説明

情報記録装置、情報記録方法及び集積回路

【課題】ベリファイ・記録連続アクセス方式におけるオーバヘッドを削減して記録時間を短縮することができる情報記録装置、情報記録方法及び集積回路を提供する。
【解決手段】光ディスク2にデータを記録する記録部11と、記録されたデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイ部12と、記録部11が記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録処理に先立って行う記録アクセス用設定部20と、記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するように、ベリファイ部12と記録部11とを制御する連続記録制御部30と、を含み、連続記録制御部30は、ベリファイ部12がベリファイ処理を実行している間に、次に記録するデータの記録処理に必要な設定を並行して設定するように記録アクセス用設定部20を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置、情報記録方法及び集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体として、BD(Blu−ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びCD(Compact Disc)などの光ディスクがある。
【0003】
近年、映像や音声情報のディジタル化により、大容量のディジタルデータが利用される機会が増加している。これに伴い、光ディスクであるDVD(Digital Versatile Disc)は、映像データをリアルタイムに記録するための高速性と、大量のディジタルデータを格納可能な容量を確保することが要求される。しかしながら、一方で、光ディスクは可換媒体であるために、汚れや埃による信頼性の低下を克服する必要がある。
【0004】
上記のDVD等の光ディスクへの記録方法として、ライト・アンド・ベリファイ処理と呼ばれる記録方法がある。ライト・アンド・ベリファイ処理とは、データ(情報)を記録した後に記録したデータを再生し、正しくデータが再生できるか否かをチェック(ベリファイ)し、データの信頼性を確保しながら記録するデータ記録方法である。
【0005】
以下、図面を参照して、従来のライト・アンド・ベリファイ処理について説明する。
【0006】
図11は、従来の情報記録装置によるライト・アンド・ベリファイ処理の動作を時系列で表す説明図である。図11中、横軸は、情報記録媒体の記録再生方向(アクセス方向)を示している。また、縦軸は、時間を示している。
【0007】
図11では、クラスタnからクラスタn+31までの32クラスタから構成されるBD(Blu−ray Disc)の記録領域に対し、情報を記録する場合を示している。各クラスタは、光ディスクに記録するデータの記録・再生単位であり、エラー訂正の単位である。
【0008】
32クラスタの領域への情報の記録が完了すると、当該領域に正しく情報が記録されているか否かを確認(ベリファイ)する。このため、上記情報の記録の完了後、再び記録開始位置までシークを行う。そして、記録始端位置へのシーク動作が完了すると、記録済み領域のベリファイ処理を行う。記録済み領域のベリファイ処理が全て完了すると、後続領域の記録を行うために再びシークを実行する。このように、記録、シーク、ベリファイ、シークを繰り返してデータを記録していく方法がライト・アンド・ベリファイである。ここで、縦方向矢印で示す時間軸で見た場合、シーク処理はデータの記録動作や記録した情報の確認(ベリファイ)動作を行っていないオーバヘッドの動作であるため、全体のライト・アンド・ベリファイ処理に要する時間の中でシーク動作に要する時間が占める割合が小さいほど、アクセス性能は向上することがわかる。
【0009】
このように、従来のライト・アンド・ベリファイ処理では、ベリファイと記録との間に余分なシークと回転待ちとが発生することにより、記録時間が長くなるという課題があった。また、この課題による影響は、記録すべきデータが多いほど、バッファメモリの容量が少ないほど、又は記録処理の倍速数が高くなるほど、大きくなる。
【0010】
そこで、特許文献1及び特許文献2には、余分なシークと回転待ちとをなくし、ベリファイ動作と記録動作とを連続して行う方法として、記録の前のシーク処理をなくし、ベリファイ動作から記録動作に移行する間にはシーク動作や待機(回転待ち)を行わずに、連続的にベリファイアクセスの後に記録アクセスを開始する方法(以下、ベリファイ・記録連続アクセス方式と称する)が開示されている。
【0011】
上記ベリファイ・記録連続アクセス方式について、図12を用いて説明する。
【0012】
図12は、特許文献1に記載の情報記録装置によるライト・アンド・ベリファイ処理の動作を時系列で表す説明図である。図12に示すライト・アンド・ベリファイ処理は、図11に示す通常のライト・アンド・ベリファイ処理とは、ベリファイ動作から記録動作に移行する際に、シーク動作を行わない点で異なっている。すなわち、図12に示すライト・アンド・ベリファイ処理では、ベリファイ動作が完了したと同時に後続の領域への記録を即時開始するアクセス方法を用いている。(なお、特許文献2では、記録を行うための準備区間を空ける方法が開示されているが、シーク動作及び待機(回転待ち)を行わない点において、本質的にはベリファイ・記録連続アクセス方式と同じである。)よって、ベリファイ・記録連続アクセス方式では、記録の前のシーク(および、回転待ち)時間による遅延がなく、ベリファイ前のシーク時間による遅延のみとなっており、アクセス性能の改善が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平8−328752号公報
【特許文献2】特許第2800319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のように、特許文献1等に記載の従来のベリファイ・記録連続アクセス方式では、ベリファイと記録の各々に発生していたシーク動作を、ベリファイ動作の前のみに実行することで高速化を実現している。しかしながら、ベリファイ動作前にはシーク動作を行うため、さらなる記録処理の高速化を実現するためには、ベリファイ動作の前のシーク動作に要する時間自体の短縮が求められる。ここで一般に、アクセスに伴うシーク処理では、単に光ヘッドを移動する動作に加えて、その前後に制御オーバヘッドが発生する。図13は、シーク処理において発生するオーバヘッドについて説明するための説明図である。
【0015】
図13に示すように、シーク動作に伴う遅延は、記録後の戻し設定による遅延、光ヘッドの移動に伴う遅延、記録用設定処理による遅延、目的の領域に到達するまでの待機(回転待ち)による遅延からなる。このうち、記録用設定処理による遅延は更に、ディスクモータの回転制御モードの切替えによる遅延、記録発光波形の設定による遅延、レーザ駆動回路のモード切替えによる遅延からなる。ディスクモータの回転制御モードの切替えによる遅延とは、ディスクモータの回転制御モードを固定クロックによる一定回転モードから、ディスクから再生される信号と同期して回転制御を行うCLVモードへ切替える処理に必要な時間遅延分である。また、記録発光波形の設定による遅延とは、記録パワーや記録発光波形のパラメータ(記録ストラテジ)をハードウェアに設定するために必要な時間遅延分である。また、レーザ駆動回路のモード切替えによる遅延とは、レーザ駆動回路を再生のみのモードから記録可能モードに切替えるために必要な時間遅延分である。よって、記録用設定による時間遅延にみられるようなオーバヘッドを削減しなければ、更なる高速化は実現できない。
【0016】
このような遅延は、BDに代表される高転送レート・大容量のディスクでは、より一層顕著な性能劣化となる。なぜならば、BDはDVDに比べて約3倍の転送レートを備える。転送レートが3倍になると、記録やベリファイなどでディスクにアクセスしている時間は1/3に短縮される。一方で、先に述べたアクセスを開始するまでの遅延時間はディスクの転送レートとは無関係に固定的に発生するため、結果として遅延時間が占める割合はDVDの場合よりもBDの場合の方が大きくなる。加えて、光ディスクドライブに代表されるPC用周辺装置や、DVDレコーダやBDレコーダ等のディジタル家電の価格下落速度は著しく、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の容量削減といった、コストダウンの要求は非常に強い。特に、BDのような高転送レートの媒体に対応するためには、高速で高価なDRAMが要求され、装置に占めるコストの影響も非常に大きくなる。よって、DRAM容量削減などによるコストダウンは非常に重要となる。しかしながら、DRAM容量が少なくなると、データバッファサイズが小さくなる。そうなれば、記録やベリファイを実行する単位長が短くなり、先に述べたシーク処理、及び、アクセス開始前の遅延時間がより頻繁に発生するようになる。
【0017】
以上に記載した通り、ベリファイ・記録連続アクセス方式において、シーク処理や、ベリファイアクセス開始前の遅延時間などのオーバヘッドによる性能低下は、BDなどの高転送レートの媒体アクセス時には、極めて大きな性能低下の要因となる。また、DRAM容量の削減等のコストダウンに対しても、該オーバヘッドによる性能低下が著しい。
