説明

情報読取装置

【課題】設計の自由度を高めることが可能で、かつ、情報記録媒体に記録された磁気情報を適切に読み取ることが可能な情報読取装置を提供すること。
【解決手段】情報読取装置は、磁気情報が記録された情報記録媒体が通過する媒体通過路3と、媒体通過路3を通過する情報記録媒体に当接して情報記録媒体に記録された磁気情報を読み取る磁気ヘッド5と、情報記録媒体と磁気ヘッド5とが当接したときに情報記録媒体と磁気ヘッド5とが互いに押し合う力が作用するように情報記録媒体を案内するガイド部11f、12cと、情報記録媒体と磁気ヘッド5とが当接する方向へ磁気ヘッド5を付勢する付勢機構20とを備えている。ガイド部11f、12cは、磁気ヘッド5の先端に形成される磁気ギャップに対向する位置に配置されず、かつ、情報記録媒体の通過方向において、磁気ギャップよりも上流側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体に記録された磁気情報を読み取るための情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手動でカードを移動させながら、カードに記録された磁気情報を読み取る手動式カードリーダが利用されている。この種の手動式カードリーダとして、カードの短手幅よりも浅く形成された溝状のカード通路に沿ってカードを移動させながらカードの磁気情報を読み取るいわゆるスワイプ式のカードリーダが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の手動式カードリーダでは、カード通路に面するように磁気ヘッドが配置されている。また、この手動式カードリーダでは、カード通路の一端側に閉口部が形成され、カード通路の他端側に開口部が形成されており、閉口部側から開口部に向かってカードを移動させながらカードの磁気情報の読み取りが行われる。
【0004】
また、カードに記録された磁気情報を読み取るカードリーダとして、磁気ヘッドの磁気ギャップと対向する位置にパッドローラが配置されたカードリーダが知られている(たとえば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載のカードリーダでは、磁気ヘッドの磁気ギャップにカードを確実に当接させてスペーシングロスをなくすことが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−244709号公報
【特許文献2】特開2005−196375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、磁気ギャップと対向する位置にパッドローラが配置されたカードリーダでは、スペーシングロスをなくすことが可能になり、その結果、カードの磁気情報を適切に読み取ることが可能になる。しかしながら、磁気ギャップと対向する位置にパッドローラが配置されたカードリーダでは、磁気ギャップとの対向位置に他の機構を配置することができない。そのため、このカードリーダでは、設計の自由度を高めることは困難である。
【0007】
そこで、本発明の課題は、設計の自由度を高めることが可能で、かつ、情報記録媒体に記録された磁気情報を適切に読み取ることが可能な情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の情報読取装置は、磁気情報が記録された情報記録媒体が通過する媒体通過路と、媒体通過路を通過する情報記録媒体に当接して情報記録媒体に記録された磁気情報を読み取る磁気ヘッドと、情報記録媒体と磁気ヘッドとが当接したときに情報記録媒体と磁気ヘッドとが互いに押し合う力が作用するように情報記録媒体を案内するガイド部と、情報記録媒体と磁気ヘッドとが当接する方向へ磁気ヘッドおよび/またはガイド部を付勢する付勢機構とを備え、ガイド部は、磁気ヘッドの先端に形成される磁気ギャップに対向する位置に配置されず、かつ、情報記録媒体の通過方向において、磁気ギャップよりも上流側に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の情報読取装置は、情報記録媒体と磁気ヘッドとが当接したときに情報記録媒体と磁気ヘッドとが互いに押し合う力が作用するように情報記録媒体を案内するガイド部と、情報記録媒体と磁気ヘッドとが当接する方向へ磁気ヘッドおよび/またはガイド部を付勢する付勢機構とを備えている。そのため、本発明では、スペーシングロスをなくして、情報記録媒体に記録された磁気情報を磁気ヘッドで適切に読み取ることが可能になる。また、本発明では、ガイド部は、磁気ヘッドの先端に形成される磁気ギャップに対向する位置に配置されず、かつ、情報記録媒体の通過方向において、磁気ギャップよりも上流側に配置されている。すなわち、スペーシングロスをなくすための機構が磁気ギャップに対向する位置に配置されていない。そのため、本発明では、磁気ギャップに対向する位置に各種の機構を配置することが可能になり、設計の自由度を高めることが可能になる。
【0010】
本発明において、情報読取装置は、たとえば、磁気ヘッドが取り付けられる第1側壁部と、第1側壁部に対向配置され、第1側壁部とともに媒体通過路を形成する第2側壁部とを備え、ガイド部は、第1側壁部に形成されるまたは取り付けられる第1ガイド部と、第2側壁部に形成されるまたは取り付けられる第2ガイド部とによって構成されている。
【0011】
本発明において、第2ガイド部は、磁気ヘッドの先端側に形成される傾斜部に情報記録媒体の通過方向における情報記録媒体の先端が当接するように情報記録媒体を案内することが好ましい。この場合には、たとえば、第2ガイド部は、情報記録媒体の通過方向における下流側に向かうにしたがって、磁気ヘッドに向かって傾斜する傾斜面である。また、本発明において、磁気ヘッドの先端は、第1側壁部と第2側壁部との対向方向において、情報記録媒体の通過方向における第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端よりも第2側壁部側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、情報記録媒体と磁気ギャップとを確実に当接させることが可能になる。
【0012】
本発明において、第2側壁部の、情報記録媒体の通過方向における磁気ギャップよりも下流側には、情報記録媒体と磁気ヘッドとが当接しているときの、情報記録媒体の通過方向と情報記録媒体の厚さ方向とに直交する方向を軸方向とする情報記録媒体の回動を防止するための回動防止部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、情報記録媒体と磁気ギャップとを確実に当接させることが可能になる。
【0013】
本発明において、情報記録媒体の通過方向における回動防止部の上流側端の第1側壁部側端は、第1側壁部と第2側壁部との対向方向において、情報記録媒体の通過方向における第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端よりも第2側壁部側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、媒体通過路を通過する情報記録媒体の先端が回動防止部にひっかかるのを防止することが可能になる。
【0014】
本発明において、情報記録媒体の通過方向における第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端と磁気ギャップとの情報記録媒体の通過方向における距離は、情報記録媒体の通過方向における情報記録媒体の後端と情報記録媒体上の磁気情報記録領域の後端との情報記録媒体の通過方向における距離よりも短くなっていることが好ましい。このように構成すると、第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端を情報記録媒体の後端が通過して、第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端から情報記録媒体の後端が外れるときには、磁気情報記録領域の後端は、磁気ギャップを通過している。したがって、第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端から情報記録媒体の後端が外れるときの情報記録媒体の通過速度の変動に起因して磁気情報の読み取り精度が低下するのを防止することが可能になる。
【0015】
