能と判定するたびに、新たなM枚の光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録していく。コントローラ104aは、この動作を、ファイルシステム情報及び管理情報を記録すべき別の光ディスクがなくなるまで、繰り返し行う。
【0058】
再生の動作については、図6に示す第1実施形態の動作と同様である。すなわち、データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103から再生データを入力し(ステップB1)、データ種別判定手段111は、再生データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップB2)。ユーザデータ再生手段114は、N個のデータを結合してユーザデータを復元し(ステップB3)、復元したユーザデータをホスト105に転送する(ステップB4)。重要データ再生手段115は、最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクのうちの何れかから再生されたファイルシステム情報又は管理情報を、ホスト105に転送する(ステップB5、B6)。
【0059】
図10に、本実施形態におけるN枚の光ディスクの記録状態を示す。ここでは、M=2としている。つまり、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクの枚数を2枚としている。ユーザデータは、図4に示す第1実施形態と同様に、N個に分割されて、N枚の光ディスクに記録される。ファイルシステム情報及び管理情報は、N枚の光ディスクのうちの2枚の光ディスク(ディスク1、ディスク2)に、同じ内容が記録される。残りのN−2枚の光ディスク(ディスク3〜ディスクN)では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する記録領域は、ブランクになっている。
【0060】
重要データ記録可能判定手段116が、ディスク1のファイルシステム情報の記録状態の劣化を検出したとする。このとき、ディスク2のファイルシステム情報の記録状態も、同様に劣化しているものと考えられる。重要データ記録手段113は、新たなファイルシステム情報の記録先として、例えばディスク3、ディスク4を選択し、ディスク3及びディスク4に、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ユーザデータについては、引き続き、ディスク1及びディスク2を含め、N枚の光ディスクに対して並列記録を行う。最終的に、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録すべき光ディスクがなくなった段階で、ユーザデータの記録は終了する。
【0061】
本実施形態では、N枚の光ディスクのうちのM枚に、重要データであるファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ファイルシステム情報及び管理情報を、2以上の光ディスクに記録することで、M枚の光ディスクのうちのM−1枚からファイルシステム情報及び管理情報が再生不能になっても、残りの1枚からファイルシステム情報及び管理情報を再生することができる。従って、ファイルシステム情報及び管理情報を1枚の光ディスクにのみ記録する場合に比して、ファイルシステム情報及び管理情報の消失の危険性を低下させることができ、ユーザデータ再生の信頼性を向上することができる。
【0062】
また、本実施形態では、M枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録し、ファイルシステム情報及び管理情報の更新に伴い、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域の記録状態が劣化したときには、別の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録する。このようにすることで、N枚の光ディスクを1セットとしたときのファイルシステム情報及び管理情報の実効的な書き換え回数を、単一の光ディスクにおけるファイルシステム情報及び管理情報の書き換え回数よりも増加させることができ、データ記録回数を増加させることができる。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0063】
例えば、N=8として、8枚の光ディスクを1セットで用いることを考える。各光ディスクの書き換え可能回数(書き換え耐性)は1000回であるとする。また、M=2として、ファイルシステム情報を2枚の光ディスクに記録するものとする。この場合、書き換え回数が1000回になるたびに、新たな2枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報が記録されていくことになるので、ファイルシステム情報及び管理情報の実効的な書き換え回数は、4000回(1000回×8/2)に増加する。本実施形態では、光ディスクドライブ部103に記録できる容量が、単体の光ディスクのN倍の容量となるので、ファイルシステム情報、管理情報の更新は、多く発生する。本実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報の書き換え可能回数を増加させることができため、更新回数の確保が可能である。
【0064】
なお、本実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクをM枚ずつ変更しているが、NとMの値の取り方によっては、端数が生じることがある。例えば、N=3、M=2とすれば、初めにファイルシステム情報及び管理情報を記録した2枚の光ディスクにて記録状態が劣化すれば、残りの光ディスクは1枚だけになり、ファイルシステム情報及び管理情報は、1枚の光ディスクに記録されることになる。信頼性確保の観点からは、最後まで、M枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録できることが好ましい。そのためには、NがMの倍数となるように、NとMの値を選んでおくとよい。
【0065】