【0018】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、ベリファイ・記録連続アクセス方式におけるオーバヘッドを削減して記録時間を短縮することができる情報記録装置、情報記録方法及び集積回路を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一局面に係る情報記録装置は、上記の目的を達成するために、情報記録媒体にデータを記録する記録処理を行う記録部と、前記記録部によって記録されたデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイ部と、前記記録部が記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録処理に先立って行う記録アクセス用設定部と、記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するように、前記ベリファイ部と前記記録部とを制御する連続記録制御部と、を含み、前記連続記録制御部は、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、次に記録するデータの記録処理に必要な設定を並行して設定するように前記記録アクセス用設定部を制御することを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、前記記録部とベリファイ部とにより、いわゆるライト・アンド・ベリファイで情報記録媒体にデータを記録することができる。また、前記連続記録制御部により、記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行する、いわゆるベリファイ・記録連続アクセスが可能である。このベリファイ・記録連続アクセスを実現するために、記録アクセス用設定部は、記録部が記録処理を実行する間に適用される設定(以下、記録用設定と称する)を記録処理に先立って行っている。ここで、本発明では、連続記録制御部が、ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、記録用設定を並行して実行するように記録アクセス用設定部を制御するのである。このように、ベリファイ処理の時間を利用して、ベリファイ処理と記録用設定処理とを並行実施することにより、当該並行実施期間中は記録用設定処理のためだけに処理時間を設ける必要がなくなる。これにより、記録用設定を行うための遅延時間が削減され、アクセスに必要となるオーバヘッドが削減できる。結果として、ライト・アンド・ベリファイで情報記録媒体にデータを記録する際の全体の記録時間を大幅に短縮することが可能となり、高速にデータの記録を行うことができる。
【0021】
上記の構成において、前記記録アクセス用設定部は、基準クロック信号に基づいて前記情報記録媒体の回転制御を行うCAV制御モードと、前記情報記録媒体から再生される信号に基づいて前記情報記録媒体の回転制御を行うCLV制御モードとの2つの回転制御モード間で切替え設定を行う回転制御切替え部をさらに含み、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記回転制御切替え部が、前記回転制御モードの設定をCLV制御モードに切替える構成とすることが好ましい。
【0022】
この場合、回転制御モードの設定切替えの遅延を削減し、高速にデータの記録を行うことができる。
【0023】
上記の構成において、前記記録アクセス用設定部は、記録を行うレーザパワーまたは記録発光波形の制御情報を設定する記録発光条件設定部をさらに含み、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録発光条件設定部が、記録を行う領域に適するレーザパワーまたは記録発光波形となるように記録発光条件の設定を行う構成とすることが好ましい。
【0024】
この場合、記録発光条件の設定に要する遅延を削減し、高速にデータの記録を行うことができる。
【0025】
上記の構成において、前記記録アクセス用設定部は、前記記録部に包含されるレーザ制御回路の制御状態を記録可能状態に遷移させる切替え設定を行うレーザ制御回路切替え部をさらに含み、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記レーザ制御回路切替え部が、前記レーザ制御回路の制御状態の設定を記録可能状態に切替える構成とすることが好ましい。
【0026】
この場合、レーザ制御回路の制御状態の設定切替えに要する遅延を削減し、高速にデータの記録を行うことができる。
【0027】
上記の構成において、前記記録アクセス用設定部は、サーボ制御パラメータの設定を記録用のパラメータに切替える記録用サーボ制御パラメータ設定部をさらに含み、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録用サーボ制御パラメータ設定部が記録用のサーボ制御パラメータの設定に切替える構成とすることが好ましい。
【0028】
この場合、サーボ制御パラメータ設定に要する遅延を削減し、高速にデータの記録を行うことができる。なお、記録用のサーボ制御パラメータの設定には、例えば、記録に適したフォーカス位置への変更や、レーザが記録発光することによる戻り光量増加に対応させるためのアッテネータ設定等がある。
【0029】
上記の構成において、前記連続記録制御部は、前記記録アクセス用設定部が設定を完了するまでは、ベリファイ処理に続く連続記録を実行しないように前記記録部の動作を抑制すると共に、前記記録アクセス用設定部が設定を完了した後は、ベリファイ処理に続く連続記録を許可するように前記記録部を制御する構成とすることが好ましい。
【0030】
この場合、ベリファイ処理が完了するまでに記録アクセス用設定が完了しなかった場合であっても、ベリファイ処理に引き続いて連続記録処理が実行されてしまうという事態を回避でき、記録品位を確保することが可能となる。
【0031】
上記の構成において、前記連続記録制御部は、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録アクセス用設定部が記録に必要な設定を完了できるか否かを判定する記録設定並行実施判定部を更に包含し、前記連続記録制御部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判定したとき、前記記録アクセス用設定部の設定動作をベリファイ処理と並行して実行させる一方、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判定したとき、前記記録アクセス用設定部の設定動作をベリファイ処理に先立って実行させる構成とすることが好ましい。
【0032】
この場合、ベリファイ中に記録アクセス用設定が完了しない場合でも、記録アクセス用設定をベリファイ処理の前に実行するようにしているので、ベリファイ・記録連続アクセス方式を適用できるため、高速にデータの記録を行うことができる。
【0033】
上記の構成において、前記連続記録制御部は、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録アクセス用設定部が記録に必要な設定を完了できるか否かを判定する記録設定並行実施判定部を更に包含し、前記連続記録制御部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判定したとき、前記記録アクセス用設定部の設定動作の全てをベリファイ処理と並行して実行させる一方、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判定したとき、記録アクセス用設定時間とベリファイ実行時間との差分時間に基づいて前記記録アクセス用設定部の設定動作の一部をベリファイ処理に先立って実行させると共に、ベリファイ処理の開始後に前記記録アクセス用設定部の設定動作の残部をベリファイ処理と並行して実行させることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できるときのみならず、それができない場合にも、ベリファイ処理と記録アクセス用設定とが並行して実行されることになる。これにより、ベリファイ処理の時間を最大限利用して、記録用設定を行うための遅延時間を大幅に削減できる。よって、アクセスに必要となるオーバヘッドを大幅に削減でき、ベリファイ・記録連続アクセス方式を適用したライト・アンド・ベリファイ処理における全体の記録時間を大幅に短縮することができる。
【0035】
上記の構成において、前記記録設定並行実施判定部は、前記記録部と前記ベリファイ部とがアクセスする速度情報を用いて前記判定の処理を行うことが好ましい。
【0036】
この場合、情報記録媒体の回転速度に応じた正確な判定が可能となり、高速にデータの記録・ベリファイを行うことができる。
【0037】
上記の構成において、前記記録設定並行実施判定部は、記録、又は、ベリファイを行う情報記録媒体上の半径位置に基づいて前記判定の処理を行うことが好ましい。
【0038】
この場合、アクセスする情報記録媒体の半径位置に応じた正確な判定処理が可能となり、高速にデータの記録・ベリファイを行うことができる。
【0039】
上記の構成において、データを一時格納するためのデータバッファを更に含み、前記記録設定並行実施判定部は、前記データバッファのサイズ情報を用いて前記判定の処理を行う構成とすることが好ましい。
【0040】
この場合、バッファサイズに応じた正確な判定処理が可能となり、高速にデータの記録・ベリファイを行うことができる。
【0041】
上記の構成において、前記記録設定並行実施判定部は、前記データバッファのサイズに基づいて算出される1回の連続ベリファイアクセス長を算出し、前記連続ベリファイアクセス長のアクセス時間と、記録アクセス用設定に必要な時間とを比較することで前記判定の処理を行うことが好ましい。
【0042】
この場合、アクセス時間と設定時間の比較による正確な判定処理が可能となり、高速にデータの記録・ベリファイを行うことができる。
【0043】
上記の構成において、前記記録設定並行実施判定部は、時間を計測するためのタイマをさらに含み、前記タイマを用いて記録アクセス用設定に要した時間を測定した結果に基づいて、記録アクセス用設定に必要な時間を算出することが好ましい。
【0044】
この場合、タイマによって測定された時間を用いた正確な判定処理が可能となり、高速にデータの記録・ベリファイを行うことができる。
【0045】
上記の構成において、アクセスのために光学ヘッドを移動させる際の目標位置を補正するヘッド移動目標位置補正部を更に備え、前記ヘッド移動目標位置補正部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合よりも前方位置となるようにヘッドの移動目標位置を補正することが好ましい。
【0046】
上記の構成において、前方とは、記録方向の上流側を意味する。この場合、記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できない場合に、それが完了できる場合よりもヘッドの移動目標位置が前方位置へと補正されるので、情報記録媒体の回転待ちが減少するようにアクセス可能となり、データの記録・ベリファイ処理を高速化できる。
