説明

情報記録装置、情報記録方法、および記録媒体

【課題】 再生手段の違いによって交替処理のしきい値に対する記録品質が異なる場合に、該記録品質の違いによる記録互換性納、再生互換性能の劣化を防ぐ。特にPRMLの対応・非対応のドライブ間、記録速度・読出速度が異なるドライブ間での装置の互換を確保する。
【解決手段】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、前記記録媒体の記録領域に情報を書き込む記録部と、前記記録部を制御する制御部と、を備え、前記情報を書き込む記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する場合に用いる基準値を、第一の信号処理方式により処理する場合と、第二の信号処理方式により処理する場合とで異ならせることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置、情報記録方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
書き換え可能な光ディスクの一種であるDVD-RAMにおいては、ディスク上に欠陥領域がある場合には、ユーザエリアとは別の領域であるスペアエリアを代替領域として確保する交替処理が行われている(例えば、特許文献1段落0001〜0016等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-113643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
交替処理は、ディスク上の傷・埃等による記録不良を防止し、データ記録の高信頼性を確保するために行われる。具体的には、記録しようとするエリアのエラー数が一定の閾値以上であるときは、当該エリアは記録領域として不適切なエリアと判断し、別のエリアを記録領域とする処理が行われる。つまり、エラー数が予め設定された閾値を超えたか否かにより交替処理を行うか否かが決定される。
【0005】
しかしながら、検出されるエラー数は、ディスクから情報を読み出すときの手法、或いはディスクの読み出し速度により変化するため、一律に閾値を決めると交替処理を適切に行うことができなくなってしまう。
【0006】
例えば、PRML(Partial Response Most Likelihood・詳細は後述する)を使用する場合と使用しない場合とではディスクから情報を読み出す能力が大きく異なる。図4はディスクから読み出したデータのビットエラーレートを示しているが、PRMLを使用しない場合に比べ(401)、PRMLを使用した場合(PRML)は大幅にビットエラーレートが改善されていることが示されている。このような場合に、閾値を一律に決めてしまうと記録装置間の再生互換を取ることが困難になる。即ち、PRMLを使用可能な記録装置では検出されるエラー数が少ないため交替処理が行われない一方、PRMLを使用できない装置でこのディスクを記録・再生する場合にはエラー数が増大するため記録不良・再生不良を生ずる可能性がある。
【0007】
また、ディスクの読み出し速度によっても検出されるエラー数は異なる。一般に低速ではエラー数は少なく、高速ではエラー数が多くなる傾向にある。仮に、閾値を一律に決めてしまうと、記録装置間の再生互換を取ることが困難になる。例えば、2倍速の記録装置で記録したディスクではエラー数が少ないため交替処理が行われない一方、16倍速の装置で記録・再生する場合にはエラー数が増大するため記録不良・再生不良を生ずる可能性がある。
【0008】
以上のように、検出されるエラー数が装置間で異なるために、それぞれの装置間で記録互換不良・再生互換不良を発生させる恐れがある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決し、信頼性を向上できる情報記録装置、情報記録方法、および記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するため、本願発明は、情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、前記記録媒体の記録領域に情報を書き込む記録部と、前記記録部を制御する制御部と、を備え、前記情報を書き込む記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する場合に用いる基準値を、第一の信号処理方式により処理する場合と、第二の信号処理方式により処理する場合とで異ならせることを特徴とする。
【0011】
また、情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、前記記録媒体の記録領域に情報を書き込む記録部と、前記記録部を制御する制御部と、を備え、前記情報を書き込む記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する場合に用いる基準値を、第一の記録速度で記録する場合と、第二の記録速度で記録する場合とで異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、信頼性を向上できる情報記録装置、情報記録方法、および記録媒体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第一の実施例におけるドライブとディスクの関係を示す図。
【図2】6.8倍速と16倍速再生での光学周波数特性(MTF)の模式図。
【図3】MLにおける状態遷移図とトレリス線図の一例を示す図。
