説明

情報送信システム、サーバ及びプログラム

【課題】データ放送対応のテレビ受像機から、データ放送を起点として、視聴者の携帯端末へ直接に情報を送信する。
【解決手段】サーバは、視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信すると、それに対する携帯端末IDを決定し、データベースに記憶する。また、テレビ受像機から視聴者IDを受信すると、データベースを参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得し、テレビ受像機に送信する。視聴者がテレビ受像機を操作してアクセス情報を含むメッセージの送信要求を行うと、テレビ受像機は、メッセージと、テレビ受像機ID、その視聴者の視聴者ID又は携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとをサーバへ送信する。サーバは、その少なくとも1つのIDに対応する携帯端末に、受信したメッセージを送信する。こうして、視聴者の携帯端末に、アクセス情報を含むメッセージが送信され、表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用して、データ放送に含まれる情報を視聴者の携帯端末へ送信する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビ受像機にWebサイトURLやQRコード(登録商標)を表示し、視聴者がそれらの情報を携帯端末に直接入力して関連する情報やアプリケーションなどを取得することが行われている。例えば、特許文献1は、視聴者ダウンロード用のコンテンツデータをサーバに記憶させておき、番組放送中にコンテンツデータリストをテレビ画面に表示し、それに含まれるアクセス情報に基づいてサーバにアクセスした携帯端末にコンテンツデータを送信する手法を記載している。また、特許文献2は、視聴者がデータ放送において表示されるURL情報に基づいてコンテンツサーバからコンテンツを取得する場合に、テレビ画面に表示される画像信号を画像認識してURL情報を抽出することにより、視聴者が自らURLを入力する手間を省く手法が記載されている。
【0003】
特許文献3は、携帯端末をテレビ受像機のリモコンとして利用し、視聴者がチャンネル変更を行ったときに、サーバから視聴中の番組の関連情報を視聴者の携帯端末へ送信する手法を記載している。
【0004】
また、Webサイトや2次元バーコード等からアクセスした後で、登録したWebサイトを起点として携帯端末に情報を配信する方法が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−50378号公報
【特許文献2】特開2004−193639号公報
【特許文献3】特開2003−169352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、データ放送対応のテレビ受像機から、データ放送を起点として、視聴者の携帯端末へ直接に情報を送信する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、ネットワークを通じて通信可能なテレビ受像機及びサーバを備える情報送信システムにおいて、前記テレビ受像機は、テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージを含むデータ放送をテレビ放送局から受信する受信手段と、視聴者を特定する視聴者IDの入力を受け取る視聴者ID入力手段と、視聴者IDを前記サーバへ送信し、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得する携帯端末ID取得手段と、テレビ受像機IDと前記視聴者IDと前記携帯端末IDとを対応付けてテレビ受像機内の記憶部に記憶する記憶手段と、視聴者による要求操作に応じて、前記メッセージと、テレビ受像機ID、前記要求操作を行った視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求を前記サーバへ送信する送信要求手段と、を備え、前記サーバは、視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信し、当該視聴者IDに対する携帯端末IDを決定してデータベースに記憶する携帯端末ID付与手段と、テレビ受像機から視聴者IDを受信し、前記データベースを参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDをテレビ受像機に送信する携帯端末ID送信手段と、テレビ受像機から前記メッセージ送信要求を受信し、当該メッセージ送信要求に含まれるメッセージを、当該メッセージ送信要求に含まれる前記少なくとも1つのIDに対応する携帯端末へ送信するメッセージ送信手段と、を備える。
【0008】
上記の情報送信システムにおいて、テレビ受像機はデータ放送に対応しており、テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージを含むデータ放送を受信する。アクセス情報の典型的な例は、URLやそのURLを示す2次元バーコードなどである。
【0009】