【0047】
上記の構成において、前記ヘッド移動目標位置補正部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、記録アクセス用設定に要する時間とベリファイを実行する領域の線速度とから算出される量だけ、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合より前方位置となるようにヘッドの移動目標位置を補正することが好ましい。
【0048】
この場合、ヘッド移動目標位置補正部は、記録アクセス用設定に要する時間とベリファイを実行する領域の線速度とに基づいて、光学ヘッドを移動させる際の目標位置の補正量を算出する。そして、記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できない場合に、それが完了できる場合よりも、算出された補正量だけヘッドの移動目標位置が前方位置へと補正されるので、情報記録媒体の回転待ちが最小となるようにアクセス可能となり、データの記録・ベリファイ処理をより高速化できる。
【0049】
上記の構成において、アクセスのために光学ヘッドを移動させる際の目標位置を補正するヘッド移動目標位置補正部を更に備え、前記ヘッド移動目標位置補正部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、前記差分時間とベリファイを実行する領域の線速度とから算出される量だけ、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合より前方位置となるようにヘッドの移動目標位置を補正することが好ましい。
【0050】
この場合、ヘッド移動目標位置補正部は、記録アクセス用設定時間とベリファイ実行時間との差分時間、およびベリファイを実行する領域の線速度に基づいて、光学ヘッドを移動させる際の目標位置の補正量を算出する。そして、記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できない場合に、それが完了できる場合よりも、算出された補正量だけヘッドの移動目標位置が前方位置へと補正されるので、情報記録媒体の回転待ちが最小となるようにアクセス可能となり、データの記録・ベリファイ処理をより高速化できる。
【0051】
本発明の他の局面に係る情報記録方法は、上記の目的を達成するために、情報記録媒体にデータを記録する記録処理を行う記録ステップと、前記記録ステップで記録したデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイステップと、前記記録ステップにおいて記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録ステップに先立って行う記録アクセス用設定ステップと、記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するよう制御する連続記録制御ステップと、を含み、前記ベリファイステップと前記記録アクセス用設定ステップとが並行して実施されることを特徴としている。
【0052】
この場合、記録用設定を行うための遅延時間が削減され、アクセスに必要となるオーバヘッドが削減できる。結果として、ライト・アンド・ベリファイで情報記録媒体にデータを記録する際の全体の記録時間を大幅に短縮することが可能となり、高速にデータの記録を行うことができる。
【0053】
本発明のさらに他の局面に係る集積回路は、情報記録媒体にデータを記録する記録処理を行う記録部と、前記記録部によって記録されたデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイ部と、前記記録部が記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録処理に先立って行う記録アクセス用設定部と、を含む情報記録装置を制御するための集積回路であって、記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するように、前記ベリファイ部と前記記録部とを制御する回路と、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、次に記録するデータの記録処理に必要な設定を並行して設定するように前記記録アクセス用設定部を制御する回路とを含むことを特徴としている。
【0054】
これにより、ライト・アンド・ベリファイで情報記録媒体にデータを記録する際の全体の記録時間を大幅に短縮することを可能とする集積回路が実現できる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、ライト・アンド・ベリファイで情報記録媒体にデータを記録する際の全体の記録時間を大幅に短縮することが可能となり、高速にデータの記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態における情報記録装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の情報記録装置における全体処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態におけるデータ記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態におけるベリファイ・記録連続アクセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における記録用設定の並行実施判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態におけるベリファイ・記録連続アクセス処理の一例を説明するための説明図である。
【図7】本実施の形態におけるベリファイ・記録連続アクセス処理の他の例を説明するための説明図である。
【図8】本実施の形態におけるベリファイ・記録連続アクセス処理のさらに他の例を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施の形態における記録用設定の同時並行実施判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態におけるベリファイ・記録連続アクセス処理の他の例を示すフローチャートである。
【図11】従来のライト・アンド・ベリファイ処理を説明するための説明図である。
【図12】従来のベリファイ・記録連続アクセス処理を説明するための説明図である。
【図13】従来のシーク処理中に発生する各種時間遅延を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0058】
図1は、本実施の形態に係る情報記録装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、情報記録装置1は、光ヘッド3、ディスクモータ4、サーボ制御部5、バッファメモリ6、インターフェース制御回路7、ディスクアクセス部10、記録アクセス用設定部20及び連続記録制御部30を備える。
【0059】
光ヘッド3は、光ディスク2上に照射する光スポット位置を移動するための移動機構を保持する。ディスクモータ4は、光ディスク2を回転させる。サーボ制御部5は、光ヘッド3及びディスクモータ4を制御して、回転数、フォーカス、トラッキング及びシーク動作等を最適に制御する。バッファメモリ6は、記録データや再生データを一時的に格納するためのメモリである。インターフェース制御回路7は、ホストコンピュータ8との間で、予め決められたプロトコルに従って制御情報やデータの送受信を実行する。なお、ホストコンピュータ8は、情報記録装置1の上位制御部として、データの記録や再生を情報記録装置1へ指示するものである。ディスクアクセス部10は、光ディスク2にデータの記録やベリファイを実行するためのアクセス部である。
【0060】
ディスクアクセス部10は、記録部11と、記録データを読み出して確認を行うベリファイ部12とを備える。記録アクセス用設定部20は記録に必要な設定や制御を実行するもので、回転制御切替え部21、記録発光条件設定部22、及びレーザ制御回路切替え部23を備える。回転制御切替え部21は、サーボ制御部5と通信して、ディスクモータ4の制御モードを切り替える。記録発光条件設定部22は、記録レーザパワーや記録時の発光波形(記録ストラテジ)等をサーボ制御部5に設定する。レーザ制御回路切替え部23は、光ヘッド3内に包含されるレーザ制御回路(不図示)のモードを記録可能な状態に切り替えるよう、サーボ制御部5に設定する。
【0061】
連続記録制御部30は、ディスクアクセス部10や記録アクセス用設定部20に指示を送出して、ベリファイ・記録連続アクセスによる一連の記録処理を実行する。また、連続記録制御部30は、ベリファイ・記録連続アクセス方式による記録において、ベリファイ部12が所定量のベリファイ処理を完了した後の後続領域への連続記録動作において、記録のための設定が完了していない状態で記録を行うことを抑制する。そのため、連続記録制御部30は、ベリファイ部12にベリファイ動作の開始を指示する時点では、記録部11に記録の抑制を指示しておく。その後に、連続記録制御部30は、記録アクセス用設定部20に問い合わせ、記録アクセス用設定が全て完了していることを確認した後、記録の許可を記録部11に通知する。連続記録制御部30は、記録設定並行実施判定部32及びヘッド移動目標位置補正部33をさらに備えている。
【0062】
記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ・記録連続アクセス方式での記録動作において、ベリファイ部12が所定量のベリファイ動作を完了した後、後続の記録を行うべき領域の始端に到達するまでに、記録用の設定が完了するか否かを、ベリファイアクセスを開始する前に予測する。この記録設定並行実施判定部32による予測処理は、例えば、ベリファイ部12がベリファイ動作を開始してから、ベリファイ部12がベリファイ動作を完了して記録部11が記録処理を開始するタイミングまでの時間と、記録アクセス用設定部20が記録のための設定処理に要する時間との比較により行う。ヘッド移動目標位置補正部33は、ベリファイ動作を開始するディスク上の位置へ光ヘッド3を移動する際の目標位置を補正する。
