説明

情報記録装置及びプログラム

【課題】特別なスイッチ操作を行わなくても複数の記録方式のいずれかに切り替えて情報を記録できるようにする。
【解決手段】制御部1は、複数の入力部(カメラ部8A、8B、あるいは録音マイク9A、9B)が縦並びとなる状態であるか横並びとなる状態であるかを検出する向き検出部10の検出結果に基づいて、複数の記録方式(2D画像記録方式/3D画像記録方式、低精細画像記録方式/高精細画像記録方式、モノラル音声記録方式ステレオ音声記録方式)のいずれかに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う情報記録装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面状の表示部に画像(静止画、動画)などの表示情報を3D(三次元)表示する技術としては、例えば、互いに少しずらした右目用の表示情報と左目用の表示情報を同時に表示させる際に、右眼用の表示情報は右眼で見えて左眼では見えないようにし、左眼用の表示情報は左眼で見えて右眼では見えないようにするために光の経路を遮断する視差バリアを適切な位置に配置することによって、静止画、動画などの表示情報を立体に見せるようにした技術がある。
また、3D撮影が可能なカメラ装置としては、所定間隔を空けて2台のカメラを配置し、同一の被写体を同時に撮影することによって右眼用の画像と左眼用の画像を個々に再生することによって立体映像を得るようにした技術がある。この場合、3D静止画と2D静止画の撮影が可能とした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−317425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように上述した先行技術にあっては、視差を利用して立体映像を得るようにしているため、3D画像の撮影が可能な撮影手段を備えたカメラ装置で3D画像の撮影を行う場合には、上述した2台のカメラが左右の眼のように所定間隔を空けて横並びの状態(例えば、略水平に並んでいる状態)となるように筐体の向きを変更してから切換スイッチを操作して3D方式による撮影に切り替える必要があった。
【0005】
本発明の課題は、特別なスイッチ操作を行わなくても複数の記録方式のいずれかに切り替えて情報を記録できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う情報記録装置であって、記録対象の情報を入力する複数の入力部を備えた入力手段と、前記複数の入力部が縦並びとなる状態であるか横並びとなる状態であるかを検出する検出手段と、前記複数の入力部の各々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された2D画像を記録する2D画像記録方式と、前記カメラ部によって撮影された3D画像を記録する3D画像記録方式であり、前記検出手段は、前記複数のカメラ部が横並びとなる状態と縦並びとなる状態を検出し、前記制御手段は、前記複数のカメラ部が縦並びとなる状態が検出された場合に前記2D画像記録方式に切り替え、横並びとなる状態が検出された場合に前記3D画像記録方式に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項2に従属する発明として、前記入力手段は、前記制御手段によって2D画像記録方式に切り替えられた場合に、前記複数のカメラ部のうちそのいずれか一方を有効にする、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された低精細画像を記録する低精細画記録方式と、前記カメラ部によって撮影された高精細画像を記録する高精細画像記録方式であり、前記検出手段は、前記複数のカメラ部が横並びとなる状態と縦並びとなる状態を検出し、前記制御手段は、前記複数のカメラ部が縦並びとなる状態が検出された場合に前記低精細画記録方式に切り替え、横並びとなる状態が検出された場合に前記高精細画像記録方式に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記入力手段は、複数の録音マイクを前記複数の入力部として備え、前記複数の記録方式は、前記録音マイクから入力された音声をモノラル音声として記録するモノラル音声記録方式と、前記録音マイクから入力された音声をステレオ音声として記録するステレオ音声記録方式であり、前記検出手段は、前記録音マイクが横並びとなる状態と縦並びとなる状態を検出し、前記制御手段は、前記複数の録音マイクが縦並びとなる状態が検出された場合に前記モノラル音声記録方式に切り替え、横並びとなる状態が検出された場合に前記ステレオ音声記録方式に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、前記入力手段は、前記制御手段によって前記モノラル音声記録方式に切り替えられた場合に、前記複数の録音マイクのうちそのいずれか一方を有効にする、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段によって記録方式の切り替えが行われた場合に、その切り替えをユーザに確認させるための確認表示を行う確認表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、複数の記録方式のいずれかによって情報の記録が可能であるほか、筐体の形態に応じて複数のスタイルに変更可能な情報記録装置であって、記録対象の情報を入力する複数の入力部を備えた入力手段と、前記複数のスタイルのうち現在どのスタイルであるかを検出する検出手段と、前記複数の入力部の各々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項8に従属する発明として、前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された2D画像を記録する2D画像記録方式と、前記カメラ部によって撮影された3D画像を記録する3D画像記録方式であり、前記制御手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて、前記2D画像記録方式又は前記3D画像記録方式に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項9に従属する発明として、前記入力手段は、前記制御手段によって2D画像記録方式に切り替えられた場合に、前記複数のカメラ部のうちそのいずれか一方を有効にする、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項8に従属する発明として、前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された低精細画像を記録する低精細画記録方式と、前記カメラ部によって撮影された高精細画像を記録する高精細画像記録方式であり、前記制御手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて、前記低精細画記録方式又は前記高精細画像記録方式に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項8に従属する発明として、前記入力手段は、複数の録音マイクを前記複数の入力部として備え、前記複数の記録方式は、前記録音マイクから入力された音声をモノラル音声として記録するモノラル音声記録方式と、前記録音マイクから入力された音声をステレオ音声として記録するステレオ音声記録方式であり、前記制御手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて、前記モノラル音声記録方式又は前記ステレオ音声記録方式に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項12に従属する発明として、前記入力手段は、前記制御手段によって前記モノラル音声記録方式に切り替えられた場合に、前記複数の録音マイクのうちそのいずれか一方を有効にする、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項8に従属する発明として、当該情報記録装置は、表示部を備える表示部筐体と操作部を備える操作部筐体とを有し、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開閉可能に取り付けると共に、前記操作部筐体に対して前記表示部筐体をその表裏が反転可能に取り付けてなり、 前記複数のスタイルのうちその一つは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開いた状態で前記表示部及び前記操作部が露出した状態となるスタイルであり、少なくとも他の一つのスタイルは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを閉じた状態で前記表示部が露出し、かつ前記操作部が隠れた状態となるスタイルである、ことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項14に従属する発明として、前記表示部筐体を閉じた状態で前記表示部が露出し、かつ前記操作部が隠れた状態となるスタイルにおいて、縦横比の異なる前記表示部の向きが横長表示となる状態の場合に、前記複数の入力部は横並び状態となるように配設されている、ことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0021】