【図4】入力S/Nに対する出力bit Error Rateの一例を示す図。
【図5】DVD-RAMにおける交替処理の示す模式図。
【図6】第一の実施例の処理手順を示す図。
【図7】第一の実施例におけるDVD-RAMのZoneと交替処理しきい値の関係を示す図。
【図8】第ニの実施例の処理手順を示す図。
【図9】第一の実施例におけるDVD-RAMのZoneと交替処理しきい値の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
DVD-RAM、DVD-RW、CD-RW等の書き換え可能な光ディスク、およびDVD-R、CD-Rなどの追記可能な光ディスクにおいて、近年高速化が進んでいる。そのうち、相変化膜を用いた書き換え可能な光ディスク、DVD-RAM、DVD-RW等は、色素膜による追記可能な光ディスクでのピット形成によるマーク記録とは異なり結晶化によるマーク記録のため、再生時の変調度が低く、高速再生時の再生CNが十分に得られない。特に、DVD系の場合最小マーク長3T(Tはチャネルクロック単位)の再生信号においては、高速再生時には振幅低下のため通常の2値化手段、例えば記録波形がDuty50%であることを利用した再生信号2値化手段では2値化誤りを起こす可能性が高くなる。 この課題を解決する手段の1つとして、再生信号のチャネルクロックによるサンプリング結果をある規則に則って前後で加算し、得られたサンプル列の確からしさの度合いを算出して、その結果が最も高くなるように再生信号のサンプル列を特定する方法が提案されている。このうち、サンプル列を作りだす部分をパーシャルレスポンス(partial response、以下PR)、確からしさからサンプル列を特性する部分を最尤複合(Most Likelihood、以下ML)と呼び、両者を併せてPRMLと呼ぶ。得られたサンプル列を2値化列とする。それに対して、再生波形のDuty等を用いた従来の2値化手法をバイナリスライスと呼ぶ。
【0015】
しかしながら、上述したように、交替処理の有無によりPRMLを使用する記録装置と使用しない記録装置との間で再生互換を取ることが出来ない場合があるため、これを解決する必要がある。また、PRMLの使用・不使用とは別に、記録速度により記録装置間で再生互換が取れなくなる場合もある。以下、第1の実施例に記録速度によらず再生互換を取る手法、第2の実施例にPRMLの使用によらず再生互換を取る手法を説明する。
【0016】
なお、交替処理にはディスクフォーマット時の交替処理と、ディスク記録時の交替処理の2種類がある。前者においては、フレームエラーの該当領域を外して、物理アドレスに対する論理アドレスの再マッピングを行う処理が行われ、後者においては、ディスクの論理アドレスをあらかじめ指定されている別の領域の物理アドレスにマッピングが行われる。ここで物理アドレスとはディスクの全領域に通して設けられているアドレス、論理アドレスとはユーザー管理領域に通して設けられているアドレスを指す。これらの処理を以下まとめて交替処理と呼ぶ。
【0017】
(第1の実施例)
まず、DVD-RAMを例として本発明の第1の実施例を説明する。図1の101は高速記録再生、例えば16倍速記録に対応したDVD-RAMディスク、102はディスク101の16倍速記録に対応した光ディスクドライブである。また103は中倍速、例えば5倍速までの再生に対応した光ディスクドライブである。この場合ドライブ102における16倍速記録はCAV記録とし、その場合の内周の記録速度は6.8倍速となる。
【0018】
ドライブ102でDVD-RAMディスクの記録を行う場合、記録時にベリファイを行いながら記録し、ベリファイ時の信号品質が劣化している場合は、当該エリア以外に図5に示すようにSpare Areaに記録する交替処理を行う。ここでは、本来情報をZONE2に記録すべきところエラーが存在するため交替処理を行ってSpare Areaに記録する例を示している。
【0019】
交替処理を行う条件としては、例えばDVD-RAMの規格では推奨フレームエラー数が規定されている。フレームエラー数は信号訂正処理を行う場合の1フレーム内のバイトエラー数であり、先のRPMLの説明で示したbit Error Rateと密接に関係する。ディスク上の傷、指紋などのディスク起因の記録不良、および記録時の記録条件誤りによるドライブ起因の記録不良となった領域については、このように交替処理を行ってSpare Areaに記録し、当該領域の論理アドレスをSpare Areaに割り当てる。これにより、再生時には直接Spare Areaを再生することにより、記録不良が起因の再生不良を未然に防ぐ。
【0020】
図2は6.8倍速と16倍速再生での光学周波数特性(MTF)の模式図を示す。図の201は6.8倍速のMTF、202は16倍速のMTFである。203は6.8倍速でのノイズ成分、204は16倍速でのノイズ成分を模式的に示す。図2に示すようにディスク再生倍速が高速になると、例えばドライブの再生回路の周波数特性が無限に取れていたとしてもノイズ帯域が増加するため、信号S/Nは低下する。さらに、再生回路も周波数特性を持つため、高速再生に伴って信号振幅が劣化し、それによっても信号S/Nは低下する。そのため、パーシャルレスポンス(PR)と最尤復号(ML)を組み合わせたPRMLを用いることにより、信号S/N劣化に対する補償を行う。PRは一定周期のクロック、例えばチャネルクロックでサンプリングされた再生信号に対して、一定規則により前後のサンプル値を加算した系列を出力する。