【0063】
具体的には、記録設定並行実施判定部32が、遅延を生じることなくベリファイ動作とベリファイ動作後の情報記録に必要な設定とを並行して実行できないと判定した場合は、記録に必要な設定処理を実行する時間分(に相当する、光ディスク2上の領域サイズ分)だけ前方となるように、移動目標位置を補正する。
【0064】
次に、本発明の実施の形態における情報記録装置1が記録を行う手順について、図2ないし図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図2及び図3は、ベリファイ・記録連続アクセス方式の一般的な工程を説明するものであり、図4は、ベリファイ・記録連続アクセス方式における本実施の形態の特徴的工程を説明するものである。
【0065】
まず、図2のフローチャートを参照し、本発明の実施の形態の情報記録装置1におけるベリファイ・記録連続アクセス処理の全体の工程を説明する。
【0066】
まず、ステップS1において、情報記録装置1は、インターフェース制御回路7を介してホストコンピュータ8から記録対象のデータ(以下、記録データと称する)の記録指示を受領すると共に、当該記録データをバッファメモリ6に転送する。記録データがバッファメモリ6に転送されると、インターフェース制御回路7は、バッファメモリ6に格納された記録データを記録するよう連続記録制御部30に指示する。上記インターフェース制御回路7からの指示により、連続記録制御部30は、ディスクアクセス部10に、バッファメモリ6内に格納された記録データを記録するように指示する。上記連続記録制御部30からの指示により、ディスクアクセス部10内の記録部11は、光ヘッド3を制御し、要求のあった記録データを光ディスク2に記録する。本処理の詳細については、後に図3のフローチャートを参照し説明する。
【0067】
通常、ライト・アンド・ベリファイ処理によりデータを記録する場合、1回に連続して記録/ベリファイするデータ長は、バッファメモリ6に格納可能なデータサイズとなる。なぜならば、バッファメモリ6に格納されたデータは、記録に続いて実施されるベリファイ処理によって、データが正常に記録できたことを確認できるまでは、破棄することができないためである。結果として、バッファメモリ6上の空き領域がないために、後続の記録データを受領することができない。そこで、バッファメモリ6内に格納されているすべての記録データの記録が完了すると、S2に移行する。
【0068】
ステップS2では、連続記録制御部30は、ディスクアクセス部10の記録部11から記録指示のあった記録データを全て記録完了したことを通知されると、ディスクアクセス部10のベリファイ部12に、上記ステップS1で記録した領域から情報が正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うよう指示し、記録データの検査を行う。ここで、ベリファイ部12は、光ヘッド3を制御して、上記ステップS1で記録した領域から情報が再生できることを確認する。ベリファイ部12は、記録データが正常に再生できることを確認すると、エラー訂正単位毎にその旨を連続記録制御部30に通知する。このベリファイ部12からの通知を受けて、連続記録制御部30は、正常に再生できることを確認できた記録データをバッファメモリ6内の記憶領域から破棄すると共に、インターフェース制御回路7に対し、破棄した記憶領域に後続の記録データを転送するように指示する。インターフェース制御回路7は、ホストコンピュータ8から後続の記録データを受領して、バッファメモリ6の空き領域に当該記録データを転送する。
【0069】
このように、ステップS1で光ディスク2に記録された記録データのうち、ベリファイ処理が完了した記録データが順次バッファメモリ6から破棄される。代わりに、ステップS1で記録された光ディスク2の領域の後続領域に記録すべき記録データが、バッファメモリ6に順次格納される。連続記録制御部30は、ベリファイ部12からステップS1で記録された全ての記録データのベリファイ処理が完了した旨の通知を受けると、記録部11に、後続領域へ記録すべき記録データの記録処理を開始するように指示する。ここで、記録部11は、ベリファイ処理が完了した直後の光ディスク2の領域から記録を開始するように光ヘッド3を制御する。記録部11は、バッファメモリ6に格納された記録データを全て記録し終わると記録を停止し、連続記録制御部30に通知する。連続記録制御部30は、ディスクアクセス部10のベリファイ部12に当該領域のベリファイ処理を行うよう指示する。以上の処理を繰り返して、ホストコンピュータ8から記録を要求された記録データの記録処理とベリファイ処理とを実行する。バッファメモリ6内の記録データを全ての記録し、且つベリファイし終わると、ステップS3に移行する。
【0070】
なお、上記ステップS2の処理の詳細な手順については、図4のフローチャートを参照し、後に説明する。
【0071】
次に、ステップS3では、連続記録制御部30は、ホストコンピュータ8から記録を要求された新たな記録データ(記録要求データ)があるか否かをインターフェース制御回路7に確認する。インターフェース制御回路7が、新たな記録要求データがないことを検出した場合(S3でNO)、全ての記録データの記録処理及び当該記録データのベリファイ処理が完了したと判定し、図2のルーチンを終了する。一方、インターフェース制御回路7が新たな記録要求データがあることを検出した場合(S3でYES)、再びS1に移行して、データの記録処理を実行する。
【0072】
図3は、図2のステップ(S1)としてのサブルーチンを示すものであり、光ディスク2にバッファメモリ6上のデータを記録する場合の処理手順をより詳細に記述したフローチャートである。以下、図3のフローチャートの処理手順に沿って説明する。尚、図2の(S1)にて既に説明した内容については重複するので、その説明を省略する。
【0073】
まず、ステップS11において、連続記録制御部30から記録指示を受けた記録部11は、光ヘッド3が位置する光ディスク2上の位置情報である現在アドレス情報を取得する。
【0074】
次に、ステップS12では、記録部11は、ステップS11で取得した現在アドレスから、光ヘッド3を現在の位置から目的位置(データを記録する領域の開始位置手前)まで移動させる必要があるか否かを判定する。すなわち、光ヘッド3が、データを記録する領域の開始位置手前の領域(移動が不要な領域)に既に位置しているか否かを判定する。記録部11は、光ヘッド3が既にデータを記録する領域の手前に位置しており、光ヘッド3の移動が不要と判定した場合は(S12でYES)、シーク処理が完了したことを連続記録制御部30に通知して、ステップS15に移行する。一方、記録部11は、光ヘッド3の移動が必要と判定した場合は(S12でNO)、ステップS13へ移行し、光ヘッド3を移動させるべきトラック本数を算出する。
【0075】
ステップS13では、記録部11は、ステップS11で取得した現在アドレスと、記録を行う領域の先頭アドレスとの差から、移動すべきトラック本数を算出する。トラック本数の計算は、例えば、現在アドレスと目標アドレス(記録領域の先頭アドレス)との差を、1トラック辺りのセクタ数で割ることで算出することができる。また、ディスクの原点からトラックピッチ毎にトラックがあるとして算出されるトラック位置を、現在アドレスと記録を開始するアドレスのそれぞれについて計算し、これらの差分から算出することも可能である。
【0076】
そして、ステップS14において、記録部11は、ステップS13で算出したトラック本数分だけ光ヘッド3を移動するように、サーボ制御部5に指示する。また、ディスクモータ4の回転制御モードが光ディスク2から再生される信号と同期するCLV制御モードであれば、記録部11は、サーボ制御部5に対し、基準クロックに同期して一定回転となるよう制御する基準クロック制御モードに切替えるよう指示する。これは、光ヘッド3の移動中において、光ディスク2から正しく同期信号が再生できなくなることに起因して、ディスクモータ4が異常回転状態となることを防止するためである。光ヘッド3の移動が完了すると、前記ステップS11に移行し、記録部11が再び現在アドレスを取得する。
【0077】
ステップS15では、連続記録制御部30は、記録部11からシーク処理の完了が通知されると、記録を行うために必要となる記録前設定処理を実行するように、記録アクセス用設定部20に指示する。以下、ステップS15における記録アクセス用設定部20の各種処理を説明する。
【0078】
記録アクセス用設定部20内の回転制御切替え部21は、記録用の設定を行うために、ディスクモータ4の制御モードをCLV制御モードで制御するようにサーボ制御部5に指示する。このとき、サーボ制御部5は、現在アドレスの既定の回転数となるようにディスクモータ4を制御した後、光ディスク2から再生される基準信号を用いた制御に切り替える。
【0079】
続いて、記録アクセス用設定部20内の記録発光条件設定部22が、後に記録を実行する領域の倍速や半径位置に最適なレーザパワー及び発光波形パラメータ(記録ストラテジ)を設定する。記録発光条件設定部22は、記録に先立って記録キャリブレーションによって最適な記録パワー及び記録ストラテジを取得しており、取得したこれらのデータに基づいて、記録領域のアドレスに最適なパラメータを算出する。記録発光条件設定部22は、算出したパラメータをサーボ制御部5に通知する。サーボ制御部5は、記録に先立って光ヘッド3の設定を行う。
【0080】
続いて、記録アクセス用設定部20内のレーザ制御回路切替え部23は、光ヘッド3内に包含されるレーザ制御回路(図略)を記録可能なモードに切り替えるように、サーボ制御部5に指示する。サーボ制御部5は、記録に先立って、光ヘッド3に対して、レーザ制御回路を記録用モードに切り替えるように指示する。
【0081】
以上の記録に必要な設定処理を全て完了すると、記録アクセス用設定部20は、記録用の設定が完了したことを連続記録制御部30に通知する。また、記録アクセス用制御部20(記録用サーボ制御パラメータ設定部)は、記録中に適用するサーボの設定を行うようにサーボ制御部5に指示する。記録中に適用するサーボの設定には、例えば、記録に適したフォーカス位置への変更、レーザが記録発光することによる戻り光量増加に対応させるためのアッテネータ設定等が含まれる。以上がステップS15の処理説明である。