サーバは、視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信すると、それに対する携帯端末IDを決定し、データベースに記憶する。また、テレビ受像機から視聴者IDを受信すると、データベースを参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得し、テレビ受像機に送信する。
【0010】
視聴者がテレビ受像機を操作してアクセス情報を含むメッセージの送信要求を行うと、テレビ受像機は、メッセージと、テレビ受像機ID、その視聴者の視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとをサーバへ送信する。サーバは、その1つのIDに対応する携帯端末に、受信したメッセージを送信する。こうして、視聴者の携帯端末に、アクセス情報を含むメッセージが送信され、表示される。よって、視聴者は、そのアクセス情報に基づいてサイトにアクセスすることにより、自らアクセス情報を携帯端末に入力する必要なく、容易に関連コンテンツを取得することができる。
【0011】
上記の情報送信システムの一態様では、前記サーバは、前記メッセージ送信手段がメッセージの送信を完了したことを示す完了通知を、メッセージ送信要求を行ったテレビ受像機へ送信する完了通知送信手段をさらに備える。これにより、視聴者はテレビを見ていてもメッセージの送信完了を知ることができる。
【0012】
上記の情報送信システムの他の一態様では、前記送信要求手段は、前記テレビ受像機内の記憶部に複数の視聴者についての視聴者ID及び携帯端末IDが記憶されている場合、メッセージを送信すべき視聴者の選択入力を視聴者に要求し、選択された視聴者についてメッセージ送信要求を行う。これにより、1つのテレビ受像機に複数の視聴者が登録されている場合でも、メッセージの送信を要求した視聴者の携帯端末に正しくメッセージを送信することができる。
【0013】
本発明の他の観点では、コンピュータと記憶部とを備え、ネットワークを通じてサーバと通信可能なテレビ受像機によって実行されるプログラムは、テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージを含むデータ放送をテレビ放送局から受信する受信手段、視聴者を特定する視聴者IDの入力を受け取る視聴者ID入力手段、視聴者IDを前記サーバへ送信し、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得する携帯端末ID取得手段、テレビ受像機IDと前記視聴者IDと前記携帯端末IDとを対応付けて前記記憶部に記憶する記憶手段、視聴者による要求操作に応じて、前記メッセージと、テレビ受像機ID、前記要求操作を行った視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求を前記サーバへ送信する送信要求手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0014】
本発明の他の観点では、ネットワークを通じてテレビ受像機と通信可能なサーバは、視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信し、当該視聴者IDに対する携帯端末IDを決定してデータベースに記憶する携帯端末ID付与手段と、テレビ受像機から視聴者IDを受信し、前記データベースを参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDをテレビ受像機に送信する携帯端末ID送信手段と、テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージと、テレビ受像機ID、視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求をテレビ受像機から受信し、当該メッセージ送信要求に含まれるメッセージを、当該メッセージ送信要求に含まれる前記少なくとも1つのIDに対応する携帯端末へ送信するメッセージ送信手段と、を備える。
【0015】
本発明の他の観点では、記憶部とコンピュータとを備え、ネットワークを通じてテレビ受像機と通信可能なサーバによって実行されるプログラムは、視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信し、当該視聴者IDに対する携帯端末IDを決定して前記記憶部に記憶する携帯端末ID付与手段、テレビ受像機から視聴者IDを受信し、前記記憶部を参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDをテレビ受像機に送信する携帯端末ID送信手段、テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージと、テレビ受像機ID、視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求をテレビ受像機から受信し、当該メッセージ送信要求に含まれるメッセージを、当該メッセージ送信要求に含まれる前記少なくとも1つのIDに対応する携帯端末へ送信するメッセージ送信手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0016】