本発明において、付勢機構は、磁気ヘッドを付勢するとともに、情報記録媒体の通過方向を軸方向とする磁気ヘッドの揺動、および/または、情報記録媒体の厚さ方向を軸方向とする磁気ヘッドの揺動が可能となるように、磁気ヘッドを保持していることが好ましい。このように構成すると、磁気ヘッドを情報記録媒体に追従させて、情報記録媒体と磁気ギャップとを確実に当接させることが可能になる。
【0016】
本発明において、情報読取装置は、媒体通過路に面するように配置される光透過性部材を有し情報記録媒体の表面を読み取って情報記録媒体上の画像を取得する画像読取手段を備え、画像読取手段は、第1側壁部と第2側壁部との対向方向において、磁気ヘッドに対向配置されるように第2側壁部に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、情報記録媒体の通過方向において、情報読取装置を小型化することが可能になる。また、情報記録媒体の先端が磁気ヘッドへの接触を開始する際、あるいは、情報記録媒体の後端が磁気ヘッドから外れる際の情報記録媒体の通過速度の変動に起因して画像の読み取り精度が低下するのを防止することが可能になる。
【0017】
本発明において、光透過性部材の第1側壁部側端面は、第1側壁部と第2側壁部との対向方向において、情報記録媒体の通過方向における第2ガイド部の下流側端の第1側壁部側端よりも第2側壁部側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、光透過性部材に情報記録媒体が接触することに起因して光透過性部材に傷が発生するのを防止することが可能になる。
【0018】
本発明において、情報記録媒体と磁気ヘッドとが当接していない状態では、第1側壁部と第2側壁部との対向方向における磁気ヘッドの先端と光透過性部材との間に所定の隙間が形成されていることが好ましい。このように構成すると、光透過性部材に磁気ヘッドが接触することに起因して光透過性部材に傷が発生するのを防止することが可能になる。
【0019】
本発明において、第1側壁部と第2側壁部との対向方向における磁気ヘッドの先端と光透過性部材との間の隙間は、情報読取装置で取り扱われる情報記録媒体の最小厚さと画像読取手段の被写界深度との和よりも小さいことが好ましい。このように構成すると、情報記録媒体と磁気ギャップとを確実に当接させて磁気情報を適切に読み取ることが可能になるとともに、画像読取手段で情報記録媒体上の画像を適切に取得することが可能になる。
【0020】
本発明において、第2側壁部は、第1側壁部に対して開閉可能な開閉部を備え、磁気ヘッドは、開閉部に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、画像読取手段に磁気ヘッドが対向配置される場合であっても、画像読取手段のメンテナンスを比較的容易に行うことが可能になる。
【0021】
本発明において、第2ガイド部は、金属で形成されていることが好ましい。このように構成すると、第2ガイド部の摩耗を抑制することが可能になる。また、第2ガイド部を介して、帯電している情報記録媒体の放電を行って、静電気に起因する画像読取手段の損傷を防止することが可能になる。
【0022】
本発明において、情報読取装置は、第1側壁部と第2側壁部との対向方向において、画像読取手段に対向配置されるとともに、第1側壁部と第2側壁部との対向方向と情報記録媒体の通過方向とに略直交する方向において、磁気ヘッドと隣接するように第1側壁部に取り付けられ、媒体通過路を通過する情報記録媒体を画像読取手段に向かって押圧する押圧部材を備え、付勢機構は、磁気ヘッドを付勢していることが好ましい。この場合、画像読取手段は、たとえば、密着型のスキャナである。
【0023】
このように構成すると、第1側壁部と第2側壁部との対向方向と情報記録媒体の通過方向とに略直交する方向における画像読取手段の幅が磁気ヘッドの幅より大きい場合であっても、第1側壁部と第2側壁部との対向方向と情報記録媒体の通過方向とに略直交する方向の所定の範囲内において、磁気ヘッドと押圧部材とによって、媒体通過路を通過する情報記録媒体を画像読取手段に向かって押圧することが可能になり、媒体通過路を通過する情報記録媒体を画像読取手段の被写界深度内で通過させることが可能になる。したがって、画像読取手段によって、情報記録媒体上の画像を適切に取得することが可能になる。特に、画像読取手段が密着型のスキャナである場合には、その被写界深度が浅いため、媒体通過路を通過する情報記録媒体を画像読取手段に向かって適切に押圧しないと、画像読取手段によって、情報記録媒体上の画像を適切に取得することが困難になるが、このように構成すると、画像読取手段によって、情報記録媒体上の画像を適切に取得することが可能になる。
【0024】
本発明において、押圧部材は、媒体通過路を通過する情報記録媒体に当接するとともに第1側壁部と第2側壁部との対向方向と情報記録媒体の通過方向とに略直交する方向を軸方向とする回転が可能なパッドローラであることが好ましい。このように構成すると、押圧部材によって、媒体通過路を通過する情報記録媒体を画像読取手段に向かって押圧する場合であっても、情報記録媒体を円滑に通過させることが可能になる。
【0025】
本発明において、情報読取装置は、媒体通過路を通過する情報記録媒体に向かって押圧部材を付勢する付勢部材を、付勢機構とは別個に備えることが好ましい。このように構成すると、付勢機構によって押圧部材を付勢する必要がなくなる。したがって、付勢機構の構成を考慮する際には、押圧部材を付勢するための構成を考慮せずに、磁気ヘッドの情報記録媒体への追従性および磁気ヘッドと情報記録媒体との当接力等を考慮すれば良くなる。その結果、付勢機構によって、磁気ヘッドを情報記録媒体に追従させて、情報記録媒体と磁気ギャップとを確実に当接させることが可能になる。また、付勢部材の構成を考慮する際には、磁気ヘッドを付勢するための構成を考慮せずに、押圧部材と情報記録媒体との当接力および押圧部材の情報記録媒体への追従性等を考慮すれば良くなるため、付勢部材によって、押圧部材を情報記録媒体に追従させて、情報記録媒体と押圧部材とを確実に当接させることが可能になる。したがって、磁気ヘッドと押圧部材とによって、媒体通過路を通過する情報記録媒体を画像読取手段に向かってより適切に押圧することが可能になり、その結果、画像読取手段によって、情報記録媒体上の画像をより適切に取得することが可能になる。
【0026】
本発明において、第2側壁部は、第1側壁部に対して開閉可能な開閉部を備え、磁気ヘッドおよび押圧部材は、開閉部に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、磁気ヘッドおよび押圧部材が画像読取手段に対向配置される場合であっても、画像読取手段のメンテナンスを比較的容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明の情報読取装置では、設計の自由度を高めることが可能で、かつ、情報記録媒体に記録された磁気情報を適切に読み取ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態にかかる情報読取装置の斜視図である。
【図2】図1に示す情報読取装置の、開閉部を開けた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す情報記録媒体の平面図である。
【図4】図1のE−E方向から磁気ヘッド、スキャナおよびパッドローラの配置関係を説明するための図である。
【図5】図4のF−F断面に相当する情報読取装置の断面図である。
【図6】図5のG部の拡大図である。
【図7】図6のH−H方向から磁気ヘッドの取付構造を説明するための図である。
【図8】図6に示す磁気ヘッドおよびスキャナの周辺部分を情報記録媒体が通過するときの状態を示す図であり、(A)は情報記録媒体の先端が磁気ヘッドに接触を開始したときの状態を示し、(B)は情報記録媒体の先端が磁気ヘッドの磁気ギャップを通過した直後の状態を示す。
【図9】図6に示す磁気ヘッドおよびスキャナの周辺部分を情報記録媒体が通過するときの状態を示す図であり、(A)は情報記録媒体が磁気ヘッドの磁気ギャップに当接しながら媒体通過路を通過している状態を示し、(B)は第2傾斜面部から情報記録媒体の後端が抜ける直前の状態を示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態にかかる磁気ヘッドおよびスキャナの周辺部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(情報読取装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる情報読取装置1の斜視図である。図2は、図1に示す情報読取装置1の、開閉部11aを開けた状態を示す斜視図である。図3は、図1に示す情報記録媒体2の平面図である。図4は、図1のE−E方向から磁気ヘッド5、スキャナ6およびパッドローラ7の配置関係を説明するための図である。図5は、図4のF−F断面に相当する情報読取装置1の断面図である。