【0082】
ステップS16において、連続記録制御部30は、記録アクセス用設定部20から記録用の設定処理が全て完了したことを通知されると、ディスクアクセス部10にデータの記録を開始するように指示する。ディスクアクセス部10の記録部11は、光ヘッド3の現在位置をモニターして、記録開始位置を検出すると同時に記録を開始する。記録開始と同時に、記録部11は、バッファメモリ6内のデータに対し、エラー訂正コードの付与や変調処理を行ったデータを光ヘッド3に送出する。光ヘッド3は受領した変調済データを、先に設定された記録発光条件にしたがってレーザ発光するように制御する。
【0083】
記録部11は、連続記録制御部30から指示された全ての記録が完了したか否かを確認する(S17)。全てのデータの記録が完了すると(S17でYES)、記録部11は、連続記録制御部30に記録が完了したことを通知して、記録処理を終了する。一方、全ての記録が完了していない場合は(S17でNO)、S16に戻り、全てのデータが記録完了するまで記録処理を実行する。
【0084】
以上の工程により、情報の記録処理が完了する。次に、本実施の形態の特徴的構成であるベリファイ・記録連続アクセス処理(図2における処理ステップ(S2))について、図4のフローチャートを参照し、説明する。
【0085】
まず、ステップS21で、連続記録制御部30内の記録設定並行実施判定部32は、記録用設定の並行実施判定処理を行う。すなわち、記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ処理実行中に記録のための設定処理が完了できるか否かを判定する。記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ処理実行中に記録のための設定処理が完了すると判定した場合は、記録用設定とベリファイ処理とを並行実施すると判定する。一方、記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ処理中に記録用設定処理が完了しないと判定した場合は、記録用設定とベリファイ処理とを並行実施しないと判定する。なお、本判定処理ついては、図5のフローチャートを参照し、後に詳細に説明する。
【0086】
次に、ステップS22においては、上記ステップS21の判定結果によって、ステップS23〜S25と、ステップS26〜S29とに、以降の処理が分岐される。すなわち、記録設定並行実施判定部32が記録用設定とベリファイ処理とを並行実施すると判定した場合(S22でYES)、ステップS23〜S25の処理へと移行する。このステップS23〜S25の処理を時系列で表した説明図を図6に示している。一方、記録設定並行実施判定部32が記録用設定とベリファイ処理とを並行実施しないと判定した場合(S22でNO)、ステップS26〜S29の処理へと移行する。このステップS26〜S29の処理を時系列で表した説明図を図7に示している。
【0087】
上記の図6および図7は、情報記録媒体の記録再生方向(アクセス方向)を横軸とし、時間を縦軸とした説明図であり、クラスタnからクラスタn+31までの32クラスタから構成されるBD(Blu−ray Disc)の記録領域に対し、情報を記録する例を示している。各クラスタは、BD等の光ディスクに記録するデータの記録・再生単位であり、エラー訂正の単位である。なお、ここでは32クラスタ毎に記録およびベリファイを行う例を示すが、これに限定されるものではなく、任意のクラスタ数毎に記録およびベリファイを行ってもよい。
【0088】
先ず、図4中のステップS23〜S25の処理を、図6も参照しながら、以下に説明する。
【0089】
連続記録制御部30は、記録が完了した領域のベリファイ処理を行うために、ディスクアクセス部10内のベリファイ部12にベリファイ処理の実行を指示する。この時、連続記録制御部30は、後続の連続記録処理を抑制状態(光ヘッド3が記録開始位置に到達しても記録を行わない状態)に設定する。そして、ディスクアクセス部10内のベリファイ部12は、光ヘッド3をベリファイ開始位置に移動させるシーク処理を実行する(S23)。このシーク処理については、既に図3において述べたS11〜S14の処理と同じであるため、その説明を省略する。
【0090】
ここで、本実施の形態の連続記録制御部30はヘッド移動目標位置補正部33を備えており、シーク処理における光ヘッド3の移動目標位置を補正可能となっている。ただし、上記S23では、ヘッド移動目標位置補正部33はベリファイ開始位置を目標とした通常通りの目標位置を設定し、ベリファイ部12は、光ヘッド3をベリファイ開始位置に移動するシーク処理を実行する。
【0091】
なお、前述の図12および図13に示した従来例においては、ベリファイ処理実行前のシーク処理の中に記録用設定処理等が含まれている旨を説明した。一方、本実施の形態に係るS23のシーク処理には記録用設定処理は含まれていないので、シーク処理は従来よりも短時間で完了する。
【0092】
次に、ベリファイ部12は、光ヘッド3の位置を確認し、当該光ヘッド3がベリファイの開始位置にあることを検出後、ベリファイ処理を起動する(S24)。このベリファイ処理では、光ディスク2のデータを読み出し、復調を行うと共に、エラー訂正処理を行い、記録されたデータが正しく再生できるか否かを確認する。なお、データが正しく再生できない場合は、記録処理のリトライ実施や欠陥交替処理などが実行されるが、本発明とは直接関係がないため、その説明は省略する。
【0093】
そして、ステップS25に移行し、上記のベリファイ処理と並行して、記録アクセス用設定部20は、記録に必要な各種設定処理(記録用設定処理)を実行する。本設定処理は、図3のS15と同じ処理内容であるため、その説明を省略する。
【0094】
ステップS23〜S25の処理においては、図6にも示すように、ベリファイ処理の時間を利用して、ベリファイ処理と記録用設定処理とを同時並行的に処理するので、記録用設定処理のためだけに処理時間を設ける必要がない。すなわち、記録用設定処理による遅延をなくすことができる。これにより、本実施の形態に係る情報記録装置1および情報記録方法は、ベリファイ・記録連続アクセス方式におけるベリファイ処理前のオーバヘッドを削減して、全体の記録時間を短縮することができるのである。
【0095】
次に、図4におけるステップS26〜S29の処理の概要を、図7を参照して説明する。記録処理の完了後に、記録用設定処理が実行される時間(T2)に基づいてベリファイ処理の開始位置よりも前方(記録方向の上流側)へ光ヘッド3を移動させるシーク処理が実行される。次に、光ヘッド3をベリファイ処理の開始位置方向へ移動させながら記録用設定処理が実行される。この記録用設定処理は、光ヘッド3がベリファイ処理の開始位置に到達するまでの時間内で完了する。そして、光ヘッド3がベリファイ処理の開始位置に到達したら、ベリファイ処理が実行される。以下に、図4におけるステップS26〜S29の処理の詳細を説明する。
【0096】
記録設定並行実施判定部32がベリファイ処理実行中に記録用設定が完了できないと判定した場合(S22でNO)、S26に移行し、ヘッド移動目標位置補正部33はシークの目標位置をベリファイ開始位置よりもさらに前方に補正を行い(S26)、ベリファイ部12に通知する。このとき、ヘッド移動目標位置補正部33が補正する補正量は、記録に必要な設定を全て実行する時間(T2)に基づいて決定される。すなわち、ヘッド移動目標位置補正部33は、記録アクセス用設定部20が記録に必要な設定を全て実行する時間(T2)中に光ヘッド3が通過するセクタ数分だけベリファイ開始位置よりもさらに前方となるように、光ヘッド3の移動目標位置を補正する。このように、ヘッド移動目標位置補正部33は、記録設定並行実施判定部32が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、記録に必要な設定を全て実行する時間(T2)とベリファイを実行する領域の線速度とから算出される量だけ、記録設定並行実施判定部32が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合より前方位置となるように、光ヘッド3の移動目標位置を補正するのである。
【0097】
そして、ベリファイ部12は、光ヘッド3を上記ステップS26で補正した移動目標位置に移動させるシーク処理を実行し(S27)、ステップS28に移行する。このシーク処理については、既に図3において述べたS11〜S14の処理と同様であるため、その説明を省略する。ステップS28では、ベリファイ処理に先行して、記録アクセス用設定部20が、記録に必要な各種設定処理(記録用設定処理)を実行する(S28)。記録用設定処理は、光ヘッド3がベリファイの開始位置に到達するまでに終了する。この記録用設定処理は、図3のS15と同じ処理内容であるため、その説明を省略する。そして、ベリファイ部12は、光ヘッド3がベリファイの開始位置にあることを検出後、ベリファイ処理を起動する(S29)。
【0098】
なお、上記S26〜S29の処理においても、連続記録制御部30は、ディスクアクセス部10内のベリファイ部12にベリファイ処理の実行を指示するとき、後続の連続記録処理を抑制状態(光ヘッド3が記録開始位置に到達しても記録を行わない状態)に設定している。
【0099】
上記のS25またはS29以降の処理を、以下に説明する。連続記録制御部30は、S25のベリファイと記録用設定の並行処理またはS29のベリファイ処理に引き続いて、後続領域に連続記録するデータがあるか否かを判定する(S30)。ここで、記録データがない場合は(S30でNO)、ステップS29に移行する。一方、記録データがある場合は(S30でYES)、ステップS32に移行する。
【0100】
記録データがない場合(S30でNO)、全てのデータの記録が完了していると判定し、連続記録制御部30は実行中のベリファイ処理の完了を確認した後(S31)、処理を終了する。
【0101】