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態におけるコントローラの構成は、図8に示す第2実施形態と同様である。本実施形態では、光ディスクに、追記型の光ディスクを用いる。本実施形態では、重要データ記録可能判定手段116は、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域に空きがあるか否かに基づいて、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録している光ディスクに、新たなファイルシステム情報及び管理情報が記録可能か否かを判定する。
【0066】
図11に、データ記録の際の手順を示す。ユーザデータ記録の手順は、図5に示す第1実施形態と同様な手順である。すなわち、データ入力手段110は、ホスト105からユーザデータを入力し(ステップD1)、データ種別判定手段111は、入力データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップD2)。ユーザデータ記録手段112は、ステップD2で入力データがユーザデータであると判定されると、入力されたユーザデータをN分割し(ステップD3)、N枚の光ディスクに並列に記録する(ステップD4)。
【0067】
入力データがファイルシステム情報又は管理情報であるとき、重要データ記録可能判定手段116は、光ディスク上の最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録する記録領域の空き状況を調べる。重要データ記録可能判定手段116は、管理テーブル117を参照して、最新のファイルシステム情報又は管理情報が記録されているM枚の光ディスク(M台の光ディスクドライブ)を特定する(ステップD5)。重要データ記録可能判定手段116は、特定したM枚の光ディスクのファイルシステム情報又は管理情報の記録領域に、空きがあるか否かを判定する(ステップD6)。重要データ記録可能判定手段116は、特定したM枚の光ディスクのファイルシステム情報又は管理情報の記録領域を再生し、その再生信号の有無に基づいて、空き領域が存在するか否かを判定する。或いは、重要データ記録可能判定手段116は、追記回数などの管理情報に基づいて、空き領域が存在するか否かを判定してもよい。
【0068】
重要データ記録可能判定手段116は、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域の再生信号に、再生信号が存在しない領域があるときは、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域に空きがあると判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録領域に空きがあると判定すると、ステップD5で特定したM枚の光ディスクに、ステップD1で入力したファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップD7)。この動作により、最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録していたM枚の光ディスクに、新たなファイルシステム情報又は管理情報が追記される。
【0069】
重要データ記録可能判定手段116は、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域の再生信号に、再生信号が存在しない領域が存在しないときは、ファイルシステム情報又は管理情報の記録領域に空きがないと判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が記録領域に空きがないと判定すると、N枚の光ディスクの中から、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録することになるM枚の光ディスクを選択する(ステップD8)。
【0070】
重要データ記録手段113は、ステップD8では、管理テーブル117を参照し、N枚の光ディスクから、ステップD6で記録領域に空きがないと判定されたM枚の光ディスク、及び、過去に重要データ記録可能判定手段116によって記録領域に空きがないと判定されている光ディスクを除外した上で、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクを選択する。言い換えれば、重要データ記録手段113は、N枚の光ディスクのうちで、ファイルシステム情報又は管理情報を未記録の光ディスクの中から、M枚の光ディスクを選択する。重要データ記録手段113は、ステップD8で選択したM枚の光ディスクに、ステップD1で入力されたファイルシステム情報又は管理情報を記録する(ステップD9)。
【0071】
コントローラ104aは、光ディスクドライブ部103に新たなユーザデータを記録するたびに、ファイルシステム情報及び管理情報を追記する。追記によりファイルシステム情報及び管理情報の記録領域が消費され、記録領域に空きがなくなると、重要データ記録可能判定手段116は、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能と判定する。重要データ記録手段113は、重要データ記録可能判定手段116が新たなファイルシステム情報又は管理情報の記録が不能と判定するたびに、新たなM枚の光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録していく。コントローラ104aは、この動作を、ファイルシステム情報及び管理情報を記録すべき新たな光ディスクがなくなるまで、繰り返し行う。
【0072】
再生の動作については、図6に示す第1実施形態の動作と同様である。すなわち、データ入力手段110は、光ディスクドライブ部103から再生データを入力し(ステップB1)、データ種別判定手段111は、再生データが重要データに該当するか否かを判定する(ステップB2)。ユーザデータ再生手段114は、N個のデータを結合してユーザデータを復元し(ステップB3)、復元したユーザデータをホスト105に転送する(ステップB4)。重要データ再生手段115は、最新のファイルシステム情報又は管理情報を記録するM枚の光ディスクのうちの何れかから再生されたファイルシステム情報又は管理情報を、ホスト105に転送する(ステップB5、B6)。
【0073】