【0031】
なお、以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向をX方向、Y方向およびZ方向とする。また、図1のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0032】
本形態の情報読取装置1は、ユーザが手動で情報記録媒体2を操作して、情報記録媒体2に記録された磁気情報の読み取りを行うための装置である。また、本形態の情報読取装置1は、ユーザが手動で情報記録媒体2を操作して、情報記録媒体2上の画像を取得するための装置である。具体的には、情報読取装置1は、溝状に形成された媒体通過路3に沿って情報記録媒体2を移動させながら(媒体通過路3を通過させながら)情報記録媒体2の磁気情報を読み取るとともに情報記録媒体2上の画像を取得するいわゆるスワイプ式の情報読取装置である。
【0033】
本形態では、情報読取装置1の前側から後ろ側に向かって(Y2方向に)ユーザが情報記録媒体2を移動させながら情報記録媒体2の磁気情報の読み取りと情報記録媒体2上の画像の取得とが行われるように情報読取装置1が構成されている。すなわち、本形態では、Y2方向は、情報記録媒体2の通過方向となっている。また、情報読取装置1は、図1に示すように、前後方向を長手方向とする細長い略直方体状に形成されている。また、本形態では、左右方向は情報記録媒体2の厚さ方向であり、前後方向は情報記録媒体2の長さ方向(長手方向)であり、上下方向は情報記録媒体2の幅(短手方向)である。
【0034】
情報記録媒体2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。この情報記録媒体2の表面には、図3に示すように、磁気情報が記録される磁気ストライプ2aが形成されている。すなわち、情報記録媒体2は、磁気カードである。磁気ストライプ2aは、情報記録媒体2の長さ方向を長手方向とする細長い長方形状に形成されている。また、情報記録媒体2の表面(具体的には、磁気ストライプ2aが形成された面と反対側の面)には、文字や図形、模様等が描かれている。あるいは、情報記録媒体2の表面には、バーコード等が印刷されている。なお、情報記録媒体2は、所定の剛性を有する媒体であれば、塩化ビニール製のカード以外の媒体であっても良い。たとえば、情報記録媒体2は、パスポート等の紙媒体であっても良い。また、情報記録媒体2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0035】
情報読取装置1は、図2、図4および図5に示すように、媒体通過路3が形成される本体フレーム4と、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2に当接して情報記録媒体2に記録された磁気情報を読み取る磁気ヘッド5と、情報記録媒体2の表面の文字やバーコード等を読み取って情報記録媒体2上の画像を取得する画像読取手段としてのスキャナ6と、スキャナ6に対向するように配置され媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かって押圧する押圧部材としてのパッドローラ7とを備えている。
【0036】
磁気ヘッド5の先端には、磁気ギャップ(図示省略)が形成されている。また、磁気ヘッド5の先端側には、磁気ヘッド5の前後方向の両端面から磁気ヘッド5の先端に向かって緩やかに傾斜する傾斜部5aが形成されている。本形態の傾斜部5aは、凸曲面状に形成されている(図6参照)。
【0037】
スキャナ6は、いわゆる密着型のスキャナ(イメージセンサ)であり、ガラス等の光透過性部材8を備えている。光透過性部材8は、スキャナ6の左端面に固定されている。
【0038】
本体フレーム4は、たとえば、樹脂で形成されている。この本体フレーム4は、左右方向に所定の間隔をあけた状態で互いに対向配置される第1側壁部11および第2側壁部12を備えている。第1側壁部11および第2側壁部12は、本体フレーム4の下端側を構成する基端部13から上側に向かって突出するように形成されおり、第1側壁部11と第2側壁部12との間に媒体通過路3が形成されている。具体的には、本形態では、第1側壁部11が左側に配置され、第2側壁部12が右側に配置されており、第1側壁部11の右側面と、第2側壁部12の左側面と、基端部13の上側面とによって媒体通過路3が構成されている。なお、本形態では、左右方向が第1側壁部11と第2側壁部12との対向方向となっている。
【0039】
媒体通過路3は、本体フレーム4の前端から後端までの全域にわたって形成されている。また、媒体通過路3の前端側の左右方向の幅は、媒体通過路3の後端側の左右方向の幅よりも広くなっている。媒体通過路3の深さ(上下方向の深さ)は、情報記録媒体2の短手幅よりも浅くなっており、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の上端側は、本体フレーム4の外部に露出する。
【0040】
本形態では、情報記録媒体2の磁気情報を読み取ったり、情報記録媒体2上の画像を取得する際に、ユーザは、本体フレーム4の外部に露出する情報記録媒体2の上端側をつかんで、媒体通過路3を情報記録媒体2が通過するように、情報記録媒体2を後ろ側に向かって移動させる。このとき、上下方向における磁気ヘッド5の位置と磁気ストライプ2aとの位置を合わせるため、また、上下方向における情報記録媒体2上の文字等とスキャナ6との位置を合わせるため、ユーザは、基端部13の上側面に情報記録媒体2を押しつけながら情報記録媒体2を移動させる。すなわち、基端部13の上側面は、上下方向における磁気ヘッド5の位置と磁気ストライプ2aとの位置を合わせ、また、上下方向における情報記録媒体2上の文字等とスキャナ6との位置を合わせるための基準面となっている。
【0041】
第2側壁部12には、スキャナ6が取り付けられている。具体的には、前後方向における第2側壁部12の略中心位置にスキャナ6が固定されている。また、光透過性部材8が媒体通過路3に面するように第2側壁部12にスキャナ6が固定されている。
【0042】
第1側壁部11は、第2側壁部12に対して開閉可能な開閉部11aを備えている。すなわち、第1側壁部11は、基端部13に固定された固定部11bと、固定部11bに対して開閉可能な開閉部11aとを備えている。開閉部11aは、図2に示すように、その後端側を中心にして、かつ、上下方向を軸方向とする回動が可能となっている。すなわち、開閉部11aは、後端側を中心にして回動することで、第2側壁部12に対して閉じた状態になったり、開いた状態になる。なお、開閉部11aの前端には、開閉部11aが閉じた状態を維持するためのロック機構9が取り付けられている。
【0043】
第1側壁部11には、磁気ヘッド5およびパッドローラ7が取り付けられている。具体的には、図2に示すように、磁気ヘッド5とパッドローラ7とが上下方向で隣接するように、磁気ヘッド5およびパッドローラ7が開閉部11aに取り付けられている。また、図4に示すように、開閉部11aが第2側壁部12に対して閉じた状態で、磁気ヘッド5の先端側およびパッドローラ7の外周面が媒体通過路3に向かって突出するように、磁気ヘッド5およびパッドローラ7が開閉部11aに取り付けられている。
【0044】
パッドローラ7は、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2に当接可能となるように開閉部11aに取り付けられている。また、パッドローラ7は、上下方向を軸方向とする回転が可能となるように開閉部11aに取り付けられている。具体的には、パッドローラ7は、上下方向を軸方向として開閉部11aに固定される固定軸に回転可能に取り付けられている。
【0045】
パッドローラ7は、板バネ10(図1参照)によって、媒体通過路3に向かって(右側に向かって)付勢されている。具体的には、パッドローラ7が取り付けられる固定軸の上下方向の両端部分が板バネ10によって、媒体通過路3に向かって付勢されている。すなわち、パッドローラ7は、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2とパッドローラ7とが当接する方向へ板バネ10によって付勢されており、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かって押圧する機能を果たしている。本形態の板バネ10は、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2に向かってパッドローラ7を付勢する付勢部材であり、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ磁気ヘッド5を付勢する後述の付勢機構20とは、別構成となっている。なお、磁気ヘッド5の開閉部11aへの取付構造については後述する。