請求項8に従属する発明として、当該情報記録装置は、表示部を備える表示部筐体と操作部を備える操作部筐体とを有し、前記操作部筐体と前記表示部筐体とをスライド可能に取り付けてなり、前記複数の入力部のうちその一方の入力部を前記表示部筐体の背面に配設し、他方の入力部は、前記操作部筐体の背面に配設し、前記複数のスタイルのうちその一つは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを閉じた状態で前記操作部の背面に配設した前記入力部が露出した状態となるスタイルであり、少なくとも他の一つのスタイルは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開いた状態で当該操作部筐体及び表示部筐体の背面に配設した前記入力部がそれぞれ露出した状態となるスタイルである、ことを特徴とする請求項16記載の発明であってもよい。
【0022】
請求項16に従属する発明として、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開いた状態で当該操作部筐体及び表示部筐体の背面に配設した前記入力部がそれぞれ露出した状態となるスタイルにおいて、縦横比の異なる前記表示部の向きが横長表示となる状態の場合に、前記複数の入力部は横並び状態となるように配設されている、ようにしたことを特徴とする請求項17記載の発明であってもよい。
【0023】
請求項8に従属する発明として、前記制御手段よって記録方式の切り替えが行われた場合に、その切り替えをユーザに確認させるための確認表示を行う確認表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項18記載の発明であってもよい。
【0024】
また、上述した課題を解決するために請求項19記載の発明は、コンピュータに対して、複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う機能と、記録対象の情報を入力する複数の入力部が縦並びとなる状態であるか横並びとなる状態であるかを検出する機能と、前記複数の入力部の個々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0025】
また、上述した課題を解決するために請求項20記載の発明は、コンピュータに対して、複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う機能と、筐体の形態に応じて変更可能な複数のスタイルのうち現在どのスタイルであるかを検出する機能と、前記複数の入力部の各々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、特別なスイッチ操作を行わなくても複数の記録方式のいずれかに切り替えて情報を記録することができ、操作性及び利便性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】情報記録装置として適用した携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】携帯電話機の外観図で、(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)の正面図及び背面図を示し、(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)の正面図及び背面図を示した図。
【図3】撮影フラグFを説明するための図。
【図4】電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。
【図5】図4に続く動作を示したフローチャート。
【図6】第1実施形態の変形応用例を説明するための携帯電話機の外観図で、(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)の正面図及び背面図を示し、(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)の正面図及び背面図を示した図。
【図7】第2実施形態における携帯電話機の外観図で、(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)の正面図及び背面図を示し、(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)の正面図及び背面図を示した図。
【図8】第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。
【図9】図8に続く動作を示したフローチャート。
【図10】第2実施形態の変形応用例を説明するための図で、(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)の正面図及び背面図を示し、(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)の正面図及び背面図を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態1)
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、情報記録装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話機は、2つの筐体(後述する表示部筐体と操作部筐体)を折り畳み自在(開閉自在)に取り付けた折り畳みタイプで、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、画像記録機能を構成するカメラ機能と、音声記録機能を構成する録音機能が備えられている。携帯電話機は、無線通信網(図示省略)に接続されると、他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となったり、電子メールの送受信が可能となったりする。また、携帯電話機は、無線通信網、インターネット(図示省略)を介してWebサイトをアクセスして閲覧可能となったりする。
【0029】
カメラ機能は、撮影された画像を記録する画像記録機能の構成要素であり、2D(二次元)画像の撮影及び3D(三次元)画像の撮影が可能なもので、2D画像の撮影か3D画像の撮影かをユーザ操作によって任意に切り替え可能のほか、後述するが、筐体の向き(表示部の向き)に応じて切り替え可能となっている。録音機能は、外部から入力された音声を記録する音声記録機能の構成要素であり、入力音声をモノラル音声記録方式によって録音したり、ステレオ音声記録方式によって録音したりすることが可能なもので、モノラル音声記録方式による録音かステレオ音声録方式による録音かをユーザ操作によって任意に切り替え可能のほか、後述するが、筐体の向き(表示部の向き)に応じて切り替え可能となっている
【0030】
制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御するもので、この制御部1にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4及び図5に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部3のデータ領域には、フラグ情報(後述する撮影フラグF)、タイマ情報、この携帯電話機の動作に必要な各種の情報が一時記憶されている。
【0031】
通信部4は、音声通話機能の構成要素であり、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部5を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部5から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナATから発信出力させる。
【0032】
操作部6は、十字キー(決定キーや上下左右のカーソルキーなど)、数値キー、文字キー、シャッターキー、録音キーなど、各種の押し釦式のキーを備え、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部1は、操作部6からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理など、各種の処理を行う。表示部7は、例えば、高精細液晶や有機ELなどを使用したもので、日時情報、アイコン、文字データ、待受画像、撮影画像などを表示する。そして、表示部7の表示画面(表示領域)は、携帯電話機の筐体(表示部筐体)の表面周縁部を除き略表面全体に設けられたもので、例えば、640×360画素(16:9)のように縦横比の異なる画面構成となっている。
【0033】