これに対して、MLでは得られたサンプル値の期待値をあらかじめ目標値として設定し、サンプル系列の規則を図3Aに示すような状態遷移によって表し、得られるサンプル系列を状態遷移に従って図3Bに示すように遷移図(これをトレリスと呼ぶ)に分け、各トレリスの先でのサンプル値との誤差の積算から、最も確からしいトレリスを選択することにより、正しいサンプル系列を求める。これにより、S/Nの低下した信号が入力された場合においても、状態遷移による補正で正しい波形サンプル系列を再現することができる。図4に従来のbit by bitによる2値化を用いた場合と、PRMLを用いて2値化を行った場合の入力S/Nに対する出力bit Error Rateの一例を示す。図の401はbit by bit、402はPRMLを用いた場合のグラフである。図に示すように、PRMLを使うことにより、従来のbit by bitの2値化と比較して大幅なbit Error Rateの改善が見られることが分かる。これにより、先に述べた再生速度の高速化による信号S/Nの低下を補償する。ドライブ102は16倍速の記録、再生に対応し、前記PRMLによる復号処理を具備する。なお、ドライブ103は5倍速までの再生にしか対応しないため、PRMLによる復号処理は具備していない。
【0021】
上記ドライブ102のように再生信号の復号にPRML処理を用いるドライブでは、復号処理を2つ以上具備することは、コスト的にも回路規模的にも不利であるため、記録時のベリファイ処理についてもPRMLを用いる。その場合の交替処理を行うしきい値、例えばDVD-RAMではフレームエラーのしきい値は、同様の倍速を従来のbit by bitでの2値化で再生している場合の再生を保証する必要がある。そのため、ドライブ102の場合、ディスク101に対する記録品質は、ドライブ103で5x再生時に再生不良を起こさないことが必要である。しかし、ドライブ102の最内周での記録速度は6.8倍速であり、ドライブ103での再生速度5倍速に近い。そのため、ドライブ102で6.8倍速記録時に、PRMLを用いて得られたフレームエラー数を元に交替処理を行った場合、bit by bitで得られる交替条件と異なり、記録品質の劣化、およびディスクの傷に対する許容拡大が発生する。その結果ドライブ103で上記領域再生時に再生不良を起こす可能性が生じる。これを防ぐため、ドライブ出荷時などにおいて図6に示す以下の調整を行う。
【0022】
1. DVD-RAMの規格に記載、もしくは規格で推奨されている交替処理のフレームエラーしきい値をAとする。
【0023】
2. 16倍速記録に対応したディスクにおいて、bit by bitの2値化処理を用いた5倍速再生を行ってフレームエラー数がAとなる記録領域を持つディスクを用意する。この領域は最低ディスクの最内周付近と最外周付近にそれぞれ1個所以上設ける。このディスクを以下交替処理基準ディスクとよび、前記記録領域のうち、内周側を領域B、外周側を領域Cとする。(602)
3.ドライブ102(調整を行うPRMLを具備したドライブ)で交替処理基準ディスクの領域Bを再生し、フレームエラー数を測定し、そのフレームエラー数をDとする。このときの再生速度は当該領域の記録速度と略同一とする。(603)
4. 領域Cにおいて上記3と同様の動作を行い、得られたフレームエラー数をEとする。(604)
5. ドライブ102の最内周での交替処理を行うフレームエラー数のしきい値をD、最外周での交替処理を行うフレームエラー数のしきい値をEとして、ドライブ102のEEPROMなどの記憶領域に登録する。また、上記D,Eの値から図7に示すように、各Zoneでの交替処理を行うフレームエラー数のしきい値を線形補間等の補間方法により求めて、同様にドライブ103のEEPROMなどの記憶領域に登録する。(605)
6. 基準ディスクをドライブ102から取り出し、出荷時調整を終了する。(606)
上記調整を行うことにより、PRMLを用いたドライブにおいてある倍速Gで交替処理を含めて記録動作を行ったディスクを、PRMLを用いないドライブで倍速Gに近い倍速Hで再生した場合においても、交替処理のしきい値がほぼ同等に見えることから、ドライブ間の記録再生互換による再生不良を低減させることができる。
【0024】
また、上記例では内周、外周での交替処理しきい値を用いて各Zoneのしきい値を線形補間しているが、必ずしも線形補間とする必要はなく、例えばn次曲線による補間、ステップ状の補間など様々な補間テーブルの作成が考えられる。
【0025】
また、本実施例では内周、外周の2点で交替処理しきい値を求めているが、本例で交替処理しきい値として用いているフレームエラーは、高倍速化によるS/N劣化とPRMLによる再生性能向上との相互作用によって決まるため、内外周以外の中周の複数点での交替処理しきい値を求めることで、上記補間テーブルをより精度高く求めることも考えられる。
【0026】
また、本実施例における交替処理基準ディスクは記録データの劣化がない限り複数台のドライブの調整に使いまわすことができる。
【0027】
また、上記例では内周、外周での交替処理しきい値を用いて各Zoneのしきい値を線形補間しているが、必ずしも線形補間とする必要はなく、例えばn次曲線による補間、ステップ状の補間など様々な補間テーブルの作成が考えられる。さらに、内周、外周の交替処理しきい値を異なる値として、その間の各Zoneのしきい値を線形補間などの補間方法により設定する手法については、本実施例のようなPRML等の最尤復号処理を用いない場合、例えばbit by bitのスライスによる手法においても実施可能であり、本手法により各Zoneでの記録、再生速度に応じた適切な交替処理しきい値を設定することができる。