【0046】
また、磁気ヘッド5およびパッドローラ7は、開閉部11aが第2側壁部12に対して閉じた状態で、磁気ヘッド5およびパッドローラ7とスキャナ6とが左右方向で対向するように開閉部11aに取り付けられている。具体的には、開閉部11aが第2側壁部12に対して閉じた状態で、磁気ヘッド5の先端の磁気ギャップおよびパッドローラ7の外周面とスキャナ6の光透過性部材8とが対向するように、磁気ヘッド5およびパッドローラ7が開閉部11aに取り付けられている。そのため、開閉部11aが開いた状態になると、図2に示すように、スキャナ6の光透過性部材8が露出する。また、本形態では、上下方向におけるスキャナ6の幅は、上下方向における磁気ヘッド5の幅およびパッドローラ7の幅よりも広くなっている。
【0047】
(磁気ヘッドの取付構造)
図6は、図5のG部の拡大図である。図7は、図6のH−H方向から磁気ヘッド5の取付構造を説明するための図である。
【0048】
上述のように、磁気ヘッド5は、開閉部11aに取り付けられている。具体的には、開閉部11aに固定される平板状の固定板15と、固定板15に固定される2本の固定ピン16、17と、磁気ヘッド5が固定される板バネ18と、板バネ18を付勢する圧縮コイルバネ19とによって、磁気ヘッド5は、開閉部11aに取り付けられている。
【0049】
固定板15は、開閉部11aの左端面に固定されている。固定ピン16、17は、前後方向に所定の間隔をあけた状態で、固定板15に固定されている。具体的には、固定ピン16が固定板15の前端側に固定され、固定ピン17が固定板15の後端側に固定されている。また、固定ピン16、17は、固定板15から右側に向かって突出するように固定板15に固定されている。また、固定ピン16、17は、図6に示すように、段付の略円柱状に形成されており、固定ピン16、17の先端側(右端側)は、その基端側(左端側)よりも径の小さな小径部16a、17aとなっている。
【0050】
板バネ18には、図6に示すように、小径部16aが挿通される挿通孔18aが形成されている。挿通孔18aは丸孔状に形成されており、挿通孔18aの径は、小径部16aの径よりもわずかに大きくなっている。すなわち、挿通孔18aの内周面と小径部16aの外周面との間には、わずかな隙間が形成されている。そのため、板バネ18の前端側は、左右方向に移動可能となっている。なお、固定ピン16には、図6に示すように、左側へ向かうにしたがって径が次第に大きくなるテーパ部16bが小径部16aの左端に繋がるように形成されており、このテーパ部16bによって、板バネ18の前端側の左方向への動きが規制されている。
【0051】
また、板バネ18には、小径部17aが挿通される挿通孔18bが形成されている。挿通孔18bは、前後方向を長手方向とする長孔状に形成されており、上下方向における挿通孔18bの幅は、小径部17aの径よりもわずかに大きくなっている。すなわち、挿通孔18bの内周面と小径部17aの外周面との間には、わずかな隙間が形成されている。そのため、板バネ18の後端側は、左右方向に移動可能となっている。
【0052】
前後方向における板バネ18の中心よりも後端側には、磁気ヘッド5が固定される開口部18cが形成されている。磁気ヘッド5は、開口部18cに挿通された状態で板バネ18に固定されている。
【0053】
開閉部11aには、小径部16aが挿入される挿入孔11cが形成されている。挿入孔11cは丸孔状に形成されており、挿入孔11cの径は、小径部16aの径よりもわずかに大きくなっている。また、開閉部11aには、小径部17aが挿入される挿入孔11dが形成されている。挿入孔11dは、前後方向を長手方向とする長孔状に形成されており、上下方向における挿入孔11cの幅は、小径部17aの径よりもわずかに大きくなっている。また、開閉部11aには、板バネ18の右側面が当接する当接面11eが形成されている。なお、挿入孔11dは、小径部17aの径よりも径の大きな丸孔状に形成されても良い。
【0054】
圧縮コイルバネ19は、固定ピン17に挿通されている。この圧縮コイルバネ19の左端は、固定板15の後端側の右側面に当接し、圧縮コイルバネ19の右端は、板バネ18の後端側の左側面に当接しており、板バネ18の後端側は、圧縮コイルバネ19によって、右側に向かって付勢されている。
【0055】
以上のように構成された固定板15と、固定ピン16、17と、板バネ18と、圧縮コイルバネ19とによって、磁気ヘッド5が開閉部11aに取り付けられているため、磁気ヘッド5は、媒体通過路3に向かって付勢されている。本形態では、固定板15と、固定ピン16、17と、板バネ18と、圧縮コイルバネ19とによって、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ磁気ヘッド5を付勢する付勢機構20が構成されている。
【0056】
また、本形態では、磁気ヘッド5は、前後方向を軸方向とする揺動が可能となるように付勢機構20に保持されている。具体的には、上下方向から見たときに、小径部16aと小径部17aとを結んだ線を軸とする揺動が可能となるように、磁気ヘッド5が付勢機構20に保持されている。また、磁気ヘッド5は、固定ピン16を中心とした左右方向を軸方向とする揺動が可能となるように付勢機構20に保持されている。このように、磁気ヘッド5は、いわゆるジンバル構造によって保持されており、板バネ18および/または圧縮コイルバネ19が撓むことで、磁気ヘッド5の磁気ギャップが情報記録媒体2に対して垂直に当接することが可能となっている。
【0057】
(磁気ヘッドおよびスキャナ周辺の媒体通過路の構成)
図8は、図6に示す磁気ヘッド5およびスキャナ6の周辺部分を情報記録媒体2が通過するときの状態を示す図であり、(A)は情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5に接触を開始したときの状態を示し、(B)は情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5の磁気ギャップを通過した直後の状態を示す。図9は、図6に示す磁気ヘッド5およびスキャナ6の周辺部分を情報記録媒体2が通過するときの状態を示す図であり、(A)は情報記録媒体2が磁気ヘッド5の磁気ギャップに当接しながら媒体通過路3を通過している状態を示し、(B)は第2傾斜面部12cから情報記録媒体2の後端が抜ける直前の状態を示す図である。
【0058】
以下、図5、図6、図8および図9に基づいて、磁気ヘッド5およびスキャナ6周辺の媒体通過路3の構成を説明する。
【0059】
上述のように、第1側壁部11と第2側壁部12との間に媒体通過路3が形成されている。具体的には、第1側壁部11の右側面と、第2側壁部12の左側面と、基端部13の上側面とによって媒体通過路3が構成されている。
【0060】
第1側壁部11の右側面は、情報記録媒体2の通過方向において、磁気ヘッド5よりも上流側(すなわち、前側)に配置される第1側面部11f、傾斜側面部11gおよび第2側面部11hと、磁気ヘッド5よりも下流側(すなわち、後ろ側)に配置される第3側面部11jとを備えている。第1側面部11f、傾斜側面部11gおよび第2側面部11hは、上流側から下流側に向かってこの順番で配置されている。第1側面部11f、第2側面部11hおよび第3側面部11jは、前後方向と略平行な平面状に形成されている。傾斜側面部11gは、下流側に向かうにしたがって右側へ緩やかに傾斜する平面状に形成されている。
【0061】
第2側壁部12の左側面は、情報記録媒体2の通過方向において、スキャナ6よりも上流側(具体的には、磁気ヘッド5の磁気ギャップよりも上流側)に配置される第1側面部12a、第1傾斜側面部12bおよび第2傾斜側面部12cと、スキャナ6よりも下流側(具体的には、磁気ヘッド5の磁気ギャップよりも下流側)に配置される第3傾斜側面部12dおよび第2側面部12eとを備えている。第1側面部12a、第1傾斜側面部12bおよび第2傾斜側面部12cは、上流側から下流側に向かってこの順番で配置されている。第3傾斜側面部12dおよび第2側面部12eは、上流側から下流側に向かってこの順番で配置されている。また、第2傾斜側面部12cと第3傾斜側面部12dとの間には、スキャナ6が配置される開口部12fが形成されている。