撮像部8は、記録対象の情報を入力する入力手段としてのカメラ機能を構成するもので、撮像素子(例えば、CCDあるいはCMOS)を有し、静止画撮影のほかに動画撮影も可能となっている。そして、撮像部8は、撮影レンズ、ミラーなどのレンズ・ミラーブロック、照明用のフラッシュ、それらの駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備え、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランスなどを制御したりする。また、撮像部8は、被写体に応じて望遠/広角の切り替えができる2焦点式レンズやズームレンズを備え、焦点距離を可変する画角変更機構を作動させて望遠/広角やズーム撮影を行うようにしている。
【0034】
更に、撮像部8は、2D静止画撮影/2D動画撮影のほか、3D静止画撮影/3D動画撮影が可能なもので、3D静止画撮影/3D動画撮影用として、所定間隔を空けて左眼用のカメラ部(入力部)8Aと右眼用のカメラ部(入力部)8Bが備えられている。3D静止画撮影/3D動画撮影時には、カメラ部8A、8Bをそれぞれ駆動して同一の被写体を同時に撮影するようにしているが、2D静止画撮影/2D動画撮影時には、左眼用のカメラ部8A、右眼用のカメラ部8Bのいずれか一方を駆動して2D撮影を行うようにしている。
【0035】
制御部1は、この撮像部8によって撮影された2D画像を録画(記録)する方式(2D画像記録方式)と3D画像を録画(記録)する方式(3D画像記録方式)との切り替えを制御するようにしている。なお、左眼用のカメラ部8A、右眼用のカメラ部8Bは、その構成要素の一部分を共用するようにしてもよい。また、撮像部8は、高精細な2D静止画/2D動画撮影と、低精細な2D静止画/2D動画撮影とが可能となっている。制御部1は、撮像部8によって撮影された高精細な2D画像を録画(記録)する方式(高精細画像記録方式)と低精細な2D画像を録画(記録)する方式(低精細画像記録方式)との切り替えを制御するようにしている。この場合、低精細画像記録方式による録画か高精細画像記録方式による録画かをユーザ操作によって任意に切り替え可能のほか、後述するが、筐体の向き(表示部の向き)に応じて切り替え可能となっている。
【0036】
録音部9は、記録対象の情報を入力する入力手段としての録音機能を構成するもので、モノラル音声記録方式によって録音したり、ステレオ音声記録方式によって録音したりすることが可能なもので、二つの録音マイク(入力部)9A、9Bが備えられている。このステレオ音声記録方式による録音時には、二つの録音マイク9A、9Bを同時に駆動して録音を開始し、モノラル音声記録方式による録音時には、二つの録音マイク9A、9Bのいずれかを駆動して録音を開始するようにしている。
【0037】
向き検出部10は、全体が長方形を成す筐体の向き(縦横比の異なる表示部7の向き)を検出するもので、縦長表示となる状態(縦向き)か横長表示となる状態(横向き)かを3軸タイプの加速度センサによって検出するようにしている。なお、向き検出部10によって検出される縦向き/横向きは、厳密な向きを意味するものではなく、斜めに傾いていてもよく略縦向き/略横向きであってもよい。制御部1は、撮像部8を駆動して撮影を行う場合あるいは録音部9を駆動して録音を行う場合に、向き検出部10の検出結果を参照し、表示部7の向きを判別するようにしている。なお、スタイル検出部11については、後述する第2実施形態で説明するものとする。
【0038】
図2は、携帯電話機の外観図である。
折り畳みタイプの携帯電話機は、その装置本体を構成する操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとを有し、操作部筐体12Aはその正面側に操作部6を備え、表示部筐体12Bは正面側に表示部7を備えている。この操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとは折り畳み自在(開閉可能)に取り付けられており、両筐体12A、12Bを開いた状態では操作部6及び表示部7が露出した状態となる。操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとを開いた状態において、図2(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)の正面図及び背面図を示し、図2(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)の正面図及び背面図を示している。
【0039】
表示部筐体12Bの背面には、所定間隔を空けて二つのカメラ部8A、8B及び録音マイク9A、9Bが備えられている。図中、白丸は、マイク9A、9Bを示し、図中、黒丸は、カメラ部8A、8Bを示している(以下、同様)。図2(1)に示すように、表示部7が縦向きの状態において、二つのカメラ部8A、8Bは、所定間隔を空けて縦一列(縦並び)の状態となり、カメラ部8A、8Bの近傍で二つの録音マイク9A、9Bも同様に所定間隔を空けて縦一列(縦並び)の状態となる。また、図2(2)に示すように、表示部7が横向きの状態においては、二つのカメラ部8A、8Bは、横一列(横並び)の状態となり、カメラ部8A、8Bの近傍で二つの録音マイク9A、9Bも同様に横一列(横並び)の状態となる。すなわち、表示部7が縦向きでは、カメラ部8A、8B及び録音マイク9A、9Bが縦並びの状態となり、表示部7が横向きでは、カメラ部8A、8B及び録音マイク9A、9Bが横並びの状態となる。
【0040】
図3は、撮影フラグFを説明するための図である。
撮影フラグFは、撮像部8によって撮影された画像の記録方式(2D画像記録方式/3D画像記録方式、低精細画像記録方式/高精細画像記録方式)の切り替えを指定するフラグである。すなわち、撮影フラグFの“0”は、低精細画像記録方式/高精細画像記録方式との切り替えを指定することを示し、“1”は、2D画像記録方式/3D画像記録方式との切り替えを指定することを示している。制御部1は、向き検出部10の検出結果に基づいて表示部7が縦向き(カメラ部8A、8B及び録音マイク9A、9Bが縦並び)であるか、横向き(カメラ部8A、8B及び録音マイク9A、9Bが横並び)であるかの判別を行うようにしている。
【0041】
この撮影フラグFが“0”の場合において、縦向き(縦並び)が検出されたときには、低精細画像記録方式を指定し、横向き(横並び)が検出されたときには、高精細画像記録方式を指定するようにしている。また、撮影フラグFが“1”において、縦向き(縦並び)が検出されたときには、2D画像記録方式を指定し、横向き(横並び)
が検出されたときには、3D画像記録方式を指定するようにしている。なお、低精細画像記録方式と高精細画像記録方式、あるいは2D画像記録方式と3D画像記録方式は、向き検出部10の検出結果に基づいて切り替えられるほか、キー操作によっても任意に切り替え可能となっている。
【0042】
次に、第1実施形態における携帯電話機1の動作概念を図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0043】
図4及び図5は、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。
先ず、制御部1(図1参照)は、電源投入操作に応じて所定のメモリをクリアするなどの初期設定を行った後(図4のステップA1)、何らかの操作や着信などの待ち受け状態となる。すなわち、撮影開始を指示する操作が行われたかを調べたり(ステップA2)、録音開始を指示する操作が行われたかを調べたり(図5のステップA24)、その他の操作が行われたかを調べたり(ステップA36)、電話の着信有無を調べたりする(ステップA38)。いま、その他の操作が行われたときには(ステップA36でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、発信処理などを行った後(ステップA37)、図4のステップA2に戻る。また、電話着信を検出したときには(ステップA38でYES)、通話処理を行った後(ステップA39)、図4のステップA2に戻る。
【0044】
撮影の開始を指示する操作が行われたときには(図4のステップA2でYES)、撮影フラグFを参照し、そのフラグが“1”(2D画像記録方式/3D画像記録方式の切り替え)であれば(ステップA3でYES)、向き検出部10の検出結果に基づいて表示部7の向きは縦向きか、つまり、カメラ部8A、8Bは縦並びの状態であるかを調べ(ステップA4)、縦向き(縦並び)の状態であれば(ステップA4でYES)、3D画像記録方式からの切り替えであるかを調べる(ステップA5)。いま、3D画像記録方式からの切り替えでなければ(ステップA5でNO)、現在、2D画像記録方式が指定されている場合であると判断してステップA8に移り、カメラ部8A、8Bのいずれか一方に電源供給を行って、2D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップA9)。この場合、表示部7に視差バリアが生成されているかを調べ、視差バリアが生成されていれば、この視差バリアを消去させた後、カメラ部8A、8Bのいずれか一方を駆動して2D画像記録方式による撮影を開始させるようにしている。
【0045】