図12に、本実施形態におけるN枚の光ディスクの記録状態を示す。ここでは、M=2としている。つまり、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクの枚数を2枚としている。図12では、管理情報を記録する管理情報記録領域を大きめに確保している。ファイルシステム情報記録領域についても、同様に、大きめに確保してもよい。なお、ファイルシステム情報は、フォーマットによっては、ユーザデータを記録すべき領域に記録する場合もある。
【0074】
ユーザデータは、図4に示す第1実施形態と同様に、N個に分割されて、N枚の光ディスクに記録される。ファイルシステム情報及び管理情報は、N枚の光ディスクのうちの2枚の光ディスク(ディスク1、ディスク2)に、同じ内容が記録される。残りのN−2枚の光ディスク(ディスク3〜ディスクN)では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する記録領域は、ブランクになっている。
【0075】
重要データ記録可能判定手段116が、ディスク1のファイルシステム情報の記録領域に空きがないと判定したとする。このとき、ディスク2のファイルシステム情報の記録領域も、同様に空きがなくなっていると考えられる。重要データ記録手段113は、新たなファイルシステム情報の記録先として、例えばディスク3、ディスク4を選択し、ディスク3及びディスク4に、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ユーザデータについては、引き続き、ディスク1及びディスク2を含め、N枚の光ディスクに対して並列記録を行う。最終的に、新たにファイルシステム情報又は管理情報を記録すべき光ディスクがなくなった段階で、ユーザデータの記録は終了する。
【0076】
本実施形態では、N枚の光ディスクのうちのM枚に、重要データであるファイルシステム情報及び管理情報を記録する。ファイルシステム情報及び管理情報を、2以上の光ディスクに記録することで、M枚の光ディスクのうちのM−1枚からファイルシステム情報及び管理情報が再生不能になっても、残りの1枚からファイルシステム情報及び管理情報を再生することができる。従って、ファイルシステム情報及び管理情報を1枚の光ディスクにのみ記録する場合に比して、ファイルシステム情報及び管理情報の消失の危険性を低下させることができ、ユーザデータ再生の信頼性を向上することができる。
【0077】
また、本実施形態では、M枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録し、ファイルシステム情報及び管理情報の追記に伴い、ファイルシステム情報及び管理情報の記録領域に空きがなくなったときは、別の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録する。このようにすることで、N枚の光ディスクを1セットとしたときのファイルシステム情報及び管理情報の実効的な追記回数を、単一の光ディスクにおけるファイルシステム情報及び管理情報の追記回数よりも増加させることができ、データ記録回数を増加させることができる。例えば、N=8、M=2とすれば、ファイルシステム情報及び管理情報を記録可能な記録領域は4倍(8/2)となるので、4倍の追記が可能である。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0078】
なお、本実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクをM枚ずつ変更しているが、NとMの値の取り方によっては、端数が生じることがある。例えば、N=3、M=2とすれば、初めにファイルシステム情報及び管理情報を記録した2枚の光ディスクにてファイルシステム情報及び管理情報の記録領域に空きがなくなれば、残りの光ディスクは1枚だけになり、ファイルシステム情報及び管理情報は、1枚の光ディスクに記録されることになる。信頼性確保の観点からは、最後まで、M枚の光ディスクに、ファイルシステム情報及び管理情報を記録できることが好ましい。そのためには、NがMの倍数となるように、NとMの値を選んでおくとよい。
【0079】
上記各実施形態では、情報記録媒体に光ディスクを用いたが、情報記録媒体は光ディスクには限定されない。図1における光ディスクドライブ部103を、複数のハードディスクで構成されたハードディスクアレイや、複数のフラッシュメモリで構成されたフラッシュメモリアレイに置き換えることもできる。また、上記各実施形態では、ファイルシステム情報及び管理情報を重要データとして取り扱ったが、その他のデータを重要データとして取り扱うことも可能である。入力データが重要データであるか否かの判定については、ホスト(アプリケーション)側から、重要データである旨の通知を受けて判定してもよい。或いは、ディスクフォーマット上で、重要データを記録すべきアドレスを決めておき、記録アドレスの指定により、重要データか否かを判定してもよい。
【0080】
第2実施形態及び第3実施形態では、最新のファイルシステム情報及び管理情報を記録する光ディスクに新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録ができないとき、新たなM枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報を記録することとした。しかしながら、M枚のうちの一部のみに新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録ができない場合は、その一部の光ディスクの代替となる光ディスクを選択し、全体として、M枚の光ディスクにてファイルシステム情報及び管理情報が記録された状態としてもよい。
【0081】
例えば、ディスク1とディスク2の2枚の光ディスクにファイルシステム情報及び管理情報が記録されているとする。このうち、ディスク1のファイルシステム情報及び管理情報が再生不能となって、新たなファイルシステム情報及び管理情報の記録が不能になったとする。この場合、重要データ記録手段113は、ディスク1の代替としてディスク3を選択し、ディスク2とディスク3との2枚に、新たなファイルシステム情報及び管理情報を記録してもよい。
【0082】