【0062】
第1側面部12aおよび第2側面部12eは、前後方向と略平行な平面状に形成されている。第1傾斜側面部12bおよび第2傾斜側面部12cは、下流側に向かうにしたがって左側へ緩やかに傾斜する平面状に形成されている。すなわち、第1傾斜側面部12bおよび第2傾斜側面部12cは、下流側に向かうにしたがって磁気ヘッド5に向かって傾斜している。本形態では、前後方向に対する第1傾斜側面部12bの傾斜角度は、前後方向に対する第2傾斜側面部12cの傾斜角度よりもわずかに大きくなっている。また、第3傾斜側面部12dは、下流側に向かうにしたがって左側へ緩やかに傾斜する平面状に形成されている。
【0063】
なお、スキャナ6と第2傾斜側面部12cとの間には、帯電している情報記録媒体2の放電を行って、静電気に起因するスキャナ6の損傷を防止するための放電用電極22が配置されている。
【0064】
本形態では、磁気ギャップが形成される磁気ヘッド5の先端は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12g(図6参照)よりもわずかに右側に配置されている。また、光透過性部材8の左端面は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gよりも右側に配置されている。さらに、第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12h(図6参照)は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gよりも右側に配置されている。また、第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12hは、左右方向において、媒体通過路3に面する光透過性部材8の左端面よりも右側に配置されている。
【0065】
図6に示すように、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接していない状態では、左右方向において、磁気ヘッド5の先端と光透過性部材8の左端面との間には、所定の隙間が形成されている。すなわち、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接していない状態で磁気ヘッド5の先端と光透過性部材8の左端面との間に所定の隙間が形成されるように、開閉部11aの当接面11eに磁気ヘッド5が固定される板バネ18が当接している。本形態では、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接していないときに、磁気ヘッド5の先端と光透過性部材8の左端面との間に形成される隙間は、情報読取装置1で取り扱われる情報記録媒体2の最小厚さと、スキャナ6の被写界深度との和よりも小さくなっている。
【0066】
また、本形態では、磁気ヘッド5の先端に形成される磁気ギャップと第2傾斜側面部12cの下流側端との前後方向の距離L1(図6参照)は、情報記録媒体2上の磁気情報記録領域2b(図3の斜線部分)の後端と情報記録媒体2の後端2cとの前後方向(情報記録媒体2の長手方向)の距離L2(図3参照)よりも短くなっている。
【0067】
上流側から下流側に向かって媒体通過路3を情報記録媒体2が通過していく過程では、情報記録媒体2の先端2dは、図8(A)に示すように、まず、磁気ヘッド5の傾斜部5aに当接する。すなわち、本形態では、上流側から下流側に向かって媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5の傾斜部5aに当接するように、第2傾斜側面部12cによって情報記録媒体2が案内される。
【0068】
また、情報記録媒体2が上流側から下流側にさらに移動すると、付勢機構20によって磁気ヘッド5が右側へ付勢されているため、図8(B)に示すように、情報記録媒体2には、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gを中心とする図8の時計方向への回動力が作用する。この回動力に基づく情報記録媒体2の回動は、情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dに達する前は、第1側面部11fによって規制される。すなわち、この回動力に基づく情報記録媒体2の回動は、情報記録媒体2の後端側が第1側面部11fに当接することで規制される(図8(B)では、情報記録媒体2の後端側の第1側面部11fへの当接部分の図示は省略。)。
【0069】
また、情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dに達した後は、第1側面部11fおよび/または第3傾斜側面部12d、あるいは、第1側面部11fおよび/または第2側面部12eによって、情報記録媒体2に生じる回動力に基づく情報記録媒体2の回動が規制される(図9(A)参照)。また、図9(A)に示す状態からさらに情報記録媒体2が上流側から下流側に移動すると、図9(B)に示すように、第2側面部12eによって情報記録媒体2に生じる回動力に基づく情報記録媒体2の回動が規制される。
【0070】
このように、本形態では、情報記録媒体2が磁気ヘッド5に当接した状態で下流側に移動する際には、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gを中心とする情報記録媒体2の回動が規制されている。また、情報記録媒体2は所定の剛性を有する。そのため、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接しているときには、付勢機構20の付勢力によって、情報記録媒体2と磁気ヘッド5との間に互いに押し合う力が作用する。すなわち、本形態では、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接しているときには、磁気ヘッド5が情報記録媒体2を押し返し、かつ、情報記録媒体2が磁気ヘッド5を押し返す力が作用している。
【0071】
なお、本形態では、情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dに達する前に、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gを中心とする回動力が情報記録媒体2に作用しても、情報記録媒体2が光透過性部材8に当接しないか、あるいは、当接しても光透過性部材8に傷を発生させない程度のわずかな当接力で当接するように、第1側面部11fが形成されている。
【0072】
また、本形態では、第1側面部11fは第1側壁部11に形成される第1ガイド部であり、第2傾斜側面部12cは第2側壁部12に形成される第2ガイド部である。本形態では、この第1側面部11fと第2傾斜側面部12cとによって、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接したときに情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが互いに押し合う力が作用するように情報記録媒体2を案内するガイド部が構成されており、このガイド部は、磁気ヘッド5の先端の磁気ギャップに対向する位置に配置されず、かつ、前後方向において、磁気ギャップよりも上流側に配置されている。
【0073】
また、本形態の第3傾斜側面部12dおよび第2側面部12eは、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接しているときの、上下方向を軸方向とする情報記録媒体2の回動を防止するための回動防止部である。
【0074】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の情報読取装置1では、上流側から下流側に向かって媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5の傾斜部5aに当接するように、第2傾斜側面部12cによって情報記録媒体2が案内されている。また、情報記録媒体2が上流側から下流側にさらに移動したときには、第1側面部11f、第3傾斜側面部12dおよび/または第2側面部12eによって、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gを中心とする情報記録媒体2の回動が規制されている。さらに、付勢機構20によって、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ磁気ヘッド5が付勢され、かつ、情報記録媒体2は所定の剛性を有している。