また、3D画像記録方式からの切り替えであれば(ステップA5でYES)、つまり、3D画像記録方式が指定されている状態において縦向き(縦並び)が検出されたときには、3D画像記録方式から2D画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップA6)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップA6でNO)、縦向き(縦並び)で3D画像記録方式による撮影が不向きである旨のメッセージを表示させた後(ステップA7)、上述のステップA3に戻るが、確認OK操作が行われたときには(ステップA6でYES)、カメラ部8A、8Bのいずれか一方に電源供給を行って(ステップA8)、2D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップA9)。
【0046】
また、向き検出部10の検出結果から表示部7の向きが横向き、つまり、カメラ部8A、8Bが横並びであれば(ステップA4でNO)、2D画像記録方式からの切り替えであるかを調べる(ステップA10)。いま、2D画像記録方式からの切り替えではなければ(ステップA10でNO)、現在、3D画像記録方式が指定されている場合であると判断してステップA12に移り、カメラ部8A、8Bの両方に電源供給を行って、3画像記録方式による撮影を開始させる(ステップA13)。この場合、表示部7に視差バリアが生成されているかを調べ、視差バリアが生成されていなければ、表示部7に視差バリアを生成させた後、同一の被写体を同時にカメラ部8A、8Bの両方を駆動して3D画像記録方式による撮影を開始させるようにしている。
【0047】
2D画像記録方式からの切り替えであれば(ステップA10でYES)、つまり、2D画像記録方式が指定されている状態において横向き(横並び)が検出されたときには、2D画像記録方式から3D画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップA11)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップA11でNO)、横向き(横並び)で2D画像記録方式による撮影を行う場合であると判断して、上述のステップA8に移り、カメラ部8A、8Bのいずれか一方に電源供給を行った後、2D画像記録方式による撮影を開始させるが(ステップA9)、確認OK操作が行われたときには(ステップA11でYES)、カメラ部8A、8Bの両方に電源供給を行って(ステップA12)、3D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップA13)。なお、上述のように横向き(横並び)の状態において2D画像記録方式による撮影を行った後、3D画像記録方式に切り替える場合には、一度、縦向き(縦並び)に変更してから再度、横向き(横並び)に変更するようにすればよい。
【0048】
このようにして2D画像記録方式による撮影(ステップA9)、あるいは3D画像記録方式による撮影(ステップA13)を開始させた後は、次のステップA14に移り、今回の撮影が静止画撮影であるかを調べ、静止画撮影であれば(ステップA14でYES)、上述のステップA2に戻るが、動画撮影であれば(ステップA14でNO)、動画撮影の終了を指示する操作が行われるまで(ステップA15でYES)、上述のステップA3に戻って動画撮影を継続させる。
【0049】
一方、撮影フラグFが“0”(低精細画像記録方式/高精細画像記録方式の切り替え)であれば(ステップA3でNO)、カメラ部8A、8Bのいずれか一方に電力供給を行った後(ステップA16)、向き検出部10の検出結果に基づいて縦向き(縦並び)であるかを調べ(ステップA17)、縦向き(縦並び)であれば(ステップA17でYES)、高精細記録方式からの切り替えであるかを調べる(ステップA18)。いま、高精細画像記録方式からの切り替えでなければ(ステップA18でNO)、現在、低精細画像記録方式が指定されている場合であると判断してステップA20に移り、低精細画像記録方式による撮影を開始させる。
【0050】
高精細画像記録方式からの切り替えであれば(ステップA18でYES)、つまり、高精細画像記録方式が指定されている状態において縦向き(縦並び)が検出されたときには、高精細画像記録方式から低精細画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップA19)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップA19でNO)、ステップA23に移って高精細画像記録方式による撮影を開始させるが、確認OK操作が行われたときには(ステップA19でYES)、低精細画像記録方式による撮影を開始させる(ステップA20)。
【0051】
また、向き検出部10の検出結果に基づいて横向き、つまり、カメラ部8A、8Bが横並びの状態であれば(ステップA17でNO)、低精細画像記録方式からの切り替えであるかを調べる(ステップA21)。いま、低精細画像記録方式からの切り替えでなければ(ステップA21でNO)、現在、高精細画像記録方式が指定されている場合であると判断してステップA23に移り、高精細画像記録方式による撮影を開始させるが、低精細画像記録方式からの切り替えであれば(ステップA21でYES)、つまり、低精細画像記録方式が指定されている状態において横向き(横並び)が検出されたときには、低精細画像記録方式から高精細3D画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップA22)。
【0052】
ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップA22でNO)、横向き(横並び)の状態において低精細画像記録方式で撮影する場合であると判断して、ステップA20に移り、低精細画像記録方式による撮影を開始させるが、確認OK操作が行われたときには(ステップA22でYES)、高精細画像記録方式による撮影を開始させる(ステップA23)。このようにして低精細画像記録方式による撮影(ステップA20)、あるいは高精細画像記録方式による撮影(ステップA23)を開始させた後は、次のステップA14に移り、今回の撮影が静止画撮影であれば(ステップA14でYES)、上述のステップA2に戻るが、動画撮影であれば(ステップA14でNO)、2D動画撮影の終了を指示する操作が行われるまで(ステップA15でYES)、上述のステップA3に戻って動画撮影を継続させる。
【0053】
他方、録音の開始を指定する操作が行われた場合には(図5のステップA24でYES)、向き検出部10の検出結果に基づいて縦向き(縦並び)であるかを調べ(ステップA25)、縦向き(縦並び)であれば(ステップA25でYES)、ステレオ音声記録方式からの切り替えであるかを調べる(ステップA26)。いま、ステレオ音声記録方式からの切り替えでなければ(ステップA26でNO)、現在、モノラル音声記録方式が指定されていると判断してステップA29に移り、録音マイク9A、9Bのいずれか一方に電源供給を行って、モノラル音声記録方式による録音を開始させる(ステップA30)。
【0054】
ステレオ音声記録方式からの切り替えであれば(ステップA26でYES)、つまり、ステレオ音声記録方式が指定されている状態において縦向き(縦並び)が検出されたときには、ステレオ音声記録方式からモノラル音声記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップA27)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップA27でNO)、縦向き(縦並び)状態ではステレオ音声記録方式は不向きである旨のメッセージを表示させた後(ステップA28)、上述のステップA25に戻るが、確認OK操作が行われたときには(ステップA27でYES)、録音マイク9A、9Bのいずれか一方に電源供給を行って(ステップA29)、モノラル音声記録方式による録音を開始させる(ステップA30)。
【0055】
向き検出部10の検出結果から横向き、つまり、録音マイク9A、9Bが横並びであれば(ステップA25でNO)、モノラル音声記録方式からの切り替えであるかを調べる(ステップA32)。いま、モノラル音声記録方式からの切り替えでなければ(ステップA32でNO)、現在、ステレオ音声記録方式が指定されていると判断してステップA34に移り、録音マイク9A、9Bの両方に電源供給を行って、ステレオ音声記録方式による録音を開始させるが(ステップA35)、モノラル音声記録方式からの切り替えであれば(ステップA32でYES)、つまり、モノラル音声記録方式が指定されている状態において横向き(横並び)が検出されたときには、モノラル音声記録方式からステレオ音声記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップA33)。
【0056】
ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップA33でNO)、横向き(横並び)の状態においてモノラル音声記録方式で録音する場合であると判断して、ステップA29に移り、録音マイク9A、9Bのいずれか一方に電源供給を行って、モノラル音声記録方式による録音を開始させるが(ステップA30)、確認OK操作が行われたときには(ステップA33でYES)、録音マイク9A、9Bの両方に電源供給を行って(ステップA34)、ステレオ音声記録方式による録音を開始させる(ステップA35)。このようにしてモノラル音声記録方式による録音(ステップA30)、あるいはステレオ音声記録方式による録音(ステップA35)を開始させた後は、次のステップA31に移り、録音の終了を指示する操作が行われるまで(ステップA31でYES)、上述のステップA25に戻って録音動作を継続させる。
【0057】
以上のように、第1実施形態において制御部1は、複数の入力部(カメラ部8A、8B、あるいは録音マイク9A、9B)が縦並びとなる状態であるか横並びとなる状態であるかを検出する向き検出部10の検出結果に基づいて、複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替えるようにしたので、別なスイッチ操作を行わなくても、携帯電話機の向きを変えるだけで複数の記録方式のいずれかに切り替えて情報を記録することができ、操作性及び利便性を向上させることかできる。
【0058】
複数のカメラ部8A、8Bが縦並びの場合には2D画像記録方式に切り替え、横並びの場合に3D画像記録方式に切り替えるようにしたので、2D画像の撮影と3D画像の撮影の切り替えを携帯電話機の向きを変えるだけで容易に行うことができる。
【0059】
2D画像記録方式に切り替えられた場合に、複数のカメラ部8A、8Bのうちそのいずれか一方を有効にするようにしたので、余計な電力消費を抑制することができ、また、不要なノイズの混入を防止することも可能となる。
【0060】
複数のカメラ部8A、8Bが縦並びの場合には低精細画像記録方式に切り替え、横並びの場合に高精細画像記録方式に切り替えるようにしたので、低精細画像の撮影と高精細画像の撮影の切り替えを携帯電話機の向きを変えるだけで容易に行うことができる。
【0061】
複数の録音マイク9A、9Bが縦並びの場合にモノラル音声記録方式に切り替え、横並びの場合にステレオ音声記録方式に切り替えるようにしたので、モノラル音声の録音とステレオ音声の録音の切り替えを携帯電話機の向きを変えるだけで容易に行うことができる。
【0062】
モノラル音声記録方式に切り替えられた場合に、複数の録音マイク9A、9Bのうちそのいずれか一方を有効にするようにしたので、余計な電力消費を抑制することができ、また、不要なノイズの混入を防止することも可能となる。
【0063】
記録方式の切り替えが行われた場合に、その切り替えをユーザに確認させるための確認表示を行うようにしたので、意図しない記録方式に自動的に切り替わらないようにすることができる。
【0064】
上述した第1実施形態においては、操作部筐体と表示部筐体を折り畳み自在とした折り畳みタイプの携帯電話機に適用した場合を示したが、図6に示すように、1枚の板状の筐体によって構成されたストレートタイプの携帯電話機に適用してもよい。この場合、カメラ部8A、8B、録音マイク9A、9Bは、筐体の背面に配設されている。図6(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)を示し、この縦向きの状態では、二つのカメラ部8A、8Bは、所定間隔を空けて縦一列(縦並び)に配設され、また、二つの録音マイク9A、9Bも同様に所定間隔を空けて縦一列(縦並び)に配設されている。図6(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)を示し、この横向きの状態では、二つのカメラ部8A、8Bは、横一列(横並び)に配設され、二つの録音マイク9A、9Bも同様に横一列(横並び)に配設されている。このようにストレートタイプの携帯電話機であっても、上述した第1実施形態と同様の効果を有する。
【0065】
上述した第1実施形態においては、携帯電話機の向きとして、縦向き(縦並び)の状態と横向き(横並び)の状態の2種類を例示したが、この2種類に限らず、例えば、それらの中間の向きとして、複数の入力部が斜めに並ぶ状態(斜め並び)の状態を検出するようにしてもよい。この場合、携帯電話機の3種類の向きに対応して、3種類の記録方式のいずれかを切り替えるようにすればよい。
【0066】
上述した第1実施形態においては、向き検出部10によって表示部7の向き、つまり、携帯電話機の向きを加速度センサによって検出するようにしたが、加速度センサに限らず、例えば、電子コンパスなどで携帯電話機の向きを検出するようにしてもよい。
【0067】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図7〜図9を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、折り畳みタイプの携帯電話機において、向き検出部10の検出結果に基づいて、複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替えるようにしたが、この第2実施形態においては、2軸ヒンジタイプの携帯電話機において、スタイル検出部11の検出結果に基づいて、複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替えるようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0068】
図7は、2軸ヒンジタイプの携帯電話機の外観図である。
この携帯電話機は、操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとが開閉可能(折り畳み可能)に取り付けられていると共に、操作部筐体12Aに対して表示部筐体12Bがその表裏が反転可能となるように取り付けられてなる2軸ヒンジタイプの携帯電話機である。操作部筐体12Aの背面には、所定間隔を空けて二つのカメラ部8A、8B及び録音マイク9A、9Bが備えられている。図7(1)は、操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとの折り畳みを開くことによって表示部7及び操作部4が露出した状態となるオープンスタイルにおいての正面図及び背面図を示している。
【0069】
このオープンスタイルにおいて、二つのカメラ部8A、8Bは、所定間隔を空けて縦一列(縦並び)の状態となり、二つの録音マイク9A、9Bも同様に所定間隔を空けて縦一列(縦並び)の状態となる。図7(2)は、操作部筐体12Aと表示部筐体11Bとを折り畳むことによって表示部7が露出し、かつ操作部6が隠れた状態となるビュースタイルにおいての正面図及び背面図を示している。このビュースタイルにおいて、二つのカメラ部8A、8Bは、所定間隔を空けて横一列(横並び)の状態となり、二つの録音マイク9A、9Bも同様に所定間隔を空けて横一列(横並び)の状態となる。
【0070】
スタイル検出部11(図1参照)は、操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとの連結状態に応じて変化するスタイルを検出するもので、例えば、操作部筐体12Aと表示部筐体12Bの各所に磁石と磁力センサを配置して、この磁力センサの検出結果に基づいてスタイルを検出する構成となっている。なお、スタイル検出部11は、所定のスタイルに変更されるまでの途中の形態(前後の形態)を含めて検出するようにしてもよい。例えば、オープンスタイルとは、完全に折り畳みを開いた状態のみに限らず、その途中の形態(例えば、半開き状態)をも含めるようにしてもよい。
【0071】
図8及び図9は、第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。なお、図8及び図9のフローチャートは、スタイルに関する点が相違し、その他は上述した図4及び図5のフローチャートと基本的に同様であるため、同様の部分についてはその説明を簡単に行うものとする。
先ず、初期設定を行った後(図8のステップB1)、撮影開始を指示する操作が行われたかを調べたり(ステップB2)、録音開始を指示する操作が行われたかを調べたり(図9のステップB23)、その他の操作が行われたかを調べたり(ステップB34)、電話の着信有無を調べたりする(ステップB36)。
【0072】
その他の操作が行われたときには(ステップB34でYES)、その操作に応じた処理を行った後(ステップB35)、図8のステップB2に戻る。また、電話着信を検出したときには(ステップB36でYES)、通話処理を行った後(ステップB37)、図8のステップB2に戻る。また、撮影の開始を指示する操作が行われた場合に(ステップB2でYES)、撮影フラグFが“1”(2D画像記録方式/3D画像記録方式の切り替え)であれば(ステップB3でYES)、スタイル検出部11の検出結果に基づいてオープンスタイルであるかを調べる(ステップB4)。
【0073】