また、第2実施形態及び第3実施形態では、ファイルシステム情報又は管理情報の記録時に、新たな情報記録が可能か否かを判定し、新たな情報が記録できないときに、新たなM枚の光ディスクに、新たなファイルシステム情報又は管理情報を記録した。しかし、新たなM枚の光ディスクにファイルシステム情報又は管理情報を記録するタイミングは、新たなファイルシステム情報又は管理情報の入力時には限定されない。例えば、上記のケースで、データ再生時に、ディスク1のファイルシステム情報及び管理情報が読み出し不能になっていることが判明したとする。この場合、再生不能が判明した段階で、新たなファイルシステム情報及び管理情報の入力を待たずに、ディスク3とディスク4との2枚にファイルシステム情報及び管理情報を記録してもよい。
【0083】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の情報記録装置、再生装置、及び、方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1実施形態の情報記録装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】カートリッジを用いたときの概略を示すブロック図。
【図3】コントローラの構成を示すブロック図。
【図4】第1実施形態におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図5】データ記録の際の手順を示すフローチャート。
【図6】データ再生の際の手順を示すフローチャート。
【図7】比較例におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図8】本発明の第2実施形態の情報記録装置に用いられるコントローラを示すブロック図。
【図9】第2実施形態におけるデータ記録時の手順を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図11】本発明の第3実施形態の情報記録装置のデータ記録時の手順を示すフローチャート。
【図12】第3実施形態におけるN枚の光ディスクの情報記録配置を示すブロック図。
【図13】DVD−Rにおける各情報の物理的な配置を示す概略図。
【符号の説明】
【0085】
101:ケース部
102:搬送部
103:光ディスクドライブ部
104:コントローラ
105:ホスト
110:データ入力手段
111:データ種別判定手段
112:ユーザデータ記録手段
113:重要データ記録手段
114:ユーザデータ再生手段
115:重要データ再生手段
116:重要データ記録可能判定手段
117:管理テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部と、
前記データ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、
前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、
前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、
前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備える情報記録装置。
【請求項2】
前記データ種別判定手段は、前記入力データが、前記複数の情報記録媒体に記録されるユーザデータの論理的な記録状態を示すファイルシステム情報、又は、前記ユーザデータの物理的な記録状態を示す管理情報であるとき、前記入力データが重要データに該当すると判定する、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記データ種別判定手段は、前記入力データが前記情報記録媒体内で格納されるべきアドレス情報に基づいて、前記入力データが重要データに該当するか否かを判定する、請求項1又は2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記第2の記録手段は、前記重要データを、N個(N:3以上の整数)の情報記録媒体のうちのM個(M:2≦M≦N−1を満たす整数)に記録する、請求項1乃至3の何れか一に記載の情報記録装置。
【請求項5】
重要データが記録された情報記録媒体に、新たな重要データが記録可能か否かを判定する重要データ記録可能判定手段を更に備え、前記第2の記録手段は、重要データ記録可能判定手段が、重要データが記録された情報記録媒体に新たな重要データの記録ができないと判定すると、前記重要データを記録済みの情報記録媒体とは異なる情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項4に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記第2の記録手段は、前記N個の情報記録媒体のうちで、前記重要データを未記録の情報記録媒体の中からM個の情報記録媒体を選択し、該選択したM個の情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項5に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記重要データ記録可能判定手段は、書き換え型の情報記録媒体から記録済みの重要データを再生し、該再生した重要データの再生信号特性に基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項5又は6に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記重要データ記録可能判定手段は、追記型の情報記録媒体について、前記重要データを記録すべき領域に空きがあるか否かに基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項5又は6に記載の情報記録装置。
【請求項9】
それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、
前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、
前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、
前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備えるコントローラ。