【0075】
そのため、本形態では、上述のように、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接しているときには、情報記録媒体2と磁気ヘッド5との間に互いに押し合う力が作用する。したがって、本形態では、スペーシングロスをなくして、情報記録媒体2に記録された磁気情報を磁気ヘッド5で適切に読み取ることが可能になる。
【0076】
特に本形態では、磁気ギャップが形成される磁気ヘッド5の先端は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gよりもわずかに右側に配置されている。また、本形態では、磁気ヘッド5は、前後方向を軸方向とする揺動が可能となるように、かつ、固定ピン16を中心とした左右方向を軸方向とする揺動が可能となるように付勢機構20に保持されている。そのため、情報記録媒体2と磁気ヘッド5の磁気ギャップとを確実に当接させて、スペーシングロスをなくし、情報記録媒体2に記録された磁気情報を磁気ヘッド5で適切に読み取ることが可能になる。
【0077】
本形態では、第1側面部11fと第2傾斜側面部12cとによって構成されるガイド部は、磁気ヘッド5の磁気ギャップに対向する位置に配置されず、かつ、前後方向において、磁気ギャップよりも上流側に配置されている。すなわち、スペーシングロスをなくすための機構が磁気ギャップに対向する位置に配置されていない。そのため、本形態では、磁気ギャップに対向する位置にスキャナ6を配置することができ、その結果、設計の自由度を高めることが可能になる。
【0078】
また、磁気ギャップに対向する位置にスキャナ6を配置することができるため、前後方向において、情報読取装置1を小型化することができる。また、情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5への接触を開始する際、あるいは、情報記録媒体2の後端2cが磁気ヘッド5から外れる際の情報記録媒体2の通過速度の変動に起因して画像の読み取り精度が低下するのを防止することが可能になる。
【0079】
本形態では、左右方向において、第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12hは、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gおよび光透過性部材8の左端面よりも右側に配置されている。そのため、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12hにひっかかるのを防止することが可能になる。
【0080】
本形態では、光透過性部材8の左端面は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gよりも右側に配置されている。また、本形態では、情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dに達する前に、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gを中心とする回動力が情報記録媒体2に作用しても、情報記録媒体2が光透過性部材8に当接しないか、あるいは、当接しても光透過性部材8に傷を発生させない程度のわずかな当接力で当接するように、第1側面部11fが形成されている。そのため、光透過性部材8に情報記録媒体2が接触することに起因して光透過性部材2に傷が発生するのを防止することが可能になる。
【0081】
本形態では、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接していない状態では、左右方向における磁気ヘッド5の先端と光透過性部材8との間に所定の隙間が形成されている。そのため、光透過性部材8に磁気ヘッド5が接触することに起因して光透過性部材8に傷が発生するのを防止することが可能になる。
【0082】
本形態では、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接していないときに、磁気ヘッド5の先端と光透過性部材8の左端面との間に形成される隙間は、情報読取装置1で取り扱われる情報記録媒体2の最小厚さと、スキャナ6の被写界深度との和よりも小さくなっている。そのため、情報記録媒体2と磁気ヘッド5の磁気ギャップとを確実に当接させて磁気情報を適切に読み取ることが可能になるとともに、スキャナ6で情報記録媒体2上の画像を適切に取得することが可能になる。
【0083】
本形態では、磁気ヘッド5の先端に形成される磁気ギャップと第2傾斜側面部12cの下流側端との前後方向の距離L1は、情報記録媒体2上の磁気情報記録領域2bの後端と情報記録媒体2の後端2cとの前後方向の距離L2よりも短くなっている。そのため、第2傾斜側面部12cの下流側端を情報記録媒体2の後端2cが通過して、第2傾斜側面部12cの下流側端から情報記録媒体2の後端2cが外れるときには、磁気情報記録領域2bの後端は、磁気ギャップを通過している。したがって、第2傾斜側面部12cの下流側端から情報記録媒体2の後端2cが外れるときの情報記録媒体2の通過速度の変動に起因して磁気情報の読み取り精度が低下するのを防止することができる。
【0084】
本形態では、磁気ヘッド5およびパッドローラ7が開閉部11aに取り付けられており、開閉部11aが開いた状態になると、スキャナ6の光透過性部材8が露出する。そのため、磁気ヘッド5およびパッドローラ7がスキャナ6に対向配置される場合であっても、スキャナ6のメンテナンスを比較的容易に行うことが可能になる。
【0085】
本形態では、磁気ヘッド5は、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ付勢機構20によって付勢され、かつ、パッドローラ7は、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2とパッドローラ7とが当接する方向へ板バネ10によって付勢されており、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2は、磁気ヘッド5およびパッドローラ7によってスキャナ6に向かって押圧されている。そのため、上下方向におけるスキャナ6の幅が、上下方向における磁気ヘッド5の幅およびパッドローラ7の幅より広くなっている場合であっても、上下方向の所定の範囲内において、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6の被写界深度内で通過させることができる。したがって、スキャナ6によって、情報記録媒体2上の画像を適切に取得することが可能になる。特に、本形態では、スキャナ6が密着型のスキャナであるため、その被写界深度が浅く、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かって適切に押圧しないと、スキャナ6による情報記録媒体2の画像の適切な取得は困難になるが、本形態では、スキャナ6による情報記録媒体2の画像の適切な取得が可能になる。
【0086】
本形態では、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の一部は、パッドローラ7によってスキャナ6に向かって押圧されている。そのため、パッドローラ7によって、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かって押圧する場合であっても、媒体通過路3において、情報記録媒体2を円滑に通過させることができる。
【0087】
本形態では、磁気ヘッド5を付勢する付勢機構20とは別個の構成として、パッドローラ7を付勢する板バネ10が設けられている。そのため、付勢機構20によってパッドローラ7を付勢する必要がない。したがって、付勢機構20の構成を考慮する際には、パッドローラ7を付勢するための構成を考慮せずに、磁気ヘッド5の情報記録媒体2への追従性や磁気ヘッド5と情報記録媒体2との当接力等を考慮すれば良い。その結果、本形態では、付勢機構20によって、磁気ヘッド5を情報記録媒体2に追従させて、情報記録媒体2と磁気ギャップとを確実に当接させることが可能になる。また、板バネ10の構成を考慮する際には、磁気ヘッド5を付勢するための構成を考慮せずに、パッドローラ7と情報記録媒体2との当接力やパッドローラ7の情報記録媒体2への追従性等を考慮すれば良くなるため、板バネ10によって、パッドローラ7を情報記録媒体2に追従させて、情報記録媒体2とパッドローラ7とを確実に当接させることが可能になる。したがって、本形態では、磁気ヘッド5とパッドローラ7とによって、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かってより適切に押圧することが可能になり、その結果、スキャナ6によって、情報記録媒体2上の画像をより適切に取得することが可能になる。