【0028】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施例を示す。ドライブ802は第1の実施例のドライブ102と同様の性能を持つドライブであり、かつbit by bitによる2値化による復号処理手段を具備するドライブとする。ディスク801、およびドライブ803は第1の実施例のディスク101、ドライブ103と同様であり、特段示さない限り、装置構成、装置動作、フローチャートその他の条件は第1の実施例と同様とする。ドライブ802にディスク101が挿入される(803)と、ドライブ802内部で図8に示す以下の調整を行う。
【0029】
1. ディスクの内周におけるbit by bitによる2値化を用いた復号処理を用いたときのフレームエラー数が第1の実施例記載のフレームエラーしきい値Aよりも多くなる記録条件を設定する(この条件を条件Jとする)(802)。
【0030】
2. 上記条件にて内周にデータ記録する。この記録した領域を領域Kとする(803)。
【0031】
3. PRMLを用いない復号処理にて領域Kを再生し、フレームエラー数Lを取得する(804)。
【0032】
4. PRMLを用いた復号処理を用いて領域Kを再生する。そのときのフレームエラー数をMとする。
【0033】
5. ΔEr = L−M を算出し、ドライブ802でディスク801を記録する際の交替処理のしきい値フレームエラー数を A'= A−ΔErとする。
【0034】
6. 上記で求めた内周のしきい値A'と、ディスクの規格に記載、もしくは規格で推奨されているしきい値Aを外周のしきい値として、中周での各Zoneでのしきい値を図9の線形補間等の補間方法を用いて求める。
【0035】
本実施例により、ドライブセットアップ時の周囲条件の変化を考慮した交替処理のしきい値を設定でき、第1の実施例に対して、さらにドライブ間の記録再生互換による再生不良を低減させることができる。
【0036】
また、出荷時の時間短縮などで調整ができない場合においても、本実施例の方法を用いることにより、ドライブ間の記録再生互換による再生不良を低減させることができる。
【0037】
また、本実施例ではCAVを想定し、再生性能劣化に対してPRMLでの再生条件改善の効果が大きくなる低速再生領域、すなわちディスク内周部分で交替処理のしきい値の補正を行うことで、セットアップ時間の短縮を図っているが、シーケンス時間に余裕のある場合は上記と同様のしきい値の補正をディスク外周でも行い、ディスク内周、外周での補正された交替処理しきい値を用いて、ディスク中周の各Zoneのしきい値へと展開することにより、より精度の高い交替しきい値制御を行うことができ、低速再生互換においても安定した性能を確保することができる。
【0038】
なお、フレームエラー数の多い領域として、例えば記録パワー調整時の記録データを使うことにより、記録動作回数を削減し、ドライブのセットアップ時間の削減を図ることが考えられる。
【0039】
また、市販されるディスクに対してあらかじめ上記交替しきい値の調整が可能な領域、例えばDVD-RAMの場合フレームエラー数が高くなるように記録された領域を用意しておくことにより、ドライブセットアップ時の記録動作をスキップできセットアップ時間の短縮を図ることができる。
【0040】
なお、本発明の第1の実施例、および第2の実施例はともにDVD-RAMディスクにおける実施例であるが、交替処理を行う他の媒体においても、安定した記録装置互換を得ることができる。
【0041】
以上に述べた本発明の実施例によれば、記録時に交替処理を行う光ディスクの記録の際に、交替処理のベリファイに最尤復号処理を用いる光ディスク記録装置による記録と、最尤復号処理を用いない光ディスク記録装置による記録において、交替処理を行う記録品質が同等になることが保証されるため、記録互換を確保することができる。とくに、再生品質の劣化の少ない低倍速の記録時における、最尤復号処理の有無による交替処理を行う記録品質の差をなくすことができ、低倍速から高倍速までの可変速記録においても安定した記録互換を確保することができる。
【0042】
また、これらをディスクの規格等で明記することにより、複数の記録媒体メーカ、および光ディスクドライブメーカの間においても、可変速記録を含めた記録再生互換を確保することができる。
【符号の説明】
【0043】
101…高速書きこみ可能なRAMディスク、102…高速記録/再生用にPRML処理手段を具備したDVD−RAMドライブ、103…PRML処理手段を具備しないDVD−RAMドライブ、201・202…光学周波数特性(MTF)、203・204…ノイズスペクトラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、
前記記録媒体の記録領域に情報を書き込む記録部と、
前記記録部を制御する制御部と、を備え、
前記情報を書き込む記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する場合に用いる基準値を、第一の信号処理方式により処理する場合と、第二の信号処理方式により処理する場合とで異ならせることを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、
前記記録媒体の記録領域に情報を書き込む記録部と、
前記記録部を制御する制御部と、を備え、