一方、記録要求データが存在する場合(S30でYES)、連続記録制御部30は、ステップS25における記録に必要な各種の設定処理(記録用設定処理)が完了した後に、ベリファイ処理に引き続いて記録処理を行うことが可能か否かを判定する(S32)。ここで、例えば、ステップS25における記録用設定処理が完了する前にベリファイ処理が既に完了しており、光ヘッド3が記録開始位置を通過しているような場合は、既に記録処理の開始に間に合わないため、連続記録不可と判定する。一方、ステップS25における記録用設定処理が完了したときにベリファイ処理が実行途中で、光ヘッド3が記録開始位置に到達するまでに所定の時間的な余裕がある場合には、連続記録可能と判定する。連続記録制御部30が、連続記録可能と判定した場合は(S32でYES)、ステップS33に移行する。一方、連続記録不可と判定した場合は(S32でNO)、ステップS34に移行する。
【0102】
ベリファイ処理に引き続いて連続記録が可能な場合(S32でYES)、連続記録制御部30は記録部11に対し、ベリファイ処理が完了すると同時にベリファイを行った領域の後続領域に記録を行うように指示し(S33)、ステップS35へ移行する。
【0103】
一方、連続記録制御部30が連続記録不可と判定した場合は(S32でNO)、ステップS34で記録開始位置に対してシーク処理を実行した後、ステップS35へ移行する。このシーク処理については、既に図3において述べたS11〜S14の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0104】
ステップS35では、記録部11は、光ヘッド3の現在位置を確認し、記録開始位置を検出すると同時に記録を開始する。記録開始と同時に、記録部11は、バッファメモリ6内のデータに対し、エラー訂正コードの付与や変調処理を行ったデータを光ヘッド3に送出する。光ヘッド3は受領した変調済データを、先に設定された記録発光条件にしたがってレーザ発光するように制御する。
【0105】
次に、ステップS36で、連続記録制御部30は、バッファメモリ6に格納される全ての記録データが記録完了したか否かを確認する。全て記録完了したと判定した場合には(S36でYES)、上述の記録したデータの確認のためのベリファイ処理を実行するためにS21に移行する。一方、記録が完了していない場合は(S36でNO)、記録処理の完了を待つ。
【0106】
以上で、ベリファイ・記録連続アクセス処理の説明を終わる。
【0107】
上記の例では、情報を記録し、当該記録情報のベリファイ処理が完了した領域の直後の領域に記録を行う場合について説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されず、光ディスク2の回転待ち無く連続的にアクセス可能な構成であればよく、ベリファイ領域と記録領域との間に隙間があってもよい。例えば、上記ステップS33において、ベリファイ処理が完了した後、所定の隙間領域を光ヘッド3が通過した後に記録処理を開始するように制御しても良い。
【0108】
尚、上記の例では、ステップS25において記録アクセス用設定部20が、記録に必要な各種設定処理(記録用設定処理)を実行してから、ステップS32において連続記録が実行可能なタイミングか否かを判定する場合について説明した。しかしながら、本実施の形態は、これに限定されず、例えば、予め、連続記録を指示しておき、光ヘッド3が記録開始位置に到達するときに記録用設定処理が完了しているか否かを判定し、当該判定結果に基づいて記録開始を抑制するか又は記録開始を許可するかによって制御するような構成としても良い。この場合、光ヘッド3が記録開始位置に到達するときに記録用設定処理が完了していれば記録開始を許可する一方、記録用設定処理が完了していなければ記録開始を抑制する。
【0109】
本実施の形態の情報記録装置によれば、ステップS25における記録に必要な各種の設定処理が完了した後に、S32にて記録処理が間に合うかを確認しているため、記録に必要な設定が未完了の状態で記録を開始してしまうことがない。よって、常に記録品位の確保が可能となる。
【0110】
本実施の形態の情報記録装置によれば、S24のベリファイ処理を実行しつつ、S25の記録用の設定処理を並行実行することにより、ベリファイ処理のためのアクセス前に記録用設定を行うための遅延時間が削減され、アクセスに必要となるオーバヘッドが削減できる。結果として、ライト・アンド・ベリファイで情報記録媒体にデータを記録する際の記録時間を削減することが可能となる。
【0111】
本実施の形態の情報記録装置によれば、S21およびS22において、ベリファイと記録用設定処理が並行実施可能か否かを判定することにより、ベリファイ処理中に記録用設定処理が完了しない場合でも、ベリファイ・記録連続アクセスが実行可能となり、性能低下が最小限となる。すなわち、ベリファイと記録用設定処理が並行実施可能でない場合(S22でNO)、上述のS26〜S29の処理により、記録用設定処理をベリファイの前に実行するようにし、この場合でも、ベリファイ・記録連続アクセスを実行可能にしている。(もし、本判定がなければ、ベリファイと記録用設定処理とを並行実施したにもかかわらずベリファイ処理中に記録用設定が完了しない場合に、ベリファイ処理と記録処理とは分断され、ベリファイ処理と記録処理との間にS34のシーク処理が必要となり、パフォーマンス低下が発生する。)
【0112】
本実施の形態に係る情報記録装置1の構成によれば、ステップS26で、ヘッド移動目標位置補正部33が光ヘッド3の移動目標位置を補正するため、不要な回転待ち時間や、シークのリトライなどが発生することなく、常に最適な位置にシークすることが可能となる。
【0113】
図5は、上記ステップS21での記録用設定の並行実施判定処理の詳細工程を示すフローチャートである。以下、図5の各処理ステップに沿って、本実施の形態に係る記録用設定の並行実施判定処理を説明する。
【0114】
先ず、ステップS41において、連続記録制御部30内の記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ部12がベリファイを完了する時間を算出する。ここで、図2のステップS1で説明したとおり、1回の記録やベリファイの処理単位はバッファメモリ6に格納可能なデータサイズとなる。よって、記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ処理を実行する領域の倍速情報や半径位置から線速を算出し、バッファメモリ6に格納可能なサイズ分のセクタを該線速で通過した場合の時間を、ベリファイ実行時間(T1)として算出する。
【0115】
次に、ステップS42において、記録設定並行実施判定部32は、記録アクセス用設定部20が記録に必要な設定処理を実行する時間(T2)を算出する。本時間(T2)を算出するために、予め測定した時間情報を記録設定並行実施判定部32内の記憶領域に格納している。また、CPU(Central Processing Unit)によるソフトウェア処理の場合、CPUの使用率は線速が速いほど高くなる傾向がある。このような場合、記録に必要な設定処理を実行する時間(T2)は、線速が速くなるほどその時間が長くなる。よって、このような線速度依存性を補償するための時間係数や関数の情報を、記録設定並行実施判定部32内の記憶領域に併せて保持することで、より正確な設定時間を算出することができる。
【0116】
次に、ステップS43において、記録設定並行実施判定部32は、S41で算出したベリファイ実行時間(T1)と、S42で算出した記録のための設定時間(T2)との比較を行う。T1がT2よりも大きい場合(S43でYES)、すなわち、ベリファイ実行時間内に記録用の設定が完了できると判断した場合、S44に移行する。一方、T1よりもT2の方が大きいか又はT1とT2とが等しい場合、すなわち、ベリファイ実行時間内に記録用設定が完了できないと判断した場合、S45に移行する。
【0117】
なお、本実施の形態では、ベリファイ実行時間(T1)と記録のための設定時間(T2)との大小関係のみで判定している。しかし、実際には記録を開始するためには少し前から記録用のエラー訂正符号の付与といった処理を動作させておく必要がある。そこで、これらの処理を考慮しベリファイ実行時間内に記録用の設定が完了できるか否かを判断する構成としてもよい。すなわち、記録用のエラー訂正符号の付与等の処理に要する時間をT3とし、処理S43において、時間T1と、時間T2+T3とを比較して判定する構成としてもよい。
【0118】
次に、S43でT1がT2よりも大きく(S43でYES)、ベリファイ実行時間内に記録用の設定が完了できると判断した場合、S44で記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ処理と記録に必要な設定とを同時に実行可能であると判定する。一方、T1よりもT2の方が大きいか又はT1とT2とが等しく(S43でNO)、ベリファイ実行時間内に記録用設定が完了できないと判断した場合、ベリファイ処理と記録に必要な設定とを同時に実行不可能であると判定する(S45)。
【0119】
以上で、記録用設定の並行実施判定の説明を終了する。
【0120】
尚、本実施の形態では、S42において、予め測定しておいた設定時間を基に記録のための設定時間(T2)を算出するとしたが、これに限定されるものではなく、記録に必要な設定に要する時間が算出できればよいのであって、例えば、CPUのタイマーなどを利用して毎回の設定時間を測定してT2を算出してもよい。また、設定時間を毎回測定し、その測定結果を元に少しずつT2を補正していくような、適応型の制御を行っても良い。
【0121】
尚、本実施の形態では、S43においてT1とT2の大小関係から判定しているが、これらの情報を元に判定を行えばよいのであって、倍速毎に異なるパラメータを判定式に導入するなど、装置構成の実態に即して判定式を変更してもよい。
【0122】
以上に述べたように、本実施の形態の情報記録装置1によれば、ベリファイと記録用設定の各々に要する時間を見積もることで、正確に判定を行うことが可能となる。その結果、最も早く記録とベリファイが完了する制御方法を、正確に選択できるために、ライト・アンド・ベリファイ処理を高速化する効果がある。
【0123】
また、本発明の実施の形態に係る各機能ブロックは、典型的には、メモリに記憶されたソフトウェアをCPUが実行することによって実現されるが、集積回路であるLSIとして実現しても良い。各機能ブロックは個別に1チップ化されても良いし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。LSIに置き換わる集積回路化の技術としては、例えばバイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0124】