上記のサーバ、プログラムによっても、視聴者の携帯端末に、アクセス情報を含むメッセージが送信され、表示される。よって、視聴者は、そのアクセス情報に基づいてサイトにアクセスすることにより、自らアクセス情報を携帯端末に入力する必要なく、容易に関連コンテンツを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る情報送信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】テレビ受像機の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】サーバ及びテレビ受像機の記憶情報の例を示す。
【図4】メッセージ送信処理のフローチャートである。
【図5】テレビ受像機の表示画面例である。
【図6】携帯端末の表示画面例である。
【図7】テレビ受信機の表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
[システム構成]
図1は、本発明に係る情報送信システムの構成を示す。テレビ受像機10とサーバ20とは、インターネットなどのネットワーク2を通じて相互に通信可能になっている。
【0020】
テレビ受像機10は、視聴者の家庭に設置され、テレビ放送局1からの放送波を受信して表示画面にテレビ番組を表示する。テレビ受像機10はデータ放送対応型であり、テレビ放送局1の地上デジタル放送設備からデータ放送を受信する。テレビ受像機10は、付属のテレビリモコン11により操作可能である。
【0021】
本実施形態では、視聴者の携帯端末へ送信されるメッセージがデータ放送に含められて送信される。ここで「メッセージ」は、放送中のテレビ番組に関連して提供される情報、コンテンツ、アプリケーションなど(以下、「関連コンテンツ」と呼ぶ。)をサーバから取得するためにアクセスすべきアクセス先を示すURL、又は、そのURLを示す2次元バーコードなど(以下、「アクセス情報」と呼ぶ)を含む。従来より、アクセス情報としてのURLを番組放送中にテレビ画面に表示するサービスは行われているが、視聴者は表示されたアクセス情報を見て自らそのURLなどを携帯端末などに入力して関連コンテンツをダウンロードする必要があった。本実施形態では、このアクセス情報を含むメッセージを視聴者の携帯端末30へ直接送信するものである。
【0022】
サーバ20は、携帯端末30と無線通信可能である。本実施形態では、サーバ20は、テレビ受像機10からネットワーク2を介して、メッセージ送信要求を受け取り、視聴者の携帯端末30へメッセージを送信する。サーバ20はデータベース(DB)21に接続されている。
【0023】
図2は、テレビ受像機10の構成を示す。テレビ受像機10は、ブラウザ12と、メモリ13と、表示部14とを備える。ブラウザ12は、実際にはCPUなどのコンピュータが予め用意されたブラウザソフトウェアを実行することにより実現される。メモリ13は不揮発性のメモリであり、視聴者に関連する情報を記憶する。表示部14は液晶パネル、プラズマパネルなどの表示装置である。
【0024】
テレビ受像機10は、テレビ放送局1からデータ放送ファイル50を受信する。データ放送ファイル50は、前述のメッセージを含んでおり、例えばBML(Broadcast Markup Language)により記述されている。ブラウザ12は、データファイル中のBML記述に従ってデータ放送のコンテンツを表示部14に表示する。よって、データ放送ファイル50に含まれるメッセージは、ブラウザ12により表示部14に表示される。
【0025】
テレビ受像機10は、視聴者による視聴者IDの入力を受け取る。視聴者IDとは、視聴者を特定するID(識別情報)である。具体的には、視聴者は、テレビリモコン11を操作することにより、自分の視聴者IDやパスワードなどをテレビ受像機10に入力する。テレビ受像機10は、入力された視聴者IDをメモリ13に記憶する。
【0026】
[記憶情報]
次に、サーバ20及びテレビ受像機10の記憶情報について説明する。
【0027】
サーバ20はデータベース21に視聴者に関連する情報を記憶する。サーバ20の記憶情報の例を図3(a)に示す。サーバ20には、テレビ受像機毎に、視聴者ID、携帯端末IDなどが記憶される。テレビIDは、テレビ受像機10毎にサーバ20が付与した識別情報である。携帯端末IDは、視聴者IDに対応付けて、視聴者の携帯端末毎にサーバ20が付与した識別情報である。
【0028】
テレビ受像機10の記憶情報の例を図3(b)に示す。テレビ受像機10のメモリ13は、自身のテレビIDと、それに対応する視聴者IDと、携帯端末IDとを記憶する。なお、テレビIDと視聴者IDと携帯端末IDは、図3(a)に示すものと同じである。つまり、サーバ20に記憶されている情報のうち、1つのテレビ受像機10に対応する部分の情報のみがそのテレビ受像機10のメモリ13に記憶される。図3(b)に示すように、1つのテレビ受像機10に対しては、複数の視聴者を登録することができる。図3(b)は、1つのテレビ受像機10に3人の視聴者が登録されている例である。もちろん、1つのテレビ受像機10を1人の視聴者のみが使用する場合には、1つの視聴者ID及び携帯端末IDのみがメモリ13に記憶される。
【0029】
次に、サーバ20及びテレビ受像機10に情報が記憶される手順について説明する。
【0030】