【0088】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0089】
上述した形態では、第2側壁部12の左側面の、スキャナ6よりも上流側は、第1側面部12a、第1傾斜側面部12bおよび第2傾斜側面部12cによって構成されている。この他にもたとえば、図10(A)に示すように、第2傾斜側面部12cに代えて、前後方向と略平行な平面状の側面部12jが形成されても良い。この場合には、上流側から下流側に向かって媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5の傾斜部5aに当接するように、側面部12jによって情報記録媒体2が案内される。また、この場合には、側面部12jは、第2側壁部12に形成される第2ガイド部である。
【0090】
また、図10(B)に示すように、第2側壁部12の左側面の、スキャナ6よりも上流側は、前後方向と略平行な平面状に形成され上流側に配置される側面部12kと、下流側に向かうにしたがって左側へ傾斜する平面状に形成され下流側に配置される傾斜側面部12mとによって構成されても良い。この場合には、上流側から下流側に向かって媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが磁気ヘッド5の傾斜部5aに当接するように、傾斜側面部12mによって情報記録媒体2が案内される。また、この場合には、傾斜側面部12mは、第2側壁部12に形成される第2ガイド部である。
【0091】
上述した形態では、情報読取装置1は、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ磁気ヘッド5を付勢する付勢機構20を備えている。この他にもたとえば、情報読取装置1は、付勢機構20に代えて、あるいは、付勢機構20に加えて、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ第2傾斜側面部12cを付勢する付勢機構を備えていても良い。すなわち、情報読取装置1は、第2傾斜側面部12cを左側へ向かって付勢する付勢機構を備えていても良い。また、情報読取装置1は、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へ第2側面部11hを付勢する付勢機構を備えていても良い。すなわち、情報読取装置1は、第2側面部11hを右側へ向かって付勢する付勢機構を備えていても良い。
【0092】
また、情報読取装置1は、第1側壁部11の右側面の磁気ヘッド5よりも上流側、および/または、第2側壁部12の左側面のスキャナ6よりも上流側に配置され情報記録媒体2に当接するローラを備えるとともに、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接する方向へこのローラを付勢する付勢機構を備えていても良い。この場合には、ローラは、情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが当接したときに情報記録媒体2と磁気ヘッド5とが互いに押し合う力が作用するように情報記録媒体2を案内するガイド部となる。
【0093】
上述した形態では、第1ガイド部である第1側面部11fは、第1側壁部11と一体で形成され、第2ガイド部である第2傾斜側面部12cは、第2側壁部12と一体で形成されている。この他にもたとえば、第1ガイド部が第1側壁部11と別体で形成され、この第1ガイド部が第1側壁部11に取り付けられても良いし、第2ガイド部が第2側壁部12と別体で形成され、この第2ガイド部が第2側壁部12に取り付けられても良い。この場合には、たとえば、金属で形成された第2ガイド部が第2側壁部12に取り付けられても良い。このようにすると、第2ガイド部の摩耗を抑制することが可能になる。また、この金属製の第2ガイド部を介して、帯電している情報記録媒体2の放電を行って、静電気に起因するスキャナ6の損傷を防止することが可能になる。そのため、この場合には、放電用電極22を配置する必要がなくなり、情報読取装置1の構成を簡素化することが可能になる。なお、この場合には、たとえば、第2側壁部12を導電性樹脂で形成して、第2側壁部12を介して金属製の第2ガイド部を接地しても良いし、所定のケーブルを介して金属製の第2ガイド部を接地しても良い。
【0094】
上述した形態では、磁気ギャップが形成される磁気ヘッド5の先端は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gよりもわずかに右側に配置されている。この他にもたとえば、磁気ヘッド5の先端は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gと略同じ位置に配置されても良い。また、情報記録媒体2が比較的厚く、その剛性が比較的高い場合には、磁気ヘッド5の先端は、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gよりも左側に配置されても良い。
【0095】
上述した形態では、開閉部11aは、後端側を中心にして回動することで、第2側壁部12に対して閉じた状態になったり、開いた状態になる。この他にもたとえば、開閉部11aは、所定方向にスライド等することによって、第2側壁部12に対して閉じた状態になったり、開いた状態になっても良い。また、開閉部11aは、固定部11bに対して着脱可能に構成されても良い。なお、第1側壁部11は、開閉部11aを備えていなくても良い。
【0096】
上述した形態では、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12hにひっかかるのを防止するために、第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12hは、左右方向において、第2傾斜側面部12cの下流側端の左端12gおよび光透過性部材8の左端面よりも右側に配置されている。この他にもたとえば、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2の先端2dが第3傾斜側面部12dの上流側端の左端12hにひっかかるのを防止するために、第3傾斜側面部12dの上流側端の左端部分が櫛歯状に形成されても良い。
【0097】
上述した形態では、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かって押圧する押圧部材として、パッドローラ7が磁気ヘッド5に隣接するように配置されている。この他にもたとえば、パッドローラ7に代えて、摺動性に優れるダミーヘッド等のブロック状部材が磁気ヘッド5に隣接するように配置されても良い。また、パッドローラ7に代えて、媒体通過路3を通過する情報記録媒体2をスキャナ6に向かって押圧するバネ部材等が磁気ヘッド5に隣接するように配置されても良い。
【0098】
上述した形態では、パッドローラ7を付勢する板バネ10が、付勢機構20とは別個に設けられている。この他にもたとえば、板バネ10を設けずに、付勢機構20にパッドローラ7を付勢する機能を持たせても良い。
【0099】
上述した形態では、磁気ヘッド5に対向する位置に密着型のスキャナ6が配置されている。この他にもたとえば、磁気ヘッド5に対向する位置に縮小光学型のスキャナが配置されても良い。また、磁気ヘッド5に対向する位置にフォトインタラプタ等の光学式センサが配置されても良い。また、磁気ヘッド5に対向する位置にその他の各種の機構が配置されても良いし、磁気ヘッド5に対向する位置(より具体的には、磁気ヘッド5の磁気ギャップに対向する位置)に何も配置されずに、第2傾斜側面部12cと第3傾斜側面部12dとの間に空間が形成されても良い。
【符号の説明】
【0100】
1 情報読取装置
2 情報記録媒体
2d 先端
3 媒体通過路
5 磁気ヘッド
5a 傾斜部
6 スキャナ(画像読取手段)
7 パッドローラ(押圧部材)
8 光透過性部材
10 板バネ(付勢部材)
11 第1側壁部
11a 開閉部
11f 第1側面部(ガイド部、第1ガイド部)
12 第2側壁部
12c 第2傾斜側面部(ガイド部、第2ガイド部)
12d 第3傾斜側面部(回動防止部)
12e 第2側面部(回動防止部)
12j 側面部(ガイド部、第2ガイド部)