(実施の形態2)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同一の構成部材には同一の部材番号を付与し、その説明を省略する。
【0125】
実施の形態2に係る情報記録装置の基本的構成は、図1に示す情報記録装置1と同様であり、光ヘッド3、ディスクモータ4、サーボ制御部5、バッファメモリ6、インターフェース制御回路7、ディスクアクセス部10、記録アクセス用設定部20、及び連続記録制御部30を備える。
【0126】
先ず、実施の形態1と実施の形態2との相違を説明する。実施の形態1では、記録設定並行実施判定部32がベリファイ処理実行中に記録用設定処理が完了しないと判定した場合は、記録用設定処理とベリファイ処理とを並行実施しないと判定し(S21およびS22)、この場合、移動目標位置補正部33が、記録に必要な設定を全て実行する時間(T2)に基づいて、光ヘッド3のシークの目標位置をベリファイ開始位置よりもさらに前方(記録方向の上流側)に補正を行っている(S26)。これに対して、本実施の形態2では、記録設定並行実施判定部32がベリファイ処理実行中に記録用設定処理が完了しないと判定した場合であっても、記録用設定処理とベリファイ処理との並行実施を実行する。ただし、記録用設定処理時間(T2)がベリファイ処理実行時間(T1)以上であるために、ベリファイ処理の開始と同時に記録用設定処理を開始したのでは、ベリファイ処理実行中に記録用設定処理が完了しない。そこで、本実施の形態2では、記録用設定処理時間(T2)とベリファイ処理実行時間(T1)との差分時間(T2−T1)に基づいて、移動目標位置補正部33が光ヘッド3のシークの目標位置をベリファイ開始位置よりもさらに前方に補正するようになっている。そして、上記の差分時間(T2−T1)を考慮して記録用設定処理をベリファイ処理よりも早く開始し、ベリファイ処理が開始されてからはベリファイ処理と記録用設定処理とが並列実行されるようにしている。
【0127】
本実施の形態2の情報記録装置1に関し、記録設定並行実施判定部32がベリファイ処理実行中に記録用設定処理が完了しないと判定した場合におけるベリファイ・記録連続アクセス動作を、図8に示している。図8は、前述の図6および図7と同様、情報記録媒体の記録再生方向(アクセス方向)を横軸とし、時間を縦軸とした説明図である。図8に示すように、記録処理完了後のシークに関し、光ヘッド3がベリファイ開始位置よりも前方に移動する量は、実施の形態1よりも少なくなっている(図7参照)。また、ベリファイ処理と記録用設定処理とを同時に開始したのでは、ベリファイ処理実行中に記録用設定処理が完了しない場合であっても、上記差分時間(T2−T1)に基づいて記録用設定処理の開始タイミングとベリファイ処理の開始タイミングをずらすことによって、ベリファイ処理の時間を最大限利用し、記録用設定処理をベリファイ処理と並行してできるようにしている。これにより、本実施の形態2の情報記録装置1および情報記録方法は、アクセス前に記録用設定を行うための遅延時間が大幅に削減され、アクセスに必要となるオーバヘッドの削減効果が高い。
【0128】
本実施の形態2のベリファイ・記録連続アクセス動作においては、ベリファイ処理と記録用設定処理との並行処理を実行するか否かを判定するのではなく、ベリファイ処理と記録用設定処理とをほぼ同時に開始して両処理を並行実施(以下、同時並行実施という)するか、ベリファイ処理と記録用設定処理との開始タイミングをずらして両処理を並行実施するかを判定することになる。図9は、記録用設定の同時並行実施判定処理を示すフローチャートである。以下、図9を参照して、記録用設定の同時並行実施判定処理を説明する。
【0129】
先ず、連続記録制御部30内の記録設定並行実施判定部32は、ベリファイ部12がベリファイ実行時間(T1)を算出する(S51)。次に、記録設定並行実施判定部32は、記録アクセス用設定部20が記録に必要な設定処理を実行する時間(T2)を算出する(S52)。その後、記録設定並行実施判定部32は、T1がT2より大きいか否かを判断する(S53)。上記ステップS51〜S53は、図5のステップS41〜S43と同じ処理であるので、その説明を省略する。
【0130】
次に、T1がT2よりも大きく(S53でYES)、ベリファイ処理と記録用設定処理とを同時並行実施してもベリファイ実行時間内に記録用設定が完了できると判断した場合、記録設定並行実施判定部32は、両処理を同時並行実施可能であると判定する(S54)。一方、T1よりもT2の方が大きいか又はT1とT2とが等しく(S53でNO)、ベリファイ処理と記録用設定処理とを同時並行実施したのではベリファイ実行時間内に記録用設定が完了できないと判断した場合、両処理を同時並行実施不可能であると判定する(S55)。この場合、T2とT1との差分時間(T2−T1)に基づいて、移動目標位置補正部33が、光ヘッド3のシークの目標位置をベリファイ開始位置よりもさらに前方に補正する補正量を算出する(S56)。
【0131】
以上で、記録用設定の同時並行実施判定処理の説明を終了する。
【0132】
次に、本実施の形態2の特徴的構成であるベリファイ・記録連続アクセス処理について、図10のフローチャートを参照し、説明する。
【0133】
まず、ステップS61で、連続記録制御部30内の記録設定並行実施判定部32は、上述した記録用設定の同時並行実施判定処理を行う。次に、ステップS62においては、上記ステップS61の判定結果によって、ステップS23〜S25と、ステップS63〜S66とに、以降の処理が分岐される。すなわち、記録設定並行実施判定部32が記録用設定とベリファイ処理とを同時並行実施可能と判定した場合(S62でYES)、ステップS23〜S25の処理へと移行する。このステップS23〜S25の処理は、図4および図6を参照して実施の形態1にて既に説明した通りである。一方、記録設定並行実施判定部32が記録用設定とベリファイ処理とを同時並行実施できないと判定した場合(S62でNO)、ステップS63〜S66の処理へと移行する。このステップS63〜S66における処理を時系列で表した説明図が前述の図8である。以下、ステップの処理の詳細を説明する。
【0134】
ヘッド移動目標位置補正部33はシークの目標位置をベリファイ開始位置よりもさらに前方に補正を行い(S63)、ベリファイ部12に通知する。このとき、ヘッド移動目標位置補正部33が補正する補正量は、ベリファイ処理の実行時間(T1)と記録用設定処理の実行時間(T2)との差分時間(T2−T1)に基づいて決定される。すなわち、ヘッド移動目標位置補正部33は、上記差分時間(T2−T1)中に光ヘッド3が通過するセクタ数分だけベリファイ開始位置よりもさらに前方となるように、光ヘッド3の移動目標位置を補正する。このように、ヘッド移動目標位置補正部33は、記録設定並行実施判定部32が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、上記差分時間(T2−T1)とベリファイを実行する領域の線速度とから算出される量だけ、記録設定並行実施判定部32が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合より前方位置となるように、光ヘッド3の移動目標位置を補正するのである。このS63の処理は図9のS56の処理と実質同じであり、S56で算出した光ヘッド3の移動目標位置をそのまま使用するか、又はS56を省略できる。
【0135】
そして、ベリファイ部12は、光ヘッド3を上記ステップS63(又はS56)で補正した移動目標位置に移動させるシーク処理を実行し(S64)、ステップS65に移行する。このシーク処理については、既に図3において述べたS11〜S14の処理と同様であるため、その説明を省略する。ステップS65では、ベリファイ処理に先行して、記録アクセス用設定部20が、記録用設定処理の実行を開始する。この記録用設定処理は、図3のS15と同じ処理内容であるため、その説明を省略する。但し、本ステップS65においては、記録に必要な一連の設定処理(記録用設定処理)の実行を開始した後、当該記録用設定処理の完了を待たずに後続のS66に移行して、記録用設定処理とベリファイ処理とを並行実行する。すなわち、ベリファイ部12は、光ヘッド3がベリファイの開始位置にあることを検出したとき、ベリファイ処理の実行を開始する(S66)。ベリファイ処理の開始以降は、ベリファイ処理と記録用設定処理とが並行して実行されることになる。その後に実行されるS30以降の処理は、図4のフローチャートと同じであり、その説明を省略する。
【0136】
以上のように、本実施の形態2に係る情報記録装置1、情報記録方法または集積回路は、記録用設定とベリファイ処理とを同時並行実施できる場合のみならず、それができない場合にも、ベリファイ処理と記録用設定処理とが並行して実行されることになる。これにより、ベリファイ処理の時間を最大限利用して、記録用設定を行うための遅延時間を大幅に削減できる。よって、アクセスに必要となるオーバヘッドを大幅に削減でき、ベリファイ・記録連続アクセス方式を適用したライト・アンド・ベリファイ処理における全体の記録時間を大幅に短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明係る情報記録装置、情報記録方法及び集積回路は、データの信頼性が保証可能なライト・アンド・ベリファイ方式のデータ記録が可能な光ディスクドライブ装置などの用途に適用できる。
【0138】
なお、発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
【符号の説明】
【0139】
1 情報記録装置
3 光ヘッド
4 ディスクモータ
5 サーボ制御部
6 バッファメモリ
7 インターフェース制御回路
10 ディスクアクセス部
20 記録アクセス用設定部
21 回転制御切替え部
22 記録発光条件設定部
23 レーザ制御回路切替え部
30 連続記録制御部
32 記録設定並行実施判定部
33 ヘッド移動目標位置補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体にデータを記録する記録処理を行う記録部と、