まず、視聴者は、サーバ20に対して携帯端末30の登録を行う。具体的には、視聴者は、携帯端末30を操作してサーバ20にアクセスし、自分の視聴者IDなどを入力して登録を要求する。これに対し、サーバ20は、端末装置30から送信された視聴者IDなどをデータベース21に記憶する。また、その視聴者IDに対して一意に携帯端末IDを付与し、その携帯端末IDをデータベース21に記憶するとともに、携帯端末30へ送信する。これにより、データベース21には、ある視聴者に対して、視聴者ID及び携帯端末IDが対応付けて記憶される。
【0031】
また、サーバ20は、視聴者がテレビ受像機10に対して入力した視聴者IDをテレビ受像機10から受信すると、当該テレビ受像機10に対してテレビIDを付与し、そのテレビIDを視聴者IDと対応付けてデータベース21に記憶する。これにより、図3(a)に示すように、データベース21には、テレビID、視聴者ID及び携帯端末IDが対応付けられた状態で記憶される。
【0032】
また、サーバ20は、データベース21を参照して、テレビ受信機10から送信された視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得し、テレビIDと携帯端末IDとをテレビ受像機10に送信する。テレビ受像機10は、テレビIDと携帯端末IDとを受信し、視聴者IDと対応付けてメモリ13に記憶する。これにより、テレビ受像機10のメモリ13には、図3(b)に示すようにテレビIDと視聴者IDと携帯端末IDとが記憶される。
【0033】
[メッセージ送信処理]
次に、本実施形態の情報送信システムによるメッセージ送信処理について説明する。図4は、メッセージ送信処理のフローチャートである。
【0034】
まず、視聴者は、携帯端末30を操作してサーバに対する登録を行う。具体的には、視聴者が携帯端末30を操作してサーバ20にアクセスし、視聴者IDなどの必要な情報を送信すると(ステップS10)、サーバ20は前述のように携帯端末IDを決定してデータベース21に記憶するとともに、携帯端末30へ携帯端末IDを送信する(ステップS11)。
【0035】
一方、テレビ放送局1はデータ放送を行っている(ステップS12)。データ放送により送信されるデータ放送ファイル50には、前述のように、関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージが含まれている。
【0036】
視聴者は、テレビ受像機10に対しても登録を行う。具体的には、視聴者はテレビリモコン11を操作するなどして視聴者登録モードを選択し、視聴者IDやパスワードなどを入力する(ステップS13)。視聴者登録モードにおけるテレビ受像機10の表示画面例を図5(a)に示す。視聴者登録モードでは、テレビ受像機10の表示部14には、放送されている番組の映像が表示されるとともに、ID入力欄72、パスワード入力欄73、決定ボタン74などが表示される。視聴者は、テレビリモコン11を操作して、ID入力欄72に自らの視聴者IDを入力し、パスワード入力欄73にパスワードを入力し、決定ボタン74を押す。これにより、テレビ受像機10は視聴者ID及びパスワードを取得する。
【0037】
テレビ受像機10は、視聴者IDなどをサーバ20へ送信する(ステップS14)。これに対し、サーバ20は、前述のように、まずテレビIDを決定し、視聴者IDと対応付けてデータベース21に記憶する。次に、サーバ20は、データベース21を参照して、受信した視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得し、テレビIDとともにテレビ受像機10へ送信する(ステップS15)。テレビ受像機10は、テレビIDと携帯端末IDとを受信し、図3(b)に示すようにメモリ13に記憶する。
【0038】
放送されているテレビ番組に関連コンテンツが用意されている場合、図5(b)に例示するように、その旨がテレビ受像機10に表示される。図5(b)の例では、関連コンテンツを取得するためのURLなどを含むメッセージを視聴者の携帯端末へ送信できる旨の説明文75と、送信ボタン76とが表示される。なお、「視聴者A」は、テレビ受像機10のメモリ13に視聴者IDが登録されている視聴者である。
【0039】
自分の携帯端末30へメッセージを送信したい視聴者は、テレビリモコン11を操作して送信ボタン76を押すことにより、メッセージの送信要求を行う(ステップS16)。これに応答し、テレビ受像機10は、要求を行った視聴者Aの携帯端末ID及びテレビ受像機10のテレビIDをメモリ13から取得し、データ放送ファイル50に含まれているメッセージ自体とともにサーバ20へ送信してメッセージの送信を要求する(ステップS17)。なお、テレビIDの送信は、サーバ20に対する初回のメッセージ送信要求時のみとしてもよい。
【0040】
サーバ20は、これを受信し、受信したメッセージをその視聴者Aの携帯端末30に送信する(ステップS18)。この送信は、好適には携帯端末IDに基づいてPUSH配信により行われる。なお、携帯端末の端末アドレスに対するメール配信を利用することもできる。
【0041】
携帯端末30は、受信したメッセージを表示する(ステップS19)。携帯端末30におけるメッセージの表示例を図6に示す。この例では、テレビ番組に関連する関連コンテンツとしてアプリ(アプリケーション)が用意されており、メッセージにはそのアプリケーションを取得するためのサイトのURLが含まれている。よって、視聴者は、携帯端末30を操作してこのサイトにアクセスすることにより、容易にアプリケーションをダウンロードすることができる。
【0042】