いま、オープンスタイルにおいて(ステップB4でYES)、3D画像記録方式からの切り替えでなければ(ステップB5でNO)、現在、2D画像記録方式が指定されていると判断してステップB7に移り、カメラ部8A、8Bのいずれか一方に電源供給を行って、2D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB8)。また、3D画像記録方式からの切り替えであれば(ステップB5でYES)、3D画像記録方式から2D画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップB6)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップB6でNO)、オープンスタイルの横向きの状態で3D画像記録方式による撮影を行う場合であると判断して、ステップB11に移り、カメラ部8A、8Bの両方に電源供給を行って、3D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB12)。
【0074】
確認OK操作が行われたときには(ステップB6でYES)、カメラ部8A、8Bのいずれかに電源供給を行って(ステップB7)、2D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB8)。なお、上述のようにオープンスタイルの横向きの状態で3D画像記録方式による撮影を行った後、2D画像記録方式に切り替える場合には、一度、ビュースタイルに変更してから再度オープンスタイルに変更するようにすればよい。そして、今回の撮影が静止画撮影であれば(ステップB13でYES)、上述のステップB2に戻るが、動画撮影であれば(ステップB13でNO)、動画撮影の終了を指示する操作が行われるまで(ステップB14でYES)、上述のステップB3に戻って動画撮影を継続させる。
【0075】
また、ビュースタイルにおいて(ステップB4でNO)、2D画像記録方式からの切り替えでなければ(ステップB9でNO)、現在、3D画像記録方式が指定されている場合であると判断してステップB11に移り、カメラ部8A、8Bの両方に電源供給を行い、3D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB12)。また、2D画像記録方式からの切り替えであれば(ステップB9でYES)、2D画像記録方式から3D画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップB10)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップB10でNO)、ビュースタイルで2D画像記録方式による撮影を行う場合であると判断して、上述のステップB7に移り、カメラ部8A、8Bのいずれかに電源供給を行って、2D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB8)。
【0076】
確認OK操作が行われたときには(ステップB10でYES)、カメラ部8A、8Bの両方に電源供給を行って(ステップB11)、3D画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB12)。なお、上述のようにビュースタイルで2D画像記録方式による撮影を行った後、3D画像記録方式に切り替える場合には、一度、オープンスタイルに変更してから再度ビュースタイルに変更するようにすればよい。そして、今回の撮影が静止画撮影であれば(ステップB13でYES)、上述のステップB2に戻るが、動画撮影であれば(ステップB13でNO)、動画撮影の終了を指示する操作が行われるまで(ステップB14でYES)、上述のステップB3に戻って動画撮影を継続させる。
【0077】
一方、撮影フラグFが“0”(低精細画像記録方式/高精細画像記録方式の切り替え)であれば(ステップB3でNO)、カメラ部8A、8Bのいずれか一方に電力供給を行った後(ステップB15)、スタイル検出部11の検出結果に基づいてオープンスタイルであるかを調べる(ステップB16)。いま、オープンスタイルにおいて(ステップB16でYES)、高精細記録方式からの切り替えでなければ(ステップB17でNO)、低精細画像記録方式による撮影を開始させるが(ステップB19)、高精細画像記録方式からの切り替えであれば(ステップB17でYES)、高精細画像記録方式から低精細画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップB18)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップB18でNO)、高精細画像記録方式による撮影を開始させるが(ステップB22)、確認OK操作が行われたときには(ステップB18でYES)、低精細画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB19)。
【0078】
また、ビュースタイルにおいて(ステップB16でNO)、低精細画像記録方式からの切り替えではなければ(ステップB20でNO)、現在、高精細画像記録方式が指定されていると判断してステップB22に移り、高精細画像記録方式による撮影を開始させるが、低精細画像記録方式からの切り替えであれば(ステップB20でYES)、低精細画像記録方式から高精細3D画像記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップB21)。
【0079】
ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップB21でNO)、ビュースタイルで低精細画像記録方式による撮影を行う場合であると判断して、低精細画像記録方式による撮影を開始させるが(ステップB19)、確認OK操作が行われたときには(ステップB21でYES)、高精細画像記録方式による撮影を開始させる(ステップB22)。そして、今回の撮影が静止画撮影であれば(ステップB13でYES)、上述のステップB2に戻るが、動画撮影であれば(ステップB13でNO)、動画撮影の終了を指示する操作が行われるまで(ステップB14でYES)、上述のステップB3に戻って動画撮影を継続させる。
【0080】
他方、録音の開始を指定する操作が行われた場合には(図9のステップB23でYES)、スタイル検出部11の検出結果に基づいてオープンスタイルであるかを調べる(ステップB24)。いま、オープンスタイルにおいて(ステップB24でYES)、ステレオ音声記録方式からの切り替えでなければ(ステップB25でNO)、現在、モノラル音声記録方式が指定されていると判断してステップB27に移り、録音マイク9A、9Bのいずれか一方に電源供給を行って、モノラル記録方式による録音を開始させる(ステップB28)。
【0081】
ステレオ音声記録方式からの切り替えであれば(ステップB25でYES)、ステレオ音声記録方式からモノラル音声記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップB26)。ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップB26でNO)、オープンスタイルの横向き状態でステレオ音声記録方式による録音を行う場合であると判断して、ステップB32に移り、録音マイク9A、9Bの両方に電源供給を行って、ステレオ音声記録方式による録音を開始させるが(ステップB33)、確認OK操作が行われたときには(ステップB26でYES)、録音マイク9A、9Bのいずれか一方に電源供給を行って(ステップB27)、モノラル音声記録方式による録音を開始させる(ステップB28)。
【0082】
また、ビュースタイルにおいて(ステップB24でNO)、ステレオ音声記録方式からの切り替えでなければ(ステップB30でNO)、録音マイク9A、9Bの両方に電源供給を行い(ステップB32)、ステレオ音声記録方式による録音を開始させるが(ステップB33)、モノラル音声記録方式からの切り替えであれば(ステップB30でYES)、モノラル音声記録方式からステレオ音声記録方式に切り替えることをユーザに問い合わせる確認メッセージを表示させた後、その切り替えを肯定する確認OK操作が行われたかを調べる(ステップB31)。
【0083】
ここで、確認OK操作が行われなければ(ステップB31でNO)、ビュースタイルでモノラル音声記録方式による録音を行う場合であると判断して、上述のステップB27に移り、録音マイク9A、9Bのいずれか一方に電源供給を行って、モノラル音声記録方式による録音を開始させるが(ステップB28)、確認OK操作が行われたときには(ステップB31でYES)、録音マイク9A、9Bの両方に電源供給を行って(ステップB32)、ステレオ音声記録方式による録音を開始させる(ステップB33)。なお、上述したようにビュースタイルでモノラル音声記録方式による録音を行った後、ステレオ音声記録方式に切り替える場合には、一度オープンスタイルに変更してから再度ビュースタイルに変更するようにすればよい。そして、録音の終了を指示する操作が行われるまで(ステップB29でYES)、上述のステップB24に戻って録音動作を継続する。
【0084】
以上のように、第2実施形態において制御部1は、筐体の連結状態に応じて変化するスタイルを検出するスタイル検出部11の検出結果に基づいて、複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替えるようにしたので、別なスイッチ操作を行わなくても、携帯電話機のスタイルを変えるだけで複数の記録方式のいずれかに切り替えて情報を記録することができ、操作性及び利便性を向上させることかできる。