前記記録部によって記録されたデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイ部と、
前記記録部が記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録処理に先立って行う記録アクセス用設定部と、
記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するように、前記ベリファイ部と前記記録部とを制御する連続記録制御部と、を含み、
前記連続記録制御部は、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、次に記録するデータの記録処理に必要な設定を並行して設定するように前記記録アクセス用設定部を制御することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記記録アクセス用設定部は、基準クロック信号に基づいて前記情報記録媒体の回転制御を行うCAV制御モードと、前記情報記録媒体から再生される信号に基づいて前記情報記録媒体の回転制御を行うCLV制御モードとの2つの回転制御モード間で切替え設定を行う回転制御切替え部をさらに含み、
前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記回転制御切替え部が、前記回転制御モードの設定をCLV制御モードに切替えることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記記録アクセス用設定部は、記録を行うレーザパワーまたは記録発光波形の制御情報を設定する記録発光条件設定部をさらに含み、
前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録発光条件設定部が、記録を行う領域に適するレーザパワーまたは記録発光波形となるように記録発光条件の設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記記録アクセス用設定部は、前記記録部に包含されるレーザ制御回路の制御状態を記録可能状態に遷移させる切替え設定を行うレーザ制御回路切替え部をさらに含み、
前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記レーザ制御回路切替え部が、前記レーザ制御回路の制御状態の設定を記録可能状態に切替えることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記記録アクセス用設定部は、サーボ制御パラメータの設定を記録用のパラメータに切替える記録用サーボ制御パラメータ設定部をさらに含み、
前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録用サーボ制御パラメータ設定部が記録用のサーボ制御パラメータの設定に切替えることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記連続記録制御部は、
前記記録アクセス用設定部が設定を完了するまでは、ベリファイ処理に続く連続記録を実行しないように前記記録部の動作を抑制すると共に、
前記記録アクセス用設定部が設定を完了した後は、ベリファイ処理に続く連続記録を許可するように前記記録部を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記連続記録制御部は、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録アクセス用設定部が記録に必要な設定を完了できるか否かを判定する記録設定並行実施判定部を更に包含し、
前記連続記録制御部は、
前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判定したとき、前記記録アクセス用設定部の設定動作をベリファイ処理と並行して実行させる一方、
前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判定したとき、前記記録アクセス用設定部の設定動作をベリファイ処理に先立って実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記連続記録制御部は、前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、前記記録アクセス用設定部が記録に必要な設定を完了できるか否かを判定する記録設定並行実施判定部を更に包含し、
前記連続記録制御部は、
前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判定したとき、前記記録アクセス用設定部の設定動作の全てをベリファイ処理と並行して実行させる一方、
前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判定したとき、記録アクセス用設定時間とベリファイ実行時間との差分時間に基づいて前記記録アクセス用設定部の設定動作の一部をベリファイ処理に先立って実行させると共に、ベリファイ処理の開始後に前記記録アクセス用設定部の設定動作の残部をベリファイ処理と並行して実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項9】
前記記録設定並行実施判定部は、前記記録部と前記ベリファイ部とがアクセスする速度情報を用いて前記判定の処理を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の情報記録装置。
【請求項10】
前記記録設定並行実施判定部は、記録、又は、ベリファイを行う情報記録媒体上の半径位置に基づいて前記判定の処理を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の情報記録装置。
【請求項11】
データを一時格納するためのデータバッファを更に含み、
前記記録設定並行実施判定部は、前記データバッファのサイズ情報を用いて前記判定の処理を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の情報記録装置。
【請求項12】
前記記録設定並行実施判定部は、前記データバッファのサイズに基づいて算出される1回の連続ベリファイアクセス長を算出し、前記連続ベリファイアクセス長のアクセス時間と、記録アクセス用設定に必要な時間とを比較することで前記判定の処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。
【請求項13】
前記記録設定並行実施判定部は、時間を計測するためのタイマをさらに含み、前記タイマを用いて記録アクセス用設定に要した時間を測定した結果に基づいて、記録アクセス用設定に必要な時間を算出することを特徴とする請求項12に記載の情報記録装置。
【請求項14】
アクセスのために光学ヘッドを移動させる際の目標位置を補正するヘッド移動目標位置補正部を更に備え、
前記ヘッド移動目標位置補正部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合よりも前方位置となるようにヘッドの移動目標位置を補正することを特徴とする請求項7に記載の情報記録装置。
【請求項15】
前記ヘッド移動目標位置補正部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、記録アクセス用設定に要する時間とベリファイを実行する領域の線速度とから算出される量だけ、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合より前方位置となるようにヘッドの移動目標位置を補正することを特徴とする請求項14に記載の情報記録装置。
【請求項16】
アクセスのために光学ヘッドを移動させる際の目標位置を補正するヘッド移動目標位置補正部を更に備え、
前記ヘッド移動目標位置補正部は、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できないと判断した場合に、前記差分時間とベリファイを実行する領域の線速度とから算出される量だけ、前記記録設定並行実施判定部が記録に必要な設定をベリファイ処理中に完了できると判断した場合より前方位置となるようにヘッドの移動目標位置を補正することを特徴とする請求項8に記載の情報記録装置。
【請求項17】
情報記録媒体にデータを記録する記録処理を行う記録ステップと、
前記記録ステップで記録したデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイステップと、
前記記録ステップにおいて記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録ステップに先立って行う記録アクセス用設定ステップと、
記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するよう制御する連続記録制御ステップと、を含み、
前記ベリファイステップと前記記録アクセス用設定ステップとが並行して実施されることを特徴とする情報記録方法。
【請求項18】
情報記録媒体にデータを記録する記録処理を行う記録部と、前記記録部によって記録されたデータが正しく再生できることを確認するベリファイ処理を行うベリファイ部と、前記記録部が記録処理を実行する間に適用される設定を、前記記録処理に先立って行う記録アクセス用設定部と、を含む情報記録装置を制御するための集積回路であって、
記録されたデータのベリファイ処理と次に記録するデータの記録処理とを連続して実行するように、前記ベリファイ部と前記記録部とを制御する回路と、
前記ベリファイ部がベリファイ処理を実行している間に、次に記録するデータの記録処理に必要な設定を並行して設定するように前記記録アクセス用設定部を制御する回路と、を含むことを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−267367(P2010−267367A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89669(P2010−89669)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】