12m 傾斜側面部(ガイド部、第2ガイド部)
20 付勢機構
X 情報記録媒体の厚さ方向、第1側壁部と第2側壁部との対向方向
Y2 情報記録媒体の通過方向
Z 第1側壁部と第2側壁部との対向方向と媒体の通過方向とに略直交する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気情報が記録された情報記録媒体が通過する媒体通過路と、前記媒体通過路を通過する前記情報記録媒体に当接して前記情報記録媒体に記録された磁気情報を読み取る磁気ヘッドと、前記情報記録媒体と前記磁気ヘッドとが当接したときに前記情報記録媒体と前記磁気ヘッドとが互いに押し合う力が作用するように前記情報記録媒体を案内するガイド部と、前記情報記録媒体と前記磁気ヘッドとが当接する方向へ前記磁気ヘッドおよび/または前記ガイド部を付勢する付勢機構とを備え、
前記ガイド部は、前記磁気ヘッドの先端に形成される磁気ギャップに対向する位置に配置されず、かつ、前記情報記録媒体の通過方向において、前記磁気ギャップよりも上流側に配置されていることを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記磁気ヘッドが取り付けられる第1側壁部と、前記第1側壁部に対向配置され、前記第1側壁部とともに前記媒体通過路を形成する第2側壁部とを備え、
前記ガイド部は、前記第1側壁部に形成されるまたは取り付けられる第1ガイド部と、前記第2側壁部に形成されるまたは取り付けられる第2ガイド部とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記第2ガイド部は、前記磁気ヘッドの先端側に形成される傾斜部に前記情報記録媒体の通過方向における前記情報記録媒体の先端が当接するように前記情報記録媒体を案内することを特徴とする請求項2記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記第2ガイド部は、前記情報記録媒体の通過方向における下流側に向かうにしたがって、前記磁気ヘッドに向かって傾斜する傾斜面であることを特徴とする請求項3記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記磁気ヘッドの先端は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向において、前記情報記録媒体の通過方向における前記第2ガイド部の下流側端の前記第1側壁部側端よりも前記第2側壁部側に配置されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記第2側壁部の、前記情報記録媒体の通過方向における前記磁気ギャップよりも下流側には、前記情報記録媒体と前記磁気ヘッドとが当接しているときの、前記情報記録媒体の通過方向と前記情報記録媒体の厚さ方向とに直交する方向を軸方向とする前記情報記録媒体の回動を防止するための回動防止部が形成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記情報記録媒体の通過方向における前記回動防止部の上流側端の前記第1側壁部側端は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向において、前記情報記録媒体の通過方向における前記第2ガイド部の下流側端の前記第1側壁部側端よりも前記第2側壁部側に配置されていることを特徴とする請求項6記載の情報読取装置。
【請求項8】
前記情報記録媒体の通過方向における前記第2ガイド部の下流側端の前記第1側壁部側端と前記磁気ギャップとの前記情報記録媒体の通過方向における距離は、前記情報記録媒体の通過方向における前記情報記録媒体の後端と前記情報記録媒体上の磁気情報記録領域の後端との前記情報記録媒体の通過方向における距離よりも短くなっていることを特徴する請求項2から7のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項9】
前記付勢機構は、前記磁気ヘッドを付勢するとともに、前記情報記録媒体の通過方向を軸方向とする前記磁気ヘッドの揺動、および/または、前記情報記録媒体の厚さ方向を軸方向とする前記磁気ヘッドの揺動が可能となるように、前記磁気ヘッドを保持していることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項10】
前記媒体通過路に面するように配置される光透過性部材を有し前記情報記録媒体の表面を読み取って前記情報記録媒体上の画像を取得する画像読取手段を備え、
前記画像読取手段は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向において、前記磁気ヘッドに対向配置されるように前記第2側壁部に取り付けられていることを特徴とする請求項2から9のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項11】
前記光透過性部材の前記第1側壁部側端面は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向において、前記情報記録媒体の通過方向における前記第2ガイド部の下流側端の前記第1側壁部側端よりも前記第2側壁部側に配置されていることを特徴とする請求項10記載の情報読取装置。
【請求項12】
前記情報記録媒体と前記磁気ヘッドとが当接していない状態では、前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向における前記磁気ヘッドの先端と前記光透過性部材との間に所定の隙間が形成されていることを特徴とする請求項10または11記載の情報読取装置。
【請求項13】
前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向における前記磁気ヘッドの先端と前記光透過性部材との間の隙間は、前記情報読取装置で取り扱われる前記情報記録媒体の最小厚さと前記画像読取手段の被写界深度との和よりも小さいことを特徴とする請求項12記載の情報読取装置。
【請求項14】
前記第2側壁部は、前記第1側壁部に対して開閉可能な開閉部を備え、
前記磁気ヘッドは、前記開閉部に取り付けられていることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項15】
前記第2ガイド部は、金属で形成されていることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項16】
前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向において、前記画像読取手段に対向配置されるとともに、前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向と前記情報記録媒体の通過方向とに略直交する方向において、前記磁気ヘッドと隣接するように前記第1側壁部に取り付けられ、前記媒体通過路を通過する前記情報記録媒体を前記画像読取手段に向かって押圧する押圧部材を備え、
前記付勢機構は、前記磁気ヘッドを付勢していることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項17】
前記画像読取手段は、密着型のスキャナであることを特徴とする請求項16記載の情報読取装置。
【請求項18】
前記押圧部材は、前記媒体通過路を通過する前記情報記録媒体に当接するとともに前記第1側壁部と前記第2側壁部との対向方向と前記情報記録媒体の通過方向とに略直交する方向を軸方向とする回転が可能なパッドローラであることを特徴とする請求項16または17記載の情報読取装置。
【請求項19】
前記媒体通過路を通過する前記情報記録媒体に向かって前記押圧部材を付勢する付勢部材を、前記付勢機構とは別個に備えることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項20】
前記第2側壁部は、前記第1側壁部に対して開閉可能な開閉部を備え、
前記磁気ヘッドおよび前記押圧部材は、前記開閉部に取り付けられていることを特徴とする請求項16から19のいずれかに記載の情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−262684(P2010−262684A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110270(P2009−110270)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】