【0085】
複数のカメラ部8A、8Bが縦並びの状態となるオープンスタイルの場合に2D画像記録方式に切り替え、横並びの状態となるビュースタイルの場合に3D画像記録方式に切り替えるようにしたので、2D画像の撮影と3D画像の撮影の切り替えを携帯電話機のスタイルを変えるだけで容易に行うことができる。
【0086】
2D画像記録方式に切り替えられた場合に、複数のカメラ部8A、8Bのうちそのいずれか一方を有効にするようにしたので、余計な電力消費を抑制することができ、また、不要なノイズの混入を防止することも可能となる。
【0087】
複数のカメラ部8A、8Bが縦並びの状態となるように保持されるオープンスタイルの場合に低精細画像記録方式に切り替え、横並びの状態となるように保持されるビュースタイルの場合に高精細画像記録方式に切り替えるようにしたので、低精細画像の撮影と高精細画像の撮影の切り替えを携帯電話機のスタイルを変えるだけで容易に行うことができる。
【0088】
複数の録音マイク9A、9Bが縦並びの状態となるように保持されるオープンスタイルの場合にモノラル音声記録方式に切り替え、横並びの状態となるように保持されるビュースタイルの場合にステレオ音声記録方式に切り替えるようにしたので、モノラル音声の録音とステレオ音声の録音の切り替えを携帯電話機のスタイルを変えるだけで容易に行うことができる。
【0089】
モノラル音声記録方式に切り替えられた場合に、複数の録音マイク9A、9Bのうちそのいずれか一方を有効にするようにしたので、余計な電力消費を抑制することができ、また、不要なノイズの混入を防止することも可能となる。
【0090】
オープンスタイルの場合には2D画像記録方式/低精細画像記録方式/モノラル音声記録方式に切り替え、ビュースタイルの場合には3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に切り替えるようにしたので、カメラ撮影など特別な操作の際に使用されるビュースタイルに変えるだけで、3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に切り替えることができる。
【0091】
ビュースタイルにおいて、二つのカメラ部8A、8Bは、所定間隔を空けて横一列(横並び)となり、二つの録音マイク9A、9Bも同様に所定間隔を空けて横一列(横並び)となるので、カメラ部8A、8B、録音マイク9A、9Bは、3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に適した配置状態となる。
【0092】
記録方式の切り替えが行われた場合に、その切り替えをユーザに確認させるための確認表示を行うようにしたので、意図しない記録方式に自動的に切り替わらないようにすることができる。
【0093】
なお、上述した第2実施形態においては、2軸ヒンジタイプの携帯電話機に適用した場合を示したが、図10に示すように、操作部筐体12Aの上側に表示部筐体12Bをスライド可能に取り付けたスライドタイプの携帯電話機に適用するようにしてもよい。この場合、カメラ部8A、8B、録音マイク9A、9Bは、各筐体12A、12Bの背面に一つずつ配設されている。すなわち、操作部筐体12Aの背面にはカメラ部8B、録音マイク9Bが配設され、表示部筐体12Bの背面にはカメラ部8A、録音マイク9Aが配設されている。
【0094】
図10(1)は、操作部筐体12Aの上側に表示部筐体12Bを重ね合わせた閉じたスライド閉状態(スライド閉スタイル)を示し、このスライド閉スタイルでは操作部筐体12Aの背面に取れ付けたカメラ部8B、録音マイク9Bが露出した状態となり、表示部筐体12Bの背面に取れ付けたカメラ部8A、録音マイク9Aは操作部筐体12Aによって隠れた状態となる。図10(2)は、操作部筐体12Aと表示部筐体12Bとの重ね合わせを解除したスライド開状態(スライド開スタイル)を示し、このスライド開スタイルでは、各筐体12A、12Bの背面に配設されたカメラ部8A、8B、録音マイク9A、9Bがそれぞれ露出した状態となる。なお、このスライドタイプの携帯電話機には、図示省略したが、操作部筐体12Aの側部には、撮影の開始を指示したり、録音の開始を指示したりするキー(サイドキー)が設けられている。
【0095】
なお、このように構成されたスライドタイプの携帯電話機であっても、第2実施形態と同様に、スタイル検出部11の検出結果に基づいて、複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替えるようにしている。すなわち、制御部1は、撮影の開始操作が行われたり、録音の開始操作が行われたりすると、スタイル検出部11の検出結果に基づいてスライド閉スタイルであるかスライド開スタイルであるかを判別するようにしている。この場合、上述した第2実施形態の図8、図9のフローチャートにおいて、オープンスタイルであるかビュースタイルであるかを判別するステップB4、B16、B24では、スライド閉スタイルかスライド開スタイルかを判別するようにすればよい。ここで、スライド閉スタイルの場合には、2D画像記録方式/低精細画像記録方式/モノラル音声記録方式に切り替え、スライド開スタイルの場合には3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に切り替えるようにすればよい。
【0096】
このようにスライドタイプの携帯電話機においては、スライド閉スタイルの場合には2D画像記録方式/低精細画像記録方式/モノラル音声記録方式に切り替え、スライド開スタイルの場合には3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に切り替えようにしたので、操作部6を使用するスタイルに変えるだけで、3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に切り替えることができる。
【0097】
スライド開スタイルにおいて、二つのカメラ部8A、8Bは、所定間隔を空けて横一列(横並び)の状態となり、二つの録音マイク9A、9Bも同様に所定間隔を空けて横一列(横並び)の状態となるので、カメラ部8A、8B、録音マイク9A、9Bは、スライド開スタイルでは、3D画像記録方式/高精細画像記録方式/ステレオ音声記録方式に適した配置状態となる。その他、このスライドタイプの携帯電話機においても、上述した第2実施形態と同様の効果を有する。
【0098】
なお、上述した第2実施形態においては、スタイル検出部11によって2つのスタイルを検出するようにしたが、3つ以上のスタイルを検出して、それに対応する記録方式に切り替えるようにしてよい。この場合、3種類のスタイルに対応して、3種類の記録方式のいずれかに切り替えるようにすればよい。また、スタイル検出部11は、操作部筐体12Aと表示部筐体12Bの各所に磁石と磁力センサを配置して、この磁力センサの検出結果に基づいてスタイルを検出するようにしたが、光センサ、機械的なスイッチなどによってスタイルを検出するようにしてもよい。
【0099】
上述した各実施形態においては、情報記録装置として携帯電話機を例示したが、これに限らず、複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う情報記録装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、PDA、音楽プレイヤー、録音機、それらの複合機などであってもよい。
【0100】
上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 制御部
3 記憶部
6 操作部
7 表示部
8 撮像部
8A、8B カメラ部
9 録音部
9A、9B 録音マイク
10 向き検出部
11 スタイル検出部
12A 操作部筐体
12B 表示部筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う情報記録装置であって、
記録対象の情報を入力する複数の入力部を備えた入力手段と、
前記複数の入力部が縦並びとなる状態であるか横並びとなる状態であるかを検出する検出手段と、
前記複数の入力部の各々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う制御手段と、
を具備したことを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、
前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された2D画像を記録する2D画像記録方式と、前記カメラ部によって撮影された3D画像を記録する3D画像記録方式であり、
前記検出手段は、前記複数のカメラ部が横並びとなる状態と縦並びとなる状態を検出し、
前記制御手段は、前記複数のカメラ部が縦並びとなる状態が検出された場合に前記2D画像記録方式に切り替え、横並びとなる状態が検出された場合に前記3D画像記録方式に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記制御手段によって2D画像記録方式に切り替えられた場合に、前記複数のカメラ部のうちそのいずれか一方を有効にする、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、