【請求項10】
それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部と、
前記データ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、
前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生手段と、
前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生手段とを備える情報再生装置。
【請求項11】
それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力するデータ入力ステップと、
前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、
前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録ステップと、
前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録ステップとを有する情報記録方法。
【請求項12】
前記データ種別判定ステップでは、前記入力データが、前記複数の情報記録媒体に記録されるユーザデータの論理的な記録状態を示すファイルシステム情報、又は、前記ユーザデータの物理的な記録状態を示す管理情報であるとき、前記入力データが重要データに該当すると判定する、請求項11に記載の情報記録方法。
【請求項13】
前記データ種別判定ステップでは、前記入力データが前記情報記録媒体内で格納されるべきアドレス情報に基づいて、前記入力データが重要データに該当するか否かを判定する、請求項11又は12に記載の情報記録方法。
【請求項14】
前記第2の記録ステップでは、前記重要データを、N個(N:3以上の整数)の情報記録媒体のうちのM個(M:2≦M≦N−1を満たす整数)に記録する、請求項11乃至13の何れか一に記載の情報記録方法。
【請求項15】
前記第2の記録ステップに先立って、重要データが記録された情報記録媒体に、新たな重要データが記録可能か否かを判定する重要データ記録可能判定ステップを更に有し、該重要データ記録可能判定ステップで、重要データが記録された情報記録媒体に新たな重要データの記録ができないと判定されると、前記第2の記録ステップで、前記重要データを記録済みの情報記録媒体とは異なる情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項14に記載の情報記録方法。
【請求項16】
前記第2の記録ステップでは、前記N個の情報記録媒体のうちで、前記重要データを未記録の情報記録媒体の中からM個の情報記録媒体を選択し、該選択したM個の情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項15に記載の情報記録方法。
【請求項17】
前記重要データ記録可能判定ステップでは、書き換え型の情報記録媒体から記録済みの重要データを再生し、該再生した重要データの再生信号特性に基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項15又は16に記載の情報記録方法。
【請求項18】
前記重要データ記録可能判定ステップでは、追記型の情報記録媒体について、前記重要データを記録すべき領域に空きがあるか否かに基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項15又は16に記載の情報記録方法。
【請求項19】
それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、
前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生ステップと、
前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生ステップとを有する情報再生方法。
【請求項1】
それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部と、
前記データ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、
前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、
前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、
前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備える情報記録装置。
【請求項2】
前記データ種別判定手段は、前記入力データが、前記複数の情報記録媒体に記録されるユーザデータの論理的な記録状態を示すファイルシステム情報、又は、前記ユーザデータの物理的な記録状態を示す管理情報であるとき、前記入力データが重要データに該当すると判定する、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記データ種別判定手段は、前記入力データが前記情報記録媒体内で格納されるべきアドレス情報に基づいて、前記入力データが重要データに該当するか否かを判定する、請求項1又は2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記第2の記録手段は、前記重要データを、N個(N:3以上の整数)の情報記録媒体のうちのM個(M:2≦M≦N−1を満たす整数)に記録する、請求項1乃至3の何れか一に記載の情報記録装置。
【請求項5】