サーバ20は、携帯端末30へメッセージを送信すると、送信を完了した旨の通知をテレビ受像機10へ送信する(ステップS20)。テレビ受像機10は、これに応答して、表示部14にメッセージの送信が完了した旨を表示する(ステップS21)。こうして、メッセージ送信処理は終了する。
【0043】
なお、1つのテレビ受像機10に複数の視聴者が登録されている場合、ステップS16で視聴者がメッセージの送信要求を行うときのテレビ受像機10の表示画面は、例えば図7に示すように複数の視聴者のうちのいずれかの選択を含むものとなる。テレビ受像機10は、送信ボタン78、79のいずれが押されたかを判定し、対応する視聴者の携帯端末IDをメモリ13から取得して、ステップS17でメッセージともにサーバ20へ送信する。これにより、テレビ受像機10に複数の視聴者が登録されている場合でも、選択された視聴者の携帯端末30へ正しくメッセージが送信される。なお、図7の表示例は単なる一例であり、例えば1つの送信ボタンを視聴者が押した後で、複数の視聴者のうちの1人を選択するためのボタンを表示して視聴者の選択を促すようにしてもよい。
【0044】
[変形例1]
上記のメッセージ送信処理では、ステップS16で視聴者がメッセージの送信要求を行うと、テレビ受信機10は、メッセージとともにその視聴者の携帯端末IDとテレビIDとをサーバ20へ送信している。その代わりに、テレビ受信機10は、メッセージとともに、送信要求を行った視聴者の視聴者ID又は携帯端末IDのいずれかのみをサーバ20へ送信してもよい。その場合、サーバ20は、図3(a)に示すデータベース21を参照し、受信した視聴者ID又は携帯端末IDに基づいてその視聴者の携帯端末30にメッセージを送信すればよい。なお、この場合には、テレビ受信機10のメモリ13には携帯端末IDが記憶されていなくてもよい。
【0045】
[変形例2]
上記のメッセージ送信処理では、ステップS16で視聴者がメッセージの送信要求を行うと、テレビ受信機10は、メッセージとともにその視聴者の携帯端末IDとテレビIDとをサーバ20へ送信している。その代わりに、テレビ受信機10は、メッセージとともに、視聴者IDとそのテレビ受信機10のテレビIDとをサーバ20へ送信してもよい。その場合、サーバ20は、図3(a)に示すデータベース21を参照し、受信したテレビID及び視聴者IDに基づいてその視聴者の携帯端末IDを特定し、携帯端末30にメッセージを送信すればよい。なお、この場合には、テレビ受信機10のメモリ13には携帯端末IDが記憶されていなくてもよい。
【0046】
[変形例3]
また、1つのテレビ受像機10に対して1人の視聴者のみが登録されている場合には、テレビ受像機10はステップS17において、メッセージとテレビIDのみをサーバ20へ送信すればよい。サーバ20は、同様にデータベース21を参照して、受信したテレビIDに対応する視聴者の携帯端末30へメッセージを送信することができる。
【0047】
[変形例4]
上記の例では、サーバ20がテレビ受像機10に対してテレビIDを付与しているが、その代わりに、テレビ受像機側の固有の番号(例えば製品番号など)をテレビIDとして利用することとしてもよい。その場合、サーバ20はテレビ受像機10からそのテレビIDを受信し、データベース21へ記憶する。
【0048】
[効果]
以上のように、本実施形態では、視聴者がテレビ受像機10を操作してメッセージの送信要求を行うと、サーバ20がそのメッセージを当該視聴者の携帯端末30へ送信する。よって、視聴者は、テレビ受像機10に表示されたURLなどのアクセス情報を自ら携帯端末に入力する必要がなくなり、アプリケーションなどの関連コンテンツを容易に取得することができる。
【0049】
また本実施形態では、データ放送を利用することにより、送信タイミングを秒単位で制御できるので、テレビ番組の進行、具体的には15秒のCMや生放送に対して正確にタイミングを合わせることができる。この点、通常のネットワークを利用した手法では、アクセスの集中などによるデータ送信の遅延の問題が生じうるが、データ放送を利用することにより、そのような問題は回避できる。また、関連コンテンツに関する情報をテレビ画面上にオーバーラップ表示できるため、視聴者の高い認知度を得ることができる。また、視聴者はテレビリモコンを操作するだけで簡単にメッセージの送信要求を行うことができる。
【符号の説明】
【0050】
1 テレビ放送局
2 ネットワーク
10 テレビ受像機
11 テレビリモコン
20 サーバ
21 データベース
30 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて通信可能なテレビ受像機及びサーバを備える情報送信システムであって、
前記テレビ受像機は、
テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージを含むデータ放送をテレビ放送局から受信する受信手段と、
視聴者を特定する視聴者IDの入力を受け取る視聴者ID入力手段と、
視聴者IDを前記サーバへ送信し、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得する携帯端末ID取得手段と、
テレビ受像機IDと前記視聴者IDと前記携帯端末IDとを対応付けてテレビ受像機内の記憶部に記憶する記憶手段と、