前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された低精細画像を記録する低精細画記録方式と、前記カメラ部によって撮影された高精細画像を記録する高精細画像記録方式であり、
前記検出手段は、前記複数のカメラ部が横並びとなる状態と縦並びとなる状態を検出し、
前記制御手段は、前記複数のカメラ部が縦並びとなる状態が検出された場合に前記低精細画記録方式に切り替え、横並びとなる状態が検出された場合に前記高精細画像記録方式に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記入力手段は、複数の録音マイクを前記複数の入力部として備え、
前記複数の記録方式は、前記録音マイクから入力された音声をモノラル音声として記録するモノラル音声記録方式と、前記録音マイクから入力された音声をステレオ音声として記録するステレオ音声記録方式であり、
前記検出手段は、前記録音マイクが横並びとなる状態と縦並びとなる状態を検出し、
前記制御手段は、前記複数の録音マイクが縦並びとなる状態が検出された場合に前記モノラル音声記録方式に切り替え、横並びとなる状態が検出された場合に前記ステレオ音声記録方式に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記入力手段は、前記制御手段によって前記モノラル音声記録方式に切り替えられた場合に、前記複数の録音マイクのうちそのいずれか一方を有効にする、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記制御手段によって記録方式の切り替えが行われた場合に、その切り替えをユーザに確認させるための確認表示を行う確認表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項8】
複数の記録方式のいずれかによって情報の記録が可能であるほか、筐体の形態に応じて複数のスタイルに変更可能な情報記録装置であって、
記録対象の情報を入力する複数の入力部を備えた入力手段と、
前記複数のスタイルのうち現在どのスタイルであるかを検出する検出手段と、
前記複数の入力部の各々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う制御手段と、
を具備したことを特徴とする情報記録装置。
【請求項9】
前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、
前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された2D画像を記録する2D画像記録方式と、前記カメラ部によって撮影された3D画像を記録する3D画像記録方式であり、
前記制御手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて、前記2D画像記録方式又は前記3D画像記録方式に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項10】
前記入力手段は、前記制御手段によって2D画像記録方式に切り替えられた場合に、前記複数のカメラ部のうちそのいずれか一方を有効にする、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項11】
前記入力手段は、複数のカメラ部を前記複数の入力部として備え、
前記複数の記録方式は、前記カメラ部によって撮影された低精細画像を記録する低精細画記録方式と、前記カメラ部によって撮影された高精細画像を記録する高精細画像記録方式であり、
前記制御手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて、前記低精細画記録方式又は前記高精細画像記録方式に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項12】
前記入力手段は、複数の録音マイクを前記複数の入力部として備え、
前記複数の記録方式は、前記録音マイクから入力された音声をモノラル音声として記録するモノラル音声記録方式と、前記録音マイクから入力された音声をステレオ音声として記録するステレオ音声記録方式であり、
前記制御手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに応じて、前記モノラル音声記録方式又は前記ステレオ音声記録方式に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項13】
前記入力手段は、前記制御手段によって前記モノラル音声記録方式に切り替えられた場合に、前記複数の録音マイクのうちそのいずれか一方を有効にする、
ようにしたことを特徴とする請求項12記載の情報記録装置。
【請求項14】
当該情報記録装置は、表示部を備える表示部筐体と操作部を備える操作部筐体とを有し、
前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開閉可能に取り付けると共に、前記操作部筐体に対して前記表示部筐体をその表裏が反転可能に取り付けてなり、
前記複数のスタイルのうちその一つは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開いた状態で前記表示部及び前記操作部が露出した状態となるスタイルであり、少なくとも他の一つのスタイルは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを閉じた状態で前記表示部が露出し、かつ前記操作部が隠れた状態となるスタイルである、
ことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項15】
前記表示部筐体を閉じた状態で前記表示部が露出し、かつ前記操作部が隠れた状態となるスタイルにおいて、縦横比の異なる前記表示部の向きが横長表示となる状態の場合に、前記複数の入力部は横並び状態となるように配設されている、
ことを特徴とする請求項14記載の情報記録装置。
【請求項16】
当該情報記録装置は、表示部を備える表示部筐体と操作部を備える操作部筐体とを有し、前記操作部筐体と前記表示部筐体とをスライド可能に取り付けてなり、
前記複数の入力部のうちその一方の入力部を前記表示部筐体の背面に配設し、他方の入力部は、前記操作部筐体の背面に配設し、
前記複数のスタイルのうちその一つは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを閉じた状態で前記操作部の背面に配設した前記入力部が露出した状態となるスタイルであり、少なくとも他の一つのスタイルは、前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開いた状態で当該操作部筐体及び表示部筐体の背面に配設した前記入力部がそれぞれ露出した状態となるスタイルである、
ことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項17】
前記操作部筐体と前記表示部筐体とを開いた状態で当該操作部筐体及び表示部筐体の背面に配設した前記入力部がそれぞれ露出した状態となるスタイルにおいて、
縦横比の異なる前記表示部の向きが横長表示となる状態の場合に、前記複数の入力部は横並び状態となるように配設されている、
ようにしたことを特徴とする請求項16記載の情報記録装置。
【請求項18】
前記制御手段よって記録方式の切り替えが行われた場合に、その切り替えをユーザに確認させるための確認表示を行う確認表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
【請求項19】
コンピュータに対して、
複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う機能と、
記録対象の情報を入力する複数の入力部が縦並びとなる状態であるか横並びとなる状態であるかを検出する機能と、
前記複数の入力部の個々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータに対して、
複数の記録方式のいずれかによって情報の記録を行う機能と、
筐体の形態に応じて変更可能な複数のスタイルのうち現在どのスタイルであるかを検出する機能と、
前記複数の入力部の各々から入力された記録対象の情報又は前記複数の入力部のいずれかから入力された記録対象の情報を記録させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記複数の記録方式のいずれかの記録方式に切り替える制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−55043(P2011−55043A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199386(P2009−199386)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】