重要データが記録された情報記録媒体に、新たな重要データが記録可能か否かを判定する重要データ記録可能判定手段を更に備え、前記第2の記録手段は、重要データ記録可能判定手段が、重要データが記録された情報記録媒体に新たな重要データの記録ができないと判定すると、前記重要データを記録済みの情報記録媒体とは異なる情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項4に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記第2の記録手段は、前記N個の情報記録媒体のうちで、前記重要データを未記録の情報記録媒体の中からM個の情報記録媒体を選択し、該選択したM個の情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項5に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記重要データ記録可能判定手段は、書き換え型の情報記録媒体から記録済みの重要データを再生し、該再生した重要データの再生信号特性に基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項5又は6に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記重要データ記録可能判定手段は、追記型の情報記録媒体について、前記重要データを記録すべき領域に空きがあるか否かに基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項5又は6に記載の情報記録装置。
【請求項9】
それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力する入力手段と、
前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、
前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録手段と、
前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録手段とを備えるコントローラ。
【請求項10】
それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部と、
前記データ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定手段と、
前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生手段と、
前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生手段とを備える情報再生装置。
【請求項11】
それぞれが情報記録媒体に対してデータ記録を行う複数の記録装置を有するデータ記録部に記録すべき入力データを入力するデータ入力ステップと、
前記入力データが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、
前記入力データが重要データに該当しないと判定されると、前記入力データを複数のデータブロックに分割し、前記複数の記録装置を用いて、複数の情報記録媒体に、前記複数のデータブロックに分割された入力データを並列に記録する第1の記録ステップと、
前記入力データが重要データに該当すると判定されると、前記複数の記録装置のうちの少なくとも1つを用いて、前記重要データを、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つに記録する第2の記録ステップとを有する情報記録方法。
【請求項12】
前記データ種別判定ステップでは、前記入力データが、前記複数の情報記録媒体に記録されるユーザデータの論理的な記録状態を示すファイルシステム情報、又は、前記ユーザデータの物理的な記録状態を示す管理情報であるとき、前記入力データが重要データに該当すると判定する、請求項11に記載の情報記録方法。
【請求項13】
前記データ種別判定ステップでは、前記入力データが前記情報記録媒体内で格納されるべきアドレス情報に基づいて、前記入力データが重要データに該当するか否かを判定する、請求項11又は12に記載の情報記録方法。
【請求項14】
前記第2の記録ステップでは、前記重要データを、N個(N:3以上の整数)の情報記録媒体のうちのM個(M:2≦M≦N−1を満たす整数)に記録する、請求項11乃至13の何れか一に記載の情報記録方法。
【請求項15】
前記第2の記録ステップに先立って、重要データが記録された情報記録媒体に、新たな重要データが記録可能か否かを判定する重要データ記録可能判定ステップを更に有し、該重要データ記録可能判定ステップで、重要データが記録された情報記録媒体に新たな重要データの記録ができないと判定されると、前記第2の記録ステップで、前記重要データを記録済みの情報記録媒体とは異なる情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項14に記載の情報記録方法。
【請求項16】
前記第2の記録ステップでは、前記N個の情報記録媒体のうちで、前記重要データを未記録の情報記録媒体の中からM個の情報記録媒体を選択し、該選択したM個の情報記録媒体に、前記重要データを記録する、請求項15に記載の情報記録方法。
【請求項17】
前記重要データ記録可能判定ステップでは、書き換え型の情報記録媒体から記録済みの重要データを再生し、該再生した重要データの再生信号特性に基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項15又は16に記載の情報記録方法。
【請求項18】
前記重要データ記録可能判定ステップでは、追記型の情報記録媒体について、前記重要データを記録すべき領域に空きがあるか否かに基づいて、新たな重要データの記録が可能であるか否かを判定する、請求項15又は16に記載の情報記録方法。
【請求項19】
それぞれが情報記録媒体からデータ再生を行う複数の再生装置を有するデータ再生部から再生するデータが所定の重要データに該当するか否かを判定するデータ種別判定ステップと、
前記再生するデータが重要データに該当しないと判定されると、複数の情報記録媒体から再生されたデータを結合し出力する第1の再生ステップと、
前記再生するデータが重要データに該当すると判定されると、複数の情報記録媒体のうちの少なくとも1つから重要データを再生する第2の再生ステップとを有する情報再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−123167(P2010−123167A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294453(P2008−294453)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]