前記情報を書き込む記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する場合に用いる基準値を、第一の記録速度で記録する場合と、第二の記録速度で記録する場合とで異ならせることを特徴とする情報記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報記録装置において、
前記第一の信号処理方式はPRML方式であり、PRML方式により処理する場合の基準値は、前記第二の信号処理方式により処理する場合の基準値よりも小さいことを特徴とする情報記録装置。
【請求項4】
請求項2記載の情報記録装置において、
前記第一の記録速度は前記第二の記録速度よりも遅い速度であり、前記第一の記録速度で記録する場合の基準値は、前記第二の記録速度で記録する場合の基準値よりも小さいことを特徴とする情報記録装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の情報記録装置において、
前記第一の記録領域はユーザエリアであり、前記第二の記録領域はスペアエリアであることを特徴とする情報記録装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の情報記録装置において
前記基準値は、記録媒体の記録領域における情報の記録品質に関する値であることを特徴とする情報記録装置。
【請求項7】
請求項1又は2記載の情報記録装置において
前記基準値は、記録媒体の記録領域から情報を読み出し、エラー訂正処理で得られるエラー数に関する値であることを特徴とする情報記録装置。
【請求項8】
請求項1又は2記載の情報記録装置において、
前記情報を書き込む記録領域の記録品質を示す値が前記基準値を超えた場合には、情報を書き込む記録領域を、前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更することを特徴とする情報記録装置。
【請求項9】
請求項1又は2記載の情報記録装置において
前記記録媒体は、DVD-RAMであることを特徴とする情報記録装置。
【請求項10】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、
情報を記録する記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する基準値を備え、第一の信号処理方式により処理する場合には第一の基準値により記録領域を変更し、第二の信号処理方式により処理する場合には第二の基準値により記録領域を変更することを特徴とする情報記録装置。
【請求項11】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、
情報を記録する記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する基準値を備え、第一の記録速度で記録する場合には第一の基準値により記録領域を変更し、第二の記録速度で記録する場合には第二の基準値により記録領域を変更することを特徴とする情報記録装置。
【請求項12】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録方法において、
情報を記録する記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する基準値を備え、第一の信号処理方式により処理する場合には第一の基準値により記録領域を変更し、第二の信号処理方式により処理する場合には第二の基準値により記録領域を変更することを特徴とする情報記録方法。
【請求項13】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体に情報を記録する情報記録方法において、
情報を記録する記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する基準値を備え、第一の記録速度で記録する場合には第一の基準値により記録領域を変更し、第二の記録速度で記録する場合には第二の基準値により記録領域を変更することを特徴とする情報記録方法。
【請求項14】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体において、
情報を記録する記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する基準値を備え、第一の信号処理方式により処理する場合には第一の基準値により記録領域を変更し、第二の信号処理方式により処理する場合には第二の基準値により記録領域を変更することを特徴とする記録媒体。
【請求項15】
情報を記録する第一の記録領域と、前記第一の記録領域の予備領域である第二の記録領域を備える記録媒体において、
情報を記録する記録領域を前記第一の記録領域から前記第二の記録領域に変更する基準値を備え、第一の記録速度で記録する場合には第一の基準値により記録領域を変更し、第二の記録速度で記録する場合には第二の基準値により記録領域を変更することを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−187160(P2011−187160A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141387(P2011−141387)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【分割の表示】特願2009−164359(P2009−164359)の分割
【原出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】