視聴者による要求操作に応じて、前記メッセージと、テレビ受像機ID、前記要求操作を行った視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求を前記サーバへ送信する送信要求手段と、を備え、
前記サーバは、
視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信し、当該視聴者IDに対する携帯端末IDを決定してデータベースに記憶する携帯端末ID付与手段と、
テレビ受像機から視聴者IDを受信し、前記データベースを参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDをテレビ受像機に送信する携帯端末ID送信手段と、
テレビ受像機から前記メッセージ送信要求を受信し、当該メッセージ送信要求に含まれるメッセージを、当該メッセージ送信要求に含まれる前記少なくとも1つのIDに対応する携帯端末へ送信するメッセージ送信手段と、を備えることを特徴とする情報送信システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記メッセージ送信手段がメッセージの送信を完了したことを示す完了通知を、メッセージ送信要求を行ったテレビ受像機へ送信する完了通知送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報送信システム。
【請求項3】
前記送信要求手段は、前記テレビ受像機内の記憶部に複数の視聴者についての視聴者ID及び携帯端末IDが記憶されている場合、メッセージを送信すべき視聴者の選択入力を視聴者に要求し、選択された視聴者についてメッセージ送信要求を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報送信システム。
【請求項4】
コンピュータと記憶部とを備え、ネットワークを通じてサーバと通信可能なテレビ受像機によって実行されるプログラムであって、
テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージを含むデータ放送をテレビ放送局から受信する受信手段、
視聴者を特定する視聴者IDの入力を受け取る視聴者ID入力手段、
視聴者IDを前記サーバへ送信し、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDを取得する携帯端末ID取得手段、
テレビ受像機IDと前記視聴者IDと前記携帯端末IDとを対応付けて前記記憶部に記憶する記憶手段、
視聴者による要求操作に応じて、前記メッセージと、テレビ受像機ID、前記要求操作を行った視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求を前記サーバへ送信する送信要求手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
ネットワークを通じてテレビ受像機と通信可能なサーバであって、
視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信し、当該視聴者IDに対する携帯端末IDを決定してデータベースに記憶する携帯端末ID付与手段と、
テレビ受像機から視聴者IDを受信し、前記データベースを参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDをテレビ受像機に送信する携帯端末ID送信手段と、
テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージと、テレビ受像機ID、視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求をテレビ受像機から受信し、当該メッセージ送信要求に含まれるメッセージを、当該メッセージ送信要求に含まれる前記少なくとも1つのIDに対応する携帯端末へ送信するメッセージ送信手段と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項6】
記憶部とコンピュータとを備え、ネットワークを通じてテレビ受像機と通信可能なサーバによって実行されるプログラムであって、
視聴者の携帯端末から視聴者IDを受信し、当該視聴者IDに対する携帯端末IDを決定して前記記憶部に記憶する携帯端末ID付与手段、
テレビ受像機から視聴者IDを受信し、前記記憶部を参照して、当該視聴者IDに対応する携帯端末IDをテレビ受像機に送信する携帯端末ID送信手段、
テレビ番組の関連コンテンツへのアクセス情報を含むメッセージと、テレビ受像機ID、視聴者に対応する視聴者ID及び携帯端末IDのうちの少なくとも1つのIDとを含むメッセージ送信要求をテレビ受像機から受信し、当該メッセージ送信要求に含まれるメッセージを、当該メッセージ送信要求に含まれる前記少なくとも1つのIDに対応する携帯端末へ送信するメッセージ送信手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106219(P2013−106219A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249292(P2011−249292)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(593221901)株式会社テレビ朝日 (1)
【Fターム(参考)】